JP2013200996A - 導電材料の製造方法、並びに、該方法を用いて製造された導電材料及びこれを用いたタッチパネル、タッチパネル機能付き表示装置 - Google Patents

導電材料の製造方法、並びに、該方法を用いて製造された導電材料及びこれを用いたタッチパネル、タッチパネル機能付き表示装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013200996A
JP2013200996A JP2012068118A JP2012068118A JP2013200996A JP 2013200996 A JP2013200996 A JP 2013200996A JP 2012068118 A JP2012068118 A JP 2012068118A JP 2012068118 A JP2012068118 A JP 2012068118A JP 2013200996 A JP2013200996 A JP 2013200996A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
conductive material
conductive film
conductive
metal
pattern
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2012068118A
Other languages
English (en)
Inventor
Yuki Matsunami
由木 松並
Kenji Naoi
憲次 直井
Kazufumi Furukawa
和史 古川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Fujifilm Corp
Original Assignee
Fujifilm Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Fujifilm Corp filed Critical Fujifilm Corp
Priority to JP2012068118A priority Critical patent/JP2013200996A/ja
Publication of JP2013200996A publication Critical patent/JP2013200996A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Landscapes

  • Position Input By Displaying (AREA)
  • Non-Insulated Conductors (AREA)
  • Manufacturing Of Electric Cables (AREA)

Abstract

【課題】パターニング工程時の導電性劣化がなく、導電性品質に優れた金属ナノワイヤー含有導電材料の製造方法並びにその製造方法により得られる導電材料及びタッチパネルを提供することを目的とする。
【解決手段】金属ナノワイヤーを含む導電膜がパターン状に形成された導電材料の製造方法であって、金属ナノワイヤーを含む導電膜のパターニング工程を含み、該パターニング工程が光重合開始剤を含むエッチングマスク材を用いて酸素濃度が5%以下で露光を行う露光工程を含むことを特徴とする導電材料の製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、金属ナノワイヤーを含む導電膜がパターン状に形成された導電材料の製造方法であって、金属ナノワイヤーを含む導電膜のパターニング工程を含み、該パターニング工程が光重合開始剤を含むエッチングマスク材を用いて酸素濃度が5%以下で露光を行う露光工程を含むことを特徴とする導電材料の製造方法及び該製造方法により得られる導電材料に関する。
液晶ディスプレイ・有機EL・タッチパネルなどの表示装置および集積型太陽電池などに用いる電極用の導電材料や電磁波遮蔽材としてITOガラスやITOフィルムが広く利用されているが、インジウム金属の埋蔵量が少ないこと、長波長領域の透過率が低いことに起因する色味、低抵抗化には高温の熱処理が必要であること、屈曲耐性が低いなどの問題がある。
そのため、近年ITO代替材料の1つとして、金属ナノワイヤーを用いた導電材料の開発が進められており(特許文献1)、透明性、低抵抗、使用金属量の低減の面では優れていることからITO代替への期待が高まっている。例えば、特許文献1記載の導電層には、金属ナノワイヤーとセルロース混合塗布液を塗布乾燥した導電層の作製方法が開示されている。しかし、本作製方法では導電層の基材への密着性や膜強度が弱く、空気最表面層へ光硬化樹脂などの保護層を積層しない限り実用的な膜強度にならず、最上層へ保護層を積層すると接触抵抗が大きく、テスターや四端子法などによる導電層の抵抗値が測定しにくいという問題があった。
また、金属ナノワイヤーは散乱が大きいため導電膜にした時のヘイズ値が大きく、パターニングした時の導電部と非導電部の境界が見え易いという問題があり、金属ナノワイヤー直径が小さな導電膜が検討されている(特許文献2)。しかし、金属ナノワイヤー直径を小さくすることにより新たに耐酸化性が悪くなるという問題が発生した。例えば、特許文献1の0182〜0193段落に記載のフォトレジストをエッチングマスク材として用いるパターニングを実施した際に、フォトレジストを塗布した状態で光硬化すると導電膜の抵抗が上昇し、導電性が劣化するという問題を知見した。
特表2010−507199号公報 特開2010−84173号公報
本発明の目的は、金属ナノワイヤーを含む導電膜がパターン状に形成された導電材料の製造方法であって、金属ナノワイヤーを含む導電膜のパターニング工程を含み、該パターニング工程が光重合開始剤を含むエッチングマスク材を用いて酸素濃度が5%以下で露光を行う露光工程を含むことを特徴とする導電材料の製造方法及び該製造方法により得られる導電材料を提供することにある。
上記課題のもと、本願発明者が鋭意検討を行った結果、金属ナノワイヤーを含む導電膜がパターン状に形成された導電材料の製造方法であって、金属ナノワイヤーを含む導電膜のパターニング工程を含み、該パターニング工程が光重合開始剤を含むエッチングマスク材を用いて酸素濃度が5%以下で露光を行う露光工程を含むことを特徴とする導電材料の製造方法を見出した。これにより、パターン後の配線抵抗上昇率が低く、導電性に優れたパターニング品を提供可能であることを見出し、発明を完成させるに至った。具体的には以下の手段により、上記課題は達成された。
〔1〕
金属ナノワイヤーを含む導電膜がパターン状に形成された導電材料の製造方法であって、金属ナノワイヤーを含む導電膜のパターニング工程を含み、該パターニング工程が光重合開始剤を含むエッチングマスク材を用いて酸素濃度が5%以下で露光を行う露光工程を含むことを特徴とする導電材料の製造方法。
〔2〕
露光工程における酸素濃度が2%以下であることを特徴とする〔1〕に記載の導電材料の製造方法。
〔3〕
パターン状に形成された導電膜において、該導電膜の抵抗値がパターニング工程前の抵抗値の2倍未満となることを特徴とする〔1〕〜〔3〕のいずれか一項に記載の導電材料の製造方法。
〔4〕
パターン状に形成された導電膜において、該導電膜の抵抗値がパターニング工程前の抵抗値の2倍以上となる領域の面積が該導電膜全体の面積の50%未満であることを特徴とする〔1〕又は〔2〕に記載の導電材料の製造方法。
〔5〕
パターン状に形成された導電膜における金属ナノワイヤーの断線箇所数が5μm当り1箇所以下であることを特徴とする〔1〕〜〔4〕のいずれか一項に記載の導電材料の製造方法。
〔6〕
パターン状に形成された導電膜の表面粗さが2nm以上であることを特徴とする〔1〕〜〔5〕のいずれか一項に記載の導電材料の製造方法。
〔7〕
パターン状に形成された導電膜が少なくとも金属ナノワイヤーとマトリクス成分を含んでなることを特徴とする〔1〕〜〔6〕のいずれか一項に記載の導電材料の製造方法。
〔8〕
パターン状に形成された導電膜に含まれる金属ナノワイヤーにおいて、エッチングマスク材が付与された面側のマトリクスの平均被覆厚みが100nm以下であることを特徴とする〔7〕に記載の導電材料の製造方法。
〔9〕
露光工程を不活性ガス下で行うことを特徴とする〔1〕〜〔8〕のいずれか一項に記載の導電材料の製造方法。
〔10〕
不活性ガスが窒素ガスであることを特徴とする〔9〕に記載の導電材料の製造方法。
〔11〕
エッチングマスク材に含まれる光重合開始剤の含有量が、エッチングマスク材の不揮発性成分100重量部に対して0.1から10重量部であることを特徴とする〔1〕〜〔10〕のいずれか一項に記載の導電材料の製造方法。
〔12〕
金属ナノワイヤーが少なくとも銀を含むことを特徴とする〔1〕〜〔11〕のいずれか一項に記載の導電材料の製造方法。
〔13〕
金属ナノワイヤーの直径が5〜50nmであることを特徴とする〔1〕〜〔12〕のいずれか一項に記載の導電材料の製造方法。
〔14〕
〔1〕〜〔13〕のいずれか一項に記載の方法で製造された導電材料。
〔15〕
〔1〕〜〔13〕のいずれか一項に記載の方法で製造された導電材料を具備したタッチパネル。
〔16〕
〔1〕〜〔13〕のいずれか一項に記載の方法で製造された導電材料を具備したタッチパネル機能付き表示装置。
光重合系のエッチングマスク材を用いたパターニングを行う際に、酸素濃度を低減することで、導電性を損なうことなく金属ナノワイヤー導電膜のパターニングができると共に、光硬化反応効率が上がるため、タクトタイムの短縮が可能である。また、本発明の課題を逆に利用して、金属ナノワイヤーを分散した導電膜に光重合開始剤を接触、あるいは含有させて光を照射することで、簡単・安価かつ感度に優れた酸化物モニターやモニタリングシールを提供することができる。
本発明の金属ナノワイヤーにおけるエッチングマスク材が付与される面側のマトリクスの被覆厚みを示す概略断面図である。 タッチパネルの一例を示す概略断面図である。 タッチパネルの他の一例を示す概略断面図である。 図3に示すタッチパネルにおける導電体の配置例を示す概略平面図である。 タッチパネルの更に他の一例を示す概略断面図である。 本発明のタッチパネル機能付き表示装置の一例を示す概略図である。 本発明の実施形態に係る導電性部材の概略断面図である。
以下において、本発明の内容について詳細に説明する。尚、本願明細書において「〜」とはその前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む意味で使用される。
また、本明細書において、「導電膜」を「導電層」ともいうことがある。
さらに、本明細書において、「□」は、「sq.」或いは「スクエア」ともいう。
[導電材料の製造方法]
本発明における金属ナノワイヤーを含む導電膜がパターン状に形成された導電材料の製造方法は、金属ナノワイヤーを含む導電膜のパターニング工程を含み、該パターニング工程が光重合開始剤を含むエッチングマスク材を用いて酸素濃度が5%以下で露光を行う露光工程を含むことを特徴とする。
<<パターンニング>>
上記の導電性部材の導電性層は、導電性領域と非導電性領域とからなる所望のパターンを有するようにパターニングされて、本発明に係る導電性パターン部材が製造される。このようなパターニングの方法としては、以下の方法が挙げられる。なお、以下の説明において、パターニングされる前の導電性層を「非パターン化導電性層」ともいう。
導電性層のマトリックスが非感光性のものである場合には、下記の(1)〜(2)の方法によりパターンニングされる。
(1)非パターン化導電性層上にフォトレジスト層を設け、このフォトレジスト層に所望のパターン露光および現像を行って、当該パターン状のレジストを形成したのちに(エッチングマスク材)、銀ナノワイヤーをエッチング可能なエッチング液で処理するウェットプロセスか、または反応性イオンエッチングのようなドライプロセスにより、レジストで保護されていない領域の導電性層中の銀ナノワイヤーをエッチングして断線または消失させるパターニング方法。この方法は、例えば特表2010−507199号公報(特に、段落0212〜0217)に記載されている。
(2)非パターン化導電性層上の所望の領域に、光硬化性樹脂をインクジェット方式やスクリーン印刷方式によりパターン上に設け、この光硬化性樹脂層に所望の露光を行って、当該パターン状のレジスト(エッチングマスク材)を形成したのちに、銀ナノワイヤーをエッチング可能なエッチング液中に浸漬するか、または前記エッチング液をシャワリングして、レジストで保護されていない領域の導電性層中の銀ナノワイヤーを断線または消失させるパターニング方法。
上記(1)又は(2)の方法による場合には、パターニングが終了した後に、導電性層上のレジストは常法により除去することが、透明性に優れる導電性部材が得られるので好ましい。
前記エッチングマスク材を付与する方法には特に制限がなく、例えば塗布法、印刷法、インクジェット法などが挙げられる。
前記塗布法としては、特に制限はなく、例えばロールコート法、バーコート法、ディップコーティング法、スピンコーティング法、キャスティング法、ダイコート法、ブレードコート法、バーコート法、グラビアコート法、カーテンコート法、スプレーコート法、ドクターコート法、などが挙げられる。
前記印刷法としては、例えば凸版(活版)印刷法、孔版(スクリーン)印刷法、平版(オフセット)印刷法、凹版(グラビア)印刷法、などが挙げられる。
なお、前記エッチングマスク材を付与する工程で形成されるレジスト層はポジ型レジスト層でもよく、ネガ型レジスト層でもよい。ポジ型レジスト層の場合には、パターン状の露光領域が可溶化され、未露光領域(未溶解化領域)にパターン状のレジスト層が形成され、ネガ型レジスト層の場合には、露光領域が硬化されたレジスト層となり、溶解液の付与により、未露光部、即ち未硬化部のレジスト層が除去され、パターン状のレジスト層が形成される。
この方法によれば、非導電性領域は、導電性層に含まれる金属ナノワイヤー及びバインダーが何れも除去され、基材若しくは、基材上に形成された中間層が露出することになる。
実施形態(1)に使用されるレジスト層形成用材料には特に制限は無く、ネガ型、ポジ型、ドライフイルムタイプなどのいずれも用いることができる。
レジスト層の形成には、市販のアルカリ可溶性フォトレジストを適宜選択して用いることができ、例えば、富士フイルム製カラーモザイクシリーズ、FILSシリーズ、FIOSシリーズ、FMESシリーズ、FTENSシリーズ、FIESシリーズ、半導体プロセス用各ポジ型、ネガ型フォトレジストシリーズ、富士薬品製フジレジストシリーズ、中でも、FRシリーズ、FPPRシリーズ、FMRシリーズ、FDERシリーズなどを好ましく用いることができ、また、AZエレクトロニックマテリアルズ製フォトレジストシリーズ、中でも、RFPシリーズ、TFPシリーズ、SZPシリーズ、HKTシリーズ、SFP、シリーズ、SRシリーズ、SOPシリーズ、SZCシリーズ、CTPシリーズ、ANRシリーズ、P4000シリーズ、TPM606、40XT、nXTシリーズなどが好ましく挙げられ、JSR社製の各フォトレジストなども、高解像度タイプから、低解像度タイプまで広く用いることが可能である。
ドライフイルムレジストとしては、日立化成工業製、プリント配線板用感光性フイルム、旭化成イーマテリアルズ製感光性ドライフイルムSUNFORTシリーズ、デュポンMRCドライフイルム製FXGシリーズ、FXRシリーズ、FX900シリーズ、JSF100シリーズ、SA100シリーズ、LDIシリーズ、FRAシリーズ、CMシリーズ、富士フイルム製トランサー各シリーズ等が挙げられ、これらを適宜使用することができる。
これらレジスト層形成材料は、導電性パターン部材において形成されるパターンの解像度などに応じて、適宜、選択すればよい。
前記エッチングマスク材を付与する工程において、ドライフィルム型のレジスト層形成材料を用いる場合、予め作製されたドライフィルムレジストの感光性レジスト層を、形成された導電性層の表面に転写すればよい。
(露光工程)
前記露光工程は、光重合開始剤を含むエッチングマスク材を用いて酸素濃度が5%以下で露光を行う工程である。
本発明において、前記露光は酸素濃度が5%以下の雰囲気下にて行われる。酸素濃度は2%以下であることが好ましく、1%以下であることが更に好ましく、0.1%以下であることが最も好ましい。
前記露光を酸素濃度が5%を超える雰囲気下で行うと、エッチングマスク材に含まれる光重合開始剤から生じる副生成物、或いは、オゾン等の酸化物との反応により金属ナノワイヤーが断線され、パターニング後の導電部配線抵抗値が上昇するため好ましくない。酸素濃度が高い雰囲気下における金属ナノワイヤーの断線は、直径の細い金属ナノワイヤーを用いる場合に特に顕著となる傾向がある。
更に、前記露光を酸素濃度が5%を超える雰囲気下で行うと、エッチングマスク材の硬化における反応効率が低下し、タクトタイムが長くなるため好ましくない。
前記露光は、酸素濃度が5%以下の不活性ガス雰囲気下で行うことが好ましい。
使用することができる不活性ガスは、前記UV硬化反応の妨げとならないものであれば特に制限がない。不活性ガスとしては、窒素ガス又はアルゴンガスが好ましく、入手が容易で安価な点から窒素ガスがより好ましい。
また、酸素濃度は露光の時だけでなく、露光工程からエッチング工程、現像(レジスト剥離)工程に渡って低い方が好ましい。
前記露光方法としては、フォトマスクを利用しない面露光(ベタ露光)で行ってもよいし、フォトマスクを利用した面露光で行ってもよいし、レーザービームによる走査露光で行ってもよい。この際、レンズを用いた屈折式露光でも反射鏡を用いた反射式露光でもよく、コンタクト露光、プロキシミティー露光、縮小投影露光、反射投影露光などの露光方式を用いることができる。
これらの露光方式は、必要に応じて適宜選択することができる。例えば、前記付与されたエッチングマスク材が予めパターン状に付与されている場合は、フォトマスクを利用せずベタ露光することも可能である。
上記パターン露光や露光に用いる光源は、フォトレジスト組成物の感光波長域との関連で選定されるが、一般的にはg線、h線、i線、j線等の紫外線が好ましく用いられる。また、青色LEDを用いてもよい。
パターン露光の方法にも特に制限はなく、フォトマスクを利用した面露光で行ってもよいし、レーザービーム等による走査露光で行ってもよい。この際、レンズを用いた屈折式露光でも反射鏡を用いた反射式露光でもよく、コンタクト露光、プロキシミティー露光、縮小投影露光、反射投影露光などの露光方式を用いることができる。また露光時のサンプル膜面温度は低い方が良く、0℃〜80℃の範囲が好ましく、より好ましくは5℃〜70℃が好ましく、更に好ましくは10℃〜50℃が好ましい。露光時の温度が0℃より低いと温度を制御するのが難しく、80℃を超えると金属ナノワイヤーの断線数が増え、抵抗上昇倍率が大きくなってしまう。露光時の温度を制御する方法としては、サンプルを冷却できれば良く、(1)光源からの放熱を抑止する方法、(2)サンプルを空冷する方法、(3)サンプルを水冷する方法などが挙げられる。前記(1)光源からの放熱を抑止する方法としては、例えば光源とサンプルの間にコールドミラーやコールドフィルターを挿入する方法が挙げられ、前記(2)サンプルを空冷する方法としてはファンを用いてサンプル表面に風をあてる方法が挙げられ、前記(3)サンプルを水冷する方法としてはサンプルを水冷式の冷却器に接触させる方法などが挙げられる。前記水冷式の冷却器としてはボックス型や板型、カマボコ型などが挙げられるが、サンプルを均一に冷却する観点からカマボコ型の冷却チャンバーを用いることが好ましい。またサンプルを冷却チャンバーに均一に接触させるために、冷却チャンバー前後にサクションを設けて吸着させるのが好ましい。
(エッチング工程)
前記銀ナノワイヤーを溶解する溶解液(エッチング液という)としては、銀ナノワイヤーに応じて適宜選択することができる。例えば銀ナノワイヤーが銀ナノワイヤーの場合には、所謂写真科学業界において、主にハロゲン化銀カラー感光材料の印画紙の漂白、定着工程に使用される漂白定着液、強酸、酸化剤、過酸化水素などが挙げられる。これらの中でも、は漂白定着液、希硝酸、過酸化水素が特に好ましい。なお、前記銀ナノワイヤーを溶解する溶解液による銀ナノワイヤーの溶解は、溶解液を付与した部分の銀ナノワイヤーを完全に溶解しなくてもよく、導電性が消失していれば一部が残存していてもよい。
前記希硝酸の濃度は、1質量%〜20質量%であることが好ましい。
前記過酸化水素の濃度は、3質量%〜30質量%であることが好ましい。
前記漂白定着液としては、例えば特開平2−207250号公報の第26頁右下欄1行目〜34頁右上欄9行目、及び特開平4−97355号公報の第5頁左上欄17行目〜18頁右下欄20行目に記載の処理素材や処理方法が好ましく適用できる。
漂白定着時間は、180秒間以下が好ましく、120秒間以下1秒間以上がより好ましく、90秒間以下5秒間以上が更に好ましい。また、水洗又は安定化時間は、180秒間以下が好ましく、120秒間以下1秒間以上がより好ましい。
前記漂白定着液としては、写真用漂白定着液であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、富士フイルム株式会社製CP−48S、CP−49E(カラーペーパー用漂白定着剤)、コダック社製エクタカラーRA漂白定着液、大日本印刷株式会社製漂白定着液D−J2P−02−P2、D−30P2R−01、D−22P2R−01などが挙げられる。これらの中でも、CP−48S、CP−49Eが特に好ましい。
(現像工程)
前記現像工程は、溶媒を付与して前記エッチングマスク材を除去する工程である。ポジ型レジストの場合はマスク露光後の現像工程およびエッチング工程後のレジスト剥離現像工程で、ネガ型レジストの場合はエッチング工程後のレジスト剥離現像工程で実施する工程である。
前記現像工程で用いる溶媒としては、アルカリ溶液が好ましい。
前記アルカリ溶液に含まれるアルカリとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えばテトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、2−ヒドロキシエチルトリメチルアンモニウムハイドロオキサイド、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸水素カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウムなどが挙げられる。
前記溶媒としては上記の溶媒の他、市販のフォトレジスト用現像液を使用することができる。
前記アルカリ溶液の付与方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば塗布、浸漬、噴霧などが挙げられる。これらの中でも、浸漬が特に好ましい。
前記アルカリ溶液の浸漬時間は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10秒間〜5分間であることが好ましい。
また、アルカリ溶液の温度は目的に応じて適宜選択することができるが、5℃〜50℃であることが好ましい。
(その他の工程)
本発明における導電材料の製造方法のパターニング工程は、前記露光工程及び現像工程に加えて、必要に応じて更に他の工程を含んでいてもよい。
その他の工程としては、エッチングマスク除去後の水洗、乾燥工程等が挙げられる。
<導電膜>
本発明において、導電膜は、金属ナノワイヤーを少なくとも含むことを特徴とする。
前記導電膜は、金属ナノワイヤーのほか、必要に応じて金属ナノワイヤーを固定するためのマトリクス成分や分散剤、界面活性剤等のその他成分を含有しても良い。更に必要に応じて酸化防止剤、還元剤、紫外線吸収剤、導電性粒子、染料、顔料等のその他の成分を含有してもよい。前記マトリクス成分としては、後述のゾルゲル硬化物の他、金属ナノワイヤーを基材に密着させる機能を有していれば良く、合成高分子、天然高分子や光硬化性樹脂等の有機物でも良い。また導電膜の表面に、更に保護層を設けても良い。
(金属ナノワイヤー)
本発明における前記金属ナノワイヤーとは、例えば、アスペクト比(平均長軸長さ/平均短軸長さ)が30以上である金属微粒子であって、平均短軸長さが5nm〜150nmであって、平均長軸長さが1μm〜100μmのものが好ましい。
前記金属ナノワイヤーの平均短軸長さ(平均直径)は、100nm以下であることが好ましく、50nm以下であることがより好ましい。
前記平均短軸長さを5nm以上とすると、金属ナノワイヤー耐酸化性が向上し、耐久性が高くなる点で好ましい。また、前記平均短軸長さを100nm以下とすると、光散乱による光学特性の悪化が生じる恐れがほとんどない点で好ましい。
本発明の効果は、特に、酸化により断線されやすい細い金属ナノワイヤーで顕著である。短軸長さが大きいワイヤーを用いた場合には、光重合開始剤により金属ナノワイヤーに多少の酸化が生じてもワイヤーが断線されにくい。一方、短軸長さが小さいワイヤーでは、少しの酸化がワイヤーの断線につながり、大きな抵抗値の変化をもたらすものと推測される。
本発明における導電材料の製造方法は、特に金属ナノワイヤーの直径が細くヘイズ値が小さい導電膜に好適に導電膜のパターニングを行うことができる。この観点から、短軸長さが5〜50nmの金属ナノワイヤーを使用することが好ましく、7〜40nmの金属ナノワイヤーを使用することがさらに好ましく、10〜30nmの金属ナノワイヤーを使用することが最も好ましい。
前記金属ナノワイヤーの平均長軸長さ(「平均長さ」と称することがある)としては、1μm〜40μmであることが好ましく、3μm〜35μmがより好ましく、5μm〜30μmが更に好ましい。金属ナノワイヤーの平均長軸長さを上記範囲とすると、金属ナノワイヤー製造時において凝集物が生じる恐れがほとんどなく、金属ナノワイヤー同士の導電ネットワークが組むことが可能となり、充分な導電性が得られる点で好ましい。
ここで、前記金属ナノワイヤーの平均短軸長さ(平均直径)及び平均長軸長さは、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)と光学顕微鏡を用い、TEM像や光学顕微鏡像を観察することにより求めることができる。本発明においては、金属ナノワイヤーの平均短軸長さ(平均直径)及び平均長軸長さは、透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、300個の金属ナノワイヤーを観察し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均軸長さを求めた。なお、前記金属ナノワイヤーの短軸方向断面が円形でない場合の短軸長さは、短軸方向の測定で最も長い箇所の長さを短軸長さとした。また。金属ナノワイヤーが曲がっている場合、それを弧とする円を考慮し、その半径、及び曲率から算出される値を長軸長さとした。
本発明においては、短軸長さ(直径)が5nm以上50nm以下であり、かつ長軸長さが1μm以上100μm以下である金属ナノワイヤーが、全金属ナノワイヤー中に金属量で50質量%以上含まれていることが好ましく、60質量%以上がより好ましく、75質量%以上が更に好ましい。
前記短軸長さ(直径)が5nm以上50nm以下であり、長さが1μm以上100μm以下である金属ナノワイヤーの割合が、50質量%以上含まれることで、十分な導電性が得られるとともに、電荷集中が生じがたく、これに起因する耐久性の低下を抑制しうるため好ましい。
本発明における導電膜に用いられる金属ナノワイヤーの短軸長さ(直径)の変動係数は、40%以下が好ましく、35%以下がより好ましく、30%以下が更に好ましい。
前記変動係数を40%以下とすると、短軸長さ(直径)が細すぎて、耐酸化性の低いワイヤーに起因すると考えられる耐久性の悪化の心配がなく、好ましい。
前記金属ナノワイヤーの短軸長さ(直径)の変動係数は、例えば透過型電子顕微鏡(TEM)像から300個のナノワイヤーの短軸長さ(直径)を計測し、その標準偏差と平均値を計算することにより、求めることができる。
また、本発明における金属ナノワイヤーを含む導電膜がパターン状に形成された導電材料の製造方法としては、パターニング後の導電膜の金属ナノワイヤーの断線箇所数が5μm当り1箇所以下であることが好ましく、10μm当り1箇所以下であることがより好ましく、20μm当り1箇所以下であることが最も好ましい。
パターニング後の導電膜の金属ナノワイヤーの断線箇所数を上記の範囲とすることにより、配線抵抗上昇倍率が抑えられ、導電性の高い配線を形成できる点で好ましい。
前記パターニング後の導電膜の金属ナノワイヤーの断線箇所数は、例えば走査型電子線顕微鏡(SEM)により測定することができる。走査型電子線顕微鏡により撮影した写真のうち任意の金属ナノワイヤー300本を観察し、各金属ナノワイヤーの長さと断線箇所数を測定し、5μm当りの断線箇所数平均値を算出した。
本発明における金属ナノワイヤーを含む導電膜がパターン状に形成された導電材料の製造方法としては、前記パターン状に形成された導電膜において、該導電膜の抵抗値が前記パターニング工程前の抵抗値の2倍未満となることが好ましい。また、前記パターン状に形成された導電膜において、該導電膜の抵抗値が前記パターニング工程前の抵抗値の1.5倍未満となることがより好ましい。
前記パターン状に形成された導電膜において、該導電膜の抵抗値が前記パターニング工程前の抵抗値の2倍以上となる領域の面積が該導電膜全体の面積の50%未満であることがタッチパネルなどのデバイスにした時の信頼性付与の観点から好ましい。前記面積は40%未満となることがより好ましく、30%未満となることが最も好ましい。
パターニング後の導電部配線抵抗値を上記の範囲とすることにより、素手、手袋を嵌めた手、指示具のうち少なくとも一つによる文字等の入力又は画面操作に対し応答性に優れるタッチパネルを製作できる点で好ましい。また、耐久性に優れたタッチパネルを作製できる点でも好ましい。
該導電膜抵抗値の測定は、以下の様にして行った。すなわち、後述のパターニング方法により幅300μm長さ30mmのライン(配線)を100本作製し、各ラインの両端間の抵抗値をテスターにより測定した。なおラインの両端には抵抗値を測定しやすいように数mm程度のパッドを設けておいても良い。
また、パターン状に形成された導電膜における該導電膜の抵抗値が前記パターニング工程前の抵抗値の2倍以上となる領域の面積の算出は、以下の様にして行った。すなわち前記パターニング工程により形成したライン100本を1組とし、同様のパターニング膜を10組作製した後全ラインの抵抗値Rを測定し、パターニング工程後のライン抵抗値R/Rが2倍以上になったライン数を全ライン数(すなわち1,000本)で割った値に100を掛けた値を面積率とした。
前記金属ナノワイヤーの形状としては、例えば円柱状、直方体状、断面が多角形となる柱状など任意の形状をとることができるが、高い透明性が必要とされる用途では、円柱状や断面が5角形以上の多角形であって鋭角的な角が存在しない断面形状であるものが好ましい。
前記金属ナノワイヤーの断面形状は、基材上に金属ナノワイヤー水分散液を塗布し、断面を透過型電子顕微鏡(TEM)で観察することにより検知することができる。
前記金属ナノワイヤーにおける金属としては、特に制限はなく、いかなる金属であってもよく、1種の金属以外にも2種以上の金属を組み合わせて用いてもよく、合金として用いることも可能である。これらの中でも、金属又は金属化合物から形成されるものが好ましく、金属から形成されるものがより好ましい。
前記金属としては、長周期律表(IUPAC1991)の第4周期、第5周期、及び第6周期からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属が好ましく、第2〜14族から選ばれる少なくとも1種の金属がより好ましく、第2族、第8族、第9族、第10族、第11族、第12族、第13族、及び第14族から選ばれる少なくとも1種の金属が更に好ましく、主成分として含むことが特に好ましい。
前記金属としては、具体的には銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム、鉄、ルテニウム、オスミウム、マンガン、モリブデン、タングステン、ニオブ、タンタル、チタン、ビスマス、アンチモン、鉛、又はこれらの合金などが挙げられる。これらの中でも、銅、銀、金、白金、パラジウム、ニッケル、錫、コバルト、ロジウム、イリジウム又はこれらの合金が好ましく、パラジウム、銅、銀、金、白金、錫及びこれらの合金がより好ましく、銀又は銀を少なくとも含有する合金が特に好ましい。
−金属ナノワイヤーの製造方法−
前記金属ナノワイヤーは、特に制限はなく、いかなる方法で作製してもよいが、以下のようにハロゲン化合物と分散剤を溶解した溶媒中で金属イオンを還元することによって製造することが好ましい。また、金属ナノワイヤーを形成した後は、常法により脱塩処理を行うことが、分散性、感光性層の経時安定性の観点から好ましい。
また、金属ナノワイヤーの製造方法としては、特開2009−215594号公報、特開2009−242880号公報、特開2009−299162号公報、特開2010−84173号公報、特開2010−86714号公報などに記載の方法を用いることができる。
金属ナノワイヤーの製造に用いられる溶媒としては、親水性溶媒が好ましく、例えば、水、アルコール類、エーテル類、ケトン類などが挙げられ、これらは1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
アルコール類としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、エチレングリコールなどが挙げられる。
エーテル類としては、例えば、ジオキサン、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
ケトン類としては、例えば、アセトンなどが挙げられる。
加熱する場合、その加熱温度は、250℃以下が好ましく、20℃以上200℃以下がより好ましく、30℃以上180℃以下が更に好ましく、40℃以上170℃以下が特に好ましい。上記温度を20℃以上とすることで、形成される金属ナノワイヤーの長さが分散安定性を確保しうる好ましい範囲となり、且つ、250℃以下とすることで、金属ナノワイヤーの断面外周が鋭角を有しない、なめらかな形状となるため、透明性の観点から好適である。
なお、必要に応じて、粒子形成過程で温度を変更してもよく、途中での温度変更は核形成の制御や再核発生の抑制、選択成長の促進による単分散性向上の効果があることがある。
前記加熱の際には、還元剤を添加して行うことが好ましい。
前記還元剤としては、特に制限はなく、通常使用されるものの中から適宜選択することができ、例えば、水素化ホウ素金属塩、水素化アルミニウム塩、アルカノールアミン、脂肪族アミン、ヘテロ環式アミン、芳香族アミン、アラルキルアミン、アルコール、有機酸類、還元糖類、糖アルコール類、亜硫酸ナトリウム、ヒドラジン化合物、デキストリン、ハイドロキノン、ヒドロキシルアミン、エチレングリコール、グルタチオンなどが挙げられる。これらの中でも、還元糖類、その誘導体としての糖アルコール類、エチレングリコールが特に好ましい。
これらの中でも、還元糖類、その誘導体としての糖アルコール類、エチレングリコールが特に好ましい。
前記還元剤によっては、機能として分散剤や溶媒としても機能する化合物があり、同様に好ましく用いることができる。
前記金属ナノワイヤー製造の際には分散剤と、ハロゲン化合物又はハロゲン化金属微粒子を添加して行うことが好ましい。
分散剤とハロゲン化合物の添加のタイミングは、還元剤の添加前でも添加後でもよく、金属イオンあるいはハロゲン化金属微粒子の添加前でも添加後でもよいが、単分散性のよりよいナノワイヤーを得るためには、核形成と成長を制御できるためか、ハロゲン化合物の添加を2段階以上に分けることが好ましい。
前記分散剤を添加する段階は、粒子調製する前に添加し、分散ポリマー存在下で添加してもよいし、粒子調整後に分散状態の制御のために添加しても構わない。分散剤の添加を2段階以上に分けるときには、その量は必要とする金属ワイヤーの長さにより変更する必要がある。これは核となる金属粒子量の制御による金属ワイヤーの長さに起因しているためと考えられる。
前記分散剤としては、例えばアミノ基含有化合物、チオール基含有化合物、スルフィド基含有化合物、アミノ酸又はその誘導体、ペプチド化合物、多糖類、多糖類由来の天然高分子、合成高分子、又はこれらに由来するゲル等の高分子類、などが挙げられる。これらのうち分散剤として用いられる各種高分子化合物類は、後述する(b)ポリマーに包含される化合物である。
分散剤として好適に用いられるポリマーとしては、例えば保護コロイド性のあるポリマーであるゼラチン、ポリビニルアルコール(P−3)、メチルセルロース、ヒドロキシプルピルセルロース、ポリアルキレンアミン、ポリアクリル酸の部分アルキルエステル、ポリビニルピロリドン、ポリビニルピロリドン構造を含む共重合体、アミノ基やチオール基
を有するポリアクリル酸、等の親水性基を有するポリマーが好ましく挙げられる。
分散剤として用いるポリマーはGPC方により測定した重量平均分子量(Mw)が、3000以上300000以下であることが好ましく、5000以上100000以下であることがより好ましい。
前記分散剤として使用可能な化合物の構造については、例えば「顔料の事典」(伊藤征司郎編、株式会社朝倉書院発行、2000年)の記載を参照できる。
使用する分散剤の種類によって得られる金属ナノワイヤーの形状を変化させることができる。
前記ハロゲン化合物としては、臭素、塩素、ヨウ素を含有する化合物であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、臭化ナトリウム、塩化ナトリウム、ヨウ化ナトリウム、ヨウ化カリウム、臭化カリウム、塩化カリウム、ヨウ化カリウム等のアルカリハライドや下記の分散添加剤と併用できる化合物が好ましい。
前記ハロゲン化合物によっては、分散添加剤として機能するものがありうるが、同様に好ましく用いることができる。
前記ハロゲン化合物の代替としてハロゲン化銀微粒子を使用してもよいし、ハロゲン化合物とハロゲン化銀微粒子を共に使用してもよい。
また、分散剤とハロゲン化合物とは双方の機能を有する単一の物質を用いてもよい。即ち、分散剤としての機能を有するハロゲン化合物を用いることで、1つの化合物で、分散剤とハロゲン化合物の双方の機能を発現する。
分散剤としての機能を有するハロゲン化合物としては、例えば、アミノ基と臭化物イオンを含むHTAB(ヘキサデシル−トリメチルアンモニウムブロミド)、アミノ基と塩化物イオンを含むHTAC(ヘキサデシル−トリメチルアンモニウムクロライド)、アミノ基と臭化物イオン又は塩化物イオンを含むドデシルトリメチルアンモニウムブロミド、ドデシルトリメチルアンモニウムクロリド、ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド、ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド、デシルトリメチルアンモニウムブロミド、デシルトリメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジステアリルアンモニウムブロミド、ジメチルジステアリルアンモニウムクロリド、ジラウリルジメチルアンモニウムブロミド、ジラウリルジメチルアンモニウムクロリド、ジメチルジパルミチルアンモニウムブロミド、ジメチルジパルミチルアンモニウムクロリド、などが挙げられる。
なお、金属ナノワイヤー形成後の脱塩処理は、限外ろ過、透析、ゲルろ過、デカンテーション、遠心分離などの手法により行うことができる。
前記金属ナノワイヤーは、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、ハロゲン化物イオン等の無機イオンをなるべく含まないことが好ましい。前記金属ナノワイヤーを水性分散物させたときの電気伝導度は1mS/cm以下が好ましく、0.1mS/cm以下がより好ましく、0.05mS/cm以下が更に好ましい。
前記金属ナノワイヤーを水性分散物させたときの20℃における粘度は、0.5mPa・s〜100mPa・sが好ましく、1mPa・s〜50mPa・sがより好ましい。
(マトリクス成分)
前記マトリクス成分としては、後述のゾルゲル硬化物(マトリクス成分1)の他、金属ナノワイヤーを基材に密着させる機能を有していれば良く、合成高分子、天然高分子(マトリクス成分2)、光硬化性樹脂(マトリクス成分3)等の有機物でも良い。また導電膜の表面に、更に保護層を設けても良い。
本発明における金属ナノワイヤーを含む導電膜がパターン状に形成された導電材料の製造方法としては、前記パターン状に形成された導電膜に含まれる金属ナノワイヤーにおいて、エッチングマスク材が付与された面側のマトリクスの平均被覆厚みが100nm以下であることが導電膜の抵抗値測定のし易さやエッチングのし易さの観点から好ましい。また、前記平均被覆厚みは75nm以下であることがより好ましく、50nm以下であることが最も好ましい。
ここで、金属ナノワイヤーにおけるエッチングマスク材が付与された面側のマトリクスの被覆厚みとは、図1に示すように、サンプルの断面を観察した時の金属ナノワイヤーから空気界面までの距離dを指す。そして、前記被覆厚みを任意の複数点について測定し、その平均値を算出することにより、前記平均被覆厚みを求めることができる。
具体的には、前記導電材料の平均被覆厚みは下記のとおり求めることができる。前記導電材料の断面の切片をミクロトームを用いて作製し、銅グリッドメッシュの上に載せ、観察試料片とする。この試料片をTEM(透過型電子線顕微鏡)にて観察し、金属ナノワイヤー表面から空気界面までの距離を任意の金属ナノワイヤーについて50点測定し、前記空気界面までの距離の平均値を算出することにより前記平均被覆厚みが求まる。
−マトリクス成分1:ゾルゲル硬化物−
上記の導電膜は、Si、Ti、ZrおよびAlからなる群から選ばれた元素のアルコキシド化合物(以下、「特定アルコキシド化合物」ともいう。)を加水分解及び重縮合し、更に所望により加熱、乾燥して得られるゾルゲル硬化物を含んでで構成されたものであることが、キズおよび磨耗に対して高い耐性を有するものが容易に製造できるという点から好ましい。
ここで、下記一般式(I)で示される結合を含む三次元架橋構造に含まれるMの価数は、一般式(I)中のMがSi、TiおよびZrのいずれかの場合には、4となり、MがAlの場合には、3となる。
−M−O−M− (I)
(一般式(I)中、MはSi、Ti、ZrおよびAlからなる群より選ばれた元素を示す。)
本発明に係る導電膜は、上述の金属ナノワイヤーと共に、前記一般式(I)で示される結合を含む三次元架橋結合を含んでもよい。このような三次元結合は、製造上の利点から、下記の特定アルコキシド化合物を加水分解および重縮合させて得られたものが好ましい。
特定アルコキシド化合物は、下記一般式(II)で示される化合物であることが入手が
容易である点で好ましい。
(OR 4−a (II)
(一般式(II)中、MはSi、TiおよびZrから選択される元素を示し、R
はそれぞれ独立に水素原子または炭化水素基を示し、aは2〜4の整数を示す。)
一般式(II)におけるRおよびRの各炭化水素基としては、好ましくはアルキル基又はアリール基が挙げられる。
アルキル基を示す場合の炭素数は好ましくは1〜18、より好ましくは1〜8であり、さらにより好ましくは1〜4である。また、アリール基を示す場合は、フェニル基が好ましい。
アルキル基又はアリール基は置換基を有していてもよく、導入可能な置換基としては、ハロゲン原子、アミノ基、メルカプト基などが挙げられる。なお、この化合物は低分子化合物であり、分子量1000以下であることが好ましい。
以下に、一般式(II)で示される化合物の具体例を挙げるが、本発明はこれに限定さ
れるものではない。
がSiでaが2の場合、即ち2官能のアルコキシシランとしては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、プロピルメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、γ−クロロプロピルジメチルジメトキシシラン、クロロジメチルジエトキシシラン、(p−クロロメチル)フェニルメチルジメトキシシラン、γ−ブロモプロピルメチルジメトキシシラン、アセトキシメチルメチルジエトキシシラン、アセトキシメチルメチルジメトキシシラン、アセトキシプロピルメチルジメトキシシラン、ベンゾイロキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−(カルボメトキシ)エチルメチルジメトキシシラン、フェニルメチルジメトキシシラン、フェニルエチルジエトキシシラン、フェニルメチルジプロポキシシラン、ヒドロキシメチルメチルジエトキシシラン、N−(メチルジエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタン、N−(3−メチルジエチキシシリルプロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド、N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)グルコンアミド、ビニルメチルジメトキシシラン、ビニルメチルジエトキシシラン、ビニルメチルジブトキシシラン、イソプロペニルメチルジメトキシシラン、イソプロペニルメチルジエトキシシラン、イソプロペニルメチルジブトキシシラン、ビニルメチルビス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルメチルジメトキシシラン、ビニルデシルメチルジメトキシシラン、ビニルオクチルメチルジメトキシシラン、ビニルフェニルメチルジメトキシシラン、イソプロペニルフェニルメチルジメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルメチルジメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルメチルジエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−(メタ)−アクリロキシプロピルメチルジス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−[2−(アリルオキシカルボニル)フェニルカルボニルオキシ]プロピルメチルジメトキシシラン、3−(ビニルフェニルアミノ)プロピルメチルジメトキシシラン、3−(ビニルフェニルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3−(ビニルベンジルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3−(ビニルベンジルアミノ)プロピルメチルジエトキシシラン、3−[2−(N−ビニルフェニルメチルアミノ)エチルアミノ]プロピルメチルジメトキシシラン、3−[2−(N−イソプロペニルフェニルメチルアミノ)エチルアミノ]プロピルメチルジメトキシシラン、2−(ビニルオキシ)エチルメチルジメトキシシラン、3−(ビニルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、4−(ビニルオキシ)ブチルメチルジエトキシシラン、2−(イソプロペニルオキシ)エチルメチルジメトキシシラン、3−(アリルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、10−(アリルオキシカルボニル)デシルメチルジメトキシシラン、3−(イソプロペニルメチルオキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、10−(イソプロペニルメチルオキシカルボニル)デシルメチルジメトキシシラン、3−[(メタ)アクリロキプロピル]メチルジメトキシシラン、3−[(メタ)アクリロキシプロピル]メチルジエトキシシラン、3−[(メタ)アクリロキメチル]メチルジメトキシシラン、3−[(メタ)アクリロキシメチル]メチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、N−[3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル]−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、O−「(メタ)アクリロキシエチル」−N−(メチルジエトキシシリルプロピル)ウレタン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、4−アミノブチルメチルジエトキシシラン、11−アミノウンデシルメチルジエトキシシラン、m−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、p−アミノフェニルメチルジメトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、2−(4−ピリジルエチル)メチルジエトキシシラン、2−(メチルジメトキシシリルエチル)ピリジン、N−(3−メチルジメトキシシリルプロピル)ピロール、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルメチルジエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシルメチルジメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルメチルジメトキシシラン、N−3−[(アミノ(ポリプロピレンオキシ))]アミノプロピルメチルジメトキシシラン、n−ブチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルメチルジメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノメチルメチルジエトキシシラン、(シクロヘキシルアミノメチル)メチルジエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、ジエチルアミノメチルメチルジエトキシシラン、ジエチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、ジメチルアミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−3−メチルジメトキシシリルプロピル−m−フェニレンジアミン、N,N−ビス[3−(メチルジメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、ビス(メチルジエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(メチルジメトキシシリルプロピル)アミン、ビス[(3−メチルジメトキシシリル)プロピル]−エチレンジアミン、ビス[3−(メチルジエトキシシリル)プロピル]ウレア、ビス(メチルジメトキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−メチルジエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、ウレイドプロピルメチルジエトキシシラン、ウレイドプロピルメチルジメトキシシラン、アセトアミドプロピルメチルジメトキシシラン、2−(2−ピリジルエチル)チオプロピルメチルジメトキシシラン、2−(4−ピリジルエチル)チオプロピルメチルジメトキシシラン、ビス[3−(メチルジエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、3−(メチルジエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物、γ−メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、イソシアナトプロピルメチルジメトキシシラン、イソシアナトプロピルメチルジエトキシシラン、イソシアナトエチルメチルジエトキシシラン、イソシアナトメチルメチルジエトキシシラン、カルボキシエチルメチルシランジオールナトリウム塩、N−(メチルジメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン三酢酸三ナトリウム塩、3−(メチルジヒドロキシシリル)−1−プロパンスルホン酸、ジエチルホスフェートエチルメチルジエトキシシラン、3−メチルジヒドロキシシリルプロピルメチルホスホネートナトリウム塩、ビス(メチルジエトキシシリル)エタン、ビス(メチルジメトキシシリル)エタン、ビス(メチルジエトキシシリル)メタン、1,6−ビス(メチルジエトキシシリル)ヘキサン、1,8−ビス(メチルジエトキシシリル)オクタン、p−ビス(メチルジメトキシシリルエチル)ベンゼン、p−ビス(メチルジメトキシシリルメチル)ベンゼン、3−メトキシプロピルメチルジメトキシシラン、2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]メチルジメトキシシラン、メトキシトリエチレンオキシプロピルメチルジメトキシシラン、トリス(3−メチルジメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、[ヒドロキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]メチルジエトキシシラン、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)−N,N'−ビス(メチルジメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、ビス−[3−(メチルジエトキシシリルプロピル)−2−ヒドロキシプロポキシ]ポリエチレンオキシド、ビス[N,N'−(メチルジエトキシシリルプロピル)アミノカルボニル]ポリエチレンオキシド、ビス(メチルジエトキシシリルプロピル)ポリエチレンオキシドを挙げることができる。これらのうち特に好ましいものとしては、入手容易な観点と親水性層との密着性の観点から、ジメチルジメトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン等を挙げることができる。
がSiでaが3の場合、即ち3官能のアルコキシシランとしては、例えば、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリエトキシシラン、γ−クロロプロピルトリメトキシシラン、クロロメチルトリエトキシシラン、(p−クロロメチル)フェニルトリメトキシシラン、γ−ブロモプロピルトリメトキシシラン、アセトキシメチルトリエトキシシラン、アセトキシメチルトリメトキシシラン、アセトキシプロピルトリメトキシシラン、ベンゾイロキシプロピルトリメトキシシラン、2−(カルボメトキシ)エチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリプロポキシシラン、ヒドロキシメチルトリエトキシシラン、N−(トリエトキシシリルプロピル)−O−ポリエチレンオキシドウレタン、N−(3−トリエチキシシリルプロピル)−4−ヒドロキシブチルアミド、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)グルコンアミド、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリブトキシシラン、イソプロペニルトリメトキシシラン、イソプロペニルトリエトキシシラン、イソプロペニルトリブトキシシラン、ビニルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、アリルトリメトキシシラン、ビニルデシルトリメトキシシラン、ビニルオクチルトリメトキシシラン、ビニルフェニルトリメトキシシラン、イソプロペニルフェニルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリメトキシシラン、2−(メタ)アクリロキシエチルトリエトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)−アクリロキシプロピルトリス(2−メトキシエトキシ)シラン、3−[2−(アリルオキシカルボニル)フェニルカルボニルオキシ]プロピルトリメトキシシラン、3−(ビニルフェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン、3−(ビニルフェニルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(ビニルベンジルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−(ビニルベンジルアミノ)プロピルトリエトキシシラン、3−[2−(N−ビニルフェニルメチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、3−[2−(N−イソプロペニルフェニルメチルアミノ)エチルアミノ]プロピルトリメトキシシラン、2−(ビニルオキシ)エチルトリメトキシシラン、3−(ビニルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、4−(ビニルオキシ)ブチルトリエトキシシラン、2−(イソプロペニルオキシ)エチルトリメトキシシラン、3−(アリルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、10−(アリルオキシカルボニル)デシルトリメトキシシラン、3−(イソプロペニルメチルオキシ)プロピルトリメトキシシラン、10−(イソプロペニルメチルオキシカルボニル)デシルトリメトキシシラン、3−[(メタ)アクリロキプロピル]トリメトキシシラン、3−[(メタ)アクリロキシプロピル]トリエトキシシラン、3−[(メタ)アクリロキメチル]トリメトキシシラン、3−[(メタ)アクリロキシメチル]トリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、N−[3−(メタ)アクリロキシ−2−ヒドロキシプロピル]−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、O−「(メタ)アクリロキシエチル」−N−(トリエトキシシリルプロピル)ウレタン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、4−アミノブチルトリエトキシシラン、11−アミノウンデシルトリエトキシシラン、m−アミノフェニルトリメトキシシラン、p−アミノフェニルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリス(メトキシエトキシエトキシ)シラン、2−(4−ピリジルエチル)トリエトキシシラン、2−(トリメトキシシリルエチル)ピリジン、N−(3−トリメトキシシリルプロピル)ピロール、3−(m−アミノフェノキシ)プロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノメチルトリエトキシシラン、N−(6−アミノヘキシル)アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−11−アミノウンデシルトリメトキシシラン、(アミノエチルアミノメチル)フェネチルトリメトキシシラン、N−3−[(アミノ(ポリプロピレンオキシ))]アミノプロピルトリメトキシシラン、n−ブチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−エチルアミノイソブチルトリメトキシシラン、N−メチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノメチルトリエトキシシラン、(シクロヘキシルアミノメチル)トリエトキシシラン、N−シクロヘキシルアミノプロピルトリメトキシシラン、ビス(2−ヒドロキシエチル)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、ジエチルアミノメチルトリエトキシシラン、ジエチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、N−3−トリメトキシシリルプロピル−m−フェニレンジアミン、N,N−ビス[3−(トリメトキシシリル)プロピル]エチレンジアミン、ビス(トリエトキシシリルプロピル)アミン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アミン、ビス[(3−トリメトキシシリル)プロピル]−エチレンジアミン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ウレア、ビス(トリメトキシシリルプロピル)ウレア、N−(3−トリエトキシシリルプロピル)−4,5−ジヒドロイミダゾール、ウレイドプロピルトリエトキシシラン、ウレイドプロピルトリメトキシシラン、アセトアミドプロピルトリメトキシシラン、2−(2−ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、2−(4−ピリジルエチル)チオプロピルトリメトキシシラン、ビス[3−(トリエトキシシリル)プロピル]ジスルフィド、3−(トリエトキシシリル)プロピルコハク酸無水物、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、イソシアナトプロピルトリメトキシシラン、イソシアナトプロピルトリエトキシシラン、イソシアナトエチルトリエトキシシラン、イソシアナトメチルトリエトキシシラン、カルボキシエチルシラントリオールナトリウム塩、N−(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン三酢酸三ナトリウム塩、3−(トリヒドロキシシリル)−1−プロパンスルホン酸、ジエチルホスフェートエチルトリエトキシシラン、3−トリヒドロキシシリルプロピルメチルホスホネートナトリウム塩、ビス(トリエトキシシリル)エタン、ビス(トリメトキシシリル)エタン、ビス(トリエトキシシリル)メタン、1,6−ビス(トリエトキシシリル)ヘキサン、1,8−ビス(トリエトキシシリル)オクタン、p−ビス(トリメトキシシリルエチル)ベンゼン、p−ビス(トリメトキシシリルメチル)ベンゼン、3−メトキシプロピルトリメトキシシラン、2−[メトキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリメトキシシラン、メトキシトリエチレンオキシプロピルトリメトキシシラン、トリス(3−トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレート、[ヒドロキシ(ポリエチレンオキシ)プロピル]トリエトキシシラン、N,N'−ビス(ヒドロキシエチル)−N,N'−ビス(トリメトキシシリルプロピル)エチレンジアミン、ビス−[3−(トリエトキシシリルプロピル)−2−ヒドロキシプロポキシ]ポリエチレンオキシド、ビス[N,N'−(トリエトキシシリルプロピル)アミノカルボニル]ポリエチレンオキシド、ビス(トリエトキシシリルプロピル)ポリエチレンオキシドを挙げることができる。これらのうち特に好ましいものとしては、入手容易な観点と親水性層との密着性の観点から、メチルトリメトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリエトキシシラン等を挙げることができる。
がSiでaが4である場合、即ち4官能のアルコキシドシランとしては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシラン、メトキシトリエトキシシラン、エトキシトリメトキシシラン、メトキシトリプロポキシシラン、エトキシトリプロポキシシラン、プロポキシトリメトキシシラン、プロポキシトリエトキシシラン、ジメトキシジエトキシシラン等を挙げることができる。これらのうち特に好ましいものとしては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン等を挙げることができる。
がTiでaが2の場合、即ち2官能のアルコキシチタネートとしては、例えば、ジメチルジメトキシチタネート、ジエチルジメトキシチタネート、プロピルメチルジメトキシチタネート、ジメチルジエトキシチタネート、ジエチルジエトキシチタネート、ジプロピルジエトキシチタネート、フェニルエチルジエトキシチタネート、フェニルメチルジプロポキシチタネート、ジメチルジプロポキシチタネート等を挙げることができる。
がTiでaが3の場合、即ち3官能のアルコキシチタネートとしては、例えば、メチルトリメトキシチタネート、エチルトリメトキシチタネート、プロピルトリメトキシチタネート、メチルトリエトキシチタネート、エチルトリエトキシチタネート、プロピルトリエトキシチタネート、クロロメチルトリエトキシチタネート、フェニルトリメトキシチタネート、フェニルトリエトキシチタネート、フェニルトリプロポキシチタネート等を挙げることができる。
がTiでaが4の場合、即ち4官能のアルコキシチタネートとしては、例えば、テトラメトキシチタネート、テトラエトキシチタネート、テトラプロポキシチタネート、テトライソプロポキシチタネート、テトラブトキシチタネート等を挙げることができる。
がZrである場合、即ち、ジルコニウムを含むものとしては、例えば、前記チタンを含むものとして例示した化合物に対応するジルコネートを挙げることができる。
また、一般式(II)には含まれない化合物である、Alのアルコキシド化合物として
は、例えば、トリメトキシアルミネート、トリエトキシアルミネート、トリプロポキシア
ルミネート、テトラエトキシアルミネート等を挙げることができる。
特定アルコキシドは市販品として容易に入手できるし、公知の合成方法、たとえば各金
属塩化物とアルコールとの反応によっても得られる。
特定アルコキシドは、一種類の化合物を単独で用いても、二種類以上の化合物を組み合
わせて使用してもよい。
前記化合物(II)/金属ナノワイヤーの含有比が、質量比で、0.5/1〜25/1の範囲、より好ましくは1/1〜15/1の範囲、最も好ましくは2/1〜8/1の範囲にあることが、導電性が高く、ヘイズが少なく、かつ膜強度の高い導電膜が得られるという利点が得られるので好ましい。
導電膜は、金属ナノワイヤーと特定アルコキシド化合物を含む水溶液を塗布液(以下、「ゾルゲル塗布液」ともいう。)として、基板等に塗布して塗布液膜を形成し、この塗布液膜中で特定アルコキシド化合物の加水分解と重縮合の反応(以下、この加水分解と重縮合の反応を「ゾルゲル反応」ともいう。)を起こさせ、更に必要に応じて溶媒としての水を加熱して蒸発させて乾燥することにより、形成される。ゾルゲル塗布液の調製に際しては、金属ナノワイヤーの水分散液を別に調製しておき、これと特定アルコキシド化合物とを混合してもよい。更に、特定アルコキシド化合物を含む水溶液を調製したのち、この水溶液を加熱して特定アルコキシド化合物の少なくとも一部を加水分解および重縮合させてゾル状態とし、このゾル状態にある水溶液と金属ナノワイヤーの水分散液とを混合したものをゾルゲル塗布液としてもよい。
ゾルゲル反応を促進させるために、酸性触媒または塩基性触媒を併用することが反応効率を高められるので、実用上好ましい。以下、この触媒について、説明する。
−触媒−
触媒としては、アルコキシド化合物の加水分解および重縮合の反応を促進させるものであれば使用することができる。
このような触媒としては、酸、あるいは塩基性化合物が含まれ、そのまま用いるか、又は、水またはアルコールなどの溶媒に溶解させた状態のもの(以下、これらを包括してそれぞれ酸性触媒、塩基性触媒とも称する)で使用される。
酸、あるいは塩基性化合物を溶媒に溶解させる際の濃度については特に限定はなく、用いる酸、或いは塩基性化合物の特性、触媒の所望の含有量などに応じて適宜選択すればよい。ここで、触媒を構成する酸或いは塩基性化合物の濃度が高い場合は、加水分解、重縮合速度が速くなる傾向がある。但し、濃度の高過ぎる塩基性触媒を用いると、沈殿物が生成して導電性層に欠陥となって現れる場合があるので、塩基性触媒を用いる場合、その濃度は水溶液での濃度換算で1N以下であることが望ましい。
酸性触媒あるいは塩基性触媒の種類は特に限定されないが、濃度の濃い触媒を用いる必要がある場合には、導電膜中にほとんど残留しないような元素から構成される触媒がよい。具体的には、酸性触媒としては、塩酸などのハロゲン化水素、硝酸、硫酸、亜硫酸、硫化水素、過塩素酸、過酸化水素、炭酸、蟻酸や酢酸などのカルボン酸、そのRCOOHで示される構造式のRを他元素または置換基によって置換した置換カルボン酸、ベンゼンスルホン酸などのスルホン酸などが挙げられ、塩基性触媒としては、アンモニア水などのアンモニア性塩基、エチルアミンやアニリンなどのアミン類などが挙げられる。
金属錯体からなるルイス酸触媒もまた好ましく使用できる。特に好ましい触媒は、金属錯体触媒であり、周期律表の2A,3B,4A及び5A族から選ばれる金属元素とβ−ジケトン、ケトエステル、ヒドロキシカルボン酸又はそのエステル、アミノアルコール、エノール性活性水素化合物の中から選ばれるオキソ又はヒドロキシ酸素含有化合物から構成される金属錯体である。
構成金属元素の中では、Mg,Ca,Sr,Baなどの2A族元素、Al,Gaなどの3B族元素,Ti,Zrなどの4A族元素及びV,Nb及びTaなどの5A族元素が好ましく、それぞれ触媒効果の優れた錯体を形成する。その中でもZr、Al及びTiから得られる錯体が優れており、好ましい。
上記金属錯体の配位子を構成するオキソ又はヒドロキシ酸素含有化合物は、本発明においては、アセチルアセトン(2,4−ペンタンジオン)、2,4−ヘプタンジオンなどのβジケトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸ブチルなどのケトエステル類、乳酸、乳酸メチル、サリチル酸、サリチル酸エチル、サリチル酸フェニル、リンゴ酸,酒石酸、酒石酸メチルなどのヒドロキシカルボン酸及びそのエステル、4−ヒドロキシー4−メチル−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−2−ペンタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−2−ヘプタノンなどのケトアルコール類、モノエタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N−メチル−モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアミノアルコール類、メチロールメラミン、メチロール尿素、メチロールアクリルアミド、マロン酸ジエチルエステルなどのエノール性活性化合物、アセチルアセトン(2,4−ペンタンジオン)のメチル基、メチレン基またはカルボニル炭素に置換基を有する化合物が挙げられる。
好ましい配位子はアセチルアセトン誘導体であり、アセチルアセトン誘導体は、本発明においては、アセチルアセトンのメチル基、メチレン基またはカルボニル炭素に置換基を有する化合物を指す。アセチルアセトンのメチル基に置換する置換基としては、いずれも炭素数が1〜3の直鎖又は分岐のアルキル基、アシル基、ヒドロキシアルキル基、カルボキシアルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基であり、アセチルアセトンのメチレン基に置換する置換基としてはカルボキシル基、いずれも炭素数が1〜3の直鎖又は分岐のカルボキシアルキル基及びヒドロキシアルキル基であり、アセチルアセトンのカルボニル炭素に置換する置換基としては炭素数が1〜3のアルキル基であってこの場合はカルボニル酸素には水素原子が付加して水酸基となる。
好ましいアセチルアセトン誘導体の具体例としては、エチルカルボニルアセトン、n−プロピルカルボニルアセトン、i−プロピルカルボニルアセトン、ジアセチルアセトン、1―アセチル−1−プロピオニル−アセチルアセトン、ヒドロキシエチルカルボニルアセトン、ヒドロキシプロピルカルボニルアセトン、アセト酢酸、アセトプロピオン酸、ジアセト酢酸、3,3−ジアセトプロピオン酸、4,4−ジアセト酪酸、カルボキシエチルカルボニルアセトン、カルボキシプロピルカルボニルアセトン、ジアセトンアルコールが挙げられる。中でも、アセチルアセトン及びジアセチルアセトンがとくに好ましい。上記のアセチルアセトン誘導体と上記金属元素の錯体は、金属元素1個当たりにアセチルアセトン誘導体が1〜4分子配位する単核錯体であり、金属元素の配位可能の手がアセチルアセトン誘導体の配位可能結合手の数の総和よりも多い場合には、水分子、ハロゲンイオン、ニトロ基、アンモニオ基など通常の錯体に汎用される配位子が配位してもよい。
好ましい金属錯体の例としては、トリス(アセチルアセトナト)アルミニウム錯塩、ジ(アセチルアセトナト)アルミニウム・アコ錯塩、モノ(アセチルアセトナト)アルミニウム・クロロ錯塩、ジ(ジアセチルアセトナト)アルミニウム錯塩、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、環状アルミニウムオキサイドイソプロピレート、トリス(アセチルアセトナト)バリウム錯塩、ジ(アセチルアセトナト)チタニウム錯塩、トリス(アセチルアセトナト)チタニウム錯塩、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナト)チタニウム錯塩、ジルコニウムトリス(エチルアセトアセテート)、ジルコニウムトリス(安息香酸)錯塩、等が挙げられる。これらは水系塗布液での安定性及び、加熱乾燥時のゾルゲル反応でのゲル化促進効果に優れているが、中でも、特にエチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、ジ(アセチルアセトナト)チタニウム錯塩、ジルコニウムトリス(エチルアセトアセテート)が好ましい。
上記した金属錯体の対塩の記載を本明細書においては省略しているが、対塩の種類は、錯体化合物としての電荷の中性を保つ水溶性塩である限り任意であり、例えば硝酸塩、ハロゲン酸塩、硫酸塩、燐酸塩などの化学量論的中性が確保される塩の形が用いられる。金属錯体のシリカゾルゲル反応での挙動については、J.Sol−Gel.Sci.and Tec.16.209(1999)に詳細な記載がある。反応メカニズムとしては以下のスキームを推定している。すなわち、塗布液中では、金属錯体は、配位構造を取って安定であり、塗布後の加熱乾燥過程に始まる脱水縮合反応では、酸触媒に似た機構で架橋を促進させるものと考えられる。いずれにしても、この金属錯体を用いたことにより塗布液の経時安定性、並びに導電性層の皮膜面質および高耐久性に優れるものを得られる。
上記の金属錯体触媒は、市販品として容易に入手でき、また公知の合成方法、例えば各金属塩化物とアルコールとの反応によっても得られる。
本発明に係る触媒は、前記ゾルゲル塗布液中に、その不揮発性成分に対して、好ましくは0〜50質量%、更に好ましくは5〜25質量%の範囲で使用される。触媒は、単独で用いても二種以上を組み合わせて使用してもよい。
−マトリクス成分2:高分子−
前記高分子としては、ポリエステル、ポリイミド、ポリアクリル、ポリビニロン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリ塩化ビニル、メタクリル酸樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、シリコーン樹脂、合成ゴムやこれらのラテックス等がある。その他、天然高分子であるセルロース系樹脂や天然ゴムを用いても良い。また前記光硬化性樹脂としてはラジカル重合系やカチオン重合系の樹脂があり、光硬化性モノマーあるいは光硬化性オリゴマーの他に少なくとも光重合開始剤を含んでなり、目的に応じて重合禁止剤や増感剤を含んでいても良い。
−マトリクス成分3:光硬化性樹脂−
前記バインダーとしては、有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。
これらの中でも、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものが好ましく、また、酸解離性基を有し、酸の作用により酸解離性基が解離した時にアルカリ可溶となるものが特に好ましい。
ここで、前記酸解離性基とは、酸の存在下で解離することが可能な官能基を表す。
−溶剤−
上記のゾルゲル塗布液には、基板上に均一な塗布液膜の形成性を確保するために、所望により、有機溶剤を含有させてもよい。
このような有機溶剤としては、例えば、アセトン、メチルエチルケトン、ジエチルケトン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、2−プロパノール、1−プロパノール、1−ブタノール、tert−ブタノール等のアルコール系溶剤、クロロホルム、塩化メチレン等の塩素系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル、酢酸イソプロピルなどのエステル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶剤、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等のグリコールエーテル系溶剤、などが挙げられる。
この場合、VOC(揮発性有機溶剤)の関連から問題が起こらない範囲での添加が有効であり、ゾルゲル塗布液の総質量に対して50質量%以下の範囲が好ましく、更に30質量%以下の範囲がより好ましい。
基板上に形成されたゾルゲル塗布液の塗布液膜中においては、特定アルコキシド化合物の加水分解及び縮合の反応が起こるが、その反応を促進させるために、上記塗布液膜を加熱、乾燥することが好ましい。ゾルゲル反応を促進させるための加熱温度は、30℃〜200℃の範囲が適しており、50℃〜180℃の範囲がより好ましい。加熱、乾燥時間は10秒間〜300分間が好ましく、1分間〜120分間がより好ましい。
(分散剤)
前記分散剤は、前記金属ナノワイヤーの凝集を防ぎ、分散させるために用いる。前記分散剤としては、前記金属ナノワイヤーを分散させることができれば特に制限はなく、目的に応じて適否選択することができ、例えば、市販の低分子顔料分散剤、高分子顔料分散剤を利用でき、特に高分子分散剤で金属ナノワイヤーに吸着する性質を持つものが好ましく用いられ、例えばポリビニルピロリドン、BYKシリーズ(ビックケミー社製)、ソルスパースシリーズ(日本ルーブリゾール社製など)、アジスパーシリーズ(味の素株式会社製)などが挙げられる。
前記分散剤の含有量としては、前記バインダー100質量部に対し、0.01質量部〜50質量部が好ましく、0.1質量部〜40質量部がより好ましく、0.2質量部〜30質量部が特に好ましい。
前記含有量が、0.01質量部未満であると、分散液中で金属ナノワイヤーが凝集してしまうことがあり、50質量部を超えると、塗布工程において安定な液膜が形成できず、塗布ムラが発生することがある。
(その他の成分)
本発明の導電膜は、上記成分のほか、その他の成分を含有することができる。その他の成分としては、例えば、後述するバインダー等が挙げられる。
本発明の導電膜の厚さは、0.005μm〜2μmが好ましく、0.01μm〜1μmがさらに好ましく、0.02μm〜0.5μmがさらにより好ましい。膜厚を0.005μm以上2μm以下とすることで、導電性と透明性を兼ね備えた導電膜が得られる。
<エッチングマスク材>
本発明の導電材料の製造方法は、パターニング工程において、光重合開始剤を含むエッチングマスク材を用いて酸素濃度が5%以下で露光を行う露光工程を含む。
前記エッチングマスク材は、光重合開始剤を少なくとも含み、更に必要に応じてバインダー等のその他の成分を含有してもよい。
前記感光層の厚みは、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.1μm〜100μmであることが好ましく、1μm〜10μmであることがより好ましい。
(光重合開始剤)
前記光重合開始剤としては、光ラジカル重合の光開始剤として公知の化合物及びそれらの混合物を適宜に選択して使用することができる。前記光重合開始剤の種類に特に制限はないが、例えば、アルキルフェノン系化合物、オキシム系化合物などを使用することができる。また、光重合開始剤は、単独で用いても二種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記アルキルフェノン系化合物及びオキシム系化合物としては、例えば、ベンジルジメチルケタール化合物、α-ヒドロキシアルキルフェノン化合物及びα-アミノアルキルフェノン化合物、並びに、オキシムエステル化合物を用いることができる。
これらの化合物の具体例を以下に示す。
ベンジルジメチルケタール化合物としては、例えば、下記に示す化合物が挙げられる。
α-ヒドロキシアルキルフェノン化合物としては、例えば、下記に示す化合物が挙げられる。
α-アミノアルキルフェノン化合物としては、例えば、下記に示す化合物が挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、例えば、下記に示す化合物が挙げられる。
前記光重合開始剤は、エッチングマスク材の不揮発性成分100重量部に対して、好ましくは0.1〜10重量部、更に好ましくは0.2〜7.5重量部、最も好ましくは0.3〜5重量部の範囲で使用される。光重合開始剤量が0.1部以上の場合はエッチングマスク材の硬化不良が発生する恐れがない。また、光重合開始剤量が10部以内の場合は重合成分が適量存在するため、重合架橋反応が不十分となる恐れがなく、マスク材としての機能を適切に発揮することができる。
(バインダー)
前記バインダーとしては、有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基(例えばカルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基など)を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。
これらの中でも、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものが好ましく、また、酸解離性基を有し、酸の作用により酸解離性基が解離した時にアルカリ可溶となるものが特に好ましい。
ここで、前記酸解離性基とは、酸の存在下で解離することが可能な官能基を表す。
前記バインダーの製造には、例えば公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。前記ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めることができる。
前記有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマー(酸性基を有する感光性樹脂)が好ましい。
前記側鎖にカルボン酸を有するポリマーとしては、例えば特開昭59−44615号、特公昭54−34327号、特公昭58−12577号、特公昭54−25957号、特開昭59−53836号、特開昭59−71048号の各公報に記載されているような、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの等であり、更に側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体も好ましいものとして挙げられる。
これらの中でも、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他のモノマーからなる多元共重合体が特に好ましい。
更に、側鎖に(メタ)アクリロイル基を有する高分子重合体や(メタ)アクリル酸/グリシジル(メタ)アクリレート/他のモノマーからなる多元共重合体も有用なものとして挙げられる。該ポリマーは任意の量で混合して用いることができる。
前記以外にも、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクレート/メタクリル酸共重合体、などが挙げられる。
前記アルカリ可溶性樹脂における具体的な構成単位としては、(メタ)アクリル酸と、該(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体とが好適である。
前記(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、例えばアルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。これらは、アルキル基及びアリール基の水素原子は、置換基で置換されていてもよい。
前記アルキル(メタ)アクリレート又はアリール(メタ)アクリレートとしては、例えばメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記ビニル化合物としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー、CH=CR、CH=C(R)(COOR)〔ただし、Rは水素原子又は炭素数1〜5のアルキル基を表し、Rは炭素数6〜10の芳香族炭化水素環を表し、Rは炭素数1〜8のアルキル基又は炭素数6〜12のアラルキル基を表す。〕、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記バインダーの重量平均分子量は、アルカリ溶解速度、膜物性等の点から、1,000〜500,000が好ましく、3,000〜300,000がより好ましく、5,000〜200,000が更に好ましい。
ここで、前記重量平均分子量は、ゲルパーミエイションクロマトグラフィー法により測定し、標準ポリスチレン検量線を用いて求めることができる。
前記バインダーの含有量は、前記エッチングマスク材の不揮発性成分に対して、25部〜80部であることが好ましく、30部〜75部がより好ましい。
バインダー量が25部より少ないとエッチングマスク材の膜強度が不十分になり、80部より多いと重合架橋反応が不十分でマスク材として機能しなくなる。
(その他の成分)
前記その他の成分としては、例えば架橋剤、分散剤、溶媒、界面活性剤、酸化防止剤、硫化防止剤、金属腐食防止剤、粘度調整剤、防腐剤等の各種の添加剤などが挙げられる。
−架橋剤−
前記架橋剤は、フリーラジカル又は酸及び熱により化学結合を形成し、エッチングマスク材を硬化させる化合物であり、例えばメチロール基、アルコキシメチル基、アシロキシメチル基から選ばれる少なくとも1つの基で置換されたメラミン系化合物、グアナミン系化合物、グリコールウリル系化合物、ウレア系化合物、フェノール系化合物もしくはフェノールのエーテル化合物、エポキシ系化合物、オキセタン系化合物、チオエポキシ系化合物、イソシアネート系化合物、又はアジド系化合物;メタクリロイル基又はアクリロイル基などを含むエチレン性不飽和基を有する化合物、などが挙げられる。これらの中でも、膜物性、耐熱性、溶剤耐性の点でエポキシ系化合物、オキセタン系化合物、エチレン性不飽和基を有する化合物が特に好ましい。
また、前記オキセタン樹脂は、1種単独で又はエポキシ樹脂と混合して使用することができる。特にエポキシ樹脂との併用で用いた場合には反応性が高く、膜物性を向上させる観点から好ましい。
前記架橋剤の含有量は、前記バインダー総量100質量部に対して、1質量部〜250質量部が好ましく、3質量部〜200質量部がより好ましい。
−溶媒−
前記溶媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、
プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルア
セテート、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、乳酸エ
チル、3−メトキシブタノール、水、1−メトキシ−2−プロパノール、イソプロピルア
セテート、乳酸メチル、N−メチルピロリドン(NMP)、γ−ブチロラクトン(GBL
)、プロピレンカーボネート、などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよい
し、2種以上を併用してもよい。
(基材等)
本発明の導電膜が付与される基材等は、導電膜を担うことができるものである限り、目的に応じて種々のもの使用することができる。一般的には、板状またはシート状の基材が使用される。
基材は、透明であっても、不透明であってもよい。基材を構成する素材としては、例えば、白板ガラス、青板ガラス、シリカコート青板ガラス等の透明ガラス;ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、アクリル樹脂、塩化ビニル樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミド、トリアセチルセルロース等の合成樹脂;アルミニウム、銅、ニッケル、ステンレス等の金属;その他セラミック、半導体基板に使用されるシリコンウエハーなどを挙げることができる。これらの基材の導電性層が形成される表面は、所望により、アルカリ性水溶液による清浄化処理、シランカップリング剤などの薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着などの前処理を行うことができる。
基材の厚さは、用途に応じて所望の範囲のものが使用される。一般的には、1μm〜1,000μmの範囲から選択され、5μm〜500μmがより好ましく、10μm〜300μmが更に好ましい。
導電性部材に透明性が要求される場合には、基材の全可視光透過率が70%以上のもの、より好ましくは85%以上のもの、更に好ましくは、90%以上のものから選ばれる。
[導電材料]
本発明は、前記金属ナノワイヤーを含む導電膜がパターン状に形成された導電材料の製造方法により製造された導電材料に関する。前記導電材料に使用される成分及び形状・特性等は、前記製造方法に規定された範囲と同様であり、好ましい範囲もまた同様である。
[タッチパネル]
本発明は、前記導電材料を具備したタッチパネルに関する。前記タッチパネルは、本発明の前記導電材料(透明導電体)を有する限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、表面型静電容量方式タッチパネル、投射型静電容量方式タッチパネル、抵抗膜式タッチパネルなどが挙げられる。なお、タッチパネルとは、いわゆるタッチセンサ及びタッチパッドを含むものとする。
前記タッチパネルにおけるタッチパネルセンサー電極部の層構成が、2枚の透明電極を貼合する貼合方式、1枚の基材の両面に透明電極を具備する方式、片面ジャンパーあるいはスルーホール方式あるいは片面積層方式のいずれかであることが好ましい。
ここで、前記表面型静電容量方式タッチパネルの一例について、図2を参照して説明する。この図2において、タッチパネル10は、透明基板11の表面を一様に覆うように透明導電体12を配してなり(本発明の前記導電材料に相当)、透明基板11の端部の透明導電体12上に、図示しない外部検知回路との電気接続のための電極端子18が形成されている。
なお、図2中、13は、シールド電極となる透明導電体を示し、14、17は、保護膜を示し、15は、中間保護膜を示し、16は、グレア防止膜を示す。
透明導電体12上の任意の点を指でタッチ等すると、前記透明導電体12は、タッチされた点で人体を介して接地され、各電極端子18と接地ラインとの間の抵抗値に変化が生じる。この抵抗値の変化を前記外部検知回路によって検知し、タッチした点の座標が特定される。
前記表面型静電容量方式タッチパネルの他の一例について図3を用いて説明する。該図3においてタッチパネル20は、透明基板21の表面を覆うように配された透明導電体22(本発明の前記導電材料に相当)と透明導電体23と、該透明導電体22と該透明導電体23とを絶縁する絶縁層24と、指等の接触対象と透明導電体22又は透明導電体23の間に静電容量を生じる絶縁カバー層25からなり、指等の接触対象に対して位置検知する。構成によっては、透明導電体22,23を一体として構成することもでき、また、絶縁層24又は絶縁カバー層25を空気層として構成してもよい。
絶縁カバー層25を指等でタッチすると、指等と透明導電体22又は透明導電体23の間の静電容量の値に変化が生じる。この静電容量値の変化を前記外部検知回路によって検知し、タッチした点の座標が特定される。
また、図4により、投射型静電容量方式タッチパネルとしてのタッチパネル20を透明導電体22と透明導電体23とを平面から視た配置を通じて模式的に説明する。
タッチパネル20は、X軸方向の位置を検出可能とする複数の透明導電体22と、Y軸方向の複数の透明導電体23とが、外部端子に接続可能に配されている。透明導電体22と透明導電体23とは、指先等の接触対象に対し複数接触して、接触情報が多点で入力されることを可能とされる。
このタッチパネル20上の任意の点を指でタッチ等すると、X軸方向及びY軸方向の座標が位置精度よく特定される。
なお、透明基板、保護層等のその他の構成としては、前記表面型静電容量方式タッチパネルの構成を適宜選択して適用することができる。また、タッチパネル20において、複数の透明導電体22と、複数の透明導電体23とによる透明導電体のパターンの例を示したが、その形状、配置等としては、これらに限られない。
前記抵抗膜式タッチパネルの一例について、図5を用いて説明する。該図5において、タッチパネル30は、透明導電体32が配された基板31(本発明の前記導電材料に相当)と、該透明導電体32上に複数配されたスペーサ36と、空気層34を介して、透明導電体32と接触可能な透明導電体33と、該透明導電体33上に配される透明フィルム35とが支持されて構成される。
このタッチパネル30に対して、透明フィルム35側からタッチすると、透明フィルム35が押圧され、押し込まれた透明導電体32と透明導電体33とが接触し、この位置での電位変化を図示しない外部検知回路で検出することで、タッチした点の座標が特定される。
[タッチパネル機能付き表示装置]
本発明のタッチパネル機能付き表示装置は、本発明の前記導電材料を有し、タッチパネル機能を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、表示装置としては、液晶表示装置が好ましい。
前記液晶表示装置としては、本発明の前記液晶表示装置と同様であり、導電材料の導電膜は、液晶パネル側であってもよく、空気側であっても構わない。
前記タッチパネル機能としては、前記したものから適宜選択して採用することができる。
本発明の液晶表示装置、及びタッチパネル機能付き表示装置は、いずれも、優れた導電性、透明性、及び可撓性を備えた、本発明の前記導電膜付き導電材料を有しているので、部品点数が少なくなり、軽量化と薄型化が可能であると共に、高視野角、高コントラスト、高画質な表示特性を備えたものである。
(液晶表示装置)
前記液晶表示装置は、カラーフィルタと、バックライトとを備え、更に必要に応じてその他の部材を備えてなる。
前記液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、株式会社工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、前記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
前記液晶表示装置に用いられる液晶、即ち液晶化合物及び液晶組成物については特に制限はなく、いずれの液晶化合物及び液晶組成物をも使用することができる。
ここで、図6に示すように、本発明のタッチパネル表示機能付き表示装置100は、本発明の前記導電材料5(基材1と、下塗り層2と、導電膜3と、ハードコート層4とを有している)と、対向基板1’とを、位置を合わせて圧着後、熱処理して組み合わせ、液晶を注入し、注入口を封止することによって製作される。このとき、液晶表示装置(カラーフィルタ)6上に形成される導電膜3’も、本発明の前記導電材料における導電膜3を用いてもよい。
以下、本発明の実施例を説明するが、本発明は、これらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、実施例中の含有率としての「%」、及び、「部」は、いずれも質量基準に基づくものである。
以下の例において、金属ナノワイヤーの平均短軸長(平均直径)及び平均長軸長、短軸長の変動係数、並びに、アスペクト比が10以上の銀ナノワイヤーの比率は、以下のようにして測定した。
<金属ナノワイヤーの平均短軸長(平均直径)及び平均長軸長>
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用いて拡大観察される金属ナノワイヤーから、ランダムに選択した300個の金属ナノワイヤーの短軸長(直径)と長軸長を測定し、その平均値から金属ナノワイヤーの平均短軸長(平均直径)及び平均長軸長求めた。
<金属ナノワイヤーの短軸長(直径)の変動係数>
上記電子顕微鏡(TEM)像からランダムに選択した300個のナノワイヤーの短軸長(直径)を測定し、その300個についての標準偏差と平均値を計算することにより、求めた。
<アスペクト比が10以上の銀ナノワイヤーの比率>
透過型電子顕微鏡(TEM;日本電子株式会社製、JEM−2000FX)を用い、銀ナノワイヤーの短軸長を300個観察し、ろ紙を透過した銀の量を各々測定し、短軸長が50nm以下であり、かつ長軸長が5μm以上である銀ナノワイヤーをアスペクト比が10以上の銀ナノワイヤーの比率(%)として求めた。
なお、銀ナノワイヤーの比率を求める際の銀ナノワイヤーの分離は、メンブレンフィルター(Millipore社製、FALP 02500、孔径1.0μm)を用いて行った。
(調製例1)
―銀ナノワイヤー分散液(1−A)の調製―
予め、下記の添加液A、B、C、及び、Dを調製した。
〔添加液A〕
ステアリルトリメチルアンモニウムクロリド60mg、ステアリルトリメチルアンモニウムヒドロキシド10%水溶液6.0g、グルコース2.0gを蒸留水120.0gに溶解させ、反応溶液A−1とした。さらに、硝酸銀粉末70mgを蒸留水2.0gに溶解させ、硝酸銀水溶液A−1とした。反応溶液A−1を25℃に保ち、激しく攪拌しながら、硝酸銀水溶液A−1を添加した。硝酸銀水溶液A−1の添加後から180分間、激しい攪拌をし、添加液Aとした。
〔添加液B〕
硝酸銀粉末42.0gを蒸留水958gに溶解した。
〔添加液C〕
25%アンモニア水75gを蒸留水925gと混合した。
〔添加液D〕
ポリビニルピロリドン(K30)400gを蒸留水1.6kgに溶解した。
次に、以下のようにして、銀ナノワイヤー分散液(1−A)を調製した。
ステアリルトリメチルアンモニウムブロミド粉末1.30gと臭化ナトリウム粉末33.1gとグルコース粉末1,000g、硝酸(1N)115.0gを80℃の蒸留水12.7kgに溶解させた。この液を80℃に保ち、500rpmで攪拌しながら、添加液Aを添加速度250cc/分、添加液Bを500cc/分、添加液Cを500cc/分で順次添加した。攪拌速度を200rpmとし、80℃で加熱をした。攪拌速度を200rpmにしてから100分間、加熱攪拌を続けた後に、25℃に冷却した。攪拌速度を500rpmに変更し、添加液Dを500cc/分で添加した。この液を仕込液101とした。次に、1−プロパノールを激しく攪拌しながら、そこへ仕込液101を混合比率が体積比1対1となるように一気に添加した。攪拌を3分間行い、仕込液102とした。
分画分子量15万の限外濾過モジュールを用いて、限外濾過を次の通り実施した。仕込液102を4倍に濃縮した後、蒸留水と1−プロパノールの混合溶液(体積比1対1)の添加と濃縮を、最終的にろ液の伝導度が50μS/cm以下になるまで繰り返した。濃縮を行い、金属含有量0.45%の銀ナノワイヤー分散液(1−A)を得た。
得られた銀ナノワイヤー分散液(1−A)の銀ナノワイヤーについて、前述のようにして平均短軸長、平均長軸長、銀ナノワイヤーの短軸長の変動係数、平均アスペクト比を測定した。
その結果、平均短軸長18.6nm、平均長軸長8.2μm、変動係数が15.0%であった。平均アスペクト比は440であった。以後、「銀ナノワイヤー水分散液(1−A)」と表記する場合は、上記方法で得られた銀ナノワイヤー水分散液を示す。
―銀ナノワイヤー分散液(1−B)の調製―
調製例1−Aにおいて、添加液Aの代わりに蒸留水130.0gを使用したこと以外は調製例1−Aと同様にして、金属含有量0.45%の銀ナノワイヤー分散液(1−B)を得た。
得られた銀ナノワイヤー分散液(1−B)の銀ナノワイヤーについて、前述のようにして平均短軸長、平均長軸長、銀ナノワイヤーの短軸長の変動係数、平均アスペクト比を測定した。
その結果、平均短軸長47.2nm、平均長軸長12.6μm、変動係数が23.1%であった。平均アスペクト比は267であった。以後、「銀ナノワイヤー分散液(1−B)」と表記する場合は、上記方法で得られた銀ナノワイヤー分散液を示す。
―銀ナノワイヤー分散液(1−C)の調製―
調製例1−Aにおいて、添加液Aを50.0g、蒸留水80.0gを使用したこと以外は調製例1−Aと同様にして、金属含有量0.45%の銀ナノワイヤー分散液(1−C)を得た。
得られた銀ナノワイヤー分散液(1−C)の銀ナノワイヤーについて、前述のようにして平均短軸長、平均長軸長、銀ナノワイヤーの短軸長の変動係数、平均アスペクト比を測定した。
その結果、平均短軸長31.3nm、平均長軸長8.6μm、変動係数が28.1%であった。平均アスペクト比は274であった。以後、「銀ナノワイヤー分散液(1−C)」と表記する場合は、上記方法で得られた銀ナノワイヤー分散液を示す。
―銀ナノワイヤー分散液(1−D)の調製―
調製例1−Aにおいて、添加液Aを390.0g使用したこと以外は調製例1−Aと同様にして、金属含有量0.45%の銀ナノワイヤー分散液(1−D)を得た。
得られた銀ナノワイヤー分散液(1−D)の銀ナノワイヤーについて、前述のようにして平均短軸長、平均長軸長、銀ナノワイヤーの短軸長の変動係数、平均アスペクト比を測定した。
その結果、平均短軸長14.1nm、平均長軸長3.6μm、変動係数が27.3%であった。平均アスペクト比は255であった。以後、「銀ナノワイヤー分散液(1−D)」と表記する場合は、上記方法で得られた銀ナノワイヤー分散液を示す。
(調製例2)
−図7に示す構成を有するPET基板101の作製−
下記の配合で接着用溶液1を調製した。
[接着用溶液1]
・タケラックWS−4000 5.0部
(コーティング用ポリウレタン、固形分濃度30%、三井化学(株)製)
・界面活性剤 0.3部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.3部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)製)
・水 94.4部
厚さ125μmのPETフィルム10’の一方の表面にコロナ放電処理を施し、このコロナ放電処理を施した表面に、上記の接着用溶液1を塗布し120℃で2分間乾燥させて、厚さが0.11μmの第1の接着層31’を形成した。
以下の配合で、接着用溶液2を調製した。
[接着用溶液2]
・テトラエトキシシラン 5.0部
(KBE−04、信越化学工業(株)製)
・3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン 3.2部
(KBM−403、信越化学工業(株)製)
・2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン 1.8部
(KBM−303、信越化学工業(株)製)
・酢酸水溶液(酢酸濃度=0.05%、pH=5.2) 10.0部
・硬化剤 0.8部
(ホウ酸、和光純薬工業(株)製)
・コロイダルシリカ 60.0部
(スノーテックスO、平均粒子径10nm〜20nm、固形分濃度20%、pH=2.6、日産化学工業(株)製)
・界面活性剤 0.2部
(ナローアクティHN−100、三洋化成工業(株)製)
・界面活性剤 0.2部
(サンデットBL、固形分濃度43%、三洋化成工業(株)製)
接着用溶液2は、以下の方法で調製した。酢酸水溶液を激しく攪拌しながら、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランを、この酢酸水溶液中に3分間かけて滴下した。次に、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシランを酢酸水溶液中に強く攪拌しながら3分間かけて添加した。次に、テトラエトキシシランを、酢酸水溶液中に強く攪拌しながら5分かけて添加し、その後2時間攪拌を続けた。次に、コロイダルシリカと、硬化剤と、界面活性剤とを順次添加し、接着用溶液2を調製した。
前述の第1の接着層31’の表面をコロナ放電処理したのち、その表面に、上記の接着用溶液2をバーコート法により塗布し、170℃で1分間加熱して乾燥し、厚さ0.5μmの第2の接着層32’を形成して、図7に示す構成を有するPET基板101を得た。
−PET基板(102)の前処理−
PET基板(厚み125μm)の表面をコロナ放電処理したのちに、0.02%の(N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン水溶液をバーコート法で塗布量8.8mg/mとなるように塗布し、100℃1分で乾燥し、表面処理されたPET基板(102)を得た。
−TAC基板の前処理−
TAC(トリアセチルセルロース:フジタック)基板(厚み100μm)の表面をコロナ放電処理したのちに、0.02%の(N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン水溶液をバーコート法で塗布量8.8mg/mとなるように塗布し、100℃1分で乾燥し、表面処理されたTAC基板(104)を得た。
(導電性部材T1の作製)
下記組成のアルコキシド化合物の溶液を60℃で1時間撹拌して均一になったことを確認した。得られたゾルゲル液の重量平均分子量(Mw)をGPC(ポリスチレン換算)で測定したところMwは4,400であった。ゾルゲル溶液2.24部と前記調整例1-Aで得られた銀ナノワイヤー水分散液(1-A)17.76部を混合し、さらに蒸留水と1−プロパノールで希釈してゾルゲル塗布液を得た。得られた塗布液の溶剤比率は蒸留水:1−プロパノール=60:40であった。上記のPET基板102表面にバーコート法で銀量が0.015g/m、全固形分塗布量が0.120g/mとなるように上記ゾルゲル塗布液を塗布したのち、100℃で1分間乾燥してゾルゲル反応を起こさせて、導電性層20’を形成した。この様にして作製した導電層の表面粗さを原子間力顕微鏡で測定した結果、表面粗さRaは7.5nmであった。
<アルコキシド化合物の溶液>
・テトラエトキシシラン 5.0部
(KBE−04、信越化学工業(株)製)
・1%酢酸水溶液 11.0部
・蒸留水 4.0部
(導電性部材T2の作製)
下記組成のアルコキシド化合物の溶液を60℃で1時間撹拌して均一になったことを確認した。得られたゾルゲル液の重量平均分子量(Mw)をGPC(ポリスチレン換算)で測定したところMwは4,400であった。ゾルゲル溶液2.24部と前記調整例1-Aで得られた銀ナノワイヤー水分散液(1-A)17.76部を混合し、さらに蒸留水と1−プロパノールで希釈してゾルゲル塗布液を得た。得られた塗布液の溶剤比率は蒸留水:1−プロパノール=60:40であった。上記のTAC基板104表面にバーコート法で銀量が0.015g/m、全固形分塗布量が0.120g/mとなるように上記ゾルゲル塗布液を塗布したのち、100℃で1分間乾燥してゾルゲル反応を起こさせて、導電性層20’を形成した。この様にして作製した導電層の表面粗さを原子間力顕微鏡で測定した結果、表面粗さRaは6.9nmであった。
<アルコキシド化合物の溶液>
・テトラエトキシシラン 5.0部
(KBE−04、信越化学工業(株)製)
・1%酢酸水溶液 11.0部
・蒸留水 4.0部
(導電性部材T3の作製)
導電層塗布液の組成を以下の様に変更する以外は、導電性部材T1と同様に作製した。この様にして作製した導電層の表面粗さを原子間力顕微鏡で測定した結果、表面粗さRaは3.5nmであった。
<アルコキシド化合物の溶液>
・テトラエトキシシラン 10.7部
(KBE−04、信越化学工業(株)製)
・1%酢酸水溶液 11.0部
・蒸留水 4.0部
(導電性部材T4の作製)
導電性部材T1を作製した後、更に導電層の上に下記アルコキシド化合物の溶液(金属ナノワイヤーは添加なし)を塗布(No.6ワイヤーバー)し、100℃で1分間乾燥してゾルゲル反応を起こさせて、透明層を形成し、導電性部材T4を作製した。この様にして作製した導電層の表面粗さを原子間力顕微鏡で測定した結果、表面粗さRaは1.8nmであった。
<アルコキシド化合物の溶液>
・テトラエトキシシラン 5.0部
(KBE−04、信越化学工業(株)製)
・1%酢酸水溶液 11.0部
・蒸留水 4.0部
(導電性部材T5の作製)
導電層塗布液に加える銀ナノワイヤー分散液を調製例(1−B)で調製した銀ナノワイヤー水分散液(1−B)に変更する以外は、導電性部材T1と同様に作製した。この様にして作製した導電層の表面粗さを原子間力顕微鏡で測定した結果、表面粗さRaは8.7nmであった。
(導電性部材T6の作製)
導電層塗布液に加える銀ナノワイヤー分散液を調製例(1−C)で調製した銀ナノワイヤー水分散液(1−C)に変更する以外は、導電性部材T1と同様に作製した。この様にして作製した導電層の表面粗さを原子間力顕微鏡で測定した結果、表面粗さRaは7.4nmであった。
(導電性部材T7の作製)
導電層塗布液に加える銀ナノワイヤー分散液を調製例(1−D)で調製した銀ナノワイヤー水分散液(1−D)に変更する以外は、導電性部材T1と同様に作製した。この様にして作製した導電層の表面粗さを原子間力顕微鏡で測定した結果、表面粗さRaは6.1nmであった。
<パターニング>
導電性部材T1〜T7のパターニングは、以下パターニング方式A或いはBのいずれかの方式で行った。
[実施例1]
〔パターニングA〕:ネガレジスト処方
(合成例1)バインダー(A−1)の合成
共重合体を構成するモノマー成分として、MAA(メタクリル酸;7.79g)、BzMA(ベンジルメタクリレート;37.21g)を使用し、ラジカル重合開始剤としてAIBN(2,2’−アゾビス(イソブチロニトリル);0.5g)を使用し、これらを溶剤PGMEA(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート;55.00g)中において重合反応させることにより下記式で表されるバインダー(A−1)のPGMEA溶液(固形分濃度:45質量%)を得た。なお、重合温度は、温度60℃乃至100℃に調整した。
分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィ法(GPC)を用いて測定した結果、ポリスチレン換算による重量平均分子量(Mw)は30,000、分子量分布(Mw/Mn)は2.21であった。
−感光性組成物(1)の調製−
バインダー(A−1)3.80質量部(固形分40.0質量%、PGMEA溶液)、感光性化合物としてのKAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製)1.59質量部、光重合開始剤としてのIRGACURE379(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)0.159質量部、架橋剤としてのEHPE−3150(ダイセル化学株式会社製)0.150質量部、メガファックF781F(DIC株式会社製)0.002質量部、及びPGMEA 19.3質量部を加え、攪拌し、感光性組成物(1)を調製した。
−レジストパターニング(エッチングマスク材付与)工程−
上記で得られた導電性部材T1上に、感光性組成物(1)を乾燥膜厚5μmとなるようバー塗布し、150℃のオーブンで5分間乾燥した。この基板にマスク上から、高圧水銀灯i線(365nm)を400mJ/cm(照度50mW/cm)露光を、酸素濃度5%の雰囲気下で行った。なお、酸素濃度は、デジタル酸素濃度計(アズワン社製、XO−326ACA)を用いて計測した。
露光後の基板を、35℃1%水酸化ナトリウム水溶液でシャワー現像60秒間を行った。シャワー圧は0.08MPa、ストライプパターンが出現するまでの時間は30秒であった。純水のシャワーでリンスした後、50℃で1分間乾燥し、レジストパターン付導電性部材1を作製した。
また、露光マスクは、ベタ露光/未露光箇所、かつ細線パターン(L/S=300/300μm、電極長さ30mm)が形成可能なマスクを用いた。
−エッチング工程−
レジストパターン付導電性部材1を、CP−48S−A液と、CP−48S−B液(いずれも、富士フイルム株式会社製)と、純水とを質量比で1:1:6となるように混合し、35℃に調整したエッチング液に2分間浸漬させてエッチング処理を行い、純水のシャワーでリンスした後、エアーナイフでサンプル表面の水を吹き飛ばし、60℃で5分間乾燥し、レジストパターン付パターン状導電性部材1Aを作製した。
−レジスト剥離工程−
エッチング後の基板を、35℃に保温した2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液でシャワー現像75秒間を行った。シャワー圧は3.0MPaであった。純水のシャワーでリンスした後、エアーナイフでサンプル表面の水を吹き飛ばし、60℃で5分間乾燥し、パターン導電性部材(401)(本発明の導電材料)を作製した。作製したパターン状導電性部材の配線部(本発明のパターン状に形成された導電膜)の抵抗を測定した結果、初期表面抵抗値から算出される値R10kΩに対しパターニング処理後の抵抗値Rは15kΩであった。
[実施例2〜10、15〜19、及び、比較例1〜4]
導電性部材、光重合開始剤、光重合開始剤濃度及び露光時の酸素濃度を表1に記載のものとした以外は、実施例1と同様の方法により、実施例2〜10、15〜19、及び、比較例1〜4のパターン状導電性部材を得た。
[実施例11]
〔パターニングB〕:レジストインクのインクジェットパターニング
―感光性組成物(2)の調製−
上記合成例1で得られたバインダー(A−1)3.80質量部(固形分40.0質量%、PGMEA溶液)、感光性化合物としてのKAYARAD DPHA(日本化薬株式会社製)1.59質量部、光重合開始剤としてのIRGACURE651(チバ・スペシャルティ・ケミカルズ株式会社製)0.159質量部、架橋剤としてのEHPE−3150(ダイセル化学株式会社製)0.150質量部、メガファックF781F(DIC株式会社製)0.002質量部、及びPGMEA 19.3質量部を加え、攪拌し、感光性組成物(2)を調製した。
−レジストパターニング(エッチングマスク材付与)工程−
半導体用の高精細パターニングをインクジェット方式を用いたプリンティングシステムとしては、例えばセミコンにて開示されている(http://sunat.jp/M&E_IJtec.pdfやhttp://www.sijtechnology.com/jp/product/index.html)。
この方式を用いて、調整した感光性組成物(2)インクを上記で得られた導電性部材T1の表面に、導電膜の細線パターン(L/S=300/300μm、電極長さ30mm)が形成可能となるようパターニングした。パターニングした後、10分間風乾した。この基板に、高圧水銀灯i線(365nm)を用いて400mJ/cm(照度50mW/cm)露光を、酸素濃度5%の雰囲気下で行い、レジストパターン付導電性部材1を作製した。
−エッチング工程−
レジストパターン付導電性部材1を、CP−48S−A液と、CP−48S−B液(いずれも、富士フイルム株式会社製)と、純水とを質量比で1:1:6となるように混合し、35℃に調整したエッチング液に2分間浸漬させてエッチング処理を行い、純水のシャワーでリンスした後、エアーナイフでサンプル表面の水を吹き飛ばし、60℃で5分間乾燥し、レジストパターン付パターン状導電性部材1Aを作製した。
−レジスト(エッチングマスク材)剥離工程−
エッチング後の基板を、35℃に保温した2.38%テトラメチルアンモニウムヒドロキシド水溶液でシャワー現像75秒間を行った。シャワー圧は3.0MPaであった。純水のシャワーでリンスした後、エアーナイフでサンプル表面の水を吹き飛ばし、60℃で5分間乾燥し、パターン状導電性部材(401)を作製した。作製したパターン導電性部材の配線部(本発明のパターン状に形成された導電膜)の抵抗をテスター(デジタルマルチメーター、FS−MMT9205)により測定した結果、初期表面抵抗値から算出される値R10kΩに対しパターニング処理後の抵抗値Rは16kΩであった。
[実施例12〜14]
導電性部材、光重合開始剤濃度及び露光時の酸素濃度を表1に記載のものとした以外は、実施例11と同様の方法により、実施例12〜14のパターン状導電性部材を得た。
<測定・評価>
得られた各導電性部材について、後述の方法で表面抵抗値、表面粗さ、金属ナノワイヤーのバインダー平均被覆厚み、導電膜の抵抗上昇倍率、5μm当たりの金属ナノワイヤー断線箇所数及びパターニング後の導電膜抵抗上昇面積率を測定又は評価し、その結果を表1及び2に示した。
−表面抵抗値−
パターン状に形成された導電膜の表面抵抗を、三菱化学株式会社製Loresta−GP MCP−T600を用いて測定した。測定は10cm×10cmのサンプルのランダムに選択した5箇所の導電性領域の中央部を測定し平均値を求めた。配線抵抗初期値Rは面抵抗から換算した。
−金属ナノワイヤーのバインダー平均被覆厚みの測定−
前記導電膜におけるエッチングマスク材が付与される面の金属ナノワイヤーのバインダー平均被覆厚みは、以下の様にして測定した。
導電部材断面の切片をミクロトーム(大和光機工業RV−240)を用いて作製し、銅グリッドメッシュの上に載せ、観察試料片とした。この試料片をTEM(透過型電子線顕微鏡;日本電子社製JEM−2100)にて観察し、金属ナノワイヤー表面から空気界面までの距離について、任意の50点を測定し、平均値を算出した。
−導電膜の抵抗上昇倍率の評価−
前記のとおり、パターニング工程により形成したラインの両端の抵抗値Rをテスターで測定した。またパターニング工程前のラインの抵抗値Rはパターニング前の導電膜の表面抵抗値から下計算式を用いて算出した。
=表面抵抗値*ライン長さ/ライン幅
導電膜の抵抗上昇倍率R/Rはライン幅300μm長さ30mmのライン100本の抵抗上昇率を測定し、平均値を算出した。
−5μm当たりの金属ナノワイヤー断線箇所数の測定−
パターニングされたサンプルの導電膜をSEM(走査型電子線顕微鏡)により撮影した。撮影された任意の金属ナノワイヤー300本を観察し、各金属ナノワイヤーの長さと断線箇所数を測定し、5μm当りの断線箇所数平均値を算出した。
−パターニング後の導電膜抵抗上昇面積率の測定−
前記導電膜の抵抗上昇率評価において、パターニング工程前の初期抵抗値に対するパターニング後の導電膜の抵抗値が2倍以上になった面積を、パターニング後の導電膜の総面積で割った値に100を掛けた値を導電膜抵抗上昇面積率として算出した。
表2に示した結果から、UV露光時の酸素濃度を5%以下にすることにより、パターン後の配線抵抗上昇率を1.6倍以内に抑えることができ、導電性に優れたパターニング品を提供することができる。
[実施例20]タッチパネルの作製
実施例1に従いパターニングした導電膜を用いて、タッチパネル用の透明電極を作製した。得られた透明導電膜を用いて、『最新タッチパネル技術』(2009年7月6日発行、株式会社テクノタイムズ)、三谷雄二監修、“タッチパネルの技術と開発”、シーエムシー出版(2004年12月発行)、「FPD International 2009 Forum T−11講演テキストブック」、「Cypress Semiconductor Corporation アプリケーションノートAN2292」等に記載の方法により、タッチパネルを作製した。
作製したタッチパネルを使用した場合、光透過率の向上により視認性に優れ、かつ導電性の向上により素手、手袋を嵌めた手、指示具のうち少なくとも一つによる文字等の入力又は画面操作に対し応答性に優れるタッチパネルを製作できることが分かった。
1、10’ 基材
1’ 対向基板
2 下塗り層
3、3’ 導電膜
4 ハードコート層
5、1” 導電材料
6 液晶表示装置(カラーフィルタ)
10、20、30 タッチパネル
11、21 透明基板
12、13、22、23、32、33 透明導電体
14、17 保護膜
15 中間保護膜
16 グレア防止膜
18 電極端子
20’ 導電性層
24 絶縁層
25 絶縁カバー層
30’ 中間層
31 基板
31’ 第1の接着層
32’ 第2の接着層
34 空気層
35 透明フィルム
36 スペーサ
100 タッチパネル表示機能付き表示装置

Claims (16)

  1. 金属ナノワイヤーを含む導電膜がパターン状に形成された導電材料の製造方法であって、金属ナノワイヤーを含む導電膜のパターニング工程を含み、該パターニング工程が光重合開始剤を含むエッチングマスク材を用いて酸素濃度が5%以下で露光を行う露光工程を含むことを特徴とする導電材料の製造方法。
  2. 前記露光工程における酸素濃度が2%以下であることを特徴とする請求項1に記載の導電材料の製造方法。
  3. 前記パターン状に形成された導電膜において、該導電膜の抵抗値が前記パターニング工程前の抵抗値の2倍未満となることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の導電材料の製造方法。
  4. 前記パターン状に形成された導電膜において、該導電膜の抵抗値が前記パターニング工程前の抵抗値の2倍以上となる領域の面積が該導電膜全体の面積の50%未満であることを特徴とする請求項1又は2に記載の導電材料の製造方法。
  5. 前記パターン状に形成された導電膜における金属ナノワイヤーの断線箇所数が5μm当り1箇所以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の導電材料の製造方法。
  6. 前記パターン状に形成された導電膜の表面粗さが2nm以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の導電材料の製造方法。
  7. 前記パターン状に形成された導電膜が少なくとも金属ナノワイヤーとマトリクス成分を含んでなることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の導電材料の製造方法。
  8. 前記パターン状に形成された導電膜に含まれる金属ナノワイヤーにおいて、エッチングマスク材が付与された面側のマトリクスの平均被覆厚みが100nm以下であることを特徴とする請求項7に記載の導電材料の製造方法。
  9. 前記露光工程を不活性ガス下で行うことを特徴とする請求項1〜8のいずれか一項に記載の導電材料の製造方法。
  10. 前記不活性ガスが窒素ガスであることを特徴とする請求項9に記載の導電材料の製造方法。
  11. 前記エッチングマスク材に含まれる光重合開始剤の含有量が、エッチングマスク材の不揮発性成分100重量部に対して0.1から10重量部であることを特徴とする請求項1〜10のいずれか一項に記載の導電材料の製造方法。
  12. 前記金属ナノワイヤーが少なくとも銀を含むことを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載の導電材料の製造方法。
  13. 前記金属ナノワイヤーの直径が5〜50nmであることを特徴とする請求項1〜12のいずれか一項に記載の導電材料の製造方法。
  14. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法で製造された導電材料。
  15. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法で製造された導電材料を具備したタッチパネル。
  16. 請求項1〜13のいずれか一項に記載の方法で製造された導電材料を具備したタッチパネル機能付き表示装置。
JP2012068118A 2012-03-23 2012-03-23 導電材料の製造方法、並びに、該方法を用いて製造された導電材料及びこれを用いたタッチパネル、タッチパネル機能付き表示装置 Pending JP2013200996A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012068118A JP2013200996A (ja) 2012-03-23 2012-03-23 導電材料の製造方法、並びに、該方法を用いて製造された導電材料及びこれを用いたタッチパネル、タッチパネル機能付き表示装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2012068118A JP2013200996A (ja) 2012-03-23 2012-03-23 導電材料の製造方法、並びに、該方法を用いて製造された導電材料及びこれを用いたタッチパネル、タッチパネル機能付き表示装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2013200996A true JP2013200996A (ja) 2013-10-03

Family

ID=49521100

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2012068118A Pending JP2013200996A (ja) 2012-03-23 2012-03-23 導電材料の製造方法、並びに、該方法を用いて製造された導電材料及びこれを用いたタッチパネル、タッチパネル機能付き表示装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2013200996A (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104020882A (zh) * 2014-05-30 2014-09-03 南昌欧菲光科技有限公司 触摸屏
CN104737240A (zh) * 2013-10-16 2015-06-24 日立化成株式会社 含有导电性纤维的层叠体、感光性导电膜、导电图案的制造方法、导电图案基板以及触摸面板

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN104737240A (zh) * 2013-10-16 2015-06-24 日立化成株式会社 含有导电性纤维的层叠体、感光性导电膜、导电图案的制造方法、导电图案基板以及触摸面板
US10795469B2 (en) 2013-10-16 2020-10-06 Hitachi Chemical Company, Ltd. Laminate containing conductive fiber, photosensitive conductive film, method for producing conductive pattern, conductive pattern substrate, and touch panel
CN104020882A (zh) * 2014-05-30 2014-09-03 南昌欧菲光科技有限公司 触摸屏

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5865851B2 (ja) 導電性部材の製造方法、導電性部材、それを用いたタッチパネル
JP5868771B2 (ja) 導電性部材、その製造方法、タッチパネル及び太陽電池
JP5930833B2 (ja) 導電性部材、その製造方法、タッチパネル及び太陽電池
WO2013047147A1 (ja) 導電性組成物、その製造方法、導電性部材、並びに、タッチパネル及び太陽電池
JP5952119B2 (ja) 導電性部材およびその製造方法
JP2013137982A (ja) 導電性部材、導電性部材の製造方法、タッチパネルおよび太陽電池
JP5749207B2 (ja) 透明導電膜積層体及びタッチパネル
WO2012147815A1 (ja) 導電性部材、その製造方法、タッチパネル及び太陽電池
WO2013141274A1 (ja) 導電性部材、それを用いたタッチパネル、表示装置、及び入力装置
JP5646671B2 (ja) 導電性部材、その製造方法、タッチパネル、及び太陽電池
JP2012009219A (ja) 導電材料及びタッチパネル
JP2013201004A (ja) 導電性パターン部材、その製造方法、タッチパネル及び太陽電池
JP5669781B2 (ja) 導電性部材及びその製造方法、並びにタッチパネル
JP2013200997A (ja) 導電性部材、導電性部材の製造方法、及びタッチパネル
JP2013201005A (ja) 導電性パターン部材の製造方法、導電性パターン部材、タッチパネルおよび太陽電池
JP2013200996A (ja) 導電材料の製造方法、並びに、該方法を用いて製造された導電材料及びこれを用いたタッチパネル、タッチパネル機能付き表示装置
JP2012028183A (ja) 導電材料、並びにタッチパネル、及びタッチパネル機能付き表示装置
JP2013200998A (ja) 導電材料の製造方法、並びに、該方法により製造された導電材料及びこれを具備したタッチパネル、タッチパネル機能付き表示装置
JP5606769B2 (ja) 導電膜及びその製造方法、並びにタッチパネル及び集積型太陽電池
JP2013200999A (ja) 透明導電性部材、透明導電性部材の製造方法、タッチパネル、及び太陽電池