JP2013199395A - 粒状シリコンの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】シリコンスラッジ等のシリコン粉を原料として高品質かつ安価な粒状シリコンを生成する。
【解決手段】上部ルツボ13及び下部ルツボ14からなる二連ルツボ12を用い、初期融解時に上部ルツボ13内にシリコン片を敷き詰めた後、当該シリコン片の上にシリコン粉を充填しておき、シリコン片及びシリコン粉が充填された上部ルツボ13を含む二重ルツボ12を加熱溶融してシリコン融液を生成し、シリコン融液と共に生成される酸化物系の異物を上部ルツボ13で補足しながら、上部シリコン内のシリコン融液を当該上部ルツボ13の底部に設けられた第1の融液排出孔から滴下させて下部ルツボ14に送り、下部ルツボ14内のシリコン融液を当該下部ルツボ14の底部に設けられた第2の融液排出孔から滴下させて空中に落下させ、落下中に冷却されて実質的に固化した粒状シリコンを回収する。
【選択図】図1

Description

本発明は、粒状シリコンの製造方法に関し、特に、シリコンスラッジ等のシリコン粉を粒状のシリコン原料として再生する方法に関する。
近年、良質な資源の減少や地球環境の保護などを背景にして、シリコン廃材のリサイクルが強く求められている。エレクトロニクス製品や太陽電池に用いられているシリコン結晶は、その応用分野の急速な拡大に伴って年々需要が伸び、原料不足が慢性化している。シリコン結晶は大量の電気エネルギーを消費して製造されるが、ウェーハやチップへの加工工程において、原料の破砕、インゴットの切断、ウェーハの面取り、バックグラインド、ダイシング等により、原料のおよそ70%はスラッジとして使われずに廃棄される。半導体産業全体で廃棄されているシリコンスラッジの総量は膨大であり、埋め立て処理や炭酸ガスの排出等の環境負荷を低減することが必要である。
一般的なシリコンスラッジは粒径が0.1mm以下の微粉であり、これをシリコン原料として再利用する場合には、その後の取扱いを容易にするため、一度溶融して固める必要がある。ここで、CZ法やキャスト法などの一般的な融解方法では、固化した後のシリコン塊は、数10kg単位の塊となるため、破砕が必須であり、破砕工程を経た原料は、破砕費用分のコストアップとなる。また、破砕はハンマー等の破砕器具を用いるため、汚染が避けられない。その点、粒状のシリコンであれば、破砕が不要となるため、上記コストアップや汚染の影響を受けない。
特許文献1には、シリコンなどの金属粒子の製造装置が記載されている。この装置は、溶融状態の金属を保持したルツボ中にガスを供給し、そのガスの加圧力および溶融状態の金属の自重による加圧力により、溶融状態の金属をルツボの底部に設けられた孔から噴出滴下させるものである。このときのルツボは、六方晶のBN、立方晶のBN、Si、TiBおよびZrBから成る群より選ばれた少なくとも1種の化合物を含み、前記ガスは、He、Ne、Ar、Kr、Xeから成る群より選ばれた少なくとも1種を含み、溶融金属が加圧ガスとルツボ材料のいずれとも反応しないようにすることにより、溶融金属の滴下噴出速度の制御を可能にし、特に高融点の金属の粒子を均一な粒度分布で製造可能としている。
特許文献2には、粒状シリコンの製造方法が記載されている。この方法では、容器内に保持したシリコン材料を加熱して溶融し、溶融したシリコン材料にAlPを添加した後、溶融シリコン材料の液滴を容器から気相中へ落下させることにより、球状シリコンを製造する。
また、特許文献3には、再生砥粒よりシリコンを精製する方法が示されている。この方法では、シリコンの機械加工を行った際に発生する廃液から酸化シリコンを有するシリコン粉を含む粉末を分離する粉末分離工程と、減圧または不活性ガス雰囲気下の加熱容器中において粉末をシリコンの融点以上2000℃以下の温度に加熱し、シリコンが溶融した溶湯とする溶融工程と、溶湯に含まれる加熱容器の内壁または底に付着する粘度の高い酸化シリコンを加熱容器に残し、粘度の低いシリコン融液を冷却容器に出湯する出湯工程とを備えている。そのため、シリコンの機械加工を行った際に発生する廃液から従来よりも簡便な手法にて不純物の除去が可能である。
特開2003−306706号公報 特許第4461236号公報 特開2010−47443号公報
しかしながら、特許文献1に記載の方法では、シリコン粉をルツボに投入すると、融解の初期にルツボ底に空けられた融液噴出口にシリコン酸化物が堆積し、シリコン融液の噴出孔を閉塞しやすいという問題がある。
また、特許文献2に記載の方法では、溶融したシリコン材料にAlPを添加していることから、添加物を含まないシリコン原料の製造には適していない。
さらに、特許文献3に記載の方法はキャスト法であるため、粒状シリコンを得ることができない。また、特許文献3では、酸化物をルツボ壁に結着させ、溶湯を別ルツボに流し入れることができるとしているが、溶湯を普通に加熱した場合、酸化物は融液の表面に浮遊し、融液中心部に加熱部がない限り、ルツボ壁に酸化物層が付着することはなく、実際にはうまく分離できないという問題がある。
上記課題を解決するため、本発明による粒状シリコンの製造方法は、上部ルツボ及び下部ルツボからなる二連ルツボを用い、初期融解時に上部ルツボ内にシリコン片を敷き詰めた後、当該シリコン片の上にシリコン粉を充填しておき、前記シリコン片及び前記シリコン粉が充填された前記上部ルツボ及び前記下部ルツボを加熱溶融してシリコン融液を生成し、前記シリコン融液と共に生成される異物を前記上部ルツボで補足しながら、前記上部ルツボ内の前記シリコン融液を当該上部ルツボの底部に設けられた第1の融液排出孔から排出させて前記下部ルツボに送り、前記下部ルツボ内のシリコン融液を当該下部ルツボの底部に設けられた第2の融液排出孔から滴下させて空中に落下させ、前記落下中に冷却されて実質的に固化した粒状シリコンを回収することを特徴とする。
本発明で規定する、「シリコン片」とは、太陽電池用シリコンウェーハや単結晶シリコンウェーハの製造原料として使用される塊粒状シリコンのことであり、具体的には、直径1mm以上の粒状シリコンや一辺が1mm以上の塊状シリコンを意味する。また、本発明で規定する、「シリコン粉」とは、シリコン原料の破砕工程で発生する粉、単結晶ウェーハ又は多結晶ウェーハの加工工程で発生する粉、または、半導体デバイスの最終工程であるバックグラインドで発生する粉であり、具体的には直径0.1mm未満の粉状シリコンスラッジを意味する。
シリコン粉は表面積が大きいため、溶融時に酸化物系の異物が発生しやすい。また、ルツボの底部に設けられた小さな融液排出孔はシリコン粉や酸化物系の異物によって閉塞されやすい。しかし、ルツボを上下二段にした場合、シリコン粉の溶融時に発生した酸化物系の異物を上部ルツボで捕捉することができ、下部ルツボには純粋な融液のみを供給することができる。また、初期融解時に上部ルツボの底部にシリコン片を敷き詰めておくことにより、融液排出孔を詰まらせることなくルツボ内を融液で満たすことができる。
本発明による粒状シリコンの製造方法は、前記上部ルツボ内に前記シリコン融液が残存する状態で、前記上部ルツボ内にシリコン粉を追加投入することが好ましい。これによれば、上部ルツボ内にシリコン融液が存在しない状態で追加原料を投入することによる融液排出孔の閉塞を防止することができる。
本発明においては、前記下部ルツボの前記第2の融液排出孔から落下する前記シリコン融液の液滴を、水冷された円筒状のドロップチューブで囲まれた空間を落下させることにより冷却し、前記ドロップチューブの下端部に設けられた回収容器で回収することが好ましい。この場合において、前記ドロップチューブ内を落下する前記シリコン融液の液滴に対して、上向きに流れる冷却ガスを吹き付けることが好ましい。前記ドロップチューブ内を上向きに流れる冷風(冷却ガス)を供給し、前記ドロップチューブ内を落下する前記シリコンの液滴に空気抵抗を与えて、その落下を遅らせることにより、空中での滞在時間を長くすることができ、効率良く冷却することができる。
本発明による粒状シリコンの製造方法は、水冷された前記回収容器を用いて前記粒状シリコンを回収することが好ましい。水冷された回収容器を用いた場合には、落下中の粒状シリコンの冷却が不十分であったとしても、落下後の回収容器内で確実に冷却することができ、粒状シリコンどうしの結着を防止することができる。
本発明においては、前記第2の融液排出孔から下方に前記シリコン融液の液滴を10m以上落下させることが好ましい。落下距離が10m未満では、液滴が固化する前に回収容器に到達し、液滴どうしが結着するおそれがあるが、10m以上であれば、ドロップチューブ11b内を落下する過程で固化させることができ、これにより多数の粒状シリコンを生成することができる。
本発明において、前記加熱温度は1550℃以上であることが好ましい。これによれば上部ルツボ内のシリコン粉を溶融する際に粉体の表面に形成されている酸化膜が原因で酸化物系の異物が多く発生することを抑制することができる。
本発明によれば、半導体デバイスや太陽電池の製造工程で発生する切断、研削粉や、原料の破砕工程で発生する微粉を、産廃として廃棄することなく、高品質かつ安価なシリコン原料として再生することができる。
図1は、粒状シリコン製造装置の構成を示す略側面図である。 図2は、冷却ガス供給部22の構成を示す模式図であって、(a)は略平面図、(b)は(a)のX−X線に沿った略断面図である。 図3は、粒状シリコン製造装置を用いた粒状シリコンの製造方法を示すフローチャートである。 図4は、図1に示した粒状シリコンの製造装置における原料の初期装填状態を示す略側面図である。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の好ましい実施形態による粒状シリコン製造装置の構成を示す略側面図である。
図1に示すように、この粒状シリコン製造装置10は、水冷構造を有するチャンバー11と、チャンバー11内に設けられた二連ルツボ12と、二連ルツボ12にシリコン粉を供給する原料ホッパ20と、チャンバー11の下方に設けられた回収容器21とを備えている。チャンバー11は、二連ルツボ12が収容されたメインチャンバー11aと、メインチャンバー11aの下方に設けられた細長い円筒状のドロップチューブ11bとで構成されており、ドロップチューブ11bの下端部に回収容器21が配置されている。
二連ルツボ12は上部ルツボ13と下部ルツボ14からなり、上部ルツボ13の直下に下部ルツボ14が配置されている。ルツボを上下に2分割することにより、上部ルツボ13で異物を捕捉することができ、下部ルツボ14には純粋なシリコン融液のみを供給できる。特に限定されるものではないが、上部ルツボ13及び下部ルツボ14の材質としては、石英、白金、イリジウム、ボロンナイトライドを用いることが好ましい。
上部ルツボ13及び下部ルツボ14はグラファイトサセプタ15、16にそれぞれ収容されており、グラファイトサセプタ15,16の連結体によってルツボ内の気密性が高められている。ただし、完全な気密性が要求されるものではなく、ルツボ内のシリコン融液をある程度加圧できる程度の気密性であればよい。ただし、グラファイトサセプタ15,16はその内部露出防止のため、上部ルツボ13及び下部ルツボ14と同材質のカバーで覆われていることが好ましい。
上部ルツボ13及び下部ルツボ14の周囲には、上部ヒータ17及び下部ヒータ18がそれぞれ設けられている。上部ヒータ17及び下部ヒータ18の加熱方式としてはカーボン、SiC、タングステン等を用いた抵抗加熱方式が好ましいが、銅コイルを用いた誘導加熱方式を用いてもよい。上部ヒータ17及び下部ヒータ18は対応する抵抗加熱電源17p,18pにそれぞれ接続されており、独立に制御することができる。
原料ホッパ20の原料タンク20aには、粒状シリコンの原料である、粒径0.1mm以下のシリコン粉mが貯留されている。原料ホッパ20を構成する原料タンク20a、ダクト20b、および制御機構20cは全てコーティングまたはシリコン部材でカバーされている。原料タンク20a内の気圧はガス供給源19aに接続されたマスフローコントローラ19e及び減圧ポンプ19cによって制御されている。原料タンク20a内のシリコン粉は、ダクト20bを通って上部ルツボ13に送られる。また、原料タンク20aに原料を追加できるようゲートバルブ20dが設けられている。マスフローコントローラ19e及び減圧ポンプ19cの役割は、原料タンク20aに原料を追加する為に常圧に戻したときチャンバー11と差圧を調整、もしくは原料の酸化を防ぐためにArガス置換を行うための炉内環境調整である。
シリコン粉としては、原料の破砕工程で発生する粉、単結晶ウェーハもしくは多結晶ウェーハの加工工程で発生する粉、または半導体デバイスの最終工程であるバックグラインドで発生する粉を用いることができる。
シリコンインゴットやシリコンウェーハを研削又は研磨する際、粒径が0.1〜100μmの非常に細かいシリコンスラッジが水とともに排出される。このシリコンスラッジ排水には、シリコン以外にもイオン注入法によってウェーハ表面に不純物として打ち込まれた不純物元素(例えばボロン、リン、砒素、アンチモン等)に加え、研削,研磨工程で混入するタングステン、クロム、チタン、ガリウム、鉄、酸素などが多く含まれている。本実施形態では、このシリコンスラッジ排水を遠心分離して得られるシリコン粉を原料とすることができる。
上部ルツボ13の底部には、直径1.0mm以上の融液排出孔13aが設けられており、融解されたシリコン融液mはこの融液排出孔13aから排出され、下部ルツボ14に流れ落ちる。上部ルツボ13内のシリコン融液mの液面は、圧力制御部19bによって上部ルツボ13内に導入されるArガスによって加圧され、これにより融液排出孔13aからのシリコン融液mの排出が促進される。Arガスの圧力は1〜50kPaであることが好ましい。融液排出孔13aの直径が2.0mm以上であれば、加圧を行わなくても自重により融液が上部ルツボ13から下部ルツボ14に排出される。
下部ルツボ14の底部には、融液排出孔14aが設けられており、融解されたシリコン融液mはこの融液排出孔14aから排出されて落下する。融液排出孔14aの直径は0.1〜10mmであることが好ましく、融液排出孔14aの長さは10mm以下であることが好ましい。
上部ルツボ13と連結する下部ルツボ14もまた、Arガスの加圧力の影響を受けて融液排出孔14aからのシリコン融液mの滴下が促進される。シリコンの液滴は、冷却ガス供給部(冷却ガス噴出機構)22を備えたドロップチューブ11b内を10m以上落下する過程で固化し、さらに回収容器21内に落下する。ドロップチューブ11bの長さは10m以上であることが好ましく、13m以上であることがより好ましく、15m以上であることが特に好ましい。
回収容器21は石英製またはシリコン製であり、水冷機構を有している。さらに、回収容器21内にはArガスが導入されており、このガス流により粒状シリコンどうしの結着が防止される。
ドロップチューブ11b内を落下するシリコン融液は、ドロップチューブ11bに設置された4箇所の冷却ガス供給部22から供給される冷却ガスにより冷却される。冷却ガスは加圧ポンプ19aから送り込まれる。また、メインチャンバー11aには減圧ポンプ19d及びマスフローコントローラ19fが接続されており、メインチャンバー11a及びドロップチューブ11b内部の気圧が制御されている。
図2は、冷却ガス供給部22の構成を示す模式図であって、(a)は略平面図、(b)
は(a)のX−X線に沿った略断面図である。
図2に示すように、冷却ガス供給部22はリング状のガス管23からなり、ガス管23には複数のノズル24が設けられており、このノズル24の水平面に対する角度により、ガス吹き付け角度が決定される。ノズル24は周方向の複数個所に等間隔で設けられており、各ノズル24の平面方向の向きはドロップチューブ11bの中心部を向いている。冷却ガスは例えばArガスであり、その噴出方向は水平面に対する上向きの角度θが10°以上であることが好ましく、ガスの流量は10L/分以上であることが好ましい。ガス流量はマスフローコントローラ19gによりコントロールする。
図3は、粒状シリコン製造装置10を用いた粒状シリコンの製造方法を示すフローチャートである。また、図4は、図1に示した粒状シリコンの製造装置における原料の初期装填状態を示す略側面図である。
図3に示すように、粒状シリコンの製造では、まず上部ルツボ13内にシリコン原料を予めチャージしておく。初期融解時には、図4に示すように、上部ルツボ13の融液排出孔13aが閉塞されることを防止するため、上部ルツボ13の底部に直径1mm以上の大きさを有する固体のシリコン片mを敷き詰めておき、その上に、シリコン粉mを充填する(ステップS11)。
次に、シリコン粉を上部ヒータ17及び下部ヒータ18によって1550℃〜1600℃に加熱し、シリコン融液を生成する(ステップS12)。上部ルツボ13内のシリコン粉を溶融するとき、粉体の表面に形成されている酸化膜が原因で酸化物系の異物が多く発生することを抑制するため、融液温度を1550℃以上とすることが好ましい。
シリコンの溶融が進行すると、上部ルツボ13内のシリコン融液は、その底部に設けられた融液排出孔13aから落下する。シリコン融液はその自重により融液排出孔13aから排出されるが、ルツボ内をArガスで加圧することでその排出量を多くすることができる。
上部ルツボから13のシリコン融液は下部ルツボ14に送られる。下部ルツボ14内のシリコン融液は、その底部に設けられた融液排出孔14aを通ってルツボ外に排出され、液滴の状態で下方に落下する。
落下中のシリコン融液は、ドロップチューブ11bに設置された4箇所の冷却ガス供給部より噴出するArガスにより冷却される(ステップS13)。この冷却ガスは上向きの角度θが10°以上であり、落下するシリコン粒に吹き付けられる。このガス流により、落下するシリコン粒に対する空気抵抗が増し、その落下速度が遅くなるため、冷却効果が大きくなり、落下後のシリコン球どうしが互いに結着しにくくなる。これにより、球状または涙状のシリコン粒を得ることができる。
シリコン原料(シリコン粉)は連続投入方式で追加供給することができる(ステップS14)。シリコン原料は原料ホッパ20から供給されるが、このとき、ルツボ内にシリコン融液をある程度残した状態で供給する。シリコン融液が存在しない状態で追加原料を投入すると、融液排出孔13aが閉塞しやすい。しかし、ルツボ内にシリコン融液が残った状態で原料を追加投入すれば、融液排出孔13aの閉塞を防止することができる。
下部ルツボ14の融液排出孔14aから排出されたシリコン融液は、水冷されたドロップチューブ11bの中を落下する過程で固化し、水冷された回収容器21で回収される(ステップS15)。回収容器21には減圧ポンプ19d,マスフローコントローラ19hが接続されており、回収容器21内の気圧が制御されている。また回収容器21より粒状シリコンを回収する際、ゲートバルブ21aを閉じて常圧にしてから回収する。
粒状シリコンを回収後に製造プロセスを再開する場合、回収容器21とメインチャンバー11及びドロップチューブ11bには差圧が生じる為、減圧ポンプ19d及びマスフローコントローラ19hを用いて圧力を調整し、ゲートバルブを開く。
以上説明したように、本実施形態による粒状シリコンの製造方法は、ルツボを上下二段の直列構造とし、予め上部ルツボ13内にシリコン融液が溜められた状態でシリコン粉を投入し、シリコン粉の溶融時に発生する酸化物系の異物を上部ルツボ13で捕捉し、下部ルツボ14には純粋な融液のみを供給するので、ルツボの底部に設けられたシリコン融液の排出口の閉塞を防止することができる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
(実施例1)
図1に示した装置を用いて粒状シリコンの製造を行った。原料には、太陽電池用シリコンインゴットを固定砥粒ワイヤーソーで切断した際に発生した粒径0.1〜0.5μmのシリコンスラッジ10kgを用いた。上部ルツボ及び下部ルツボは石英製であり、上部ルツボの融液排出孔の直径は1.0mm、下部ルツボの融液排出孔の直径φ=0.7mmとした。
初期装填として、上部ルツボの底部の融液排出口を覆うように直径1mm以上の固体のポリシリコン片を10g以上敷き詰めておき、その上にシリコンスラッジ10kgを充填した。そしてこの上部ルツボをグラファイトサセプタに装着した。
次に、グラファイトサセプタを抵抗加熱方式のヒータによって1550℃〜1600℃に加熱し、上部ルツボ内のシリコン原料を融解した。シリコン原料を融解する場合、融液表面に酸化物系の異物が浮遊する現象がみられるが、ルツボ底部にポリシリコン片を敷き詰めたことにより、融液排出孔付近がシリコン融液で満たされ、シリコンスラッジの溶融スラグまたは、非融解部が融液排出孔を閉塞させるという不具合が解消された。
シリコン原料の融解が進行すると、下部ルツボ内にシリコン融液が溜り、さらにその融液排出孔からシリコン融液が落下した。ここで、Arガスによって石英ルツボ内を加圧しない場合、20粒/分程度の生成能力であったが、ルツボ内をArガスで1kPaに加圧してシリコン融液の排出量を制御したところ、200粒/分の生成能力であった。
その後、原料ホッパから上部ルツボ内にシリコン粉を追加供給した。このとき、上部ルツボ内にシリコン融液を2kg以上残してシリコン粉を供給した。シリコン融液が存在しない状態で追加原料を投入すると、融液排出孔が閉塞しやすいが、ルツボ内にシリコン融液が残った状態でシリコン粉を追加投入したことにより、融液排出孔の閉塞は発生しなかった。
排出されたシリコン融液は、水冷されたドロップチューブの中を15m落下し、4箇所のガス供給部から供給されたArガスにより冷却され、水冷されたシリコンの回収容器上で回収された。Arガスは上向きの角度が10°でシリコン粒に吹き付けられ、流量は10L/分であった。得られたシリコン粒の粒径は1.2〜1.8mmであり、その形状は球状または涙状であった。得られたシリコン粒のなかには、2〜10粒程度が互いに結着した粒が5〜8%含まれているが、結着した粒の大きさは10〜20mm程度であり、後処理として破砕工程が必要なレベルではなかった。
このようにして得られた粒状のシリコン原料は、従来の破砕が必要なプロセスよりもコスト安となり、さらに表1に示すとおり、Fe、Ni、Cr、W、Coの金属不純物濃度は、キャスト法で固める場合(比較例)よりも低下し、高純度なシリコンとなった。
Figure 2013199395
(実施例2)
Arガスによる冷却を実施しなかった点以外は実施例1と同一条件下で粒状シリコンを製造した。その結果、シリコン融液の冷却が十分に行われず、滴下されたシリコン融液は互いに結着し、約30%のシリコン粒が結着した。結着したシリコン粒の約1/3は10〜20mm程度であったが、それ以外はシリコン粒同士が大量に結着し、シリコン塊となった。シリコン塊は後処理として破砕工程が必要となり、粒状に比べコスト高となる為、原料として好ましくない。
(実施例3)
ドロップチューブ内での落下の高さを9mとした点以外は実施例1と同一条件下で粒状シリコンを製造した。その結果、シリコン融液の冷却が十分に行われず、滴下されたシリコン融液は互いに結着し、85%が粒状とはならずシリコン塊となった。
(実施例4)
ドロップチューブ内での落下の高さを20mとした点以外は実施例1と同一条件下で粒状シリコンを製造した。その結果、得られたシリコン粒の粒径は、実施例1と同様、1.2〜1.8mmであった。粒子同士の結着は発生せず、その形状は球状または涙状のみであった。
(実施例5)
上部ルツボ内を10kPaで加圧し、落下の長さを13mとした点以外は実施例1と同一条件下で粒状シリコンを製造した。その結果、400粒/分の速度で融液排出孔よりシリコン融液が落下した。
排出されたシリコン融液は、水冷されたドロップチューブの中を13m落下し、水冷されたシリコンの回収容器上で回収された。得られたシリコン粒の粒径は1.2〜1.8mmであり、その形状は球状または涙状であった。得られたシリコン粒のなかには、2〜10粒程度が互いに結着した粒が7〜11%含まれているが、結着した粒の大きさは10〜20mm程度であり、後処理として破砕工程が必要なレベルではなかった。
10 粒状シリコン製造装置
11 チャンバー
11a メインチャンバー
11b ドロップチューブ
12 二重ルツボ
13 上部ルツボ
13a 上部ルツボの融液排出孔
14 下部ルツボ
14a 上部ルツボの融液排出孔
15,16 グラファイトサセプタ
17 上部ヒータ
17p 抵抗加熱電源
18 下部ヒータ
18p 抵抗加熱電源
19a ガス供給源
19b 圧力制御部
19e,19f,19g,19h マスフローコントローラ(流量調整)
19c,19d 減圧ポンプ
20 原料ホッパ
20a 原料タンク
20b ダクト
20c 制御機構
20d 原料タンクゲートバルブ
21 回収容器
21a 回収容器ゲートバルブ
22 冷却ガス供給部
23 ガス管
24 融液排出孔

Claims (7)

  1. 上部ルツボ及び下部ルツボからなる二連ルツボを用い、
    初期融解時に上部ルツボ内にシリコン片を敷き詰めた後、当該シリコン片の上にシリコン粉を充填しておき、
    前記シリコン片及び前記シリコン粉が充填された前記上部ルツボを含む前記二連ルツボを加熱溶融してシリコン融液を生成し、
    前記シリコン融液と共に生成される異物を前記上部ルツボで補足しながら、前記上部ルツボ内の前記シリコン融液を当該上部ルツボの底部に設けられた第1の融液排出孔から排出させて前記下部ルツボに送り、
    前記下部ルツボ内のシリコン融液を当該下部ルツボの底部に設けられた第2の融液排出孔から滴下させて空中に落下させ、
    前記落下中に冷却されて実質的に固化した粒状シリコンを回収することを特徴とする粒状シリコンの製造方法。
  2. 前記上部ルツボ内に前記シリコン融液が残存する状態で、前記上部ルツボ内にシリコン粉を追加投入する、請求項1に記載の粒状シリコンの製造方法。
  3. 前記下部ルツボの前記第2の融液排出孔から落下する前記シリコン融液の液滴を、水冷された円筒状のドロップチューブで囲まれた空間を落下させることにより冷却し、前記ドロップチューブの下端部に設けられた回収容器で回収する、請求項1又は2に記載の粒状シリコンの製造方法。
  4. 前記ドロップチューブ内を落下する前記シリコン融液の液滴に対して、上向きに流れる冷却ガスを吹き付ける、請求項3に記載の粒状シリコンの製造方法。
  5. 水冷された前記回収容器を用いて前記粒状シリコンを回収する、請求項3又は4に記載の粒状シリコンの製造方法。
  6. 前記第2の融液排出孔から下方に前記シリコン融液の液滴を10m以上落下させる、請求項1乃至5のいずれか一項に記載の粒状シリコンの製造方法。
  7. 前記加熱温度が1550℃以上である、請求項1乃至6のいずれか一項に記載の粒状シリコンの製造方法。
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