JP2013187514A - 面位置検出方法及び装置、並びに露光方法及び装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】光学系をあまり複雑化させることなく、被検面の多くの計測位置で面位置を高精度に検出する。
【解決手段】ウエハ面Waの面位置情報を検出するAFセンサ12であって、ウエハ面Waに斜めに入射面に沿って細長いスリット像を投射する送光光学系14Aと、ウエハ面Waの反射光を受光してスリット像を再形成する受光光学系14Bと、再形成されたスリット像の長手方向に沿って細長い受光スリット33aが形成された偏向プリズム32と、スリット像のデフォーカス量を変化させる振動ミラー26ADと、受光スリット33aを通過した光を検出する受光素子アレイ36と、を備える。
【選択図】図1
【解決手段】ウエハ面Waの面位置情報を検出するAFセンサ12であって、ウエハ面Waに斜めに入射面に沿って細長いスリット像を投射する送光光学系14Aと、ウエハ面Waの反射光を受光してスリット像を再形成する受光光学系14Bと、再形成されたスリット像の長手方向に沿って細長い受光スリット33aが形成された偏向プリズム32と、スリット像のデフォーカス量を変化させる振動ミラー26ADと、受光スリット33aを通過した光を検出する受光素子アレイ36と、を備える。
【選択図】図1
Description
本発明は、被検面の面位置情報を検出する面位置検出技術、この面位置検出技術を用いる露光技術、及びこの露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
従来、半導体素子(集積回路等)又は液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するためのリソグラフィー工程中で、レチクルのパターンを投影光学系を介してレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)の表面に転写するために、ステッパー又はスキャニングステッパー(スキャナー)などの露光装置が用いられている。かかる露光装置においては、従来より、オートフォーカスセンサ(以下、AFセンサという)によってウエハの表面の面位置(法線方向の位置又は投影光学系の光軸方向の位置)を検出し、この検出結果に基づいて露光中にオートフォーカス方式でウエハの表面を投影光学系の像面に合焦させている。
従来のAFセンサとしては、ウエハの表面等の被検面に対して送光光学系によって斜め方向からスリット像を投影し、受光光学系によってその表面からの反射光を受光してそのスリット像を再結像する斜入射型の検出装置が知られている。この場合、被検面の面位置が変化すると、再結像されるスリット像の位置が横ずれすることから、被検面の面位置が検出できる。さらに、従来の斜入射型の検出装置では、送光光学系又は受光光学系内に設けられた振動ミラーの駆動信号に同期して検出信号を同期検波することで、外乱光の影響を低減させていた(例えば、特許文献1参照)。
従来のAFセンサは被検面の複数の計測位置に対してそれぞれスリット像を斜めに投影しているため、被検面の複数の計測位置の配列ピッチを小さくすることが困難であり、計測位置を増加させようとすると、光学系が複雑化して、光学系の調整も複雑化する。最近は、ウエハの表面等の被検面でより小さいピッチで配列されたより多くの計測位置で面位置を計測することが求められている。
本発明の態様は、このような事情に鑑み、光学系をあまり複雑化させることなく、被検面の多くの計測位置で面位置を高精度に検出できるようにすることを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、被検面の面位置情報を検出する面位置検出装置が提供される。この面位置検出装置は、その被検面に斜め方向から入射面に沿った方向に細長いスリット状パターンの像を投射する送光光学系と、その被検面で反射された光を受光してそのスリット状パターンの像を再形成する受光光学系と、そのスリット状パターンの像が再形成される面を有し、この面にそのスリット状パターンの像の長手方向に沿って細長いスリット状開口が形成された光学部材と、そのスリット状開口が形成された面でそのスリット状パターンの像のデフォーカス量を周期的に変化させるデフォーカス系と、そのスリット状開口を通過した光を検出する光電検出器と、その光電検出器の検出信号に基づいてその被検面の面位置情報を求める信号処理部と、を備えるものである。
また、第2の態様によれば、露光光でパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、そのパターンが形成された面及びその基板の表面の少なくとも一方の面位置を検出するために、第1の態様の面位置検出装置を備える露光装置が提供される。
また、第3の態様によれば、被検面の面位置情報を検出する面位置検出方法が提供される。この面位置検出方法は、その被検面に斜め方向から入射面に沿った方向に送光光学系を介して細長いスリット状パターンの像を投射し、その被検面で反射された光を受光光学系を介して受光してそのスリット状パターンの像を再形成し、そのスリット状パターンの像が再形成される面に、そのスリット状パターンの像の長手方向に沿って配置された細長いスリット状開口を介して、その受光光学系からの光を検出し、そのスリット状開口が形成された面でそのスリット状パターンの像のデフォーカス量を周期的に変化させ、その受光光学系からの光の検出信号に基づいてその被検面の面位置情報を求める、ものである。
また、第3の態様によれば、被検面の面位置情報を検出する面位置検出方法が提供される。この面位置検出方法は、その被検面に斜め方向から入射面に沿った方向に送光光学系を介して細長いスリット状パターンの像を投射し、その被検面で反射された光を受光光学系を介して受光してそのスリット状パターンの像を再形成し、そのスリット状パターンの像が再形成される面に、そのスリット状パターンの像の長手方向に沿って配置された細長いスリット状開口を介して、その受光光学系からの光を検出し、そのスリット状開口が形成された面でそのスリット状パターンの像のデフォーカス量を周期的に変化させ、その受光光学系からの光の検出信号に基づいてその被検面の面位置情報を求める、ものである。
また、第4の態様によれば、露光光でパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、そのパターンが形成された面及びその基板の表面の少なくとも一方の面位置を検出するために、第3の態様の面位置検出方法を用いる露光方法が提供される。
また、第5の態様によれば、第2の態様の露光装置又は第4の態様の露光方法を用いて、マスクのパターンを基板に転写することと、そのパターンが転写されたその基板をそのパターンに基づいて加工することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
また、第5の態様によれば、第2の態様の露光装置又は第4の態様の露光方法を用いて、マスクのパターンを基板に転写することと、そのパターンが転写されたその基板をそのパターンに基づいて加工することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、被検面に細長いスリット状パターンの像が投射されているため、そのスリット状パターンの像を再形成し、この再形成された像の光量をスリット状開口を介して受光するときに、その再形成された像の長手方向に対応する方向に配列する受光素子の数を増加するだけで、被検面の面位置の計測位置を容易に増加できる。このため、光学系をあまり複雑化させることなく、被検面の多くの計測位置で面位置を高精度に検出することが可能となる。
[第1の実施形態]
以下、本発明の好ましい第1の実施形態につき図1〜図6を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る露光装置EXの概略構成を示す。露光装置EXは、スキャニングステッパー(スキャナー)よりなる走査型の投影露光装置(走査型露光装置)である。露光装置EXは投影光学系PLを備えており、以下においては、投影光学系PLの光軸AXと平行にZ軸を取り、これに直交する面(本実施形態ではほぼ水平面である)内でレチクルとウエハとが相対走査される方向(図1の紙面に垂直な方向)にY軸を、Z軸及びY軸に直交する方向(図1の紙面に平行な方向)にX軸を取り、X軸、Y軸、及びZ軸の回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
以下、本発明の好ましい第1の実施形態につき図1〜図6を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る露光装置EXの概略構成を示す。露光装置EXは、スキャニングステッパー(スキャナー)よりなる走査型の投影露光装置(走査型露光装置)である。露光装置EXは投影光学系PLを備えており、以下においては、投影光学系PLの光軸AXと平行にZ軸を取り、これに直交する面(本実施形態ではほぼ水平面である)内でレチクルとウエハとが相対走査される方向(図1の紙面に垂直な方向)にY軸を、Z軸及びY軸に直交する方向(図1の紙面に平行な方向)にX軸を取り、X軸、Y軸、及びZ軸の回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
図1において、露光装置EXは、照明系ILS、照明系ILSからの露光用の照明光(露光光)ILで照明されるレチクルR(マスク)を保持して移動するレチクルステージRST、レチクルRのパターンの像をウエハW(基板)の表面(以下、ウエハ面という)Waに投影する投影光学系PL、ウエハWを保持して移動するウエハステージWST、装置全体の動作を統括的に制御するコンピュータよりなる主制御装置40、及びその他の制御系等を備えている。さらに、露光装置EXは、ウエハ面Wa(被検面)の複数の計測領域における投影光学系PLの光軸方向(本実施形態ではZ方向)の位置(Z位置、フォーカス位置、又は面位置)を検出するオートフォーカスセンサ(以下、AFセンサという)12(面位置検出装置)を備えている。AFセンサ12は、被検面に斜めに検出用の光束を投射する光学式で斜入射方式の検出装置である(詳細後述)。
照明系ILSは光源及び照明光学系を有する。照明光学系は、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されるように、回折光学素子又は空間光変調器等を含む光量分布設定部、オプティカルインテグレータ(フライアイレンズ、ロッドインテグレータ等)等を含む照度均一化光学系、固定及び可変の視野絞り(レチクルブラインド)、及びコンデンサー光学系等(いずれも不図示)を有する。照明系ILSからの照明光ILは、光路折り曲げ用のミラーMIを介して、レチクルブラインドで規定されたレチクルRのパターン面(下面)のX方向に細長いスリット状の照明領域をほぼ均一な照度で照明する。照明光ILとしては、一例としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。なお、照明光としては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、YAGレーザの高調波、固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波、又は水銀ランプの輝線(i線等)なども使用できる。
レチクルステージRSTは、レチクルベース(不図示)のXY平面に平行な上面にエアベアリングを介して載置されている。レチクルステージRSTは、その上面において、例えばリニアモータ等を含む駆動系(不図示)によって少なくともX方向、Y方向、θz方向に微少駆動可能であるとともに、走査方向(Y方向)に指定された走査速度で駆動可能である。レチクルステージRSTの位置情報(X方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角を含む)はレーザ干渉計(不図示)によって計測され、この計測値及び主制御装置40からの制御情報に基づいて、ステージ制御系42がその駆動系を制御する。
投影光学系PLは、照明光ILのもとでレチクルRのパターン領域の照明領域内の回路パターンの像を、ウエハWの一つのショット領域のX方向に細長いスリット状の露光領域(照明領域と共役な領域)に形成する。投影光学系PLは、屈折系又は反射屈折系からなり、例えば両側テレセントリックで所定の投影倍率β(例えば1/4倍、1/5倍などの縮小倍率)を有する。ウエハWは、例えば直径が200mmから450mm程度の円板状の半導体ウエハの表面にフォトレジスト(感光剤)を所定の厚さ(例えば数10〜200nm程度)で塗布したものを含む。
また、露光装置EXが液浸法で露光を行う場合には、投影光学系PLを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子とウエハWとの間の局所的な領域に、照明光ILを透過する液体を供給するための局所液浸機構(不図示)が設けられる。その局所液浸機構は、例えば米国特許出願公開第2007/242247号明細書等に開示されている。
また、ウエハステージWSTは、ウエハベースWBのXY平面に平行な上面にエアベアリングを介して載置されている。ウエハステージWSTは、ウエハベースWBの上面においてX方向及びY方向に移動可能で、θz方向に微小回転可能なXYステージと、XYステージの上部に固定されたZステージとを有する。そのZステージは、ウエハテーブルWTBを介してウエハWを保持するとともに、ウエハテーブルWTB(及びウエハW)のZ位置、及びθx方向、θy方向の傾斜角を制御する。ウエハテーブルWTBの上面には、ウエハの表面とほぼ同じ高さの面となる、中央にウエハWが設置される開口が形成された平板10が設けられている。露光装置EXが液浸型である場合には、平板10の表面には撥液化処理が施される。
また、ウエハステージWSTは、ウエハベースWBのXY平面に平行な上面にエアベアリングを介して載置されている。ウエハステージWSTは、ウエハベースWBの上面においてX方向及びY方向に移動可能で、θz方向に微小回転可能なXYステージと、XYステージの上部に固定されたZステージとを有する。そのZステージは、ウエハテーブルWTBを介してウエハWを保持するとともに、ウエハテーブルWTB(及びウエハW)のZ位置、及びθx方向、θy方向の傾斜角を制御する。ウエハテーブルWTBの上面には、ウエハの表面とほぼ同じ高さの面となる、中央にウエハWが設置される開口が形成された平板10が設けられている。露光装置EXが液浸型である場合には、平板10の表面には撥液化処理が施される。
ウエハベースWBの上面におけるウエハステージWSTの位置情報(少なくともX方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角を含む)はレーザ干渉計(不図示)によって計測され、この計測値及び主制御装置40からの制御情報に基づいて、ステージ制御系42がリニアモータ等の駆動系(不図示)を介してウエハステージWST内のXYステージの動作を制御する。さらに、AFセンサ12で計測されるウエハ面WsのZ位置の情報に基づいて、主制御装置40は、ステージ制御系42を介してウエハステージWSTのZステージを制御する。
また、ウエハステージWSTは、レチクルRのアライメントマークの投影光学系PLによる像の位置を計測する空間像計測系(不図示)を備え、投影光学系PLの近傍には、ウエハWのアライメントマークの位置を計測するウエハアライメント系(不図示)が設けられている。その空間像計測系及びウエハアライメント系の計測結果に基づいてレチクルR及びウエハWのアライメントが行われる。
ウエハWの露光時には、照明系ILSからの照明光ILを可動のレチクルブラインドで遮光して、ウエハステージWSTのX方向、Y方向への移動によって、ウエハWの一つのショット領域が投影光学系PLの露光領域の手前に移動(ステップ移動)する。その後、照明光ILのウエハWへの照射を開始して、レチクルRのパターンの一部の投影光学系PLによる像でウエハWの当該ショット領域を露光しつつ、レチクルステージRST及びウエハステージWSTを駆動して、レチクルR及びウエハWをY方向に同期して移動することによって、当該ショット領域にレチクルRのパターンの像が走査露光される。そのステップ移動と走査露光とを繰り返すことによって、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハWの全部のショット領域にレチクルRのパターンの像が露光される。
また、ウエハWの各ショット領域の走査露光時に、AFセンサ12によるウエハWの表面の複数の計測領域(計測点)のZ位置の計測結果に基づいて、主制御装置40はステージ制御系42を介して、オートフォーカス方式でウエハ面Wsが投影光学系PLの像面に合焦されるように、ウエハステージWSTのZステージを駆動する。これによって、レチクルRのパターンの像がウエハWの各ショット領域に高い解像度で露光される。
次に、本実施形態のAFセンサ12の構成及び動作につき詳細に説明する。AFセンサ12は、検出用の光束Lを射出する光源系16、光束Lが照射される複数の送光スリット19aが形成された偏向プリズム18、複数のスリット像をウエハ面Wa(被検面)に斜め方向から投射する送光光学系14A、ウエハ面Waで反射された光束Lを受光する受光光学系14B、及び複数の受光スリット33aが形成された偏向プリズム32を有する。さらに、AFセンサ12は、送光光学系14A内に配置されて、光束Lを反射させて光束Lのθy方向の角度を周期的に変化させるガルバノミラー等の振動ミラー26AD、振動ミラー26ADを駆動するミラー制御系44、偏向プリズム32を介した光束Lを検出する検出系14C、及び検出系14Cの検出信号からウエハ面Waの複数の計測領域でのZ位置(面位置)の情報を求める信号処理系46を有する。
まず、光源系16は、波長幅の広い可視光及び/又は近赤外光よりなる非偏光の光束Lを射出する例えば発光ダイオード又はハロゲンランプ等よりなる光源17A、及び光束Lをほぼ平行光束にするコンデンサーレンズ17Bを有する。光束Lとしては、ウエハWに塗布されたレジストに対する感光性が低く、かつ可干渉性の低い光が好ましい。コンデンサーレンズ17Bによってほぼ平行光束に変換された光束Lは偏向プリズム18に入射し、偏向プリズム18によって屈折されることにより主光線がほぼ−Z方向に進行するように偏向される。偏向プリズム18の射出面には、遮光膜中に複数の細長い送光スリット19a(ラインパターン)を周期的に配列した構成の送光スリット部19が設けられている。
図2(B)に示すように、送光スリット部19の複数の細長い送光スリット19aの長手方向に平行なX1方向は、ウエハ面WaのX方向に対応する方向である。図2(B)において、X1方向に直交する方向をY1方向(ウエハ面WaのY方向に平行な方向)とすると、送光スリット19aのY1方向の線幅d1は例えば10〜20μm、送光スリット19aのY1方向の配列のピッチ(周期)p1は線幅d1の数倍程度である。一例として、送光スリット19aの本数は数10本〜数100本程度である。
なお、光源17Aの光束は、それぞれ例えば可撓性を持つ光ガイド(不図示)によって投影光学系PLの側面に近い位置まで伝送してもよい。
図1において、偏向プリズム18の複数の送光スリット19aを通過した光束Lは、送光光学系14Aの第1対物レンズ20Aに入射する。第1対物レンズ20Aで集光された光束Lは、振動ミラー26ADにより90°よりも所定角度(例えば数°〜10°程度)小さい角度程度だけ+X方向に光路が折り曲げられた後、第2対物レンズ20B、及び光路を−Z方向にシフトさせるプリズム28Aを介して、ウエハ面WaのX方向に細長い投射領域29内に斜めに投射される。光束Lによって投射領域29内に、複数の細長い送光スリット19aの像がY方向に一定のピッチで形成される。
図1において、偏向プリズム18の複数の送光スリット19aを通過した光束Lは、送光光学系14Aの第1対物レンズ20Aに入射する。第1対物レンズ20Aで集光された光束Lは、振動ミラー26ADにより90°よりも所定角度(例えば数°〜10°程度)小さい角度程度だけ+X方向に光路が折り曲げられた後、第2対物レンズ20B、及び光路を−Z方向にシフトさせるプリズム28Aを介して、ウエハ面WaのX方向に細長い投射領域29内に斜めに投射される。光束Lによって投射領域29内に、複数の細長い送光スリット19aの像がY方向に一定のピッチで形成される。
第1対物レンズ20A、第2対物レンズ20B、及びプリズム28Aから送光光学系14Aが構成されている。送光光学系14Aは、偏向プリズム18の射出面(送光スリット部19の形成面)と投影光学系PLの像面(合焦時のウエハ面Wa)とを光学的に共役にする結像光学系である。また、ウエハ面Waに斜めに投射される光束Lの主光線の入射面と、投影光学系PLの像面(合焦時のウエハ面Wa)とが交差する直線はX軸に平行(X方向)であり、送光スリット19aの像の長手方向もX方向である。
振動ミラー26ADは、送光光学系14Aの射出瞳と共役な面(瞳面)の近傍に配置されている。振動ミラー26ADは、点線の下側の光路P1及び上側の光路P2の間で、すなわち光束Lのウエハ面Waに対する入射面内で反射光を振動させる。また、ウエハ面Waが投影光学系PLの像面に合致している状態で、送光スリット部19の形成面とウエハ面Waとは、送光光学系14Aに関してシャインプルーフの条件を満たすように配置されており、複数の送光スリット19aの像は、投射領域29の全面に渡って正確に結像する。また、送光光学系14Aはいわゆる両側テレセントリック光学系であり、一例として開口数は0.01〜0.1程度で、投影倍率はほぼ等倍〜数倍であり、任意の2つの送光スリット19aのピッチp1と、対応するウエハ面Waの2つの像のY方向のピッチとは、ウエハ面Waの全面に渡って互いに同じ倍率である。
図2(A)に示すように、投射領域29内には、送光光学系14Aから投射された光束Lによって、J本(Jは例えば数10〜数100の整数)の送光スリット19aのX方向に細長い像(以下、スリット像という)37j(j=1〜J)が、Y方向にピッチpで形成される。ピッチpは送光スリット19aのピッチp1と同じ程度か又はその数倍程度である。細長いスリット像37j(ラインパターンの像)のX方向の長さは、例えば被検面のX方向の最大の幅よりもわずかに短い程度である。従って、ウエハWの直径が300mm程度である場合、送光スリットの像37jのX方向の長さはほぼ300mm程度である。振動ミラー26ADの振動によって、各スリット像37jの位置は全体としてX方向に周期的に変化するとともに、デフォーカス量が変化するが、Y方向の平均的な位置は変化しない。
また、本実施形態では、複数のスリット像37jが投影されている投射領域29は、X方向に互いに同じ幅のI個(Iは数10〜300程度の整数)の計測領域MAi(i=1〜I)に分かれている。i番目の計測領域MAiの中心をウエハ面WaにおけるZ位置のi番目の計測点とみなすことができる。後述のように、計測領域MAiの個数Iは検出系14C内の受光素子アレイ36の受光素子の個数と同じであり、計測領域MAiのX方向の配列のピッチは、受光素子アレイ36の受光素子の配列のピッチに応じて容易に例えば1mm程度までも小さくできる。さらに、受光素子アレイ36の受光素子の数を増加させるだけで、計測領域MAi(計測点)の数を容易に増加させることができる。
図1において、ウエハ面Waに投射された光束Lは、ウエハ面Waで反射されて、光路を+Z方向にシフトさせるプリズム28Bを介して第1対物レンズ30Aに入射する。そして、第1対物レンズ30Aを通過した光束Lは、ミラー26Bを介して光路がほぼ+Z方向に折り曲げられて第2対物レンズ30Bに入射する。第2対物レンズ30Bから射出された光束Lは、偏向プリズム32の入射面に形成された受光スリット部33に、ウエハ面Waの投射領域29内の複数の細長いスリット像37jの像を形成する。
図2(C)に示すように、受光スリット部33は、遮光膜中に複数のスリット像37jの像(以下、スリット像という)38j(j=1〜J)とほぼ同じ配列で、合焦時のスリット像38jとほぼ同じ形状の細長い開口パターンよりなる複数の受光スリット33aをY2方向(ウエハ面のY方向に平行な方向)に平行に設けた構成である。スリット像38jは、複数の送光スリット19aの送光光学系14A及び受光光学系14Bによる像19aPでもある。振動ミラー26ADの振動によって、複数のスリット像38jは全体としてX2方向(ウエハ面のX方向に対応する方向)に周期的に移動するとともに、周期的にデフォーカス量が変化する。
プリズム28B、第1対物レンズ30A、ミラー26B、及び第2対物レンズ30Bより受光光学系14Bが構成されている。受光光学系14Bに関して、投影光学系PLの像面(合焦時のウエハ面Wa)と偏向プリズム32の入射面(受光スリット部33の形成面)とは光学的に共役である。また、ウエハ面Waが投影光学系PLの像面に合焦している状態で、ウエハ面Waと偏向プリズム32の入射面とは、受光光学系14Bに関して、シャインプルーフの条件を満たすように配置されている。従って、偏向プリズム32の入射面の全面に渡って、ウエハ面Waの投射領域29内に結像したスリット像37jの像38jが正確に再結像する。また、受光光学系14Bは両側テレセントリック光学系であり、一例として開口数は0.01〜0.1程度で、投影倍率はほぼ等倍〜数分の1であり、ウエハ面Waの2点の間隔と偏向プリズム32の入射面上の対応する2つの共役点の間隔とは、全面で同じ倍率である。
この場合、図3(A)に示すように、ウエハ面Waが像面に合焦している状態で、送光光学系14Aから実線の光路に沿ってウエハ面WaのX方向の中央の点B0に照射された光束Lを想定する。この光束Lは、ウエハ面Waで反射されてから受光光学系14Bにより集光され、受光スリット部33の中央の点C0にスリット像を合焦状態で形成する。このとき、図3(C)に示すように、受光スリット部33の各受光スリット33aとほぼ同じ位置にほぼ同じ大きさのスリット像38jが形成され、各受光スリット33aを通過する光量は最大になる。この状態から、ウエハ面WaがZ方向(面位置の計測方向)に変位して、+Z方向の位置A1に移動すると、上記の点B0で反射される光束と同じ光路を通る光束は、点線で示すようにウエハ面Waで点B0から+X方向にδXだけ離れた点B1に集光される光束となる。この光束は実際には位置A1にあるウエハ面Waで反射された後、受光光学系14Bで集光されて受光スリット部33から+Z方向にδZ2だけ離れた点C1でスリット像を形成する。このため、図3(B)に示すように、受光スリット部33の各受光スリット33a上にはデフォーカスしたスリット像38jが形成され、各受光スリット33aを通過する光量は減少する。
一方、ウエハ面Waが−Z方向の位置A2に移動すると、上記の点B0で反射される光束と同じ光路を通る光束は、点線で示すようにウエハ面Waで点B0から−X方向にδXだけ離れた点B2に集光される光束となる。この光束は実際には位置A2にあるウエハ面Waで反射された後、受光光学系14Bで集光されて受光スリット部33から−Z方向にδZ2だけ離れた点C2でスリット像を形成する。このため、図3(D)に示すように、受光スリット部33の各受光スリット33a上にはデフォーカスしたスリット像38jが形成され、各受光スリット33aを通過する光量は減少する。従って、ウエハ面WaのZ位置が変化すると、受光スリット部33の各受光スリット33aを通過する光量を光電変換して得られる検出信号S1は、図3(E)に示すように、ウエハ面Waがベストフォーカス位置BFにあるときに最大になり、ウエハ面Waが位置BFから離れるほど小さくなる。このために検出信号S1からウエハ面WaのZ位置(位置BFに対する変位δZ)を検出できる。ただし、単に検出信号S1を用いると、Z位置が位置BFに対して+Z方向又は−Z方向のどちらに変位しているのかが分からないため、本実施形態では後述のように検出信号S1を振動ミラー26ADの駆動信号で同期整流する。
また、図3(A)において、一例として、送光光学系14Aからウエハ面Waに入射する光束Lの入射角φを86°として、ウエハ面WaのZ方向への変位(位置A1又はA2までの間隔)を1μmとすると、点B0から点B1又はB2までの距離δXは次のようにほぼ14.3μmとなる。
δX=1×tan86°=14.3(μm) …(1)
また、受光光学系14Bが例えば等倍であるとすると、受光スリット部33におけるスリット像38jのデフォーカス量(間隔δZ2)はほぼ式(1)の距離δXに等しくなり、そのデフォーカス量はほぼ14.3倍に拡大される。このウエハ面Waのデフォーカス量に対する受光スリット部33におけるデフォーカス量の倍率は受光光学系14Bの共焦点効果ともいうことができる。言い換えると、受光光学系14Bの開口数が仮に0.02であるとしても、共焦点効果によって開口数は実質的に0.28(=0.02×14)相当になり、面位置の検出に際して高い検出精度が得られる。
δX=1×tan86°=14.3(μm) …(1)
また、受光光学系14Bが例えば等倍であるとすると、受光スリット部33におけるスリット像38jのデフォーカス量(間隔δZ2)はほぼ式(1)の距離δXに等しくなり、そのデフォーカス量はほぼ14.3倍に拡大される。このウエハ面Waのデフォーカス量に対する受光スリット部33におけるデフォーカス量の倍率は受光光学系14Bの共焦点効果ともいうことができる。言い換えると、受光光学系14Bの開口数が仮に0.02であるとしても、共焦点効果によって開口数は実質的に0.28(=0.02×14)相当になり、面位置の検出に際して高い検出精度が得られる。
図1において、偏向プリズム32の入射面の複数の受光スリット33aを通過した光束Lは、リレー光学系34により、受光素子アレイ36に形成された複数の例えばフォトダイオードよりなる受光素子PEi(i=1〜I)の受光面にリレーされる。複数の受光素子PEiの検出信号S1は信号処理系46に供給される。受光素子アレイ36としては、例えばCCD又はCMOS型の1次元のラインセンサも使用できる。なお、受光素子アレイ36の代わりに複数列のそれぞれ複数の受光素子のアレイを有する受光素子アレイ、又は2次元の撮像素子を使用することも可能である。
図2(C)には、受光スリット部33の複数の受光スリット38jの配置面から、リレー光学系34を介して見た受光素子アレイ36の複数の受光素子PEi(i=1〜I)を示す。受光素子PEiの個数Iは、図2(A)のウエハ面Waの投射領域29内に設定される計測領域MAiの個数と同じであり、i番目の受光素子PEiによって、投射領域29内のi番目の計測領域MAiで反射された光束のうち、受光スリット部33の複数の受光スリット38jの対応する領域(計測領域MAiと共役な領域)を通過した光束が受光される。
信号処理系46は、各受光素子PEiから出力される検出信号S1を、ミラー制御系44から供給される振動ミラー26ADの駆動信号を用いて個別に同期整流することによって、ウエハ面Waのi番目の計測領域MAiのZ位置のベストフォーカス位置BFからの変位δZiとして求める。この場合の同期整流とは、一例として駆動信号の半周期毎にその検出信号をサンプリングして、サンプリングされた2つの信号の差分を求めることである。図3(E)に示したように、検出信号S1は位置BFで最大値になる信号であり、その同期整流によって変位δZiを高精度に求めることができる。ウエハ面Waにはそれまでの工程の処理等によって凹凸(段差)があるため、変位δZiは通常は互いにわずかに異なっている。求められたウエハ面Waの全部の計測領域MAiのZ位置(変位δZi)の情報は主制御装置40に供給される。リレー光学系34及び受光素子アレイ36から検出系14Cが構成されている。AFセンサ12のうち、ミラー制御系44及び信号処理系46を除く光学系の部分は、投影光学系PLを保持するフレーム(不図示)に支持されている。
ここで、振動ミラー26ADで光束Lをθy方向に振動することで、受光スリット部33に形成されるスリット像のデフォーカス量が変化すること、及びAFセンサ12によって、ウエハ面Waの前のレイヤ等に形成されている回路パターン(下地パターン)、又はウエハ面Waの互いに反射率が異なり隣接している複数の部分からの反射光の影響を軽減できることにつき説明する。ここで、図4(A)に示すように、一例として、ウエハ面Waが像面に合焦しており、振動ミラー26ADが振動範囲の中央(中立位置)にあるときに、送光光学系14Aから実線の光路に沿ってウエハ面WaのX方向の中央の点B0に照射される光束Lを想定する。この光束Lは、ウエハ面Waで反射されてから、受光スリット部33の中央の点C0にスリット像を形成する。
この状態から、振動ミラー26ADが時計回りの下限位置まで回転して、ウエハ面Waの点B0に入射していた光束Lの光路が点線の光路P1に移動すると、光路P1に沿った光束Lはウエハ面Waで反射した後に点B0から+Z方向に離れた点B01にスリット像を形成する。従って、ウエハ面Waには全部のスリット像がデフォーカスした状態で投影されるため、ウエハ面Waからの反射光によって受光スリット部33に形成されるスリット像もデフォーカスしている。この場合、点B01を通る光束は、受光スリット部33において点C0からX方向に対応する方向に離れた位置に入射する。そして、ウエハ面Waの点B0に入射した光束L11は、ウエハ面Waから離れた点B11にスリット像を形成した後、受光光学系14Bの光軸に沿って点C0から+Z方向にデフォーカスした位置C11にスリット像を形成するため、受光スリットを通過する光量は減少する。
これに対して、振動ミラー26ADが反時計回りの上限位置まで回転して、ウエハ面Waの点B0に入射していた光束Lの光路が点線の光路P2に移動すると、光路P2に沿った光束Lは点B0の上方の点B01にスリット像を形成した後、ウエハ面Waで反射される。従って、この状態でも、ウエハ面Waには全部のスリット像がデフォーカスした状態で投影されて、ウエハ面Waからの反射光によって受光スリット部33に形成されるスリット像もデフォーカスしている。そして、点B0から−X方向で+Z方向に離れた点B12でスリット像を形成した光束L12が、ウエハ面Waの点B0で反射された後、受光光学系14Bの光軸に沿って点C0から−Z方向にデフォーカスした位置C12にスリット像を形成するため、受光スリットを通過する光量は減少する。
このように、振動ミラー26ADの振動によって、受光スリット部33の中央に形成されるスリット像のデフォーカス量が周期的に変化し、同様に受光スリット部33の他の部分に形成されるスリット像もデフォーカス量が周期的に変化する。さらに、図4(A)の場合には、点B0があるウエハ面Waはベストフォーカス位置にあるが、ウエハ面Waがベストフォーカス位置からδZだけずれた位置にある状態で、振動ミラー26ADで光束Lを振動させると、受光スリット部33に形成されるスリット像のデフォーカス量は、変位δZに対応するデフォーカス量を中心として周期的に変化する。このため、受光素子アレイ36から出力される検出信号を振動ミラー26ADの駆動信号で同期整流することで、ウエハ面Waのベストフォーカス位置からの変位δZを求めることができる。
また、図4(B)に示すように、ウエハ面Waのスリット像37jの投射領域29において、例えばi番目の計測領域MAiが、反射率の高い部分(高反射率部)48Aと反射率が低い部分(低反射率部)48Bとの境界部に設定されているものとする。このとき、振動ミラー26ADを振動させることで、ウエハ面Waに投射される複数のスリット像37jは全体としてX方向に移動するとともに、そのウエハ面Waにおけるデフォーカス量は周期的に変化する。
すなわち、振動ミラー26ADによってウエハ面Waでスリット像37jが−X方向に移動しているときに、図5(A)に示すようにスリット像37jがX方向の移動範囲内の中央にある状態で、スリット像37jが合焦状態で鮮明に形成される場合を想定する。この場合、振動ミラー26ADによってスリット像37jがさらに−X方向に移動すると、図5(B)に示すように、スリット像37jのデフォーカス量が最大になる。その後、振動ミラー26ADによってスリット像37jが+X方向への移動を開始し、図5(C)に示すようにスリット像37jがX方向の移動範囲内の中央に戻ったときに、スリット像37jが再び合焦状態で鮮明に形成される。そして、振動ミラー26ADによってスリット像37jがさらに+X方向に移動すると、図5(D)に示すように、スリット像37jのデフォーカス量が最大になる。以下、図5(A)〜図5(D)の動作が周期的に繰り返される。
この場合、図5(A)の状態で、高反射率部48Aと低反射率部48Bとの境界部にある計測領域MAiで反射された光束が受光素子アレイ36のi番目の受光素子で受光されるものとする。このとき、図5(B)又は図5(D)に示すように、ウエハ面Waでスリット像37jの位置がX方向に移動しても、そのi番目の受光素子に入射する光束は、高反射率部48Aと低反射率部48Bとの境界部にある計測領域MAiで反射された光束のうちで、対応する受光スリット33aを通過した光束である。従って、そのi番目の受光素子からの検出信号は、振動ミラー26ADの振動(スリット像37jのデフォーカス量)に応じて周期的に変化するが、計測領域MAiにおける高反射率部48Aと低反射率部48Bとの面積比は変化しない。このため、ウエハ面Waに高反射率部48Aと低反射率部48Bとが隣接して形成されている状態で、スリット像37jのデフォーカス量を変化させるためにスリット像37jをX方向に移動させても、そのi番目の受光素子からの検出信号はそのデフォーカス量に応じて正確に変化して、高反射率部48A及び低反射率部48Bの存在によって計測領域MAiのZ位置の計測精度が低下することはない。
これに対して、従来技術のようにウエハ面Waにスリット像を投射して、そのスリット像を振動させる場合には、そのスリット像の移動によって、スリット像が投射される領域内で高反射率部及び低反射率部の面積比が変化すると、スリット像のデフォーカス以外の要因(その面積比の変化又は下地パターンの影響)によってもその検出信号が変化して、Z位置の計測精度が低下する恐れがある。本実施形態のAFセンサ12によれば、ウエハ面Waの下地パターン、並びにウエハ面Waに高反射率部及び低反射率部が混在することによる影響が軽減される。
以下、本実施形態の露光装置EXにおいて、主制御装置40の制御のもとでAFセンサ12を用いてウエハWの表面のZ位置を計測し、この計測結果を用いてウエハWを露光する動作の一例につき、図6のフローチャートを参照して説明する。この動作は主制御装置40によって制御される。
まず、図6のステップ102において、ウエハステージWSTを駆動して、AFセンサ12の投射領域29にウエハ面Waを移動する。次のステップ104において、光源17Aの発光を開始させ、ミラー制御系44によって振動ミラー26ADの振動を開始させる。次のステップ106において、図1に示すように、光源17Aから射出された光束Lが偏向プリズム18の送光スリット部19を照明する。送光スリット部19の複数の細長い送光スリット19aを通過した光束Lが、送光光学系14A及び振動ミラー26ADを介してウエハ面Wa(被検面)の投射領域29に斜めに複数の細長いスリット像37j(ラインパターンの像)を投射する。
まず、図6のステップ102において、ウエハステージWSTを駆動して、AFセンサ12の投射領域29にウエハ面Waを移動する。次のステップ104において、光源17Aの発光を開始させ、ミラー制御系44によって振動ミラー26ADの振動を開始させる。次のステップ106において、図1に示すように、光源17Aから射出された光束Lが偏向プリズム18の送光スリット部19を照明する。送光スリット部19の複数の細長い送光スリット19aを通過した光束Lが、送光光学系14A及び振動ミラー26ADを介してウエハ面Wa(被検面)の投射領域29に斜めに複数の細長いスリット像37j(ラインパターンの像)を投射する。
次のステップ108において、ウエハ面Waで反射された光束Lは、受光光学系14Bを介して受光され、偏向プリズム32の受光スリット部33に複数の送光スリット19aの像を形成する。次のステップ110において、複数の受光スリット33aを通過した光束を受光素子アレイ36で検出し、信号処理系46は、受光素子アレイ36の複数の受光素子から出力される検出信号を信号処理系46の駆動信号に同期してサンプリングする。次のステップ112において、信号処理系46は、サンプリングされた複数の検出信号を用いて、ウエハ面Waの複数の計測領域MAiにおけるZ位置を求め、求めたZ位置を内部の記憶装置に記憶する。これによって、ウエハ面Waの第1列の複数の計測領域MAi(計測点)のZ位置が計測されたことになる。
次のステップ114において、Z位置の計測を継続する場合には、ステップ116に移行して、ウエハステージWSTを駆動して、図2(A)に示すようにAFセンサ12の投射領域29に対してウエハWをY方向に移動して、ウエハ面Waの次の計測対象領域を投射領域29に移動する。その後、動作はステップ106に戻り、その計測対象領域の複数の計測領域MAiのZ位置が計測されて記憶される。これによって、ウエハ面Waの第2列の複数の計測領域MAiのZ位置が計測されたことになる。以下、ウエハWをY方向に移動しながらAFセンサ12によって、ウエハ面WaのY方向に次第に配列される第3列、第4列、…の複数の計測領域MAiのZ位置が計測される。そして、ウエハ面Waの全面でZ位置の計測が終わったときに、ステップ114で計測終了と判定され、動作はステップ118に移行して、光源17Aの発光を停止させ、振動ミラー26ADの振動を停止させることで、Z位置の計測動作を終了する。この際にステップ112で記憶されたウエハ面Wa全面の複数列の複数の計測領域(計測点)でのZ位置の計測結果が主制御装置40に供給される。
その後、ステップ120で、ウエハステージWSTを駆動して、ウエハWの露光対象のショット領域を投影光学系PLの露光領域の手前に移動する(ステップ移動)。次のステップ122で、ステップ112で記憶されたZ位置の計測結果に基づいてオートフォーカス方式でウエハ面Waを投影光学系PLの像面に合焦させながら、ウエハ面Waの当該ショット領域にレチクルRのパターンの像が走査露光される。このステップ120、122の動作がウエハWの全部のショット領域に関して実行された後、ステップ124でこのウエハWに関する露光が終了し、その次のウエハに対するZ位置の計測及び露光が行われる。
このように本実施形態では、AFセンサ12のZ位置の計測領域(計測点)をX方向に微細なピッチで多く配置できるとともに、ウエハ面Waの下地パターン等の影響が少ないため、ウエハ面WaのZ位置の分布を細かいピッチで高精度に計測できる。従って、ウエハ面Waをより高精度に投影光学系PLの像面に合焦させることができ、レチクルRのパターンの像をより高精度にウエハに露光できる。
本実施形態の効果等は以下の通りである。
本実施形態の露光装置EXが備えるAFセンサ12(面位置検出装置)は、ウエハ面Wa(被検面)の法線方向の位置(投影光学系PLの光軸方向の位置)であるZ位置(面位置)を検出する装置である。AFセンサ12は、ウエハ面Waに斜め方向から入射面に沿った方向に細長いスリット像37jを投射する送光光学系14A、ウエハ面Waで反射された光を受光してそのスリット像の像38jを再形成する受光光学系14B、及びスリット像38jが再形成される面を有し、この面にスリット像38jの長手方向に沿って細長い開口よりなる受光スリット33aが形成された偏向プリズム32を有する。さらに、AFセンサ12は、受光スリット33aが形成された面でスリット像38jのデフォーカス量を周期的に変化させる振動ミラー26AD、受光スリット33aを通過した光を検出する受光素子アレイ36、及び受光素子アレイ36の検出信号に基づいてウエハ面Waの面位置情報を求める信号処理系46を備えている。
本実施形態の露光装置EXが備えるAFセンサ12(面位置検出装置)は、ウエハ面Wa(被検面)の法線方向の位置(投影光学系PLの光軸方向の位置)であるZ位置(面位置)を検出する装置である。AFセンサ12は、ウエハ面Waに斜め方向から入射面に沿った方向に細長いスリット像37jを投射する送光光学系14A、ウエハ面Waで反射された光を受光してそのスリット像の像38jを再形成する受光光学系14B、及びスリット像38jが再形成される面を有し、この面にスリット像38jの長手方向に沿って細長い開口よりなる受光スリット33aが形成された偏向プリズム32を有する。さらに、AFセンサ12は、受光スリット33aが形成された面でスリット像38jのデフォーカス量を周期的に変化させる振動ミラー26AD、受光スリット33aを通過した光を検出する受光素子アレイ36、及び受光素子アレイ36の検出信号に基づいてウエハ面Waの面位置情報を求める信号処理系46を備えている。
また、AFセンサ12を用いてウエハ面WaのZ位置(面位置)を検出する方法は、ウエハ面Waに斜め方向から入射面に沿った方向に送光光学系14Aを介して細長いスリット像37jを投射し(ステップ106)、ウエハ面Waで反射された光を受光光学系14Bを介して受光してスリット像38jを再形成し(ステップ108の一部)、スリット像38jが再形成される面に、スリット像38jの長手方向に沿って配置された細長い受光スリット33aを介して、受光光学系14Bからの光を検出し(ステップ108の一部)、受光スリット33aが形成された面でスリット像38jのデフォーカス量を周期的に変化させ(ステップ110)、受光光学系14Bからの光の検出信号に基づいてウエハ面WaのZ位置を求めている(ステップ112)。
本実施形態によれば、ウエハ面Waに細長いスリット像37jが投射されているため、そのスリット像37jの像(スリット像)38jを再形成し、この再形成されたスリット像38jの光量を受光スリット33aを介して受光するときに、スリット像38jの長手方向に対応する方向に配列する受光素子PEiの数を増加するだけで、ウエハ面Waの面位置の計測領域(計測位置)の個数を容易に増加できる。さらに、ウエハ面Waの面位置が変化すると、受光スリット33aが形成された面に形成されるスリット像38jのデフォーカス量が変化して、その受光スリット33aを通過する光量が変化することから、その面位置の情報を検出できる。このため、AFセンサ12の光学系をあまり複雑化させることなく、ウエハ面Waの多くの計測位置で面位置を高精度に検出することが可能となる。
また、振動ミラー26ADでウエハ面Waのスリット像37j及び偏向プリズム32の入射面でのスリット像38jのデフォーカス量を変化させても、受光素子アレイ36のある受光素子PEiに入射する光束は、ウエハ面Waのある計測領域で反射された光束のままである。このため、ウエハ面Waに形成されているパターン又は反射率が異なる部分の影響が低減され、高精度にウエハ面Waの面位置を計測できる。
また、振動ミラー26ADで偏向プリズム32の入射面でのスリット像38jのデフォーカス量を変化させているため、デフォーカスさせるための機構が簡単である。なお、振動ミラー26ADは、図1の送光光学系14A内のミラー26Bの位置に設置してもよい。
また、本実施形態では、投射領域29内にX方向に1列の計測領域MAiが設定されているが、投射領域29内にY方向に所定ピッチで複数列の計測領域MAiを設定してもよい。この場合には、受光素子アレイ36の代わりに2次元の撮像素子を使用すればよい。
また、本実施形態では、投射領域29内にX方向に1列の計測領域MAiが設定されているが、投射領域29内にY方向に所定ピッチで複数列の計測領域MAiを設定してもよい。この場合には、受光素子アレイ36の代わりに2次元の撮像素子を使用すればよい。
また、本実施形態の露光装置EXは、照明光IL(露光光)でレチクルRのパターンを照明し、照明光ILでそのパターン及び投影光学系PLを介してウエハWを露光する露光装置において、AFセンサ12と、AFセンサ12によって検出されるウエハWの表面のZ位置(面位置)の情報に基づいてウエハWのZ位置を制御するウエハステージWSTとを備えている。また、露光装置EXによる露光方法は、ウエハWを露光するときに、AFセンサ12によるZ位置の検出方法を用いて検出されたZ位置を用いて、ウエハWの表面を投影光学系PLの像面に合焦させている。
本実施形態の露光装置EX又は露光方法によれば、AFセンサ12によってウエハ面WaのZ位置を多くの計測領域で高精度に計測できるため、この計測値に基づいてウエハWの表面を投影光学系PLの像面に高精度に合焦でき、レチクルRのパターンの像を高精度にウエハWに露光できる。
なお、露光装置EXにおいて、レチクルRのパターン面のZ方向の位置(面位置)を計測する装置としてAFセンサ12と同様のセンサを使用してもよい。
なお、露光装置EXにおいて、レチクルRのパターン面のZ方向の位置(面位置)を計測する装置としてAFセンサ12と同様のセンサを使用してもよい。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態につき図7を参照して説明する。なお、図7において図1に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図7は、本実施形態に係る露光装置EXを示す。露光装置EXの基本的な構成は図1の実施形態と同じであるが、露光装置EXが備えるAFセンサ12A(オートフォーカスセンサ又は面位置検出装置)の構成が図1のAFセンサ12と異なっている。以下、本実施形態のAFセンサ12Aにつき説明する。
次に、第2の実施形態につき図7を参照して説明する。なお、図7において図1に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図7は、本実施形態に係る露光装置EXを示す。露光装置EXの基本的な構成は図1の実施形態と同じであるが、露光装置EXが備えるAFセンサ12A(オートフォーカスセンサ又は面位置検出装置)の構成が図1のAFセンサ12と異なっている。以下、本実施形態のAFセンサ12Aにつき説明する。
図7において、AFセンサ12Aは、図7の紙面に平行な方向に偏光した第1光束LP及び図7の紙面に垂直な方向に偏光した第2光束LSを交互に射出する光源系16A、第1光束LP及び第2光束LSをそれぞれ非偏光にした第1光束LA及び第2光束LBをウエハ面Wa(被検面)に斜め方向から投射する送光光学系14C、及びウエハ面Waで反射された光束LA,LBを受光する受光光学系14Bを有する。さらに、AFセンサ12Aは、受光光学系14Bで受光された光束が照射される入射面に複数の受光スリット33aが形成された偏向プリズム32、複数の受光スリット33aを通過した光束LA,LBを受光する複数の受光素子を有する受光素子アレイ36を含む検出系14C、及び受光素子アレイ36からの検出信号を処理してウエハ面Waの複数の計測領域のZ位置(面位置)を求める信号処理系46を有する。
さらに、AFセンサ12Aは、送光光学系14C内に配置されて、第1光束LP及び第2光束LSの相対的な角度を変えるウォラストンプリズムよりなる偏光分離プリズム22(角度変換素子)、及び偏光分離プリズム22の下流に配置されて第1光束LP及び第2光束LSをそれぞれ非偏光の第1光束LA及び第2光束LBに変換する偏光解消素子24を有する。
まず、光源系16Aは、それぞれ波長幅の広い可視光及び/又は近赤外光よりなる非偏光の光束L1及びL2を射出する例えば発光ダイオードよりなる第1光源17A1及び第2光源17A2を有する。光束L1,L2としては、ウエハWに塗布されたレジストに対する感光性の低い光が好ましい。光束L1,L2は偏光ビームスプリッタ17Cの互いに直交している2つの入射面に入射する。光束L1のうちほぼ1/2の光量のS偏光の光束が偏光ビームスプリッタ17Cで反射されて例えばフォトダイード等のモニタ用の光電センサ17Dに入射し、光束L2のうちほぼ1/2の光量のP偏光の光束が偏光ビームスプリッタ17Cを透過して光電センサ17Dに入射する。光電センサ17Dは受光した光の検出信号を光源制御系44Aに供給する。光源制御系44Aは、主制御装置40からの制御情報に応じて、第1光源17A1及び第2光源17A2を指示された例えば同じ出力で交互に発光させる。なお、本実施形態では、光電センサ17Dで光源17A1,17A2の出力をモニタしているため、光源17A1,17A2の出力のばらつきは計測誤差にならない。
一方、光束L1のうちP偏光の第1光束LPが偏光ビームスプリッタ17Cを透過し、光束L2のうち点線で示すS偏光の第2光束LSが偏光ビームスプリッタ17Cで反射される。第1光束LP及び第2光束LSは、ほぼ同じ光路に沿ってコンデンサーレンズ17Bによってほぼ平行光束に変換されて偏向プリズム18に入射する。偏向プリズム18に入射した光束LP,LSは、それぞれ偏向プリズム18により屈折されることにより主光線がほぼ−Z方向に進行するように偏向される。偏向プリズム18の射出面には、遮光膜中に複数の細長い送光スリット19aを周期的に配列した構成の送光スリット部19が設けられている。光源17A1,17A2、偏光ビームスプリッタ17C、コンデンサーレンズ17B、及びモニタ用の光電センサ17Dから光源系16Aが構成されている。
そして、偏向プリズム18の複数の送光スリット19aを通過した第1光束LP及び第2光束LSは、送光光学系14Cの第1対物レンズ20Aに入射する。第1対物レンズ20Aで集光されたLP及びLSは、偏光分離プリズム22、偏光解消板(デポーラライザ)24を介してそれぞれ非偏光の第1光束LA及び第2光束LBとなる。偏光分離プリズム22は、ウエハ面WaのX方向に対応する方向における光束LP及びLSの相対的な角度を広くする。光束LP,LSは波長帯域が広いため、偏光解消板24としては、例えば厚さが次第に変化する複屈折性の結晶(例えば水晶等)を使用可能である。偏光解消板24を通過した第1光束LA及び第2光束LBは、光路をほぼ+X方向に対して所定角度だけ−Z方向に傾斜した方向に折り曲げるミラー26A、第2対物レンズ20B、及び光路を−Z方向にシフトさせるプリズム28Aを介して、ウエハ面Waを含むX方向に細長い投射領域29内に斜めに投射される。光束LA,LBによって投射領域29内に、複数の送光スリット19aの像がY方向に一定の間隔で形成される。受光光学系14B及び検出系14Cの構成は第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
本実施形態において、光源17A1,17A2を交互に点灯することによって、送光スリット19aからの光束LA及びLBがθy方向に角度がずれた状態で交互にウエハ面Waにスリット像を投射する。この動作は第1の実施形態において振動ミラー26ADで光束をθy方向に振動させた場合と同じである。すなわち、交互に点灯される光源17A1,17A2及び偏光分離プリズム22によって偏向プリズム32の入射面に形成されるスリット像のデフォーカス量が周期的に変化している。このため、光源17A1,17A2を交互に点灯するための駆動信号を信号処理系46に供給し、信号処理系46では、その駆動信号を用いて受光素子アレイ36から供給される検出信号を同期整流することによって、第1の実施形態と同様にウエハ面Waの多くの計測領域(計測点)におけるZ位置を、下地パターン等の影響を軽減して高精度に計測できる。
なお、本実施形態において、偏光分離プリズム22は、図7の受光光学系14Bの射出瞳と共役な面(瞳面)の近傍の位置Q1に配置してもよい。この場合には、偏光解消板24は位置Q1と偏向プリズム32の入射面との間に配置するか、又は偏光解消板24の設置を省略してもよい。
また、本実施形態では、偏光分離プリズム22の下流に偏光解消板24が配置されているため、被検面を非偏光の光束で照明できる。なお、例えば被検面等に特定の偏光特性がない場合には、偏光解消板24を省略してもよい。
また、本実施形態では、偏光分離プリズム22の下流に偏光解消板24が配置されているため、被検面を非偏光の光束で照明できる。なお、例えば被検面等に特定の偏光特性がない場合には、偏光解消板24を省略してもよい。
なお、上記の各実施形態では、光束の光路をZ方向にシフトするプリズム28A,28Bを備えているため、送光光学系14A,14C及び受光光学系14Bの配置が容易である。しかしながら、プリズム28A,28Bは必ずしも設ける必要はない。
また、上記の各実施形態では、送光光学系14A,14C及び受光光学系14Bは単一の結像光学系であるが、送光光学系14A,14C及び/又は受光光学系14Bとして途中で中間結像を行う光学系を使用してもよい。
また、上記の各実施形態では、送光光学系14A,14C及び受光光学系14Bは単一の結像光学系であるが、送光光学系14A,14C及び/又は受光光学系14Bとして途中で中間結像を行う光学系を使用してもよい。
また、上記の実施形態の露光装置又は露光方法を用いて半導体デバイス等の電子デバイスを製造する場合、電子デバイスは、図8に示すように、電子デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造するステップ223、前述した実施形態の露光装置EX(露光方法)によりレチクルのパターンを基板に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
言い換えると、このデバイスの製造方法は、上記の実施形態の露光装置又は露光方法を用いて基板(物体)を露光することと、その露光された基板を処理すること(現像等)と、を含んでいる。この場合、基板の投影光学系PLに対する合焦精度が高いため、電子デバイスを高精度に製造できる。
なお、本発明は、上述の走査露光型の投影露光装置(スキャナ)の他に、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー等)にも適用できる。さらに、本発明は、液浸型露光装置以外の、ドライ露光型の露光装置にも同様に適用することができる。
なお、本発明は、上述の走査露光型の投影露光装置(スキャナ)の他に、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー等)にも適用できる。さらに、本発明は、液浸型露光装置以外の、ドライ露光型の露光装置にも同様に適用することができる。
また、上記の実施形態では、AFセンサ12,12Aは、多点の検出系であるが、AFセンサ12,12Aの計測点は1点のみでもよい。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子やプラズマディスプレイなどを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックスウエハ上に転写する露光装置、並びに撮像素子(CCDなど)、有機EL、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems)、及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置及びEUV露光装置などで使用されるマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子やプラズマディスプレイなどを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックスウエハ上に転写する露光装置、並びに撮像素子(CCDなど)、有機EL、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems)、及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置及びEUV露光装置などで使用されるマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。
このように、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
EX…露光装置、R…レチクル、W…ウエハ、WST…ウエハステージ、12,12A…AFセンサ(オートフォーカスセンサ)、14A,14C…送光光学系、14B…受光光学系、14C…検出系、16,16A…光源系、19…送光スリット部、26AD…振動ミラー、33…受光スリット部、36…受光素子アレイ、40…主制御装置、46…信号処理系
Claims (19)
- 被検面の面位置情報を検出する装置において、
前記被検面に斜め方向から入射面に沿った方向に細長いスリット状パターンの像を投射する送光光学系と、
前記被検面で反射された光を受光して前記スリット状パターンの像を再形成する受光光学系と、
前記スリット状パターンの像が再形成される面を有し、この面に前記スリット状パターンの像の長手方向に沿って細長いスリット状開口が形成された光学部材と、
前記スリット状開口が形成された面で前記スリット状パターンの像のデフォーカス量を周期的に変化させるデフォーカス系と、
前記スリット状開口を通過した光を検出する光電検出器と、
前記光電検出器の検出信号に基づいて前記被検面の面位置情報を求める信号処理部と、
を備えることを特徴とする面位置検出装置。 - 前記デフォーカス系は、前記スリット状開口が形成された面で前記スリット状パターンの像の位置を前記スリット状開口の長手方向に振動させる振動系であることを特徴とする請求項1に記載の面位置検出装置。
- 前記振動系は、前記送光光学系若しくは前記受光光学系の射出瞳と共役な面、又はこの面の近傍に配置されて、前記スリット状パターンの像を形成する光の角度を前記スリット状パターンの像の長手方向に対応する方向に振動させる振動ミラーを含むことを特徴とする請求項2に記載の面位置検出装置。
- 前記振動系は、
前記送光光学系に違いに異なる第1光束及び第2光束を供給する光源系と、
前記送光光学系又は前記受光光学系中に配置されて、前記第1光束及び前記第2光束の光路を分離する光束分離素子と、を備えることを特徴とする請求項2に記載の面位置検出装置。 - 前記光電検出器は、前記スリット状開口を長手方向に分割した複数の開口部を通過した光を検出する複数の受光素子を有し、
前記信号処理部は、前記複数の受光素子の検出信号をそれぞれ前記スリット状パターンの像のデフォーカス量の周期的な変化に同期して処理して、前記複数の受光素子毎にそれぞれ前記被検面の面位置情報を求めることを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の面位置検出装置。 - 前記送光光学系は、前記被検面に前記スリット状パターンの像を平行に複数本投射し、
前記光学部材には、複数本の前記スリット状パターンの像に対応して複数本の前記スリット状開口が形成されることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の面位置検出装置。 - 前記送光光学系は、前記スリット状パターンの像を前記被検面に斜めに投影する両側テレセントリックの光学系であり、
前記受光光学系は、前記被検面の前記スリット状パターンの像を前記スリット状開口が形成された面に斜めにリレーする両側テレセントリックの光学系であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載の面位置検出装置。 - 前記被検面を有する被検部材を前記スリット状パターンの像の長手方向に直交する方向に移動する移動装置を備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項に記載の面位置検出装置。
- 露光光でパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、
前記パターンが形成された面及び前記基板の表面の少なくとも一方の面位置を検出するために、請求項1〜8のいずれか一項に記載の面位置検出装置を備えることを特徴とする露光装置。 - 被検面の面位置情報を検出する方法において、
前記被検面に斜め方向から入射面に沿った方向に送光光学系を介して細長いスリット状パターンの像を投射し、
前記被検面で反射された光を受光光学系を介して受光して前記スリット状パターンの像を再形成し、
前記スリット状パターンの像が再形成される面に、前記スリット状パターンの像の長手方向に沿って配置された細長いスリット状開口を介して、前記受光光学系からの光を検出し、
前記スリット状開口が形成された面で前記スリット状パターンの像のデフォーカス量を周期的に変化させ、
前記受光光学系からの光の検出信号に基づいて前記被検面の面位置情報を求める、
ことを特徴とする面位置検出方法。 - 前記スリット状パターンの像のデフォーカス量を周期的に変化させるために、前記スリット状開口が形成された面で前記スリット状パターンの像の位置を前記スリット状開口の長手方向に振動させることを特徴とする請求項10に記載の面位置検出方法。
- 前記スリット状パターンの像の位置を前記スリット状開口の長手方向に振動させるために、
前記送光光学系若しくは前記受光光学系の射出瞳と共役な面、又はこの面の近傍に配置された振動ミラーによって、前記スリット状パターンの像を形成する光の角度を前記スリット状パターンの像の長手方向に対応する方向に振動させることを特徴とする請求項11に記載の面位置検出方法。 - 前記スリット状パターンの像の位置を前記スリット状開口の長手方向に振動させるために、
前記送光光学系に違いに異なる第1光束及び第2光束を供給し、
前記送光光学系又は前記受光光学系中に配置された光束分離素子によって、前記第1光束及び前記第2光束の光路を分離することを特徴とする請求項11に記載の面位置検出方法。 - 前記受光光学系からの光の検出信号に基づいて前記被検面の面位置情報を求めるときに、
前記スリット状開口を長手方向に分割した複数の開口部を通過した光の検出信号をそれぞれ前記スリット状パターンの像のデフォーカス量の周期的な変化に同期して処理することを特徴とする請求項10〜13のいずれか一項に記載の面位置検出方法。 - 前記被検面に前記スリット状パターンの像が平行に複数本投射され、
前記受光光学系からの光は、複数本の前記スリット状パターンの像に対応して設けられた複数本の前記スリット状開口を介して受光されることを特徴とする請求項10〜14のいずれか一項に記載の面位置検出方法。 - 前記受光光学系からの光の検出信号に基づいて前記被検面の面位置情報を求めるときに、
前記被検面を有する被検部材を前記スリット状パターンの像の長手方向に直交する方向に移動し、前記被検部材の移動方向に沿った複数の計測点で前記被検面の面位置情報を求めることを特徴とする請求項10〜15のいずれか一項に記載の面位置検出方法。 - 露光光でパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、
前記パターンが形成された面及び前記基板の表面の少なくとも一方の面位置を検出するために、請求項10〜16のいずれか一項に記載の面位置検出方法を用いることを特徴とする露光方法。 - 請求項9に記載の露光装置を用いて、マスクのパターンを基板に転写することと、
前記パターンが転写された前記基板を前記パターンに基づいて加工することと、
を含むデバイス製造方法。 - 請求項17に記載の露光方法を用いて、マスクのパターンを基板に転写することと、
前記パターンが転写された前記基板を前記パターンに基づいて加工することと、
を含むデバイス製造方法。
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JP2012053888A JP2013187514A (ja) | 2012-03-10 | 2012-03-10 | 面位置検出方法及び装置、並びに露光方法及び装置 |
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CN105372946A (zh) * | 2014-08-08 | 2016-03-02 | 斯克林集团公司 | 光学特性取得、位置测定和数据修正的装置及方法 |
JP2019138918A (ja) * | 2013-03-12 | 2019-08-22 | ジーイー・アビエイション・システムズ・エルエルシー | 第1の相対参照フレームを規定するグリッドを形成する方法 |
CN113014749A (zh) * | 2019-12-20 | 2021-06-22 | 新思考电机有限公司 | 光学部件倾斜活动装置、照相机装置以及电子设备 |
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- 2012-03-10 JP JP2012053888A patent/JP2013187514A/ja active Pending
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