JP2013181961A - 面位置検出方法及び装置、並びに露光方法及び装置 - Google Patents

面位置検出方法及び装置、並びに露光方法及び装置 Download PDF

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Abstract

【課題】被検面に形成されている回路パターン等の影響を軽減して面位置を高精度に検出する。
【解決手段】ウエハ面Waの面位置を検出するAFセンサ12であって、ウエハ面Waに斜めに、Y方向に光量分布を積算したときのX方向の積算光量分布が山型で極値を持つひし形スリット像を投射する送光光学系14Aと、ひし形スリット像を再形成する受光光学系14Bと、受光スリット33aが形成された偏向プリズム32と、再形成されたひし形スリット像を受光スリット33aに対してX方向に対応する方向に振動させる振動ミラー26ADと、受光スリット33aを通過した光を検出する受光素子アレイ36と、を備える。
【選択図】図1

Description

本発明は、被検面の面位置情報を検出する面位置検出技術、この面位置検出技術を用いる露光技術、及びこの露光技術を用いるデバイス製造技術に関する。
従来、半導体素子(集積回路等)又は液晶表示素子等の電子デバイス(マイクロデバイス)を製造するためのリソグラフィー工程中で、レチクルのパターンを投影光学系を介してレジストが塗布されたウエハ(又はガラスプレート等)の表面に転写するために、ステッパー又はスキャニングステッパー(スキャナー)などの露光装置が用いられている。かかる露光装置においては、従来より、オートフォーカスセンサ(以下、AFセンサという)によってウエハの表面の面位置(法線方向の位置又は投影光学系の光軸方向の位置)を検出し、この検出結果に基づいて露光中にオートフォーカス方式でウエハの表面を投影光学系の像面に合焦させている。
従来のAFセンサとしては、ウエハの表面等の被検面に対して送光光学系によって斜め方向から小さい長方形状のスリット像を投射(投影)し、受光光学系によってその表面からの反射光を受光してそのスリット像を再結像する斜入射型の検出装置が知られている。この場合、被検面の面位置が変化すると、再結像されるスリット像の位置が横ずれすることから、被検面の面位置が検出できる。さらに、従来の斜入射型の検出装置では、送光光学系又は受光光学系内に設けられた振動ミラーで再結像されるスリット像を受光用のスリットに対して振動させ、その振動ミラーの駆動信号に同期して検出信号を同期検波することで、外乱光の影響を低減させていた(例えば、特許文献1参照)。
特開2007−48818号公報
AFセンサの被検面には、一般に回路パターン等(下地パターン)の互いに反射率が異なる複数の部分が隣接して形成されているため、被検面の互いに反射率が異なる複数の部分の境界部に長方形状のスリット像が投射されることがある。この場合、スリット像の反射光の光量分布の重心位置が、反射率の高い部分の方にシフトするため、そのスリット像からの反射光を用いて面位置を求める際に、実際の面位置と検出される面位置との間に誤差が生じる恐れがある。
本発明の態様は、このような事情に鑑み、被検面に形成されている回路パターン等の影響を軽減して面位置を高精度に検出できるようにすることを目的とする。
本発明の第1の態様によれば、被検面の面位置情報を検出する面位置検出装置が提供される。この面位置検出装置は、その被検面に斜め方向から、第1方向に光量分布を積算又は積分したときのその第1方向に直交する第2方向の積算光量分布が極値を持つ検出用パターンの像を投射する送光光学系と、その被検面で反射された光を受光してその検出用パターンの像を再形成する受光光学系と、その検出用パターンの像が再形成される面を有し、この面にスリット状開口が形成された光学部材と、その検出用パターンの像が再形成される面で、その検出用パターンの像の位置をその第2方向に対応する方向に周期的に変化させる振動系と、そのスリット状開口を通過した光を検出する光電検出器と、その光電検出器の検出信号に基づいてその被検面の面位置情報を求める信号処理部と、を備えるものである。
また、第2の態様によれば、露光光でパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、そのパターンが形成された面及びその基板の表面の少なくとも一方の面位置を検出するために、第1の態様の面位置検出装置を備える露光装置が提供される。
また、第3の態様によれば、被検面の面位置情報を検出する面位置検出方法が提供される。この面位置検出方法は、その被検面に斜め方向から、送光光学系を介して、第1方向に光量分布を積算又は積分したときのその第1方向に直交する第2方向の積算光量分布が極値を持つ検出用パターンの像を投射し、その被検面で反射された光を受光光学系を介して受光してその検出用パターンの像を再形成し、その検出用パターンの像が再形成される面で、その検出用パターンの像の位置をその第2方向に対応する方向に周期的に変化させ、その検出用パターンの像が再形成される面に配置されたスリット状開口を介してその受光光学系からの光を検出して得られる検出信号に基づいて、その被検面の面位置情報を求める、ものである。
また、第4の態様によれば、露光光でパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、そのパターンが形成された面及びその基板の表面の少なくとも一方の面位置を検出するために、第3の態様の面位置検出方法を用いる露光方法が提供される。
また、第5の態様によれば、第2の態様の露光装置又は第4の態様の露光方法を用いて、マスクのパターンを基板に転写することと、そのパターンが転写されたその基板をそのパターンに基づいて加工することと、を含むデバイス製造方法が提供される。
本発明の態様によれば、第1方向に光量分布を積算したときのその第1方向に直交する第2方向の積算光量分布が極値を持つ検出用パターンの像が、被検面の回路パターン等の互いに反射率が異なる複数の部分の境界部に投射されていても、スリット状開口に対して再形成される検出用パターンの像をその第2方向に対応する方向に変位したときの受光量の変化は少ない。このため、被検面に形成されている回路パターン等の影響を軽減して面位置を高精度に検出できる。
第1の実施形態に係る露光装置の概略構成を示す図である。 (A)は図1中のAFセンサの検出領域を示す平面図、(B)は図1中の送光スリット部19の送光スリットを示す拡大図、(C)は図1中の受光スリット部に形成されるひし形スリット像を示す拡大図である。 (A)はAFセンサにおいてウエハ面の高さによって変化するウエハ面からの反射光の光路を示す図、(B)、(C)はそれぞれ受光スリット部に形成される互いにシフト量が異なるひし形スリット像を示す図、(D)は受光素子アレイから出力される検出信号の一例を示す図である。 (A)は、実施形態において、ウエハ表面の反射率が異なる2つの領域に投射されるひし形スリット像を示す拡大図、(B)は図4(A)に対応して受光スリット部に形成される像を示す拡大図、(C)は図4(B)においてひし形スリット像がシフトする状態を示す図、(D)は図4(C)の状態に対応する実施形態の検出信号の一例を示す図である。 (A)は、比較例において、ウエハ表面の反射率が異なる2つの領域に投影される長方形のスリット像を示す拡大図、(B)は図5(A)に対応して受光スリット部に形成される像を示す拡大図、(C)は図5(B)においてスリット像がシフトする状態を示す図、(D)は図5(C)の状態に対応する比較例の検出信号の一例を示す図、(E)は他の比較例の受光スリット部を示す拡大図である。 ウエハ表面のZ位置(面位置)の検出動作の一例を示すフローチャートである。 (A)はウエハ面に投射される第1変形例のスリット像を示す拡大図、(B)は図7(A)に対応して受光スリット部に形成される像を示す拡大図、(C)は第2変形例のスリット像を示す拡大図である。 実施形態の変形例及び比較例の計測誤差の一例を示す図である。 (A)はウエハ面に投射される第3変形例のスリット像を示す拡大図、(B)は図9(A)に対応して受光スリット部に形成される像を示す拡大図、(C)は第4変形例のスリット像を示す拡大図である。 第2の実施形態に係る露光装置を示す図である。 電子デバイスの製造工程の一例を示すフローチャートである。
[第1の実施形態]
以下、本発明の好ましい第1の実施形態につき図1〜図6を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係る露光装置EXの概略構成を示す。露光装置EXは、スキャニングステッパー(スキャナー)よりなる走査型の投影露光装置(走査型露光装置)である。露光装置EXは投影光学系PLを備えており、以下においては、投影光学系PLの光軸AXと平行にZ軸を取り、これに直交する面(本実施形態ではほぼ水平面である)内でレチクルとウエハとが相対走査される方向(図1の紙面に垂直な方向)にY軸を、Z軸及びY軸に直交する方向(図1の紙面に平行な方向)にX軸を取り、X軸、Y軸、及びZ軸の回りの回転(傾斜)方向をそれぞれθx、θy、及びθz方向として説明を行う。
図1において、露光装置EXは、照明系ILS、照明系ILSからの露光用の照明光(露光光)ILで照明されるレチクルR(マスク)を保持して移動するレチクルステージRST、レチクルRのパターンの像をウエハW(基板)の表面(以下、ウエハ面という)Waに投影する投影光学系PL、ウエハWを保持して移動するウエハステージWST、装置全体の動作を統括的に制御するコンピュータよりなる主制御装置40、及びその他の制御系等を備えている。さらに、露光装置EXは、ウエハ面Wa(被検面)の複数の計測領域における投影光学系PLの光軸方向(本実施形態ではZ方向)の位置(Z位置、フォーカス位置、又は面位置)を検出するオートフォーカスセンサ(以下、AFセンサという)12(面位置検出装置)を備えている。AFセンサ12は、被検面に斜めに検出用の光束を投射する光学式で斜入射方式の検出装置である(詳細後述)。
照明系ILSは光源及び照明光学系を有する。照明光学系は、例えば米国特許出願公開第2003/0025890号明細書などに開示されるように、回折光学素子又は空間光変調器等を含む光量分布設定部、オプティカルインテグレータ(フライアイレンズ、ロッドインテグレータ等)等を含む照度均一化光学系、固定及び可変の視野絞り(レチクルブラインド)、及びコンデンサー光学系等(いずれも不図示)を有する。照明系ILSからの照明光ILは、光路折り曲げ用のミラーMIを介して、レチクルブラインドで規定されたレチクルRのパターン面(下面)のX方向に細長いスリット状の照明領域をほぼ均一な照度で照明する。照明光ILとしては、一例としてArFエキシマレーザ光(波長193nm)が用いられている。なお、照明光としては、KrFエキシマレーザ光(波長248nm)、YAGレーザの高調波、固体レーザ(半導体レーザなど)の高調波、又は水銀ランプの輝線(i線等)なども使用できる。
レチクルステージRSTは、レチクルベース(不図示)のXY平面に平行な上面にエアベアリングを介して載置されている。レチクルステージRSTは、その上面において、例えばリニアモータ等を含む駆動系(不図示)によって少なくともX方向、Y方向、θz方向に微少量駆動可能であるとともに、走査方向(Y方向)に指定された走査速度で駆動可能である。レチクルステージRSTの位置情報(X方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角を含む)はレーザ干渉計(不図示)によって計測され、この計測値及び主制御装置40からの制御情報に基づいて、ステージ制御系42がその駆動系を制御する。
投影光学系PLは、照明光ILのもとでレチクルRのパターン領域の照明領域内の回路パターンの像を、ウエハWの一つのショット領域のX方向に細長いスリット状の露光領域(照明領域と共役な領域)に形成する。投影光学系PLは、屈折系又は反射屈折系からなり、例えば両側テレセントリックで所定の投影倍率β(例えば1/4倍、1/5倍などの縮小倍率)を有する。ウエハWは、例えば直径が200mmから450mm程度の円板状の半導体ウエハの表面にフォトレジスト(感光剤)を所定の厚さ(例えば数10〜200nm程度)で塗布したものを含む。
また、露光装置EXが液浸法で露光を行う場合には、投影光学系PLを構成する最も像面側(ウエハW側)の光学素子とウエハWとの間の局所的な領域に、照明光ILを透過する液体を供給するための局所液浸機構(不図示)が設けられる。その局所液浸機構は、例えば米国特許出願公開第2007/242247号明細書等に開示されている。
また、ウエハステージWSTは、ウエハベースWBのXY平面に平行な上面にエアベアリングを介して載置されている。ウエハステージWSTは、ウエハベースWBの上面においてX方向及びY方向に移動可能で、θz方向に微小回転可能なXYステージと、XYステージの上部に固定されたZステージとを有する。そのZステージは、ウエハテーブルWTBを介してウエハWを保持するとともに、ウエハテーブルWTB(及びウエハW)のZ位置、及びθx方向、θy方向の傾斜角を制御する。ウエハテーブルWTBの上面には、ウエハの表面とほぼ同じ高さの面となる、中央にウエハWが設置される開口が形成された平板10が設けられている。露光装置EXが液浸型である場合には、平板10の表面には撥液化処理が施される。
ウエハベースWBの上面におけるウエハステージWSTの位置情報(少なくともX方向、Y方向の位置、及びθz方向の回転角を含む)はレーザ干渉計(不図示)によって計測され、この計測値及び主制御装置40からの制御情報に基づいて、ステージ制御系42がリニアモータ等の駆動系(不図示)を介してウエハステージWST内のXYステージの動作を制御する。さらに、AFセンサ12で計測されるウエハ面WaのZ位置の情報に基づいて、主制御装置40は、ステージ制御系42を介してウエハステージWSTのZステージを制御する。
また、ウエハステージWSTは、レチクルRのアライメントマークの投影光学系PLによる像の位置を計測する空間像計測系(不図示)を備え、投影光学系PLの近傍には、ウエハWのアライメントマークの位置を計測するウエハアライメント系(不図示)が設けられている。その空間像計測系及びウエハアライメント系の計測結果に基づいてレチクルR及びウエハWのアライメントが行われる。
ウエハWの露光時には、照明系ILSからの照明光ILを可動のレチクルブラインドで遮光して、ウエハステージWSTのX方向、Y方向への移動によって、ウエハWの一つのショット領域が投影光学系PLの露光領域の手前に移動(ステップ移動)する。その後、照明光ILのウエハWへの照射を開始して、レチクルRのパターンの一部の投影光学系PLによる像でウエハWの当該ショット領域を露光しつつ、レチクルステージRST及びウエハステージWSTを駆動して、レチクルR及びウエハWをY方向に同期して移動することによって、当該ショット領域にレチクルRのパターンの像が走査露光される。そのステップ移動と走査露光とを繰り返すことによって、ステップ・アンド・スキャン方式でウエハWの全部のショット領域にレチクルRのパターンの像が露光される。
また、ウエハWの各ショット領域の走査露光時に、AFセンサ12によるウエハWの表面の複数の計測領域(計測点)のZ位置の計測結果に基づいて、主制御装置40はステージ制御系42を介して、オートフォーカス方式でウエハ面Waが投影光学系PLの像面に合焦されるように、ウエハステージWSTのZステージを駆動する。これによって、レチクルRのパターンの像がウエハWの各ショット領域に高い解像度で露光される。
次に、本実施形態のAFセンサ12の構成及び動作につき詳細に説明する。AFセンサ12は、検出用の光束Lを射出する光源系16、光束Lが照射される複数の送光スリット19aが形成された偏向プリズム18、複数のスリット像をウエハ面Wa(被検面)に斜め方向から投射する送光光学系14A、ウエハ面Waで反射された光束Lを受光する受光光学系14B、及び複数の受光スリット33aが形成された偏向プリズム32を有する。さらに、AFセンサ12は、送光光学系14A内に配置されて、光束Lを反射させて光束Lのθy方向の角度を周期的に変化させるガルバノミラー等の振動ミラー26AD、振動ミラー26ADを駆動するミラー制御系44、偏向プリズム32を介した光束Lを検出する検出系14C、及び検出系14Cの検出信号からウエハ面Waの複数の計測領域でのZ位置(面位置)の情報を求める信号処理系46を有する。
まず、光源系16は、波長幅の広い可視光及び/又は近赤外光よりなる非偏光の光束Lを射出する例えば発光ダイオード又はハロゲンランプ等よりなる光源17A、及び光束Lをほぼ平行光束にするコンデンサーレンズ17Bを有する。光束Lとしては、ウエハWに塗布されたレジストに対する感光性が低く、かつ可干渉性の低い光が好ましい。コンデンサーレンズ17Bによってほぼ平行光束に変換された光束Lは偏向プリズム18に入射し、偏向プリズム18によって屈折されることにより主光線がほぼ−Z方向に進行するように偏向される。偏向プリズム18の射出面には、遮光膜中に複数のひし形の形状の送光スリット19aを周期的に配列した構成の送光スリット部19が設けられている。
図2(B)に示すように、送光スリット部19のひし形の送光スリット19aの一つの対角線(ここでは短い方の対角線)に平行なX1方向は、ウエハ面WaのX方向に対応する方向である。図2(B)において、X1方向に直交する方向をY1方向(ウエハ面WaのY方向に平行な方向)として、送光スリット19aに入射する光束Lの照度分布は均一であるとする。このとき、送光スリット19aを通過する光束の光量をY1方向に積算して得られる積算光量LIのX1方向の分布(積算光量分布L1(X1))は、二等辺三角形状の山型の分布の頂点(X1方向の中央の位置)で積算光量が最大値(極値)となっている。
なお、光源17Aの光束は、例えば可撓性を持つ光ガイド(不図示)によって投影光学系PLの側面に近い位置まで伝送してもよい。
図1において、偏向プリズム18の複数の送光スリット19aを通過した光束Lは、送光光学系14Aの第1対物レンズ20Aに入射する。第1対物レンズ20Aで集光された光束Lは、振動ミラー26ADにより90°よりも所定角度(例えば数°〜10°程度)小さい角度程度だけ+X方向に光路が折り曲げられた後、第2対物レンズ20B、及び光路を−Z方向にシフトさせるプリズム28Aを介して、ウエハ面WaのX方向に細長い投射領域29内に斜めに投射される。光束Lによって投射領域29内に、複数の送光スリット19aの像がY方向に一定のピッチで形成される。
第1対物レンズ20A、第2対物レンズ20B、及びプリズム28Aから送光光学系14Aが構成されている。送光光学系14Aは、偏向プリズム18の射出面(送光スリット部19の形成面)と投影光学系PLの像面(合焦時のウエハ面Wa)とを光学的に共役にする結像光学系である。また、ウエハ面Waに斜めに投射される光束Lの主光線の入射面と、投影光学系PLの像面(合焦時のウエハ面Wa)とが交差する直線はX軸に平行(X方向)であり、ひし形の送光スリット19aの像の一つの対角線に沿った方向もX方向である。
振動ミラー26ADは、送光光学系14Aの射出瞳と共役な面(瞳面)の近傍に配置されている。振動ミラー26ADは、点線の下側の光路P1及び上側の光路P2の間で、すなわち光束Lのウエハ面Waに対する入射面内で反射光を振動させる。また、ウエハ面Waが投影光学系PLの像面に合致している状態で、送光スリット部19の形成面とウエハ面Waとは、送光光学系14Aに関してシャインプルーフの条件を満たすように配置されており、複数の送光スリット19aの像は、投射領域29の全面に渡って正確に結像する。また、送光光学系14Aはいわゆる両側テレセントリック光学系であり、一例として開口数は0.01〜0.1程度で、投影倍率はほぼ等倍〜数倍であり、任意の2つの送光スリット19aのピッチと、対応するウエハ面Waの2つの像のX方向のピッチとは、ウエハ面Waの全面に渡って互いに同じ倍率である。
図2(A)に示すように、投射領域29内のX方向に一定のピッチで配列されたI個(Iは例えば10〜100程度の整数)の計測点MPi(i=1〜I)には、送光光学系14Aから投射された光束Lによって、それぞれひし形の送光スリット19aの像(以下、ひし形スリット像という)37が形成(結像)される。ひし形スリット像37の光量をY方向に積算して得られるX方向の積算光量分布は、図2(B)の積算光量分布IL(X1)とほぼ相似であり、X方向の中央の位置で最大値(極値)となる。振動ミラー26ADの振動によって、各ひし形スリット像37の位置は全体としてX方向に周期的に変化する。なお、計測点MPiを中心としてほぼひし形スリット像37を囲む領域を計測領域とみなすこともできる。計測点MPiの個数Iは検出系14C内の受光素子アレイ36の受光素子PEiの個数と同じである。
図1において、ウエハ面Waに投射された光束Lは、ウエハ面Waで反射されて、光路を+Z方向にシフトさせるプリズム28Bを介して第1対物レンズ30Aに入射する。そして、第1対物レンズ30Aを通過した光束Lは、ミラー26Bを介して光路がほぼ+Z方向に折り曲げられて第2対物レンズ30Bに入射する。第2対物レンズ30Bから射出された光束Lは、偏向プリズム32の入射面に形成された受光スリット部33に、ウエハ面Waの投射領域29内の複数のひし形スリット像37の像を形成する。
図2(C)に示すように、受光スリット部33は、遮光膜中のX2方向(ウエハ面のX方向に対応する方向)に、複数のひし形スリット像37の像(以下、ひし形スリット像という)38とほぼ同じピッチで、複数の細長い長方形の開口パターンよりなる受光スリット33aを形成した構成である。ひし形スリット像38は、送光スリット19aの送光光学系14A及び受光光学系14Bによる像19aPでもある。受光スリット33aの長手方向は、ひし形スリット像38の一つの対角線(ここでは長い方の対角線)に平行なY2方向(ウエハ面のY方向に平行な方向)に平行であり、Y2方向はX2方向に直交している。ウエハ面WaのZ位置の変化、又は振動ミラー26ADの振動によって、受光スリット33aに対してひし形スリット像38はX2方向に移動するか、又はX2方向に振動して、受光スリット33aを通過する光量が変化する。
一例として、受光スリット33aのX2方向の幅a2は100〜500μm程度、受光スリット33aのY2方向の長さb2は幅a2の10倍程度(ここでは1〜5mm程度)であり、ひし形スリット像38のX方向の幅a1は受光スリット33aの幅a2の数倍程度、ひし形スリット像38のY2方向の幅b1は受光スリット33aの長さb2よりわずかに狭い程度である。プリズム28B、第1対物レンズ30A、ミラー26B、及び第2対物レンズ30Bより受光光学系14Bが構成されている。
受光光学系14Bに関して、投影光学系PLの像面(合焦時のウエハ面Wa)と偏向プリズム32の入射面(受光スリット部33の形成面)とは光学的に共役である。また、ウエハ面Waが投影光学系PLの像面に合焦している状態で、ウエハ面Waと偏向プリズム32の入射面とは、受光光学系14Bに関して、シャインプルーフの条件を満たすように配置されている。従って、偏向プリズム32の入射面の全面に渡って、ウエハ面Waの投射領域29内に結像したスリット像37の像が正確に再結像する。また、受光光学系14Bは両側テレセントリック光学系であり、一例として開口数は0.01〜0.1程度で、投影倍率はほぼ等倍〜数分の1であり、ウエハ面Waの2点の間隔と偏向プリズム32の入射面上の対応する2つの共役点の間隔とは、全面で同じ倍率である。
この場合、図3(A)に示すように、ウエハ面Waが像面に合焦している状態で、送光光学系14Aから実線の光路に沿ってウエハ面WaのX方向の中央の点B0に照射されてひし形スリット像を形成する光束Lを想定する。この場合、より正確には、形成されるひし形スリット像の中心が点B0の位置にあることを意味している(以下同様)。この光束Lは、ウエハ面Waで反射されてから受光光学系14Bにより集光され、受光スリット部33の中央の点C0にひし形スリット像を合焦状態で形成する。このとき、図3(C)に示すように、受光スリット部33の中央の受光スリット33aとほぼ同じ位置にひし形スリット像38が形成され、その受光スリット33aを通過する光量はほぼ最大になる。この状態から、ウエハ面WaがZ方向(面位置の計測方向)に−δZだけ変位して、−Z方向の位置A2に移動すると、合焦状態の点B0に向かう光束は、点線の光路P4で示すようにウエハ面Waで点B0から+X方向に離れた点で反射される。この反射された光束は、受光光学系14Bで集光されて受光スリット部33の点C0からX2方向(X方向に対応する方向)に離れた位置にひし形スリット像を形成する。このため、図3(B)に示すように、受光スリット部33の受光スリット33aに対して中心が+X2方向にずれた状態でひし形スリット像38が形成され、受光スリット33aを通過する光量は減少する。
一方、図3(A)において、ウエハ面WaがδZだけ変位して+Z方向の位置A1に移動すると、合焦状態の点B0に向かう光束は、点線の光路P3で示すようにウエハ面Waで点B0から−X方向に離れた点で反射される。この反射された光束は、受光光学系14Bで集光されて受光スリット部33の点C0から−X2方向に離れた位置(図3(B)の位置A3)にひし形スリット像38が形成され、受光スリット33aを通過する光量は減少する。従って、ウエハ面WaのZ位置が変化すると、受光スリット部33の各受光スリット33aを通過する光量を光電変換して得られる検出信号S1は、図3(D)に示すように、ウエハ面Waがベストフォーカス位置BFにあるときに最大になり、ウエハ面Waが位置BFから離れるほど小さくなる。このために検出信号S1からウエハ面WaのZ位置(位置BFに対する変位δZ)を検出できる。ただし、単に検出信号S1を用いると、Z位置が位置BFに対して+Z方向又は−Z方向のどちらに変位しているのかが分からないため、本実施形態では後述のように検出信号S1を振動ミラー26ADの駆動信号で同期整流する。
また、図3(A)において、一例として、送光光学系14Aからウエハ面Waに入射する光束Lの入射角φを86°として、ウエハ面WaのZ方向への変位(位置A1又はA2までの間隔)を10μmとすると、ウエハ面Waに入射する光束LのX方向の位置ずれ量δXはほぼ14.3倍の142μmとなる。
δX=10×tan86°=143(μm) …(1)
また、受光光学系14Bが例えば等倍であるとすると、ウエハ面WaがZ方向にδZだけ変位したときに、受光スリット部33におけるひし形スリット像38のX2方向の位置ずれ量はほぼ2×δZ×tan86°である。従って、ウエハ面WaがZ方向に10μm変位したときの、受光スリット部33におけるひし形スリット像38の位置ずれ量δX2はほぼ次のように286μmとなる。
δX2=2×10×tan86°=286(μm) …(2)
このようにウエハ面WaのZ方向の変位は、受光スリット部33ではほぼ28倍に拡大されるため、受光光学系14Bの開口数が仮に0.02であるとしても、面位置の検出に際して高い検出精度が得られる。
図1において、偏向プリズム32の入射面の複数の受光スリット33aを通過した光束Lは、リレー光学系34により、受光素子アレイ36に形成された複数の例えばフォトダイオードよりなる受光素子PEi(i=1〜I)の受光面にリレーされる。複数の受光素子PEiの検出信号S1は信号処理系46に供給される。受光素子アレイ36としては、例えばCCD又はCMOS型の1次元のラインセンサも使用できる。受光素子PEiの個数Iは、ウエハ面Waの投射領域29内に設定される計測点MPiの個数と同じである。i番目の受光素子PEiによって、投射領域29内のi番目の計測点MPiに投射されたひし形スリット像37からの反射光を受光光学系14Bで集光して形成される像(ひし形スリット像38)のうちで、受光スリット部33のi番目の受光スリット33aを通過した光束が受光される。
信号処理系46は、各受光素子PEiから出力される検出信号S1を、ミラー制御系44から供給される振動ミラー26ADの駆動信号を用いて個別に同期整流することによって、ウエハ面Waのi番目の計測点MPiのZ位置をベストフォーカス位置BFからの変位δZiとして求める。この場合の同期整流とは、一例として駆動信号の半周期毎にその検出信号をサンプリングし、サンプリングされた2つの信号の差分を求めることである。図3(D)に示したように、検出信号S1は位置BFで最大値になる信号であり、その同期整流によって変位δZiを高精度に求めることができる。ウエハ面Waにはそれまでの工程の処理等によって凹凸(段差)があるため、変位δZiは通常は互いにわずかに異なっている。求められたウエハ面Waの全部の計測点MPiのZ位置(変位δZi)の情報は主制御装置40に供給される。リレー光学系34及び受光素子アレイ36から検出系14Cが構成されている。AFセンサ12のうち、ミラー制御系44及び信号処理系46を除く光学系の部分は、投影光学系PLを保持するフレーム(不図示)に支持されている。
ここで、AFセンサ12では、ウエハ面Waにひし形スリット像37を投射することによって、ウエハ面Waの前のレイヤ等に形成されている回路パターン(下地パターン)、又はウエハ面Waの互いに反射率が異なり隣接している複数の部分からの反射光の影響を軽減できることにつき説明する。一例として、図1において、ウエハ面Waが像面に合焦しており、振動ミラー26ADが振動範囲の中央(中立位置)にあるときに、送光光学系14Aから実線の光路に沿って照射され、ウエハ面WaのX方向の中央の点B0にひし形スリット像37を形成する光束Lを想定する。
さらに、図4(A)に示すように、ウエハ面Waのひし形スリット像37が形成される領域は、反射率の高い部分(以下、高反射率部という。)48Aと反射率が低い部分(以下、低反射率部という。)48Bとの境界部にあるものとする。そのひし形スリット像37を形成した光束は、ウエハ面Waで反射されてから、受光スリット部33の中央の点C0にひし形スリット像38を形成する。
図4(B)は、図4(A)のウエハ面Waのひし形スリット像37からの反射光によって受光スリット部33の受光スリット33a上に形成されるひし形スリット像38を示す。図4(B)において、受光スリット33aは、ウエハ面Waの高反射率部48Aの均一な明部よりなる像48APと、低反射率部48Bの均一な暗部よりなる像48BPとの境界部に位置している。簡単のために、高反射率部48Aの反射率を100%、低反射率部48Bの反射率を0%として、像48APの部分の単位面積当たりの光量を1とすると、像48BPの単位面積当たりの光量は0となる。その明るい像48APのうちで、ひし形スリット像38と重なる部分の光束が受光スリット33aを通過して対応する受光素子で検出される。
図4(B)において、受光スリット33aのX2方向の中心に対するひし形スリット像38のX2方向の中心の位置ずれ量をδX2とすると、δX2は、振動ミラー26ADの角度によって変化する。位置ずれ量δX2が0のときに、受光スリット33aを通過する光量に対応する検出信号S1の値を1/2とする。また、振動ミラー26ADの振動によって、図4(A)に示すように、ウエハ面Waでひし形スリット像37は高反射率部48Aの面積比が大きくなる位置P5と、低反射率部48Bの面積比が大きくなる位置P6との間を移動する。
このとき、受光スリット部33の受光スリット33aが形成されている領域では、図4(C)に示すように、ひし形スリット像38は、明るい像48APと暗い像48BPとを背景として位置P51と位置P56との間をX2方向に移動する。一例として、受光スリット33aのX2方向の幅a2に対して、ひし形スリット像38のX2方向の幅(ここではX2方向の対角線の長さ)はほぼ6倍であるとする。このとき、受光スリット33aの中心に対してひし形スリット像38の中心がX2方向に−a2/4だけずれた位置P53で、受光スリット33aを通過する光量(検出信号S1)が最大になる。そして、ひし形スリット像38が位置P53から位置P52等の−X2方向の位置に移動すると、受光スリット33aを通過する光量は小さくなり、移動量が−3.5a2以上で検出信号S1は0になる。同様に、ひし形スリット像38が位置P53から位置P54等の+X2方向に移動しても、受光スリット33aを通過する光量は小さくなり、移動量が+3a2以上で検出信号S1は0になる。
これより、ひし形スリット像38のX2方向の変位δX2と、受光スリット33aを通過する光量から得られる検出信号S1との関係は、図4(D)の実線の曲線50Aのように、変位δX2が−a2/4のときに最大値となる山型になることが分かる。一例として、振動ミラー26ADによるひし形スリット像38のX2方向の移動量(振幅)を±a2/2とすると、ウエハ面Waが像面にあるときには曲線50A上の点B1及びB2で検出信号S1のサンプリングが行われ、その差分δSaがウエハ面Waと像面との差分を表す信号となる。この実施形態では、差分δSaは、検出信号S1の最大値(ほぼ1/2)に対して1/5以下であり、ウエハ面Waの高反射率部48A及び低反射率部48Bの境界部にひし形スリット像37が投射されていることによるZ位置の計測誤差はかなり小さい。
また、ウエハ面Waの高反射率部48Aにひし形スリット像37が投射されているときに、振動ミラー26ADでひし形スリット像37を振動させた場合には、受光スリット33aを通過する光量に対応する検出信号S1は、図4(D)の点線の曲線50Bのように、変位δX2が0のときに最大値(=1)となる山型に変化する。この状態でも、振動ミラー26ADによるひし形スリット像38のX2方向の移動量(振幅)を±a2/2とすると、曲線50B上の点B3及びB4で検出信号S1のサンプリングが行われるため、その差分は0になり、ウエハ面Waが像面に合焦していることが正確に検出される。
なお、図4(D)の曲線50A,50Bは、振動ミラー26ADを中立位置に固定した状態で、ウエハ面WaのZ位置を像面に対してδZだけ変化させる場合にも成立する。ただし、式(2)の関係より、変位δZに対して変位δX2はほぼ300倍程度になる。本実施形態によれば、ウエハ面Waが像面から変位している場合にも、検出信号S1を振動ミラー26ADの動作に応じて同期整流することで、ウエハ面Waの高反射率部48A及び低反射率部48Bの境界部にひし形スリット像37が投射されていても、Z位置の検出誤差を抑制できる。
ここで、比較例として、図5(A)に示すように、ウエハ面Waの高反射率部48Aと低反射率部48Bとの境界部に、ひし形スリット像37の代わりにY方向に細長い長方形状のスリット像52が投射されている場合を想定する。このとき、スリット像52からの反射光によって、図5(B)に示すように、受光スリット部33の受光スリット33a上に受光スリット33aに平行な長方形状のスリット像53が形成される。スリット像53のX2方向の幅はほぼa2(受光スリット33aの幅)であるとする。この比較例でも簡単のために、高反射率部48Aの反射率を100%、低反射率部48Bの反射率を0%とすると、高反射率部48Aの明るい像48APのうちで、スリット像53と重なる部分の光束が受光スリット33aを通過して検出される。また、受光スリット33aのX2方向の中心に対するスリット像53のX2方向の中心の位置ずれ量をδX2として、位置ずれ量δX2が0のときに、受光スリット33aを通過する光量に対応する検出信号S1の値を1/2とする。振動ミラー26ADの振動によって、図5(A)に示すように、ウエハ面Waでスリット像52は高反射率部48Aの面積比が大きくなる位置P7と、低反射率部48Bの面積比が大きくなる位置P8との間を移動する。
このとき、受光スリット部33では、図5(C)に示すように、長方形状のスリット像53は、明るい像48APと暗い像48BPとを背景として位置P71と位置P73との間をX2方向に移動する。このとき、受光スリット33aの中心に対してスリット像53の中心がX2方向に−a2/4だけずれた位置P72を中心として幅a2/2の範囲内で、受光スリット33aを通過する光量(検出信号S1)は最大値(1/2)となっている。そして、スリット像53の変位δX2が−a2/2より−X2方向に大きくなるか、又は0より+X2方向に大きくなると検出信号S1は小さくなり、変位δX2が−a2又はa2/2になると検出信号S1は0になる。
これより、スリット像53のX2方向の変位δX2と、受光スリット33aを通過する光量から得られる検出信号S1との関係は、図5(D)の実線の曲線54Aのように、変位δX2が0〜−a2/2のときに最大値となる台形型になることが分かる。この比較例でも、振動ミラー26ADによるスリット像53のX2方向の移動量(振幅)を±a2/2とすると、ウエハ面Waが像面にあるときには曲線54A上の点B5及びB6で検出信号S1のサンプリングが行われ、その差分δSbがウエハ面Waと像面との差分を表す信号となる。この比較例では、差分δSbは、検出信号S1の最大値(ほぼ1/2)とほぼ同じであり、ウエハ面Waが像面から大きく変位していると判定される。従って、この比較例では、ウエハ面Waの高反射率部48A及び低反射率部48Bの境界部に長方形のスリット像52が投射されていることによるZ位置の計測誤差はかなり大きくなる。
また、ウエハ面Waの高反射率部48Aに長方形のスリット像52が投射されているときに、振動ミラー26ADでスリット像52を振動させた場合には、受光スリット33aを通過する光量に対応する検出信号S1は、図5(D)の点線の曲線54Bのように、変位δX2が0のときに最大値(=1)となる山型に変化する。この状態では、振動ミラー26ADによるスリット像53のX2方向の移動量(振幅)を±a2/2とすると、曲線54B上の点B7及びB8で検出信号S1のサンプリングが行われるため、その差分は0になり、ウエハ面Waが像面に合焦していることが正確に検出される。
なお、図5(D)の曲線54A,54Bは、振動ミラー26ADを中立位置に固定した状態で、ウエハ面WaのZ位置を像面に対してδZだけ変化させる場合にも成立する。このとき、実線の曲線54Aから分かるように、ウエハ面Waに高反射率部48A及び低反射率部48Bが形成されているときには、検出信号S1が変位δZに対して変化しなくなる不感帯が発生する。仮にスリット像53のX2方向の幅を受光スリット33aの幅よりも広くすると、その不感帯はさらに広くなる。これに対して、本実施形態の図4(D)の曲線50Aには不感帯は生じていないため、本実施形態ではより高精度にウエハ面WaのZ位置を検出できる。
なお、ウエハ面Waに長方形状のスリット像52を投射する場合には、スリット像52はY軸に対して例えば45°で交差する方向に傾斜して投射されることもある。この場合には、図5(E)に示すように、受光スリット部33AにはY2方向に45°で交差する方向に伸びた受光スリット33Aaが形成され、この上にY2方向に45°で交差する方向に伸びた長方形状のスリット像53Aが形成される。この場合には、ウエハ面Waに高反射率部48A及び低反射率部48Bの境界部にスリット像が投射されていると、図5(D)の曲線54Aに比べて変化が少ない特定を持つ検出信号が得られるが、計測誤差は本実施形態に比べるとかなり大きくなる。
以下、本実施形態の露光装置EXにおいて、主制御装置40の制御のもとでAFセンサ12を用いてウエハWの表面のZ位置を計測し、この計測結果を用いてウエハWを露光する動作の一例につき、図6のフローチャートを参照して説明する。この動作は主制御装置40によって制御される。
まず、図6のステップ102において、ウエハステージWSTを駆動して、AFセンサ12の投射領域29にウエハ面Waを移動する。次のステップ104において、光源17Aの発光を開始させ、ミラー制御系44によって振動ミラー26ADの振動を開始させる。次のステップ106において、図1に示すように、光源17Aから射出された光束Lが偏向プリズム18の送光スリット部19を照明する。送光スリット部19の複数の送光スリット19aを通過した光束Lが、送光光学系14A及び振動ミラー26ADを介してウエハ面Wa(被検面)の投射領域29に斜めに複数のひし形スリット像37を投射する。
次のステップ108において、ウエハ面Waで反射された光束Lは、受光光学系14Bを介して受光され、偏向プリズム32の受光スリット部33に複数の送光スリット19aの像(ひし形スリット像38)を形成する。次のステップ110において、複数の受光スリット33aを通過した光束を受光素子アレイ36で検出し、信号処理系46は、受光素子アレイ36の複数の受光素子から出力される検出信号を信号処理系46の駆動信号に同期してサンプリングする。次のステップ112において、信号処理系46は、サンプリングされた複数の検出信号を用いて、ウエハ面Waの複数の計測点MPiにおけるZ位置を求め、求めたZ位置を内部の記憶装置に記憶する。これによって、ウエハ面Waの第1列の複数の計測点MPiのZ位置が計測されたことになる。
次のステップ114において、Z位置の計測を継続する場合には、ステップ116に移行して、ウエハステージWSTを駆動して、図2(A)に示すようにAFセンサ12の投射領域29に対してウエハWをY方向に移動して、ウエハ面Waの次の計測対象領域を投射領域29に移動する。その後、動作はステップ106に戻り、その計測対象領域の複数の計測点MPiのZ位置が計測されて記憶される。これによって、ウエハ面Waの第2列の複数の計測点MPiのZ位置が計測されたことになる。以下、ウエハWをY方向に移動しながらAFセンサ12によって、ウエハ面WaのY方向に次第に配列される第3列、第4列、…の複数の計測点MPiのZ位置が計測される。そして、ウエハ面Waの全面でZ位置の計測が終わったときに、ステップ114で計測終了と判定され、動作はステップ118に移行して、光源17Aの発光を停止させ、振動ミラー26ADの振動を停止させることで、Z位置の計測動作を終了する。この際にステップ112で記憶されたウエハ面Wa全面の複数列の複数の計測点でのZ位置の計測結果が主制御装置40に供給される。
その後、ステップ120で、ウエハステージWSTを駆動して、ウエハWの露光対象のショット領域を投影光学系PLの露光領域の手前に移動する(ステップ移動)。次のステップ122で、ステップ112で記憶されたZ位置の計測結果に基づいてオートフォーカス方式でウエハ面Waを投影光学系PLの像面に合焦させながら、ウエハ面Waの当該ショット領域にレチクルRのパターンの像が走査露光される。このステップ120、122の動作がウエハWの全部のショット領域に関して実行された後、ステップ124でこのウエハWに関する露光が終了し、その次のウエハに対するZ位置の計測及び露光が行われる。
このように本実施形態では、AFセンサ12のZ位置の計測時にウエハ面Waの下地パターン等の影響による計測誤差が小さいため、ウエハ面Waの全面のZ位置を高精度に効率的に計測できる。従って、ウエハ面Waをより高精度に投影光学系PLの像面に合焦させることができ、レチクルRのパターンの像をより高精度にウエハに露光できる。
本実施形態の効果等は以下の通りである。
本実施形態の露光装置EXが備えるAFセンサ12(面位置検出装置)は、ウエハ面Wa(被検面)の法線方向の位置(投影光学系PLの光軸方向の位置)であるZ位置(面位置)を検出する装置である。AFセンサ12は、ウエハ面Waに斜め方向から、Y方向(第1方向)に光量分布を積算したときのY方向に直交するX方向(第2方向)の積算光量分布が山型で最大値(極値)を持つひし形スリット像37を投射する送光光学系14A、ウエハ面Waの反射光を受光して、ひし形スリット像37の像(ひし形スリット像38)を再形成する受光光学系14B、ひし形スリット像38が再形成される面を有し、この面に受光スリット33aが形成された偏向プリズム32、ひし形スリット像38が再形成される面で、ひし形スリット像38の位置をX方向に対応するX2方向に周期的に変化させる振動ミラー26AD、受光スリット33aを通過した光を検出する受光素子アレイ36、及び受光素子アレイ36の検出信号に基づいてウエハ面WaのZ位置を求める信号処理系46を備えている。
また、AFセンサ12を用いてウエハ面WaのZ位置(面位置)を検出する方法は、ウエハ面Waに斜め方向から入射面に沿った方向に送光光学系14Aを介してひし形スリット像37を投射し(ステップ106)、ウエハ面Waで反射された光を受光光学系14Bを介して受光してひし形スリット像38を再形成し(ステップ108の一部)、ひし形スリット像38が再形成される面にY方向に対応するY2方向を長手方向として配置された細長い受光スリット33aを介して、受光光学系14Bからの光を検出し(ステップ108の一部)、受光スリット33aが形成された面でひし形スリット像38をX方向に対応するX2方向に周期的に移動させ(ステップ110)、受光光学系14Bからの光の検出信号に基づいてウエハ面WaのZ位置を求めている(ステップ112)。
本実施形態によれば、ウエハ面Waに斜め方向から、Y方向に光量分布を積算したときのX方向の積算光量分布が最大値(極値)を持つ山型のひし形スリット像37が投射され、その像からの反射光によって形成されるひし形スリット像38のうち受光スリット33aを通過する光量(受光量)からウエハ面WaのZ位置の情報が求められる。また、ひし形スリット像37がウエハ面Waの回路パターン等の互いに反射率が異なる複数の部分の境界部に投射されていても、ひし形スリット像37のX方向の積算光量分布が一定ではなく山型に変化しているため、受光スリット33aに対して再形成されるひし形スリット像38をX方向に対応するX2方向に振動したときの受光量の変化は少ない。このため、ウエハ面Waに形成されている回路パターン等の影響を軽減してZ位置を高精度に検出できる。
また、振動ミラー26ADで偏向プリズム32の入射面でひし形スリット像38をX2方向に振動させているため、その振動させるための機構が簡単である。なお、振動ミラー26ADは、図1の送光光学系14A内のミラー26Bの位置に設置してもよい。
また、本実施形態の露光装置EXは、照明光IL(露光光)でレチクルRのパターンを照明し、照明光ILでそのパターン及び投影光学系PLを介してウエハWを露光する露光装置において、AFセンサ12と、AFセンサ12によって検出されるウエハWの表面のZ位置(面位置)の情報に基づいてウエハWのZ位置を制御するウエハステージWSTとを備えている。また、露光装置EXによる露光方法は、ウエハWを露光するときに、AFセンサ12によるZ位置の検出方法を用いて検出されたZ位置を用いて、ウエハWの表面を投影光学系PLの像面に合焦させている。
本実施形態の露光装置EX又は露光方法によれば、AFセンサ12によってウエハ面WaのZ位置を高精度に計測できるため、この計測値に基づいてウエハWの表面を投影光学系PLの像面に高精度に合焦でき、レチクルRのパターンの像を高精度にウエハWに露光できる。
なお、露光装置EXにおいて、レチクルRのパターン面のZ方向の位置(面位置)を計測する装置としてAFセンサ12と同様のセンサを使用してもよい。
なお、本実施形態では以下のような変形が可能である。
まず、ウエハ面Waに投射するスリット像としては、図7(A)の第1変形例のように、小型のひし形像57aをY方向に複数個(図7(A)では5個)隣接して並べた形状の連結スリット像57を使用してもよい。連結スリット像57に関しても、この光量をY方向に積算して得られるX方向の積算光量分布はX方向の中央で最大(極値)となる山型の分布となる。
連結スリット像57からの反射光を受光光学系14Bで受光すると、受光スリット部33の受光スリット33a上には、図7(B)に示すように、小型のひし形像58aをY2方向に複数個(図7(B)では5個)隣接して並べた形状の連結スリット像58が形成される。ウエハ面WaのZ位置の変化及び振動ミラー26ADの振動によって連結スリット像58もX2方向に移動する。一例として、受光スリット33aのX2方向の幅a2に対して、連結スリット像58のX2方向の幅は数倍であり、ウエハ面WaのZ位置が下限又は上限に移動したときの、連結スリット像58のX2方向へ位置P1又は位置P92までの変位a3は幅a2と同じ程度である。また、連結スリット像58のY2方向の全体の幅b3は例えば数mmであり、受光スリット33aのY2方向の長さは幅b3よりも広い。
図8は、第1変形例の連結スリット像57を用いた場合と、図5(E)の比較例の斜め方向に伸びた長方形のスリット像を用いた場合とのZ位置の計測誤差を見積もった結果を示す。この際に、図5(E)の比較例では、ウエハ面Waの反射率が80%の部分と反射率が70%の部分とのY方向(Y2方向に平行)に平行な境界線を含む部分に長方形のスリット像が投射されているものとして、第1変形例では、ウエハ面Waの反射率が80%の部分と反射率が70%の部分とのX方向に平行で、連結スリット像57のY方向の中央を通る境界線を含む部分に連結スリット像57が投射されているものとした。
図8において、横軸はウエハ面WaのZ位置の像面からの変位(μm)、縦軸は計測誤差(nm)であり、曲線C1及びC2はそれぞれ連結スリット像57のひし形スリット像57aの個数を5個及び10個とした場合の計測誤差、曲線CRは比較例(長方形のスリット像を用いた場合)の計測誤差を表している。曲線C1,C2,CRの比較より、変形例の連結スリット像57を用いた場合には、比較例に比べて特にZ位置が像面に近い範囲で計測誤差が極めて小さいことが分かる。さらに、曲線C2は曲線C2よりも計測誤差が小さいことから、連結スリット像57のひし形スリット像57aの個数を多くするほど計測誤差が小さくなることも分かる。なお、第1変形例において、ウエハ面Waの反射率が80%の部分と反射率が70%の部分との境界線がX方向に平行である場合には、計測誤差は曲線C1,C2の場合よりもさらに小さくなっている。
また、この第1変形例に対して、図7(C)の第2変形例で示すように、受光スリット部33における受光スリット33aSをY2方向に対して例えば10°程度の角度φだけ傾斜させてもよい。この場合には、スリット像も、連結スリット像58Sのように複数のひし形スリット像58Saを次第に角度φに相当する量だけX2方向にずらしながら連結した像を使用してもよい。ウエハ面WaのZ位置の変化に応じて連結スリット像58Sは位置P93と位置P94との間で移動するが、この第2変形例によれば、ウエハ面Waに高反射率部48A及び低反射率部48Bが形成されている場合の計測誤差がさらに低減される。
また、ウエハ面Waに投射するスリット像としては、図9(A)の第3変形例のように、光量がX方向に山型に(X方向の中央で最大値になるように)連続的に変化する長方形状のスリット像67を使用してもよい。スリット像67に関しても、この光量をY方向に積算して得られるX方向の積算光量分布LI(X)はX方向の中央で最大(極値)となる山型の分布となる。このようなスリット像67は、図1の送光スリット19aを長方形として、送光スリット19aの射出面に濃度がX方向に対応する方向に山型に変化するNDフィルタ(濃度フィルタ)を設置すればよい。
スリット像67からの反射光を受光光学系14Bで受光すると、受光スリット部33の受光スリット33a上には、図8(B)に示すように、光量がX2方向に山型に連続的に変化する長方形状のスリット像68が形成される。ウエハ面WaのZ位置の変化及び振動ミラー26ADの振動によってスリット像68もX2方向に位置P95と位置P96との間で移動する。この移動に応じて、受光スリット33a上のX2方向の光量ITの分布も、実線の曲線IT1及び点線の曲線IT2で示すようにX2方向に移動して、受光スリット33aを通過する光量が変化するため、上記の実施形態と同様にその光量の検出信号からウエハ面WaのZ位置を検出できる。さらに、ウエハ面Waに高反射率部48A及び低反射率部48Bが形成されている場合の計測誤差も低減できる。
また、受光スリット33a上に形成されるスリット像(ウエハ面Waに投射するスリット像と相似である)としては、図9(C)の第4変形例のように、Y2方向に細長いとともにY2方向の両端部が山型のスリット像78を使用してもよい。スリット像78に関しても、この光量をY2方向に積算して得られるX2方向の積算光量分布はX2方向の中央で最大(極値)となる山型の分布となる。そして、ウエハ面WaのZ位置の変化及び振動ミラー26ADの振動によってスリット像78もX2方向に位置P97と位置P98との間で移動する。この移動に応じて、受光スリット33a上のX2方向の光量ITの分布も、実線の曲線IT3及び点線の曲線IT3で示すようにX2方向に移動して、受光スリット33aを通過する光量が変化するため、上記の実施形態と同様にその光量の検出信号からウエハ面WaのZ位置を検出でき、ウエハ面Waに高反射率部48A及び低反射率部48Bが形成されている場合の計測誤差も低減できる。
[第2の実施形態]
次に、第2の実施形態につき図10を参照して説明する。なお、図10において図1に対応する部分には同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
図10は、本実施形態に係る露光装置EXを示す。露光装置EXの基本的な構成は図1の実施形態と同じであるが、露光装置EXが備えるAFセンサ12A(オートフォーカスセンサ又は面位置検出装置)の構成が図1のAFセンサ12と異なっている。以下、本実施形態のAFセンサ12Aにつき説明する。
図10において、AFセンサ12Aは、図10の紙面に平行な方向に偏光した第1光束LP及び図10の紙面に垂直な方向に偏光した第2光束LSを交互に射出する光源系16A、第1光束LP及び第2光束LSをそれぞれ非偏光にした第1光束LA及び第2光束LBによるひし形スリット像37をウエハ面Wa(被検面)に斜め方向から投射する送光光学系14C、及びウエハ面Waで反射された光束LA,LBを受光する受光光学系14Bを有する。さらに、AFセンサ12Aは、受光光学系14Bで受光された光束が照射される入射面に複数の受光スリット33aが形成された偏向プリズム32、複数の受光スリット33aを通過した光束LA,LBを受光する複数の受光素子を有する受光素子アレイ36を含む検出系14C、及び受光素子アレイ36からの検出信号を処理してウエハ面Waの複数の計測領域のZ位置(面位置)を求める信号処理系46を有する。
さらに、AFセンサ12Aは、送光光学系14C内に配置されて、第1光束LP及び第2光束LSの相対的な角度を変えるウォラストンプリズムよりなる偏光分離プリズム22(角度変換素子)、及び偏光分離プリズム22の下流に配置されて第1光束LP及び第2光束LSをそれぞれ非偏光の第1光束LA及び第2光束LBに変換する偏光解消素子24を有する。
まず、光源系16Aは、それぞれ波長幅の広い可視光及び/又は近赤外光よりなる非偏光の光束L1及びL2を射出する例えば発光ダイオードよりなる第1光源17A1及び第2光源17A2を有する。光束L1,L2としては、ウエハWに塗布されたレジストに対する感光性の低い光が好ましい。光束L1,L2は偏光ビームスプリッタ17Cの互いに直交している2つの入射面に入射する。光束L1のうちほぼ1/2の光量のS偏光の光束が偏光ビームスプリッタ17Cで反射されて例えばフォトダイード等のモニタ用の光電センサ17Dに入射し、光束L2のうちほぼ1/2の光量のP偏光の光束が偏光ビームスプリッタ17Cを透過して光電センサ17Dに入射する。光電センサ17Dは受光した光の検出信号を光源制御系44Aに供給する。光源制御系44Aは、主制御装置40からの制御情報に応じて、第1光源17A1及び第2光源17A2を指示された例えば同じ出力で交互に発光させる。なお、本実施形態では、光電センサ17Dで光源17A1,17A2の出力をモニタしているため、光源17A1,17A2の出力のばらつきは計測誤差にならない。
一方、光束L1のうちP偏光の第1光束LPが偏光ビームスプリッタ17Cを透過し、光束L2のうち点線で示すS偏光の第2光束LSが偏光ビームスプリッタ17Cで反射される。第1光束LP及び第2光束LSは、ほぼ同じ光路に沿ってコンデンサーレンズ17Bによってほぼ平行光束に変換されて偏向プリズム18に入射する。偏向プリズム18に入射した光束LP,LSは、それぞれ偏向プリズム18により屈折されることにより主光線がほぼ−Z方向に進行するように偏向される。偏向プリズム18の射出面には、遮光膜中に複数のひし形の送光スリット19aを周期的に配列した構成の送光スリット部19が設けられている。光源17A1,17A2、偏光ビームスプリッタ17C、コンデンサーレンズ17B、及びモニタ用の光電センサ17Dから光源系16Aが構成されている。
そして、偏向プリズム18の複数の送光スリット19aを通過した第1光束LP及び第2光束LSは、送光光学系14Cの第1対物レンズ20Aに入射する。第1対物レンズ20Aで集光されたLP及びLSは、偏光分離プリズム22、偏光解消板(デポーラライザ)24を介してそれぞれ非偏光の第1光束LA及び第2光束LBとなる。偏光分離プリズム22は、ウエハ面WaのX方向に対応する方向における光束LP及びLSの相対的な角度を広くする。光束LP,LSは波長帯域が広いため、偏光解消板24としては、例えば厚さが次第に変化する複屈折性の結晶(例えば水晶等)を使用可能である。偏光解消板24を通過した第1光束LA及び第2光束LBは、光路をほぼ+X方向に対して所定角度だけ−Z方向に傾斜した方向に折り曲げるミラー26A、第2対物レンズ20B、及び光路を−Z方向にシフトさせるプリズム28Aを介して、ウエハ面Waを含むX方向に細長い投射領域29内に斜めに投射される。光束LA,LBによって投射領域29内に、複数のひし形スリット像37がX方向に一定の間隔で形成される。受光光学系14B及び検出系14Cの構成は第1の実施形態と同様であるので、その説明を省略する。
本実施形態において、光源17A1,17A2を交互に点灯することによって、送光スリット19aからの光束LA及びLBがθy方向に角度がずれた状態で交互にウエハ面Waにスリット像を投射する。この動作は第1の実施形態において振動ミラー26ADで光束をθy方向に振動させた場合と同じである。すなわち、交互に点灯される光源17A1,17A2及び偏光分離プリズム22によって偏向プリズム32の入射面に形成されるひし形スリット像の位置が周期的に変化している。このため、光源17A1,17A2を交互に点灯するための駆動信号を信号処理系46に供給し、信号処理系46では、その駆動信号を用いて受光素子アレイ36から供給される検出信号を同期整流することによって、第1の実施形態と同様にウエハ面Waの計測点におけるZ位置を、下地パターン等の影響を軽減して高精度に計測できる。
なお、本実施形態において、偏光分離プリズム22は、図10の受光光学系14Bの射出瞳と共役な面(瞳面)の近傍の位置Q1に配置してもよい。この場合には、偏光解消板24は位置Q1と偏向プリズム32の入射面との間に配置するか、又は偏光解消板24の設置を省略してもよい。
また、本実施形態では、偏光分離プリズム22の下流に偏光解消板24が配置されているため、被検面を非偏光の光束で照明できる。なお、例えば被検面等に特定の偏光特性がない場合には、偏光解消板24を省略してもよい。
なお、上記の各実施形態では、光束の光路をZ方向にシフトするプリズム28A,28Bを備えているため、送光光学系14A,14C及び受光光学系14Bの配置が容易である。しかしながら、プリズム28A,28Bは必ずしも設ける必要はない。
また、上記の各実施形態では、送光光学系14A,14C及び受光光学系14Bは単一の結像光学系であるが、送光光学系14A,14C及び/又は受光光学系14Bとして途中で中間結像を行う光学系を使用してもよい。
また、上記の実施形態の露光装置又は露光方法を用いて半導体デバイス等の電子デバイスを製造する場合、電子デバイスは、図11に示すように、電子デバイスの機能・性能設計を行うステップ221、この設計ステップに基づいたマスク(レチクル)を製作するステップ222、デバイスの基材である基板(ウエハ)を製造するステップ223、前述した実施形態の露光装置EX(露光方法)によりレチクルのパターンを基板に露光する工程、露光した基板を現像する工程、現像した基板の加熱(キュア)及びエッチング工程などを含む基板処理ステップ224、デバイス組み立てステップ(ダイシング工程、ボンディング工程、パッケージ工程などの加工プロセスを含む)225、並びに検査ステップ226等を経て製造される。
言い換えると、このデバイスの製造方法は、上記の実施形態の露光装置又は露光方法を用いて基板(物体)を露光することと、その露光された基板を処理すること(現像等)と、を含んでいる。この場合、基板の投影光学系PLに対する合焦精度が高いため、電子デバイスを高精度に製造できる。
なお、本発明は、上述の走査露光型の投影露光装置(スキャナ)の他に、ステップ・アンド・リピート方式の投影露光装置(ステッパー等)にも適用できる。さらに、本発明は、液浸型露光装置以外の、ドライ露光型の露光装置にも同様に適用することができる。
また、上記の実施形態では、AFセンサ12,12Aは、多点の検出系であるが、AFセンサ12,12Aの計測点は1点のみでもよい。
また、本発明は、半導体デバイス製造用の露光装置に限らず、液晶表示素子やプラズマディスプレイなどを含むディスプレイの製造に用いられる、デバイスパターンをガラスプレート上に転写する露光装置、薄膜磁気ヘッドの製造に用いられるデバイスパターンをセラミックスウエハ上に転写する露光装置、並びに撮像素子(CCDなど)、有機EL、マイクロマシーン、MEMS(Microelectromechanical Systems)、及びDNAチップなどの製造に用いられる露光装置などにも適用することができる。また、半導体素子などのマイクロデバイスだけでなく、光露光装置及びEUV露光装置などで使用されるマスクを製造するために、ガラス基板又はシリコンウエハなどに回路パターンを転写する露光装置にも本発明を適用できる。
このように、本発明は上述の実施形態に限定されず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の構成を取り得る。
EX…露光装置、R…レチクル、W…ウエハ、WST…ウエハステージ、12,12A…AFセンサ(オートフォーカスセンサ)、14A,14C…送光光学系、14B…受光光学系、14C…検出系、16,16A…光源系、19…送光スリット部、26AD…振動ミラー、33…受光スリット部、36…受光素子アレイ、37…ひし形スリット像、38…ひし形スリット像(再形成された像)、40…主制御装置、46…信号処理系

Claims (13)

  1. 被検面の面位置情報を検出する装置において、
    前記被検面に斜め方向から、第1方向に光量分布を積算したときの前記第1方向に直交する第2方向の積算光量分布が極値を持つ検出用パターンの像を投射する送光光学系と、
    前記被検面で反射された光を受光して前記検出用パターンの像を再形成する受光光学系と、
    前記検出用パターンの像が再形成される面を有し、この面にスリット状開口が形成された光学部材と、
    前記検出用パターンの像が再形成される面で、前記検出用パターンの像の位置を前記第2方向に対応する方向に周期的に変化させる振動系と、
    前記スリット状開口を通過した光を検出する光電検出器と、
    前記光電検出器の検出信号に基づいて前記被検面の面位置情報を求める信号処理部と、
    を備えることを特徴とする面位置検出装置。
  2. 前記検出用パターンの像は、前記第1方向の光量分布がほぼ一定で前記第2方向の光量分布がほぼ連続的に極値を持つように変化することを特徴とする請求項1に記載の面位置検出装置。
  3. 前記検出用パターンの像は、光量分布がほぼ一定で、前記第1方向を一つの対角線の方向とする一つ又は複数個のひし形の像であることを特徴とする請求項1に記載の面位置検出装置。
  4. 前記振動系は、前記送光光学系若しくは前記受光光学系の射出瞳と共役な面、又はこの面の近傍に配置されて、前記検出用パターンの像を形成する光の角度を前記第2方向に対応する方向に振動させる振動ミラーを含むことを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の面位置検出装置。
  5. 前記振動系は、
    前記送光光学系に違いに異なる第1光束及び第2光束を供給する光源系と、
    前記送光光学系又は前記受光光学系中に配置されて、前記第1光束及び前記第2光束の光路を分離する光束分離素子と、を備えることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載の面位置検出装置。
  6. 前記送光光学系は、前記検出用パターンの像を前記被検面に斜めに投影する両側テレセントリックの光学系であり、
    前記受光光学系は、前記被検面の前記検出用パターンの像を前記スリット状開口が形成された面に斜めにリレーする両側テレセントリックの光学系であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載の面位置検出装置。
  7. 露光光でパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光装置において、
    前記パターンが形成された面及び前記基板の表面の少なくとも一方の面位置を検出するために、請求項1〜6のいずれか一項に記載の面位置検出装置を備えることを特徴とする露光装置。
  8. 被検面の面位置情報を検出する方法において、
    前記被検面に斜め方向から、送光光学系を介して、第1方向に光量分布を積算したときの前記第1方向に直交する第2方向の積算光量分布が極値を持つ検出用パターンの像を投射し、
    前記被検面で反射された光を受光光学系を介して受光して前記検出用パターンの像を再形成し、
    前記検出用パターンの像が再形成される面で、前記検出用パターンの像の位置を前記第2方向に対応する方向に周期的に変化させ、
    前記検出用パターンの像が再形成される面に配置されたスリット状開口を介して前記受光光学系からの光を検出して得られる検出信号に基づいて、前記被検面の面位置情報を求める、
    ことを特徴とする面位置検出方法。
  9. 前記検出用パターンの像の位置を前記第2方向に対応する方向に周期的に変化させるために、
    前記送光光学系若しくは前記受光光学系の射出瞳と共役な面、又はこの面の近傍に配置された振動ミラーによって、前記検出用パターンの像を形成する光の角度を前記第2方向に対応する方向に振動させることを特徴とする請求項8に記載の面位置検出方法。
  10. 前記検出用パターンの像の位置を前記第2方向に対応する方向に周期的に変化させるために、
    前記送光光学系に違いに異なる第1光束及び第2光束を供給し、
    前記送光光学系又は前記受光光学系中に配置された光束分離素子によって、前記第1光束及び前記第2光束の光路を分離することを特徴とする請求項8に記載の面位置検出方法。
  11. 露光光でパターン及び投影光学系を介して基板を露光する露光方法において、
    前記パターンが形成された面及び前記基板の表面の少なくとも一方の面位置を検出するために、請求項8〜10のいずれか一項に記載の面位置検出方法を用いることを特徴とする露光方法。
  12. 請求項7に記載の露光装置を用いて、マスクのパターンを基板に転写することと、
    前記パターンが転写された前記基板を前記パターンに基づいて加工することと、
    を含むデバイス製造方法。
  13. 請求項11に記載の露光方法を用いて、マスクのパターンを基板に転写することと、
    前記パターンが転写された前記基板を前記パターンに基づいて加工することと、
    を含むデバイス製造方法。
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