JP2013184901A - アルミニウムアルコキサイドの製造方法 - Google Patents

アルミニウムアルコキサイドの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】従来に比し、金属アルミニウムとアルコールとの固液反応によって、目的とするアルミニウムアルコキサイドをより効率よく製造する方法を提供する。
【解決手段】金属アルミニウムとアルコールを含む液とを接触させ、金属アルミニウムとアルコールとの固液反応によりアルミニウムアルコキサイドを製造する方法において、
前記金属アルミニウムが、純度99.99重量%以上であって、
前記金属アルミニウム総重量に対する、
銅、鉄及びチタンの含有量の合計が、金属換算で4ppm以下、
ランタン及びセリウムの含有量の合計が、金属換算で3ppm以下、
であるアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルミニウムアルコキサイドの製造方法に関する。詳しくは、金属アルミニウムとアルコールとの固液反応によりアルミニウムアルコキサイドを製造する方法に関する。
アルミニウムアルコキサイドは、高純度アルミナの原料、有機合成触媒、脱水縮合剤、表面処理剤や、塗料、インキ、接着剤などの改質用添加剤、或いは撥水剤、機能性ガラスなどとして幅広く利用されている。
近年、表示材料、エネルギー、自動車、半導体やコンピューターといった高い成長が期待される分野での高純度アルミナの需要が拡大しており、その原料となるアルミニウムアルコキサイドを効率よく製造することが求められている。
アルミニウムアルコキサイドの製造方法として、金属アルミニウムとアルコールとを固液反応させる製造方法が知られている。
例えば、特許文献1には、触媒作用を有するガリウム、インジウム或いはこれら金属の化合物の少なくとも1種をアルコールを含む液相に存在させて金属アルミニウムと固液反応させる方法や、前記金属種や化合物をあらかじめアルコールを含む液相中に、0.02〜50ppm(金属換算)存在せしめ、金属アルミニウムと固液反応させる方法が開示されている。また、特許文献2には、触媒の非存在下で、金属アルミニウムとして、直径が2mm〜100mmの粒状アルミニウムを用い、使用するアルコール中の水分が2000ppm以下である条件下で固液反応させる方法が開示されている。
特開平5−25070号公報 特開平6−172236号公報
しかしながら、特許文献1、2に記載の方法では、金属アルミニウムとアルコールとの反応性が十分でなく、工業的レベルでアルミニウムアルコキサイドを効率よく製造することはできなかった。従って、従来の方法よりも、さらに効率よくアルミニウムアルコキサイドを製造方法が求められている。
かかる状況下、本発明は、金属アルミニウムとアルコールとの固液反応によってアルミニウムアルコキサイドをより効率よく製造することができるアルミニウムアルコキサイドの製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記課題を解決すべく鋭意検討を行った。その結果、原料となる金属アルミニウムに含まれる金属種の濃度が、金属アルミニウムとアルコールとの固液反応の進行に影響を与えるとの知見を得、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は、以下の発明に係るものである。
<1> 金属アルミニウムとアルコールを含む液とを接触させ、金属アルミニウムとアルコールとの固液反応によりアルミニウムアルコキサイドを製造する方法において、
前記金属アルミニウムが、純度99.99重量%以上であって、
前記金属アルミニウム総重量に対する、
銅、鉄及びチタンの含有量の合計が、金属換算で4ppm以下、
ランタン及びセリウムの含有量の合計が、金属換算で3ppm以下、
であるアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
<2> 前記金属アルミニウムが、ガリウムおよびインジウムから選ばれる少なくとも1種を、金属換算で0.02ppm以上50ppm以下含有する前記<1>記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
<3> 前記金属アルミニウムにおける銅含量が、金属換算で2ppm以下である前記<1>または<2>記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
<4> 前記金属アルミニウムにおける鉄含量が、金属換算で1.5ppm以下である前記<1>から<3>のいずれかに記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
<5> 前記金属アルミニウムにおけるチタン含量が、金属換算で0.02ppm以上0.8ppm以下である前記<1>から<4>のいずれかに記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
<6> 前記金属アルミニウムにおけるランタン含量が、金属換算で0.02ppm以上0.4ppm以下である前記<1>から<5>のいずれかに記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
<7> 前記金属アルミニウムにおけるセリウム含量が、金属換算で2ppm以下である前記<1>から<6>のいずれかに記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
<8> 前記アルコールが、下記式(i)で表されるアルコールである前記<1>から<7>のいずれかに記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
1OH (i)
[式(i)中、R1は、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ネオブチル基、ノルマルペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ノルマルヘキシル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、ノルマルヘプチル基、イソヘプチル基、ネオヘプチル基、ノルマルオクチル基、イソオクチル基及びネオオクチル基からなる群より選ばれる1種である。]
<9> R1が、イソプロピル基である前記<8>記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
<10> 前記アルコールを含む液中に、前記下記式(ii)で表され、かつ、R1が式(i)で表されるアルコールと同一のアルミニウムアルコキサイドを添加した混合液を調製し、該混合液と金属アルミニウムとを接触させて反応させる前記<8>または<9>に記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
Al(OR13 (ii)
[式(ii)中、R1は、式(i)のRと同一である。]
<11> 前記混合液中の式(ii)で表され、かつ、R1が式(i)で表されるアルコールと同一のアルミニウムアルコキサイドの含有量が、アルコール/アルミニウムアルコキサイドが重量比で5/95〜85/15である前記<10>に記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
本発明によれば、金属アルミニウムとアルコールとの固液反応によって、目的とするアルミニウムアルコキサイドをより効率よく安定的に製造することができる。
本発明は、金属アルミニウムとアルコールを含む液とを接触させ、金属アルミニウムとアルコールとの固液反応によりアルミニウムアルコキサイドを製造する方法において、
前記金属アルミニウムが、純度99.99重量%以上であって、
前記金属アルミニウム総重量に対する、
銅、鉄及びチタンの含有量の合計が、金属換算で4ppm以下、
ランタン及びセリウムのそれぞれの含有量が、金属換算で3ppm以下、
であるアルミニウムアルコキサイドの製造方法(以下、「本発明の製造方法」と称す場合がある。)に関する。
以下、本発明の製造方法について詳細に説明する。
1.原料
(1.1.金属アルミニウム)
原料としての金属アルミニウムは、その純度が99.99重量%以上、好ましくは99.995%重量以上、さらに99.999%重量以上である。このような高純度の金属アルミニウムを使用することにより、アルミニウムアルコキサイドの精製が不要あるいは簡単な精製で十分となり、本発明の製造方法により得られるアルミニウムアルコキサイドを純度99.99%以上の高純度アルミナの原料として使用することができる。なお、金属アルミニウムの純度は固体発光分析で求めることができる。
金属アルミニウムの形状としては、特に限定されず、例えば、インゴット、ペレット、板、箔、線、粉末などが挙げられる。
また、上記金属アルミニウムは、ガリウムおよびインジウムから選ばれる少なくとも1種を含有し、その含有量は金属アルミニウムの総重量に対して、0.02〜50ppmであることが好ましく、より好ましくは0.1〜40ppm、さらに好ましくは0.5〜20ppmである。
ガリウムやインジウムは、金属アルミニウムとアルコールとの反応を促進する作用を有するので、新たに触媒を液相に添加することなく、または添加量を少なくして反応を行なわせることができる。
本発明の製造方法において、原料である金属アルミニウムに含まれる銅、鉄及びチタン、並びにランタン及びセリウムの含有量が特定の範囲であることに特徴がある。
まず、原料である金属アルミニウムに対する、銅、鉄及びチタンの含有量の合計が、金属換算で5ppm以下であることを必須とし、好ましくは3ppm以下、より好ましくは2ppm以下である。
原料である金属アルミニウムに対する、ランタン及びセリウムの含有量の合計が、金属アルミニウムの総重量に対して、金属換算で3ppm以下、好ましくは2ppm以下、より好ましくは1ppm以下である。
また、銅、鉄及びチタンの含有量の合計が、上記範囲であることに加えて、金属アルミニウムに含まれる銅、鉄及びチタンのそれぞれの含有量が次の範囲であることが好ましい。
すなわち、銅含量が金属換算で2ppm以下であることが好ましく、より好ましくは1.5ppm以下である。また、鉄含量が金属換算で1.5ppm以下であることが好ましく、より好ましくは1ppm以下である。また、チタン含量が、金属換算で0.02ppm以上0.8ppm以下であることが好ましい。
さらに、より反応を促進することができるという点で、前記金属アルミニウムにおけるランタン含量が、金属換算で0.02ppm以上0.4ppm以下であることが好ましく、セリウム含量が金属換算で2ppm以下であることが好ましい。
金属アルミニウムには本発明の効果を損なわない範囲で、上記以外の元素を含んでいてもよい。その好ましい含有量は、Si及びMgがそれぞれ1ppm以下、Li,K,Na等のアルカリ金属が0.1ppm以下、Ca,Sr等のMg以外のアルカリ土類金属がそれぞれ0.1ppm以下、V,Cr,Mn,Ni,Co,W,Mo等の遷移金属がそれぞれ0.1ppm以下である。
(1.2.アルコール)
本発明の製造方法において、固液反応の原料として液相に含まれるアルコールは、製造目的とするアルミニウムアルコキサイドによって適宜選択すれることができるが、炭素鎖が長くなるほど金属アルミニウムとの反応性が低下するおそれがあることから、炭素数1〜8の一価アルコールであるのが好ましい。
炭素数1〜8の一価アルコールとして、具体的には、下記式(i)で表されるアルコールが挙げられる。この中でも、イソプロピルアルコールが特に好ましい。
1OH (i)
ここで、R1は、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ネオブチル基、ノルマルペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ノルマルヘキシル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、ノルマルヘプチル基、イソヘプチル基、ネオヘプチル基、ノルマルオクチル基、イソオクチル基及びネオオクチル基でからなる群より選ばれる1種であり、好ましくは炭素数1〜3のメチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基であり、より好ましくはイソプロピル基である。
アルコールを含む液には、前記した固液反応に悪影響を及ぼさない範囲で、ベンゼン、トルエン等の溶媒が含まれていてもよい。
また、アルコールを含む液にアセトン等のケトン類が含まれていてもよいが、該ケトン類はアルコールを含む液の総重量に対して含有量が130ppm以下、好ましくは100ppm以下、さらに好ましくは70ppm以下である。ケトン類濃度が、130ppmを越えると、金属アルミニウムとアルコールとの固液反応の進行が著しく遅くなるおそれがある。
アルコールを含む液中のケトン類としては、分子内にカルボニル基を1個含有する炭素数3〜8個の直鎖状飽和ケトンを例示することができ、具体的には、アセトン、2−ブタノン、2−ペンタノン、3−ペンタノン、2−ヘキサノン、3−ヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン、4−ヘプタノン、2−オクタノン、3−オクタノン、4−オクタノンである。
ケトン類は、通常アルコールの製造過程で副産物として、あるいは保存中にアルコールの酸化反応によって生成して、液相中に含有されるので、このケトン類をアルコールを含む液中から例えば、蒸留操作により、アルコールを含む液の総重量に対して130ppm以下になるまで除去することにより、ケトン類濃度が130ppm以下のアルコールを含む液が得られる。
2.固液反応
固液反応は、金属アルミニウムとアルコールを含む液とを接触することによって行われる。金属アルミニウムとアルコールを含む液との接触方法としては、例えば、アルコールを含む液中に、金属アルミニウムを含浸する方法が挙げられる。
ここで、アルコールを含む液中にアルミニウムアルコキサイドを添加した混合液を調製し、該混合液と金属アルミニウムとを接触させて反応させることが好ましい。アルミニウムアルコキサイドを含むことにより、金属アルミニウムとアルコールの反応を促進させるという利点がある。
なお、以下、アルコールを含む液と、アルコールを含む液中にアルミニウムアルコキサイドを添加した混合液を総称して、「アルコールを含む液相」、或いは単に「液相」と呼ぶ場合がある。
また、本発明の製造方法において、原料となる金属アルミニウムとして触媒作用を有するガリウムやインジウムを含む金属アルミニウムを使用すると、アルコールを含む液相に触媒を添加しなくとも、金属アルミニウムとアルコールとの反応を促進することができる。なお、液相にさらに触媒としてガリウムやインジウムを添加してもよい。また、ガリウムやインジウム以外の触媒として、ハロゲン化水銀(HgCl2、HgI2等)や、塩化鉄(FeCl2)、塩化銅(CuCl2)などを用いてもよい。
以下、上記アルミニウムアルコキサイド、触媒、固液反応の反応条件について詳細に説明する。
(2.1.固液反応の条件)
固液反応に際し、アルコールと金属アルミニウムの使用量比は回分式或いは連続式等の反応様式や所望するアルミニウムアルコキサイドの濃度により一義的でないが、金属アルミニウムの量は、液相の総重量に対して、1〜70重量%、好ましくは1.5〜65重量%、特に好ましくは1.5〜60重量%とするのがよい。金属アルミニウムの量が上記範囲内であれば、金属アルミニウムとアルコールとの固液反応により、効率的にアルミニウムアルコキサイドを製造することができる。
金属アルミニウムとアルコールの反応温度は、反応が進行しさえすれば特に限定されず、好ましくは75〜110℃であり、さらに好ましくは80〜100℃であり、特に、反応を促進させる観点から、用いる混合液の沸騰、還流条件下での反応がよい。
反応装置としてバッチ式反応装置を用いて固液反応させる方法としては、例えば、下記の(a)〜(c)の方法などが挙げられる。
(a)反応容器内に仕込んだアルコールを含む液相中に、周面部にアルミニウム片を取り付けた軸体を含侵させ、該軸体を軸線回りに所定速度で回転させて固液反応させる方法。
(b)反応容器内に仕込んだアルコールを含む液相を攪拌翼を用いて所定速度で攪拌し、該液相にアルミニウム片を取り付けた軸体を含侵させて、固液反応させる方法。
(c)反応容器内に仕込んだアルコールを含む液相成分を攪拌翼を用いて所定速度で攪拌し、該液相成分に、周面部にアルミニウム片を取り付けた軸体を含侵させ、該軸体を軸線回りに回転させて固液反応させる方法。
なお、用いる軸体の下端には、流速を後述する範囲内とすることができれば、攪拌用のローターブレードを備えていてもよい。
固液反応を行なわせる際、固相に対する液相の流速は、0.05m/s以上であり、好ましくは0.10m/s以上であり、より好ましくは0.15m/s以上である。流速が上記範囲内であれば、金属アルミニウムとアルコールを含む液との接触頻度を高め、固液反応の進行を促進することができ、効率よくアルミニウムアルコキサイドを製造することができる。
なお、流速は下記のように定義する。
上記方法(a)のように、アルコールを含む液相が静的であり、固相が動的である場合、固相の速度を流速とする。具体的には、アルミニウム片の速度を流速とする。
上記方法(b)のように、アルコールを含む液相が動的であり、固相が静的である場合、液相の速度を流速とする。例えば、攪拌翼の攪拌速度から算出した液相の速度を流速とすればよい。
上記方法(c)のように、アルコールを含む液相および固相がともに動的である場合、液相と固相の進行方向が同じであれば、液相の速度と、固相の速度との速度差を流速とし、液相と固相の進行方向が異なれば、液相の速度と、固相の速度との和を流速とする。
また、反応装置として連続式反応装置を用いることもできる。連続式反応装置を用いて固液反応させる方法としては、例えば、反応容器内にアルミニウム片とアルコールを含む液相成分を連続的に投入して、液相成分を反応容器内に、例えばポンプ等で所定速度で循環させて固液反応させ、生成したアルミニウムアルコキサイドを連続的に回収する方法(d)などが挙げられる。
上記方法(d)のような場合は、反応容器内の液相の速度を固相に対する液相の流速とし、その流速が上述した範囲内になるようにすればよい。
(2.2.アルミニウムアルコキサイド)
アルミニウムアルコキサイドをあらかじめ液相内に存在せしめ固液反応を行う場合、アルコールを含む液と混合するアルミニウムアルコキサイドとしては、具体的には、下記式(ii)で表されるアルミニウムアルコキサイドなどが挙げられる。
Al(OR13 (ii)
ここで、R1は、上述した式(i)のおけるR1と同一の官能基であり、特にR1が共にイソプルピル基であることが好ましい。
また、純度の高い製造物を得ることができるという点で、アルコールを含む液に含ませるアルミニウムアルコキサイドは、製造目的とするアルミニウムアルコキサイドと同一である。
例えば、製造目的とするアルミニウムアルコキサイドがアルミニウムイソプロキサイドである場合には、アルコールを含む液にも、イソプロパノールとアルミニウムイソプロキサイドを含ませればよい。
特に、製造目的物がアルミニウムイソプロキサイドである場合には、アルコールを含む液に、イソプロパノール及びアルミニウムイソプロキサイドを含ませることが好ましい。
混合液中のアルミニウムアルコキサイドの含有量は、アルコール/アルミニウムアルコキサイドが重量比で5/95〜85/15、好ましくは5/95〜80/20、より好ましくは5/95〜70/30となる量である。アルミニウムアルコキサイドの含有量が上記範囲内であれば、効果的に固液反応の進行を促進することができる。
アルコールを含む液とアルミニウムアルコキサイドとを混合して混合液を調製する際の、アルコールおよびアルミニウムアルコキサイドの混合順序や混合方法は、特に限定されず、必要に応じて撹拌しながら行ってもよいし、加熱しながら行ってもよい。
混合液を加熱して調製する場合は、混合液の温度は、好ましくは15〜65℃、より好ましくは20〜60℃であるのがよい。
(2.3.触媒)
触媒をあらかじめ液相に存在させて固液反応を行う場合、触媒は、ガリウム、インジウムあるいはそれら金属の化合物である。ガリウム、インジウムの化合物としては、例えば、メトキサイド、エトキサイド、イソプロポキサイドなどのアルコキサイド化合物;フェノキサイドなどのアリロキサイド化合物;フォルメート、アセテートなどのカルボキシレート化合物;アセチルアセトネート化合物、塩化物などの無水ハロゲン化物の中から使用するアルコール或いは他の溶媒に溶解度のあるものを単独或いは混合して用いることができる。
液相中の触媒の含有量は、金属アルミニウムと接触しているアルコールを含む液相に含まれるアルミニウムの金属換算での総重量に対して、0.02〜50ppmであり(但し、ガリウムまたはインジウムの化合物の場合には、金属換算での値である。)、好ましくは0.1〜40ppmである。この濃度は金属アルミニウムから分散或いは溶出したガリウムまたはインジウム量も含むものとする。
液相中の触媒の含有量が0.02ppm未満であると反応促進効果が認められず、他方、50ppmを越えると、得られるアルミニウムアルコキサイドを高純度アルミナ等のファインセラミックス粉末の原料として用いる場合に、ガリウム、インジウムが不純物として最終製品に移行し、焼結性や光学特性を悪化させるなどの不都合を生じるおそれがある。
触媒を液相中に存在させる方法としては、液相中の濃度が上記範囲内となるようにすることができる方法であれば特に限定はされず、例えば、固液界面においてより有効に反応促進効果を発揮させる観点から、触媒をあらかじめ液相中に混合分散させる方法が挙げられる。
以下、実施例により本発明を更に詳細に説明するが、本発明は、その要旨を変更しない限り以下の実施例に限定されるものではない。
(原料金属アルミニウム)
テスト用の原料金属アルミニウムとして、純度99.999重量%の金属アルミニウムに、必要に応じて金属種をドープし、表1に示す組成の原料金属アルミニウムを得た。
得られた原料金属アルミニウムを、直径;約16.5mm、長さ;約40mmの金属アルミニウム片にして使用した。
[比較例1]
還流冷却器付き2リットルセパラブルフラスコに、イソプロピルアルコールとアルミニウムイソプロポキサイドとの重量比が10/90である混合液1000gを入れた。
次いで、下端部に撹拌用のローターブレードを備え、ポリテトラフルオロエチレン被覆された軸体の周面部にポリテトラフルオロエチレンチューブを用いて取り付けた2.3重量部の金属アルミニウム片(直径;約16.5mm、長さ;約40mm、純度;99.999%)を取り付けた。
前記軸体に取り付けられたアルミニウム片を前記混合液中に入れ、金属アルミニウム片を軸周りに200rpmで撹拌させながら、アルコール混合液の沸騰還流下(約95℃)で反応させた。反応の進行に伴い水素ガスが発生し、金属アルミニウムが溶解したことから、アルミニウムイソプロポキサイドが生成していることが確認された。
アルミニウムの溶解に伴って発生した水素生成速度(ml/min)を測定し、その値をアルミニウム溶解速度の基準値100とした。表1に金属アルミニウムの純度、金属濃度及びアルミニウム溶解速度をまとめて示す。
[比較例2]
比較例2のアルミニウムアルコキシサイドの製造方法として、表1に示す金属アルミニウム片を使用した以外は比較例1と同様の方法で、金属アルミニウムとアルコール混合液とを接触させ、アルミニウム溶解速度を求めた。表1に金属アルミニウムの純度、金属濃度及びアルミニウム溶解速度をまとめて示す。なお、反応の進行に伴い水素ガスが発生し、金属アルミニウムが溶解したことから、アルミニウムイソプロポキサイドが生成していることが確認された。
「実施例1〜8」
実施例1〜8のアルミニウムアルコキシサイドの製造方法として、それぞれ表1に示す金属アルミニウム片を使用した以外は比較例1と同様の方法で、金属アルミニウムとアルコール混合液とを接触させ、アルミニウム溶解速度を求めた。表1にアルミニウム溶解速度をまとめて示す。
なお、実施例1〜8の全てにおいて、反応の進行に伴い水素ガスが発生し、金属アルミニウムが溶解したことから、アルミニウムイソプロポキサイドが生成していることが確認された。
Figure 2013184901
本発明のアルミニウムアルコキサイドの製造方法によれば、従来に比し、目的とするアルミニウムアルコキサイドをより効率よく安定的に製造することができるため、工業的に有望である。

Claims (11)

  1. 金属アルミニウムとアルコールを含む液とを接触させ、金属アルミニウムとアルコールとの固液反応によりアルミニウムアルコキサイドを製造する方法において、
    前記金属アルミニウムが、純度99.99重量%以上であって、
    前記金属アルミニウム総重量に対する、
    銅、鉄及びチタンの含有量の合計が、金属換算で4ppm以下、
    ランタン及びセリウムの含有量の合計が、金属換算で3ppm以下、
    であることを特徴とするアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
  2. 前記金属アルミニウムが、ガリウムおよびインジウムから選ばれる少なくとも1種を、金属換算で0.02ppm以上50ppm以下含有する請求項1記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
  3. 前記金属アルミニウムにおける銅含量が、金属換算で2ppm以下である請求項1または2記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
  4. 前記金属アルミニウムにおける鉄含量が、金属換算で1.5ppm以下である請求項1から3のいずれかに記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
  5. 前記金属アルミニウムにおけるチタン含量が、金属換算で0.02ppm以上0.8ppm以下である請求項1から4のいずれかに記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
  6. 前記金属アルミニウムにおけるランタン含量が、金属換算で0.02ppm以上0.4ppm以下である請求項1から5のいずれかに記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
  7. 前記金属アルミニウムにおけるセリウム含量が、金属換算で2ppm以下である請求項1から6のいずれかに記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
  8. 前記アルコールが、下記式(i)で表されるアルコールである請求項1から7のいずれかに記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。

    1OH (i)
    [式(i)中、R1は、メチル基、エチル基、ノルマルプロピル基、イソプロピル基、ノルマルブチル基、イソブチル基、ネオブチル基、ノルマルペンチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、ノルマルヘキシル基、イソヘキシル基、ネオヘキシル基、ノルマルヘプチル基、イソヘプチル基、ネオヘプチル基、ノルマルオクチル基、イソオクチル基及びネオオクチル基からなる群より選ばれる1種である。]
  9. 1が、イソプロピル基である請求項8記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
  10. 前記アルコールを含む液中に、前記下記式(ii)で表され、かつ、R1が式(i)で表されるアルコールと同一のアルミニウムアルコキサイドを添加した混合液を調製し、該混合液と金属アルミニウムとを接触させて反応させる請求項8または9に記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。

    Al(OR13 (ii)
    [式(ii)中、R1は、式(i)のRと同一である。]
  11. 前記混合液中の式(ii)で表され、かつ、R1が式(i)で表されるアルコールと同一のアルミニウムアルコキサイドの含有量が、アルコール/アルミニウムアルコキサイドが重量比で5/95〜85/15である請求項10に記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
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