JP2013060389A - アルミニウムアルコキサイドの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】固相である金属アルミニウムと、炭素数1〜8個の一価アルコールからなるアルコールを含む液とを固液反応させてアルミニウムアルコキサイドを製造する方法において、固相に対するアルコールを含む液の流速を0.05m/s以上として固液反応させる。
【選択図】 なし
Description
近年、表示材料、エネルギー、自動車、半導体やコンピューターといった高い成長が期待される分野での高純度アルミナの需要が拡大しており、その原料となるアルミニウムアルコキサイドを効率よく製造することが求められている。
本発明は、金属アルミニウムとアルコールを含む液との固液反応によってアルミニウムアルコキサイドを効率よく製造するアルミニウムアルコキサイドの製造方法を提供することを目的とする。
(1)固相である金属アルミニウムと、アルコールを含む液とを固液反応させてアルミニウムアルコキサイドを製造する方法において、固相に対するアルコールを含む液の流速を0.05m/s以上として固液反応させることを特徴とするアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
(2)アルコールが炭素数1〜8個の一価アルコールである前記(1)記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
(3)アルコールを含む液に、アルミニウムアルコキサイドを含有し、アルコールとアルミニウムアルコキサイドとの重量比が、5/95〜85/15である前記(1)または(2)記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
(4)アルコールがイソプロピルアルコールである前記(1)〜(3)のいずれか記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
固相を形成する原料としての金属アルミニウムは、その純度は特に限定されないが、例えば、本発明の製造方法で得られるアルミニウムアルコキサイドを純度99.99%以上の高純度アルミナの原料として使用する場合には、純度99.99%以上の高純度であるのが好ましい。純度が上記範囲内であれば、金属アルミニウム中の鉄、ケイ素、銅、マグネシウム等の不純物濃度が、金属アルミニウムの総重量に対して、100ppm以下であるので、得られるアルミニウムアルコキサイドの精製が不要となる。
金属アルミニウムの形状としては、特に限定されず、例えば、インゴット、ペレット、板、箔、線、粉末などが挙げられる。
アルコールを含む液を形成する原料としてのアルコールは、製造目的とするアルミニウムアルコキサイドによって適宜選択すればよく、炭素数が1〜8個の一価アルコールであるのが好ましく、なかでも、炭素鎖が長くなるほど金属アルミニウムとの反応性が低下するおそれがあることから、下記式(i)で表されるアルコールがより好ましく、イソプロピルアルコールが特に好ましい。
R1OH (i)
[式中、R1は、メチル、エチル、ノルマルプロピル、イソプロピル、ノルマルブチル、イソブチル、ネオブチル、ノルマルペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ノルマルヘキシル、イソヘキシル、ネオヘキシル、ノルマルヘプチル、イソヘプチル、ネオヘプチル、ノルマルオクチル、イソオクチル及びネオオクチルからなる群より選ばれる少なくとも1つである。]
固液反応は、例えば、反応装置内に、アルコールを含む液と、金属アルミニウムとを投入し、所定の流速下で行われる。その際、あらかじめ触媒を存在させたり、あらかじめアルコールを含む液中にアルミニウムアルコキサイドを添加しておくのが好ましい。なかでも、固液反応の進行を促進し、効率よくアルミニウムアルコキサイドを製造する観点から、触媒の存在下で反応を進行させるのが好ましく、より好ましくは、アルミニウムアルコキサイドとアルコールを含む液を混合して得られた液中に、触媒の存在下で、金属アルミニウムを投入して反応を進行させるのがよい。
(a)反応容器内に仕込んだアルコールを含む液中に、周面部にアルミニウム片を取り付けた軸体を含侵させ、該軸体を軸線回りに所定速度で回転させて固液反応させる方法。
(b)反応容器内に仕込んだアルコールを含む液を攪拌翼を用いて所定速度で攪拌し、該アルコールを含む液にアルミニウム片を取り付けた軸体を含侵させて、固液反応させる方法。
(c)反応容器内に仕込んだアルコールを含む液を攪拌翼を用いて所定速度で攪拌し、該アルコールを含む液に、周面部にアルミニウム片を取り付けた軸体を含侵させ、該軸体を軸線回りに回転させて固液反応させる方法。
なお、用いる軸体の下端には、流速を後述する範囲内とすることができれば、攪拌用のローターブレードを備えていてもよい。
上記方法(a)のように、アルコールを含む液が静的であり、固相が動的である場合、固相の速度を流速とする。具体的には、アルミニウム片の速度を流速とする。
上記方法(b)のように、アルコールを含む液が動的であり、固相が静的である場合、アルコールを含む液の速度を流速とする。例えば、攪拌翼の攪拌速度から算出したアルコールを含む液の速度を流速とすればよい。
上記方法(c)のように、アルコールを含む液および固相がともに動的である場合、アルコールを含む液と固相の進行方向が同じであれば、アルコールを含む液の速度と、固相の速度との速度差を流速とし、アルコールを含む液と固相の進行方向が異なれば、アルコールを含む液の速度と、固相の速度との和を流速とする。
上記方法(d)のような場合は、反応容器内のアルコールを含む液の速度を固相に対するアルコールを含む液の流速とし、その流速が上述した範囲内になるようにすればよい。
また、所望のガリウムおよび/またはインジウム量は、金属アルミニウム中からの溶出量と直接アルコールを含む液中に添加する量を勘案して、決定してもよい。
Al(OR2)3 (ii)
ここで、R2は、それぞれ独立に、メチル、エチル、ノルマルプロピル、イソプロピル、ノルマルブチル、イソブチル、ネオブチル、ノルマルペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、ノルマルヘキシル、イソヘキシル、ネオヘキシル、ノルマルヘプチル、イソヘプチル、ネオヘプチル、ノルマルオクチル、イソオクチル及びネオオクチルからなる群より選ばれる少なくとも1つであり、上述した式(i)のおけるR1と同一であるのが好ましい。
還流冷却器付き2リットルセパラブルフラスコに、85重量%のアルミニウムイソプロポキサイドを溶解含有するイソプロピルアルコール溶液(Gaをイソプロピルアルコール溶液の総重量に対して0.2ppm含有)100重量部を投入し、昇温した。
次いで、ポリテトラフルオロエチレン被覆された軸体の周面部にポリテトラフルオロエチレンチューブを用いて取り付けた2.3重量部のアルミニウム片(大きさ:直径約16.5mm×長さ約40mm、純度>99.99%、Ga/Al=2ppm)を溶液中に投入して、0.173m/sの速度でアルミニウム片を軸線回りに回転させながらイソプロピルアルコールの沸騰還流下(約92℃)で、300分間反応を行った。反応の進行に伴い水素ガスの発生とアルミニウムの溶解が観察された。
300分間の反応後、降温してアルミニウム片を取り出し、アルミニウム片の反応前後の重量減少からアルミニウムの溶解量、すなわち反応量を調べた。その結果を表1に示す。なお、アルミニウム片の周速度を固相に対するアルコールを含む液の流速とした。
流速を0.345m/sとした他は、実施例1と同様にして、アルミニウムの反応量を評価した。その結果を表1に示す。
流速を0.086m/sとした他は、実施例1と同様にして、アルミニウムの反応量を評価した。その結果を表1に示す。
流速を0m/sとした他は、実施例1と同様にして、アルミニウムの反応量を評価した。その結果を表1に示す。
Claims (4)
- 固相である金属アルミニウムと、アルコールを含む液とを固液反応させてアルミニウムアルコキサイドを製造する方法において、
固相に対するアルコールを含む液の流速を0.05m/s以上として固液反応させることを特徴とするアルミニウムアルコキサイドの製造方法。 - アルコールが炭素数1〜8個の一価アルコールである請求項1記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
- アルコールを含む液に、アルミニウムアルコキサイドを含有し、アルコールとアルミニウムアルコキサイドとの重量比が、5/95〜85/15である請求項1または2記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
- アルコールがイソプロピルアルコールである請求項1〜3のいずれか記載のアルミニウムアルコキサイドの製造方法。
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