JP2013160799A - 低反射膜付き物品の製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性に優れた低反射膜を基材上に有する物品を製造できる方法を提供する。
【解決手段】中空微粒子6間にバインダ7が充填された低反射膜3を基材2上に有する低反射膜付き物品1を製造する方法であって、(a)中空微粒子6および分散媒8を含み、バインダおよびバインダ前駆体を含まない第1の塗料組成物20を基材2に塗布し、乾燥することによって中空微粒子層9を形成する工程と、(b)バインダまたはバインダ前駆体、および溶媒または分散媒を含み、中空微粒子を含まない第2の塗料組成物21を中空微粒子層9に塗布し、中空微粒子層9に含浸させ、焼成または乾燥することによって低反射膜3を形成する工程とを有する。
【選択図】図3

Description

本発明は、低反射膜付き物品を製造する方法に関する。
透明基材の表面に低反射膜を有する物品は、太陽電池のカバーガラス、各種ディスプレイおよびそれらの前面板、各種窓ガラス、タッチパネルのカバーガラス等として用いられている。
低反射膜は、物品の最表層に位置するため、低反射膜には、耐摩耗性、防汚性(指紋や太陽電池の封止材のエチレン/酢酸ビニル共重合体(以下、EVAと記す。)が付着しにくいこと、またこれらが付着しても取れやすいこと)が要求される。
耐摩耗性の改善された低反射膜としては、中空微粒子間を第1のバインダで結合した低屈折率層をまず形成し、低屈折率層の中空微粒子間の空隙に第2のバインダを充填した低反射膜が提案されている(特許文献1)。
特許文献1には、中空微粒子間の空隙に第2のバインダが充填されているため、中空微粒子間の結合が補強され、耐摩耗性が向上する、と記載されている。また、第2のバインダに含フッ素化合物またはシリコーン化合物を含ませることによって、防汚性も付与できると記載されている。
特開2004−258267号公報
しかし、特許文献1に記載の低反射膜においては、中空微粒子間の空隙が広く、しかも該空隙に第2のバインダを完全に充填できず、中空微粒子間に広い空隙が残るため、耐摩耗性の向上は不充分である。これは、中空微粒子間を第1のバインダで結合した低屈折率層を形成した後、第2のバインダを充填しているため、中空微粒子間に存在する第1のバインダによって中空微粒子間の空隙が広くなり、かつ中空微粒子間に存在する第1のバインダによって第2のバインダの空隙への浸入が阻害されるためである。
本発明は、耐摩耗性に優れた低反射膜を基材上に有する物品を製造できる方法を提供する。
本発明の低反射膜付き物品の製造方法は、低反射膜を基材上に有する物品を製造する方法であって、(a)中空微粒子および分散媒を含み、バインダおよびバインダ前駆体を含まない第1の塗料組成物を基材に塗布し、乾燥することによって中空微粒子層を形成する工程と、(b)バインダまたはバインダ前駆体、および溶媒または分散媒を含み、中空微粒子を含まない第2の塗料組成物を前記中空微粒子層に塗布し、前記中空微粒子層に含浸させ、焼成または乾燥することによって低反射膜を形成する工程とを有することを特徴とする。
前記バインダ前駆体は、モノアルキルトリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、トリアルキルモノアルコキシシラン、モノアリールトリアルコキシシラン、ジアリールジアルコキシシランまたはトリアリールモノアルコキシシランであることが好ましい。
前記バインダ前駆体として前記アルコキシシランを用いる場合、前記焼成は、600〜700℃で行うことが好ましい。
前記中空微粒子の球形度は、0.8以上であることが好ましい。
前記中空微粒子の変動係数は、0.5以下であることが好ましい。
前記基材は、ガラスであることが好ましい。
前記中空微粒子と前記バインダまたはバインダ前駆体との質量比(中空微粒子/バインダまたはバインダ前駆体)は、50/50〜90/10であることが好ましい。
本発明の低反射膜付き物品の製造方法によれば、耐摩耗性に優れた低反射膜を基材上に有する物品を製造できる。
本発明の低反射膜付き物品の製造方法で得られた低反射膜付き物品の一例を示す断面図である。 本発明の低反射膜付き物品の製造方法で得られた低反射膜付き物品の他の例を示す断面図である。 本発明の低反射膜付き物品の製造方法の一例を示す工程図である。 リバースロールコータの一例を示す概略図である。
<低反射膜付き物品>
図1は、本発明の製造方法で得られる低反射膜付き物品の一例を示す断面図である。低反射膜付き物品1は、基材2と、基材2の表面に形成された低反射膜3とを有する。
(基材)
基材2の材料としては、ガラス、金属、樹脂、シリコン、木材、紙等が挙げられる。ガラスとしては、ソーダライムガラス、ホウケイ酸ガラス、アルミノケイ酸塩ガラス、無アルカリガラス等が挙げられる。樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリカーボネート、トリアセチルセルロース、ポリメタクリル酸メチル等が挙げられる。
基材2の形状としては特に制限はないが、一般的には板、フィルム等が挙げられる。
太陽電池のカバーガラス用の基材2としては、表面に凹凸をつけた梨地模様の型板ガラスが好ましい。該型板ガラスの材料としては、通常の窓ガラス等に用いられるソーダライムガラス(青板ガラス)よりも鉄の成分比が少ない(透明度が高い)ソーダライムガラス(白板ガラス)が好ましい。白板ガラスは、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO:65〜75%、Al:0〜10%、CaO:5〜15%、MgO:0〜15%、NaO:10〜20%、KO:0〜3%、LiO:0〜5%、Fe:0〜3%、TiO:0〜5%、CeO:0〜3%、BaO:0〜5%、SrO:0〜5%、B:0〜15%、ZnO:0〜5%、ZrO2:0〜5%、SnO:0〜3%、SO:0〜0.5%、という組成を有することが好ましい。また、無アルカリガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO:39〜70%、Al:3〜25%、B:1〜30%、MgO:0〜10%、CaO:0〜17%、SrO:0〜20%、BaO:0〜30%、という組成を有することが好ましい。また、混合アルカリ系ガラスの場合には、酸化物基準の質量百分率表示で、SiO:50〜75%、Al:0〜15%、MgO+CaO+SrO+BaO+ZnO:6〜24%、NaO+KO:6〜24%、という組成を有することが好ましい。
基材2は、図2に示すように、基材本体4の表面に機能層5を有するものであってもよい。
機能層5としては、アンダーコート層、密着改善層、保護層等が挙げられる。
アンダーコート層は、アルカリバリア層やワイドバンドの低屈折率層としての機能を有する。アンダーコート層としては、アルコキシシランまたはその加水分解物(ゾルゲルシリカ)を含むアンダーコート用塗料組成物を基材本体上に塗布することによって形成される層が好ましい。アンダーコート層の上に後述する塗料組成物を塗布する場合、アンダーコート層は、あらかじめ焼成されていてもよく、ウェットな状態のままでもよい。基材2上にアンダーコート用塗料組成物を塗布する場合、塗付温度は、室温〜80℃が好ましく、焼成温度は30〜700℃が好ましい。アンダーコート層の膜厚は、10〜500nmが好ましい。
(低反射膜)
低反射膜3は、後述する第1の塗料組成物および第2の塗料組成物を塗布することによって形成される、中空微粒子6およびバインダ7を含む膜である。具体的には、基材2上に最密充填された中空微粒子6間の空隙に、バインダ7が充填され、かつ最表面がバインダ7で覆われた膜である。低反射膜3の最表面は、最表面に最も近い中空微粒子6の形状に対応したなだらかな凹凸を有する。
中空微粒子6は、内部に空洞を有するため、中実微粒子に比べ屈折率が低い。よって、中空微粒子6が最密充填された低反射膜3は、屈折率が充分に低くなり、その結果、反射率が低い。
バインダ7は、後述する第2の塗料組成物に含まれるバインダ前駆体がアルコキシシランまたはその加水分解物の場合、アルコキシシランまたはその加水分解物の焼成物(SiOのみ、または一部にアルキル基を有するSiO)からなり;後述する第2の塗料組成物に含まれるバインダが熱可塑性樹脂の場合、熱可塑性樹脂からなり;後述する第2の塗料組成物に含まれるバインダ前駆体が硬化性樹脂の場合、硬化性樹脂の硬化物からなる。
低反射膜3の膜厚は、50〜300nmが好ましく、80〜200nmがより好ましい。低反射膜3の膜厚が50nm以上であれば、光の干渉が起こり、反射防止性能が発現する。低反射膜3の膜厚が300nm以下であれば、クラックが発生せずに成膜できる。
低反射膜3の膜厚は、反射分光膜厚計により測定される。
低反射膜3の反射率は、波長300〜1200nmの範囲内における最も低い値(いわゆるボトム反射率)で、2.6%以下が好ましく、1.0%がより好ましい。
<低反射膜付き物品の製造方法>
本発明の低反射膜付き物品の製造方法は、下記の工程(a)および工程(b)を有する方法である。
(a)図3に示すように、中空微粒子6および分散媒8を含み、バインダおよびバインダ前駆体を含まない第1の塗料組成物20を基材2に塗布し、乾燥することによって、最密充填された中空微粒子6からなる(他の微粒子を含む場合は中空微粒子6および他の微粒子からなる)中空微粒子層9を形成する工程。
(b)図3に示すように、バインダまたはバインダ前駆体、および溶媒または分散媒を含み、中空微粒子を含まない第2の塗料組成物21を中空微粒子層9に塗布し、中空微粒子層9の中空微粒子6間の空隙に第2の塗料組成物21を含浸させた後、第2の塗料組成物21を焼成または乾燥することによって、中空微粒子6間にバインダ7がほぼ完全に充填された低反射膜3を形成する工程。
(工程(a))
第1の塗料組成物:
第1の塗料組成物20は、分散媒8と、分散媒8中に分散した中空微粒子6とを含み、必要に応じて他の微粒子、他の添加剤を含む。
第1の塗料組成物20の粘度は、1.0〜10.0mPa・sが好ましく、1.0〜5.0mPa・sがより好ましい。第1の塗料組成物20の粘度が1.0mPa・s以上であれば、基材2上に塗布される第1の塗料組成物20の膜厚を制御しやすい。第1の塗料組成物20の粘度が10.0mPa・s以下であれば、乾燥時間や塗布時間が短くなる。
第1の塗料組成物20の粘度は、B型粘度計により測定される。
第1の塗料組成物20の固形分濃度は、1〜9質量%が好ましく、1〜6質量%がより好ましい。固形分濃度が1質量%以上であれば、基材2上に塗布される第1の塗料組成物20の量を少なくできる。固形分濃度が9質量%以下であれば、基材2上に塗布される第1の塗料組成物20の膜厚を均一にしやすい。
第1の塗料組成物20の固形分とは、中空微粒子および他の微粒子の合計を意味する。
分散媒:
分散媒8としては、水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル等)、グリコールエーテル類(エチレングリコールモノアルキルエーテル等)、含窒素化合物(N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、含硫黄化合物(ジメチルスルホキシド等)等が挙げられる。
中空微粒子:
中空微粒子6としては、金属酸化物の外殻を有し、外殻内が空洞とされたものが挙げられ、比較的屈折率が低く、化学的安定性に優れる点から、中空SiO微粒子が好ましい。
中空微粒子6の平均一次粒子径は、5〜150nmが好ましく、50〜100nmがより好ましい。中空微粒子6の平均一次粒子径が5nm以上であれば、低反射膜3の反射率が充分に低くなる。中空微粒子6の平均一次粒子径が150nm以下であれば、低反射膜3の最表面の凹凸が小さくなり、防汚性が向上する。
中空微粒子6の平均一次粒子径は、以下のようにして求める。
中空微粒子6を走査型電子顕微鏡(以下、SEMと記す。)または透過型電子顕微鏡(以下、TEMと記す。)にて観察し、100個の中空微粒子6を無作為に選び出し、各中空微粒子6の粒子径を測定し、100個の中空微粒子6の粒子径を平均して求める。
中空微粒子6の変動係数は、0.5以下が好ましく、0.3以下がより好ましい。中空微粒子6の変動係数が0.5以下である、すなわち粒度分布が充分に狭く、中空微粒子6の粒子径が揃っていれば、中空微粒子6が最密充填しやくすなり、中空微粒子6間の空隙を少なくできる。また、中空微粒子6間の空隙のバラツキが少なくなり、中空微粒子6間の空隙に第2の塗料組成物21が浸入しやすい。また、低反射膜3の最表面の凹凸が小さくなり、防汚性が向上する。
中空微粒子6の変動係数は、以下のようにして求める。
中空微粒子6をSEMまたはTEMにて観察し、100個の中空微粒子6を無作為に選び出し、各中空微粒子6の粒子径を測定して、粒度分布の標準偏差および平均一次粒子径を求め、変動係数(標準偏差/平均一次粒子径)を求める。
中空微粒子6の球形度は、0.8以上が好ましく、0.9以上がより好ましい。中空微粒子6の球形度が0.8以上である、すなわち真球に近ければ、中空微粒子6が最密充填しやくすなり、中空微粒子6間の空隙を少なくできる。また、中空微粒子6間の空隙のバラツキが少なくなり、中空微粒子6間の空隙に第2の塗料組成物21が浸入しやすい。また、低反射膜3の最表面の凹凸が小さくなり、防汚性が向上する。
中空微粒子6の球形度は、以下のようにして求める。
中空微粒子6をSEMまたはTEMにて観察し、100個の中空微粒子6を無作為に選び出し、各中空微粒子6の長径および短径を測定して球形度(短径/長径)を求め、100個の中空微粒子6の球形度を平均する。
他の微粒子:
他の微粒子としては、空洞を有さない中実微粒子が挙げられる。
中実微粒子としては、金属酸化物微粒子、金属微粒子、顔料系微粒子、樹脂微粒子等が挙げられる。
金属酸化物微粒子の材料としては、Al、SiO、SnO、TiO、ZrO、ZnO、CeO、Sb含有SnO(ATO)、Sn含有In(ITO)、RuO等が挙げられる。
金属微粒子の材料としては、金属(Ag、Ru等)、合金(AgPd、RuAu等)等が挙げられる。
顔料系微粒子としては、無機顔料(チタンブラック、カーボンブラック等)、有機顔料が挙げられる。
樹脂微粒子の材料としては、ポリスチレン、メラニン樹脂等が挙げられる。
他の微粒子の形状としては、球状、楕円状、針状、板状、棒状、円すい状、円柱状、立方体状、長方体状、ダイヤモンド状、星状、不定形状等が挙げられる。他の微粒子は、各微粒子が独立した状態で存在していてもよく、各微粒子が鎖状に連結していてもよく、各微粒子が凝集していてもよい。
他の微粒子は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
他の微粒子の量は、本発明の効果を損なわない程度が好ましく、具体的には、中空微粒子100質量部に対して200質量部以下が好ましく、100質量部以下がより好ましい。
他の微粒子の平均一次粒子径、変動係数、球形度は、中空微粒子6と同程度であることが好ましい。
他の添加剤:
他の添加剤としては、レベリング性向上のための界面活性剤等が挙げられる。
界面活性剤としては、シリコーンオイル系、アクリル系等が挙げられる。
塗布方法:
塗布方法としては、公知のウェットコート法(スピンコート法、スプレーコート法、ディップコート法、ダイコート法、カーテンコート法、スクリーンコート法、インクジェット法、フローコート法、グラビアコート法、バーコート法、フレキソコート法、スリットコート法、ロールコート法等)等が挙げられる。
塗布方法としては、幅の広い基材2に対応でき、基材2の搬送速度を比較的速くでき、必要とされる塗料組成物の量が比較的少ない点から、ロールコート法が好ましく、均一な膜厚の低反射膜3を形成でき、かつ光学設計可能な任意の膜厚の低反射膜3を形成しやすい(膜厚制御性に優れる)点から、リバースロールコート法がより好ましい。
リバースロールコータ:
図4は、リバースロールコート法に用いられるリバースロールコータの一例を示す概略図である。
リバースロールコータ10は、所定方向に基材2を搬送する搬送ベルト12と;回転軸方向が搬送ベルト12の進行方向に直交するように、搬送ベルト12の上方に所定のギャップを設けて配置された、搬送ベルト12の進行方向とは反対方向に回転するコーティングロール14と;コーティングロール14よりも搬送ベルト12の進行方向の下流側に配置され、コーティングロール14に対して所定の押込み厚にて接するドクターロール16(メタリングロールともいう)と;搬送ベルト12に接するように、搬送ベルト12を介してコーティングロール14の下方に配置され、搬送ベルト12の進行方向と同じ方向に回転するバックアップロール18と;ドクターロール16の表面に供給された第1の塗料組成物20を溜める液溜めがドクターロール16との間で形成されるように、ドクターロール16の上側半分の表面に接するように配置された第1のドクターブレード22と;基材2に移行しなかったコーティングロール14の表面の第1の塗料組成物20を掻き取るために、コーティングロール14の表面に接するように配置された第2のドクターブレード24とを具備する。
なお、搬送ベルト12の代わりに、回転軸方向が搬送ベルト12の進行方向に直交するように、複数の搬送ロールを基材2の搬送方向に整列させて配置してもよい。
リバースロールコート法:
リバースロールコータ10においては、下記のようにして基材2上に第1の塗料組成物20が塗布される。
ドクターロール16の上方からドクターロール16の表面に第1の塗料組成物20が供給される。ドクターロール16の表面に付着し、ドクターロール16と第1のドクターブレード22との間で所定の量に計量された第1の塗料組成物20は、ドクターロール16の回転に伴ってコーティングロール14の側へと移動する。この際、第1の塗料組成物20の移動が第1のドクターブレード22によって規制されるため、ドクターロール16と第1のドクターブレード22との間を通過できなかった第1の塗料組成物20が、ドクターロール16と第1のドクターブレード22との間に溜まり、液溜めが形成される。
ドクターロール16の表面に付着し、コーティングロール14の側へと移動した第1の塗料組成物20は、コーティングロール14とドクターロール16との間で所定の量に計量されつつ、コーティングロール14の表面へと移行する。この際、第1の塗料組成物20の移行がドクターロール16によって規制されるため、コーティングロール14とドクターロール16との間を通過できなかった第1の塗料組成物20が、コーティングロール14とドクターロール16との間に溜まり、液溜めが形成される。コーティングロール14の表面に移行した第1の塗料組成物20は、コーティングロール14の回転に伴って搬送ベルト12の側へと移動する。
コーティングロール14の表面に付着し、搬送ベルト12の側へと移動した第1の塗料組成物20は、搬送ベルト12とコーティングロール14とのギャップおよび基材2の厚さに応じて、所定の量が基材2の表面へと移行する。この際、基材2の表面へと移行しなかった第1の塗料組成物20は、コーティングロール14の表面に付着したまま、コーティングロール14の回転に伴って第2のドクターブレード24の側へと移動し、第2のドクターブレード24によってコーティングロール14の表面のから掻き取られる。
ドクターロール16およびコーティングロール14のそれぞれに第1のドクターブレード22および第2のドクターブレード24を設けているため、ドクターロール16の表面からコーティングロール14の表面へと移行せずにドクターロール16の表面に筋状に残った第1の塗料組成物20の筋およびコーティングロール14の表面から基材2の表面へと移行せずにコーティングロール14の表面に筋状に残った第1の塗料組成物20の筋を、第1のドクターブレード22および第2のドクターブレード24によって消すことができ、その結果、基材2上に塗布される第1の塗料組成物20の膜厚を均一にできる。
コーティングロール:
コーティングロール14としては、通常、ゴムがライニングされたゴムライニングロールが用いられる。
コーティングロール14の表面の硬度(JIS−A)は、10〜70が好ましく、20〜50がより好ましい。硬度が10以上であれば、基材2上に塗布される第1の塗料組成物20の膜厚を制御しやすい。硬度が70以下であれば、基材2として型板ガラスを用いた場合であっても、コーティングロール14の表面が型板ガラスの表面の凹凸に追随でき、第1の塗料組成物20の膜厚を均一にしやすい。
コーティングロールの回転速度:
コーティングロール14の回転速度(周速度)は、基材2の搬送速度よりも遅くすることが好ましい。コーティングロール14の回転速度を基材2の搬送速度よりも遅くすることによって、光学設計可能な任意の膜厚の低反射膜3を形成しやすい(膜厚制御性に優れる)。コーティングロール14の回転速度は、膜厚制御性にさらに優れる点から、基材2の搬送速度の0.28倍以上基材2の搬送速度の0.98倍以下が好ましく、基材2の搬送速度の0.35倍以上基材2の搬送速度の0.90倍以下がより好ましい。
ドクターロール:
ドクターロール16としては、通常、表面が金属製のメタルロール、もしくはゴムがライニングされたゴムライニングロールが用いられる。
ドクターロール16としては、ドクターロール16の表面に第1の塗料組成物20を保持しやすい点から、複数の溝が表面に形成されているものが好ましく、基材2上に塗布される第1の塗料組成物20の膜厚を均一にしやすい点から、格子状の溝が表面に形成されているものがより好ましい。
押込み厚:
コーティングロール14に対するドクターロール16の押込み厚は、0.1〜1.0mmが好ましく、0.3〜0.9mmがより好ましい。押込み厚が該範囲内であれば、基材2上に塗布される第1の塗料組成物20の膜厚を均一にしやすく、また、基材2上に塗布される第1の塗料組成物20の膜厚を制御しやすい。
ギャップ:
搬送ベルト12とコーティングロール14とのギャップは、基材2の厚さ、基材2上に塗布される第1の塗料組成物20の膜厚等に応じて適宜調整される。
基材の搬送速度:
基材2の搬送速度は、3〜20m/分が好ましく、5〜15m/分がより好ましい。基材2の搬送速度が3m/分以上であれば、生産性が向上する。基材2の搬送速度が20m/分以下であれば、基材2上に塗布される第1の塗料組成物20の膜厚を制御しやすい。
温度:
塗付温度は、室温〜80℃が好ましく、室温〜60℃がより好ましい。
乾燥温度は、30℃以上が好ましく、基材2、中空微粒子6または他の微粒子の材料に応じて適宜決定すればよい。たとえば、基材2の材料が樹脂の場合、乾燥温度は樹脂の耐熱温度以下となる。
(工程(b))
第2の塗料組成物:
第2の塗料組成物21は、溶媒または分散媒と、溶媒中に溶解または分散媒中に分散したバインダまたはバインダ前駆体とを含み、必要に応じて他の添加剤を含む。
第2の塗料組成物21の粘度は、1.0〜10.0mPa・sが好ましく、1.0〜5.0mPa・sが好ましい。第2の塗料組成物21の粘度が1.0mPa・s以上であれば、中空微粒子層9上に塗布される第2の塗料組成物21の膜厚を制御しやすい。第2の塗料組成物21の粘度が10.0mPa・s以下であれば、中空微粒子層9の中空微粒子6間の空隙に第2の塗料組成物21が浸入しやすい。
第2の塗料組成物21の粘度は、B型粘度計により測定される。
第2の塗料組成物21の固形分濃度は、1〜9質量%が好ましく、1〜6質量%がより好ましい。固形分濃度が1質量%以上であれば、中空微粒子層9上に塗布される第2の塗料組成物21の量を少なくできる。固形分濃度が9質量%以下であれば、中空微粒子層9上に塗布される第2の塗料組成物21の膜厚を均一にしやすい。
第2の塗料組成物21の固形分とは、バインダまたはバインダ前駆体(ただし、アルコキシシランの場合、SiO換算固形分)を意味する。
溶媒または分散媒:
溶媒または分散媒としては、水、アルコール類(メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、ジアセトンアルコール等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エーテル類(テトラヒドロフラン、1,4−ジオキサン等)、セロソルブ類(メチルセロソルブ、エチルセロソルブ等)、エステル類(酢酸メチル、酢酸エチル等)、グリコールエーテル類(エチレングリコールモノアルキルエーテル等)、含窒素化合物(N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドン等)、含硫黄化合物(ジメチルスルホキシド等)等が挙げられる。
バインダ前駆体がアルコキシシランまたはその加水分解物の場合の分散媒は、アルコキシシランの加水分解に水が必要となるため、水を含む必要がある。
溶媒または分散媒は、基材2またはバインダに応じて適宜選択することが好ましい。
バインダまたはバインダ前駆体:
バインダとしては、樹脂(熱可塑性樹脂等)等が挙げられる。
バインダ前駆体としては、アルコキシシランまたはその加水分解物(ゾルゲルシリカ)、樹脂(熱硬化性樹脂、紫外線硬化性樹脂等)等が挙げられる。
バインダまたはバインダ前駆体は、基材2に応じて適宜選択することが好ましい。
基材2がガラスである場合のバインダ前駆体としては、得られる低反射膜3がガラスとの密着性に優れ、また耐摩耗性にも優れる点から、アルコキシシランまたはその加水分解物が好ましい。
アルコキシシランとしては、テトラアルコキシシラン(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラプロポキシシラン、テトラブトキシシラン等)、モノアルキルトリアルコキシシラン(メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、プロピルトリメトキシシラン、プロピルトリエトキシシラン等)、ジアルキルジアルコキシシラン(ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジエチルジメトキシシラン、ジエチルジエトキシシラン、ジプロピルジメトキシシラン、ジプロピルジエトキシシラン等)、トリアルキルモノアルコキシシラン(トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリエチルメトキシシラン、トリエチルエトキシシラン、トリプロピルメトキシシラン、トリプロピルエトキシシラン等)、モノアリールトリアルコキシシラン(フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン等)、ジアリールジアルコキシシラン(ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン等)、トリアリールモノアルコキシシラン(トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン等)、ペルフルオロポリエーテル基を有するアルコキシシラン(ペルフルオロポリエーテルトリエトキシシラン等)、ペルフルオロアルキル基を有するアルコキシシラン(ペルフルオロエチルトリエトキシシラン等)、ビニル基を有するアルコキシシラン(ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン等)、エポキシ基を有するアルコキシシラン(2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン等)、アクリロイルオキシ基を有するアルコキシシラン(3−アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン等)等が挙げられる。
アルコキシシランとしては、防汚性に優れた低反射膜3が形成される点から、モノアルキルトリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、トリアルキルモノアルコキシシラン、モノアリールトリアルコキシシラン、ジアリールジアルコキシシラン、トリアリールモノアルコキシシランが好ましく、耐摩耗性がより良好な低反射膜3が形成される点から、モノアルキルトリアルコキシシランがより好ましい。Siに直接結合したアルキル基を1〜3つ有するアルコキシシランまたはその加水分解物を焼成してなるバインダ7は、一部にアルキル基を有するSiOからなるため、撥水性、撥油性が高く、低反射膜3に指紋や太陽電池の封止材のEVAが付着しにくく、これらが付着しても取れやすい。また、該バインダ7は、SiOを主とするため、耐摩耗性がより良好な低反射膜3が形成される。また、Siに直接結合したアルキル基を1〜3つ有するアルコキシシランまたはその加水分解物は、600〜700℃で焼成しても、得られるバインダ7の撥水性、撥油性が失われることがないため、基材2がガラスの場合、低反射膜3の焼成工程とガラスの物理強化工程を兼ねることもできる。
アルコキシシランの加水分解は、水および触媒として酸またはアルカリを用いて行う。酸としては、無機酸(HNO、HSO、HCl等)、有機酸(ギ酸、しゅう酸、酒石酸、クエン酸、モノクロル酢酸、ジクロルム酢酸、トリクロル酢酸等)が挙げられる。アルカリとしては、アンモニア、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等が挙げられる。触媒としては、長期保存性の点から、酸が好ましい、また、触媒としては、中空微粒子の分散を妨げないものが好ましい。
他の添加剤:
他の添加剤としては、レベリング性向上のための界面活性剤、低反射膜3の耐久性向上のための金属化合物等が挙げられる。
界面活性剤としては、シリコーンオイル系、アクリル系等が挙げられる。
金属化合物としては、ジルコニウムキレート化合物、チタンキレート化合物、アルミニウムキレート化合物等が好ましい。ジルコニウムキレート化合物としては、ジルコニウムテトラアセチルアセトナート、ジルコニウムトリブトキシステアレート等が挙げられる。
塗布方法:
第2の塗料組成物の塗布方法としては、第1の塗料組成物の塗布方法と同様な方法が挙げられ、好ましい態様も同様である。
塗布量:
第2の塗料組成物の塗布量は、塗布された中空微粒子6(他の微粒子を含む場合は中空微粒子6および他の微粒子の合計)とバインダまたはバインダ前駆体(ただし、アルコキシシランの場合、SiO換算固形分)との質量比(微粒子/バインダまたはバインダ前駆体)が50/50〜90/10となる量が好ましく、60/40〜80/20となる量がより好ましい。微粒子/バインダまたはバインダ前駆体が60/40以上であれば、バインダ7が多くなりすぎないため、低反射膜3の最表面におけるバインダ7のみ層が厚くなりすぎず、反射率を充分に低く抑えることができる。微粒子/バインダまたはバインダ前駆体が80/20以下であれば、バインダ7が少なくなりすぎず、中空微粒子6が最表面に露出しないため、低反射膜3の耐摩耗性を充分に確保できる。また、低反射膜3の最表面がバインダ7で覆われるため、低反射膜3の最表面の凹凸が小さくなり、防汚性が向上する。
温度:
塗付温度は、室温〜80℃が好ましく、室温〜60℃がより好ましい。
乾燥または焼成温度は、30℃以上が好ましく、基材2、中空微粒子6またはバインダ7の材料に応じて適宜決定すればよい。たとえば、基材2またはバインダ7の材料が樹脂の場合、乾燥または焼成温度は樹脂の耐熱温度以下となるが、該温度であっても充分な反射防止効果が得られる。基材2がガラスの場合、低反射膜3の焼成工程とガラスの物理強化工程を兼ねることもできる。物理強化工程では、ガラスは軟化温度付近まで加熱される。この場合、焼成温度は、約600〜700℃前後に設定される。焼成温度は、通常、基材2の熱変形温度以下とするのが好ましい。焼成温度の下限値は、第2の塗料組成物21の配合に応じて決定される。自然乾燥であっても重合はある程度進むため、時間に何らの制約もないのであれば、乾燥または焼成温度を室温付近の温度設定とすることも、理論上は可能である。
(作用効果)
以上説明した本発明の低反射膜付き物品の製造方法にあっては、(a)中空微粒子および分散媒を含み、バインダおよびバインダ前駆体を含まない第1の塗料組成物を基材に塗布し、乾燥することによって中空微粒子層を形成する工程と、(b)バインダまたはバインダ前駆体、および溶媒または分散媒を含み、中空微粒子を含まない第2の塗料組成物を中空微粒子層に塗布し、中空微粒子層に含浸させ、焼成または乾燥することによって低反射膜を形成する工程とを有するため、下記の理由から、耐摩耗性に優れた低反射膜を基材上に有する物品を製造できる。
理由:
第1の塗料組成物が、中空微粒子および分散媒を含み、バインダおよびバインダ前駆体を含まないため、形成される中空微粒子層の中空微粒子間にバインダが存在することなく、中空微粒子が最密充填され、中空微粒子間の空隙が狭くなる。また、中空微粒子間の空隙が狭いにもかかわらず、第2の塗料組成物の浸入を阻害するものがないため、第2の塗料組成物が中空微粒子間の空隙にスムーズにかつ効率的に浸入できる。その結果、もともと狭い中空微粒子間の空隙が、さらに第2の塗料組成物のバインダでほぼ完全に充填されるため、低反射膜中に空隙がほとんどなくなり、耐摩耗性が向上する。また、バインダは、基材の表面にまで達するため、低反射膜は、最表面から基材まで連通した空隙のない一体膜となり、耐塩水性も向上する。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。
例1〜4は実施例であり、例5〜8は比較例である。
(中空微粒子の平均一次粒子径、変動係数、球形度)
中空微粒子の平均一次粒子径は、中空微粒子の分散液をエタノールで0.1質量%に希釈した後、コロジオン膜上にサンプリングしてTEM(日立製作所社製、H−9000)にて観察し、100個の中空微粒子を無作為に選び出し、各中空微粒子の粒子径を測定し、粒度分布の標準偏差および平均一次粒子径を求め、変動係数(標準偏差/平均一次粒子径)を求めた。また、各中空微粒子の長径および短径を測定して球形度(短径/長径)を求め、100個の中空微粒子の球形度の平均値を求めた。
(粘度)
塗料組成物の粘度は、B型粘度計(東機産業社製)を用い、恒温槽にて液温を25℃に調整した後に測定した。
(膜厚)
低反射膜の膜厚は、反射分光膜厚計(大塚電子社製、FE3000)を用いて分光反射率を測定し、最小二乗法によりn−k Cauchyの分散式から得られたカーブと実測した反射カーブをフィッティングさせることで測定した。
(透過率)
低反射膜付き物品の透過率は、分光光度計(日本分光社製、V670)を用いて、波長400nm〜1100nmにおける光の透過率を測定した。
下式(1)から透過率差を求めた。
透過率差=低反射膜付き物品の透過率−基材のみの透過率 ・・・(1)。
(反射率)
低反射膜とは反対側の基材の表面に、黒のビニールテープを、気泡を含まないように貼り付けた後、基材の中央部の100mm×100mmの低反射膜の反射率を測定した。なお、反射率は、波長300〜1200nmの範囲におけるボトム反射率である。ボトム反射率を示す波長が380nm以下または780nm以上の場合は、分光光度計(日本分光社製、V670)を用いた。また、ボトム反射率を示す波長が380〜780nmの場合は、分光光度計(大塚電子社製、瞬間マルチ測光システムMCPD−3000)を用いた。
(耐摩耗性)
フェルト(新高理化工業社製、研磨用パフAM−1)をラビングテスター(大平理化工業社製)に取り付け、該フェルトを1kg荷重にて低反射膜の表面で水平往復運動させ、フェルトを40往復させた後の低反射膜付き物品の透過率を、前記透過率の測定方法と同様に測定した。
下式(2)から透過率変化を求めた。
透過率変化=耐摩耗性試験前の低反射膜付き物品の透過率−耐摩耗性試験後の低反射膜付き物品の透過率 ・・・(2)。
(水接触角)
接触角計(協和界面科学社製 DM−501)を用いて水接触角を測定した。測定を5回行い、平均値を求めた。
(防汚性)
防汚性の指標として、EVAフィルムの剥離力を測定した。
5mm幅のEVAフィルムを低反射膜上に載置し、160℃で30分間加熱した後、EVAフィルムをばね秤にて剥離させた際の質量を剥離力とした。
(中空SiO微粒子分散液(α−1))
日揮触媒化成工業製 スルーリア4110、SiO換算固形分濃度:20.5質量%、平均一次粒子径:60nm、変動係数:0.11、球形度:0.95。
(中空SiO微粒子分散液(α―2)の調製)
変性エタノールの29.07gを撹拌しながら、これに水の39g、ZnO微粒子水分散液(石原産業社製、FZO−50、固形分濃度:20質量%、平均一次粒子径:21nm、平均凝集粒子径:40nm)の21g、テトラエトキシシラン(SiO換算固形分量:29質量%)の10gを加えた後、28質量%のアンモニア水溶液の0.75gを加え、分散液のpHを10に調整し、20℃で4.5時間撹拌した。これに、ジルコニウムテトラアセチルアセトネート(関東化学株式会社製)の0.18gを加え、1.5時間撹拌し、コア−シェル型微粒子分散液(固形分濃度:7.2質量%)の100gを得た。
得られたコア−シェル型微粒子分散液に、強酸性カチオン交換樹脂(三菱化学社製、ダイヤイオン、総交換量:2.0mseq/mL以上)の100gを加え、1時間撹拌してpHが4となった後、ろ過により強酸性カチオン樹脂を除去し、SiO換算固形分濃度が3質量%の中空状SiO微粒子分散液の100gを得た。中空状SiO微粒子の外殻厚さは6nmであり、空孔径は30nmであり、平均一次粒子径は50nm、変動係数は0.17、球形度は0.75であった。
該中空状SiO微粒子分散液を限外ろ過膜で濃縮し、SiO換算固形分濃度が12質量%の中空状SiO微粒子分散液(α―2)を得た。
(バインダ前駆体溶液(β)の調製)
変性エタノール(日本アルコール販売社製、ソルミックスAP−11、エタノールを主剤とした混合溶媒、以下同様。)の77.6gを撹拌しながら、これにイオン交換水の11.9gと61質量%硝酸の0.1gとの混合液を加え、5分間撹拌した。これに、テトラエトキシシラン(以下、TEOSと記す。)(SiO換算固形分濃度:29質量%)の10.4gを加え、室温で30分間撹拌し、SiO換算固形分濃度が3.0質量%のバインダ前駆体溶液(β)を調製した。なお、SiO換算固形分濃度は、TEOSのすべてのSiがSiOに転化したときの固形分濃度である。
(塗料組成物(A)の調製)
変性エタノールの49.3gを撹拌しながら、これにイソブチルアルコールの24.0g、ジアセトンアルコール(以下、DAAと記す。)の15.0g、中空SiO微粒子分散液(α−1)の11.7gを加え、固形分濃度が2.4質量%の塗料組成物(A)を調製した。組成等を表1に示す。
(塗料組成物(B)の調製)
変性エタノールの41.0gを撹拌しながら、これにイソブチルアルコールの24.0g、DAAの15.0g、中空SiO微粒子分散液(α−2)の20.0gを加え、固形分濃度が2.4質量%の塗料組成物(B)を調製した。組成等を表1に示す。
(塗料組成物(C)の調製)
変性エタノールの29.3gを撹拌しながら、これにイソブチルアルコールの24.0g、DAAの15.0g、バインダ前駆体溶液(β)の20.0g、中空SiO微粒子分散液(α−1)の11.7gを加え、固形分濃度が3.0質量%の塗料組成物(C)を調製した。組成等を表1に示す。
(塗料組成物(D)の調製)
変性エタノールの83.0gを撹拌しながら、これにイオン交換水の11.9gと61質量%硝酸の0.1gとの混合液を加え、5分間撹拌した。これに、メチルトリメトキシシラン(以下、MTMSと記す。)(SiO換算固形分濃度:44質量%)の5.0gを加え、室温で30分間撹拌し、SiO換算固形分濃度が2.2質量%の塗料組成物(D)を調製した。なお、SiO換算固形分濃度は、MTMSのすべてのSiがSiOに転化したときの固形分濃度である。組成等を表2に示す。
(塗料組成物(E)の調製)
MTMSをTEOSに変更した以外は、塗料組成物(D)と同様にして塗料組成物(E)を調製した。組成等を表2に示す。
(塗料組成物(F)の調製)
MTMSをTEOSの加水分解縮合物(多摩化学工業社製、ES−40)に変更した以外は、塗料組成物(D)と同様にして塗料組成物(F)を調製した。組成等を表2に示す。
Figure 2013160799
Figure 2013160799
(塗布装置)
塗布装置としては、リバースロールコータ(ファイコーポレーション社製)を用意した。コーティングロールとしては、表面の硬度(JIS−A)が30のゴム(エチレンプロピレンジエンゴム)がライニングされたゴムライニングロールを用いた。ドクターロールとしては、格子状の溝が表面に形成されたメタルロールを用いた。
〔例1〕
基材として型板ガラス(旭硝子社製、Solite、低鉄分のソーダライムガラス(白板ガラス)、サイズ:400mm×400mm、厚さ:3.2mm)を用意し、酸化セリウム水分散液で型板ガラスの表面を研磨し、水で酸化セリウムを洗い流した後、イオン交換水でリンスし、乾燥させた。
(工程(a))
型板ガラスを予熱炉(ISUZU社製、VTR−115)にて予熱し、ガラス面温が30℃に保温された状態にて、型板ガラス上に、リバースロールコータのコーティングロールによって塗料組成物(A)を塗布した。塗布条件は、基材の搬送速度:8.5m/分、コーティングロールの回転速度:5.0m/分、ドクターロールの回転速度:5.0m/分、コーティングロールと搬送ベルトとのギャップ:2.9mm、コーティングロールとドクターロールとの押込み厚:0.6mmとした。
その後、大気中、80℃で30秒間乾燥し、中空微粒子膜を形成した。
(工程(b))
中空微粒子層が形成された型板ガラスを再度予熱炉にて予熱し、ガラス面温が30℃に保温された状態にて、型板ガラス上に、リバースロールコータのコーティングロールによって塗料組成物(D)を塗布した。塗布条件は、基材の搬送速度:8.5m/分、コーティングロールの回転速度:5.0m/分、ドクターロールの回転速度:5.0m/分、コーティングロールと搬送ベルトとのギャップ:2.9mm、コーティングロールとドクターロールとの押込み厚:0.6mmとした。
その後、大気中、550℃で30分間焼成し、低反射膜が形成された物品を得た。該物品を評価した。結果を表3に示す。
〔例2〜6〕
塗料組成物、塗布条件を表3に示す塗料組成物、塗布条件に変更した以外は、例1と同様にして低反射膜が形成された物品を得た。該物品を評価した。結果を表3に示す。
Figure 2013160799
例1においては、比較的高い透過率の低反射膜が形成され、耐摩耗性も良好であった。
例2においては、第2の塗料組成物の量が多く、中空微粒子層を覆うバインダのみからなる層の膜厚が厚くなったため、光学設計が変わって透過率が下がっているが、耐摩耗性は良好であった。
また、例1および例2においては、バインダが有するアルキル基の効果によって低反射膜が高い撥水性を示し、EVAの剥離力の測定では、高い剥離性能を示した。
例3および例4においては、第2の塗料組成物のバインダ前駆体が変更されているが、例1と同様に比較的高い透過率および良好な耐摩耗性を示した。
例5においては、例3に比べて変動係数が高く、球形度が低い中空微粒子を使用しており、耐摩耗性は良好であるが、防汚性は悪化する結果となった。これは最表面の凹凸が例3に比べて大きくなったためと考えられる。
例6の低反射膜は、中空微粒子とバインダとの混合一層膜であり、例1〜4よりも高い透過率を示したが、混合されているバインダの影響で中空微粒子の最密充填が阻害され、空隙が増加したためと考えられる。この増加した空隙の影響によって、耐摩耗性は悪化する結果となった。
本発明の製造方法で得られた低反射膜付き物品は、外光反射の低減や光透過率の向上を目的とした反射防止機能を有する物品、たとえば、太陽電池のカバーガラス、ディスプレイ(LCD、PDP、有機EL、CRT、SED等)、それらの前面板、乗り物(自動車、電車、航空機等)用窓ガラス、住宅用窓ガラス、タッチパネルのカバーガラス等として有用である。
1 低反射膜付き物品
2 基材
3 低反射膜
4 基材本体
5 機能層
6 中空微粒子
7 バインダ
8 分散媒
9 中空微粒子層
10 リバースロールコータ
12 搬送ベルト
14 コーティングロール
16 ドクターロール
18 バックアップロール
20 第1の塗料組成物
21 第2の塗料組成物
22 第1のドクターブレード
24 第2のドクターブレード

Claims (7)

  1. 低反射膜を基材上に有する物品を製造する方法であって、
    (a)中空微粒子および分散媒を含み、バインダおよびバインダ前駆体を含まない第1の塗料組成物を基材に塗布し、乾燥することによって中空微粒子層を形成する工程と、
    (b)バインダまたはバインダ前駆体、および溶媒または分散媒を含み、中空微粒子を含まない第2の塗料組成物を前記中空微粒子層に塗布し、前記中空微粒子層に含浸させ、焼成または乾燥することによって低反射膜を形成する工程と
    を有する、低反射膜付き物品の製造方法。
  2. 前記バインダ前駆体が、モノアルキルトリアルコキシシラン、ジアルキルジアルコキシシラン、トリアルキルモノアルコキシシラン、モノアリールトリアルコキシシラン、ジアリールジアルコキシシランまたはトリアリールモノアルコキシシランである、請求項1に記載の低反射膜付き物品の製造方法。
  3. 前記焼成を600〜700℃で行う、請求項2に記載の低反射膜付き物品の製造方法。
  4. 前記中空微粒子の球形度が、0.8以上である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の低反射膜付き物品の製造方法。
  5. 前記中空微粒子の変動係数が、0.5以下である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の低反射膜付き物品の製造方法。
  6. 前記基材が、ガラスである、請求項1〜5のいずれか一項に記載の低反射膜付き物品の製造方法。
  7. 前記中空微粒子と前記バインダまたはバインダ前駆体との質量比(中空微粒子/バインダまたはバインダ前駆体)が、50/50〜90/10である、請求項1〜6のいずれか一項に記載の低反射膜付き物品の製造方法。
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