JP2013146656A - フォトリソグラフィー工程排水の処理方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】簡便な方法で、フォトリソグラフィー工程排水の濁度及びCODを低減させて十分な処理効果を得ることができる、フォトリソグラフィー工程排水の処理方法を提供する。
【解決手段】フォトリソグラフィー工程排水に、ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体のアルカリ溶液を添加することを特徴とするフォトリソグラフィー工程排水の処理方法。
【選択図】なし
【解決手段】フォトリソグラフィー工程排水に、ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体のアルカリ溶液を添加することを特徴とするフォトリソグラフィー工程排水の処理方法。
【選択図】なし
Description
本発明は、フォトリソグラフィー工程排水の処理方法に関し、特にカラーフィルター等を製造する際のフォトリソグラフィー工程において、現像工程や、基板の洗浄工程等で生じる排水の処理方法に関する。
IC、LSI等の集積回路、プリント基板、カラーフィルター、液晶ディスプレイ等の製造工程においては、感光性樹脂成分を含有するフォトレジストをウェハ、ガラス板、銅張積層板等の基板上に塗布し、現像パターン等が形成されたフォトマスクを介してフォトレジストを露光して光反応させ、その後の現像工程でフォトレジストの露光部又は未露光部をアルカリ水溶液等の現像液により除去することで、所定のパターンを形成した後、基板を洗浄するフォトリソグラフィー法が用いられている。したがって、このフォトリソグラフィー法において、現像工程や、基板の洗浄工程で生じるフォトリソグラフィー工程排水には、フォトレジストや現像液が含まれることとなる。
このようにして生じるフォトリソグラフィー工程排水の処理方法としては、例えば、濾過法がある。しかしながら、この濾過法においては、フォトリソグラフィー工程排水は通常アルカリ条件下で濾過されるが、かかる条件下ではフォトレジストは凝集しにくく、濾過膜に適した凝集が難しいため、安定した運転を行うことが困難であるという問題がある。また、現像液に含まれる高濃度のノニオン界面活性剤は、通常の凝集沈殿や加圧浮上処理ではほとんど除去されないため、排水放流時の水質管理項目であるCODやn−ヘキサン抽出物濃度を低下させることが大きな課題となっている。
このようにして生じるフォトリソグラフィー工程排水の処理方法としては、例えば、濾過法がある。しかしながら、この濾過法においては、フォトリソグラフィー工程排水は通常アルカリ条件下で濾過されるが、かかる条件下ではフォトレジストは凝集しにくく、濾過膜に適した凝集が難しいため、安定した運転を行うことが困難であるという問題がある。また、現像液に含まれる高濃度のノニオン界面活性剤は、通常の凝集沈殿や加圧浮上処理ではほとんど除去されないため、排水放流時の水質管理項目であるCODやn−ヘキサン抽出物濃度を低下させることが大きな課題となっている。
ノニオン界面活性剤を除去する方法及び処理剤として、ノボラック樹脂を用いる方法(特許文献1〜4参照)、タンニン酸を用いる方法(特許文献5、6参照)等が提案されている。しかし、ノボラック樹脂そのものは分子量が大きくなりにくく、また低分子量物(低核体)の生成が多いため、ノニオン界面活性剤への吸着が弱く、効果が安定しない。タンニン酸は、ノニオン界面活性剤への吸着効果はあるが、天然物であるために、その由来や産地、生産時の気候などが大きく影響して効果が安定しないことは周知の事実となっている。また天然物であるがゆえに生分解性が高く、製品としての安定性にも課題がある。
また、フォトリソグラフィー工程排水の処理方法として、フォトリソグラフィー法における基板の洗浄工程で生じるテトラアルキルアンモニウム及び少量のフォトレジストを含有する排水をpH5以上かつ9未満の条件下で逆浸透膜装置に加圧供給する方法が提案されている(特許文献7参照)。この方法では、テトラアルキルアンモニウムをある程度効果的に処理することができるが、濾過膜による処理におけるフォトレジストの凝集濾過性及び運転安定性の点で未だ満足できるものではない。
この特許文献7の問題を解決する方法として、フォトレジスト含有排水のpHを酸性に調整してから、フォトレジストの凝集沈殿に適するようにpHを調整してフォトレジストを凝集沈殿させ、膜処理を行う方法がある(特許文献8参照)。しかしながら、この特許文献8の方法においても清澄な処理水を得られない場合があり、十分な処理効果を得ることができなかった。すなわち、特許文献8等の従来の処理では、フォトレジスト及び現像液の成分、具体的には、樹脂、光重合性のモノマー、光重合開始剤、界面活性剤、顔料、シナジスト(pigment derivative)、分散剤ポリマー、溶剤等の種々の有機物や濁質成分が相互に作用することにより、分離し難い安定な化合物を形成しているためか、十分な処理効果を得ることができなかった。また、簡便な処理方法が求められている。
この特許文献7の問題を解決する方法として、フォトレジスト含有排水のpHを酸性に調整してから、フォトレジストの凝集沈殿に適するようにpHを調整してフォトレジストを凝集沈殿させ、膜処理を行う方法がある(特許文献8参照)。しかしながら、この特許文献8の方法においても清澄な処理水を得られない場合があり、十分な処理効果を得ることができなかった。すなわち、特許文献8等の従来の処理では、フォトレジスト及び現像液の成分、具体的には、樹脂、光重合性のモノマー、光重合開始剤、界面活性剤、顔料、シナジスト(pigment derivative)、分散剤ポリマー、溶剤等の種々の有機物や濁質成分が相互に作用することにより、分離し難い安定な化合物を形成しているためか、十分な処理効果を得ることができなかった。また、簡便な処理方法が求められている。
本発明は上述した事情に鑑み、簡便な方法で、フォトリソグラフィー工程排水の濁度及びCODを低減させて十分な処理効果を得ることができる、フォトリソグラフィー工程排水の処理方法を提供することを目的とする。
本発明者らは上記目的を達成するために鋭意検討した結果、フォトリソグラフィー工程排水の凝集沈殿処理、加圧浮上処理、濾過処理等の固液分離処理を行う際、フォトリソグラフィー工程排水に、ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体のアルカリ溶液を添加することにより、上記目的が達成されることを見いだし、本発明を完成した。
本発明は、次の[1]〜[2]を提供するものである。
[1]フォトリソグラフィー工程排水に、ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体のアルカリ溶液を添加することを特徴とするフォトリソグラフィー工程排水の処理方法。
[2]前記フォトリソグラフィー工程排水に、前記ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体のアルカリ溶液と無機凝集剤とを添加することを特徴とする[1]に記載のフォトリソグラフィー工程排水の処理方法。
[3]前記アルカリ溶液の添加後のフォトリソグラフィー工程排水のpHを、4〜8に調整することを特徴とする[1]又は[2]に記載のフォトリソグラフィー工程排水の処理方法。
[4]前記フォトリソグラフィー工程排水に、更にアニオン性有機高分子凝集剤を添加することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のフォトリソグラフィー工程排水の処理方法。
本発明は、次の[1]〜[2]を提供するものである。
[1]フォトリソグラフィー工程排水に、ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体のアルカリ溶液を添加することを特徴とするフォトリソグラフィー工程排水の処理方法。
[2]前記フォトリソグラフィー工程排水に、前記ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体のアルカリ溶液と無機凝集剤とを添加することを特徴とする[1]に記載のフォトリソグラフィー工程排水の処理方法。
[3]前記アルカリ溶液の添加後のフォトリソグラフィー工程排水のpHを、4〜8に調整することを特徴とする[1]又は[2]に記載のフォトリソグラフィー工程排水の処理方法。
[4]前記フォトリソグラフィー工程排水に、更にアニオン性有機高分子凝集剤を添加することを特徴とする[1]〜[3]のいずれかに記載のフォトリソグラフィー工程排水の処理方法。
本発明によると、フォトリソグラフィー工程排水に、ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体のアルカリ溶液を添加する。これにより、後工程として凝集沈殿処理、加圧浮上処理、濾過処理等の固液分離処理を行うことにより、フォトリソグラフィー工程排水に含まれるフォトレジスト及び現像液の凝集効果並びに界面活性剤などの有機物の除去効果が向上し、簡便な方法で十分な処理効果を得ることができる。
以下、本発明を実施形態に基づいて詳細に説明する。
[フォトリソグラフィー工程排水]
IC、LSI等の集積回路、プリント基板、カラーフィルター、液晶ディスプレイ等の製造工程においては、感光性樹脂成分を含むフォトレジストを、ウェハ、ガラス板、銅張積層板等の基板上に塗布し、現像パターン等が形成されたフォトマスクを介してフォトレジストを露光して光反応させ、その後の現像工程でフォトレジストの露光部又は未露光部をアルカリ水溶液等の現像液により除去することで、所定のパターンを形成した後、基板を洗浄するフォトリソグラフィー法が用いられている。
本発明の被処理水(原水)であるフォトリソグラフィー工程排水は、このフォトリソグラフィー法において、現像工程や、基板の洗浄工程等で生じる排水であって、フォトレジスト及び現像液を含有する排水である。
[フォトリソグラフィー工程排水]
IC、LSI等の集積回路、プリント基板、カラーフィルター、液晶ディスプレイ等の製造工程においては、感光性樹脂成分を含むフォトレジストを、ウェハ、ガラス板、銅張積層板等の基板上に塗布し、現像パターン等が形成されたフォトマスクを介してフォトレジストを露光して光反応させ、その後の現像工程でフォトレジストの露光部又は未露光部をアルカリ水溶液等の現像液により除去することで、所定のパターンを形成した後、基板を洗浄するフォトリソグラフィー法が用いられている。
本発明の被処理水(原水)であるフォトリソグラフィー工程排水は、このフォトリソグラフィー法において、現像工程や、基板の洗浄工程等で生じる排水であって、フォトレジスト及び現像液を含有する排水である。
<フォトレジスト>
フォトレジストには、感光性樹脂、光重合性のモノマー、光重合開始剤等からなる感光性樹脂成分の他、添加剤や溶剤等が含まれる。添加剤としては、顔料、顔料を安定分散化させるためのシナジスト(pigment derivative)、アニオン性ポリマー等の分散剤ポリマー、メタクリル酸のホモポリマー及び/又はメタクリル酸のコポリマーからなるメタクリル酸系ポリマー等のバインダー樹脂等が挙げられる。
フォトレジストには、感光性樹脂、光重合性のモノマー、光重合開始剤等からなる感光性樹脂成分の他、添加剤や溶剤等が含まれる。添加剤としては、顔料、顔料を安定分散化させるためのシナジスト(pigment derivative)、アニオン性ポリマー等の分散剤ポリマー、メタクリル酸のホモポリマー及び/又はメタクリル酸のコポリマーからなるメタクリル酸系ポリマー等のバインダー樹脂等が挙げられる。
<現像液>
現像液には、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等のアルカリ成分、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤等が含まれる。
ここで、フォトリソグラフィー工程において使用したフォトレジストがネガ型フォトレジストの場合は、露光された部分が現像液に不溶化し、露光されず不溶化されなかった部分が現像液に溶解する。したがって、ネガ型フォトレジストの場合は、現像工程で生じる排水や、現像工程後に行う基板の洗浄工程で生じる排水は、感光性樹脂成分そのものを主に含有する。一方、フォトリソグラフィー工程において使用したフォトレジストがポジ型フォトレジストの場合は、露光された部分が現像液に溶解する。したがって、ポジ型フォトレジストの場合は、現像工程で生じる排水や、現像工程後に行う基板の洗浄工程で生じる排水は、感光性樹脂成分が露光により変化して可溶化した成分(可溶化成分)を主に含有することになる。本発明では、このような可溶化成分も、前述した感光性樹脂成分に含まれる。
現像液には、水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等のアルカリ成分、ノニオン性界面活性剤等の界面活性剤等が含まれる。
ここで、フォトリソグラフィー工程において使用したフォトレジストがネガ型フォトレジストの場合は、露光された部分が現像液に不溶化し、露光されず不溶化されなかった部分が現像液に溶解する。したがって、ネガ型フォトレジストの場合は、現像工程で生じる排水や、現像工程後に行う基板の洗浄工程で生じる排水は、感光性樹脂成分そのものを主に含有する。一方、フォトリソグラフィー工程において使用したフォトレジストがポジ型フォトレジストの場合は、露光された部分が現像液に溶解する。したがって、ポジ型フォトレジストの場合は、現像工程で生じる排水や、現像工程後に行う基板の洗浄工程で生じる排水は、感光性樹脂成分が露光により変化して可溶化した成分(可溶化成分)を主に含有することになる。本発明では、このような可溶化成分も、前述した感光性樹脂成分に含まれる。
[ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体のアルカリ溶液]
<ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体>
フォトリソグラフィー工程排水に添加する凝集剤は、ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体(以下、「本発明のポリマー」ということがある)のアルカリ溶液である。本発明のポリマーは、水溶性の有機化合物である。
本発明のポリマーとは、重合性ビニル基を有するフェノール及び/又はその誘導体を重合させたポリマーをいう。重合性ビニル基を有するフェノール及びその誘導体としては、フェノール、カテコール、OH基を1つ以上有するナフトール類、OH基を1つ以上有するアントラセンなどに重合性ビニル基が付加した構造のものなどが挙げられる。また、これらの構造に臭素、塩素等のハロゲンが付加した構造のものも挙げられる。
ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体としては、パラビニルフェノールのホモポリマー、その臭素化物等のハロゲン化物、ビニルクレゾール、ビニルカテコール、ビニルナフトール類、ビニルアントラセン類等が好ましい。
当該重合性ビニル基を有するフェノール及び/又はその誘導体の重合方法としては、通常のラジカル重合、イオン重合など一般的な重合方法を適用でき、水溶液重合、エマルション重合などの重合方法を適用できる。
本発明のポリマーの重量平均分子量は、良好な処理効果を得る観点から、好ましくは1000〜100万であり、より好ましくは5000〜10万である。
<ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体>
フォトリソグラフィー工程排水に添加する凝集剤は、ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体(以下、「本発明のポリマー」ということがある)のアルカリ溶液である。本発明のポリマーは、水溶性の有機化合物である。
本発明のポリマーとは、重合性ビニル基を有するフェノール及び/又はその誘導体を重合させたポリマーをいう。重合性ビニル基を有するフェノール及びその誘導体としては、フェノール、カテコール、OH基を1つ以上有するナフトール類、OH基を1つ以上有するアントラセンなどに重合性ビニル基が付加した構造のものなどが挙げられる。また、これらの構造に臭素、塩素等のハロゲンが付加した構造のものも挙げられる。
ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体としては、パラビニルフェノールのホモポリマー、その臭素化物等のハロゲン化物、ビニルクレゾール、ビニルカテコール、ビニルナフトール類、ビニルアントラセン類等が好ましい。
当該重合性ビニル基を有するフェノール及び/又はその誘導体の重合方法としては、通常のラジカル重合、イオン重合など一般的な重合方法を適用でき、水溶液重合、エマルション重合などの重合方法を適用できる。
本発明のポリマーの重量平均分子量は、良好な処理効果を得る観点から、好ましくは1000〜100万であり、より好ましくは5000〜10万である。
<アルカリ>
アルカリ溶液に用いられるアルカリとしては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アンモニアなどが挙げられる。
<溶媒>
アルカリ溶液に用いられる溶媒としては、水及び極性を有する溶媒の少なくとも1種が挙げられるが、水又は水と極性を有する溶媒との混合溶媒が好ましく、水がより好ましい。
極性を有する溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトンなどが挙げられる。
アルカリ溶液に用いられるアルカリとしては、例えば、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アンモニアなどが挙げられる。
<溶媒>
アルカリ溶液に用いられる溶媒としては、水及び極性を有する溶媒の少なくとも1種が挙げられるが、水又は水と極性を有する溶媒との混合溶媒が好ましく、水がより好ましい。
極性を有する溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコール類、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、アセトンなどが挙げられる。
<ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体のアルカリ溶液の性状>
本発明のポリビニルフェノール及び/又はその誘導体(以下、「本発明のポリマー」ということがある)のアルカリ溶液のpHは、排水に添加する前は水溶液であることが有効であることから、7以上である必要があり、好ましくは8以上である。このアルカリ溶液を、中性〜酸性の排水に添加するか又は排水に添加した後で排水を中性〜酸性に調整することにより、本発明のポリマーが中性〜酸性になって析出する。この際、本発明のポリマーが排水中のノニオン界面活性剤などの溶解性有機物に吸着し、当該溶解性有機物を巻き込んで析出することにより、COD、n−ヘキサン抽出物濃度、及びBODが良好に低減される。なお、経済性の観点から、pHは好ましくは10以下である。
本発明のポリマーのアルカリ溶液の形態は、基本的に溶液状である。また、非使用時(保管時等)には、当該アルカリ溶液から水分を蒸発させた固形型としておき、添加する前に水等の溶媒に溶解して溶液状にしてもよい。
本発明のポリマーのアルカリ溶液の濃度は、ハンドリング上濃い方がよく、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上である。また、2種以上の本発明のポリマーのアルカリ溶液を、フォトリソグラフィー工程排水に添加してもよい。
本発明のポリビニルフェノール及び/又はその誘導体(以下、「本発明のポリマー」ということがある)のアルカリ溶液のpHは、排水に添加する前は水溶液であることが有効であることから、7以上である必要があり、好ましくは8以上である。このアルカリ溶液を、中性〜酸性の排水に添加するか又は排水に添加した後で排水を中性〜酸性に調整することにより、本発明のポリマーが中性〜酸性になって析出する。この際、本発明のポリマーが排水中のノニオン界面活性剤などの溶解性有機物に吸着し、当該溶解性有機物を巻き込んで析出することにより、COD、n−ヘキサン抽出物濃度、及びBODが良好に低減される。なお、経済性の観点から、pHは好ましくは10以下である。
本発明のポリマーのアルカリ溶液の形態は、基本的に溶液状である。また、非使用時(保管時等)には、当該アルカリ溶液から水分を蒸発させた固形型としておき、添加する前に水等の溶媒に溶解して溶液状にしてもよい。
本発明のポリマーのアルカリ溶液の濃度は、ハンドリング上濃い方がよく、好ましくは0.1質量%以上であり、より好ましくは1質量%以上である。また、2種以上の本発明のポリマーのアルカリ溶液を、フォトリソグラフィー工程排水に添加してもよい。
本発明のポリマーのアルカリ溶液をフォトリソグラフィー工程排水に添加する形態も特に限定されず、フォトリソグラフィー工程排水と本発明のポリマーのアルカリ溶液とが接触して、フォトリソグラフィー工程排水中の濁質(SS)、すなわち感光性樹脂成分や顔料等に吸着してフロックを形成し、また排水中に溶解するノニオン性界面活性剤に吸着するように添加すればよい。
また、本発明のポリマーのアルカリ溶液をフォトリソグラフィー工程排水に添加する量に特に制限は無いが、フォトリソグラフィー工程排水に対し本発明のポリマーを純分として、好ましくは100〜1500mg/L、より好ましくは150〜1000mg/L、更に好ましくは200〜800mg/Lとなるように添加するのが効果的である。なお、この添加量は、主にフォトリソグラフィー工程排水の水質に依るものであり、主に濁質の原因である顔料の濃度及びノニオン界面活性剤濃度に依存する。したがって、被処理水であるフォトリソグラフィー工程排水の有機物濃度もしくはCOD値に応じて、添加濃度を調整すればよい。
本発明のポリマーのアルカリ溶液をフォトリソグラフィー工程排水に添加することにより、フォトリソグラフィー工程排水に含まれる感光性樹脂成分、顔料、ノニオン界面活性剤等と強い吸着物を形成することができる。これにより、簡便な方法で、フォトリソグラフィー工程排水を十分処理することができ、清澄な処理水が得られる。特に本発明のポリマーが、排水中に含まれるノニオン界面活性剤に吸着し、析出する性質を有するため、排水の清澄化だけでなく、COD、n−ヘキサン抽出物濃度、及びBODを低減することができる。
<ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体のアルカリ溶液の作用機構>
本発明のポリマーのアルカリ溶液を用いることにより、十分な処理効果を得ることができる作用機構を、カラーフィルターを製造する際に現像工程や基板の洗浄工程で生じる排水を例に、以下に説明する。
本発明のポリマーのアルカリ溶液を用いることにより、十分な処理効果を得ることができる作用機構を、カラーフィルターを製造する際に現像工程や基板の洗浄工程で生じる排水を例に、以下に説明する。
カラーフィルターを製造するためのフォトレジストには、上述したように、感光性樹脂成分、顔料及びアニオン性の分散剤ポリマーが含有されており、アニオン性の分散剤ポリマーによってアニオン性を帯びた顔料微粒子が安定に存在している。また、現像液には水酸化カリウムや水酸化ナトリウム等のアルカリ成分及びノニオン性界面活性剤が含有されている。そして、カラーフィルターを製造するためのフォトレジストは一般的にネガ型であるので、現像工程や、基板の洗浄工程等で生じる排水(フォトリソグラフィー工程排水)には、未露光のフォトレジストと現像液が含有されている。したがって、フォトレジストに含有されている上記アニオン性の分散剤ポリマーによってアニオン性を帯びた顔料微粒子は、現像液に含まれるノニオン性界面活性剤によって顔料表面のアニオン性の電荷がシールドされ、アニオン性が弱められる。
このように、フォトレジストと現像液とを含有するフォトリソグラフィー工程排水は、顔料微粒子のアニオン性が弱められるため、ゼータ電位が零に近く、疎水性官能基を有さないカチオン性有機高分子凝集剤を添加しても、濁質となる顔料微粒子に吸着できず、顔料を含んだ大きなフロックを形成することができない。しかしながら、本発明のポリマーをフォトリソグラフィー工程排水に添加することにより、ゼータ電位が零に近くアニオン性が非常に小さい顔料微粒子に対して解離していないフェノール性水酸基が水素結合することができるため、これらを吸着することができる。また、本発明のフェノール性水酸基は、現像液中の界面活性剤に吸着し、析出分離させる作用を有するため、フォトリソグラフィー排水を良好に凝集させ、さらに界面活性剤由来の溶解性CODやn−ヘキサン抽出物濃度、BODを下げることができ、良好な処理水を得ることができる。
[任意成分]
<無機凝集剤>
また、フォトリソグラフィー工程排水に無機凝集剤を添加してもよい。無機凝集剤を添加することにより、微小な濁質や水溶性の濁質の除去が可能となるため、得られる処理水をより清澄にすることができる。また、無機凝集剤を添加することにより、上記本発明のポリマーと無機凝集剤との相互作用により、本発明のポリマー単独で使用する場合よりも強固なフロックを形成することができる。なお、無機凝集剤の添加は、後述する固液分離処理の前であればよく、本発明のポリマーをフォトリソグラフィー工程排水に添加する前でも後でもよく、また、本発明のポリマーと同時に添加してもよい。
無機凝集剤に特に限定はなく、例えば、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム(PAC)等のアルミニウム塩、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、ポリ硫酸第二鉄等の鉄塩などが挙げられる。
<無機凝集剤>
また、フォトリソグラフィー工程排水に無機凝集剤を添加してもよい。無機凝集剤を添加することにより、微小な濁質や水溶性の濁質の除去が可能となるため、得られる処理水をより清澄にすることができる。また、無機凝集剤を添加することにより、上記本発明のポリマーと無機凝集剤との相互作用により、本発明のポリマー単独で使用する場合よりも強固なフロックを形成することができる。なお、無機凝集剤の添加は、後述する固液分離処理の前であればよく、本発明のポリマーをフォトリソグラフィー工程排水に添加する前でも後でもよく、また、本発明のポリマーと同時に添加してもよい。
無機凝集剤に特に限定はなく、例えば、硫酸バンド、ポリ塩化アルミニウム(PAC)等のアルミニウム塩、塩化第二鉄、硫酸第一鉄、ポリ硫酸第二鉄等の鉄塩などが挙げられる。
また、無機凝集剤の添加量にも特に限定はなく、フォトリソグラフィー工程排水の性状に応じて調整すればよいが、フォトリソグラフィー工程排水に対して概ねアルミニウム又は鉄換算で1〜5000mg/Lである。
ここで、通常、排水処理方法においては無機凝集剤を多量に使用する場合が多いが、本発明においては、前述の通り、本発明のポリマーはノニオン界面活性剤に対する析出作用を有しているため、感光性樹脂成分や顔料等の凝集効果に優れているので、無機凝集剤の添加量を低減することができる。
ここで、通常、排水処理方法においては無機凝集剤を多量に使用する場合が多いが、本発明においては、前述の通り、本発明のポリマーはノニオン界面活性剤に対する析出作用を有しているため、感光性樹脂成分や顔料等の凝集効果に優れているので、無機凝集剤の添加量を低減することができる。
<アニオン性有機高分子凝集剤及びノニオン性有機高分子凝集剤>
また、フォトリソグラフィー工程排水にアニオン性有機高分子凝集剤やノニオン性有機高分子凝集剤を添加してもよい。アニオン性有機高分子凝集剤やノニオン性有機高分子凝集剤を、本発明のポリマー、必要に応じて無機凝集剤と併用することにより、凝集フロックが大きくなるため、得られる処理水をより清澄にすることができる場合が多い。なお、アニオン性有機高分子凝集剤やノニオン性有機高分子凝集剤の添加は、本発明のポリマーをフォトリソグラフィー工程排水に添加する後で且つ後述する固液分離処理の前がよい。
アニオン性有機高分子凝集剤やノニオン性有機高分子凝集剤に特に限定はなく、排水処理で通常使用されるアニオン性有機高分子凝集剤やノニオン性有機高分子凝集剤を用いることができる。アニオン性有機高分子凝集剤としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリルアミドの共重合物、及び、それらのアルカリ金属塩等が挙げられる。また、ノニオン性有機高分子凝集剤としては、ポリ(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
また、アニオン性有機高分子凝集剤やノニオン性有機高分子凝集剤の添加量にも特に限定はなく、フォトリソグラフィー工程排水の性状に応じて調整すればよいが、フォトリソグラフィー工程排水に対して、それぞれ概ね0.01〜10mg/Lである。
また、フォトリソグラフィー工程排水にアニオン性有機高分子凝集剤やノニオン性有機高分子凝集剤を添加してもよい。アニオン性有機高分子凝集剤やノニオン性有機高分子凝集剤を、本発明のポリマー、必要に応じて無機凝集剤と併用することにより、凝集フロックが大きくなるため、得られる処理水をより清澄にすることができる場合が多い。なお、アニオン性有機高分子凝集剤やノニオン性有機高分子凝集剤の添加は、本発明のポリマーをフォトリソグラフィー工程排水に添加する後で且つ後述する固液分離処理の前がよい。
アニオン性有機高分子凝集剤やノニオン性有機高分子凝集剤に特に限定はなく、排水処理で通常使用されるアニオン性有機高分子凝集剤やノニオン性有機高分子凝集剤を用いることができる。アニオン性有機高分子凝集剤としては、例えば、ポリ(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリル酸と(メタ)アクリルアミドの共重合物、及び、それらのアルカリ金属塩等が挙げられる。また、ノニオン性有機高分子凝集剤としては、ポリ(メタ)アクリルアミド等が挙げられる。
また、アニオン性有機高分子凝集剤やノニオン性有機高分子凝集剤の添加量にも特に限定はなく、フォトリソグラフィー工程排水の性状に応じて調整すればよいが、フォトリソグラフィー工程排水に対して、それぞれ概ね0.01〜10mg/Lである。
<その他の成分>
さらに、必要に応じて、殺菌剤、消臭剤、消泡剤、防食剤なども任意に併用してもよい。
さらに、必要に応じて、殺菌剤、消臭剤、消泡剤、防食剤なども任意に併用してもよい。
[本発明のフォトリソグラフィー工程排水の処理方法]
本発明のフォトリソグラフィー工程排水の処理方法は、フォトリソグラフィー工程排水に、ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体(本発明のポリマー)のアルカリ溶液、並びに必要に応じて前述した任意成分を添加し、必要に応じて撹拌する。この添加処理により、フォトリソグラフィー工程排水に含まれる感光性樹脂成分や顔料等の濁質が凝集し、フロックが形成する。
本発明のフォトリソグラフィー工程排水の処理方法は、フォトリソグラフィー工程排水に、ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体(本発明のポリマー)のアルカリ溶液、並びに必要に応じて前述した任意成分を添加し、必要に応じて撹拌する。この添加処理により、フォトリソグラフィー工程排水に含まれる感光性樹脂成分や顔料等の濁質が凝集し、フロックが形成する。
なお、アルカリ溶液中に溶解しているポリマーを析出させる観点から、アルカリ溶液の添加後におけるフォトリソグラフィー工程排水のpHを調整してもよい。この場合、pHを4〜8に調整するのが好ましく、4〜7に調整するのがより好ましく、4〜6に調整するのがさらに好ましい。
このpHの調整は、アルカリ溶液の添加後のフォトリソグラフィー工程排水に対して、酸又はアルカリを添加することにより行うことが好ましい。また、予めアルカリ溶液の添加前のフォトリソグラフィー工程排水のpHを調整することにより、アルカリ溶液の添加後のフォトリソグラフィー工程排水のpHが上記範囲内になるようにしてもよい。
pH調整用の酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、りん酸等の無機酸、ギ酸や酢酸等の有機酸が挙げられるが、中でも硫酸、塩酸等の無機酸が好ましい。
pH調整用のアルカリとしては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アンモニアなどが挙げられるが、中でも水酸化ナトリウム及び水酸化カルシウムが好ましい。
このpHの調整は、アルカリ溶液の添加後のフォトリソグラフィー工程排水に対して、酸又はアルカリを添加することにより行うことが好ましい。また、予めアルカリ溶液の添加前のフォトリソグラフィー工程排水のpHを調整することにより、アルカリ溶液の添加後のフォトリソグラフィー工程排水のpHが上記範囲内になるようにしてもよい。
pH調整用の酸としては、硫酸、塩酸、硝酸、りん酸等の無機酸、ギ酸や酢酸等の有機酸が挙げられるが、中でも硫酸、塩酸等の無機酸が好ましい。
pH調整用のアルカリとしては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、アンモニアなどが挙げられるが、中でも水酸化ナトリウム及び水酸化カルシウムが好ましい。
[後処理方法]
次いで、生成した凝集フロックを被処理水から除去する固液分離処理を行うことが好ましい。
固液分離処理としては、凝集沈殿処理、加圧浮上処理、濾過処理等が挙げられる。
沈殿処理及び加圧浮上処理においては、本発明ポリマーをフォトリソグラフィー工程排水に添加する時に、カセイソーダ、消石灰や硫酸などでpH調整を行い、最後に有機系高分子凝集剤にて懸濁物をフロック化させて除去する。
濾過処理においては、前述の沈降処理および加圧浮上処理と同様に、懸濁物をフロック化させた液をそのまま濾過してもよいが、濾材の詰まりを防ぐために、沈殿処理及び加圧浮上処理後の処理水を用いてもよい。
このような凝集沈殿処理、加圧浮上処理、濾過処理等の固液分離処理により、清澄で溶解性有機物の少ない処理水が得られるが、凝集沈殿処理や加圧浮上処理、濾過処理等の固液分離処理の後段に、通常の排水処理で用いられる精密濾過膜、限外濾過膜や、逆浸透膜(RO膜)等による膜分離処理を行ってもよい。また、イオン交換処理等の脱イオン処理、活性炭処理や、脱炭酸処理等、被処理水の精製処理をさらに行ってもよい。そして、必要に応じて、紫外線照射、オゾン処理、生物処理なども行ってもよい。
次いで、生成した凝集フロックを被処理水から除去する固液分離処理を行うことが好ましい。
固液分離処理としては、凝集沈殿処理、加圧浮上処理、濾過処理等が挙げられる。
沈殿処理及び加圧浮上処理においては、本発明ポリマーをフォトリソグラフィー工程排水に添加する時に、カセイソーダ、消石灰や硫酸などでpH調整を行い、最後に有機系高分子凝集剤にて懸濁物をフロック化させて除去する。
濾過処理においては、前述の沈降処理および加圧浮上処理と同様に、懸濁物をフロック化させた液をそのまま濾過してもよいが、濾材の詰まりを防ぐために、沈殿処理及び加圧浮上処理後の処理水を用いてもよい。
このような凝集沈殿処理、加圧浮上処理、濾過処理等の固液分離処理により、清澄で溶解性有機物の少ない処理水が得られるが、凝集沈殿処理や加圧浮上処理、濾過処理等の固液分離処理の後段に、通常の排水処理で用いられる精密濾過膜、限外濾過膜や、逆浸透膜(RO膜)等による膜分離処理を行ってもよい。また、イオン交換処理等の脱イオン処理、活性炭処理や、脱炭酸処理等、被処理水の精製処理をさらに行ってもよい。そして、必要に応じて、紫外線照射、オゾン処理、生物処理なども行ってもよい。
以下、実施例及び比較例に基づいてさらに詳述するが、本発明はこの実施例により何ら限定されるものではない。
(試験したポリマー類)
実施例に用いた本発明のポリマー(T1〜T3)及び比較例に用いたポリマー(C1〜C4)の一覧を表1に示す。比較例に用いたポリマーは、ノボラック樹脂(C1)、フェノール性以外の水酸基を有するポリマー(C2)、及び一般的に用いられる有機系ポリマー(C3,C4)である。
(試験したポリマー類)
実施例に用いた本発明のポリマー(T1〜T3)及び比較例に用いたポリマー(C1〜C4)の一覧を表1に示す。比較例に用いたポリマーは、ノボラック樹脂(C1)、フェノール性以外の水酸基を有するポリマー(C2)、及び一般的に用いられる有機系ポリマー(C3,C4)である。
(実施例1)
被処理水(原水)として、カラーフィルターを製造する際の現像工程で生じた排水(フォトリソグラフィー工程排水)を用いた。具体的には、RGB(赤緑青)三原色を形成する顔料、シナジスト、アニオン性の分散剤ポリマー、メタクリル酸系ポリマー、光重合性モノマー、光重合開始剤、ノニオン性界面活性剤及び水酸化カリウムを含有するフォトリソグラフィー工程排水(外観:濃茶色〜濃緑色、pH11.5、導電率:487mS/m、TOC(全有機炭素):430mg/L、濁度:255度、Na濃度:2.5mg/L、K濃度:488mg/L、Fe濃度:2.8mg/L、Ni濃度:0.8mg/L、Cu濃度::5.3mg/L)を被処理水とした。
被処理水(原水)として、カラーフィルターを製造する際の現像工程で生じた排水(フォトリソグラフィー工程排水)を用いた。具体的には、RGB(赤緑青)三原色を形成する顔料、シナジスト、アニオン性の分散剤ポリマー、メタクリル酸系ポリマー、光重合性モノマー、光重合開始剤、ノニオン性界面活性剤及び水酸化カリウムを含有するフォトリソグラフィー工程排水(外観:濃茶色〜濃緑色、pH11.5、導電率:487mS/m、TOC(全有機炭素):430mg/L、濁度:255度、Na濃度:2.5mg/L、K濃度:488mg/L、Fe濃度:2.8mg/L、Ni濃度:0.8mg/L、Cu濃度::5.3mg/L)を被処理水とした。
この被処理水を500mL入れた500mLビーカーを3つジャーテスターに置き、酸として5%硫酸水溶液又はアルカリとして5%水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを5に調整した(第1回pH調整)。次に、本発明のポリマーのアルカリ溶液としてT1純分の5質量%水溶液(pH9)を、3つのジャースターに各々2.5ml、5.0ml、及び7.5ml、すなわちT1純分の添加濃度で各々250mg/l、500mg/l、及び750mg/l添加し、150rpmにて1分間撹拌した。次にポリ硫酸第二鉄の市販品(鉄として11質量%、20℃での比重が1.45)を1000mg/l添加し、NaOHにてpHを5に調整し(第2回pH調整)、150rpmにて1分間撹拌した。
次いで、アニオン性有機高分子凝集剤として栗田工業(株)製クリフロックPA331(アクリル酸ナトリウムとアクリルアミドとの共重合体)をフォトリソグラフィー工程排水に対して4g/mL添加し、150rpmで1分間、その後50rpmで3分間撹拌した。このアニオン性有機高分子凝集剤を添加した後の撹拌中に、目視によりフロック径を求めた。その後3分間静置し、上澄み液の濁度、及びCODCr(ニクロム酸カリウムによるCOD)を測定した。結果を表2に示す。
(実施例2)
本発明のポリマーとしてT2を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表2に示す。
(実施例3)
本発明のポリマーとしてT3を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表2に示す。
(実施例4)
凝集pH(第1回pH調整及び第2回pH調整におけるpH)を7とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表2に示す。
(実施例5)
ポリ硫酸第二鉄を用いなかった以外は、実施例2と同様の操作を行った。結果を表2に示す。
本発明のポリマーとしてT2を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表2に示す。
(実施例3)
本発明のポリマーとしてT3を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表2に示す。
(実施例4)
凝集pH(第1回pH調整及び第2回pH調整におけるpH)を7とした以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表2に示す。
(実施例5)
ポリ硫酸第二鉄を用いなかった以外は、実施例2と同様の操作を行った。結果を表2に示す。
(比較例1)
比較ポリマーとしてC1を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
(比較例2)
比較ポリマーとしてC2を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
(比較例3)
比較ポリマーとしてC3を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
(比較例4)
比較ポリマーとしてC4を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
(比較例5)
本発明のポリマーを用いず、ポリ硫酸第二鉄とアニオン性高分子凝集剤のみで処理を行った以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
比較ポリマーとしてC1を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
(比較例2)
比較ポリマーとしてC2を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
(比較例3)
比較ポリマーとしてC3を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
(比較例4)
比較ポリマーとしてC4を用いた以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
(比較例5)
本発明のポリマーを用いず、ポリ硫酸第二鉄とアニオン性高分子凝集剤のみで処理を行った以外は、実施例1と同様の操作を行った。結果を表3に示す。
Claims (4)
- フォトリソグラフィー工程排水に、ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体のアルカリ溶液を添加することを特徴とするフォトリソグラフィー工程排水の処理方法。
- 前記フォトリソグラフィー工程排水に、前記ポリビニルフェノール及び/又はその誘導体のアルカリ溶液と無機凝集剤とを添加することを特徴とする請求項1に記載のフォトリソグラフィー工程排水の処理方法。
- 前記アルカリ溶液の添加後のフォトリソグラフィー工程排水のpHを、4〜8に調整することを特徴とする請求項1又は2に記載のフォトリソグラフィー工程排水の処理方法。
- 前記フォトリソグラフィー工程排水に、更にアニオン性有機高分子凝集剤を添加することを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のフォトリソグラフィー工程排水の処理方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2012007393A JP2013146656A (ja) | 2012-01-17 | 2012-01-17 | フォトリソグラフィー工程排水の処理方法 |
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