JP2013136820A - 疲労特性に優れる耐摩耗性鋼材およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】耐摩耗性および疲労特性に優れる高強度鋼材を提供する。
【解決手段】質量%で、C:0.30〜0.90%、Si:0.05〜1.00%以下、Mn:0.10〜1.50%、P:0.003〜0.030%、S:0.001〜0.020%、Nb:0.10〜0.70%を含有し、必要に応じてさらに、Cr:1.50%以下、Mo:0.50%以下、V:0.50%以下、Ni:2.00%以下、Ti:0.10%以下、B:0.0050%以下の1種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学組成を有し、Nb含有炭化物が分散した調質熱処理後の金属組織を有し、粒径1.0μm以上のNb含有炭化物粒子の数が200個/mm2以上、かつ極値統計法により推定される103mm3中のNb含有炭化物粒子の最大粒径Dmaxが18.0μm以下に調整されている極疲労特性に優れる耐摩耗性鋼材。
【選択図】なし

Description

本発明は、硬質炭化物を分散させた耐摩耗性鋼材において、特に疲労特性の改善を図った鋼材、およびその製造方法に関する。
自動車部品、産業機械のチェーン部品、歯車などの動力伝達部材や、木材の切断・草刈等に使用する丸鋸、帯鋸などの刃物部材には、耐摩耗性が要求される。一般に鋼材の耐摩耗性は、高硬度化することによって向上する。そのため、耐摩耗性を重視する部材には、焼入れ後に低めの温度で焼戻しを行ってより高い硬度に調質した鋼材や、炭素等の合金元素含有量の高い鋼材が使用されている。すなわち、鋼材の硬さと耐摩耗性は密接な関係にあり、従来、鋼材に耐摩耗性を付与する手法としては硬さを増大させる手法を採用することが一般的である。
例えば特許文献1〜3には、C含有量が概ね0.2%以下の鋼において、合金元素の含有量を高めに設定し、固溶強化、析出強化等を利用して硬度を高めることによって耐摩耗性を向上させることが記載されている。しかし、昨今では耐摩耗性の要求レベルは従来にも増して厳しくなっており、単に硬度を高めただけでは十分満足できる耐摩耗性が得られない場合が多くなってきた。また特許文献1〜3のように合金元素の含有量を高めると、結果的に素材の製造性や加工性が低下し、製造コストが増大するという問題もある。
一方、動力伝達部材や刃物部材は、安全上、使用中に折損しないことが重要である。折損を防止するためには部材に用いる鋼材の靱性を十分に確保する必要がある。一般に鋼材の靱性を向上させるには、調質硬さを低く抑えることが有効であるとされる。しかしながら、調質硬さを抑制すると、同時に耐摩耗性も低下してしまうのが通常である。すなわち、鋼材において「耐摩耗性」と「靱性」はトレードオフの関係にある。
本出願人は耐摩耗性と靱性を両立させる技術を種々検討し、実用的な手法を特許文献4に開示した。その手法は靱性低下の要因となるTi系炭化物に頼らずにNb含有炭化物の分散を利用して耐摩耗性を向上させるものである。Nb含有鋼を鋳造する際、鋳片の高温保持時間を十分に長く確保することによって予め十分な量のNb含有炭化物を過剰に析出させておき、その後の熱処理によってNb含有炭化物の一部を再固溶させてNb含有炭化物の析出量を調整する。これにより靱性を維持しながら特にアブレシブ摩耗に対する抵抗力を増大させることができ、高強度機械部品の長寿命化に有効となる。アブレシブ摩耗は、相手摩擦面の表面凹凸や摩擦面に介在する異物によって材料表面が削り取られる摩耗形態である。
特開昭62−142726号公報 特開昭63−169359号公報 特開平1−142023号公報 特開2010−216008号公報
村上敬宜著「金属疲労 微小欠陥と介在物の影響」、養賢堂、1993年発行、第A3章「一定体積に含まれる最大介在物の√areamaxの推定手順」
上述のように動力伝達部材や刃物部材をはじめとする高強度鋼材の寿命に大きく影響する要因として「耐摩耗性」と「靱性」が挙げられ、特許文献4の技術によりこれらの要因による寿命低下は大幅に改善された。「耐摩耗性」と「靱性」が改善された高強度鋼材の寿命を更に向上させるためには、「金属疲労」についても考慮することが有効となる。特許文献4の技術では金属疲労に関しては十分な対策がとられておらず、寿命向上の余地が残されている。
発明者らの調査によれば、特許文献4の技術を利用してNb含有炭化物を分散させた鋼材において、疲労特性が若干低下するケースが見られた。その原因を詳細に調査したところ、鋳造時にNb含有炭化物を過剰に生成させておく手法を採用したことによって、粗大なNb含有炭化物の再固溶が不十分となり、そのNb含有炭化物が疲労破壊の起点として作用しうることがわかった。
本発明はNb含有炭化物を利用して耐摩耗性を付与する技術において、疲労特性をも安定的に改善する手法を提供しようというものである。
発明者らはNbを含有する高強度鋼材について、耐摩耗性および疲労特性に及ぼすNb含有炭化物の粒径の影響を詳細に検討してきた。その結果、Nb含有炭化物のうち特に粒径の大きい粒子が疲労特性に悪影響を及ぼすことがわかった。そして、500〜650HVレベルの硬さに調質された高強度鋼材においては、後述する最大粒径Dmaxが18.0μm以下となるように過大なNb含有炭化物粒子を排除することによって、疲労特性が顕著に改善されることが確認された。一方、耐摩耗性に関しては適度な粒径を有するNb含有炭化物の分散によって特許文献4の技術と同様に満足できるレベルを維持することができる。また、そのような金属組織状態は、鋳造時の冷却速度と、鋳片加熱処理時の加熱温度を厳密にコントロールすることによって実現可能であることがわかった。本発明はこのような知見に基づいて完成したものである。
すなわち上記目的は、質量%で、C:0.30〜0.90%、Si:0.05〜1.00%以下、Mn:0.10〜1.50%、P:0.003〜0.030%、S:0.001〜0.020%、Nb:0.10〜0.70%を含有し、必要に応じてさらに、Cr:1.50%以下、Mo:0.50%以下、V:0.50%以下、Ni:2.00%以下、Ti:0.10%以下、B:0.0050%以下の1種以上を含有し、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学組成を有し、Nb含有炭化物が分散した調質熱処理後の金属組織を有し、断面組織観察により観測される個々のNb含有炭化物粒子の面積の二乗平方根をその粒子の粒径と定義するとき、粒径1.0μm以上のNb含有炭化物粒子の数が200個/mm2以上、かつ極値統計法により推定される103mm3中のNb含有炭化物粒子の最大粒径Dmaxが18.0μm以下に調整されている疲労特性に優れる耐摩耗性鋼材によって達成される。
上記最大粒径Dmaxは、非特許文献1に記載の「介在物」を「Nb含有炭化物」に置き換えて統計処理を実施することにより定めることができる。調質熱処理はオーステナイト温度域からA1変態点未満の温度域に急冷する過程を含む変態処理によって金属組織を硬質化する処理であり、代表的には焼入れ焼戻し処理、およびオーステンパー処理を挙げることができる。
上記の疲労特性に優れる高強度鋼材を得る手法として、鋳造および鋳片加熱処理を終えた鋼材から最終的に調質熱処理が施された耐摩耗性鋼材を得るに際し、下記(1)式により定まるG値が0.53以上となるように鋼中のC含有量およびNb含有量に応じて鋳片加熱処理での加熱温度T(℃)を設定し、かつ鋳造時の鋳片中心部における1500℃から1000℃までの平均冷却速度(℃/min)が前記G値以上となるように鋳造条件をコントロールする手法を採用することができる。
G値=0.39exp(3.94x) …(1)
ここで、
x=Nb−10y/C
y=3.42−7900/(T+273)
Cは鋼中のC含有量(質量%)、Nbは鋼中のNb含有量(質量%)、Tは鋳片加熱処理での加熱温度(℃)である。
本明細書でいう「鋳片」には造塊法におけるインゴットや、連続鋳造におけるスラブが含まれる。「鋳片加熱処理」は、例えば連続鋳造および熱間圧延を経て板材を製造する工程においては、熱間圧延時の加熱を利用して行うことができる。
本発明によれば、Nb含有炭化物によって耐摩耗性を付与した高強度鋼材(特に500〜650HVレベルの硬さに調質されたもの)において、疲労特性が顕著に改善される。耐摩耗性の付与を靱性阻害要因となりやすいTi系炭化物に頼らないので、靱性低下による鋼材の折損も抑制される。したがって本発明は、自動車部品、産業機械のチェーン部品、歯車などの動力伝達部材や、丸鋸、帯鋸などの刃物部材の信頼性向上および寿命向上に寄与するものである。
溶鋼が凝固する際の冷却速度をコントロールすることができる実験装置の構成を模式的に示した図。 疲労試験片の形状を模式的に示した図。
〔化学組成〕
本明細書において、鋼の成分元素に関する「%」は特に断らない限り「質量%」を意味する。
Cは、調質硬さや強度、耐摩耗性を確保するために重要な元素であり、本発明では0.30%以上のC含有量の鋼を対象とする。0.32%以上、あるいは更に0.45%を超えるC含有量を確保することがより望ましい。ただしC含有量が多くなると鋳造工程で粗大な鉄系共晶炭化物(セメンタイト)が生成しやすくなり、疲労特性等の材料特性を低下させる要因となる。C含有量は0.90%以下に制限され、0.85%以下とすることがより好ましい。
Siは、溶鋼の脱酸に有効であり、また焼戻し軟化抵抗を高める作用がある。これらの作用を十分に発揮させるために0.05%以上のSi含有量を確保する。ただし過剰のSi含有は熱延板、冷延板を硬質にし製造性を阻害する要因となるので、Si含有量は1.00%以下の範囲とする。
Mnは、焼入れ性を向上させる元素であり、その作用を得るために0.10%以上の含有量を確保する。ただしMn含有が多くなると熱延板、冷延板が硬質になり、製造性が低下するので、Mn含有量は1.50%以下に制限される。
Pは、焼入れ時にオーステナイト粒界に偏析して粒界強度を低下させ、疲労特性や靱性を低下させる要因となるので、P含有量は0.030%以下に制限される。ただし過剰な脱Pは製鋼の負担を増大させるので、P含有量は0.003%以上の範囲で調整すればよい。
Sは、鋼中で衝撃破壊や疲労破壊の起点となるMnSを形成し、疲労特性や靱性を低下させる要因となるので、S含有量は0.020%以下に制限される。ただし過剰な脱Sは製鋼の負担を増大させるので、S含有量は0.001%以上の範囲で調整すればよい。
Nbは、鋳造後の冷却過程で鋼中に非常に硬質なNb含有炭化物として析出し、耐摩耗性、特に耐アブレシブ摩耗性の向上に寄与する。また、固溶Nbは焼入れ時の結晶粒を微細化させ、靱性の向上に寄与する。これらの作用を十分に引き出すためには0.10%以上のNb含有量を確保する必要があり、0.20%以上とすることがより好ましい。一方、Nb含有量が増大すると、析出するNb含有炭化物が粗大化しやすくなり、過大なNb含有炭化物粒子を排除した所望の金属組織状態が実現できなくなる場合がある。そうなると疲労特性の改善が達成できない。種々検討の結果、Nb含有量は0.70%以下とすることが望まれる。0.60%以下、あるいは0.50%以下に管理してもよい。
Crは、Mnと同様に焼入れ性の向上に有効である。また、焼鈍時における炭化物の粗大化を抑制する作用を有し、衝撃値(靭性)の改善に有効である。このため必要に応じてCrを含有させることができる。上記各作用を十分に発揮させるためには0.10%以上のCr含有量を確保することがより効果的である。ただし多量のCrを添加すると未溶解炭化物の生成量が増大し、靱性が著しく低下することがあるので、Crを添加する場合は1.50%以下の範囲で行う。
MoおよびVは、いずれも靱性の向上に有効な元素であり、必要に応じて添加することができる。Moの場合は0.10%以上、Vの場合も0.10%以上の含有量を確保することがより効果的である。ただしMo、Vは高価な元素であり過剰添加はコスト増を招く。Mo、Vの1種または2種を添加する場合は、Mo、Vとも0.50%以下の含有量範囲とする。
Niは、焼入れ性の向上に有効であり、必要に応じて添加することができる。その場合、0.10%以上のNi含有量を確保することがより効果的である。ただしNiの過剰添加はコスト増大要因となるので、Niを添加する場合は2.00%以下の範囲で行う。
Tiは、Nbと同様、鋳造後の鋼中に非常に硬質なTi含有炭化物を形成し、耐摩耗性の向上に寄与するとともに、鋳造後に再固溶させたTiは焼入れ時の結晶粒を微細化させ、靱性の向上に寄与する。またTiはNとの結合力が強いため、Bを添加した場合にBNの生成を防止し、Bの焼入れ性向上作用を引き出す上で有利となる。このため本発明では必要に応じてTiを添加することができる。上記の各作用を十分に得るためには0.01%以上のTi含有量を確保することがより効果的である。しかしながら、発明者らの検討によれば、Ti含有炭化物が鋼材中に多量に存在した場合には、靱性低下を招きやすいことがわかった。種々検討の結果、Tiを添加する場合は0.10%以下の範囲で行うことが重要である。
Bは、焼入れ性の向上に有効な元素であり、必要に応じて添加することができる。焼入れ性向上作用を十分に発揮させるためには0.0005%以上のB含有量を確保することがより効果的である。ただし、その作用は概ね0.0050%で飽和するので、Bを添加する場合は0.0050%以下の範囲で行う。
〔金属組織〕
本発明では耐摩耗性を顕著に向上させるためにNb含有炭化物を利用する。本明細書でいうNb含有炭化物はNbCを主成分とする炭化物である。この種の炭化物は非常に硬質であり、適度な大きさのNb含有炭化物がマトリクス中に分散していることによって耐摩耗性(特に耐アブレシブ摩耗性)が顕著に向上する。鋼中に観察される析出粒子がNb含有炭化物に該当するかどうかは、EDX等による微視的分析によって確かめることができる。Tiを添加した場合はNbとTiを含有する複合炭化物となる場合もありうると考えられるが、そのような複合炭化物もNb含有炭化物に該当する。
本出願人は特許文献4にて、調質熱処理後の金属組織において粒子径(円相当径)1μm以上のNb含有炭化物が200〜1000個/mm2の密度でマトリクス中に存在しているとき、耐摩耗性が顕著に向上し、かつ靱性を損なう弊害も回避されることを開示した。このような比較的大きいNb含有炭化物粒子を多量に分散させる手法として、鋳造時に粗大なNb含有炭化物粒子を析出させ、それを再固溶させる手法を採用した。しかし、この手法では過大なNb含有炭化物粒子が残存しやすく、それらが疲労破壊の起点として作用するために、疲労特性を安定して改善することが難しい。場合によっては疲労破壊によって材料の寿命が支配されることもあり、高強度材料の寿命向上のためには疲労特性の改善が課題となっていた。
上記の疲労破壊を防止するためには、その原因となる過大なNb含有炭化物粒子が残存しない組織状態とすればよい。そのためには、存在が許容されるNb含有炭化物の最大粒径を規定することが有効である。ところが、いくつかの観察視野において疲労破壊の起点になるであろうと考えられる粗大なNb含有炭化物が観測されなくても、疲労特性を十分に改善できないケースが多々あり、疲労特性を安定して改善することができる組織状態を定量的に規定することは容易でなかった。その原因として、観察視野以外のどこかに粗大なNb含有炭化物が少数でも存在していれば、それが疲労破壊の起点として作用することが考えられる。
発明者らは、詳細な検討の結果、極値統計法により推定される103mm3中のNb含有炭化物粒子の最大粒径Dmaxによって、500〜650HVレベルの硬さに調質された上記組成範囲の高強度鋼材における疲労特性改善の程度を精度良く判定することが可能であることを見出した。具体的には非特許文献1に記載の「介在物」を「Nb含有炭化物」に置き換えて統計処理を実施することにより、当該文献の√areamaxに対応する値として最大粒径Dmaxを定める。ここで、個々の粒子の粒径は、鋼材の断面組織を顕微鏡観察したときに観測される粒子の面積(投影面積)の二乗平方根の値を採用する。前記の粒径は顕微鏡観察画像をコンピュータにより解析することにより求めることができる。観察視野は100mm2、観察視野数は30以上とすればよい。
調質熱処理後の鋼材において、上記の方法で極値統計法により推定される103mm3中のNb含有炭化物粒子の最大粒径Dmax(以下、単に「最大粒径Dmax」という)が18.0μm以下に調整されているとき、耐摩耗性が要求される高強度部品の疲労破壊抑制の観点から十分な疲労特性(例えば600HV調質材では周波数:20Hz、応力比:−1の条件で107回まで破断しない試験片の割合が50%以上となる付与応力の最大値、すなわち疲労限が800N/mm2となる疲労特性)を安定して得ることができる。Dmaxは16.5μm以下であることがより好ましく、15.5μm以下であることがさらに好ましい。
一方、耐摩耗性を十分に確保するためには粒径が1μm程度以上に大きいNb含有炭化物が分散していることが有効となる。種々検討の結果、粒径1.0μm以上のNb含有炭化物粒子の数が200個/mm2以上である組織状態とすることによって優れた耐摩耗性が実現できる。本発明で規定する化学組成の鋼は、C含有量およびNb含有量に応じて鋳片加熱処理での加熱温度が高くなりすぎないように配慮することによって粒径1.0μm以上のNb含有炭化物粒子の数を上記のように調整することができる。
本発明に従う鋼材のマトリクス(鋼素地)は、焼入れ焼戻し処理材ではマルテンサイト組織またはマルテンサイト+フェライト組織、オーステンパー処理材ではベイナイト組織またはベイナイト+フェライト組織である。
〔製造工程〕
本発明に従う耐摩耗性鋼材は、鋳造、熱間加工、調質熱処理を経る工程で製造される。熱間加工としては、熱間圧延や熱間鍛造が挙げられる。熱延鋼板を素材として耐摩耗性部品を得る場合は例えば「鋳造→熱間圧延→仕上焼鈍→成形加工→調質熱処理」の工程、冷延鋼板を素材とする場合は例えば「鋳造→熱間圧延→焼鈍→冷間圧延→仕上焼鈍→成形加工→調質熱処理」の工程を採用することができる。以下、後者の場合を例に各工程について説明する。
〔鋳造〕
鋳造後の冷却過程を利用してNb含有炭化物を析出させる。その際、鋼中のC含有量、Nb含有量、および後工程で実施する鋳片加熱処理での加熱温度に応じて、鋳造時の冷却速度を厳密にコントロールすることが需要である。具体的には、鋳造時の鋳片中心部における1500℃から1000℃までの平均冷却速度(℃/min)が下記(1)式により定まるG値以上となるように鋳造条件をコントロールする。
G値=0.39exp(3.94x) …(1)
ここで、
x=Nb−10y/C
y=3.42−7900/(T+273)
Cは鋼中のC含有量(質量%)、Nbは鋼中のNb含有量(質量%)、Tは鋳片加熱処理での加熱温度(℃)である。
上記(1)式のG値は、C含有量、Nb含有量、および後工程で実施する鋳片加熱処理での鋳片の加熱温度に応じて定まる鋳造時の1500℃から1000℃までの平均冷却速度の許容下限値(℃/min)を表す指標である。鋳片中心部の平均冷却速度が遅いほどNb含有炭化物の粗大化が進行するが、鋳片中に過剰に粗大化したNb含有炭化物が存在すると後工程で実施する鋳片加熱処理において再固溶を図っても疲労破壊の起点となる過大なNb含有炭化物粒子が残存するようになる。鋼中のNb含有量、C含有量が多いほどNb含有炭化物は粗大化しやすいのでG値が高くなり、疲労特性を改善するために必要な鋳造時の冷却速度の許容下限は引き上げられる。一方、鋳片加熱処理時の加熱温度が高くなるほどNb含有炭化物の再固溶化が進行するので、鋳造時の冷却速度の許容下限は緩和される。ここで、xはC含有量が0.30〜0.90%の鋼において再固溶後に粒径1μm以上のNb含有炭化物が残存する程度を表す指標である。
〔鋳片加熱処理〕
鋳片加熱処理として、熱間圧延時に行う鋳片(代表的には連鋳スラブ)の加熱を利用して鋳片中に析出させたNb含有の一部を再固溶させることができる。熱間圧延時の鋳片加熱温度(鋳片中心部の最高到達温度)は一般的に1100〜1350℃の範囲であり、本発明でもその条件範囲において鋼材加熱温度Tを設定することができる。加熱保持時間(鋼材中心部が鋼材加熱温度−20℃以上となる時間)は30〜300minとすればよい。ただし、上記(1)式により定まるG値が0.53以上、より好ましくは0.55以上となるように鋼中のC含有量およびNb含有量に応じて鋳片加熱処理での加熱温度T(℃)を設定することが望まれる。G値が上記より小さくなるような加熱温度Tで鋳片を加熱すると、Nb含有炭化物の固溶化が過度に進行する場合があり、耐摩耗性を付与するうえで不利となる。したがって、適正なG値となるように鋳片加熱処理での加熱温度Tを設定し、そのG値に基づいて前述の鋳造条件をコントロールすることが重要である。
〔熱間圧延〕
熱延条件は例えば仕上圧延温度800〜900℃、巻取温度750℃以下とすることができる。
〔焼鈍・冷間圧延〕
必要に応じて熱延板焼鈍および冷間圧延を行い、目標板厚に調整する。熱延板の焼鈍は、例えば600℃以上Ac1点未満の温度域に10〜50h加熱保持する条件が採用できる。「焼鈍→冷間圧延」の工程を複数回行っても構わない。その場合、中間焼鈍も600℃以上Ac1点未満の温度域に加熱することが望ましい。
〔仕上焼鈍・成形加工〕
所定の板厚に調整された熱延鋼板または冷延鋼板に対して、仕上焼鈍を施し、軟質化された再結晶フェライト組織(焼鈍組織)を有する素材鋼板を得る。仕上焼鈍はAc1点未満の温度域で行う必要がある。再結晶化を促進させるために、600℃以上Ac1点未満の温度域に加熱することが望ましい。保持時間は8〜40hの範囲で最適条件を設定すればよい。前述の鋳片加熱処理を経ることによって調整された鋼材中のNb含有炭化物の分布状態は、この仕上焼鈍後もほぼ維持される。仕上焼鈍後には部品形状への成形加工が行われる。仕上焼鈍後の素材鋼板の断面硬さは概ね150〜250HVの範囲にあり、部品形状への成形加工が十分可能である。
〔調質熱処理〕
素材鋼板から部品形状に成形加工された部材は、焼入れ焼戻し、オーステンパー等の調質熱処理に供され、例えば500〜650HVに調質される。ただし、調質熱処理の溶体化温度はオーステナイト領域かつ1000℃以下の範囲とすることが望ましい。前記温度を超えると、既に調整されているNb含有炭化物の分布形態が崩れるおそれがある。調質熱処理条件は、溶体化の上限温度が過度に高くならないように配慮する以外は、一般的な手法に従えばよい。
以上のようにして、動力伝達部材や刃物部材に適する耐摩耗性および疲労特性を高いレベルで兼ね備えた高強度機械部品を得ることができる。
表1に示す化学組成の鋼を溶製し、それらの鋼のスラブから溶融・凝固実験用の30kgの鋼ブロックを切り出した。その鋼ブロックをるつぼ中で溶融させて溶鋼とし、凝固時の冷却速度を種々変えた条件で冷却させることにより、鋳造時の冷却速度がコントロールされた鋳片を模擬した凝固塊を得た。
Figure 2013136820
図1に、実験に用いた溶融・凝固装置の構成を模式的に示す。断熱材1で覆われた空間に設置された円筒るつぼ2の中で、ヒーター3の発熱によって鋼ブロックを溶融させ溶鋼4を得た。るつぼ2は耐火レンガ5を介して昇降可能なステージ6に載っている。溶鋼温度1700℃の状態から溶鋼4が収容されたるつぼ2をステージ6の下降によって水冷コイル7が配置された冷却ゾーンに移動させていき、溶鋼4を凝固させた。その際、るつぼ2の中心部に設置した熱電対8によって溶鋼4およびそれが凝固した凝固塊の温度をモニターし、1500℃から1000℃までの平均冷却速度が0.5〜20℃/minの所定値となるように、ステージ6の下降速度、ヒーター3からの発熱量、水冷コイル7による抜熱量を調整した。このようにして得られた凝固塊は、鋳造時の鋳片中心部の冷却速度がコントロールされた鋳片を模擬したものである。以下、この凝固塊を「模擬鋳片」と呼び、上記の平均冷却速度を「鋳造時の鋳片中心部における1500℃から1000℃までの平均冷却速度」とみなす。
〔供試材の作製〕
各模擬鋳片を素材に用いて「熱間圧延→焼鈍→冷間圧延→仕上焼鈍→調質熱処理」の工程により板厚1.5mm、調質硬さ600±15HVの供試材を得た。各工程での製造条件は以下のとおりである。
・熱間圧延; 模擬鋳片の加熱温度:1250〜1350℃(表2に記載)、加熱保持時間:60min、仕上圧延温度:850℃、巻取温度:550℃、熱延板板厚:3.5mm
・焼鈍; 690℃×15h、その後切削にて板厚3.0mmに調整
・冷間圧延; 元板厚:3.0mm、冷延板板厚:1.5mm
・仕上焼鈍; 670℃×15h
・調質熱処理; 820℃×15minの加熱処理後、60℃の油浴に焼入れ、その後、組成に応じて調質硬さ600HVを目標とする温度で30minの焼戻し
〔G値の算出〕
各供試材について、鋼中のC含有量、Nb含有量、模擬鋳片の加熱温度から前記(1)式によりG値を算出した。
〔組織観察〕
各供試材について光学顕微鏡で圧延方向と板厚方向に平行な断面(L断面)を観察することにより、極値統計法により推定される103mm3中のNb含有炭化物粒子の最大粒径Dmax(前述)を求めた。非特許文献1に記載の「介在物」を「Nb含有炭化物」に置き換えて統計処理を実施することにより、当該文献の√areamaxに対応する値を最大粒径Dmaxとした。測定条件は、以下のとおりである。
・測定装置; 光学顕微鏡(観察倍率:100〜1000倍)
・検査基準面積S0; 100mm2
・検査回数n; 30回
・予測体積V; 1000mm3
また、各供試材について、L断面を分析走査型電子顕微鏡により観察し、観察面積61×61μm2×20視野中に存在するNb含有炭化物粒子のうち、粒径1.0μm以上の炭化粒子の数をカウントし、1mm2あたりの数に換算した。粒径は粒子面積の二乗平方根の値(前述)であり、粒径1.0μm以上の粒子を画像処理によってピックアップした。
〔耐摩耗性試験〕
供試材から摩擦面が1辺1.5mmの正方形となる試験片を切り出し、ピンオンディスク型摩耗試験機により試験を行った。摩耗相手材は、塩浴処理によりフラットな鋼板表面上に形成したVC(バナジウムカーバイド)皮膜とした。この皮膜硬さは2400HV程度に相当する。試験片を試料ホルダに固定して、回転する摩耗相手材に試験片表面を試験荷重F=500Nで押し付けながら、摩擦速度1m/sec、摩擦距離L=3600mの条件で摩耗試験を行った。試験前後の試料板厚差から摩耗により消失した材料の体積を算出し、これを摩耗減量W(mm3)とした。そして、下記(2)式により比摩耗量C(mm3/Nm)を求めた。
比摩耗量C=摩耗減量W/(試験荷重F×摩擦距離L) …(2)
調質硬さ600HVの材料において、この比摩耗量Cが0.35×10-7mm3/Nm以下であれば、C含有量0.90%以下の鋼を用いた動力伝達部材や刃物部材に使用されている現用鋼と比べ非常に優れた耐摩耗性を有すると評価される。したがって、比摩耗量Cが0.35×10-7mm3/Nm以下であるものを合格(耐摩耗性;良好)と判定した。
〔疲労試験〕
供試材から図2に示す形状の疲労試験片(板厚1.5mm、長手方向が圧延方向に一致)を作製し、油圧サーボ式疲労試験機を用いて周波数:20Hz、応力比:−1の条件で、付与応力800N/mm2から1000N/mm2まで50N/mm2ピッチで各応力段階10本ずつ、計50本の試験を行い、繰返し数107回までに破壊しない試験片が過半数生じた最大の付与応力を、その供試材の疲労限と定めた。
結果を表2に示す。表2中の「鋳片冷却速度」は模擬鋳片の中心部における1500℃から1000℃までの平均冷却速度、「1.0μm以上の粒子数」は粒径1.0μm以上のNb含有炭化物の数を意味する。
Figure 2013136820
表2からわかるように、本発明例のものは、前述(1)式により定まるG値が0.53以上となるように鋳片加熱処理での加熱温度Tを設定し、かつ模擬鋳片の鋳片中心部における1500℃から1000℃までの平均冷却速度(℃/min)がG値以上となるように模擬鋳片の冷却速度をコントロールしたことにより、粒径1.0μm以上のNb含有炭化物の数を200個/mm2以上、かつ極値統計法により推定される103mm3中のNb含有炭化物粒子の最大粒径Dmaxを18.0μm以下に調整することができた。その結果、優れた耐摩耗性を有する調質熱処理材において、疲労特性が安定して改善された。
これに対し、比較例であるNo.1〜3は鋼のC含有量が過剰であるため鋳造時(模擬鋳片製造時)に鉄系の粗大な共晶炭化物が生じ、それが疲労破壊の起点となって疲労特性が低下した。No.4は鋼のC含有量が不足し、No.7は鋼のNb含有量が不足するため粒径1.0μm以上のNb含有炭化物の数が不足し、耐摩耗性に劣った。No.5、6は鋼のNb含有量が過剰であるため過大なNb炭化物が残存し、それが疲労破壊の起点となって疲労特性が低下した。No.8はNb無添加鋼であるため耐摩耗性に劣った。No.9、10は鋼のTi含有量が過剰であるため過大なTi含有炭化物が生成し、それが疲労破壊の起点となって疲労特性が低下した。No.44は鋳片加熱処理での加熱温度をG値が0.53未満となる温度に設定したため、当該加熱処理でNb含有炭化物の再固溶が過度に進行し、耐摩耗性の改善が不十分であった。上記以外の各比較例は本発明で規定する化学組成を有する鋼を採用したものであるが、鋳片冷却速度をG値未満としたことによりDmaxが18.0μmを超えた。これらは過大なNb含有炭化物が疲労破壊の起点として作用したことにより疲労特性は改善されなかった。
1 断熱材
2 るつぼ
3 ヒーター
4 溶鋼
5 耐火レンガ
6 ステージ
7 水冷コイル
8 熱電対

Claims (3)

  1. 質量%で、C:0.30〜0.90%、Si:0.05〜1.00%以下、Mn:0.10〜1.50%、P:0.003〜0.030%、S:0.001〜0.020%、Nb:0.10〜0.70%、残部Feおよび不可避的不純物からなる化学組成を有し、Nb含有炭化物が分散した調質熱処理後の金属組織を有し、断面組織観察により観測される個々のNb含有炭化物粒子の面積の二乗平方根をその粒子の粒径と定義するとき、粒径1.0μm以上のNb含有炭化物粒子の数が200個/mm2以上、かつ極値統計法により推定される103mm3中のNb含有炭化物粒子の最大粒径Dmaxが18.0μm以下に調整されている疲労特性に優れる耐摩耗性鋼材。
  2. さらに、Cr:1.50%以下、Mo:0.50%以下、V:0.50%以下、Ni:2.00%以下、Ti:0.10%以下、B:0.0050%以下の1種以上を含有する化学組成を有する請求項1に記載の疲労特性に優れる耐摩耗性鋼材。
  3. 鋳造および鋳片加熱処理を終えた鋼材から最終的に調質熱処理が施された耐摩耗性鋼材を得るに際し、下記(1)式により定まるG値が0.53以上となるように鋼中のC含有量およびNb含有量に応じて鋳片加熱処理での加熱温度T(℃)を設定し、かつ鋳造時の鋳片中心部における1500℃から1000℃までの平均冷却速度(℃/min)が前記G値以上となるように鋳造条件をコントロールする請求項1または2に記載の疲労特性に優れる耐摩耗性鋼材の製造方法。
    G値=0.39exp(3.94x) …(1)
    ここで、
    x=Nb−10y/C
    y=3.42−7900/(T+273)
    Cは鋼中のC含有量(質量%)、Nbは鋼中のNb含有量(質量%)、Tは鋳片加熱処理での加熱温度(℃)である。
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