JP2013129921A - パルプモールド容器の製造方法および製造されたパルプモールド容器 - Google Patents

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Abstract

【課題】容器の外面が平滑であり、耐水性、耐油性を有し、かつ美粧な印刷ができるパルプモールド容器の製造方法を提供することにある。
【解決手段】複数の吸引孔を有する抄型の形状に対応した網体を、該抄型に被覆し、該網体側からパルプスラリーを供給し、該抄型より吸引することで該網体上にパルプモールド中間体を形成させる抄造工程と、その後順次、脱水する脱水工程と、乾燥する乾燥工程と、熱プレスする熱プレス工程と、からなるパルプモールド容器の製造方法において、
前記抄型が、外側に凸形に形成され、前記パルプモールド中間体の内面が、前記網体の表面と接し形成されることを特徴とするパルプモールド容器の製造方法である。
【選択図】図6

Description

本発明は、食品容器に使用されるパルプモールド容器に関するものであり、該容器の外面に平滑性を付与させたパルプモールド容器の製造方法に関するものである。
従来、米飯、惣菜、生鮮食品、インスタント食品、菓子などの食品容器、および部品などの非食品容器として、ドンブリやトレーといった形状の容器が広く使用されている。これらの容器では、ポリプロピレン樹脂、スチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などからなるプラスチック容器が使用されている。また資源の再利用性から紙容器も使用されている。紙容器では、数枚のブランクから組み立てたカップ状、また一枚のブランクを深絞り成型してドンブリ状、一枚のブランクを折り畳んでトレー状、などにして使用されている。しかし紙材料は、延展性が無いために容器の自由性に限界があった。それを解消するために、パルプ材料を用いて三次元形状に成型するパルプモールド容器も使用されている。
パルプモールド容器を製造する方法は、従来から知られており、古紙パルプ、バージンパルプを原料に湿式法にて抄型上で吸引脱水し、中間体を形成し、該中間体を型から外して乾燥炉中で乾燥して製造され、例えば、鶏卵容器や、青果物、電気製品などの緩衝材として広く普及している。また米飯、惣菜、生鮮食品、インスタント食品、菓子などの容器に用いられているパルプモールド容器は、衛生性の面からバージンのパルプを材料とし、その製造方法から容器の内面のパルプ繊維の密度を高くし、かつ平滑性にして内容物の耐水性、耐油性を向上させている。
特に食品に使用するパルプモールド容器は、耐水性、耐油性、剛性が必要とされる。よって、これらの物性を向上させるべく製造方法がとられている。例えば、バージンのパルプを主材料として水を溶媒としてパルプスラリーを形成し、湿式法にて抄型上を網体で覆い、抄型上で吸引し、中間体を型から外して乾燥炉中で乾燥させた上で、係合しあう一対の雄雌型や割り型などのプレス型で加熱加圧して、乾燥炉中で生じた形状的な歪みを矯正するとともに、不規則な凹凸を平滑に修正して製造している。しかしその寸法精度や、表面精度は十分とは言えず、特に容器の内面には、耐水性、耐油性の向上が求められている。現在、容器の内面に耐水性、耐油性の耐久性が必要になれば、内面側にポリエチレンなどのフィルムを貼着して使用している。
しかし、容器の外面には、抄型上の網体の網面の跡が残り、表面が凹凸になっている部分がある。表面が凹凸では、例えば、印刷加工しても印刷美粧性に欠けたり、文字が一部欠けたりする問題や、外面に付着した異物や調味料などを拭き取っても、凹部に入り込み、拭き取れない問題などがある。特に内容物の充填時、充填後の製品の物流、陳列時などに、容器の外面に異物が付着したときには、拭き取っても十分に拭き取れず、場合によっては、不良品として、返品される場合がある。
これらの対策として、パルプモールド容器全体をシュリンクフィルムで包装し製品としたり、外面に耐水剤、耐油剤、ワックス、撥水剤などの薬剤を塗布し、拭き取り易くして対応している。
しかし、容器全体をシュリンクフィルムで包装することは、材料コスト、生産コストの増に繋がる問題がある。また薬剤を使用しても、凹部に入り込んだ異物は拭き取り難い問題がある。
このような問題を解決するために、パルプスラリーの抄造工程、脱水工程、乾燥工程後に重合硬化工程を入れてパルプモールド容器の表面のセルロース繊維を角質化し、硬化させる提案がある。含水率70〜90%のパルプモールド成型体を180〜220℃で面圧5〜6kg/cmでプレスし、パルプ中に含有するセルロース成分が表面より角質化し硬化するまで保持する。パルプモールド容器の剛性を増加させ、また吸湿性を低下させ、更に耐水性を増加させる提案である(特許文献1)。
この提案では、パルプモールド容器の表面の耐水性の向上、吸湿性の低下はさせるが、この重合硬化工程は、過酷な条件下で行われるために、パルプモールド容器の一部に黄変が生じたり、部分的な強度低下に繋がる問題がある。
またパルプモールド容器の外面に、紙基材をベースとする印刷されたシートを貼着して、繊細なカラー印刷を有するパルプモールド容器の提案がある(特許文献2)。
ゴム版や樹脂版による凸版印刷、シルクスクリーン印刷、熱転写印刷などの印刷手段が制限され、繊細なカラー印刷ができないために、カラー印刷したシートをパルプモールド成型体の外面に貼着する方法であるが、新たなシートの作成、貼着する設備など費用が掛かる問題がある。
容器の外面が平滑であり、耐水性、耐油性を有し、異物が付着しても容易に拭き取れ、かつ美粧な印刷ができるパルプモールド容器の要望がある。
特開2007−126757号公報 特開2001−97351号公報
背景技術の問題に鑑みて、容器の外面が平滑であり、耐水性、耐油性を有し、異物が付着しても容易に拭き取れ、かつ美粧な印刷ができるパルプモールド容器の製造方法を提供することにある。
上記の課題を解決するために、発明者らは鋭意検討を行い、本発明を完成した。
本発明の請求項1に係る発明は、複数の吸引孔を有する抄型の形状に対応した網体を、該抄型に被覆し、該網体側からパルプスラリーを供給し、該抄型より吸引することで該網体上にパルプモールド中間体を形成させる抄造工程と、その後順次、脱水する脱水工程と、乾燥する乾燥工程と、熱プレスする熱プレス工程と、
からなるパルプモールド容器の製造方法において、
前記抄型が、外側に凸形に形成され、
前記パルプモールド中間体の内面が、前記網体の表面と接し形成されることを特徴とするパルプモールド容器の製造方法である。
本発明の請求項2に係る発明は、前記熱プレス工程が、一対の雄雌型を用いて行われることを特徴とする請求項1記載のパルプモールド容器の製造方法である。
本発明の請求項3に係る発明は、請求項1または2に記載のパルプモールド容器の製造
方法により製造されたことを特徴とするパルプモールド容器である。
本発明の請求項4に係る発明は、前記パルプモールド容器の含水率が、5〜8%の範囲であることを特徴する請求項3に記載のパルプモールド容器である。
本発明の請求項5に係る発明は、前記パルプモールド容器の外面に熱可塑性樹脂からなる防汚層が設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載のパルプモールド容器である。
本発明の請求項6に係る発明は、前記パルプモールド容器の内面に熱可塑性樹脂からなる防汚層が設けられていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のパルプモールド容器である。
本発明は、容器の外面には網体の網目の跡が無く、平滑性を有したパルプモールド容器の製造方法である。本発明のパルプモールド容器は、パルプモールド中間体の内面が網体と接し成型されることから、該容器の外面には網体の網目の跡が無く平滑性を有している。よって、外面の耐水性、耐油性が向上し、異物が付着しても容易に拭き取れ、かつ印刷適正も向上させことができる。
本発明の請求項1によれば、複数の吸引孔を有する抄型の形状に対応した網体を、該抄型に被覆し、該網体側からパルプスラリーを供給し、該抄型より吸引することで該網体上にパルプモールド中間体を形成させる抄造工程と、その後順次、脱水する脱水工程と、乾燥する乾燥工程と、熱プレスする熱プレス工程と、
からなるパルプモールド容器の製造方法において、
前記抄型が、外側に凸形に形成され、
前記パルプモールド中間体の内面が、前記網体の表面と接し形成されることを特徴とする。パルプモールド中間体の内面には、網体と接することで、網体の網目の凹凸が転写される。外面には、平滑性を有する面が形成される。よって外面が平滑性を有するパルプモールド容器を製造することができる。
本発明の請求項2によれば、前記熱プレス工程が、一対の雄雌型を用いて行われることを特徴とする。抄造工程後に、順次、脱水する脱水工程、乾燥する乾燥工程をとる。乾燥されたパルプモールド中間体を、熱プレス工程にて容器に仕上げる。熱プレス工程は、型の表面が平滑で吸引孔のない非通気式の係合しあう一対の雄雌型にて加工する。この熱プレス工程により、パルプモールド中間体のセルロース繊維の密度を上げ、剛性を向上させることができる。また乾燥中に生じた形状的な歪みを矯正するともに、パルプモールド中間体の外面の平滑性を向上させることができる。また外面の耐水性、耐油性が付与され、かつ印刷適正も向上させることができる。熱プレスの加熱条件、圧力条件は、乾燥工程後のパルプモールド中間体の含水率で決めるのが好ましい。
本発明の請求項3によれば、請求項1または2に記載のパルプモールド容器の製造方法により製造されたことを特徴とするパルプモールド容器である。本発明のパルプモールド容器の外面は、網体の網目の跡が無い、即ち凹凸が無いために、外面に付着した調味料や、ソース類などを拭き取ることができる。例えば、パルプモールド容器に内容物を充填しているライン上で、該容器の外面に異物が付着しても容易に拭き取ることができる。また充填後の製品の物流、陳列時に、容器の外面に異物が付着したときでも、容易に拭き取ることができる。
本発明の請求項4によれば、前記パルプモールド容器の含水率が、5〜8%の範囲であ
ることを特徴する。熱プレス工程後のパルプモールド容器の含水率を5〜8%の範囲にすることで、通常環境下での湿度範囲では、パルプモールド容器の変形を抑えることができ、かつ外面の平滑性も保持できる。
また、熱プレス工程後の含水率を5〜8%の範囲にするために、乾燥工程後の含水率を調整する必要がある場合は、加湿工程を設けるとよい。含水率の調整をすることができる。また加湿工程時に、例えば、表面サイズ性、撥水性、撥油性、光沢性などの薬剤を併用してパルプモールド中間体の表面に付与することができる。これら薬剤を付与したものを熱プレス工程により機能を発現できる。
本発明の請求項5によれば、前記パルプモールド容器の外面に熱可塑性樹脂からなる防汚層が設けられていることを特徴とする。防汚層が設けられていることで、外表面に異物が付着しても、更に容易に拭き取ることができる。商品価値を損なう恐れがない。
本発明の請求項6によれば、前記パルプモールド容器の内面に熱可塑性樹脂からなる防汚層が設けられていることを特徴とする。前記パルプモールド容器の内面に熱可塑性樹脂からなる防汚層が設けられていることを特徴とする。防汚層が設けられていることで、内表面に内容物が残らず、きれいに取り去ることができる。
本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例であるパルプモールド容器を示す説明図である。 本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例であるパルプモールド容器を示す断面図である。 本発明のパルプモールド容器の製造方法の概要の一例を示すフローチャートである。 本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例である、抄造工程の説明図である。 本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例である、抄造工程の説明図である。 本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例である、抄造工程の説明図である。 本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例である、抄造工程の説明図である。 本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例である、脱水工程の説明図である。 本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例である、乾燥工程の説明図である。 本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例である、加湿工程の説明図である。 本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例である、熱プレス工程の説明図である。 本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例である、抄造工程の説明図である。
以下、本発明を実施するための形態につき説明する。
図1は、本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例であるパルプモールド容器を示す説明図である。パルプモールド容器60は、円形のトレ―形状を示している。胴部
14、底部15、上端部のフランジ部13からなっている。また該容器60は、角形トレ―形状、ドンブリ形状、或いは中仕切りを有するトレー形状などにも適用可能である。
図2は、本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例であるパルプモールド容器を示す断面図である。パルプモールド容器60の内面11は、抄造工程時に網体と接する面である。外面12は、平滑性を有しているために、耐水性、耐油性が向上している。よって側部14は、印刷適正も向上している。
図3は、本発明のパルプモールド容器の製造方法の概要の一例を示すフローチャート16である。パルプスラリーをパルプモールド中間体に抄造する抄造工程20、該パルプモールド中間体を脱水する脱水工程30、熱風による乾燥工程35、熱プレスする熱プレス工程50を順次とることによりパルプモールド容器60を製造することができる。また乾燥工程35後にパルプモールド中間体の含水率を調整するために、加湿工程40を設けるとよい。
図4は、本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例である、抄造工程の説明図である。複数の吸引孔26を有する抄型24の形状に対応した網体23を、該抄型に被覆し、該網体側からパルプスラリー22を供給し、該抄型24の吸引孔26より該パルプスラリーを吸引することで網体23上にパルプモールド中間体を形成させる抄造工程20である。詳しく説明する。抄型24が、外側に凸形に形成されている。この凸形に対応し網体23が形成され、抄型24に被覆されている。この網体を被覆した状態の抄型をパルプスラリーの中に水没させ、パルプスラリーを上方向に吸引Aし、網体上にパルプ繊維を付着させてパルプモールド中間体を抄造させる方法である。
図5は、本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例である、抄造工程の説明図である。図4の抄造工程で抄造されたパルプモールド中間体10を示している。パルプモールド中間体10の内面11は、網体23の表面と接しているために網体の網目が転写され網目跡が形成され、凹凸になる。パルプモールド中間体10の外面12は、網目の跡が無く平滑性を有している。
図6は、本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例である、抄造工程の説明図である。図4の抄造工程とは異なる方式の一例を示している。抄型24が、外側に凸形に形成されている。この凸形に対応し網体23が形成され、抄型24に被覆されている。この網体を被覆した状態の抄型を、抄造カップ28内に凸形を上方向に向け設置し、抄造カップ28中のパルプスラリー22を上側より送液し、抄型24の吸引孔より下方向に吸引Aし、網体23上にパルプ繊維を付着させてパルプモールド中間体10を抄造させる方法である。
図7は、本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例である、抄造工程の説明図である。図6で抄造され、網体23上に形成されたパルプモールド中間体10を示している。パルプモールド中間体10の内面11は、網体23の表面と接しているために網体の網目が転写され網目の跡が形成され、凹凸になる。パルプモールド中間体10の外面12は、網目の跡が無く平滑性を有している。
抄造工程は、多数の吸引孔を設けた抄型の表面に、該抄型の形状に合わせ網体を被覆し固定して、パルプスラリーを網体側から送液し、吸引孔から吸引することにより、パルプスラリー中のセルロース繊維を網体上に付着させ、パルプモールド中間体を成型させる工程である。この場合、パルプモールド中間体の内面が網体に接する面で形成させるように、抄型、網体の形状を設計する。
図8は、本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例である、脱水工程の説明図である。脱水工程30は、抄造工程20で得られたパルプモールド中間体の水分を脱水するための工程の一例を示している。抄型を取り外し、網体23上のパルプモールド中間体10を脱水する。脱水は、多数の排水孔33を有する雄型32と係合しあう雌型31とで圧力調整しながら、絞るように脱水する。
図9は、本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例である、乾燥工程の説明図である。図8に示した脱水工程30後のパルプモールド中間体を乾燥する乾燥工程35の一例を示している。網体23上のパルプモールド中間体10を乾燥炉36中で熱風をノズル37より吹き出し乾燥させる。また熱風でなく、遠赤外線でも可能である。また加熱された係合しあう一対の雄雌型の間に挿入して乾燥させる方法も可能である。乾燥後の含水率は、特に限定はしないが、後工程の熱プレス工程でのセルロース繊維の密度、剛性、平滑性に影響するためにその都度確認して行うことが好ましい。
図10は、本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例である、加湿工程の一例を示す説明図である。加湿工程40は、熱プレス工程前のパルプモールド中間体の含水率の調整と容器の外面の物性を向上させる工程である。乾燥工程後の含水率の調整ができる。またパルプモールド中間体の外面に耐水性、耐湿性、耐油性、撥水性などの薬剤を付与するときに、加湿する水と共にこれらの薬剤を併用して使用することにより物性を向上させることができる。また熱可塑性樹脂のエマルジョンを併用することにより、防汚層を形成することができ、更に物性を向上させることができる。また内面にも同様に可能である。尚、加湿工程は、乾燥工程時での含水率が適正範囲であれば、また耐水性、耐湿性、耐油性、撥水性などの物性を向上させる必要がなければ、省くことができる。
図11は、本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例である、熱プレス工程の説明図である。乾燥工程または加湿工程で得られたパルプモールド中間体を更に熱プレス工程50、即ち加熱圧縮処理をすることにより、パルプモールド容器60ができる。熱プレス工程50には、表面が平滑で吸引孔のない非通気式の係合しあう一対の雄型52、雌型51にて加工する。特に雌型51の内面を鏡面仕上げにすることによりパルプモールド容器60の外面は一層平滑に仕上がる。この熱プレス工程により、容器のセルロース繊維の密度を上げ、剛性を向上させることができる。また乾燥中に生じた形状的な歪みを矯正するともに、またパルプモールド容器の内面、外面の表面の平滑性を向上させることができる。特に外面の耐水性、耐油性、撥水性を向上させ、かつ印刷適正も向上させることができる。容器の外面には、セルロース繊維の密度が高く、凹凸がない平滑性に富んだ表面が形成される。熱プレスの温度、圧力は、特に限定されないが、セルロース繊維の密度、剛性、他物性から適宜設定すればよく、パルプモールド容器の一部黄変、部分的な強度低下が生じないようにする。
図12は、本発明のパルプモールド容器の製造方法の一実施例である、抄造工程の説明図である。図7の抄型を複数連設した状態を示している。複数の抄型24に網体23が被覆され、網体23上にパルプモールド中間体10が形成されている。生産数量が多くなる場合には、複数の抄型を連設することで可能である。
本発明のパルプモールド容器の製造方法を更に詳しく説明する。
パルプスラリー22は、木材パルプ或いは非木材パルプを一種類以上混合し、適宜叩解処理したものを主成分として、必要に応じて樹脂パルプの混抄や製紙用内添剤や填量、着色剤などを添加し、好ましくは固形分濃度を0.3〜1.0%に調整されたものである。食品容器の場合は、バージンパルプが好ましい。
本発明の抄型24の形状としては、凸形、即ちコア型が用いられる。型の平面部、製品部には多数の吸引孔が設けられている。吸引、脱水に用いられる貫通孔であり、円形状のものについては、直径3〜5mmが一般的に用いられている。吸引孔の平面形状は、円形状、三角状、多角状でも選択することが可能であるが、製作上および容器の厚さのバラツキなどから円形状が好ましい。また平面部および製品部に設けられる孔の位置および数は、網体上に付着するパルプの厚さを均一に制御するように製品形状に適した間隔に設置すればよい。
抄型、脱水型、熱プレス型などに用いられる金型の材質は、特に限定されるものではないが、金属が好ましく、特にアルミニウム合金が好ましい。また乾燥に使用する金型でも同様な材質を使用すればよい。
網体23は、抄型の形状に対応したものである。網体はとしては、20〜80メッシュ、線径0.1〜0.4mm程度のステンレス製の平織り或いは綾織りの一般的な金網を用い、網体成形用の型でプレス成型することで、安価かつ容易に製造できる。樹脂性の網体に比べて耐久性に優れ、また目詰まり時には、火炎による網体を焼くことができる点でも望ましい。網体は、その周囲を網体固定枠により固定されて網体の形状が維持されるともに、網体固定枠は、網体の工程間の移送における支持体としての機能も有する。但し用途に応じてステンレス以外の金属や樹脂などでも適宜選択できる。小ロットなどの場合は樹脂製で十分である。例えばポリエチレンテレフタレート繊維やポリアミド繊維などが使用できる。同様に用途やパルプスラリーの種類に応じてメッシュ粗さも変えることが望ましい場合もある。
本発明のパルプモールド容器の製造方法は、網体上にセルロース繊維を付着させて形成される面が、パルプモールド容器の内面になるように製造することで、容器の外面は、網体の網目の跡、吸引孔の跡、凹凸が無い、即ち平滑性を有した面に形成される。よって外面に、例えば調味料、ソースなどが付着しても拭き取ることができる。また印刷効果も向上し、美粧性に優れた容器になる。
パルプモールド容器の外面の耐水性、耐油性、撥水性を向上させるには、加湿工程の際に、加湿する水の中に、表面サイズ剤として、澱粉、かルボキシメチルセルロース、ポリビニルアルコール、ワックス、アルキルケテンダイマーなどの薬剤、撥水剤、耐油剤として、フッ素樹脂、ワックスなどの薬剤、表面改質剤として、水溶性ポリマー、シランカップリング剤などの薬剤を併用することができる。また更に防汚を向上させるために、ポリエチレン樹脂などの熱可塑性樹脂のエマルジョンも可能である。これらは、一般的な方法のスプレー噴霧により可能である。またこれら薬剤をパルプスラリーの中に内添しても可能である。また容器を薬剤中にディッピングしてもよい。付与された薬剤は、後工程の熱プレス工程により、薬剤の持つ機能を一層発現させることができる。
本発明のパルプモールド容器の使用形態としては、パルプモールド容器をそのまま使用することも可能であり、また内容物により内面に更なる耐湿性、耐水性、耐熱水性、耐油性の要求があれば、例えば、ポリエチレンフィルム、ポリプロピレンフィルム、ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを、真空成型、真空圧空成型により積層することができる。外面にも同様に可能である。
本発明のパルプモールド容器は、米飯、インスタント食品、惣菜、生鮮食品、スープ類などに使用できる。また調理済食品のテイクアウト用容器としても使用できる。
本発明のパルプモールド容器は、食品用の容器以外にも、部品を梱包する梱包材、美粧
ケースなどにも使用できる。
10 パルプモールド中間体
11 内面
12 外面
13 フランジ部
14 側部
15 底部
16 フローチャート
20 抄造工程
21 貯液層
22 パルプスラリー
23 網体
24 抄型
25 抄型支持体
26 吸引孔
28 抄造カップ
29 排水口
30 脱水工程
31 雌型
32 雄型
33 排水孔
35 乾燥工程
36 乾燥炉
37 ノズル
40 加湿工程
41 加湿ボックス
42 スプレーノズル
43 コンベアー
50 熱プレス工程
51 熱プレス雌型
52 熱プレス雄型
55 複数連設された抄型
60 パルプモールド容器
A 吸引方向
B 水の流れ方向
C 進行方向
D 水と薬剤
E 熱風

Claims (6)

  1. 複数の吸引孔を有する抄型の形状に対応した網体を、該抄型に被覆し、該網体側からパルプスラリーを供給し、該抄型より吸引することで該網体上にパルプモールド中間体を形成させる抄造工程と、その後順次、脱水する脱水工程と、乾燥する乾燥工程と、熱プレスする熱プレス工程と、
    からなるパルプモールド容器の製造方法において、
    前記抄型が、外側に凸形に形成され、
    前記パルプモールド中間体の内面が、前記網体の表面と接し形成されることを特徴とするパルプモールド容器の製造方法。
  2. 前記熱プレス工程が、一対の雄雌型を用いて行われることを特徴とする請求項1記載のパルプモールド容器の製造方法。
  3. 請求項1または2に記載のパルプモールド容器の製造方法により製造されたことを特徴とするパルプモールド容器。
  4. 前記パルプモールド容器の含水率が、5〜8%の範囲であることを特徴する請求項3に記載のパルプモールド容器。
  5. 前記パルプモールド容器の外面に熱可塑性樹脂からなる防汚層が設けられていることを特徴とする請求項3または4に記載のパルプモールド容器。
  6. 前記パルプモールド容器の内面に熱可塑性樹脂からなる防汚層が設けられていることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1項に記載のパルプモールド容器。
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