JP2013127267A - ギヤ、同ギヤを備えたウォームギヤ機構及び同ウォームギヤ機構を備えた電動パワーステアリング装置 - Google Patents

ギヤ、同ギヤを備えたウォームギヤ機構及び同ウォームギヤ機構を備えた電動パワーステアリング装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2013127267A
JP2013127267A JP2011276057A JP2011276057A JP2013127267A JP 2013127267 A JP2013127267 A JP 2013127267A JP 2011276057 A JP2011276057 A JP 2011276057A JP 2011276057 A JP2011276057 A JP 2011276057A JP 2013127267 A JP2013127267 A JP 2013127267A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
gear
opening
cored bar
worm
wheel
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011276057A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5707312B2 (ja
Inventor
Yosuke Tanaka
陽介 田中
Yasuo Shimizu
康夫 清水
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Honda Motor Co Ltd
Original Assignee
Honda Motor Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Honda Motor Co Ltd filed Critical Honda Motor Co Ltd
Priority to JP2011276057A priority Critical patent/JP5707312B2/ja
Publication of JP2013127267A publication Critical patent/JP2013127267A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5707312B2 publication Critical patent/JP5707312B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Power Steering Mechanism (AREA)
  • Gear Transmission (AREA)
  • Gears, Cams (AREA)

Abstract

【課題】ギヤ部の成形時における芯金部の変形を抑制しつつ、ギヤの軽量化を図ることができる技術を提供すること。
【解決手段】ギヤ80は、軸部24に取り付けられる芯金部81と、この芯金部81の外周に一体成形された樹脂製のギヤ部82とを有する。芯金部81には、この芯金部81の中心CLに沿って貫通した開口部85が形成されている。開口部85は、芯金部81を中心CLの方向から見たときに、芯金部81の中心から外周に向かって徐々に細くなる長穴である。また、このギヤ80は、ウォームギヤ機構44に用いられ、このウォームギヤ機構44は、ウォームホイール80に搭載される。
【選択図】図4

Description

本発明は、各種ギヤの改良技術に関する。
例えば、車両の電動パワーステアリング装置は、電動モータが発生したトルクをウォームギヤ機構を介して操舵トルクに付加するものである。このウォームギヤ機構は、ウォームと、このウォームに噛合うウォームホイールとからなる(例えば、特許文献1(図5)参照。)。
特許文献1に示されるウォームホイールは、軸部に嵌合される芯金部(ハブ)と、この芯金部の外周に一体成形されている樹脂製のギヤ部とからなる。芯金部は、軸部との嵌合穴を囲うようにして、複数の丸穴が貫通されている。丸穴を形成することにより、芯金部を軽量化することができる。芯金部を軽量化することで、ウォームホイール全体を軽量化することができる。
このようなウォームホイールを製造するには、芯金部を射出成型(射出成形)金型にセットし、芯金部の外周縁に溶融した樹脂を供給する。供給された樹脂が固化するのを待ち、最後に固化した樹脂を研磨し、ギヤ部の形状を整える。ギヤ部の形状を整える理由について、次図において説明する。
図12に示されるように、芯金部201の外周縁に供給された樹脂202が固化する際に、芯金部201には、白抜き矢印で示されるような樹脂202の熱収縮力が加わる。この収縮力により、芯金部201が変形する。特に、丸穴203が開けられることにより剛性が低下した、丸穴203近傍の部位において変形量が大きくなる。芯金部201が変形することにより、樹脂202の外周は円が歪んだ形状になる。歪みを所定量以内に抑制し、円形状に修正するために、樹脂202を成形する工程が必要になる。
ここで、丸穴203を小さくした場合には、丸穴203近傍の剛性を確保することができ、変形量を所定量以下に抑えることができる。変形量を所定量以下に抑制することができれば、樹脂を成形する工程は不要になる。しかし、丸穴203を小さくした場合には、芯金部の軽量化を図ることができない。
特許第3948078号公報
本発明は、ギヤ部の成形時における芯金部の変形を抑制しつつ、ギヤの軽量化を図ることができる技術の提供を課題とする。
請求項1に係る発明は、軸部に取り付けられる芯金部と、この芯金部の外周に一体成形された樹脂製のギヤ部とを有するギヤであって、芯金部には、この芯金部の中心線に沿って貫通した開口部が形成され、この開口部は、芯金部を中心線の方向から見たときに、芯金部の中心から外周に向かって徐々に細くなる長穴であることを特徴とする。
請求項2に係る発明では、ギヤ部は、射出成型のみによって成形されていることを特徴とする。
請求項3に係る発明では、開口部は、芯金部の中心を通過する線対称軸に対して、線対称に形成されていることを特徴とする。
請求項4に係る発明では、請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のギヤは、ウォームギヤ機構のウォームホイールであることを特徴とする。
請求項5に係る電動パワーステアリング装置は、請求項4記載のウォームギヤ機構と、車両のステアリングハンドルから操舵車輪に至るステアリング系と、トルクを発生すると共にこのトルクをウォームギヤ機構を介してステアリング系に伝える電動モータと、を備えたことを特徴とする。
請求項1に係る発明では、開口部は、芯金部を中心線の方向から見たときに、芯金部の中心から外周に向かって徐々に細くなる長穴である。開口部を外周に向かって徐々に細くすることにより、芯金部の外周近傍における開口部の面積を小さくした。芯金部の外周に供給される樹脂が固化する際に、芯金部の外周近傍において、樹脂の収縮力の影響が特に大きいものと考えられる。樹脂の収縮力の影響が大きい部位における開口部の面積を小さくすることにより、樹脂の収縮力による芯金部の変形量を所定の値より小さく抑制することができる。一方、芯金部の内周において、開口部の面積を大きくすることにより、芯金部の軽量化を図ることができる。芯金部を軽量化することにより、ギヤの重量を軽量化することができる。即ち、ギヤ部の成形時における芯金部の変形を抑制しつつ、ギヤの軽量化を図ることができる。
請求項2に係る発明では、ギヤ部は、射出成型のみによって成形されている。即ち、射出成型後に、形状を修正するための研磨等を行わない。少ない工程で成形することができ、有益である。
請求項3に係る発明では、開口部は、線対称に形成され、開口部の線対称軸が芯金部の中心を通過する。ギヤの使用時において、芯金部の中心には、通常、軸部材が嵌合される。芯金部を支持する軸部材は、剛性の高い部品である。開口部の線対称軸は、芯金部の中心を通過する。即ち、ギヤの使用時においては開口部の線対称軸は、軸部材の中心を通過する。ギヤの外周から芯金部の中心に向かって加わる外力に対して、高い剛性を得ることができる。
請求項4に係る発明では、ウォームギヤ機構のウォームホイールに、本発明にかかるギヤを用いる。本発明に係るギヤは、外周から芯金部の中心に向かって加わる外力に対する強度が高い。様々な状況下で使用されるウォームギヤ機構に、本発明に係るギヤを用いることは、強度の点から望ましい。
請求項5に係る発明では、請求項4記載のウォームギヤ機構を電動パワーステアリング装置に搭載した。電動パワーステアリング装置は、精密な制御を要する装置である。熱収縮による変形を十分に抑制した本発明に係るギヤは、精密な制御が必要なパワーステアリング装置に搭載することが望ましい。
本発明に係る電動パワーステアリング装置の模式図である。 図1に示された電動パワーステアリング装置の全体構成図である。 図2の3−3線断面図である。 図3に示された実施例1に係るウォームホイールの正面図及び開口部の拡大図である。 本発明について行った第1の実験の方法を説明する図である。 図5において説明した第1の実験の結果を説明する図である。 図6に示された結果の理由を説明する図である。 図7において説明した理由を基に行った、第2の実験の結果を説明する図である。 図7において説明した理由を基に行った、第3の実験の結果を説明する図である。 実施例2に係るウォームホイールの開口部の拡大図である。 実施例3に係るウォームホイールの開口部の拡大図である。 従来の技術の問題点を説明する図である。
本発明の実施の形態を添付図に基づいて以下に説明する。
実施例1に係る電動パワーステアリング装置を図1〜図4に基づき説明する。
図1に示されるように、電動パワーステアリング装置10は、車両のステアリングホイール21から車両の操舵車輪29,29(例えば前輪)に至るステアリング系20と、このステアリング系20に補助トルクを加える補助トルク機構40とからなる。
ステアリング系20は、ステアリングホイール21にステアリングシャフト22及び自在軸継手23,23を介してピニオン軸24(軸部24)を連結し、ピニオン軸24にラックアンドピニオン機構25を介してラック軸26を連結し、ラック軸26の両端に左右のタイロッド27,27及びナックル28,28を介して左右の操舵車輪29,29を連結したものである。
ラックアンドピニオン機構25は、ピニオン軸24に形成されたピニオン31と、ラック軸26に形成されたラック32とからなる。
ステアリング系20によれば、運転者がステアリングホイール21を操舵することで、この操舵トルクによりラックアンドピニオン機構25及び左右のタイロッド27,27を介して、左右の操舵車輪29,29を操舵することができる。
補助トルク機構40は、ステアリングホイール21に加えたステアリング系20の操舵トルクを操舵トルクセンサ41で検出し、この操舵トルクセンサ41のトルク検出信号に基づき制御部42で制御信号を発生し、この制御信号に基づき操舵トルクに応じた補助トルクを電動モータ43で発生し、この補助トルクをウォームギヤ機構44を介してピニオン軸24に伝達し、さらに、補助トルクをピニオン軸24からステアリング系20のラックアンドピニオン機構25に伝達するようにした機構である。
操舵トルクセンサ41は、ピニオン軸24に加えられたトルクを検出し、トルク検出信号として出力するものであり、例えば磁歪式トルクセンサやトーションバー式トルクセンサによって構成される。
電動パワーステアリング装置10によれば、運転者の操舵トルクに電動モータ43の補助トルクを加えた複合トルクにより、ラック軸26で操舵車輪29,29を操舵することができる。
図2に示されるように、ハウジング51は車幅方向(図左右方向)に延びており、ラック軸26を軸方向にスライド可能に収容している。ラック軸26は、ハウジング51から突出した長手方向両端にボールジョイント52,52を介してタイロッド27,27を連結している。
図3に示されるように、電動パワーステアリング装置10は、ピニオン軸24、ラックアンドピニオン機構25、操舵トルクセンサ41及びウォームギヤ機構44をハウジング51に収納し、ハウジング51の上部開口を上部カバー部53で塞いだものである。操舵トルクセンサ41は、上部カバー部53に取付けたものである。
ハウジング51は、上下に延びるピニオン軸24の上部24u、長手中央部24m及び下端部24dを3個の軸受(上から下方へ順に第1軸受55、第2軸受56、第3軸受57)を介して回転可能に支持したものであり、さらに電動モータ43を取付けるとともに、ラックガイド60を備えている。
ラックガイド60は、ラック32とは反対側からラック軸26に当てるガイド部61と、このガイド部61を圧縮ばね62を介して押す調整ボルト63とからなる、ラック押圧手段である。
電動モータ43はハウジング51の外側面に取り付けられている。電動モータ43のモータ軸は、ハウジング51内に延び、カップリングによってウォーム軸46に連結されている。
ウォームギヤ機構44は、電動モータ43で発生した補助トルクをピニオン軸24に伝達する補助トルク伝達機構、すなわち倍力機構である。詳しく述べると、ウォームギヤ機構44は、ウォーム70と、このウォーム70に噛み合うウォームホイール(ギヤ)80とからなる。ウォームホイール80のことを、以下「ホイール80」と略称する。ウォーム70の中心線WLに対して、ホイール80の中心線CLは略直角に配置されている。このホイール80の中心線CLは、ピニオン軸24の中心線CLでもある。
ウォーム70は、ウォーム軸46に一体に形成されている金属製品、例えば機械構造用炭素鋼鋼材(JIS−G−4051)等の鉄鋼製品である。
ホイール80は、ピニオン軸24に嵌合されている金属製品である芯金部81と、この芯金部81に一体成形されている樹脂製のギヤ部82とからなる。ギヤ部82には、例えば、ナイロン樹脂を用いることができる。
金属製品のウォーム70に樹脂製品のホイール80を噛合わせるようにしたので、噛合いを比較的円滑にすることができるとともに、騒音を低減させることができる。
ホイール80の詳細を次図において説明する。
図4(a)に示されるように、芯金部81の中央には、ピニオン軸(図3、符号24)に支持される中心孔83が形成されている。中心孔83の中心は、ピニオン軸の中心CLに一致している。中心孔83を囲うようにして、6個の開口部85が形成されている。開口部85は、それぞれ同じ形状であると共に、等間隔に形成されている。
ギヤ部82は、一部が芯金部81の外周縁81aに重なるようにして形成されている。ギヤ部82は、射出成型のみによって成形されている。ここで、射出成型のみとは、射出成型後にギヤ部の形状を整えるための研磨等を行っていないことをいう。
図4(b)に示されるように、開口部85は、半径rの半円部85aと、この半円部85aに一体的に形成されている長方形形状の矩形部85bとからなる。半円部85aと矩形部85bとからなる開口部85は、線対称軸86を基準として、線対称に形成されている。矩形部85bは、芯金部81の中心から外周に向かって延びる線に沿っている辺の長さがhとされ、この辺に直行する方向、即ち幅方向に延びる辺の長さがbとされている。この長さbは、半円部81aの直径と同じ長さに形成されている。即ち、b=2×rである。
また、矩形部85bの2辺の関係は、h>bとされていることが望ましい。h>bとすることにより、より面積の大きい開口部85を形成することができるからである。最低でも、r+h>bとされることが望まれる。b=2×rなので、h>(1/2)×bであることが望まれる。
さらに、開口部85の長手方向の長さr+hは、図4(a)に示された中心孔83から芯金部81の外周縁81aまでの長さLに対して半分以上であることが望ましい。即ち、r+h>(1/2)×Lである。r+h>(1/2)×Lとすることにより、大きな開口部85を確保することができる。
図4(a)に戻り、開口部85の線対称軸86は、芯金部81の中心CLを通過している。線対称軸86は、中心CLを通過して、中心CLを基準に対向して形成されている開口部85の線対称軸86に一致している。
以上をまとめて、以下のようにいうことができる。
芯金部81には、この芯金部81の中心CLに沿って貫通した開口部85が形成され、この開口部85は、芯金部81を中心CLの方向から見たときに、芯金部81の中心CLから外周に向かって徐々に細くなる長穴である。
このようなホイール80について実験を行った。詳細を次図以降において説明する。
図5(a)に示されるように、比較例に係るホイール210は、芯金部211と、この芯金部211に射出成型により形成されたギヤ部212と、直径Dの中心孔213と、円形状の開口部214とからなる。開口部214の半径を変えながら、複数のホイール210を作成した。即ち、開口部214の面積S=(r×π)をホイール210ごとに変更して、複数のホイール210を作成し、測定を行った。
射出成型金型の半径R0に対して、成型品のギヤ部212が、金型に対してどの程度圧縮したかを計測した。ギヤ部212の半径R1は、最も圧縮量の大きい開口部214の中心を通過する部位で計測した。ギヤ部212の半径R1を計測した後に、R0に対する変形量δを計算した。即ち、R0−R1=δである。
図5(b)に示されるように、実施例に係るホイール90は、芯金部91と、この芯金部91に射出成型により形成されたギヤ部92と、直径Dの中心孔93と、開口部94とからなる。
図5(c)に示されるように、開口部94の形状は、半径rの半円部94aと、長手方向の長さがh、幅方向の長さがbである角形部94bとが一体的に形成された形状である。
角形部94bの長手方向の辺の長さhを変えながら、複数のホイール90を作成した。即ち、開口部94の面積S=(r×π)/2+b×hをホイール90ごとに変更して、複数のホイール90を作成し、測定を行った。測定方法は、比較例の場合と同様である。
図5(a)〜図5(c)で説明した実験の結果を次図において説明する。
図6に示されるのは、実験結果を説明するためのグラフである。横軸が開口部の面積Smmを示し、縦軸がウォームホイールの径方向の変形量δmmを示している。P1〜P3は、比較例に係る実験結果である。P4〜P8は、実施例に係る実験結果である。
比較例に係るホイール210では、円形の開口部214の半径を変化させることにより、開口部の面積Smmを変化させた。このようなホイール210においては、線215で示されるように、開口部214の面積が大きくなることにより、ホイール210の径方向の変形量δも大きくなった。
実施例に係るホイール90では、開口部94の長手方向の辺の長さを変化させることにより、開口部の面積Smmを変化させた。このようなホイール90においては、線95で示されるように、ウォームホイールの径方向の変化量δは、あまり変わらなかった。即ち、開口部94の面積Smmが変化しても、ウォームホイールの径方向の変化量δは、あまり変わらなかった。
このような結果となった理由について次図において説明する。
図7(a)に示されるように、樹脂が固化する際に、白抜き矢印で示すような収縮力Fが発生する。この収縮力Fは、特に芯金部211の外周縁211a近傍に大きな影響を及ぼすものと考えられる。
比較例に係るホイール210においては、円形の開口部214の半径を大きくすることにより、開口部214の面積を大きくした。開口部214の面積を大きくすることにより、収縮力Fの影響を受けやすい部位における開口部214の面積が大きくなる(斜線部参照。)。開口部214は、他の部位に比べて剛性が低い。このため、収縮力Fの影響を受けやすい部位の面積を大きくすることにより、樹脂の変形量は大きくなる。結果、開口部214の面積が大きくなることにより、変形量も大きくなったものと考えられる。
一方、図7(b)に示されるように、実施例に係る開口部94は、半円部94aの大きさを変えずに、角形部94bの長手方向の辺の長さを変更することにより、開口部94の面積を変えた。
半円部94aの大きさを変えなかったため、収縮力Fの影響を受けやすい部位の面積は一定であった。収縮力Fの影響を受けやすい部位の面積が一定である実施例に係るホイールは、開口部94の面積を大きくした場合であっても、変形量があまり変化しなかったものと考えられる。比較例に係るホイール110の開口部114に比べて、実施例に係るホイール90の開口部94は、収縮力Fの影響を受けやすい部位での開口部94の面積を小さくすることができる(斜線部参照)。一方、ホイール90の中心側に向かって開口部94を広げることにより、変形量をあまり変化させることなく、比較例に係るホイール110の開口部114と同等の面積を確保することができる。
以上をまとめると、以下のようにいうことができる。
図4に戻り、開口部85は、芯金部81を中心線CLの方向から見たときに、芯金部81の中心線CLから外周に向かって徐々に細くなる長穴である。開口部85を外周に向かって徐々に細くすることにより、芯金部81の外周縁81a近傍における開口部85の面積を小さくした。
芯金部81の外周に供給される樹脂(ギヤ部82)が固化する際、芯金部81の外周縁81a近傍において、樹脂の収縮力の影響が特に大きいものと考えられる。樹脂の収縮力の影響が大きい部位における開口部85の面積を小さくすることにより、樹脂の収縮力による芯金部81の変形量を所定の値より小さく抑制することができる。一方、芯金部81の内周において、開口部85の面積を大きくすることにより、芯金部81の軽量化を図ることができる。芯金部81を軽量化することにより、ホイール80の重量を軽量化することができる。即ち、成形時の変形量を抑制しつつ、軽量なホイール80(ギヤ)を提供することができる。
また、成形時の変形量が小さいため、ギヤ部82を射出成型した後に、ギヤ部82の形状を研磨等によって調整する必要がない。少ない工程で成形することができ、有益である。
さらに、開口部85は、線対称に形成され、開口部85の線対称軸86が芯金部81の中心軸CLを通過する。ホイール80の使用時において、芯金部81の中心軸CLには、通常、軸部材(図3、ピニオン軸24参照)が嵌合される。芯金部81を支持する軸部材は、剛性の高い部品である。開口部85の線対称軸86は、芯金部81の中心軸CLを通過する。即ち、ホイール80の使用時においては開口部85の線対称軸86は、軸部材の中心CLを通過する。ホイール80の外周から芯金部81の中心軸CLに向かって加わる外力に対して、高い剛性を得ることができる。
以上の知見に基づき、本発明者らは、さらに実験を行った。
図5(b)に戻り説明する。本発明者らは、樹脂の収縮力の影響を受けやすい部位、即ち、芯金部91の外周縁91a近傍における開口部94の面積をさらに小さくすることを考えついた。外周縁91a近傍における開口部94の面積をさらに小さくすることにより、収縮力の影響をさらに弱めることを期待できるためである。
図5(c)に示されるように、半円部94aの半径rを変化させたテストピースを複数作成し、測定を行った。全てのテストピースにおいて、開口部の面積Sが同じになるよう、半径rを変化させるのに合わせて、高さhを変化させた。即ち、本実験において、開口部94は、半円形に台形が一体的に形成された形状を呈する。(r×π)/2+(b+2r)×h/2=S=一定とした。図5(b)に示されるように、変形量δを計測した。
同様に、開口部94が楕円を2つに分割した形状を呈するホイール90についても同様の実験を行った。即ち、外周縁91a近傍の半径rを変化させつつ、面積Sが一定となるよう、高さhを変更した複数のテストピースを作成し実験を行った。
半円形に台形が一体的に形成された形状の開口部を形成した実験の結果を図8で説明し、半割楕円形状の開口部を形成した実験の結果を図9で説明する。
図8に示されるのは、半円形に台形が一体的に形成された形状の開口部を形成した実験の結果を説明するためのグラフである。横軸が開口部の先端の半径rmmを示し、縦軸がウォームホイールの径方向の変形量δmmを示している。P4、P9〜P12は、実験結果である。P4は、図6に示されるP4と同条件で開けられた開口の結果が示されている。
線96で示されるように、開口部の先端の半径rが小さくなるほど、ウォームホイールの径方向の変化量δは小さくなった。特に、半径rが小さく、開口部94の形状が略三角形状であったP11及びP12においては、良好な結果を得ることができた。
半割楕円形状の開口部を形成し行った実験の結果を、次図において説明する。
図9に示されるのは、半割楕円形状の開口部を形成し行った実験の結果を説明するためのグラフである。横軸が開口部の先端の半径rmmを示し、縦軸がウォームホイールの径方向の変形量δmmを示している。P4、P13〜P16は、実験結果である。P4は、図6に示されるP4と同条件で開けられた開口の結果が示されている。
線97で示されるように、開口部の先端の半径rが小さくなるほど、ウォームホイールの径方向の変化量δは小さくなった。
別実施例について次図以降において説明する。
次に、本発明の実施例2を図面に基づいて説明する。
図10は実施例2のホイールの開口部を示し、上記図4(b)に対応させて表している。
図10に示されるように、ホイール100は、開口部105の先端が小さな半円形状とされ、開口部105全体が略三角形状に形成されている。
開口部105を略三角形状に形成することにより、収縮力の影響を大きく受ける部位の面積を、特に小さくすることができる。収縮力の影響を大きく受ける部位の面積を小さくすることにより、成形時の変形量を抑制しつつ、軽量なホイール100を製造することができる。
次に、本発明の実施例3を図面に基づいて説明する。
図11は実施例2のホイールの開口部を示し、上記図4(b)に対応させて表している。
図11に示されるように、ホイール110は、開口部115が半割楕円形状に形成されている。
開口部115を半割楕円形状に形成することにより、収縮力の影響を大きく受ける部位の面積を、特に小さくすることができる。収縮力の影響を大きく受ける部位の面積を小さくすることにより、成形時の変形量を抑制しつつ、軽量なホイール110を製造することができる。
尚、本発明に係るギヤは、電動パワーステアリング装置のウォームホイールを例に説明したが、本発明に係るギヤの用途は、本実施例に限定されない。
本発明のギヤは、電動パワーステアリング装置のウォームホイールに好適である。
10…電動パワーステアリング装置、20…ステアリング系、24…ピニオン軸(軸部)、43…電動モータ、44…ウォームギヤ機構、80,100,110…ホイール、81…芯金部、82…ギヤ部、85,105,115…開口部、86…線対称軸、CL…中心線。

Claims (5)

  1. 軸部に取り付けられる芯金部と、この芯金部の外周に一体成形された樹脂製のギヤ部と、からなるギヤであって、
    前記芯金部には、この芯金部の中心線に沿って貫通した開口部が形成され、
    この開口部は、前記芯金部を中心線の方向から見たときに、前記芯金部の中心から外周に向かって徐々に細くなる長穴であることを特徴とするギヤ。
  2. 前記ギヤ部は、射出成型のみによって成形されていることを特徴とする請求項1記載のギヤ。
  3. 前記開口部は、前記芯金部の中心を通過する線対称軸に対して、線対称に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2記載のギヤ。
  4. 請求項1〜請求項3のいずれか1項記載のギヤは、ウォームギヤ機構のウォームホイールであることを特徴とするウォームギヤ機構。
  5. 請求項4記載のウォームギヤ機構と、車両のステアリングハンドルから操舵車輪に至るステアリング系と、トルクを発生すると共にこのトルクを前記ウォームギヤ機構を介して前記ステアリング系に伝える電動モータと、を備えたことを特徴とする電動パワーステアリング装置。
JP2011276057A 2011-12-16 2011-12-16 ギヤ、同ギヤを備えたウォームギヤ機構及び同ウォームギヤ機構を備えた電動パワーステアリング装置 Expired - Fee Related JP5707312B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011276057A JP5707312B2 (ja) 2011-12-16 2011-12-16 ギヤ、同ギヤを備えたウォームギヤ機構及び同ウォームギヤ機構を備えた電動パワーステアリング装置

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011276057A JP5707312B2 (ja) 2011-12-16 2011-12-16 ギヤ、同ギヤを備えたウォームギヤ機構及び同ウォームギヤ機構を備えた電動パワーステアリング装置

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2013127267A true JP2013127267A (ja) 2013-06-27
JP5707312B2 JP5707312B2 (ja) 2015-04-30

Family

ID=48777913

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011276057A Expired - Fee Related JP5707312B2 (ja) 2011-12-16 2011-12-16 ギヤ、同ギヤを備えたウォームギヤ機構及び同ウォームギヤ機構を備えた電動パワーステアリング装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5707312B2 (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018154274A (ja) * 2017-03-21 2018-10-04 日立オートモティブシステムズ株式会社 パワーステアリング装置
JPWO2021038641A1 (ja) * 2019-08-23 2021-03-04
KR102341657B1 (ko) * 2021-08-26 2021-12-21 (주)트랜스테크 차량 조향 제어시스템

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2003021223A (ja) * 2001-07-06 2003-01-24 Nok Corp 歯 車
JP3948078B2 (ja) * 1997-10-01 2007-07-25 日本精工株式会社 電動パワ−ステアリング装置
JP2009061481A (ja) * 2007-09-07 2009-03-26 Pn:Kk 金属部品製造方法とコアメタルとインジェクションギヤ
JP2010125822A (ja) * 2008-12-01 2010-06-10 Tigers Polymer Corp 環状樹脂成形品
WO2011058701A1 (ja) * 2009-11-11 2011-05-19 本田技研工業株式会社 ウォームホイール

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3948078B2 (ja) * 1997-10-01 2007-07-25 日本精工株式会社 電動パワ−ステアリング装置
JP2003021223A (ja) * 2001-07-06 2003-01-24 Nok Corp 歯 車
JP2009061481A (ja) * 2007-09-07 2009-03-26 Pn:Kk 金属部品製造方法とコアメタルとインジェクションギヤ
JP2010125822A (ja) * 2008-12-01 2010-06-10 Tigers Polymer Corp 環状樹脂成形品
WO2011058701A1 (ja) * 2009-11-11 2011-05-19 本田技研工業株式会社 ウォームホイール

Cited By (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2018154274A (ja) * 2017-03-21 2018-10-04 日立オートモティブシステムズ株式会社 パワーステアリング装置
JPWO2021038641A1 (ja) * 2019-08-23 2021-03-04
WO2021038641A1 (ja) * 2019-08-23 2021-03-04 株式会社ミクニ エンジンの電子制御スロットル装置
JP7354262B2 (ja) 2019-08-23 2023-10-02 株式会社ミクニ エンジンの電子制御スロットル装置
KR102341657B1 (ko) * 2021-08-26 2021-12-21 (주)트랜스테크 차량 조향 제어시스템

Also Published As

Publication number Publication date
JP5707312B2 (ja) 2015-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
US6497041B2 (en) Method of producing resin gear
US8646352B2 (en) Worm wheel
JP5831154B2 (ja) ラックアンドピニオン式ステアリング装置及びその製造方法
JP5707312B2 (ja) ギヤ、同ギヤを備えたウォームギヤ機構及び同ウォームギヤ機構を備えた電動パワーステアリング装置
WO2013073313A1 (ja) ウォームギヤ機構
JP2013124904A (ja) 磁歪式トルクセンサ及び同製造方法
KR102216191B1 (ko) 차량용 조향장치
KR20140037352A (ko) 자동차 조향장치의 타이로드 어셈블리
JP2019107926A (ja) ステアリング装置
JP5338180B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置
JP5941683B2 (ja) ウォームギヤ機構及びウォームギヤ機構を備えた電動パワーステアリング装置
KR20130080123A (ko) 랙 피니언 방식 조향장치의 타이로드
JP5626125B2 (ja) 電動式パワーステアリング装置用コラムユニット
JP2013053666A (ja) ウォームギヤ機構及びウォームギヤ機構の製造方法
JP4909874B2 (ja) ウォームギヤ機構を備えた電動パワーステアリング装置
JP2018047473A (ja) ラックバーの製造方法
JP2012166592A (ja) 電動パワーステアリング装置
JP6067251B2 (ja) ステアリング装置
JP2015178340A (ja) 操舵装置
JP6361386B2 (ja) ラック軸及びステアリング装置
KR101559672B1 (ko) 랙 피니언 방식 조향장치
JP6276926B2 (ja) ダブルピニオン式ラックバー
JP2019124526A (ja) トルクセンサ及び電動パワーステアリング装置
JP2013119890A (ja) ウォームギヤ機構及び同機構を搭載した電動パワーステアリング装置
JP2019018802A (ja) ステアリング装置

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131128

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140704

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140715

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20140916

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20150224

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20150302

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5707312

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees