JP2013112043A - 車体前部構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】フロントバンパ3とロアグリル4とを備える車両前部構造であって、フロントバンパ3は、車両後方に延出するフロントバンパ下面を有し、フロントバンパ下面は、両側部に一対の底面部と、中央部に、一対の底面部から上方に向かって凹む凹面部15と、を有し、ロアグリル4は、凹面部15の後端側下方に配置され、開口部を構成する環状部20と、環状部20の下部から前方に凸状となるように突出し、凹面部15と対向する突出部21と、環状部20の上部から凹面部15の背面側に延出して、フロントバンパ下面を補強する補強部23と、を有する。
【選択図】図4
Description
また、下記特許文献によれば、歩行者保護の観点から、フロントバンパ下方に配設されたロアグリルを低剛性とし、歩行者がフロントバンパに衝突した場合の衝突エネルギーを吸収する衝突エネルギー吸収構造が開示されている。
なお、以下において、歩行者の膝下を払って歩行者をボンネット上に掬いあげることをセーフティプレート機能という。
ここで、ロアグリルの環状部(開口部)の上方には、フロントバンパ下面を補強する補強部を備えているため、フロントバンパ下面近傍の剛性が向上している。
一方で、ロアグリルの環状部(開口部)の下方には、前方に凸状に突出して高い強度を有する突出部を備えている。
そのため、ロアグリルを備えたフロントバンパの下部側は、高い剛性を有しているため、フロントバンパに歩行者が衝突したとき、歩行者の膝下を払って歩行者をボンネット上に掬いあげることができ、セーフティプレート機能を発揮できる。
また、補強部と突出部とを備えるロアグリルによれば、セーフティプレートを設ける必要がないため、部品点数の増加を回避することができる。
そして、凹面部と突出部の後端側には、ロアグリル環状部(開口部)が配置されているため、凹面部と突出部から構成される流路に流れ込んだ外気は、車両内部に流入されて、ラジエータ等を冷却することができる。
一方で、折り返し部は、内方に仕切壁が設けられたことにより高い剛性を有し、より確実にセーフティプレート機能を発揮することができる。
さらに、仕切壁は、後端が切り欠かれているため、ロアグリルを一体成形により製造した場合、折り返し部の外面側に生じるヒケを抑止することができる。
また、上面に複数の縦壁が設けられた延出部も、前方からの荷重入力に対し高い剛性を有している。
そして、さらに仕切壁と縦壁とが前後方向で連続しているため、ロアグリルは、全体として高い剛性を有し、より確実にセーフティプレート機能を発揮することができる。
また、延出部の上面に設けられた複数の縦壁は、前後方向に延びているため、開口部から流入する外気を整流する整流機能を有し、車体の冷却性能を高めることができる。
また、前記する構成によれば、フロントバンパの底面が略平面状となっているため、走行中に、フロントバンパの底面に沿って流れる外気を整流する機能を有し、空力性能を向上できる。
一方で、フロントバンパの下部は、何ら支持されていないため、エンジンの揺動により、振動が発生し易いが、フロントバンパの下部に配置されるロアグリルの延出部に、重量部材を有しているので、振動を抑えることができる。
また、重量部材をロアグリルの延出部における適切な位置に設けることで、フロントバンパの下部における固有振動周波数を変更することができ、アイドリング周波数との共振を回避できる。
また、実施形態の説明において、車両の前後方向を単に前後方向と称して説明する。車両の車幅方向を運転者から見て単に左右方向として、また、車両の高さ方向を単に上下方向と称して説明する。
実施形態に係る車両Vは、図1に示すように、車両前部1に、ラジエータ等を冷却するための外気を車両V内部に流入させる開口部2を備えている。
また、車両Vは、車両前部1に、左右方向に延在するフロントバンパ3と、そのフロントバンパ3の下方に取り付けられるロアグリル4とを備えている。
なお、フォグランプ5は、フロントバンパ前面10の背面側で、ブラケット5a(図5参照)に支持されている。また、このフォグランプ5とブラケット5aと一体となって、特許請求の範囲に記載の「意匠部材」に相当する構成である。
フロントバンパ上面11は、図2に示すように、背面側の上部に、第2取付ビーム11bの一端側を取り付けるため取付部(不図示)が形成され、その取付部(不図示)に第2取付ビーム11bの一端側が取り付けられて、車両前部1に支持されている。なお、第2取付ビーム11bの他端側は、図示しない車両Vの骨格部材に固定されている。
また、フロントバンパ側面12は、後端部に、後方側に位置するフェンダFと連結する連結部12aが形成されており、その連結部12aがフェンダFに連結して、車両前部1に支持されている。
底面部14は、図3に示すように、底面が略平坦面になっており、また、内方側の側部から内方に向かって延出して、隣接するロアグリル4と結合する結合部14aと重なり部14bとが形成されている。
また、重なり部14bは、ロアグリル4の後記する段部29b(図6参照)と上下方向に重なり合う部分であって、クリップ止めされるための孔部14dが形成されている。
凹面部15は、図1に示すように、上方に向かって凹むように湾曲した面であって、後記する環状部20(図4参照)の上部と同一形状に形成されている。また、凹面部15は、図4に示すように、後方に向かって延出しており、また、その下面側が略平坦面となっている。
また、凹面部15は、図4及び図7に示すように、上面側の後部に、上方から見て略U字状に後方に延出する被係止部15aを有している。また、被係止部15aは、後記する爪部30bが挿入する孔部15bを有している。
ロアグリル4は、樹脂成形により形成されており、図4及び図5に示すように、開口部2を構成する環状部20と、環状部20の下部から前方に凸状に突出する突出部21と、突出部21の後端から後方に延出する延出部22と、環状部20の上部に設けられる補強部23とが一体的に形成されている。
また、環状部20は、内方に、上下方向に延在するリブ20aが設けられており、これにより、環状部20の剛性が向上するとともに、通過する外気が整流される。
ここで、折り返し部25において、環状部20の下部から前方に延出する面25aは、図4に示すように、上方に配設されるフロントバンパ下面13の凹面部15と間隔を空けて対向している。
そのため、折り返し部25の面25aと凹面部15は、解放されている前方から、後方に配設される開口部2へ、外気を導入する流路を構成している。なお、折り返し部25の面25aは、環状部20と連続しているため、面一となっている。
また、折り返し部25は、図4に示すように、前方から後方に折り返すために、上下方向に延出してなる面25bを有している。
また、仕切壁26は、後端部中央に切り欠き26aが形成されている。これにより、突出部21を一体成形した場合に、折り返し部25にヒケが生じることを抑止できる
また、延出部22の後端部は、後方側に配設される図示しないアンダカバーにクリップ止めされて、支持されている。
延出部22は、図4に示すように、上面側に、複数の縦壁27と、重量部材40と、意匠部材を構成するブラケット5aに固定されるブラケット第1固定部28とを有している。一方で、延出部22は、図6に示すように、底面側に、結合部収容部29aと、段部29bとを有している。
また、複数の縦壁27は、図4に示すように、延出部22の前方に位置する突出部21の仕切壁26と連続している。これにより、突出部21と延出部22の連結部分の剛性が向上するとともに、ロアグリル4全体の前後方向における剛性が向上できる。
また、重量部材40は、図4に示すように、延出部22の車幅方向の中央部であって、かつ、突出部21の後端部近傍に固定されている。これによれば、突出部21の上方の環状部20から流入した外気の流れを、重量部材40が乱すことを防止できる。
なお、本発明において、重量部材40についての重さ、種類などについて、特に制限されるものでない。
また、ロアグリル4の結合部収容部29aは、フロントバンパ3の結合部14aに対して、上方側に配置されている。
そして、結合部収容部29aには、収容される結合部14aを固定するための孔部29cが形成されており、収容される結合部14aが図示しないボルト‐Jナット嵌合により固定されている。
そして、ロアグリル4の段部29bは、フロントバンパ3の重なり部14b(図3参照)に対して、上方側に配置されている。
また、段部29bには、重なり部14bをクリップ止めするための孔部(不図示)が形成され、重なり部14bが固定されている。
また、延出部22と一対の底面部14、14が重なり合った部分においては、結合部14aと重なり部14bとが、結合部収容部29aと段部29bに収容されて面一となり、延出部22と一対の底面部14、14がなす平坦性が確保されている。
補強部23は、図4及ぶ図5に示すように、高い剛性を有するように形成されてなる部分であって、環状部20の上部から車幅方向に沿って凹面部15の上方側に延出している。
また、補強部23は、図5及び図7に示すように、フロントバンパ3の被係止部15aが係止する係止部30と、ブラケット5aに固定されるブラケット第2固定部31とが形成されている。
そのため、上記する構成によれば、被係止部15aと係止部30とが係合するため、凹面部15とロアグリル4の環状部20との取り付け精度を向上させることができ、外気が流入する環状部20の下面と凹面部15の下面とを面一にすることができる。
よって、ロアグリル4は、上方に配設されるブラケット5a(意匠部材)に対して、ブラケット第1固定部28とブラケット第2固定部31とにより強固に結合している。
一方で、フロントバンパ3の下部は、座屈することなく、突出部21と補強部23により、歩行者の膝下を払いうことができる。
その結果、ボンネット9上で適切に荷重を吸収され、衝突による衝撃から歩行者を保護することが可能となる。
以上より、実施形態に係る車両前部1の構造によれば、別途セーフティプレートを設けることなく、セーフティプレート機能を発揮することができる。
しかしながら、フロントバンパ3の下方に取り付けられるロアグリル4は、重量部材40を備えており、重量が増加しているため、振動の発生を抑えることができる。
さらに、重量部材40をロアグリル4の延出部22における適切な位置に設けることで、フロントバンパ3の下部における固有振動周波数を変更することができ、アイドリング周波数との共振を回避できる。
さらに、前記する重量部材40は、突出部21の後方近傍に配設されており、ロアグリル4の前部側の剛性が向上し、より確実にセーフティプレート機能を発揮することができる。
また、開口部2を通過した外気が、ロアグリル4の延出部22の上面に沿って流れ、車両V内部に配設されるラジエータ等を冷却することができる。
以上より、実施形態に係る車両前部1の構造によれば、整流である外気をラジエータ等に供給することができるため、冷却性能を向上させることができる。
そのため、走行中に、フロントバンパ3の底面側に沿って流れる外気を整流する機能を有し、空力性能を向上できる。
2 開口部
3 フロントバンパ
4 ロアグリル
10 フロントバンパ前面
13 フロントバンパ下面
14 底面部
15 凹面部
15a 被係止部
20 環状部
21 突出部
22 延出部
23 補強部
25 折り返し部
26 仕切壁
27 縦壁
40 重量部材
V 車両
Claims (6)
- 車両前部に配設され、車幅方向に延在するフロントバンパと、
前記フロントバンパの下方に配置され、外気を車両内部に流入させる開口部を有するロアグリルと、を備える車両前部構造であって
前記フロントバンパは、
前記車幅方向に延びる下端に沿って車両後方に延出するフロントバンパ下面を有し、
前記フロントバンパ下面は、
両側部に、フロントバンパの底面を構成する一対の底面部と、
中央部に、前記一対の底面部から上方に向かって凹む凹面部と、を有し、
前記ロアグリルは、
前記凹面部の後端側下方に配置され、前記開口部を構成する環状部と、
前記環状部の下部から前方に凸状となるように突出し、前記凹面部と対向する突出部と、
前記突出部の後端から前記一対の底面部との間に延出して、前記一対の底面部に取り付けられる延出部と、
前記環状部の上部から前記凹面部の背面側に延出して、前記フロントバンパ下面を補強する補強部と、を有することを特徴とする車両前部構造。 - 前記突出部は、
前記環状部の下部から前方に延出して前記凹面部と対向するとともに、下方に折り返して、後方に延出して前記延出部に連続する折り返し部と、
前記折り返し部の内方を前記車幅方向に仕切る仕切壁と、を有し、
前記仕切壁は、後端が切り欠かれていることを特徴とする請求項1に記載の車両前部構造。 - 前記突出部は、
前記環状部の下部から前方に突出して前記凹面部と対向するとともに、下方に折り返して、後方に延出して、前記延出部に連続する折り返し部と、
前記折り返し部の内方を前記車幅方向に仕切る仕切壁と、を有し、
前記延出部は、上面に、前後方向に延びる複数の縦壁を有し、
前記仕切壁は、前記複数の縦壁のいずれかに前後方向で連続していることを特徴とする請求項1に記載の車両前部構造。 - 前記延出部は、略水平面に形成されているとともに、
前記一対の底面部とその間に取り付けられる前記延出部とから構成される前記フロントバンパの底面が、略平面状になっていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の車両前部構造。 - 前記フロントバンパは、前面に意匠部材を有しており、
前記ロアグリルは、前記意匠部材に連結される連結部を有することを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の車両前部構造。 - 前記フロントバンパは、
上端から車両後方に延出するフロントバンパ上面と、
左右両端から車両後方に延出する一対のフロントバンパ側面と、を有し、
前記ロアグリルは、
前記延出部の車幅方向の中央部に固定される重量部材を有し、
前記フロントバンパ上面は、前記車両の骨格部材に支持されており、
前記一対のフロントバンパ側面は、前記車両の両側部に設けられたフェンダに支持されることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の車両前部構造。
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