JP2011063092A - 車両の前部車体構造 - Google Patents

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真樹 中浦
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忠士 井岡
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Abstract

【課題】歩行者と衝突した場合、脚払い部材は、バンパフェイスを介して突出部が歩行者の下脚部に衝突する。
【解決手段】突出部6eに入力した衝突荷重は、上面部6aと下面部6bの潰れ変形によって吸収される。上面部6aと下面部6bの潰れ変形によっても吸収されない衝突荷重は、装着部33から衝撃伝達部7cに入力する。平板状の衝撃伝達部7cは、車体前後方向の衝突荷重を殆ど減衰させることなく支持本体部7bに伝達している。支持本体部7bに入力された衝突荷重は、上下方向に亙って延びる前後2本のビード部32の変形によって吸収される。支持本体部7bに入力された衝突荷重が小さな場合、前側のビード部32が潰れ変形して衝突荷重を吸収し、前側のビード部32の変形によっても吸収されない衝突荷重は、後側のビード部32の変形によって衝突荷重を吸収している。
【選択図】図4

Description

本発明は、車両の前部車体構造に関し、特にバンパレインフォースメントの下側且つ前側位置に車幅方向部材を備えた車両の前部車体構造に関する。
従来、車両と歩行者との衝突時に歩行者の車体下方への巻き込み等の二次障害を防止することを目的として、衝突時に歩行者の下脚部を払って歩行者をボンネットの上に跳ね上げることが行われている。この具体的な構成として、バンパレインフォースメントの下方位置にシュラウドロアメンバに支持され車幅方向に延びた車幅方向部材、所謂脚払い部材を備えた前部車体構造が公知である。脚払い部材は、歩行者との衝突時に車体後方へ向かって潰れながら衝突エネルギーを吸収するため、一定の支持剛性が要求され、シュラウドロアメンバ等の車体構成部材にブラケットを介して支持されている。
車両デザインの多様化に伴い、低ボンネットの車両も多種存在している。このような車両は、ラジエータの上部を前方に傾斜した前傾姿勢配置によって低ボンネット化を実現している。ラジエータを前傾姿勢にした場合、ラジエータの下部を支持するシュラウドロアメンバが車体後方に配置されるため、脚払い部材をシュラウドロアメンバに固定するブラケットが大型化することが懸念される。
特許文献1に記載された車体構造においては、左右1対のフロントサイドフレームに固定された1対の支持部材と、これらの支持部材に支持された車幅方向に延びる車幅方向部材としての脚払い部材をバンパレインフォースメントの下方且つ前方位置に設け、この脚払い部材を歩行者との衝突エネルギーに応じて変形可能に構成している。この車体構造では、脚払い部材をフロントサイドフレームに強固に支持することができ、脚払い部材の変形によって衝突による衝撃荷重を吸収して歩行者の脚部の安全を確保している。
一方、車両の前面衝突時の乗員に対する衝撃荷重を低減する為に、フロントサイドフレームに入力される衝突エネルギーによりフロントサイドフレームを所定の変形モードで変形させることで衝突エネルギーを吸収する変形モード制御も実用化されている。 例えば、衝突初期にフロントサイドフレームの先端部分に配置されたクラッシュカンを潰れ変形させ、衝突中期以降では、フロントサイドフレームを、ダッシュパネルとの結合部を中心として平面視で見て車幅方向外側へ向かうように屈曲変形させることで、衝突初期に車体減速度を大きくし、その後の車体減速度を維持するように制御している。
特開2001−88634号公報
前記車体構造では、脚払い部材を剛性の高いブラケットやタイダウンフック等の支持部材によってフロントサイドフレームに強固に固定している。しかし、これらの支持部材は、フロントサイドフレームへの固定位置から脚払い部材の配置位置まで車体前後方向に延設する必要があり、支持部材自体の重量増加を招く虞がある。
フロントサイドフレームの先端部分にクラッシュカンを設けた場合、支持部材は前後方向に一層長くなり、支持部材の重量が更に増加する。しかも、支持部材の重量が増加した場合、フロントサイドフレームへの支持剛性を高くする必要が生じ、フロントサイドフレームの変形を阻害する虞がある。
本発明の目的は、フロントサイドフレームの先端部分にクラッシュカンを備えた車両において、歩行者との衝突時、脚払い機能を確保しつつ車体重量の増加を抑制できる前部車体構造を提供することである。
請求項1の車両の前部車体構造は、ボンネットの下方において車体前後方向に延びた左右1対のフロントサイドフレームと、これら1対のフロントサイドフレームの前方に設けられ車体前方から入力する衝撃荷重を変形によって吸収するための左右1対のクラッシュカンと、これら1対のクラッシュカンの前端部に取付けられ車幅方向に延びたバンパレインフォースメントと、このバンパレインフォースメントの前側に配置され車体前部の外表面を形成するバンパフェイスと、前記1対のクラッシュカンの下側で且つ前端が前記バンパレインフォースメントよりも前側位置に配置され車幅方向に延びた車幅方向部材を備えた車両の前部車体構造において、前記クラッシュカンに下方に延びる支持部材を設け、この支持部材によって前記車幅方向部材を支持したことを特徴としている。
この前部車体構造においては、フロントサイドフレームの前端部分に設けられたクラッシュカンに支持部材を設け、この支持部材によって車幅方向部材を支持したため、支持部材の前後長を短くすることができる。
請求項2の発明は、請求項1の発明において、前記支持部材は、前記車幅方向部材に入力した車両前後方向の衝撃荷重を吸収可能な衝撃吸収部と、前記クラッシュカンの車体前後方向の変形を許容する脆弱部を備えたことを特徴としている。
請求項3の発明は、請求項1または2の発明において、前記支持部材は、この支持部材を前記クラッシュカンに取付けるための複数の取付部を備え、これらの取付部は車幅方向に所定距離離隔して配置されたことを特徴としている。
請求項4の発明は、請求項1または2の発明において、前記支持部材は、前記クラッシュカンの延長部分によって一体的に形成されたことを特徴としている。
請求項5の発明は、請求項2〜3の何れか1つの発明において、前記衝撃吸収部は車体前後方向に対して所定角度傾斜する傾斜部を有し、前記衝撃吸収部の上端部は前記脆弱部と連結されたことを特徴としている。
請求項6の発明は、請求項1〜5の何れか1つの発明において、前記1対のフロントサイドフレーム間であって前記車幅方向部材の後方位置に熱交換器と、この熱交換器を支持するシュラウドを設け、前記熱交換器は、上側部分が車体前後方向前方に傾斜するように配置されたことを特徴としている。
請求項1の発明によれば、支持部材の前後長を短縮化できるため、支持部材の重量増加を抑制することができる。それ故、歩行者との衝突時、脚払い機能を確保しつつ車体重量の増加を抑制することができる。しかも、車両の前面衝突時、クラッシュカンによって衝突エネルギーを吸収できるため、フロントサイドフレームによる変形モード制御と脚払い機能を両立することができる。
請求項2の発明によれば、支持部材によって前後方向の衝撃荷重を吸収できるため、車幅方向部材の前後長を短くすることができる。更に、脆弱部を備えたため、車両の前面衝突時、クラッシュカンの潰れ変形を阻害することなく、衝突エネルギー吸収を確実に行うことができる。
請求項3の発明によれば、クラッシュカンへの支持部材の取付部によるクラッシュカンの潰れ変形の阻害を防止することができる。
請求項4の発明によれば、支持部材の取付部を必要としないため、クラッシュカンの潰れ変形の阻害を防止することができ、車体重量を軽減することができる。
請求項5の発明によれば、支持部材の車幅方向の剛性低下を抑えることができ、支持部材とクラッシュカンの境界部分で生じる支持部材の内倒れを防止することができる。
請求項6の発明によれば、低ボンネット車両等シュラウドロアが車体後方に配置された車両において、脚払い機能を確保しつつ車体重量の増加を抑制することができ、フロントサイドフレームによる変形モード制御を可能にすることができる。
本発明の実施例1に係る前部車体の平面図である。 シュラウドパネルを省略した前部車体の右半分内部の要部斜視図である(図1のII−II線断面)。 バンパフェイスを外した車体の正面図である。 図1のIV−IV線断面図である。 支持部材の斜視図である。 衝突後の図2相当図である。 衝突後の図4相当図である。 衝突後の図5相当図である。 実施例2に係る図4相当図である。 実施例3に係るシュラウドパネルを省略した前部車体の右半分内部を斜め下方から見た要部斜視図である。 実施例3に係る図3相当図である。 実施例3に係る図4相当図である。 実施例4に係るシュラウドパネルを省略した前部車体の右半分内部を斜め前方から見た要部斜視図である。 実施例4に係る図4相当図である。 実施例4に係る前部車体右側の平面図である。 実施例5に係るシュラウドパネルを省略した前部車体の右半分内部の要部斜視図である。 走行風の流れを説明する説明図である。 実施例6に係るシュラウドパネルを省略した前部車体の右半分内部の要部斜視図である。 実施例6に係る図5相当図である。 実施例7に係る支持部材と一体形成されたクラッシュカンの斜視図である。
以下、本発明を実施するための形態について実施例に基づいて説明する。
尚、以下の実施例において、車両の前後方向を前後方向とし、車両の左右方向を左右方向として説明する。
以下、本発明の実施例について図1〜図8に基づいて説明する。
車両Vの前部車体1は、エンジンルームEの上部を覆うボンネット2と、車体前後方向に延びた左右1対のフロントサイドフレーム3と、車幅方向に延びたバンパレインフォースメント4と、前部車体1の外表面を形成するバンパフェイス5と、車幅方向に延びた脚払い部材6(車幅方向部材)と、脚払い部材6を左右1対のフロントサイドフレーム3に支持する支持部材7と、エンジン(図示略)の冷却水と走行風との熱交換を行うラジエータ8(熱交換器)等から構成されている。
ボンネット2の前端部分には、外縁形状に沿って車幅方向に延びるボンネットレインフォースメント2aが配置されている。ボンネットレインフォースメント2aは、ボンネット2と閉断面部を形成している。
左右1対のフロントサイドフレーム3は、車室の前端部を仕切るダッシュパネル(図示略)の前側においてエンジンルームEの左右両側に前後方向に延びるように形成されている。左右1対のフロントサイドフレーム3は、車両Vの前側位置から後方へ向かって略水平状に延び且つ後端側途中部がダッシュパネルの縦壁部に接合されている。左右1対のフロントサイドフレーム3は、同様の構成であるため、右側のフロントサイドフレーム3を主に説明する。
図2,図4に示すように、フロントサイドフレーム3は、車幅方向外側のアウタパネルと、車幅方向内側のインナパネルとから構成され、これらのアウタパネルとインナパネルによって断面が略矩形形状の閉断面部を形成している。フロントサイドフレーム3には、上下方向に延びる複数のビード部3aがアウタパネルとインナパネルの夫々に形成されている。各々のビード部3aのビード深さとビード幅と上下長は、前面衝突時、フロントサイドフレーム3が所定の方向へ折れ変形するように設定されている。
フロントサイドフレーム3の前端部分には、シュラウドパネル(図示略)を介してクラッシュカン9を取付けるためのフランジ部3bが形成されている。角筒状のクラッシュカン9は、車体前後方向に直交し且つクラッシュカン9の内方に凹入した環状の前後2列の溝部9aが形成されている。クラッシュカン9は、ボルトによって後端部分をフランジ部3bに締結固定されている。
クラッシュカン9の前端部分には、バンパレインフォースメント4が連結されている。バンパレインフォースメント4は、左右方向に延びる閉断面形状に構成されている。クラッシュカン9の前端部は、バンパレインフォースメント4の閉断面内部に嵌入されるように形成されている。従って、クラッシュカン9が嵌入する部分では、バンパレインフォースメント4の断面はコ字形状になっている。以上により、左右1対のクラッシュカン9は、車両衝突初期にバンパレインフォースメント4を介して前方から衝撃荷重が入力され、この衝撃荷重により溝部9a等が圧縮変形して潰れることで衝突エネルギーを吸収する。
バンパレインフォースメント4の前方には、発泡合成樹脂製の衝撃吸収体10がバンパフェイス5の車幅方向全域に亙って配置されている。衝撃吸収体10は、車両衝突時にバンパフェイス5を介して前方からの衝撃荷重により圧縮変形することによって衝突エネルギーを吸収し、所望のエネルギー吸収機能を達成し得るサイズ、形状に構成されている。衝撃吸収体10は、発泡合成樹脂に限ることなく、複数のリブを組み合わせて構成された合成樹脂構造体等で構成することも可能である。尚、図1において、脚払い部材6は衝撃吸収体10と略同一の位置に設けられるため、記載を省略している。
バンパフェイス5は、左右両側にヘッドライトを格納可能な1対のヘッドライト用開口5aと、車幅方向中央領域にエンジンルームE内へ走行風を導入可能な導入開口5bと、導入開口5bの下方位置に形成された走行風を導入可能な導入開口5c等を備えている。バンパフェイス5の左右側後端部には、バンパフェイス5に連続して車体側部の外表面を形成する左右1対のフロントフェンダ11が装着されている。
図4に示すように、左右1対のフロントサイドフレーム3の間には、ラジエータ8の上部を支持するシュラウドアッパ12と、シュラウドアッパ12に比べて下側且つ後側位置にラジエータ8の下部を支持するシュラウドロア13と、シュラウドアッパ12の左右端部とシュラウドロア13の左右端部を夫々連結する左右1対のシュラウドサイド(図示略)が配置されている。シュラウドアッパ12とシュラウドロア13と1対のシュラウドサイドは、前傾姿勢になるように配置されると共に、中央領域に開口を備えた矩形枠形状を形成している。シュラウドアッパ12とシュラウドロア13と1対のシュラウドサイドによって形成された開口は、バンパフェイス5の導入開口5b,5cに対向するように配置されている。以上により、ラジエータ8は、前傾姿勢になるように配置され、ボンネット高さを低く抑えることができる。
シュラウドアッパ12とシュラウドロア13の間には、ラジエータ8とラジエータ8用のファン14が配置されている。シュラウドアッパ12には、ラジエータ8の上部を支持するためのブラケット(図示略)がボルト締めによって取付けられている。シュラウドロア13には、ラジエータ8の下部を支持するためのブラケット(図示略)が取付けられている。以上により、ラジエータ8は、導入開口5b等から導入された走行風によってエンジンの冷却水を冷却可能に構成されている。
合成樹脂製の脚払い部材6(車幅方向部材)は、バンパレインフォースメント4の下側且つ前側位置、つまり衝撃吸収体10の下方で歩行者の下脚部高さに相当する導入開口5cの後方付近に配置されている。脚払い部材6は、上面部6aと、下面部6bと、前面部6c、後面部6d等から構成され、車幅方向に延びた閉断面部構造とされている。前面部6cの下部には、前方に突出して車幅方向に延びる突出部6eが形成されている。脚払い部材6は、左右の支持部材7に左右端部分がボルト15によって取付けられている。尚、脚払い部材6は、閉断面部構造に限られるものではなく、所望の剛性に応じて中実構造にすることも可能である。
図2,図4,図5に示すように、鋼板製の支持部材7は、支持部材7をクラッシュカン9に取付けるための取付部7aと、支持本体部7bと、この支持本体部7bへ衝撃荷重を伝達可能で且つ脚払い部材6を装着するための衝撃伝達部7c等によって一体的に構成されている。これら支持部材7は、左右のクラッシュカン9の下端面にボルト16によって夫々固定されている。左右の支持部材7は、同様の構成のため、右側の支持部材7について説明する。
図5に示すように、取付部7aは、前側部分と後側部分にボルト16が貫通可能な1対のボルト穴30と、車体前後方向に直交し且つ前後2列の溝部9aに対向すると共に各溝部9aと反対側に凹入して左右方向に亙って延びた前後2列のビード部31(脆弱部)等を備えている。支持部材7がクラッシュカン9の下端面に固定されたとき、取付部7aは車体上下方向に対して直交する面と平行に配置され、各ビード部31は車体前後方向に対して直交状に前後配置されている。
以上により、車両Vの衝突によってクラッシュカン9の溝部9a等が圧縮変形して潰れたとき、ボルト16によってクラッシュカン9の下端面に固定された取付部7aは、各溝部9aの圧縮変形に応じて各ビード部31が圧縮変形され、車体前後方向に潰れることができる。それ故、取付部7aは、クラッシュカン9による衝突エネルギーの吸収を阻害することなく、脚払い部材6をフロントサイドフレーム3に支持することができる。
支持本体部7bは、取付部7aの車幅方向外側端部を直交方向に下方へ屈曲して形成され、車幅方向内側に凹入して上下方向に亙って延びる前後2列のビード部32(衝撃吸収部)等を備えている。前側のビード部32は、前側のビード部31の車幅方向外側端部から連続して下方に延びると共に支持本体部7bの下部において前方に向かって湾曲する湾曲部32a(傾斜部)を備え、支持本体部7bの前端部まで形成されている。後側のビード部32は、後側のビード部31の車幅方向外側端部から連続して下方に延びると共に支持本体部7bの下部において前方に向かって湾曲する湾曲部32a(傾斜部)を備え、支持本体部7bの前後方向中間位置まで形成されている。前側のビード部32と後側のビード部32の上側部分は上下方向に略平行状に延設され、夫々の下端部分は車体上下方向で見て略同じ高さ位置まで形成されている。
各々のビード部32のビード深さとビード幅等は、歩行者との衝突時、歩行者をボンネット2の上に案内するために必要な衝突エネルギー以上の衝撃荷重を吸収できるように設定されている。以上により、歩行者へ衝突時に加わる衝撃荷重を極力低くでき、効果的に歩行者をボンネット2の上に案内することができる。
衝撃伝達部7cは、支持本体部7bの下端部分を車体前側に湾曲させて形成されている。
衝撃伝達部7cは、衝撃伝達部7cの前端部分を車幅方向内側に屈曲して形成された脚払い部材6を装着可能な装着部33と、装着部33を貫通可能に設けられた1対のボルト穴34等を備えている。装着部33の前側表面に固定される脚払い部材6は、1対のボルト穴34を介してボルト15によって支持部材7へ固着されている。
図2,図4に示すように、エンジンルームEの前部の下方には、車体の下側を覆う合成樹脂製のアンダカバー17が配置されている。アンダカバー17は、バンパフェイス5の下端部からラジエータ8の下部を支持するシュラウドロア13の下方位置まで延びている。アンダカバー17の前端部は、車幅方向中央位置において脚払い部材6に設けられた取付けブラケット(図示略)に連結されている。
次に、車両Vの衝突時のフロントサイドフレーム3による変形モード制御を説明する。
車両Vの前面衝突が発生した場合、バンパフェイス5と衝撃吸収体10によって吸収されない衝撃荷重は、クラッシュカン9に伝達される。この荷重は、クラッシュカン9の溝部9aを押し潰すことによって吸収される。このクラッシュカン9の潰れ変形によっても吸収されない衝撃荷重は、フロントサイドフレーム3の前端部から入力され、後方に向かって伝達される。
フロントサイドフレーム3の前端部分に入力された衝撃荷重は、複数のビード部3aに作用して、各々のビード部3aの折れ変形が開始される。このとき、ビード部3aは凹入状に形成されるため、この部位におけるフロントサイドフレーム3の断面係数はその前後の部位の断面係数よりも小さく、ビード部3aが車幅方向外側に対する折れ部になる。以上により、前面衝突における衝突エネルギーを吸収している。
ここで、支持部材7は、取付部7aによってクラッシュカン9に固定されているが、各溝部9aに対応して左右方向に亙って延びる前後2列のビード部31を設けたため、各溝部9aの圧縮変形に応じて各ビード部31が圧縮変形して車体前後方向に潰され、衝突初期におけるクラッシュカン9の衝突エネルギーの吸収を阻害しない。
次に、脚払い部材6による歩行者の脚払い制御について説明する。
図6,図7に示すように、歩行者と衝突した場合、脚払い部材6は衝撃吸収体10の下方で歩行者の下脚部高さに相当する導入開口5cの後方付近に配置されているため、バンパフェイス5を介して突出部6eが歩行者の下脚部に衝突する。突出部6eに入力した衝撃荷重は、上面部6aと下面部6bの潰れ変形によって吸収される。
上面部6aと下面部6bの潰れ変形によっても吸収されない衝撃荷重は、装着部33から衝撃伝達部7cに伝達される。衝撃伝達部7cは、支持本体部7bの下端部を車体前側に湾曲形成した平板形状に構成されているため、車体前後方向の衝撃荷重を殆ど減衰させることなく支持本体部7bに伝達する。
支持本体部7bに入力された衝撃荷重は、上下方向に亙って延びる前後2列のビード部32の変形によって吸収される。支持本体部7bに入力された衝撃荷重が小さな場合、図8に示すように、前側のビード部32の前部部分が潰れ変形して衝撃荷重を吸収している。衝撃荷重が大きくなる程、前側のビード部32の潰れ変形する領域Aが後方且つ上方に拡大している。前側のビード部32の潰れ変形によっても吸収されない衝撃荷重は、後側のビード部32の潰れ変形によって吸収される。尚、衝撃伝達部7cの前端部分が上方へ向かって変位する場合、各ビード部32は潰れ変形を行い、衝撃伝達部7cが下方へ向かって変位する場合、各ビード部32は延び変形を行うことで、衝撃荷重を吸収している。
以上により、歩行者と車両Vの衝突時、脚払い部材6の突出部6eが歩行者の下脚部と最も早く衝突するため、歩行者の上半身がバンパレインフォースメント4と衝突する前に歩行者の下脚部を払って効果的に歩行者をボンネット2の上に案内することができる。しかも、歩行者をボンネット2の上に案内するために必要な衝突エネルギー以上の衝撃荷重は各ビード部32の潰れ変形によって吸収されるため、歩行者へ加わる衝撃荷重を低くすることができる。
次に、前記前部車体構造の作用、効果について説明する。
この前部車体構造は、ボンネット2の下方において車体前後方向に延びた左右1対のフロントサイドフレーム3と、これら1対のフロントサイドフレーム3の前方に設けられ車体前方から入力する衝撃荷重を変形によって吸収するための左右1対のクラッシュカン9と、これら1対のクラッシュカン9の前端部に取付けられ車幅方向に延びたバンパレインフォースメント4と、このバンパレインフォースメント4の前側に配置され車体前部の外表面を形成するバンパフェイス5と、クラッシュカン9の下側で且つその前端がバンパレインフォースメント4よりも前側位置に配置され車幅方向に延びた脚払い部材6を備えているため、車両Vと歩行者との衝突時に歩行者の車体下方への巻き込みを防止することができる。
クラッシュカン9に下方に延びる支持部材7を設け、この支持部材7によって脚払い部材6を支持したため、支持部材7の前後長を短縮化でき、車体重量の増加を抑制することができる。しかも、車両Vの前面衝突時、クラッシュカン9によって衝突エネルギーを吸収できるため、フロントサイドフレーム3による変形モード制御と脚払い機能を両立することができる。
脚払い部材6に入力した車体前後方向の衝撃荷重を吸収可能な前後2列のビード部32を備えているため、脚払い部材6の前後長を短く形成することができ、車体重量の軽量化を図ることができる。クラッシュカン9の車体前後方向の変形を許容する前後2列のビード部31を備えているため、車両Vの前面衝突時、クラッシュカン9の潰れ変形を阻害することなく、衝突エネルギー吸収を確実に行うことができる。
ビード部32は車体前後方向に対して所定角度傾斜するように前方に向かって湾曲する湾曲部32aを備えているため、支持本体部7bの車幅方向の剛性を増すことができる。それ故、支持部材7とクラッシュカン9の境界部分で生じる支持部材7の内倒れを防止することができる。
1対のフロントサイドフレーム3間において脚払い部材6の後方位置にラジエータ8と、ラジエータ8を支持するシュラウドロア13を設け、ラジエータ8は上側部分が車体前方に傾斜するような前傾姿勢に配置されたため、低ボンネット化を可能にし、車両デザインの自由度を拡大することができる。しかも、シュラウドロア13が車体後方に配置された車両において脚払い機能を確保しつつ車体重量の増加を抑制することができ、フロントサイドフレーム3による変形モード制御を可能にすることができる。
次に、実施例2に係る車両の前部車体構造について図9に基づいて説明する。尚、前記実施例1の前部車体構造と異なる構成についてのみ説明し、前記実施例と同一の部材に、同一符号を付して説明を省略する。
図9に示すように、鋼板製の脚払い部材6Aは、車幅方向に延びた閉断面構造とされ、脚払い部材6Aの車体前後方向の剛性は支持部材7の車体前後方向の剛性よりも高く設定されている。脚払い部材6Aは、上面部6aと、下面部6bと、前面部6cと、後面部6dと、前面部6cの下部に位置し前側に突出する突出部6e等から構成されている。脚払い部材6Aは、左右の支持部材7に左右端部分をボルト15によって取付けられている。
次に、実施例2に係る前記前部車体構造の作用、効果について説明する。
この前部車体構造では、脚払い部材6Aを支持部材7の車体前後方向の剛性よりも高い剛性を有する部材に構成したため、支持部材7のみによって衝突エネルギーの吸収を行うことができる。それ故、支持部材7の剛性とビード部32の設定のみによって衝撃吸収の調節を容易に行うことができる。しかも、脚払い部材6Aの高剛性化に伴って、脚払い部材6Aの前後長を一層短くすることができ、車体の軽量化を図ることができる。
次に、実施例3に係る車両の前部車体構造について図10〜図12に基づいて説明する。尚、前記実施例1の前部車体構造と異なる構成についてのみ説明し、前記実施例と同一の部材に、同一符号を付して説明を省略する。
鋼板製の支持部材7Aは、前側支持部7dと、後側支持部7eと、前側支持部7dと後側支持部7eの間に形成された中間部7f等から一体的に構成されている。左右1対の支持部材7Aは、左右のクラッシュカン9の下端面にボルト16によって夫々固定されている。左右の支持部材7Aは、同様の構成のため、右側の支持部材7Aについて説明する。
前側支持部7dは、支持部材7Aをクラッシュカン9に取付けるための取付部37と、脚払い部材6をボルト締結するための装着部38と、取付部37と装着部38の間を一体的に連結する前側本体部39等を有している。
取付部37は、クラッシュカン9の下端面の車幅方向外側位置にボルト16によって固定されている。前側本体部39は、取付部37の車幅方向外側端部を下方に向かって屈曲して形成されている。装着部38は、前側本体部39の下側部の前端部分を車幅方向内側に屈曲させて形成している。
後側支持部7eは、支持部材7Aをクラッシュカン9に取付けるための取付部40と、取付部40の下側に位置する後側本体部41等を有している。取付部40は、クラッシュカン9の下端面の車幅方向内側位置にボルト16によって固定されている。後側本体部41は、取付部40の車幅方向内側端部を下方へ屈曲させて形成している。
中間部7fは、フロントサイドフレーム3の直下の位置に配置され、後方に向かう程、車幅方向中央側へ移行するように形成されている。中間部7fは、前側支持部7dとの境界部分に相当すると共に車幅方向内側に面し且つ上下方向に延びる谷折れ部42(衝撃吸収部)と、後側支持部7eとの境界部分に相当すると共に車幅方向外側に面し且つ上下方向に延びる谷折れ部43(衝撃吸収部)と、取付部37と取付部40の間において中間部7fの上端部に形成された上部開口部44等を備えている。
以上により、取付部37と取付部40の間の位置に上部開口部44と、車幅方向に対して傾斜して形成された中間部7fが形成されたため、車両Vの衝突によってクラッシュカン9が圧縮変形して潰れるのに伴って谷折れ部42,43を起点として中間部7fが潰れるので、クラッシュカン9の圧縮変形の阻害を防止することができる。それ故、支持部材7Bはクラッシュカン9の衝突エネルギーの吸収を阻害することなく、脚払い部材6をフロントサイドフレーム3に支持することができる。
また、歩行者と衝突した場合、脚払い部材6は衝撃吸収体10の下方で歩行者の下脚部高さに相当する導入開口5cの後方付近に配置されているため、バンパフェイス5を介して突出部6eが歩行者の下脚部に衝突する。衝撃荷重は、装着部38から前側支持部7dに入力する。このとき、谷折れ部42を折れ変形の節として、前側支持部7dが車幅方向外側へ移動して衝突荷重を吸収している。前側支持部7dの変形によっても吸収されない衝撃荷重は、後側支持部7eが谷折れ部43を折れ変形の節として車幅方向内側へ移動して衝撃荷重を吸収している。これにより、歩行者をボンネット2の上に案内するために必要な衝突エネルギー以上の衝撃荷重は谷折れ部42と谷折れ部43の座屈変形によって吸収されるため、歩行者へ加わる衝撃荷重を小さくすることができる。
しかも、中間部7fが後方に向かう程、車幅方向中央側へ移行するように傾斜して設置されたため、新たに走行風案内部を新設することなく導入開口5b,5cから導入されたフロントフレーム3の下側を通過する走行風をラジエータ8へ案内することができ、一層ラジエータ8の冷却性能を高めることができる。
次に、実施例4に係る車両の前部車体構造について図13〜図15に基づいて説明する。尚、前記実施例3の前部車体構造と異なる構成についてのみ説明し、前記実施例と同一の部材に、同一符号を付して説明を省略する。
鋼板製の支持部材7Bは、前側支持部7dと、後側支持部7eと、前側支持部7dと後側支持部7eの間に位置する中間部7f等から一体的に構成されている。左右1対の支持部材7Bは、左右のクラッシュカン9の下端面にボルト16によって夫々固定されている。
中間部7fは、クラッシュカン9の下端面の直下の位置に配置され、後方に向かう程、車幅方向中央側へ移行するように傾斜して設置されている。中間部7fは、谷折れ部42と、谷折れ部43と、上部開口部44と、上部開口部44の下方に形成された中央開口部45等から構成されている。中央開口部45の大きさは、歩行者との衝突時、歩行者をボンネット2の上に案内するために必要な衝突エネルギー以上の衝撃荷重を谷折れ部42,43と協働して吸収できるように設定されている。
以上により、支持部材7Bはクラッシュカン9による衝突エネルギーの吸収を阻害することなく、脚払い部材6をフロントサイドフレーム3に支持することができ、谷折れ部42と谷折れ部43の座屈変形によって衝撃荷重を吸収するため、歩行者へ加わる衝撃荷重を低くすることができる。しかも、中央開口部45の形成によって支持部材7Bの軽量化を図ることができ、車体重量を軽減することができる。
次に、実施例5に係る車両の前部車体構造について図16,図17に基づいて説明する。尚、前記実施例1の前部車体構造と異なる構成についてのみ説明し、前記実施例と同一の部材に、同一符号を付して説明を省略する。
車両Vの前部車体1は、ボンネット2と、左右1対のフロントサイドフレーム3と、バンパレインフォースメント4と、バンパフェイス5と、脚払い部材6B(車幅方向部材)と、脚払い部材6Bを左右1対のフロントサイドフレーム3に支持する支持部材7Cと、ラジエータ8と、圧縮されて高温となった吸気を冷却するためのインタークーラ19(第2熱交換器)等を備えている。
鋼板製の脚払い部材6Bは、衝撃吸収体10の下方で歩行者の下脚部高さに相当する導入開口5cの下部後方に配置されている。脚払い部材6Bの車体前後方向の剛性は支持部材7Cの車体前後方向の剛性よりも高く設定されている。脚払い部材6Bは、断面略ハット状に形成され、左右の支持部材7Cに左右端部分をボルト15によって取付けられている。
鋼板製の支持部材7Cは、取付部7aと、支持本体部7bと、衝撃伝達部7c等から一体的に構成されている。左右1対の支持部材7Cは、左右のクラッシュカン9の下端面にボルト16によって夫々固定されている。取付部7aは、車体前後方向に直交し且つ前後2ヶ所の溝部9aに対向して各溝部9aと反対側に凹入して左右方向に亙って延びる前後2列のビード部31等を備えている。支持部材7Cがクラッシュカン9の下端面に固着されたとき、取付部7aは車体上下方向に対して直交する面と平行に配置され、各ビード部31は車体前後方向に対して直交状に前後に配置されている。
支持本体部7bは、取付部7aの車幅方向外側端部を直交方向に屈曲して形成され、車幅方向内側に凹入して上下方向に亙って延びる前後2列のビード部32と、開口部46等を備えている。前側のビード部32は、前側のビード部31の車幅方向外側端部から連続して下方に向かって延びると共に支持本体部7bの下部において前方に向かって湾曲し、支持本体部7bの前端部まで形成されている。後側のビード部32は、後側のビード部31の車幅方向外側端部から連続して下方に延びると共に支持本体部7bの下部において前方に向かって湾曲している。略長方形形状の開口部46は、前後ビード部32の間において支持本体部7bを貫通するように形成されている。
インタークーラ19は、脚払い部材6Bの右側端部近傍部に配置され、取付けブラケット(図示略)によって固定されている。インタークーラ19の後方には、インタークーラ19によって熱交換された走行風をホイールハウス20に導くための合成樹脂製のダクト21(案内流路)が配置されている。角筒状のダクト21は、インタークーラ19の背面と開口部46を連結するように構成されている。
図17に矢印で示すように、インタークーラ19によって熱交換された走行風はダクト21を通過してホイールハウス20に誘導され、車両Vの外部へ放出される。それ故、ラジエータ8へ熱交換を行う前の走行風を供給することができ、ラジエータ8へ昇温された走行風を案内することを防げるため、各熱交換器の冷却性能を高く維持することができる。尚、ダクト21は、合成樹脂製であるため、支持部材7Cの潰れ変形に影響を与えないように構成されている。
以上により、基本的に実施例1と同様の作用効果を奏することができる。
また、脚払い部材6Bを支持部材7Cの車体前後方向の剛性よりも高い剛性によって構成しているため、衝撃吸収の調節を支持部材7Cのビード部32等の設定のみによって容易に行うことができる。しかも、ラジエータ8の冷却性能とインタークーラ19の冷却性能を高く維持することができる。
次に、実施例6に係る車両の前部車体構造について図18,図19に基づいて説明する。尚、前記実施例1の前部車体構造と異なる構成についてのみ説明し、前記実施例と同一の部材に、同一符号を付して説明を省略する。
左右1対のフロントサイドフレーム3のフランジ部3bには、左右1対のクラッシュカン9Aが夫々取付けられている。各クラッシュカン9Aには、脚払い部材6を支持可能な支持部材7Dが一体的に形成されている。左右1対のクラッシュカン9Aには、同様の構成のため、右側のクラッシュカン9Aについて説明する。
クラッシュカン9Aは、アッパパネル23とロアパネル24によって構成され、両パネル23,24によって車体前後方向に延びると共に正面視で見て十字状の閉断面部を形成している。アッパパネル23は、車幅方向内側の鉛直面部23aと、鉛直面部23aの上側端部と鉛直面部23bの下側端部を連結する水平面部23eと、水平面部23eの外側端部と水平面部23fの内側端部を連結する鉛直面部23bと、鉛直面部23bの上側端部と鉛直面部23cの上側端部を連結する水平面部23f、水平面部23fの外側端部と水平面部23gの内側端部を連結する鉛直面部23cと、鉛直面部23cの下側端部と鉛直面部23dの上側端部を連結する水平面部23gと、水平面部23gの外側端部から下方に延びる鉛直面部23d等から形成されている。
水平面部23gには、車体前後方向に直行し且つクラッシュカン9A内部に凹入する前後2列のビード部23hが形成されている。鉛直面部23dには、各ビード部23hと夫々連続すると共に車幅方向内側に凹入して上端から下端に亙って延びる前後2列のビード部23iが形成されている。
ロアパネル24は、車幅方向内側の鉛直面部24aと、鉛直面部24a下側端部と鉛直面部24bの上側端部を連結する水平面部24eと、水平面部24eの外側端部と水平面部24fの内側端部を連結する鉛直面部24bと、鉛直面部24bの下側端部と鉛直面部24cの下側端部を連結する水平面部24fと、水平面部24fの外側端部と水平面部24gの内側端部を連結する鉛直面部24cと、鉛直面部24cの上側端部と鉛直面部24dの下側端部を連結する水平面部24gと、水平面部24gの外側端部から上方に延びる鉛直面部24d等から形成されている。
支持部材7Dは、鉛直面部23dの下端を下方に延設することによってクラッシュカン9Aと一体的に形成されている。支持部材7Dは、支持本体部47aと、衝撃伝達部47bとから構成されている。支持本体部47aには、車幅方向内側に凹入して上下方向に亙って延びる前後2列のビード部48が形成されている。
前側のビード部48は、前側のビード部23iの下端と連結され下方に向かって延びると共に支持本体部47aの下部において前方に向かって湾曲し、支持本体部47aの前端部まで形成されている。後側のビード部48は、後側のビード部23iの下端と連結され下方に向かって延びると共に支持本体部47bの下部において前方に向かって湾曲している。各々のビード部48のビード深さとビード幅等は、歩行者との衝突時、歩行者をボンネット2の上に案内するために必要な衝突エネルギー以上の衝撃荷重を吸収できるように設定されている。
衝撃伝達部47bは、支持本体部47aの下端部を車体前側に湾曲させて形成されている。衝撃伝達部47bは、衝撃伝達部47bの前端部分を車幅方向内側に屈曲して形成された脚払い部材6の装着部49と、装着部49を貫通可能に設けられた1対のボルト穴50等から構成されている。装着部49の前側表面に配置された脚払い部材6は、1対のボルト穴50の後方からボルト(図示略)によって支持部材7Dへ固着されている。
以上により、基本的に実施例1と同様の効果を奏することができる。
しかも、クラッシュカン9Aの鉛直面部23dを延長して脚払い部材6を支持する支持部材7Dを一体的に形成したため、支持部材7Dの取付部を省略することができ、車体重量の軽減と、クラッシュカン9Aの潰れ変形制御の容易化を図ることができる。
次に、図20に基づいて、脚払い部材6を支持する支持部材と一体形成されたクラッシュカン9Aの変形例について説明する。尚、前記実施例6のクラッシュカン9Aと異なる構成についてのみ説明し、前記実施例と同一の部材に、同一符号を付して説明を省略する。また、左右1対のクラッシュカンは、同様の構成のため、右方のクラッシュカンについて説明する。
図20に示すように、クラッシュカン9Bは、アウタパネル25とインナパネル26によって構成され、両パネル25,26によって車体前後方向に延びると共に正面視で見て十字状の閉断面部を形成している。
アウタパネル25は、水平面部25aと、鉛直面部25eと、水平面部25bと、鉛直面部25fと、水平面部25cと、鉛直面部25gと、水平面部25d等から形成されている。インナパネル26は、水平面部26aと、鉛直面部26eと、水平面部26bと、鉛直面部26fと、水平面部26cと、鉛直面部26gと、水平面部26d等から形成されている。クラッシュカン7Fの前後方向に延びた閉断面部は、水平面部25aと水平面部26aを溶接し、水平面部25dと水平面部26dを溶接することで形成している。
支持部材7Eは、アウタパネル25と一体的に形成され、水平面部25dの車幅方向内側端部を屈曲し、下方に延びるように構成されている。支持部材7Eは、支持本体部47aと、衝撃伝達部47bとから構成されている。支持本体部47aには、車幅方向内側に凹入して上下方向に亙って延びる前後2列のビード部48が形成されている。
尚、クラッシュカン9Bの各面部25a〜25g,26a〜26gに、必要に応じて車体前後方向に直交するビード部を形成することも可能である。
以上により、クラッシュカン9Bの水平面部25dを屈曲して脚払い部材6を支持する支持部材7Eを一体的に形成したため、支持部材7Eの取付部を省略することができ、車体重量の軽減、クラッシュカン9Aの潰れ変形制御の容易化を図ることができる。しかも、支持部材7E及び脚払い部材6の装着部を車幅方向内側に配置することができ、車両デザインの自由度を拡大できる。
次に、前記実施例を部分的に変更した変形例について説明する。
1〕前記実施例においては、支持部材を鋼板によって形成した例を説明したが、少なくとも、支持部材によって、歩行者との衝突時、歩行者をボンネットの上に案内するために必要な衝突エネルギー以上の衝撃荷重を吸収できれば良く、樹脂等他の材質を用いることも可能であり、同様の効果を奏することができる。
2〕前記実施例においては、衝撃伝達部が車体前後方向の衝撃荷重を減衰させることなく支持本体部に伝達する例を説明したが、少なくとも、支持部材によって衝撃荷重を吸収できれば良く、衝撃伝達部に車体前後方向の衝撃荷重を吸収可能なビード部等の衝撃吸収部を設けることも可能である。
3〕前記実施例においては、衝撃吸収部としてのビード部と脆弱部としてのビード部が連続して形成された例を説明したが、夫々のビード部を独立して設けることも可能である。また、衝撃吸収部と脆弱部を支持部材に形成した開口によって構成することも可能である。
4〕前記実施例においては、走行風案内部を支持部材の張出部に固定した例を説明したが、張出部自体を後方に向かう程、車幅方向中央に近接するように構成して、張出部を走行風案内部と兼ねることも可能である。
5〕前記実施例においては、第2熱交換器としてインタークーラを脚払い部材の一端側に配置する例を説明したが、少なくとも、走行風と熱交換を行うものであれば良く、オイルクーラ等を配置することも可能である。また、インタークーラやオイルクーラ等を脚払い部材の両端に配置することも可能である。
6〕その他、当業者であれば、本発明の趣旨を逸脱することなく、前記実施例に種々の変更を付加した形態で実施可能であり、本発明はそのような変更形態も包含するものである。
本発明は、バンパレインフォースメントの下側且つ前側位置に車幅方向部材を備えた車両において、車幅方向部材をクラッシュカンに設けられた支持部材によって支持することによって、車幅方向部材を脚払い機能を確保しつつ車体重量の増加を抑制することができる。
V 車両
1 前部車体
2 ボンネット
3 フロントサイドフレーム
4 バンパレインフォースメント
5 バンパフェイス
5b,5c 導入開口
6,6A,6B 脚払い部材
7,7A〜7E 支持部材
7a 取付部
7b,47a 支持本体部
7c,47b 衝撃伝達部
8 ラジエータ
9,9A,9B クラッシュカン
19 インタークーラ
21 ダクト
32,48 ビード部
32a 湾曲部
33,38,49 装着部
42,43 谷折れ部
46 開口部

Claims (6)

  1. ボンネットの下方において車体前後方向に延びた左右1対のフロントサイドフレームと、これら1対のフロントサイドフレームの前方に設けられ車体前方から入力する衝撃荷重を変形によって吸収するための左右1対のクラッシュカンと、これら1対のクラッシュカンの前端部に取付けられ車幅方向に延びたバンパレインフォースメントと、このバンパレインフォースメントの前側に配置され車体前部の外表面を形成するバンパフェイスと、前記1対のクラッシュカンの下側で且つ前端が前記バンパレインフォースメントよりも前側位置に配置され車幅方向に延びた車幅方向部材を備えた車両の前部車体構造において、
    前記クラッシュカンに下方に延びる支持部材を設け、この支持部材によって前記車幅方向部材を支持したことを特徴とする車両の前部車体構造。
  2. 前記支持部材は、前記車幅方向部材に入力した車両前後方向の衝撃荷重を吸収可能な衝撃吸収部と、前記クラッシュカンの車体前後方向の変形を許容する脆弱部を備えたことを特徴とする請求項1記載の車両の前部車体構造。
  3. 前記支持部材は、この支持部材を前記クラッシュカンに取付けるための複数の取付部を備え、これらの取付部は車幅方向に所定距離離隔して配置されたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の前部車体構造。
  4. 前記支持部材は、前記クラッシュカンの延長部分によって一体的に形成されたことを特徴とする請求項1または2に記載の車両の前部車体構造。
  5. 前記衝撃吸収部は車体前後方向に対して所定角度傾斜する傾斜部を有し、前記衝撃吸収部の上端部は前記脆弱部と連結されたことを特徴とする請求項2〜3の何れか1つに記載の車両の前部車体構造。
  6. 前記1対のフロントサイドフレーム間であって前記車幅方向部材の後方位置に熱交換器と、この熱交換器を支持するシュラウドを設け、
    前記熱交換器は、上側部分が車体前後方向前方に傾斜するように配置されたことを特徴とする請求項1〜5の何れか1つに記載の車両の前部車体構造。














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