JP2013110480A - アンテナ構造体、電波受信機器及びアンテナ構造体の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】磁性材料により形成されたコア21の近傍に、磁性材料により形成され副磁路を形成する副磁路部材25を配置するとともに、コア21と副磁路部材25との間にコア21と副磁路部材25との磁気的結合を妨げるギャップ部材24を配置し、コア21と副磁路部材25とを一括りにして導線を巻回することによりコイル22を形成した。
【選択図】図2
Description
しかし、特に女性用の腕時計型の電波時計等の場合、できるだけ装置を小型化・薄型化するために小型のアンテナを小型のケース内に収納すべき要請もある。このような場合には、金属部材とアンテナ構造体とを離して配置しようとするとデザイン上の制約が大きくなってしまうため、金属部材とアンテナ構造体との間に十分な距離を確保することが困難であるとの問題がある。
このように副磁路部材を設けた場合には、外部から磁束がコイルに入った際に共振により生じる磁束が外部に漏れにくくなるため、アンテナ構造体の近傍に金属部材が配置されても渦電流の発生による損失に起因するアンテナ構造の受信感度の劣化を抑えることが期待できる。
磁性材料により形成された長尺のコアと、
磁性材料により形成され前記コアの近傍に配置され副磁路を形成する副磁路部材と、
前記コアと前記副磁路部材との間に配置され、前記コアと前記副磁路部材との磁気的結合を妨げるギャップ部材と、
前記コアと前記副磁路部材とを一括りにして導線を巻回することにより形成されたコイルと、
を備えていることを特徴としている。
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアンテナ構造体と、
金属材料により形成され、前記アンテナ構造体を収容する外装ケースと、
を備えていることを特徴としている。
長尺のコアを磁性材料により形成するコア形成工程と、
磁性材料により形成され副磁路を形成する副磁路部材を前記コアの近傍に配置するとともに、前記コアと前記副磁路部材との間に前記コアと前記副磁路部材との磁気的結合を妨げるギャップ部材を配置した上で、前記コアと前記副磁路部材とを一括りにして導線を巻回しコイルを形成するコイル形成工程と、
を含んでいることを特徴としている。
これにより、外部からコアに入ってくる磁束は、ギャップ部材により絶縁されている副磁路にはほとんど流れずにコイルの形成されている主磁路に流れ、共振回路によって発生した磁束は、コアにより形成されている主磁路及び副磁路部材により形成されているループ状の副磁路を周回し、アンテナ構造体の外に漏れにくい構成となっている。このため、アンテナ構造体の近傍に金属部材が配置されても金属部材の方に磁束が流れて損失となるのを防ぐことができ、良好な受信感度を実現することができる。
また、薄板状の副磁路部材とコアとを一括りにしてコイルを巻回した後に副磁路部材の両端部を重ね合わせて磁気的に接合させ、閉磁路を形成するため、コイルを機械により自動的に巻回することができ、アンテナ構造体を簡易かつ効率的に生産することができるとの効果を奏する。
図1から図9を参照しつつ、本発明に係るアンテナ構造体及びこれを備える電波受信機器の第1の実施形態を説明する。なお、本実施形態では、電波受信機器としての電波腕時計にアンテナ構造体を搭載する場合を例として説明する。なお、本発明の範囲は図示例に限定されない。
図1に示すように、電波腕時計1は、アンテナ構造体2及びこのアンテナ構造体2が収容されたアンテナ外装ケース4を備えている。
また、本実施形態において、電波腕時計1は、時刻等の表示を行う表示装置51、アンテナ構造体2が電波を受信するための受信回路部等を含む電子部品等(図示せず)が搭載された時計本体5、この時計本体5が収容された時計外装ケース6及びこれらと連結されて電波腕時計1の時計バンドを構成する複数の駒部材7を備えている。
アンテナ外装ケース4、時計外装ケース6、及び駒部材7の裏面側には、それぞれ図示しない連結部が設けられており、アンテナ外装ケース4、時計外装ケース6、及び駒部材7が相互に連結されて鎖状となるようになっている。
なお、アンテナ構造体2が収容されたアンテナ外装ケース4は、時計本体5が収容された時計外装ケース6に隣接又は近接して配置されることが好ましいが、その配置は特に限定されない。
開口部には、図示しない蓋部材が防水リング(図示せず)を介して取り付けられている。なお、蓋部材を形成する材料は特に限定されないが、樹脂等、電波を透過させる材料で形成されていることが好ましい。
なお、アンテナ外装ケース4の内部にアンテナ構造体2を収納する際の収納方向、向きは特に限定されず、電波腕時計1のデザイン等に応じて適宜変更可能である。例えばアンテナ外装ケース4の開口面とほぼ平行となる向きでアンテナ構造体2がアンテナ外装ケース4内に載置されていてもよいし、アンテナ外装ケース4の内側面とほぼ平行となる向きでアンテナ構造体2がアンテナ外装ケース4内に収納されていてもよい。アンテナ構造体2はアンテナ外装ケース4の内側面に接触しないように配置されることが好ましい。
図2から図4に示すように、本実施形態において、アンテナ外装ケース4内に収納されているアンテナ構造体2は、長尺の板状に形成されたコア21と、このコア21に形成されたコイル22と、ギャップ部材24を介して配置された副磁路部材25とを備えている。
なお、直状部211の長さ・幅・形状や張出し部212の形状・大きさ等はここに示したものに限定されない。
また、コア21を形成する材料は、アモルファス合金、Fe-Cu-Nb-Si-B系等のナノ結晶磁性合金、Fe-Si系磁性合金やフェライト、パーマロイに限定されず、コア21の形状に加工することが可能な磁性材料であれば他の材料も適用可能である。また、コア21を形成する手法は特に限定されず、例えば、アモルファス合金、Fe-Cu-Nb-Si-B系等のナノ結晶磁性合金、Fe-Si系磁性合金等の軟磁性金属箔帯を積層して薄い板状にしてもよいし、アモルファス合金やフェライト、パーマロイ等の磁性材料の粉体を固めることにより一体形成してもよいし、パーマロイ等を加工・成型することにより形成してもよい。
本実施形態において、副磁路部材25は、ギャップ部材24を介してコア21と平行に配置された薄板状(シート状)の部材の両端部を磁気的に接合させることにより、閉磁路を形成するものである。副磁路部材25の両端部を接合させる手法は特に限定されないが、例えば磁性材料等が含まれた接着剤等により接着固定される。これにより、副磁路部材25はコイル22を取り囲むように配置され、コイル22から出る磁束を周回させるループ状の磁路を構成する。なお、副磁路部材25の両端部における重なり合う面積を十分に広く取ることにより、接合部分の隙間(ギャップ)を無視できる程度に小さくすることができ、磁気抵抗を少なくして磁束をより通りやすくすることができる。
なお、副磁路部材25は、例えばパーマロイ等、柔軟性に優れ、曲げ加工を施しても割れ等を生じにくい磁性材料で形成されている。なお、副磁路部材25は、一枚で構成されていてもよいし、複数枚の薄板を積層したものであってもよい。
本実施形態では、図2から図4に示すように、副磁路部材25である薄板状の部材がフィル状のギャップ部材24を介して配置されており、コイル22は、コア21とギャップ部材24と副磁路部材25とを一括りにしてコア21の直状部211に巻回されている。
コイル22の巻線数は特に限定されず、アンテナ構造体2により受信する電波の周波数等に応じて適宜設定される。
コイル22には、コンデンサ23が接続されており、アンテナ構造体2にはコイル22及びコンデンサ23により共振回路が形成されている。
共振回路の共振周波数は、例えばコイル22の巻線数やコンデンサ23の容量を調整することにより、アンテナ構造体2の用途等に応じて適宜設定される。本実施形態では、アンテナ構造体2の共振周波数は、例えば日本における標準電波の送信周波数である40kHz又は60kHzに設定されている。
本実施形態のように、コイル22が設けられ主磁路を構成するコア21と副磁路を構成する副磁路部材25との間にギャップ部材24を介在させて、コア21と副磁路部材25との磁気的結合が少なくなるように構成した場合には、図5に示すように、外部から入った磁束の多くがコア21で形成される主磁路を通ってコイル22に流れ、ギャップ部材24によって絶縁されている副磁路部材25により形成される副磁路にはほとんど流れない。このため、外部から入った磁束がコイル22を通らずに副磁路に流れて損失(ロス)となるのを防止することができる。また、共振によりコイル22から出る磁束は、その多くが、コイル22を取り囲むように配置され充分低い磁気抵抗となっている副磁路部材25を周回(巡回)し、外部に漏れるのを防止することができる。このため、アンテナ構造体2の近傍にアンテナ外装ケース4等の金属部材がある場合でも、金属部材側に漏れる磁束がほとんどなく、渦電流の発生による損失(ロス)等を生じにくい。これにより、アンテナ構造体2は良好な受信感度を保つことができ、高いQ値を示す。
図6において、L1は図5におけるコイル22に対応し、C1は図5におけるコンデンサ23に対応する。また、磁気抵抗20aはアンテナ構造体2における主磁路の磁気抵抗に対応するものであり、磁気抵抗20bはアンテナ構造体2における副磁路の磁気抵抗に対応するものである。
図6に示すように、外部からアンテナ構造体2に取り込まれる磁束を定電流源としたとき、その電流はコイルL1に流れる。このとき、磁気抵抗20aを有する主磁路とは別に、仮想的には主磁路から絶縁され、かつ主磁路と同じインダクタンスで充分結合度の高いコイルがもう1つ存在し、これと副磁路の持つ磁気抵抗20bとが相俟って共振型閉回路を形成すると考えられる。ここで共振型閉回路とはコイルに電流(磁束)が入って共振による電流(磁束)が生じた場合に、この電流(磁束)が周回(ループ)する閉回路をいう。これと同様に、本実施形態におけるアンテナ構造体2では、図5に示すように、共振の際に副磁路部材25により形成される副磁路に共振型閉回路が形成され、コア21で形成される主磁路だけでなく、副磁路部材25により形成されるループ状の副磁路においても共振により生じた磁束が周回する。
ここでコイル22の起電力を高めるためには、各磁性体(すなわち、コア21及び副磁路部材25)の磁気抵抗20a,20bを、できるだけ磁束の通りやすい形にすればよく、このためには、例えば副磁路部材25をできるだけ隙間(ギャップ)がなく磁気抵抗の少ない閉磁路となるように構成することが好ましい。
そして、コイル22とコンデンサ23による共振回路のQ値が高くなるようにすることでアンテナ構造体2の高感度化を実現することができる。
図8において、L2は図7におけるコイル32に対応し、C2は図7におけるコンデンサ33に対応する。また、磁気抵抗30aはリングアンテナ3における主磁路の磁気抵抗に対応するものであり、磁気抵抗30bはリングアンテナ3における副磁路の磁気抵抗に対応するものである。
図8に示すように、外部からリングアンテナ3に取り込まれる磁束を定電流源としたとき、その電流は共振回路に流れるものと副磁路部分に流れるものとに別れ、各回路に抵抗(磁気抵抗30a,30b)が入る。
これと同様に、リングアンテナ3においては、図7に示すように、外部から取り込まれる磁束が主磁路と副磁路とに分かれて流れる。このとき、副磁路回路の磁気抵抗30aが、主磁路回路の磁気抵抗30bよりも小さくなることで、コイル32及びコンデンサ33により構成される共振回路のQ値は高まるが、副磁路への磁束の漏れも増加する。この副磁路への磁束の漏れは損失(ロス)となり、この分はアンテナ構造体2の受信感度の劣化となる。
このような損失に対する対応策として一部に隙間(ギャップ)を設けたリング状の副磁路を備え、磁気抵抗を上げて、共振回路への通過磁束とQ値との最適化を図ることも考えられる。
しかしながら、主磁路と副磁路とが絶縁されていない場合には、外部から入る時刻標準電波等の磁束が共振回路と同じように副磁路にも流れることを防止できず、損失(ロス)を生じることから、共振回路のQ値はそれほど上がらない。
時計外装ケース6の表面側(すなわち、ユーザが電波腕時計1を腕に装着した際の視認側)の開口部には、ガラス等で形成された風防部材52が装着されており、時計外装ケース6の裏面側(すなわち、ユーザが電波腕時計1を腕に装着した際に腕に接触する側)の開口部には、図示しない裏蓋部材が防水リング(図示せず)を介して取り付けられている。なお、裏蓋部材を形成する材料は特にされないが、外観上時計外装ケース6、アンテナ外装ケース4及び駒部材7と同じ例えばステンレスやチタン等の金属その他の材料で形成されていることが好ましい。
表示装置51は、例えば液晶表示パネル等で構成された表示手段である。なお、表示装置51を構成する液晶表示パネルの構成や表示される内容等は特に限定されない。また表示装置51は液晶表示パネルで構成されているものに限定されず、例えば有機EL(Electro-Luminescence)等で構成されていてもよい。
本実施形態では、図1に示すように、表示装置51の表示画面に現在時刻と曜日とが表示される場合を例としているが、表示装置51により表示される内容はこれに限定されない。
制御装置は、図示しないCPU(Central Processing Unit)、記憶手段としてのROM(Read Only Memory)及びRAM(Random Access Memory)等を備えるコンピュータである。制御装置は、機能的に見た場合、表示装置51を駆動・制御するための表示制御部、後述するアンテナ構造体2により電波を受信するための電波受信部、アンテナ構造体2により受信された標準電波に基づいて現在時刻の修正等を行う時刻計時部等(いずれも図示せず)を備えている。なお、制御装置による表示制御や電波受信制御、時刻修正制御等は、一般的な電波受信機器において行われているものと同様であるため、その説明を省略する。
図9(A)に示すように、まず、例えばアモルファス合金、Fe-Cu-Nb-Si-B系等のナノ結晶磁性合金、Fe-Si系磁性合金やフェライト、パーマロイ等の磁性材料により、直状部211とこの直状部211の両端から直状部211の延在方向と直交する一方側に張り出した張出し部212とを備えるコア21を形成する(コア形成工程)。そして、フィルム状のギャップ部材24を介して薄板状の副磁路部材25を、コア21の近傍であって直状部211における張出し部212の設けられている側に配置する。
さらに、このアンテナ外装ケース4及び時計外装ケース6に駒部材7を連結させることにより、ブレスレッド型の電波腕時計1が完成する。
アンテナ構造体2により受信された標準電波に基づく受信信号は制御装置に送られ、制御装置において信号の増幅・解析等が行われて、時刻情報が読み出される。制御装置は、この時刻情報に基づいて現在時刻を修正し、修正された時刻を表示装置51の表示画面に表示させる。
これにより、外部からコア21に入ってくる磁束は、ギャップ部材24により絶縁されている副磁路にはほとんど流れずにコイル22の形成されている主磁路に流れるとともに、共振回路によって発生した磁束は、コア21により形成されている主磁路及び副磁路部材25により形成されているループ状の副磁路を周回し、アンテナ構造体2の外に漏れにくい構成となっている。このため、アンテナ構造体2の近傍に金属部材が配置されても金属部材の方に磁束が流れて損失となるのを防ぐことができ、良好な受信感度を実現することができる。これにより、小型のアンテナ構造体2によって十分な受信感度を得ることができる。また、アンテナ外装ケース4等の金属部材をアンテナ構造体2の極近傍まで近接させることができるため、アンテナ構造体2を備える電波腕時計1等の電波受信機器を小型することが可能となる。
また、薄板状の副磁路部材25とコア21とを一括りにしてコイル22を巻回した後に副磁路部材25の両端部を重ね合わせて磁気的に接合させ、閉磁路を形成する。このため、コイル22を機械により自動的に巻回することができ、アンテナ構造体2を簡易かつ効率的に生産することができる。
また、本実施形態では、アンテナ外装ケース4、時計外装ケース6及び駒部材7を全て同じ大きさ・形状としているため、意匠に優れたブレスレッド型の腕時計を実現することができる。
次に、図10から図12を参照しつつ、本発明に係るアンテナ構造体、電波受信機器及びアンテナ構造体の製造方法の第2の実施形態について説明する。なお、本実施形態は、副磁路部材の構成のみが第1の実施形態と異なるものであるため、以下においては、特に第1の実施形態と異なる点について説明する。
本実施形態に係る電波受信機器は、第1の実施形態と同様、アンテナ構造体8とこれを収納する金属材料で形成されたアンテナ外装ケース4とを備える電波腕時計であり、アンテナ構造体8により受信される標準電波に基づいて現在時刻を修正し、表示装置に表示させるものである。
ベース部材271、接合部材272は、例えばアモルファス合金、Fe-Cu-Nb-Si-B系等のナノ結晶磁性合金、Fe-Si系磁性合金やフェライト、パーマロイ等で形成されている。なお、ベース部材271、接合部材272を形成する材料は、ベース部材271、接合部材272の形状に加工することが可能な磁性材料であれば他の材料も適用可能である。また、ベース部材271、接合部材272を形成する手法は特に限定されず、例えば、アモルファス合金、Fe-Cu-Nb-Si-B系等のナノ結晶磁性合金、Fe-Si系磁性合金等の軟磁性金属箔帯を積層して薄い板状にしてもよいし、アモルファス合金やフェライト、パーマロイ等の磁性材料の粉体を固めることにより一体形成してもよいし、パーマロイ等を加工・成型することにより形成してもよい。
また、接合部材272は例えば接着剤による接着固定等の手法によりベース部材271の突出部271bに取り付けられる。接着剤は例えば磁性体が混ぜ込まれたものを使用する。なお、接合部材272を突出部271bに取り付ける手法は接着固定に限定されない。また、接着固定する場合、接着剤の種類は特に限定されない。
まず、第1の実施形態と同様に、例えばアモルファス合金、Fe-Cu-Nb-Si-B系等のナノ結晶磁性合金、Fe-Si系磁性合金やフェライト、パーマロイ等の磁性材料により、直状部211とこの直状部211の両端から直状部211の延在方向と直交する一方側に張り出した張出し部212とを備えるコア21を形成する(コア形成工程)。そして、フィルム状のギャップ部材24を介してコ字状のベース部材271を、コア21の近傍であって直状部211における張出し部212の設けられている側に配置する。
さらに、このアンテナ外装ケース4及び時計外装ケース6に駒部材7を連結させることにより、ブレスレッド型の電波腕時計1が完成する。
なお、その他は、第1の実施形態と同様であることから、その説明を省略する。
すなわち、本実施形態では、副磁路部材27が、直状部271aとこの直状部271aから一方向に突出した一対の突出部271bとを備えるコ字状のベース部材271と、このベース部材271の一対の突出部271bを磁気的に接合させて閉磁路を形成する接合部材272とで構成されている。このため、副磁路部材を折曲げ加工して接合させる場合等と比較して副磁路部材27の組立をより容易に行うことができる。また、副磁路部材を柔軟性のある材料で形成する場合と比較してアンテナ構造体8の剛性を高めることができる。
この場合には、例えば図13に示すように、アンテナ構造体9を、直状部911とこの直状部911の両端部に設けられた張出し部912からなるコア91と、直状部911の両側にそれぞれ配置されたギャップ部材94,96と、このギャップ部材94,96を介して直状部911の両側にそれぞれ平行に配置された副磁路部材95,97とを備え、コア91の直状部911とギャップ部材94,96と副磁路部材95,97とをを一括りにして導線を巻回してコイル92を形成する。これにより、直状部911の両側に2つのループ状の副磁路が形成され、磁束の漏れをより確実に防ぐことが可能となる。
なお、ギャップ部材及び副磁路部材を設ける数、位置等は特に限定されず、例えば、コアの直状部を囲むように3面又は4面にそれぞれギャップ部材及び副磁路部材を設けてもよい。また、ギャップ部材と副磁路部材とは1対1で対応していなくてもよく、例えばギャップ部材をコアの直状部全周に亘って巻きつけ、このギャップ部材を介して複数の副磁路部材をコアの直状部の周りに設けてもよい。
また、各実施形態では、アンテナ構造体を適用する電波受信機器が電波腕時計である場合を例として示したが、アンテナ構造体を適用可能な電波受信機器はこれに限られるものではなく、アンテナ構造体により電波を受信する構成のものであれば如何なるものであってもよい。例えば、固定式の電波時計や、小型ラジオ、携帯端末等にアンテナ構造体を適用してもよい。
以下に、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲に記載した発明を付記する。付記に記載した請求項の項番は、この出願の願書に最初に添付した特許請求の範囲の通りである。
〔付記〕
<請求項1>
磁性材料により形成された長尺のコアと、
磁性材料により形成され前記コアの近傍に配置され副磁路を形成する副磁路部材と、
前記コアと前記副磁路部材との間に配置され、前記コアと前記副磁路部材との磁気的結合を妨げるギャップ部材と、
前記コアと前記副磁路部材とを一括りにして導線を巻回することにより形成されたコイルと、
を備えていることを特徴とするアンテナ構造体。
<請求項2>
前記副磁路部材は、
前記ギャップ部材を介して前記コアと平行に配置された薄板状の部材の両端部を磁気的に接合させることにより、閉磁路を形成するものであることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ構造体。
<請求項3>
前記副磁路部材は、
前記ギャップ部材を介して前記コアと平行に配置された直状部とこの直状部から一方向に突出した一対の突出部とを備えるコ字状のベース部材と、
このベース部材の前記一対の突出部を磁気的に接合させて閉磁路を形成する接合部材と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ構造体。
<請求項4>
請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアンテナ構造体と、
金属材料により形成され、前記アンテナ構造体を収容する外装ケースと、
を備えていることを特徴とする電波受信機器。
<請求項5>
長尺のコアを磁性材料により形成するコア形成工程と、
磁性材料により形成され副磁路を形成する副磁路部材を前記コアの近傍に配置するとともに、前記コアと前記副磁路部材との間に前記コアと前記副磁路部材との磁気的結合を妨げるギャップ部材を配置した上で、前記コアと前記副磁路部材とを一括りにして導線を巻回しコイルを形成するコイル形成工程と、
を含んでいることを特徴とするアンテナ構造体の製造方法。
<請求項6>
前記副磁路部材は、薄板状の部材であり、
前記ギャップ部材を介して前記コアと平行に配置された前記副磁路部材の両端部を、前記コイルを巻回した後に磁気的に接合させることにより、閉磁路を形成する副磁路部材接合工程をさらに含んでいることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ構造体の製造方法。
<請求項7>
前記副磁路部材は、前記ギャップ部材を介して前記コアと平行に配置された直状部及びこの直状部から一方向に突出した一対の突出部を備えるコ字状のベース部材と、前記ベース部材の前記一対の突出部を磁気的に接合させる接合部材とを備え、
前記コイルを巻回した後に、前記ベース部材の前記一対の突出部を磁気的に接合させて閉磁路を形成する副磁路部材接合工程をさらに含んでいることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ構造体の製造方法。
2 アンテナ構造体
4 アンテナ外装ケース
5 時計本体
6 時計外装ケース
7 駒部材
8 アンテナ構造体
9 アンテナ構造体
21 コア
22 コイル
23 コンデンサ
24 ギャップ部材
25 副磁路部材
211 直状部
212 張出し部
Claims (7)
- 磁性材料により形成された長尺のコアと、
磁性材料により形成され前記コアの近傍に配置され副磁路を形成する副磁路部材と、
前記コアと前記副磁路部材との間に配置され、前記コアと前記副磁路部材との磁気的結合を妨げるギャップ部材と、
前記コアと前記副磁路部材とを一括りにして導線を巻回することにより形成されたコイルと、
を備えていることを特徴とするアンテナ構造体。 - 前記副磁路部材は、
前記ギャップ部材を介して前記コアと平行に配置された薄板状の部材の両端部を磁気的に接合させることにより、閉磁路を形成するものであることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ構造体。 - 前記副磁路部材は、
前記ギャップ部材を介して前記コアと平行に配置された直状部とこの直状部から一方向に突出した一対の突出部とを備えるコ字状のベース部材と、
このベース部材の前記一対の突出部を磁気的に接合させて閉磁路を形成する接合部材と、
を備えていることを特徴とする請求項1に記載のアンテナ構造体。 - 請求項1から請求項3のいずれか一項に記載のアンテナ構造体と、
金属材料により形成され、前記アンテナ構造体を収容する外装ケースと、
を備えていることを特徴とする電波受信機器。 - 長尺のコアを磁性材料により形成するコア形成工程と、
磁性材料により形成され副磁路を形成する副磁路部材を前記コアの近傍に配置するとともに、前記コアと前記副磁路部材との間に前記コアと前記副磁路部材との磁気的結合を妨げるギャップ部材を配置した上で、前記コアと前記副磁路部材とを一括りにして導線を巻回しコイルを形成するコイル形成工程と、
を含んでいることを特徴とするアンテナ構造体の製造方法。 - 前記副磁路部材は、薄板状の部材であり、
前記ギャップ部材を介して前記コアと平行に配置された前記副磁路部材の両端部を、前記コイルを巻回した後に磁気的に接合させることにより、閉磁路を形成する副磁路部材接合工程をさらに含んでいることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ構造体の製造方法。 - 前記副磁路部材は、前記ギャップ部材を介して前記コアと平行に配置された直状部及びこの直状部から一方向に突出した一対の突出部を備えるコ字状のベース部材と、前記ベース部材の前記一対の突出部を磁気的に接合させる接合部材とを備え、
前記コイルを巻回した後に、前記ベース部材の前記一対の突出部を磁気的に接合させて閉磁路を形成する副磁路部材接合工程をさらに含んでいることを特徴とする請求項5に記載のアンテナ構造体の製造方法。
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