JP2013086147A - 連続鋳造による高清浄度鋼鋳片の製造方法 - Google Patents

連続鋳造による高清浄度鋼鋳片の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】 壁部と、壁部の上端部位に水平方向に突出した庇状部と、を有する堰を設置したタンディッシュを用いて、介在物の浮上分離を従来に比較して確実に且つ有効に行う。
【解決手段】 溶鋼注入部位5と溶鋼流出口6との間に、溶鋼注入部位を四方向から囲んで上方に伸びる壁部8と、壁部の上端部位に溶鋼注入部位側を向いて水平方向に突出した庇状部9と、を有し、且つ、切り欠き10を一箇所以上有する、外形が矩形の堰7を配置したタンディッシュ1を用い、堰の上部開口部面積S1、切り欠きの開口面積S2、堰で囲まれる空間の体積V、堰の矩形外形の長辺長さX及び堰の矩形外形の短辺長さYに対して、タンディッシュへの溶鋼の注入流量Qと、鋳型への溶鋼の注入流量m及び注入速度uとが、下記の(1)式の関係を満足するように、溶鋼注入を制御しながら鋼鋳片を連続鋳造する。3.0≦(m×u)×(S1/Q)×(1/V)×(X/Y)×(1+S2)≦50 …(1)
【選択図】 図1

Description

本発明は、連続鋳造による高清浄度鋼鋳片の製造方法に関し、詳しくは、タンディッシュにおいて、脱酸生成物などの酸化物系非金属介在物の浮上分離を促進させて溶鋼の清浄性を高める方法に関する。
鋼の連続鋳造では、取鍋内の溶鋼を一旦タンディッシュに注入し、タンディッシュ内に所定量の溶鋼を滞留させた状態で、タンディッシュから鋳型内に溶鋼を注入して鋳片を製造している。タンディッシュは、複数ヒートの連続鋳造を継続する際の取鍋交換時の溶鋼の供給機能、及び、複数の鋳型への溶鋼の分配機能を有するのみならず、タンディッシュ内に所定量の溶鋼を滞留させることで、タンディッシュから鋳型への溶鋼流出量が精度良く制御される、更には、溶鋼中に懸濁する脱酸生成物などの酸化物系非金属介在物(以下、単に「介在物」と記す)の浮上分離が促進されるなどの機能を有している。特に、近年の高品質の鉄鋼材料の要求から、タンディッシュにおいて介在物を効率的に浮上分離する技術が広く行われている。
タンディッシュにおける介在物の浮上分離方法は、タンディッシュ内に堰を設置し、堰によって溶鋼の流動を制御する方法が一般的である。例えば、特許文献1には、下部に貫通孔を有し、タンディッシュの底部からタンディッシュ内の溶鋼湯面上にまで伸びる堰を、取鍋からの溶鋼の注入部位を挟んでタンディッシュ内の二箇所に相対して配置し、タンディッシュ内を受鋼領域と鋼準静止領域とに分離し、鋼準静止領域での介在物の浮上分離を目的とするタンディッシュが開示されている。
特許文献2には、タンディッシュの底部に接する2個の貫通孔を有する堰によりタンディッシュ内を受鋼側と出鋼側とに分離し、且つ、前記堰の下流側にダム状の堰(下堰という)を配置し、更に、タンディッシュの長辺長さLと短辺長さWとの比L/Wを2〜7、受鋼側の容積比率を全体の10〜40%とするタンディッシュが開示されている。
また、特許文献3には、耐熱性組成物から形成されるタンディッシュ衝突パッドであって、該パッドが衝突面を備えたベースと、該ベースから上方に伸び且つ前記溶融金属の流れを受け入れるための上側開口部を備えた内部空間を完全に囲む無端の外側側壁部とを有し、前記外側側壁部が前記開口部へ向けて内方に且つ上方に伸びる少なくとも第1部分を備えた環状の内面を含むタンディッシュ衝突パッドが開示されている。
特許文献3の技術を改善する技術も提案されており、特許文献4には、取鍋から注入される溶融金属流がタンディッシュ底部に衝突する部分に設置される、タンディッシュ内溶融金属の流動制御パッドであって、溶融金属流の衝突部を囲んでタンディッシュの底部から上方へ伸びる壁部と、該壁部の上端部位から壁部の囲み中心へ向かって伸びる庇状部とを有し、タンディッシュの長辺内壁と対向する側の壁部に、切り欠きを有する流動制御パッドが開示されている。
また、特許文献5には、特許文献3の衝突パッドは一体構造の耐火物であることから、衝突パッドに代えて堰とするべく、取鍋からタンディッシュへの溶融金属流に相対してタンディッシュの底部から上方へ伸びる壁部と、該壁部の上端部位から溶融金属流へ向かって伸びる庇状部と、を有する流動制御用堰であって、前記壁部の高さh及び庇状部の幅dが、0.1≦d/h≦1.0なる関係式を満足する堰が開示されている。
更に、特許文献6には、取鍋からタンディッシュへの溶鋼流がタンディッシュ底部に衝突する部分に、該溶鋼流の衝突部を囲んでタンディッシュの底部から上方へ伸びる壁部と、該壁部の上端部位から壁部の囲み中心へ向かって伸びる庇状部とを有する流動制御パッドの配置されたタンディッシュを用い、溶鋼注入速度q(m3/min)と、庇状部を除いた流動制御パッド上面の面積A1(m2)と、流動制御パッド底面の面積A2(m2)とが、0.5<(q/A2)×(A1/A2)<5.0なる関係式を満足する条件で連続鋳造する高清浄鋼鋳片の製造方法が開示されている。
特開昭53−6231号公報 特開平10−216909号公報 特表平9−505242号公報 特開2004−1077号公報 特開2004−98066号公報 特開2004−154803号公報
特許文献1〜6によって、タンディッシュにおける介在物の浮上分離は大幅に改善され、堰を設置しない場合に比較して溶鋼の清浄性は大幅に向上した。特に、特許文献3〜6では、「開口部へ向けて内方に且つ上方に伸びる環状の内面」、または、「壁部の上端部位から壁部の囲み中心へ向かって伸びる庇状部」により、取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入流は溶鋼の注入部位側に戻るように攪拌されることで、溶鋼注入流が減速され、介在物の浮上分離を阻害する、タンディッシュ内での短絡流及び高速流が解消されて、介在物の浮上に寄与している。
しかしながら、特許文献3〜6においても、未だ改善の余地がある。即ち、特許文献5を例にとれば、取鍋からの溶鋼注入流は、タンディッシュの底部から上方へ伸びる壁部に衝突することによって流れの向きを変え、更にその上部に存在する、壁部の上端部位から壁部の囲み中心へ向かって伸びる庇状部によって溶鋼注入部位側に戻るように攪拌されるが、堰の上部開口部面積、壁部に設ける切り欠きの開口面積、庇状部を有する堰で囲まれる空間の体積及び堰の平面形状が、取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入流量、並びに、タンディッシュから鋳型への溶鋼注入流量及び注入速度に応じた適切な形状でない場合には、取鍋からの溶鋼注入流を均一に減速することができず、つまり、堰の効果を十分に得ることができず、タンディッシュ内での介在物の浮上分離の促進は期待できない。
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、その目的とするところは、タンディッシュの溶鋼注入部位と溶鋼流出口との間に、タンディッシュ底部から上方に伸びる壁部と、該壁部の上端部位に前記溶鋼注入部位側を向いて水平方向に突出した庇状部と、を有する堰を設置したタンディッシュを用いて連続鋳造するにあたり、庇状部を有する堰の形状を、取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注入流量、並びに、タンディッシュから鋳型への溶鋼の注入流量及び注入速度に応じて最適化することで、介在物の浮上分離を従来に比較して確実且つ有効に行うことができ、その結果、介在物起因の製品欠陥を大幅に低減することのできる、連続鋳造による高清浄度鋼鋳片の製造方法を提供することである。
上記課題を解決するための本発明の要旨は以下のとおりである。
(1)脱酸された溶鋼を取鍋から一旦タンディッシュに注入し、次いでタンディッシュから鋳型に注入して鋼鋳片を連続鋳造するにあたり、
取鍋からの溶鋼注入流がタンディッシュ底部に衝突する溶鋼注入部位と、タンディッシュから鋳型への溶鋼流出口との間に、前記溶鋼注入部位を四方向から囲んでタンディッシュの底部から上方に伸びる壁部と、該壁部の上端部位に前記溶鋼注入部位側を向いて水平方向に突出した庇状部と、を有する堰であって、前記壁部から前記庇状部に亘って連続した切り欠きを一箇所以上有し、外形が矩形の堰を配置したタンディッシュを用い、
前記堰の上部開口部面積、前記切り欠きの開口面積、前記堰で囲まれる空間の体積、前記堰の矩形外形の長辺長さ及び前記堰の矩形外形の短辺長さに対して、取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注入流量と、タンディッシュから鋳型への溶鋼の注入流量及びタンディッシュから鋳型への溶鋼の注入速度とが、下記の(1)式の関係を満足するように、
取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入及びタンディッシュから鋳型への溶鋼注入を制御しながら鋼鋳片を連続鋳造することを特徴とする、連続鋳造による高清浄度鋼鋳片の製造方法。
3.0≦(m×u)×(S1/Q)×(1/V)×(X/Y)×(1+S2)≦50 …(1)
但し、(1)式において、mは、タンディッシュから鋳型への溶鋼の注入流量(トン/秒)、uは、タンディッシュから鋳型への溶鋼の注入速度(m/秒)、Qは、取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注入流量(m3/秒)、S1は、庇状部を有する堰の上部開口部面積(m2)、S2は、切り欠きの開口面積(m2)、Vは、庇状部を有する堰で囲まれる空間の体積(m3)、Xは、堰の矩形外形の長辺長さ(m)、Yは、堰の矩形外形の短辺長さ(m)である。
(2)前記の取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入を、前記取鍋の底部に設置され、その下端部がタンディッシュ内溶鋼に浸漬されるロングノズルを介して行い、且つ、ロングノズル周囲におけるタンディッシュ内溶鋼の表面流速が下記の(2)式の範囲内となるように制御されていることを特徴とする、上記(1)に記載の連続鋳造による高清浄度鋼鋳片の製造方法。
15≦uS≦50 …(2)
但し、(2)式において、uSは、ロングノズル周囲におけるタンディッシュ内溶鋼の表面流速(cm/秒)である。
(3)前記タンディッシュには、前記堰と前記溶鋼流出口との間に、更に、少なくとも下端部を溶鋼に浸漬し、上端部を溶鋼から突出させる上堰が設置されており、該上堰の設置位置及び溶鋼中への浸漬深さが下記の(3)式の関係を満たすように構成されていることを特徴とする、上記(1)または上記(2)に記載の連続鋳造による高清浄度鋼鋳片の製造方法。
0.1<(L/M)×(1/D)×(h/H)<1.9 …(3)
但し、(3)式において、Lは、タンディッシュの長辺長さ(m)、Mは、連続鋳造機のストランド個数(−)、Dは、溶鋼注入部位から上堰までの距離(m)、hは、定常鋳造時の上堰の溶鋼中浸漬深さ(m)、Hは、定常鋳造時のタンディッシュ内溶鋼湯面高さ(m)である。
本発明によれば、庇状部を有する堰の形状を鋳造条件に基づいて最適化し、更に、この堰の形状に応じて、取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注入流量、並びに、タンディッシュから鋳型への溶鋼の注入量及び注入速度を所定の範囲に制御するので、タンディッシュにおける介在物の浮上分離が促進され、鋳型に注入される溶鋼の清浄性が高まり、連続鋳造される鋼鋳片の清浄度が向上して、介在物起因の製品欠陥を大幅に低減することが実現される。
本発明で使用する連続鋳造設備のタンディッシュ及び鋳型の部分を示す正面断面概略図である。 図1に示すタンディッシュの平面図である。 図1に示すタンディッシュの側面図である。 鋼板での介在物起因の欠陥の発生密度に及ぼす(m×u)×(S1/Q)×(1/V)×(X/Y)×(1+S2)の影響を調査した結果を示す図である。 鋼板での介在物起因の欠陥の発生密度に及ぼす溶鋼の表面流速uSの影響を調査した結果を示す図である。 タンディッシュ内溶鋼の表面流速uSの測定方法を示す概略図である。 鋼板での介在物起因の欠陥の発生密度に及ぼす上堰の設置位置及び溶鋼中への浸漬深さの影響を調査した結果を示す図である。 鋳片での介在物数の調査結果を、本発明例、比較例、従来例で対比して示す図である。
以下、添付図面を参照して本発明を具体的に説明する。図1は、本発明の実施の形態を示す図であって、連続鋳造設備のタンディッシュ及び鋳型の部分を示す正面断面概略図、図2は、図1に示すタンディッシュの平面図、図3は、図1に示すタンディッシュの側面図である。
図1〜3において、符号1はタンディッシュ、2は鋳型、3は取鍋(図示せず)の底部に取り付けられたロングノズル、4はタンディッシュ1の底部に取り付けられた浸漬ノズルであり、予めアルミニウム、珪素、チタンなどの脱酸材で脱酸され、取鍋内に収容された溶鋼12がロングノズル3を介してタンディッシュ1に注入されながら、タンディッシュ内に所定量の溶鋼12を滞留させた状態で、タンディッシュ内の溶鋼12が浸漬ノズル4を介して鋳型2に注入されて、鋼鋳片13が製造されている。これらの図は、2台の鋳型2で、2条(2ストランド)のスラブ鋳片を連続鋳造する図である。
本発明で使用するタンディッシュ1は、図1〜3に示すように、取鍋(図示せず)からロングノズル3を介してタンディッシュ1に注入される溶鋼注入流がタンディッシュ1の底部に衝突する位置である溶鋼注入部位5と、タンディッシュ1から鋳型2への溶鋼流出口6との間に、タンディッシュ1の底部から鉛直方向上方に伸びる壁部8と、壁部8の上端部位に溶鋼注入部位側を向いて水平方向に突出した庇状部9と、を有する、壁部8の水平面への投影外形が矩形である堰7が配置されている。図1に示すように、堰7は、壁部8の溶鋼注入部位側の面と、庇状部9の下面側の面とが、円弧により滑らかに結ばれた形状となっているが、壁部8の溶鋼注入部位側の面と、庇状部9の下面側の面とが、直交する形状であっても構わない。
堰7は、溶鋼注入部位5を四方から囲むように、タンディッシュ1の長辺面側にも配置されている。つまり、溶鋼注入部位5は、水平面への投影外形が正方形或いは長方形の矩形である堰7によって四方向から囲まれている。但し、堰7には、壁部8から庇状部9に亘って連続する、1.0mm以上の開口幅の切り欠き10が少なくも一箇所は設けられており、鋳造終了時には、堰7で囲まれる空間内の溶鋼12が、切り欠き10を通り、溶鋼流出口6に向いて排出されるように構成されている。
図1〜3に示すタンディッシュ1では、二箇所に切り欠き10が配置されているが、三箇所以上であっても構わない。また、図2では、切り欠き10がタンディッシュ1の長辺面側に設置されているが、切り欠き10の設置位置はタンディッシュ1の長辺面側に限る必要はなく、タンディッシュ1の短辺面側を向いた面に設置しても構わない。但し、切り欠き10がタンディッシュ1の短辺側を向いた面に設置される場合には、溶鋼流出口6に向かう短絡流が形成されて介在物の浮上が損なわれる虞があるので、切り欠き10はタンディッシュ1の長辺面側に設置することが好ましい。また、切り欠き10の開口幅を大きくすると堰7の効果が低下するので、切り欠き10の開口幅は、それぞれ30mm以下とすることが好ましい。
ロングノズル3を介して溶鋼注入部位5に注入された溶鋼12は、溶鋼注入部位5に衝突した後、溶鋼注入流の落下エネルギーによってタンディッシュ1の底面に沿って四方を向いて流れるが、堰7の壁部8に衝突して上向き方向となり、更に、堰7の上端部の庇状部9によって溶鋼注入部位5を向いた流れになる。溶鋼注入部位5を向いた、四方から来る流れは、互いに衝突し合い、運動エネルギーを消費して減速する。即ち、堰7によって、ロングノズル3を介して注入された高速の溶鋼流は大幅に減速されると同時に、タンディッシュ内の溶鋼流が均一化される。これにより、タンディッシュ内での短絡流及び高速流が解消されて、これらの流れに随伴して溶鋼流出口6から鋳型2に流出する介在物が減少する。つまり、タンディッシュ1における介在物の浮上分離が促進される。
但し、この堰7による作用・効果を得るためには、堰7の形状を鋳造条件に応じて最適化すると同時に、堰7の形状に応じた流量で溶鋼12をタンディッシュ1に注入するとともに、堰7の形状に応じた流量及び流速でタンディッシュ内の溶鋼12を鋳型2に注入する必要がある。
即ち、堰7を配置したタンディッシュ1において、堰7の上部開口部面積、切り欠き10の開口面積、堰7で囲まれる空間の体積、堰7の矩形外形の長辺長さ、堰7の矩形外形の短辺長さ、取鍋からタンディッシュ1への溶鋼12の注入流量、タンディッシュ1から鋳型2への溶鋼12の注入流量、タンディッシュ1から鋳型2への溶鋼12の注入速度からなる8つの要因の鋼鋳片13の清浄化に及ぼす影響を調査した結果、取鍋からタンディッシュ1への溶鋼12の注入流量、並びに、タンディッシュ1から鋳型2への溶鋼12の注入流量及びタンディッシュ1から鋳型2への溶鋼12の注入速度(流速)に応じて堰7の形状を決定し、その形状の堰7を設置した上で、堰7の形状の決定に用いた鋳造条件に合致させて、溶鋼12をタンディッシュ1に注入し、且つ、タンディッシュ1から鋳型2に注入することが必要であることが分った。
取鍋からタンディッシュ1への溶鋼12の注入流量をQ(m3/秒)、タンディッシュ1から鋳型2への溶鋼12の注入流量をm(トン/秒)、タンディッシュ1から鋳型2への溶鋼の注入速度をu(m/秒)、堰7の上部開口部面積をS1(m2)、切り欠き10の開口面積をS2(m2)、堰7で囲まれる空間の体積をV(m3)、堰7の矩形外形の長辺長さをX(m)、堰7の矩形外形の短辺長さをY(m)として、以下に調査結果を説明する。
尚、堰7の上部開口部面積S1とは、四方を庇状部9で囲まれた範囲の面積であり、切り欠き10の開口面積S2とは、それぞれの切り欠き10の開口幅と堰7の高さとの乗算で求められる各開口面積の、全ての切り欠き10の合計値である。また、堰7で囲まれる空間の体積Vとは、タンディッシュ1の底面と堰7の壁部8と堰7の庇状部9の下面とで囲まれる空間の体積であり、堰7の矩形外形の長辺長さXとは、水平面への投影矩形外形の長い方の辺の長さ(図2ではタンディッシュ1の長辺面と直行する壁部8の長さ)であり、堰7の矩形外形の短辺長さYとは、水平面への投影矩形外形の短い方の辺の長さ(図2ではタンディッシュ1の長辺面と平行な壁部8の長さ)である。また、タンディッシュ1から鋳型2への溶鋼の注入速度uとは、溶鋼流出口6の上端位置における溶鋼12の下降速度である。
図4に、横軸を、(m×u)×(S1/Q)×(1/V)×(X/Y)×(1+S2)とし、縦軸を鋼板での介在物起因の欠陥個数密度として、鋼板での介在物起因の欠陥の発生密度に及ぼす(m×u)×(S1/Q)×(1/V)×(X/Y)×(1+S2)の影響を調査した結果を示す。尚、(m×u)は、タンディッシュ1から鋳型2へ流出する際の溶鋼12の運動量であり、(S1/Q)×(1/V)は、堰7の内部に注入された溶鋼12の堰7からの上昇度合いを表し、溶鋼中介在物の上昇し易さの尺度を示すものであり、(X/Y)は、堰7の上部からの介在物上昇効率を示し、溶鋼中介在物の浮上分離の尺度を表すと考えることができる。
図4に示すように、鋳型2への溶鋼12の注入流量m、鋳型2への溶鋼12の注入速度u、タンディッシュ1への溶鋼12の注入流量Q、堰7の上部開口部面積S1、切り欠き10の開口面積S2、堰7で囲まれる空間の体積V、堰7の矩形外形の長辺長さX、堰7の矩形外形の短辺長さYが、下記の(1)式を満たす場合に、鋼板における介在物起因の欠陥の発生が少なくなることが分った。
3.0≦(m×u)×(S1/Q)×(1/V)×(X/Y)×(1+S2)≦50 …(1)
(m×u)×(S1/Q)×(1/V)×(X/Y)×(1+S2)の値が3.0未満の場合、堰7からの溶鋼上昇流速が速くなりすぎ、タンディッシュ内の溶鋼表面を擾乱させ、溶鋼湯面上のタンディッシュ内スラグの巻き込みを起こす可能性があり、一方、(m×u)×(S1/Q)×(1/V)×(X/Y)×(1+S2)の値が50を超えると、堰7からの溶鋼上昇流速が遅くなり、介在物の浮上分離が不足する。従って、(m×u)×(S1/Q)×(1/V)×(X/Y)×(1+S2)の値を上記(1)式の範囲とする必要がある。
鋳造中、取鍋交換後においてタンディッシュ内の湯面高さを定常状態に戻すまでの範囲(「非定常部」という)は、溶綱の供給流量は、取鍋からタンディッシュ1への注入流量Qと、タンディッシュ1から鋳型2への注入流量mとで異なるが、図4から明らかなように、このような非定常部においても、定常鋳造部(定常部)と同様に、(1)式の範囲に制御することで溶鋼12の清浄性が良好となることが分る。
また、図5は、(m×u)×(S1/Q)×(1/V)×(X/Y)×(1+S2)の値を3.0〜50の本発明の範囲として堰7からの溶鋼上昇流速を変化させ、これによって、ロングノズル3の周囲でのタンディッシュ内溶鋼の表面流速uSを変更し、ロングノズル3の周囲におけるタンディッシュ内溶鋼の表面流速uSの鋼板での介在物起因の欠陥の発生密度に及ぼす影響を調査した結果を示す図である。尚、タンディッシュ内の溶鋼12の表面流速uSは、図6に示すように、タンディッシュ内の溶鋼12に耐火物製の浸漬棒14を浸漬させ、溶鋼流によって浸漬棒14に加わる圧力を、浸漬棒14を保持する支持金具15に取り付けた歪みゲージ16で測定し、測定される圧力から溶鋼流速を求めるという方法で測定した。また、ロングノズル3の周囲における溶鋼12の表面流速uSとは、ロングノズル3の外表面から100cmの範囲内の溶鋼12の表面流速である。
図5に示すように、ロングノズル3の周囲での溶鋼12の表面流速uS(cm/秒)が、下記の(2)式を満たす場合に、鋼板における介在物起因の欠陥の発生が安定して少なくなることが分った。
15≦uS≦50 …(2)
表面流速uSが15cm/秒未満の場合は、堰7からの溶鋼12の上昇流が弱く、つまり、介在物の浮上効果が損なわれ、一方、表面流速uSが50cm/秒超えの場合は、溶鋼湯面の擾乱によるタンディッシュ内スラグの巻き込みの虞があり、表面流速uSが(2)式の範囲内であれば、安定して介在物の浮上分離を促進させることができることが分った。即ち、(1)式を満たした上で、更に(2)式を満たすように鋳造条件を制御することが好ましいことが分った。
また、本発明で使用するタンディッシュ1は、介在物の浮上をより促進させる観点から、図1に示すように、堰7と溶鋼流出口6との間に、少なくともその下端部を溶鋼12に浸漬し、その上端部を溶鋼12から突出させる上堰11が設置されたタンディッシュであることが好ましい。
図1に示す、堰7及び上堰11を有するタンディッシュ1を使用して溶鋼12を連続鋳造すると、ロングノズル3から注入された溶鋼中の介在物は、堰7により上向き方向の流動を得て、タンディッシュ内の溶鋼湯面に浮上する。一方、溶鋼湯面に浮上しなかった介在物は、その後、溶鋼流に乗って上堰11の溶鋼湯面近傍の壁部に至り、溶鋼流は、上堰11によって上向き及び下向きの流れに別れる。介在物は溶鋼12よりも密度が小さいので、溶鋼流中の介在物は、主に、上堰11によって形成される上向き流れに随伴し、溶鋼湯面に浮上して、介在物の溶鋼湯面への浮上・分離が促進される。但し、上堰11の設置位置及び溶鋼中への浸漬深さが適切でなければ、上記効果を十分に得ることはできない。
そこで、(m×u)×(S1/Q)×(1/V)×(X/Y)×(1+S2)の値を13.1の一定とした条件で、上堰11の設置位置及び溶鋼中への浸漬深さを変化させ、鋼板での介在物起因の欠陥の発生密度に及ぼす、上堰11の設置位置及び溶鋼中への浸漬深さの影響を調査した。調査結果を図7に示す。
図7に示すように、上堰11の設置位置及び溶鋼中への浸漬深さは、下記の(3)式の関係を満たすことが好ましいことが分った。尚、図7の横軸の(L/M)×(1/D)×(h/H)は、鋳型の上方に相当するタンディッシュ内におけるタンディッシュ内スラグの巻き込み防止の指標である。
0.1<(L/M)×(1/D)×(h/H)<1.9 …(3)
但し、(3)式において、Lは、タンディッシュ1の長辺長さ(m)、Mは、連続鋳造機のストランド個数(−)、Dは、溶鋼注入部位5から上堰11までの距離(m)、hは、定常鋳造時の上堰11の溶鋼中浸漬深さ(m)、Hは、定常鋳造時のタンディッシュ内溶鋼湯面高さ(m)である。
(L/M)×(1/D)×(h/H)の値が0.1以下の場合は、上堰11の設置位置がロングノズル3から離れすぎており、介在物の浮上・分離効果が得られにくい。或いは、上堰11の浸漬深さが小さすぎて、介在物の浮上・分離効果が得られにくい。一方、(L/M)×(1/D)×(h/H)の値が1.9以上の場合は、上堰11がロングノズル3に近すぎるために溶綱12が上堰11に衝突後、流速の速い下降流が発生し、この下降流により介在物の浮上が阻害される。或いは、上堰11の浸漬深さが大きすぎ、上堰11の設置位置で流速の速い下降流ができやすく、この下降流により介在物の浮上が阻害される。(L/M)×(1/D)×(h/H)の値が(3)式を満足する場合は、上堰11による介在物の浮上・分離効果を安定して得ることができる。
ここで、堰7は、上方に溶鋼12が存在することを前提とした堰であり、従って、堰7の高さは、少なくとも、堰7を配置する位置でのタンディッシュ内の溶鋼深さ未満とすることが必要である。また、好ましくは、堰7の高さは、堰7を配置する位置でのタンディッシュ内の溶鋼深さの1/2以下とする。一方、堰7の高さが余りに低いと、堰7の効果が得られないので、堰7の高さは100mm以上確保することが好ましい。
また、実際の溶鋼注入部位5は「点」ではなく、或る程度の面積を持っており、このような溶鋼注入部位を四方から囲むと同時に、堰7で囲まれる空間の絶対量を確保するために、堰7の上部開口部のタンディッシュ長辺方向の開口長さを、少なくともロングノズル3の下端部内径と同等とし、好ましくはそれ以上とする。尚、図1では、面積を有する溶鋼注入部位の中心位置を、溶鋼注入部位5として表示している。
予定する溶鋼12のタンディッシュ1への注入流量Q、並びに、予定する溶鋼12の鋳型2への注入流量m及び注入速度uに基づいて、堰7の上部開口部面積S1、切り欠き10の開口面積S2、堰7で囲まれる空間の体積V、堰7の矩形外形の長辺長さX、堰7の矩形外形の短辺長さYが、上記の(1)式を満たすように、堰7の形状を決定し、その形状の堰7をタンディッシュ1に配置し、このタンディッシュ1を使用して、タンディッシュ1への溶鋼12の注入流量Q、並びに、鋳型2への溶鋼12の注入流量m及び注入速度uが(1)式の関係式を満足するように、タンディッシュ1への溶鋼12の注入、並びに、タンディッシュ1から鋳型2への溶鋼12の注入を制御しながら連続鋳造することで、ロングノズル3から注入された溶鋼中の介在物は、堰7によって上向き方向の流動を得て、タンディッシュ内の溶鋼湯面に浮上分離する。つまり、堰7によって溶鋼中の介在物の浮上分離が促進され、清浄な鋼鋳片13の製造が可能となる。
以上説明したように、本発明によれば、庇状部9を有する堰7の形状を鋳造条件に基づいて最適化し、更に、取鍋からタンディッシュ1への溶鋼12の注入流量、並びに、タンディッシュ1から鋳型2への注入流量及び注入速度を、堰7の形状に応じて所定の範囲に制御するので、タンディッシュ1における介在物の浮上分離が促進され、鋳型2に注入される溶鋼12の清浄性が高まり、連続鋳造される鋼鋳片13の清浄度が向上して、介在物起因の製品欠陥を大幅に低減することが実現される。
転炉での溶銑の脱炭精錬及びその後のRH真空脱ガス装置での真空脱ガス精錬によって溶製した約250トンのアルミキルド極低炭素鋼を、図1に示す構成の容量70トンの2ストランド方式のタンディッシュを有するスラブ連続鋳造設備を用い、タンディッシュから鋳型への溶鋼注入流量をストランドあたり4.8トン/分(m=0.08トン/秒)、取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入量を2ストランドの合計で9.6トン/分(Q≒0.02m3/秒)として、鋼のスラブ鋳片に連続鋳造する試験を実施した。一部の試験では上堰を設置しないまま連続鋳造した。
その際に、堰の上部開口部面積S1、切り欠きの開口面積S2、堰で囲まれる空間の体積V、堰の矩形外形の長辺長さX、堰の矩形外形の短辺長さYを変更して鋳造し、本発明の範囲を満足させた試験(本発明例1〜6)と、本発明の範囲を満足しない試験(比較例1〜3)とを行った。全てのタンディッシュで、庇状部の突出長(=壁部内壁面からの突出長さ)を0.12m、壁部と庇状部とを結ぶ円弧の半径を0.06mとした。また、比較のために、堰を設置していない以外は試験鋳造と同一のタンディッシュを使用した鋳造試験も実施した(従来例)。
表1に、取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注入流量Q、タンディッシュから鋳型への溶鋼の注入流量m及び注入速度u、使用したタンディッシュの堰の形状、並びに、溶鋼のタンディッシュ及び鋳型への注入条件と堰形状とから定まる(m×u)×(S1/Q)×(1/V)×(X/Y)×(1+S2)の値と、上堰の設置位置及び溶鋼への浸漬深さから定まる(L/M)×(1/D)×(h/H)の値を示す。尚、表1に示す切り欠きの開口面積S2は、二箇所に設置した切り欠きの開口面積の合計値である。
Figure 2013086147
鋳造後、超音波探傷測定により鋳片の介在物数を調査した。図8に、鋳片の介在物数の調査結果を示す。尚、図8は、堰を配置していないタンディッシュを使用した従来例での介在物測定値を基準(=1.0)として指数化して表示している。
図8に示すように、本発明を適用することで、スラブ鋳片の介在物数を大幅に削減できることが確認できた。特に、(3)式を満足する条件で上堰を設置した本発明例3、4、5ではスラブ鋳片の介在物数を大幅に削減することができた。このように、本発明を適用することにより、タンディッシュにおける介在物の浮上効果を大幅に促進できることが確認できた。
転炉での溶銑の脱炭精錬及びその後のRH真空脱ガス装置での真空脱ガス精錬によって溶製した約250トンのアルミキルド極低炭素鋼を、図1に示す構成の容量70トンの2ストランド方式のタンディッシュを有するスラブ連続鋳造設備を用い、タンディッシュから鋳型への溶鋼注入流量をストランドあたり4.8トン/分(m=0.08トン/秒)、取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入量を2ストランドの合計で9.6トン/分(Q≒0.02m3/秒)、(m×u)×(S1/Q)×(1/V)×(X/Y)×(1+S2)の値を3.0〜50の本発明の範囲内で変更して、ロングノズルの周囲における溶鋼の表面流速uSを変化させ、鋼のスラブ鋳片に連続鋳造する試験を実施した。一部の試験では上堰を設置しないまま連続鋳造した。タンディッシュ内溶鋼の表面流速uSは、ロングノズルの外表面からタンディッシュの短辺面側に50cm離れたタンディッシュの厚み方向中心位置で測定した。また、上堰は(3)式を満足する条件で設置した。
全てのタンディッシュで、庇状部の突出長(=壁部内壁面からの突出長さ)を0.12m、壁部と庇状部とを結ぶ円弧の半径を0.06mとした。また、比較のために、堰を設置していない以外は試験鋳造と同一のタンディッシュを使用した鋳造試験も実施した(従来例)。
表2に、取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注入流量Q、タンディッシュから鋳型への溶鋼の注入流量m及び注入速度u、使用したタンディッシュの堰の形状、上堰の有無、タンディッシュ内溶鋼湯面高さH、並びに、溶鋼のタンディッシュ及び鋳型への注入条件と堰形状とから定まる(m×u)×(S1/Q)×(1/V)×(X/Y)×(1+S2)の値と、溶鋼の表面流速uSの測定結果を示す。尚、表2に示す切り欠きの開口面積S2は、二箇所に設置した切り欠きの開口面積の合計値である。
Figure 2013086147
鋳造後、超音波探傷測定により鋳片の介在物数を調査した。表2に、鋳片の介在物数の調査結果を併せて示す。尚、表2は、堰を配置していないタンディッシュを使用した従来例での介在物測定値を基準(=1.0)として指数化して表示している。
表2からも明らかなように、溶鋼の表面流速uSが15〜50cm/秒の試験では、より一層スラブ鋳片の介在物数を削減できることが確認できた。また、(3)式を満足する条件で上堰を設置することにより、スラブ鋳片の介在物数を更に削減できることが確認された。
1 タンディッシュ
2 鋳型
3 ロングノズル
4 浸漬ノズル
5 溶鋼注入部位
6 溶鋼流出口
7 堰
8 壁部
9 庇状部
10 切り欠き
11 上堰
12 溶鋼
13 鋼鋳片
14 浸漬棒
15 支持金具
16 歪みゲージ

Claims (3)

  1. 脱酸された溶鋼を取鍋から一旦タンディッシュに注入し、次いでタンディッシュから鋳型に注入して鋼鋳片を連続鋳造するにあたり、
    取鍋からの溶鋼注入流がタンディッシュ底部に衝突する溶鋼注入部位と、タンディッシュから鋳型への溶鋼流出口との間に、前記溶鋼注入部位を四方向から囲んでタンディッシュの底部から上方に伸びる壁部と、該壁部の上端部位に前記溶鋼注入部位側を向いて水平方向に突出した庇状部と、を有する堰であって、前記壁部から前記庇状部に亘って連続した切り欠きを一箇所以上有し、外形が矩形の堰を配置したタンディッシュを用い、
    前記堰の上部開口部面積、前記切り欠きの開口面積、前記堰で囲まれる空間の体積、前記堰の矩形外形の長辺長さ及び前記堰の矩形外形の短辺長さに対して、取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注入流量と、タンディッシュから鋳型への溶鋼の注入流量及びタンディッシュから鋳型への溶鋼の注入速度とが、下記の(1)式の関係を満足するように、
    取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入及びタンディッシュから鋳型への溶鋼注入を制御しながら鋼鋳片を連続鋳造することを特徴とする、連続鋳造による高清浄度鋼鋳片の製造方法。
    3.0≦(m×u)×(S1/Q)×(1/V)×(X/Y)×(1+S2)≦50 …(1)
    但し、(1)式において、mは、タンディッシュから鋳型への溶鋼の注入流量(トン/秒)、uは、タンディッシュから鋳型への溶鋼の注入速度(m/秒)、Qは、取鍋からタンディッシュへの溶鋼の注入流量(m3/秒)、S1は、庇状部を有する堰の上部開口部面積(m2)、S2は、切り欠きの開口面積(m2)、Vは、庇状部を有する堰で囲まれる空間の体積(m3)、Xは、堰の矩形外形の長辺長さ(m)、Yは、堰の矩形外形の短辺長さ(m)である。
  2. 前記の取鍋からタンディッシュへの溶鋼注入を、前記取鍋の底部に設置され、その下端部がタンディッシュ内溶鋼に浸漬されるロングノズルを介して行い、且つ、ロングノズル周囲におけるタンディッシュ内溶鋼の表面流速が下記の(2)式の範囲内となるように制御されていることを特徴とする、請求項1に記載の連続鋳造による高清浄度鋼鋳片の製造方法。
    15≦uS≦50 …(2)
    但し、(2)式において、uSは、ロングノズル周囲におけるタンディッシュ内溶鋼の表面流速(cm/秒)である。
  3. 前記タンディッシュには、前記堰と前記溶鋼流出口との間に、更に、少なくとも下端部を溶鋼に浸漬し、上端部を溶鋼から突出させる上堰が設置されており、該上堰の設置位置及び溶鋼中への浸漬深さが下記の(3)式の関係を満たすように構成されていることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の連続鋳造による高清浄度鋼鋳片の製造方法。
    0.1<(L/M)×(1/D)×(h/H)<1.9 …(3)
    但し、(3)式において、Lは、タンディッシュの長辺長さ(m)、Mは、連続鋳造機のストランド個数(−)、Dは、溶鋼注入部位から上堰までの距離(m)、hは、定常鋳造時の上堰の溶鋼中浸漬深さ(m)、Hは、定常鋳造時のタンディッシュ内溶鋼湯面高さ(m)である。
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