JP2013057710A - 液晶装置、液晶装置の製造方法、電子機器 - Google Patents

液晶装置、液晶装置の製造方法、電子機器 Download PDF

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Abstract

【課題】液晶層中の不純物の偏在に起因する表示不具合が改善された液晶装置、液晶装置の製造方法、この液晶装置を備えた電子機器を提供すること。
【解決手段】本適用例の液晶装置は、基板としての素子基板10上にトランジスターとしてのTFT30と、画素電極15と、画素電極15をTFT30の半導体層30aにおける第2ソース・ドレイン領域30dに電気的に接続させる柱状のコンタクト部CNT4とを有し、コンタクト部CNT4は、画素電極15の液晶層側の表面において突出部15aを形成している。
【選択図】図5

Description

本発明は、液晶装置、液晶装置の製造方法、液晶装置を備えた電子機器に関する。
上記液晶装置の製造方法として、基板上にパターニング形成された第1導電膜上に絶縁膜を形成する工程と、形成された該絶縁膜を平坦化処理して、該絶縁膜から第1導電膜の上面を露出させる工程と、該絶縁膜上であって、平面視で第1導電膜の上面と重なり、第1導電膜と電気的に接続するように第2導電膜を形成する工程とを有する電気光学装置の製造方法が知られている(特許文献1)。
上記特許文献1によれば、例えば、第1導電膜が画素のスイッチング素子であるトランジスターのソース領域あるいはドレイン領域のどちらか一方と電気的に接続され、第2導電膜が光反射性を有する画素電極である例が示されている。第1導電膜の上面が該絶縁膜の上面と面一であるため、該絶縁膜上に形成された画素電極(第2導電膜)の表面が平坦になる。それゆえに、第1導電膜と画素電極(第2導電膜)との重なり部分の凹凸による液晶配向の乱れおよび画素電極面における反射光の散乱を抑えることができるとしている。
特開2011−59229号公報
しかしながら、画素電極(第2導電膜)の表面が平坦になって液晶配向の乱れが抑制されるものの、電気光学素子としての液晶層中に含まれる例えば金属イオンなどの不純物が容易に移動(拡散)し易い。そのために、該不純物の偏在による焼き付きなどの不具合が生じ易いという課題があった。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]本適用例の液晶装置は、基板上にトランジスターと、画素電極と、前記画素電極を前記トランジスターの半導体層における第1または第2ソース・ドレイン領域のいずれかに電気的に接続させる柱状のコンタクト部とを有し、前記コンタクト部は、前記画素電極の液晶層側の表面において突出部を形成していることを特徴とする。
この構成によれば、柱状のコンタクト部によって画素電極の液晶層側の表面に突出部が形成され、この突出部によって不純物が液晶層中を移動(拡散)することが阻まれる。したがって、不純物の偏在が生じ難いので、不純物の偏在に起因する不具合が低減された高い信頼性を有する液晶装置を提供できる。
[適用例2]上記適用例の液晶装置において、前記コンタクト部は、柱状に形成された絶縁部と、前記絶縁部を覆う導電膜とからなり、前記導電膜が前記半導体層の前記第1または第2ソース・ドレイン領域のいずれか一方と前記画素電極とに電気的に接続されていることを特徴とする。
この構成によれば、コンタクト部を導電材料だけを使って構成する場合に比べて、MO(Metal−Organic)−CVD法などでコンタクトホール内に導電材料を埋め込む必要が無く、比較的簡便に柱状のコンタクト部を構成することができる。
[適用例3]上記適用例の液晶装置において、前記画素電極の表面から突出した前記突出部の高さは、前記液晶層の厚みの10%以上、50%以下であることが好ましい。
この構成によれば、突出部により液晶層中の不純物の移動(拡散)を阻害しつつ、突出部において液晶分子の配向の乱れが生ずることを低減できる。
[適用例4]上記適用例の液晶装置において、画素の開口領域を規定する遮光部を備え、前記画素電極は、前記開口領域と重なるように配置され、前記コンタクト部は、前記遮光部と平面的に重なるように配置されて、前記画素電極と電気的に接続されていることが好ましい。
この構成によれば、液晶分子の配向が乱れ易い突出部が遮光部と平面的に重なるので、液晶分子の配向の乱れが生じたとしても視認されない。つまり、安定した表示品質と高い信頼性とを有する液晶装置を提供できる。
[適用例5]本適用例の液晶装置の製造方法は、基板上にトランジスターと、画素電極とを有する液晶装置の製造方法であって、前記トランジスターの半導体層を覆う第1層間絶縁膜上に、前記半導体層の第1または第2ソース・ドレイン領域のいずれか一方と電気的に接続された柱状のコンタクト部を形成する工程と、前記コンタクト部の少なくとも一部が表面から突出するように、前記第1層間絶縁膜上に第2層間絶縁膜を形成する工程と、前記第2層間絶縁膜を覆うと共に、成膜後に前記コンタクト部と重なる部分が突出するように電極膜を成膜し、前記コンタクト部を含むように前記電極膜をパターニングして画素電極を形成する工程と、を備えたことを特徴とする。
この方法によれば、第2層間絶縁膜の表面から少なくとも一部が突出するように柱状のコンタクト部が形成されるので、第2層間絶縁膜上に画素電極を形成すると、コンタクト部と重なった画素電極の部分に突出部が形成される。この突出部によって不純物が液晶層中を移動することが阻まれる。したがって、不純物の偏在が生じ難いので、不純物の偏在に起因する不具合が低減された高い信頼性を有する液晶装置を製造することができる。
[適用例6]上記適用例の液晶装置の製造方法において、前記コンタクト部を形成する工程は、前記第1層間絶縁膜上に柱状の絶縁部を形成する工程と、前記絶縁部を被覆すると共に、前記半導体層の前記第1または第2ソース・ドレイン領域のいずれか一方に電気的に接続するように導電膜を成膜する工程と、を含むことを特徴とする。
この方法によれば、コンタクト部を導電材料だけを使って形成する場合に比べて、導電材料の無駄を省き、導電材料よりも安価な絶縁材料を利用してコンタクト部を形成することができる。
[適用例7]上記適用例の液晶装置の製造方法において、前記第2層間絶縁膜を形成する工程は、前記コンタクト部を覆って層間絶縁膜前駆体を成膜する工程と、前記層間絶縁膜前駆体の表面を平坦化処理する工程と、平坦化処理された前記層間絶縁膜前駆体の表面をエッチングして、エッチング後の表面から前記コンタクト部の少なくとも一部を突出させる工程とを含むことが好ましい。
この方法によれば、平坦化処理された層間絶縁膜前駆体の表面から所望の高さでコンタクト部の少なくとも一部を突出させることができ、且つエッチング後の第2層間絶縁膜の表面に形成される画素電極の表面を平坦にすることができる。画素電極の表面が平坦な部分では、液晶分子の配向の乱れが生じ難くなる。つまり、高い信頼性を有すると共により安定した表示品質が得られる液晶装置を製造できる。
[適用例8]本適用例の電子機器は、上記適用例の液晶装置を備えたことを特徴とする。
この構成によれば、液晶層中の不純物の偏在に起因する不具合が低減され、高い信頼性を有する液晶装置を備えた電子機器を提供することができる。
(a)は液晶装置の構成を示す概略平面図、(b)は、(a)に示す液晶装置のH−H’線に沿う概略断面図。 液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図。 液晶装置における画素の配置を示す概略平面図。 (a)および(b)は液晶装置における画素の構成を示す概略平面図。 図4に示す画素のA−A’線に沿う概略断面図。 液晶装置の製造方法を示すフローチャート。 (a)〜(d)は液晶装置の製造方法を示す概略断面図。 (e)〜(h)は液晶装置の製造方法を示す概略断面図。 電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図。 変形例のコンタクト部を示す概略断面図。
以下、本発明を具体化した実施形態について図面に従って説明する。なお、使用する図面は、説明する部分が認識可能な状態となるように、適宜拡大または縮小して表示している。
なお、以下の形態において、例えば「基板上に」と記載された場合、基板の上に接するように配置される場合、または基板の上に他の構成物を介して配置される場合、または基板の上に一部が接するように配置され、一部が他の構成物を介して配置される場合を表すものとする。
(第1実施形態)
本実施形態では、薄膜トランジスター(Thin Film Transistor;TFT)を画素のスイッチング素子として備えたアクティブマトリックス型の液晶装置を例に挙げて説明する。この液晶装置は、例えば後述する投射型表示装置(液晶プロジェクター)の光変調素子(液晶ライトバルブ)として好適に用いることができるものである。
<液晶装置>
まず、本実施形態の液晶装置について、図1および図2を参照して説明する。図1(a)は液晶装置の構成を示す概略平面図、同図(b)は、同図(a)に示す液晶装置のH−H’線に沿う概略断面図である。図2は、液晶装置の電気的な構成を示す等価回路図である。
図1(a)および(b)に示すように、本実施形態の液晶装置100は、対向配置された素子基板10および対向基板20と、これら一対の基板によって挟持された液晶層50とを有する。素子基板10および対向基板20は、透明な例えば石英基板やガラス基板が用いられている。
素子基板10は対向基板20よりも一回り大きく、両基板は、額縁状に配置されたシール材40を介して接合され、その隙間に正または負の誘電異方性を有する液晶が封入されて液晶層50を構成している。シール材40は、例えば熱硬化性又は紫外線硬化性のエポキシ樹脂などの接着剤が採用されている。シール材40には、一対の基板の間隔を一定に保持するためのスペーサー(図示省略)が混入されている。
額縁状に配置されたシール材40の内側には、同じく額縁状に見切り部21が設けられている。見切り部21は、例えば遮光性の金属あるいは金属酸化物などからなり、見切り部21の内側が複数の画素Pを有する画素領域Eとなっている。なお、画素領域Eは、表示に寄与する複数の画素Pに加えて、複数の画素Pを囲むように配置されたダミー画素を含むとしてもよい。また、図1では図示省略したが、画素領域Eにおいて複数の画素Pをそれぞれ平面的に区分する遮光部が設けられている。
素子基板10の1辺部に沿ったシール材40との間にデータ線駆動回路101が設けられている。また、該1辺部に対向する他の1辺部に沿ったシール材40の内側に検査回路103が設けられている。さらに、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿ったシール材40の内側に走査線駆動回路102が設けられている。該1辺部と対向する他の1辺部のシール材40の内側には、2つの走査線駆動回路102を繋ぐ複数の配線105が設けられている。
これらデータ線駆動回路101、走査線駆動回路102に繋がる配線は、該1辺部に沿って配列した複数の外部接続端子104に接続されている。以降、該1辺部に沿った方向をX方向とし、該1辺部と直交し互いに対向する他の2辺部に沿った方向をY方向として説明する。なお、検査回路103の配置はこれに限定されず、データ線駆動回路101と画素領域Eとの間のシール材40の内側に沿った位置に設けてもよい。
図1(b)に示すように、素子基板10の液晶層50側の表面には、画素Pごとに設けられた光透過性を有する画素電極15およびスイッチング素子としての薄膜トランジスター(Thin Film Transistor、以降、TFTと呼称する)30と、信号配線と、これらを覆う配向膜18とが形成されている。また、TFT30における半導体層に光が入射してスイッチング動作が不安定になることを防ぐ遮光構造が採用されている。当該遮光構造については後述する。
対向基板20の液晶層50側の表面には、見切り部21と、これを覆うように成膜された層間膜層22と、層間膜層22を覆うように設けられた共通電極23と、共通電極23を覆う配向膜24とが設けられている。
見切り部21は、図1(a)に示すように平面的に走査線駆動回路102、検査回路103と重なる位置において額縁状に設けられている。これにより対向基板20側から入射する光を遮蔽して、これらの駆動回路を含む周辺回路の光による誤動作を防止する役目を果たしている。また、不必要な迷光が画素領域Eに入射しないように遮蔽して、画素領域Eの表示における高いコントラストを確保している。
層間膜層22は、例えば酸化シリコンなどの無機材料からなり、光透過性を有して見切り部21を覆うように設けられている。このような層間膜層22の形成方法としては、例えばプラズマCVD法などを用いて成膜する方法が挙げられる。
共通電極23は、例えばITO(Indium Tin Oxide)などの透明導電膜からなり、層間膜層22を覆うと共に、図1(a)に示すように対向基板20の四隅に設けられた上下導通部106により素子基板10側の配線に電気的に接続している。
画素電極15を覆う配向膜18および共通電極23を覆う配向膜24は、液晶装置100の光学設計に基づいて選定される。例えば、ポリイミドなどの有機材料を成膜して、その表面をラビングすることにより、液晶分子に対して略水平配向処理が施されたものや、気相成長法を用いてSiOx(酸化シリコン)などの無機材料を成膜して、液晶分子に対して略垂直配向させたものが挙げられる。
図2に示すように、液晶装置100は、少なくとも画素領域Eにおいて互いに絶縁されて直交する信号線としての複数の走査線3aおよび複数のデータ線6aと、データ線6aに沿って平行に配置された容量線3bとを有する。走査線3aが延在する方向がX方向であり、データ線6aが延在する方向がY方向である。
走査線3aとデータ線6aならびに容量線3bと、これらの信号線類により区分された領域に、画素電極15と、TFT30と、保持容量16とが設けられ、これらが画素Pの画素回路を構成している。
走査線3aはTFT30のゲートに電気的に接続され、データ線6aはTFT30の第1ソース・ドレイン領域に電気的に接続されている。画素電極15はTFT30の第2ソース・ドレイン領域に電気的に接続されている。
データ線6aはデータ線駆動回路101(図1参照)に接続されており、データ線駆動回路101から供給される画像信号D1,D2,…,Dnを画素Pに供給する。走査線3aは走査線駆動回路102(図1参照)に接続されており、走査線駆動回路102から供給される走査信号SC1,SC2,…,SCmを各画素Pに供給する。
データ線駆動回路101からデータ線6aに供給される画像信号D1〜Dnは、この順に線順次で供給してもよく、互いに隣り合う複数のデータ線6a同士に対してグループごとに供給してもよい。走査線駆動回路102は、走査線3aに対して、走査信号SC1〜SCmを所定のタイミングでパルス的に線順次で供給する。
液晶装置100は、スイッチング素子であるTFT30が走査信号SC1〜SCmの入力により一定期間だけオン状態とされることで、データ線6aから供給される画像信号D1〜Dnが所定のタイミングで画素電極15に書き込まれる構成となっている。そして、画素電極15を介して液晶層50に書き込まれた所定レベルの画像信号D1〜Dnは、画素電極15と液晶層50を介して対向配置された共通電極23との間で一定期間保持される。
保持された画像信号D1〜Dnがリークするのを防止するため、画素電極15と共通電極23との間に形成される液晶容量と並列に保持容量16が接続されている。保持容量16は、TFT30の第2ソース・ドレイン領域と容量線3bとの間に設けられている。
保持容量16は、遮光性の第1容量電極および第2容量電極との間に誘電体層を有するものである。また、第1容量電極が上記容量線3bの機能を果たしている。また、容量線3b(第1容量電極)は、固定電位に接続されている。保持容量16の詳しい構造については、後述する。
なお、図1(a)に示した検査回路103には、データ線6aが接続されており、液晶装置100の製造過程において、上記画像信号を検出することで液晶装置100の動作欠陥などを確認できる構成となっているが、図2の等価回路では省略している。
また、検査回路103は、上記画像信号をサンプリングしてデータ線6aに供給するサンプリング回路、データ線6aに所定電圧レベルのプリチャージ信号を画像信号に先行して供給するプリチャージ回路を含むものとしてもよい。
このような液晶装置100は透過型であって、画素Pが非駆動時に明表示となるノーマリーホワイトモードや、非駆動時に暗表示となるノーマリーブラックモードの光学設計が採用される。光の入射側と射出側とにそれぞれ偏光素子が光学設計に応じて配置されて用いられる。
次に、画素Pの平面的な配置と断面構造について、図3〜図5を参照して説明する。図3は液晶装置における画素の配置を示す概略平面図、図4(a)および(b)は液晶装置における画素の構成を示す概略平面図、図5は図4に示す画素のA−A’線に沿う概略断面図である。
図3に示すように、液晶装置100における画素Pは、例えば平面的に略四角形の開口領域を有する。開口領域は、X方向とY方向とに延在し格子状に設けられた遮光性の非開口領域により囲まれている。
X方向に延在する非開口領域には、図2に示した走査線3aが設けられている。走査線3aは遮光性の導電部材が用いられており、走査線3aによって非開口領域の少なくとも一部が構成されている。
同じく、Y方向に延在する非開口領域には、図2に示したデータ線6aと容量線3bが設けられている。データ線6aおよび容量線3bも遮光性の導電部材が用いられており、これらによって非開口領域の少なくとも一部が構成されている。
非開口領域は、素子基板10側に設けられた上記信号線類によって構成されるだけでなく、対向基板20側において見切り部21(図1参照)を構成した遮光性材料により格子状に構成することもできる。
非開口領域の交差部付近には、図2に示したTFT30や保持容量16が設けられている。遮光性を有する非開口領域の交差部付近にTFT30を設けることにより、TFT30の光誤動作を防止すると共に、開口領域における開口率を確保している。詳しい画素Pの構造については後述するが、交差部付近にTFT30や保持容量16を設ける関係上、交差部付近の非開口領域の幅は、他の部分に比べて広くなっている。
画素電極15は外縁部が遮光性の非開口領域に掛かるように開口領域に平面的に重なって配置されている。画素電極15と前述したTFT30の第2ソース・ドレイン領域30d(図4(a)参照)とを電気的に接続させるコンタクト部CNT4が上記交差部付近の非開口領域において画素電極15の外縁部と重なる位置に設けられている。コンタクト部CNT4と重なった画素電極15の部分は、液晶層50側に突出している。コンタクト部CNT4の詳しい構造については、後述する液晶装置100の製造方法において説明する。
図4(a)は、走査線3aが設けられた層から、データ線6aが設けられた層までの平面的な構造を示している。図4(b)は、データ線6aが設けられた層から、画素電極15が設けられた層までの平面的な構造を示している。
図4(a)に示すように、画素Pは、走査線3aとデータ線6aの交差部に設けられたTFT30を有している。TFT30は、第1ソース・ドレイン領域30sと、第2ソース・ドレイン領域30dと、チャネル領域30cと、第1ソース・ドレイン領域30sとチャネル領域30cとの間に設けられた接合領域30eと、チャネル領域30cと第2ソース・ドレイン領域30dとの間に設けられた接合領域30fとを有するLDD(Lightly Doped Drain)構造の半導体層30aを有している。半導体層30aは上記交差部を通過して、走査線3aと重なるように配置されている。
走査線3aはデータ線6aとの交差部において、X,Y方向に拡張された拡張部を有ししており、当該拡張部において他の部位と比して走査線3aの幅が広くなっている。換言すると、当該拡張部の平面形状は四角形となっている。当該拡張部に平面的に重なると共に接合領域30fおよび第2ソース・ドレイン領域30dと重ならない位置に、開口部を有する折れ曲がった形状のゲート電極30gが設けられている。
ゲート電極30gは、Y方向に延在した部分が平面的にチャネル領域30cと重なっている。また、チャネル領域30cと重なった部分から折り曲げられてX方向に延在し、互いに対向する部分がそれぞれ走査線3aの拡張部との間に設けられたコンタクトホールCNT5,CNT6によって、電気的に走査線3aと接続している。また、図4(a)に示すように、ゲート電極30gのチャネル領域30cと対向する部位は、コンタクトホールCNT5,CNT6のX方向における位置から左側にずれて配置されている。
コンタクトホールCNT5,CNT6は、平面視でX方向が長い矩形状(長方形)であって、半導体層30aのチャネル領域30cと接合領域30fとに沿って接合領域30fを挟むように両側に設けられている。
データ線6aは、Y方向に延在すると共に、走査線3aとの交差部において同じく拡張部を有し、当該拡張部において他の部位と比してデータ線6aの幅が広くなっている。図4(a)では、当該拡張部において左側に拡張されている。また、走査線3aとの交差部の右側では、データ線6aは中継電極6bに対し間隙を挟んで配置されている。また、データ線6aは、走査線3aとの交差部においてX方向に突出した部分を有している。当該X方向に突出した部分に設けられたコンタクトホールCNT1によって第1ソース・ドレイン領域30sと電気的に接続している。コンタクトホールCNT1を含む部分がソース電極31となっている。一方、第2ソース・ドレイン領域30dの端部にもコンタクトホールCNT2が設けられており、コンタクトホールCNT2を含む部分がドレイン電極32(図5参照)となっている。
図4(b)に示すように、拡張部の一部と平面的に重なるようにコンタクト部CNT4が設けられており、コンタクトホールCNT2とコンタクトホールCNT3とは島状に設けられた中継電極6bによって電気的に接続している。コンタクトホールCNT3とコンタクト部CNT4とは、保持容量16の第2容量電極16bによって中継されて電気的に接続されている。詳しいコンタクトホールCNT1,CNT2,CNT3およびコンタクト部CNT4の構造については、後述する。
画素電極15は、走査線3aやデータ線6aと外縁部が重なるように設けられており、本実施形態では走査線3aと重なる位置に設けられたコンタクトホールCNT3とコンタクト部CNT4とを介してドレイン電極32に電気的に接続されている。
保持容量16は、第1容量電極16aと、第1容量電極16aに対向配置された第2容量電極16bとを有している。第1容量電極16aは、走査線3aの拡張部と重なる部分と、該拡張部と重なった部分から走査線3aの延在方向とデータ線6aの延在方向とに延出された部分とを有しており、非開口領域(図3参照)に配置されている。走査線3aの該拡張部と重なった部分のX方向の幅はデータ線6aの延在方向に延出された部分よりも広く、走査線3aの該拡張部と重なった部分のY方向の幅は走査線3aの延在方向に延出された部分よりも広くなっている。
一方、第2容量電極16bは、画素Pごとに独立して島状に設けられている。1つの画素Pを囲むようにして当該画素Pの第2容量電極16bと隣り合う画素Pの第2容量電極16bとが配置され、遮光性の非開口領域(図3参照)を構成している。
より具体的には、第2容量電極16bは、データ線6aと走査線3aとの交差部における拡張部と平面的に重なる四角形部分16b1と、四角形部分16b1からデータ線6aに沿ってY方向に突出した突出部16b2と、同じく四角形部分16b1から走査線3aに沿って突出した突出部16b3とを有している。突出部16b3の一部はコンタクトホールCNT3と重なる位置まで突出し、コンタクトホールCNT3とコンタクト部CNT4とを電気的に接続させる中継層としても機能している。四角形部分16b1において、第2容量電極16bのX方向の幅は突出部16b2よりも広く、第2容量電極16bのY方向の幅は突出部16b3よりも広くなっている。
次に、図5を参照して、画素Pの構造について、さらに詳しく説明する。図5に示すように、素子基板10上には、まず走査線3aが形成される。走査線3aは、例えばAl(アルミニウム)、Ti(チタン)、Cr(クロム)、W(タングステン)、Ta(タンタル)、Mo(モリブデン)などの金属のうちの少なくとも1つを含む金属単体、合金、金属シリサイド、ポリシリサイド、ナイトライド、あるいはこれらが積層されたものを用いることができ、遮光性を有している。
走査線3aを覆うように例えば酸化シリコンなどからなる第1絶縁膜(下地絶縁膜)11aが形成され、第1絶縁膜11a上に島状に半導体層30aが形成される。半導体層30aは例えば多結晶シリコン膜からなり、不純物イオンが注入されて、前述した第1ソース・ドレイン領域30s、接合領域30e、チャネル領域30c、接合領域30f、第2ソース・ドレイン領域30dを有するLDD構造が形成されている。
半導体層30aを覆うように第2絶縁膜(ゲート絶縁膜)11bが形成される。さらに第2絶縁膜11bを挟んでチャネル領域30cに対向する位置にゲート電極30gが形成される。
ゲート電極30gと第2絶縁膜11bとを覆うようにして第3絶縁膜11cが形成され、半導体層30aのそれぞれの端部と重なる位置に第2絶縁膜11b、第3絶縁膜11cを貫通する2つのコンタクトホールCNT1,CNT2が形成される。
そして、2つのコンタクトホールCNT1,CNT2を埋めると共に第3絶縁膜11cを覆うようにAl(アルミニウム)などの遮光性の導電部材料を用いて導電膜を成膜し、これをパターニングすることにより、コンタクトホールCNT1を介して第1ソース・ドレイン領域30sに繋がるソース電極31ならびにデータ線6aが形成される。同時にコンタクトホールCNT2を介して第2ソース・ドレイン領域30dに繋がるドレイン電極32(中継電極6b)が形成される。
次に、データ線6aおよび中継電極6bと第3絶縁膜11cを覆って第1層間絶縁膜12が形成される。第1層間絶縁膜12は、例えばシリコンの酸化物や窒化物からなり、TFT30が設けられた領域を覆うことによって生ずる表面の凹凸を平坦化する平坦化処理が施される。平坦化処理の方法としては、例えば化学的機械的研磨処理(Chamical Mechanical Polishing:CMP処理)やスピンコート処理などが挙げられる。
第1層間絶縁膜12を覆うように導電膜が形成され、これをデータ線6aに沿って複数の画素Pに跨るようにパターニングすることにより、第1容量電極16aが形成される。
第1容量電極16aのうち、後に形成される誘電体層16cを介して第2容量電極16bと対向する部分の外縁を覆うように第4絶縁膜13が形成される。また、第4絶縁膜13の形成時に、第1容量電極16aのうちコンタクト部CNT4と重なる部分には柱状の絶縁部13bが形成される。柱状の絶縁部13bの詳しい形成方法は、後述する。
第4絶縁膜13および柱状の絶縁部13bを覆うと共に、第1容量電極16aの一部を覆って誘電体層16cが成膜される。誘電体層16cとしては、シリコン窒化膜や、酸化ハウニュウム(HfO2)、アルミナ(Al23)、酸化タンタル(Ta25)などの単層膜、またはこれらの単層膜のうち少なくとも2種の単層膜を積層した多層膜を用いてもよい。
平面的に中継電極6bと重なる位置に第1層間絶縁膜12と第4絶縁膜13と誘電体層16cとを貫通するコンタクトホールCNT3が形成される。このコンタクトホールCNT3を被覆すると共に誘電体層16cを覆う導電膜が形成され、これをパターニングすることにより、第1容量電極16aに対向配置され、コンタクトホールCNT3を介して中継電極6bに繋がる第2容量電極16bが形成される。
コンタクト部CNT4は、第1容量電極16a上に形成された柱状の絶縁部13bと、誘電体層16cを介して絶縁部13bの頭頂部を含む表面を覆う第2容量電極16bによって構成されている。
次に、第2容量電極16bと誘電体層16cとを覆う第2層間絶縁膜14が形成される。第2層間絶縁膜14も例えばシリコンの酸化物や窒化物からなり、コンタクト部CNT4の少なくとも頭頂部が形成面から突出して露出するように形成される。
第2層間絶縁膜14を覆うようにITOなどの透明導電膜(電極膜)が成膜される。この透明導電膜(電極膜)をパターニングしてコンタクト部CNT4を介して第2容量電極16bと繋がる画素電極15が形成される。これにより、画素電極15のコンタクト部CNT4と重なる部分には突出部15aが形成される。
上述したように第2容量電極16bはコンタクトホールCNT3および中継電極6bを介してTFT30のドレイン電極32と電気的に接続すると共に、コンタクト部CNT4を介して画素電極15と電気的に接続している。
第1容量電極16aの本線部は上述したようにデータ線6aの延在方向(Y方向)において複数の画素Pに跨るように形成され、等価回路(図2参照)における容量線3bとしても機能している。これにより、TFT30のドレイン電極32を介して画素電極15に与えられた電位を第1容量電極16aと第2容量電極16bとの間において保持することができる。
第1容量電極16aは、例えば、低抵抗配線材料であるAl(アルミニウム)を主成分とする合金からなる導電膜16a1と、TiN(窒化チタン)からなる導電性の保護膜16a2とが積層されたものである。導電膜16a1の厚みはおよそ350nm、保護膜16a2の厚みはおよそ150nmである。つまり、第1容量電極16aの厚みはおよそ500nmである。
第2容量電極16bを構成する導電膜は、例えば、TiNを用いることができる。厚みはおよそ300nmである。
<液晶装置の製造方法>
次に、本実施形態の液晶装置100の製造方法について、図6〜図8を参照して説明する。図6は液晶装置の製造方法を示すフローチャート、図7(a)〜(d)および図8(e)〜(h)は液晶装置の製造方法を示す概略断面図である。なお、素子基板10におけるTFT30やこれに接続される各種信号線の形成や対向基板20における見切り部21や共通電極23などの形成方法は、公知の方法を適用できる。したがって、本発明における特徴部分である素子基板10側のコンタクト部CNT4の形成方法を主体として説明する。なお、図7および図8の各概略断面図は、図4のA−A’線に沿った概略断面図に相当するものである。
図6に示すように、本実施形態の液晶装置100の製造方法は、第1容量電極形成工程(ステップS1)と、第4絶縁膜および絶縁部形成工程(ステップS2)と、誘電体層形成工程(ステップS3)と、コンタクトホール形成工程(ステップS4)と、第2容量電極形成工程(ステップS5)と、第2層間絶縁膜形成工程(ステップS6)と、画素電極形成工程(ステップS7)とを備えている。
ステップS1の第1容量電極形成工程では、図7(a)に示すように、素子基板10においてTFT30を覆って平坦化処理が施された第1層間絶縁膜12上に第1容量電極16aを形成する。第1容量電極16aの形成方法は、まず、Alを主成分とする合金からなる導電膜16a1を成膜する。その膜厚はおよそ350nmである。さらに、導電膜16a1上に導電性のTiNからなる保護膜16a2を成膜する。その膜厚はおよそ150nmである。導電膜16a1と保護膜16a2との積層体をパターニングして、第1容量電極16aを形成する。前述したように、第1容量電極16aは、容量線3bとしても機能させるので、できる限り電気抵抗が低いことが好ましい。その点で、低抵抗金属材料のAlを主成分とする合金からなる導電膜16a1を使うと共に、この後のフォトリソ工程において、導電膜16a1が損傷しないように、TiNからなる保護膜16a2で覆うことが好ましい。本工程では、導電膜16a1と保護膜16a2と積層してからパターニングしているが、先に導電膜16a1をパターニングしてから保護膜16a2を成膜してパターニングしてもよい。
ステップS2の第4絶縁膜および絶縁部形成工程では、まず、図7(b)に示すように、第1容量電極16aを覆うように絶縁膜前駆体13aを成膜する。絶縁膜前駆体13aは、例えば酸化シリコンからなり、プラズマCVD法などを用いて例えば厚みが800nm程度に成膜する。続いて、図7(c)に示すように、第1容量電極16a上に柱状の絶縁部13bが残るように、成膜された絶縁膜前駆体13aをエッチングする。同時に、柱状の絶縁部13bを除いた部分の膜厚が、例えば200nm程度となるようにエッチングして第4絶縁膜13を形成する。これにより、第4絶縁膜13に一体形成された絶縁部13bが形成される。さらに第4絶縁膜13は、第1容量電極16aのうち後に誘電体層16cを介して第2容量電極16bと対向配置される部分の外縁部を覆うように形成され、第1容量電極16a上において開口部13cが形成される。これにより、第1容量電極16aに対向する第2容量電極16bをパターニングして形成する際に、第1容量電極16aが外縁部側からエッチングされるなどの不具合を防止することができる。
本実施形態では、ドライエッチング法を用いて絶縁膜前駆体13aを選択的に600nmエッチングしたので、絶縁部13bの断面形状は台形となっている。したがって、第1容量電極16a上の絶縁部13bの高さはおよそ600nmである。
ステップS3の誘電体層形成工程では、図7(d)に示すように、第4絶縁膜13や絶縁部13bが形成された表面を覆うように誘電体層16cを成膜する。本実施形態では、誘電体層16cをアルミナ(Al23)と酸化ハウニュウム(HfO2)とをこの順に積層させた多層膜とし、厚みはおよそ20nm〜30nmとした。
ステップS4のコンタクトホール形成工程では、同じく図7(d)に示すように、中継電極6bと重なる部分において第1層間絶縁膜12と第4絶縁膜13と誘電体層16cとを貫通するコンタクトホールCNT3を例えばドライエッチング法を用いて形成する。
ステップS5の第2容量電極形成工程では、図8(e)に示すように、コンタクトホールCNT3を埋めると共に誘電体層16cを覆うように例えばTiNからなる導電膜を成膜してパターニングすることにより、第2容量電極16bを島状に形成する。第2容量電極16bの厚みはおよそ300nmである。第2容量電極16bは誘電体層16cを介して柱状の絶縁部13bの頭頂部と側面部の少なくとも一部とを被覆すると共に、TFT30のドレイン電極32に中継電極6bを介して電気的に接続するように形成される。これにより、ドレイン電極32に第2容量電極16bが電気的に接続された保持容量16が形成される。また、絶縁部13bと誘電体層16cと第2容量電極16bとからなるコンタクト部CNT4が形成される。
ステップS6の第2層間絶縁膜形成工程では、まず、図8(f)に示すように、保持容量16およびコンタクト部CNT4が形成された素子基板10の表面を覆うように層間絶縁膜前駆体14aを成膜する。層間絶縁膜前駆体14aは、例えば、耐湿性が向上するようにB(ボロン)が添加された酸化シリコン膜を、プラズマCVD法などを用いて成膜する。膜厚はおよそ800nm〜1000nm(1μm)であり、柱状のコンタクト部CNT4をほとんど覆い隠すように成膜される。
次に、柱状のコンタクト部CNT4などを覆った層間絶縁膜前駆体14aの表面には凹凸が生ずるので、CMP法などを用いて表面を平坦化処理する。
続いて、図8(g)に示すように、平坦化処理された層間絶縁膜前駆体14aの表面を例えばドライエッチング法を用いてエッチングして、コンタクト部CNT4の頭頂部を含む一部を露出させる。これにより、表面からコンタクト部CNT4の一部が突出した第2層間絶縁膜14が形成される。
ステップS7の画素電極形成工程では、図8(h)に示すように、コンタクト部CNT4を含む第2層間絶縁膜14を覆って、例えばITOなどの透明導電膜(電極膜)を成膜してパターニングすることにより画素電極15を形成する。画素電極15の厚みはおよそ20nm〜150nmである。コンタクト部CNT4と重なった画素電極15の部分には突出部15aが形成される。この場合、画素電極15の表面から突出した突出部15aの高さは、およそ200nmである。言い換えれば、エッチング後の表面からコンタクト部CNT4の一部がおよそ200nmの高さで突出するように、層間絶縁膜前駆体14aの表面をエッチングする。
本実施形態の液晶装置100における液晶層50の厚みはおよそ2μmであり、画素電極15の突出部15aの高さ(200nm)は、液晶層50の厚みの10%に相当する。
なお、画素電極15の突出部15aの高さが、液晶層50の厚みに対して、10%以上、50%以下となるように、コンタクト部CNT4および第2層間絶縁膜14を形成することが好ましい。これにより、画素電極15の突出部15aが液晶層中における不純物の移動(拡散)を阻む機能が与えられると共に、突出部15aの付近において配向膜18の形成不良による液晶分子の配向の乱れが顕著に発生することを抑制することができる。
また、本実施形態におけるコンタクト部CNT4すなわち画素電極15の突出部15aは、平面視でおよそ1辺が0.5μm〜0.6μmの四角形である。不純物の移動(拡散)を阻害する目的では平面的な大きさができるだけ大きいことが好ましい。その一方で、突出部15aの付近における液晶分子の配向の乱れが表示に影響しない程度の大きさとすることが好ましい。
さらには、コンタクト部CNT4すなわち画素電極15の突出部15aの平面的な形状は、図3あるいは図4(b)に示すように四角形であることに限定されない。パターニングによる平面形状の安定性を考慮すると円形や楕円形、あるいは四角形以上の多角形であってもよい。
以上に述べた前記実施形態によれば、以下の効果が得られる。
(1)液晶装置100およびその製造方法において、画素電極15をTFT30のドレイン電極32に電気的に接続させる柱状のコンタクト部CNT4は、TFT30を覆う第1層間絶縁膜12上に形成され、さらに第1層間絶縁膜12を覆う第2層間絶縁膜14の表面から一部が突出するように形成される。これにより、第2層間絶縁膜14上に形成された画素電極15にはコンタクト部CNT4と重なる部分に液晶層50側に突出する突出部15aが形成される。画素電極15の表面から突出した突出部15aの高さは、液晶層50の厚みの10%以上、50%以下であるため、突出部15aは液晶層中で不純物が移動(拡散)することを阻むと共に、突出部15aの付近で液晶分子の配向に乱れが顕著に発生することが抑制される。すなわち、液晶層中の不純物が移動(拡散)して画素領域Eの一部に偏在することに起因する焼き付きなどの表示不具合が改善された液晶装置100を提供または製造することができる。
(2)コンタクト部CNT4は、保持容量16を形成する工程で用いられる部材を用いて形成され、第1容量電極16a上に形成された柱状の絶縁部13bと、誘電体層16cを介して絶縁部13bを覆う第2容量電極16bとからなる。したがって、画素電極15の表面に突出部15aを形成するために、新たな材料や工程などを導入しなくてもよい。すなわち、効率的にコンタクト部CNT4を形成することができる。
(3)第2層間絶縁膜14は、コンタクト部CNT4を覆うように形成された層間絶縁膜前駆体14aを平坦化処理してからエッチングすることにより、コンタクト部CNT4の一部が表面から突出するように形成される。言い換えれば、コンタクト部CNT4の少なくとも一部をエッチング後の表面から所望の高さで突出させて形成することができる。また、第2層間絶縁膜14上に形成される画素電極15は突出部15aを除いた領域が平坦に形成される。それゆえに、画素電極15上における凹凸に起因する液晶分子の配向の乱れが低減され、表示ムラが少ない表示品質を有する液晶装置100を提供または製造することができる。
(4)コンタクト部CNT4は、画素電極15の外縁部と重なると共に非開口領域に配置されている。したがって、コンタクト部CNT4によって形成された画素電極15の突出部15aの付近における液晶分子の配向の乱れに起因する表示ムラが目立ち難い。
(第2実施形態)
<電子機器>
次に、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置について、図9を参照して説明する。図9は、電子機器としての投射型表示装置の構成を示す概略図である。
図9に示すように、本実施形態の電子機器としての投射型表示装置1000は、システム光軸Lに沿って配置された偏光照明装置1100と、光分離素子としての2つのダイクロイックミラー1104,1105と、3つの反射ミラー1106,1107,1108と、5つのリレーレンズ1201,1202,1203,1204,1205と、3つの光変調手段としての透過型の液晶ライトバルブ1210,1220,1230と、光合成素子としてのクロスダイクロイックプリズム1206と、投射レンズ1207とを備えている。
偏光照明装置1100は、超高圧水銀灯やハロゲンランプなどの白色光源からなる光源としてのランプユニット1101と、インテグレーターレンズ1102と、偏光変換素子1103とから概略構成されている。
ダイクロイックミラー1104は、偏光照明装置1100から射出された偏光光束のうち、赤色光(R)を反射させ、緑色光(G)と青色光(B)とを透過させる。もう1つのダイクロイックミラー1105は、ダイクロイックミラー1104を透過した緑色光(G)を反射させ、青色光(B)を透過させる。
ダイクロイックミラー1104で反射した赤色光(R)は、反射ミラー1106で反射した後にリレーレンズ1205を経由して液晶ライトバルブ1210に入射する。
ダイクロイックミラー1105で反射した緑色光(G)は、リレーレンズ1204を経由して液晶ライトバルブ1220に入射する。
ダイクロイックミラー1105を透過した青色光(B)は、3つのリレーレンズ1201,1202,1203と2つの反射ミラー1107,1108とからなる導光系を経由して液晶ライトバルブ1230に入射する。
液晶ライトバルブ1210,1220,1230は、クロスダイクロイックプリズム1206の色光ごとの入射面に対してそれぞれ対向配置されている。液晶ライトバルブ1210,1220,1230に入射した色光は、映像情報(映像信号)に基づいて変調されクロスダイクロイックプリズム1206に向けて射出される。このプリズムは、4つの直角プリズムが貼り合わされ、その内面に赤色光を反射する誘電体多層膜と青色光を反射する誘電体多層膜とが十字状に形成されている。これらの誘電体多層膜によって3つの色光が合成されて、カラー画像を表す光が合成される。合成された光は、投射光学系である投射レンズ1207によってスクリーン1300上に投射され、画像が拡大されて表示される。
液晶ライトバルブ1210は、上述した液晶装置100が適用されたものである。液晶装置100は、色光の入射側と射出側とにおいてクロスニコルに配置された一対の偏光素子の間に隙間を置いて配置されている。他の液晶ライトバルブ1220,1230も同様である。
このような投射型表示装置1000によれば、液晶ライトバルブ1210,1220,1230として、液晶層中の不純物の偏在に起因する焼き付きなどの表示不具合が改善された液晶装置100を用いているので、高い信頼性と表示品質とが実現されている。
本発明は、上記した実施形態に限られるものではなく、請求の範囲および明細書全体から読み取れる発明の要旨あるいは思想に反しない範囲で適宜変更可能であり、そのような変更を伴う液晶装置100および該液晶装置100の製造方法ならびに該液晶装置100を適用する電子機器もまた本発明の技術的範囲に含まれるものである。上記実施形態以外にも様々な変形例が考えられる。以下、変形例を挙げて説明する。
(変形例1)液晶装置100におけるコンタクト部CNT4の構成は、これに限定されない。図10は変形例のコンタクト部を示す概略断面図である。例えば、図10に示すように、第4絶縁膜13と誘電体層16cとを介して第1容量電極16a上に形成された第2容量電極16bに対して接触するように例えばAlなどからなる導電部材を柱状に形成し、これをコンタクト部17とする。このような変形例のコンタクト部17の形成方法としては、第2容量電極16bを覆う第2層間絶縁膜14にコンタクトホールを形成し、該コンタクトホールを埋めるように上記導電部材からなる導電膜を成膜する。そして、該導電膜をパターニングして、第2層間絶縁膜14の表面から突出するコンタクト部17を形成する。さらに、コンタクト部17と重なるように電極膜を成膜してパターニングすることにより画素電極15を形成する。画素電極15のコンタクト部17と重なる部分には突出部15bが形成される。なお、図10では、第2層間絶縁膜14に順テーパーの側壁を有するコンタクトホールを形成する関係で、コンタクト部17が逆テーパー状となっている。
変形例のコンタクト部17は、上記実施形態のコンタクト部CNT4に比べて、新たに低抵抗な導電部材を用いる点でコストや生産性において劣っているものの、コンタクト部17における接続抵抗を引き下げることができるという点で優れている。
(変形例2)柱状のコンタクト部CNT4を有する液晶装置100は、透過型であることに限定されない。例えば、光反射性を有する画素電極を用いれば、反射型の液晶装置においても適用することができる。なお、反射型の液晶装置の場合、素子基板10は透明である必要ななく、不透明な例えばシリコン基板を用いることもできる。
(変形例3)誘電体層16cは、柱状の絶縁部13bが形成された素子基板10の表面をすべて覆うように形成されることに限定されない。例えば、素子基板10の表面をすべて覆ってから、保持容量16を構成するために必要な第1容量電極16aの特定の部分だけを残して、他の部分を取り除いてもよい。これによれば、誘電体層16cを介する場合に比べて、コンタクトホールCNT3の形成時に、誘電体層16cをエッチングする必要がなく、コンタクトホールCNT3の内壁部分で誘電体層16cが庇状になって第2容量電極16bが段切れする危険性がなくなる。また、開口領域に残った誘電体層16cは、開口領域を透過する光の透過率に悪影響を及ぼさないよう予め取り除いておくか、もしくは第2容量電極16bを島状にパターニングする際に同時にエッチングして取り除いておくことが望ましい。
(変形例4)液晶装置100を適用可能な電子機器は、上記実施形態の投射型表示装置1000に限定されない。例えば、投射型のHUD(ヘッドアップディスプレイ)や直視型のHMD(ヘッドマウントディプレイ)、または電子ブック、パーソナルコンピューター、デジタルスチルカメラ、液晶テレビ、ビューファインダー型あるいはモニター直視型のビデオレコーダー、カーナビゲーションシステム、電子手帳、POSなどの情報端末機器の表示部として好適に用いることができる。
10…基板としての素子基板、12…第1層間絶縁膜、13b…絶縁部、14…第2層間絶縁膜、14a…層間絶縁膜前駆体、15…画素電極、15a,15b…突出部、16b…導電膜としての第2容量電極、17…変形例のコンタクト部、30…薄膜トランジスター(TFT)、30a…半導体層、30d…第2ソース・ドレイン領域、30s…第1ソース・ドレイン領域、50…液晶層、100…液晶装置、1000…電子機器としての投射型表示装置、CNT4…コンタクト部。

Claims (8)

  1. 基板上にトランジスターと、
    画素電極と、
    前記画素電極を前記トランジスターの半導体層における第1または第2ソース・ドレイン領域のいずれかに電気的に接続させる柱状のコンタクト部とを有し、
    前記コンタクト部は、前記画素電極の液晶層側の表面において突出部を形成していることを特徴とする液晶装置。
  2. 前記コンタクト部は、柱状に形成された絶縁部と、前記絶縁部を覆う導電膜とからなり、
    前記導電膜が前記半導体層の前記第1または第2ソース・ドレイン領域のいずれか一方と前記画素電極とに電気的に接続されていることを特徴とする請求項1に記載の液晶装置。
  3. 前記画素電極の表面から突出した前記突出部の高さは、前記液晶層の厚みの10%以上、50%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶装置。
  4. 画素の開口領域を規定する遮光部を備え、
    前記画素電極は、前記開口領域と重なるように配置され、
    前記コンタクト部は、前記遮光部と平面的に重なるように配置されて、前記画素電極と電気的に接続されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載の液晶装置。
  5. 基板上にトランジスターと、画素電極とを有する液晶装置の製造方法であって、
    前記トランジスターの半導体層を覆う第1層間絶縁膜上に、前記半導体層の第1または第2ソース・ドレイン領域のいずれか一方と電気的に接続された柱状のコンタクト部を形成する工程と、
    前記コンタクト部の少なくとも一部が表面から突出するように、前記第1層間絶縁膜上に第2層間絶縁膜を形成する工程と、
    前記第2層間絶縁膜を覆うと共に、成膜後に前記コンタクト部と重なる部分が突出するように電極膜を成膜し、前記コンタクト部を含むように前記電極膜をパターニングして画素電極を形成する工程と、を備えたことを特徴とする液晶装置の製造方法。
  6. 前記コンタクト部を形成する工程は、前記第1層間絶縁膜上に柱状の絶縁部を形成する工程と、
    前記絶縁部を被覆すると共に、前記半導体層の前記第1または第2ソース・ドレイン領域のいずれか一方に電気的に接続するように導電膜を成膜する工程と、を含むことを特徴とする請求項5に記載の液晶装置の製造方法。
  7. 前記第2層間絶縁膜を形成する工程は、前記コンタクト部を覆って層間絶縁膜前駆体を成膜する工程と、
    前記層間絶縁膜前駆体の表面を平坦化処理する工程と、
    平坦化処理された前記層間絶縁膜前駆体の表面をエッチングして、エッチング後の表面から前記コンタクト部の少なくとも一部を突出させる工程とを含むことを特徴とする請求項5または6に記載の液晶装置の製造方法。
  8. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載の液晶装置を備えたことを特徴とする電子機器。
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