JP2013051841A - 回転電気機械 - Google Patents

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敦之 木藤
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Abstract

【課題】リベット等の固定部材を省略し、部品点数の低減を図ると共に、製造工程の簡略化を図る。
【解決手段】複数の磁石部材(30,50,60)は、各々の当接部(33,37,53,57,63,67)がロータコア(21)の軸方向の異なる端部に配置され、磁力によってロータコア(21)を軸方向内方に挟むように構成され、複数の磁石部材(30,50,60)のうちの少なくとも1つの当接部(33,37,53,57,63,67)が、ロータコア(21)の軸方向端面に沿って形成されて2つ以上の磁石部(32,36,52,56,62,66)と連結する連結板部(33,37,53,57,63,67)を構成している。
【選択図】図9

Description

本発明は、回転電気機械に関し、特に、ロータ構造に係るものである。
従来、電動機には、特許文献1に示すように、圧縮機に実装されて圧縮機構を駆動するものがあり、この電動機には、埋込磁石型モータがある。そして、この埋込磁石型モータのロータは、多数の電磁鋼板を備えたロータコアと、該ロータコアのスロットに埋め込まれた永久磁石と該ロータコア両端部に設けられる端板より構成されている。
特開2004−336831号公報
従来の埋込磁石型モータのロータは、ロータコアに永久磁石を挿入し、端板の両側に貫通するリベットによって一体に固定していた。
しかしながら、この従来のロータは、リベットによって電磁鋼板および永久磁石を固定しているので、部品点数が多くなると共に、リベットによる固定工程が必要であった。この結果、従来のロータは、コストが高くなるという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、リベット等の固定部材を省略し、部品点数の低減を図ると共に、製造工程の簡略化を図ることを目的とする。
本発明は、磁石によってロータコアを挟み込むようにしたものである。
第1の発明は、回転電気機械を対象とし、略筒状のステータ(11)と、複数のスロット(23,24,40)を有し、周面側に前記ステータ(11)と対向する磁極面が形成されるロータコア(21)と、前記複数のスロット(23,24,40)に挿入される磁石部(32,36,52,56,62,66)と該磁石部(32,36,52,56,62,66)と連結して前記ロータコア(21)の軸方向端面に当接する当接部(33,37,53,57,63,67)とをそれぞれ有する複数の磁石部材(30,50,60)とを備え、該複数の磁石部材(30,50,60)は、各々の当接部(33,37,53,57,63,67)がロータコア(21)の軸方向の異なる端部に配置され、磁力によって前記ロータコア(21)を軸方向内方に挟むように構成され、前記複数の磁石部材(30,50,60)のうちの少なくとも1つの当接部(33,37,53,57,63,67)が、前記ロータコア(21)の軸方向端面に沿って形成されて2つ以上の前記磁石部(32,36,52,56,62,66)と連結する連結板部(33,37,53,57,63,67)を構成している。
第1の発明では、複数の磁石部材(30,50,60)が、当接部(33,37,53,57,63,67)によってロータコア(21)を軸方向の両端から挟み込むので、従来のリベット等の部材が省略され、部品点数が削減される。即ち、複数の磁石部材は、以下のような磁力によって互いに引き寄せられる。
第1の力は、磁石部材(30,50,60)の自己吸引力である。各磁石部材(30,50,60)は、ロータコア(21)が例えば電磁鋼板等の鉄心によって形成されるので、磁石部(32,36,52,56,62,66)がスロット(23,24,40)内に入り込もうとする自己吸引力が生ずる。
第2の力は、各磁石部材(30,50,60)の磁石部(32,36,52,56,62,66)間の相互吸引力である。隣り合う磁石部(32,36,52,56,62,66)は、各磁石部(32,36,52,56,62,66)の相互間の磁路が最も短くなる状態で安定する。従って、各磁石部材(30,50,60)の間には、このような安定状態に移動しようとする相互間の吸引力が生ずる。
また、本発明では、ロータコア(21)を挟み込む当接部(33,37,53,57,63,67)の少なくとも1つが、複数の磁石部(32,36,52,56,62,66)に連結する連結板部を構成する。複数の磁石部(32,36,52,56,62,66)と連結板部(33,37,53,57,63,67)とを連結して磁石部材(30,50,60)を構成することで、部品点数を削減される。
第2の発明は、第1の発明において、前記複数の磁石部材(30,50,60)は、周方向に隣り合う磁石部(32,36,52,56,62,66)において前記当接部(33,37,53,57,63,67)が軸方向の異なる端部に配置されて前記ロータコア(21)を軸方向内方に狭持するように構成されていることを特徴とする。
第2の発明では、周方向に隣り合う磁石部(32,36,52,56,62,66)に連結する当接部(33,37,53,57,63,67)が、軸方向の両端部に配置されて、ロータコア(21)を挟み込む。その結果、リベット等の部材が省略され、部品点数が削減される。
第3の発明は、第1又は第2の発明において、前記ロータコア(21)には、前記スロット(40)に多層の磁石部(62,66)が配列され、前記複数の磁石部材(60)は、隣り合う層の磁石部(62,66)において前記当接部(63,67)が軸方向の異なる端部に配置されて前記ロータコア(21)を軸方向内方に狭持するように構成されていることを特徴とする。
第3の発明では、同じロータ磁極のスロット(40)に多層の磁石部(62,66)が配列される。スロット(40)では、隣り合う層の磁石部(62,66)に連結する当接部(63,67)が、軸方向の両端部に配置されて、ロータコア(21)を挟み込む。その結果、リベット等の部材が省略され、部品点数が削減される。
第4の発明は、第3の発明において、前記連結板部(63,67)は、1つの磁石部(62,66)を介して隣り合う層の一対の磁石部(62,66)と連結していることを特徴とする。
第4の発明の連結板部(63,67)は、同一スロット(40)において、1つの磁石部(62,66)を介して隣り合う層の磁石部(62,66)と連結するため、連結板部(63,67)が比較的短くなり、磁石部材(61,65)の小型化を図ることができる。
第5の発明は、第2又は第3の発明において、前記連結板部(53,57)は、周方向に配列される複数の磁石部(52,56)と連結する略円板状に形成されていることを特徴とする。
第5の発明では、連結板部(53,57)が円板状に形成されるため、ロータコア(21)の周方向の全域に亘って力が作用する。
第6の発明は、第1乃至第4のいずれか1つの発明において、前記磁石部材(30,50,60)は、隣接する磁石部(32,36,52,56,62,66)間で軸直角方向に重複するオーバーラップ部(39,59)と、該オーバーラップ部(39,59)から前記当接部(33,37,53,57,63,67)に亘って形成される延長部(34,38,54,58)とを備えていることを特徴とする。
第6の発明では、磁石部材(30,50,60)に延長部(34,38,54,58)を設けたので、各磁石部材(30,50,60)の相互間の相互吸引力が確実に作用する。
第7の発明は、第1乃至第6のいずれか1つにおいて、前記ロータコア(21)の軸方向の両端部(74)の鋼板は、該両端部(74)の間の中間部(75)の鋼板の厚さより厚く形成されていることを特徴とする。
第7の発明では、ロータコア(21)の両端部(74)の鋼板を、中間部(75)の鋼板よりも厚くすることで、該両端部(74)の強度が大きくなる。その結果、当接部(33,37,53,57,63,67)付近のロータコア(21)の軸方向への変形が防止される。
第8の発明は、第1乃至第7のいずれか1つの発明において、前記スロット(23,24,40)における磁石部(32,36,52,56,62,66)の挿入口(71)が、該スロット(23,24,40)の奥部よりも拡幅されていることを特徴とする。
第8の発明では、スロット(23,24,40)の挿入口(71)の幅がスロット(23,24,40)の奥部よりも広いため、当接部(33,37,53,57,63,67)と磁石部(32,36,52,56,62,66)との間の角部にアールが形成されても、このアールが挿入口(71)の壁面にあたるのを回避できる。
第9の発明は、第1乃至第8のいずれか1つの発明において、前記連結板部(53,57)は、前記ロータコア(21)と共に前記ステータ(11)に対向していることを特徴とする
第9の発明では、磁石部材(30,50,60)の連結板部(53,57)がステータ(11)と対向することで、この連結板部(53,57)が表面磁石型(SPM型)の磁石として機能する。
本発明によれば、複数の磁石部材(30,50,60)の当接部(33,37,53,57,63,67)によって、ロータコア(21)を軸方向両端から挟み込むようにしたので、従来のリベット等の部材を省略することができる。その結果、部品点数を削減できる。また、従来のリベット等の固定工程を省略することができ、製造工程を簡略化できる。また、上記磁石部材(30,50,60)を脱磁することで、磁石部材(30,50,60)をロータコア(21)から容易に取り外すことができる。従って、この磁石部材(30,50,60)のリサイクルを図ることができる。また、複数の磁石部(32,36,52,56,62,66)を連結板部(33,37,53,57,63,67)に連結することで、部品点数を更に削減できる。また、連結板部(33,37,53,57,63,67)を用いてロータコア(21)を確実に挟み込むことができる。
第2の発明によれば、周方向に隣り合う磁石部(32,36,52,56,62,66)の当接部(33,37,53,57,63,67)によって、ロータコアを確実に挟むことができる。また、第3の発明によれば、スロット(23,24,40)で隣接する層の磁石部(62,66)によって、ロータコア(21)を確実に挟み込むことができる。
第4の発明によれば、磁石部(62,66)を挟んで隣り合う層の磁石部(62,66)を連結板部(63,67)に連結するので、連結板部(63,67)の幅が短くなり、磁石部材(60)を小型化できる。
第5の発明によれば、円板状の連結板部(53,57)によってロータコア(21)を挟み込むので、ロータコア(21)に作用する力を均一化してロータコア(21)を強固に保持できる。また、連結板部(53,57)に多数の磁石部(52,56)を連結でき、部品点数を更に削減できる。
第6の発明によれば、磁石部材(30,50,60)に延長部(34,38,54,58)を形成することで、磁石部材(30,50,60)の相互吸引力を利用してロータコア(21)を確実に挟み込むことができる
第7の発明によれば、ロータコア(21)の両端部(74)の強度を向上できるため、該両端部(74)の変形や破壊を防止できる。また、磁石部材(30,50,60)によるロータコア(21)の挟み込みの力を増大させて、ロータコアを一層強固に保持できる。
第8の発明によれば、磁石部(32,36,52,56,62,66)と当接部(33,37,53,57,63,67)との間の角部のアールが、スロット(23,24,40)の挿入口(71)の壁面と干渉してしまうのを回避できる。その結果、当接部(33,37,53,57,63,67)によってロータコア(21)を確実に挟み込むことができる。
第9の発明によれば、連結板部(53,57)をSPM型の磁石として機能させることで、電動機等のマグネットトルクを増大できる。
図1は、実施形態1に係る圧縮機の概略構成を示す縦断面図である。 図2は、実施形態1に係る圧縮機のモータの平面図である。 図3は、実施形態1に係るロータコアの平面図である。 図4は、実施形態1に係るロータの分解斜視図である。 図5は、実施形態1に係るロータの平面図である。 図6は、実施形態1に係るロータにおける図5のA−O−B断面図である。 図7は、実施形態1に係るロータにおける図5のC−O−D断面図である。 図8は、実施形態1のモータの一部を拡大した縦断面図である。 図9は、実施形態2に係るロータの分解斜視図である。 図10は、実施形態2に係るロータの平面図である。 図11は、実施形態2に係るロータにおける図10のE−O−F断面図である。 図12は、実施形態2に係るロータにおける図10のG−O−H断面図である。 図13は、実施形態2のモータの一部を拡大した縦断面図である。 図14は、実施形態2の変形例に係るモータの一部を拡大した縦断面図である。 図15は、実施形態3に係るロータの分解斜視図である。 図16は、実施形態3に係るロータの平面図である。 図17は、実施形態3に係るロータにおける図16のI−I断面図である。 図18は、実施形態3に係るロータにおける図16のJ−J断面図である。 図19は、その他の実施形態の第1の例に係るロータの一部を拡大した縦断面図である。 図20は、その他の実施形態の第2の例に係るロータの一部を拡大した縦断面図である。 図21は、その他の実施形態の第3の例に係るロータの斜視図である。 図22は、その他の実施形態の第4の例に係るロータの斜視図である。 図23は、その他の実施形態の第5の例に係るロータの一部を拡大した縦断面図である。 図24は、その他の実施形態の第5の例に係るロータの一部を拡大した縦断面図である。 図25は、その他の実施形態の第6の例に係るロータの一部を拡大した縦断面図である。 図26は、その他の実施形態の第7の例に係るロータの一部を拡大した縦断面図である。 図27は、その他の実施形態の第8の例に係るロータの一部を拡大した縦断面図である。 図28は、その他の実施形態の第9の例に係るロータの一部を拡大した平面図である。
以下、本発明の実施形態について図面を参照しながら説明する。なお、以下の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。
《発明の実施形態1》
〈全体構成〉
本発明に係る回転電気機械は、空気調和機(図示省略)の圧縮機(1)のモータ(10)を構成している。圧縮機(1)は、冷媒が循環して冷凍サイクルが行われる冷媒回路に接続されて冷媒を圧縮する。
図1に示すように、圧縮機(1)は、密閉状のケーシング(3)と、該ケーシング(3)の内部に収容される圧縮機構(5)及びモータ(10)と、圧縮機構(5)とモータ(10)とを連結する駆動軸(7)とを有している。図1に示す圧縮機構(5)は、ローリングピストン型に構成されているが、例えばスクロール型や揺動ピストン型等の他の方式を採用してもよい。
モータ(10)は、ブラシレスDCモータで構成される。モータ(10)は、ケーシング(3)の内周壁に固定される略筒状のステータ(11)と、該ステータ(11)の内部に挿通されるロータ(20)とを有している。モータ(10)は、ロータ(20)の内部に永久磁石が埋設されて、ステータ(11)とロータ(20)の外周面とが対向する埋込磁石型モータ(いわゆるIPMモータ)である。モータ(10)は、駆動軸(7)を回転させて圧縮機構(5)を駆動する。
〈モータの基本構成〉
モータ(10)の構成について詳細に説明する。なお、以下の説明において、軸方向とは駆動軸(7)の軸心の方向をいい、径方向とは駆動軸(7)の軸心と直交する方向をいう。また、外周側とは駆動軸(7)の軸心からより遠い側をいい、内周側とは駆動軸(7)の軸心により近い側をいう。
《ステータ》
図2に示すように、ステータ(11)は、ケーシング(3)に固定されるステータコア(12)と、ステータコア(12)に巻回されるコイル(19)とを有している。ステータコア(12)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて積層板(P)を作成し、複数の積層板(P)を厚さ方向に積層した積層コアである。ステータコア(12)は、環状のバックヨーク部(13)と、バックヨーク(13)の内周縁部から径方向内方へ突出する複数(この例では6つ)のティース部(14)と、該ティース部(14)の径方向内側端部に形成されるツバ部(15)とを備えている。
バックヨーク部(13)は、略円環状に形成され、ケーシング(3)の胴部の内周面に固定される。
各ティース部(14)は、ステータコア(12)において径方向に延びる略直方体状の部分である。6つのティース部(14)は、ステータコア(12)の周方向に等間隔で配列される。各ティース部(14)の間には、コイル(19)が収容されるコイルスロット(16)が形成される。ステータコア(12)では、いわゆる集中巻方式によって、各ティース部(14)にコイルが巻回されている。これにより、各ティース部(14)において電磁石が形成される。
ツバ部(15)は、ティース部(14)の内側端部に連続して形成される。ツバ部(15)は、ティース部(14)よりも幅(周方向の長さ)が大きく構成されている。ツバ部(15)の内周側には、円筒面が形成されている。ツバ部(15)の円筒面は、ロータコア(21)の外周面と所定の間隔(エアギャップ(G))を介して対向している。
《ロータ》
図2〜図8に示すように、ロータ(20)は、ロータコア(21)と磁石部材(30)とを備えている。ロータコア(21)は、電磁鋼板をプレス加工によって打ち抜いて積層板(P)を作成し、複数の積層板(P)を厚さ方向に積層した積層コアである。ロータコア(21)の軸心には、軸穴(22)が形成される。軸穴(22)には、駆動軸(7)が例えば焼き嵌め等によって固定される。
実施形態1のロータコア(21)では、その外周面部に2つのN極の磁極面と、2つのS極の磁極面とが交互に形成される。つまり、ロータコア(21)は、周面側における異なる磁極面の数が同じとなっている。ロータコア(21)には、各磁極面に対応するように、4つのスロット群(23)が周方向に配列される。各スロット群(23)は、ロータコア(21)の軸心回りに90°ピッチで配置されている。
図3にも示すように、実施形態1の各スロット群(23)は、ロータコア(21)の径方向に隣り合う2つのスロット(24)をそれぞれ有している。隣り合うスロット(24)は、軸心寄りの内側スロット(24a)と、外周側寄りの外側スロット(24b)とで構成される。各スロット(24)は、ロータコア(21)を軸方向に貫通している。各スロット(24)は、径方向外方に向かって開口するような略U字状ないし弓状の穴を構成している。各スロット(24)は、ロータコア(21)の径方向に対して直交する磁石挿入部(25)と、該磁石挿入部(25)から外周側に延びる2つのバリア部(26)とで構成されている。磁石挿入部(25)は、軸方向視において縦長の長方形状に形成される。
実施形態1のロータ(20)は、4つの磁石部材(30)を備えている。磁石部材(30)は、例えばネオジウム等の希土類金属を用いた永久磁石である。図4〜図7に示すように、実施形態1に係る4つの磁石部材(30)は、縦断面が略U字状に形成されている。4つの磁石部材(30)は、一組の上側磁石部材(31)と、一組の下側磁石部材(35)とで構成される。このような形状は焼結によっても作ることが可能であるが、ボンド磁石であればより容易に製造できる。
上側磁石部材(31)は、一対の板状の磁石部をなす本体部(32)と、一対の本体部(32)と連結する上側連結板部(33)とを有している。一組の上側磁石部材(31)は、4つのスロット群(23)のうちロータコア(21)の軸心を挟んで互いに対向する一組のスロット群(23)に対応して配置される。一対の本体部(32)は、スロット群(23)で互いに隣り合うスロット(24)の内部に挿入される。本体部(32)には、厚さ方向(ロータコア(21)の径方向)の両側にそれぞれ異なる磁極面が形成される。
上側連結板部(33)は、一対の本体部(32)の軸方向端部(図4の上端部)に跨るように連結している。上側連結板部(33)は、ロータコア(21)の軸方向端面(上端面)に沿って形成される矩形平板状に形成される。上側連結板部(33)は、その下側の平面部(33a)がロータコア(21)の上端面に当接する当接部を構成している。
下側磁石部材(35)は、一対の板状の磁石部をなす本体部(36)と、一対の本体部(36)と連結する下側連結板部(37)とを有している。一組の下側磁石部材(37)は、4つのスロット群(23)のうちロータコア(21)の軸心を挟んで互いに対向する一組のスロット群(23)に対応して配置される。つまり、上側磁石部材(31)と下側磁石部材(35)とは、周方向に交互に配列される。一対の本体部(36)は、スロット群(23)で互いに隣り合うスロット(24)の内部に挿入される。本体部(36)には、厚さ方向(ロータコア(21)の径方向)の両側にそれぞれ異なる磁極面が形成される。
下側連結板部(37)は、一対の本体部(36)の軸方向端部(図4の下端部)に跨るように連結している。下側連結板部(37)は、ロータコア(21)の下端面に沿って形成される矩形平板状に形成される。下側連結板部(37)は、その上側の平面部(37a)がロータコア(21)の上端面に当接する当接部を構成している。
各連結板部(33,37)は、各本体部(32,36)よりも弱い着磁状態となっている。例えば磁石部材(30)の本体部(32,36)をスロット(24)に挿入した後に着磁すれば、スロット(24)から露出された連結板部(33,37)を本体部(32,36)よりも弱い着磁状態とすることができる。例えば連結板部(33,37)の磁力が大きくなると、その磁力によってロータコア(21)に鋼板面に垂直の磁束が流れることで渦電流が発生する可能性がある。しかしながら、本実施形態のように連結板部(33,37)を弱い着磁状態とすることで、渦電流を低減できる。
本実施形態のロータ(20)では、周方向に隣接する各磁石部材(31,35)に連結する連結板部(33,37)が、ロータコア(21)の軸方向の異なる端部(即ち、上端部と下端部)とに配置される。これらの連結板部(33,37)は、磁石部材(31,35)が磁力によって互いに引き合うことで、ロータコア(21)を軸方向両側から挟み込むように構成される(詳細は後述する)。
図6及び図7に示すように、磁石部材(30)は、各本体部(32,36)の厚さ方向の両側に互いに異なる磁極面が形成されるように着磁されている。具体的には、例えばスロット群(23)の内周側の磁極がN極であるとすると、このスロット群(23)に対応する磁石部材(30)では、一対の本体部(32)の各内周側磁極面がN極となり、各外周側磁極面がS極となる。これに対し、スロット群(23)の内周側の磁極がS極であるとすると、この磁極用スロット群(23)に対応する磁石部材(30)では、一対の本体部(36)の各内周側磁極面がS極となり、各外周側磁極面がN極となる。これにより、ロータコア(21)では、周方向に隣り合う磁石部材(上側磁石部材(31)と下側磁石部材(35))との間では、各本体部(32,36)においてロータコア(21)の軸直角方向に互いにオーバーラップする部分(オーバーラップ部(39))の磁極面の極が、互いに異なる関係となっている。
また、図6及び図7に示すように、各磁石部材(30)の本体部(32,36)の軸方向の全長(Lm)(スロット(24)への挿入長さ)が、スロット(24)の軸方向の深さ(Lc)より小さくなっている。即ち、上側磁石部材(31)の本体部(32)では、オーバーラップ部(39)から上側連結板部(33)に亘って延長部(34)が形成されている。同様に、下側磁石部材(35)の本体部(36)では、オーバーラップ部(39)から下側連結板部(37)に亘って延長部(38)が形成されている。これらの延長部(34,38)は、相手側の本体部(36,32)に対して軸直角方向に重ならない、非オーバーラップ部を構成している。本体部(32,36)の軸方向の全長(Lm)を、スロット(24)の軸方向の深さ(Lc)とを同じとして、延長部(34,38)を形成しない構成としてもよい。
図8に示すように、本実施形態では、ロータコア(21)の軸方向両端面の高さ位置と、ステータコア(12) の軸方向両端面の高さ位置とが概ね一致している。つまり、本実施形態では、各磁石部材(30)の連結板部(33,37)が、ステータコア(12)よりも軸方向外方に位置しており、各連結板部(33,37)とステータコア(12)とが径方向に重なっていない。
〈磁石部材によるロータコアの固定〉
ロータ(20)では、上述したように周方向に隣接する磁石部材(31,35)が、互いに引き合うようになっている。各磁石部材(31,35)が互いに引き合うと、各磁石部材(31,35)の本体部(32,36)は、両者間の磁路の長さを最短とするように、互いに移動しようとする。即ち、図6及び図7では、上側磁石部材(31)が下方へ移動しようとし、下側磁石部材(35)が上方へ移動しようとする。
上側連結板部(33)は、ロータコア(21)の上端面に当接し、下側連結板部(37)は、ロータコア(21)の下端面に当接している。また、周方向に隣接する本体部(32,36)では、一部の磁極面が互いにオーバーラップしない状態となっている。このため、周方向に隣接する各磁石部材(31,35)は、オーバーラップ部(39)の面積を拡大するように軸方向内方へ移動しようとし、これに伴い各連結板部(33,37)によってロータコア(21)に軸方向の力が作用する。その結果、本実施形態では、2枚の上側連結板部(33)と2枚の下側連結板部(37)とが、ロータコア(21)の電磁鋼板を軸方向の両側から挟みこむ状態となり、各連結板部(33,37)の間でこれらの電磁鋼板が固定される。
なお、Lc=Lmとして非オーバーラップ部を形成しない場合、各連結板部(33,37)がロータコア(21)に当接した状態で既に本体部(32,36)間の磁路が最短となる。従って、この場合には、各連結板部(33,37)がロータコア(21)に軸方向の力を作用させることはない。しかしながら、この場合にも、各磁石部材(31,35)はその位置で安定するため、電磁鋼板を固定状態にできる。なお、上記作用を奏するためには、磁石部材(31,35)がロータコア(21)内部で移動可能であること、言い換えれば、遊嵌されている場合である。即ち、磁石部材(31,35)をロータコア(21)に圧入したり、接触着等により固定することなく、磁石部材(31,35)をロータコア(21)に固定することができる。
−実施形態1の効果−
実施形態1では、周方向に隣接する磁石部材(30)の吸引力を利用して、2つの連結板部(31,37)の間にロータコア(21)を軸方向内方に挟み込むようにしている。これにより、リベット等の固定部材が不要となり、部品点数が削減される。その結果、ロータの製造工程を簡略化できる。また、磁石部材(50)を脱磁することで、磁石部材(50)をロータコア(21)から容易に取り外すことができる。その結果、この磁石部材(50)のリサイクルが可能となる。
また、本実施形態では、各連結板部(33,37)に2枚の本体部(32,36)を連結して一体化しているため、部品点数を更に低減できる。ここで、各スロット群(23)の2枚の本体部(32,36)は、径方向に隣り合っているため、連結板部(33,37)の幅が狭くなる。このため、磁石部材(30)の小型化を図ることができる。
《発明の実施形態2》
実施形態2に係る圧縮機(1)は、上述した実施形態1とロータ(20)の磁石部材の構成が異なっている。図9〜図13に示すように、実施形態2のロータ(20)は、2つの磁石部材(50)を有している。2つの磁石部材(50)は、ロータ(20)の上側に配置される上側磁石部材(51)と、ロータ(20)の下側に配置される下側磁石部材(55)とで構成される。なお、磁石部材(50)は、ボンド磁石で作るのが望ましい。
上側磁石部材(51)は、板状の磁石部をなす4枚の本体部(52)と、該4枚の本体部(52)と連結する上側連結板部(53)とを有している。4枚の本体部(52)は、4つのスロット群(23)に対応するように、90度おきに概ね等間隔で配列される。
上側磁石部材(51)の4枚の本体部(52)は、互いに対向し且つ磁石部材(51)の内周側寄りに配置される一対の内周側本体部(52a)と、互いに対向し且つ磁石部材(51)の外周側寄りに配置される一対の外周側本体部(52b)とを有している。各内周側本体部(52a)は、対向するスロット群(23)の各内側スロット(24a)にそれぞれ挿入され、各外周側本体部(52b)は、対向するスロット群(23)の各外側スロット(24b)にそれぞれ挿入される。
上側連結板部(53)は、ロータコア(21)の上端面に沿った円板状に形成される。上側連結板部(53)は、軸方向視における形状がロータコア(21)と概ね同じである。上側連結板部(53)は、その下面がロータコア(21)の上端面と当接する当接部を構成する。
下側磁石部材(55)は、板状の磁石部をなす4枚の本体部(56)と、該4枚の本体部(56)と連結する下側連結板部(57)とを有している。4枚の本体部(56)は、4つのスロット群(23)に対応するように、90度おきに概ね等間隔で配列される。下側磁石部材(55)は、上側磁石部材(51)と同様にして、一対の内周側本体部(55a)と、一対の外周側本体部(55b)とを有している。
下側連結板部(57)は、ロータコア(21)の下端面に沿った円板状に形成される。下側連結板部(57)は、軸方向視における形状がロータコア(21)と概ね同じである。下側連結板部(57)は、その上面がロータコア(21)の下端面と当接する当接部を構成する。
図13に示すように、実施形態2では、ロータコア(21)の軸方向両端面の高さ位置と、ステータコア(12)の軸方向両端面の高さ位置とが概ね一致している。つまり、実施形態2では、各磁石部材(50)の連結板部(53,57)が、ステータコア(12)よりも軸方向外方に位置しており、各連結板部(53,57)とステータコア(12)とが径方向に重なっていない。
実施形態2では、各スロット群(23)において径方向に隣接する一対の本体部(52,56)が互いに引き合うと共に、周方向に隣接する一対の本体部(56,52)も互いに引き合うことで、一対の連結板部(53,57)の間にロータコア(21)が固定される。
具体的に、図9〜図12に示すように、ロータコア(21)の各スロット群(23)では、径方向に隣接する本体部(52,56)が互いに引き合うようにオーバーラップ部(59)が形成される。また、径方向に隣接する本体部(52,56)では、オーバーラップ部(59)の端部から連結板部(53,57)に亘って延長部(54,58)が形成される。これにより、各スロット群(23)でそれぞれ対向する本体部(52,56)は、その間の磁路を最短とするように移動しようとする。一方、径方向に隣接する本体部(52,56)には、ロータコア(21)の軸方向の異なる端部(上端部及び下端部)に連結板部(53,57)が配置される。このため、各連結板部(53,57)からロータコア(21)に軸方向内方への力が作用し、ロータコア(21)の電磁鋼板が固定される。
また、図9〜図12に示すように、ロータ(20)では、周方向に隣り合う本体部(52,56)の間においても、隣接する本体部(52,56)が互いに引き合うようにオーバーラップ部(59)が形成される。また、周方向に隣接する本体部(52,56)においても、オーバーラップ部(59)の端部から連結板部(53,57)に亘って延長部(54,58)が形成される。これにより、周方向において隣り合う本体部(52,56)は、その間の磁路を最短とするように移動しようとする。一方、周方向に隣り合う本体部(52,56)も、ロータコア(21)の軸方向の異なる端部(上端部及び下端部)に連結板部(53,57)が配置される。このため、各連結板部(53,57)からロータコア(21)に軸方向内方への力が作用し、ロータコア(21)の電磁鋼板が固定される。
〈実施形態2の変形例〉
図14に示すように、実施形態2の変形例に係るモータ(10)では、一対の磁石部材(51,55)の各連結板部(53,57)が、ステータコア(12)に対向している。具体的には、この変形例では、各磁石部材(51,55)の各連結板部(53,57)の厚みが、実施形態2よりも厚くなっている。そして、ステータコア(12)の軸方向の両端面の高さ位置と、各磁石部材(51,55)の各連結板部(53,57)の厚さ方向の各端面の高さ位置とが、概ね一致している。
この変形例では、各連結板部(53,57)が着磁されることで、該連結板部(53,57)が表面磁石として機能する。即ち、この変形例では、磁石部材(51,55)の本体部(52,56)が、IPM型の磁石として機能するとともに、連結板部(53,57)がSPM型の磁石として機能する。SPM型の磁石は、減磁に弱いという欠点があるが、このように連結板部(53,57)の径方向の厚みを大きくすることで、この欠点を解消でき、所望のマグネットトルクを得ることができる。なお、連結板部(53,57)は極異方着磁を行うことで、該連結板部(53,57)の磁極の中心を本体部(52,56)の磁極の中心よりも回転方向に偏倚させるのが好ましい。これにより、本体部(52,56)は、IPM型であるために電流位相を進めて駆動することとなり、連結板部(53,57)はSPM型であるために電流位相をゼロとして駆動することができる。その結果、トルクを増大させて、モータ(10)の効率を向上できる。
《発明の実施形態3》
実施形態3に係る圧縮機(1)は、上記実施形態とロータ(20)の構成が異なっている。図15〜図18に示すように、実施形態3のロータ(20)は、4つの各スロット群(40)において、第1から第4までのスロット(41,42,43,44)が径方向に配列されている。各スロット(41,42,43,44)は、軸直角断面の形状が略円弧状に形成される。
実施形態3のロータ(20)は、8つの磁石部材(60)を有している。なお、図15においては、8つの磁石部材(60)のうち2つのスロット群(40)(図15の下側寄りのスロット群)に対応する4つの磁石部材の図示を省略している。
8つの磁石部材(60)は、4つの上側磁石部材(61)と4つの下側磁石部材(65)とで構成される。上側磁石部材(61)は、互いに対向する円弧板状の一対の本体部(62)と、該一対の本体部(62)を連結する上側連結板部(63)とを有している。下側磁石部材(65)は、互いに対向する円弧板状の一対の本体部(66)と、該一対の本体部(66)を連結する下側連結板部(67)とを有している。各本体部(62,66)は、4つのスロット(41,42,43,44)に対応する多層の磁石部を構成している。各連結板部(63,67)は、ロータコア(21)の軸方向端面に当接する当接部を構成している。
4つの上側磁石部材(61)は、ロータコア(21)の外周寄りに配置される2つの外周上側磁石部材(61a)と、ロータコア(21)の軸心寄りに配置される2つの内周上側磁石部材(61b)とで構成される。2つの外周上側磁石部材(61a)と2つの内周上側磁石部材(61b)とは、4つのスロット群(40)にそれぞれ対応するように、周方向に交互に配列される。外周上側磁石部材(61a)の各本体部(62)は、スロット群(40)のうち内周側から2番目の第2スロット(42)と、最も外周側の第4スロット(44)に挿入される。内周上側磁石部材(61b)の各本体部(62)は、スロット群(40)のうち最も内周側の第1スロット(41)と、内周側から3番目の第3スロット(43)に挿入される。
4つの下側磁石部材(65)は、ロータコア(21)の外周寄りに配置される2つの外周下側磁石部材(65a)と、ロータコア(21)の軸心寄りに配置される2つの内周下側磁石部材(65b)とで構成される。2つの外周下側磁石部材(65a)と2つの内周下側磁石部材(65b)とは、4つのスロット群(40)にそれぞれ対応するように、周方向に交互に配列される。外周下側磁石部材(65a)の各本体部(66)は、スロット群(40)のうち内周側から2番目の第2スロット(42)と、最も外周側の第4スロット(44)に挿入される。内周下側磁石部材(65b)の各本体部(62)は、スロット群(40)のうち最も内周側の第1スロット(41)と、内周側から3番目の第3スロット(43)に挿入される。
実施形態3では、各スロット群(40)において、上側磁石部材(61)の本体部(62)と、下側磁石部材(65)の本体部(66)とが交互に配置され、両者の本体部(62,66)が引き寄せられる。また、各スロット群(40)では、互いに隣接する本体部(62,66)に連結する連結板部(53,67)が、ロータコア(21)の軸方向の異なる端部に配置される。その結果、各スロット群(40)では、上側連結板部(53)と下側連結板部(67)とによって、ロータコア(21)が狭持される。
また、実施形態3では、周方向に隣接する第1スロット(41,41)に挿入される本体部(62,66)も互いに引き寄せられる。これらの本体部(62,66)に連結する連結板部(63,67)も、ロータコア(21)の軸方向の異なる端部に配置される。その結果、これらの連結板部(63,67)によっても、ロータコア(21)が狭持される。
《その他の実施形態》
上述した実施形態1〜3については、以下のような構成としてもよい。なお、以下の説明では、便宜上、上記実施形態1に基づきその他の実施形態を例示するが、上記実施形態2や3において、同様の構成を採用してもよい。
〈本体部と連結板部との間のR部の逃げ構造〉
磁石部材(30)の本体部(32,36)と連結板部(33,37)とを一体に形成する場合、本体部(32,36)と連結板部(33,37)との間の角部に円弧状のR部(70)が形成されることがある。このため、ロータコア(21)のスロット(24)の挿入口(71)を、スロット(24)の奥部よりも拡幅させるのが好ましい。挿入口(71)を拡幅させる場合には、例えば挿入口(71)に1つの段差部(72)を形成した構造(図19を参照)や、挿入口(71)にR部(70)に沿うような階段状の階段部(73)を形成した構造(図20を参照)等を採用することができる。
〈ロータコアの軸方向端部を補強する構造〉
磁石部材(30)によってロータコア(21)を挟み込む構造では、ロータコア(21)の軸方向両端に応力が集中し易い。このため、ロータコア(21)の軸方向の両端部(74)の強度を、該両端部(74)の間の中間部(75)の強度よりも大きくするのが好ましい。両端部(74)の強度を大きくするためには、例えば両端部(74)を構成する電磁鋼板の厚みを、中間部(75)を構成する電磁鋼板の厚みよりも大きくする構造(図21を参照)や、両端部(74)の電磁鋼板の剛性を、中間部(75)の電磁鋼板の剛性よりも大きくする構造を採用できる。
また、図22に示すように、ロータコア(21)の軸方向の両端部(74)を剛性の高い端板(76)で構成する構造を採用してもよい。端板(76)は、円板状に形成され、例えばステンレス等の非磁性金属で構成される。端板(76)の厚みは、ロータコア(21)の中間部(75)の電磁鋼板の板厚よりも厚くなっている。また、端板(76)には、磁石部材(30)の本体部(32,36)を挿入するための貫通孔(77)が形成される。
また、図23及び図24に示すように、ロータ(20)に端板(76)を設ける場合には、端板(76)がバランサ(78)を兼ねる構成としてもよい。この構成では、ロータコア(21)の上側の端板(76)に半円板状の肉厚部が形成され、この肉厚部がロータ(20)側の重心を調整するバランサ(78)を構成している。バランサ(78)には、上側連結板部(33)を収容する溝(79)が形成される。これにより、モータ(10)が軸方向に大型化されることを防止できる。バランサ(78)に形成される溝(79)は、該バランサ(78)の重心と駆動軸(7)の軸心を結ぶ線(図24に示す一点鎖線L)を基準として、線対称となる形状とするのが好ましい。これにより、バランサ(78)の重心の管理及び製造が容易となる。
〈磁石部材の挿入方向の間違いを防止する構造〉
磁石部材(30)の挿入方向が上下逆転する間違いを防止するために、スロット(24)の磁石挿入口と逆側の端部(80)に図25〜図27に示す構造を採用してもよい。具体的に、図25では、スロット(24)の逆側端部(80)に、スロット(24)の磁石挿入口よりも幅が狭くなった幅狭部(81)が形成されている。図26では、スロット(24)の逆側端部(80)にツメ部(82)が形成されている。図27では、スロット(24)の逆側端部(80)が閉塞されている。これらの構成では、磁石部材(30)を磁石挿入口と逆側から挿入することができないので、磁石部材(30)の挿入方向の間違いを確実に防止できる。
〈磁石部材の着磁について〉
磁石部材(30)をロータコア(21)に装着する場合に、本体部(32,36)を構成する部位を仮着磁状態(正規の着磁状態よりも弱い着磁状態)にし、この部位をスロット(24)に挿入してから、正規の着磁状態としてもよい。このように仮着磁を行うことで、ロータ(20)の組立てがより容易となる。
また、磁石部材(30)をロータコア(21)に装着する場合に、本体部(32,36)を構成する部位がスロット(24)に圧入できるように、スロット(24)と本体部(32,36)の寸法関係を定めてもよい。この場合には、本体部(32,36)における上記の安定位置(磁路が最短となる位置)への移動が損なわれないようにスロット(24)と本体部(32,36)の寸法関係を定めるとよい。
また、磁石部材(30)をロータコア(21)に装着する場合に、本体部(32,36)を構成する部位をスロット(24)内に仮止めするための仮止め部(83)を形成してもよい(図28を参照)。仮止め部(83)は、本体部(32,36)側に突出するツメ状に形成される。仮止め部(83)は、本体部(32,36)における上記の安定位置への移動が損なわれないように形状や寸法が設定される。
〈連結板部の構成〉
上記実施形態の磁石部材(30)では、上側の当接部と下側の当接部との双方が、複数の本体部(32,36)と連結する連結板部を構成している。しかしながら、例えば上側のみの磁石部材(30)に複数の本体部(32)を連結する一方、下側の磁石部材(30)には単に1本の本体部(36)からロータコア(21)の外方に突出する突出部を形成し、この突出部をロータコア(21)に対する当接部としてもよい。同様にして、下側の磁石部材(30)の当接部を連結板部とし、上側の磁石部材(30)の当接部を突出部としてもよい。
〈その他の構成〉
ロータコア(21)は圧粉磁心で構成されてもよい。また、本発明に係る回転電気機械は、モータ(10)以外の例えば発電機等に適用することができる。
本発明は、磁石埋め込み型の回転電気機械に用いるロータとして有用である。
11 ステータ
21 ロータコア
23 スロット群(スロット)
24 スロット
30,50,60 磁石部材
31,51,61 上側磁石部材(磁石部材)
32,36,52,56,62,66 本体部(磁石部)
33,53,63 上側連結板部(連結板部、当接部)
34,38,54,58 延長部
35,55,65 下側磁石部材
37,57,67 下側連結板部(連結板部、当接部)
39,59 オーバーラップ部
71 挿入口
74 軸方向両端部
75 中間部

Claims (9)

  1. 略筒状のステータ(11)と、
    複数のスロット(23,24,40)を有し、周面側に前記ステータ(11)と対向する磁極面が形成されるロータコア(21)と、
    前記複数のスロット(23,24,40)に挿入される磁石部(32,36,52,56,62,66)と該磁石部(32,36,52,56,62,66)と連結して前記ロータコア(21)の軸方向端面に当接する当接部(33,37,53,57,63,67)とをそれぞれ有する複数の磁石部材(30,50,60)とを備え、
    前記複数の磁石部材(30,50,60)は、各々の当接部(33,37,53,57,63,67)がロータコア(21)の軸方向の異なる端部に配置され、磁力によって前記ロータコア(21)を軸方向内方に挟むように構成され、
    前記複数の磁石部材(30,50,60)のうちの少なくとも1つの当接部(33,37,53,57,63,67)が、前記ロータコア(21)の軸方向端面に沿って形成されて2つ以上の前記磁石部(32,36,52,56,62,66)と連結する連結板部(33,37,53,57,63,67)を構成していることを特徴とする回転電気機械。
  2. 請求項1において、
    前記複数の磁石部材(30,50,60)は、周方向に隣り合う磁石部(32,36,52,56,62,66)において前記当接部(33,37,53,57,63,67)が軸方向の異なる端部に配置されて前記ロータコア(21)を軸方向内方に狭持するように構成されていることを特徴とする回転電気機械。
  3. 請求項1又は2において、
    前記ロータコア(21)には、前記スロット(40)に多層の磁石部(62,66)が配列され、
    前記複数の磁石部材(60)は、隣り合う層の磁石部(62,66)において前記当接部(63,67)が軸方向の異なる端部に配置されて前記ロータコア(21)を軸方向内方に狭持するように構成されていることを特徴とする回転電気機械。
  4. 請求項3において、
    前記連結板部(63,67)は、1つの磁石部(62,66)を介して隣り合う層の一対の磁石部(62,66)と連結していることを特徴とする回転電気機械。
  5. 請求項2又は3において、
    前記連結板部(53,57)は、周方向に配列される複数の磁石部(52,56)と連結する略円板状に形成されていることを特徴とする回転電気機械。
  6. 請求項1乃至4のいずれか1つにおいて、
    前記磁石部材(30,50,60)は、隣接する磁石部(32,36,52,56,62,66)間で軸直角方向に重複するオーバーラップ部(39,59)と、該オーバーラップ部(39,59)から前記当接部(33,37,53,57,63,67)に亘って形成される延長部(34,38,54,58)とを備えていることを特徴とする回転電気機械。
  7. 請求項1乃至6のいずれか1つにおいて、
    前記ロータコア(21)の軸方向の両端部(74)の鋼板は、該両端部(74)の間の中間部(75)の鋼板の厚さより厚く形成されていることを特徴とする回転電気機械。
  8. 請求項1乃至7のいずれか1つにおいて、
    前記スロット(23,24,40)における磁石部(32,36,52,56,62,66)の挿入口(71)が、該スロット(23,24,40)の奥部よりも拡幅されていることを特徴とする回転電気機械。
  9. 請求項1乃至8のいずれか1つにおいて、
    前記連結板部(53,57)は、前記ロータコア(21)と共に前記ステータ(11)に対向していることを特徴とする回転電気機械。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN105490412A (zh) * 2014-08-06 2016-04-13 德昌电机(深圳)有限公司 电机转子及应用其的无刷直流电机
KR101932049B1 (ko) * 2017-04-24 2018-12-24 엘지전자 주식회사 모터 및 이 모터를 구비한 압축기
CN113964985A (zh) * 2021-12-14 2022-01-21 宁波圣龙汽车动力***股份有限公司 一种插片式电机内转子

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