以下、本発明の好適な実施例を添付図面に基づいて詳細に説明する。なお、以下に述べる実施例は、本発明の好適な実施例であるので、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明によって不当に限定されるものではなく、また、本実施の形態で説明される構成の全てが本発明の必須の構成要件ではない。
図1〜図19は、本発明の画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法及び画像処理プログラムの一実施例を示す図であり、図1は、本発明の画像処理装置、画像形成装置、画像処理方法及び画像処理プログラムの一実施例を適用したMFP(Multi Functional Products:複合装置)1のブロック構成図である。
図1において、画像形成装置であるMFP1は、読み取り部2、第1画像データ処理部3、バス制御部4、第2画像データ処理部5、HDD(ハードディスク)6、CPU(Central Processing Unit )7、メモリ8、プロッタI/F部9、プロッタ部10、操作表示部11、回線I/F部12、外部I/F部13、SB(サウスブリッジ)14、ROM(Read Only Memory)15及び外部メディア接続部16等を備えている。
読み取り部2は、例えば、CCD(Charge Coupled Device)を利用したラインイメージセンサ、アナログ/デジタル(A/D)変換回路及びこれらを駆動する駆動回路等を備えており、一般的にADFを備えている。ADFには、複数枚の原稿がセットされ、ADFは、セットされた原稿を1枚ずつ読み取り部2の原稿読み取り位置に送給する。読み取り部2は、ADFから搬送されてきた原稿を主走査及び副走査して原稿の濃淡情報から画像を所定の解像度(例えば、600dpi等)で読み取って、RGB各所定ビット(例えば、各8ビット、以下の説明では、8ビットとして説明する。)の画像データを生成して第1画像データ処理部3に出力する。なお、読み取り部2は、CCDを用いたものに限るものではなく、例えば、CIS(Contact Image Sensor:密着イメージセンサ)やCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor )を用いたものであってもよい。
第1画像データ処理部3は、読み取り部2からのデジタル画像データに対して、予め定められている特性に統一する処理を施す。この第1画像データ処理部3の統一する特性は、画像データをMFP1内部に蓄積して再利用する場合に、出力先の変更に適した特性であり、その詳細については後述する。
バス制御部4は、MFP1内で必要な画像データや制御コマンド等の各種データのやり取りを行うデータバスの制御を司り、複数種のバス規格間のブリッジ機能も有している。バス制御部4は、本実施例のMFP1では、第1画像データ処理部3、第2画像データ処理部5、CPU7とはPCI(Peripheral Component Interconnect)−Expressバス(以下、PCIeバスという。)、HDD6とはATAバスで接続し、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)化されている。
第2画像データ処理部5は、第1画像データ処理部3で予め定められた特性に統一されたデジタルの画像データ及び回線I/F部12や外部I/F部13を通じて入力される画像データに対して、画像の調整・加工やユーザから指定される出力先に適した画像処理を施すが、その詳細については、後述する。
HDD6は、通常のパーソナルコンピュータ等にも用いられている大容量記憶装置のハードディスクであり、主にデジタルの画像データ及び該画像データの付帯情報を蓄積する。また、本実施例のHDD6は、IDE(Integrated Development Environment)を拡張して規格化されているATAバス接続のハードディスクが用いられている。なお、大容量の記憶装置としては、HDD6に限るものではなく、例えば、近年大容量化してきているフラッシュメモリを用いたシリコンディスク等を用いてもよい。
CPU7は、MFP1全体の制御を行うマイクロプロセッサであり、本実施例では、近年普及してきているCPUコア単体に+αの機能を追加したIntegrated CPUを使用している。このIntegrated CPUは、汎用規格I/Fとの接続機能やクロスバースイッチを使用したこれらバス接続機能がインテグレイトされたCPUである。CPU7は、HDD6のリード/ライトを制御して、HDD6の残容量等を検出する。
メモリ8は、複数種のバス規格間をブリッジする際の速度差や接続された部品自体の処理速度差を吸収するために、一時的にやりとりするデータを記憶したり、CPU7がMFP1の制御を行う際にプログラムや中間処理データを一時的に記憶する揮発性メモリである。CPU7には高速処理が求められるため、通常起動時にROM15に記憶されたブートプログラムによってシステムを起動し、その後は高速にアクセス可能なメモリ8に展開されたプログラムによって処理を行う。本実施例のMFP1では、メモリ8として、規格化されパーソナルコンピュータに使用されているDIMMが使用されている。
プロッタI/F部9は、CPU7にインテグレイトされた汎用規格I/Fを経由して送られてくるCMYKからなるデジタル画像データを受け取ると、該画像データをプロッタ部10の専用I/Fに出力するバスブリッジ処理を行い、この汎用規格I/Fとしては、PCIeバスが用いられている。
プロッタ部(画像形成手段)10は、CMYKからなるデジタル画像データを受け取ると、レーザビームを用いた電子写真プロセスによって、用紙(被記録媒体)に該画像データの画像を記録出力する。プロッタ部10は、その画像形成プロセスが電子写真プロセスに限るものではなく、任意の画像形成プロセスであってよく、例えば、インク噴射プロセスであってもよい。
SB14は、パーソナルコンピュータに使用されるチップセットのひとつであり、サウスブリッジ(South Bridge)と呼ばれる汎用の電子デバイスである。SB14は、主にPCIeバスである汎用規格の拡張バス17とISA(Industrial Standard Architecture)ブリッジを含むCPUシステムを構築する際に一般的に使用されるバスのブリッジ機能を汎用回路化したものであり、ROM15との間をブリッジしている。
ROM15は、MFP1の基本プログラム(ブートプログラムを含む)及び後述する本発明の画像処理方法を実行する画像処理プログラム等のプログラム及び必要なシステムデータが格納されており、CPU7が、該ROM15内のプログラムに基づいて上記メモリ8をワークメモリとして利用しつつ、MFP1の各部を制御して、MFP1の基本動作制御及び後述する画像処理を実行する。
操作表示部11は、ユーザへのインターフェイスを行う部分であって、ディスプレイ、例えば、LCD(Liquid Crystal Display:液晶表示装置)及びキースイッチ等を備えている。操作表示部11は、PCIeバスである拡張バス17を介してCPU7と接続されており、CPU7の制御下で、MFP1の各種状態や操作方法をディスプレイに表示し、また、ユーザからのキースイッチ入力操作を検知する。
回線I/F部12は、PCIeバスである拡張バス17と電話回線を接続し、MFP1の電話回線を介した各種データのやり取り、例えば、外部のファクシミリ装置FXとのファクシミリ通信を可能としている。
外部I/F部13は、PCIeバスである拡張バス17と外部装置GSを接続し、外部装置GSと各種データのやり取りを行う。外部I/F部13は、例えば、ネットワーク(イーサネット:登録商標)に接続され、該ネットワーク上の外部装置GSと接続される。また、外部I/F部13は、USB(Universal Serial Bus)等の外部メディア接続部16によって、外部メディアGMに接続されている。外部装置GSは、例えば、パーソナルコンピュータ等であり、ユーザは、パーソナルコンピュータ等の外部装置GSにインストールされているアプリケーションソフトやドライバを利用して、外部I/F部13を介して、MFP1の各種制御や画像データの入出力を行うことができる。外部メディアGMは、いわゆるコンパクトフラッシュ(登録商標)カードやSDカード等のメモリデバイスであり、画像データを含む各種電子データを記録している。外部I/F部13は、外部メディアGMとの間で、画像データの入出力を行う。
上記第1画像データ処理部3は、図2に示すようにブロック構成されており、カラー原稿判定部21、黒文字検出部22、γ変換部23、第1フィルタ処理部24、第1第1色変換処理部25及び画像圧縮部26等を備えている。第1画像データ処理部3は、カラー原稿判定部21、黒文字検出部22及びγ変換部23に、読み取り部2からの画像データが入力画像データとして入力され、入力画像データを予め定めた特性に統一して、バス制御部4に送り、また、入力画像データからカラー判定情報を抽出する。
カラー原稿判定部21は、読み取り部2から入力されるデジタル化されたRGB画像データの特性の統一処理に並行して、読み取り部2から入力される入力画像データがカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを判定するACS(Auto Color Select)処理を行う。カラー原稿判定部21は、このカラー原稿判定結果と判定範囲を後段の処理ブロックへ送る。
像域分離部22は、読み取り部2から入力されるデジタル化されたRGB画像データに対して、原稿の文字/絵柄領域、有彩/無彩領域を判別する像域分離処理を行って、像域分離結果である像域分離データを、画像データに付随する形で後段の処理ブロックへ送るとともに、第1フィルタ処理部24に出力する。
上記カラー原稿判定部21によるカラー原稿判定及び像域分離部22による像域分離は、既知の技術(例えば、特許第3983101号公報参照)を用いることができる。
γ変換部23は、読み取り部2から入力されるデジタル化された入力画像データを、所定のモードに応じてその明るさを予め定められた特性、例えば、明度リニアな特性に統一して第1フィルタ処理部24に出力する。
第1フィルタ処理部24は、γ補正された入力画像データに所定のフィルタ処理を施し、読み取り部2の有しているMTF(Modulation Transfer Function)特性等の特性(鮮鋭性等)を予め定められた特性に補正して、第1色変換処理部25に出力する。すなわち、第1フィルタ処理部24は、例えば、図3に示すような基準チャートを読み取ったときに、線数毎に予め定められたMTF特性値になるように変換する。また、第1フィルタ処理部24は、このMTF特性値の補正に際しては、文字部と絵柄部とでは要求される特性値が異なるため、文字部/絵柄部の各々に対して補正を行う。すなわち、第1フィルタ処理部24は、像域分離部22で判別された文字/絵柄の判別結果に応じて、適切なフィルタ処理を行う。
第1色変換処理部25は、第1フィルタ処理部24から入力されるRGB画像データを、読み取り部2の色空間から予め定められた特性、例えば、規格化された色空間の一つであるAdobeRGBに統一して、画像圧縮部26に出力する。
画像圧縮部26は、第1色変換処理部25で色変換されたRGB画像データに対して、CPU7からバス制御部4を介して入力されるHDD6に関する情報であるHDD付帯情報(残容量情報)に基づいてその圧縮率を変更して圧縮画像データを生成する。
そして、バス制御部4は、第1画像データ処理部3からの画像データと画像データの付帯情報(像域分離結果やACS判定結果)を受け取ると、CPU7を介してメモリ8に蓄積する。CPU7は、メモリ8に蓄積したデータを、バス制御部4を介して、HDD6に送って、HDD6内に蓄積させる。
CPU7は、この後、メモリ8に蓄積したRGB画像データを、第2画像データ処理部5で画像処理を行わせた後、プロッタ部10に出力し、プロッタ部10に用紙へ画像を記録出力させて、原稿のコピーを生成させるが、ACSモードである場合には、第2画像データ処理部5に画像データを送出する前に、第1画像データ処理部3の処理結果に基づいて該当画像がカラー原稿であるかモノクロ原稿であるかを判断して、第2画像データ処理部5の処理を切り替える。
第2画像データ処理部(画像処理装置)5は、図4に示すように、画像伸長部31、第2フィルタ処理部32、第2色変換処理部33、解像度変換部34、γ変換部35、中間調処理部36及びフォーマット変換部37等を備えており、第1画像データ処理部3で処理された画像データと像域分離データ及び必要なカラー原稿判定結果と判定範囲がメモリ8から画像伸長部31に入力される。
画像伸長部31は、第1画像データ処理部3の画像圧縮部26で圧縮された画像データを伸長して、第2フィルタ処理部32に出力する。
第2フィルタ処理部32は、入力されるRGB画像データの鮮鋭性やS/N(信号/ノイズ)比を補正して、プロッタ部10に出力する場合の画像データの再現性を向上させている。具体的には、第2フィルタ処理部32は、ユーザによって設定されている画像処理モードまたはMFP1に予め設定されている画像処理モードに従って画像データに対して、鮮鋭化/平滑化処理を施す。例えば、第2フィルタ処理部32は、文字領域では、文字をくっきりとさせて判読性を高めるために強調処理を行い、絵柄領域では、画像を滑らかにするために平滑化処理を行う。第1画像データ処理部3における第1フィルタ処理部24が、再利用性を高めるために、線数毎に予め定めたMTF特性値になるように変換するのに対して、第2画像データ処理部5の第2フィルタ処理部32は、利用者の出力用途(紙出力、電子出力…)に応じて最適な出力画像となるような周波数特性空間へ変換するフィルタ処理を行う。
第2色変換処理部33は、第2フィルタ処理部32でフィルタ処理されたRGB各8ビットの画像データを受け取ると、プロッタ部10用の色空間であるCMYK各8ビットの画像データまたはK単色の8ビットの画像データに変換する。このとき、第2色変換処理部33は、ACSモードが選択されている場合には、第1画像データ処理部3のカラー原稿判定部21でのカラー原稿判定結果に従って、最終的な付帯情報がカラー原稿と判定されたときには、CMYK色での再現ができるように、モノクロ原稿のときには、K単色(黒単色)での再現ができるように、色変換処理を行う。また、第2色変換処理部33は、カラーモードがカラー出力モードのときには、CMYK色での再現を行うように色変換処理を行い、モノクロ出力モードのときには、K単色での再現を行うように色変換処理を行う。
解像度変換部34は、画像の拡大/縮小の要求に応じて、CMYK画像データの解像度を変換する。
γ変換部35は、CMYK画像データのγ特性を、プロッタ部10のプロセス特性に従ってγ変換し、プロッタ部10によってコピー出力やプリント出力を行う場合、出力画像の階調性を良好に保てるようにプロッタ部10の出力特性を考慮してγ変換を行う。
中間調処理部36は、CMYK各8ビットの画像データまたはK色単色の8ビット画像データをγ変換部35から受け取ると、プロッタ部10の階調処理能力に従った中間調処理(階調数変換処理)を行う。例えば、中間調処理部36は、CMYK各2ビットあるいはKビットの画像データに、疑似中間調処理の一つである誤差拡散法を用いて中間調処理を行い、処理後のCMYK2ビットの画像データをバス制御部4に送る。なお、MFP1は、多値画像を出力する場合には、中間調処理部36で、中間調処理を行わない。
フォーマット変換部37は、用途に応じてJPEG(Joint Picture Engineering Group)圧縮、MMR(Modified Modified Read、READ:relative element address designate)圧縮等の圧縮処理を行い、また、PDF(Portable Document Format)ファイルを作成するが、画像データをプロッタ部10で用紙に出力する場合には、何の処理も行わずに、後段に画像データを送る。
そして、本実施例のMFP1は、第1画像データ処理部3によるスキャナ読み取り時の色空間から再利用時に各種出力に合わせた色空間変換として、第2画像データ処理部5において実施しやすいような空間への変換を実施し、また、第1フィルタ処理部24において、再利用時に各種出力に合わせた周波数空間変換として、第2画像データ処理部5において実施しやすいような予め定められた変換を実施している。第1画像データ処理部3における画像処理のユーザによる基本的な使い方としては、各種出力において原稿忠実な画像を得るための処理として、この程度に収まることが多い。
バス制御部4は、第2画像データ処理部5で処理された画像データを、CPU7を介してメモリ8に蓄積する。
そして、上記第2画像データ処理部5の中間調処理部(中間調処理手段、判定手段、中間調処理制御手段)36は、図5(a)に示すように、加算器41、比較判定部42、減算器43、誤差拡散部44及び誤差メモリ45等を備えており、誤差拡散部44には、図5(b)に示すような誤差拡散係数が予め設定されている。なお、以下の説明では、3値出力の中間調処理を行う場合について説明するが、4値または16値等の中間調処理についても同様である。
中間調処理部36は、入力端子Tiに、γ変換部35から多値画像データが入力される。ここでは、2次元の多値画像データを、In(x、y)として表わす。xは、画像の主走査方向のアドレス、yは、副走査方向のアドレスを示している。
中間調処理部36は、入力端子Tiからの入力データIn(x、y)が加算器41へ入力され、加算器41は、入力データIn(x、y)と誤差メモリ45から入力される誤差成分E(x、y)を加算することで補正データC(x、y)を計算して、該補正データC(x、y)を比較判定部42へ出力する。
比較判定部42は、加算器41から入力される補正データC(x、y)と予め設定されている閾値群T(x、y)に基づいて、下記のように、出力値Out(x、y)を決定する。なお、比較判定部42に予め設定されている閾値群T(x、y)は、第1閾値T1(x、y)と第2閾値T2(x、y)からなる閾値群であり、第1閾値T1(x、y)はドットoffと小ドットの出力判定を行う閾値、第2閾値T2(x、y)は、小ドットと大ドットの出力判定を行う閾値として、以下の値を設定して3値化するものとして、以下に示す式(1)の演算処理を行って、出力値Out(x、y)を生成する。なお、いま、第1閾値T1(x、y)は、ドットoffと小ドットの中間の値、すなわち、「64」、第2閾値T2(x、y)は、小ドットと大ドットの中間の値、すなわち、「192」とする。
If(C(x、y)<T1)
thenOut(x、y)=0
Else If(C(x、y)<T2)
then Out(x、y)=128
Else
then Out(x、y)=255・・・(1)
比較判定部42は、上記処理を行った出力値Out(x、y)を、出力端子Toから次段のフォーマット変換部37に出力するとともに、該出力値Out(x、y)を、減算器43に入力する。
減算器43は、補正データC(x、y)と出力値Out(x、y)から次式(2)に示すように減算して、現画素で発生した誤差e(x、y)を算出して、誤差拡散部44に出力する。
e(x、y)=C(x、y)-Out(x、y)・・・(2)
誤差拡散部44は、予め設定された拡散係数(図5(b)参照)に基づいて、誤差e(x、y)を配分して、誤差メモリ45に蓄積されている誤差データE(x、y)に加算する。ここで、例えば、拡散係数として図5(b)に示したような係数を用いた場合、誤差拡散部44は、次式(3)に示すような処理を行って、生成した誤差e(x、y)を、誤差メモリ45の誤差データE(x、y)に加算する。
E(x+1、y)=E(x+1、y)+e(x、y)x7/17
E(x-1、y+1)=E(x-1、y+1)+e(x、y)x5/16
E(x、y+1)=E(x、y+1)+e(x、y)x3/16
E(x+1、y+1)=E(x+1、y+1)+e(x、y)x1/16・・・(3)
中間調処理部36は、上述のようにして多値誤差拡散処理を行って、処理結果の出力値Out(x、y)をフォーマット変換部37に出力する。
そして、上記比較判定部42の内部メモリに格納されている閾値群T(x、y)は、凹凸軽減処理前においては、図6から図9に示すようなCMYK各版毎に設定されているディザマトリクス閾値からなっており、比較判定部42は、上記「64」や「192」という閾値のみを全画素に対して適用するわけではなく、図6から図9の各版のディザマトリクス閾値において、主走査方向及び副走査方向に、に8×8サイズのディザマトリクス閾値を形成して、形成した該ディザマトリクス閾値を適用する。
具体的には、K版においては、図6に示す63度168線の基本ディザマトリクスからなるディザマトリクスがブラック用(K版用)のディザマトリクス閾値として比較判定部42の内部メモリに格納されており、C版においては、図7に示す116度168線の基本ディザマトリクスからなるディザマトリクスがシアン用(C版用)のディザマトリクス閾値として比較判定部42の内部メモリに格納されている。また、M版においては、図8に示す153度168線の基本ディザマトリクスからなるディザマトリクスがマゼンタ用(M版用)のディザマトリクス閾値として比較判定部42の内部メモリに格納されており、Y版においては、図9に示す27度168線の基本ディザマトリクスからなるディザマトリクスがイエロー用(Y版用)のディザマトリクス閾値として比較判定部42の内部メモリに格納されている。そして、比較判定部42は、内部メモリに格納されているこれらの各版用のディザマトリクス閾値を、各画素の中間調処理に適用することで、最終出力画像において万銭基調の描画を行って、出力値Out(x、y)を生成するとともに、該ディザマトリクス閾値を適宜調整して光沢ムラを抑制して、光沢度を向上させる。
なお、MFP1は、ROM、EEPROM(Electrically Erasable and Programmable Read Only Memory )、EPROM、フラッシュメモリ、フレキシブルディスク、CD−ROM(Compact Disc Read Only Memory )、CD−RW(Compact Disc Rewritable )、DVD(Digital Video Disk)、SD(Secure Digital)カード、MO(Magneto-Optical Disc)等のコンピュータが読み取り可能な記録媒体に記録されている本発明の画像処理方法を実行する画像処理プログラムを読み込んでROM15やHDD6に導入することで、本発明の色材のパイルハイトが所定のターゲットパイルハイトを超える場合にも、光沢ムラを抑制して光沢度を向上させる画像処理方法を実行する画像形成装置として構築されている。この画像処理プログラムは、アセンブラ、C、C++、C#、Java(登録商標)等のレガシープログラミング言語やオブジェクト指向ブログラミング言語等で記述されたコンピュータ実行可能なプログラムであり、上記記録媒体に格納して頒布することができる。
次に、本実施例の作用を説明する。本実施例のMFP1は、色材のパイルハイトが所定のターゲットパイルハイトを超える場合にも、光沢ムラを抑制して光沢度を向上させる画像処理を行う。
まず、MFP1の備えている画像データの各動作処理モードについて順次説明し、その後に、中間調処理における光沢ムラを抑制しつつ光沢度を適切に向上させる画像処理について説明する。
<スキャナ入力⇒プリンタ出力動作処理(コピー動作処理)>
まず、読み取り部2でスキャナ入力した画像データをプロッタ部10でプリント出力するコピー動作処理について説明する。スキャナ入力⇒プリンタ出力動作処理(コピー動作処理)では、ユーザが原稿を読み取り部2にセットし、所望する画像処理モード(拡大/縮小の倍率、転写紙のサイズ設定等)の設定とコピー開始の入力を操作表示部11の操作によって行う。このユーザによる操作表示部11での操作指示には、出力画像をくっきりと強調したい、逆に平滑化したい、あるいは、画像の彩度をあげたい、色味を変更したい等の画像処理の指示があり、ユーザの要求としては、出力画像を原稿と全く同じようにしたいという要求もあるが、原稿よりも文字をくっきりさせたい、原稿の色味を変更してより鮮やかな画像を得たいという要求も含まれるため、画像処理内容は多岐にわたる。
操作表示部11は、ユーザから入力された情報(コピーモード等)を、MFP1の制御コマンドデータに変換して、PCIeバスを介してCPU7に通知し、CPU7は、コピー開始の制御コマンドデータに従って、コピー動作プロセスのプログラムを実行して、コピー動作に必要な設定や動作を順次行う。
このコピー動作プロセスにおいては、MFP1は、読み取り部2によって、原稿の画像を読み取って、RGB各所定ビット(本実施例では、8ビットとして説明する。)の画像データとして、第1画像データ処理部3に出力し、第1画像データ処理部3が、該画像データを、所定のモードに応じて予め定められた特性に変換、すなわち、蓄積後の再利用に適した特性の画像データに変換して、バス制御部4に送る。バス制御部4は、第1画像データ処理部3から入力されるRGB画像データを、CPU7を介してメモリ8に蓄積する。CPU7は、メモリ8に蓄積されたRGB画像データ及び上記付帯情報を、バス制御部4を介して、第2画像データ処理部5に送る。
第2画像データ処理部5は、受け取ったRGB画像データと付帯情報を、プロッタ出力用のCMYK画像データに変換して、バス制御部4に送る。この場合、第2画像データ処理部5は、上述のように、ACSモードが選択されているときには、第1画像データ処理部3で判定されたカラー原稿判定結果に従って、カラー原稿のときには、CMYKでの再現ができるように、モノクロ原稿のときには、K単色(黒単色)での再現ができるように、色変換処理を行う。また、第2色変換処理部33は、カラーモードがカラー出力モードのときには、CMYKでの再現を行うように色変換処理を行い、モノクロ出力モードのときには、K単色での再現を行うように色変換処理を行う。
バス制御部4は、第2画像データ処理部5から渡されたCMYK画像データをCPU7を介してメモリ8に送り、CPU7は、メモリ8内の画像データをプロッタI/F部9を介してプロッタ部10に送る。
プロッタ部10は、受け取ったCMYK画像データに基づいて、電子写真プロセス等の所定の記録プロセスで用紙(各種用紙、フィルム等を含む被記録媒体)に画像を出力し、原稿のコピーを生成する。
<スキャナ入力⇒ファクシミリ送信動作処理>
次に、読み取り部2で読み取った原稿の画像データを回線I/F部12からファクシミリ送信するスキャナ入力⇒ファクシミリ送信動作処理(ファクシミリ送信動作処理)について説明する。ファクシミリ送信動作処理では、ユーザが原稿を読み取り部2にセットし、操作表示部11で、所望する画像処理モード(例えば、配信画像の解像度、読み取る範囲指定等)等の設定と送信宛先等のファクシミリ送信に必要な入力操作及びファクシミリ開始操作を行う。
操作表示部11は、ユーザから入力された情報を、MFP1の制御コマンドデータに変換して、PCIeバスを介してCPU7に通知し、CPU7は、コピー開始の制御コマンドデータに従って、ファクシミリ送信動作プロセスのプログラムを実行して、ファクシミリ送信動作に必要な設定や動作を順に行う。
このファクシミリ送信動作プロセスにおいては、MFP1は、まず、上記コピー動作プロセスの場合と同様に、読み取り部2によって、原稿の画像を読み取って、RGB各8ビットの画像データとして、第1画像データ処理部3に出力し、第1画像データ処理部3が、該画像データを、所定のモードに応じて予め定められた特性に変換、すなわち、蓄積後の再利用に適した特性の画像データに変換して、バス制御部4に送る。バス制御部4は、第1画像データ処理部3から入力されるRGB画像データを、CPU7を介してメモリ8に蓄積する。CPU7は、メモリ8に蓄積されたRGB画像データ及び上記付帯情報を、バス制御部4を介して、第2画像データ処理部5に送る。
次に、MFP1は、メモリ8に蓄積したRGB画像データと付帯情報を、CPU7及びバス制御部4を介して、第2画像データ処理部5に送り、第2画像データ処理部5が、受け取ったRGB画像データを付帯情報を参照して、ファクシミリ送信用の画像データ(RGB多値画像データ、グレースケール画像データ、モノクロ2値の画像データ)に変換してバス制御部4に出力する。
この場合、第2画像データ処理部5は、ACSモードの場合、第1画像データ処理部3でカラー原稿と判定されたときには、RGB画像データを、RGB多値の画像データに変換してJPEG圧縮を行い、モノクロ原稿と判定されたときには、モノクロ2値画像に変換した後にMMR圧縮を行ってTIFFファイルを生成する。また、第2画像データ処理部5は、ACSモードのときに、第1画像データ処理部3でモノクロ原稿判定された場合、RGB画像データを、グレースケール多値画像に変換して、JPEG圧縮を行ってもよい。
バス制御部4は、第2画像データ処理部5から画像データ及び付帯情報を受け取ると、CPU7を介してメモリ8に蓄積し、次に、メモリ8に蓄積されたモノクロ2値画像データを、CPU7を介して、回線I/F部12に送る。回線I/F部12は、受け取ったモノクロ2値画像データを、回線を介して接続されている相手ファクシミリ装置FXにファクシミリ送信する。
<画像データ蓄積動作>
次に、読み取り部2でスキャン入力した画像データを、コピー動作やファクシミリ配信動作を行うことなく、画像データのHDD6への蓄積のみを行う画像データ蓄積動作処理について説明する。
画像データ蓄積動作処理では、まず、ユーザが原稿を読み取り部2にセットし、所望する画像処理モード等の設定と画像読み取りの指示を操作表示部11の操作によって行う。画像データ蓄積動作処理においては、ユーザが操作表示部11から様々な画像編集を実行させて、HDD6に画像データを蓄積させることで、蓄積された画像データを、後で出力する際に、逐一編集する煩わしさを解消するようにしてもよい。ただし、画像データ蓄積動作処理においては、蓄積後に多種多様な目的で画像データを再利用できるように、なるべく汎用的な条件での読み取り、例えば、等倍読み取りで原稿全体を読み取る等を行うことが望ましい。
操作表示部11は、ユーザから入力された情報を、MFP1の制御コマンドデータに変換して、PCIeバスを介してCPU7に通知し、CPU7は、画像データ蓄積動作開始の制御コマンドデータに従って、画像データ蓄積動作プロセスのプログラムを実行して、画像データ蓄積動作に必要な設定や動作を順に行う。
この画像データ蓄積動作プロセスにおいては、MFP1は、読み取り部2によって原稿をスキャンして得られたRGB各8ビットの画像データを、第1画像データ処理部3で所定のモードに応じて予め定められた特性に変換、すなわち、蓄積後の再利用に適した特性の画像データに変換させて、バス制御部4に送り、バス制御部4が、第1画像データ処理部3から入力されるRGB画像データ及び付帯情報を、HDD6に蓄積する。
<コピー動作/スキャナ配信動作+画像蓄積動作>
次に、読み取り部2でスキャン入力した画像データを、コピー動作やHDD6に蓄積する画像データ蓄積動作を同時に行うコピー動作/スキャナ配信+画像データ蓄積動作処理について説明する。
コピー動作/スキャナ配信+画像データ蓄積動作処理では、まず、ユーザが原稿を読み取り部2にセットし、所望する画像処理モード等の設定と画像読み取りの指示を操作表示部11の操作によって行う。
操作表示部11は、ユーザから入力された情報を、MFP1の制御コマンドデータに変換して、PCIeバスを介してCPU7に通知し、CPU7はコピー動作/スキャナ配信動作+画像蓄積動作開始の制御コマンドデータに従って、コピー動作/スキャナ配信動作+画像データ蓄積動作プロセスのプログラムを実行して、コピー動作/スキャナ配信動作+画像データ蓄積動作に必要な設定や動作を順に行う。
このコピー動作/スキャナ配信動作+画像データ蓄積動作プロセスにおいては、MFP1は、読み取り部2によって原稿をスキャンして得られたRGB各8ビットの画像データを、第1画像データ処理部3で所定のモードに応じて予め定められた特性に変換、すなわち、蓄積後の再利用に適した特性の画像データに変換させて、バス制御部4に送り、バス制御部4が、第1画像データ処理部3から入力されるRGB画像データ及び付帯情報を、CPU7を介してメモリ8に蓄積する。CPU7は、メモリ8に蓄積したRGB画像データ及び付帯情報を読み出して、バス制御部4を介して、第2画像データ処理部5に送る。このとき、CPU7は、メモリ8に送られてくるRGB画像データ及び付帯情報と同じものを、バス制御部4を介してHDD6に送って、HDD6に蓄積させる。したがって、MFP1は、コピー動作と画像データ蓄積動作を同時に行うことができる。MFP1は、スキャナ配信動作の場合も、同様に、読み取り部2によって原稿をスキャンして得られたRGB各8ビットの画像データを、第1画像データ処理部3で特定の特性に変換して、バス制御部4に送り、バス制御部4が、第1画像データ処理部3から入力されるRGB画像データ及び付帯情報を、CPU7を介してメモリ8に蓄積して、上述のように、スキャナ配信の対象の画像データとするとともに、HDD6へ蓄積させることにより、スキャナ配信動作と画像データ蓄積動作を同時に行うことができる。
<蓄積画像データの再利用動作>
次に、HDD6に蓄積されている画像データを、プリンタ出力、配信等に再利用する再利用動作処理について説明する。
蓄積画像データ再利用動作処理では、まず、ユーザが操作表示部11の操作によって、どのような画像データが蓄積されているかを確認する。MFP1は、この蓄積画像データの確認処理では、閲覧した時点でHDD6に蓄積されている画像データのファイル名や日時、サムネイル画像を操作表示部11のディスプレイに表示する機能を有しており、ユーザが操作表示部11のディスプレイの表示によって確認できるようになっている。
ユーザは、操作表示部11のディスプレイへの蓄積画像データの表示を見て、再利用したい画像を選択し、さらに、所望するモード等の必要な設定入力を操作表示部11の操作によって行う。この操作表示部11での設定操作では、例えば、紙出力の選択、電子ファイルのスキャナ配信の選択、FAX送信等のMFP1が提供している種々の機能において画像データを再利用する設定を行うことができる。例えば、再利用が電子ファイルのスキャナ配信の場合、ユーザは、操作表示部11の操作により、配信画像の解像度、画像範囲の指定等を行う。
操作表示部11は、ユーザから入力された情報を、MFP1の制御コマンドデータに変換して、PCIeバスを介してCPU7に通知し、CPU7は、再利用時のスキャナ配信開始等の制御コマンドデータに従って、スキャナ配信等の画像データ再利用動作プロセスのプログラムを実行して、スキャナ配信動作等の再利用動作に必要な設定や動作を順に行う。
画像データの再利用時には、第1画像データ処理部3における処理が終了した画像データがHDD6に蓄積されているため、CPU7は、該当する画像データを読み出す指示をバス制御部4に送り、バス制御部4は、HDD6から読み出されたRGB画像データ及び付帯情報を、CPU7を介して第2画像データ処理部5に送る。
MFP1は、第2画像データ処理部5での処理及びその後の処理を、上記同様、例えば、再利用動作がスキャナ配信動作の場合には、上記スキャナ配信動作における第2画像データ処理部5及びその後の処理と同様の処理を行い、また、プロッタ部10で印刷出力する場合には、上記コピー動作処理の場合と同様の処理を行う。
上記MFP1のいくつかの動作処理について説明したが、MFP1の動作処理としては、上記に限らず、他にも種々の動作処理を行うが、説明を省略して、以下、本発明の主眼である中間調処理における色材のパイルハイトが所定のターゲットパイルハイトを超える場合にも、光沢ムラを抑制して光沢度を適切に向上させる画像処理について説明する。
いま、MFP1は、ユーザによって、読み取り部2に原稿がセットされて、操作表示部11において、ACSモードの設定と、A3サイズの原稿を画像データ蓄積すること、出力画像のシャープ/ソフトの度合いとして中間程度、特別な色調整なし(基本的に、ユーザが最も利用する頻度の高い原稿忠実)が設定入力されると、操作表示部11が、ユーザから入力された情報を、MFP1の制御コマンドデータに変換して、PCIeバスを介してCPU7に通知し、CPU7が、コピー開始の制御コマンドデータに従って、画像データ蓄積動作プロセスのプログラムを実行して、画像データ蓄積動作に必要な設定や動作を順に行う。
この画像データ蓄積動作プロセスにおいては、上述のように、MFP1は、読み取り部2によって原稿をスキャンして得られたRGB各8ビットの画像データを、第1画像データ処理部3で所定のモードに応じて予め定められた特性に変換、すなわち、蓄積後の再利用に適した特性の画像データに変換させて、バス制御部4に送り、バス制御部4が、第1画像データ処理部3から入力されるRGB画像データ及び付帯情報を、HDD6に蓄積する。
そして、画像データ蓄積動作プロセスにおいて、第1画像データ処理部3は、そのカラー原稿判定部21が、読み取り部2から入力されるRGB画像データがカラー原稿の画像データであるかモノクロ原稿の画像データであるかを判定するACS処理を行って、このカラー原稿判定結果と判定範囲を後段の第2画像データ処理部5へ送る。また、第1画像データ処理部3は、その像域分離部22が、読み取り部2から入力されるデジタル化されたRGB画像データに対して、原稿の文字/絵柄領域、有彩/無彩領域を判別する像域分離処理を行って、像域分離結果である像域分離データを、画像データに付随する形で後段の第2画像データ処理部5へ送るとともに、第1画像データ処理部3の第1フィルタ処理部24に出力する。
そして、第1画像データ処理部3は、そのγ変換部23が、読み取り部2から入力されるデジタル化された入力画像データを、所定のモードに応じてその明るさを予め定められた特性、例えば、明度リニアな特性に統一して第1フィルタ処理部24に出力し、第1フィルタ処理部24が、γ補正された入力画像データに所定のフィルタ処理を施して、読み取り部2の有しているMTF特性等の特性(鮮鋭性等)を予め定められた特性に補正して、第1色変換処理部25に出力する。第1色変換処理部25は、第1フィルタ処理部24から入力されるRGB画像データに対して、読み取り部2の色空間から予め定められた特性、例えば、規格化された色空間の一つであるAdobeRGBに統一する処理を施して、画像圧縮部26に出力する。画像圧縮部26は、第1色変換処理部25で色変換されたRGB画像データに対して、CPU7からバス制御部4を介して入力されるHDD付帯情報(残容量情報)に基づいてその圧縮率を変更して圧縮画像データを生成して、バス制御部4に渡す。
バス制御部4は、第1画像データ処理部3からの画像データと画像データの付帯情報(像域分離結果やACS判定結果)を受け取ると、CPU7を介してメモリ8に蓄積し、また、CPU7は、メモリ8に蓄積したデータを、バス制御部4を介して、HDD6に送って、HDD6内に蓄積させる。
次に、このHDD6へ蓄積した画像データを再利用して、プリンタ出力、配信等に再利用する再利用動作処理を行う場合、上述のように、ユーザが操作表示部11の操作によって、どのような画像データが蓄積されているかを確認する。
ユーザは、操作表示部11のディスプレイへの蓄積画像データの表示を見て、再利用したい画像を選択し、さらに、所望するモード等の設定等の入力を操作表示部11の操作によって行う。
操作表示部11は、ユーザから入力された情報を、MFP1の制御コマンドデータに変換して、PCIeバスを介してCPU7に通知し、CPU7は、再利用時のスキャナ配信開始等の制御コマンドデータに従って、スキャナ配信等の画像データ再利用動作プロセスのプログラムを実行して、スキャナ配信動作等の再利用動作に必要な設定や動作を順に行う。
画像データの再利用時には、第1画像データ処理部3における処理が終了した画像データがHDD6に蓄積されているため、CPU7は、該当する画像データを読み出す指示をバス制御部4に送り、バス制御部4は、HDD6から読み出されたRGB画像データ及び付帯情報を、CPU7を介して第2画像データ処理部5に送る。
MFP1は、第2画像データ処理部5での処理及びその後の処理を、上述のように、まず、画像伸長部31で、第1画像データ処理部3の画像圧縮部26で圧縮された画像データを伸長して、第2フィルタ処理部32に出力し、第2フィルタ処理部32が、入力されるRGB画像データの鮮鋭性やS/N(信号/ノイズ)比を補正して、プロッタ部10に出力する場合の画像データの再現性を向上させて、第2色変換処理部33に出力する。第2色変換処理部33は、第2フィルタ処理部32でフィルタ処理されたRGB各8ビットの画像データを受け取ると、プロッタ部10用の色空間であるCMYK各8ビットの画像データまたはK単色の8ビットの画像データに変換する。このとき、第2色変換処理部33は、ACSモードが選択されている場合には、第1画像データ処理部3のカラー原稿判定部21でのカラー原稿判定結果に従って、最終的な付帯がカラー原稿と判定されたときには、CMYK色での再現ができるように、モノクロ原稿のときには、K単色(黒単色)での再現ができるように、色変換処理を行う。また、第2色変換処理部33は、カラーモードがカラー出力モードのときには、CMYK色での再現を行うように色変換処理を行い、モノクロ出力モードのときには、K単色での再現を行うように色変換処理を行う。
解像度変換部34は、画像の拡大/縮小の要求に応じて、CMYK画像データの解像度を変換して、γ変換部35に出力し、γ変換部35は、CMYK画像データのγ特性を、プロッタ部10のプロセス特性に従って、プロッタ部10によってコピー出力やプリント出力を行う場合、出力画像の階調性を良好に保てるようにプロッタ部10の出力特性を考慮してγ変換を行って、中間調処理部36に出力する。
中間調処理部36は、CMYK各8ビットの画像データまたはK色単色の8ビット画像データをγ変換部35から受け取ると、プロッタ部10の階調処理能力に応じた中間調処理(階調数変換処理)を行って、フォーマット変換部37に出力し、フォーマット変換部37は、画像データの用途に応じてJPEG圧縮、MMR圧縮等の圧縮処理、PDFファイルの作成等を行うが、画像データをプロッタ部10で用紙に出力する場合には、何の処理も行わずに、後段に画像データを送る。
そして、上記第2画像データ処理部5の中間調処理部36は、図5に示したように、前段のγ変換部35から入力データIn(x、y)が入力されると、加算器41が、該入力データIn(x、y)と誤差メモリ45から入力される誤差成分E(x、y)を加算することで補正データC(x、y)を計算して、比較判定部42へ出力し、比較判定部42が、補正データC(x、y)と予め設定されている第1閾値T1(x、y)と第2閾値T2(x、y)からなる閾値群T(x、y)に基づいて、出力値Out(x、y)を決定して、フォーマット変換部37に出力する。
上述のように、第1閾値T1(x、y)は、ドットoffと小ドットの出力判定を行う閾値、第2閾値T2(x、y)は、小ドットと大ドットの出力判定を行う閾値であり、比較判定部42は、例えば、第1閾値T1(x、y)として、ドットoffと小ドットの中間の値、すなわち、「64」、第2閾値T2(x、y)として、小ドットと大ドットの中間の値、すなわち、「192」を設定して3値化するものとして、上記式(1)の演算処理を行って、出力値Out(x、y)を生成して、フォーマット変換部37に出力するとともに、減算器43に出力する。
減算器43は、補正データC(x、y)と出力値Out(x、y)から上記式(2)に示した減算処理を行って、現画素で発生した誤差e(x、y)を算出して、誤差拡散部44に出力し、誤差拡散部44は、予め設定された拡散係数(図5(b)参照)に基づいて、誤差e(x、y)を配分して、誤差メモリ45に蓄積されている誤差データE(x、y)に加算する。誤差拡散部44は、例えば、拡散係数として図5(b)に示したような係数を用いた場合、上記次式(3)に示すような処理を行って、生成した誤差e(x、y)を、誤差メモリ45の誤差データE(x、y)に加算する。
中間調処理部36は、上述のようにして多値誤差拡散処理を行って、処理結果の出力値Out(x、y)をフォーマット変換部37に出力する。
そして、上記比較判定部42の内部メモリに格納されている閾値群T(x、y)は、閾値の調整前においては、上記図6から図9に示したようなCMYK各版毎に設定されているディザマトリクス閾値(凹凸軽減処理前)からなっており、比較判定部42は、上述のように、上記「64」や「192」という閾値のみを全画素に対して適用するわけではなく、図6から図9の各版のディザマトリクス閾値において、主走査方向及び副走査方向に、8x8サイズのディザマトリクス閾値を形成して、形成した該ディザマトリクス閾値を適用する。
そして、比較判定部42は、内部メモリに格納されているこれらの各版用のディザマトリクス閾値を各画素の処理に適用することで、最終出力画像において万銭基調の描画を行って、出力値Out(x、y)を生成する。
そして、いま、図10に示すように、CMYK色材による最終出力画像において、凹凸が発生する場合、従来技術のように、単に、例えば、200%をターゲットパイルハイトとして、ターゲットパイルハイトに満たない画像領域に透明色材Tを重畳すると、式(1)の説明のように、閾値の値が小さいほど、ドットが出力されやすく、閾値の値が大きいほどドットが出力され難くなるため、例えば、図6から図9のCMYK各版のディザマトリクス閾値の左上の閾値をみると、K版、C版、M版は、「16」、Y版は、「18」という閾値で構成されており、周辺の閾値と比較して、比較的ドットが出力されやすい閾値となっている。
すなわち、第2画像データ処理部5は、中間調処理部36より前の第2色変換処理部33で、プロッタ部10の色空間に応じた総量規制処理を行っている。ところが、入力画像の画素値にもよるが、複数の版が重なり合うことで、図10に示したように最終出力画像に凹凸が発生して、光沢度が落ちてしまうことがある。
ところが、従来技術のように、ターゲットパイルハイト(総量規制:例えば、200%)に満たない画素に対して、300線の基本ディザマトリクスを適用して全面ベタとなる透明色材を、ターゲットパイルハイトまで重畳すると、図11に示すように、最終出力画像に、凹凸が発生した状態を回避することができず、最終出力画像において光沢度が劣化することとなる。なお、図11において、CMYKは、それぞれの色の色材を、Tは、透明色材を示しており、以下の図及び説明においても同様に記載する。
この場合、透明色材Tを含めてターゲットパイルハイトを400%に設定して、透明色材Tを400%まで重畳すると、凹凸の発生を回避して、最終出力画像の光沢度をあげることができる。ところが、通常、MFPは、プロッタ部の能力が400%のトナー定着を行うことができないのが大半であって、実効性に問題があるだけでなく、仮に、400%のトナー定着が可能であっても、大量のトナー付着による最終画像の紙厚の厚さによる質感の悪さが発生するおそれがあり、光沢度を向上させる適切な解決方法とはならない。
そこで、本実施例のMFP1は、第2画像データ処理部5の中間調処理部36が、ディザマトリクス閾値を用いて中間調処理したときの画像データの画素毎に、パイルハイトをターゲットパイルハイトと比較した判定結果に基づいて、該ディザマトリクス閾値を調整し、該調整後のディザマトリクス閾値を用いて中間調処理を施すことで、光沢度を向上させる。なお、以下の説明では、3値出力の中間調処理の場合について説明するが、3値出力に限るものではなく、例えば、4値出力、16値出力等の中間調処理においても同様に適用することができる。
すなわち、中間調処理部36は、図12に示すように、γ変換部35からγ変換された多値画像データが入力されると、中間調処理を行って少値データ化し(ステップS101)、該画像データが所定範囲内における検知結果がON(ターゲットパイルハイトを超えた場合)である対象画素数が予め設定されている所定数(所定値)以上であるかチェックする(ステップS102)。
ステップS102で、所定範囲内の画像データの検知結果がONである対象画素数が所定数未満であると(ステップS102で、NOのとき)、中間調処理部36は、ステップS105に移行して、画像データを出画像凹凸軽減処理することなく、フォーマット変換部37に出力する(ステップS105)。
ステップS102で、所定範囲内の画像データの検知結果がONである対象画素数が所定数以上であると(ステップS102で、YESのとき)、中間調処理部36は、出力画像凹凸軽減処理、すなわち、ディザマトリクス閾値の値を変更または主走査方向と副走査方向のうち少なくともいずれかの方向にシフトさせる変更/シフトを行って中間調処理を行い(ステップS103)、所定範囲内の画像データの検知結果がONである対象画素数が予め設定されている所定のフィードバック回数の中で、最小値(最小数)であるかチェックする(ステップS104)。
ステップS104で、所定範囲内の画像データの検知結果がONである対象画素数が予め設定されている所定フィードバック回数の中で、最小値(最小数)でないときには、中間調処理部36は、ステップS103に戻って、出力画像凹凸軽減処理を行って(ステップS103)、所定範囲内の画像データの検知結果がONである対象画素数が予め設定されている所定のフィードバック回数の中で、最小値(最小数)であるかチェックする処理を、所定範囲内の画像データの検知結果がONである対象画素数が予め設定されている所定のフィードバック回数の中で、最小値(最小数)になるまで行う(ステップS103、S104)。
ステップS104で、所定範囲内の画像データの検知結果がONである対象画素数が予め設定されている所定のフィードバック回数の中で、最小値(最小数)になると、中間調処理部36は、出力画像凹凸軽減処理した画像データをフォーマット変換部に出力する(ステップS105)。
すなわち、中間調処理部36は、上述のように、入力端子Tiから入力される第2色変換処理33で色変換されて、解像度変換部34で解像度変換されてγ変換部35でγ変換された入力データIn(x、y)が加算器41に入力され、加算器41が、この入力データIn(x、y)と誤差メモリ45からの誤差成分E(x、y)を加算して補正データC(x、y)を算出して、比較判定部42に出力する。
そして、中間調処理部36は、上記ステップS101及びステップS102の処理を、具体的には、以下のように実行する。すなわち、ドットoff=0、小ドット=1、大ドット=2とすると、図10の場合、左から6番目の画素のCMYK各版が大ドットであり、パイルハイト値は、「8」に相当する。このとき、図10に示したように、ターゲットパイルハイト(総量規制値)200%は、大ドットを2版分出力可能であることを示しており、ターゲットパイルハイト200%である場合、パイルハイト値は、「4」に相当する。そこで、中間調処理部36は、中間調処理後の加算演算値(パイルハイト値=8)が、ターゲットパイルハイト(パイルハイト値=4)を超える場合は、意図せずに複数の版が重なりあってしまってターゲットパイルを超えた画素として検知する。
この検知結果の表現方法としては、種々の表現方法を用いることができ、例えば、第1表現方法として、ターゲットパイルハイトを超えていない場合には、「=0」、ターゲットパイルハイトを超えた場合には、「=1」と表現することができる。
また、どの程度ターゲットパイルハイトを超えたかを複数段階で表現する方法のうち、検知結果の第2表現方法として、例えば、ターゲットパイルハイトを超えていない場合には、「=0」、ターゲットパイルハイトを超えていて、2<パイルハイト≦3の場合には、「=1」、ターゲットパイルハイトを超えていて、3<パイルハイト≦4の場合には、「=2」と表現してもよいし、その他の表現方法として、さらに細分化した検知結果の表現方法を用いてもよい。
そして、中間調処理部36は、ステップS103の出力画像凹凸軽減処理として、以下の処理を行うことで、出力画像に凹凸が発生することを軽減する。
なお、上記検知結果は、各画素での検知結果であるが、中間調処理36は、上述のように、以下の出現画像凹凸軽減処理を、ある1つの任意の画素の検知結果がターゲットパイルハイトを超えた場合に、出力画像凹凸軽減処理を行うのではなく、所定領域内で何画素がターゲットパイルハイトを超えているか判定して、判定結果が、ターゲットパイルハイトを超えている画素の個数が所定個数を超えているとの判定結果である場合に、以下で説明する出力画像凹凸軽減処理を行う。
具体例として、256×256画素の領域内で128個以上の画素がターゲットパイルハイトを超えている場合には、以下で説明する処理を行うものとし、この所定領域の範囲で所定個数がターゲットパイルハイトを超えているか否かの判定値は、MFP1の画像設計者がプロッタ部10の能力等に応じて任意に決定することができる。
また、出力画像凹凸軽減処理においては、中間調処理部36において、複数回のフィードバック処理を行ってもよく、上記所定領域の範囲でターゲットパイルハイトを超える個数としては、上記例の個数に限るものではなく、例えば、より少ない個数あるいはより多い個数であってもよいし、フィードバック処理の回数も適宜設定することができる。
そして、MFP1は、上記最終画像における凹凸の発生を軽減させる出力画像凹凸軽減処理における閾値の変更方法としては、具体的には、以下のような方法を実行する。
いま、図11において、中間調処理部36は、左から2番目のC版とM版が重なり合っている画素、左から4番目のC版のみの画素については、ターゲットパイルハイトを超えていないため、凹凸軽減処理を行わないが、左から6番目のC版とM版とY版とK版が重なり合っている画素、左から8番目のC版とM版とY版が重なりあっている画素については、ターゲットパイルハイトを越えているため、図13に示すように、ディザマトリクス閾値の値を大きく変更して中間調処理を施すという出力画像凹凸軽減処理を行う。
また、中間調処理部36は、図11の左から6番目の画素については、検知結果の第2表現方法の「ターゲットパイルハイトを超えた場合:ターゲットパイルハイト(3<パイルハイト≦4)(=2)」に相当し、当該画素では凹凸が大きいと判断して、図13に示すように、ディザマトリクス閾値を、例えば、2倍に変更して中間調処理を施すという出力画像凹凸軽減処理を、Y版とM版に対して行う。
さらに、中間調処理部36は、図11の左から8番目の画素については、検知結果の第2表現方法の「ターゲットパイルハイトを超えた場合:ターゲットパイルハイト(2<パイルハイト≦3)(=1)」に相当し、当該画素では凹凸がやや大きいと判断して、図13に示すように、ディザマトリクス閾値を変更して、Y版のみ出力画像凹凸軽減処理を行う。
中間調処理部36は、上述のように判定結果に応じて、出力画像凹凸軽減処理を行う版数を決定するが、判定結果がさらに詳細な場合には、出力画像凹凸軽減処理を行う版数だけでなく、どの程度出力画像凹凸軽減処理を行うかを切り替えるようにしてもよい。例えば、中間調処理部36は、詳細な判定結果に基づいて、小ドットとするのかドットoffとするのかを切り替えるようにしてもよい。
さらに、中間調処理部36は、出力画像凹凸軽減処理を行う版数の順序を、明度が高い順に行う。すなわち、光沢度、粒状度には以下の特性がある。光沢度の良し悪しは、最終出力画像の凹凸に起因し、凹凸が減少することで光の乱反射が抑えられて光沢度が向上する。そこで、中間調処理部36は、上記図10の場合、凹凸が発生しているCMYK版のいずれかを削って全体の高さを揃え、出力画像凹凸軽減処理を行うことで、光沢度を向上させる。逆に、粒状度の良し悪しは、最終画像がある狙いに対し滑らかな画像となっているかに起因し、上記光沢度の説明のCMYK版のいずれかを削ることで劣化する。そこで、本実施例の中間調処理部36は、粒状度の劣化を抑えるために、人間の視覚特性上、明度が高い版(人間の目が変化をとらえにくい版)があることから、明度が高い順(Y→M→C→K)に出力画像凹凸軽減処理を行って、CMYK版のいずれかを削ることで粒状度の劣化を抑制している。すなわち、中間調処理部36は、出力画像凹凸軽減処理を明度が高い順に行うことで、光沢度を向上させつつ、粒状度を向上させている。
次に、上記検知結果の表現方法として第2表現方法を用いる場合の中間調処理部36によるディザマトリクス閾値の変更による出力画像凹凸軽減処理について、例えば、図14〜図17のディザマトリクス閾値に基づいて説明する。
いま、図14〜図17に示すCMYK各版の閾値変更後のディザマトリクス閾値を用いる場合であって、各図の左上の閾値に対応する画素の検知結果が、「ターゲットパイルハイトを超えた場合:ターゲットパイルハイト(3<パイルハイト≦4)(=2)」であった場合には、中間調処理部36は、図8と図16及び図9と図17を比較して分かるように、M版用のディザマトリクス閾値を「16」から「32」に変更、Y版用のディザマトリクス閾値を「18」から「36」に変更する。
このようにすると、図13に示したように、ドットが出現し難い処理を行うことができ、最終出力画像の凹凸を軽減して光沢度を向上させることができる。
なお、図14〜図17は、図6〜図9に示したディザマトリクス閾値を単純に2倍にしてドットの出現を抑制することで、出力画像の凹凸を軽減させているが、ディザマトリクス閾値の変更は、2倍に限るものではなく、例えば、3倍、4倍・・・等であってもよく、また、少数倍であってもよい。また、図14〜図17は、左上の閾値のみを変更しているが、検知結果が複数画素である場合、複数個所のディザマトリクス閾値を変更してもよく、変更する倍率、変更する個数は、適宜、前もって、あるいは、自動的に設定変更するようにしてもよい。
次に、検知結果の表現方法として、第1表現方法を用い、出力画像凹凸軽減処理として、ディザマトリクス閾値をシフトさせて中間調処理を行う場合について、図18及び図19に基づいて説明する。
すなわち、例えば、図10の出力画像において、中間調処理部36は、図10の左から2番目のC版とM版が重なり合っている画素、左から4番目のC版のみの画素については、上記同様に、ターゲットパイルハイトを超えていないと判断して、凹凸軽減処理は行わない。
中間調処理部36は、図10の左から6番目のC版とM版とY版とK版が重なり合っている画素、左から8番目のC版とM版とY版が重なりあっている画素については、ターゲットパイルハイトを越えていると判断して、図18に示すように、ディザマトリクス閾値をシフトさせることで出力画像凹凸軽減処理を行う。
また、中間調処理部36は、図10の左から6番目の画素、図10の左から8番目の画素は、検知結果の第1表現方法の「ターゲットパイルハイトを超えた場合(=1)」に相当し、当該画素では凹凸が大きいと判断し、Y版とM版の出力画像凹凸軽減処理を行う。
この場合、中間調処理部36は、ディザマトリクス閾値のシフトによる出力画像凹凸軽減処理用のディザマトリクス閾値を用いて中間調処理を行うことで、出力画像凹凸軽減処理を行う。この出力画像凹凸軽減処理用のディザマトリクス閾値は、例えば、KCM版については、図6から図8に示したKCM版のディザマトリクス閾値と同じディザマトリクス閾値を用い、Y版については、図19に示すようなY版用のディザマトリクス閾値を用いることで、図18に示すように、Y版の画素を副走査方向に1画素分シフトさせる出力画像凹凸軽減処理を行う。すなわち、図19を図9と比較して分かるように、図19のシフト用のディザマトリクス閾値は、図9のシフト前のディザマトリクス閾値を副走査方向に1画素分シフトさせたディザマトリクス閾値となっている。
例えば、検知結果の第1表現方法を適用例して、図6から図8のKCM版のディザマトリクス閾値及び図19のY版のディザマトリクス閾値を用いる場合で、かつ、左上の閾値に対応する画素の検知結果が、「ターゲットパイルハイトを超えた場合(=1)」であった場合、中間調処理部36は、図19に示すように、副走査方向に1画素分シフトさせたY版用のディザマトリクス閾値を使用して中間調処理を行うと、ドットが出現し難い処理を行って、出力画像の凹凸を軽減させて光沢度を向上することができる。
なお、上記例では、図19に示したディザマトリクス閾値を用いることで、副走査方向に1画素シフトさせる処理を行うが、2画素、3画素・・・等を副走査方向にシフトさせるディザマトリクス閾値であってもよい。また、上記例は、副走査方向にシフトさせているが、主走査方向にシフトさせてもく、これらのシフトさせる画素数及びシフトさせる方向についても、予め設定しておいてもよいし、検知結果によって自動で決定してもよい。
このように、本実施例のMFP1は、第2画像データ処理部5の中間調処理部36が、複数色(CMYK色)の画像データに対して、各色に対応するディザマトリクス閾値を用いて中間調処理を施して、画像データに対して中間調処理が施された場合に、画素毎にまたは所定領域の画素毎に、所定の総量規制値であるターゲットパイルハイトを超えるか否かを判定し、該判定結果に基づいてディザマトリクス閾値を調整して中間調処理を行っている。
したがって、トナー等のカラー色材のパイルハイトが所定のターゲットパイルハイトを超える場合に、ディザマトリクス閾値を調整して中間調処理することができ、光沢ムラを抑制して、光沢度を適切に向上させることができる。
また、本実施例のMFP1は、複数色(CMYK色)の画像データに対して、各色に対応するディザマトリクス閾値を用いて中間調処理を施して、画像データに対して中間調処理が施された場合に、画素毎にまたは所定領域の画素毎に、所定の総量規制値であるターゲットパイルハイトを超えるか否かを判定し、該判定結果に基づいてディザマトリクス閾値を調整して中間調処理を行う第2画像データ処理部5を備えていて、該第2画像データ処理部5で画像処理された画像データに基づいてプリンタ部10で用紙に画像形成している。
したがって、トナー等のカラー色材のパイルハイトが所定のターゲットパイルハイトを超える場合に、ディザマトリクス閾値を調整して中間調処理することができ、光沢ムラを抑制して、出力画像の光沢度を適切に向上させることができる。
さらに、本実施例のMFP1は、複数色の画像データに対して、各色に対応するディザマトリクス閾値を用いて中間調処理を施す中間調処理ステップと、画像データに対して前記中間調処理ステップで中間調処理が施された場合に、画素毎にまたは所定領域の画素毎に、所定の総量規制値を超えるか否かを判定する判定処理ステップと、前記判定処理ステップでの判定結果に基づいて前記ディザマトリクス閾値を調整して前記中間調処理ステップで中間調処理を行わせる中間調処理制御処理ステップと、を有する画像処理方法を実行する。
したがって、トナー等のカラー色材のパイルハイトが所定のターゲットパイルハイトを超える場合に、ディザマトリクス閾値を調整して中間調処理することができ、光沢ムラを抑制して、光沢度を適切に向上させることができる。
また、本実施例のMFP1は、コンピュータに、複数色の画像データに対して、各色に対応するディザマトリクス閾値を用いた中間調処理と、画像データに対して前記中間調処理が施された場合に、画素毎にまたは所定領域の画素毎に、所定の総量規制値を超えるか否かを判定する判定処理と、前記判定処理での判定結果に基づいて前記ディザマトリクス閾値を調整して前記中間調処理を行わせる中間調処理制御処理と、を実行させている。
したがって、トナー等のカラー色材のパイルハイトが所定のターゲットパイルハイトを超える場合に、ディザマトリクス閾値を調整して中間調処理することができ、光沢ムラを抑制して、光沢度を適切に向上させることができる。
さらに、本実施例のMFP1は、中間調処理部36が、前記判定結果に基づいて、所定数の適宜のディザマトリクス閾値の値を変更している。
したがって、トナー等のカラー色材のパイルハイトが所定のターゲットパイルハイトを超える場合に、ディザマトリクス閾値を変更して中間調処理することができ、光沢ムラを抑制して、光沢度を適切に向上させることができる。
また、本実施例のMFP1は、中間調処理部36が、前記判定結果に基づいて、ディザマトリクス閾値を、主走査方向と副走査方向のうち少なくともいずれかの方向に所定画素数分シフトさせている。
したがって、トナー等のカラー色材のパイルハイトが所定のターゲットパイルハイトを超える場合に、ディザマトリクス閾値をシフトさせて中間調処理することができ、光沢ムラを抑制して、光沢度を適切に向上させることができる。
さらに、本実施例のMFP1は、中間調処理部36が、複数色のうち、明度の高い色のディザマトリクス閾値から順番に調整している。
したがって、トナー等のカラー色材のパイルハイトが所定のターゲットパイルハイトを超える場合に、ディザマトリクス閾値を明度の高い色から調整させて中間調処理することができ、粒状度への影響を抑制しつつ、光沢ムラを抑制して光沢度を適切に向上させることができる。
以上、本発明者によってなされた発明を好適な実施例に基づき具体的に説明したが、本発明は上記実施例で説明したものに限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々変更可能であることはいうまでもない。