JP2013033921A - 窒化物系発光ダイオード素子およびその製造方法 - Google Patents

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由季 小林
Takahide Shiroichi
隆秀 城市
Ko Kurihara
香 栗原
Susumu Hiraoka
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Abstract

【課題】欠陥集合領域を含むc−GaN基板を用いて低コストで製造することのできる窒化物系LED素子を提供すること。
【解決手段】一部に欠陥集合領域を含むc−GaN基板上に窒化物半導体膜がエピタキシャル成長しており、該窒化物半導体膜には該c−GaN基板側からn型層、発光層、p型層をこの順に含むメサが形成されており、該欠陥集合領域の影響により該窒化物半導体膜の表面に形成された平坦性低下領域が該メサの上面に含まれており、該メサ上には該平坦性低下領域の少なくとも一部を覆う電極が形成されている、窒化物系発光ダイオード素子が提供される。
【選択図】図1

Description

本発明は、窒化物半導体で形成された発光構造を有する窒化物系発光ダイオード素子に関する。窒化物半導体は、AlGaIn1−x−yN(0≦x≦1、0≦y≦1、0≦x+y≦1)、(Al,Ga,In)Nなどの一般式で表される化合物半導体であり、III族窒化物半導体、窒化物系半導体、窒化ガリウム(GaN)系半導体などとも呼ばれる。
GaN、GaInN、AlGaN、AlGaInNのような窒化物半導体を用いた半導体素子が実用化されている。代表的な素子は、窒化物半導体でダブルヘテロpn接合型の発光構造を構成した発光ダイオード(LED)やレーザダイオード(LD)などの発光素子である。特に、c面サファイア基板上にヘテロエピタキシャル成長された発光構造を有する窒化物系LED素子は、バックライト用や照明用の光源として大量に生産されている。
GaN基板を用いたホモエピタキシャル成長によって発光構造を形成した窒化物系LED素子は、基板が導電性を有することや、基板とエピタキシャル成長層との間に屈折率差が殆どないことから、サファイア基板を用いた窒化物系LED素子にない性質を備えたものとなることが期待されている。しかし、現在のところ、GaN基板はサファイア基板と比べると価格が高いこともあって、LED素子の製造には殆ど使用されていない。
LD素子用に主に使用されているのは、c面を主面とするGaN基板(c−GaN基板)であり、特に、製造時にGaN結晶のファセット成長を発生させることによって、欠陥低減領域の形成と酸素ドーピングを行ったものである。この基板は欠陥低減領域とともに欠陥集合領域を有している。欠陥集合領域が平行直線状に形成されたc−GaN基板は、ストライプコア基板と呼ばれている(特許文献1、特許文献2)。ストライプコア基板を用いてLD素子を作製する場合、直線状の欠陥集合領域(ストライプコア)上に活性領域を設けないようにするのが普通である(特許文献3)。
特開2004−335646号公報 特開2006−196609号公報 特開2009−295693号公報
本発明は、欠陥集合領域を含むc−GaN基板を用いて低コストで製造することのできる窒化物系LED素子を提供することを、目的のひとつとしている。
本発明は、また、欠陥集合領域を含むc−GaN基板を用いて低コストで窒化物系LED素子を製造する方法を提供することを、目的のひとつとしている。
本発明の実施形態として、次の特徴を有する窒化物系発光ダイオード素子またはその製造方法が提供される。
(1)一部に欠陥集合領域を含むc−GaN基板上に窒化物半導体膜がエピタキシャル成長しており、該窒化物半導体膜には該c−GaN基板側からn型層、発光層、p型層をこの順に含むメサが形成されており、該欠陥集合領域の影響により該窒化物半導体膜の表面に形成された平坦性低下領域が該メサの上面に含まれており、該メサ上には該平坦性低下領域の少なくとも一部を覆う電極が形成されている、窒化物系発光ダイオード素子。
(2)上記平坦性低下領域では上記窒化物半導体膜の表面の少なくとも一部が***している、上記(1)に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
(3)上記電極が透光性電極であり、該透光性電極の一部上にはp側電極パッドが形成されている、上記(2)に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
(4)上記p側電極パッドの直下に、上記透光性電極から上記メサへの電流注入を阻害する電流ブロック層が形成されている、上記(3)に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
(5)一部に欠陥集合領域を含むc−GaN基板上に、エピタキシャル成長によって、該c−GaN基板側からn型層、発光層、p型層をこの順に含む多層構造の窒化物半導体膜を形成する第1工程と、該窒化物半導体膜の一部を該n型層が露出するまでエッチングすることによって、該n型層、該発光層および該p型層を含むメサを該窒化物半導体層に形成する第2工程と、を有し、該第1工程において該欠陥集合領域の影響により該窒化物半導体膜の表面に形成される平坦性低下領域が、該メサの上面に含まれるように、該第2工程のエッチングを行う、窒化物系発光ダイオード素子の製造方法。
(6)上記平坦性低下領域では該窒化物半導体膜の上面の少なくとも一部が***している、上記(5)に記載の製造方法。
(7)上記第2工程の後、上記メサの上面に、その略全体を覆う透光性電極を形成するとともに、該透光性電極の一部上にp側電極パッドを形成する、上記(6)に記載の製造方法。
(8)上記p側電極パッドの直下に、上記透光性電極から上記メサへの電流注入を阻害する電流ブロック層を形成する、上記(7)に記載の製造方法。
本発明実施形態に係る上記(1)〜(4)記載の窒化物系発光ダイオード素子は、欠陥集合領域を含むc−GaN基板を用いて、低コストで製造することができる。
また、本発明実施形態に係る上記(5)〜(8)記載の製造方法によれば、欠陥集合領域を含むc−GaN基板を用いて、低コストで窒化物系LED素子を製造することができる。
実験例で作製した窒化物系LED素子の基本構造を示す図面であり、図1(a)は平面図、図1(b)は図1(a)のY−Y線の位置における断面図である。 実験例で作製した窒化物系LED素子の基本構造を示す図面であり、図1に示す窒化物系LED素子の、図1(b)と同じ位置における断面図である。 実験例で作製したエピタキシャルウェハの表面の光学顕微鏡像である。 実験例で作製した、ウェハ上の窒化物系LED素子の光学顕微鏡像である。 実験例で作製した、ウェハ上の窒化物系LED素子の光学顕微鏡像である。 実験例で作製した、ウェハ上の窒化物系LED素子の光学顕微鏡像である。 実験例で作製した窒化物系LED素子のI−L特性を示すグラフである。 実験例で作製した窒化物系LED素子のI−V特性を示すグラフである。 実験例で作製した、タイプBのLED素子の光学顕微鏡像(図9(A))および該素子に電流を印加したときの発光パターン(図9(B))である。
[実験例]
本実験例で作製した窒化物系LED素子の基本構造を図1に模式的に示す。図1(a)は平面図であり、図1(b)は図1(a)のY−Y線の位置における断面図である。
窒化物系LED素子100は、ストライプコア基板であるc−GaN基板10と、その上にエピタキシャル成長した窒化物半導体膜20を有している。後述するように、窒化物半導体膜20は多層構造を有しており、基板側から順にn型層、発光層、p型層を含んでいる。
窒化物半導体膜20にはエッチング加工によりメサ20Aが形成されており、該メサの上面に透光性電極E1が形成されている。透光性電極E1はメサ20Aの上面の略全体を覆っている。透光性電極E1の表面の一部には、メタル製のp側電極パッドE2が形成されている。窒化物半導体膜20の表面の、メサ20Aに隣接する領域の一部には、メタル製のn側電極パッドE3が形成されている。更に、図示しないSiO膜が、窒化物半導体膜20および透光性電極E1の表面を保護するために、電極パッドが形成された部分を除くLED素子の表面に形成されている。
図2は、図1(b)と同じ位置における窒化物系LED素子100の断面を示している。窒化物半導体膜20は、基板10側から順に、n型層21、発光層22、p型層23を有している。メサに隣接する領域では、エッチングによってp型層23と発光層22が窒化物半導体膜20から除去され、n型層21が露出している。透光性電極E1はp型層23の表面に取り付けられており、n側電極パッドE3はn型層21の表面に取り付けられている。
次の手順に従い、実際に窒化物系LED素子を作製した。
まず、m軸に平行な複数のストライプコアが450μmのピッチで形成された、直径2インチのc−GaN基板を準備した。この基板のキャリア濃度は2.4×1018cm−3であった。
上記準備したc−GaN基板の、ポリッシング仕上げされたGa極性面(+c面)上に、MOVPE法を用いて、第1アンドープGaN層、SiドープGaNコンタクト層、第2アンドープGaN層、SiドープGaNクラッド層、発光層25、MgドープAl0.1GaN0.9クラッド層、MgドープAl0.03Ga0.97Nコンタクト層を順次エピタキシャル成長させて、多層構造の窒化物半導体膜を形成した。
第1アンドープGaN層は、成長温度を1100℃、成長厚さは10nmとした。SiドープGaNコンタクト層は、Si濃度を5×1018cm−3、成長温度を1100℃、成長厚さを4.5μmとした。第2アンドープGaN層は、成長温度を765℃、成長厚さは200nmとした。SiドープGaNクラッド層は、Si濃度を5×1018cm−3、成長温度を765℃、成長厚さを20nmとした。
発光層は、4つのアンドープInGaN井戸層と5つのSiドープGaNバリア層とを、同じ成長温度765℃で、最上層および最下層がいずれもバリア層となるように、交互に積層することにより形成した。バリア層はSi濃度を2×1017cm−3、成長厚さを15nmとした。井戸層は、成長厚さを2.5nmとした。井戸層の組成は、発光ピーク波長が425〜430nmとなるように調節した。
MgドープAl0.1GaN0.9クラッド層は、Mg濃度を5×1019cm−3、成長温度を1030℃、成長厚さを140nmとした。MgドープAl0.03Ga0.97Nコンタクト層は、Mg濃度を8×1019cm−3、成長温度を1070℃、成長厚さを60nmとした。MgドープAl0.03Ga0.97Nコンタクト層の成長後の降温中に、成長チャンバー内の雰囲気をアンモニアを含む雰囲気から窒素ガス雰囲気に切り替える方法によって、ドーパントに用いたMgを活性化させた。
上記手順により得たエピタキシャルウェハの表面の光学顕微鏡像を図3に示す。図3から判るように、窒化物半導体膜の表面には、ストライプコアの影響で形成されたと考えられる線状の平坦性低下領域が複数、略平行に形成されていた。この平坦性低下領域は平均的に約450μmのピッチで並んでいたが、その各々の直線性は決して高くなく、隣り合う平坦性低下領域の間隔が約350μmとなっている部分もあれば、約500μmとなっている部分もあった。更に、この表面の形状を接触式段差計を用いて測定したところ、上記平坦性低下領域においては窒化物半導体膜の表面が少なくとも一部で***していた。***の高さは0.1〜0.3μmであった。
上記のエピタキシャル成長工程の終了後、ウェハ加工工程を行った。このウェハ加工工程では、透光性電極の形成、メサ形成のためのエッチング加工(いわゆるメサエッチング)、p側およびn側の電極パッドの形成、SiO保護膜の形成を、この順に行った。
透光性電極は、Al0.03Ga0.97Nコンタクト層の表面にITO(インジウム錫酸化物)を蒸着した後、フォトリソグラフィとウェットエッチングによりパターニングすることにより形成した。ITOがなすパターンの方向は、後で形成するp側電極パッドとn側電極パッドの重心間を結ぶ直線、すなわち図1(a)のY−Y線が、c−GaN基板のm軸と平行になるように定めた。
メサエッチングはRIE(反応性イオンエッチング)法を用いて、メサに隣接する領域にSiドープGaNコンタクト層が露出するように行った。メサのサイズについては、前述の直線(図1(a)のY−Y線)に平行な方向の幅(図1(a)のw)と、該直線に直交する方向の幅(図1(a)のw)のどちらも、約285μmとした。
SiドープGaNコンタクト層の露出面上へのn側電極パッドの形成と、透光性電極上へのp側電極パッドの形成は、リフトオフ法を用いて同時に行った。各電極パッドを構成するメタル膜は、TiW、Au、Pt、Au、Pt、Au、Pt、Auをこの順に積層することにより形成した。最下層をTiWとしたのは、n側電極パッドとSiドープGaNコンタクト層との間にオーミック接触を形成させるためである。最上層をAuとしたのは、Auワイヤ、AuSnハンダのようなボンディング材料のボンダビリティを良好にするためである。AuとPtの交互積層構造は、ボンディング工程で生じる熱応力の緩和などを目的としている。
最後に、LED素子構造を形成した側のウェハ表面に、蒸着法によりSiO膜を形成した。リフトオフ法を用いたパターニングにより、電極パッドが形成された部分にはSiO膜が形成されないようにした。
ウェハ加工工程が完了したウェハ表面の光学顕微鏡像を図4〜6示す。前述のように、平坦性低下領域の直線性が高くないことから、図4に示すような、平坦性低下領域をメサの上面に含まないLED素子(「タイプ−A」)と、図5および図6に示すような、該平坦性低下領域がメサの上面に含まれるLED素子(「タイプ−B」)とが形成された。
ウェハを切断することなく、ウェハ上に形成されたままのLED素子の特性をオートプローバーを用いて測定すると、逆方向電流10μAのときの逆方向電圧(Vr)に関して、タイプ−Aとタイプ−BのLED素子の間に明確な違いは見られなかった。また、順方向電流60mAのときの順方向電圧(Vf)と光出力に関しても、タイプ−Aとタイプ−BのLED素子の間で明確な違いは見られなかった。
また、タイプ−Aとタイプ−Bの窒化物系LED素子の逆方向電圧および順方向電圧は、欠陥集合領域を有さないc−GaN基板を用いて同様に作製したGaN系LED素子と同等であった。
以上の結果が示すように、c−GaN基板に含まれる欠陥集合領域は、驚くべきことではあるが、その上に形成される窒化物系LED素子の特性に特段の影響を及ぼさない。少なくとも、上記実験例における順方向電流60mAに相当する電流密度(約8.8×10Am−2)で使用される窒化物系LED素子は、欠陥集合領域の影響を受けて成長した半導体結晶が活性領域に含まれていても構わないと考えられる。
ここで、上記実験例における順方向電流60mAに相当する電流密度とは、次のように計算される。窒化物系LED素子における活性領域は、n型層およびp型層が発光層を挟んだ構造が形成された領域である。この領域の面積はメサ上面の面積に略等しく、上記実験例では約68000μmであった。従って、順方向電流が60mAのとき、活性領域における電流密度は約8.8×10Am−2となる。
図7は、上記手順にて作製したウェハから切り出した、タイプ‐BのLEDチップのI−L特性を示すグラフであって、横軸が順方向電流値(mA)、縦軸が全放射束(mW)を示す。図8は該チップのI−V特性を示すグラフであって、横軸が順方向電流値(mA)、縦軸が電圧値(V)を示す。いずれも、LEDチップに印加した電流はパルス電流である。図7、図8に示すように、タイプ‐BのLED素子において順方向電流を350mA程度まで増加させても、I−L特性およびI−V特性に異常な変化は見られなかった。
また、タイプ‐BのLEDチップに対して、CW(Continuous Wave)モードで100mAの順方向電流を24時間連続して印加した後に逆方向電圧(Vr)および逆方向電流(Ir)を測定したところ、Vrは30V超、Irは1×10−9A台であり、実用上問題となる電流リークは発生していなかった。なお、Vrは逆方向に10μAの電流を流すのに必要な電圧、Irは逆方向に5Vの電圧を印加したときに流れる電流とした。
また、順方向電流100mAをCWモードで24時間連続して印加する前と後の、タイプ‐BのLEDチップの順方向電圧と光出力は次のようになった。順方向電圧と光出力を測定する際にLEDチップに印加した電流は60mAである。
(好適な実施形態)
いうまでもないが、本発明の実施形態に係る窒化物系LED素子は、8.8×10Am−2よりも低い電流密度、例えば、6×10Am−2以下の電流密度で使用してもよい。低い電流密度での使用は、素子の寿命を延ばしたり、故障の発生確率を低下させるうえで好ましいだけでなく、いわゆる”efficiency droop”現象を抑制するうえでも効果的である。”efficiency droop”現象とは、活性領域の電流密度が高くなるにつれ内部量子効率が低下する現象であり、特に青色〜緑色発光するInGaN系LED素子において顕著であることが知られている。
c−GaN基板の欠陥集合領域の影響により窒化物半導体膜の表面に形成される平坦性低下領域は、LED素子の光取出し効率の向上に寄与している可能性がある。この点に間し、上記実験例で作製したタイプ‐BのLED素子に、順方向電流40mAを印加したときの発光パターンを図9(B)に示す。図9(A)は該LED素子の非点灯状態の光学顕微鏡像であり、像中上部側の窒化物半導体膜表面に平坦性低下領域が形成さている。図9(B)から分かるように、平坦領域に比べて該平坦性低下領域から強い光が出ていることが確認された。
一方、この平坦性低下領域における窒化物半導体膜の表面の***は、LED素子をフリップチップ実装しようとする場合には障害となるかも知れない。
本発明の実施形態に係る窒化物系LED素子を、フェースアップ実装(ジャンクションアップ実装)に適したものとするには、メサの上面に設ける電極を透光性電極とする。透光性電極の材料にはITO、IZO(インジウム亜鉛酸化物)、AZO(アルミニウム亜鉛酸化物)、GZO(ガリウム亜鉛酸化物)などのような透明導電性酸化物を好ましく用いることができる。
透光性電極の表面に部分的に設ける電極パッドの好ましい構成については、公知技術を適宜参照することができる。電極パッドの直下の領域で、透光性電極からメサに注入される電流の密度が局所的に著しく高くなるのを防止するために、この領域にはSiOのような絶縁性の無機材料からなる電流ブロック層を形成してもよい。この電流ブロック層は透光性電極と窒化物半導体の間に設ける。
c−GaN基板の厚さは特に限定されないが、ウェハ加工工程が完了するまでは300μm以上であることが望ましい。該工程の完了後、裏面にグラインディング加工、ラッピング加工、ポリッシング加工などを施すことによって、c−GaN基板の厚さは100μm以下にまで減じ得る。
光取出し効率を改善するためには、c−GaN基板の裏面(N極性面;−c面)を粗面(textured surface)とすることが有効である。GaN基板のN極性面は、KOHを用いたウェットエッチングあるいはPECによって粗化できる他、エッチングマスクを用いたドライエッチング加工によって粗化することもできる。
欠陥集合領域を有するc−GaN基板は十分な導電性を有するので、n側電極を該基板の裏面(N極性面;−c面)に形成することも可能である。
本発明の実施形態に係る窒化物系LED素子は、蛍光体のようなルミネッセント物質を励起するための光源として、好ましく用いることができる。例えば、本発明の実施形態に係る青色発光LED素子を黄色蛍光体と組み合せることにより、白色LEDを得ることができる。好ましい黄色蛍光体としては、YAG:Ceのような、Ceで付活されたガーネット系蛍光体が挙げられる。この白色LEDは、照明装置や、液晶表示装置のバックライトなどに、好ましく用いることができる。
なお、上述の実験例では平坦性低下領域として窒化物半導体膜の表面の少なくとも一部が***した形態を示したが、本願発明における平坦性低下領域はこれに限定されず種々の形態をとり得る。例えば、窒化物半導体膜の表面の少なくとも一部が、陥没した形態や表面荒れを有する形態などが考えられる。
本発明は、本明細書に記載された実施形態に限定されない。
(付記)
更に、次の発明を開示する。
(A1)
窒化物系発光ダイオード素子を光源として含むとともに、該窒化物系発光ダイオード素子に注入される電流を制御する制御回路を備える発光装置であって、
該窒化物系発光ダイオード素子は、一部に欠陥集合領域を含むc−GaN基板と、該基板上にエピタキシャル成長した窒化物半導体膜とを有しており、該窒化物半導体膜には該c−GaN基板側からn型層、発光層、p型層をこの順に含むメサが形成されており、該欠陥集合領域の影響により該窒化物半導体膜の表面に形成された平坦性低下領域が該メサの上面に含まれており、該メサ上には該平坦性低下領域の少なくとも一部を覆う電極が形成されており、
該窒化物系発光ダイオード素子に注入される電流の密度が該制御回路によって8.8×10Am−2以下にされている、
ことを特徴とする発光装置。
(A2)
更に、上記窒化物系発光ダイオード素子が放出する光を吸収して、この光とは異なる波長の光を放出するルミネッセント物質を含む、(A1)に記載の発光装置。
(A3)
上記ルミネッセント物質が蛍光体を含む、(A2)に記載の発光装置。
(A4)
上記蛍光体が黄色蛍光体を含む、(A3)に記載の発光装置。
(A5)
上記黄色蛍光体がCeで付活されたガーネット系蛍光体を含む、(A4)に記載の発光装置。
(A6)
(A1)〜(A5)のいずれか一つに記載の発光装置を用いた照明装置。
(A7)
(A1)〜(A5)のいずれか一つに記載の発光装置を用いた表示装置。
100 窒化物系LED素子
10 GaN基板
20 窒化物半導体膜
20A メサ
21 n型層
22 発光層
23 p型層
E1 透光性電極
E2 p側電極パッド
E3 n側電極パッド

Claims (8)

  1. 一部に欠陥集合領域を含むc−GaN基板上に窒化物半導体膜がエピタキシャル成長しており、
    該窒化物半導体膜には該c−GaN基板側からn型層、発光層、p型層をこの順に含むメサが形成されており、
    該欠陥集合領域の影響により該窒化物半導体膜の表面に形成された平坦性低下領域が該メサの上面に含まれており、
    該メサ上には該平坦性低下領域の少なくとも一部を覆う電極が形成されている、窒化物系発光ダイオード素子。
  2. 上記平坦性低下領域では上記窒化物半導体膜の表面の少なくとも一部が***している、請求項1に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
  3. 上記電極が透光性電極であり、該透光性電極の一部上にはp側電極パッドが形成されている、請求項2に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
  4. 上記p側電極パッドの直下に、上記透光性電極から上記メサへの電流注入を阻害する電流ブロック層が形成されている、請求項3に記載の窒化物系発光ダイオード素子。
  5. 一部に欠陥集合領域を含むc−GaN基板上に、エピタキシャル成長によって、該c−GaN基板側からn型層、発光層、p型層をこの順に含む多層構造の窒化物半導体膜を形成する第1工程と、
    該窒化物半導体膜の一部を該n型層が露出するまでエッチングすることによって、該n型層、該発光層および該p型層を含むメサを該窒化物半導体層に形成する第2工程と、を有し、
    該第1工程において該欠陥集合領域の影響により該窒化物半導体膜の表面に形成される平坦性低下領域が、該メサの上面に含まれるように、該第2工程のエッチングを行う、窒化物系発光ダイオード素子の製造方法。
  6. 上記平坦性低下領域では該窒化物半導体膜の上面の少なくとも一部が***している、請求項5に記載の製造方法。
  7. 上記第2工程の後、上記メサの上面に、その略全体を覆う透光性電極を形成するとともに、該透光性電極の一部上にp側電極パッドを形成する、請求項6に記載の製造方法。
  8. 上記p側電極パッドの直下に、上記透光性電極から上記メサへの電流注入を阻害する電流ブロック層を形成する、請求項7に記載の製造方法。
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