JP2012530127A - ナノ粒子のカンデサルタンシレキセチル組成物、その調製方法及びそれらを含有する医薬組成物 - Google Patents

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Abstract

本発明は、ナノ構造の(ナノ粒子状の)カンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル又は共結晶組成物、その調製方法、及びそれらを含有する医薬組成物を対象とする。本発明のカンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル又は共結晶のナノ粒子は、約500nm未満の平均粒径を有する。カンデサルタンシレキセチルはプロドラッグであり、胃腸管から吸収される際にカンデサルタンに加水分解される。カンデサルタンは、選択的AT1サブタイプアンギオテンシンII受容体アンタゴニストである。

Description

本発明は、ナノ構造の(ナノ粒子状の)カンデサルタン(Candesartan)又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル又は共結晶組成物、その調製方法、及びそれらを含有する医薬組成物を対象とする。
本発明のカンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル又は共結晶のナノ粒子は、約500nm未満の平均粒径を有する。カンデサルタンシレキセチルはプロドラッグであり、胃腸管から吸収される際にカンデサルタンに加水分解される。カンデサルタンは、選択的AT1サブタイプアンギオテンシンII受容体アンタゴニストである。
A.ナノ粒子形成/生成に関する背景
医薬品としての適用のためのナノ粒子の開発は、薬物送達系に合わせてカスタマイズされた溶液剤を開発する新規技術の振興に取り組むものである。薬物送達系は、身体における薬物又は他の関連化学物質の吸収、分布、代謝及び***速度に良い影響を与えるべきである。さらに薬物送達系は、薬物をその標的受容体に結合させ、受容体のシグナル伝達及び活性に影響を及ぼすべきである。薬物送達材料は、特定の薬物と相溶性があり、容易に結合し、使用後は、正常な***経路を介して代謝又は排出される断片に分解され得るべきである。
異なる一手法は、活性成分(API)をナノ粒子の形態で生成することである。
ナノ粒子及びミクロサイズの粒子組成物は、例えばUS20080058399、WO2008030161及びUS20060165806に記載されている。
APIナノ粒子は、当技術分野で公知の、例えば製粉、ホモジナイズ、沈殿技術、又は超臨界流体技術を使用して生成することができる。ナノ粒子組成物の生成方法は、US5,718,388、US5,862,999、US5,665,331、US5,543,133、US5,534,270にも記載されている。
B.カンデサルタンシレキセチルに関する背景
非ペプチドであるカンデサルタンシレキセチルは、化学的には(±)−1−ヒドロキシエチル2−エトキシ−1−[p−(o−1H−テトラゾール−5−イルフェニル)ベンジル]−7−ベンズイミダゾールカルボキシレート、シクロヘキシルカーボネート(エステル)と記載される。
その実験式はC3334であり、構造式は、
Figure 2012530127

である。
カンデサルタンシレキセチルは、白色からオフホワイト色の粉末であり、610.67の分子量を有する。カンデサルタンシレキセチルは、実質的に水不溶性であり、メタノールにわずかに可溶性である。カンデサルタンシレキセチルは、シクロヘキシルオキシカルボニルオキシエチルエステル基において1つのキラル中心を含有するラセミ混合物である。経口投与後、カンデサルタンシレキセチルは、エステル結合において加水分解されて、アキラルである活性な薬物、カンデサルタンを形成する。
その調製方法は、例えば、WO/2008/035360、WO/2007/147514、WO/2008/062047に記載されている。
カンデサルタンシレキセチルは、4mg、8mg、16mg又は32mgのカンデサルタンシレキセチルを含有する錠剤として経口使用に利用可能であり、以下の不活性な成分、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリエチレングリコール、ラクトース、トウモロコシデンプン、カルボキシメチルセルロースカルシウム及びステアリン酸マグネシウムを含有する。8mg、16mg及び32mgの錠剤には、着色剤として酸化鉄(赤色がかった褐色)が添加されている。
薬理学的特性
カンデサルタンシレキセチルは、胃腸管から吸収される際にエステル加水分解によって、急速且つ完全に選択的AT1サブタイプアンギオテンシンII受容体アンタゴニストであるカンデサルタンに生理活性化される。カンデサルタンは主に、尿中及び糞中(胆汁によって)にそのまま排出される。カンデサルタンは、O−脱エチル化による肝臓の代謝をわずかに受けて、不活性な代謝産物になる。カンデサルタンの排出半減期は約9時間である。単回反復投与後、カンデサルタンの薬物動態は、カンデサルタンシレキセチルの経口用量32mgまで線形である。カンデサルタン及びその不活性な代謝産物は、1日1回の反復投与では血清内に蓄積しない。
カンデサルタンシレキセチルの投与後、カンデサルタンの絶対的な生体利用能は15%と推定された。錠剤の摂取後、ピーク血清濃度(Cmax)は、3〜4時間後に達する。高脂肪含量の食品は、カンデサルタンシレキセチルの投与後のカンデサルタンの生体利用能には影響を及ぼさない。
代謝及び排出
カンデサルタンの総血漿クリアランスは0.37mL/分/kgであり、腎クリアランスは0.19mL/分/kgである。カンデサルタンが経口投与される場合、用量の約26%は、尿中にそのまま排出される。14C−標識化カンデサルタンシレキセチルの経口投与後、放射活性の約33%が尿中に、約67%が糞中に回収される。14C−標識化カンデサルタンの静脈内投与後、放射活性の約59%が尿中に、約36%が糞中に回収される。胆汁による排出は、カンデサルタンの排除に寄与する。
分布
カンデサルタンの分布体積は0.13L/kgである。カンデサルタンは、血漿タンパク質に高度に結合し(>99%)、赤血球に浸透しない。タンパク質結合は、推奨用量で達成される範囲をはるかに超えるカンデサルタンの血漿濃度において一定である。ラットでは、カンデサルタンは、仮にあるとしても血液脳関門を横断しにくいことが実証されている。またラットでは、カンデサルタンは胎盤関門を横断し、胎児に分布することが実証されている。
副作用
患者(合計7510人)でのあらゆる試験における有害事象に起因する退薬率は、単剤療法としてカンデサルタンシレキセチルで処理した患者の3.3%であり(即ち、3260人中108人)、プラセボで処理した患者の3.5%(即ち、1106人中39人)であった。
カンデサルタンシレキセチルによる療法の中断の最も一般的な理由は、頭痛(0.6%)及び浮動性めまい(0.3%)であった。
プラセボ対照臨床試験において、カンデサルタンシレキセチルで処理した患者の少なくとも1%に生じ、プラセボ(n=1027)患者よりもカンデサルタンシレキセチル(n=2350)患者において高い発症率で生じた有害事象には、背痛(3%対2%)、浮動性めまい(4%対3%)、上気道感染症(6%対4%)、咽頭炎(2%対1%)及び鼻炎(2%対1%)が含まれていた。
カンデサルタン及びカンデサルタンシレキセチルは水不溶性であり、生体利用能が低いので、従来の慣習的なカンデサルタンシレキセチル製剤に関連する問題を克服するために、親油性/生体利用能の強化/吸収の増大/副作用の低減/投与量の低減/急速な作用発現が、当技術分野では必要とされている。さらにこれらの問題は、カンデサルタンシレキセチルの表面を改質して初回通過効果を低減し、又は代謝を改質することによって解決することができる。カンデサルタンシレキセチルの従来の製剤の他に、経皮適用によって、カンデサルタンシレキセチルの所望の効果を達成するのに必要な時間を低減することができる。本発明は、この需要を満たすものである。
本発明は、親油性/生体利用能の強化/吸収及び溶解速度の増大/副作用の低減/投与量の低減/急速な作用発現を伴う、ナノ粒子のカンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、及び共結晶組成物を記載する。
以下の例に例示する通り、安定剤のすべての組合せが安定なナノ粒子を形成するわけではない。安定なカンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル又は共結晶のナノ粒子は、選択された安定剤を使用して、マイクロ流体系の連続流による方法によって生成され得ることが発見された。
10mg/kgのナノ構造及び参照試験物質の経口投与後のカンデサルタンシレキセチルの血清濃度。 カンデサルタンシレキセチルの可溶性の強化。 参照カンデサルタンシレキセチル及びナノ構造のカンデサルタンシレキセチルの溶解比較試験。 参照カンデサルタンシレキセチル及び本発明のナノ構造のカンデサルタンシレキセチル組成物のX線ディフラクトグラム。 蒸留水におけるナノ構造のカンデサルタンシレキセチルの即時再分散性。 再分散の前及び後のカンデサルタンシレキセチルナノ粒子の大きさ及びサイズ分布。 異なる安定剤を使用する、カンデサルタンシレキセチルナノ粒子の粒径及びサイズ分布。 カンデサルタンシレキセチルナノ粒子の粒径及びサイズ分布に対する流速の効果。 カンデサルタンシレキセチルナノ粒子の粒径及びサイズ分布に対する流速の効果。 (表1)カンデサルタンシレキセチルの粒径に対する流速の効果。
本発明は、
(a)約500nm未満の平均粒径を有する、ナノ粒子のカンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル又は共結晶、及び
(b)少なくとも1つの安定剤
を含み、連続流反応器内で調製される安定なナノ粒子組成物を含む。
本発明の組成物は、連続流反応器内で、好ましくはマイクロ流体系の連続流反応器内で調製される。
本発明の組成物では、カンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶の平均粒径は、500nm〜50nmである。
本発明の組成物では、(a)カンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶は、カンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶と他の添加剤を含まない少なくとも1つの安定剤との混合総重量に対して、重量で約99.5%〜約0.001%、約95%〜約0.1%、及び約90%〜約0.5%からなる群から選択される量で存在し、(b)安定剤は、カンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶と他の添加剤を含まない少なくとも1つの安定剤との混合総乾燥重量に対して、重量で約0.5%〜約99.999%、約5.0%〜約99.9%、及び約10%〜約99.5%からなる群から選択される量で存在し、又は(c)(a)及び(b)の組合せである。
本発明の組成物では、カンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶は、結晶相、非晶質相、半結晶相、半非晶質相及び共結晶、並びに任意の多形体でのその混合物として使用することができる。
本発明の組成物の調製では、安定剤には、非イオン性、アニオン性、カチオン性、イオン性が含まれ、双性イオン性界面活性剤を使用することができる。本発明では、2つ以上の安定剤の組合せを使用することができる。本発明で使用できる有用な安定剤には、それに限定されるものではないが、公知の医薬品用の有機及び無機添加剤が含まれる。かかる添加剤(賦形剤)には、様々なポリマー、低分子量オリゴマー、天然産物及び界面活性剤が含まれる。
安定剤の代表例には、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ラウリル硫酸ナトリウム、ゼラチン、デキストラン、ステアリン酸、グリセロールモノステアレート、セトステアリルアルコール、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル(例えば、Tween(登録商標)20及びTween(登録商標)80(ICI Speciality Chemicals)などの、例えば市販のTween(登録商標)製品;ポリエチレングリコール(例えば、Carbowax(登録商標)3550及び934(Union Carbide)、ポリ(メタ)アクリレート系ポリマー及びコポリマー(Eudargit(登録商標))、1−エテニル−2−ピロリジノンとの酢酸エテニルエステルポリマー(PVP/VAコポリマー)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トコフェリルポリエチレングリコールスクシネート、ポリエトキシ化ヒマシ油及びその誘導体、ポリオキシエチレンステアリン酸エステル、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ポリビニルアルコール(PVA)、エチレンオキシド及びホルムアルデヒドとの4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマー(チロキサポール、スペリオン(superione)及びトリトンとしても公知)、ポロキサマー(例えば、エチレンオキシド及びプロピレンオキシドのブロックコポリマーであるPluronics);ポロキサミン(例えば、プロピレンオキシド及びエチレンオキシドをエチレンジアミンに逐次的に付加することによって得られる四官能性ブロックコポリマーである、Poloxamineとしても公知のTetronic(BASF Wyandotte Corporation、ニュージャージー州Parsippany));PEG−リン脂質、PEG−コレステロール、PEG−コレステロール誘導体、PEG−ビタミンA、PEG−ビタミンE、リゾチーム、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、ポリ(メチルビニルエーテル)、Plasdone S630などのビニルピロリドン及び酢酸ビニルのランダムコポリマー等が含まれる。
有用なイオン性安定剤の例には、それに限定されるものではないが、ポリマー、生体用ポリマー、多糖、セルロース、アルギン酸塩、リン脂質、及び双性イオン性安定剤などの非ポリマー性化合物、ポリ−n−メチルピリジニウム、塩化アントリル(anthryul)ピリジニウム、カチオン性リン脂質、キトサン、ポリリジン、ポリビニルイミダゾール、ポリブレン、ポリメチルメタクリレートトリメチルアンモニウムブロミドブロミド(PMMTMABr)、塩化ベンザルコニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウム、臭化ヘキシルデシルトリメチルアンモニウム(HDMAB)、及びポリ(ビニルピロリドン)−2−ジメチルアミノエチルメタクリレートジメチルスルフェートが含まれる。
本発明の組成物の利点には、それに限定されるものではないが、(1)錠剤又は他の固体剤形の大きさがより小さく、有益な経皮/外用適用をもたらすこと、(2)慣習的なカンデサルタンシレキセチルの形態と比較して、同じ薬理学的効果を得るのに必要な薬物の用量が少ないこと、(3)慣習的なカンデサルタンシレキセチルの形態と比較して、生体利用能が高いこと、(4)薬物動態プロファイルが改善されていること、(5)慣習的な同じ活性化合物の形態と比較して、カンデサルタン又はカンデサルタンシレキセチルナノ粒子の溶解速度が速いこと、(6)カンデサルタン又はカンデサルタンシレキセチルナノ粒子の代謝が改質されていることが含まれる。
本発明の組成物の調製では、1つ若しくは複数の安定剤を使用する連続的な溶媒−逆溶媒沈殿、又は連続的な化学的沈殿によって、ナノ粒子を形成するステップを含む方法を使用することができる。
本発明の別の態様は、連続流反応器内で、1つ又は複数の安定剤を含むカンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチルの適切な溶液から、所望に応じて薬学的に許容される酸又は塩基の存在下でナノ構造のカンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶を沈殿させるステップを含む、ナノ構造のカンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶を調製する方法である。
連続流反応器として、マイクロ流体系の連続流反応器を使用することができる。
使用されるマイクロ流体系の連続流反応器は、I.Hornyak、B.Borcsek及びF.Darvasによる刊行物「マイクロ流体ナノ流体(Microfluid Nanofluid)」DOI 10.1007/s10404−008−0257−9に記載されている。
好ましくは、この方法は、(1)カンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル及び任意選択により1つ又は複数の安定剤を適切な溶媒に溶解するステップと、(2)ステップ(1)の製剤を、1つ又は複数の安定剤(単数又は複数)を含む溶液に、及び所望に応じて薬学的に許容される酸又は塩基に添加するステップと、(3)ステップ(2)から製剤を沈殿させるステップによって実施することができる。
或いは、この方法は、(1)カンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル及び1つ又は複数の安定剤を適切な溶媒に溶解するステップと、(2)ステップ(1)の製剤を、任意選択により1つ又は複数の安定剤を含む溶液に、及び所望に応じて薬学的に許容される酸又は塩基に添加するステップと、(3)ステップ(2)から製剤を沈殿させるステップによって実施されてもよい。
溶媒として、(a)互いに混和するが、その一方にしか溶解しない2つの異なる溶媒を使用することができ、又は(b)カンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチルが実質的にナノ構造の粒子を形成する2つのステップにおいて同じ溶媒を使用することができ、但し、適用される安定剤(単数又は複数)は、使用する溶媒に溶解するという制限が付く。
かかる溶媒は、ジメチルスルホキシド、エタノール、i−プロパノール、テトラヒドロフラン、アセトン、メタノール、好ましくはピリジンであってよい。
ナノ粒子のカンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶の粒径は、使用する溶媒、流速、及びカンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶と安定剤の比によって影響を受けることがある。
本発明の別の態様は、生物学的に関連する媒体、例えば生理食塩水、pH=2.5のHCl溶液における、カンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶のナノサイズの固体形態の良好な/即時再分散性を対象とする。
本発明の別の態様は、本発明の安定なナノ粒子のカンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又はその共結晶組成物、及び任意選択により薬学的に許容される補助材料を含む医薬組成物である。
本発明の医薬組成物は、(a)経口、肺、直腸、結腸、非経口、大槽内、腟内、腹腔内、眼、耳、局所、頬側、経鼻及び外用投与からなる群から選択される投与に合わせて製剤化され、(b)液体分散剤、ゲル剤、エアゾール剤、軟膏剤、クリーム剤、凍結乾燥させた製剤、錠剤、カプセル剤からなる群から選択される剤形に製剤化され、(c)制御放出製剤、急速溶融製剤、遅延放出製剤、延長放出製剤、拍動的放出製剤、並びに即時放出及び制御放出の混合製剤からなる群から選択される剤形に製剤化され、又は(d)(a)、(b)及び(c)の任意の組合せに製剤化され得る。
組成物は、固体、液体での経口投与、腟内、直腸、局所(散剤、軟膏剤又はドロップ剤)、又は外用投与等のための様々な種類の添加剤(賦形剤)を添加することによって製剤化することができる。
本発明の好ましい剤形は、固体又は液体(クリーム/軟膏)剤形であるが、任意の薬学的に許容される剤形を利用することができる。
ヒトの身体への経口送達のために、ナノ粒子をそれらの水性分散液として、最終的な剤形として投与することもできる。これは、ナノ粒子の形成後のさらなる処理なしに送達する一手段である。しかし、水性環境における薬物若しくはポリマーの安定性の低さ、又は薬物の味の悪さにより、コロイド粒子を固体剤形に、即ちカプセル剤及び錠剤に組み込む必要があり得る。
或いは、例えば適切な充填剤をコロイド分散液と共に造粒して造粒物(granulation)を形成することによって、コロイド粒子の水性分散液を液体として固体剤形に組み込むことができる。その後、かかる顆粒はカプセルに充填され、又は錠剤に圧縮され得る。或いは、例えば流動床内の担体としての糖ペレット(sugar−pellet)上に、分散液を積層することによって、ナノ粒子の固体形態を生成することができる。錠剤のコア、又は顆粒若しくはペレットのこれらの製造方法では、その後コーティングステップを実施することにより、フィルムコーティングされた錠剤又はカプセル剤におけるフィルムコーティングされた顆粒を最終的な剤形として提示する潜在的な可能性が生じ得る。
非経口注入に適した組成物は、生理的に許容される水性又は非水性の滅菌溶液剤、分散剤、懸濁剤又はエマルジョン、及び注入可能な滅菌溶液剤又は分散剤に再構成するための滅菌散剤を含むことができる。適切な水性及び非水性の担体、賦形剤(希釈剤)、溶媒又はビヒクルの例には、水、エタノール、ポリオール(プロピレングリコール、ポリエチレン−グリコール、グリセロール等)、適切なその混合物、植物油(オリーブ油など)及びオレイン酸エチルなどの注入可能な有機エステルが含まれる。適切な流動性は、例えばレシチンなどのコーティングを使用すること、分散剤の場合には必要な粒径を維持すること、及び界面活性剤を使用することによって維持することができる。
経口投与のための固体剤形には、それに限定されるものではないが、カプセル剤、錠剤、丸剤、散剤及び顆粒が含まれる。かかる固体剤形では、活性剤は、以下の(a)クエン酸ナトリウム又はリン酸二カルシウムなどの1つ又は複数の不活性な添加剤(賦形剤)(又は担体)、(b)デンプン、ラクトース、スクロース、グルコース、マンニトール及びケイ酸などの充填剤又は増量剤、(c)カルボキシメチルセルロース、アルギン酸塩、ゼラチン、ポリビニルピロリドン、スクロース及びアカシアなどの結合剤、(d)グリセロールなどの湿潤剤、(e)寒天、炭酸カルシウム、バレイショ又はタピオカデンプン、アルギン酸、特定の複合ケイ酸塩及び炭酸ナトリウムなどの崩壊剤、(f)パラフィンなどの溶解遅延剤、(g)第4級アンモニウム化合物などの吸収促進剤、(h)セチルアルコール及びグリセロールモノステアレートなどの湿潤剤、(i)カオリン及びベントナイトなどの吸着剤、並びに(j)タルク、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウム、固体ポリエチレングリコール、ラウリル硫酸ナトリウム又はその混合物などの滑沢剤の少なくとも1つと混合される。カプセル剤、錠剤及び丸剤では、剤形は、緩衝剤を含むこともできる。
経口投与のための液体剤形には、薬学的に許容されるエマルジョン、溶液剤、懸濁剤、シロップ及びエリキシル剤が含まれる。液体剤形は、カンデサルタン又はカンデサルタンシレキセチルに加えて、水又は他の溶媒、可溶化剤及び乳化剤などの、当技術分野で一般に使用される不活性賦形剤(希釈剤)を含むことができる。例示的な乳化剤は、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、炭酸エチル、酢酸エチル、ベンジルアルコール、安息香酸ベンジル、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジメチルホルムアミド、綿実油、落花生油、トウモロコシ胚芽油、オリーブ油、ヒマシ油及びゴマ油などの油、グリセロール、テトラヒドロフルフリルアルコール、ポリエチレングリコール、ソルビタンの脂肪酸エステル、又はこれらの物質の混合物等である。
かかる不活性賦形剤(希釈剤)以外では、組成物は、湿潤剤、乳化剤及び懸濁化剤、甘味剤、香味剤、並びに賦香剤などのアジュバントを含むこともできる。
本発明の医薬組成物は、慣習的なカンデサルタンシレキセチルの形態と比較して、親油性/生体利用能の強化/吸収及び溶解速度の増大/副作用の低減/投与量の低減/より急速な作用発現を示す。
本発明はまた、本明細書に開示の新規なカンデサルタン及びカンデサルタンシレキセチルナノ粒子を用いる、高血圧の治療方法を対象とする。
A.本発明のカンデサルタン及びカンデサルタンシレキセチルナノ粒子の好ましい特徴
1.高い生体利用能
本発明のナノ粒子のカンデサルタンシレキセチル組成物は、従来公知の慣習的なカンデサルタンシレキセチル製剤と比較して、高い生体利用能及び必要用量の低減を示すことが提案される。
(例1)
絶食状態の雄性Sprague−Dawleyラットのインビボ薬物動態試験:参照としての活性な医薬品成分とナノ構造のカンデサルタンシレキセチルの比較
実験プロトコル
絶食状態の雄性Sprague−Dawleyラットにおけるインビボ薬物動態の比較試験
参照カンデサルタンシレキセチルの単回経口用量を10mg/kgとし、ナノ構造のカンデサルタンシレキセチル製剤の単回経口用量を、10mg/kgの活性剤に相当する53.3mg/kgとした。両方の試験物質を、胃管を介して5ml/kgの投与体積で投与した。試験品目のビヒクルは0.9%NaCl滅菌溶液とし、処理中、継続的に撹拌することによって懸濁液を均質に保ち、沈降から生じる誤差を最小限に抑えた。
動物
雄性Wistarラット(Laboratory Animal Center、University of Szegedから購入)を、温度及び光制御条件下で水道水を自由に摂取できるようにし、げっ歯類用の標準ペレット食(Bioplan Ltd、Isaszeg、ハンガリー)で維持した。順化期間は少なくとも4日とした。ラットを、各群6匹の複数群に無作為化し、各群を使用して、カンデサルタンシレキセチル処理後の様々な時間に採血した。すべての動物を、経口処理前に16時間絶食させた。動物をハロタンで麻酔し、カンデサルタンシレキセチル処理の15、30、60、120及び360分後に、心穿刺によって血液を採取した。すべての動物について、処理後すぐに水を摂取できるようにした。最後の群のラット(360分後に屠殺した)には、処理の120分後にげっ歯類用の標準食を摂取できるようにした。60分以内に凝固血液を遠心分離(7000rpm、10分、4℃)することによって血清試料を調製し、分析まで−20℃で保存した。
試料調製
一定分量200μlの血清を、内部標準の使用溶液20μl及びタンパク質の沈殿のためのメタノール1.2mlと混合した。混合物を1分間ボルテックスし、4℃において12000rpmで10分間遠心分離にかけた。上清を、窒素流の下で40℃において蒸発乾固させ、水−メタノール(50:50v/v)200μlで再構成し、20μlをHPLC系に注入した。カンデサルタンの血清濃度は、酵素的加水分解によってカンデサルタンシレキセチルから調製したカンデサルタンから設定した標準曲線を使用して決定した。
統計的分析
統計的分析及びグラフ描画を、GraphPad Prism 4.0(GraphPad Software、USA、サンディエゴ)で実施した。
結果
参照の活性な医薬品及びナノ構造のカンデサルタンシレキセチルの両方の処理によって、10mg/kgの活性な試験物質の経口投与後に、15〜360分の間隔で二相性プロファイルを示す検出可能な血清カンデサルタン濃度が得られた。ナノ構造の処方からのカンデサルタンシレキセチルの吸収は、参照物質の投与後よりも明らかに急速であり、完全である。ナノ構造のカンデサルタンシレキセチルによる処理後、カンデサルタンの最大血清濃度(Cmax)は7.071±1.152μg/mlであったが、参照調製物では1.612±0.248μg/mlであった。さらにCmaxは、早期の時点で観測された(参照及びナノ構造の製剤について、それぞれtmax=120分及び30分)。
15〜360分の血清濃度曲線下面積(AUC15〜360分)を算出して、試験品目の吸収度を特徴付けた。ナノサイズの処方は非常に急速に吸収されるため、15〜120分で同じパラメーターを算出して(AUC15〜120分)、初期の曝露を特徴付けた。AUC15〜360分は、参照化合物及びナノ構造の処方について、それぞれ420.2μg分/ml及び677.3μg分/mlであり、AUC15〜120分は、120.8μg分/ml及び495.2μg分/mlであった。全試験期間の2つのAUC値の比(AUC15〜360分(ナノサイズ)/AUC15〜360分(参照))は1.6であったが、処理の最初の2時間では(AUC15〜120分(ナノサイズ)/AUC15〜120分(参照))、4.1であった(図1)。
図1:10mg/kgのナノ構造及び参照試験物質の経口投与後のカンデサルタンシレキセチルの血清濃度
2.本発明のナノ粒子のカンデサルタンシレキセチル組成物の溶解プロファイル
本発明のナノ粒子のカンデサルタン及びカンデサルタンシレキセチル組成物は、小さい粒径及び独特のナノ構造の粒子形成に起因して、高い溶解度及び溶解プロファイルを有する。より急速な溶解は、一般に、より急速な作用発現及び高い生体利用能をもたらすため、投与される活性剤が急速に溶解することが好ましい。
(例2)
実験プロトコル
溶解度(Cmax)の決定
参照APIと比較したナノ構造のカンデサルタンシレキセチルの溶解度を、蒸留水中、UV−VIS測定(Agilent 8453)によって波長254nm及び室温で決定した。0.20μmの使い捨てシリンジフィルターによって、再分散した試料を濾過した。溶液中のナノ粒子の存在を調べるために、赤色レーザーポインターを波長670nmで操作してその溶液に照射した。散乱が観測されなかった場合は、濾過が成功し、溶液はナノ粒子を含有していないものとした。
溶解試験
参照カンデサルタンシレキセチル5mgと、カンデサルタンシレキセチル5mgを含有するナノ構造のカンデサルタンシレキセチル粉末26.6mgとを、蒸留水10mLに再分散させることによって、溶解試験を実施した。懸濁液を、1、5、10、15、20及び30分間撹拌し、次いでそれを0.2μmの使い捨てシリンジフィルターによって濾過した。カンデサルタンシレキセチル濃度を、UV−VIS分光光度計(Agilent 8453)によって決定した。
結果
maxの決定
ナノ構造のカンデサルタンシレキセチルの溶解度を決定するために、再分散性試験を実施した。再分散したナノ構造のカンデサルタンシレキセチルの粒径は、強度に基づく平均では479nmであり、数平均では422nmであった。d(90)値は、強度に基づく平均及び数平均で、それぞれ627nm及び547nmであった。ナノ構造のカンデサルタンシレキセチルの溶解度は0.4836mg/mLであった(図2)。
図2:カンデサルタンシレキセチルの溶解度の増大
溶解比較試験
例6のナノ構造のカンデサルタンシレキセチルの即時再分散性に起因して、組成物のカンデサルタンシレキセチル含量の25%超が、再分散の際にすぐに溶解する。10分以内に、再分散したナノ構造の粒子を含有する溶液は、その飽和状態に達し、溶解したカンデサルタンシレキセチルの含量は、ナノ構造のカンデサルタンシレキセチルの溶解度との良好な相関において0.4836mg/mLになる(図3)。
蒸留水中の参照カンデサルタンシレキセチルの含量は、UV−VIS方法では検出することができない。
図3:参照カンデサルタンシレキセチル及びナノ構造のカンデサルタンシレキセチルの溶解比較試験
3.本発明のナノ粒子のカンデサルタンシレキセチル組成物の非晶質/部分結晶/結晶/多形/共結晶状態による溶解度の増大
固体薬物の化学的安定性は、薬物の結晶状態によって影響を受ける。多くの薬物物質は、多形を示す。それぞれの結晶状態は、異なる化学反応性を有する。薬物のそれらの非晶質形での安定性は、非晶質状態の自由エネルギーレベルが高いことから、それらの結晶形の薬物の安定性よりも一般に低い。
粉砕などの機械的ストレスによってもたらされる固体薬物の化学的安定性の低下は、結晶状態の変化によるものである。
固体薬物の化学的安定性は、表面積の差異により、薬物の結晶状態の影響も受ける。薬物の固体表面上で進行する反応について、表面積の増加は、反応に関与する薬物の量を増大し得る。
(例3)
結晶学的構造の決定
本発明の安定な部分結晶、結晶、多形体又は非晶質のナノ構造のカンデサルタンシレキセチル組成物は、参照結晶と比較して、その表面積の広さに起因して著しく高い溶解度を示す。
連続流ナノ沈殿法によって調製されたカンデサルタンシレキセチル粒子の構造を、X線回折分析(Philips PW1050/1870 RTG粉末回折計)によって調査した。測定によって、ナノ構造のカンデサルタンシレキセチル組成物は、部分結晶又は非晶質であることが示された(図4参照)。ナノサイズのカンデサルタンシレキセチルのXRDディフラクトグラムによって、結晶カンデサルタンシレキセチルの特徴的な反射を見出すことができるものの、強度は低い(図4a)。
図4:参照カンデサルタンシレキセチル及び本発明のナノ構造のカンデサルタンシレキセチル組成物のX線ディフラクトグラム
4.本発明のナノ粒子のカンデサルタンシレキセチル組成物の再分散性プロファイル
本発明のナノ粒子のカンデサルタンシレキセチル組成物のさらなる特徴は、界面活性剤(単数又は複数)/ポリマー(単数又は複数)によって安定化した乾燥ナノ粒子が、即座に、又はマンニトール、スクロースなどの従来の再分散剤を使用することによって再分散できるということである。
(例4)
ナノ構造のカンデサルタンシレキセチル粉末の再分散化は、ナノサイズのカンデサルタンシレキセチル粉末5mgを、蒸留水5mLに分散させることによって実施した。固体ナノ構造の粉末を蒸留水へ添加後に、バイアルを手動で穏やかに振とうさせて、図5に示す通り、ナノ構造のカンデサルタンシレキセチル粒子のコロイド分散液を得た。再分散した粒子の粒径及びサイズ分布は、図6に示すことができる。
図5:蒸留水におけるナノ構造のカンデサルタンシレキセチルの即時再分散性。
図6:再分散の前及び後のカンデサルタンシレキセチルナノ粒子の大きさ及びサイズ分布。
5.本発明のナノ粒子のカンデサルタンシレキセチル組成物の吸収及び透過性プロファイルを増大する親油性の強化
細胞膜のリン脂質性に起因して、経口投与後に腸管壁から吸収されるだけでなく、標的組織においてその薬理学的作用を発揮することができる薬物化合物には、特定の度合いの親油性が必要とされることが多い(F.Kesisoglouら、「薬物送達の進展の概説(Advanced Drug Delivery Reviews)」59(2007年)631〜644頁)。
カンデサルタン及びカンデサルタンシレキセチルの親油性は、沈殿する際に、親油性の安定剤又は/及びポリマー主鎖上に親油性側鎖基を有する安定剤及び/又は両親媒性安定剤を使用することによって増大することができる。適用される安定剤の親油性の性質又は親油性の側鎖基に起因して、本発明のカンデサルタン及びカンデサルタンシレキセチルナノ粒子の親油性だけでなく、吸収及び透過性が増大し得る。
例えばキトサンを使用して、経粘膜の吸収強化に起因する腸上皮の傍細胞透過性を増大することができる。
薬物送達の目的で使用される大部分の両親媒性コポリマーは、疎水性セグメントとしてポリエステル又はポリ(アミノ酸)誘導体のいずれかを含有する。医薬品の対象となるポリエーテルの大部分は、ポロキサマーファミリー、即ちポリプロピレングリコール及びポリエチレングリコールのブロックコポリマーに属する。
6.本発明のナノ粒子のカンデサルタンシレキセチル組成物の急速な表面湿潤プロファイル
カンデサルタン及びカンデサルタンシレキセチルが溶解するためには、まずその表面が周りの流体によって湿潤されなければならない。ナノサイズの非晶質/結晶/多形形態は、安定剤(単数又は複数)及び活性な医薬品成分の性質により、疎水性及び親水性の相互反応を発現する化学的に無作為化された表面を有し、それによって湿潤性を改善することができる。本発明のカンデサルタン及びカンデサルタンシレキセチルナノ粒子の表面が、親水性の基/安定剤(単数又は複数)によって官能化される場合、親水性(hydrophility)が高度であるほど、元の結晶形と比較して表面は急速に湿潤し、急速に溶解する。本発明のカンデサルタン及びカンデサルタンシレキセチルナノ粒子のこの進化した特性は、再分散性試験の結果によって支持される(図4参照)。より大きい表面、ナノ粒子の多形の特徴、及び安定剤(単数又は複数)(例えば、ポロキサマー−Pluronic PE10500)の親水性基に起因して、表面の湿潤は、結晶形の湿潤よりも急速である。
B.組成物
本発明は、立体的に及び/又は静電気的に粒子を安定にする少なくとも1つの安定剤を含む、ナノサイズのカンデサルタン及びカンデサルタンシレキセチルナノ構造粒子の形成を提供する。
安定剤は、好ましくは、カンデサルタン及びカンデサルタンシレキセチルと関連又は相互作用するが、カンデサルタン及びカンデサルタンシレキセチル又は安定剤自体とは化学的に反応しない。
本発明のカンデサルタン及びカンデサルタンシレキセチルのナノ粒子は、安定剤(単数又は複数)を使用する溶媒−逆溶媒沈殿法によって形成することができる。ナノサイズのカンデサルタン及びカンデサルタンシレキセチルの調製したコロイド溶液の安定性は、第2の立体的又は静電気的安定剤として作用し得るさらなる安定剤(単数又は複数)の組合せによって増大することができる。さらに追加の安定剤を使用して、本発明のカンデサルタン及びカンデサルタンシレキセチルの粒径を低減し、制御することができる。
カンデサルタンシレキセチルナノ粒子の粒径
本発明は、動的光散乱法によって測定して約500nm未満の平均粒径を有するカンデサルタンシレキセチルナノ粒子を含有する。
「約500nm未満の平均粒径」とは、カンデサルタンシレキセチルナノ粒子の少なくとも90%が、前述の技術によって測定して数/強度による平均未満、即ち約500nm未満等の粒径を有することを意味する。
(例5)
実験中、カンデサルタンシレキセチルナノ粒子を、マイクロ流体系の連続流反応器で調製した。出発溶液として、DMSO 90mL及び蒸留水10mLの混合物に溶解した200mgのカンデサルタンシレキセチル及び1gのPluronic PE10500を使用した。調製した溶液を、供給ユニットを使用して流速1mL/分で反応器ユニットを通過させた。一方、第2の供給ユニットを使用して、蒸留水を流速1.5mL/分で混合ユニットを通過させ、そこで第1の反応器ユニットから送り出されるカンデサルタンシレキセチルを含有する溶液と蒸留水とを混合した。混合ユニットを通過する水によって化学的に沈殿させることにより、ナノ粒子を大気圧で連続的に生成する。生成されたコロイド溶液は、第2の反応器ユニットを介して流れ、装置と統合された動的光拡散ユニット(Nanotrac)に達し、それによって、得られたナノ粒子の粒径を連続的に検出することができる。ナノ粒子の大きさは、流速、圧力及び安定剤の種類を変更することによって、広範に制御することができる(図7参照)。カンデサルタンシレキセチル粒子の粒径及びサイズ分布は、図8に示す通り、流速によって正確に制御することができる。カンデサルタンシレキセチル粒子の粒径は、最良の場合162nmであった。
図7:異なる安定剤を使用する、カンデサルタンシレキセチルナノ粒子の粒径及びサイズ分布
図8:カンデサルタンシレキセチルナノ粒子の粒径及びサイズ分布に対する流速の効果
(例6)
実験中、カンデサルタンシレキセチルナノ粒子を、マイクロ流体系の連続流反応器で調製した。出発溶液として、エタノール100mLに溶解した200mgのカンデサルタンシレキセチル及び600mgのポリ(ビニルピロリドン)(PVP10)を使用した。調製した溶液を、供給ユニットを使用して流速2mL/分で反応器ユニットを通過させた。一方、第2の供給ユニットを使用して、蒸留水に溶解した0.05%酢酸ナトリウムを、流速8mL/分で混合ユニットを通過させ、そこで第1の反応器ユニットから送り出されるカンデサルタンシレキセチルを含有する溶液と混合した。混合ユニットを通過する水によって化学的に沈殿させることにより、ナノ粒子を大気圧で連続的に生成する。生成されたコロイド溶液は、第2の反応器ユニットを介して流れ、装置と統合された動的光拡散ユニット(Nanotrac)に達し、それによって、得られたナノ粒子の粒径を連続的に検出することができる。ナノ粒子の大きさは、流速及び安定剤の種類を変更することによって、広範に制御することができる。カンデサルタンシレキセチル粒子の粒径及びサイズ分布は、図9に示す通り、流速によって制御することができる。カンデサルタンシレキセチル粒子の粒径は、最良の場合406nmであった(表1参照)。
図9:カンデサルタンシレキセチルナノ粒子の粒径及びサイズ分布に対する流速の効果
表1:カンデサルタンシレキセチルの粒径に対する流速の効果
(例7)
クリーム製剤に取り込んだカンデサルタンシレキセチルナノ粒子
カンデサルタンシレキセチルナノ粒子1.3gを含有するゲル100mLの調製。Carbopol 971を、例6に記載の方法によって合成したカンデサルタンシレキセチルコロイド溶液100mLに、激しく撹拌しながら室温で溶解した。

Claims (28)

  1. 約500nm未満の平均粒径を有する、ナノ構造のカンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル及び共結晶。
  2. 平均粒径が500nm〜50nmである、請求項1に記載のナノ構造のカンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル及び共結晶。
  3. 平均粒径が、500nm〜50nmである、請求項1に記載のナノ構造のカンデサルタン。
  4. 平均粒径が500nm〜50nmである、請求項1に記載のナノ構造のカンデサルタンエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル。
  5. (a)約500nm未満の平均粒径を有するナノ構造のカンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶、及び
    (b)少なくとも1つの安定剤
    を含む、安定なナノ構造の組成物。
  6. (a)約500nm未満の平均粒径を有するナノ構造のカンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶、及び
    (b)少なくとも1つの安定剤
    を含み、連続流反応器内で調製される、請求項3に記載の安定なナノ構造の組成物。
  7. (a)約500nm未満の平均粒径を有するナノ構造のカンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶、及び
    (b)少なくとも1つの安定剤
    を含み、マイクロ流体系の連続流反応器内で調製される、請求項4に記載の安定なナノ構造の組成物。
  8. 平均粒径500nm〜50nmを有するナノ構造のカンデサルタンを含む、請求項6から8までに記載の組成物。
  9. 平均粒径500nm〜50nmを有するナノ構造のカンデサルタンシレキセチルを含む、請求項6から8までに記載の組成物。
  10. (a)カンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶が、カンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶と、他の添加剤(賦形剤)を含まない少なくとも1つの安定剤との混合総重量に対して、重量で約99.5%〜約0.001%、約95%〜約0.1%、及び約90%〜約0.5%からなる群から選択される量で存在し、(b)安定剤が、カンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶と、他の添加剤(賦形剤)を含まない少なくとも1つの安定剤との混合総乾燥重量に対して、重量で約0.5%〜約99.999%、約5.0%〜約99.9%、及び約10%〜約99.5%からなる群から選択される量で存在し、又は(c)(a)及び(b)の組合せである、請求項6から10までに記載の組成物。
  11. カンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶が、結晶相、非晶質相、半結晶相、半非晶質相、共結晶及び任意の多形体でのその混合物からなる群から選択される、請求項6から12までに記載の組成物。
  12. 安定剤として、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、酢酸フタル酸セルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ポリ(ビニルピロリドン)、ラウリル硫酸ナトリウム、ゼラチン、デキストラン、ステアリン酸、グリセロールモノステアレート、セトステアリルアルコール、ソルビタンエステル、ポリオキシエチレンヒマシ油誘導体、ポリ(メタ)アクリレート系ポリマー及びコポリマー、1−エテニル−2−ピロリジノンとの酢酸エテニルエステルポリマー(PVP/VAコポリマー)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム、トコフェリルポリエチレングリコールスクシネート、ポリエトキシ化ヒマシ油及びその誘導体、ポリオキシエチレンソルビタン脂肪酸エステル;ポリエチレングリコール、ポリオキシエチレンステアリン酸エステル、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ポリビニルアルコール、エチレンオキシド及びホルムアルデヒドとの4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−フェノールポリマー、ポロキサマー;プロピレンオキシド及びエチレンオキシドをエチレンジアミンに逐次的に付加することによって得られる四官能性ブロックコポリマーであるポロキサミン;PEG−リン脂質、PEG−コレステロール、PEG−コレステロール誘導体、PEG−ビタミンA、PEG−ビタミンE、リゾチーム、ポリ(2−エチル−2−オキサゾリン)、ポリ(メチルビニルエーテル)、ビニルピロリドン及び酢酸ビニルのランダムコポリマーを含む、請求項1から12までに記載の組成物。
  13. 追加の安定剤として、ヒドロキシル−プロピル−セルロース誘導体、任意の他の安定剤、好ましくは請求項9に記載の2つの安定剤の組合せ及び/又は塩化ラウリルトリメチルアンモニウム、塩化アルキルベンジルメチルアンモニウム、臭化アルキルベンジルジメチルアンモニウム、臭化ベンジルトリメチルアンモニウム、塩化ベンザルコニウム、臭化ヘキサデシルトリメチルアンモニウムを含む、請求項1から13までに記載の組成物。
  14. 連続流反応器内で、1つ又は複数の安定剤を含むカンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチルの適切な溶液から、所望に応じて薬学的に許容される酸又は塩基の存在下で、ナノ構造のカンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチルを沈殿させるステップを含む、請求項1から14までに記載のナノ構造のカンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶を調製する方法。
  15. 連続流反応器として、マイクロ流体系の連続流反応器を使用する、請求項15に記載の方法。
  16. (1)カンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル及び任意選択により1つ又は複数の安定剤を適切な溶媒に溶解するステップと、(2)ステップ(1)からの製剤を、1つ又は複数の安定剤及び所望に応じて薬学的に許容される酸又は塩基を含む溶液に添加するステップと、(3)ステップ(2)からの製剤を沈殿させるステップを含む、請求項15から16までに記載の方法。
  17. (1)カンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル及び1つ又は複数の安定剤を適切な溶媒に溶解するステップと、(2)ステップ(1)からの製剤を、任意選択により1つ又は複数の安定剤及び所望に応じて薬学的に許容される酸又は塩基を含む溶液に添加するステップと、(3)ステップ(2)からの製剤を沈殿させるステップを含む、請求項15から16までに記載の方法。
  18. (a)互いに混和するが、カンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチルがその一方にしか溶解しない2つの異なる溶媒を使用するステップ、又は(b)カンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶が実質的にナノ構造の粒子を形成する2つのステップにおいて同じ溶媒を使用するステップ(但し、適用される安定剤(単数又は複数)は、使用する溶媒に溶解するという制限が付く)を含む、請求項15から18までに記載の方法。
  19. 請求項1から19までに記載のナノ構造のカンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶及び任意選択により薬学的に許容される補助材料を含む、医薬組成物。
  20. (a)経口、肺、直腸、結腸、非経口、大槽内、腟内、腹腔内、眼、耳、局所、頬側、経鼻及び外用投与からなる群から選択される投与に合わせて製剤化され、(b)液体分散剤、ゲル剤、エアゾール剤、軟膏剤、クリーム剤、凍結乾燥させた製剤、錠剤、カプセル剤からなる群から選択される剤形に製剤化され、(c)制御放出製剤、急速溶融製剤、遅延放出製剤、延長放出製剤、拍動的放出製剤、並びに即時放出及び制御放出の混合製剤からなる群から選択される剤形に製剤化され、又は(d)(a)、(b)及び(c)の任意の組合せに製剤化される、請求項20に記載の医薬組成物。
  21. 請求項1から19までに記載の有効量のナノ構造のカンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶をそれを必要としている対象に投与することによる、対象を治療する方法。
  22. 医薬品の調製のための、請求項1から19までに記載のナノ構造のカンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶の使用。
  23. 高血圧の治療において使用される投与量を低減するために、水に少なくとも約0.4836mg/mlの溶解度を有する、請求項1から19までに記載のナノ構造のカンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶の使用。
  24. 高血圧の治療において、生理的媒体への即時再分散性を有する、請求項1から19までに記載のナノ構造のカンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶の使用。
  25. 高血圧の治療において、少ない投与量で食品効果及び副作用が低減される、請求項1から19までに記載のナノ構造のカンデサルタン又は薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶の使用。
  26. 高血圧の治療において使用される投与量を低減するために、ヒト胃腸管での吸収が増大される、請求項1から19までに記載のナノ構造のカンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶の使用。
  27. 高血圧の治療において、少ない投与量で急速な作用発現を有する、請求項1から19までに記載のナノ構造のカンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶の使用。
  28. 高血圧の治療において、少ない投与量で変動性が低減される、請求項1から19までに記載のナノ構造のカンデサルタン、薬学的に許容されるそのエステル、好ましくはカンデサルタンシレキセチル、又は共結晶の使用。
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