JP2012511671A - 緩み防止ボルトナット結合体 - Google Patents

Abstract

ボルト１００、ボルト１００に締結されるナット２００、ボルト１００とナット２００の間に結合されるワッシャ３００を備えたボルトナット結合体であって、ボルト１００が、ボルト頭部１１０とボルト胴体１２０を有し、ネジ部が形成されたボルト胴体１２０の長手方向に沿って切欠された挿入誘導溝１３０を備え、ナット２００が、ワッシャ３００と接触する一面に沿って一定の間隔で突出した多数の係止段差部２１０を円周上に備え、ワッシャ３００が、内周の一部がワッシャ３００の中心に向かって突出して挿入誘導溝１３０に収容される回転防止突部３１０を備え、ナット２００と接触する一面に沿って一定の間隔で突出した多数の弾性突出部３２０を円周上に備え、ナット２００とワッシャ３００が触れ合った状態でナット２００を締め付ければ、弾性突出部３２０が変形されながら係止段差部２１０の一側面を越えた後、弾性力によって元の形態に復元して係止段差部２１０の他側面にかかって定着される。
【選択図】図２

Description

本発明は、ボルト、ナット、及びワッシャからなり、ナットの緩みを効果的に防止することができる緩み防止機能を有するボルトナット結合体に関する。

互いに異なる建材や機械部品などを結合するための方法として、これら材料を貫くようにボルトを挿入した後、ナットで締め付けて固定するボルトナット結合体が多く用いられる。
しかし、ボルトナット結合体は、時間が経つにつれて外部の振動、衝撃などによって徐々に緩むことになって、結合部の安全性を害する要因として作用することができる。

そのため、ナットの逆回転によるナットの緩み現象を防止するために種々の締結手段が付け加わっている。その一つが特許文献１である。
図１に示す特許文献１は、ボルト胴体１のネジ部に長手方向に係止溝１−３が形成され、ワッシャ２に形成された係止突起２−２がこれに係止され、ワッシャ２とナット３の接合部には一方向係止段部２−３及び３−３がそれぞれ形成されることを特徴とする。

しかし、このような従来技術は次のような問題点がある。
１）ナット３とワッシャ２が弾性力によって曲がり変形されるか復元される構造ではなくてナット３とワッシャ２の間に圧縮変形が発生しながら越える構造になっているが、剛性材のワッシャを使う場合、ナット３の一方向係止段部３−２がワッシャ２の一方向係止段部２−３を正常に越えることができない。
一方、軟性材（ゴム、プラスチックなど）のワッシャは強いボルト締結トルク及び圧搾力に耐えることができなく、高温高圧などの苛酷な外的環境に長期間耐えることができないため、振動、衝撃、高熱などを受ける構造物、動力装置などの締結要素として活用できないという限界性がある。
また、ワッシャの材質が軟性の場合には、ナットを締め付けるとき、ナットと接触するワッシャの一面がナットの形状（６角形）に圧縮され、圧縮された各面がナットの緩みに抵抗する係止段部の役目をするので、ワッシャ２とナット３の接合部に一方向係止段部２−３及び３−３を形成する必要もなくなる。
２）ボルト胴体１にナット３を無理に締結すれば、ワッシャ２やナット３の一方向係止段部２−３、３−２が摩耗されて損傷（破損）されるため、正常の機能を発揮することができない。
３）たとえ無理に締結するとしても、ワッシャ２とナット３の一方向係止段部２−３、３−２の間に完全な密着または係止がなされないため堅くない締結状態を維持することになる。
４）したがって、締結された状態で僅かの振動が発生してもナット３が緩くなって規定の締結トルクを維持することができない。
５）締結過程においても、ワッシャ２とナット３の一方向係止段部２−３、３−２が互いに越えていく過程で圧搾力の変化がひどいため、一定の締結トルクを確保することができない。なぜならば、ナット３を締結すれば、一方向係止段部２−３、３−２が互いに越えていく途中には締結トルクが徐々に増加して最高点に到逹し、まったく越えた瞬間に締結トルクが急激に低下する過程が繰り返されるからである。
６）また、一旦締結されれば、解体して再使用することができなくて資材の浪費要因となる。なぜならば、ナット３が緩む方向に回せば、かみ合っているワッシャ２とナット３の一方向係止段部２−３、３−２が破損されながら（少なくとも再使用ができないほどにそれぞれの角が深刻に摩耗されながら）緩むからである。
７）ワッシャの製作の際、単位材料量が多くて形状が複雑であるため、必要以上に製作コストが上昇する問題点もある。
８）一方向係止段部２−３、３−２がさまざまな原因によって摩耗されるか損傷されながらナット３が緩めば、それ以上に緩みを防止する手段がないという問題点もある。

大韓民国登録実用新案第０２４１７９１号 「安全締め付けナットを持つボルト」

第一、ワッシャの弾性力を用いてよりなめらかにナットを締結することができ、締結が完了した状態では、弾性力によって元の形状に復元されたワッシャがナットにかかった状態で定着されることにより、振動またはその他の外力によってナットの緩みを防止することを本発明の目的とする。
第二、本発明は、締結が完了した後、ナットが少し緩むか一部が損傷されても、ナットに定着された状態で緩み防止機能を持続的にすることができることを本発明の他の目的とする。
第三、締結されたナットを意図的に緩めようとする場合、弾性薄板材で作られたワッシャが他の部品に比べて相対的に先に破損されることによりナットを解体することができ、後に再び締結する場合、消耗品であるワッシャさえ入れ替れば緩み防止機能を再び備えることができるようにすることを本発明のさらに他の目的とする。
第四、締結トルクを微細に調節して均一に維持することができる手段を提供することを本発明のさらに他の目的とする。

上記課題を解決するために、本発明は以下の構成を備える。
本発明はボルト１００；前記ボルト１００に締結されるナット２００；及び、前記ボルト１００と前記ナットの間に結合されるワッシャ３００；を含んでなり、前記ボルト１００はボルト頭部１１０とボルト胴体１２０でなり、ネジ部が形成された前記ボルト胴体１２０の長手方向に沿って切欠された挿入誘導溝１３０が備えられ、前記ナット２００は前記ワッシャ３００と接触する一面に沿って一定の間隔で突出した多数の係止段差部２１０が円周上に備えられ、前記ワッシャ３００は内周の一部が前記ワッシャ３００の中心に向かって突出して前記挿入誘導溝１３０に収容される回転防止突部３１０が備えられ、前記ナット２００と接触する一面に沿って一定の間隔で突出した多数の弾性突出部３２０が円周上に備えられ、前記ナット２００と前記ワッシャ３００が触れ合った状態で前記ナット２００を締め付ければ、前記弾性突出部３２０が曲がり変形されながら前記係止段差部２１０の一側面を越えた後、弾性力によって元の形態に復元して前記係止段差部２１０の他側面にかかって定着されることを特徴とする。

本発明の構成による技術的効果は次の通りである。
第一、ワッシャの弾性力を用いてより滑らかにナットを締結することができ、締結が完了した状態では弾性力によって元の形態に復元したワッシャがナットにかかった状態で定着されるので、振動またはその他の外力によってナットが緩むことを防止することができる。
第二、本発明は、締結が完了した後、ナットが少し緩むか一部が損傷されてもナットに定着された状態で緩み防止機能を持続的にすることができる。
第三、締結されたナットを意図的に緩めようとする場合、弾性薄板材で作られたワッシャが他の部品に比べて相対的に先に破損されるので、ナットを解体することができ、後に再び締結する場合に消耗品のワッシャだけ入れ替れば緩み防止機能を再び備えることができる。
第四、締結トルクを微細に調節し、均一に維持することができる。

従来技術の構造を示す斜視図 本発明の具体的な実施例の斜視図、（ａ）ワッシャ３００の外周に沿って弾性突出部３２０が形成された場合、（ｂ）ワッシャ３００の内周に沿って弾性突出部３２０が形成された場合 本発明の構成要素であるワッシャ３００の具体的な実施例の斜視図、（ａ）ワッシャ３００の外周に沿って弾性突出部３２０が形成された場合、（ｂ）ワッシャ３００の内周に沿って弾性突出部３２０が形成された場合、（ｃ）ワッシャ３００の内周と外周の間に弾性突出部３２０が形成された場合 本発明の構成要素であるナット２００の具体的な実施例の斜視図 回転防止突部３１０の末端部が折り曲げられた場合における回転防止突部３１０の断面構造を示す斜視部分拡大図 本発明の構成要素であるワッシャ３００のさらに他の具体的な実施例の斜視図

以下、本発明の具体的な実施例を添付図面に基づいてより詳細に説明する。
図２は本発明の具体的な実施例の斜視図で、（ａ）ワッシャ３００の外周に沿って弾性突出部３２０が形成された場合、及び（ｂ）ワッシャ３００の内周に沿って弾性突出部３２０が形成された場合をそれぞれ示している。
ボルト１００はボルト頭部１１０とボルト胴体１２０でなり、ネジ部が形成されたボルト胴体１２０の長手方向に沿って切欠された挿入誘導溝１３０が備えられる。このような挿入誘導溝１３０はただ一つだけ備えられることもでき、多数が備えられることもできる。

ワッシャ３００は内周の一部がワッシャ３００の中心に向かって突出して挿入誘導溝１３０に収容される回転防止突部３１０が備えられる。回転防止突部３１０は、図３に示すように、断面一字形平面になることもできるが、図５に別に示すように、末端部がナット２００に向かって折り曲げられる場合もある。
このように末端部が折り曲げられれば、回転防止突部３１０が挿入誘導溝１３０から抜け出てボルト胴体１２０に形成されたネジ部の谷部に挟まれることを遮断することで、ナット２００の締結をより容易で完璧になすことができる。また、ワッシャ３００をボルト１００に挿入する場合にも、回転防止突部３１０が図５に示すように折り曲げられて“Ｌ”字形を持っていればより容易に挿入することができる。

ワッシャ３００にはナット２００と接触する一面に沿って一定の間隔で突出した多数の弾性突出部３２０が円周上に備えられる。
弾性突出部３２０は弾性力によって曲がり変形及び復元が可能であり、ナット２００とワッシャ３００が互いに接触した状態でナット２００を締め付ければ、前記弾性突出部３２０が変形されながら係止段差部２１０の一側面を越えた後、弾性力によって元の形態に復元して係止段差部２１０の他側面にかかって定着されることで、ナット２００の緩みを効果的に防止することになる。

このような弾性突出部３２０は、図３に示すように、多様な形態に具現できる。
図３（ａ）はワッシャ３００の外周に沿って弾性突出部３２０が形成された場合を示し、図３（ｂ）はワッシャ３００の内周に沿って弾性突出部３２０が形成された場合を示し、図３（ｃ）はワッシャ３００の内周と外周の間に弾性突出部３２０が形成された場合を示している。それぞれの場合に特別な技術的効果の差があるものではなくてただ弾性突出部３２０の具体的な位置及び形態が互いに異なるばかりである。
したがって、ナット２００の係止段差部２１０の形状を考慮して適切な形態の弾性突出部３２０を自由に選択することができる。

図３（ａ）はワッシャ３００の外周が鋸歯状に切欠された後、それぞれの鋸歯がナット２００に向かって曲がっている場合とナット２００を締め付ける回転方向に傾いた傾斜片３２１がワッシャ３００の外周に沿って形成された場合を示す。
具体的な鋸歯の形態、屈曲形状、傾斜片３２１の傾斜度及び具体的な傾斜片の形態などは添付図面の形状に限定されるものではなくて多様な設計変更が可能である。

図３（ｂ）はワッシャ３００の内周が鋸歯状に切欠された後、それぞれの鋸歯がナット２００に向かって曲がっている場合とナット２００を締め付ける回転方向に傾いた傾斜片３２１がワッシャ３００の外周に沿って形成された場合を示す。
具体的な鋸歯の形態、屈曲形状、傾斜片３２１の傾斜度及び具体的な傾斜片の形態などは添付図面の形状に限定されるものではなくて多様な設計変更が可能であるのは図３（ａ）の場合と同様である。

図３（ｃ）はワッシャ３００の内周と外周の間に弾性突出部３２０が形成された場合を示すもので、ナット２００を締め付ける回転方向に傾いた多数の傾斜片３２１が一定の間隔で離隔するように円周上に配列された具体的な実施例である。
この場合にも、傾斜片３２１の傾斜度、具体的な形態、配列間隔などは添付図面に示す形態に限定されるものではなく多様な設計変更が可能であるのはいうまでもない。このような弾性突出部３２０の数（配列間隔）はナット２００の係止段差部２１０の数と同一に形成されることもできるが、弾性突出部３２０の数が係止段差部２１０の数よりずっと多いようにすることが好ましい。
なぜならば、弾性突出部３２０の間隔が稠密であるほど精密な締め付けが可能であるからである。したがって、精密な締め付けが必要な場合、添付図面に示す間隔よりずっと稠密な間隔で配列されることが好ましい。

ちなみに、ナット２００の係止段差部２１０の数をＮ個とし、ワッシャ３００の弾性突出部３２０の数をＭ個とするとき、
Ｍ＝ｎ×Ｎ±１（ここで、ｎは正の整数）
という関係式によってＭとＮの数を決定すればより精密で均一な締め付けトルクを確保することができ、緩みに抵抗する機能においても、約１〜３度さえ緩めば、次の係止段差部２１０が順次係止するので、緩みがより完璧に防止される。
すなわち、ナット２００の係止段差部２１０の数を６個にし、ｎを５個にすれば、ワッシャ３００の弾性突出部３２０の数は２９個または３１個となる。

この場合、ナット２００の一つの係止段差部２１０に５＋５／６個または６＋１／６個の弾性突出部３２０が割り当てられるので、一つの弾性突出部３２０の大きさの１／６の分だけナット２００をさらに回せば弾性突出部３２０と係止段差部２１０が互いに係止される。すなわち、弾性突出部３２０のそれぞれは３６０°／２９の間隔（約１２°）で配列されるので、ナット２００を１２．４°／６（約２°）だけ回せば係止がなされる結果となる。仮に、前記数式によらなくて単純に弾性突出部３２０の数を係止段差部２１０の数の整数倍にしたとすれば弾性突出部３２０の配列角度の分だけ回すときに係止がなされる。例えば、弾性突出部３２０の数が３０個、係止段差部２１０の数が６個であるなら一つの係止段差部２１０に６個の弾性突出部３２０が割り当てられるので、ナット２００を３６０°／３０（１２°）だけ回すときに初めて係止がなされることから、係止をなすためにナット２００が回転すべき角度に相当な差があることが分かる。
すなわち、弾性突出部３２０の配列間隔が類似しても、係止段差部２１０の数の整数倍である場合とそうでない場合は締め付けの精密度において格段の差があることになる。

ナット２００にはワッシャ３００と接触する一面に沿って一定の間隔で突出した多数の係止段差部２１０が円周上に備えられることにより、弾性突出部３２０とともにナット２００の緩みを防止することになる。
このようなナット２００の係止段差部２１０は図４に示すように多様に具現できる。図４（ａ）または図４（ｂ）に示すように、弾性突出部３２０が越える係止段差部２１０の一側面には傾斜面２１１が形成され、弾性突出部３２０が定着される係止段差部２１０の他側面には段差面２１２が形成されることが一般的であるが、ワッシャ３００の弾性突出部３２０が傾斜片３２１を備えた場合には係止段差部２１０の一側面に傾斜面２１１が必ずしも備えられる必要はない。傾斜面２１１が別に備えられなくても傾斜片３２１の傾斜角によって係止段差部２１０の一側面を越えることができるからである。

このような段差面２１２は図４（ｂ）に示すように傾斜面２１１が終わる地点ですぐ始まることもでき、図４（ａ）に示すように傾斜面２１１が終わってから少しの水平面２１３がつながった後に段差面２１２が始まることもできる。
また、このような係止段差部２１０は多数が離隔して配列されることもでき、連続的に配列されることもできる。

さらに、係止段差部２１０は、図４（ｃ）または図４（ｄ）に示すように、カウンターボア加工されたナット２００の内側面の隅部に沿って多数の係止段差部２１０が形成された形態になることができる。このような場合には、弾性突出部３２０をなす鋸歯がねじれた形態になるかナット２００が締め付けられる回転方向に傾くように形成されれば、鋸歯の端部がボルト胴体１２０の長手方向に平行になっても係止作用が得られる。
図４（ｃ）の場合、ナット２００の外周面が円形に示されているが、必ずしも円形の場合に限定されるものではなく、他のナット２００のように六角形などの多面体に形成されることもできる。

図６はワッシャ３００のさらに他の具体的な実施例を示している。図６（ａ）及び図６（ｃ）は弾性突出部３２０がナット２００に向かってプロペラ状のようにピッチ角を持つようにねじれた場合、図６（ｂ）は傾斜片３２１が一定の間隔で備えられた場合である。図６に示すワッシャ３００は、図４（ｃ）または図４（ｄ）に示すように、カウンターボア加工されたナット２００の内側面の隅部に沿って多数の係止段差部２１０が形成されたナット２００とともに使われることができる。

前記のように、本発明の具体的な実施例に基づいて本発明の技術的構成を説明したが、本発明の保護範囲が必ずしもこのような実施例に限定されるものではなく、本発明の技術的要旨を変更しない範囲内で多様な設計変更、公知技術の付加や削除、単純な数値限定、当業者の水準で容易に変更可能な形状の変更など可能である。

１００ ボルト
１１０ ボルト頭部
１２０ ボルト胴体
１３０ 挿入誘導溝
２００ ナット
２１０ 係止段差部
２１１ 傾斜面
２１２ 段差面
２１３ 水平面
３００ ワッシャ
３１０ 回転防止突部
３２０ 弾性突出部
３２１ 傾斜片

Claims (6)

1. ボルト１００、ボルト１００に締結されるナット２００、ボルト１００とナット２００の間に結合されるワッシャ３００を備えたボルトナット結合体であって、
   ボルト１００が、ボルト頭部１１０とボルト胴体１２０を有し、ネジ部が形成されたボルト胴体１２０の長手方向に沿って切欠された挿入誘導溝１３０を備え、
   ナット２００が、ワッシャ３００と接触する一面に沿って一定の間隔で突出した多数の係止段差部２１０を円周上に備え、
   ワッシャ３００が、内周の一部がワッシャ３００の中心に向かって突出して挿入誘導溝１３０に収容される回転防止突部３１０を備え、ナット２００と接触する一面に沿って一定の間隔で突出した多数の弾性突出部３２０を円周上に備え、ナット２００とワッシャ３００が触れ合った状態でナット２００を締め付ければ、弾性突出部３２０が変形されながら係止段差部２１０の一側面を越えた後、弾性力によって元の形態に復元して係止段差部２１０の他側面にかかって定着される
   ことを特徴とする緩み防止ボルトナット結合体。
2. 弾性突出部３２０が、ワッシャ３００の内周または外周が鋸歯状に切欠され、それぞれの鋸歯がナット２００に向かって曲がっている
   請求項１に記載の緩み防止ボルトナット結合体。
3. 弾性突出部３２０が、一定間隔で離隔して配列され、ナット２００を締め付ける回転方向に傾いた傾斜片３２１を形成する
   請求項１に記載の緩み防止ボルトナット結合体。
4. 回転防止突部３１０が、末端部がナット２００に向かって折り曲げられている
   請求項１に記載の緩み防止ボルトナット結合体。
5. 係止段差部２１０が、弾性突出部３２０が越える一側面に傾斜面２１１が形成され、弾性突出部３２０が定着される他側面には段差面２１２が形成される
   請求項２ないし４のいずれかに記載の緩み防止ボルトナット結合体。
6. 係止段差部２１０の数をＮとし、弾性突出部３２０の数をＭとするとき、Ｍ＝ｎ×Ｎ±１（ここで、ｎは正の整数）の関係式が成り立つ
   請求項１ないし４のいずれかに記載の緩み防止ボルトナット結合体。

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