JP2012256809A - 積層型コイル - Google Patents

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Abstract

【課題】内蔵されるコイルの内径が大きく、直流重畳特性の良好な積層型コイルを提供する。
【解決手段】本発明に係る積層型コイル10は、複数の絶縁体層13が積層されてなり、積層方向において互いに対向している一対の端面と、一対の端面を接続している側面と、を有する積層体11と、積層体11に内蔵されており、絶縁体層13上に形成された導体パターン12が相互に接続され、導体パターン12の少なくとも一部が積層体の側面に露出しているコイル20と、積層体11の側面の外表面に、露出している導体パターン12を覆うようにめっき法で形成されているフェライト膜19と、を備えることを特徴としている。
【選択図】 図2

Description

本発明は積層型コイルに関するものである。
従来の積層型コイルとして、例えば、特許文献1に記載の積層型コイルが知られている。この積層型コイル100は、図9に示すように、複数の絶縁性シート113が積層されている。また、積層型コイル100は、複数のコイル導体パターン112と複数のビアホール117が接続されて構成されているコイルを内蔵している。コイル導体パターン112の外周縁は、絶縁性シート113の外周縁とのギャップが零になるように形成されている。これにより、コイルの径を大きくして、コイルのインダクタンス値を大きくすることができる。
ところで、この積層型コイル100において、コイル導体パターン112は、絶縁性シート113間から外部に露出している。そのため、積層型コイル100の実装時に、他の電子部品や配線等がコイル導体パターン112の露出している部分に接触して、ショートするおそれがある。そこで、積層型コイル100には、側面を覆うように絶縁膜(図には図示せず)が設けられている。
特開2001−313212号公報
この絶縁膜は、コーティング剤やセラミックペースト等を、ディップ法や印刷法等により塗布することにより形成されている。ところが、ディップ法や印刷法で絶縁膜を形成した場合には、絶縁膜が厚くなってしまう。そのため、積層型コイル全体の体積を一定とすると、絶縁膜の厚さの分だけコイルの内径が小さくなるため、直流重畳特性が低下するという問題が生じていた。
本発明はかかる課題に鑑みてなされたものであり、内蔵されるコイルの内径を大きくして、直流重畳特性の良好な積層型コイルを提供することをその目的とする。
本発明に係る積層型コイルは、複数の絶縁体層が積層されてなり、積層方向において互いに対向している一対の端面と、一対の端面を接続している側面と、を有する積層体と、積層体に内蔵されており、絶縁体層上に形成された導体パターンが相互に接続され、導体パターンの少なくとも一部が積層体の側面に露出しているコイルと、積層体の側面の外表面に、露出している導体パターンを覆うようにめっき法で形成されているフェライト膜と、を備えることを特徴としている。
また、本発明に係る積層型コイルでは、フェライト膜は非磁性体フェライトを主成分として含むことが好ましい。
また、本発明に係る積層型コイルでは、フェライト膜はZnフェライトを主成分として含むことが好ましい。
また、本発明に係る積層型コイルでは、フェライト膜は複数層の構造であり、積層体の外表面に接する層がZnフェライトを主成分として含むことが好ましい。
また、本発明に係る積層型コイルでは、ZnフェライトはZnxFe3-x4(0.15≦x<1)であることが好ましい。
また、本発明に係る積層型コイルでは、フェライト膜はヘマタイトを含むことが好ましい。
また、本発明に係る積層型コイルでは、フェライト膜と絶縁体層の界面に拡散層をさらに備えることが好ましい。
また、本発明に係る積層型コイルでは、導体パターンは、積層体の側面からフェライト膜に向かって突出していることが好ましい。
本発明では、絶縁膜としてめっき法で形成できるフェライト膜を選択しているため、従来の技術に比べて絶縁膜の厚さを薄くすることが可能である。そのため、その分コイルの内径を大きくできるため、直流重畳特性が良好な積層型コイルを提供することができる。また、絶縁膜の材質が積層体と同じフェライトであるため、側面との接合強度を大きくでき、はがれ等の不具合を抑制できる。
本発明の第1の実施形態に係る積層型コイルの斜視図である。 図1のA−A断面図である。 積層型コイルに用いられる積層体の分解斜視図である。 実験例と比較例の直流重畳特性を示すグラフである。 導体パターンに対するフェライト膜の被覆状態を示すFIB加工後のSIM像である(条件4)。 導体パターンに対するフェライト膜の被覆状態を示すFIB加工後のSIM像である(条件5)。 導体パターンに対するフェライト膜の被覆状態を示すFIB加工後のSIM像である(条件6)。 本発明の第2の実施形態に係る積層型コイルを示す断面図である。 従来の積層型コイルの斜視図である。
以下において、本発明を実施するための形態について説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る積層型コイルの斜視図である。また、図2は、図1のA−A断面図である。また、図3は、本発明の積層型コイルに用いられる積層体の分解斜視図である。
積層型コイル10は、図2のように、積層体11と、積層体11に内蔵されているコイル20と、フェライト膜19と、外部電極14、15と、を備えている。
積層体11は、図3に示すように、複数の絶縁体層13a〜13mが積層されてなる。そして、積層体11は、積層方向において互いに対向している一対の端面と、一対の端面を接続している側面と、を有している。本実施形態では、積層体11は直方体状であり、4つの側面を有している。絶縁体層13の材質の例としては、Ni−Zn系フェライトが挙げられる。
導体パターン12e〜12iは絶縁体層13e〜13i上にそれぞれ形成されている。また、ビアホール導体17a〜17mは、絶縁体層13a〜13m内に、絶縁体層13a〜13mの積層方向に沿って形成されている。導体パターン12e〜12iとビアホール導体17a〜17mの材質の例としては、AgやCuを主成分とするものが挙げられる。
導体パターン12e〜12iは、ビアホール導体17e〜17hによって相互に接続されている。そして、導体パターン12e〜12iと、ビアホール導体17e〜17hは、コイル20を構成している。なお、本実施形態の導体パターン12e〜12iは3/4ターンであるが、ターン数は3/4ターンに限られない。1/2ターンでもよいし、7/8ターンでもよい。
導体パターン12e〜12iの外周縁の少なくとも一部分は、絶縁体層13e〜13iの外周縁に接するように形成されている。すなわち、導体パターン12e〜12iは、絶縁体層13e〜13iとのギャップが零になるように形成されている。このとき、図2のように、導体パターン12の少なくとも一部は、積層体11の側面に露出している。
図2からも明らかなように、外部電極14、15は、積層体11の端面と側面の一部を覆うように形成されている。また、外部電極14、15は、ビアホール導体17と電気的に接続されている。そして、外部電極14、15間に電圧を印加することで、コイル20の特性を発現させる。
本実施形態では、フェライト膜19が、積層体11の側面の外表面に露出している導体パターン12を覆うようにめっき法で形成されている。このフェライト膜19はめっき法で形成されているため、ディップ法や印刷法でペーストを塗布する場合に比べて、フェライト膜19の膜厚を薄くすることが可能である。そのため、積層型コイル10全体の体積が一定の場合には、フェライト膜19の厚さの分だけコイル20の内径を大きくすることができる。したがって、従来技術に比べて、積層型コイル10の直流重畳特性を改善することができる。
フェライト膜19の材質としては、Znフェライト等の非磁性体フェライトや、Ni−Znフェライト等の磁性体フェライトが挙げられる。Znフェライトとは、ZnとFeが含まれるフェライトであり、ZnxFe3-x4で表される。また、Ni−Znフェライトとは、NiとZnとFeが含まれるフェライトであり、ZnxNiyFe3-x-y4で表される。
フェライト膜19が非磁性体フェライトを主成分として含む場合には、μが1近傍であるので、コイル20が開磁路を形成し、直流重畳特性がさらに改善するため、好ましい。
また、本発明者は鋭意研究の結果、フェライト膜19がZnフェライトを主成分として含む場合に、導体パターン12が十分に被覆されて好ましいことを明らかにした。フェライト膜19が複数層の構造であり、積層体11の外表面に接する層がZnフェライトを主成分して含む場合にも、同様の効果が得られ、好ましい。
積層型コイル10は、フェライト膜19と絶縁体層13の界面に、拡散層21をさらに備えることが好ましい。拡散層21は、例えば、フェライト膜19をめっき法で形成した後に、積層型コイル10を熱処理することによって得られる。熱処理条件はフェライト膜19の膜厚によって異なるが、少なくとも400℃以上であることが望ましい。こうした熱処理により、フェライト膜19と絶縁体層13との間で相互拡散が起き、拡散層21が形成される。拡散層21をさらに備えることにより、フェライト膜19と積層体11の接合強度を大きくすることができる。
また、フェライト膜19はヘマタイトを含むことが好ましい。フェライト膜19をめっき法で形成した後、所定の条件で熱処理を行うと、フェライト膜19に含まれているマグネタイト(Fe34)及びマグヘマイト(γFe23)の少なくとも一部がヘマタイト(αFe23)に転移する。ヘマタイトはマグネタイトやマグヘマイトに比べて抵抗が高いため、フェライト膜19の絶縁性をより向上させることが可能である。
導体パターン12は、積層体11の側面からフェライト膜19に向かって突出していることが好ましい。このように導体パターン12が突出していることにより、フェライト膜19と積層体11の接合強度をより向上させることが可能である。
次に、本実施形態に係る積層型コイルの製造方法の一例を説明する。
まず、絶縁体層13となるべきセラミックグリーンシートを準備する。具体的には、酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)、及び酸化ニッケル(NiO)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式混合を行う。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼する。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、フェライトセラミック粉末を得る。
このフェライトセラミック粉末に対して、バインダ(酢酸ビニル、水溶性アクリル等)、可塑剤、湿潤剤及び分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行う。得られたセラミックスラリーをドクターブレード法により、キャリアシート上にシート状に形成して乾燥させ、絶縁体層13となるべきセラミックグリーンシートを作製する。
次に、絶縁体層13となるべきセラミックグリーンシートのそれぞれに、ビアホール導体17を形成する。具体的には、絶縁体層13となるべきセラミックグリーンシートにレーザビームを照射してビアホールを形成する。その後、ビアホールに対して、Ag等の導電性ペーストを印刷法等により充填して、ビアホール導体17を形成する。導電性ペーストの例としては、例えば、Agとワニスと溶剤を含むものが挙げられる。
次に、絶縁体層13となるべきセラミックグリーンシート上に、導電性ペーストをスクリーン印刷法やフォトリソグラフィ法などの方法で塗布することにより、導体パターン12を形成する。
なお、導体パターン12を形成する工程とビアホールに対して導電性ペーストを充填してビアホール導体17を形成する工程とは、同じ工程において行われてもよい。
次に、絶縁体層13となるべきセラミックグリーンシートを積層及び圧着して未焼成の積層体11を得る。具体的には、絶縁体層13となるべきセラミックグリーンシートを1枚ずつ積層及び仮圧着する。この後、静水圧プレスにて本圧着する。次に、この圧着体をダイサー等でカットする。以上の工程により、複数の未焼成の積層体11が準備される。
次に、未焼成の積層体11に、脱バインダ処理及び焼成を施す。脱バインダ処理は、例えば低酸素雰囲気中において、500℃、2時間の条件で行う。また、焼成は、例えば900℃、2時間の条件で行う。この後、積層体11の表面にバレル研磨処理を施して、面取りを行う。
次に、めっき法により、積層体11の側面にフェライト膜19を形成する。具体的には、1L程度の容積を有するガラスの反応容器内に反応液を入れ、複数の積層体11を反応液内に浸漬する。反応液は、純水に対して、例えばFeCl2を20g/L、NiCl2を5g/L、及びZnCl2を1g/Lの割合で溶解させて得た液体をpHを6.5に調整して得られる。次に、この反応液中に超音波を印加して積層体11を振動させながら、NaNO2等の酸化剤を徐々に加える。これにより、積層体11の表面にフェライト膜19が形成される。フェライト膜19を上記のように無電解めっき法で形成する場合には、積層体11の表面全体にフェライト膜19が形成される。
次に、積層体11の端面に形成されたフェライト膜を除去して、ビアホール導体17を積層体11の端面に露出させる。フェライト膜の除去には、例えば機械研磨やサンドブラスト法等を用いる。
次に、Agを主成分とする導電性ペーストを、積層体11の端面と側面の一部に塗布する。そして、塗布した導電性ペーストを約800℃、1時間の条件で焼き付ける。これにより、外部電極14、15が形成される。また、この焼き付けにより、フェライト膜19と絶縁体層13の界面に拡散層21が形成される。
最後に、外部電極14、15の表面に、電解めっき法により、Ni/Sn膜を形成してもよい。このとき、フェライト膜19は絶縁性を有しているので、フェライト膜19の表面にはNi/Sn膜は形成されない。以上の工程を経て、図1に示すような電子部品10が完成する。
(実験例1)
本願発明者は、積層型コイル10において、直流重畳特性が向上することを示すために、以下に説明するように、条件1、条件2、条件3の3条件についてコンピューターシミュレーションを行った。具体的には、チップサイズが1.0mm×0.5mm×0.5mmで、絶縁体層の透磁率がμ=120の積層型コイルを想定した。コイルは零ギャップを想定し、導体パターンの幅は0.07mmとした。ターン数は15ターンとした。表1に、各実験条件のフェライト膜の厚さを示す。
条件1はめっき法を想定しており、フェライト膜の厚さを2μmとした。条件2は印刷法を想定しており、フェライト膜の厚さを42μmとした。条件3はディップ法を想定しており、フェライト膜の厚さを75μmとした。図4に、1MHzにおいて、負荷電流が変動した場合のインダクタンス(L)の変化率を示す。この変化率は、0Aでのインダクタンスを100%とした場合の、各負荷電流でのインダクタンスの変化率である。
図4より、印刷法(条件2)やディップ法(条件3)に比べて、めっき法(条件1)ではフェライト膜の厚さの分だけコイルの内径を大きくすることができる。そのため、負荷電流が増えてもLの低下が小さい。したがって、直流重畳特性が向上することが分かる。
(実験例2)
次に、本発明者は積層体の表面に形成するフェライト膜の組成を変更して、導体パターンへの被覆状態を観察した。
まず、絶縁体層となるべきセラミックグリーンシートを準備した。具体的には、酸化第二鉄(Fe23)、酸化亜鉛(ZnO)、及び酸化ニッケル(NiO)を所定の比率で秤量したそれぞれの材料を原材料としてボールミルに投入し、湿式混合した。得られた混合物を乾燥してから粉砕し、得られた粉末を800℃で1時間仮焼した。得られた仮焼粉末をボールミルにて湿式粉砕した後、乾燥してから解砕して、フェライトセラミック粉末を得た。
このフェライトセラミック粉末に対して、バインダ、可塑剤、湿潤剤及び分散剤を加えてボールミルで混合を行い、その後、減圧により脱泡を行い、セラミックグリーンシートを得た。その後、セラミックスラリーをドクターブレード法により、キャリアシート上にシート状に形成して乾燥させ、絶縁体層となるべきセラミックグリーンシートを作製した。セラミックグリーンシートの厚さは20μmとした。
次に、Ag粉末とワニスと溶剤とを含み、Agの含有率が85wt%である導電性ペーストを用意した。そして、セラミックグリーンシートに、Agを主成分とするビアホール導体を形成した。また、導電性ペーストをスクリーン印刷法で塗布することにより、導体パターンを形成した。
次に、導体パターンが形成されたセラミックグリーンシートを積層して、1000kgf/cm2で圧着した。その後、圧着体を、導体パターンの外周縁が表面に露出するようにダイサーでカットして、未焼成の積層体を得た。
次に、未焼成の積層体に、脱バインダ処理及び焼成を施した。脱バインダ処理は、低酸素雰囲気中において、500℃、2時間の条件で行った。その後、900℃、2時間の条件で焼成した。このようにして、1.0×0.5×0.5mmの積層体を得た。また、コイルのターン数は15ターンとした。この後、積層体にバレル研磨処理を施して、積層体の角部の面取りを行った。
次に、めっき法により、積層体の側面にフェライト膜を形成した。具体的には、1L程度の容積を有するガラスの反応容器内に反応液を入れ、複数の積層体を反応液内に浸漬した。このとき、反応液の組成を変えて、条件4〜6の試料を作製した。反応液の組成は、後述する表2に示した。この反応液中に超音波を印加して積層体を振動させながら、NaNO2等の酸化剤を徐々に加えた。これにより、積層体の表面にフェライト膜を形成した。
次に、積層体11の端面に形成されたフェライト膜を除去して、ビアホール導体を積層体11の端面に露出させた。フェライト膜の除去には、機械研磨を用いた。
次に、Agとガラスを含む導電性ペーストを、積層体の端面と側面の一部に塗布した。そして、塗布した導電性ペーストを約800℃、1時間の条件で焼き付けて、外部電極を形成した。また、この焼き付けにより、フェライト膜と絶縁体層の界面に拡散層が形成された。
最後に、外部電極の表面に、電解めっき法により、Ni/Sn膜を形成した。以上の工程を経て、積層型コイルを作製した。
得られたフェライト膜の組成は、FE−WDX(日本電子製JXA−8500F)を用いて特定した。分析条件は、加速電圧:15kV、照射電流:50nA、プローブ径:focused とした。
表2に、用いた反応液の組成と、フェライト膜の組成分析の結果を示す。また、図5〜7に、導体パターンに対するフェライト膜の被覆状態のFIB加工後のSIM像を示す。
図5、6から、フェライト膜がZnフェライトである条件4、5では、導体パターンはすべてフェライト膜で被覆されており、良好な被覆状態を示していることが分かる。一方、図7から、フェライト膜がNi−Znフェライトである条件6では、矢印に示すように、導体パターンとフェライト膜との間の一部に空隙が生じていることが分かる。すなわち、導体パターンと接するフェライト膜がZnフェライトである条件4、5が、Ni−Znフェライトである条件6に比べて、被覆状態がより良好であった。
Znフェライトのフェライト膜の被覆状態が良い理由は明らかではないが、以下のように考えられる。すなわち、ZnフェライトではNi−Znフェライトに比べてFeイオン以外の金属イオンが少なく、Feイオンの導体パターンへの吸着や析出が阻害されにくいと推測される。また、Znの導体パターンへの吸着や析出が、フェライトの他の成分元素に比べて特に優れていると推測される。
[第2の実施形態]
図8は、本発明の第2の実施形態に係る積層型コイルの断面図である。第1の実施形態と共通する部分については記載を省略する。
本実施形態の積層型コイル10では、外部電極14、15が、積層体11の側面のうち実装面となるべき面の一部のみに形成されている。そして、積層体11の側面のうち外部電極14、15が形成されていない部分と端面に、フェライト膜19が形成されている。
この積層型コイル10においても、先に積層体11の全面にフェライト膜を形成する。そして、外部電極14、15を形成する部分のフェライト膜19を除去する。その後、フェライト膜19を除去した部分に導電性ペーストを塗布して、焼き付ける。その焼き付けの際に、フェライト膜19と絶縁体層13の界面に拡散層21が形成される。
この場合においても、フェライト膜19の厚さを薄くすることができるため、コイル20の内径が大きく、直流重畳特性の良好な積層型コイルを提供することが可能である。
10 積層型コイル
11 積層体
12 導体パターン
13 絶縁体層
14、15 外部電極
17 ビアホール導体
19 フェライト膜
20 コイル
21 拡散層
100 積層型コイル
112 コイル導体パターン
113 絶縁性シート
117 ビアホール

Claims (8)

  1. 複数の絶縁体層が積層されてなり、積層方向において互いに対向している一対の端面と、前記一対の端面を接続している側面と、を有する積層体と、
    前記積層体に内蔵されており、前記絶縁体層上に形成された導体パターンが相互に接続され、前記導体パターンの少なくとも一部が前記積層体の前記側面に露出しているコイルと、
    前記積層体の前記側面の外表面に、前記露出している導体パターンを覆うようにめっき法で形成されているフェライト膜と、
    を備える、積層型コイル。
  2. 前記フェライト膜は非磁性体フェライトを主成分として含む、請求項1に記載の積層型コイル。
  3. 前記フェライト膜はZnフェライトを主成分として含む、請求項2に記載の積層型コイル。
  4. 前記フェライト膜は複数層の構造であり、前記積層体の外表面に接する層がZnフェライトを主成分して含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の積層型コイル。
  5. 前記ZnフェライトはZnxFe3-x4(0.15≦x<1)である、請求項3または4に記載の積層型コイル。
  6. 前記フェライト膜はヘマタイトを含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の積層型コイル。
  7. 前記フェライト膜と前記絶縁体層の界面に拡散層をさらに備える、請求項1〜6のいずれか1項に記載の積層型コイル。
  8. 前記導体パターンは、前記積層体の側面から前記フェライト膜に向かって突出している、請求項1〜7のいずれか1項に記載の積層型コイル。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2017216427A (ja) * 2016-05-30 2017-12-07 サムソン エレクトロ−メカニックス カンパニーリミテッド. チップインダクタ及びその製造方法

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