JP2012247671A - ミラー付き光導波路及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】光導波路の表裏両面に光学素子を設置することができ、光学素子の設置個数を増加することが可能なミラー付き光導波路を提供する。
【解決手段】下部クラッド層2と、前記下部クラッド層2上に間隔をおいて並設された複数本の棒状のコア3a〜3dと、前記複数本の棒状のコア3a〜3dを通過する光信号の光路変換を行う複数個のミラー面6,6Aとを有するミラー付き光導波路5であって、前記複数個のミラー面6,6Aは、前記コア3a〜3dの長手方向に対してミラー付き光導波路5の表面側に傾斜する表面通信用ミラー面6A及び裏面側に傾斜する裏面通信用ミラー面6を有しており、前記複数本の棒状のコア3a〜3dとミラー付き光導波路5の表裏両面との間で光信号の送受信が可能とされていることを特徴とするミラー付き光導波路5。
【選択図】図2

Description

本発明は、光路変換用のミラー面を有するミラー付き光導波路と、その製造方法に関する。
電子素子間や配線基板間の高速・高密度信号伝送において、従来の電気配線による伝送では、信号の相互干渉や減衰が障壁となり、高速・高密度化の限界が見え始めている。これを打ち破るため電子素子間や配線基板間を光で接続する技術、いわゆる光インターコネクションが提案されており、電気配線と光配線の複合化に関して種々の検討が行われている。光伝送路としては、光ファイバに比べ、配線の自由度が高く、且つ高密度化が可能な光導波路(板状の光伝送路)を用いることが望ましく、中でも、加工性や経済性に優れたポリマー材料を用いた光導波路が有望である。
例えば、特許文献1,2の導波路フィルム型光モジュールは、板状の光導波路フィルムの長手方向における一方の側面が傾斜したミラー面とされていると共に、この光導波路フィルムの長手方向の途中に光路変換部が設けられている。また、この光導波路フィルムの下面のうちこれらミラー面及び光路変換部と対応する位置に、それぞれ発光素子及び受光素子が設けられている。そして、この発光素子から上方に向けて光信号が送信されると、ミラー面に反射されて長手方向に光路を変えて進行した後、その一部が光路変換部によって下方に光路変換されて受光素子に受信され、残部が光路を変えることなく光路変換部を透過する。なお、特許文献1の導波路フィルム型光モジュールにあっては、光導波路フィルムの長手方向におけるミラー面と反対側の端部が光コネクタ(MTコネクタ)に接続されている。
特許文献3の図1,2には、基板上に第一の光導波路層及び第二の光導波路層がこの順に積層された光電気混載回路実装基板が記載されている。各光導波路層は、互いに平行に並設された3本の角棒状のコアを有しており、各コアは長手方向(光路方向)に間隔をおいて第1,2のミラーを有している。これら3本のコアの第1のミラー同士は一列に並んでおり、第2のミラー同士も一列に並んでいる。第1のミラーの上方に発光素子が設けられ、第2のミラーの上方に受光素子が設けられている。発光素子から下向きに送信された光信号は、第1のミラーで水平方向に光路変換されてコア内を透過し、第2のミラーで上向きに光路変換されて受光素子に受信される。
特開2006−011210号公報 特開2006−017885号公報 国際公開第2006/054569号
特許文献1〜3の光導波路にあっては、光導波路の表面及び裏面の一方のみにしか光学素子を設置していないため、光学素子の実装密度が高くなるという問題がある。
すなわち、特許文献1,2の導波路フィルム型光モジュールにあっては、裏面のみに光学素子を設置しているため、該裏面における光学素子の実装密度が高くなり、多数の光学素子を設置することが困難である。一方、特許文献3の光電気混載回路実装基板にあっては、表面のみに光学素子を設置しているため、該表面における光学素子の実装密度が高くなり、多数の光学素子を設置することが困難である。
本発明は、光導波路の表裏両面に光学素子を設置することができ、光学素子の設置個数を増加することが可能なミラー付き光導波路及びその製造方法を提供することを課題とする。
本発明者は鋭意検討した結果、光導波路内に、光導波路の表面側に傾斜する表面通信用ミラー面と、光導波路の裏面側に傾斜する裏面通信用ミラー面とを設けることにより、光導波路の表裏両面に光学素子を設置することが可能となり、光学素子の設置個数を増加することができるとの知見に至った。
すなわち、本発明は、下記[1]〜[10]を提供するものである。
[1]下部クラッド層と、前記下部クラッド層上に間隔をおいて並設された複数本の棒状のコアと、前記複数本の棒状のコアを通過する光信号の光路変換を行う複数個のミラー面とを有するミラー付き光導波路であって、前記複数個のミラー面は、前記コアの長手方向に対してミラー付き光導波路の表面側に傾斜する表面通信用ミラー面及び裏面側に傾斜する裏面通信用ミラー面を有しており、前記複数本の棒状のコアとミラー付き光導波路の表裏両面との間で光信号の送受信が可能とされていることを特徴とするミラー付き光導波路。
[2]前記複数本の棒状のコアの長手方向の延長線上に、前記複数本の棒状のコアと対向する対向部材が設けられており、前記対向部材のうち前記複数本の棒状のコアと対向する側面が幅広ミラー面とされており、前記幅広ミラー面が前記表面通信用ミラー面及び前記裏面通信用ミラー面のいずれか一方である[1]に記載のミラー付き光導波路。
[3]前記複数本の棒状のコアは、コアの長手方向の途中箇所にコア内ミラー面を有する第1のコアと、コア内ミラー面を有しない第2のコアとを有しており、前記幅広ミラー面が前記表面通信用ミラー面及び前記裏面通信用ミラー面のいずれか一方であり、前記コア内ミラー面が、前記表面通信用ミラー面及び前記裏面通信用ミラー面のいずれか他方とされており、前記第2のコアの幅方向に隣接するコアは、前記第1のコアである[2]に記載のミラー付き光導波路。
[4]前記第1のコアの幅方向に隣接するコアは、前記第2のコアである[3]に記載のミラー付き光導波路。
[5]前記複数本のコア上に上部クラッド層を有する[2]〜[4]に記載のミラー付き光導波路。
[6][2]〜[5]に記載のミラー付き光導波路の製造方法であって、前記下部クラッド層上に前記対向部材を形成する対向部材形成工程、前記対向部材の側面に前記幅広ミラー面を形成する幅広ミラー面形成工程、前記下部クラッド層上に、前記幅広ミラー面に対して端面が対向するように前記複数本の棒状のコアを形成するコア形成工程、及び前記複数本のコアに前記コア内ミラー面を形成するコア内ミラー面形成工程を含むことを特徴とするミラー付き光導波路の製造方法。
[7]前記コア内ミラー面形成工程は、前記複数本の棒状のコアに対して溝をコアの幅方向に一列に形成する溝形成工程と、前記複数本のコアのうち一部のコアの溝に対して金属層を形成する金属層形成工程とを含む[6]に記載のミラー付き光導波路の製造方法。
[8]前記溝形成工程の後かつ前記金属層形成工程の前に、前記溝のうち金属層を形成しない溝に反射防止部材を充填する反射防止部材充填工程を有する[7]に記載のミラー付き光導波路の製造方法。
[9]前記金属層形成工程の後に、前記金属層を形成しない溝及び前記金属層を形成した溝のうち少なくとも前記金属層を形成しない溝に、反射防止部材を充填する反射防止部材充填工程を有する[7]に記載のミラー付き光導波路の製造方法。
[10]前記コア内ミラー面形成工程の後に、前記複数本のコア及び前記対向コアを被覆する上部クラッド層を形成する上部クラッド層形成工程を有する[6]〜[9]のいずれかに記載のミラー付き光導波路の製造方法。
本発明のミラー付き光導波路及びその製造方法によると、光導波路内に、光導波路の表面側に傾斜する表面通信用ミラー面と、光導波路の裏面側に傾斜する裏面通信用ミラー面とが設けられる。これら表面通信用ミラー面及び裏面通信用ミラー面により、コアと光導波路の表裏面との間で光信号の送受信が可能となる。これにより、光導波路の表裏両面に光学素子を設置することができ、光学素子の設置個数を増加することができる。
図1(a)は第1の実施の形態に係るミラー付き光導波路5の斜視図、図1(b)は図1(a)のB−B線に沿う断面図、図1(c)は図1(a)のC−C線に沿う断面図である。 図1(a)の平面図である。 図1のミラー付き光導波路5の光コネクタ70への接続を説明する斜視図である。 図1のミラー付き光導波路5の製造方法の一例を説明する断面図である。 図5(a)は第1の実施の形態の変形例に係るミラー付き光導波路5Aの断面図、図5(b)はこのミラー付き光導波路5A製造工程の一部を説明する断面図である。 図6(a)は第2の実施の形態に係るミラー付き光導波路5Bの斜視図、図6(b)は図6(a)の平面図、図6(c)は図6(a)のC−C線に沿う断面図である。 図7(a)は第3の実施の形態に係るミラー付き光導波路5Cの斜視図、図7(b)は図7(a)の平面図、図7(c)は図7(a)のC−C線に沿う断面図である。 図7(a)の平面図である。
<第1の実施の形態>
以下、図面を参照して本発明の第1の実施の形態について説明する。
図1(a)は第1の実施の形態に係るミラー付き光導波路5の斜視図、図1(b)は図1(a)のB−B線に沿う断面図、図1(c)は図1(a)のC−C線に沿う断面図である。図2は図1(a)の平面図である。図3は図1のミラー付き光導波路5の光コネクタ70への接続を説明する斜視図である。図4は図1のミラー付き光導波路5の製造方法の一例を説明する断面図である。
〔ミラー付き光導波路の構成〕
詳細は後述するが、本実施の形態に係るミラー付き光導波路5は、主に、基板1と、基板1上の下部クラッド層2と、下部クラッド層2上に間隔をおいて並設された複数本の棒状のコア3a〜3dと、複数本の棒状のコア3a〜3dを通過する光信号の光路変換を行う複数個のミラー面6,6A(図2)とを有するミラー付き光導波路5であって、複数個のミラー面6,6Aは、コアの長手方向に対してミラー付き光導波路5の表面側に傾斜する表面通信用ミラー面6A及び裏面側に傾斜する裏面通信用ミラー面6を有しており、コア3a〜3dとミラー付き光導波路5の表裏両面との間で光信号の送受信が可能とされたものである。
そのため、ミラー付き光導波路5の表裏両面に光学素子を設置することにより、表面及び裏面の一方のみに光学素子を設置する場合と比べて、光学素子の設置個数を増加することができる。
次に、このミラー付き光導波路5の構成について詳細に説明する。
(基板)
基板1の材料としては、特に制限はなく、例えば、ポリイミド基板、FR−4基板、ガラスエポキシ樹脂基板、セラミック基板、ガラス基板、シリコン基板、プラスチック基板、金属基板、樹脂層付き基板、金属層付き基板、プラスチックフィルム、樹脂層付きプラスチックフィルム、金属層付きプラスチックフィルム、電気配線板が挙げられる。
基板1として柔軟性及び強靭性のある基材、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリアミド、ポリカーボネート、ポリフェニレンエーテル、ポリエーテルサルファイド、ポリアリレート、液晶ポリマー、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリエーテルイミド、ポリアミドイミド、ポリイミドを基板として用いることで、フレキシブルな光導波路としてもよい。
この基板1の厚さとしては、板の反りや寸法安定性により、適宜変えてよいが、好ましくは0.1〜10.0mmである。本実施の形態では、光信号の波長に対して透明な基板1を用いるとよい。また、基板1のない光導波路を得るためには、下部クラッド層形成工程後から上部クラッド層形成工程後のいずれかの工程において、基板1と下部クラッド層とを剥離すればよく、この場合、下部クラッド層と基板1とに剥離性のある材料を用いれば良い。このときの基板1は光信号の波長に対して透明でなくとも良い。
(下部クラッド層)
上記基板1の上面の全面に、下部クラッド層2が設けられている。
下部クラッド層2としては、コア3a〜3dより低屈折率の樹脂が使用される。下部クラッド層2の厚さに関しては、特に限定するものではないが、乾燥後の厚さで、5〜500μmの範囲が好ましい。5μm以上であると、光の閉じ込めに必要なクラッド厚さが確保でき、500μm以下であると、膜厚を均一に制御することが容易である。以上の観点から、下部クラッド層2の厚さは、さらに10〜100μmの範囲であることがより好ましい。
(棒状のコア)
上記下部クラッド層2上に、間隔をおいて4本の棒状のコア3a〜3dが並設されている。これらコア3a〜3dは、細長い四角柱状であり、互いに間隔をおいて平行に設けられている。これらコア3a〜3dの長手方向における一端は、基板1の一辺にまで延在しており、ミラー付き光導波路5の側面に露出している。これらコア3a〜3dの長手方向における他端は、基板1の一辺と対向する他辺までは延在しておらず、このコア3a〜3dの他端は基板1の他辺よりも内側に位置している。
コア3a〜3dの材料としては、下部クラッド層2及び上部クラッド層4より高屈折率の樹脂が好適に用いられる。
コア3a〜3dの厚さについては特に限定されず、通常は10〜100μmとなるように調整される。該コア3a〜3dの厚さが10μm以上であると、光導波路形成後の光学素子との結合において位置合わせトレランスが拡大できるという利点があり、100μm以下であると、光導波路形成後の光学素子との結合において、結合効率が向上するという利点がある。以上の観点から、コア3a〜3dの厚さは、さらに30〜90μmの範囲であることが好ましい。
(対向部材)
上記下部クラッド層2上に、対向部材3eが設けられている。この対向部材3eは、前記複数本の棒状のコア3a〜3dの長手方向の延長線上に、コア3a〜3dの総てと対向するように設けられている。
この対向部材3eのうちコア3a〜3dと対向する側面が傾斜面11となっている。この傾斜面11と下部クラッド層2の表面とのなす角度は、好ましくは30〜60°、より好ましくは40〜50°、更に好ましくは44〜46°である。図1に示すとおり、この対向部材3eの短手方向に沿う縦断面は台形となっている。対向部材3eの厚さは、コア3a〜3dの厚さと同一であるかそれよりも大きいことが好ましい。対向部材3eがコア3a〜3dの厚さと同一であると、対向部材3e及びコア3a〜3dの作製が容易であり、また、上部クラッド層4の作製も容易となる。対向部材3eがコア3a〜3dの厚さよりも大きいと、コア3a〜3dの端面から出射する光信号が上下方向に多少広がったとしても、幅広ミラー面6Aで確実に反射することができ、光損失が低減される。
この対向部材3eの内部は光路とはならないため、対向部材3eの材料には特に限定は無く、例えば上記の下部クラッド層と同一の材料であってもよく、棒状のコアと同一材料であってもよい。
(幅広ミラー面(表面通信用ミラー面))
上記対向部材3eの少なくともコア3a〜3dと対向する傾斜面11に金属層30が形成されている。この金属層30のうち傾斜面11の部分が、幅広ミラー面6Aとなる。この幅広ミラー面6Aは、コア3a〜3dとミラー付き光導波路5の表面との間で光信号の送受信を行う表面通信用ミラー面となる。
この幅広ミラー面3eとコア3a〜3dの端面との間が、溝10となっている。
上記金属層30の材料としては、Au、Ag、Cu、Cr、Ti、Al、Pd、Ni等の各種金属が好適に用いられる。反射率の観点から、Au、Ag、Cu、Alがより好適に用いられる。
(コア内ミラー面(裏面通信用ミラー面))
上記複数本の棒状のコア3a〜3dは、溝20を有している。これら溝20は、各コア3a〜3dの短手方向にわたって延在しており、その両端が各コア3a〜3dの両側面にまで至っている。これらの溝20は、その短手方向(幅方向)に一列に並んでいる。図1に示すとおり、これら溝20のコア長手方向に沿う縦断面は、略直角三角形となっている。具体的には、溝20の各々は、コアの長手方向に対向する2つの側面のうち、一方の側(対向部材3eに近い側。図1における右側。)の側面が下部クラッド層2に対して垂直に起立する垂直面となっており、他方の側(対向部材3eに遠い側。図1における左側。)の側面が下部クラッド層2に対して傾斜する傾斜面21となっている。これら4個の傾斜面21は同一平面内に存在している。
この傾斜面21と下部クラッド層2の表面とのなす角度は、好ましくは30〜60°、より好ましくは40〜50°、更に好ましくは44〜46°である。図1に示すとおり、これら溝20の傾斜面21と対向部材3eの幅広ミラー面6Aとは、コア長手方向の逆方向に傾斜している。
コア3a,3cの溝20の側面に金属層30が形成されており、コア3a,3cの傾斜面21がコア内ミラー面6となっている。このコア内ミラー面6を有するコア3a,3cが第1のコアとなる。一方、コア3b,3dの溝20の側面には金属層30が形成されておらず、コア3b,3dの傾斜面21は透光面7となっている。このコア内ミラー面6を有しないコア3b,3dが第2のコアとなる。したがって、これら第1のコア3a,3cの隣のコアは第2のコア3b、3dであり、これら第2のコア3b,3dの隣のコアは第1のコア3a,3cである。これらコア内ミラー面6は、コア3a,3cとミラー付き光導波路5の裏面との間で光信号の送受信を行う裏面通信用ミラー面となる。
このように、コア内ミラー面6と上記対向部材の幅広ミラー面6Aとは、その一方が表面通信用ミラー面となり、他方が裏面通信用ミラー面となっている。
(上部クラッド層)
これら下部クラッド層2の上面及びコア3a〜3dを覆うようにして、上部クラッド層4が設けられている。上記溝10,20は、この上部クラッド層4により充填されている。このように、溝10,20が上部クラッド層4で充填され、ミラー面6が大気中に露出しないので、ミラー面6が劣化したり損傷したりすることが防止される。また、溝10,20内に上部クラッド層4が充填されているため、充填されていない場合と比べて、溝10,20内における光損失が低減される。さらに、ミラー付き光導波路5の強度が高くなり、溝10,20近傍で折れ等が生じることが防止される。
上部クラッド層4の材料としては、コア3a〜3dより低屈折率の樹脂が使用される。この上部クラッド層4と下部クラッド層2とは、材料が同一であっても異なっていてもよく、屈折率が同一であっても異なっていてもよい。
上部クラッド層4の厚さに関しても下部クラッド層2と同様に、特に限定するものではないが、乾燥後の厚さで、5〜500μmの範囲が好ましい。5μm以上であると、光の閉じ込めに必要なクラッド厚さが確保でき、500μm以下であると、膜厚を均一に制御することが容易である。以上の観点から、上部クラッド層4の厚さは、さらに10〜100μmの範囲であることがより好ましい。また、コア3a〜3dを埋め込むためには、上部クラッド層4の厚みはコア3a〜3dの厚さ以上にすることが好ましい。
〔ミラー付き光導波路を用いた光信号の送受信例〕
次に、図1及び図3を参照して、このように構成されたミラー付き光導波路5に光信号を送受信する一例について説明する。
上記のミラー付き光導波路5は、図3に示すとおり、溝20側の端部(図3の左端部)が光コネクタ(MTコネクタ)70に接続される。
コア3a,3cにおいては、基板1の下面のうち溝20の傾斜面21の下方位置に、光学素子(図示略)が接続される。この光学素子が受光素子である場合にあっては、光コネクタ70から送信された光信号は、コア3a,3c内をコアの長手方向に移動した後、溝20に形成されたコア内ミラー面6で下向きに光路変換され、このコア内ミラー面6の下方の光学素子によって受信される。この光学素子が発光素子である場合にあっては、発光素子から上向きに送信された光信号は、基板1、下部クラッド層2及びコア3a,3c内を移動した後、溝20に形成されたコア内ミラー面6で長手方向(図1及び図3の左方向)に光路変換されてコア3a、3c内を光路方向に移動し、光コネクタ70によって受信される。
コア3b,3dにおいては、上部クラッド層4の上面のうち幅広ミラー面6Aの上方位置に、光学素子(図示略)が接続される。この光学素子が受光素子である場合にあっては、光コネクタ70から送信された光信号は、コア3b,3d内をコアの長手方向に移動し、溝20,10を透過した後、幅広ミラー面6Aで上向きに光路変換され、この幅広ミラー面6Aの上方の光学素子によって受信される。この光学素子が発光素子である場合にあっては、発光素子から下向きに送信された光信号は、上部クラッド層4及びコア3b,3d内を移動した後、幅広ミラー面6Aで水平方向(図1及び図3の左方向)に光路変換され、コア3b、3d、溝10,20内を光路方向に移動した後、光コネクタ70によって受信される。
上記のとおり、このミラー付き光導波路5を用いると、その表面及び裏面とコア3a〜3dとの間で光信号の送受信が可能となる。これにより、光学素子をミラー付き光導波路5の表面と裏面とに分散させて設置することが可能となり、ミラー付き光導波路5に多数個の光学素子を設置することができる。
また、ミラー付き光導波路5の上面には、隣り合うコア用の光学素子が設置されない。すなわち、ミラー付き光導波路5の上面には、コア3b,3d用の光学素子のみが設置され、これらコア3b,3dと隣接するコア3a,3c用の光学素子は設置されない。このため、光学素子同士の間隔が小さくなって干渉し合うことが防止される。
同様に、ミラー付き光導波路5の下面には、隣り合うコア用の光学素子が設置されない。すなわち、ミラー付き光導波路5の下面には、コア3a,3c用の光学素子のみが設置され、これらコア3a,3cと隣接するコア3b,3d用の光学素子は設置されない。このため、光学素子同士の間隔が小さくなって干渉し合うことが防止される。
また、幅広ミラー面6Aは、コア3b,3dの幅(短手方向の長さ)と比べて著しく幅広である。このため、コア3b,3d内を通過し、コア3b,3dの端面で若干幅方向に広がった光信号を、この幅広ミラー面6Aで確実に上方に光路変換させてその上方の光学素子に受信させることができ、光損失の低減を達成することができる。
〔ミラー付き光導波路の製造方法〕
次に、上記のミラー付き光導波路5の製造方法について説明する。
(1)基板上への下部クラッド層の形成工程(図4(a))
基板1上に下部クラッド層2を積層する。下部クラッド層2の形成方法は特に限定されず、例えば、クラッド層形成用樹脂の塗布又はクラッド層形成用樹脂フィルムのラミネートにより形成すればよい。
クラッド層形成用樹脂としては、コア3a〜3dより低屈折率であり、光又は熱により硬化する樹脂組成物であれば特に限定されず、熱硬化性樹脂組成物や感光性樹脂組成物を好適に使用することができる。
塗布の方法は限定されず、クラッド層形成用樹脂組成物を常法により塗布すればよい。
また、ラミネートに用いるクラッド層形成用樹脂フィルムは、例えば、クラッド層形成用樹脂組成物を溶媒に溶解して、キャリアフィルムに塗布し、溶媒を除去することにより容易に製造することができる。
このクラッド層形成用樹脂フィルムは、支持フィルム上に形成することが好ましい。支持フィルムの種類としては、基板1として柔軟性及び強靭性のある基材として上記に列挙したフィルムが好適に挙げられる。支持体フィルムの厚さは、5〜50μmであることが好ましい。5μm以上であると、支持体フィルムとしての強度が得やすいという利点があり、50μm以下であると、パターン形成時のマスクとのギャップが小さくなり、より微細なパターンが形成できるという利点がある。以上の観点から、支持体フィルムの厚さは10〜40μmの範囲であることがより好ましく、15〜30μmであることが特に好ましい。
なお、後述するコア層形成用樹脂フィルム及び下部クラッド層用のクラッド層形成用樹脂フィルムも、この支持フィルム上に形成することが好ましい。
(2)対向部材形成工程(図4(b))
次いで、該下部クラッド層2上に対向部材3eを形成する。
この対向部材3eの形成方法には特に制限はなく、例えば、対向部材層形成用樹脂の塗布又は対向部材層形成用樹脂フィルムのラミネートによって下部クラッド層2の上面全面に対向部材層を形成し、エッチングにより対向部材3eを形成すればよい。また、対向部材3eの傾斜面11は、レーザーアブレーションやダイシングソーによって形成すればよい。
上記対向部材層形成用樹脂及び対向部材層形成用樹脂フィルムとしては、活性光線により対向部材3eを形成し得る樹脂組成物を用いることができる。
(3)幅広ミラー面形成工程(図4(b))
上記対向部材3eの傾斜面11に、金属層30よりなる幅広ミラー面6Aを形成する。金属層30の形成方法としては、特に限定はないが、蒸着、スパッタリング、めっき等が好ましい。例えば、傾斜面11に対応する箇所を開口させたメタルマスクを用いて蒸着、又はスパッタリングを行ったり、レジストを用いて傾斜面11を開口させ、蒸着、スパッタリング、めっき等を行い、その後、レジストを除去するのが好ましい。これらのうち、作業効率及び環境負荷の点から、メタルマスクを用いた蒸着又はスパッタリングがより好ましい。
このように、棒状のコア3a〜3dを作製する前に金属層30よりなる幅広ミラー面6Aを形成するため、金属層30が棒状のコア3a〜3dの端面にまで形成されてしまうことが防止される。これにより、コア3b,3dと幅広ミラー面6Aとの間の光信号の送受信が、コア3b,3dの端面に形成されてしまった金属面30によって阻害されることが確実に防止される。
(4)コア3a〜3dの形成工程(図4(c))
次いで、該下部クラッド層2上にコア3a〜3dを形成する。
このコア3a〜3dの形成方法には特に制限はなく、例えば、コア層形成用樹脂の塗布又はコア層形成用樹脂フィルムのラミネートによって下部クラッド層2の上面にコア層を形成し、エッチングによりコア3a〜3dを形成すればよい。
上記コア層形成用樹脂及びコア層形成用樹脂フィルムとしては、活性光線によりコア3a〜3dを形成し得る樹脂組成物を用いることができる。
(5)コア内ミラー面形成工程(図4(c),図4(d))
このコア内ミラー面形成工程は、以下の溝形成工程と、金属層形成工程とを含む。
(溝形成工程(図4(c))
これらコア3a〜3dの長手方向における途中箇所に、溝20を形成する。これら溝20の形成方法は特に限定されず、レーザーアブレーションやダイシングソーによって形成すればよい。例えば、ダイシングソーを、コア3aからコア3d側に移動させることにより、これらコア3a〜3dに溝20を形成することができる。この溝20のうち対向部材3eから遠い側の側面が傾斜面21となる。
(金属層形成工程(図4(e))
コア3a,3cの溝20の傾斜面21に、金属層30よりなるミラー面6を形成する。金属層30の形成方法としては、特に限定はないが、上記対向部材3eに幅広ミラー面6Aを形成する場合と同様に、蒸着、スパッタリング、めっき等が好ましい。
また、傾斜面21にのみ金属層30を形成する場合は、傾斜面21に対応する箇所を開口させたメタルマスクを用いて蒸着、又はスパッタリングを行ったり、レジストを用いて傾斜面11,21を開口させ、蒸着、スパッタリング、めっき等を行い、その後、レジストを除去したりするのが好ましい。金属層30の形成範囲は適宜調節すればよく、少なくとも傾斜面21のうちコア3a,3cの一部に形成すればよいが、光損失を小さくする観点からは、傾斜面21の全面に形成することがより好ましい。
(6)上部クラッド層の形成工程(図4(f))
下部クラッド層2、コア3a〜3d及び対向部材3eの上面側から上部クラッド層4を積層する。このとき、溝10,20がクラッド層形成用の樹脂又は樹脂フィルムで埋められる。これにより、コア3b,3d内の光信号が溝20を通過するときの光損失が低減される。同様に、コア3a,3cの端面と幅広ミラー面3eとの間を光信号が通過するときの光損失も低減される。また、これら溝10,20の部分でミラー付き光導波路5が切断することが防止される。さらに、幅広ミラー面6A及びコア内ミラー面6が保護される。
上部クラッド層4の形成方法としては、特に限定はなく、スピンコートによってクラッド層形成用の樹脂をコーティングしたり、ドライフィルム型のクラッド層形成用の樹脂フィルムをロールラミネータや真空ラミネータ等を用いて積層することが好ましい。
<第1の実施の形態の変形例>
図5(a)は第1の実施の形態の変形例に係るミラー付き光導波路5Aの断面図、図5(b)はこのミラー付き光導波路5A製造工程の一部を説明する断面図である。
(ミラー付き光導波路5Aの構成)
図5(a)のミラー付き光導波路5Aは、図1〜図3のミラー付き光導波路5において、コア内ミラー面6を有しない第2のコア3b,3dの溝20に、反射防止部材3’を形成したものである。ミラー付き光導波路5Aのその他の構成は図1〜図3のミラー付き光導波路5と同様であり、同一部分は同一部材を意味する。よって、以下には、反射防止部材3’の構成を説明する。
上述のとおり、このミラー付き光導波路5Aは、第2のコア3b,3dの溝20に反射防止部材3’が形成されている。
この反射防止部材3’としては、この反射防止剤3’とコア3a〜3dとの屈折率差が、上部クラッド層4とコア3a〜3dとの屈折率差よりも小さい材料であることが好ましく、コア3a〜3dと同一の屈折率の材料であることがより好ましい。この反射防止部材3’により、第2のコア3b,3d内の光信号が溝20を通過するときの光損失が低減される。
(ミラー付き光導波路5Aの製造方法)
このミラー付き光導波路5Aを製造するには、図4に示すミラー付き光導波路5の製造方法において、斜面形成工程(図4(d))と金属層形成工程(図4(e)との間に(第1のタイミング)、または、金属層形成工程(図4(e))と上部クラッド層形成工程(図4(f))との間に(第2のタイミング)、図5(b)の反射防止材充填工程を実施すればよい。
この反射防止材3’の形成方法には特に制限はなく、例えばコア3a〜3dと同様の方法を採用することができる。すなわち、コア層形成用樹脂の塗布又はコア層形成用樹脂フィルムのラミネートによって、コア3b,3dの溝20及びその周辺に反射防止材層を形成し、エッチングにより反射防止材3’を形成すればよい。
なお、この反射防止材3’は、少なくともコア内ミラー面6を有しないコア3b,3dの溝20に形成する必要があるが、その他のコア3a,3cの溝20に形成してもよい。例えば、上記第2のタイミングでこの反射防止材3’を形成する場合には、総ての溝20に上記方法で反射防止材3’を形成してもよい。
<第2の実施の形態>
図6(a)は第2の実施の形態に係るミラー付き光導波路5Bの斜視図、図6(b)は図6(a)の平面図、図6(c)は図6(a)のC−C線に沿う断面図である。なお、図6(a)では金属層30は省略している。
このミラー付き光導波路5Bは、コア3a〜3dにさらに溝50を設けたこと、コア内ミラー面6の設置箇所を異ならせたこと以外は、図1〜4のミラー付き光導波路5と同様であり、図1〜図4と同一符号は同一部分を示す。
以下に、溝50及びコア内ミラー面6の設置箇所の詳細について説明する。
(溝)
上記コア3a〜3dは、溝20よりも長手方向の対向部材3eと反対側(図6の左側)に所定間隔をおいて、溝50を有している。これら溝50も上記溝20と同様に、各コア3a〜3dの短手方向にわたって延在しており、その両端が各コア3a〜3dの両側面にまで至っている。これらの溝50も、コア3a〜3dの短手方向に一列に並んでおり、コア3a〜3dの長手方向(コアの短手方向と直交方向)の縦断面が、溝20と同一の直角三角形となっている。具体的には、溝50の各々は、コアの長手方向に対向する2つの側面のうち、一方の側(対向部材3eに近い側。図6における右側。)の側面が下部クラッド層2に対して垂直に起立する垂直面となっており、他方の側(対向部材3eに遠い側。図6における左側。)の側面が下部クラッド層2に対して傾斜する傾斜面51となっている。これら4個の傾斜面51は同一平面内に存在している。
(コア内ミラー面)
図6(b)に示すとおり、コア3a,3dにあっては、溝20,50内に金属層30よりなるコア内ミラー面6は形成されておらず、傾斜面21,51は透光面7とされている。これらコア内ミラー面6を有しないコア3a,3dは、第2のコアとなる。
コア3bにあっては、溝20内に金属層30が形成されており、傾斜面21がミラー面6とされている。このようにコア内ミラー面6を有するので、コア3bは第1のコアとなる。
コア3cにあっては、溝50内に金属層30が形成されており、傾斜面51がミラー面6とされている。このようにコア内ミラー面6を有するので、コア3cも第1のコアとなる。
これらコア内ミラー面6は、コア3b,3cとミラー付き光導波路5の裏面との間で光信号の送受信を行う裏面通信用ミラー面となる。
このミラー付き光導波路5Bを用いても、その表面及び裏面とコア3a〜3dとの間で光信号の送受信が可能となる。これにより、光学素子をミラー付き光導波路5の表面と裏面とに分散させて設置することが可能となり、ミラー付き光導波路5Bに多数個の光学素子を設置することができる。
また、ミラー付き光導波路5Bの上面には、隣り合うコア用の光学素子が設置されない。すなわち、ミラー付き光導波路5の上面には、コア3a,3d用の光学素子のみが設置され、これらコア3a,3dと隣接するコア3b,3c用の光学素子は設置されない。このため、光学素子同士の間隔が小さくなって干渉し合うことが防止される。
同様に、ミラー付き光導波路5Bの下面には、隣り合うコア用の光学素子が設置されない。すなわち、ミラー付き光導波路5Bの下面には、隣り合うコア3b,3c用の光学素子のみが設置されている。しかし、これらコア3b,3cのミラー面6はコア長手方向にずれて設置されているため、ミラー付き光導波路5Bの裏面のコア3b,3c用の光学素子も、コア長手方向にずれて設置することができる。このため、光学素子同士の間隔が小さくなって干渉し合うことが防止される。
また、幅広ミラー面6Aは、コア3a,3dの幅(短手方向の長さ)と比べて著しく幅広である。このため、コア3a,3d内を通過し、コア3a,3dの端面で若干幅方向に広がった光信号を、この幅広ミラー面6Bで確実に上方に光路変換させてその上方の光学素子に受信させることができ、光損失の低減を達成することができる。
<第3の実施の形態>
図7(a)は第3の実施の形態に係るミラー付き光導波路5Cの斜視図、図7(b)は図7(a)のB−B線に沿う断面図、図7(c)は図7(a)のC−C線に沿う断面図、図8は図7(a)の平面図である。
このミラー付き光導波路5Cは、第1の実施の形態に係るミラー付き光導波路5において、対向部材3eに代えて、コア3a〜3eごとに小型の対向部材60a〜60dを設置したものであり、同一符号は同一部分を示す。これら対向部材60a〜60dのうちコア3a〜3dの端面と対向する側面に金属層が形成され、表面通信用ミラー面とされる。
このミラー付き光導波路5Cを用いても、その表面及び裏面とコア3a〜3dとの間で光信号の送受信が可能となる。これにより、光学素子をミラー付き光導波路5の表面と裏面とに分散させて設置することが可能となり、ミラー付き光導波路5Bに多数個の光学素子を設置することができる。
また、ミラー付き光導波路5Cの上面には、隣り合うコア用の光学素子が設置されない。すなわち、ミラー付き光導波路5Cの上面には、コア3a,3c用の光学素子のみが設置され、これらコア3a,3cと隣接するコア3b,3d用の光学素子は設置されない。このため、光学素子同士の間隔が小さくなって干渉し合うことが防止される。
同様に、ミラー付き光導波路5Cの下面には、隣り合うコア用の光学素子が設置されない。すなわち、ミラー付き光導波路5Cの下面には、コア3b,3d用の光学素子のみが設置され、これらコア3b,3dと隣接するコア3a,3c用の光学素子は設置されない。このため、光学素子同士の間隔が小さくなって干渉し合うことが防止される。
また、対向部材60a〜60dの表面通信用ミラー面6は、コア3a,3dの幅(短手方向の長さ)と比べて著しく幅広である。このため、コア3a,3d内を通過し、コア3a,3dの端面で若干幅方向に広がった光信号を、この対向部材60a〜60dの表面通信用ミラー面6で確実に上方に光路変換させてその上方の光学素子に受信させることができ、光損失の低減を達成することができる。
このミラー付き光導波路5Cにあっては、コア3a〜3dと同時に対向部材60a〜60dを作成することができる。なお、対向部材60a〜60dの傾斜面にのみ金属層30を形成する場合は、傾斜面に対応する箇所を開口させたメタルマスクを用いて蒸着、又はスパッタリングを行ったり、レジストを用いて傾斜面を開口させ、蒸着、スパッタリング、めっき等を行い、その後、レジストを除去したりするのが好ましい。
<その他の実施の形態>
上記実施の形態は本発明の一例であり、本発明は上記実施の形態に限定されるものではない。
例えば、上記ミラー付き光導波路において、基板1は省略してもよい。コアは3本でもよく、5本以上でもよい。各コアの傾斜面は3個以上であってもよい。
以下、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を越えない限り、以下の実施例に限定されない。
実施例1
[クラッド層形成用樹脂フィルムの作製]
((A)ベースポリマー;(メタ)アクリルポリマー(A−1)の作製)
撹拌機、冷却管、ガス導入管、滴下ろうと、及び温度計を備えたフラスコに、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部及び乳酸メチル23質量部を秤量し、窒素ガスを導入しながら撹拌を行った。液温を65℃に上昇させ、メチルメタクリレート47質量部、ブチルアクリレート33質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート16質量部、メタクリル酸14質量部、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)3質量部、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート46質量部、及び乳酸メチル23質量部の混合物を3時間かけて滴下後、65℃で3時間撹拌し、さらに95℃で1時間撹拌を続けて、(メタ)アクリルポリマー(A−1)溶液(固形分45質量%)を得た。
(クラッド層形成用樹脂ワニスの調合)
(A)ベースポリマーとして、前記A−1溶液(固形分45質量%)84質量部(固形分38質量部)、(B)光硬化成分として、ポリエステル骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製「U−200AX」)33質量部、及びポリプロピレングリコール骨格を有するウレタン(メタ)アクリレート(新中村化学工業(株)製「UA−4200」)15質量部、(C)熱硬化成分として、ヘキサメチレンジイソシアネートのイソシアヌレート型三量体をメチルエチルケトンオキシムで保護した多官能ブロックイソシアネート溶液(固形分75質量%)(住化バイエルウレタン(株)製「スミジュールBL3175」)20質量部(固形分15質量部)、(D)光重合開始剤として、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(チバ・ジャパン(株)製「イルガキュア2959」)1質量部、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキシド(チバ・ジャパン(株)製「イルガキュア819」)1質量部、及び希釈用有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート23質量部を攪拌しながら混合した。孔径2μmのポリフロンフィルタ(アドバンテック東洋(株)製「PF020」)を用いて加圧濾過後、減圧脱泡し、クラッド層形成用樹脂ワニスを得た。
上記で得られたクラッド層形成用樹脂組成物を、PETフィルム(東洋紡績(株)製「コスモシャインA4100」、厚み50μm)の非処理面上に、前記塗工機を用いて塗布し、100℃で20分乾燥後、保護フィルムとして表面離型処理PETフィルム(帝人デュポンフィルム(株)製「ピューレックスA31」、厚み25μm)を貼付け、クラッド層形成用樹脂フィルムを得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であり、本実施例では使用した下部クラッド層2の厚みは15μm、上部クラッド層8の厚みは70μmのものを用いた。
[コア層形成用樹脂フィルムの作製]
(A)ベースポリマーとして、フェノキシ樹脂(商品名:フェノトートYP−70、東都化成株式会社製)26質量部、(B)光重合性化合物として、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン(商品名:A−BPEF、新中村化学工業株式会社製)36質量部、及びビスフェノールA型エポキシアクリレート(商品名:EA−1020、新中村化学工業株式会社製)36質量部、(C)光重合開始剤として、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド(商品名:イルガキュア819、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、及び1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(商品名:イルガキュア2959、チバ・スペシャリティ・ケミカルズ社製)1質量部、有機溶剤としてプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート40質量部を用いたこと以外は上記製造例と同様の方法及び条件でコア層形成用樹脂ワニスBを調合した。その後、上記製造例と同様の方法及び条件で加圧濾過さらに減圧脱泡した。
上記で得られたコア層形成用樹脂ワニスBを、PETフィルム(商品名:コスモシャインA1517、東洋紡績株式会社製、厚さ:16μm)の非処理面上に、上記製造例と同様な方法で塗布乾燥し、次いで保護フィルムとして離型PETフィルム(商品名:ピューレックスA31、帝人デュポンフィルム株式会社、厚さ:25μm)を離型面が樹脂側になるように貼り付け、コア層形成用樹脂フィルムを得た。このとき樹脂層の厚みは、塗工機のギャップを調節することで任意に調整可能であり、本実施例では使用したコア層形成用樹脂フィルム厚みは、50μmのものを用いた。
[光導波路の作製]
以下の手順で、図1〜図4に示すミラー付き光導波路5を作製した。
(1)基板上への下部クラッド層の形成工程(図4(a))
100mm×100mmのポリイミド基板(宇部日東化成株式会社製、商品名;ユーピレックスRN、厚さ;25μm)上に上記で得られたクラッド層形成用樹脂フィルムから保護フィルムである離型PETフィルム(ピューレックスA31)を剥離し、平板型ラミネータとして真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度50℃、加圧時間30秒の条件にて加熱圧着し、紫外線露光機(株式会社オーク製作所製、EXM−1172)にて紫外線(波長365nm)を4J/cm2照射し、その後、キャリアフィルムを剥離し、続いて、170℃で1時間加熱乾燥及び硬化し、下部クラッド層2を形成した。
(2)対向部材形成工程(図4(b))
次に、下部クラッド層2上に、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で上記コア層形成用樹脂フィルムをラミネートし、次に、開口幅が50μmネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を0.6J/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。その後、支持フィルムであるPETフィルムを剥離し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=8/2、質量比)を用いて、コアパターンを現像した。続いて、洗浄液(イソプロパノール)を用いて洗浄し、100℃で10分間加熱乾燥し、1個の対向部材用のコアパターン(長さ50mm×幅1000μm×高さ50μm)を形成した。
上記で得られたコアパターンの基板反対側からダイシングソー(DAC552、株式会社ディスコ製)を用いて傾斜面11を形成し、対向部材3eを得た。
(3)幅広ミラー面形成工程(図4(b))
次いで対向部部材3eの傾斜面11部分に1050μm×55μmの開口を有するメタルマスクを対向部材3eに設置し、蒸着装置(RE−0025、株式会社ファースト技研製)を用いてAuを0.5μm蒸着させ、幅広ミラー面6Aを得た。
(4)コア3a〜3dの形成工程(図4(c))
次に、下部クラッド層2上に、ロールラミネータ(日立化成テクノプラント株式会社製、HLM−1500)を用い圧力0.4MPa、温度50℃、ラミネート速度0.2m/minの条件で上記コア層形成用樹脂フィルムをラミネートし、次に、開口幅が50μmネガ型フォトマスクを介し、上記紫外線露光機にて紫外線(波長365nm)を0.6J/cm2照射し、次いで80℃で5分間露光後加熱を行った。その後、支持フィルムであるPETフィルムを剥離し、現像液(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート/N,N−ジメチルアセトアミド=8/2、質量比)を用いて、コアパターンを現像した。続いて、洗浄液(イソプロパノール)を用いて洗浄し、100℃で10分間加熱乾燥し、4個のコア3a〜3d(各コア:長さ100mm×幅50μm×高さ50μm。コア同士の間の間隙:75μm。)を形成した。
(5)コア内ミラー面形成工程(図4(c),図4(d))
このコア内ミラー面形成工程は、以下の溝形成工程と、金属層形成工程とを含む。
(溝形成工程(図4(c))
上記で得られたコア3a〜3dの基板反対側からダイシングソー(DAC552、株式会社ディスコ製)を用いて、溝20を形成した。
(金属層形成工程(図4(e))
次いで傾斜面21部分に300μm×300μmの開口を有するメタルマスクをコア3a,3c上に設置し、蒸着装置(RE−0025、株式会社ファースト技研製)を用いてAuを0.5μm蒸着させ、コア内ミラー面6を得た。
(6)上部クラッド層の形成工程(図4(f))
次いで、上部クラッド層4として厚さ70μmの上記クラッド層形成用樹脂フィルムを上記真空加圧式ラミネータ(株式会社名機製作所製、MVLP−500)を用い、500Pa以下に真空引きした後、圧力0.4MPa、温度120℃、加圧時間30秒ラミネートした。さらに、紫外線(波長365nm)を4J/cm2照射後、キャリアフィルムを剥離し、170℃で1時間加熱処理することによって、上部クラッド層4を形成し、図1〜図4に示すミラー付き光導波路5を作製した。
1 基板
2 下部クラッド層
3a〜3d 棒状のコア
3e 対向部材
4 上部クラッド層
5,5A〜5C ミラー付き光導波路
6 ミラー面
7 透光面
10,20,50 溝
11,21 傾斜面

Claims (10)

  1. 下部クラッド層と、
    前記下部クラッド層上に間隔をおいて並設された複数本の棒状のコアと、
    前記複数本の棒状のコアを通過する光信号の光路変換を行う複数個のミラー面と
    を有するミラー付き光導波路であって、
    前記複数個のミラー面は、前記コアの長手方向に対してミラー付き光導波路の表面側に傾斜する表面通信用ミラー面及び裏面側に傾斜する裏面通信用ミラー面を有しており、前記複数本の棒状のコアとミラー付き光導波路の表裏両面との間で光信号の送受信が可能とされていることを特徴とするミラー付き光導波路。
  2. 前記複数本の棒状のコアの長手方向の延長線上に、前記複数本の棒状のコアと対向する対向部材が設けられており、
    前記対向部材のうち前記複数本の棒状のコアと対向する側面が幅広ミラー面とされており、
    前記幅広ミラー面が前記表面通信用ミラー面及び前記裏面通信用ミラー面のいずれか一方である請求項1に記載のミラー付き光導波路。
  3. 前記複数本の棒状のコアは、コアの長手方向の途中箇所にコア内ミラー面を有する第1のコアと、コア内ミラー面を有しない第2のコアとを有しており、
    前記幅広ミラー面が前記表面通信用ミラー面及び前記裏面通信用ミラー面のいずれか一方であり、
    前記コア内ミラー面が、前記表面通信用ミラー面及び前記裏面通信用ミラー面のいずれか他方とされており、
    前記第2のコアの幅方向に隣接するコアは、前記第1のコアである請求項2に記載のミラー付き光導波路。
  4. 前記第1のコアの幅方向に隣接するコアは、前記第2のコアである請求項3に記載のミラー付き光導波路。
  5. 前記複数本のコア上に上部クラッド層を有する請求項2〜4に記載のミラー付き光導波路。
  6. 請求項2〜5に記載のミラー付き光導波路の製造方法であって、
    前記下部クラッド層上に前記対向部材を形成する対向部材形成工程、
    前記対向部材の側面に前記幅広ミラー面を形成する幅広ミラー面形成工程、
    前記下部クラッド層上に、前記幅広ミラー面に対して端面が対向するように前記複数本の棒状のコアを形成するコア形成工程、及び
    前記複数本のコアに前記コア内ミラー面を形成するコア内ミラー面形成工程
    を含むことを特徴とするミラー付き光導波路の製造方法。
  7. 前記コア内ミラー面形成工程は、前記複数本の棒状のコアに対して溝をコアの幅方向に一列に形成する溝形成工程と、前記複数本のコアのうち一部のコアの溝に対して金属層を形成する金属層形成工程とを含む請求項6に記載のミラー付き光導波路の製造方法。
  8. 前記溝形成工程の後かつ前記金属層形成工程の前に、前記溝のうち金属層を形成しない溝に反射防止部材を充填する反射防止部材充填工程を有する請求項7に記載のミラー付き光導波路の製造方法。
  9. 前記金属層形成工程の後に、前記金属層を形成しない溝及び前記金属層を形成した溝のうち少なくとも前記金属層を形成しない溝に、反射防止部材を充填する反射防止部材充填工程を有する請求項7に記載のミラー付き光導波路の製造方法。
  10. 前記コア内ミラー面形成工程の後に、前記複数本のコア及び前記対向コアを被覆する上部クラッド層を形成する上部クラッド層形成工程を有する請求項6〜9のいずれかに記載のミラー付き光導波路の製造方法。
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