JP2012245192A - 放射線画像表示装置および方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】放射線画像の立体視画像に、被検体の厚さ方向の距離を表す数値を適切に付与する。
【解決手段】異なる2つの撮影方向から、圧迫板により被検体を圧迫して立体視画像を表示するための2つの放射線画像を取得する。基準位置設定部8cが、圧迫厚さに基づいて、被検体における厚さ方向の距離の基準となる基準位置を設定する。数値付与部8dが、基準位置からの厚さ方向における段階的な複数の距離を表す数値を、距離に応じたシフト量にて2つの放射線画像に付与する。表示制御部8eが、数値が付与された2つの放射線画像に基づく立体視画像をモニタ9に表示する。
【選択図】図4
【解決手段】異なる2つの撮影方向から、圧迫板により被検体を圧迫して立体視画像を表示するための2つの放射線画像を取得する。基準位置設定部8cが、圧迫厚さに基づいて、被検体における厚さ方向の距離の基準となる基準位置を設定する。数値付与部8dが、基準位置からの厚さ方向における段階的な複数の距離を表す数値を、距離に応じたシフト量にて2つの放射線画像に付与する。表示制御部8eが、数値が付与された2つの放射線画像に基づく立体視画像をモニタ9に表示する。
【選択図】図4
Description
本発明は、被検体の立体視画像を表示する放射線画像表示装置および方法に関するものである。
従来、複数の画像を組み合わせて表示することにより、視差を利用して立体視できることが知られている。このような立体視できる画像(以下、立体視画像またはステレオ画像という)は、同一の被写体を異なる方向から撮影して取得された複数の画像に基づいて表示される。
一方、このような立体視画像は、デジタルカメラやテレビ等の分野だけでなく、放射線画像撮影の分野においても利用されている。すなわち、被検体に対して異なる撮影方向から放射線を照射し、その被検体を透過した放射線を放射線検出器によりそれぞれ検出して複数の放射線画像を取得し、これらの放射線画像を用いて立体視画像を表示することが行われている。このような立体視画像を用いることにより、奥行き感のある放射線画像を観察することができるため、診断をより行いやすくすることができる。
ところで、病院の検査では病変周辺の組織片を採取することがあるが、近年、患者に大きな負担をかけずに組織片を採取する方法として、中が空洞の組織採取用の針(以下、生検針と称する)を患者に刺し、針の空洞に埋め込まれた組織を採取するバイオプシが注目されている。そして、このようなバイオプシを行うための装置としてステレオバイオプシ装置が提案されている(特許文献1参照)。
このステレオバイオプシ装置は、被検体の立体視画像を観察しながら病変の3次元的な位置を特定することができ、生検針の先端をその特定位置に到達するよう制御することによって所望の位置から組織片を採取することができるものである。
ところで、立体視画像を観察する際に、立体視画像に含まれる所望とする部位までの距離感を分かりやすくすることが好ましい。このため、内視鏡画像の立体視画像を表示するに際し、立体視画像を表示するための2つの画像に、内視鏡先端からの距離を表す数値を、その距離に応じた立体感となるようにシフトさせて付与する手法が提案されている(特許文献2参照)。特許文献2に記載された手法によれば、立体視画像の内視鏡先端からの距離と、数値の立体感とが対応するため、立体視画像の内視鏡先端からの距離感を認識しやすくすることができる。
しかしながら、特許文献2に記載された手法は、内視鏡先端からの距離に応じた数値を表示するものであるため、放射線画像の立体視画像のように距離の計測の基準となる位置を設定することができないものに対しては適用することができない。
ここで、***の立体視画像のように、***を圧迫板により圧迫して撮影を行うことにより立体視画像を取得する場合、***の大きさによって圧迫厚さが異なるものとなる。このため、特許文献2に記載された手法のように、内視鏡の先端からのあらかじめ定められた距離を表す数値を表示するものを***の立体視画像の表示に適用した場合、***の厚さ圧迫厚さによっては、その数値が足りなかったり、逆に数値が多くなりすぎたりしてしまうおそれがある。
本発明は上記事情に鑑みなされたものであり、放射線画像の立体視画像に、被検体の厚さ方向における距離を表す数値を適切に付与することを目的とする。
本発明による放射線画像表示装置は、撮影方向が異なる2つの位置から、圧迫板を用いて圧迫された被検体に放射線を照射することにより取得された、2つの放射線画像に基づく立体視画像を表示する表示手段と、
前記被検体の圧迫厚さに基づいて、前記被検体における厚さ方向の距離の基準となる基準位置を設定する基準位置設定手段と、
前記基準位置からの前記厚さ方向における段階的な距離を表す複数の数値を、該距離に応じたシフト量にて前記2つの放射線画像に付与する数値付与手段とを備えたことを特徴とするものである。
前記被検体の圧迫厚さに基づいて、前記被検体における厚さ方向の距離の基準となる基準位置を設定する基準位置設定手段と、
前記基準位置からの前記厚さ方向における段階的な距離を表す複数の数値を、該距離に応じたシフト量にて前記2つの放射線画像に付与する数値付与手段とを備えたことを特徴とするものである。
なお、本発明による放射線画像表示装置においては、前記数値付与手段を、前記圧迫厚さに基づいて、前記基準位置からの段階的な距離を表す複数の数値を決定する手段としてもよい。
また、本発明による放射線画像表示装置においては、前記基準位置設定手段を、前記厚さ方向において前記被検体が前記圧迫板と接する位置を前記基準位置として設定する手段としてもよい。
この場合、前記数値付与手段を、前記複数の数値のうち、前記基準位置の距離を表す数値を、最大のシフト量にて前記2つの放射線画像に付与する手段としてもよい。
また、本発明による放射線画像表示装置においては、前記数値付与手段を、前記数値に表される距離および前記2つの位置に基づいて、前記複数の数値についての前記シフト量を算出する手段としてもよい。
また、本発明による放射線画像表示装置においては、前記2つの放射線画像を、ステレオバイオプシを行うために取得されたものとしてもよい。
本発明による放射線画像表示方法は、撮影方向が異なる2つの位置から、圧迫板を用いて圧迫された被検体に放射線を照射することにより取得された、2つの放射線画像に基づく立体視画像を表示する放射線画像表示装置における放射線画像表示方法であって、
前記被検体の圧迫厚さに基づいて、前記被検体における厚さ方向の距離の基準となる基準位置を設定し、
前記基準位置からの前記厚さ方向における段階的な距離を表す複数の数値を、該距離に応じたシフト量にて前記2つの放射線画像に付与することを特徴とするものである。
前記被検体の圧迫厚さに基づいて、前記被検体における厚さ方向の距離の基準となる基準位置を設定し、
前記基準位置からの前記厚さ方向における段階的な距離を表す複数の数値を、該距離に応じたシフト量にて前記2つの放射線画像に付与することを特徴とするものである。
本発明によれば、被検体の圧迫厚さに基づいて、被検体における厚さ方向の基準位置が設定され、基準位置からの厚さ方向における段階的な距離を表す複数の数値が、距離に応じたシフト量にて2つの放射線画像に付与される。このため、放射線画像の立体視画像に、基準位置からの厚さ方向の距離に応じた数値を適切に付与することができ、その結果、数値が付与された2つの放射線画像に基づく立体視画像においては、被検体の圧迫厚さに応じた適切な立体感にて基準位置からの距離を認識することができる。
また、圧迫厚さに基づいて、基準位置からの段階的な距離を表す複数の数値を決定することにより、数値が足りなかったり、数値が多すぎたりしてしまうことがなくなるため、立体視画像において、被検体における基準位置からの距離を確実に認識することができる。
また、厚さ方向において被検体が圧迫板と接する位置を基準位置として設定することにより、立体視画像において、被検体における圧迫板からの距離を被検体の圧迫厚さに応じた立体感にて認識することができる。
この場合、複数の数値のうち、基準位置の距離を表す数値を、最大のシフト量にて2つの放射線画像に付与することにより、被検体の実際の厚さに対応した奥行き感にて、距離の数値を立体視することができる。
また、数値に表される距離および2つの位置に基づいて、複数の数値についてのシフト量を算出することにより、適切にシフト量を算出することができ、その結果、距離を表す複数の数値を適切な立体感により立体視することができる。
以下、図面を参照して本発明の放射線画像表示装置の一実施形態を用いたステレオ***画像撮影表示システムについて説明する。本発明の実施形態による***画像撮影表示システムは、着脱可能なバイオプシユニットを取り付けることにより***用のステレオバイオプシ装置としても動作するシステムである。まず、本実施形態の***画像撮影表示システム全体の概略構成について説明する。図1は、バイオプシユニットが取り付けられた状態の***画像撮影表示システムの概略構成を示す図である。
本実施形態の***画像撮影表示システム1は、図1に示すように、***画像撮影装置10と、***画像撮影装置10に接続されたコンピュータ8と、コンピュータ8に接続されたモニタ9および入力部7とを備えている。
そして、***画像撮影装置10は、図1に示すように、基台11と、基台11に対し上下方向(Z方向)に移動可能であり、かつ回転可能な回転軸12と、回転軸12により基台11と連結されたアーム部13を備えている。なお、図2には、図1の右方向から見たアーム部13を示している。
アーム部13はアルファベットのCの形をしており、その一端には撮影台14が、その他端には撮影台14と対向するように放射線照射部16が取り付けられている。アーム部13の回転および上下方向の移動は、基台11に組み込まれたアームコントローラ31により制御される。
撮影台14の内部には、フラットパネルディテクタ等の放射線検出器15と、放射線検出器15からの電荷信号の読み出しを制御する検出器コントローラ33が備えられている。また、撮影台14の内部には、放射線検出器15から読み出された電荷信号を電圧信号に変換するチャージアンプや、チャージアンプから出力された電圧信号をサンプリングする相関2重サンプリング回路や、電圧信号をデジタル信号に変換するAD変換部等が設けられた回路基板等も設置されている。
また、撮影台14はアーム部13に対し回転可能に構成されており、基台11に対してアーム部13が回転したときでも、撮影台14の向きは基台11に対し固定された向きとすることができる。
放射線検出器15は、放射線画像の記録と読み出しを繰り返して行うことができるものであり、放射線の照射を直接受けて電荷を発生する、いわゆる直接型の放射線検出器を用いてもよいし、放射線を一旦可視光に変換し、その可視光を電荷信号に変換する、いわゆる間接型の放射線検出器を用いるようにしてもよい。また、放射線画像信号の読出方式としては、TFT(thin film transistor)スイッチをオン・オフさせることによって放射線画像信号が読み出される、いわゆるTFT読出方式のものや、読取光を照射することによって放射線画像信号が読み出される、いわゆる光読出方式のものを用いることが望ましいが、これに限らずその他のものを用いるようにしてもよい。
放射線照射部16の中には放射線源17と、放射線源コントローラ32が収納されている。放射線源コントローラ32は、放射線源17から放射線を照射するタイミングと、放射線源17における放射線発生条件(管電流、時間、管電圧等)を制御するものである。
また、アーム部13の中央部には、撮影台14の上方に配置されて***Mを押さえつけて圧迫する圧迫板18と、その圧迫板18を支持する支持部20と、支持部20を上下方向(Z方向)に移動させる移動機構19が設けられている。圧迫板18の位置、圧迫圧は、圧迫板コントローラ34により制御される。図3は、図1に示す圧迫板18を上方から見た図であるが、同図に示すように、圧迫板18は、撮影台14と圧迫板18により***Mを固定した状態でバイオプシを行えるよう、約10×10cm四方の大きさの開口部5を備えている。
バイオプシユニット2は、その基体部分が圧迫板18の支持部20の開口部に差し込まれ、基体部分の下端がアーム部13に取り付けられることによって、***画像撮影表示システム1と機械的、電気的に接続されるものである。
そして、バイオプシユニット2は、***Mに穿刺される生検針21を有し、着脱可能に構成された生検針ユニット22と、生検針ユニット22を支持する針支持部23と、針支持部23をレールに沿って移動させ、あるいは針支持部23を出し入れさせることにより、生検針ユニット22を図1から図3に示すX、YおよびZ方向に移動させる移動機構24とを備える。生検針ユニット22の生検針21の先端の位置は、移動機構24が備える針位置コントローラ35により、3次元空間における位置座標(x,y,z)として認識され、制御される。なお、図1における紙面垂直方向がX方向、図2における紙面垂直方向がY方向、図3における紙面垂直方向がZ方向である。
コンピュータ8は、中央処理装置(CPU)および半導体メモリやハードディスクやSSD等のストレージデバイス等を備えており、これらのハードウェアによって、図4に示すような制御部8a、放射線画像記憶部8b、基準位置設定部8c、数値付与部8dおよび表示制御部8eが構成されている。
制御部8aは、各種のコントローラ31〜35に対して所定の制御信号を出力し、システム全体の制御を行うものである。具体的な制御方法については後述する。
放射線画像記憶部8bは、放射線検出器15によって取得された撮影角度毎の放射線画像信号を記憶するものである。
基準位置設定部8cは、***Mの圧迫厚さに基づいて、厚さ方向の距離の基準となる基準位置を設定する。ここで、圧迫厚さは***Mを圧迫板18により圧迫した場合における撮影台14の上面と圧迫板18の下面との距離であり、本実施形態においては、圧迫板18が撮影台14に接している状態を圧迫厚さ=0として、圧迫板コントローラ34により検出されて、コンピュータ8に入力される。本実施形態においては、***Mの厚さ方向において、***Mが圧迫板18と接する位置、すなわち圧迫板18の下面の位置を基準位置に設定する。なお、基準位置はこれに限定されるものではなく、圧迫厚さの中央の位置、あるいは***Mが撮影台14の上面と接する位置等を用いてもよい。また、本実施形態においては、圧迫厚さの単位をmmとするが、これに限定されるものではない。
数値付与部8dは、基準位置設定部8cが設定した基準位置から***Mの厚さ方向における段階的な距離を表す複数の数値を、距離に応じたシフト量にて2つの放射線画像に付与する。まず、数値付与部8dは、距離を表す数値を決定する。本実施形態においては、0から***Mの圧迫厚さまで10mm刻みとなるように距離を表す数値を決定する。例えば、圧迫厚さが50mmの場合には、0,10,20,30,40.50に数値を決定する。なお、数値の決定はこれに限定されるものではなく、圧迫厚さを所定数で等分した値を用いるようにしてもよい。例えば圧迫厚さが50mmの場合において所定数を2とした場合には、0,25,50に数値を決定してもよい。
また、数値付与部8dは、2つの放射線画像に付与する数値のシフト量を決定する。図5および図6はシフト量の決定を説明するための図である。なお、本実施形態においては、2つの放射線画像に基づくステレオ画像を表示した際に、ステレオ画像の左側、より具体的には図5,6に示す垂線LS1の位置に並んで立体視されるように数値を付与するものとする。また、図5,6におけるX方向に延在するの破線は,撮影台14の上面を示し、Z方向の一点鎖線は、アーム部13の回転中心を通る垂線を示す。まず、基準位置B0に付与する数値(すなわち0)については、図5に示すように、ステレオ画像における立体感は基準位置B0と同一とすべきであることから、垂線LS1と基準位置B0との交点C0を設定する。さらに、後述するステレオ撮影時において***Mに放射線を照射する2つの線源位置P0,P1のそれぞれと交点C0とを結ぶ直線L0,L1の延長線が、放射線検出器15の表面と交差する位置を算出する。2つの直線L0,L1の放射線検出器15の表面との交点のX方向における位置の差Δt0が、基準位置B0に付与する数値のシフト量となる。
また、基準位置B0からある距離の位置に付与する数値については、図6に示すように、その位置と垂線LS1との交点C1を設定し、さらに、撮影時における2つの線源位置P0,P1のそれぞれと交点C1とを結ぶ直線L0,L1の延長線が、放射線検出器15の表面と交差する位置を算出する。2つの直線L0,L1の放射線検出器15の表面との交点のX方向における位置の差Δt1が、交点C1についての数値のシフト量となる。
ここで、放射線検出器15の表面から線源位置P0,P1までの距離(線源距離)をSID、放射線検出器15の検出面から圧迫板18の下面までの距離をZ0としたとき、シフト量Δt0は撮影時の輻輳角θを用いて下記の式(1)により算出することができる。
Δt0=(2×Z0×SID×tanθ)/(SID−Z0) (1)
また、圧迫板18の下面から交点C1までのZ方向の距離をZ1としたとき、シフト量Δt1は下記の式(2)により算出することができる。
また、圧迫板18の下面から交点C1までのZ方向の距離をZ1としたとき、シフト量Δt1は下記の式(2)により算出することができる。
Δt1={2×(Z0−Z1)×SID×tanθ}/{SID−(Z0−Z1)}(2)
ここで、線源距離SIDは***画像撮影装置10において仕様からあらかじめ分かっている。また、圧迫厚さの情報は圧迫板コントローラ34により検出され、さらに放射線検出器15の表面のZ座標は、***画像撮影装置10において仕様からあらかじめ分かっているため、放射線検出器15の検出面から圧迫板18の下面までの距離Z0を算出できる。また、交点C1の位置は計算により算出できるため、圧迫板18の下面から交点C1までのZ方向の距離Z1も算出できる。数値付与部8dは、線源距離SID、輻輳角θおよび算出した距離Z0,Z1から式(1)、(2)を用いてシフト量Δt0,Δt1を算出する。
ここで、線源距離SIDは***画像撮影装置10において仕様からあらかじめ分かっている。また、圧迫厚さの情報は圧迫板コントローラ34により検出され、さらに放射線検出器15の表面のZ座標は、***画像撮影装置10において仕様からあらかじめ分かっているため、放射線検出器15の検出面から圧迫板18の下面までの距離Z0を算出できる。また、交点C1の位置は計算により算出できるため、圧迫板18の下面から交点C1までのZ方向の距離Z1も算出できる。数値付与部8dは、線源距離SID、輻輳角θおよび算出した距離Z0,Z1から式(1)、(2)を用いてシフト量Δt0,Δt1を算出する。
そして、数値付与部8dは、決定したシフト量にて数値を2つの放射線画像に付与する。図7は2つの放射線画像への数値の付与を説明するための図である。なお、図7においては2つの放射線画像GR,GLを上下に並べて示し、0,10,20,30,40,50の6つの数値を2つの放射線画像GR,GLにそれぞれ付与する状態を示している。また、図7において、同一の数字のY座標は2つの放射線画像GR,GLにおいて同一であり、X方向の位置が,算出されたシフト量に応じて異なるものとなっている。図7に示すように、基準位置となる数値0がシフト量が最も大きく、数値が大きくなるほどシフト量が小さくなっている。このため、数値が付与された2つの放射線画像GR,GLに基づくステレオ画像を立体視した場合、数値0の立体感が最も大きく、数値50の立体感が最も小さくなる。
なお、数値は放射線画像GR,GLの***Mが存在しない部分に付与することが好ましい。また、放射線画像GR,GLの濃度は全体的に高いものである(すなわち低輝度である)ことから、数値の濃度は低濃度(すなわち高輝度)とすることが好ましい。また、数値に色を付与してもよい。
表示制御部8eは、数値が付与された2つの放射線画像を用いたステレオ画像をモニタ9に表示するものである。
入力部7は、例えば、キーボードやマウス等のポインティングデバイスから構成されるものであり、モニタ9に表示されたステレオ画像内の異常陰影等の位置をカーソルにより指定可能に構成されたものである。また、入力部7は、操作者による撮影条件等の入力や操作指示の入力等を受け付けるものである。
モニタ9は、表示制御部8eの指示により、コンピュータ8から出力された2つの放射線画像信号を用いてステレオ画像を表示するものであるが、その構成としては、例えば、2つの画面を用いて2つの放射線画像信号に基づく放射線画像をそれぞれ表示させて、これらをハーフミラーや偏光グラス等を用いることで一方の放射線画像は操作者の右目に入射させ、他方の放射線画像は操作者の左目に入射させることによってステレオ画像を表示する構成を採用することができる。または、例えば、2つの放射線画像を所定のずれ量だけずらして重ね合わせて表示し、これを偏光グラスで観察することでステレオ画像を生成する構成としてもよいし、もしくはパララックスバリア方式およびレンチキュラー方式のように、2つの放射線画像を立体視可能な3D液晶に表示することによってステレオ画像を生成する構成としてもよい。
次に、本実施形態の***画像撮影表示システムの作用について、図8に示すフローチャートを参照しながら説明する。
まず、撮影台14の上に***Mが設置され、圧迫板18により***が所定の圧力によって圧迫される(ステップST1)。そして、所定の圧力による圧迫後、***Mの圧迫厚さの情報が、圧迫板コントローラ34からコンピュータ8に入力される(ステップST2)。
次に、入力部7おいて、操作者によって種々の撮影条件が入力された後、撮影開始の指示が入力される。なお、このとき生検針ユニット22は上方に待避しており、まだ***Mには穿刺されていないものとする。
そして、入力部7において撮影開始の指示があると、***Mのステレオ画像の撮影に先だって、スカウト撮影が行われる(ステップST3)。具体的には、まず制御部8aが、バイオプシのスカウト撮影を行うべく、放射線源コントローラ32および検出器コントローラ33に対して放射線の照射と放射線画像信号の読み出しを行うよう制御信号を出力する。ここで、アーム部13は初期位置においては、アーム部13が撮影台14に対して垂直となる位置にあることから、この制御信号に応じて、放射線源17から放射線が射出され、***を垂直方向(θ=0度)方向から撮影した放射線画像が放射線検出器15によって検出され、検出器コントローラ33によって放射線画像信号が読み出され、その放射線画像信号に対して所定の信号処理が施された後、コンピュータ8の放射線画像記憶部8bに、スカウト画像GSの放射線画像信号として記憶される。
スカウト撮影により取得されたスカウト画像GSはモニタ9に表示される。操作者はスカウト画像を観察しながら、スカウト画像において視認される異常陰影が圧迫板18の開口部5の位置に位置するように、***Mの位置決めを行う。また、この際に***Mへの麻酔が行われる。なお、位置決め後、スカウト撮影時と***Mの設置位置が異なるものとなった場合には、再度のスカウト撮影を行う。一方、位置決め後、スカウト撮影時と***Mの設置位置が略同一となった場合には、被検体である***Mへの被曝量低減のために、再度のスカウト撮影は行わない。
次いで制御部8aは、あらかじめ設定されたステレオ画像の撮影のための輻輳角θを読み出し、その読み出した輻輳角θの情報をアームコントローラ31に出力する。なお、本実施形態においては、バイオプシを行うものであることから、このときの輻輳角θの情報としてθ=±15度があらかじめ記憶されているものとするが、これに限らず、例えば、±10度の角度を用いてもよく、バイオプシを行わない場合には、立体視を良好に行うことが可能な±2度以上±5度以下の任意の角度を用いてもよい。
次に、入力部7において撮影開始の指示があると、***Mのステレオ画像を表示するための2つの放射線画像の撮影、すなわちステレオ撮影が行われる(ステップST4)。まず、アームコントローラ31において、制御部8aから出力された輻輳角θの情報が受け付けられ、アームコントローラ31は、この輻輳角θの情報に基づいて、図2に示すように、アーム部13が撮影台14に垂直な方向に対して+θ度回転するよう制御信号を出力する。すなわち、本実施形態においては、アーム部13を撮影台14に垂直な方向に対して+15度回転するよう制御信号を出力する。
そして、このアームコントローラ31から出力された制御信号に応じてアーム部13が+15度回転する。続いて制御部8aは、放射線源コントローラ32および検出器コントローラ33に対して放射線の照射と放射線画像信号の読み出しを行うよう制御信号を出力する。この制御信号に応じて、放射線源17から放射線が射出され、***を+15度方向から撮影した放射線画像が放射線検出器15によって検出され、検出器コントローラ33によって放射線画像信号が読み出され、その放射線画像信号に対して所定の信号処理が施された後、コンピュータ8の放射線画像記憶部8bに記憶される。なお、この撮影により放射線画像記憶部8bに記憶される放射線画像信号は、右目用の放射線画像GRを表すものとなる。
次に、アームコントローラ31は、図2に示すように、アーム部を初期位置に一旦戻した後、撮影台14に垂直な方向に対して−θ度回転するよう制御信号を出力する。すなわち、本実施形態においては、アーム部13を撮影台14に垂直な方向に対して−15度回転するよう制御信号を出力する。
そして、このアームコントローラ31から出力された制御信号に応じてアーム部13が−15度回転する。続いて制御部8aは、放射線源コントローラ32および検出器コントローラ33に対して放射線の照射と放射線画像の読み出しを行うよう制御信号を出力する。この制御信号に応じて、放射線源17から放射線が射出され、***を−15度方向から撮影した放射線画像が放射線検出器15によって検出され、検出器コントローラ33によって放射線画像信号が読み出され、所定の信号処理が施された後、コンピュータ8の放射線画像記憶部8bに記憶される。なお、この撮影により放射線画像記憶部8bに記憶される放射線画像信号は、左目用の放射線画像GLを表すものとなる。
次いで、基準位置設定部8cにより、***Mの圧迫厚さに基づいて基準位置が設定され(ステップST5)。そして、数値付与部8dにより、圧迫厚さに基づいて距離を表す数値が決定され、さらに2つの放射線画像GR,GLを取得した差の放射線源17の位置の座標、放射線検出器15の表面の座標、垂線LS1の座標、および決定された数値の数に基づいて、2つの放射線画像GR,GLに付与する数値のシフト量が算出される。そして、***Mの厚さ方向における段階的な複数の距離を表す数値が、距離に応じたシフト量にて2つの放射線画像GR,GLに付与される(ステップST6)。
そして、表示制御部8eにより、数値が付与された2つの放射線画像GR,GLの放射線画像信号がモニタ9に出力され、モニタ9において***のステレオ画像が表示される(ステップST7)。図9はモニタ9に表示されたステレオ画像を模式的に示す図、図10は数値の立体感を模式的に示す図である。なお、図10において右側の実線はモニタ9の表示面を、左側の破線は基準位置B0の立体感を示す。図9に示すように、モニタ9に表示されたステレオ画像においては、奥行きを持つ***Mの像および厚さ方向の距離を表す数値が立体視される。また、図10に示すように、0の数値の立体感は基準位置B0と同一となり、数値が大きくなるほど立体感は小さくなる。
次に、***のステレオ画像が表示された後、操作者によって、***における石灰化や腫瘤等の異常陰影が発見され、引き続いてバイオプシユニット2によってそれらの組織を採取したい場合等には、モニタ9に表示されたステレオ画像上において、操作者によって異常陰影のターゲットが指定される(ステップST8)。
ターゲットの指定は、例えば、入力部7におけるマウス等のポインティングデバイスによって行うようにすればよい。具体的には、例えば、ステレオ画像を構成する2つの放射線画像内にそれぞれ3次元カーソル用の指標を表示させ、この2つの指標から構成される立体視画像である3次元カーソルを入力部7によって動かすことによってターゲットを指定するようにすればよい。なお、各放射線画像GR,GL内における指標の位置は、それぞれ同じ位置を示すように、ステレオ画像を撮影した際の撮影方向に応じてその座標位置が設定されているものとする。ここで、ステレオ画像には基準位置B0(すなわち圧迫板18)からの距離を表す数値が付与されているため、操作者は***Mの表面からターゲットまでの***Mの厚さ方向の距離を容易に認識することができる。
このように、バイオプシのターゲットとする異常陰影が指定されると、指定されたターゲットの位置情報(x,y,z)が制御部8aによって取得される。制御部8aはその位置情報をバイオプシユニット2の針位置コントローラ35に出力する。この状態で、入力部7において所定の操作ボタンが押されると、制御部8aから針位置コントローラ35に対し、生検針21を移動させる制御信号が出力される。針位置コントローラ35は、先に入力された位置情報の値に基づき、生検針21の先端が、その座標が示す位置の上方に配置されるように、生検針21を移動する。
その後、操作者により、生検針21の穿刺を指示する所定の操作が入力部7において行われると、制御部8aと針位置コントローラ35の制御の下で、生検針21の先端が座標が示す位置に配置されるように生検針21が移動させられて、生検針21による***の穿刺が行われる(ステップST9)。
このように、本実施形態によれば、***Mの圧迫厚さに基づいて、***Mにおける厚さ方向の基準位置B0を設定し、基準位置B0からの厚さ方向における段階的な距離を表す複数の数値を、距離に応じたシフト量にて2つの放射線画像GR,GLに付与するようにしたものである。このため、ステレオ画像に、基準位置からの厚さ方向の距離に応じた数値を適切に付与することができ、その結果、数値が付与された2つの放射線画像GR,GLに基づくステレオ画像においては、***Mの圧迫厚さに応じた立体感にて基準位置からの距離を認識することができる。したがって、バイオプシを行う際に、生検針21がどの程度の深さまで穿刺されるかをステレオ画像を見ることにより確認できることとなる。
また、厚さ方向において***Mが圧迫板18と接する位置を基準位置として設定することにより、ステレオ画像において、***Mにおける圧迫板18からの距離を***Mの圧迫厚さに応じた立体感にて認識することができる。
また、圧迫厚さに基づいて、基準位置B0からの段階的な距離を表す複数の数値を決定することにより、数値が足りなかったり、数値が多すぎたりすることがなくなるため、ステレオ画像において、***Mにおける圧迫板18からの距離を確実に認識することができる。
また、数値に表される距離および2つの放射線画像GR,GLを取得した線源位置に基づいて、複数の数値についてのシフト量を算出することにより、適切にシフト量を算出することができ、その結果、距離を表す複数の数値を適切な立体感により立体視することができる。
なお、上記実施形態においては、指定されたターゲットの位置情報に基づいて、生検針21を移動しているが、手動で生検針21を移動して穿刺を行うようにしてもよい。この場合、本実施形態ではステレオ画像において***Mの圧迫厚さに応じた立体感にて基準位置からの距離を認識できるため、バイオプシを行う際に、生検針21をどの程度の深さまで穿刺すればよいかをステレオ画像を見ることにより確認することができ、その結果、生検針21の***Mへの穿刺を容易に行うことができる。
また、上記実施形態は、本発明の放射線画像表示装置の一実施形態をステレオ***画像撮影表示システムに適用したものであるが、本発明の被写体としては***に限らず、例えば、***以外の指、頭部等を対象として撮影を行う放射線画像撮影表示システムにも本発明を適用することができる。
1 ***画像撮影表示システム
2 バイオプシユニット
7 入力部
8 コンピュータ
8a 制御部
8b 放射線画像記憶部
8c 基準位置設定部
8d 数値付与部
8e 表示制御部
9 モニタ
10 ***画像撮影装置
13 アーム部
14 撮影台
15 放射線検出器
17 放射線源
18 圧迫板
21 生検針
22 生検針ユニット
31 アームコントローラ
32 放射線源コントローラ
33 検出器コントローラ
34 圧迫板コントローラ
35 針位置コントローラ
2 バイオプシユニット
7 入力部
8 コンピュータ
8a 制御部
8b 放射線画像記憶部
8c 基準位置設定部
8d 数値付与部
8e 表示制御部
9 モニタ
10 ***画像撮影装置
13 アーム部
14 撮影台
15 放射線検出器
17 放射線源
18 圧迫板
21 生検針
22 生検針ユニット
31 アームコントローラ
32 放射線源コントローラ
33 検出器コントローラ
34 圧迫板コントローラ
35 針位置コントローラ
Claims (7)
- 撮影方向が異なる2つの位置から、圧迫板を用いて圧迫された被検体に放射線を照射することにより取得された、2つの放射線画像に基づく立体視画像を表示する表示手段と、
前記被検体の圧迫厚さに基づいて、前記被検体における厚さ方向の距離の基準となる基準位置を設定する基準位置設定手段と、
前記基準位置からの前記厚さ方向における段階的な距離を表す複数の数値を、該距離に応じたシフト量にて前記2つの放射線画像に付与する数値付与手段とを備えたことを特徴とする放射線画像表示装置。 - 前記数値付与手段は、前記圧迫厚さに基づいて、前記基準位置からの段階的な距離を表す複数の数値を決定する手段であることを特徴とする請求項1記載の放射線画像撮影装置。
- 前記基準位置設定手段は、前記厚さ方向において前記被検体が前記圧迫板と接する位置を前記基準位置として設定する手段であることを特徴とする請求項1または2記載の放射線画像表示装置。
- 前記数値付与手段は、前記複数の数値のうち、前記基準位置の距離を表す数値を、最大のシフト量にて前記2つの放射線画像に付与する手段であることを特徴とする請求項3記載の放射線画像表示装置。
- 前記数値付与手段は、前記数値に表される距離および前記2つの位置に基づいて、前記複数の数値についての前記シフト量を算出する手段であることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項記載の放射線画像表示装置。
- 前記2つの放射線画像は、ステレオバイオプシを行うために取得されたものであることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項記載の放射線画像表示装置。
- 撮影方向が異なる2つの位置から、圧迫板を用いて圧迫された被検体に放射線を照射することにより取得された、2つの放射線画像に基づく立体視画像を表示する放射線画像表示装置における放射線画像表示方法であって、
前記被検体の圧迫厚さに基づいて、前記被検体における厚さ方向の距離の基準となる基準位置を設定し、
前記基準位置からの前記厚さ方向における段階的な距離を表す複数の数値を、該距離に応じたシフト量にて前記2つの放射線画像に付与することを特徴とする放射線画像表示方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2011119947A JP2012245192A (ja) | 2011-05-30 | 2011-05-30 | 放射線画像表示装置および方法 |
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JP2011119947A JP2012245192A (ja) | 2011-05-30 | 2011-05-30 | 放射線画像表示装置および方法 |
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JP2012245192A true JP2012245192A (ja) | 2012-12-13 |
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ID=47466223
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JP2011119947A Withdrawn JP2012245192A (ja) | 2011-05-30 | 2011-05-30 | 放射線画像表示装置および方法 |
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Country | Link |
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JP (1) | JP2012245192A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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JP2013230352A (ja) * | 2012-04-02 | 2013-11-14 | Toshiba Corp | 医用画像処理システム、方法及びプログラム |
-
2011
- 2011-05-30 JP JP2011119947A patent/JP2012245192A/ja not_active Withdrawn
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