JP2012237203A - バルブタイミング調整装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】内燃機関の運転性能を損なうことなく、バルブタイミング調整装置の耐久性を向上する。
【解決手段】ストッパ構造78は、アウタロータ10の内周壁面130から凹んで潤滑油が内部に流入するストッパ凹部70、並びにインナロータ20の外周壁面200からストッパ凹部70に突入するストッパ凸部74を有する。ストッパ凹部70は、内側面700から周方向に延伸してストッパ凸部74の突出端面741に嵌合自在に設けられる第一内底面701、並びに第一内底面701を周方向に挟んで内側面700とは反対側に設けられて第一内底面701よりも径方向外側に凹む第二内底面702を有し、第一内底面701と突出端面741とが嵌合界面に形成する隙間704は、アウタロータ10の内周壁面130とインナロータ20の外周壁面200とが嵌合界面に形成する隙間705よりも広い間隔を、径方向に有する。
【選択図】図5

Description

本発明は、内燃機関においてクランク軸からの機関トルクの伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置に関する。
従来、クランク軸及びカム軸のうち一方と他方とに連動して回転するロータ間に、遊星歯車を介装してなるバルブタイミング調整装置が、知られている。かかる装置の一種として特許文献1の開示装置では、バルブタイミングの可変範囲を内燃機関の運転に最適化するために、遊星歯車の遊星運動によりアウタロータ内にて生じるインナロータの相対回転を規制するストッパ構造が、設けられている。
具体的に、特許文献1の開示装置のストッパ構造は、アウタロータの内周壁面から径方向外側に凹むストッパ凹部に対して、インナロータのうち当該内周壁面と嵌合する外周壁面からストッパ凸部が突入する構成を、備えている。これにより、ストッパ凸部の外側面がストッパ凹部の内側面から周方向に離間するときには、アウタロータに対するインナロータの相対回転は許容されるが、ストッパ凸部の外側面がストッパ凹部の内側面と周方向に当接するときには、当該相対回転が規制されることになる。
しかし、特許文献1の開示装置のストッパ構造では、ストッパ凸部の外側面とストッパ凹部の内側面とが急速に接近して衝突すると、摩耗が発生して耐久性の低下を招く事態につき、懸念される。一方、バルブタイミング調整装置においてストッパ構造の摩耗を軽減する技術としては、アウタロータ内へ導入される潤滑液の流体抵抗によりダンパ作用を発揮させる技術が、特許文献2に開示されている。そこで、特許文献1の開示装置においてストッパ構造の摩耗を軽減するためには、特許文献2の開示技術を適用することが、考えられる。
特開2010−265875号公報 特開2007−239665号公報
さて、接触面同士の当接により相対回転の規制を実現している特許文献2の開示技術では、一方の接触面から突出する突起を、他方の接触面から凹む有底孔に嵌合させることで、それら突起と有底孔との間に潤滑液を閉じ込めてダンパ作用を得ている。このような特許文献2の開示技術において、径方向のうち外側にも内側にも大きく開放された接触面間からは、それら接触面同士の接近に伴って潤滑液が一挙に押し出されることになるので、接触面間の潤滑液によるダンパ作用については、期待できない。故に、接触面同士の衝突速度を緩和するために、突起及び有底孔間における潤滑液の閉じ込めを確実なものとしてダンパ作用を高めようとすると、今度は、接触面同士が当接し得えずにバルブタイミングの可変範囲をばらつかせるおそれがある。ここで可変範囲のばらつきは、内燃機関の運転性能の低下に繋がってしまうことから、特許文献1の開示装置において特許文献2の開示技術を単に適用するだけでは、不十分である。
本発明は、以上説明した問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、内燃機関の運転性能を損なうことなく、バルブタイミング調整装置の耐久性を向上することにある。
請求項1に記載の発明は、内燃機関のクランク軸及びカム軸のうち一方と連動して周方向に回転し、内部に潤滑液が導入される筒状のアウタロータと、アウタロータの内周壁面に同軸上に嵌合する外周壁面を有し、クランク軸及びカム軸のうち他方と連動して周方向に回転するインナロータと、アウタロータ及びインナロータの間において遊星運動することによりアウタロータに対してインナロータを相対回転させる遊星歯車と、アウタロータの内周壁面から凹んで潤滑液が内部に流入するストッパ凹部、並びにインナロータの外周壁面からストッパ凹部に突入するストッパ凸部を有し、ストッパ凸部の外側面がストッパ凹部の内側面から周方向に離間することによりアウタロータに対するインナロータの相対回転を許容する一方、ストッパ凸部の外側面がストッパ凹部の内側面と周方向に当接することにより当該相対回転を規制するストッパ構造と、を備え、クランク軸からの機関トルクの伝達によりカム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置において、
ストッパ凹部は、内側面から周方向に延伸してストッパ凸部の突出端面に嵌合自在に設けられる第一内底面、並びに第一内底面を周方向に挟んで内側面とは反対側に設けられて第一内底面よりも径方向外側に凹む第二内底面を有し、ストッパ凹部の第一内底面とストッパ凸部の突出端面とが嵌合界面に形成する隙間、並びにアウタロータの内周壁面とインナロータの外周壁面とが嵌合界面に形成する隙間のうち一方は、それら隙間のうち他方よりも広い間隔を、径方向に有する。
この発明では、インナロータの外周壁面からストッパ凹部に突入するストッパ凸部の外側面が、アウタロータの内周壁面から凹むストッパ凹部の内側面に、周方向に接近すると、当該内側面から延伸するストッパ凹部の第一内底面がストッパ凸部の突出端面に嵌合する。このとき、アウタロータ内周壁面とインナロータ外周壁面とは嵌合状態にあることから、ストッパ凹部内側面及びストッパ凸部外側面(以下、解決手段の欄では、単に「内外側面」ともいう)の間には、アウタロータ内部に導入されてストッパ凹部内部に流入した潤滑液が閉じ込められることになる。故に、急速接近する内外側面同士であっても、閉じ込められた潤滑液の流体抵抗によりダンパ作用を発揮し得るので、それら内外側面の衝突速度を緩和して、摩耗による耐久性の低下を抑制することができるのである。
また、さらに内外側面の接近が進むときには、第一内底面と突出端面との嵌合界面隙間、並びにアウタロータ内周壁面とインナロータ外周壁面との嵌合界面隙間のうち、径方向間隔の広い方に向かって、内外側面間の潤滑液が流量を絞られつつ押し出されることになる。故に、内外側面同士が当接するまでは、ダンパ作用をある程度は確保しながら、当該当接時には、アウタロータに対するインナロータの相対回転を規制して、バルブタイミングの可変範囲を内燃機関の運転に最適化することができるのである。
一方、ストッパ凹部のうち第一内底面を周方向に挟んで内側面とは反対側の第二内底面は、第一内底面よりも径方向外側に凹むことから、当該内側面から外側面が離間する際のストッパ凸部のうち突出端面との間には、径方向の空間が形成されることになる。このとき内外側面間は、第二内底面及び突出端面間に形成の空間に開放されるので、それら内外側面間の潤滑液によるダンパ作用を可及的に低下させ得る。これにより、アウタロータに対するインナロータの相対回転速度、ひいてはバルブタイミング調整の応答速度を高めて、内燃機関の運転を最適化することができるのである。
以上の如き請求項1に記載の発明によれば、内燃機関の運転を損なうことなく、バルブタイミング調整装置の耐久性の向上を図ることが、可能である。
請求項2に記載の発明によると、ストッパ凹部の第一内底面とストッパ凸部の突出端面とが嵌合界面に形成する隙間は、アウタロータの内周壁面とインナロータの外周壁面とが嵌合界面に形成する嵌合隙間よりも広い間隔を、径方向に有する。
この発明では、ストッパ凹部の第一内底面とストッパ凸部の突出端面との嵌合界面隙間、並びにアウタロータ内周壁面とインナロータ外周壁面との嵌合界面隙間のうち、径方向間隔が広い前者には、接近する内外側面間の潤滑液が流量を絞られつつ押し出される。このとき、ストッパ凹部の第二内底面が突出端面との間に形成する空間に、周方向に連通することになる前者の隙間においては、押し出された潤滑液がストッパ凹部内部の当該空間へと向かって通過する。これによれば、内外側面間からの潤滑液の押し出しに起因して潤滑液がストッパ凹部内部に不足する事態を回避できるので、耐久性の向上効果を長きに亘って発揮可能である。
請求項3に記載の発明によると、アウタロータは、クランク軸から機関トルクが伝達される伝達部材と、遊星歯車に噛合する歯車部材とを、螺子止めしてなる。
この発明では、アウタロータの内周壁面から凹むストッパ凹部にストッパ凸部が衝突する際の衝撃に起因して、当該アウタロータの構成部材を止める螺子の緩みが懸念される。しかし、上述の如く内外側面の接近に伴って、それら内外側面間の潤滑液がダンパ作用を発揮して衝突速度を緩和させ得ることによれば、衝撃に起因した螺子の緩みが生じ難くなる。したがって、アウタロータを構成の伝達部材に対する機関トルクの伝達も、同アウタロータを構成の歯車部材に噛合する遊星歯車の遊星運動も正しく実現させて、内燃機関の運転を最適化することができるのである。
本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置の基本構成を示す図であって、図2のI−I線断面図である。 図1のII−II線断面図である。 図1のIII−III線断面図である。 図1のIV−IV線断面図である。 図4とは異なる作動状態を示す拡大図である。 図4,5とは異なる作動状態を示す拡大図である 図6(a)の変形例を示す拡大図である。
以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて説明する。図1は、本発明の一実施形態によるバルブタイミング調整装置1を示している。バルブタイミング調整装置1は車両に搭載され、内燃機関のクランク軸(図示しない)からカム軸2へ機関トルクを伝達する伝達系に設置されている。ここで、本実施形態のカム軸2は、内燃機関の「動弁」のうち吸気弁(図示しない)を機関トルクの伝達により、開閉するものである。したがって、バルブタイミング調整装置1は、クランク軸に対するカム軸2の回転位相を変化させることで、当該吸気弁のバルブタイミングを調整する。
(基本構成)
以下、バルブタイミング調整装置1の基本構成について説明する。バルブタイミング調整装置1は、アクチュエータ4、通電制御回路部7及び遊星歯車機構8等を組み合わせてなる。
アクチュエータ4は、例えばブラシレスモータ等の電動モータであり、内燃機関の固定節に固定されるケース5と、当該ケース5により正逆回転自在に支持される制御軸6とを有している。通電制御回路部7は、例えば駆動ドライバ及びその制御用マイクロコンピュータ等から構成され、ケース5の外部及び/又は内部に配置されてアクチュエータ4と電気的に接続されている。通電制御回路部7は、バルブタイミングを実現するための通電をアクチュエータ4に対して行って、制御軸6の回転駆動を制御する。
遊星歯車機構8は、アウタロータ10、インナロータ20、遊星キャリア40、遊星歯車50及び転がり軸受60を備えている。
図1〜3に示すようにアウタロータ10は、全体として筒状を呈しており、遊星歯車機構8の他の構成要素20,40,50,60を内部の収容室100に収容している。アウタロータ10は、歯車部材12を伝達部材13及びカバー部材14の間に挟む状態で、それら部材12〜14を螺子15により共締めしてなる。図1,2に示すように円環板状の歯車部材12は、歯底円の内周側に歯先円を有する駆動側内歯車部18を周壁部に形成している。
図1〜3に示すように有底円筒状の伝達部材13は、周壁部から径方向外側へ突出する複数のスプロケット歯19を周方向に等間隔に有している。伝達部材13は、それらスプロケット歯19とクランク軸の複数のスプロケット歯との間でタイミングチェーン(図示しない)が掛け渡されることにより、クランク軸と連繋する。かかる連繋形態により、クランク軸の機関トルクがタイミングチェーンを通じて伝達部材13へと伝達されるときには、アウタロータ10がクランク軸と連動して周方向の一方(図2,3の時計方向)に回転する。
図1に示すように有底円筒状のインナロータ20は、アウタロータ10のうち伝達部材13の内周側に同軸上に配置され、当該部材13の内周壁面130に対して外周壁面200を摺動可能に嵌合させている。インナロータ20は、カム軸2に同軸上に連結される連結部21を底壁部に形成している。このような嵌合並びに連結形態によりインナロータ20は、カム軸2と連動してアウタロータ10と同じ周方向の一方(図2,3の時計方向)に回転しつつ、当該ロータ10に対しては周方向の両側に相対回転可能となっている。
図1,3に示すようにインナロータ20は、歯底円の内周側に歯先円を有する従動側内歯車部22を周壁部に形成している。従動側内歯車部22の内径は駆動側内歯車部18の内径よりも小さく設定され、また従動側内歯車部22の歯数は駆動側内歯車部18の歯数よりも少なく設定されている。従動側内歯車部22は、駆動側内歯車部18に対して軸方向にずれて配置されている。
図1,2に示すように遊星キャリア40は、全体として筒状を呈しており、周壁部のうちロータ10,20及び制御軸6と同軸上に配置される円筒面状の内周壁面に、連結部41を形成している。連結部41には、制御軸6に設けられた継手部43と嵌合する嵌合溝42が、開口形成されている。かかる嵌合形態により遊星キャリア40は、制御軸6と一体となって周方向両側に回転可能、且つ駆動側内歯車部18に対しては周方向両側に相対回転可能となっている。
図1〜3に示すように遊星キャリア40は、周壁部のうち回転体10,20及び制御軸6に対して偏心する円筒面状の外周壁面に、支持部46を形成している。支持部46は、その外周側に同軸上に配置される遊星歯車50の中心孔51との間に、転がり軸受60を介装されることにより、当該軸受60を介して遊星歯車50を遊星運動可能に支持している。ここで遊星運動とは、遊星歯車50が要素10,20,6に対する支持部46の偏心軸線まわりに自転しつつ、要素40,6の回転軸線まわりに公転する運動をいう。
遊星歯車50は、全体として段付円筒状を呈しており、歯底円の外周側に歯先円を有する駆動側外歯車部52及び従動側外歯車部54を其々、周壁部の大径部分及び小径部分に形成している。駆動側内歯車部18の内周側に配置される駆動側外歯車部52は、要素10,20,6に対する支持部46の偏心側にて当該内歯車部18と噛合している。駆動側外歯車部52から軸方向にずれて従動側内歯車部22の内周側に配置される従動側外歯車部54は、要素10,20,6に対する支持部46の偏心側にて当該内歯車部22と噛合している。従動側外歯車部54の外径は駆動側外歯車部52の外径よりも小さく設定され、またそれら従動側外歯車部54及び駆動側外歯車部52の歯数は其々、従動側内歯車部22及び駆動側内歯車部18の歯数よりも同数ずつ少なく設定されている。
このようにロータ10,20間を歯車連繋してなる遊星歯車機構8は、遊星キャリア40の回転状態がアクチュエータ4により制御されることで、ロータ10,20間の相対回転状態に応じてバルブタイミングを調整する。具体的には、制御軸6と共に遊星キャリア40がアウタロータ10と同速に回転駆動されるときには、当該キャリア40が駆動側内歯車部18に対して相対回転しないので、遊星歯車50が遊星運動せずに内歯車部18,22との噛合位置を維持する。その結果、ロータ10,20が要素6,40,50と連れ回りするので、バルブタイミングが保持されることになる。
制御軸6と共に遊星キャリア40がアウタロータ10よりも高速に回転駆動されるときには、当該キャリア40が駆動側内歯車部18に対する進角側へ相対回転することで、遊星歯車50が内歯車部18,22と噛合しつつ遊星運動する。その結果、アウタロータ10に対してインナロータ20が進角側へ相対回転するので、バルブタイミングが進角することになる。
制御軸6と共に遊星キャリア40がアウタロータ10よりも低速に又はアウタロータ10と逆方向に回転駆動されるときには、当該キャリア40が駆動側内歯車部18に対する遅角側へ相対回転することで、遊星歯車50が内歯車部18,22と噛合しつつ遊星運動する。その結果、アウタロータ10に対してインナロータ20が遅角側へ相対回転するので、バルブタイミングが遅角することになる。
(特徴的構成)
以下、装置1の特徴的構成を説明する。図1,4に示すように、金属製のアウタロータ10を構成する伝達部材13において内周壁面130には、複数のストッパ凹部70,71,72,73が周方向に等間隔に開口形成されている。各ストッパ凹部70,71,72,73は、内周壁面130から径方向外側に凹んで周方向へと延伸する円弧溝状を、呈している。
金属製のインナロータ20において、アウタロータ10の内周壁面130と同軸上に嵌合している外周壁面200には、複数のストッパ凸部74,75,76,77が周方向に等間隔をあけて突出形成されている。各ストッパ凸部74,75,76,77は、径方向外側のストッパ凹部70,71,72,73のうち其々対応するものに外周壁面200から突入する扇状を、呈している。
図4に示すように、各ストッパ凹部70,71,72,73の周方向幅は、其々対応するストッパ凸部74,75,76,77の周方向幅よりも、大きく設定されている。かかる設定により各ストッパ凹部70,71,72,73の内部では、其々の対応ストッパ凸部74,75,76,77がロータ10,20の周方向に揺動可能となっている。
さらに、ストッパ凹部70の周方向幅については、他のストッパ凹部71,72,73の周方向幅よりも、小さく設定されている。かかる設定により、図5,6の各分図(a)の如くストッパ凹部70の周方向両側の内側面700(700a,700b)に、ストッパ凸部74の周方向両側の外側面740(740a,740b)のうち其々対応する面が当接することで、アウタロータ10に対するインナロータ20の相対回転が規制される。
ここで具体的には、図5(a)に示すようにストッパ凸部74の進角側外側面740aがストッパ凹部70の進角側内側面700aと周方向に当接するときには、アウタロータ10に対するインナロータ20の進角側への相対回転が規制される。一方、図6(a)に示すようにストッパ凸部74の遅角側外側面740bがストッパ凹部70の遅角側内側面700bと周方向に当接するときには、アウタロータ10に対するインナロータ20の遅角側への相対回転が規制される。
このようにしてロータ10,20間の相対回転が規制されることによれば、バルブタイミングの可変範囲が内燃機関の運転に最適な範囲に制限され得る。また逆に図4に示すように、ストッパ凸部74の外側面740(740a,740b)が其々、ストッパ凹部70の対応内側面700(700a,700b)から離間することで、ロータ10,20間の相対回転が許容されることによれば、可変範囲内におけるバルブタイミングの自由調整が可能となる。
以上より、ストッパ凹部70及びストッパ凸部74の組がストッパ構造78として機能する本実施形態では、ストッパ凹部71,72,73及びストッパ凸部75,76,77の各組については、当該構造78に異常が生じた場合の予備構造として設けられている。そこで、ストッパ凹部70及びストッパ凸部74からなる本実施形態のストッパ構造78には、以下に説明する構成がさらに追加されているのである。
図4に示すように、ストッパ凹部70は二段階に深くなることで、各内側面700に其々連続する第一内底面701と、それら第一内底面701よりも径方向外側に凹む第二内底面702とを有している。ここで各第一内底面701は、其々対応する内側面700から周方向の離間側へ向かって円弧面状に延伸することにより、ストッパ凸部74のうち最外周部を周方向に延伸する円弧面状の突出端面741に対して、嵌合自在となっている。一方、第二内底面702は、各第一内底面701間を周方向に円弧面状に延伸することにより、ストッパ凸部74の突出端面741に対して、空間703を介して向き合っている。以上の構成により第二内底面702は、各第一内底面701を周方向に挟んで各内側面700とは反対側にて、ストッパ凸部74の突出端面741から径方向外側に離間している。
図5,6に示すようにストッパ凹部70では、内側面700(700a,700b)に対してストッパ凸部74の外側面740(740a,740b)が周方向に接近乃至は当接すると、当該接近側の内側面700に隣接する第一内底面701の径方向内側には、ストッパ凸部74が入り込む。その結果、ストッパ凸部74の突出端面741は、第二内底面702との間には径方向の空間703を形成する一方、径方向外側に位置する第一内底面701には摺動可能に嵌合する。このとき特に、突出端面741と第一内底面701との嵌合界面に形成されて空間703と周方向に連通する隙間704は、アウタロータ10の内周壁面130とインナロータ20の外周壁面200との嵌合界面に形成される隙間705よりも、広い径方向間隔を有する状態となる。また、以上の説明から明らかなように空間703については、隙間704よりも十分に広い径方向間隔を有する状態となる。尚、図5,6では、空間703に対する隙間704,705の相対的な間隔につき、説明の理解を容易にするために、誇張して径方向に広く描いている。
一方、図1,4に示すようにストッパ凹部70では、ストッパ凸部74の外側面740(740a,740b)が内側面700(700a,700b)から周方向に離間すると、いずれの第一内底面701の径方向内側からも、ストッパ凸部74が離脱した状態となる。このとき、ストッパ凸部74の突出端面741が周方向の全域でストッパ凹部70の第二内底面702と向き合うので、側面700,740間と径方向に連通する空間703が、それら突出端面741及び第二内底面702の間に形成されるのである。
さて、図1に示すように、「潤滑液」としてのエンジン用潤滑油により遊星歯車機構8を潤滑するため、インナロータ20の連結部21には、アウタロータ10内部の収容室100に向かって開口する導入通路80が、貫通形成されている。導入通路80は、クランク軸の機関トルクにより駆動されるメカポンプ9に対して、カム軸2を貫通する供給通路2aを介して連通している。以上の開口並びに連通形態により、内燃機関の回転時にポンプ9から供給通路2aへ吐出される潤滑油は、導入通路80から収容室100へと導入されることで、ストッパ構造78をなすストッパ凹部70の内部にも流入することになる。
以上の装置1では、ロータ10,20の周壁面130,200の嵌合下、ストッパ凸部74が外側面740をストッパ凹部70の内側面700に接近させて突出端面741を同凹部70の第一内底面701に嵌合させると、側面700,740間に潤滑油が閉じ込められる。故に、急速接近する側面700,740同士であっても、閉じ込められた潤滑油の流体抵抗によりダンパ作用を発揮し得るので、それら側面700,740の衝突速度を緩和して、摩耗による耐久性の低下を抑制することができるのである。
さらに側面700,740同士の接近が進むときには、第一内底面701及び突出端面741間の隙間704と、周壁面130,200間の隙間705とのうち、間隔の広い前者に向かって、側面700,740間の潤滑油が流量を絞られつつ押し出されることになる。故に、図5,6の各分図(b)の如く側面700,740同士が当接するまでは、ダンパ作用をある程度は確保しながら、図5,6の各分図(a)の如き当接時には、ロータ10,20間の相対回転を規制して、バルブタイミングの可変範囲を内燃機関の運転に最適化することができる。しかも、潤滑油の押し出される隙間704は、突出端面741がストッパ凹部70内に形成する空間703と連通しているので、側面700,740間の潤滑油は、当該隙間704を通過してストッパ凹部70の内部に蓄えられ得る。これによれば、側面700,740間からの潤滑油の押し出しに起因して潤滑油がストッパ凹部70内部に不足する事態を回避することができるので、耐久性の向上効果を長きに亘って発揮可能である。
しかも、側面700,740間の潤滑油が上述の如きダンパ作用を発揮して、側面700,740同士の衝突速度を緩和させ得る構成によれば、アウタロータ10の構成要素12〜14を止める螺子15につき、当該衝突時の衝撃に起因する緩みが生じ難くなる。したがって、アウタロータ10のうち伝達部材13に対する機関トルクの伝達も、同ロータ10のうち歯車部材12と噛合する遊星歯車50の遊星運動も正しく実現させて、内燃機関の運転を最適化することもできるのである。
また一方、ストッパ凸部74が外側面740をストッパ凹部70の内側面700から離間させて突出端面741を同凹部70の第一内底面701から離脱させるときには、側面700,740間が空間703に対して開放されることになる。その結果、側面700,740間の潤滑油によるダンパ作用は可及的に低下するので、ロータ10,20間の相対回転速度、ひいてはバルブタイミング調整の応答速度を高めて、内燃機関の運転を最適化することができるのである。
ここまで説明の如き実施形態によれば、内燃機関の運転を損なうことなく、装置1の耐久性の向上を図ることが、可能である。
(他の実施形態)
以上、本発明の一実施形態について説明したが、本発明は、当該実施形態に限定して解釈されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において種々の実施形態に適用することができる。
具体的には図7に変形例を示すように、ストッパ凸部74の突出端面741とストッパ凹部70の第一内底面701との嵌合界面に形成される隙間704に対して、アウタロータ10の内周壁面130とインナロータ20の外周壁面200との嵌合界面に形成される隙間705を、より広い径方向間隔をもって形成してもよい。また、アウタロータ10の構成要素12〜14については、螺子止め以外の形態により結合してもよい。そして、本発明は、吸気弁のバルブタイミングを調整する装置以外にも、「動弁」としての排気弁のバルブタイミングを調整する装置や、吸気弁及び排気弁の双方のバルブタイミングを調整する装置に適用可能である。
1 バルブタイミング調整装置、2 カム軸、2a 供給通路、4 アクチュエータ、7 通電制御回路部、8 遊星歯車機構、9 ポンプ、10 アウタロータ、12 歯車部材、14 カバー部材、15 螺子、20 インナロータ、40 遊星キャリア、50 遊星歯車、60 軸受、70,71,72,73 ストッパ凹部、74,75,76,77 ストッパ凸部、78 ストッパ構造、80 導入通路、100 収容室、130 内周壁面、200 外周壁面、700 内側面、700a 進角側内側面、700b 遅角側内側面、701 第一内底面、703 空間、704,705 隙間、740 外側面、740a 進角側外側面、740b 遅角側外側面、741 突出端面

Claims (3)

  1. 内燃機関のクランク軸及びカム軸のうち一方と連動して周方向に回転し、内部に潤滑液が導入される筒状のアウタロータと、
    前記アウタロータの内周壁面に同軸上に嵌合する外周壁面を有し、前記クランク軸及び前記カム軸のうち他方と連動して周方向に回転するインナロータと、
    前記アウタロータ及び前記インナロータの間において遊星運動することにより前記アウタロータに対して前記インナロータを相対回転させる遊星歯車と、
    前記内周壁面から凹んで前記潤滑液が内部に流入するストッパ凹部、並びに前記外周壁面から前記ストッパ凹部に突入するストッパ凸部を有し、前記ストッパ凸部の外側面が前記ストッパ凹部の内側面から周方向に離間することにより前記アウタロータに対する前記インナロータの相対回転を許容する一方、前記外側面が前記内側面と周方向に当接することにより当該相対回転を規制するストッパ構造と、
    を備え、前記クランク軸からの機関トルクの伝達により前記カム軸が開閉する動弁のバルブタイミングを調整するバルブタイミング調整装置において、
    前記ストッパ凹部は、前記内側面から周方向に延伸して前記ストッパ凸部の突出端面に嵌合自在に設けられる第一内底面、並びに前記第一内底面を周方向に挟んで前記内側面とは反対側に設けられて前記第一内底面よりも径方向外側に凹む第二内底面を有し、
    前記第一内底面と前記突出端面とが嵌合界面に形成する隙間、並びに前記内周壁面と前記外周壁面とが嵌合界面に形成する隙間のうち一方は、それら隙間のうち他方よりも広い間隔を、径方向に有することを特徴とするバルブタイミング調整装置。
  2. 前記第一内底面と前記突出端面とが嵌合界面に形成する隙間は、前記内周壁面と前記外周壁面とが嵌合界面に形成する隙間よりも広い間隔を、径方向に有することを特徴とする請求項1に記載のバルブタイミング調整装置。
  3. 前記アウタロータは、前記クランク軸から前記機関トルクが伝達される伝達部材と、前記遊星歯車に噛合する歯車部材とを、螺子止めしてなることを特徴とする請求項1又は2に記載のバルブタイミング調整装置。
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