JP2012236733A - 結晶育成用るつぼ及び結晶の育成方法 - Google Patents

結晶育成用るつぼ及び結晶の育成方法 Download PDF

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圭吾 干川
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Abstract

【課題】 種結晶と結晶方位がそろった結晶を歩留りよく育成することができ、大型の結晶を効率的に育成することを可能にする。
【解決手段】 るつぼ10のテーパ収納部11bのテーパ面に接する面が、テーパ面と同一の傾斜角度を有するテーパ面に形成された接触面を備える種結晶20を使用し、るつぼ10に種結晶20を配置する際に、テーパ収納部11bのテーパ面に種結晶20の接触面を接触させて配置し、結晶原料を溶融した際に、融液がテーパ収納部11bと種結晶20との界面に流れ込むことを抑制して種結晶20から単結晶を成長させる。
【選択図】 図1

Description

本出願は結晶の育成に用いるるつぼとこのるつぼを用いる結晶の育成方法に関する。
サファイア単結晶は種々の工業用途に用いられるが、中でも、LED製造用の下地基板としての用途が最近、注目されている。すなわち、LEDの製造においては、サファイア基板上にバッファー層及び窒化ガリウム系薄膜をエピタキシャル成長させてLED発光基板を得る方法が主流となってきている。このため、サファイア基板を効率的にかつ安定的に生産するために、大型のサファイア単結晶を安定して育成する方法が求められている。
本発明者は、垂直ブリッジマン法を利用してサファイア単結晶を育成する方法について提案した(特許文献1)。このサファイア結晶の育成方法は、るつぼの底にサファイアの種結晶を置き、種結晶の上にサファイアの結晶原料を充填して、所定の温度勾配を設けた加熱炉内でるつぼを鉛直方向に昇降させて、種結晶から結晶を成長させて単結晶を得る方法である。
垂直ブリッジマン法による結晶の育成方法には、底部を下方に縮径するテーパ形状としたるつぼを使用し、温度勾配を設けた加熱炉内で高温側から低温側に徐々にるつぼを降下させ、るつぼの底に結晶核を生成させて結晶を育成する方法(特許文献2)、るつぼの底から下方に細径のポケット部を延出させたるつぼを使用し、ポケット部に種結晶を収納し、るつぼに結晶原料を収納して種結晶から結晶を育成する方法(特許文献3、4)等がある。
前述した本発明者による垂直ブリッジマン法を利用するサファイア結晶の育成方法では、底を平坦面としたるつぼの底にサファイアの単結晶を置き、その上にサファイアの結晶原料を充填し、加熱炉炉内でるつぼを昇降させて単結晶を育成する。具体的には、上側が高温となる温度勾配を設けた加熱炉内で、まず、るつぼを下位置とした状態から徐々に上昇させて結晶原料を上側から徐々に溶融していき、結晶原料が下側まで完全に溶融して融液が種結晶に接したところで種子付けし、その状態でるつぼの移動方向を下向きに反転させ、種結晶から徐々に結晶を成長させて単結晶を育成する。
特開2011−42560号公報 特開平10−251097号公報 特開平9−142982号公報 特開平10−130090号公報
上述したるつぼの底に種結晶を置いて単結晶を育成する方法は、種結晶と結晶方向がそろった大きな単結晶を育成する方法として有効に利用することができる。しかしながら、この結晶の育成方法においては、成長させた結晶の外周部分の結晶方位が種結晶の結晶方位とずれてしまい、結晶全体としての結晶方位が完全に一致しない場合がある。このため、大きな単結晶を育成しても、結晶の外周部分は製品として使用できなくなり、歩留りが悪いという問題があった。
本発明は、るつぼの底に種結晶を配置して結晶を育成する垂直ブリッジマン法を利用する結晶の育成方法において、結晶全体としての結晶方位を種結晶の結晶方位に一致させて育成することができる単結晶育成用るつぼ及び結晶の育成方法を提供することを目的とする。
本出願に係る結晶育成用るつぼは、垂直ブリッジマン法による結晶育成に用いる結晶育成用るつぼであって、るつぼの底部に種結晶を収納するテーパ収納部を備え、該テーパ収納部は、種結晶を支持する内面が、結晶原料を収納する収納部に対し反対側へ徐々に縮径するテーパ面に形成されていることを特徴とする。なお、テーパ面とは滑らかな傾斜面によって形成されている意であり、典型的には円錐面であるが、円錐面に限定されるものではない。また、傾斜面(断面方向から見た状態)は完全に直線的(線形)である必要はなく、若干湾曲していてもよい。
また、結晶育成用るつぼとして、前記テーパ収納部と前記収納部とが、前記テーパ収納部のテーパ面よりも傾斜角度が緩く、前記テーパ収納部に向けて徐々に縮径するテーパ面からなるテーパ連結部により連結されている構成を備えるものは、小型の種結晶を使用して結晶を育成することができるという利点がある。
また、前記収納部は、収納部の開口側へ徐々に縮径するテーパ面に形成されていることにより、育成した結晶をるつぼから取り出す操作が容易になり、結晶に作用する応力を緩和して結晶中にクラックが発生するといった問題を回避することができるという利点がある。
また、本発明に係る結晶育成方法は、上述した結晶育成用るつぼを用いて結晶を育成する結晶育成方法であって、前記テーパ収納部のテーパ面に接する面が、該テーパ面と同一の傾斜角度を有するテーパ面に形成された接触面を備える種結晶を使用し、るつぼに種結晶を配置する際に、前記テーパ収納部のテーパ面に前記種結晶の接触面を接触させて配置し、結晶原料を溶融した際に、融液が前記テーパ収納部と前記種結晶との界面に流れ込むことを抑制して種結晶から単結晶を成長させることを特徴とする。
前記テーパ収納部のテーパ面が円錐面として形成されている場合には、前記種結晶として、円錐形状あるいは円錐台形状に形成した種結晶が好適に使用できる。
また、本発明に係る結晶育成方法は、前記種結晶としてサファイア結晶を使用し、前記結晶原料としてアルミナ(Al2O3)の圧粉体または焼結体を使用してサファイアの単結晶を育成する方法として好適に利用することができる。
本発明に係る結晶育成用るつぼは、種結晶を収納するテーパ収納部のテーパ面と種結晶との界面に結晶原料の融液が流れ込むことを効果的に抑えて結晶を育成する方法に好適に利用することができ、本発明に係る結晶育成方法によれば、種結晶と結晶方位がそろった結晶を確実に製造することができる。
結晶育成用るつぼの第1の実施の形態の構成を示す断面図である。 サファイア結晶の育成に使用したるつぼと種結晶の配置を示す説明図である。 育成したサファイア結晶の外観写真である。 育成したサファイア結晶の外観写真(a)、結晶の断面のトポグラフ写真(b)である。 従来方法によって育成したサファイア結晶の外観写真(a)、結晶の断面のトポグラフ写真(b)である。 従来のるつぼを用いた場合(a)、(b)と、本発明に係るるつぼを用いた場合(c)、(d)での結晶の成長の様子を示す説明図である。 結晶育成用るつぼの第2の実施の形態の構成を示す断面図である。 サファイア結晶の育成に使用したるつぼと種結晶の配置(a)、育成した結晶の外観写真(b)、結晶の断面のトポグラフ写真(c)である。
(第1の実施の形態)
図1は、本発明に係る結晶の育成方法に用いるるつぼの第1の実施の形態を示す。
図1に示するつぼ10は、全体形状が円柱状をなするつぼ材を一方の面側(上側)から掘り込み、種結晶と結晶原料を収容する容器部11を設けた形状に形成されている。
容器部11は、るつぼ10の上部に設けた結晶原料を収納する収納部11aと、収納部11aの下部に設けられたテーパ収納部11bとによって構成される。収納部11aは、内面形状が円筒状に形成され、テーパ収納部11bは、その内面が下方(収納部11aとは反対側)に徐々に縮径するテーパ面(この例では円錐面)に形成されている。
図示例のるつぼ10では、収納部11aの内面を、開口側へ徐々に縮径するテーパ面(鉛直方向に対する傾斜角度は数度)に形成している。これは、結晶を育成した後にるつぼ10から結晶を取り出しやすくするためである。サファイア結晶を育成する例では、育成後の結晶は、るつぼ10の内面から比較的容易に剥離するから、収納部11aは単に円筒状としてもよいが、収納部11aの内面をテーパ状とすることで、単結晶の取り出しをより容易にすることができる。また、収納部11aの内面をテーパ面とすることで育成後の結晶に、るつぼ側から作用する応力を抑制し、結晶にクラックが入ったりする問題を回避する作用もある。
図1では、るつぼ10に種結晶20と温度測定用の熱電対30を配置した状態を示す。種結晶20は、テーパ収納部11bのテーパ面(傾斜面)上に位置するように配置する。種結晶20は、テーパ収納部11bのテーパ面に接する面(接触面)をテーパ収納部11bの傾斜角度と一致するテーパ面とし、テーパ収納部11bに配置した際に、テーパ収納部11bのテーパ面に、隙間なくぴったりと重ね合わせられるように成形する。
種結晶20の接触面とテーパ収納部11bのテーパ面(傾斜面)との間に隙間が生じないようにして種結晶20を配置するのは、収納部11aに収納する結晶原料が溶融した際に、種結晶20とテーパ収納部11bとの界面に結晶原料の融液が流れ込まない(侵入しない)ようにするためである。
図1では、種結晶20を円錐台形状とし、テーパ収納部11bに種結晶20を配置した際に、テーパ収納部11bの底と種結晶20の下面との間に空間が生じるようにしている。これは、種結晶20をテーパ収納部11bにセットしたときに、種結晶20がテーパ収納部11bのテーパ面から浮き上がらないようにし、種結晶20の接触面(テーパ面)がテーパ収納部11bのテーパ面に必ず接するようにするためである。
テーパ収納部11bのテーパ面から浮き上がらないように種結晶20の形状と大きさを設定するのであれば、種結晶20は、必ずしも円錐台形状にする必要はなく、円錐状に形成してもよい。
また、テーパ収納部11bは種結晶20を支持する内面をテーパ面(傾斜面)とすることによって種結晶20とテーパ収納部11bとの界面に隙間が生じないようにすることを目的とするから、テーパ収納部11bのテーパ面は種結晶20を密接させて支持する面形状であればよく、完全な円錐面でなければならないものではない。たとえば、テーパ収納部11bの底部をなめらかに面取りした形態とすることも可能である。
種結晶20は、るつぼ10にセットした際に、外周縁部(種結晶20の上側の位置)がテーパ収納部11bのテーパ面の最大径位置よりも内側(下側)に位置するように大きさを設定する。すなわち、種結晶20はその接触面が、テーパ収納部11bのテーパ面上すべて含まれるように成形する。図1においては、種結晶20の上側の面とテーパ収納部11bの最大径となる位置とは比較的広く空いている。このような配置は、種結晶20を小型化する点からも有効である。
なお、種結晶20を円錐形状に形成する場合、種結晶20の上側の面(結晶原料が接触する側)を平坦面とする必要はなく、若干の凹凸があっても結晶育成上は問題ない。種結晶20は、成長させる結晶の結晶方位を規定することになるから、種結晶20を形成する際には、育成する結晶の結晶方位に合わせて種結晶20のカット面(傾斜面)の方向を定めて加工する。
図1においては、るつぼ10の下面の中央部に凹部30aを形成し、凹部30aに熱電対30のヘッド部を嵌入して熱電対30を設置している。るつぼ10の底部に熱電対30を装着する構造とすることで、るつぼ10の温度を正確に検知することができ、高精度の温度制御が可能となり、結晶を育成する歩留りを向上させることができる。
(種子付けの実験)
以下に、上述したテーパ収納部11bを備えるるつぼ10を使用して、垂直ブリッジマン法によりサファイア単結晶を育成した例について説明する。
図2に、サファイア結晶の育成に使用したるつぼと種結晶の配置を示す。種結晶には大きなサファイア結晶から円錐形状に加工した結晶を使用した。種結晶はテーパ収納部11bのテーパ面に隙間なく接触面が接するようにテーパ面の傾斜角度を設定した。
図3(a)〜(d)は、種子付け温度を変えて結晶を育成した結果を示す。使用した種結晶の形状、寸法は同一である。結晶原料にはサファイア微粉末を成形焼結した成形焼結体を使用した。
図3(a)、(b)、(c)、(d)は、それぞれ、種子付け温度を2030.0℃、2017.5℃、2010.0℃、2010.0℃とした例である。
図3(a)では、種子付け温度が高かったために種結晶が全部溶けてしまい、単結晶が成長しなかった。
図3(b)では、種結晶が高さ7.5mm残った状態で結晶が成長した。この例では、種結晶の先端部分まで融液が流れ込み、種結晶とるつぼのテーパ収納部との界面に融液が流れ込むことを完全には阻止できていない。
図3(c)では、種結晶が高さ21mm残った状態で単結晶が育成され、図3(d)では、種結晶が19mm残った状態で単結晶が育成された。いずれの場合も、種結晶とるつぼのテーパ収納部との界面への融液の流れ込みが種結晶の接触面の中途で阻止され、種子付けの再現性が確かめられた。
この実験結果は、種結晶をセットするテーパ収納部を備えるるつぼに、円錐形状の種結晶をセットし、的確な種子付け温度を設定することによって確実に単結晶を育成することができることを示している。
るつぼの底に種結晶をセットして結晶を育成する垂直ブリッジマン法においては、結晶原料のすべてをいったん溶融してから種結晶を種子付けして育成するから、種結晶と結晶原料を溶融した融液との種子付け操作が非常に重要である。結晶の製造効率を考慮するとできるだけ小さな種結晶を使用することが望ましいが、あまり種結晶を小さくすると種子付けの際に種結晶そのものが溶融してしまう。また、育成した単結晶の結晶方位も問題であり、種結晶自体から結晶が成長するように、種結晶とるつぼとの界面に融液が侵入しないようにして結晶成長させるのがよい。
(成長結晶の方位ずれ)
図4はテーパ収納部を備えるるつぼを使用し、円錐形状に加工した種結晶を用いてサファイア結晶を育成した実験例、図5は、従来の円柱形状に加工した種結晶を用いてサファイア結晶を育成した実験例を示す。
図4(a)は、育成後の結晶の外観写真、図4(b)は、育成後の結晶の先端部分を拡大して示すトポグラフ写真を示す。図5(a)は、育成後の結晶の外観写真、図5(b)は、育成後の結晶の先端部分を拡大して示すトポグラフ写真を示す。
まず、育成された結晶の結晶方位について、図4(b)と図5(b)とを比較する。
図4(b)には、種結晶とるつぼの界面から上方に伸びる境界線が見えるが、結晶方位としては、結晶全体が種結晶の結晶方位に完全に一致して成長している。溶融した種結晶の界面が結晶中に見えている。
一方、図5(b)では、育成した結晶の外周側面近傍に小傾角境界が見えており、この境界から外側部分については種結晶の結晶方位とずれている。また、結晶中に種結晶が溶融した界面が見えている。
この実験結果は、テーパ収納部を備えるるつぼを使用し、るつぼとの接触面をテーパ面とした種結晶を使用して単結晶を育成する方法は、単結晶全体が種結晶と結晶方位をそろえて成長させる方法として有効であることを示している。
また、単結晶の育成に用いる種結晶を比較すると、本発明の結晶育成方法において使用する円錐形状の種結晶は、高さ25mm、径35mm程度であるのに対して、従来の種結晶は高さ50mm、径55mm程度の円柱状に形成したものであり、本発明方法において用いる種結晶とくらべてはるかに大型である。本発明方法による場合は、従来使用している種結晶にくらべて小型の種結晶を用いて結晶を育成することができ、効率的に結晶を育成することが可能である。
図4は、るつぼのテーパ収納部のテーパ面の傾斜角度を30度とした例であるが、テーパ収納部のテーパ角度を45度としたるつぼを使用してサファイア結晶を育成する実験についても行った。この実験結果によると、テーパ収納部のテーパ角度を45度とした場合も、結晶の外周側面に結晶方位がずれることによる境界が観察されず、結晶全体が種結晶の結晶方位に完全に一致して成長していることが確かめられた。このように、るつぼのテーパ収納部のテーパ面の傾斜角度は30度に限定されるものではなく、育成する結晶に応じて適宜選択することができる。
図6は、テーパ収納部を備えるるつぼを使用して結晶を育成する場合と、従来の平坦状の底部を備えるつぼを使用して結晶を育成する場合の作用を示している。
図6(a)は、従来の平坦状の底部を備えるるつぼに種結晶21を配置し、結晶原料を溶融した状態を示す。種結晶21は上部が溶融して界面が球面状となる。この場合は、融液22が種結晶21とるつぼ(底部)の界面に流れ込んで(流れ込み部分22a)結晶が成長するため、図6(b)に示すように、種結晶21と結晶方位が揃った結晶21aの部分と、結晶21aの外周側面に種結晶21とは結晶方位がずれた結晶21bの部分が生じる。
一方、図6(c)、(d)は、テーパ収納部を備えるるつぼを使用し、るつぼとの接触面をテーパ面とした種結晶20を使用して育成する場合で、この場合は、種結晶20とるつぼのテーパ収納部との界面に融液22が流れ込むことが阻止され、図6(d)に示すように、育成された結晶21a全体の結晶方位が種結晶20の結晶方位と完全に一致し、結晶中に結晶方位がずれた部分が生じることが抑制される。
このように、種結晶をセットするテーパ収納部を備えるるつぼを使用して結晶を育成する方法は、種結晶と結晶方位がそろった結晶を確実に育成する方法として有効である。また、るつぼとの接触面をテーパ面とした種結晶を使用することにより、従来のような円柱状の種結晶を使用する場合とくらべて種結晶の小型化を図ることができ、効率的に結晶を育成することができる。
(第2の実施の形態)
図7は、本発明に係る結晶の育成方法に用いるるつぼの第2の実施の形態を示す。
本実施形態のるつぼ12は、種結晶と結晶原料を収納する容器部13を、結晶原料を収納する収納部13aと、種結晶24を収納するテーパ収納部13bと、収納部13aとテーパ収納部13bとの間に配したテーパ連結部13cによって構成されている。
収納部13aは円筒形状に形成され、テーパ連結部13cは内面が全体として下方へ徐々に縮径するテーパ面に形成されている。テーパ収納部13bはテーパ連結部13cの下端に連結し、内面が下方へ徐々に縮径するテーパ面に形成されている。
図7はテーパ収納部13bに種結晶24を配置した状態を示す。種結晶24は、テーパ収納部13bに接する接触面の傾斜角度をテーパ収納部13bのテーパ面の傾斜角度と一致させ、図7に示すように、テーパ収納部13bに種結晶24をセットした際に、種結晶24のテーパ面とテーパ収納部13bのテーパ面との間に隙間が生じないようにする。
種結晶24をテーパ収納部13bに収納し、収納部13aに結晶原料を充填して単結晶を育成する理由は、第1の実施の形態と同様に種結晶24とテーパ収納部13bとの界面に結晶原料の融液が流れ込まないようにし、育成した結晶中に種結晶24と結晶方位が異なる境界(結晶方位が異なる部分)が生じないようにするためである。
種結晶24をテーパ収納部13bにセットすることにより、種結晶24とテーパ収納部13bとの界面に融液が流れ込まないようになるから、種結晶24の上部がテーパ収納部13bから突出していてもかまわない。
図8は、テーパ収納部13bとテーパ連結部13cを備えるるつぼ12を使用して、垂直ブリッジマン法によりサファイア結晶を育成した例を示す。
図8(a)がるつぼに種結晶をセットした配置図、図8(b)が育成後の結晶の外観写真、図8(c)が図8(b)に示す断面におけるトポグラフ写真である。
図8(c)を見ると、種結晶24とテーパ収納部13bとの界面から上方に伸びる微小傾角境界が結晶の中心部に見られるが、結晶方位は結晶全体として種結晶24の結晶方位に一致し、良好な結晶が得られている。なお、結晶中に冷却時に生じたと思われるクラックが生じている。
本実施形態において使用した種結晶は、高さ約22mm、径約21mmの円錐形状としたものである。この種結晶は第1の実施の形態において使用した円錐形状の種結晶よりもさらに小型である。これらを比較すると、第1の実施の形態及び第2の実施の形態の結晶方法による場合は、従来方法と比較して顕著に種結晶を小型化でき、第2の実施の形態では、第1の実施の形態と比較してさらに種結晶を小型化することが可能となることtがわかる。
第2の実施の形態のるつぼ12は、いわばるつぼの底を2段のテーパ形状とすることにより、種結晶のさらなる小型化と、種結晶の結晶方位にそろえて単結晶を育成することを可能にしたものである。
このように、るつぼの底を2段のテーパ形状にする場合は、育成する結晶の種類に合わせて、テーパ収納部の径や高さ、テーパ連結部のテーパ面の傾斜角度や高さを適宜調節するのがよい。るつぼの底を2段のテーパ形状とすると、種結晶を収納するテーパ収納部のテーパ面の傾斜角度(鉛直方向に対する傾斜角度)は、1段のテーパ収納部を設ける場合と比較して小さくなる(急峻になる)から、これよりも傾斜角度が緩くなる(鉛直方向に対する傾斜角度は大きくなる)緩衝的な作用部分であるテーパ連結部13cを設けることによって、種結晶の結晶方位をずらさずに確実に単結晶を育成することが可能になると考えられる。
10、12 るつぼ
11、13 容器部
11a、13a 収納部
11b、13b テーパ収納部
13c テーパ連結部
20、21、24 種結晶
21a、21b 結晶
22 融液
30 熱電対


Claims (6)

  1. 垂直ブリッジマン法による結晶育成に用いる結晶育成用るつぼであって、
    るつぼの底部に種結晶を収納するテーパ収納部を備え、
    該テーパ収納部は、種結晶を支持する内面が、結晶原料を収納する収納部に対し反対側へ徐々に縮径するテーパ面に形成されていることを特徴とする結晶育成用るつぼ。
  2. 前記テーパ収納部と前記収納部とが、前記テーパ収納部のテーパ面よりも傾斜角度が緩く、前記テーパ収納部に向けて徐々に縮径するテーパ面からなるテーパ連結部により連結されていることを特徴とする請求項1記載の結晶育成用るつぼ。
  3. 前記収納部は、収納部の開口側へ徐々に縮径するテーパ面に形成されていることを特徴とする請求項1または2記載の結晶育成用るつぼ。
  4. 請求項1〜3のいずれか一項記載の結晶育成用るつぼを用いて結晶を育成する結晶育成方法であって、
    前記テーパ収納部のテーパ面に接する面が、該テーパ面と同一の傾斜角度を有するテーパ面に形成された接触面を備える種結晶を使用し、
    るつぼに種結晶を配置する際に、前記テーパ収納部のテーパ面に前記種結晶の接触面を接触させて配置し、
    結晶原料を溶融した際に、融液が前記テーパ収納部と前記種結晶との界面に流れ込むことを抑制して種結晶から単結晶を成長させることを特徴とする結晶育成方法。
  5. 前記テーパ収納部のテーパ面が円錐面として形成され、
    前記種結晶として、円錐形状あるいは円錐台形状に形成した種結晶を使用することを特徴とする請求項4記載の結晶育成方法。
  6. 前記種結晶としてサファイア結晶を使用し、前記結晶原料としてサファイアを使用してサファイアの単結晶を育成することを特徴とする請求項4または5記載の結晶育成方法。



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