JP2012232747A - シートバック装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】シートバック装置10は、シートバックフレーム21に備えた左右一対の側部フレーム25,26間に面状弾性体22が弾性支持されている。このシートバック装置10は、左右一対の側部フレームの上部と、面状弾性体の上部とを連結した左右一対の第1スプリング81,82と、左右一対の側部フレームの下部と、面状弾性体の下部とを連結した左右一対の第2スプリング84,85とを備えている。さらに、面状弾性体に後方荷重が作用した際に、面状弾性体の下部を、面状弾性体の上部よりも大きく変位させるようにした。
【選択図】図1
Description
このため、車両の後部に相手車両が衝突(後面衝突)した場合に、ヘッドレストで乗員の頭部を良好に支えることは難しい。
すなわち、車両の後部に相手車両が衝突(後面衝突)した場合に、左右のコイルスプリングを伸ばして乗員の上半身を面状弾性体とともに車体後方に移動させ、頭部をヘッドレストで支えることが考えられる。
このため、乗員の上半身を車体後方に良好に移動させることが難しく、乗員の頭部をヘッドレストで好適に支えることは難しい。
ところで、後面衝突の場合には乗員がシートバックに相対的に押し込まれる。このため、面状弾性体に後方荷重が作用し、シートバックフレームが支持軸を支点にして車体後方に僅かに傾く。
このため、乗員の上部(胸部)に比して下部(腰部)を車体後方に大きく移動させないと、乗員の頭部をヘッドレスト(シートバックの頂部に設けられている)まで移動させることは難しい。
これにより、乗員の上半身を通常の運転姿勢の状態を保ちながら車体後方に良好に移動させるとともに、乗員の頭部をヘッドレストまで良好に移動させてヘッドレストで頭部を好適に支えることができる。
このように、左右の第2スプリングの向き(反力方向)を調節することで、左右の第2スプリングのばね力(すなわち、反力特性)を一層良好に調節して、第2スプリングのたわみ量を一層容易に設定できる。
さらに、左右一対の第1スプリングがパイプフレームに連結され、左右一対の第2スプリングが側部フレームの前部に連結されている。
図1、図2に示すように、シートバック装置10は、シートフレーム12の後端部に支持されたシートバックフレームユニット14と、シートバックフレームユニット14に設けられたヘッドレスト15とを備えている。
シートバックフレームユニット14は、乗員の上半身を凭れさせるシートバックの骨格などを構成するユニットである。
また、左側部フレーム25の上半部25aは、前壁部31、後壁部32および側壁部33で幅方向の内方に向けて開口した断面略コ字状に形成されている(図5も参照)。
そして、前壁部31の下部31aに前連結孔37が形成されている。この前連結孔37には、左第2スプリング84の前フック(前端)84bが連結されている。
この連結フレーム27は、左側部フレーム25の上半部25aに左脚パイプ41が設けられ、右側部フレーム26の上半部26aに右脚パイプ42が設けられている。
左脚パイプ41に左連結ブラケット46が設けられ、左連結ブラケット46に左外連結孔51が形成されている。
左外連結孔51には左第1スプリング81の外フック81bが連結されている。
右脚パイプ42に右連結ブラケット47が設けられている。
右連結ブラケット47は、左連結ブラケット46と左右対称のブラケットであり、右外連結孔52(図5参照)が形成されている。
連結孔52には右第1スプリング82の外フック82b(図5参照)が連結されている。
一対の支持ブラケット54にヘッドレスト15の脚部55が設けられている。
面状弾性体22は、左右一対の側部フレーム25,26間にスプリングユニット23で弾性支持され、シートバック13のクッション材17(図7参照)を支持する部材である。
この面状弾性体22は、略矩形状に形成された面状プレート61と、面状プレート61の裏面61a上部に設けられた上連結ワイヤ62と、面状プレート61の裏面61a下部に設けられた下連結ワイヤ63とを備えている。
これにより、上連結ワイヤ62が面状プレート61の裏面61aに取り付けられている。
ここで、左内連結部62aは、面状弾性体22の左側上部を構成する部位である。また、右内連結部62bは、面状弾性体22の右側上部を構成する部位である。
すなわち、左内連結部62aに左第1スプリング81の内フック81aが連結されている。
すなわち、右内連結部62bに右第1スプリング82の内フック82aが連結されている。
これにより、下連結ワイヤ63が面状プレート61の裏面61aに取り付けられている。
左延出部76の左内連結部76aは、左延出部76の先端部が折り曲げられて連結孔が形成されている。左内連結部76aの連結孔は、左第2スプリング84の後フック(後端)84aが連結される孔である。
すなわち、左延出部76の左内連結部76aに左第2スプリング84の後フック84aが連結されている。
右延出部77の右内連結部77aは、右延出部77の先端部が折り曲げられて連結孔が形成されている。右内連結部77aの連結孔は、右第2スプリング85の後フック(後端)85aが連結される孔である。
すなわち、右延出部77の右内連結部77aに右第2スプリング85の後フック85aが連結されている。
ここで、左右の延出部76,77の面状プレート61からの突出量は、上連結ワイヤ62(図5参照)の面状プレート61からの突出量よりも大きい。
ここで、左内連結部62aは、面状プレート61の左側上部61bから僅かに突出され、面状弾性体22の左側上部を構成する部位である。
よって、面状弾性体22の左側上部(すなわち、左内連結部62a)が左側部フレーム25に左第1スプリング81で連結されている。
この状態で、左第1スプリング81は、軸線91が略車体幅方向に向けて設けられている。
よって、車体後方に向けた荷重F(以下、「後方荷重」という)は、左第1スプリング81の軸線91方向に交差(略直交)して作用する。
ここで、右内連結部62bは、面状プレート61の右側上部61cから僅かに突出され、面状弾性体22の右側上部を構成する部位である。
よって、面状弾性体22の右側上部(すなわち、右内連結部62b)が右側部フレーム26に右第1スプリング82で連結されている。
この状態で、右第1スプリング82は、軸線92が略車体幅方向に向けて設けられている。
よって、後方荷重Fは、右第1スプリング82の軸線92方向に交差(略直交)して作用する。
よって、図1、図2に示すように、左右一対の第1スプリング81,82で面状弾性体22を吊り下げることができ、かつ、左右一対の第1スプリング81,82で面状弾性体22を位置決めすることができる。
すなわち、左右一対の第1スプリング81,82は位置決め機能を備えている。
すなわち、左第2スプリング84で、面状弾性体22の左側下部(すなわち、左内連結部76a)が左側部フレーム25に連結されている。
この状態で、左第2スプリング84は、軸線93が車体前後方向に対して傾斜角θで斜めに向けて設けられている。
左第2スプリング84の軸線93を車体前後方向に対して斜めに設けることで、面状弾性体22の左側下部(すなわち、左内連結部76a)を左第1スプリング81に比してシートバックフレーム21の車体前方に向けて引張ることができる。
すなわち、右第2スプリング85で、面状弾性体22の右側下部(すなわち、右内連結部77a)が右側部フレーム26に連結されている。
この状態で、右第2スプリング85は、軸線94が車体前後方向に対して傾斜角θで斜めに向けて設けられている。
右第2スプリング85を車体前後方向に対して斜めに設けることで、面状弾性体22の右側下部61eを右第1スプリング82に比してシートバックフレーム21の車体前方に向けて引張ることができる。
そして、面状弾性体22の左右側の下部(左右の内連結部76a,77a)を左右一対の第2スプリング84,85でシートバックフレーム21の前方側(車体前方側)に引張るようにした。
よって、左右一対の第2スプリング84,85を略車体前後方向に向けた状態に配置できる。
すなわち、後方荷重Fを左第2スプリング84の軸線93方向に近づけて作用させるとともに、後方荷重Fを右第2スプリング85の軸線94方向に近づけて作用させることができる。
すなわち、左右一対の第2スプリング84,85に反力特性の調節機能を備えることができる。
同様に、右第2スプリング85の後フック85aを、右側部フレーム26の後壁部32よりも幅方向内側の位置P2で面状弾性体22にそれぞれ連結した。
これにより、面状弾性体22が車体後方へ移動することを左右一対の側部フレーム25,26の後壁部32で妨げないようにでき、面状弾性体22の後方への移動量(沈込み量、変位量)を良好に確保することができる。
このように、左右一対の第2スプリング84,85の向き(反力方向)を調節することで、左右一対の第2スプリング84,85のばね力(すなわち、反力特性)を一層良好に調節して、左右一対の第2スプリング84,85のたわみ量(伸び量)をさらに容易に設定できる。
図7に示すように、車両の後部に相手車両が衝突(後面衝突)した場合に、乗員97の上半身98がシートバック13に相対的に押し込まれる。
よって、シートバック13の面状弾性体22に車体後方に向けた後方荷重Fが作用する。
ここで、左第2スプリング84の軸線93に対して後方荷重Fが傾斜角θで作用する。
よって、後方荷重Fを左第2スプリング84の軸線93方向に近づけて作用させることができる。
これにより、左第2スプリング84を良好に伸ばして、面状弾性体22の下部22aを車体後方に変位量S2と大きく変位させることができる。
ここで、左第1スプリング81は軸線91が車体幅方向に向けて設けられている。
よって、後方荷重Fは、左第1スプリング81の軸線91方向に交差(略直交)して作用する。
これにより、左第1スプリング81の伸び量を小さく抑えることで、面状弾性体22の上部22bを車体後方に変位量S1だけ小さく変位させる。
このため、乗員97の下部(腰部)98aを上部(胸部)98bに比して車体後方に大きく移動させないと、乗員97の頭部99をヘッドレスト15まで良好に移動させることは難しい。
これにより、乗員97の上半身98を通常の運転姿勢の状態を保ちながら車体後方に良好に移動させるとともに、乗員97の頭部99をヘッドレスト15まで良好に移動させてヘッドレスト15で頭部99を好適に支えることができる。
例えば、前記実施例では、下連結ワイヤ63の左右の延出部76,77を面状プレート61の左右側の下部61d,61eから延出し、左右の延出部76,77の内連結部76a,77aを面状弾性体22の左右側の下部とした例について説明したが、これに限定するものではない。
例えば、面状プレート61の左右側の下部61d,61eを左右側にそれぞれ延出させ、延出した部位を面状弾性体22の左右側の下部とすることも可能である。
例えば、面状プレート61の左右側の上部61b,61cを左右側にそれぞれ突出させ、突出した部位を面状弾性体22の左右側の上部とすることも可能である。
例えば、左右一対の側部フレーム25,26に左右一対の第1スプリング81,82を直接連結することも可能である。
Claims (4)
- シートバックフレームに左右一対の側部フレームを備え、前記左右一対の側部フレーム間に面状弾性体を弾性支持するシートバック装置において、
前記左右一対の側部フレームの上部と、前記面状弾性体の上部とを連結した左右一対の第1スプリングと、
前記左右一対の側部フレームの下部と、前記面状弾性体の下部とを連結した左右一対の第2スプリングと、を備え、
前記面状弾性体に後方荷重が作用した際に、前記面状弾性体の下部を、前記面状弾性体の上部よりも大きく変位させることを特徴とするシートバック装置。 - 前記左右一対の第2スプリングが、前記左右一対の側部フレームにおける前記左右一対の第1スプリングとの連結点よりも前記面状弾性体に対して前方位置に連結されたことを特徴とする請求項1記載のシートバック装置。
- 前記面状弾性体の下部から前方に向けて延びる左右一対の延出部を設け、前記第2スプリングが前記左右一対の延出部の前端部に連結されたことを特徴とする請求項1記載のシートバック装置。
- 前記左右一対の側部フレームが、シートの幅方向の内方に向けて開口した断面略コ字状に形成され、前記側部フレームのうち上部の断面の内側にパイプフレームが設けられ、前記左右一対の第1スプリングが前記パイプフレームに連結され、前記左右一対の第2スプリングが前記側部フレームの前部に連結されたことを特徴とする請求項1記載のシートバック装置。
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