JP5377048B2 - シートバック装置 - Google Patents
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Description
面状弾性体を左右のコイルスプリングで支えることで、左右のコイルスプリングを弾性変形させて面状弾性体を乗員の背中に合わせることが可能である(例えば、特許文献1参照。)。
面状弾性体の下部をトーションバーで支えることで、面状弾性体の下部を安定して保持することが可能である。
このため、車両の後部に相手車両が衝突(後面衝突)した場合に、ヘッドレストで乗員の頭部を良好に支えることは難しい。
すなわち、車両の後部に相手車両が衝突(後面衝突)した場合に、左右のコイルスプリングを伸ばして乗員の上半身を面状弾性体とともに車体後方に移動させ、頭部をヘッドレストで支えることが考えられる。
このため、乗員の上半身を面状弾性体に凭れさせた場合に、上半身が後方に移動してしまい着座フィーリングを良好に確保することが難しい。
しかし、後面衝突した場合には、面状弾性体とともに乗員の上半身を後方に良好に移動させることが難しく、乗員の頭部をヘッドレストで好適に支えることが難しい。
フック部を下部フレームの外周に引っ掛けることで、フック部が下部フレームの外周に接触してフック部および下部フレーム間に摩擦が発生する。
この車体後向きの荷重は比較的小さい荷重である。よって、フック部および下部フレーム間に発生する摩擦力で、フック部を下部フレームに対して非回転状態(静止状態)に保持できる。
これにより、通常の運転状態において、面状弾性体の下部(乗員の腰部を支える部位)をフック部で安定させて保持できる。
後面衝突により作用する後方荷重は、フック部および下部フレーム間の摩擦力を超えている。
これにより、通常の運転状態において、安定させて面状弾性体を保持することができるとともに、後面衝突した場合には乗員の後方移動量(変位量)を良好に確保することができ、乗員の頭部をヘッドレスト(シートバックの頂部に設けられている)まで移動させて、ヘッドレストで頭部を好適に支えることができる。
これにより、フック部をその開放部から下部フレームに取り付けることができるので、下部フレームにフック部を組み付ける作業の容易化を図ることができる。
これにより、下部フレームからフック部が外れないように、下部フレームにフック部を引っ掛けることができる。
よって、下部フレームに対するフック部の面圧を小さく抑えてフック部が変形することを抑えることができる。
なお、面圧とは、下部フレームに対するフック部の押圧力を接触面積で除した値(すなわち、押圧力/接触面積)をいう。
これにより、面状弾性体の下部を車体後方側に円滑に移動(変位)させることができる。
図1、図2に示すように、シートバック装置10は、シートフレーム12の後端部に支持されたシートバックフレームユニット14と、シートバックフレームユニット14に設けられたヘッドレスト15とを備えている。
シートバックフレームユニット14は、乗員の上半身を凭れさせるシートバックの骨格などを構成するユニットである。
このシートバックフレーム21は、各フレーム25,26,27,28で略矩形状の枠体に形成され、この枠体の内側が前後方向に開放されている。
また、右側部フレーム26の上部26aは、前壁部31、後壁部32および側壁部33で幅方向の内方に向けて開口した断面略コ字状に形成されている。
そして、前壁部31の略中央部に連結孔37が形成されている。この連結孔37には、右第2スプリング59の前端59bが連結されている。
この上部フレーム27は、左側部フレーム25の上部25aに左脚パイプ41が設けられ、右側部フレーム26の上部26aに右脚パイプ42が設けられている。
右脚パイプ42に右連結ブラケット47が設けられ、右連結ブラケット47に右第1スプリング57が連結されている。
左脚パイプ41に左連結ブラケット46が設けられている。
左連結ブラケット46は、右連結ブラケット47と左右対称のブラケットである。
左連結ブラケット46には左第1スプリング56が連結されている。
一対の支持ブラケット52にヘッドレスト15の脚部53が設けられている。
この下部フレーム28は、外周28aが円状(円周状)に形成されている。
この面状弾性体22は、左右一対の側部フレーム25,26間にサポートユニット23で弾性支持され、シートバック13のクッション材17(図5参照)を支持する樹脂製の弾性部材である。
このサポートワイヤ55は、面状弾性体22の上方に設けられた上ワイヤ部62と、上ワイヤ部62の左端部から下方に折り曲げられた左ワイヤ部63と、上ワイヤ部62の右端部から下方に折り曲げられた右ワイヤ部65とを有している。
ここで、左連結ブラケット46は、左脚パイプ41に取り付けられている。また、右連結ブラケット47は、右脚パイプ42に取り付けられている。
よって、上ワイヤ部62の左端部が左第1スプリング56で左脚パイプ41に連結され、上ワイヤ部62の右端部が右第1スプリング57で右脚パイプ42に連結されている。
また、右第1スプリング57は、左第1スプリング56と左右対称のばね部材で、上ワイヤ部62の右端部から右脚パイプ42に向けて上り勾配で傾斜されている。
すなわち、左突起部63aが左第2スプリング58で左側部フレーム25に連結されている。
開放部74は、上方に開口された空間を備えている。
この左フック部71は、下部フレーム28の外周28aに回転自在に引っ掛けられている。
よって左フック部71に開放部74を備えることで、下部フレーム28に左フック部71を組み付ける際に、左フック部71を開放部74から下部フレーム28に嵌め込むことができる。
これにより、左フック部71を弾性変形させることなく下部フレーム28に取り付けることができるので、下部フレーム28に左フック部71を容易に組み付けることができる。
よって、下部フレーム28から左フック部71が外れないように、左フック部71の端部71aで支えることができる。
これにより、下部フレーム28に左フック部71を引っ掛けた状態に確実に保持することができる。
すなわち、右突起部65aが右第2スプリング59で右側部フレーム26に連結されている。
なお、右第2スプリング59は、左第2スプリング58と左右対称のばね部材である。
右フック部72は、左フック部71と同様に、面状弾性体22の下部22aにおいて右端部22cから下部フレーム28に向けて延出され、下部フレーム28の外周28aに沿ってシートバック(シートバックフレーム21)の前方側から後方側に湾曲状(具体的には、略U字状)に形成されることで上方に開放する開放部75を備えている。
開放部75は、上方に開口された空間を備えている。
この右フック部72が下部フレーム28の外周28aに回転自在に引っ掛けられている。
これにより、右フック部72を弾性変形させることなく下部フレーム28に取り付けることができるので、下部フレーム28に右フック部72を容易に組み付けることができる。
よって、下部フレーム28から右フック部72が外れないように、右フック部72の端部72aで支えることができる。
これにより、下部フレーム28に右フック部72を引っ掛けた状態に確実に保持することができる。
さらに、左右の第1スプリング56,57は、上ワイヤ部62から左右の脚パイプ41,42に向けてそれぞれ上り勾配で傾斜され、上ワイヤ部62に引き上げ力を作用させている。
よって、下部フレーム28の外周28aに引っ掛けた左右のフック部71,72は、左右の第1スプリング56,57のばね力で上方に引っ張られている。
左右のフック部71,72が外周28aに押圧状態で接触することで、左フック部71および下部フレーム28間に摩擦が発生するとともに、右フック部72および下部フレーム28間に摩擦が発生する。
この車体後向きの荷重は比較的小さい荷重である。よって、左フック部71および下部フレーム28間に発生する摩擦力と、右フック部72および下部フレーム28間に発生する摩擦力とで、左右のフック部71,72を下部フレーム28に対して非回転状態(静止状態)に保持できる。
後面衝突により作用する後方荷重Fは、左フック部71および下部フレーム28間に発生する摩擦力と、右フック部72および下部フレーム28間に発生する摩擦力とを加えた摩擦力を超えている。
すなわち、後方荷重Fで左右のフック部71,72を回転可能とするように、下部フレーム28および左右のフック部71,72に発生する摩擦(摩擦力)が調節されている。
右フック部72の接触長さLを大きく確保することで、外周28aに対する右フック部72の接触面積を大きく確保することができる。
左フック部71の接触長さLを大きく確保することで、外周28aに対する左フック部71の接触面積を大きく確保することができる。
これにより、下部フレーム28から左右のフック部71,72が外れないように、下部フレームにフック部を一層確実に引っ掛けることができる。
図5に示すように、通常の運転状態において、乗員81の上半身82を凭れさせる。よって、面状弾性体22には比較的小さな荷重が作用する。
この車体後向きの荷重は比較的小さい荷重である。
これにより、通常の運転状態において、面状弾性体22の下部22a(乗員の腰部を支える部位)を左右のフック部71,72で安定させて保持できる。
図6に示すように、車両の後部に相手車両が衝突(後面衝突)した場合に、乗員81の上半身82がシートバック13に相対的に押し込まれる。
この後方荷重Fは、左フック部71および下部フレーム28間の摩擦(すなわち、摩擦力)および右フック部72および下部フレーム28間の摩擦(すなわち、摩擦力)を超えている。
図7(b)に示すように、左右のフック部71,72が回転することで、面状弾性体22の下部22aを車体後方側に矢印Bの如く移動(変位)させることができる。
これにより、面状弾性体22の下部22aを車体後方側に円滑に移動(変位)させることができる。
よって、下部フレーム28から左右のフック部71,72が外れないように、左右のフック部71,72の端部71a,72aで支えることができる。
これにより、下部フレーム28に左右のフック部72を引っ掛けた状態で確実に回転させることができる。
これにより、乗員81の頭部83をヘッドレスト15(シートバックの頂部に設けられている)まで移動させて、ヘッドレスト15で頭部83を好適に支えることができる。
さらに、面状弾性体22は、下部22aが左右のフック部71,72で支えられている。
これにより、乗員81の上半身(特に、胸部)82(図8参照)をシートバック13に効果的に沈み込ませることができ、ヘッドレスト15で頭部83を一層好適に支えることができる。
例えば、前記実施例では、サポートワイヤ55(すなわち、左右のフック部71,72)を、一例として、弾性変形可能なばね鋼で形成した例について説明したが、これに限らないで、左右のフック部71,72を弾性変形しないロッドなどの部材で形成することも可能である。
例えば、開放部74,75の間隔Sを下部フレーム28の直径Dに対して小さく設定することも可能である。
このように、間隔Sを直径Dに対して大きく確保した状態で、左右のフック部71,72を下部フレーム28に引っ掛ける。
Claims (3)
- 左右一対の側部フレームと、前記左右一対の側部フレームの上部同士を連結する上部フレームと、前記左右一対の側部フレームの下部同士を連結する下部フレームを有するシートバックフレームを備え、前記シートバックフレームの内側に面状弾性体を弾性支持するシートバック装置において、
前記面状弾性体はサポートワイヤで支持され、
前記サポートワイヤは、面状弾性体の上方に設けられた上ワイヤ部と、該上ワイヤ部の左端部から下方に折り曲げられた左ワイヤ部と、上ワイヤ部の右端部から下方に折り曲げられた右ワイヤ部とを有し、
前記左ワイヤ部と前記右ワイヤ部の下端部にはシートバックの前方側から後方側に湾曲させたフック部を有し、該フック部は前記下部フレームの外周に回転自在に引っ掛けられており、
前記サポートワイヤは前記フック部を含んで各部一体に形成されている、
ことを特徴とするシートバック装置。 - 前記フック部は、略U字状に形成されることで上方に開放する開放部を備えたことを特徴とする請求項1記載のシートバック装置。
- 前記フック部は、前記下部フレームの外周に沿って湾曲状に形成されたことを特徴とする請求項1または請求項2記載のシートバック装置。
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