JP2012225358A - 金属部材の継手及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】機械接合と接着接合を併用する場合において、接着剤の性能通りの接着強度を得ることが可能な、金属部材の継手及び金属部材の継手の製造方法を提供する。
【解決手段】接合面1a、2a同士が相互に重ね合わされた第1、第2の金属部材1、2と、第1、第2の金属部材1、2を締結する機械接合部4と、第1、第2の金属部材1、2の接合面1a、2a間に形成された接着剤層5と、が備えられ、第1金属部材1の接合面1aに、機械接合部4を囲む環状凹部1fが設けられ、環状凹部1fに接着剤層5が形成されていることを特徴とする金属部材の継手6を採用する。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属部材の継手及びその製造方法に関する。
近年、地球環境問題に対する関心の高まりと共に、自動車の燃費向上に対する要求が厳しくなりつつある。燃費向上に対する効果的な方策のひとつには車体の軽量化がある。特に鋼板を薄くすることによる軽量化は、自動車1台あたりの鋼板の使用量が多いため、効果が大きいといわれている。その一方で、鋼板を薄くすると、車体の剛性の確保が問題になる。そこで、車体の剛性を高めるために、車体の構成部品同士の接合を、従来のスポット溶接から連続溶接に変更したり、スポット溶接と接着剤を併用した接合が検討されている。
しかしスポット溶接や連続溶接は、溶接入熱による熱履歴によって溶接接合部の強度や靱性の低下が起こりやすい問題がある。その一方で、接着剤のみを用いた接合は、施工が容易であってせん断方向の剥離強度は優れるものの、剥離方向の強度が不十分という問題がある。
ボルト及びナット等の締結材、各種リベットまたはメカニカルクリンチング等を用いた機械接合は、溶接に比べて締め付けや穴開けなどの工程が増えるものの、せん断方向並びに剥離方向の接合強度が十分であることから、これらの機械接合と接着接合を併用した接合方法が検討されている。機械接合と接着接合を併用する場合は、被接合材同士の間に接着剤を塗布して被接合材同士を重ね合わせ、その後、機械接合を行い、後の塗装工程で塗料とともに接着剤を加熱して硬化させることで、被接合部材同士を接合している。
また、比較的広い接合面を有する被接合材同士を、機械接合と接着接合とを併用して接合する際には、接合面の複数箇所に機械接合部を形成するが、機械接合部の周囲では、接合面同士のギャップが著しく小さくなり、この部分での接着剤が排出され、硬化後の接着剤層が薄くなることがある。接着剤が性能通りの接着強度を発揮するためには、接着剤層の厚みとして0.1mm程度以上の厚みが必要になるが、機械接合部の周囲では接合面同士のギャップが0.1mm未満になり、接着剤層の厚みを十分に確保できなくなり、性能通りの接着強度が得られない問題がある。また、被接合材が高張力鋼板から構成される場合には、その弾性変形のし難さにより、接合面同士のギャップ低下が機械接合部のみならず接合面全体に波及し、接着接合による接着強度が被接合面全体に渡って得られないことがある。
このため、特許文献1に記載のように、ビーズ等のスペーサを接着剤に混合しておき、ギャップを確保する手段もあるが、ビーズが接合面上で均一に分布せずに接着剤の膜厚が不均一になった結果、接着強度が不均一になる問題がある。
特開2004−122745号公報
本発明は上記事情に鑑みて成されたもので、機械接合と接着接合を併用する場合において、接着剤の性能通りの接着強度を得ることが可能な、金属部材の継手及び金属部材の継手の製造方法を提供することを目的とする。
機械接合部の周囲における接合面間のギャップを確保するべく鋭意検討を行った結果、何れか一方の被接合部材の接合面に凹部を設けておき、この凹部のほぼ中央に機械接合部を形成するとともに、機械接合部の形成時に凹部の一部を残すことで、必要な接着剤層の厚みを確保できることを見出した。そこで本発明は以下の構成を採用する。
[1] 接合面同士が相互に重ね合わされた第1の金属部材及び第2の金属部材と、前記第1、第2の金属部材を締結する機械接合部と、前記第1、第2の金属部材の前記接合面間に形成された接着剤層と、が備えられ、
前記第1金属部材の接合面に、前記機械接合部を囲む環状凹部が設けられ、前記環状凹部に前記接着剤層が形成されていることを特徴とする金属部材の継手。
[2] 前記環状凹部の外径が、前記機械接合部の外径の1.7倍以上3倍以下の範囲であることを特徴とする[1]に記載の金属部材の継手。
[3] 前記機械接合部が、メカニカルクリンチング、ボルト及びナット、ブラインドリベットまたは非貫通型リベットのいずれかによって形成されてなることを特徴とする[1]または[2]に記載の金属部材の継手。
[4] 接合面の反対側の面に突出部を設けることで前記接合面の機械接合部の締結予定箇所に凹部が設けられた第1の金属部材と、接合面の締結予定箇所が平坦面である第2の金属部材とを、各接合面間に接着剤を配置して重ね合わせる工程と、
前記接着剤が硬化する前に、前記第1金属部材及び前記第2金属部材の機械接合部の締結予定箇所に機械接合部を製作するとともに、前記機械接合部を製作する際に前記突出部側から前記凹部の一部を押し潰して前記機械接合部を囲む環状凹部を形成する工程と、
前記接着剤を硬化する工程と、
を具備してなることを特徴とする金属部材の継手の製造方法。
[5] 前記凹部の中央に前記機械接合部を作成することで前記環状凹部を形成することを特徴とする[4]に記載の金属部材の継手の製造方法。
[6] 前記凹部の外径が、前記機械接合部の外径の1.7倍以上3倍以下の範囲であることを特徴とする[4]または[5]に記載の金属部材の継手の製造方法。
[7] 前記凹部の最大深さが0.2〜0.4mmの範囲であることを特徴とする[4]乃至[6]の何れか一項に記載の金属部材の継手の製造方法。
[8] 前記機械接合部を、メカニカルクリンチング、ボルト及びナット締め、ブラインドリベット締めまたは非貫通型リベット締めのいずれかによって製作することを特徴とする[4]乃至[7]の何れか一項に記載の金属部材の継手の製造方法。
[9] 前記機械接合部としてボルト及びナット締めまたはブラインドリベット締めを用いる場合に、あらかじめ前記凹部に下穴を設けることを特徴とする[8]に記載の金属部材の継手の製造方法。
本発明によれば、機械接合と接着接合を併用する場合において、第1金属部材の機械接合部の周囲に環状凹部を設けることで、機械接合部の周囲での接着剤層の厚みを確保でき、これにより機械接合部の周囲において接着剤の性能通りの接着強度が得られる。これにより、金属部材の継手の接合強度を高めることができ、また、接合強度に優れた金属部材の継手を製造できる。
図1は、本発明の第1の実施形態であって、機械接合部としてボルト及びナット締めを用いた金属部材の継手及びその製造方法を説明する模式図である。 図2は、図1の変形例である金属部材の継手及びその製造方法を説明する模式図である。 図3は、図1の別の変形例であって、機械接合部としてブラインドリベット締めを用いた金属部材の継手及びその製造方法を説明する模式図である。 図4は、本発明の第2の実施形態であって、機械接合部として非貫通型リベット締めを用いた金属部材の継手及びその製造方法を説明する模式図である。 図5は、本発明の第3の実施形態であって、機械接合部としてメカニカルクリンチングを用いた金属部材の継手の製造方法を説明する模式図である。 図6は、図5に示す製造方法によって得られた金属部材の継手を示す断面模式図である。
本発明は、接合面の機械接合部の締結予定箇所に凹部が設けられた第1の金属部材と、接合面の締結予定箇所が平坦面である第2の金属部材とを、各接合面間に接着剤を配置して重ね合わせ、第1金属部材及び第2金属部材の機械接合部の締結予定箇所に機械接合部を製作するとともに、機械接合部を製作する際に凹部の一部を潰して機械接合部を囲む環状凹部を形成し、接着剤を硬化する一連の工程を備えた金属部材の継手の製造方法及びその製造方法によって得られた金属部材の継手である。
ここで、締結予定箇所とは、機械接合部が形成される箇所であって、接合面に少なくとも1または2以上設けられる。接合面における締結予定箇所の数は、金属部材同士の目標とする接合強度によって定められる。また、接着剤は、接合面の全面に塗布することが好ましいが、接合面の一部に塗布しても良い。ただし、接合面の一部に塗布する場合であっても、締結予定箇所及びその周囲には必ず塗布することが好ましい。接着剤の塗布する箇所が不十分だと、十分な接着強度が得られない。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
(第1の実施形態)
図1は、機械接合部としてボルト及びナット締めを用いた金属部材の継手及びその製造方法を説明する模式図である。図1(a)は第1の金属部材の機械接合部の締結予定箇所を示す拡大斜視模式図であり、図1(b)は金属部材の継手の製造方法を示す断面模式図であり、図1(c)は当該継手の製造方法によって得られた継手を示す断面模式図である。
本実施形態の継手の製造方法では、図1(a)及び図1(b)に示すように、接合面1aの機械接合部の締結予定箇所に凹部1bが設けられ、かつ凹部1bに下穴1cが設けられた第1の金属部材1を用いる。また、第2の金属部材2としては、図1(b)に示すように、平坦な接合面2aの締結予定箇所に下穴2cが設けられた第2の金属部材2を用いる。
第1、第2の金属部材1,2は、例えば、部品形状に加工した金属板を例示できる。金属板は鋼板が好ましいが、ステンレス板、アルミニウム合金板などを用いても良い。また、第1、第2の金属部材1,2は、同種の金属でも良いし、異種の金属でも良いが、好ましくは同種の金属がよい。第1、第2の金属部材1,2として部品形状に加工した鋼板を用いる場合は、軟鋼板でも良いし、引張強度580MPa以上の高強度鋼板でも良いし、引張強度1100MPa以上の高強度鋼板でも良い。
第1の金属部材1に設ける凹部1bは、例えばプレス加工により、接合面1aの反対側の面1dに突出部1eを設けることで、接合面1aの機械接合部の締結予定箇所に設けられる。凹部1bを設けることによって、接合面1aと凹部1bの中央との間に段差が生じる。
凹部1bの断面形状は、例えば、円弧状、楕円弧状、逆台形状、矩形状のいずれでもよいが、図1(a)及び図1(b)に示すように円弧状が好ましい。また、凹部1bの平面形状は円形、円形に近い楕円形、三角形、四角形、多角形でもよいが、図1(a)及び図1(b)に示すように円形が好ましい。
凹部1bの最大深さは、0.2〜0.4mmの範囲が好ましい。凹部1bの最大深さが0.2mm以上であれば、機械接合部を形成したときの機械接合部の周囲の接着剤層の厚みが0.1mm以上になって接着強度が低下しないので好ましい。また、凹部1bの最大深さが0.4mm以下であれば、機械接合部の周囲の接着剤層の厚みが0.2mm以下になり、この場合も接着強度が低下しないので好ましい。凹部1bの最大深さとは、接合面1aの高さから凹部1bに向けて垂線をおろした際に垂線の長さが最長になった部位における垂線の長さである。凹部1bが図1(a)に示すような球面状である場合は、凹部1bの中央の深さが最大深さになる。また、凹部1bに下穴1cが設けられる場合は、下穴が設けられていない場合を仮想したときの最大深さを採用すればよい。
また、凹部1bの外径は、機械接合部4の外径の1.7倍以上3倍以下の範囲であることが好ましい。凹部1bの外径が機械接合部4の外径の1.7倍以上であれば、機械接合部の形成時に凹部1bの全部が潰されずに環状凹部が残り、環状凹部における接着面積が十分に確保され、機械接合部にける接着強度を向上できる。また、凹部1bの外径が機械接合部4の外径の3倍以下であれば、凹部1b全体が容易に潰されにくくなり、環状凹部1fを確実に形成できる。ここで、機械接合部4がボルト4a及びナット4bからなる場合の外径は、ボルト4aの頭部またはナット4bの平均直径を採用すればよい。凹部1bが潰された際に、ボルト4aの頭部またはナット4bによって接着剤が排出されて、接着面積がその分だけ減少するので、環状凹部における接着面積の確保の観点から、機械接合部4がボルト4a及びナット4bからなる場合の外径をボルト4aの頭部またはナット4bの平均直径とする。また、凹部1bの外径は、例えば凹部1bの平面視形状が円形の場合はその直径で良く、楕円形の場合は長径及び短径の平均で良い。
本実施形態では、機械接合部としてボルト及びナット締めを用いるので、凹部1bの平面視中央に、ボルトを通すための下穴1cを設ける。同様に、第2の金属部材2にも下穴2cを設ける。
第1、第2の金属部材1、2が準備できたら、各部材1、2の接合面1a、2aの何れか一方又は両方に接着剤を塗布する。接着剤に特に制限はないが、好ましくは熱硬化性接着剤がよい。
そして、図1(b)に示すように、第2の金属部材の接合面2aに、第1の金属部材1の凹部1bが対向するように各接合面1a、2aを向き合わせて、第1、第2の金属部材1、2を重ね合わせる。このとき、下穴1c、2cの位置を合わせつつ重ね合わせる。第1、第2の金属部材1、2の間には、未硬化状態の接着剤層3が形成される。接着剤層3は、凹部1bにも充填される。
次に、図1(c)に示すように、第1の金属部材1と第2の金属部材2をボルト4a及びナット4bで締結して機械接合部4を形成する。ボルト4aの挿入方向は、どちらの金属部材1、2の側から挿入しても良いが、図1(c)の例では第2の金属部材2の側から第1の金属部材1側に向けて各下穴1c、2cにボルト4aを挿入する。ボルト4aを挿入したら、第1の金属部材1側からナット4bをボルト4aに装着して締め付ける。ナット4bの締め付けに伴う加圧力によって、第1の金属部材1の突出部1eのほぼ中央が塑性変形して潰される。突出部1eの変形量は、突出部1eの周縁に近づくに従って少なくなる。このようにして、突出部1eの主に中央部分が潰された結果、第1の金属部材1の接合面1a側では凹部1bが環状凹部1fに変形する。
接合面1a側から見ると、凹部1bの中央がナット4bによって潰され、凹部1bの周縁には凹部1bの段差形状を残される。このようにして、ボルト4a及びナット4bを中心とした環状凹部1fが設けられる。環状凹部1fの内周側では、各接合面1a、2aが近接して大部分の接着剤3が排出されるが、環状凹部1fでは接着剤3の排出が少なくなる。環状凹部1fにおける第1、第2金属部材1、2の間の最大ギャップは、最初の凹部1bの最大深さよりも小さな0.1〜0.2μm程度になり、環状凹部1fにおける接着剤3の厚みもその程度の厚みになる。これにより、環状凹部1fにおける接着剤3の接着強度は性能通りの強度が確保される。
次いで、第1、第2の金属部材1、2に塗料を塗布し、塗料を焼き付けるために100〜200℃程度で1〜30分程度加熱する。この加熱処理によって、未硬化の接着剤3が硬化されて接着剤層5が形成される。このようにして、本実施形態の継手6が得られる。なお、第1、第2の金属部材1、2を塗装せずに加熱のみ行って接着剤3を硬化させてもよいのはもちろんである。
図1(c)に示す本実施形態の金属部材の継手6は、接合面1a、2a同士が相互に重ね合わされた第1、第2の金属部材1、2と、第1、第2の金属部材1、2を締結する機械接合部4であるボルト4a及びナット4bと、第1、第2の金属部材1、2の接合面1a、2a間に形成された接着剤層5と、が備えられて構成されている。接合面における機械接合部4の数は1つまたは2つ以上がよい。機械接合部4の数は、要求させる接合強度によって定まる。
第1金属部材1の接合面1aには、機械接合部4を囲む環状凹部1fが設けられている。この環状凹部1fにも接着剤層5が形成されている。
環状凹部1fにおける接着剤層5の最大厚みは、0.1〜0.2mmの範囲が好ましい。接着剤層5の最大厚みが上記の範囲にあることで、接着剤層が性能通りの接着強度を発揮できる。環状凹部1fにおける接着剤層5の最大厚みとは、文字通り、環状凹部1fにおいて接着剤層5が最も厚くなる部位における厚みである。
また、環状凹部1fの外径は、元の凹部1bと同様に、機械接合部4の外径の1.7倍以上3倍以下の範囲であればよい。
環状凹部1fよりも外側における接着剤層5の厚みは、第1、第2の金属部材1、2を構成する金属板の材質や、接合面1a、2aの平坦性等に左右されるが、概ね0.1〜0.2mmの範囲になる。但し、第1、第2金属部材1,2が何れも高強度鋼板である場合は、環状凹部1fよりも外側における接着剤層5の厚みが0.1mm未満になることがある。接着剤層5の厚みが0.1mm未満の部分で接着強度が低下することがあっても、環状凹部1fにおいて性能通りの接着強度が発揮されるので、機械接合部4における接合強度が高められる。
上記の金属部材の継手6の製造方法によれば、接合面1aに凹部1bが設けられた第1の金属部材1と、接合面2aが平坦面である第2の金属部材2とを、接合面1a、1bに接着剤を塗布してから重ね合わせ、第1金属部材1及び第2金属部材2の機械接合部4の締結予定箇所にボルト4a及びナット4b締めを施して機械接合部4を製作するとともに、ボルト4a及びナット4b締めの際に凹部1bの一部を潰して機械接合部4を囲む環状凹部1fを形成し、その後、接着剤3を硬化する。これにより、残存した環状凹部1fを含む各接合面1a、2a間に接着剤層5が形成される。環状凹部1fにおける接着剤層5が十分な厚みを有するので、機械接合部4において性能通りの接着強度が確保される。これにより、機械接合と接着接合を併用し、かつ接合強度に優れた金属部材の継手6を製造できる。
また、上記の金属部材の継手6によれば、第1金属部材1の接合面1aに、機械接合部4としてのボルト4a及びナット4b締めを囲む環状凹部1fが設けられ、環状凹部1fにも接着剤層5が形成されるので、環状凹部1fにおける接着剤層5が十分な厚みを有し、性能通りの接着強度が確保される。これにより、機械接合と接着接合を併用した金属部材の継手6の接合強度を高めることができる。
また、接合面間のギャップに関して、軟鋼板からなる金属部材では、機械接合部から離れた場所におけるギャップよりも機械接合部近傍のギャップが小さくなることがあるので、機械接合部近傍における接着強度が低下しやすい。従って金属部材が軟鋼板の場合は、本発明を適用することで、機械接合部近傍の接着強度を高めて、接合面全体の接合強度を向上できる。また、高強度鋼板からなる金属部材では、鋼板自体が高強度であるがゆえに軟鋼板と比べて撓みにくく、機械接合部から離れた場所でも機械接合部におけるギャップとほぼ同程度のギャップになる。金属部材が高強度鋼板の場合も本発明を適用することで、機械接合部近傍の接着強度を高めることができ、これにより接合面全体の接合強度を向上できる。
(第1の実施形態の変形例)
次に、本実施形態の変形例を説明する。図2は、機械接合部としてボルト及びナット締めを用いた金属部材の継手及びその製造方法の変形例を説明する模式図である。図2(a)は第1の金属部材の機械接合部の締結予定箇所を示す拡大斜視模式図であり、図2(b)は金属部材の継手の製造方法を示す断面模式図であり、図2(c)は当該継手の製造方法によって得られた継手を示す断面模式図である。
本変形例の製造方法では、図2(a)及び図2(b)に示すように、第1金属部材11として、接合面11aの機械接合部の締結予定箇所に凹部11bが設けられ、凹部11bに下穴11cが設けられ、かつ下穴11cを区画する凹部11bの端部11gを、第1金属部材11の接合面11aとほぼ同じ高さまで突出させたものを用意する。凹部11bは、プレス成形等により第1金属部材11に突出部11eを形成することで設けられる。第1の金属部材11の材質、最大深さ、外径については、図1の場合と同様である。なお、凹部11bの最大深さを示す位置は、凹部11の外周縁と端部11gとの間の何れかの位置になる。
そして、第1の金属部材11の構成を上記の通りとした以外は、図1の場合と同様にして、図2(b)に示すように、接着剤3を介して第1、第2の金属部材11、2を重ね合わせる。ここで、第1の金属部材の凹部11bの端部11gが、第1金属部材11の接合面11aとほぼ同じ高さまで突出されているので、第1、第2の金属部材11、2を重ね合わせたときに、凹部11bの端部11gが、図1の場合よりも第2の金属部材2の接合面2aに近づいた状態になる。
次いで、図2(c)に示すように、ボルト4aとナット4bを用いて機械接合部14を形成する。第1の金属部材11と第2の金属部材2をボルト4a及びナット4bで締結して機械接合部14を形成する際のナット4bの締め付けに伴う加圧力によって、第1の金属部材11の突出部11eのほぼ中央が塑性変形して潰され、これにより環状凹部11fが形成される。
本例では、凹部11bの端部11gが、第2の金属部材2の接合面2aの近くに位置している。従って環状凹部11fのボルト4a側では、ナット4bの締め付けに伴い、各接合面11a、2aが図1の場合よりも更に近づいて、凹部11bの端部11gが接合面2aに接触する。この接触箇所が接着剤のシール部となり、ボルト4a側に漏れる接着剤3の量が少なくなって、接着剤3の喪失量が低減する。
環状溝部11fにおける第1、第2金属部材11、2の間の最大ギャップは、最初の凹部1bの最大深さよりも小さな0.1〜0.2mm程度になり、環状凹部11fにおける接着剤3の厚みもその程度の厚みになる。これにより、環状凹部11fにおける接着剤3の接着強度は性能通りの強度が得られる。
次いで、第1、第2の金属部材11、2に塗料を塗布し、塗料を焼き付けると同時に接着剤3を硬化させて接着剤層5を形成する。このようにして、本実施形態の継手16が得られる。
図2(c)に示す本例の金属部材の継手16は、環状凹部11fの端部11gが接合面2aに接触している以外は、図1(c)に示す継手6とほぼ同じ構成である。すなわち、接合面11a、2a同士が相互に重ね合わされた第1、第2の金属部材11、2と、第1、第2の金属部材11、2を締結する機械接合部14であるボルト4a及びナット4bと、第1、第2の金属部材11、2の接合面11a、2a同士の間に形成された接着剤層5と、が備えられて構成されている。そして、環状凹部11fの端部11gが接合面2aに接触し、環状凹部11fにも接着剤層5が形成されている。
上記の金属部材の継手16及びその製造方法によれば、第1の金属部材の凹部11bの端部11gが、第1金属部材11の接合面11aとほぼ同じ高さまで突出されているので、機械接合部14を形成する際に、凹部11bの端部11gが接合面2aに接触して接着剤のシール部となり、これによりボルト4a側に漏れる接着剤3の量が少なくなって接着剤3の喪失量が低減する。これにより、接合面11a、2a間のギャップのほぼ全部を接着剤層5で確実に満たすことができ、継手16における接着強度をより高めることができる。
更に、上記の金属部材の継手16及びその製造方法によれば、図1に示す継手6及びその製造方法によって奏される効果と同様の効果が奏される。
(第1の実施形態の別の変形例)
次に、本実施形態の別の変形例を説明する。図3は、機械接合部としてブラインドリベット締めを用いた継手及びその製造方法を説明する模式図である。図3(a)〜図3(b)は本変形例の金属部材の継手の製造方法を示す断面模式図であり、図3(c)は当該継手の製造方法によって得られた継手を示す断面模式図である。
本変形例と、図1に示す例との違いは、機械接合部24としてブラインドリベット締めを用いた点である。ブラインドリベットで締結する場合は、図3(b)に示すように、先端にその軸部25aと比較して過大な突起部25bを有するシャフト25を内蔵した皿あるいはなべ状の頭部を持つ円筒状のリベット26を、第2金属部材2側から下穴1c、2cに挿入する。その後、図3(c)に示すように、軸部25aに張力を与えて突起部25bをリベット26内に引き込み、シャフト25の突起部25bと軸部25aを破断させることによってリベットの先端部(頭部とは反対側の端部)に下穴1c、2cの径よりも大きな拡幅部26aを形成して、第1、第2の金属部材1、2を強固に接合する。リベット26の挿入方向は、第2金属部材2側のみならず、第1金属部材1側から挿入しても良い。
拡幅部26aの形成に伴い、第1の金属部材1の突出部1eのほぼ中央が塑性変形して潰される。第1の金属部材1の接合面1a側では凹部1bが環状凹部21fに変形する。
図1の場合と同様に、環状凹部21fにおける第1、第2金属部材1、2の間の最大ギャップは、最初の凹部1bの最大深さよりも小さな0.1〜0.2mm程度になり、環状凹部21fにおける接着剤3の厚みもその程度の厚みになる。これにより、環状凹部21fにおける接着剤3の接着強度は性能通りの値が確保される。
その後、第1、第2の金属部材1、2に塗料を塗布し、塗料を焼き付けると同時に接着剤3を硬化させて接着剤層5を形成する。このようにして、本変形例の継手36が得られる。
なお、本変形例において、第1の金属部材1の凹部1bの外径を、機械接合部24の外径の1.7倍以上3倍以下にする際における、機械接合部24がブラインドリベット26からなる場合の機械接合部24の外径は、ブラインドリベット26の頭部(カラーの外径)または拡幅部26aの外径を採用すればよく、好ましくは頭部の外径がよい。その理由は、図1の場合と同様である。
本変形例の継手36及びその製造方法によれば、図1に示す継手6及びその製造方法によって奏される効果と同様の効果が奏される。
なお、本変形例の継手36において、図2に示すような第1の金属部材11を用いてよいのはもちろんである。
(第2の実施形態)
図4は、機械接合部として非貫通リベット締めを用いた金属部材の継手及びその製造方法を説明する模式図である。図4(a)は金属部材の継手の製造方法を示す断面模式図であり、図4(b)は当該継手の製造方法によって得られた継手を示す断面模式図である。
本実施形態の継手の製造方法では、図4(a)に示すように、接合面1aの機械接合部の締結予定箇所に凹部1bが設けられ、凹部1bには下穴1cが設けられていない第1の金属部材51を用いる。また、第2の金属部材2としては、図4(a)に示すように、平坦な接合面2aに下穴2cが設けられていない第2の金属部材52を用いる。
第1、第2の金属部材51,52は、下穴1c、2cが設けられていない点を除き、第1の実施形態の第1、第2の金属部材1,2と同様の構成である。本実施形態では、機械接合部として非貫通リベット(セルフピアッシングリベットという場合もある)を用いるので、下穴1c、2cを設ける必要がない。
第1、第2の金属部材51、52が準備できたら、各部材51、52の接合面1a、2aの何れか一方又は両方に接着剤を塗布し、各接合面1a、2aを向き合わせて、第1、第2の金属部材51、52を重ね合わせる。第1、第2の金属部材51、52の間には、未硬化状態の接着剤層3が形成され、接着剤層3は、凹部1bにも充填される。また、第2の金属部材52の接合面2aと反対側の面2dには、非貫通リベットを打ち込む際の受けになるダイD1を配置する。
そして、図4(a)及び図4(b)に示すように、第1の金属部材51と第2の金属部材52を非貫通リベット54aで締結して機械接合部54を形成する。非貫通リベット54aの打ち込み方向は、第1の金属部材51の側から第2の金属部材52側に向けて非貫通リベット54aを打ち込む方向とする。第2の金属部材52の側から第1の金属部材51側に向けて非貫通リベット54aを打ち込むと、第2の金属部材52が大きく変形するおそれがあるので、好ましくない。
非貫通リベット54aは、平面視円形の頭部54bと、頭部の下部から突出した円筒状の係合部54cとから構成されている。非貫通リベット54aを打ち込むと、第1の金属部材51の突起部1eが、リベット54aの係合部54cに押されて第2金属部材52側にめり込むように変形する。係合部54aの先端は外側に拡がりつつ第1の金属部材51を貫通する。第2の金属部材52は、非貫通リベット54aによる押圧力を受けてダイD1に押し込まれて締結予定箇所が凹むように塑性変形するものの、非貫通リベット54aによって貫通まではされない。このように、第2の金属部材52が凹状に変形しつつ、係合部54aの先端が外側に拡がることで、第1、第2の金属部材51、52がかしめられて機械的に接合する。
突出部1eの中央部分が潰された結果、第1の金属部材51の接合面1a側では凹部1bが環状凹部1fに変形する。このようにして、非貫通リベット54aの周囲に環状の凹部1fが設けられる。環状凹部1fの非貫通リベット54a側では、各接合面1a、2aが密着して接着剤3が排出される。環状凹部1fでは接着剤3が排出されることなく残される。環状凹部1fにおける第1、第2金属部材51、52の間の最大ギャップは、最初の凹部1bの最大深さよりも小さな0.1〜0.2mm程度になり、環状凹部1fにおける接着剤3の厚みもその程度の厚みになる。これにより、環状凹部1fにおける接着剤3の接着強度は性能通りの強度が得られる。
次いで、第1、第2の金属部材51、52に塗料を塗布し、塗料を焼き付けるために100〜200℃程度で1〜30分程度加熱する。この加熱処理によって、未硬化の接着剤3が硬化されて接着剤層5が形成される。このようにして、本実施形態の継手56が得られる。
図4(b)に示す本実施形態の金属部材の継手56は、接合面1a、2a同士が相互に重ね合わされた第1、第2の金属部材51、52と、第1、第2の金属部材51、52を締結する機械接合部54である非貫通リベット54aと、第1、第2の金属部材51、52の接合面1a、2a同士の間に形成された接着剤層5と、が備えられて構成されている。
第1金属部材51の接合面1aには、機械接合部54を囲む環状凹部1fが設けられている。環状凹部1fに接着剤層5の一部が形成されている。環状凹部1fにおける接着剤層5の最大厚みは、0.1〜0.2mmの範囲である。また、環状凹部1fの外径は、元の凹部1bと同様に、機械接合部54の外径の1.7倍以上3倍以下の範囲であればよい。環状凹部1fよりも外側における接着剤層5の厚みは、第1の実施形態の場合と同様である。
なお、本実施形態において、第1の金属部材51の凹部1bの外径を、機械接合部54の外径の1.7倍以上3倍以下の範囲とする際における、機械接合部54が非貫通リベット54aからなる場合の機械接合部54の外径は、非貫通リベット54aの頭部の外径を採用すればよい。
上記の金属部材の継手56およびその製造方法によれば、図1に示す継手6及びその製造方法によって奏される効果と同様の効果が奏される。
(第3の実施形態)
図5(a)〜図5(d)は、機械接合部としてメカニカルクリンチングを用いた金属部材の継手の製造方法を示す模式図であり、図6は図5に示す方法によって得られた金属部材の継手を示す断面模式図である。
本実施形態の継手の製造方法では、第2の実施形態と同様に、接合面1aの機械接合部の締結予定箇所に凹部1bが設けられ、凹部1bには下穴がない第1の金属部材51を用いる。また、第2の金属部材2として、平坦な接合面2aに下穴がない第2の金属部材52を用いる。本実施形態では、機械接合部64としてメカニカルクリンチングを用いるので、下穴1c、2cを設ける必要がない。
図5(a)に示すように、第1、第2の金属部材51、52が準備できたら、各部材51、52の接合面1a、2aの何れか一方又は両方に接着剤を塗布し、各接合面1a、2aを向き合わせて、第1、第2の金属部材51、52を重ね合わせる。第1、第2の金属部材51、52の間には、未硬化状態の接着剤層3が形成され、接着剤層3は、凹部1bにも充填される。また、第2の金属部材52の接合面2aと反対側の面2dには、非貫通リベットを打ち込む際の受けになるダイD2を配置する。
次に、図5(b)〜図5(c)に示すように、第1の金属部材51側からポンチP1を押しこんで、第1、第2の金属部材51、52をメカニカルクリンチングにより締結して機械接合部54を形成する。ポンチP1を押し込む方向は、突出部1eを有する第1金属部材51側から第2の金属部材52側に向く方向が良い。逆方向では、メカニカルクリンチングが完全に形成されない場合がある。ポンチP1には、凸部P2と凸部P2の周囲に設けられた傾斜面部P3が設けられている。傾斜面部P3は、第1の金属部材51が変形して環状凹部1fが形成される際の環状凹部1fの逃げになる。
図5(b)に示すように、ポンチP1を押しこむことで第1、第2の金属部材51,52がともに変形し、ついで図5(c)に示すように更にポンチP1を押し込むことで第1の金属部材51に形成された凹部64aの先端が拡がって第2の金属部材52の凹部64bとの間に噛み合い部64c(インターロック)が形成される。その後、図5(d)に示すように、ポンチP1を後退させてクリンチングを終了する。
第1の金属部材51の突出部1eの中央がポンチP1に押されて潰された結果、第1の金属部材51の接合面1a側では凹部1bが環状凹部1fに変形する。このようにして、機械接合部64の周囲に環状凹部1fが設けられる。環状凹部1fの機械接合部64側では、各接合面1a、2aが密着して接着剤3が排出される。環状凹部1fでは接着剤3が排出されることなく残される。環状凹部1fにおける第1、第2金属部材51、52の間の最大ギャップは、最初の凹部1bの最大深さよりも小さな0.1〜0.2mm程度になり、環状凹部1fにおける接着剤3の厚みもその程度の厚みになる。これにより、環状凹部1fにおける接着剤3の接着強度は性能通りの強度が確保される。
次いで、第1、第2の金属部材51、52に塗料を塗布し、塗料を焼き付けるために100〜200℃程度で1〜30分程度加熱する。この加熱処理によって、未硬化の接着剤3が硬化されて接着剤層5が形成される。このようにして、本実施形態の継手66が得られる。
図6に示す本実施形態の金属部材の継手66は、接合面1a、2a同士が相互に重ね合わされた第1、第2の金属部材51、52と、第1、第2の金属部材51、52を締結する機械接合部64であるメカニカルクリンチング部64と、第1、第2の金属部材51、52の接合面1a、2a同士の間に形成された接着剤層5と、が備えられて構成されている。
第1金属部材51の接合面1aには、機械接合部64を囲む環状凹部1fが設けられている。環状凹部1fに接着剤層5の一部が形成されている。環状凹部1fにおける接着剤層5の最大厚みは、0.1〜0.2mmの範囲である。また、環状凹部1fの外径は、元の凹部1bと同様に、機械接合部64の外径の1.7倍以上3倍以下の範囲であればよい。環状凹部1fよりも外側における接着剤層5の厚みは、第1の実施形態の場合と同様である。
なお、本実施形態において、第1の金属部材51の凹部1bの外径を、機械接合部64の外径の1.7倍以上3倍以下の範囲とする際における、機械接合部64がメカニカルクリンチングからなる場合の機械接合部64の外径は、第2金属部材52側に突出した凸部の外径またはダイD2の凹部の内径を採用すればよい。その理由は、図1の場合と同様である。
上記の金属部材の継手66およびその製造方法によれば、図1に示す継手6及びその製造方法によって奏される効果と同様の効果が奏される。
第1、第2金属部材として、板厚が1mm、幅30mm、長さ150mmの590MPa級鋼板を2枚用意した。第1部材の接合面には、深さ0.1〜0.5mmの凹部を設けた。そして、各金属部材の接合面にエポキシ系接着剤を塗布して第1、第2金属部材を幅30mm、長さ30mmのラップで重ねあわせ、ラップ部の中心に、ダイ外径6mmのポンチを用いて、メカニカルクリンチングを実施して機械接合部を設けた。機械接合部の外径は6mmであった。その後、190℃、20分の条件で加熱して接着剤を硬化させた。このようにして、表1に示すような、試験例1〜28の継手を製造した。製造した継手には、接着接合のみをした継手、凹部を設けずにメカニカルクリンチングをした継手も含まれる。
次に、第1、第2金属部材として、板厚が1mm、幅30mm、長さ150mmの590MPa級鋼板を2枚用意した。第1部材の接合面には、深さ0.1〜0.5mmの凹部を設け、凹部の中心に下穴を設けた。また、第2部材にも下穴を設けた。そして、各金属部材の接合面にエポキシ系接着剤を塗布して第1、第2金属部材を幅30mm、長さ30mmのラップで重ねあわせ、第2部材側から下穴にボルトを通し、第1部材側からボルトをナットで締結して機械接合部を設けた。ボルトの頭部の外径は9mmであった。その後、190℃、20分の条件で加熱して接着剤を硬化させた。このようにして、表2に示すような、試験例29〜41の継手を製造した。製造した継手には、機械接合のみをした継手も含まれる。
更に、第1、第2金属部材として、板厚が1mm、幅30mm、長さ150mmの590MPa級鋼板を2枚用意した。第1部材の接合面には、深さ0.1〜0.5mmの凹部を設け、凹部の中心に下穴を設けた。また、第2部材にも下穴を設けた。そして、各金属部材の接合面にエポキシ系接着剤を塗布して第1、第2金属部材を幅30mm、長さ30mmのラップで重ねあわせ、第2部材側から下穴にブラインドリベットを通して締結して機械接合部を設けた。ブラインドリベットの頭部の外径は9mmであった。その後、190℃、20分の条件で加熱して接着剤を硬化させた。このようにして、表3に示すような、試験例42〜54の継手を製造した。製造した継手には、機械接合のみをした継手も含まれる。
更にまた、第1、第2金属部材として、板厚が1mm、幅30mm、長さ150mmの590MPa級鋼板を2枚用意した。第1部材の接合面には、深さ0.1〜0.5mmの凹部を設けた。そして、各金属部材の接合面にエポキシ系接着剤を塗布して第1、第2金属部材を幅30mm、長さ30mmのラップで重ねあわせ、ラップ部の中心に、非貫通リベットを形成、締結して機械接合部を設けた。非貫通リベットの頭部の外径は7.8mmであった。その後、190℃、20分の条件で加熱して接着剤を硬化させた。このようにして、表4に示すような、試験例55〜67の継手を製造した。製造した継手には、機械接合のみをした継手も含まれる。
そして、各試験例の継手について、インストロン式引張試験機を用いて、引張速度10mm/分の条件で引張せん断強度試験を行い、破断荷重を測定した。結果を表1〜4に示す。表1〜4においては、試験例1の接着接合のみの継手の破断荷重(18.0kN)に対して、90%以上の破断荷重(16.2kN)を示したものを〇とし、90%未満のものを×とした。
Figure 2012225358
Figure 2012225358
Figure 2012225358
Figure 2012225358
表1〜4に示すように、本発明例の継手は、優れた接合強度を有することがわかる。
1、11、51…第1の金属部材、2、52…第2の金属部材、1a、2a…接合面、1c、2c…下穴、1f…環状凹部、3…接着剤、4、14、24、54、64…機械接合部、4a…ボルト、4b…ナット、5…接着剤層、6、16、36、56…金属部材の継手。26…ブラインドリベット、54a…非貫通型リベット。

Claims (9)

  1. 接合面同士が相互に重ね合わされた第1の金属部材及び第2の金属部材と、前記第1、第2の金属部材を締結する機械接合部と、前記第1、第2の金属部材の前記接合面間に形成された接着剤層と、が備えられ、
    前記第1金属部材の接合面に、前記機械接合部を囲む環状凹部が設けられ、前記環状凹部に前記接着剤層が形成されていることを特徴とする金属部材の継手。
  2. 前記環状凹部の外径が、前記機械接合部の外径の1.7倍以上3倍以下の範囲であることを特徴とする請求項1に記載の金属部材の継手。
  3. 前記機械接合部が、メカニカルクリンチング、ボルト及びナット、ブラインドリベットまたは非貫通型リベットのいずれかによって形成されてなることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の金属部材の継手。
  4. 接合面の反対側の面に突出部を設けることで前記接合面の機械接合部の締結予定箇所に凹部が設けられた第1の金属部材と、接合面の締結予定箇所が平坦面である第2の金属部材とを、各接合面間に接着剤を配置して重ね合わせる工程と、
    前記接着剤が硬化する前に、前記第1金属部材及び前記第2金属部材の機械接合部の締結予定箇所に機械接合部を製作するとともに、前記機械接合部を製作する際に前記突出部側から前記凹部の一部を押し潰して前記機械接合部を囲む環状凹部を形成する工程と、
    前記接着剤を硬化する工程と、
    を具備してなることを特徴とする金属部材の継手の製造方法。
  5. 前記凹部の中央に前記機械接合部を作成することで前記環状凹部を形成することを特徴とする請求項4に記載の金属部材の継手の製造方法。
  6. 前記凹部の外径が、前記機械接合部の外径の1.7倍以上3倍以下の範囲であることを特徴とする請求項4または請求項5に記載の金属部材の継手の製造方法。
  7. 前記凹部の最大深さが0.2〜0.4mmの範囲であることを特徴とする請求項4乃至請求項6の何れか一項に記載の金属部材の継手の製造方法。
  8. 前記機械接合部を、メカニカルクリンチング、ボルト及びナット締め、ブラインドリベット締めまたは非貫通型リベット締めのいずれかによって製作することを特徴とする請求項4乃至請求項7の何れか一項に記載の金属部材の継手の製造方法。
  9. 前記機械接合部としてボルト及びナット締めまたはブラインドリベット締めを用いる場合に、あらかじめ前記凹部に下穴を設けることを特徴とする請求項8に記載の金属部材の継手の製造方法。
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