JP2012220556A - 反射防止膜、該反射防止膜の高屈折層形成用組成物および屋外設置用ディスプレイ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 ポリオルガノシロキサン(A)、金属酸化物粒子(B)および多官能(メタ)アクリレート化合物(C)を含む組成物の硬化物からなる高屈折層ならびに低屈折層を有する反射防止膜。
【選択図】 なし
Description
これらの反射防止膜を形成する方法としては、例えば有機系の紫外線・放射線硬化性の材料を用いる方法や、無機系の材料を蒸着等によって形成する方法が知られている(特許文献1〜3)。
しかしながら、有機系の材料を用いる場合には、例えば多官能(メタ)アクリレート構造を有するものを主とした材料をハードコート層として使用しており、特に耐候性が要求される屋外に設置される用途に用いた場合には、長期信頼性に大きな問題があった。また、無機系の材料を用いる場合には、蒸着等の真空プロセスによって層を形成するため、長期信頼性には優れるが、真空設備等が必要であるために生産コストが高く、大面積の基材に対して高い効率で均一な反射防止膜を形成することが困難であるという問題があった。屋外で使用される非真空プロセス型の無機系材料積層体としては、基材/中間層/トップ層の構成で提案されるいわゆる光触媒積層体が知られている。しかし、これらはトップ層が酸化チタンや酸化亜鉛などの高屈折率の金属酸化物類を多量に含有するために空気との屈折率差が大きくなり、表面反射を防止するどころか、逆に反射率は上がる傾向であるため、反射防止用途とは相容れないものである。
また、耐久性の高いポリマー材料として、ポリジメチルシロキサン(シリコーン)を使用することも考えられるが、高価な白金化合物を硬化触媒に使用する必要がある上に、塗膜の硬度が低い、基材との密着性に劣る、高屈折率化が難しく積層体の設計が難しい等の課題があり、反射防止層としての使用は困難であった。
下記式(1)
R1nSi(OR2)4−n (1)
(式中、R1は、炭素数1〜12の非加水分解性の有機基を示し、2個以上存在する場合には互いに同じであっても異なっていてもよい。R2は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示す。nは0〜3の整数である。)
で表される少なくとも1種の化合物の加水分解物縮合物を含むことを特徴とする反射防止膜。
前記金属酸化物粒子(B)が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化錫、アンチモン錫酸化物、インジウム錫酸化物、酸化アンチモン、アルミニウム亜鉛酸化物、及びガリウム亜鉛酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物からなることを特徴とする反射防止膜。
前記多官能(メタ)アクリレート化合物(C)が、4個以上の(メタ)アクリロイル基を有することを特徴とする反射防止膜、
ポリオルガノシロキサン(A)、金属酸化物粒子(B)および多官能(メタ)アクリレート化合物(C)を含み、硬化後の膜の屈折率が1.45以上であることを特徴とする反射防止膜の高屈折層形成用組成物、
ならびに前記反射防止膜を有することを特徴とする屋外設置用ディスプレイを提供するものである。
本発明の反射防止積層体に用いられる基材の種類は特に制限されるものではないが、例えば、金属、セラミックス、ガラス、プラスチック、木材、スレート等特に制限はない。プラスチックとしては、例えば、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスチレン/ポリメチルメタクリレート共重合体、ポリスチレン、ポリエステル、ポリオレフィン、トリアセチルセルロース樹脂(TAC)、ジエチレングリコールのジアリルカーボネート(CR−39)、ABS樹脂、AS樹脂、ポリアミド、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、環化ポリオレフィン樹脂(例えば、ノルボルネン系樹脂)等からなる基材を挙げることができる。これらの基材を含む反射防止膜とすることにより、優れた反射防止効果を得ることができる。
高屈折層
本発明において、高屈折層は通常、屈折率1.45以上1.85未満であり、膜厚は0.01μm〜10μmの範囲で用いられる。
R1 n Si(OR2 )4−n (1)
(式中、R1 は、炭素数1〜12の非加水分解性の有機基を示し、2個以上存在する場合には互いに同じであっても異なっていてもよい。R2 は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示す。nは0〜3の整数である。)
で表される少なくとも1種のオルガノシラン(以下、「オルガノシラン(1)」ともいう。)、オルガノシラン(1)の加水分解物およびオルガノシラン(1)の縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のシラン化合物(a1)、金属酸化物粒子(B)および多官能アクリレート化合物(C)を含む組成物(以下「組成物(I)」ともいう。)の硬化物から得ることができる。
本発明に用いられるシラン化合物(a1)は、上記式(1)で表されるオルガノシラン(1)、オルガノシラン(1)の加水分解物およびオルガノシラン(1)の縮合物からなる群から選択される少なくとも1種のシラン化合物であって、これら3種のシラン化合物のうち、1種のシラン化合物だけを用いてもよく、任意の2種のシラン化合物を混合して用いてもよく、または3種すべてのシラン化合物を混合して用いてもよい。また、シラン化合物(a1)として、オルガノシラン(1)を使用する場合、オルガノシラン(1)は1種単独で使用しても、2種以上を併用してもよい。また、上記オルガノシラン(1)の加水分解物および縮合物は、1種のオルガノシラン(1)から形成したものでもよいし、2種以上のオルガノシラン(1)を併用して形成したものでもよい。
上記オルガノシラン(1)の加水分解物は、オルガノシラン(1)に1〜4個含まれるOR2 基のうちの少なくとも1個が加水分解されていればよく、たとえば、1個のOR2 基が加水分解されたもの、2個以上のOR2 基が加水分解されたもの、あるいはこれらの混合物であってもよい。
アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、バレリル基、ベンゾイル基、トリオイル基、カプロイル基などのアシル基;
ビニル基、アリル基、シクロヘキシル基、フェニル基、エポキシシクロアルキル基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、グリシジル基、3−グリシドキシプロピル基、(メタ)アクリルオキシ基、3−(メタ)アクリルオキシプロピル基、ウレイド基、アミド基、フルオロアセトアミド基、イソシアネート基などが挙げられる。
さらに、R1 として、上記有機基の置換誘導体などが挙げられる。R1 の置換誘導体の置換基としては、たとえば、ハロゲン原子、置換もしくは非置換のアミノ基、水酸基、メルカプト基、イソシアネート基、グリシドキシ基、3,4−エポキシシクロヘキシルエチル基、(メタ)アクリルオキシ基、ウレイド基、アンモニウム塩基などが挙げられる。その中でもフッ素原子で置換した例が好ましく、フルオロ基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基などが挙げられる。式(1)中にR1 が複数個存在する場合には、それぞれ同じであっても異なっていてもよい。
4個の加水分解性基で置換されたシラン化合物として、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラブトキシシラン、テトラフェノキシシラン、テトラベンジロキシシラン、テトラ−n−プロポキシシラン、テトラ−i−プロポキシシラン等;
1個の非加水分解性基と3個の加水分解性基とで置換されたシラン化合物として、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリ−i−プロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、n−プロピルトリメトキシシラン、n−プロピルトリエトキシシラン、i−プロピルトリメトキシシラン、i−プロピルトリエトキシシラン、エチルトリ−i−プロポキシシラン、エチルトリブトキシシラン、n−ブチルトリメトキシシラン、n−ブチルトリエトキシシラン、n−ペンチルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘプチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−デシルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリ−n−プロポキシシラン、シクロヘキシルトリメトキシシラン、シクロヘキシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリエトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、3,3,3−トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシエチルトリエトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、2−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、3−ヒドロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリメトキシシラン、3−イソシアナートプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシルエチル)トリエトキシシラン、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アタクリルオキシプロピルトリエトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、メチルトリアセチルオキシシランなどのトリアルコキシシラン等;
3個の非加水分解性基と1個の加水分解性基とで置換されたシラン化合物として、トリブチルメトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、トリメチルエトキシシラン、トリブチルエトキシシラン、トリフェニルメトキシシラン、トリフェニルエトキシシラン等をそれぞれ挙げることができる。
nの平均値は、1官能〜4官能のオルガノシラン(1)を適宜併用して、その配合割合を適宜調整することにより、上記範囲に調整することができる。
本発明では、シラン化合物(a1)として、オルガノシラン(1)の加水分解物および/または縮合物を使用する。オルガノシラン(1)を加水分解物および/または縮合物として使用する場合、オルガノシラン(1)を予め加水分解・縮合させて製造したものを用いてもよいが、組成物(I)を調製する際に、オルガノシラン(1)を加水分解・縮合させて、オルガノシラン(1)の加水分解物および/または縮合物を調製することもできる。
上記式(1)で表されるシラン化合物(a1)を加水分解・縮合させる条件は、上記式(1)で表されるオルガノシラン(1)の少なくとも一部を加水分解して、加水分解性基をシラノール基に変換し、又は縮合反応を起こさせるものである限り、特に限定されるものではないが、一例として以下のように実施することができる。
上記式(1)で表されるオルガノシラン(1)の加水分解に用いられる水は、逆浸透膜処理、イオン交換処理、蒸留等の方法により精製された水を使用することが好ましい。このような精製水を用いることによって、副反応を抑制し、加水分解の反応性を向上させることができる。水の使用量は、上記式(1)で表されるオルガノシラン(1)の加水分解性基(−OR2 )の合計量1モルに対して、好ましくは0.1〜3モル、より好ましくは0.3〜2モル、さらに好ましくは0.5〜1.5モルの量である。このような量の水を用いることによって、加水分解の反応速度を最適化することができる。
上記式(1)で表されるオルガノシラン(1)の加水分解・縮合に使用することができる溶剤としては、特に限定されるものではないが、このような溶剤の好ましい例としては、たとえば、アルコール類、ジエチレングリコールアルキルエーテル類、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート類、芳香族炭化水素類、エーテル類、ケトン類、エステル類などを挙げることができる。
上記アルコール類としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、i−プロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、t−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、n−ヘキシルアルコール、n−オクチルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、ジアセトンアルコールなどが挙げられ、ジエチレングリコールアルキルエーテル類として、例えばジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールジエチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテルなどが挙げられ、エチレングリコールアルキルエーテルアセテート類として、例えばメチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテートなどが挙げられ、プロピレングリコールモノアルキルエーテル類として、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテルなどが挙げられ、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート類として、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセ テート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノブチルエーテルアセテートなどが挙げられ、プロピレングリコールモノアルキルエーテルプロピオネート類として、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノエチルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノプロピルエーテルプロピオネート、プロピレングリコールモノブチルエーテルプロピオネートなどが挙げられる。
また、芳香族炭化水素類としては、ベンゼン、トルエン、キシレンなどが挙げられ、エーテル類としては、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどが挙げられ、ケトン類としては、アセトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトンなどが挙げられ、エステル類としては、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸i−プロピル、酢酸ブチル、2−ヒドロキシプロピオン酸エチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ヒドロキシ酢酸メチル、ヒドロキシ酢酸エチル、ヒドロキシ酢酸ブチル、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ノルマルプロピル、乳酸イソプロピル、乳酸ブチル、3−ヒドロキシプロピオン酸メチル、3−ヒドロキシプロピオン酸エチル、3−ヒドロキシプロピオン酸プロチル、3−ヒドロキシプロピオン酸ブチル、2−ヒドロキシ−3−メチルブタン酸メチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸プロピル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル、エトキシ酢酸プロピル、エトキシ酢酸ブチル、プロポキシ酢酸メチル、プロポキシ酢酸エチル、プロポキシ酢酸プロピル、プロポキシ酢酸ブチル、ブトキシ酢酸メチル、ブトキシ酢酸エチル、ブトキシ酢酸プロピル、ブトキシ酢酸ブチル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸ブチル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、炭酸プロピレン、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチルなどが挙げられる。これらの有機溶剤は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
このような溶剤の好ましい例としては、プロピルアルコール、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテル、プロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテート、プロピオン酸エステル類が挙げられる。これらの溶剤の中でも、メタノール、エタノール、プロピルアルコール、ジアセトンアルコールなど水酸基を持つもの、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールエチルメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート又は3−メトキシプロピオン酸メチルが好ましい。
上記有機溶媒は、シラン化合物(a1)調製時の固形分濃度が、好ましくは10〜80重量%、より好ましくは15〜60重量%、特に好ましくは20〜50重量%の範囲となる量を添加することができる。
シラン化合物(a1)調製時の固形分濃度を調整することによって、オルガノシラン(1)の反応性のコントロールをすることができる。シラン化合物(a1)調製時の固形分濃度が上記下限未満になるとオルガノシラン(1)の反応性が低下することがある。シラン化合物(a1)調製時の固形分濃度が上記上限を超えるとゲル化することがある。なお、ここで言う固形分濃度における固形分量は、シラン化合物(a1)の完全加水分解縮合物換算の使用量である。
上記式(1)で表されるオルガノシラン(1)の加水分解・縮合反応に使用することができる触媒としては、特に限定されるものではないが、このような触媒の好ましい例としては、たとえば、塩基性化合物、酸性化合物、塩化合物および有機金属化合物が挙げられる。
<塩基性化合物>
上記塩基性化合物としては、アンモニア(アンモニア水溶液を含む)、有機アミン化合物、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属やアルカリ土類金属の水酸化物、ナトリウムメトキシド、ナトリウムエトキシド等のアルカリ金属のアルコキシドが挙げられる。これらのうち、アンモニアおよび有機アミン化合物が好ましい。
有機アミンとしては、アルキルアミン、アルコキシアミン、アルカノールアミン、アリールアミンなどが挙げられる。
アルキルアミンとしては、メチルアミン、エチルアミン、プロピルアミン、ブチルアミン、ヘキシルアミン、オクチルアミン、N,N−ジメチルアミン、N,N−ジエチルアミン、N,N−ジプロピルアミン、N,N−ジブチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリプロピルアミン、トリブチルアミンなどの炭素数1〜4のアルキル基を有するアルキルアミンなどが挙げられる。
アルコキシアミンとしては、メトキシメチルアミン、メトキシエチルアミン、メトキシプロピルアミン、メトキシブチルアミン、エトキシメチルアミン、エトキシエチルアミン、エトキシプロピルアミン、エトキシブチルアミン、プロポキシメチルアミン、プロポキシエチルアミン、プロポキシプロピルアミン、プロポキシブチルアミン、ブトキシメチルアミン、ブトキシエチルアミン、ブトキシプロピルアミン、ブトキシブチルアミンなどの炭素数1〜4のアルコキシ基を有するアルコキシアミンなどが挙げられる。
アルカノールアミンとしては、メタノールアミン、エタノールアミン、プロパノールアミン、ブタノールアミン、N−メチルメタノールアミン、N−エチルメタノールアミン、ミン、N−エチルエタノールアミン、N−プロピルエタノールアミン、N−ブチルエタノールアミン、N−メチルプロパノールアミン、N−エチルプロパノールアミン、N−プロピルプロパノールアミン、N−ブチルプロパノールアミン、N−メチルブタノールアミン、N−エチルブタノールアミン、N−プロピルブタノールアミン、N−ブチルブタノールアミン、N,N−ジメチルメタノールアミン、N,N−ジエチルメタノールアミン、N,N−ジプロピルメタノールアミン、N,N−ジブチルメタノールアミン、N,N−ジメチルエタノールアミン、N,N−ジエチルエタノールアミン、N,N−ジプロピルエタノールアミン、N,N−ジブチルエタノールアミン、N,N−ジメチルプロパノールアミン、N,N−ジエチルプロパノールアミン、N,N−ジプロピルプロパノールアミン、N,N−ジブチルプロパノールアミン、N,N−ジメチルブタノールアミン、N,N−ジエチルブタノールアミン、N,N−ジプロピルブタノールアミン、N,N−ジブチルブタノールアミン、N−メチルジメタノールアミン、N−エチルジメタノールアミン、N−プロピルジメタノールアミン、N−ブチルジメタノールアミン、N−メチルジエタノールアミン、N−エチルジエタノールアミン、N−プロピルジエタノールアミン、N−ブチルジエタノールアミン、N−メチルジプロパノールアミン、N−エチルジプロパノールアミン、N−プロピルジプロパノールアミン、N−ブチルジプロパノールアミン、N−メチルジブタノールアミン、N−エチルジブタノールアミン、N−プロピルジブタノールアミン、N−ブチルジブタノールアミン、N−(アミノメチル)メタノールアミン、N−(アミノメチル)エタノールアミン、N−(アミノメチル)プロパノールアミン、N−(アミノメチル)ブタノールアミン、N−(アミノエチル)メタノールアミン、N−(アミノエチル)エタノールアミン、N−(アミノエチル)プロパノールアミン、N−(アミノエチル)ブタノールアミン、N−(アミノプロピル)メタノールアミン、N−(アミノプロピル)エタノールアミン、N−(アミノプロピル)プロパノールアミン、N−(アミノプロピル)ブタノールアミン、N−(アミノブチル)メタノールアミン、N−(アミノブチル)エタノールアミン、N−(アミノブチル)プロパノールアミン、N−(アミノブチル)ブタノールアミンなどの炭素数1〜4のアルキル基を有するアルカノールアミンが挙げられる。
さらに、上記以外の有機アミンとして、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラエチルアンモニウムハイドロキサイド、テトラプロピルアンモニウムハイドロキサイド、テトラブチルアンモニウムハイドロキサイドなどのテトラアルキルアンモニウムハイドロキサイド;テトラメチルエチレンジアミン、テトラエチルエチレンジアミン、テトラプロピルエチレンジアミン、テトラブチルエチレンジアミンなどのテトラアルキルエチレンジアミン;メチルアミノメチルアミン、メチルアミノエチルアミン、メチルアミノプロピルアミン、メチルアミノブチルアミン、エチルアミノメチルアミン、エチルアミノエチルアミン、エチルアミノプロピルアミン、エチルアミノブチルアミン、プロピルアミノメチルアミン、プロピルアミノエチルアミン、プロピルアミノプロピルアミン、プロピルアミノブチルアミン、ブチルアミノメチルアミン、ブチルアミノエチルアミン、ブチルアミノプロピルアミン、ブチルアミノブチルアミンなどのアルキルアミノアルキルアミン;エチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン、テトラエチレンペンタミン、m−フェニレンジアミン、p−フェニレンジアミンなどのポリアミン;ピリジン、ピロール、ピペラジン、ピロリジン、ピペリジン、ピコリン、モルホリン、メチルモルホリン、ジアザビシクロオクラン、ジアザビシクロノナン、ジアザビシクロウンデセンなども挙げられる。
このような塩基性化合物は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、トリエチルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ピリジンが好ましい。
上記酸性化合物としては、有機酸および無機酸が挙げられる。有機酸としては、たとえば、酢酸、プロピオン酸、ブタン酸、ペンタン酸、ヘキサン酸、ヘプタン酸、オクタン酸、ノナン酸、デカン酸、シュウ酸、マレイン酸、無水マレイン酸、メチルマロン酸、アジピン酸、セバシン酸、没食子酸、酪酸、メリット酸、アラキドン酸、ミキミ酸、2−エチルヘキサン酸、オレイン酸、ステアリン酸、リノール酸、リノレイン酸、サリチル酸、安息香酸、p−アミノ安息香酸、p−トルエンスルホン酸、ベンゼンスルホン酸、モノクロロ酢酸、ジクロロ酢酸、トリクロロ酢酸、トリフルオロ酢酸、ギ酸、マロン酸、メタンスルホン酸、フタル酸、フマル酸、クエン酸、酒石酸などが挙げられる。上記無機酸としては、たとえば、塩酸、硝酸、硫酸、フッ酸、リン酸などが挙げられる。
このような酸性化合物は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。これらのうち、マレイン酸、無水マレイン酸、メタンスルホン酸、酢酸が特に好ましい。
上記塩化合物として、ナフテン酸、オクチル酸、亜硝酸、亜硫酸、アルミン酸、炭酸などのアルカリ金属塩などが挙げられる。
上記有機金属化合物としては、有機金属化合物および/またはその部分加水分解物(以下、有機金属化合物および/またはその部分加水分解物をまとめて、「有機金属化合物類」という)が挙げられる。
上記有機金属化合物類としては、たとえば、下記式(2)
M(OR7)r(R8COCHCOR9)s (2)
(式中、Mは、ジルコニウム、チタンおよびアルミニウムからなる群からを選択される少なくとも1種の金属原子を表し、R7および8は、それぞれ独立に、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基などの炭素数1〜6個の1価の炭化水素基を表し、R9は、前記炭素数1〜6個の1価の炭化水素基、または、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラウリルオキシ基、ステアリルオキシ基などの炭素数1〜16個のアルコキシ基を表し、rおよびsは、それぞれ独立に0〜4の整数であって、(r+s)=(Mの原子価)の関係を満たす)で表される化合物(以下、「有機金属化合物(2)」という)、
テトラ−i−プロポキシチタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセテート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトン)チタニウムなどの有機チタン化合物;
トリ−i−プロポキシアルミニウム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、ジ−i−プロポキシ・アセチルアセトナートアルミニウム、i−プロポキシ・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)アルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、トリス(アセチルアセトナート)アルミニウム、モノアセチルアセトナート・ビス(エチルアセトアセテート)アルミニウムなどの有機アルミニウム化合物が挙げられる。
また、上記触媒は、その他の反応遅延剤と混合して使用することもできる。
上記触媒の使用量は、触加水分解反応の促進の観点から、加水分解性シラン化合物のモノマー1モルに対して、好ましくは0.2モル以下であり、より好ましくは0.00001〜0.1モルである。
本発明では、シラン化合物(a1)の保存安定性などを向上させるために、シラン化合物(a1)を調製した後、必要に応じて、安定性向上剤を添加することが好ましい。本発明に用いられる安定性向上剤は、下記式(3)
R10COCH2COR11 (3)
(式中、R10は、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、フェニル基などの炭素数1〜6個の1価の炭化水素基を表し、R11は、前記炭素数1〜6個の1価の炭化水素基、または、メトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、sec−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ラウリルオキシ基、ステアリルオキシ基などの炭素数1〜16個のアルコキシル基を表す。)で表されるβ−ジケトン類、β−ケトエステル類、カルボン酸化合物、ジヒドロキシ化合物、アミン化合物およびオキシアルデヒド化合物からなる群から選択される少なくとも1種の化合物である。
このような安定性向上剤として、たとえば、アセチルアセトン、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、アセト酢酸−n−プロピル、アセト酢酸−i−プロピル、アセト酢酸−n−ブチル、アセト酢酸−sec−ブチル、アセト酢酸−t−ブチル、ヘキサン−2,4−ジオン、ヘプタン−2,4−ジオン、ヘプタン−3,5−ジオン、オクタン−2,4−ジオン、ノナン−2,4−ジオン、5−メチルヘキサン−2,4−ジオン、マロン酸、シュウ酸、フタル酸、グリコール酸、サリチル酸、アミノ酢酸、イミノ酢酸、エチレンジアミン四酢酸、グリコール、カテコール、エチレンジアミン、2,2−ビピリジン、1,10−フェナントロリン、ジエチレントリアミン、2−エタノールアミン、ジメチルグリオキシム、ジチゾン、メチオニン、サリチルアルデヒドなどが挙げられる。これらのうち、アセチルアセトンおよびアセト酢酸エチルが好ましい。
また、安定性向上剤は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよい。
本発明に用いられる安定性向上剤の量は、前記有機金属化合物類の有機金属化合物1モルに対して、通常2モル以上、好ましくは3〜20モルが望ましい。安定性向上剤の量が上記下限未満であると、得られる組成物の保存安定性の向上効果が不十分となる。
上記オルガノシラン(1)の縮合物は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)により測定したポリスチレン換算の重量平均分子量(以下、「Mw」と表す。)が、好ましくは300〜100,000、より好ましくは500〜50,000である。
上記金属酸化物粒子は、金属元素の酸化物の粒子であればその種類は特に限定されないが、たとえば、酸化アンチモン、酸化ジルコニウム、アナターゼ型酸化チタン、ルチル型酸化チタン、ブルッカイト型酸化チタン、酸化亜鉛、酸化タンタル、酸化インジウム、酸化ハフニウム、酸化スズ、酸化ニオブ、酸化アルミニウム、酸化セリウム、酸化スカンジウム、酸化イットリウム、酸化ランタン、酸化プラセオジウム、酸化ネオジウム、酸化サマリウム、酸化ユウロピウム、酸化ガドリニウム、酸化テルビニウム、酸化ジスプロシウム、酸化ホルミウム、酸化エルビウム、酸化ツリウム、酸化イッテルビウム、酸化ルテチウム、酸化カルシウム、酸化ガリウム、酸化リチウム、酸化ストロンチウム、酸化タングステン、酸化バリウム、酸化マグネシウム、およびこれらの複合体、ならびにインジウム−スズ複合酸化物などの上記金属2種以上の複合体の酸化物などの金属酸化物が挙げられる。また、上記金属酸化物粒子(B)として、ケイ素酸化物と金属酸化物との複合酸化物の粒子や金属酸化物の表面をケイ素酸化物で被覆した酸化物の粒子を用いることもできる。
金属酸化物粒子(B)を配合する場合は、粉体、またはイソプロピルアルコール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどの極性溶媒やトルエンなどの非極性溶媒に分散した溶媒系のゾルもしくはコロイドなどの形態で使用することもできる。添加前の金属酸化物粒子(B)は、凝集して二次粒子を形成していてもよい。また、金属酸化物粒子(B)の分散性を向上させるために表面処理して用いてもよい。
本発明において使用される多官能(メタ)アクリレート化合物(C)は、脂肪族多価アルコールまたはその二量体の(メタ)アクリル酸エステルであって、特に4以上の(メタ)アクリロイル基(以下、「特定官能基」ともいう。)を有する多官能アクリレート化合物(以下、「特定の多官能アクリレート化合物」ともいう。)を含む。ここに、特定の多官能アクリレート化合物は、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールまたはジトリメチロールプロパンの(メタ)アクリル酸エステルであることが好ましい。
また、例えばカルボン酸により変性された特定の多官能アクリレート化合物などを含有するものであってもよく、更に、(メタ)アクリロイル基の数が3以下の多官能アクリレート化合物を含有するものであってもよい。
特定官能基の数が2である多官能アクリレート化合物としては、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ビス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートジ(メタ)アクリレートを挙げることができる。
本発明で用いる組成物(I)には、さらに硬化触媒を加えることもできる。このような硬化触媒としては、たとえば、シラン化合物(a1)調製時に用いる前記塩基性化合物、酸性化合物、塩化合物および有機金属化合物が挙げられる。塩基性化合物は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよく、トリエチルアミン、テトラメチルアンモニウムハイドロキサイド、ピリジンが特に好ましい。酸性化合物は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよく、マレイン酸、無水マレイン酸、メタンスルホン酸、酢酸が特に好ましい。有機金属化合物は、1種単独で用いても、2種以上を混合して用いてもよく、ジ−n−ブトキシ・ビス(アセチルアセトナート)ジルコニウム、ジオクチルスズ・ジオクチルマレエート、ジ−i−プロポキシ・ビス(アセチルアセトナート)チタニウム、ジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウム、トリス(エチルアセトアセテート)アルミニウム、あるいはこれらの部分加水分解物が好ましい。
(有機溶剤、水)
本発明で用いる組成物(I)には、さらに有機溶剤や水を加えて、固形分濃度を調整してもよい。有機溶剤としては、前記シラン化合物(a1)調製の項で例示したものを用いることができる。
(任意添加成分)
本発明で用いる組成物(I)には、必要に応じて、レベリング剤、濡れ性改良剤、界面活性剤、可塑剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、帯電防止剤、シランカップリング剤、(B)成分以外の無機充填剤を添加することができる。
界面活性剤は、組成物(I)の塗布性の改善、塗布ムラの低減を改良するために添加することができる。好ましい界面活性剤の例としては、ノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤及びシリコーン系界面活性剤が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル等のポリオキシエチレンアルキルエーテル類;ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル等のポリオキシエチレンアリールエーテル類;ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート等のポリエチレングリコールジアルキルエステル類;(メタ)アクリル酸系共重合体類などが挙げられる。(メタ)アクリル酸系共重合体類の例としては、市販されている商品名で、ポリフローNo.57、同No.95(共栄社化学(株)製)等を挙げることができる。
シリコーン系界面活性剤の例としては、市販されている商品名で、SH200−100cs、SH28PA、SH30PA、ST89PA、SH190(東レダウコーニングシリコーン(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)等が挙げられる。
本発明で使用される高屈折層形成用組成物は、上記(A)〜(C)成分を混合することにより製造することができる。(A)成分中のオルガノシラン(1)を加水分解物および/または縮合物として使用する場合、オルガノシラン(1)を予め加水分解・縮合させて製造したものを(B)、(C)成分と混合してもよいが、オルガノシラン(1)を加水分解・縮合させる前に、(B)、(C)成分を混合してもよい。
低屈折層
本発明において、低屈折層は通常、屈折率1.45未満であり、膜厚は0.01μm〜10μmの範囲で用いられる。
本発明において、低屈折層としては例えば(D)ポリオルガノシロキサンおよび(E)数平均粒径1〜100nmのシリカを主成分とする中空若しくは多孔質の粒子を含む組成物(以下、「低屈折層形成用組成物」という)から形成される層を挙げることができる。
(D)ポリオルガノシロキサンとしては、高屈折層形成用組成物で使用される(A)ポリオルガノシロキサンと同様のものを使用することができる。
特に低屈折層形成用組成物として使用するポリオルガノシロキサンとしては、前記式(1)においてR1が同様の化合物を使用することが好ましい。
(E)数平均粒径1〜100nmのシリカを主成分とする中空若しくは多孔質の粒子(以下、「シリカを主成分とする粒子」という)
本発明の低屈折層形成用組成物には、数平均粒径1〜100nmのシリカを主成分とする中空若しくは多孔質の粒子を含む。粒径は、透過型電子顕微鏡により測定する。このシリカを主成分とする粒子としては公知のものを使用することができ、また、その形状も球状に限らず不定形であってもよい。固形分が5〜40重量%のコロイダルシリカが好ましい。
アクリロイル基などの重合性不飽和基を含む有機化合物によって、シリカを主成分とする粒子(E)の表面処理をすることもできる。
低屈折層形成用組成物は、ポリオルガノシロキサン(D)固形分100質量部に対してシリカを主成分とする粒子(E)を1〜200質量部、好ましくは10〜100質量部を含むものである。
分散工程を行う場合は、シリカを主成分とする粒子(E)として(i)溶媒系のゾルもしくはコロイドを用いた場合は攪拌翼等の手法で、(ii)粉体粒子を用いた場合はボールミル、ビーズミル、ペイントシェーカー等の手法を用いることができる。
本発明の反射防止膜は、前記高屈折率層と前記低屈折率層とを積層して形成することができる。
まず、基板上に高屈折層形成用組成物を塗布し、加熱乾燥して高屈折層を形成した後、高屈折層の上に低屈折層形成用組成物を塗布し、加熱乾燥することにより形成することができる。高屈折層形成用組成物および低屈折層形成用組成物の塗布方法は特に制限されるものではないが、刷毛塗り、筆塗り、バーコーター、ナイフコーター、ドクターブレード、スクリーン印刷、スプレー塗布、スピンコーター、アプリケーター、ロールコーター、スリットコーター、フローコーター、遠心コーター、超音波コーター、(マイクロ)グラビアコーター、ディップコート、フレキソ印刷、ポッティング等の手法を用いることができ、他の基材(転写基材)上に塗布した後に転写して用いてもよい。
加熱乾燥は50〜250℃の範囲内の温度で、0.5〜180分加熱するのが好ましい。
本発明によって形成される反射防止膜は、シロキサン構造を主骨格としており、通常の有機高分子に比べ、耐熱性・耐光性・耐候性に優れている。また、塗布により製造できることから真空蒸着等の手法に比べ、コスト面やプロセス面に優れている。
特に屋外設置用デバイス、中でもデジタルサイネージなどの屋外設置用ディスプレイ用のデバイスにおいて有用である。
なお、本発明において屋外とは、壁や屋根の一部が開放された状態も含むものである。
シロキサンの重量平均分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィーにより下記条件で測定し、ポリスチレン換算値として示した。装置:HLC−8120C(東ソー社製)カラム:TSK−gel MultiporeHXL−M(東ソー社製)溶離液:THF、流量0.5mL/min、負荷量5.0%、100μL、測定温度:40℃
得られた組成物溶液をアルミ皿に2g程度測り、ホットプレート上200℃で30分加熱した後の重量変化から求めた。
作成した反射防止積層体を有する基板について、JIS K−5400−1990の8.4.1鉛筆引っかき試験により鉛筆硬度(表面硬度)を測定した。
形成した反射防止積層体を有する基板について、学振型磨耗試験機(大栄科学精器製作所製、RT−200)を用い、スチールウール#0000の上に250gの荷重をかけて10往復させた。硬化膜表面における擦傷の状況を肉眼で以下の判定基準で評価した。
◎:硬化膜に傷が発生しない
○:硬化膜の剥離や傷の発生がほとんど認められないか、あるいは硬化膜にわずかな細い傷が認められる
△:硬化膜全体に筋状の傷が認められる
×:硬化膜の剥離が生じる
◎、○であれば、良好な耐擦傷性を有すると言える。
形成した反射防止積層体を有する基板について、23℃で24時間放置し、その反射防止積層膜表面にクラックが発生しているか、レーザー顕微鏡(キーエンス製VK−8500)を用いて確認した。以下の判定基準で評価した。
◎:全くクラックがない
○:基板端部にのみ、わずかな(1〜3個)クラックがある
△:3〜10個のクラックがある
×:10個以上のクラックがある
◎、○であれば、クラック発生有無の確認結果は良好であると言える。
屋外ディスプレイ用途を想定し、視感反射率(Y値)を測定した。視感反射率(Y値)測定は、分光光度計(日本分光製、V−670)を用いて実施し、380−780nmの波長範囲で解析した。
◎:Y値が1%未満
○:Y値が1%以上1.5%未満
△:Y値が1.5%以上
得られた反射防止積層体について、JIS A 5759に準拠して(温度63℃、湿度50%、降雨18分/120分照射の条件)、サンシャインカーボンアーク灯式耐候性試験機を用い、促進耐候試験を実施した。2000時間後まで測定を実施し、硬化物の外観観察及び透過率を分光光度計(日本分光製、V−570)を用いて測定し、以下の基準で耐候性を評価した。
◎:2000時間まで外観変化(クラック、白化など)が無く、400nmにおける透過率変化が3%未満
○:1000時間まで外観変化(クラック、白化など)が無く、400nmにおける透過率変化が3%未満
△:外観変化(クラック、白化など)は全く無いが、400nmにおける透過率変化が3%以上10%未満
×:外観変化(クラック、白化など)が認められ、400nmにおける透過率変化が10%以上
還流冷却器および攪拌機を備えた反応器に、メチルトリメトキシシラン92部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン8部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル80部、水20部、触媒としてジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウムのi−プロピルアルコール10%希釈液2部を混合し、75℃で3時間加水分解縮合反応させた。室温に冷却し、固形分濃度が30重量%、Mwが3000のオルガノポリシロキサン(1)溶液を得た。
還流冷却器および攪拌機を備えた反応器に、メチルトリメトキシシラン92部、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン8部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル80部、水20部、触媒としてジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウムのi−プロピルアルコール10%希釈液2部を混合し、75℃で3時間加水分解縮合反応させた。室温に冷却し、固形分濃度が32重量%、Mwが3000のオルガノポリシロキサン(2)溶液を得た。
還流冷却器および攪拌機を備えた反応器に、メチルトリメトキシシラン69部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン8部、フェニルトリメトキシシラン23部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル80部、水20部、触媒としてジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウムのi−プロピルアルコール10%希釈液2部を混合し、75℃で3時間加水分解縮合反応させた。室温に冷却し、固形分濃度が28重量%、Mwが2500のオルガノポリシロキサン(3)溶液を得た。
還流冷却器および攪拌機を備えた反応器に、メチルトリメトキシシラン28部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン6部、テトラエトキシシラン43部、3−(メタ)アクリルオキシプロピルトリメトキシシラン23部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル200部、水20部、触媒としてジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウムのi−プロピルアルコール10%希釈液5部を混合し、75℃で3時間加水分解縮合反応させた。室温に冷却し、固形分濃度が20重量%、Mwが2000のオルガノポリシロキサン(4)溶液を得た。
還流冷却器および攪拌機を備えた反応器に、メチルトリメトキシシラン51部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン6部、テトラエトキシシラン43部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル200部、水20部、触媒としてジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウムのi−プロピルアルコール10%希釈液5部を混合し、75℃で3時間加水分解縮合反応させた。室温に冷却し、固形分濃度が19重量%、Mwが2000のオルガノポリシロキサン(5)溶液を得た。
還流冷却器および攪拌機を備えた反応器に、メチルトリメトキシシラン28部、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン6部、テトラエトキシシラン43部、トリフルオロメチルトリメトキシシラン23部、溶媒としてプロピレングリコールモノメチルエーテル200部、水20部、触媒としてジ−i−プロポキシ・エチルアセトアセテートアルミニウムのi−プロピルアルコール10%希釈液5部を混合し、75℃で3時間加水分解縮合反応させた。室温に冷却し、固形分濃度が19重量%、Mwが2000のオルガノポリシロキサン(6)溶液を得た。
高屈層形成用組成物の調製
<調製例1>
合成例1で得られたオルガノポリシロキサン(1)溶液固形分換算100部に対し、一次粒径10nmの酸化ジルコニウム粉体を67部およびジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、製品名;DPHA)68部(固形分濃度60重量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)、トリエチルアミン0.01部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを加えてペイントシェーカーで4時間分散し、固形分濃度35重量%の組成物(X−1)を得た。
合成例1で得られたオルガノポリシロキサン(1)溶液固形分換算100部に対し、一次粒径10nmの酸化ジルコニウム粉体を67部およびジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、製品名;DPHA)48部(固形分濃度60重量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)、SH28PA0.5部(東レダウコーニングシリコーン(株)製)、トリエチルアミン0.01部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを加えてペイントシェーカーで4時間分散し、固形分濃度35重量%の組成物(X−2)を得た。
合成例1で得られたポリオルガノシロキサン(1)溶液固形分換算100部に対し、一次粒径10nmの酸化ジルコニウム粉体を67部およびジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、製品名;DPHA)48部(固形分濃度60重量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)、トリエチルアミン0.01部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを加えてペイントシェーカーで4時間分散し、固形分濃度35重量%の組成物(X−3)を得た。
合成例2で得られたポリオルガノシロキサン(2)溶液固形分換算100部に対し、一次粒径10nmの酸化ジルコニウム粉体を67部およびジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、製品名;DPHA)68部(固形分濃度60重量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)、トリエチルアミン0.01部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを加えてペイントシェーカーで4時間分散し、固形分濃度35重量%の組成物(X−4)を得た。
合成例2で得られたポリオルガノシロキサン(2)溶液固形分換算100部に対し、一次粒径10nmの酸化ジルコニウム粉体を67部およびジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、製品名;DPHA)48部(固形分濃度60重量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)、メガファックF171 0.5部(大日本インキ(株)製)、トリエチルアミン0.01部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを加えてペイントシェーカーで4時間分散し、固形分濃度35重量%の組成物(X−5)を得た。
合成例1で得られたポリオルガノシロキサン(1)溶液固形分換算100部に対し、一次粒径10nmの酸化チタン粉体を67部およびジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、製品名;DPHA)48部(固形分濃度60重量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)、トリエチルアミン0.01部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを加えてペイントシェーカーで4時間分散し、固形分濃度35重量%の組成物(X−6)を得た。
合成例3で得られたポリオルガノシロキサン(3)溶液固形分換算100部に対し、一次粒径10nmの酸化チタン粉体を67部およびジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、製品名;DPHA)48部(固形分濃度60重量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)、トリエチルアミン0.01部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを加えてペイントシェーカーで4時間分散し、固形分濃度35重量%の組成物(X−7)を得た。
合成例1で得られたポリオルガノシロキサン(1)溶液固形分換算100部に対し、一次粒径10nmの酸化ジルコニウム粉体を67部およびジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、製品名;DPHA)28部(固形分濃度60重量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)、トリエチルアミン0.01部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを加えてペイントシェーカーで4時間分散し、固形分濃度35重量%の組成物(X−8)を得た。
合成例1で得られたポリオルガノシロキサン(1)溶液固形分換算100部に対し、一次粒径10nmの酸化チタン粉体を67部およびトリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)48部(固形分濃度60重量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)、トリエチルアミン0.01部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを加えてペイントシェーカーで4時間分散し、固形分濃度35重量%の組成物(X−9)を得た。
合成例1で得られたポリオルガノシロキサン(1)溶液固形分換算100部に対し、一次粒径10nmの酸化チタン粉体を67部およびトリエチルアミン0.01部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを加えてペイントシェーカーで4時間分散し、固形分濃度30重量%の組成物(X−10)を得た。
合成例1で得られたポリオルガノシロキサン(1)溶液固形分換算100部に対し、ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、製品名;DPHA)48部(固形分濃度60重量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルを加えて攪拌し、固形分濃度35重量%の組成物(X−11)を得た。
一次粒径10nmの酸化ジルコニウム粉体を67部およびジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、製品名;DPHA)68部(固形分濃度60重量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)、トリエチルアミン0.01部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを加えてペイントシェーカーで4時間分散し、固形分濃度35重量%の組成物(X−12)を得た。
合成例1で得られたポリオルガノシロキサン(1)溶液固形分換算100部およびプロピレングリコールモノメチルエーテルを加えて攪拌し、固形分濃度30重量%の組成物(X−13)を得た。
ジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(日本化薬社製、製品名;DPHA)48部(固形分濃度60重量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)およびプロピレングリコールモノメチルエーテルを加えて攪拌し、固形分濃度35重量%の組成物(X−14)を得た。
合成例2で得られたポリオルガノシロキサン(2)溶液固形分換算100部に対し、一次粒径10nmの酸化ジルコニウム粉体を67部およびトリメチロールプロパントリアクリレート(大阪有機化学工業(株)製)48部(固形分濃度60重量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)、FTX−218 0.5部(ネオス(株)製)、トリエチルアミン0.01部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを加えてペイントシェーカーで4時間分散し、固形分濃度35重量%の組成物(X−15)を得た。
合成例2で得られたポリオルガノシロキサン(2)溶液固形分換算100部に対し、一次粒径10nmの酸化チタン粉体を67部およびジペンタエリスリトールペンタ/ヘキサアクリレート(日本化薬(株)製、製品名;DPHA)28部(固形分濃度60重量%のプロピレングリコールモノメチルエーテル溶液)、メガファックF171 0.5部(大日本インキ(株)製)、トリエチルアミン0.01部、プロピレングリコールモノメチルエーテルを加えてペイントシェーカーで4時間分散し、固形分濃度35重量%の組成物(X−16)を得た。
<調製例17>
合成例4で得られたポリオルガノシロキサン(4)溶液固形分換算100部に対し、ポリシロキサンジオール(モメンティブ(株)製、製品名;YF3057)10部(固形分濃度5重量%のメチルイソブチルケトン溶液)および4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)とα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンの重縮合物(和光純薬(株)製、製品名;VPS−1001)10部(固形分濃度5重量%のメチルイソブチルケトン溶液)、中空シリカ粒子(日揮触媒化成(株)製、製品名;スルーリア4320)90部、密実シリカ粒子(日産化学工業(株)製、製品名;MIBK−ST)10部、メチルイソブチルケトン溶液を加えて攪拌し、固形分濃度4.9重量%の組成物(Y−1)を得た。
合成例4で得られたポリオルガノシロキサン(4)溶液固形分換算100部に対し、4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)とα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンの重縮合物(和光純薬(株)製、製品名;VPS−1001)20部(固形分濃度5重量%のメチルイソブチルケトン溶液)および中空シリカ粒子(日揮触媒化成(株)製、製品名;スルーリア4320)90部、密実シリカ粒子(日産化学工業(株)製、製品名;MIBK−ST)10部、メチルイソブチルケトン溶液を加えて攪拌し、固形分濃度4.9重量%の組成物(Y−2)を得た。
合成例5で得られたポリオルガノシロキサン(5)溶液固形分換算100部に対し、ポリシロキサンジオール(モメンティブ(株)製、製品名;YF3057)10部(固形分濃度5重量%のメチルイソブチルケトン溶液)および4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)とα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンの重縮合物(和光純薬(株)製、製品名;VPS−1001)10部(固形分濃度5重量%のメチルイソブチルケトン溶液)、中空シリカ粒子(日揮触媒化成(株)製、製品名;スルーリア4320)90部、密実シリカ粒子(日産化学工業(株)製、製品名;MIBK−ST)10部、メチルイソブチルケトン溶液を加えて攪拌し、固形分濃度4.9重量%の組成物(Y−3)を得た。
合成例4で得られたポリオルガノシロキサン(4)溶液固形分換算100部に対し、ポリシロキサンジオール(モメンティブ(株)製、製品名;YF3057)10部(固形分濃度5重量%のメチルイソブチルケトン溶液)および4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)とα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンの重縮合物(和光純薬(株)製、製品名;VPS−1001)10部(固形分濃度5重量%のメチルイソブチルケトン溶液)、中空シリカ粒子(日揮触媒化成(株)製、製品名;スルーリア4320)100部、メチルイソブチルケトン溶液を加えて攪拌し、固形分濃度4.9重量%の組成物(Y−4)を得た。
合成例6で得られたポリオルガノシロキサン(6)溶液固形分換算100部に対し、ポリシロキサンジオール(モメンティブ(株)製、製品名;YF3057)10部(固形分濃度5重量%のメチルイソブチルケトン溶液)および4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)とα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンの重縮合物(和光純薬(株)製、製品名;VPS−1001)10部(固形分濃度5重量%のメチルイソブチルケトン溶液)、中空シリカ粒子(日揮触媒化成(株)製、製品名;スルーリア4320)90部、密実シリカ粒子(日産化学工業(株)製、製品名;MIBK−ST)10部、メチルイソブチルケトン溶液を加えて攪拌し、固形分濃度4.9重量%の組成物(Y−5)を得た。
合成例4で得られたポリオルガノシロキサン(4)溶液固形分換算100部に対し、ポリシロキサンジオール(モメンティブ(株)製、製品名;YF3057)10部(固形分濃度5重量%のメチルイソブチルケトン溶液)および4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)とα,ω−ビス(3−アミノプロピル)ポリジメチルシロキサンの重縮合物(和光純薬(株)製、製品名;VPS−1001)10部(固形分濃度5重量%のメチルイソブチルケトン溶液)、メチルイソブチルケトン溶液を加えて攪拌し、固形分濃度4.9重量%の組成物(Y−6)を得た。
<実施例1>
ガラス基板上に、組成物(X−1)をスピンコーターを用いて乾燥後の膜厚が3.0μmになるように塗布し、230℃で10分乾燥した(1段目の乾燥)。得られた(X−1)層の上から組成物(Y−1)をスピンコーターを用いて乾燥後の膜厚が100nmになるように塗布し、230℃で20分乾燥させた(2段目の乾燥)。得られた反射防止積層体は数枚作成し、初期評価として鉛筆硬度、耐擦傷性、耐クラック性、視感反射率を測定した。得られた反射防止積層体のうち1枚は促進耐候試験を実施し、試験後の透過率測定を実施した。結果を表1に示す。
高屈折層および低屈折層を形成するための組成物を表1のとおりとした以外は、実施例1と同様に反射防止積層体を作製し、同様の評価を実施した。結果を表1〜3に示す。
Claims (6)
- ポリオルガノシロキサン(A)、金属酸化物粒子(B)および多官能(メタ)アクリレート化合物(C)を含む組成物の硬化物からなる高屈折層ならびに低屈折層を有する反射防止膜。
- 前記ポリオルガノシロキサン(A)が、
下記式(1)
R1nSi(OR2)4−n (1)
(式中、R1は、炭素数1〜12の非加水分解性の有機基を示し、2個以上存在する場合には互いに同じであっても異なっていてもよい。R2は、それぞれ独立に、炭素数1〜5のアルキル基または炭素数1〜6のアシル基を示す。nは0〜3の整数である。)
で表される少なくとも1種の化合物の加水分解物縮合物を含むことを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜。 - 前記金属酸化物粒子(B)が、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化ジルコニウム、酸化セリウム、酸化錫、アンチモン錫酸化物、インジウム錫酸化物、酸化アンチモン、アルミニウム亜鉛酸化物、及びガリウム亜鉛酸化物からなる群から選択される少なくとも1種の金属酸化物からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の反射防止膜。
- 前記多官能(メタ)アクリレート(C)が、4個以上の(メタ)アクリロイル基を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の反射防止膜。
- ポリオルガノシロキサン(A)、金属酸化物粒子(B)および多官能(メタ)アクリレート化合物(C)を含み、硬化後の膜の屈折率が1.45以上であることを特徴とする請求項1に記載の反射防止膜の高屈折層形成用組成物。
- 請求項1〜4のいずれかに記載の反射防止膜を有することを特徴とする屋外設置用ディスプレイ。
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