JP2010085579A - 反射防止光学物品およびシロキサン系樹脂組成物の製造方法 - Google Patents

反射防止光学物品およびシロキサン系樹脂組成物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】透明性、耐擦傷性に優れた反射防止光学物品、並びに反射防止積層体であるシロキサン系樹脂組成物を提供することを目的とする。
【解決手段】透明なフィルム基材上の少なくとも一方の面に直接または他の層を介して、下記の高屈折率層と低屈折率層が積層されてなることを特徴とする反射防止光学物品。
高屈折率層:金属酸化物粒子存在下、アルコキシシラン化合物を、溶媒中、酸触媒により加水分解した後、該加水分解物を縮合反応させる方法により得られたシロキサン系樹脂組成物を主成分として含有する塗液を塗布した後硬化させて得られる、厚さ2.5μm以上45μm以下の被膜
低屈折率層:無機微粒子とシロキサン化合物を含有するシロキサン系低屈折率樹脂組成物を主成分として含有する塗液を塗布した後硬化させて得られる被膜であって、高屈折率層の屈折率より0.20以上小さい屈折率の被膜。
【選択図】 なし

Description

本発明は、フラットパネルディスプレイに用いられる反射防止光学物品、それに用いられるコーティング材料、およびそれを用いた反射防止フィルムに関する。
透明材料を介して物を見る場合、反射光が強くなってしまうため透明材料の表面で反射像を生じたり、反射した光のために、内容物や表示体が判然としない問題が生ずる。特に大型ディスプレイ分野では、従来から視認性を向上させる目的で、高屈折率材料と低屈折率材料を積層させて、反射防止膜を形成することが行われてきた。近年になってからはフィルムの高機能化が進み、軽量、安全、取り扱いやすさなどの長所を生かして、フィルムを基材とした上に薄膜を設けることにより反射防止性を有する光学物品が考案されており、このような光学部品にはさらなる低反射率化、表面高硬度化が求められている。
例えば特許文献1には、有機フィルムの表面に、下層側からハードコート層、高屈折率層、低屈折率層を設ける方法が提案されている。この方法では、低屈折率層の屈折率がさほど低くないために反射率が有効に下がらず、反射防止性が低いうえ、表面の耐擦傷性も低いという課題があった。
特許文献2には低屈折率層に内部に空洞を有するシリカ粒子を用いて屈折率を下げ、反射防止性を高くしたものが知られている。このようなものは反射防止の点で良好な性能を得ているが、フィルム基板上への塗布層には適しておらず、家庭用テレビ等の大型フラットパネルの表面傷つき性についてはさらなる耐久性(耐擦傷性)が求められている。
特許文献3〜5には高屈折率層に重合性モノマー、オリゴマーと高屈折率粒子を併用したハードコート用塗布液が用いられているが、低屈折率層にシリカ微粒子を比較的多く用いたシロキサン系材料を積層した反射防止膜は密着性が不十分であり、耐擦傷性もより擦傷性の高いものが求められている。
特許文献6,7には高屈折率層のマトリックスにシリコーン系樹脂と高屈折率粒子を併用した塗布組成物が用いられているが、可視光域の着色や塗膜の膜厚みを大きくすると、硬化時にクラックが生じやすいという点で不十分であった。
特許文献8には金属化合物粒子とシロキサン化合物からなるシロキサン系樹脂組成物が開示されている。これは高屈折率層の樹脂組成物の開示のみであり、有機透明基材上に積層する反射防止膜技術としては、不十分なものであった。
さらに、耐擦傷性を向上させる目的で、特許文献9〜11にはハードコート層の多層化、厚膜化が開示されているが、シロキサン系樹脂組成物での高硬度化は達成されておらず、さらなる改良が強く望まれている。
特開2001−350002号公報(請求項1,9、[0026]) 特許第3272111号公報(請求項1、実施例1) 特開2005−172896号公報(請求項1) 特開2007−025078号公報(請求項1〜8、[0073]) 特開2007−077351号公報(請求項1〜5、[0075]) 特開2001−081404号公報(請求項1,2) 特開2008−094956号公報(請求項1〜7、[0064]) 特開2007−246877号公報(請求項1〜10) 特開平5−008350号公報(請求項1,2) 特開2008−012926号公報(請求項1〜7、[0044]) 特開2008−073999号公報(請求項1、[0025])
本発明は、透明性、耐擦傷性に優れた反射防止光学物品、並びに反射防止積層体であるシロキサン系樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明は、透明なフィルム基材上の少なくとも一方の面に直接または他の層を介して、下記の高屈折率層と低屈折率層が積層されてなることを特徴とする反射防止光学物品である。
高屈折率層は金属酸化物粒子存在下、アルコキシシラン化合物を、溶媒中、酸触媒により加水分解した後、該加水分解物を縮合反応させる方法により得られたシロキサン系樹脂組成物を主成分として含有する塗液を塗布した後硬化させたて得られる、厚さ2.5μm以上45μm以下の被膜であり、低屈折率層は無機微粒子とシロキサン化合物を含有するシロキサン系低屈折率樹脂組成物を主成分として含有する塗液を塗布した後硬化させて得られる被膜であって、高屈折率層の屈折率より0.20以上小さい屈折率の被膜である。
本発明の光学物品は、低反射率で可視光透過率が高く、耐スクラッチ性、耐クラック性に優れた硬化膜積層体を形成することができる。特にテレビ等の視認性向上フィルターの構造部材として好適に用いることができる。
本発明の光学物品は、透明なフィルム基材上の少なくとも一方の面に直接または他の層を介して、高屈折率層と低屈折率層が積層されてなり、高屈折率層は金属酸化物粒子存在下、アルコキシシラン化合物を、溶媒中、酸触媒により加水分解した後、該加水分解物を縮合反応させる方法により得られたシロキサン系樹脂組成物を主成分として含有する塗液を塗布した後硬化させたて得られる、厚さ2.5μm以上45μm以下の被膜であり、低屈折率層は無機微粒子とシロキサン化合物を含有するシロキサン系低屈折率樹脂組成物を主成分として含有する塗液を塗布した後硬化させて得られる被膜であって、高屈折率層の屈折率より0.20以上小さい屈折率の被膜である。
本発明の積層されている高屈折率層及び低屈折率層の主成分がシロキサン系組成物であることから、両者の塗布方法、塗布条件、密着性などにおける材料設計が幅広く検討でき、高屈折率層あるいは低屈折率層にアクリル系化合物を主成分とする組成物を用いたものよりも耐スクラッチ性や耐クラック性が向上する。
本発明の光学物品は、高屈折率層の厚さが2.5μm以上45μm以下であることが重要である。高屈折率層の厚さが2.5μm未満では、鉛筆硬度が低下する。厚さが45μmを越えると、塗布後硬化させて得られる被膜にクラックが発生し、耐クラック性も低下する。好ましい厚さは2.5μm以上35μm以下であり、2.5μm以上20μm以下が、フィルムを巻き取る生産性の点でより好ましい。
なお、本発明における高屈折率層の厚さは、以下のような測定方法で測定される値を言う。透明基材であるPETフィルム上に塗布して得られた高屈折率層付き基材に基材側から切り込みを入れ、引き裂くようにカッティングして、高屈折率層断面を観察するためのサンプルを作る。このサンプルを走査型電子顕微鏡で観察し、透明基材との界面から高屈折率層表面までの距離をスケールを用いて求めることができる。サンプリングは3cm間隔で4点行い、測定した値(小数点第2位まで読みとる、単位:μm)の平均で示す。
本発明の高屈折率層用の材料に用いられるシロキサン系樹脂組成物(以下、「シロキサン系高屈折率樹脂組成物」という)は金属化合物粒子とシロキサン化合物が反応していて均質化している。また、縮合反応をさせていることで、硬化時の縮合収縮が押さえられることから、クラックが起きにくく、膜厚みを大きくして硬化被膜を成形してもフィルムのカールを小さくすることが可能となる。
本発明の高屈折率層用の材料に用いられる金属酸化物粒子は屈折率1.45〜2.8で有ることが好ましく、ケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモン、及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物を好ましく用いることができる。例えば、酸化チタン、酸化ジルコニウム、酸化亜鉛、酸化インジウム、五酸化アンチモン、酸化スズ、酸化セリウム、酸化ケイ素、ITO(スズ含有酸化インジウム)、ATO(スズ含有酸化アンチモン)などが挙げられる。高屈折率層の屈折率をより高くするには、酸化チタン、酸化ジルコニウムが好ましく用いられ、導電性を有するためには酸化スズ、酸化亜鉛、五酸化アンチモン、ATOが好ましく用いることができる。また、マトリックスのシロキサン化合物と反応しやすくするために、粒子表面に水酸基などのシロキサン化合物と反応し得る反応性基を有する金属酸化物粒子が好ましい。金属酸化物粒子は粉末状で用いることもできるが、粒子の安定性やアルコキシシランとの混合容易性の観点から、水や有機溶剤に分散した形態で用いることが好ましい。
金属酸化物粒子の数平均粒子径は、1nm〜200nmが好ましい。数平均粒子径を1nm以上とすることで耐クラック性がより向上する。また数平均粒子径200nm以下とすることで可視光に対してより透明な膜が得られる。硬化膜の耐クラック性と透明性を両立するためには、数平均粒子径1nm〜70nmであることがより好ましい。ここで、金属化合物粒子の数平均粒子径は、ガス吸着法や動的光散乱法、X線小角散乱法、透過型電子顕微鏡や走査型電子顕微鏡により粒子径を直接測定する方法などで測定することができる。
シロキサン系高屈折率樹脂組成物における金属化合物粒子の含有量は、溶媒を除く樹脂組成物全成分に対して10重量%〜90重量%であることが好ましい。この範囲内であれば、透過率と耐クラック性のより良好な膜を得ることができる。より好ましくは20重量%〜70重量%である。
金属酸化物粒子の例としては、市販されている無機粒子としては、酸化スズ−酸化チタン複合粒子の”オプトレイクTR−502”、”オプトレイクTR−504”、”オプトレイクTR−520”、”オプトレイクTR−513”、酸化ケイ素−酸化チタン複合粒子の”オプトレイクTR−503”、”オプトレイクTR−527”、”オプトレイクTR−528”、”オプトレイクTR−529”、酸化チタン粒子の”オプトレイクTR−505”(以上、商品名、触媒化成工業(株)製)、酸化アンチモン粒子の“セルナックス”、 酸化スズ−酸化ジルコニウム複合粒子、酸化ジルコニウム−酸化アンチモン粒子の“サンコロイド”(以上、商品名、日産化学工業(株)製)、酸化ジルコニウム粒子((株)高純度化学研究所製)、酸化スズ−酸化ジルコニウム複合粒子(触媒化成工業(株)製)、酸化スズ粒子((株)高純度化学研究所製)等が挙げられる。
シロキサン系高屈折率樹脂組成物に用いられるシロキサン化合物は、アルコキシシラン化合物を溶媒中、酸触媒により加水分解することによって、シラノール化合物を形成した後、該シラノール化合物を縮合反応させることによって得ることができる。アルコキシシラン化合物としては、下記一般式(1)〜(3)で表されるアルコキシシラン化合物から選ばれた1種以上のアルコキシシラン化合物が好ましい。
Si(OR (1)
は水素、アルキル基、アルケニル基、アリール基またはそれらの置換体を表す。耐クラック性の点から、Rとしてフェニル基を有するアルコキシシラン化合物を用いることが好ましい。Rはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはブチル基を表し、それぞれ同一でも異なっていても良い。Rはメチル基またはエチル基がより好ましい。
Si(OR (2)
およびRは、それぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アリール基またはそれらの置換体を表す。Rはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはブチル基を表し、それぞれ同一でも異なっていても良い。Rはメチル基またはエチル基がより好ましい。
Si(OR (3)
はメチル基またはエチル基を表し、それぞれ同一でも異なっていても良い。
一般式(1)〜(3)で表されるアルコキシシラン化合物の具体例を、以下に示す。一般式(1)で表される3官能性アルコキシシラン化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリメトキシエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリプロポキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシエトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリフェノキシシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシランなどが挙げられる。これらのうち、得られた塗膜の耐クラック性の観点から、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、およびフェニルトリエトキシシランが好ましい。また、低屈折率層との密着性向上、ひいては表面硬度向上の観点から、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシランが好ましく用いられる。
一般式(2)で表される2官能性アルコキシシラン化合物としては、例えば、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシドキシメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルメチルジエトキシシラン、トリフルオロプロピルエチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルエチルジエトキシシラン、トリフルオロプロピルビニルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルビニルジエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、オクタデシルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。これらのうち、得られる塗膜に可とう性を付与させる目的には、ジメチルジアルコキシシランが好ましく用いられる。
一般式(3)で表される4官能性アルコキシシラン化合物としては、例えば、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが挙げられる。
これら一般式(1)〜(3)で表されるアルコキシシラン化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いても良い。
シロキサン系高屈折率樹脂組成物におけるシロキサン化合物の含有量は、溶媒を除く樹脂組成物全成分に対して10重量%〜90重量%が好ましい。この範囲でシロキサン化合物を含有することにより、塗膜の透過率と耐クラック性をより高めることができる。さらに好ましくは20重量%〜80重量%である。
加水分解反応は、溶媒中、上記したアルコキシシラン化合物に酸触媒および水を1〜180分かけて添加した後、5〜110℃で1〜180分反応させることが好ましい。このような条件で加水分解反応を行うことにより、急激な反応を抑制することができる。反応温度は、より好ましくは15〜70℃である。
また、加水分解反応によりシラノール化合物を得た後、そのまま、反応液を、50℃以上、溶媒の沸点以下で1〜100時間加熱し、縮合反応を行うことが好ましい。また、シロキサン化合物の重合度を上げるために、再加熱もしくは塩基触媒の添加を行うことも可能である。
加水分解における各種条件は、反応スケール、反応容器の大きさ、形状などを考慮して、たとえば酸濃度、反応温度、反応時間などを設定することによって、目的とする用途に適した物性を得ることができる。
加水分解反応に用いる酸触媒としては、塩酸、酢酸、蟻酸、硝酸、蓚酸、塩酸、硫酸、リン酸、ポリリン酸、多価カルボン酸あるいはその無水物、イオン交換樹脂などの酸触媒が挙げられる。特に蟻酸、酢酸またはリン酸を用いた酸性水溶液が好ましい。
これら酸触媒の好ましい含有量としては、加水分解反応時に使用される全アルコキシシラン化合物100重量部に対して、好ましくは、0.05重量部〜10重量部、特に好ましくは、0.1重量部〜5重量部である。ここで、全アルコキシシラン化合物量とは、アルコキシシラン化合物、その加水分解物およびその縮合物の全てを含んだ量のことを言い、以下同じとする。酸触媒の量を0.05重量部以上とすることでスムーズに加水分解が進行し、また10重量部以下とすることで加水分解反応の制御が容易となる。
溶媒は特に限定されないが、シロキサン系樹脂組成物の安定性、濡れ性、揮発性などを考慮して適宜選択する。溶媒は1種類のみならず2種類以上の混合物として用いることも可能である。溶媒の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類;メチルエチルケトン、アセチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノンなどのケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのアセテート類;トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの芳香族あるいは脂肪族炭化水素のほか、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシドなどを挙げることができる。これらのうち、硬化膜の透過率、耐クラック性等の点で、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、γ−ブチロラクトン等が好ましく用いられる。また、加水分解反応終了後に、さらに溶媒を添加することにより、樹脂組成物として適切な濃度に調整することも好ましい。また、目的に応じて加水分解後に、生成アルコール等を加熱および/または減圧下にて適量を留出、除去し、その後好適な溶媒を添加することも可能である。
加水分解反応時に使用される溶媒の量は、全アルコキシシラン化合物100重量部に対して、50重量部〜500重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは、80重量部〜200重量部の範囲である。溶媒の量を50重量部以上とすることでゲルの生成を抑制できる。また500重量部以下とすることで加水分解反応が速やかに進行する。
また、加水分解反応に用いる水としては、イオン交換水が好ましい。水の量は任意に選択可能であるが、アルコキシシラン化合物1モルに対して、1.0〜4.0モルの範囲で用いるのが好ましい。
本発明の低屈折率層に用いる無機微粒子は中空シリカ粒子、多孔質シリカ粒子、フッ化マグネシウム粒子を挙げることができる。これらの中でもシロキサン樹脂との相溶性が良好で、耐スクラッチ性と低屈折率性の向上には中空シリカ粒子が最も好ましい。使用されるシリカ粒子は内部が多孔質および/または中空のシリカ系粒子が好ましい。これらのシリカ系粒子をシロキサン系低屈折率樹脂組成物に導入すると、シロキサン系低屈折率樹脂組成物から得られる低屈折率膜の屈折率を1.38以下にすることが出来るだけでなく、低屈折率膜の硬度を高めることができる。シリカ粒子自体の屈折率は、1.2〜1.4であり、1.2〜1.35であるのが低屈折率性の点でより好ましい。なお、微粒子は、特許第3272111号明細書に開示されている方法や、特開2001−233611号公報に開示されている方法によって製造でき、屈折率は、特開2001−233611号公報に開示されている方法によって測定できる。このようなシリカ系微粒子としては、例えば特開2001−233611号公報に開示されているものや、特許第3272111号に開示されているもの等の一般に市販されているものを挙げることができる。
無機微粒子の導入量は、シロキサン系低屈折率樹脂組成物の全固形物に対して、好ましくは20質量%〜70質量%、さらに好ましくは30質量%〜60質量%である。導入量が20質量%を下回ると、粒子の空隙による低屈折率化効果が少なく、また、70質量%を越えると、粒子の凝集などが原因で得られる低屈折率膜が均一とならず低屈折率膜の硬度の低下、屈折率の不均一性を引き起こすことがある。
本発明の低屈折率層に用いるシロキサン系低屈折率樹脂組成物は、無機微粒子存在下、アルコキシシラン化合物を加水分解することによってシラノールを形成した後、該シラノール化合物を縮合反応させることによって得られるシロキサン系樹脂組成物であることが好ましい。
アルコキシシラン化合物は、下記一般式(4)〜(6)のいずれかで表されるアルコキシシラン化合物から選ばれた1種以上が好ましい。
Si(OR10 (4)
は水素、アルキル基、アルケニル基、アリール基またはそれらの置換体を表す。Rは硬化膜の用途により適切なものを選ぶことができる。例えば、硬化膜の耐クラック性の点からは、Rとしてフェニル基を有するアルコキシシラン化合物を用いることが好ましい。また、屈折率の低い硬化膜を得たい場合には、Rとしてメチル基やフッ素を含有するアルキル基を有するアルコキシシラン化合物を用いることが好ましい。また、Rの炭素数は1から20の範囲であることが好ましい。R10はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはブチル基を表し、それぞれ、同一でも、異なっていても良い。R10は、加水分解反応の容易さや原料入手の観点から、メチル基、エチル基が好ましい。
Si(OR11 (5)
およびRは、それぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アリール基またはそれらの置換体を表し、それぞれ、同一でも、異なっていても良い。RおよびRの炭素数は1から20の範囲であることが好ましい。R11はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはブチル基を表し、それぞれ、同一でも、異なっていても良い。R11は、加水分解反応の容易さや原料入手の観点から、メチル基、エチル基が好ましい。
Si(OR12 (6)
12はメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはブチル基を表し、それぞれ、同一でも、異なっていてもよい。R12は、加水分解反応の容易さや原料入手の観点から、メチル基、エチル基が好ましい。
これら一般式(4)〜(6)のいずれかで表されるアルコキシシラン化合物は、単独で用いても、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
一般式(4)〜(6)で表されるアルコキシシラン化合物の具体例を以下に示す。一般式(4)で表される3官能性シラン化合物としては、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、メチルトリプロポキシシラン、メチルトリイソプロポキシシラン、メチルトリブトキシシラン、エチルトリメトキシシラン、エチルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリメトキシシラン、オクタデシルトリエトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、フェニルトリイソプロポキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−クロロプロピルトリメトキシシラン、3−(N,N−ジグリシジル)アミノプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−β−(アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、β−シアノエチルトリエトキシシラン、グリシドキシメチルトリメトキシシラン、グリシドキシメチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシエチルトリエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリイソプロポキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、α−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、β−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリメトキシシラン、δ−グリシドキシブチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリメトキシシラン、(3,4−エポキシシクロヘキシル)メチルトリエトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリプロポキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリブトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン、2−(3,4−エポキシシクロヘキシル)エチルトリエトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリメトキシシラン、3−(3,4−エポキシシクロヘキシル)プロピルトリエトキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリメトキシシラン、4−(3,4−エポキシシクロヘキシル)ブチルトリエトキシシラン、トリフルオロメチルトリメトキシシラン、トリフルオロメチルトリエトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリエトキシシラン、パーフルオロプロピルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロプロピルエチルトリエトキシシラン、パーフルオロペンチルエチルトリメトキシシラン、パーフルオロペンチルエチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリメトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリエトキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリプロポキシシラン、トリデカフルオロオクチルトリイソプロポキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリメトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルトリエトキシシランなどが挙げられる。
一般式(5)で表される2官能性シラン化合物としては、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン、メチルビニルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、グリシドキシメチルジメトキシシラン、グリシドキシメチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシエチルメチルジエトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、α−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジプロポキシシラン、β−グリシドキシプロピルメチルジブトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジメトキシエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルエチルジエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルビニルジエトキシシラン、トリフルオロプロピルメチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルメチルジエトキシシラン、トリフルオロプロピルエチルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルエチルジエトキシシラン、トリフルオロプロピルビニルジメトキシシラン、トリフルオロプロピルビニルジエトキシシラン、ヘプタデカフルオロデシルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジメトキシシラン、3−クロロプロピルメチルジエトキシシラン、シクロヘキシルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、オクタデシルメチルジメトキシシランなどが挙げられる。これらのうち、得られる塗布膜に可撓性を付与させる目的には、ジメチルジアルコキシシランが好ましく用いられる。
一般式(6)で表される4官能性シラン化合物としては、テトラメトキシシラン、テトラエトキシシランなどが挙げられる。
シロキサン系低屈折率樹脂組成物の屈折率を下げる、あるいは撥水性を付与する場合には、フッ素を有する有機基を含有するアルコキシシロキサン化合物を含むことが好ましい。フッ素を含有する有機基の例としては、トリフルオロメチル基、トリフルオロプロピル基、パーフルオロプロピル基、パーフルオロペンチル基、トリデカフルオロオクチル基などが挙げられる。フッ素含有量を増やすことで屈折率の低い膜が得られることから、シロキサン系低屈折率樹脂組成物の全固形分に対して10質量%以上、より好ましくは15質量%以上のフッ素を含有することが好ましい。屈折率をさらに低くするにはフッ素を含有する有機基を含有し、かつ芳香環を含有しないアルコキシシラン化合物を用いることが好ましい。
本発明で用いられるシロキサン系低屈折率樹脂組成物は、全固形分に対して20質量%以上であることが好ましい。より好ましくは30質量%以上である。
アルコキシシラン化合物の加水分解反応は酸触媒の存在下で行うことが好ましい。酸触媒としては、蟻酸、蓚酸、塩酸、硫酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、リン酸、ポリリン酸、多価カルボン酸あるいはその無水物、イオン交換樹脂などの酸触媒が挙げられる。特に、コーティング剤の安定性の点から、蟻酸、酢酸またはリン酸を含む酸性水溶液が好ましい。これら酸触媒の含有量は、加水分解反応時に使用される全シラン化合物100質量部に対して、好ましくは0.05質量部〜10質量部、さらに好ましくは0.1質量部〜5質量部である。酸触媒の量が0.05質量部を下回ると、加水分解反応が十分進行しないことがあり、10質量部を越えると、加水分解反応をうまく制御できないことがある。また、一方のアルコキシシラン化合物を加水分解したシラノール反応溶液中の残存酸を利用し、他方残りのアルコキシシラン化合物と水を混合して任意の反応条件で加水分解させることも、二つ以上の異なる加水分解性の違いを利用し、効率的に合成を行う点で何ら問題ない。
溶媒は特に限定されないが、シロキサン系低屈折率樹脂組成物の安定性、濡れ性、揮発性などを考慮して適宜選択する。溶媒は1種類のみならず2種類以上の混合物として用いることも可能である。溶媒の具体例としては、例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、ペンタノール、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類;エチレングリコール、プロピレングリコールなどのグリコール類;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテル、ジエチルエーテルなどのエーテル類;メチルエチルケトン、アセチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノンなどのケトン類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミドなどのアミド類;エチルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのアセテート類;トルエン、キシレン、ヘキサン、シクロヘキサンなどの芳香族あるいは脂肪族炭化水素のほか、γ−ブチロラクトン、N−メチル−2−ピロリドン、ジメチルスルホキシド、フッ素系溶媒などを挙げることができる。これらのうち、硬化膜の透過率、耐クラック性等の点で、イソプロパノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、γ−ブチロラクトン等が好ましく用いられる。また、加水分解反応終了後に、さらに溶媒を添加することにより、樹脂組成物として適切な濃度に調整することも好ましい。また、目的に応じて加水分解後に、生成アルコール等を加熱および/または減圧下にて適量を留出、除去し、その後好適な溶媒を添加することも可能である。
加水分解反応時に使用される溶媒の量は、全アルコキシシラン化合物100重量部に対して、50重量部〜500重量部の範囲が好ましく、特に好ましくは、80重量部〜200重量部の範囲である。溶媒の量を50重量部以上とすることでゲルの生成を抑制できる。また500重量部以下とすることで加水分解反応が速やかに進行する。加水分解時の反応温度は、用いる化合物によって任意の温度に決定されるが、速やかに加水分解反応を進行させ、反応を抑制する点から1〜130℃が好ましい。1℃より低い場合は未加水分解物が主成分となり、さらに130℃を越えるとゲル化物が主成分となる場合がある。また、さらに好ましくは室温〜70℃の範囲で行うことが好ましい。1℃より低い場合は未加水分解物が主成分となり、さらに130℃を越えるとゲル化物が主成分となる場合がある。また、さらに好ましくは室温〜70℃の範囲で行うことが好ましい。
また、加水分解反応に用いる水としては、イオン交換水が好ましい。水の量は任意に選択可能であるが、アルコキシシラン化合物1モルに対して、1.0〜4.0モルの範囲で用いるのが好ましい。
本発明のシロキサン系低屈折率樹脂組成物を得るためのアルコキシシラン加水分解物の縮合反応の条件は、加水分解後、そのままの反応液を用いて、還流下で1〜100時間縮合反応を行うのが好ましい。シロキサン化合物の重合度を上げるために、再加熱もしくは塩基触媒の添加を行うことも可能である。
加水分解及び縮合反応における各種条件は、反応スケール、反応容器の大きさ、形状などを考慮して、たとえば酸濃度、反応温度、反応時間などを設定することによって、目的とする用途に適した物性を得ることができる。
本発明の高屈折率層、低屈折率層のコーティング材料には、樹脂組成物の硬化を促進させる、あるいは硬化を容易にする各種の硬化剤を含有しても良い。硬化剤の具体例としては、窒素含有有機物、シリコーン樹脂硬化剤、各種金属アルコレート、各種金属キレート化合物、イソシアネート化合物およびその重合体、メラミン樹脂、多官能アクリル樹脂、尿素樹脂などがあり、これらを一種類、ないし2種類以上含有しても良い。なかでも、硬化剤の安定性、得られた塗布膜の加工性などから金属キレート化合物が好ましく用いられる。用いられる金属キレート化合物としてはチタニウムキレート化合物、ジルコニウムキレート化合物、アルミニウムキレート化合物および、マグネシウムキレート化合物が挙げられる。これらの金属キレート化合物は、金属アルコキシドにキレート化剤を反応させることにより容易に得ることができる。キレート化剤の例としては、アセチルアセトン、ベンゾイルアセトン、ジベンゾイルメタンなどのβ−ジケトン;アセト酢酸エチル、ベンゾイル酢酸エチルなどのβ−ケト酸エステルなどを用いることができる。金属キレート化合物の好ましい具体的な例としては、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)、アルミニウムトリス(アセチルアセトネート)等のアルミニウムキレート化合物、エチルアセトアセテートマグネシウムモノイソプロピレート、マグネシウムビス(エチルアセトアセテート)、アルキルアセトアセテートマグネシウムモノソプロピレート、マグネシウムビス(アセチルアセトネート)等のマグネシウムキレート化合物が挙げられる。含有される硬化剤の量は、シロキサン系樹脂組成物中の全アルコキシシラン化合物100重量部に対して、好ましくは0.1重量部〜20重量部であり、特に好ましくは、3重量部〜15重量部である。
本発明の高屈折率層、低屈折率層のコーティング材料には、塗布時におけるフロー性や膜厚の均一性向上のために、各種界面活性剤を含有してもよい。界面活性剤の種類に特に制限はなく、例えば、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ポリアルキレンオキシド系界面活性剤、ポリ(メタ)アクリレート系界面活性剤などを用いることができる。これらのうち、フロー性や膜厚均一性の観点から、フッ素系界面活性剤が用いられ、低屈折率層との密着性向上、ひいては硬度向上の観点から、シリコーン系界面活性剤が好ましく用いられる。
シリコーン系界面活性剤の市販品としては、SH28PA、SH7PA、SH21PA、SH30PA、ST94PA(いずれも東レ・ダウコーニング・シリコーン(株)製)、BYK−333(ビックケミー・ジャパン(株)製)などが挙げられる。その他の界面活性剤の例としては、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンジステアレートなどが挙げられる。
フッ素系界面活性剤の具体的な例としては、1,1,2,2−テトラフロロオクチル(1,1,2,2−テトラフロロプロピル)エーテル、1,1,2,2−テトラフロロオクチルヘキシルエーテル、オクタエチレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサエチレングリコール(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、オクタプロピレングリコールジ(1,1,2,2−テトラフロロブチル)エーテル、ヘキサプロピレングリコールジ(1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロペンチル)エーテル、パーフロロドデシルスルホン酸ナトリウム、1,1,2,2,8,8,9,9,10,10−デカフロロドデカン、1,1,2,2,3,3−ヘキサフロロデカン、N−[3−(パーフルオロオクタンスルホンアミド)プロピル]−N,N′−ジメチル−N−カルボキシメチレンアンモニウムベタイン、パーフルオロアルキルスルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル−N−エチルスルホニルグリシン塩、リン酸ビス(N−パーフルオロオクチルスルホニル−N−エチルアミノエチル)、モノパーフルオロアルキルエチルリン酸エステルなどの末端、主鎖および側鎖の少なくとも何れかの部位にフルオロアルキルまたはフルオロアルキレン基を有する化合物からなるフッ素系界面活性剤を挙げることができる。また、市販品としては、メガファックF142D、同F172、同F173、同F183(以上、大日本インキ化学工業(株)製)、エフトップEF301、同303、同352(新秋田化成(株)製)、フロラードFC−430、同FC−431(住友スリーエム(株)製))、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(旭硝子(株)製)、BM−1000、BM−1100(裕商(株)製)、NBX−15、FTX−218((株)ネオス製)などのフッ素系界面活性剤を挙げることができる。これらの中でも、上記メガファックF172,BM−1000,BM−1100,NBX−15、FTX−218がフロー性や膜厚均一性の観点から特に好ましい。
界面活性剤の含有量は、シロキサン系樹脂組成物中の全アルコキシシラン化合物含有量100重量部に対して、通常、0.001〜10重量部である。これらは、1種あるいは2種以上を同時に使用しても良い。
本発明の高屈折率層、低屈折率層のコーティング材料には、必要に応じて、粘度調整剤、安定化剤、着色剤、ガラス質形成剤などを含有することができる。
また、本発明の高屈折率層及び低屈折率層は、シロキサン化合物の反応性基を選択することで低温および/または紫外線、電子線による硬化、形成を行うことも好ましく行われる。そのために、各種の熱および/または光重合開始剤を用いることが好ましい。低温による熱硬化の場合は、熱ラジカル重合開始剤、熱酸発生剤、熱塩基発生剤が挙げられる。光硬化の場合は光ラジカル重合開始剤、光酸発生剤、光塩基発生剤が挙げられる。
熱ラジカル重合開始剤としては、過酸化物として、過酸化ベンゾイル、過酸化ハロゲンベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化アセチル、過酸化ジブチル、クメンヒドロパーオキサイド、ブチルヒドロパーオキサイド、無機過酸化物として、過酸化水素、過硫酸アンモニウム、過硫酸カリウムが挙げられる。また、アゾ化合物として、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、ジアゾ化合物として、ジアゾアミノベンゼン、p−ニトロベンゼンジアゾニウムなどが挙げられる。
アゾ系化合物としては、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2'-アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス[2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン]ジヒドロクロライド、2,2−アゾビス(4−メトキシ2,4−ジメチルバレロニトリル)が挙げられる。
ポリマー中のシラノール基の重縮合を促進するために、熱酸発生剤や熱塩基発生剤を用いてもよい。
熱酸発生剤としては、スルフォニウム塩、芳香族ジアゾニウム塩、ジアリールヨードニウム塩、トリアリールスルフォニウム塩、トリアリールセレニウム塩等の各種オニウム塩系化合物、スルフォン酸エステル、ハロゲン化合物等が挙げられる。例えば、SI−60、SI−80、SI−100、SI−110、SI−145、SI−150、SI−60L、SI−80L、SI−100L、SI−110L、SI−145L、SI−150L、SI−160L、SI−180L(以上、商品名、三新化学工業(株)製)、4−ヒドロキシフェニルジメチルスルホニウム、ベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−ヒドロキシフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−アセチルフェニルメチルスルホニウム、2−メチルベンジル−4−ベンゾイルオキシフェニルメチルスルホニウム、これらのメタンスルホン酸塩、トリフルオロメタンスルホン酸塩、カンファースルホン酸塩、p−トルエンスルホン酸塩が挙げられる。この中でも、層形成材料を60℃〜130℃以下の低温から中温で硬化及び乾燥させる場合、SI−15、SI−20、SI−25、SI−40、SI−45、SI−47,SI−60、SI−80、SI−100を用いるのが好ましい。
熱塩基発生剤としては1−メチル−1−(4−ビフェニルイル)エチルカルバメート、1,1−ジメチル−2−シアノエチルカルバメートなどのカルバメート誘導体、尿素やN,N−ジメチル−N’−メチル尿素などの尿素誘導体、1,4−ジヒドロニコチンアミドなどのジヒドロピリジン誘導体、有機シランや有機ボランの四級化アンモニウム塩、ジシアンジアミドなどが挙げられる。
光ラジカル重合開始剤としては、アセトフェノン類、ベンゾイン類、ベンゾフェノン類、チオキサントン類、メルカプト類、グリシン類、オキシム類、ベンジリデン類、クマリン類、アントラキノン類などが挙げられ、アセトフェノン類の例には、アセトフェノン、2,2−ジメトキシアセトフェノン、2,2−ジエトキシアセトフェノン、p−ジメチルアセトフェノン、1−ヒドロキシ−ジメチルフェニルケトン、2−フェニル−2−(p−トルエンスルフォニロキシ)アセトフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−メチル−4−メチルチオ−2−モルフォリノプロピオフェノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン、4−フェノキシジクロロアセトフェノン、4−t−ブチル−ジクロロアセトフェノンが含まれる。ベンゾイン類の例には、ベンゾイン、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンジルジメチルケタール、ベンゾインベンゼンスルホン酸エステル、ベンゾイントルエンスルホン酸エステル、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテルおよびベンゾインイソプロピルエーテルが含まれる。ベンゾフェノン類の例には、ベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、ヒドロキシベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4'−メチルジフェニルサルファイド、2,4−ジクロロベンゾフェノン、4,4−ジクロロベンゾフェノンおよびp−クロロベンゾフェノン、4,4'−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、3,3',4,4'−テトラ(t−ブチルパーオキシカルボニル)ベンゾフェノンが含まれる。チオキサントン類の例には、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントンなどのチオキサントン類が含まれる。メルカプト類の例には、エチレングリコールジ(3−メルカプトプロピオネート)、2−メルカプトベンズチアゾール、2−メルカプトベンゾキサゾール、2−メルカプトベンズイミダゾールが含まれる。グリシン類の例には、N−フェニルグリシン、N−メチル−N−フェニルグリシン、N−エチル−N−(p−クロロフェニル)グリシン、N−(4−シアノフェニル)グリシンが含まれる。オキシム類の例には、1−フェニル−1,2−ブタンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−メトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−エトキシカルボニル)オキシム、1−フェニル−1,2−プロパンジオン−2−(o−ベンゾイル)オキシム、ビス(α−イソニトロソプロピオフェノンオキシム)イソフタル、1,2−オクタンジオン−1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−2−(o−ベンゾイルオキシム)が含まれる。ベンジリデン類の例には、3,5−ビス(ジエチルアミノベンジリデン)−N−メチル−4−ピペリドン、3,5−ビス(ジエチルアミノベンジリデン)−N−エチル−4−ピペリドンが含まれる。クマリン類の例には、7−ジエチルアミノ−3−テノニルクマリン、4,6−ジメチル−3−エチルアミノクマリン、3,3−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、7−ジエチルアミノ−3−(1−メチルメチルベンゾイミダゾリル)クマリン、3−アントラキノン(2−ベンゾチアゾリル)−7−ジエチルアミノクマリンが含まれる。2−t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン、1,2−ベンズアントラキノンが含まれる。これらの開始剤は単独でも混合して用いてもよい。
その中でも好ましく用いられる光開裂型及び水素引き抜き型の光ラジカル重合開始剤としては、チバ・スペシャルティ・ケミカルズ社製のイルガキュア(商品名)(651、184、754、819、907、1870、500、369、1173、2959、4265、4263など)、日本化薬(株)製のKAYACURE(DETX−S、BP−100、BDMK、CTX、BMS、2−EAQ、ABQ、CPTX、EPD、ITX、QTX、BTC、MCAなど。いずれも商品名)が挙げられる。これらの光ラジカル重合開始剤は単独あるいは2種以上のものを所望の性能に応じて配合して使用することができる。
ポリマー中のシラノール基の重縮合を促進するために、光酸発生剤や光塩基発生剤を用いてもよい。
光酸発生剤としては、オニウム塩化合物、ハロゲン含有化合物、ジアゾケトン化合物、ジアゾメタン化合物、スルホン化合物、スルホン酸エステル化合物、スルホンイミド化合物などを例として挙げることができる。
オニウム塩化合物の具体的な例としては、ジアゾニウム塩、アンモニウム塩、ヨードニウム塩、スルホニウム塩、ホスホニウム塩、オキソニウム塩などを挙げることができる。好ましいオニウム塩としてはジフェニルヨードニウムトリフレート、ジフェニルヨードニウムピレンスルホネート、ジフェニルヨードニウムドデシルベンゼンスルホネート、トリフェニルスルホニウムトリフレート、トリフェニルスルホニウムヘキサフルオロアンチモネート、トリフェニルスルホニウムナフタレンスルホネート、(ヒドロキシフェニル)ベンジルメチルスルホニウムトルエンスルホネートなどが挙げられる。
ハロゲン含有化合物の具体的な例としては、ハロアルキル基含有炭化水素化合物、ハロアルキル基含有ヘテロ環状化合物などが挙げられる。好ましいハロゲン含有化合物としては1,1−ビス(4−クロロフェニル)−2,2,2−トリクロロエタン、2−フェニル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジン、2−ナフチル−4,6−ビス(トリクロロメチル)−s−トリアジンなどを挙げることができる。
ジアゾケトン化合物の具体的な例としては、1,3−ジケト−2−ジアゾ化合物、ジアゾベンゾキノン化合物、ジアゾナフトキノン化合物などが挙げられる。好ましいジアゾケトン化合物は1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸と2,2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノンとのエステル、1,2−ナフトキノンジアジド−4−スルホン酸と1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンとのエステルなどを挙げることができる。
ジアゾメタン化合物の具体的な例としては、ビス(トリフルオロメチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(シクロヘキシルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(フェニルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−トリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(2,4−キシリルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(p−クロロフェニルスルホニル)ジアゾメタン、メチルスルホニル−p−トルエンスルホニルジアゾメタン、シクロヘキシルスルホニル(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、ビス(1,1−ジメチルエチルスルホニル)ジアゾメタン、フェニルスルホニル(ベンゾイル)ジアゾメタン等を挙げることができる。
スルホン化合物の具体的な例としては、β−ケトスルホン化合物、β−スルホニルスルホン化合物などが挙げられる。好ましい化合物としては、4−トリスフェナシルスルホン、メシチルフェナシルスルホン、ビス(フェニルスルホニル)メタンなどが挙げられる。
スルホン酸エステル化合物の例としては、アルキルスルホン酸エステル、ハロアルキルスルホン酸エステル、アリールスルホン酸エステル、イミノスルホネートなどが挙げられる。スルホン酸化合物の具体的な例としてはベンゾイントシレート、ピロガロールトリメシレート、ニトロベンジル−9,10−ジエトキシアントラセン−2−スルホネートなどを挙げることができる。
スルホンイミド化合物の具体的な例としてはN−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)フタルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(カンファースルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−メチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシミド、N−(2−トリフルオロメチルフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)スクシンイミド、N−(2−フルオロフェニルスルホニルオキシ)フタルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ジフェニルマレイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)−7−オキサビシクロ[2.2.1]ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ビシクロ[2.2.1]ヘプタン−5,6−オキシ−2,3−ジカルボキシルイミド、N−(4−フルオロフェニルスルホニルオキシ)ナフチルジカルボキシルイミド等を挙げることができる。
その他、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミジルトリフレート(商品名「NDI−105」 みどり化学(株)製)、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミジル トシレート(商品名「NDI−101」 みどり化学(株)製)、4−メチルフェニルスルフォニルオキシイミノ−α−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル(商品名「PAI−101」 みどり化学(株)製)、トリフルオロメチルスルフォニルオキシイミノ−α−(4−メトキシフェニル)アセトニトリル(商品名「PAI−105」 みどり化学(株)製)、9−カンファースルフォニルオキシイミノ α−4−メトキシフェニルアセトニトリル(商品名「PAI−106」 みどり化学(株)製)、1,8−ナフタルイミジル ブタンスルフォネート(商品名「NAI−1004」 みどり化学(株)製)、1,8−ナフタルイミジル トシレート(商品名「NAI−101」 みどり化学(株)製)、1,8−ナフタルイミジル トリフレート(商品名「NAI−105」 みどり化学(株)製)、1,8−ナフタルイミジル ノナフルオロブタンスルフォネート(商品名「NAI−109」 みどり化学(株)製)等も例として挙げることができる。
これらの光酸発生剤は単独あるいは2種以上用いることもできる。光酸発生剤の含有量は一般的にシロキサン化合物100重量部に対して0.01〜20重量部であり、より好ましくは0.1〜10重量部である。0.01重量部より少ないとパターン形成が困難となり、20重量部より多いと現像液との親和性低下による現像不良や、光酸発生剤自体の析出などが発生することがある。
光塩基発生剤としては、例えばアミンが発生するものとしては、ベンジルカルバメート類、ベンゾインカルバメート類、O−カルバモイルヒドロキシアミン類、O−カルバモイルオキシム類など、およびR−N−CO−OR(ここで、R、Rは水素または炭素数1〜3の炭化水素基、Rはニトロベンジルまたはα−メチルニトロベンジルである。)が挙げられる。
熱および/または光重合開始剤の添加量は、コーティング材料中の固形分全量に対して、0.1〜15質量%の範囲で使用することが好ましく、より好ましくは1〜10質量%の範囲である。0.1質量%を下回ると、硬化不良となり、表面硬度の高いコーティング膜を得にくい。また、15質量%を上回ると、耐クラック性が低下することがある。
本発明ではさらに光増感剤を用いてもよい。光増感剤の具体例として、n−ブチルアミン、トリエチルアミン、トリ−n−ブチルホスフィン、ミヒラーケトンおよびチオキサントンなどを挙げることができる。さらにアジド化合物、チオ尿素化合物、メルカプト化合物などの助剤を1種以上組み合わせて用いてもよい。光増感剤としては、日本化薬(株)製のKAYACURE(DMBI、EPA、いずれも商品名)などが挙げられる。
本発明の高屈折率層、低屈折率層のコーティング材料は、固形分が適当な濃度となるよう溶媒を用いて濃度を調整してもよい。濃度に特に制限はないが、例えば、フィルムに塗布する場合は、固形分濃度を1.5〜50質量%とするのが一般的である。溶媒は2種以上含有してもかまわない。溶媒の具体的な例としては、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールジブチルエーテルなどのエーテル類、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピルアセテート、ブチルアセテート、イソブチルアセテート、3−メトキシブチルアセテート、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチルなどのアセテート類、アセチルアセトン、メチルプロピルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、2−ヘプタノンなどのケトン類、メタノール、エタノール、プロパノール、2−プロパノール、ブタノール、イソブチルアルコール、ペンタノ−ル、4−メチル−2−ペンタノール、3−メチル−2−ブタノール、3−メチル−3−メトキシ−1−ブタノール、ジアセトンアルコールなどのアルコール類、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素類、γ−ブチロラクトン、N−メチルピロリジノンなどが挙げられる。これらのうち、特に好ましい溶媒の例は、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノプロピルエーテル、プロピレングリコールモノブチルエーテル、メタノール、2−プロパノール、メチルイソブチルケトンなどである。
本発明の高屈折率層、低屈折率層のコーティング材料における全溶媒の含有量は、全固形物100質量部に対して、30質量部以上が好ましく、50質量部以上が好ましい。一方、9900質量部以下が好ましく、5000質量部以下がより好ましい。
本発明に用いられる低屈折率層の屈折率は、1.25〜1.45であることが好ましい。さらに好ましくは1.28〜1.37である。また、高屈折率層の屈折率よりも0.20以上小さいことが必要である。高屈折率層と低屈折率層の屈折率差を0.20以上にすることで視感反射率を効果的に低減することができる。低屈折率層の屈折率を1.25〜1.45にするためには、例えばシロキサン系低屈折率樹脂組成物中の内部が多孔質および/または空洞を有する無機粒子の添加量を20質量%〜70質量%にすることにより、目的の屈折率を得ることができる。1.45をこえると高屈折率層との屈折率差が小さく、良好な反射防止性が得られない場合がある。1.25を下回ると、高屈折率層との差が大きく反射率の波長依存性が高くなる場合がある。
本発明に用いられる低屈折率層を上記のように高屈折率層の表面に形成することにより、反射防止性の優れた光学物品を得ることができる。この場合、本発明に用いられる低屈折率層の屈折率が小さいほど光学物品の反射率が低減する。すなわち、可視光域(380〜780nm)の最低反射率によって低屈折性を奏することができ、光学物品としての反射防止性も発現する。
低屈折率層が単層で構成される反射防止膜の場合、低屈折率層の光学膜厚ndが、可視光の波長λの4分の1となるとき、すなわち、nd=1/4λ(式中、λは反射防止の中心波長)の条件が成り立つ時に、λの波長で反射率が最も低くなることから、低屈折率層の厚さを設定することができる。たとえば、屈折率n=1.35でλ=550nmの時、低屈折率層の厚さは約100nmが好ましいといえる。低屈折率塗料中に微粒子を有する場合は粒子径よりも大きな膜厚さで形成することが望ましい。40nm以上200nm以下が好ましく、80nm以上130nm以下が表面硬度、反射率制御の点でより好ましい。
また、高屈折率層中には高屈折率化、帯電防止化を目的としてさらに金属酸化物、あるいは導電性ポリマーを含有してもよい。金属酸化物としては、粒子径が5nm〜100nmのジルコニウム、インジウム、アンチモン、亜鉛、スズ、セリウム及びチタンよりなる群から選ばれる金属酸化物およびこれらの複合酸化物が挙げられる。なかでもインジウムとスズからなる複合酸化物(ITO)、またはスズとアンチモンからなる複合酸化物(ATO)は高屈折率化に加えて導電性が付与でき、また帯電防止性を与えることができる。また、導電性ポリマーとしては、例えばポリアセチレン、ポリチオフェン、ポリ(3−アルキル)チオフェン、ポリピロール、ポリイソチアナフタレン、ポリエチレンジオキシチオフェン、ポリ(2,5−ジアルコキシ)パラフェニレンビニレン、ポリパラフェニレン、ポリヘプタジイン、ポリ(3−ヘキシル)チオフェン及びポリアニリンなどが挙げられる。
帯電防止性能を発現でき、透明性を損なわないという点で、高屈折率層の表面抵抗が1×1012(Ω/□)以下、さらに好ましくは1×1010(Ω/□)以下であることが好ましい。表面抵抗値が1×1012(Ω/□)を越えると、帯電防止性が損なわれ、静電気によって塵付着が生じ、視認性低下を引き起こす場合がある。
本発明の光学物品には、上記の態様の他に近赤外線吸収層および/または染料を含有する層をさらに設けてもよい。これらの層は透明基材の少なくとも一方の表面に設けてあればよく、両面に設けてもよい。なお高屈折率層と低屈折率層の間に形成されると、両層との屈折率差が小さくなり低反射率層が有効に機能せず、反射率特性が不良になり好ましくない。近赤外線吸収層および/または染料を含有する層を設けた光学物品は、例えば反射防止性を有する光学フィルムとして各種ディスプレイの前面板等に利用される。特にプラズマディスプレイパネル(PDP)用の反射防止フィルムに適している。PDPからはプラズマ放電による近赤外線が放出するが、この近赤外線は周辺の電子機器に影響を及ぼし、PDP自体についてもリモコンの誤動作を引き起こすことがある。上記の光学物品を用いることによって、特定の波長領域の光を遮蔽し、周辺の電子機器に与えるプラズマ放電による影響を抑制できる。
近赤外線吸収層を形成する化合物(近赤外線吸収化合物)としては、アントラキノン化合物、フタロシアニン系化合物、ナフタロシアニン系化合物、金属酸化物系微粉末、イモニウム系化合物、ジイモニウム系化合物、アミニウム塩系化合物、チオウレア化合物、ビスチオウレア化合物、四角酸系化合物、金属錯体化合物が挙げられる。シアニン色素、メロシアニン色素、(チオ)ピリリウム色素、ナフトラクタム色素、ペンタセン色素、オキシインドリジン色素、キノイド色素、アミニウム色素、ジインモニウム色素、インドアニリン色素、ニッケルチオ錯体色素などである。
染料を用いる場合は、ディスプレイの発光3原色の吸収が少ないものを選択することが好ましい。特にネオン光といわれている595nm付近の波長をカットすることにより、赤の色純度向上と色再現性を向上できる。本発明で用いられる染料としては、シアニン系化合物、オキソノール系化合物、トリフェニルメタン系化合物、ジフェニルメタン系化合物、キサンテン系化合物、チアジン系化合物などが用いられる。また各種の染料を用いることでニュートラルグレー化することによりコントラストの向上ができる。発光3原色の吸収が少ない染料として、例えば、スクアリリウム系、シアニン系、アゾ系、アゾメチン系、オキソノール系、ベンジリデン系、キサンテン系、メトロシアニン系などが挙げられる。
次に、本発明の光学物品の製造方法について一例を挙げて説明する。透明基材にコーティング材料を塗布し、コーティング膜を形成する。塗布方法としては、マイクログラビアコーティング、スピンコーティング、ディップコーティング、カーテンフローコーティング、ロールコーティング、スプレーコーティング、流し塗り法などがあるが、反射防止性の均一性、すなわち反射光色のムラ防止の観点からはマイクログラビアコーティングがとくに好適に用いられる。
本発明に用いる透明基材はフィルム状に巻き取りができ、透明なものであれば特に限定されないが、プラスチック製フィルムの場合厚みが30〜250μmであることが好ましい。生産性の点から30μm以上が好ましく、フィルムとしての巻き取り性の点で250μm以下が好ましい。粘着剤を介してフィルム貼り合わせていく場合はフィルムの厚みが100μm以上あることが生産性の点で好ましく、0.4mm以上1mm以下の反射防止基材として形成する場合には、フィルム厚さを180μm以上250μ以下であることがより好ましい。また、ヘーズ(曇り度を表す指標)が40%以下、さらに好ましくは20%以下である。ヘーズ値が40%以下であれば染料、顔料などで着色されていてもよい。中でも、透明性、屈折率、分散などの光学特性、耐衝撃性、耐熱性、耐久性、機械的強度、耐薬品性、成形性などの諸物性からみて、プラスチックス材料が特に好ましく用いられる。具体的にはポリエステル、特にポリエチレンテレフタレート、及び不飽和ポリエステル、アクリロニトリル−スチレン共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリカーボネートなどの樹脂が好ましい。また高屈折率層との付着性、硬度、耐薬品性、耐熱性、耐久性などの諸物性を向上させることができることから、透明基材にハードコート膜を塗布したものを用いてもよい。
また本発明で用いる透明基材の表面は洗浄されていることが好ましい。洗浄方法としては界面活性剤による汚れ除去、さらには有機溶剤による脱脂、蒸気洗浄、エアースプレーを噴射し、洗浄する方法がある。また密着性、耐久性の向上のために、コーティング材料を塗布する前にあらかじめ基材表面に各種の前処理を施すことも有効な手段であり、活性化ガス処理、酸、アルカリなどによる薬品処理があげられる。
上記の方法を用いて基材上に塗布し、場合に応じて加熱、乾燥、硬化させる。加熱、乾燥方法としては適用されている基材、及び膜成分によって決定されるが、通常フィルム基材には室温以上、200℃以下の温度で通常は0.5分間から240分間の処理を行う。また、光重合性基を有するポリマーを用いる場合、塗膜の形成後、加熱、乾燥、硬化の際に可視領域よりも波長の短い紫外線を照射しながら膜形成してもよいし、また加熱、乾燥、硬化後に可視領域よりも波長の短い紫外線を照射することで膜形成してもよい。
本発明の光学物品は、光学用素子や反射防止性を有する光学フィルムとしてブラウン管(CRT)、液晶ディスプレイ(LCD)、PDP、フィールドエミッションディスプレイ(FED)など各種ディスプレイの前面板等に利用される。
以下実施例および技術をあげて本発明を説明するが、本発明はこれらの例によって限定されるものではない。
硬化膜の作製および積層
透明基材であるPETフィルム(厚さ100μm、東レ(株)製)上にシロキサン系樹脂組成物を、メタリングバーを用いたハンドコーティングにより、硬化後の膜厚が各実施例および比較例の値となるように塗布し、ついで熱風乾燥機を用いて、90℃で2分間乾燥した。その後高圧水銀灯1灯(120W)を備えた、コンベアー式UV照射装置に、3m/分の速度で紫外線照射処理(紫外線に換算した場合約450mJ/cm)を行い高屈折率層付き基材を得た。さらに、シロキサン系低屈折率樹脂組成物を、メタリングバーを用いたハンドコーティングにより硬化後の膜厚が100〜110nmとなるように塗布し、ついで熱風乾燥機を用いて、130℃で5分間乾燥した。その後高圧水銀灯1灯(120W)を備えた、コンベアー式UV照射装置に、3m/分の速度で紫外線照射処理(紫外線に換算した場合約450mJ/cm)を行い、高屈折率層と低屈折率層が積層した光学物品を得た。
高屈折率層の膜厚測定
透明基材であるPETフィルム上に塗布して得られた高屈折率層付き基材に基材側から切り込みを入れ、引き裂くようにカッティングして、高屈折率層断面を観察するためのサンプルを作る。このサンプルを走査型電子顕微鏡で観察し、透明基材との界面から高屈折率層表面までの距離を観察(3千〜3万倍程度)し、スケールを用いて求めることができる。サンプリングは3cm間隔で4点行い、測定した値(小数点第2位まで読みとる、単位:μm)の平均で示した。
耐クラック性
得られた光学物品を直径20mmのステンレス棒に巻き付けて試験し、クラック発生の有無を目視にて確認した。なお、試験前にすでにクラックが発生しているものは「×」で表した。
耐スクラッチ性:スチールウール硬度評価
#0000のスチールウールを用いて各サンプルのコーティング膜面に500mPaの荷重をかけ、10往復したときの傷の本数を観察し下記基準にて評価した。耐スクラッチ性は4、5級であれば良好である。
5級:傷なし
4級:傷1〜5本
3級:傷6〜10本
2級:傷11本以上
1級:全面傷
耐スクラッチ性:鉛筆硬度評価
太佑機材(株)製鉛筆引掻値試験機を用いて、荷重500g±5gにて5回の試験を行い傷の有無を観察した。結果は3回以上傷が付いていない鉛筆の硬度で表した。
全光線透過率測定
JIS K 7105に基づき、日本電色工業(株)製濁度計NDH 2000を用いて測定を行った。全光線透過率は85%以上であることが望ましい。
反射率測定
測定面(低屈折率層を設けた側の面)の反対側表面を、60℃光沢度(JIS Z 8741)が10以下になるように320〜400番の耐水サンドペーパーで均一に粗面化した後、可視光線透過率が5%以下となるように黒色塗料を塗布して着色した。
測定面を島津製作所製の分光光度計(UV−3150)にて、測定面から5度の入射角で、波長領域380nm〜780nmにおける絶対反射率スペクトルを測定し、最小値(%)で表した。なお、反射スペクトルにうねりがある場合は、隣り合ううねりの山(極大点)と谷(極小点)の中間点を結んで反射率スペクトルとした。
屈折率の測定
6インチシリコンウエハ上に塗布・乾燥して作製した硬化膜について、プリズムカプラーMODEL2010(Metricon(株)製)を用いて、22℃での633nm(He−Neレーザー使用)における膜面に対して垂直方向の屈折率(TE)を測定した。
実施例1
メチルトリメトキシシラン 38.2g(0.28mol)、フェニルトリメトキシシラン 23.81g(0.12mol)、数平均粒子径15nmの”オプトレイクTR−527”(商品名、触媒化成工業(株)製 組成:酸化チタン粒子20重量%、メタノール80重量%)250.18gを反応容器に入れ、この溶液に、水21.62gおよびリン酸0.31gを、撹拌しながら、反応温度が40℃を越えないように滴下した。滴下後、フラスコに蒸留装置を取り付け、得られた溶液をバス温90℃で2.5時間加熱撹拌して加水分解により生成したメタノールを留去しつつ反応させた。その後、溶液をバス温130℃でさらに2時間加熱撹拌した後、室温まで冷却し、ポリマー溶液A1を得た。得られたポリマー溶液Aに、アルミニウム系硬化剤として、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)(商品名 ALCH−TR、川研ファインケミカル(株)社製)2.5gおよびプロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル85gを添加して、シロキサン系樹脂組成物溶液「H1」を得た。
別に、メチルトリメトキシシラン 60g、 3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン 41.2g、2−プロパノール300g、2−プロパノール分散型中空シリカゾル(屈折率1.30、固形分20.5質量%)188gを反応容器に入れ、この溶液に、1Nギ酸水溶液34.84gを撹拌しながら、反応温度が40℃を越えないように滴下した。そのまま約1時間撹拌を行い、その後、70℃に設定したオイルバスを用いて昇温し反応溶液の温度を70℃で2時間、撹拌した後、室温まで冷却し、ポリマー溶液B1得た。得られたポリマー溶液B1にメタノール356gを加えて、ついでアルミニウムトリスアセチルアセトネート5g、2−プロパノール1890g、メチルイソブチルケトン720g、フッ素シロキサン系表面改質剤10gを加えて、シロキサン系低屈折率樹脂組成物溶液「L1」を得た。
得られた溶液「H1」「L1」を用いて硬化膜を作製し、膜厚、透過率、反射率、耐クラック性、耐スクラッチ性、屈折率について評価を行った。
実施例2
メチルトリメトキシシラン 17.6g(0.13mol)、フェニルトリメトキシシラン 10.98g(0.06mol)、”サンコロイドHZ−307M6”(商品名、日産化学工業(株)製 組成:酸化ジルコニウム系複合粒子30重量%、メタノール70重量%)78.4gを反応容器に入れ、この溶液に、水9.97gおよび蟻酸0.7gを、撹拌しながら、反応温度が40℃を越えないように滴下した。滴下後、フラスコに蒸留装置を取り付け、得られた溶液を内温70℃で2時間加熱撹拌して反応させた。その後、室温まで冷却し、ポリマー溶液A2を得た。得られたポリマー溶液A2に、アルミニウム系硬化剤として、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)(商品名 ALCH−TR、川研ファインケミカル(株)社製)2.0gおよびプロピレングリコールモノエチルエーテル60gを添加して、シロキサン系樹脂組成物溶液「H2」を得た。
別に、メチルトリメトキシシラン 60g、 3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン 41.2g、2−プロパノール300g、2−プロパノール分散型中空シリカゾル(屈折率1.30、固形分20.5質量%)235gを反応容器に入れ、この溶液に、1Nギ酸水溶液34.84gを撹拌しながら、反応温度が40℃を越えないように滴下した。そのまま約1時間撹拌を行い、その後、70℃に設定したオイルバスを用いて昇温し反応溶液の温度を70℃で2時間、撹拌した後、室温まで冷却し、ポリマー溶液B2得た。得られたポリマー溶液B2にメタノール356gを加えて、ついでアルミニウムトリスアセチルアセトネート5g、2−プロパノール1890g、メチルイソブチルケトン720g、フッ素シロキサン系表面改質剤10gを加えて、シロキサン系低屈折率樹脂組成物溶液「L2」を得た。
得られた溶液「H2」「L2」を用いて硬化膜を作製し、膜厚、透過率、反射率、耐クラック性、耐スクラッチ性、屈折率について評価を行った。
実施例3
メチルトリメトキシシラン 27.8g(0.20mol)、フェニルトリメトキシシラン 17.3g(0.09mol)、”セルナックスCX−Z210IP−F2”(商品名、日産化学工業(株)製 組成:アンチモン酸化物粒子21重量%、2−プロパノール79重量%)180.3gを反応容器に入れ、この溶液に、水15.74gおよび蟻酸1.11gを、撹拌しながら、反応温度が40℃を越えないように滴下した。滴下後、フラスコに蒸留装置を取り付け、得られた溶液を内温75℃で2時間加熱撹拌して反応させた。その後、室温まで冷却し、ポリマー溶液A3を得た。得られたポリマー溶液A3に、アルミニウム系硬化剤として、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)(商品名 ALCH−TR、川研ファインケミカル(株)社製)2.5gおよびプロピレングリコールモノエチルエーテル60gを添加して、シロキサン系樹脂組成物溶液「H3」を得た。
別に、メチルトリメトキシシラン 60g、 3,3,3−トリフルオロプロピルトリメトキシシラン 41.2g、2−プロパノール300g、2−プロパノール分散型中空シリカゾル(屈折率1.30、固形分20.5質量%)212gを反応容器に入れ、この溶液に、1Nギ酸水溶液34.84gを撹拌しながら、反応温度が40℃を越えないように滴下した。そのまま約1時間撹拌を行い、その後、70℃に設定したオイルバスを用いて昇温し反応溶液の温度を70℃で2時間、撹拌した後、室温まで冷却し、ポリマー溶液B2得た。得られたポリマー溶液B2にメタノール356gを加えて、ついでアルミニウムトリスアセチルアセトネート5g、2−プロパノール1890g、メチルイソブチルケトン720g、フッ素シロキサン系表面改質剤10gを加えて、シロキサン系低屈折率樹脂組成物溶液「L3」を得た。
得られた溶液「H3」「L3」を用いて硬化膜を作製し、膜厚、透過率、反射率、耐クラック性、耐スクラッチ性、屈折率について評価を行った。
実施例4
実施例1で得られた溶液「H1」と実施例2で得られた溶液「L2」を用いて硬化膜を作製し、膜厚、透過率、反射率、耐クラック性、耐スクラッチ性、屈折率について評価を行った。
実施例5
実施例1の高屈折率層硬化膜作製において、厚塗り用メタリングバーを用いて高屈折率層の硬化後の膜厚を15.20μmとした以外は同様に行い積層硬化膜を作製した。膜厚、透過率、反射率、耐クラック性、耐スクラッチ性、屈折率について評価を行った。
実施例6
実施例5の高屈折率層硬化膜作製において、50μmのフィルムスペーサーを施して厚塗り用メタリングバーを用い、高屈折率層の硬化後の膜厚を40.85μmとした以外は同様に行い積層硬化膜を作製した。膜厚、透過率、反射率、耐クラック性、耐スクラッチ性、屈折率について評価を行った。
比較例1
高屈折率層形成材料として、アクリレート系塗料“セイカビームPET−HC15NS”(商品名、大日精化工業(株)製、酸化スズ・五酸化アンチモン粒子)を用いた以外は実施例1と同様にして硬化膜を作製し、膜厚、透過率、反射率、耐クラック性、耐スクラッチ性、屈折率について評価を行った。耐スクラッチ性が不良であった。
比較例2
メチルトリメトキシシラン 38.2g(0.28mol)、フェニルトリメトキシシラン 23.81g(0.12mol)およびプロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル85gを反応容器に入れ、この溶液に、水21.62gおよびリン酸0.31gを、撹拌しながら、反応温度が40℃を越えないように滴下した。滴下後、フラスコに蒸留装置を取り付け、得られた溶液をバス温90℃で2.5時間加熱撹拌して加水分解により生成したメタノールを留去しつつ反応させた。その後、溶液をバス温130℃でさらに2時間加熱撹拌した後、室温まで冷却し、ポリマー溶液C1を得た。得られたポリマー溶液C1に、数平均粒子径15nmの”オプトレイクTR−527”(商品名、触媒化成工業(株)製 組成:酸化チタン粒子20重量%、メタノール80重量%)250.18g、アルミニウム系硬化剤として、アルミニウムトリス(エチルアセトアセテート)(商品名 ALCH−TR、川研ファインケミカル(株)社製)2.5gを添加して、高屈折率ポリマー溶液「E1」を得た。
得られたポリマー溶液「E1」と前記溶液「L1」を用いて硬化膜を作製し、膜厚、透過率、反射率、耐クラック性、耐スクラッチ性、屈折率について評価を行った。耐スクラッチ性、耐クラック性が不良であった。
比較例3
実施例5の高屈折率層硬化膜作製において、70μmのフィルムスペーサーを施して厚塗り用メタリングバーを用いた以外は同様に行い積層硬化膜を作製した。膜厚、透過率、反射率、耐クラック性、耐スクラッチ性、屈折率について評価を行った。高屈折率層の膜厚みが50.30μmであり、耐クラック性が不良であった。
比較例4
実施例5の高屈折率層硬化膜作製において、薄塗り用メタリングバーを用いた以外は同様に行い積層硬化膜を作製した。膜厚、透過率、反射率、耐クラック性、耐スクラッチ性、屈折率について評価を行った。高屈折率層の膜厚みが1.50μmであり、耐スクラッチ性が不良であった
実施例1〜6および比較例1〜4の結果を表1に示す。
Figure 2010085579

Claims (9)

  1. 透明なフィルム基材上の少なくとも一方の面に直接または他の層を介して、下記の高屈折率層と低屈折率層が積層されてなることを特徴とする反射防止光学物品。
    高屈折率層:金属酸化物粒子存在下、アルコキシシラン化合物を、溶媒中、酸触媒により加水分解した後、該加水分解物を縮合反応させる方法により得られたシロキサン系樹脂組成物を主成分として含有する塗液を塗布した後硬化させて得られる、厚さ2.5μm以上45μm以下の被膜。
    低屈折率層:無機微粒子とシロキサン化合物を含有するシロキサン系低屈折率樹脂組成物を主成分として含有する塗液を塗布した後硬化させて得られる被膜であって、高屈折率層の屈折率より0.20以上小さい屈折率の被膜。
  2. アルコキシシラン化合物が、下記一般式(1)〜(3)から選ばれる1種以上であることを特徴とする請求項1に記載の光学物品。
    Si(OR (1)
    (Rは水素、アルキル基、アルケニル基、アリール基またはそれらの置換体を表す。Rはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはブチル基を表し、それぞれ同一でも異なっていても良い。)
    Si(OR (2)
    (RおよびRは、それぞれ水素、アルキル基、アルケニル基、アリール基またはそれらの置換体を表す。Rはメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基またはブチル基を表し、それぞれ同一でも異なっていても良い。)
    Si(OR (3)
    (Rはメチル基またはエチル基を表し、それぞれ同一でも異なっていても良い。)
  3. 金属化合物粒子の数平均粒子径が1nm〜200nmであることを特徴とする請求項1または2に記載の光学物品。
  4. 金属化合物粒子がケイ素、アルミニウム、ジルコニウム、チタニウム、亜鉛、インジウム、スズ、アンチモン、ゲルマニウム及びセリウムよりなる群から選ばれる少なくとも一つの元素の酸化物を主成分とすることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学物品。
  5. 低屈折率層の無機微粒子が屈折率1.46以下であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学物品。
  6. 金属化合物粒子が、酸化ジルコニウムおよび/または酸化チタン粒子を含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光学物品。
  7. 透明基材がフラットパネルディスプレイに用いられる反射防止フィルム用基材である請求項1〜6のいずれかに記載の光学物品。
  8. 高屈折率用塗液として、さらに光重合性開始剤を含んでなることを特徴とする請求項1に記載の光学物品。
  9. 高屈折率層用塗液に、シリコーン系界面活性剤を含有する請求項1に記載の光学物品。
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