JP2012219801A - 内燃機関の燃料噴射制御装置 - Google Patents

内燃機関の燃料噴射制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】燃料噴射弁24内を流れる燃料の温度の変化に起因した燃料噴射量の調節精度の低下を好適に抑制することのできる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供する。
【解決手段】コモンレール18から供給される燃料が燃料噴射弁24内に滞留する時間、燃料流入口40に流入する燃料の温度であるINJ入口燃温、及び燃料噴射弁24の温度等に基づき、高圧燃料通路を流れる燃料の温度であるINJ内部燃温を推定する。そして、推定されたINJ内部燃温に基づき、燃料噴射弁24からの燃料噴射量を補正する。そして、補正された燃料噴射量に基づき、電動アクチュエータ62を通電操作する。
【選択図】 図1

Description

本発明は、燃料を高圧状態で蓄圧可能な蓄圧容器と、燃料タンクからの燃料を前記蓄圧容器に吐出供給する燃料ポンプと、前記蓄圧容器に蓄えられた燃料が供給される電子制御式の燃料噴射弁とを備えて構成される内燃機関の燃料噴射システムに適用される内燃機関の燃料噴射制御装置に関する。
この種の制御装置としては、下記特許文献1に見られるように、蓄圧容器から供給される燃料を噴孔まで導く燃料噴射弁内の通路の面積が、燃料噴射弁の温度変化によって変化することに起因して、燃料噴射弁からの燃料噴射量の調節精度が低下することを抑制するものが知られている。詳しくは、この制御装置は、まず、燃料タンクから燃料配管を介して燃料噴射弁に流入する燃料の流量に基づき燃料噴射弁に流入する燃料の温度を推定し、推定された燃料の温度に基づき燃料噴射弁の温度を推定する。そして、推定された燃料噴射弁の温度に基づき燃料噴射弁からの燃料噴射量を補正する。これにより、燃料噴射弁の温度変化に起因した燃料噴射量の調節精度の低下の抑制を図っている。
特開2005−180352号公報
ところで、蓄圧容器から燃料噴射弁の燃料流入口に流入した燃料が、燃料噴射弁内を流れる間に、燃料噴射弁内を流れる燃料(以下、流通燃料)と燃料噴射弁との間で熱交換が行われる。このため、燃料流入口に流入する燃料の温度と、流通燃料の温度とは相違し得る。この場合、流通燃料の粘度の変化に起因して、噴孔を開閉する燃料噴射弁のノズルニードルに流通燃料が及ぼす影響が変化し得る。そして、この場合、燃料噴射弁からの燃料噴射時におけるノズルニードルの挙動が変化することで、燃料噴射弁からの燃料噴射量が当初想定した量からずれるおそれがある。
本発明は、上記課題を解決するためになされたものであり、その目的は、燃料噴射弁からの燃料噴射量の調節精度の低下を好適に抑制することのできる内燃機関の燃料噴射制御装置を提供することにある。
以下、上記課題を解決するための手段、及びその作用効果について記載する。
請求項1記載の発明は、燃料を高圧状態で蓄圧可能な蓄圧容器と、燃料タンクからの燃料を前記蓄圧容器に吐出供給する燃料ポンプと、前記蓄圧容器に蓄えられた燃料が供給される燃料噴射弁とを備えて構成される内燃機関の燃料噴射システムに適用され、前記燃料噴射弁は、前記蓄圧容器から供給される燃料が流入する燃料流入口と、前記燃料噴射弁の噴孔を開閉するノズルニードルとを備えて構成され、前記燃料噴射弁の温度と、前記燃料流入口に流入する燃料の温度とに差がある場合、前記燃料流入口から流入した燃料が前記燃料噴射弁内に滞留する時間の相当量である滞留時間相当量が長いほど、前記燃料噴射弁の温度に近似するように前記燃料噴射弁内の燃料の温度を推定する燃温推定手段と、前記燃温推定手段によって推定された燃料の温度に基づき、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を補正する補正手段と、前記補正手段によって補正された燃料噴射量に基づき、前記燃料噴射弁を通電操作する操作手段とを備えることを特徴とする。
燃料流入口に流入した燃料が、燃料噴射弁内の通路を流れる等、燃料噴射弁内に滞留する際に、燃料噴射弁内において燃料と燃料噴射弁との間で熱交換が行われる。熱交換が行われると、燃料噴射弁内の燃料の温度が変化することで、燃料の粘度が変化する。燃料の粘度が変化すると、燃料噴射弁内の通路を流れる燃料の流量が変化することに起因して、燃料噴射弁内の燃料がノズルニードルの挙動に及ぼす影響が変化し得る。
ここで、燃料噴射弁内の燃料と燃料噴射弁との間で交換される熱は、燃料流入口から流入した燃料が燃料噴射弁内に滞留する時間が長いほど多くなる傾向にある。このため、上記滞留する時間が長いほど、燃料噴射弁内の燃料の温度変化量が大きくなる傾向にある。
この点に鑑み、上記発明では、燃料流入口から流入した燃料が燃料噴射弁内に滞留する時間の相当量(滞留時間相当量)が長いほど、燃料噴射弁の温度に近似するように燃料噴射弁内の燃料の温度を推定する。
ここで、燃料噴射弁内の燃料の温度によれば、燃料噴射弁内の燃料がノズルニードルの挙動に及ぼす影響の変化を把握することができる。すなわち、燃料噴射弁内の燃料の温度変化に起因する燃料噴射弁からの燃料噴射量のずれを把握することができる。
この点に鑑み、上記発明では、燃料噴射弁内の燃料温度の推定値に基づき燃料噴射弁からの燃料噴射量を補正し、補正された燃料噴射量に基づき燃料噴射弁を通電操作する。これにより、燃料噴射弁からの燃料噴射量の調節精度の低下を好適に抑制することができる。
請求項2記載の発明は、請求項1記載の発明において、前記内燃機関の1燃焼周期と、該1燃焼周期に要求される前記燃料噴射弁からの燃料噴射量とに基づき、前記滞留時間相当量を算出する滞留時間算出手段を更に備え、前記燃温推定手段は、前記滞留時間算出手段によって算出された滞留時間相当量に基づき、前記燃料噴射弁内の燃料の温度を推定することを特徴とする。
燃料噴射弁から燃料が噴射されると、燃料噴射弁内において、燃料噴射量に応じた量の燃料が燃料流入口側から噴孔側に向かって流れる。この点に鑑み、上記発明では、内燃機関の1燃焼周期と、1燃焼周期に要求される燃料噴射量とに基づき、上記滞留時間相当量を算出する。これにより、滞留時間相当量を適切に算出することができ、ひいては燃温推定手段によって燃料噴射弁内の燃料の温度を適切に推定することができる。
請求項3記載の発明は、請求項1又は2記載の発明において、前記燃料噴射弁は、該燃料噴射弁の内壁によって形成されて且つ前記ノズルニードルを収容するニードル収容室、該ニードル収容室と前記燃料流入口とをつなげる燃料通路、前記ノズルニードルのうち前記噴孔と対向する側と反対側に燃料の圧力を印加する圧力制御室、前記ニードル収容室及び前記燃料通路を備える高圧燃料通路と前記燃料タンクにつながる低圧燃料通路とのいずれかを前記圧力制御室に連通させるべく動作する弁体、及び該弁体を動作させるべく通電操作される電動アクチュエータを更に備えて構成され、該電動アクチュエータの通電操作によって前記ノズルニードルを動作させることで、前記高圧燃料通路を介して前記噴孔から燃料を噴射するものであり、前記燃料噴射弁内には、該燃料噴射弁の中心軸線方向と垂直な方向において前記燃料通路と前記電動アクチュエータとが並ぶように配置されて且つ、前記燃料噴射弁の中心軸線方向において前記圧力制御室が前記電動アクチュエータよりも前記噴孔側に配置されていることを特徴とする。
上記発明では、弁体の動作によって圧力制御室と高圧燃料通路とを連通させることで、高圧燃料通路から圧力制御室に高圧燃料を流入させて燃料噴射弁を閉弁させている。一方、弁体の動作によって圧力制御室と低圧燃料通路とを連通させることで、圧力制御室から低圧燃料通路に高圧燃料を流出させて燃料噴射弁を開弁させている。
ここで、燃料噴射弁の中心軸線方向と垂直な方向において上記態様にて燃料通路及び電動アクチュエータが配置されていることから、燃料流入口から圧力制御室までの燃料通路が長くなる。このため、燃料流入口に流入した燃料が圧力制御室に到達するまでの間における燃料の温度変化量が大きくなりやすく、圧力制御室に流入する燃料の流量の変化量が大きくなりやすい。この場合、圧力制御室の圧力変化速度が変化することで、ノズルニードルの挙動が変化し、燃料噴射量の調節精度が低下しやすい。このため、燃料噴射量の調節精度が低下しやすい上記発明は、燃温推定手段及び補正手段を備えるメリットが大きい。
請求項4記載の発明は、請求項3記載の発明において、前記補正手段は、前記燃料噴射弁内の燃料の温度が高いほど前記燃料噴射量を増量補正することを特徴とする。
上記発明における燃料噴射弁は、燃料噴射弁内の燃料温度が高いほど燃料噴射弁からの燃料噴射量が減少する特性を有する。このため、例えば、燃料噴射弁内の燃料温度が想定した温度よりも高い場合、燃料噴射弁からの実際の燃料噴射量が想定した量よりも少なくなる懸念がある。この点に鑑み、上記発明では、上記態様にて燃料噴射量を適切に補正することができる。
請求項5記載の発明は、請求項1〜4のいずれか1項に記載の発明において、前記燃料噴射弁は、該燃料噴射弁の内壁によって形成されて且つ前記ノズルニードルを収容するニードル収容室、及び該ニードル収容室と前記燃料流入口とをつなげる燃料通路を更に備えて構成され、前記ノズルニードルは、その軸線方向の中間部に外径が拡大された拡大部を備えていることを特徴とする。
上記発明では、ノズルニードルに上記拡大部が備えられている。このため、拡大部によって、ノズルニードルの外周面と上記内壁とで形成される通路の面積が小さくされる部分が形成されることとなる。このことに起因して、ノズルニードルの外周面と上記内壁とで形成される通路を流れる燃料流量が燃料の温度変化によって変化し、上記通路の面積が小さくされる部分の通過前後における差圧が変化し得る。この場合、ノズルニードルに作用する力が変化することに起因して、ノズルニードルの挙動が変化し、燃料噴射量の調節精度が低下しやすい。特に、燃料温度が過度に低くなる場合、その影響が顕著に大きくなる懸念がある。このため、燃料噴射量の調節精度が低下しやすい上記発明は、燃温推定手段及び補正手段を備えるメリットが大きい。
請求項6記載の発明は、請求項5記載の発明において、前記補正手段は、前記燃料噴射弁内の燃料の温度が低い領域において、該燃料の温度が低いほど前記燃料噴射量を増量補正することを特徴とする。
上記発明における燃料噴射弁は、燃料噴射弁内の燃料温度が低い領域において、燃料温度が低いほど燃料噴射弁からの燃料噴射量が減少する特性を有する。このため、例えば、燃料噴射弁内の燃料温度が想定した温度よりも過度に低い場合、燃料噴射弁からの実際の燃料噴射量が想定した量よりも少なくなる懸念がある。この点に鑑み、上記発明では、上記態様にて燃料噴射量を適切に補正することができる。
請求項7記載の発明は、請求項1〜6のいずれか1項に記載の発明において、前記内燃機関の1燃焼周期において該内燃機関の1の気筒に前記燃料噴射弁から燃料を複数回噴射させる制御手段と、前記内燃機関の要求トルクに基づき、該内燃機関の1燃焼周期に要求される燃料量を算出する手段と、前記要求される燃料量を分割して前記複数回噴射のそれぞれに割り当てる手段とを更に備え、前記補正手段は、前記燃温推定手段によって推定された燃料の温度に基づき、前記複数回噴射のそれぞれに割り当てられた燃料量を補正することを特徴とする。
燃料噴射弁内の燃料の温度変化に起因して、複数回噴射のそれぞれに対応する燃料噴射量が当初想定した量からずれ得る。ここで、複数回噴射のそれぞれに対応する燃料噴射量は、例えば必ずしも同じ割合でずれるとは限らない。
この点に鑑み、上記発明では、補正手段によって複数回噴射のそれぞれに割り当てられた燃料量を補正することで、燃料噴射量の補正精度を向上させることができる。
一実施形態にかかるシステム構成図。 一実施形態にかかる燃料温度及び燃料噴射量の関係を示す図。 一実施形態にかかる燃料噴射弁の拡大図。 燃料温度及び燃料の粘度の関係を示す図。 環状隙間流れの概要を示す図。 一実施形態にかかる燃料温度に起因した噴射率の変化を示す図。 一実施形態にかかる燃料噴射量の補正処理の手順を示すフローチャート。 一実施形態にかかる燃料噴射弁内の燃料温度の推定手法の概要を示す図。 一実施形態にかかる燃料噴射量の補正手法の概要を示す図。 その他の実施形態にかかる燃料噴射弁の構成を示す図。 その他の実施形態にかかる燃料温度及び燃料噴射量の関係を示す図。
以下、本発明にかかる制御装置を、吸気・圧縮・膨張・排気行程を1燃焼周期(720℃A)とする4ストローク多気筒(4気筒)車載ディーゼル機関(以下、エンジン)を備える蓄圧式燃料噴射システムに適用した一実施形態について、図面を参照しつつ説明する。
図1に、本実施形態にかかるシステム構成を示す。
図示されるように、燃料タンク10内の燃料(軽油)は、クランク軸12の回転に伴って駆動される機関駆動式の燃料ポンプ14によって汲み上げられ、燃料ポンプ14から吐出される。詳しくは、燃料ポンプ14は、低圧配管16を介して燃料タンク10内の燃料を汲み上げるトロコイド式のフィードポンプと、汲み上げられた燃料をコモンレール18に加圧供給(圧送)するプランジャ式の高圧ポンプとを備えて構成されている。
なお、燃料ポンプ14には、更に、高圧ポンプに吸入される燃料量を調節することで、燃料ポンプ14の吐出量を調節する電子制御式の弁体である吸入調量弁と、燃料ポンプ14内の燃料の温度(フィードポンプによって汲み上げられる燃料の温度であるポンプ入口燃温)を検出する燃温センサ20とが設けられている。
燃料ポンプ14から吐出された燃料は、上記コモンレール18に圧送される。コモンレール18は、燃料ポンプ14から圧送された燃料を高圧状態で蓄え、蓄えられた燃料を高圧配管22を介して各気筒の電子制御式の燃料噴射弁24に供給するための蓄圧容器である。なお、コモンレール18には、その内部の燃料の圧力(レール圧)を検出する燃圧センサ25が設けられている。
燃料噴射弁24は、ボディ26(ノズルボディ及びホルダボディを含む部材)と、圧力室形成部材28とを備えて構成されており、ボディ26に形成された複数の噴孔30がエンジンの燃焼室32に突出するようにして配置されている。
詳しくは、ボディ26には、燃料噴射弁24の先端側から順に、上記噴孔30と、環状のニードルシート部34と、略円筒状のニードル収容室36と、燃料噴射弁24の中心軸線方向(上下方向)に延びて且つニードル収容室36とつながる燃料通路38と、コモンレール18からの高圧燃料が流入して且つ、燃料通路38とつながる燃料流入口40とが形成されている。
上記ニードル収容室36には、燃料噴射弁24の中心軸線方向に変位可能なノズルニードル42が収容されている。ノズルニードル42は、燃料噴射弁24の中心軸線方向に延びる略円柱状の弁部材(ニードル弁)であり、上記中心軸線方向において噴孔30側から順に、噴孔30を開閉するための先端部42a、ガイド部42b及び背圧部42cを備えて一体的に構成されている。ちなみに、ニードル収容室36を形成するボディ26の内壁とノズルニードル42の外周面との間によって燃料噴射弁24の中心軸線方向に延びる環状の燃料通路が形成されている。
先端部42aは、上記ニードルシート部34に着座することで、ニードル収容室36と燃焼室32とを遮断する。一方、先端部42aは、ニードルシート部34から離座することで、ニードル収容室36と燃焼室32とを連通させる。
上記ガイド部42bは、先端部42aの外径よりも大きくて且つ燃料噴射弁24の中心軸線方向に延びる略円柱状の部分である。詳しくは、ガイド部42bは、ノズルニードル42のうち上記環状の燃料通路に対応する位置に備えられている。ガイド部42bは、ニードル収容室36を形成するボディ26の内壁と接触することで、ノズルニードル42の上下変位を安定させ、先端部42aがニードルシート部34からずれた位置に着座しないようにする動作安定機能を有する。
ちなみに、本実施形態では、以降、燃料通路38及び上記環状の燃料通路を合わせて高圧燃料通路と称することとする。高圧燃料通路によって、燃料流入口40から流入した燃料は噴孔30へと導かれる。
ノズルニードル42は、ニードルスプリング44によって噴孔30側へ力を加えられている。
上記背圧部42cは、ノズルニードル42のうちニードルシート部34と対向する側の反対側(背面側)に設けられている。また、背圧部42cは、圧力制御室46に対向している。
圧力制御室46は、背圧部42c(ノズルニードル42の後端)及び圧力室形成部材28によって区画されており、オリフィス48を介して制御バルブ収容室50と連通している。
制御バルブ収容室50は、自身に収容される制御バルブ52の動作によって、高圧燃料通路、又は燃料タンク10とつながる低圧燃料通路54のいずれかと連通される。詳しくは、制御バルブ52は、バルブスプリング56によって制御バルブ収容室50と低圧燃料通路54とを遮断する方向に力を加えられている。
また、制御バルブ52は、ピストン58及び変位拡大部60を介して電動アクチュエータ62によって変位可能とされている。
変位拡大部60は、自身に充填された所定の流体(例えば噴射用の燃料)により、ピストン58の変位量を増大させる機能を有する。
電動アクチュエータ62は、燃料噴射弁24の中心軸線方向に延びる部材であり、ボディ26内において、燃料噴射弁24の中心軸線方向と垂直な方向において燃料通路38と並ぶように配置されている。こうした配置によれば、燃料噴射弁24の中心軸線方向において、圧力制御室46が電動アクチュエータ62よりも噴孔30側に配置されることとなる。
ここで、本実施形態では、電動アクチュエータ62として、複数のピエゾ素子と電極板とが交互に積層されたピエゾスタックを想定している。なお、ピエゾ素子は、圧電効果により伸縮する容量性の負荷であり、その充電と放電とで伸長状態と収縮状態とが切り替えられる。また、ピエゾスタックが燃料噴射弁24の中心軸線方向に延びるのは、燃料噴射機能に要求される制御バルブ52の変位を確保できるように、複数のピエゾ素子と電極板とを交互に積層する必要があるからである。
こうした構成において、電動アクチュエータ62に通電されずピエゾ素子が収縮状態にある場合、制御バルブ52は、バルブスプリング56の力によって制御バルブ収容室50と低圧燃料通路54とを遮断して且つ制御バルブ収容室50と高圧燃料通路とを連通させるように変位することとなる。このため、圧力制御室46には、オリフィス48を介して高圧燃料通路から高圧燃料が供給され、圧力制御室46の高圧燃料がノズルニードル42へ印加する圧力と、ニードル収容室36内の高圧燃料がノズルニードル42に印加する圧力とが略等しくなる。これにより、ニードルスプリング44がノズルニードル42を燃料噴射弁24の噴孔30側へ変位させる力によって、ノズルニードル42は、ニードルシート部34に着座した状態(燃料噴射弁24の閉弁状態)となる。したがって、噴孔30からの燃料噴射は停止される。
一方、電動アクチュエータ62に通電してピエゾ素子が伸長状態にある場合には、制御バルブ52は、バルブスプリング56から加えられる力に打ち勝って、制御バルブ収容室50と高圧燃料通路とを遮断して且つ制御バルブ収容室50と低圧燃料通路54とを連通させるように変位することとなる。このため、圧力制御室46の高圧燃料は、オリフィス48及び制御バルブ収容室50を介して低圧燃料通路54へと流出する。そして、圧力制御室46の燃料がノズルニードル42へ印加する圧力は、ニードル収容室36内の高圧燃料がノズルニードル42に印加する圧力よりも小さくなる。そして、この圧力差による力が、ニードルスプリング44がノズルニードル42を燃料噴射弁24の噴孔30側へ変位させる力よりも大きくなると、ノズルニードル42がニードルシート部34から離座した状態(燃料噴射弁24の開弁状態)となる。これにより、噴孔30から高圧燃料が噴射される。
なお、こうした構造の燃料噴射弁24は、センターフィード方式の燃料噴射弁と称される。センターフィード方式の燃料噴射弁によれば、静リーク量を大きく低減させる(又は0にする)ことが可能となる。ここで、静リークとは、燃料噴射弁24が閉弁状態とされる場合に、燃料噴射弁24内の隙間等を介して低圧燃料通路54へと常時流出する燃料のことをいう。
電子制御装置(ECU64)は、蓄圧式燃料噴射システムの各種制御に必要な各種アクチュエータを操作する制御装置であり、マイクロコンピュータ及びメモリ64a(不揮発性メモリ)等を備えて構成されるものである。ECU64は、ドライバのアクセル操作量を検出するアクセルセンサ66や、エンジンを冷却するための冷却水の温度(冷却水温)を検出する水温センサ68、エンジンオイルの温度(油温)を検出する油温センサ70、燃焼室32に供給される吸気の温度を検出する吸気温センサ72、更には燃焼室32に供給される吸気の圧力を検出する吸気圧センサ74の検出信号を逐次入力する。また、ECU64は、外気温を検出する外気温センサ76、車両の走行速度を検出する車速センサ78、クランク軸12の回転角度を検出するクランク角度センサ80、燃温センサ20、更には燃圧センサ25等の検出信号も逐次入力する。ECU64は、これらの入力信号に基づき、レール圧をその目標値に制御すべく燃料ポンプ14の吸入調量弁を通電操作する等、エンジンの燃焼制御を行う。
特に、ECU64は、1燃焼周期(720℃A)中に1の気筒に燃料噴射弁24から複数回燃料を噴射供給(多段噴射)させるべく、電動アクチュエータ62を通電操作する燃料噴射制御を行う。本実施形態では、上記多段噴射としてパイロット噴射及びメイン噴射を行う。ここで、パイロット噴射は、極微少な燃料が噴射されて着火直前の燃料と空気との混合を促進させるとともに、メイン噴射後の着火時期の遅れを短縮して窒素酸化物(NOx)の発生を抑制し、燃焼音及び振動を低減する目的でなされるものである。一方、メイン噴射は、エンジンのトルク生成に寄与して且つ多段噴射中の最大の噴射量を有するものである。
詳しくは、アクセルセンサ66の出力値に基づくアクセル操作量と、クランク角度センサ80の出力値に基づくエンジン回転速度とに基づき、エンジン要求トルクの生成を実現するために1燃焼周期において要求される燃料噴射弁24からの燃料噴射量(要求噴射量)を算出する。次に、要求噴射量を、パイロット噴射及びメイン噴射のための噴射量に分割し、これら各噴射量を燃料噴射弁24に対する噴射量の指令値(指令噴射量)とする。また、要求噴射量、エンジン回転速度及び水温センサ68の出力値に基づく冷却水温等からパイロット噴射の終了タイミングとメイン噴射の開始タイミングとの間の時間間隔(インターバル)を算出する。そして、指令噴射量、インターバル及び燃圧センサ25の出力値に基づくレール圧等に基づき、多段噴射を実施するための燃料噴射弁24に対する指令噴射期間(駆動信号)を算出する。そして、駆動信号に基づき電動アクチュエータ62を通電操作することで燃料噴射弁24を開弁させ、要求噴射量に応じた量の燃料を噴孔30から噴射させる。
上記駆動信号は通常、レール圧及び燃料噴射弁24からの燃料噴射量と関係付けられたマップを用いて算出される。このマップは通常、基準となる温度条件(例えば冷却水温が80℃)のもと、適合作業によって作成され、ECU64のメモリ64aに記憶されている。
ところで、高圧燃料通路を流れる燃料の温度が変化すると、燃料の粘度が変化し、燃料噴射弁24からの燃料噴射量が当初想定した量(適合時に想定した量)からずれることがある。これは、高圧燃料通路を流れる燃料の温度が、適合時の基準となる温度条件に対応する温度からずれることによるものである。こうした燃料温度の変化が生じると、駆動信号を同一とする場合であっても、図2に示すように、燃料温度の上昇に伴って、低温領域において燃料噴射量Qが増大した後、高温領域において燃料噴射量Qが減少するような噴射特性の変化が生じることとなる。以下、図2に加えて、図3〜図6を用いて、高圧燃料通路を流れる燃料温度の変化によって燃料噴射量Qが変化するメカニズムについて説明する。
図3に、燃料噴射弁24の部分拡大図を示す。なお、図3では、ノズルニードル42の背圧部42cと圧力室形成部材28との間の隙間、及びニードル収容室36を形成するボディ26の内壁とガイド部42bの外周面との間の隙間を大きく表示している。また、ニードルスプリング44及びバルブスプリング56の図示を省略している。
まず、燃料温度が高温領域となる場合において、燃料温度が高くなると燃料噴射量Qが減少するメカニズムについて説明する。なお、高温領域とは、燃料温度の低下に伴う燃料の粘度の増大量が緩やかな領域のことをいう(図4参照)。
高圧燃料通路を流れる燃料の温度が高くなると、燃料の粘度μが低くなることで、背圧部42cと圧力室形成部材28との間の環状隙間(流路A)を介して高圧燃料通路から圧力制御室46に流入する燃料流量が増大する。燃料流量が増大すると、燃料が流路Aを通過する前後における差圧が小さくなる。ここで、燃料の粘度μ、燃料流量及び上記差圧は、環状隙間流れについての下式(c1)によって定まる。
Q=(π×d×h^3)/(12×μ×L)×(P1−P2)…(c1)
ただし、
Q:環状隙間を通過する流体の流量
π:円周率
d:環状隙間の内径
h:隙間
μ:流体の粘度(絶対粘度)
L:環状隙間の長さ
P1―P2:環状隙間通過前後の差圧
なお、図5は、環状隙間の概要を示す図である。詳しくは、図5(a)は、環状隙間のモデルを示す平面図であり、図5(b)は、同図(a)のA−A断面図である。
図3に戻り、圧力制御室46に流入する燃料流量が増大すると、燃料噴射弁24が開弁又は閉弁する状況下において、次のような現象が発生する。
燃料噴射弁24が閉弁状態から開弁状態とされる状況下、すなわち圧力制御室46と低圧燃料通路54とが連通される状況下においては、流路Aを介して圧力制御室46に流入する燃料量が多くなることで、圧力制御室46の圧力の下降速度が低くなり、ニードルシート部34から離座する方向にノズルニードル42が動作する速度が低下する。これにより、燃料噴射弁24の開弁タイミングが遅延し、燃料噴射弁24からの燃料噴射量Qが減少する。
一方、燃料噴射弁24が開弁状態から閉弁状態とされる状況下、すなわち圧力制御室46と高圧燃料通路とが連通される状況下においては、流路Aに加えて、高圧燃料通路から制御バルブ収容室50及びオリフィス48を介した流路(流路B)を通って圧力制御室46に流入する燃料量が多くなる。このため、圧力制御室46の圧力の上昇速度が高くなることで、ニードルシート部34に着座する方向にノズルニードル42が動作する速度が上昇する。これにより、燃料噴射弁24の閉弁タイミングが早まり、燃料噴射弁24からの燃料噴射量Qが減少する。
高温領域においては、こうしたメカニズムによって、燃料温度が高くなると、同一の駆動信号に対する燃料噴射弁24からの燃料噴射量Qが減少する。
なお、燃料温度が高くなると、燃料噴射弁24の開弁動作によって先端部42aがニードルシート部34から離座を開始した直後、先端部42aとニードルシート部34との間の環状隙間(流路C)を流れる燃料量が変化することに起因して、燃料噴射量Qが増大する。つまり、流路Cを流れる燃料量が多くなると、流路Cの通過前後の差圧が小さくなることで、ノズルニードル42の下端に作用する圧力が高くなる。このため、ニードルシート部34から離座する方向にノズルニードル42が動作する速度が上昇し、燃料噴射量Qが増大する。ただし、流路Cの影響によって燃料噴射量Qが増大側へずれる度合いは、上記流路A,Bの影響によって燃料噴射量Qが減少側へずれる度合いよりも小さい。このため、高温領域においては、燃料温度が高くなると、燃料噴射量Qが減少することとなる。
次に、燃料温度が低温領域となる場合において、燃料温度が低くなると燃料噴射量Qが減少するメカニズムについて説明する。なお、低温領域とは、燃料温度の低下に伴う燃料の粘度の増大量が急激に大きくなる領域のことをいう(先の図4参照)。
高圧燃料通路を流れる燃料の温度が過度に低くなると、燃料の粘度μが急激に高くなることで、ガイド部42bの外周面とニードル収容室36を形成するボディ26の内壁との間の環状隙間(流路D)の影響によって燃料噴射量Qが減少する。
つまり、燃料噴射弁24が開弁状態から閉弁状態とされる状況下において、高圧燃料通路から流路A,Bを介して圧力制御室46に流入する燃料量が少なくなり、圧力制御室46の圧力の上昇速度が低下する。
一方、燃料の粘度が過度に高くなると、流路Dを流れる燃料量の低下度合いが大きくなることで、先端部42a付近の燃料圧力の低下度合いが、圧力制御室46の圧力の低下度合いよりも十分に大きくなる。特に、ガイド部42bの長さ(燃料噴射弁24の中心軸線方向の長さ)は、ノズルニードル42の動作安定機能の確保のために長くされる傾向にあることから、流路Dの通過前後における差圧が大きくなり、先端部42a付近の燃料圧力の低下度合いは大きくなりやすい。
圧力制御室46の圧力の低下度合いよりも先端部42a付近の圧力の低下度合いが大きくなると、ノズルニードル42の上下端に作用する圧力差が大きくなることで、ニードルシート部34に着座する方向にノズルニードル42が動作する速度が上昇する。これにより、燃料噴射弁24の閉弁タイミングが早まり、燃料噴射弁24からの燃料噴射量Qが減少する。
低温領域においては、こうしたメカニズムによって、燃料温度が低くなると、同一の駆動信号に対する燃料噴射弁24からの燃料噴射量Qが減少する。
なお、低温領域における流路Dの影響による噴射特性のずれの影響を緩和すべく、ガイド部42bの長さ(燃料噴射弁24の中心軸線方向の長さ)を短くする(先の図5におけるLを短くする)ことも考えられる。しかしながら、この手法を採用することは困難である。これは、本実施形態にかかる燃料噴射弁24については、ノズルニードル42の動作安定機能を確保するための代替手段を設けることが困難であるためである。ちなみに、背圧部42cの上記中心軸線方向の長さを伸長することによって上記動作安定機能を確保することは困難である。これは、ボディ26と圧力室形成部材28とが別部材であることに起因して、ノズルニードル42の動作に要求される同軸度を確保できない等の理由によるものである。
図6に、高圧燃料通路を流れる燃料温度の変化に起因した燃料噴射弁24からの単位時間あたりの燃料噴射量(噴射率)の変化の一例を示す。詳しくは、図6(a)に、電動アクチュエータ62への駆動信号の推移を示し、図6(b)に、噴射率の推移を示す。
図示される例では、高温領域において燃料温度が低下すると、噴射率の推移は、実線にて示す波形から破線にて示す波形となる。これは、上述したように、燃料噴射弁24の開弁タイミングが早まるとともに、閉弁タイミングが遅延するためである。
一方、燃料温度が更に低下し、高温領域から低温領域に移行すると、噴射率の推移は、図中破線にて示す波形から一点鎖線にて示す波形となる。これは、上述したように、燃料噴射弁24の開弁タイミングが更に早まるとともに、閉弁タイミングが遅延側から早まる側に変化するためである。
こうした燃料温度の変化に起因する噴射特性のずれを補償すべく、本実施形態では、高圧燃料通路を流れる燃料温度の推定値に基づく上記指令噴射量の補正処理を行う。
図7に、本実施形態にかかる上記補正処理の手順を示す。この処理は、ECU64によって例えば所定周期で実行される。
この一連の処理では、まずステップS10において、燃料流入口40に流入する燃料の温度(INJ入口燃温Tin)を推定する。本実施形態では、INJ入口燃温Tinを、燃温センサ20の出力値から算出されるポンプ入口燃温Tpmpと、燃料ポンプ14の入口から燃料流入口40までの経路における燃料と外部との熱の授受による燃料の温度変化量とに基づき推定する。より具体的には、上記温度変化量を温度上昇側が正となるように定義し、INJ入口燃温Tinを、ポンプ入口燃温Tpmpと上記温度変化量との加算値として算出する。
ここで、上記温度変化量を、以下の(A)〜(D)のパラメータに基づき算出する。
(A)燃料ポンプ14内で燃料がプランジャによって圧縮されることで燃料に入力されるエネルギEin:このエネルギEinが大きいほど、燃料の温度上昇量が大きくなる。なお、上記エネルギEinは、例えば、プランジャによる燃料の圧縮態様を断熱圧縮と仮定した場合のエネルギとすればよい。また、上記エネルギEinは、例えばエンジン回転速度及びレール圧等に基づき把握すればよい。
(B)冷却水温THw:冷却水温THwが高いほど、エンジンボディから燃料配管やコモンレール18へと伝達される熱が多くなる傾向にあるため、上記温度変化量が大きくなる傾向にある。
(C)外気温Tair:燃料の温度に対して外気温Tairが高いほど、燃料ポンプ14から燃料流入口40までの経路を燃料が流れる間に、上記経路の周囲から配管等を介して燃料に伝達される熱が多くなる傾向にあるため、上記温度変化量が大きくなる傾向にある。なお、外気温Tairは、例えば外気温センサ76の出力値から算出すればよい。
(D)車両の走行速度SPD:車両の走行速度SPDが高くなるほど、車両の走行に伴い燃料が流れる配管等に吹き付けられる風量等が多くなる傾向にあるため、上記温度変化量の変化速度を高くさせる傾向にある。なお、車両の走行速度SPDは、例えば車速センサ78の出力値から算出すればよい。
続くステップS12〜S16では、高圧燃料通路を流れる燃料の温度(INJ内部燃温Tij)を推定する。本実施形態では、INJ内部燃温Tijとして、高圧燃料通路のうち燃料通路38とニードル収容室36との接続部付近(先の図3のα部、以下、推定位置α)の燃料温度を想定している。これは、この位置を通過する高圧燃料が、その後先の図3で示した流路A〜流路Dを通過することとなるため、推定位置αの燃料温度と燃料噴射弁24の噴射特性とを適切に関係づけることが可能であることに基づくものである。
そして、INJ内部燃温Tijを、INJ入口燃温Tinと、燃料が燃料流入口40から推定位置αに至るまでに高圧燃料と燃料噴射弁24との間の熱交換による温度変化量(以下、内部温度変化量ΔT)との加算値として推定する。ここで、内部温度変化量ΔTは、温度上昇側を正として定義される値である。
詳しくは、まず、ステップS12において、燃料流入口40から流入した燃料が燃料噴射弁24内に滞留する時間の相当量(滞留時間tlong)を算出する。本実施形態では、滞留時間tlongを、燃料流入口40に流入した燃料が推定位置αに到達するまでに要すると想定される時間とする。そして、滞留時間tlongを、高圧燃料通路のうち燃料流入口40から推定位置αまでの容積Vと、上記要求噴射量Qtotalと、動リーク量Qleakと、エンジン回転速度から算出される1燃焼周期(720℃A)に相当する時間とに基づき算出する。より具体的には、要求噴射量Qtotal及び動リーク量Qleakの加算値で上記容積Vを除算した値に、1燃焼周期に相当する時間を乗算することで滞留時間tlongを算出する。
ちなみに、動リークとは、燃料噴射時のノズルニードル42及び制御バルブ52の動作に起因して圧力制御室46の燃料がオリフィス48及び制御バルブ収容室50等を介して低圧燃料通路54へと流出する燃料のことである。
続くステップS14では、燃料噴射弁24の温度(高圧燃料通路の内壁付近の温度であるINJ内壁温Tbody)を算出する。本実施形態では、INJ内壁温Tbodyを、燃料噴射弁24と外部との熱交換がINJ内壁温Tbodyに及ぼす影響を把握する外部パラメータ、及び燃料噴射弁24内部で発生する熱がINJ内壁温Tbodyに及ぼす影響を把握する内部パラメータに基づき算出する。より詳しくは、本実施形態では、外部パラメータとして、以下の(E)〜(H)を採用し、内部パラメータとして、以下の(I)を採用する。
(E)冷却水温THw:燃料噴射弁24はエンジンボディと接しているため、冷却水温THwは、INJ内壁温Tbodyを算出するための基準となるパラメータとなる。詳しくは、冷却水温THwが高いほど、INJ内壁温Tbodyが高くなる傾向にある。
(F)燃焼熱:燃焼熱が大きいほど、燃焼室32に突出する燃料噴射弁24に伝達される熱が多くなるため、INJ内壁温Tbodyが高くなる傾向にある。なお、燃焼熱は、例えば要求噴射量に基づき把握すればよい。
(G)吸気温Ts:吸気温Tsが低くなるほど、燃焼室32に突出する燃料噴射弁24の冷却度合いが大きくなるため、INJ内壁温Tbodyが低くなる傾向にある。なお、吸気温Tsは、例えば吸気温センサ72の出力値から算出すればよい。
(H)吸気圧Ps:吸気圧Psが変化すると、燃焼室32における燃焼状態の変化によって燃焼熱が変化することがある。このため、吸気圧Psを外部パラメータとして採用することができる。なお、吸気圧Psは、例えば吸気圧センサ74の出力値から算出すればよい。
(I)動リーク量Qleak、レール圧Pr:燃料噴射弁24を開弁状態とする場合、高圧燃料が圧力制御室46から低圧燃料通路54に流出される。圧力制御室46から低圧燃料通路54までの経路の間には絞りとなる部分が存在するため、高圧燃料が絞りを通過すると、燃料が減圧されるとともに、燃料流速が大きく上昇する。ここで、流速が上昇した燃料が周囲の気体を攪拌すること等に起因して、熱が発生する。この熱は、動リーク量Qleakが多かったり、レール圧Prが高かったりするほど多くなる。このため、動リーク量Qleak及びレール圧Prを内部パラメータとして採用することができる。ここで、動リーク量Qleakは、例えばエンジンの運転状態と関係付けて把握すればよい。
なお、外部パラメータとして、冷却水温THwと正の相関を有して且つ冷却水温THwよりもある程度高い油温Toilを採用してもよい。これは、冷却水温THwと併せて油温Toilを用いることで、エンジンボディから燃料噴射弁24へと伝達される熱がINJ内壁温に及ぼす影響をより精度よく把握できるためである。ここで、油温Toilは、例えば油温センサ70の出力値から算出すればよい。
また、内部パラメータとして、ピエゾスタックへの通電に伴うピエゾスタック自身の発熱の影響を把握可能なパラメータを採用してもよい。
続くステップS16では、INJ入口燃温Tin、INJ内壁温Tbody及び滞留時間tlongに基づき、INJ内部燃温Tijを推定する。この推定手法は、図8に示すように、燃料流入口40に流入した燃料の温度(INJ入口燃温Tin)は、時間経過とともにINJ内壁温Tbodyに漸近し、最終的にはINJ内壁温Tbodyに収束することに基づくものである。
具体的には、INJ入口燃温TinがINJ内壁温Tbodyよりも低い場合において、INJ入口燃温TinとINJ内壁温Tbodyとの温度差が高かったり、滞留時間tlongが長かったりするほど、内部温度変化量ΔTが大きくなり、INJ内部燃温Tijが高くなる傾向にある。
ちなみに、INJ内部燃温Tijの推定手法について具体的に説明すると、例えば、まず、INJ内壁温TbodyとINJ入口燃温Tinとの温度差及び滞留時間tlongと関係付けられた内部温度変化量ΔTが規定されるマップを用いて内部温度変化量ΔTを算出する。そして、算出された内部温度変化量ΔTとINJ入口燃温Tinの加算値としてINJ内部燃温Tijを推定すればよい。また、例えば、INJ入口燃温Tin、INJ内壁温Tbody及び滞留時間tlongとINJ内部燃温Tijとが関係付けられたマップや数式を用いてINJ内部燃温Tijを推定してもよい。
図7の説明に戻り、続くステップS18では、INJ内部燃温Tijに基づき、パイロット噴射及びメイン噴射のそれぞれに対応する指令噴射量の補正量ΔQを算出する。ここで、多段噴射のそれぞれに対応する指令噴射量の補正量ΔQを算出するのは、燃料噴射量の補正精度を向上させるためである。つまり、INJ内部燃温Tijの変化に起因して、多段噴射のそれぞれに対応する燃料噴射量が適合時に想定した量からずれ得る。ここで、多段噴射のそれぞれに対応する燃料噴射量のそれぞれは、必ずしも同じ割合でずれるとは限らない。すなわち、駆動信号(指令噴射期間)に応じて燃料噴射量のずれ量が相違し得る。このため、要求燃料量を補正した後、補正された要求噴射量を分割して割り当てると、各噴射の噴***度が低下するおそれがある。
こうした点に鑑み、多段噴射のそれぞれに対応する補正量ΔQを算出することで、燃料噴射量の補正精度を向上する。
ここで、上記補正量ΔQの算出手法について説明すると、多段噴射のそれぞれの噴射毎に、駆動信号、レール圧及びINJ内部燃温Tijと燃料噴射量Qとが関係付けられたマップを用いて、図9に示すように、燃料噴射弁24の噴射特性の適合時(基準となる温度条件時)における推定位置αのINJ内部燃温である基準温度(図中、低温領域及び高温領域の境界付近の温度として例示)に対応する指令噴射量Qtと、推定されたINJ内部燃温Tijに対応する燃料噴射量との差を補正量ΔQとして算出すればよい。より具体的には、上記基準温度に対応する指令噴射量Qtから推定されたINJ内部燃温Tijに対応する燃料噴射量を減算することで、上記補正量ΔQを算出すればよい。こうした補正によれば、高温領域においてINJ内部燃温Tijが高かったり、低温領域においてINJ内部燃温Tijが低かったりするほど、上記補正量ΔQが多くなる。
なお、上記マップは、高温領域においてINJ内部燃温Tijが高いほど燃料噴射量Qが減少し、低温領域においてINJ内部燃温Tijが低いほど燃料噴射量Qが減少する旨の情報であり、予めメモリ64aに記憶されている。
図7の説明に戻り、続くステップS20では、多段噴射のそれぞれに対応する上記指令噴射量Qtに上記補正量ΔQを加算することで、多段噴射のそれぞれに対応する最終的な指令噴射量Qtfinを算出する。そしてその後、上記最終的な指令噴射量Qtfinに基づき、燃料噴射弁24からの多段噴射が行われる。
なお、ステップS20の処理が完了する場合には、この一連の処理を一旦終了する。
以上詳述した本実施形態によれば、以下の効果が得られるようになる。
(1)INJ入口燃温Tin、INJ内壁温Tbody及び滞留時間tlongに基づき、INJ内部燃温Tijを推定した。そして、推定されたINJ内部燃温Tijに基づき、燃料噴射弁24の指令噴射量Qtを補正する補正処理を行った。これにより、INJ内部燃温Tijの変化に起因して、燃料噴射弁24からの燃料噴射量が適合時に想定した量からずれる事態の発生を抑制することができる。すなわち、燃料噴射弁24からの燃料噴射量の調節精度の低下を好適に抑制することができる。
(2)パイロット噴射及びメイン噴射のそれぞれに対応する指令噴射量Qtを補正した。これにより、燃料噴射弁24からの燃料噴射量の補正精度を向上させることができる。
(3)燃料噴射弁24として、ピエゾスタックを備えて且つセンターフィード方式のものを採用した。ピエゾスタックを備える場合、高圧燃料通路が長くなりやすく、INJ内部燃温Tijが変化しやすい。こうした状況下、ノズルニードル42に設けられたガイド部42bによって、INJ内部燃温Tijの変化に起因した燃料噴射量のずれが大きくなる。このため、INJ内部燃温Tijの変化に起因する燃料噴射量のずれが大きくなる燃料噴射弁24を採用する本実施形態は、上記補正処理を行う価値が高い。
(その他の実施形態)
なお、上記実施形態は、以下のように変更して実施してもよい。
・燃料噴射弁としては、電動アクチュエータ62としてピエゾスタックを備えるものに限らない。例えば、電動アクチュエータ62として、電磁ソレノイドを備えてもよい。この場合であっても、電動アクチュエータ62が、燃料噴射弁の中心軸線方向と垂直な方向において燃料通路38と並ぶように配置されるならば、高圧燃料通路が長くなってINJ内部燃温Tijが変化しやすい構成となるため、本願発明の適用が有効である。
また、例えば、圧力制御室を有さず、電動アクチュエータによってノズルニードルを直接動作させる燃料噴射弁であってもよい。この場合であっても、燃料噴射弁の開弁時において、先の図3で示した流路Cに起因して燃料噴射量の調節精度が低下し得るため、本願発明の適用が有効である。
・上記実施形態では、燃料噴射弁として、センターフィード方式のものを採用したがこれに限らない。例えば、図10に示すように、燃料通路38aがノズルニードル82の先端部82a付近(ニードル収容室36a)に直接つながるサイドフィード方式の燃料噴射弁24aを採用してもよい。以下、この燃料噴射弁24aの構造について説明する。
燃料噴射弁24aの圧力制御室46aには、燃料流入口40aから流入した高圧燃料がインオリフィス84を介して供給される。
一方、圧力制御室46aは、アウトオリフィス86を介して低圧燃料通路54と連通可能とされている。上記圧力制御室46aと低圧燃料通路54とは、制御バルブ52aによって連通及び遮断される。すなわち、アウトオリフィス86が制御バルブ52aによって塞がれることで、圧力制御室46aと低圧燃料通路54とが遮断される。一方、アウトオリフィス86が開放されることで圧力制御室46aと低圧燃料通路54とが連通される。
制御バルブ52aは、バルブスプリング56aによってアウトオリフィス86を塞ぐ方向に力を加えられている。
また、制御バルブ52aは、電動アクチュエータ62aとしての電磁ソレノイドによって変位可能とされている。電磁ソレノイドの電磁力によって制御バルブ52aが吸引されることで、アウトオリフィス86を開放する方向に制御バルブ52aが変位する。
こうした構成において、電磁ソレノイドに通電されず、電磁ソレノイドによる吸引力が生じていない場合、バルブスプリング56aの力によってアウトオリフィス86が制御バルブ52aによって塞がれる。このため、圧力制御室46a及びニードル収容室36a内のそれぞれの高圧燃料がノズルニードル82へ印加する圧力の差が略等しくなる。このため、ニードルスプリング44aがノズルニードル82を噴孔30a側へ変位させる力により、燃料噴射弁24aが閉弁状態となる。
一方、電磁ソレノイドが通電され、電磁ソレノイドによる吸引力が生じる場合には、制御バルブ52aがアウトオリフィス86を開放する方向に変位することとなる。これにより、圧力制御室46aの高圧燃料は、アウトオリフィス86を介して低圧燃料通路54へと流出する。このため、圧力制御室46aの高圧燃料がノズルニードル82へ印加する圧力は、ニードル収容室36a内の高圧燃料がノズルニードル82に印加する圧力よりも小さくなる。そして、この圧力差による力が、ニードルスプリング44aがノズルニードル82を噴孔30a側へ変位させる力よりも大きくなると、燃料噴射弁24aが開弁状態となる。
ここで、サイドフィード方式の燃料噴射弁24aでは、図11に示すように、INJ内部燃温Tijが高くなるほど、燃料噴射弁24aからの燃料噴射量Qが減少する。この噴射特性のずれは、高圧燃料通路がガイド部に相当する部材によって狭められないため、低温領域において先の図3の流路Dに起因する影響がないためである。
ちなみに、INJ内部燃温Tijは、例えば、燃料噴射弁24a内の通路としての圧力制御室46a内の燃料温度としてもよい。この場合、滞留時間tlongを、例えばメイン噴射の実施間隔とすればよい。これは、メイン噴射時において、圧力制御室46aの燃料の大部分が低圧燃料通路54側に流出されるため、上記内部温度変化量ΔTを初期化可能であることに鑑みたものである。また、滞留時間tlongの算出に、静リーク量を併せて用いてもよい。
・上記実施形態では、冷却水温THwを含む各種パラメータを用いて、INJ入口燃温Tinを推定したがこれに限らない。例えば、INJ入口燃温Tinを直接検出するセンサを備え、このセンサによってINJ入口燃温Tinを検出してもよい。なお、上記センサは、例えば、コモンレール18、高圧配管22、又は燃料噴射弁24の燃料流入口40付近に設ければよい。
・滞留時間tlongの算出手法としては、上記実施形態に例示したものに限らない。例えば、高圧燃料通路を流れる燃料の流速を検出する流速センサを備え、流速センサの出力値から算出される流速で、燃料流入口40から推定位置αまでの長さを除算することで算出してもよい。
・INJ内壁温Tbodyの推定手法としては、上記実施形態に例示したものに限らない。例えば、外部パラメータとして上記実施形態に例示したパラメータ全てを用いることなく、少なくとも冷却水温THwのみを用いる推定手法を採用してもよい。また、例えば、エンジンの排気通路上に排気温センサを備え、排気温センサの出力値に基づく排気温から算出される燃焼熱を用いた推定手法を採用してもよい。
・上記実施形態では、INJ内部燃温Tijが時間経過とともに上昇する状況について主に説明したが、INJ内部燃温Tijが時間経過とともに低下する状況であっても本願発明を適用することができる。
・多段噴射態様としては、メイン噴射と、メイン噴射に先立ち行われる微少噴射との2回の噴射に限らない。例えば、メイン噴射に先立ち行われる微少噴射を2回以上行ったり、メイン噴射の後に1回又は複数回の微少噴射を行ったりしてもよい。
・エンジンとしては、圧縮着火式内燃機関に限らず、例えば筒内噴射式の火花点火式内燃機関であってもよい。この場合、燃料噴射システムとして、燃料タンクの燃料(ガソリン)を汲み上げる電動ポンプと、電動ポンプから圧送される燃料を高圧状態で蓄えるデリバリパイプとが備えられることとなる。
また、エンジンとしては、化石燃料を用いるものに限らず、例えば、アルコールやメタノール等のアルコール燃料や、化石燃料とアルコール燃料との混合燃料を用いるエンジンであってもよい。
10…燃料タンク、14…燃料ポンプ、18…コモンレール、24…燃料噴射弁、30…噴孔、36…ニードル収容室、38…燃料通路、40…燃料流入口、42…ノズルニードル、46…圧力制御室、62…電動アクチュエータ、64…ECU(内燃機関の燃料噴射制御装置の一実施形態)。

Claims (7)

  1. 燃料を高圧状態で蓄圧可能な蓄圧容器と、燃料タンクからの燃料を前記蓄圧容器に吐出供給する燃料ポンプと、前記蓄圧容器に蓄えられた燃料が供給される燃料噴射弁とを備えて構成される内燃機関の燃料噴射システムに適用され、
    前記燃料噴射弁は、前記蓄圧容器から供給される燃料が流入する燃料流入口と、前記燃料噴射弁の噴孔を開閉するノズルニードルとを備えて構成され、
    前記燃料噴射弁の温度と、前記燃料流入口に流入する燃料の温度とに差がある場合、前記燃料流入口から流入した燃料が前記燃料噴射弁内に滞留する時間の相当量である滞留時間相当量が長いほど、前記燃料噴射弁の温度に近似するように前記燃料噴射弁内の燃料の温度を推定する燃温推定手段と、
    前記燃温推定手段によって推定された燃料の温度に基づき、前記燃料噴射弁からの燃料噴射量を補正する補正手段と、
    前記補正手段によって補正された燃料噴射量に基づき、前記燃料噴射弁を通電操作する操作手段とを備えることを特徴とする内燃機関の燃料噴射制御装置。
  2. 前記内燃機関の1燃焼周期と、該1燃焼周期に要求される前記燃料噴射弁からの燃料噴射量とに基づき、前記滞留時間相当量を算出する滞留時間算出手段を更に備え、
    前記燃温推定手段は、前記滞留時間算出手段によって算出された滞留時間相当量に基づき、前記燃料噴射弁内の燃料の温度を推定することを特徴とする請求項1記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  3. 前記燃料噴射弁は、該燃料噴射弁の内壁によって形成されて且つ前記ノズルニードルを収容するニードル収容室、該ニードル収容室と前記燃料流入口とをつなげる燃料通路、前記ノズルニードルのうち前記噴孔と対向する側と反対側に燃料の圧力を印加する圧力制御室、前記ニードル収容室及び前記燃料通路を備える高圧燃料通路と前記燃料タンクにつながる低圧燃料通路とのいずれかを前記圧力制御室に連通させるべく動作する弁体、及び該弁体を動作させるべく通電操作される電動アクチュエータを更に備えて構成され、該電動アクチュエータの通電操作によって前記ノズルニードルを動作させることで、前記高圧燃料通路を介して前記噴孔から燃料を噴射するものであり、
    前記燃料噴射弁内には、該燃料噴射弁の中心軸線方向と垂直な方向において前記燃料通路と前記電動アクチュエータとが並ぶように配置されて且つ、前記燃料噴射弁の中心軸線方向において前記圧力制御室が前記電動アクチュエータよりも前記噴孔側に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  4. 前記補正手段は、前記燃料噴射弁内の燃料の温度が高いほど前記燃料噴射量を増量補正することを特徴とする請求項3記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  5. 前記燃料噴射弁は、該燃料噴射弁の内壁によって形成されて且つ前記ノズルニードルを収容するニードル収容室、及び該ニードル収容室と前記燃料流入口とをつなげる燃料通路を更に備えて構成され、
    前記ノズルニードルは、その軸線方向の中間部に外径が拡大された拡大部を備えていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  6. 前記補正手段は、前記燃料噴射弁内の燃料の温度が低い領域において、該燃料の温度が低いほど前記燃料噴射量を増量補正することを特徴とする請求項5記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
  7. 前記内燃機関の1燃焼周期において該内燃機関の1の気筒に前記燃料噴射弁から燃料を複数回噴射させる制御手段と、
    前記内燃機関の要求トルクに基づき、該内燃機関の1燃焼周期に要求される燃料量を算出する手段と、
    前記要求される燃料量を分割して前記複数回噴射のそれぞれに割り当てる手段とを更に備え、
    前記補正手段は、前記燃温推定手段によって推定された燃料の温度に基づき、前記複数回噴射のそれぞれに割り当てられた燃料量を補正することを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の内燃機関の燃料噴射制御装置。
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