JP2012205384A - 蓄電池集合体制御システム - Google Patents
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Abstract
【課題】蓄電池集合体制御システムにおいて、複数の蓄電池制御単位を並列接続する際の電圧差をなくす処理を適切に行うことである。
【解決手段】蓄電池集合体制御システムは、1つの電力変換器26の充放電メインバス28に、5つの蓄電池ユニット40が並列に接続される。蓄電池ユニット40はそれぞれ4つの蓄電池パック列44を含み、各蓄電池パック列44はスイッチ56を介して充放電メインバス28と接続される。サブコントローラ30は、蓄電池パック列44のそれぞれの間の電圧差が予め定められた閾値電圧差以下となるときに、該当するスイッチをオンする。マスタコントローラ20は、充放電メインバス28に接続される蓄電池パック列44の数が増加するに従って閾値電圧差を低下させる。
【選択図】図1
【解決手段】蓄電池集合体制御システムは、1つの電力変換器26の充放電メインバス28に、5つの蓄電池ユニット40が並列に接続される。蓄電池ユニット40はそれぞれ4つの蓄電池パック列44を含み、各蓄電池パック列44はスイッチ56を介して充放電メインバス28と接続される。サブコントローラ30は、蓄電池パック列44のそれぞれの間の電圧差が予め定められた閾値電圧差以下となるときに、該当するスイッチをオンする。マスタコントローラ20は、充放電メインバス28に接続される蓄電池パック列44の数が増加するに従って閾値電圧差を低下させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、蓄電池集合体制御システムに係り、特に、並列接続された蓄電池制御単位の
間の電圧差をなくす処理が行われる蓄電池集合体制御システムに関する。
間の電圧差をなくす処理が行われる蓄電池集合体制御システムに関する。
電力管理において、負荷の電力消費に合わせて、発電や送電を効率的に行うことが好ましい。負荷の電力消費が変動する場合、蓄電装置を用いて電力需給を平均化することができる。蓄電装置としては、リチウムイオン電池のような2次電池を用いることができるが、リチウムイオン電池等の2次電池は、単位セルと呼ばれる単位蓄電池の端子間電圧が1Vから4V程度で、その充放電電流容量も小さい。そこで、単位セルを複数個用いる組電池である蓄電池パックが用いられるが、負荷の電力消費によっては、その蓄電池パックの多数を直列接続あるいは並列接続して用いることが必要になる。
ところで、蓄電池パックを互いに並列接続するときに、それぞれの蓄電池パックの電圧が異なっていると、電圧の高いほうから低い方へ電流が流れ、場合によっては過大な電流となることが生じる。
例えば、特許文献1は、電圧均等化回路に関して、従来の鉛蓄電池よりも内部インピーダンスが低いリチウムイオン電池等を直接並列接続すると、製造のばらつきに起因するインピーダンスや接触抵抗の僅かな違いによって、列電池の一方に過大電流が流れる可能性を指摘している。そこで、複数の二次電池が接続される列電池を並列に接続した電力貯蔵装置において、各列電池の列電池情報に基づいて電圧調整を行うか否かが判定され、電圧調整が必要であるとされると、電圧調整手段から電圧調整のためのオフセット指令が出力されて、列電池のそれぞれに接続される電力変換器による充放電制御が行われることが開示されている。
蓄電池を並列接続するときの電圧差を解消するには、電圧均等化回路を用いればよいが、システム構成が複雑になる。蓄電池集合体の場合には、最初に複数の蓄電池を組み合わせるときに電圧差が生じているが、一旦相互に接続されて集合体になると、充放電を行っても、蓄電池自体が故障しない限り、蓄電池の間の電圧差はほとんど生じない。したがって、蓄電池を組み合わせて接続する際に、複数の蓄電池の間で順次電圧均等化処理を行えばよい。
蓄電池を組み合わせるときに、複数の蓄電池を単純に並列接続すれば、それによって電圧の高い蓄電池と電圧の低い蓄電池との間で充放電電流が流れるので、電圧均等化が行われる。その場合に、あまり電圧差があるとその電圧差を補償するための充放電電流が過大になるので、別の手段を用いて、予めある程度電圧差を小さくし、その段階で、蓄電池相互を接続することが好ましい。
ところで、複数の蓄電池が並列配置されるときに上記の方法で電圧均等化を行うと、1つの蓄電池と1つの蓄電池との間で電圧差を補償するときと、多数の蓄電池と1つの蓄電池との間で電圧差を補償するのとで、充放電電流が異なってくる。その理由は、蓄電池の内部抵抗等のためである。このように、蓄電池の数に関わらず一律に電圧均等化処理を行うと不都合が生じる。例えば、蓄電池を相互接続する閾値電圧差を小さく設定すると、全ての蓄電池の電圧が揃うまで長時間を要することになってしまう。また、例えば、蓄電池を相互接続する閾値電圧を大きく設定すると、最後の方に接続される蓄電池に過大な電流が流れるおそれがある。
本発明の目的は、電圧均等化が行われる蓄電池の数を考慮して電圧均等化処理を適切に実行することができる蓄電池集合体制御システムを提供することである。
本発明に係る蓄電池集合体制御システムは、充放電メインバスに保護抵抗を介してそれぞれ並列接続されるとともに、充放電メインバスにスイッチを介してそれぞれ並列接続される複数の蓄電池制御単位と、複数の蓄電池制御単位のそれぞれの間の電圧差が予め定められた閾値電圧差以下となるときに、電圧の高い蓄電池制御単位から順に、該当するスイッチをオンするサブコントローラと、充放電メインバスに接続されている蓄電池制御単位の数を監視するマスタコントローラと、を備え、マスタコントローラは、充放電メインバスに接続される蓄電池制御単位の数が増加するに従って閾値電圧差を低下させることを特徴とする。
上記構成によれば、蓄電池集合体制御システムは、充放電メインバスに保護抵抗を介してそれぞれ並列接続されるとともに、充放電メインバスにスイッチを介してそれぞれ並列接続される複数の蓄電池制御単位について、複数の蓄電池制御単位のそれぞれの間の電圧差が予め定められた閾値電圧差以下となるときに、電圧の高い蓄電池制御単位から順に、該当するスイッチをオンする。その際に、充放電メインバスに接続されている蓄電池制御単位の数を監視して、充放電メインバスに接続される蓄電池制御単位の数が増加するに従って閾値電圧差を低下させる。このようにすることで、新たにスイッチがオンされる蓄電池制御単位の数に関わらず、電圧均等化のための充放電電流を一定のものにすることができる。
以下に図面を用いて本発明に係る実施の形態につき、詳細に説明する。以下では、蓄電池としてリチウムイオン電池を説明するが、これ以外の2次電池であってもよい。例えばニッケル水素電池、ニッケルカドミウム電池等であってもよい。蓄電池集合体とするのは、負荷の必要電力に対応するための電圧と電流とを得るためであるので、蓄電池集合体を構成する単位蓄電池の数、単位蓄電池を組み合わせた蓄電池パックの数、蓄電池パックを組み合わせた蓄電池ユニットの数等は、蓄電池集合体制御システムの仕様に応じ適宜なものとできる。
また、以下で、蓄電池集合体と接続される電力源として、太陽光発電電力と外部商用電力を説明するが、これ以外の電力源、例えば風力発電電力等であってもよい。また、以下で述べる抵抗値、電圧値等は、説明のための例示であり、蓄電池集合体制御システムの電力仕様等に応じ適宜変更が可能である。
以下では、全ての図面において同様の要素には同一の符号を付し、重複する説明を省略する。また、本文中の説明においては、必要に応じそれ以前に述べた符号を用いるものとする。
図1は、蓄電池集合体制御システム10の構成を示す図である。蓄電池集合体制御システム10は、複数の蓄電池を組み合わせた蓄電池集合体と、電力源と、負荷との間の電力管理を通して、蓄電池集合体の最適な充放電制御を行うシステムである。
電力源として、外部商用電源12と、太陽光発電システム14を含む。外部商用電源12は、単相または三相の交流電力源であり、電力需給の変動に合わせて、水力発電、原子力発電、火力発電等の様々な発電方式で発電された電力を組み合わせて、外部の電力会社から供給される。太陽光発電システム14は、例えば、数MWの大規模なシステムである。負荷16は、ここでは工場の負荷が図示されている。工場の負荷としては、機械設備の他、一般照明、一般空調、厨房器具、サーバやPC等の事務機器、工場内空調等を含む。
蓄電池集合体制御システム10において、蓄電池集合体の最適な充放電制御を行うため、図示されていないシステムコントローラによって、電力源側の供給電力情報データと、負荷側の負荷電力情報データと、蓄電池集合体側の蓄電池電力情報データとに基づいて、これらの電力管理全体に対する1つの充放電制御指令である全体充放電制御指令が生成される。全体充放電制御指令は、例えば「XXkWでYY秒間充電すること」、「電圧がZZVになるまでXXkW充電すること」等の指令である。
マスタコントローラ20は、図示されていないシステムコントローラから受け取った1つの全体充放電制御指令に基づいて、HUB22を介して、電力変換器管理部24に集合体充放電制御指令を送信する機能を有する制御装置である。
電力変換器管理部24は、8つの電力変換器26の動作状態を管理する管理装置である。電力変換器26は、外部商用電源12の交流電力と蓄電池の直流電力との間の電力変換、あるいは太陽光発電システム14の電圧と蓄電池の電圧との間の電圧変換、あるいは蓄電池の電圧と負荷16の電圧との間の電圧変換を行う機能を有し、双方向AC/DCコンバータ、双方向DC/DCコンバータ等のコンバータである。具体的には、実際に行われる変換の内容に応じて、用いられるコンバータの種類が選択される。
電力変換器管理部24は、8つの電力変換器26の動作状態を管理する管理装置である。電力変換器26は、外部商用電源12の交流電力と蓄電池の直流電力との間の電力変換、あるいは太陽光発電システム14の電圧と蓄電池の電圧との間の電圧変換、あるいは蓄電池の電圧と負荷16の電圧との間の電圧変換を行う機能を有し、双方向AC/DCコンバータ、双方向DC/DCコンバータ等のコンバータである。具体的には、実際に行われる変換の内容に応じて、用いられるコンバータの種類が選択される。
電力変換器管理部24は、マスタコントローラ20からの集合体充放電指令に合わせるように、蓄電池集合体の全体を8つに分けて、その8つのそれぞれに1つの電力変換器26を割り当てて電力管理を行う管理装置である。図1では、蓄電池集合体の全体の内で、1つの電力変換器26に接続される蓄電池集合体が図示されている。1つの電力変換器26には、5つの蓄電池ユニット40が接続される。
1つの電力変換器26について、この5つの蓄電池ユニット40が接続されるが、この他に、各蓄電池ユニット40ごとに、スイッチ基板50とサブコントローラ30が設けられる。そこで、1つの電力変換器26について設けられる5つの蓄電池ユニット40、5つのスイッチ基板50、5つのサブコントローラ30の集合体を、図1では便宜上まとめて、蓄電池ユニット群29として示した。マスタコントローラ20からの集合体充放電指令は、1つの電力変換器26とそれに関係する蓄電池ユニット群29に対する指令である。
充放電メインバス28は、1つの電力変換器26と5つの蓄電池ユニット40を接続する電力バスで、5つの蓄電池ユニット40は、この充放電メインバス28に互いに並列接続される。具体的には、各蓄電池ユニット40は、スイッチ基板50を介して充放電メインバス28に接続される。ここで、スイッチ基板50は、サブコントローラ30によって制御される。このように、1つの蓄電池ユニット40には、スイッチ基板50とサブコントローラ30が付属するので、これらは、1つのラックにまとめられる。
図2は、1つの蓄電池ユニット40の周辺構成の詳細を説明する図である。なお、図1は、蓄電池集合体制御システム10の全体構成を説明するために、蓄電池ユニット40周辺構成をいくつか省略してある。
蓄電池ユニット40は、予め定められた個数の蓄電池パック42を直列接続した蓄電池パック列44を、予め定めた列数で並列に接続して構成される。図1の例では、5つの蓄電池パック42を直列接続して1つの蓄電池パック列44を形成し、その蓄電池パック列44を4列並列接続して、1つの蓄電池ユニット40が構成される。すなわち、1つの蓄電池ユニット40は、20つの蓄電池パック42から構成されることになる。なお、1つの蓄電池パック42は、300の単位蓄電池から構成される。各単位蓄電池は、端子電圧が1Vから4Vのリチウムイオン電池である。
蓄電池パック列44を構成する5つの蓄電池パック42のそれぞれの端子間電圧はセル電圧として、図示されていない電圧検出器によって検出される。また、蓄電池パック42の温度はパック温度として図示されていない温度検出器によって検出される。また、各蓄電池パック列44に流れる電流はパック列電流として、図示されていない電流検出器によって検出される、これらのデータは、その蓄電池ユニット40を管理するサブコントローラ30に伝送される。
スイッチ基板50は、蓄電池ユニット40と、充放電メインバス28との間に配置される回路基板で、複数の保護抵抗54、複数のスイッチ56を含む。
保護抵抗54は、蓄電池ユニット40において4つ並列接続される蓄電池パック列44の間の電圧差を少なくするために設けられる抵抗素子である。なお、図1ではこの保護抵抗54の図示を省略してある。保護抵抗54は、4つの蓄電池パック列44の間に電圧差があるときに、その電圧差に応じた電流が流れることで、各蓄電池パック列44の間の電圧差を少なくするために、各蓄電池パック列44の間に設けられる抵抗素子である。図2の例では、各蓄電池パック列44の充放電端子とサブバス52の間にそれぞれ直列に抵抗素子を配置し、これを保護抵抗54としてある。この場合には、隣接する蓄電池パック列44には、サブバス52を介して2つの保護抵抗54があることになる。
スイッチ56は、蓄電池パック列44の間の電圧差が予め定めた閾値電圧差以下になったときに、その蓄電池パック列44を充放電メインバス28に接続するための素子である。スイッチ56は、各蓄電池パック列44の充放電端子と充放電メインバス28との間にそれぞれ1ずつ設けられる。場合によっては、充電と放電とを区別して、1つの蓄電池パック列44に対して2つずつスイッチを設けるものとしてもよい。ここでは上記の目標電圧差である。例えば、標準的な値として、閾値電圧差を±1Vとすることができる。
このように、蓄電池ユニット40においては、各蓄電池パック列44を単位として、保護抵抗54の機能を用いてそれぞれの蓄電池パック列44の充放電端子の電圧を揃え、閾値電圧差に収まったところでその蓄電池パック列44についてのスイッチ56をオンする制御が行われる。この観点から、各蓄電池パック列44を、蓄電池ユニット40における蓄電池制御単位と呼ぶことができる。
サブコントローラ30は、蓄電池ユニット40を構成する4つの蓄電池パック列44のパック列電流データと、各蓄電池パック列44を構成する5つの蓄電池パック42のセル電圧とパック温度データを取得し、適当な伝送タイミングでマスタコントローラ20に伝送する機能を有する。また、各蓄電池パック列44を構成する5つの蓄電池パック42のセル電圧から、各蓄電池パック列44の電圧を算出して監視する機能を有する。
サブコントローラ30は、さらに、スイッチ56の動作を制御する機能を有する。すなわち、上記のように、保護抵抗54の作用によって、各蓄電池パック列44の間の電圧差が少なくなって、予め定められた閾値電圧差以下となるときに、電圧の高い蓄電池パック列44から順に、該当するスイッチ56をオンさせる。閾値電圧差は、標準的な値として、上記のように、±1Vとすることができる。
サブコントローラ30によるスイッチ56のオンによって、該当する蓄電池パック列44は、保護抵抗54を介さずに、直接充放電メインバス28に接続され、充放電メインバス28の電圧に一気になる。つまり、その蓄電池パック列44の充放電端子と、充放電メインバス28との間の電圧差はなくなる。これによって、その蓄電池パック列44は、充放電メインバス28を介して、電力変換器26の充放電に寄与することができるようになる。
図3から図6は、上記構成において、実際にスイッチ56がオンしてゆく様子と、そのときに生じ得る課題を説明する図である。図3、図5は、図1における1つの蓄電池ユニット群29を抜き出し、保護抵抗54、サブバス52等の図示を省略したものである。ここでは、20個の各蓄電池パック列44を区別するために、1から20の数字を付してある。図4、図5は、それぞれ図3、図5に対応する等価回路で、蓄電池パック列44の内部抵抗がrとして示されている。
図3は、既にオンされているスイッチ56が1つあるときに、次にもう1つのスイッチ56がオンするときの様子を示す図である。ここでは、数字1を付した蓄電池パック列44についてのスイッチ56が既にオンされている状態で、数字20を付した蓄電池パック列44がちょうどオンしようとするときである。数字2から数字19を付した蓄電池パック列44のスイッチ56は依然としてオフのままである。
このときに、例えば、数字1を付した蓄電池パック列44の電圧、すなわち充放電メインバス28の電圧が、数字20を付した蓄電池パック列44の電圧より高いと、その電圧差を補償するように、数字1を付した蓄電池パック列44から数字20を付した蓄電池パック列44に向かって電流が流れる。そのときの電流値Iは、図4の等価回路で説明できる。すなわち、電圧差をΔV、1つの蓄電池パック列44の内部抵抗をrとして、流れる電流ΔIは、{ΔV/(r+r)}=(ΔV/2r)である。
図5は、既にオンされているスイッチ56が19あるときに、残りの1つのスイッチ56がオンするときの様子を示す図である。ここでは、数字1から数字19を付した蓄電池パック列44についてのスイッチ56が既にオンされている状態で、数字20を付した蓄電池パック列44がちょうどオンしようとするときである。
このときに、例えば、数字1から数字19を付した蓄電池パック列44の電圧、すなわち充放電メインバス28の電圧が、数字20を付した蓄電池パック列44の電圧より高いと、その電圧差を補償するように、数字1から数字19を付した19の蓄電池パック列44から数字20を付した1つの蓄電池パック列44に向かって電流が流れる。そのときの電流値Iは、図6の等価回路で説明できる。図4と同様に、電圧差をΔV、1つの蓄電池パック列44の内部抵抗をrとすると、流れる電流ΔIは、[ΔV/{(r/19)+r}]={ΔV/(20/19)r}である。
図3、図5において、スイッチ56がオンするときの閾値電圧差をいずれも同じとすると、上記でΔVが同じであるので、図3と図5では、電圧均等化のために流れる充放電電流が(38/20)倍異なることになる。上記では、代表的な例を説明したが、オンしているスイッチ56の数が増加するほど、電圧均等化のために流れる充放電電流が増加する。
このように、スイッチ56の数がオンする際に、既にオンしているスイッチ56の数が増加すると、新たにオンするスイッチ56に接続される蓄電池パック列44に対する充放電電流ΔIが増大する。その程度が大きくなると、発熱、回路不具合が生じ得る。これを防止するために、閾値電圧差ΔVを小さく設定すると、電圧均等化に時間が掛かる。電圧均等化に時間が掛かると、電圧均等化が行われるまでその蓄電池パック列44は充放電メインバス28に直接的には接続されないので、電力源からの充電、負荷への放電に寄与できない。これらが、本発明の解決しようとする課題である。
そこで、マスタコントローラ20は、充放電メインバス28に接続される蓄電池パック列44の数が増加するに従って、スイッチ56をオンするための閾値電圧差を低下させる処理を行う。
図7は、そのような閾値電圧差(ΔV)thと、既にオンしているスイッチ56の数nとの関係を示す1例である。この例は、図3、図5の場合と同様に、1つの蓄電池ユニット群29について、充放電メインバス28に接続されるスイッチ56の総数を20としたときのものである。こでは、n=1のときの(ΔV)thを規格化して1.0とおいたとき、n=20のときの(ΔV)thが0.5となるようにして求めた閾値電圧差特性線が示されている。
マスタコントローラ20は、図7のような閾値電圧差特性線を予め適当な記憶部に記憶し、各蓄電池ユニット群29ごとに、既にオンしたスイッチ56の数nを監視し、その数nに対応する閾値電圧差を読み出す。読み出された閾値電圧差は、それぞれの蓄電池ユニット群29に所属する各サブコントローラ30に伝送される。各サブコントローラ30は、伝送された閾値電圧差の値を用いて、スイッチ56をオンするか否かを判断する。
このように、蓄電池集合体制御システム10の稼動過程で、電圧均等化が行われる蓄電池パック列44の数が時々刻々変化することに合わせて、閾値電圧差を動的に変化させることで、電圧均等化処理を適切に実行することができる。
本発明に係る蓄電池集合体制御システムは、複数の蓄電池を並列接続する蓄電池集合体の充放電制御に利用できる。
10 蓄電池集合体制御システム、12 外部商用電源、14 太陽光発電システム、16 負荷、20 マスタコントローラ、22 HUB、24 電力変換器管理部、26 電力変換器、28 充放電メインバス、29 蓄電池ユニット群、30 サブコントローラ、40 蓄電池ユニット、42 蓄電池パック、44 蓄電池パック列、50 スイッチ基板、52 サブバス、54 保護抵抗、56 スイッチ。
Claims (2)
- 充放電メインバスに保護抵抗を介してそれぞれ並列接続されるとともに、前記充放電メインバスにスイッチを介してそれぞれ並列接続される複数の蓄電池制御単位と、
複数の蓄電池制御単位のそれぞれの間の電圧差が予め定められた閾値電圧差以下となるときに、電圧の高い前記蓄電池制御単位から順に、該当する前記スイッチをオンするサブコントローラと、
前記充放電メインバスに接続されている前記蓄電池制御単位の数を監視するマスタコントローラと、
を備え、
前記マスタコントローラは、
前記充放電メインバスに接続される前記蓄電池制御単位の数が増加するに従って前記閾値電圧差を低下させることを特徴とする蓄電池集合体制御システム。 - 請求項1に記載の蓄電池集合体制御システムにおいて、
前記複数の蓄電池制御単位のそれぞれは、複数の蓄電池パックを直列に接続した蓄電池パック列であることを特徴とする蓄電池集合体制御システム。
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