JP2012200518A - 内視鏡用処置具 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作性を損なうことなく、容易に洗浄できる内視鏡用処理具を提供する。
【解決手段】チューブ状のアウターシース124を含むアウターシース部と、アウターシース124に挿通されたチューブ状のインナーシース122と、インナーシース122に挿通された駆動ワイヤー123と、駆動ワイヤー123の遠位端に接続され、クリップを把持可能な連結フックと、インナーシース122の近位端に接続されたベース部と、駆動ワイヤー123の近位端が接続されるとともに、ベース部に対してスライド可能に保持されたスライダー部と、を備え、インナーシース122として、複数のワイヤー素線を螺旋状に撚ってなるワイヤーチューブを用いる。
【選択図】図35

Description

本発明は、内視鏡を利用して止血等を行う内視鏡用処理具に関する。
内視鏡用処置具としてのクリップ装置は、内視鏡の処置具案内管に通されるシースの先端に配置されたクリップを、シースの後端に取り付けられた操作部からの操作により、止血やマーキング等のために体内組織を把持した状態で留置するために用いられる装置である。クリップはシースに対して分離自在に構成されており、一般には、クリップの後端部分に形成された連結部に対して係脱自在な連結フックが、シース内に通された駆動ワイヤーの先端に取り付けられている。
クリップの連結部に対し係脱される連結フックとしては、これまで各種の方式のものが考案されているが、自己の弾性により前方に向かって略ハの字状に開いた状態に付勢されて、先端が内側に向かって曲がった形状のものが、構造が簡単であってかつクリップとの連結および分離の動作が確実に行われて性能がよいことなどから多く用いられている。
このようなクリップ装置としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものが知られている。クリップを把持する連結フックは駆動ワイヤー(操作ワイヤー)の遠位端に接続され、駆動ワイヤーはインナーシース内を挿通されてその近位端がスライダー部(第1操作部)に接続されている。インナーシースはアウターシース内を挿通されてその近位端がベース部(第2操作部)に接続されている。
第1操作部を第2操作部の遠位方向にスライドさせてクリップ開放位置に設定することにより、連結フックがインナーシースの先端から突出して略ハの字状に開脚した状態となる。この状態から、第1操作部を、第2操作部に近接する方向(引き込む方向)に所定量だけスライドさせてクリップ連結位置(ニュートラル位置)に設定することにより、連結フックがインナーシース内に入り込み、連結フックが閉脚して、クリップを連結(把持)した状態とすることができる。この状態からさらに第1操作部を第2操作部に近接する方向にスライドさせてクリップ締結位置に設定することにより、クリップを把持した連結フックがインナーシース内にさらに入り込み、インナーシースの先端部によってクリップに設けられた締結リングが遠位側にスライドされ、クリップを閉脚固定した締結状態とすることができる。その後、第1操作部をクリップ開放位置に再度設定することにより、締結状態となっているクリップの連結フックによる把持を開放することができる。
駆動ワイヤーとしては、単一のワイヤーからなるものや複数のワイヤー(素線)を螺旋状に巻いてなる撚り線からなるワイヤーロープが用いられている。また、駆動ワイヤーが挿通されるインナーシースやインナーシースが挿通されるアウターシースとしては、樹脂からなる中空チューブが用いられている。下記特許文献2には、アウターシースとしてポリエチレン等の樹脂からなる中空チューブを、インナーシースとして密巻コイルシースを用いることが記載されている。
ところで、このような内視鏡用処置具は、コスト低減や省資源等の観点から、洗浄剤中に浸して超音波振動させることにより洗浄する超音波洗浄法等を用いて洗浄して複数回使用されることが好ましいが、従来技術では、そのような洗浄が難しい樹脂からなる中空チューブを用いている。
特開2009−189704号公報 特許第4388324号公報
特許文献1にあるような装置では、インナーシースやアウターシースが樹脂からなる中空チューブであり、このようなチューブには洗浄液が浸透しないため、装置を洗浄する場合には特別な治具等が必要であり、その操作性の煩雑さから作業者が戸惑ったり、また治具により装置を損傷する等の問題があった。
ここで、インナーシース及びアウターシースとして、特許文献2にてインナーシースに用いているような密巻コイルシースを用いれば、洗浄液が浸透可能となるため、洗浄剤中に浸して超音波振動させることにより洗浄する超音波洗浄法が可能となり、洗浄作業性が向上する可能性がある。しかしながら、かかるコイルシースはその軸線方向の伸縮性が高く、インナーシースの遠位端と駆動ワイヤーの遠位端(連結フック)の相対位置がシースの形状(湾曲の度合い等)によって変動する。従って、連結フックの開閉等の操作における応答性や追従性が悪化するため、操作性の観点から採用することはできない。
本発明は、このような点に鑑みてなされたものであり、操作性を損なうことなく、容易に洗浄することができる内視鏡用処置具を提供することを目的とする。
本発明に係る内視鏡用処置具は、チューブ状のアウターシースを含むアウターシース部と、前記アウターシースに挿通されたチューブ状のインナーシースと、前記インナーシースに挿通された駆動ワイヤーと、前記駆動ワイヤーの遠位端に接続され、クリップを把持可能な連結フックと、前記インナーシースの近位端に接続されたベース部と、前記駆動ワイヤーの近位端が接続されるとともに、前記ベース部に対してスライド可能に保持されたスライダー部と、を備え、前記インナーシースとして、複数のワイヤー素線を螺旋状に撚ってなるワイヤーチューブを用いることを特徴とする。
本発明に係る内視鏡用処置具において、前記駆動ワイヤーとして、複数のワイヤー素線を螺旋状に撚ってなるワイヤーチューブまたはワイヤーロープを用い、前記インナーシースの巻き方向と前記駆動ワイヤーの巻き方向とを互いに逆向きに設定することができる。また、前記アウターシースとして、単一の長尺素材を螺旋状に巻いてなるコイルシースまたは複数のワイヤー素線を螺旋状に撚ってなるワイヤーチューブを用い、前記インナーシースの巻き方向と前記アウターシースの巻き方向とを互いに逆向きに設定するようにできる。
本発明に係る内視鏡用処置具において前記連結フックが開放されるクリップ開放位置から、前記連結フックに連結されたクリップに締結動作させるクリップ締結位置に向けて、前記スライダー部を前記ベース部に対してスライドさせた際に、前記連結フックを閉脚させて前記クリップを連結するクリップ連結位置で解除可能に停止させるスライド規制手段をさらに備えることができる。
前記スライド規制手段を備える場合において、前記スライド規制手段としては、前記ベース部に第1角度位置(規制位置)から第2角度位置(非規制位置)の範囲で回転可能に設けられた回転ベースと、前記回転ベースが前記第1角度位置にあるときには該回転ベースの一部が当接して前記ベース部に対する前記スライダー部のスライドを前記クリップ連結位置で停止させ、前記回転ベースが前記第2角度位置にあるときには該回転ベースの一部への当接が解除されるように、前記スライダー部に設けられた当接部とを有するものを用いることができる。この場合において、前記回転ベースが前記第2角度位置に位置したときに互いに係合する突起部および受け部の一方を前記ベース部に、他方を前記回転ベースに設けることができる。
前記スライド規制手段を備える場合において、前記インナーシースを前記ベース部に回転可能に接続し、前記スライダー部を前記アウターシース部に対して回転可能に保持し、前記ベース部を前記スライダー部に該スライダー部と一体的に回転可能となるように保持し、前記アウターシース部に対して前記スライダー部を回転調整することにより、前記インナーシースを回転させることなく前記駆動ワイヤーを介して前記連結フックの回転方向の姿勢を制御するように構成することができる。
本発明に係る内視鏡用処置具において、前記クリップとしては、その先端に向かって略ハの字状に形成された一対のアーム部、該アーム部の基端部側に設けられた前記連結フックによって把持される連結部および該アームを閉脚固定させる締結リングを有するものを用いることができる。
本発明に係る内視鏡用処置具によれば、インナーシースとして、複数のワイヤー素線を螺旋状に撚ってなる中空のワイヤーチューブを用いており、かかるワイヤーチューブは洗浄液を浸透するので、洗浄剤中に浸して超音波振動させることで洗浄することができる。従って、洗浄に伴う作業工数を削減することができる。また、かかるワイヤーチューブは複数のワイヤー素線を螺旋状に撚られており、ワイヤーチューブが伸びる方向に力がかかった場合、素線同士が干渉し伸び難いという性質がある。つまり、軸線方向の伸性が小さいので、インナーシースの遠位端と駆動ワイヤーの遠位端(連結フック)との相対位置がシースの形状(湾曲の度合い等)によって変動することがない。従って、連結フックの開閉等の操作における応答性や追従性が高く、高い操作性を実現することができる。
また、前記スライド規制手段を備える場合には、ベース部に対してスライダー部をスライドさせてクリップ開放位置に設定した状態において、スライド規制手段をクリップ連結位置で停止させるように設定して、ベース部に対してスライダー部をクリップ締結位置に向けてスライドさせるだけで、クリップ連結位置で確実に停止させることができる。その際、スライド力を厳密に加減する必要もなく、作業が極めて容易である。その結果、クリップの連結作業を容易かつ確実に行うことができるようになる。また、処置中にスライダ部が意図せずにスライドしてしまうことも防止することができ、処置中のトラブルも少なくすることができる。なお、この状態からスライド規制手段の設定を解除すれば、クリップ締結位置までさらにスライドさせることができる。
本発明の第1実施形態の内視鏡用処置具の外観を示す正面図である。 図1のA−A線に沿った断面図である。 本発明の第1実施形態の内視鏡用処置具の操作部の断面図である。 本発明の第1実施形態のベース部のスライドをクリップ連結位置で停止させない場合の回転ベースの位置設定を示す図である。 本発明の第1実施形態のベース部のスライドをクリップ連結位置で停止させる場合の回転ベースの位置設定を示す図である。 本発明の第1実施形態のベース部の要部を拡大して示す図である。 本発明の実施形態の開脚状態のクリップの構成を示す図である。 本発明の実施形態の閉脚状態のクリップの構成を示す図である。 本発明の第1実施形態の内視鏡用処置具の操作部の断面図であって、クリップ開放位置となるようにベース部をスライドさせた場合を示す図である。 図9の場合の内視鏡処置具の先端部の様子を示す正面図である。 本発明の第1実施形態の内視鏡用処置具の操作部の断面図であって、回転ベースを規制位置に設定してベース部をスライドさせた場合を示す図である。 図11の場合の内視鏡処置具の先端部の様子を示す正面図である。 図11の場合の内視鏡処置具の先端部の様子を示す側面図である。 本発明の第1実施形態の内視鏡用処置具の操作部の断面図であって、連結フックに連結されたクリップをアウターシース内に収容するようにアウター受けをスライドさせた場合を示す図である。 図14の場合の内視鏡処置具の先端部の様子を示す正面図である。 図14の場合の内視鏡処置具の先端部の様子を示す側面図である。 本発明の第1実施形態の内視鏡用処置具の操作部の断面図であって、クリップ連結位置で回転ベースを非規制位置に設定した場合を示す図である。 本発明の第1実施形態の内視鏡用処置具の操作部の断面図であって、クリップ締結位置となるようにベース部をスライドさせた場合を示す図である。 図18の場合の内視鏡処置具の先端部の様子を示す正面図である。 図18の場合の内視鏡処置具の先端部の様子を示す側面図である。 本発明の第2実施形態の構成を示す図であって、ベース部の要部構成を示す正面図である。 本発明の第3実施形態の内視鏡用処置具の操作部の外観を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態の内視鏡用処置具の操作部を半分に切断した状態を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態の内視鏡用処置具の操作部の断面図であって、クリップ開放位置となるようにベース部をスライドさせた場合を示す図である。 図24の場合の内視鏡用処置具の先端部の様子を示す斜視図である。 図25を半分に切断した状態を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態の内視鏡用処置具の操作部の断面図であって、ニュートラル位置となるようにベース部をスライドさせた場合を示す図である。 図27の場合の内視鏡用処置具の先端部の様子を示す斜視図である。 図28を半分に切断した状態を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態の内視鏡用処置具の操作部の断面図であって、連結フックに連結されたクリップをアウターシース内に収容するようにアウター受けをスライドさせた場合を示す図である。 図30の場合の内視鏡用処置具の先端部の様子を示す斜視図である。 図31を半分に切断した状態を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態の内視鏡用処置具の操作部の断面図であって、連結フックに連結されたクリップをアウターシース内に収容するようにアウター受けをスライドさせた場合を示す図である。 本発明の第3実施形態の内視鏡用処置具のインナーシースの要部を示す斜視図である。 本発明の第3実施形態の内視鏡用処置具のシース部の構成を示す斜視図である。
以下、本発明の第1実施形態に係る内視鏡用処置具としてのクリップ装置について、図1〜図21を参照して具体的に説明する。
まず、図1〜図3を参照する。なお、以下では、便宜的に、後述するアウター受け26、スライダー部27、ベース部28が互いに対してスライドする方向をスライド方向ということがある。
このクリップ装置20は、連結フック21、インナーシース(インナーチューブ)22、駆動ワイヤー(操作ワイヤー)23、アウターシース(アウターチューブ)24、補強パイプ25、アウター受け26、スライダー部27、ベース部28、および回転指輪(第2操作部)29を概略備えて構成されている。スライダー部27は、ベース外筒27aおよびスライダー(第1操作部)27bを備え、ベース部28は固定ベース28aおよび回転ベース28bを備えている。
チューブ状のアウターシース24には、同じくチューブ状のインナーシース22が挿通されており、インナーシース22には駆動ワイヤー23が挿通されている。インナーシース22はアウターシース24内で摺動可能となっており、駆動ワイヤー23はインナーシース22内で摺動可能となっている。
アウターシース24は可撓性を有する中空チューブからなり、本実施形態ではコイルチューブを用いている。コイルチューブとしては、金属(ステンレス)等からなる長尺平板を螺旋状に巻回してなる平線コイルチューブを用いることができる。但し、丸線コイルチューブまたは内面平コイルチューブを用いてもよい。
インナーシース22は可撓性を有する中空チューブからなり、本実施形態ではワイヤーチューブを用いている。ワイヤーチューブは、例えば金属(ステンレス)等からなる複数本のワイヤー(ケーブル)を中空となるように螺旋状に撚ってなる中空撚り線からなるチューブである。一例として、直径0.4mmのワイヤーを8〜10本程度用いて、外径が直径1.5〜1.7mm、内径が直径0.7〜1mmとなるように撚ることによって、操作時にインナーシースに生じる圧縮力に十分耐え得るワイヤーチューブを得られることが、本願発明者による実験により明らかとなっている。なお、直径0.3mmのケーブルを用いて同様に得られたワイヤーチューブでは、操作時にインナーシースに生じる圧縮力に対して不十分であることが判明している。なお、インナーシース22としては、主としてワイヤーチューブを用い、その先端側の一部のみをコイルチューブとしたものを用いてもよい。
駆動ワイヤー23は可撓性を有するワイヤーからなり、本実施形態ではワイヤーロープを用いている。ワイヤーロープは、例えば金属(ステンレス)等からなる複数本のワイヤー(ケーブル)を螺旋状に撚ってなる撚り線からなるロープである。但し、駆動ワイヤー23としては、インナーシース22と同様なワイヤーチューブを用いてもよい。
アウターシース24やインナーシース22として、このようなコイルチューブまたは撚り線からなるワイヤーチューブを用いるのは、このクリップ装置20を、洗浄液を用いて超音波洗浄した場合に、チューブの内側に洗浄液が十分に浸透して内外共に良好に洗浄できるようにするためである。
なお、アウターシース24の巻き方向とインナーシース22の巻き方向とは、互いに逆のものを用いることが、互いの間に生じる摺動抵抗を小さくする観点から好ましい。例えば、アウターシース24がZ巻きである場合には、インナーシース22をS巻きにする如くである。駆動ワイヤー23に撚り線からなるワイヤーロープまたはワイヤーチューブを用いる場合には、その巻き方向をインナーシース22の巻き方向と逆方向にすることが同様に好ましい。
クリップ装置20のシース先端に配置される連結フック21は、その先端に向かって略ハの字状に配置された弾性体からなる一対のアーム部を有し、インナーシース22との協働によって、開脚(開いた)状態と閉脚(閉じた)状態の二つの状態をとり得るようになっている。連結フック21のアーム部の先端部は、内側(互いに相対する側)に折り曲げられており、後述するクリップ10の連結部11aを把持して連結する把持部となっている。連結フック21の基端部は、駆動ワイヤー23の先端に固定されている。
アウターシース24の近位端は補強パイプ25を介してアウター受け26に接続されている。すなわち、アウターシース24の近位端近傍が補強パイプ25に挿入されて該補強パイプ25に一体的に固定され、補強パイプ25の基端部がアウター受け26の先端部近傍に取り付けられている。補強パイプ25は、当該パイプの中心軸を中心として回転可能となるようにアウター受け26に支持されているとともに、アウター受け26がスライド方向にスライドされた場合には一体的にスライドするようにアウター受け26に支持されている。
アウター受け26は、略円筒状の部材からなり、その基端部側には一対のバネ収容部が設けられ、該一対のバネ収容部内に板バネ31がそれぞれ収容されている。
駆動ワイヤー23の近位端は、スライダー部27を構成するスライダー27bに、リードパイプ受け30を介して一対のネジ(不図示)または嵌合により一体的に接続固定されている。したがって、駆動ワイヤー23はスライダー27bがその中心軸を中心として回転された場合には一体的に回転するとともに、スライダー27bがスライド方向にスライドされた場合には一体的にスライドされる。
スライダー27bは、略円筒状に形成されている。スライダー27bは、そのスライド方向の両端部に外側に突出する鍔部27cをそれぞれ有しており、これらの鍔部27cの間の部分を、例えば人差し指と中指で挟持することができるようになっている。ここで、両鍔部27cの間の空間に指を配置して操作する場合には、スライダー27bが略円筒状に構成されていることから、従来のようにスライダーに形成された穴部に指を差し入れて操作する場合に比べて、操作者は、スライダーの向き(位置、姿勢)を気にすることなく簡単にスライダーを操作できる。また、スライダー27bの内側には、一対のバネ収容部が形成されており、これらのバネ収容部にそれぞれ板バネ32が収容されている。
スライダー27bにはベース外筒27aが取り付けられており、ベース外筒27aは略円筒状の部材から構成されている。ベース外筒27aがアウター受け26にスライド可能に内挿されることにより、スライダー部27がアウター受け26に対してスライド可能に保持されている。ベース外筒27aは、その中心軸を中心として回転可能となるようにスライダー27bに支持(連結)されているとともに、スライダー27bがスライド方向にスライドされた場合には一体的にスライドするようにスライダー27bに支持されている。
アウター受け26は、スライダー部27に対して、先端側に移動した位置と基端側に移動した位置との2つの位置の間で位置決め可能にスライドし得るようになっている。すなわち、ベース外筒27aには、その基端部近傍に位置決め溝31aが、先端部近傍に位置決め溝31bが形成されており、アウター受け26のバネ収容部に収容された板バネ31が、これらの位置決め溝31aまたは31bに弾性的に係合するようになっている。
アウター受け26を、スライダー部27に対して、ベース外筒27aがアウター受け26の内部から引き出されるようにスライドさせた際には、位置決め溝31bに板バネ31が弾性的に係合することにより先端部側に移動した位置(スライダー27bに対して離間した位置)で位置決めがなされ、ベース外筒27aがアウター受け26の内部に押し込まれる方向にスライドさせた際には、位置決め溝31aに板バネ31が弾性的に係合することにより基端部側に移動した位置(スライダー27に対して近接した位置)で位置決めがなされるようになっている。
インナーシース22の近位端は、ベース部28を構成する固定ベース28aの先端部の略中央に接続されている。インナーシース22はその中心軸を中心として回転可能となるように固定ベース28aに支持されて一体的に構成されている。
固定ベース28aに一体的に設けられた軸部28cには、回転ベース28bが回転可能に支持されているとともに、その基端部側の端部には第2操作部としての回転指輪29が回転可能に支持されている。スライダー27bの一対の鍔部27cの間の部分を人差し指と中指で挟持した状態で、回転指輪29に親指を挿入することにより、ベース部28に対するスライダー部27のスライドを片手で容易に行うことができるようになっている。
ベース部28は、スライダー27bがスライド方向にスライドできるように、スライダー27bの嵌合穴に内挿保持されている。ベース部28の固定ベース28aは少なくともその一部が常にスライダー27bの嵌合穴に内挿されている。回転ベース28bはベース部28のスライド位置によって選択的に該嵌合穴に内挿されるようになっている。固定ベース28aの外形状とスライダー27bの該嵌合穴の内形状とは、これらの断面形状が真円、長円や矩形等の形状となっている。本実施形態では、円弧と一対の直線を組み合わせた形状となっている(図4参照)。回転ベース28bの外形状も固定ベースの外形状と略同一である。
固定ベース28aまたは回転ベース28bにはスライド方向に互いに異なる位置に位置決め溝が形成されている。本実施形態では、固定ベース28aに位置決め溝32a,32bが形成されており、回転ベース28bには位置決め溝32cが形成されている。スライダー27bのバネ収容部に収容された一対の板バネ32が、ベース部28に対するスライダー27bのスライド位置に応じて位置決め溝32a,32b,32cのいずれかに弾性的に係合することにより、ベース部28に対してスライダー部を、3つの位置(クリップ開放位置、クリップ連結位置、クリップ締結位置)で位置決めができるようになっている。
クリップ開放位置は連結フック21が開放(開脚)される位置であり、ベース部28からスライダー部27を最も引き出した位置である。クリップ締結位置は連結フック21に把持されたクリップ10に締結リング12をスライドさせて締結動作させる位置であり、ベース部28に対してスライダー部27を最も押し込んだ位置である。クリップ連結位置はクリップ10に締結動作させることなく連結フック21を閉脚させて該クリップ10を連結(把持)する位置であり、クリップ開放位置とクリップ締結位置との間に設定された位置である。
次に、クリップ開放位置からクリップ固定位置に向けて、スライダー部27をスライドさせた際に、クリップ連結位置で解除可能に停止させるスライド規制手段について説明する。本実施形態のスライド規制手段は、上述したベース部28を構成する回転ベース28bと、スライダー部27を構成するスライダー27cに設けられた当接面(当接部)27dとを備えて構成されている。
図4および図5に示すように、回転ベース28bは固定ベース28aの軸部28cにスライド方向に概略沿う軸周りに回転可能に支持されている。固定ベース28aの回転ベース28bとの当接面には、スライド方向に突出する突起部33aが一体的に設けられている。一方、回転ベース28bの固定ベース28aとの当接面には、固定ベース28aの突起部33aが遊嵌する略円弧状の案内溝33bが形成されている。これらの突起部33aおよび案内溝33bは、回転ベース28bの固定ベース28aに対する回転の角度範囲を規定する手段である。
図4に示すように、回転ベース28bを固定ベース28aに対して反時計方向(図中矢印A1方向)に回転させた場合には、突起部33aが案内溝33bに沿って移動し、案内溝33bの一方の端部に突起部33aの側部が当接することにより、所定の第2角度位置に設定される。この第2角度位置は、ベース部28に対するスライダー部27のスライドを規制しない非規制位置である。この非規制位置に設定した状態では、回転ベース28bの外形と固定ベース28aの外形とが重なって略同一形状となり、ベース部28に対してスライダー部27を押し込む方向にスライドさせた場合に、固定ベース28aのみならず回転ベース28bもスライダー28bの嵌合穴の内部に入り込むことができる。すなわち、スライダー部27のスライドが規制されない状態となる。
一方、図5に示すように、回転ベース28bを固定ベース28aに対して時計方向(図中矢印A2方向)に回転させた場合には、突起部33aが案内溝33bに沿って移動し、案内溝33bの他方の端部に突起部33aの側部が当接することにより、所定の第1角度位置に設定される。この第1角度位置は、ベース部28に対するスライダー部27のスライドを規制する規制位置である。この規制位置に設定した状態では、回転ベース28bの外形と固定ベース28aの外形とは互いの一部が重ならずに、回転ベース28bの一部(角部28d)が固定ベース28aに対して僅かに突出した状態となり、ベース部28に対してスライダー部27を押し込む方向にスライドさせた場合には、固定ベース28aはスライダー27bの嵌合穴の内部に入り込むことができるが、回転ベース28bはその角部28dがスライダー27bの当接面27dに当接する。すなわち、スライダー27bのスライドが規制される状態となる。この状態から、図4に示すように、回転ベース28bを反時計方向(図中矢印A1方向)に回転させて非規制位置に設定すれば、ベース部28に対してスライダー部27をさらに押し込むようにスライドさせることができるようになる。
本実施形態では、図6に示すように、突起部33aが案内溝33bの第2角度位置(非規制位置)に設定されたときに、該突起部33aが係合(または嵌合)する受け部33cを設けている。この受け部33cを構成するため、案内溝33bの内側に突出するように、一対の係止部33dが設けられている。突起部33aが案内溝33bの第2角度位置に至ったことが、突起部33aが係止部33cを通過する際の僅かな抵抗感(クリック感)により知覚することができるとともに、回転ベース28bを非規制位置に設定した状態で安定して保持することができる。
なお、ここでは、固定ベース28aに突起部33aを、回転ベース28bに案内溝33bを設けたが、これとは逆に、固定ベース28aに案内溝33bと同様の案内溝を、回転ベース28bに突起部33aと同様の突起部を設ける構成としてもよい。
ここで、本実施形態で用いるクリップの概略構成を説明しておく。図7はクリップの開脚状態における構成を示す図であり、図8は同じく閉脚状態における構成を示す図である。
クリップ10は、一対のアーム部11および締結リング(クリップ締付リング)12を備えて構成されている。アーム部11は、弾性を有する金属板材等から形成されており、先端に行くにしたがって略ハの字状に開いて配置された構成となっている。アーム部11の基端部側には連結フック21に連結させるための連結部11aが配置され、アーム部11の先端部は、内側(即ち、閉じ方向)に向かって折り曲げられており、体内組織等を把持するための把持部11bとなっている。
連結部11aは略U状(または、環状等であってもよい)に形成されており、この連結部11aに環状の締結リング12がスライド可能に被嵌されている。締結リング12は、短い金属パイプ材またはコイル材等により形成されており、図7に示すように、アーム部11に対して後方寄りの位置に配置された状態では、アーム部11が開いた状態になっており、必要に応じて、図8に示すように、締結リング12を前方(先端)寄りの位置に移動させることにより、アーム部11を強制的に閉じた状態にするものである。
次に、クリップ装置20の動作について、図9〜図20を参照して説明する。まず、アウター受け26をスライダー部27に近接する側にスライドさせて、位置決め溝31aに板バネ31を弾性的に係合させた状態とする。これにより、図示は省略するが、インナーシース22がアウターシース24に対して押し出されて、アウターシース24の先端からインナーシース22の先端が突出した状態となる。
次に、環状指輪29に例えば右手親指を挿入し、スライダー27bの一対の鍔部27cの間の部分を例えば右手人差し指と中指で挟持した状態で、互いに離間するように操作して、スライダー部27をベース部28の最も引き出した位置(先端側の位置)に設定する。この位置は、上述したクリップ開放位置である。なお、ここでは、主として片手で操作する場合についての説明とするが、例えば、左手でスライダー部27またはその近傍部分を、右手で環状指輪29またはその近傍部分を掴んで、両手で操作するようにしても勿論よい。
クリップ開放位置に設定した状態では、図9に示すように、固定ベース28aの位置決め溝32aに板バネ32が弾性的に係合して、その状態が保持される。なお、図示は省略しているが、この状態では、固定ベース28aの一部がスライダー27bの一部に当接することにより、ベース部28に対するスライダー部27のそれ以上のスライド(引き出し)は制限されるようになっている。
この操作により、図10に示すように、駆動ワイヤー23の先端の連結フック21が、インナーシース22から押し出されてインナーシース22の先端から突出し、自己の弾性により略ハの字状に開脚する。この状態で、図9に示すように、回転ベース28bを図中矢印A3方向に回転させて、回転ベース28bを図5に示した規制位置(第1角度位置)に設定する。
次いで、クリップ装置20のシース先端(連結フック21)を、これに連結すべきクリップ10の連結部11aを把持可能なように配置する。なお、このクリップ連結作業を行う際に、上記特許文献1に記載されたようなクリップ取付具等を用いると、その取付作業を簡単かつ確実に行うことができる。
この状態で、環状指輪29に例えば右手親指を挿入し、スライダー27bの一対の鍔部27cの間の部分を例えば右手人差し指と中指で挟持した状態で、互いに近接するように操作して、ベース部28に対してスライダー部27を引き込む方向(図11中矢印A4方向)にスライドさせる。回転ベース28bが規制位置に設定されているため、図11に示すように、回転ベース28bの角部28dがスライダー27bの当接面27dに当接し、そのスライドが強制的に停止される。この停止された位置は、上述したクリップ連結位置である。したがって、このクリップ連結位置への設定作業(スライド)は、スライド力を厳密に加減することなく、また停止位置を気にすることなく、一気に行うことができる。
クリップ連結位置に設定した状態では、図11に示すように、固定ベース28aの位置決め溝32bに板バネ32が弾性的に係合して、その状態が保持される。
この操作により、図12および図13に示すように、駆動ワイヤー23がインナーシース22内に引き込まれ、駆動ワイヤー23の先端の連結フック21がインナーシース22の先端に埋没して閉脚し、クリップ装置20のシース先端にクリップ10が連結される。なお、図13に示すように、この状態では、クリップ10の締結リング12はスライドされることはなく、クリップ10の一対のアーム部11は自己の弾性により開脚した状態となっている。
次に、図14に示すように、アウター受け26をスライダー部27から離間する方向に(図14中矢印A5方向に)スライドさせて、位置決め溝31bに板バネ31を弾性的に係合させた状態とする。これにより、図15および図16に示すように、アウターチューブ24がインナーシース22および駆動ワイヤー23に対して押し出されて、クリップ10が連結された連結フック21およびクリップ10がアウターシース24内に埋没され、クリップ10が閉脚した状態でアウターシース24の先端部に収容される。なお、この状態では、クリップ10の締結リング12は従前の位置を保っており、クリップ10の締結動作はなされていない。
この状態で、クリップ装置20を内視鏡の処置具案内管(不図示)に挿入して、クリップ10のクリッピングにより止血等するべき患部まで導入する。アウターシース24の先端が患部に至ったならば、図17に示すように、アウター受け26をスライダー部27に近接する方向に(図17中矢印A6方向に)再度スライドさせて、位置決め溝31aに板バネ31を弾性的に係合させた状態とする。これにより、図12および図13に示したように、アウターチューブ23がインナーシース22に対して引き込まれて、連結フック21に連結されたクリップ10がアウターシース24の先端から突出し、自己の弾性により開脚した状態に戻される。
次いで、連結フック21に連結されたクリップ10の回転方向の姿勢を調整する場合には、アウター受け26に対してスライダー部27(スライダー部27を回転させるとベース部28も一体的に回転する)を回転させることにより調整することができる。このとき、インナーシース22の近位端は固定ベース28aの先端に回転可能に支持されているため、インナーシース22を回転させることなく駆動ワイヤー23のみを回転させることができる。
クリップ10が患者の体腔内の適宜な位置に導入され、その姿勢調整等が済んだならば、図17に示すように、回転ベース28bを図中矢印A7方向に回転させて、図4に示した非規制位置(第2角度位置)に設定する。このとき、固定ベース28aの突起部33aが、回転ベース28bの案内溝33bの受け部33cに係合(または嵌合)して、その状態が認識できるとともに、その位置が保持される。
これにより、ベース部28の手元側の位置へスライダー部27を引き込むようなスライドの規制が解除され、図18中矢印A8方向へさらにスライダー部27を引き込むことが可能となるので、スライダー部27をさらに引き込み、最も引き込んだ位置(最も手元側の位置)までスライドさせる。この位置は上述したクリップ締結位置である。
クリップ締結位置に設定した状態では、図18に示すように、回転ベース27bの位置決め溝32cに板バネ32が弾性的に係合して、その状態が保持される。なお、この状態では、回転ベース28bの回転指輪29が取り付けられた部分の一部がスライダー部27の当接面27dに当接することにより、ベース部28に対するスライダー部27のそれ以上のスライドが制限されるようになっている。
これにより、図19および図20に示すように、インナーシース22内に駆動ワイヤー23がさらに引き込まれ、すなわち、連結フック21がインナーシース22内にさらに引き込まれて、インナーシース22の先端部によりクリップ10の締結リング12が押し出されて締結位置にスライドされ、クリップ10が患部を把持した状態で閉脚され、固定される。
患部へのクリップ10のクリッピングが終了したならば、スライダー部27をベース部28の最先端側の位置であるクリップ開放位置(図9および図10参照)にスライドさせ、連結フック21によるクリップ10の把持を開放して一連の作業を終了する。
図21は本発明の第2実施形態の要部構成を示す正面図であり、ベース部28の構成を示している。なお、上述した第1実施形態と実質的に同一の構成部分には同一の番号を付してその説明は省略する。上述した第1実施形態では、図4〜図6に示したように、回転ベース28bの固定ベース28aに対する回転角度範囲は、突起部33aと案内溝33bにより規定するようにし、非規制位置(第2角度位置)に設定した場合のクリック感の創出および位置決めのため、案内溝33に突起部33aが嵌合する受け部33c(一対の係止部33d)を設けていた。
これに対して、本第2実施形態では、受け部33cに代えて、回転ベース28bの内面に頭部を有する突起部34aを設け、固定ベース28aの軸部28cの該突起部34aに対応する部分に、該突起部34aが解除可能に係合または嵌合する受け部34bを設けている。受け部34bは弾性を有する薄板状で互いに対向する一対の係止板34cを有し、回転ベース28bを非規制位置(第2角度位置)となるように、図中矢印A9方向に回転させた場合に、これら一対の係止板33c間に突起部34aの頭部が入り込み、係止されるようになっている。回転ベース28bを規制位置(第1角度位置)となるように、これと逆方向に回転させれば、突起部34aの係止板33cに対する係止が解除される。
回転ベース28bが非規制位置に設定されたことは、突起部34aが受け部34bの一対の係止板33c間に圧入される際の僅かな抵抗感(クリック感)により知覚することができるとともに、回転ベース28bを非規制位置に設定した状態で安定して保持することができる。
なお、ここでは、回転ベース28bに突起部34aを、固定ベース28a(軸部28c)に受け部34b(係止板34c)を設けたが、これと逆に、固定ベース28a(軸部28c)に突起部34aと同様の突起部を、回転ベース28bに受け部34b(係止板34c)と同様の受け部を設ける構成としてもよい。
以上説明した第1実施形態または第2実施形態によれば、連結フック21にクリップ10を連結(把持)させる際には、スライダー部27をベース部28の先端側へと押し出す方向にスライドさせることによりクリップ開放位置に設定して連結フック21を開脚させ、次いで、回転ベース28bを規制位置(第1角度位置)となるように回転させた状態でスライダー部27をベース部28の手元側へ引き込む方向にスライドさせると、クリップ10を連結するために最適な位置で強制的に停止される。したがって、従来技術のように、クリップ連結位置へ設定するためのスライド操作をスライド力の加減により行う必要はなく、スライド量が足りずにクリップ連結位置よりも手前の位置に設定してしまってクリップ10の正確な連結(把持)を行うことができなかったり、スライド量が多すぎてクリップ連結位置よりもさらに押し込んでしまってクリップ10の締結リング12をスライドさせてしまい、クリップを締結状態としてしまうという障害の発生を少なくすることができる。
また、処置中にクリップ連結位置から意図せずにさらにスライドさせてしまうこともなくなり、クリップ10の締結リング12をスライドさせてしまい、クリップ10を締結状態としてしまうという障害の発生を少なくすることができる。
このため、クリップ10を誤って閉脚固定してしまって、そのクリップ10を無駄にしたり、未使用状態に戻すための煩雑な作業を行う必要がなくなり、資源および時間の浪費を抑制することができる。
次に、本発明の第3実施形態に係る内視鏡用処置具としてのクリップ装置について、図22〜図35を参照して具体的に説明する。
まず、図22〜図26を参照する。なお、以下では、便宜的に、後述するアウター受け126、スライダー部127、ベース部128が互いに対してスライドする方向をスライド方向ということがある。
このクリップ装置120は、連結フック121、インナーシース(インナーチューブ)122、駆動ワイヤー(操作ワイヤー)123、およびアウターシース(アウターチューブ)124を有するシース部、ならびにアウター受け126、スライダー部127(127a,127b)、ベース部128、および回転指輪(第2操作部)129を有する操作部を概略備えて構成されている。スライダー部127は、ベース外筒127aおよびスライダー(第1操作部)127bを備え、ベース部128は固定ベース128aおよび先端ベース128bを備えている。
チューブ状のアウターシース124には、同じくチューブ状のインナーシース122が挿通されており、インナーシース122には駆動ワイヤー123が挿通されている。インナーシース122はアウターシース124内で摺動可能となっており、駆動ワイヤー123はインナーシース122内で摺動可能となっている。
アウターシース124は可撓性を有する中空チューブからなり、例えば、コイルチューブを用いることができる。コイルチューブとは、単一の線材を螺旋状に巻いてなる中空チューブである。本実施形態では、アウターシース124を構成するコイルチューブとして、図35に拡大して示すように、金属(ステンレス)等からなる断面が長方形状の単一の長尺平板を密着させつつ螺旋状に巻いてなる平線コイルチューブを用いている。但し、断面が円形状の丸線コイルチューブまたは断面が略半円形状(内面が平面で外面が円弧形状)の内面平コイルチューブを用いてもよい。コイルチューブは、可撓性および伸縮性が比較的に高く、トルク(回転力)の伝達性が比較的に低い(劣る)という特性を有している。本実施形態では、アウターシース124としては、全長2m、外径が直径2.6mm、内径が直径2.1mmのものを用いている。なお、アウターシース124としては、かかる寸法のものを技術的に製造することが可能であるならば、後に詳述するインナーシース122と同様に、ワイヤーチューブを用いてもよい。
インナーシース122は可撓性を有する中空チューブからなり、図34および図35に示すように、本実施形態ではワイヤーチューブを用いている。ワイヤーチューブは、例えば金属(ステンレス)等からなる複数本のワイヤー素線を中空となるように螺旋状に撚ってなる中空撚り線からなるチューブである。本実施形態では、直径0.4mmの10本のワイヤー素線を用いて、外径が直径1.7mm、内径が直径0.9mmとなるように撚ったものを用いている。ワイヤーチューブは、上述したコイルチューブと比較して、可撓性および伸縮性が低く、トルクの伝達性が高い(優れる)という特性を有している。なお、本第3実施形態では、インナーシース122は、先端部の可撓性ないし柔軟性を向上させる(高くする)ため、全長2mに対して、主としてワイヤーチューブを用い、その先端側の一部(150mm)のみをコイルチューブとしたものを用いている。
また、インナーシース122の先端には、円環状の環状部材122aがその中心軸周りに回転自在に取り付けられている。このような環状部材122aを回転自在に設けたのは、連結フック121がインナーシース122の先端部に収容された状態で、該連結フック121(クリップ10)の姿勢調整のために駆動ワイヤー123が回転された場合に、環状部材122aが連結フック121と一体となって回転することにより、インナーシース122から受ける抵抗を緩和するためである。
駆動ワイヤー123は可撓性を有するワイヤーからなり、本第3実施形態では、図35に示すように、ワイヤーロープを用いている。ワイヤーロープは、例えば金属(ステンレス)等からなる複数本のワイヤー素線を螺旋状に撚ってなる非中空の撚り線からなるロープである。但し、駆動ワイヤー123としては、インナーシース122と同様な中空の撚り線からなるワイヤーチューブを用いてもよい。また、駆動ワイヤー123としては、単線からなるワイヤーを用いてもよい。
アウターシース124の巻き方向とインナーシース122の巻き方向とは、互いに逆のものを用いることが、互いの間に生じる摺動抵抗を小さくする観点から好ましい。例えば、アウターシース124がZ巻き(Z撚り)である場合には、インナーシース122をS巻き(S撚り)にする如くである。駆動ワイヤー123に撚り線からなるワイヤーロープまたはワイヤーチューブを用いる場合には、その巻き方向をインナーシース122の巻き方向と逆方向にすることが同様に好ましい。この場合には、アウターシース124と駆動ワイヤー123の巻き方向は同一方向となる。
再度、図22〜図26を参照する。クリップ装置120のシース部の先端に配置される連結フック121は、その先端に向かって略ハの字状に配置された弾性体からなる一対のアーム部を有し、インナーシース122との協働によって、開脚(開いた)状態と閉脚(閉じた)状態の二つの状態をとり得るようになっている。連結フック121のアーム部の先端部は、内側(互いに相対する側)に折り曲げられており、連結対象であるクリップ10(図7および図8参照)の連結部11aを把持して連結する把持部となっている。連結フック121の基端部は、駆動ワイヤー123の先端に一体的に固定されている。
アウターシース124の近位端はアウター受け126の先端部に接続されている。アウターシース124は、その中心軸を中心として回転可能となるようにアウター受け126に支持されているとともに、アウター受け126がスライド方向にスライドされた場合には一体的にスライドするようにアウター受け126に支持されている。
アウター受け126は、略円筒状の部材からなり、その基端部側には一対のバネ収容部が設けられ、該一対のバネ収容部内に板バネ131がそれぞれ収容されている。アウター受け126は、互いに略相対する形状を有する半割部材からなり、適宜に配置された複数の嵌合穴126aおよびこれらに嵌合する複数の嵌合突起126bが互いに嵌合することにより一体化されるようになっている。アウター受け126の半割部材にはその接合面に軽量化を図るための複数の陥没部126cが形成されているとともに、その外側に手で操作する際の滑り止め用の凹凸部126dが形成されている。
駆動ワイヤー123の近位端は、スライダー部127を構成するスライダー127bに一体的に接続固定されている。したがって、駆動ワイヤー123はスライダー127bがその中心軸を中心として回転された場合には一体的に回転するとともに、スライダー127bがスライド方向にスライドされた場合には一体的にスライドされる。
スライダー127bはそのスライド方向の両端部に外側に突出する鍔部127cをそれぞれ有しており、これらの鍔部127cの間の部分を、例えば人差し指と中指で挟持することができるようになっている。スライダー127bの先端部側の鍔部127cのさらに先端側の部分は、その先端に行くに従って細径化する傾斜部となっており、この傾斜部に指(例えば、人差し指と中指)をかけ、手で握ることによっても、スライダー部127を操作することができるようになっている。
スライダー127bの内側には、一対のバネ収容部が形成されており、これらのバネ収容部にそれぞれ板バネ132が収容されている。スライダー127bは、互いに略相対する形状を有する半割部材からなり、適宜に配置された複数の嵌合穴127eおよびこれらに嵌合する複数の嵌合突起127dが互いに嵌合することにより一体化されるようになっている。スライダー127bの半割部材にはその接合面に軽量化を図るための複数の陥没部127fが形成されている。
スライダー127bにはベース外筒127aが取り付けられており、ベース外筒127aは略円筒状の部材から構成されている。ベース外筒127aがアウター受け126にスライド可能に内挿されることにより、スライダー部127がアウター受け126にスライド可能に保持されている。ベース外筒127aは、スライダー127bに嵌合固定されており、スライダー127bがスライド方向にスライドされた場合には一体的にスライドするようになっている。
アウター受け126は、スライダー部127に対して、先端側に移動した位置と基端側に移動した位置との2つの位置の間で位置決め可能にスライドし得るようになっている。すなわち、ベース外筒127aには、その基端部近傍に位置決め溝131aが、先端部近傍に位置決め溝131bが形成されており、アウター受け126のバネ収容部に収容された板バネ131が、これらの位置決め溝131aまたは131bに弾性的に係合するようになっている。
アウター受け126を、スライダー部127に対して、ベース外筒127aがアウター受け126の内部から引き出されるようにスライドさせた際には、位置決め溝131bに板バネ131が弾性的に係合することにより先端部側に移動した位置(スライダー127bに対して離間した位置)で位置決めがなされ、ベース外筒127aがアウター受け126の内部に押し込まれる方向にスライドさせた際には、位置決め溝131aに板バネ131が弾性的に係合することにより基端部側に移動した位置(スライダー127bに対して近接した位置)で位置決めがなされるようになっている。
インナーシース122の近位端は、ベース部128を構成する固定ベース128aの先端部に嵌合固定された先端ベース128bの略中央に接続されている。インナーシース122はその中心軸を中心として回転可能となるように先端ベース128bに支持されているとともに、ベース部128がスライド方向にスライドされた場合にはこれと一体的にスライドされるように先端ベース128bに支持されている。固定ベース128aの基端部側には回転指輪129が回転可能に取り付けられている。
例えば、スライダー127bの一対の鍔部127cの間の部分を人差し指と中指で挟持した状態で、回転指輪129に親指を挿入することにより、ベース部128のスライダー部127に対するスライドを片手で容易に行うことができるようになっている。
ベース部128はスライド方向にスライド可能にスライダー127bおよびベース外筒127aの嵌合穴に内挿保持されている。
固定ベース128aにはスライド方向に互いに異なる位置に位置決め溝132a,132b,132cが形成されている。スライダー127bのバネ収容部に収容された一対の板バネ132が、ベース部128のスライド位置に応じて位置決め溝132a,132b,132cのいずれかに弾性的に係合することにより、ベース部128をスライダー部127に対して、3つの位置(クリップ開放位置、クリップ連結位置、クリップ締結位置)で位置決めができるようになっている。
クリップ開放位置は連結フック121が開放(開脚)される位置であり、ベース部128をスライダー部127から最も引き出した位置である。クリップ締結位置は連結フック121に把持されたクリップ10(図7および図8参照)に締結リング12(図7および図8参照)をスライドさせて締結動作させる位置であり、ベース部128をスライダー部127に最も押し込んだ位置である。クリップ連結位置はクリップ10に締結動作させることなく連結フック121を閉脚させて該クリップ10を連結(把持)する位置であり、クリップ開放位置とクリップ締結位置との間に設定された位置である。
なお、本第2実施形態のクリップ装置120には、上述した第1実施形態のようなスライド規制手段は設けておらず、固定ベース128aの位置決め溝132a,132b,132cと板バネ132との弾性的な係合により、ベース部128のスライダー部127に対する位置決めがなされるようになっている。
また、本第2実施形態で用いるクリップは、上述した第1実施形態において、図7および図8を参照して説明したクリップ10と同一のものを用いるものとし、同一の符号を付して、その説明は省略する。
次に、クリップ装置120の動作について、図24〜図33を参照して説明する。まず、図24に示すように、スライダー部127をベース外筒127aがアウター受け126内に押し込まれるようにスライドさせて、位置決め溝131aに板バネ131を弾性的に係合させた状態とする。これにより、図25および図26に示すように、インナーシース122がアウターシース124に対して押し出されて、アウターシース124の先端からインナーシース122の先端が突出した状態となる。
次に、環状指輪129に例えば右手親指を挿入し、スライダー127bの一対の鍔部127cの間の部分を例えば右手人差し指と中指で挟持した状態で、互いに離間するように操作して、ベース部128をスライダー部127に対して最も引き出した位置に設定する。この位置は、上述したクリップ開放位置である。なお、ここでは、主として片手で操作する場合についての説明とするが、例えば、左手でスライダー部127またはその近傍部分を、右手で環状指輪129またはその近傍部分を掴んで、両手で操作するようにしても勿論よい。
クリップ開放位置に設定した状態では、図24に示すように、固定ベース128aの位置決め溝132aに板バネ132が弾性的に係合して、その状態が保持される。
この操作により、図25および図26に示すように、インナーシース122が駆動ワイヤー123に対して引き込まれて、駆動ワイヤー123の先端の連結フック121がインナーシース122の先端(環状部材122a)から突出して、自己の弾性により略ハの字状に開脚する。
次いで、図示は省略するが、クリップ装置120のシース部の先端(連結フック121)を、これに連結すべきクリップ10(図7および図8参照)の連結部11aを把持可能なように配置する。なお、このクリップ連結作業を行う際に、上記特許文献1に記載されたようなクリップ取付具等を用いると、その取付作業を簡単かつ確実に行うことができる。
この状態で、例えば、環状指輪129に右手親指を挿入し、スライダー128bの一対の鍔部127cの間の部分を例えば右手人差し指と中指で挟持した状態で、互いに近接するように操作して、ベース部128をスライダー部127に対して押し込む方向にスライドさせる。これにより、図27に示すように、固定ベース128aの位置決め溝132bに板バネ132が弾性的に係合して、「カチッ」という嵌合音ないし停止感があるので、その位置でスライドを停止させる。
この操作により、図28および図29に示すように、インナーシース122が駆動ワイヤー123に対して押し出されて、駆動ワイヤー123の先端の連結フック121がインナーシース122の先端の環状部材122a内に埋没して閉脚し、クリップ装置120のシース先端にクリップ10が連結される。なお、この状態では、クリップ10の締結リング12はスライドされることはなく、クリップ10の一対のアーム部11は自己の弾性により開脚した状態となっている。
次に、図30に示すように、スライダー部127をアウター受け126から引き出すようにスライドさせて、位置決め溝131bに板バネ131を弾性的に係合させた状態とする。これにより、図31および図32に示すように、アウターチューブ124がインナーシース122および駆動ワイヤー123に対して押し出されて、クリップ10が連結された連結フック121およびクリップ10がアウターシース124内に埋没され、クリップ10が閉脚した状態でアウターシース124の先端部に収容される。なお、この状態では、クリップ10の締結リング12は従前の位置を保っており、クリップ10の締結動作はなされていない。
この状態で、クリップ装置120のシース部を内視鏡の処置具案内管(不図示)に挿入して、その先端をクリップ10のクリッピングにより止血等するべき患部まで導入する。アウターシース124の先端が患部に至ったならば、図33に示すように、スライダー部127をベース外筒127aがアウター受け126内に押し込まれるように再度スライドさせて、位置決め溝131aに板バネ131を弾性的に係合させた状態とする。これにより、図28および図29に示したように、アウターチューブ124がインナーシース122および駆動ワイヤー123に対して引き込まれて、連結フック121に連結されたクリップ10がアウターシース124の先端から突出し、自己の弾性により開脚した状態に戻される。
次いで、連結フック121に連結されたクリップ10の回転方向の姿勢を調整する場合には、回転指輪129に対してスライダー部127(スライダー部127を回転させるとベース部128も一体的に回転する)を回転させることにより調整することができる。このとき、インナーシース122の近位端は先端ベース128bの先端に回転可能に支持されているため、インナーシース122を回転させることなく駆動ワイヤー123のみを回転させることができる。
クリップ10が患者内の適宜な位置に導入され、その姿勢調整等が済んだならば、図33に示すように、ベース部128をスライダー部127に対してさらに押し込み、最も押し込んだ位置までスライドさせる。この位置は上述したクリップ締結である。
クリップ締結位置に設定した状態では、ベース部128aの位置決め溝132cに板バネ132が弾性的に係合して、その状態が保持される。なお、この状態では、回転指輪129のベース部128aが取り付けられた部分の一部がスライダー部127に当接することにより、ベース部128のスライダー部127に対するそれ以上のスライド(押し込み)が制限されるようになっている。
これにより、駆動ワイヤー123に対してインナーシース122がさらに押し出され、すなわち、連結フック121がインナーシース122内にさらに引き込まれて、インナーシース122の先端部(環状部材122a)によりクリップ10の締結リング12が押し出されて締結位置にスライドされ、クリップ10が患部を把持した状態で閉脚され、固定される。
患部へのクリップ10のクリッピングが終了したならば、ベース部128をスライダー部127から最も引き出したクリップ開放位置(図24〜図26参照)にスライドさせ、連結フック121によるクリップ10の把持を開放して一連の作業を終了する。
以上説明した第2実施形態によれば、インナーシース122として、ワイヤーチューブを用いており、ワイヤーチューブは、素線間にある程度の隙間が存在し、超音波洗浄時に洗浄液がその内側に浸透するため、駆動ワイヤー123をインナーシース122に挿通させたままの状態で、一体として洗浄することができる。また、アウターシース124として、コイルチューブを用いており、コイルチューブは、線材の隣接部分にある程度の隙間が存在し、超音波洗浄時に洗浄液がその内側に浸透するため、インナーシース122をアウターシース124に挿通させたままの状態で、一体として洗浄することができる。
特に、本第2実施形態では、インナーシース122としてワイヤーチューブを、アウターシース124としてコイルチューブを用いているので、駆動ワイヤー123が挿通されたインナーシース122をアウターシース124に挿通させたままの状態で、これらを一体として洗浄することができる。なお、アウターシース124として、ワイヤーチューブを用いた場合も同様である。その結果、クリップ装置120を分解する作業を全く行うことなく、装置全体を一体として洗浄することも可能となる。
また、かかるワイヤーチューブはその軸線方向の伸縮性が低いので、インナーシース122の遠位端と駆動ワイヤー123の遠位端(連結フック121)との相対位置がシース部の形状(湾曲の度合い等)によって変動することがない。従って、連結フック121の開閉等の操作における応答性や追従性が高く、高い操作性を実現することができる。
なお、以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上述した実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
10…クリップ
11…アーム部
11a…連結部
11b…把持部
12…クリップ締付リング
20,120…クリップ装置
21,121…連結フック
22,122…インナーシース
122a…環状部材
23,123…駆動ワイヤー
24,124…アウターシース
26,126…アウター受け
27,127…スライダー部
27a,127a…ベース外筒
27b,127b…スライダー
27c,127c…鍔部
27d…当接面
28,128…ベース部
28a,128a…固定ベース
28b…回転ベース
28c…軸部
29,129…回転指輪
31,32,131,132…板バネ
31a,31b,32a,32b,32c,131a,131b,132a,132b,132c…位置決め溝
33a,34a…突起部
33b…案内溝
33c,34b…受け部

Claims (8)

  1. チューブ状のアウターシースを含むアウターシース部と、
    前記アウターシースに挿通されたチューブ状のインナーシースと、
    前記インナーシースに挿通された駆動ワイヤーと、
    前記駆動ワイヤーの遠位端に接続され、クリップを把持可能な連結フックと、
    前記インナーシースの近位端に接続されたベース部と、
    前記駆動ワイヤーの近位端が接続されるとともに、前記ベース部に対してスライド可能に保持されたスライダー部と、を備え、
    前記インナーシースとして、複数のワイヤー素線を螺旋状に撚ってなるワイヤーチューブを用いることを特徴とする内視鏡用処置具。
  2. 前記駆動ワイヤーとして、複数のワイヤー素線を螺旋状に撚ってなるワイヤーチューブまたはワイヤーロープを用い、
    前記インナーシースの巻き方向と前記駆動ワイヤーの巻き方向とを互いに逆向きに設定したことを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用処置具。
  3. 前記アウターシースとして、単一の長尺素材を螺旋状に巻いてなるコイルシースまたは複数のワイヤー素線を螺旋状に撚ってなるワイヤーチューブを用い、
    前記インナーシースの巻き方向と前記アウターシースの巻き方向とを互いに逆向きに設定したことを特徴とする請求項1または2に記載の内視鏡用処置具。
  4. 前記連結フックが開放されるクリップ開放位置から、前記連結フックに連結されたクリップに締結動作させるクリップ締結位置に向けて、前記スライダー部を前記ベース部に対してスライドさせた際に、前記連結フックを閉脚させて前記クリップを連結するクリップ連結位置で解除可能に停止させるスライド規制手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の内視鏡用処置具。
  5. 前記スライド規制手段は、
    前記ベース部に第1角度位置から第2角度位置の範囲で回転可能に設けられた回転ベースと、
    前記回転ベースが前記第1角度位置にあるときには該回転ベースの一部が当接して前記ベース部に対する前記スライダー部のスライドを前記クリップ連結位置で停止させ、前記回転ベースが前記第2角度位置にあるときには該回転ベースの一部への当接が解除されるように、前記スライダー部に設けられた当接部と
    を有することを特徴とする請求項4に記載の内視鏡用処置具。
  6. 前記回転ベースが前記第2角度位置に位置したときに互いに係合する突起部および受け部の一方を前記ベース部に、他方を前記回転ベースに設けたことを特徴とする請求項5に記載の内視鏡用処置具。
  7. 前記インナーシースを前記ベース部に回転可能に接続し、
    前記スライダー部を前記アウターシース部に対して回転可能に保持し、
    前記ベース部を前記スライダー部に該スライダー部と一体的に回転可能となるように保持し、
    前記アウターシース部に対して前記スライダー部を回転調整することにより、前記インナーシースを回転させることなく前記駆動ワイヤーを介して前記連結フックの回転方向の姿勢を制御するようにした請求項4〜6のいずれか一項に記載の内視鏡用処置具。
  8. 前記クリップは、その先端に向かって略ハの字状に形成された一対のアーム部、該アーム部の基端部側に設けられた前記連結フックによって把持される連結部および該アームを閉脚固定させる締結リングを有する請求項1〜7のいずれか一項に記載の内視鏡用処理具。
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