JP2012197971A - 加湿エレメントおよびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】吸液性、湿潤時の剛性に優れ、かつコンパクトな加湿エレメントを提供する。
【解決手段】繊維が湿熱接着性繊維により適度に接着された不織繊維構造を有する成形体を空気流が通過するための空隙を有するように該成形体中に空隙を形成させ、さらに該成形体同士を隣接させるように配置することにより、吸液性、湿潤時の剛性に優れ、かつコンパクトな加湿エレメントが製造できる。また、湿熱接着性繊維同士の交点が強固であるため、加湿エレメント体積当りの湿潤面積を有効利用するスリット加工などの加工が容易である。
【選択図】図3

Description

本発明は、気化式加湿器やドレン蒸散板等に用いられる加湿エレメントに関するものである。
一般の空調システムは、空気の温度とともに湿度をコントロールすることで快適な生活環境を作り出している。この加湿方法としては、水槽に溜められた水の中で超音波を発振することで水を気化させ、これを気流で送り出す水噴霧式、あるいは水槽内にヒーターを入れて直接加熱することにより蒸気を発生させる蒸気式、あるいは加湿材に水を含ませるとともにこの廻りに気流をあてて水分を気化させることで加湿する気化式などがある。
また、近年では、生活環境の変化や広い室内空間の確保を目的として空調機の小型化や各種加湿器の商品化により、加湿エレメントにも各種の複雑な形状が要求され、これらに対応できるよう成形性や形態安定性が必要になることがある。
加湿エレメントの形状において、複数の加湿エレメント用基材の間にスペーサーを設置し、空隙を形成した加湿エレメントが開示されている(例えば、特許文献1参照。)。特許文献1の加湿エレメントは保水時の強度が強く、かつ加湿エレメントの加工時の作業性に優れている。しかし、薄物の加湿エレメントをコルゲート加工した加湿エレメントなどと比較した場合、加湿エレメント体積当りの湿潤面積が小さくなり、その結果加湿エレメントの寸法が大きくなってしまうという問題点があった。
また、例えば不織布、編布、織布等のシート状材料からなり、かつ該シート状材料の厚さ方向に切った断面を波形に形成した加湿エレメントが開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかし、特許文献2で使用される不織布、編布、織布等は、湿潤時の剛性が弱いので空隙の形状が崩れやすいという問題があった。
さらに、湿熱接着性繊維を含み、吸水性に優れる加湿エレメント用基材が提案されている(例えば、特許文献3参照。)。特許文献3の基材は湿潤時の形態保持性に優れるが、該エレメント用基材の形状、配置方法によっては、目的とする吸液性、保液性および放湿性が得られない場合があった。
特開平8−219504号公報 特開平7−167469公報 特開2009−222243号公報
従って、本発明の目的は、吸液性、湿潤時の剛性に優れ、かつコンパクトな加湿エレメントを提供することにある。
本発明者らは、前記課題を達成するため鋭意検討した結果、湿熱接着性繊維により接着された不織繊維構造体からなる成形体を用い、該成形体を空気流が通過するための空隙を有するように該成形体中に空隙を形成させ、かつ該成形体同士が隣接するように配置させるようにすることにより、吸液性、湿潤時の剛性に優れ、かつコンパクトな加湿エレメントが製造できることを見出し、本発明を完成した。
すなわち、本発明は湿熱接着性繊維により接着された、不織繊維構造体からなる成形体において、空気流が通過するための空隙を有するように成形体中に空隙が形成されてなり、かつ該成形体同士の隙間間隔を0.5〜15mmとなるように隣接して配置されてなる加湿エレメントであり、好ましくは加湿エレメントを厚さ方向に切断した断面が波形に形成されていることを特徴とする上記の加湿エレメントであり、より好ましくは吸水方向と平行に複数箇所スリット切断し、スリット切断面が重ならないように波状に成形されていることを特徴とする上記の加湿エレメントである。
本発明では、繊維が湿熱接着性繊維により適度に接着された不織繊維構造を有する成形体を空気流が通過するための空隙を有するように該成形体中に空隙を形成させ、さらに該成形体同士を隣接させるように配置することにより、吸液性、湿潤時の剛性に優れ、かつコンパクトな加湿エレメントが製造できる。また、湿熱接着性繊維同士の交点が強固であるため、加湿エレメント体積当りの湿潤面積を有効利用するスリット加工などの加工が容易である。
本発明の加湿エレメントは、湿熱接着性繊維を含み、該湿熱接着性繊維の融着により繊維が固定されたかつ不織繊維構造を有する成形体で構成される。前記成形体は、繊維構造に特有の高い吸液性及び保液性だけでなく、不織繊維構造を構成する繊維の配列と、この繊維同士の接着状態を所定の範囲とすることにより、通常の不織布では得られない「曲げ挙動(高い曲げ応力を有し、また最大曲げ応力を示す地点を過ぎてさらに曲げても応力を保持するとともに、応力を解除すると復元しようとする挙動)」と「軽量性」と「表面硬さ(表面に荷重をかけて厚み方向に力を付与しても容易に変形し難い特性)」とを兼ね備え、さらに折れ難く、加湿エレメントに使用するにあたり、重要な吸液性、保液性、形態保持性及びスリット加工性を同時に確保している。
このような本発明の加湿エレメントに用いる不織繊維構造を有する成形体は、後述するように、前記湿熱接着性繊維を含むウェブに高温(過熱又は加熱)水蒸気を作用させて、湿熱接着性繊維の融点以下の温度で接着作用を発現し、繊維同士を部分的に接着させることにより得られる。すなわち、単繊維及び束状集束繊維同士を湿熱下、適度に小さな空隙を保持しながら、いわば「スクラム」を組むように点接着又は部分接着させて得られる。
本発明の不織繊維構造を有する成形体中における湿熱接着性繊維の含量は加湿エレメントの形状や種類などに応じて、10〜100重量%の範囲から選択できる。硬質な加湿エレメントが必要な場合には、湿熱接着性繊維の割合が多い方が好ましく、80重量%以上、好ましくは90重量%以上、さらに好ましくは95重量%以上である。湿熱接着性繊維の割合がこの範囲にあると、高い表面硬さと曲げ挙動を確保でき、スリット加工性の良好な成形体が得られる。
湿熱接着性繊維は、少なくとも湿熱接着性樹脂で構成されている。湿熱接着性樹脂は、高温水蒸気によって容易に実現可能な温度において、流動又は容易に変形して接着機能を発現可能であればよい。具体的には、熱水(例えば、80〜120℃、特に95〜100℃程度)で軟化して自己接着又は他の繊維に接着可能な熱可塑性樹脂、例えば、セルロース系樹脂(メチルセルロースなどのC1−3アルキルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースなどのヒドロキシC1-3アルキルセルロース、カルボキシメチルセルロースなどのカルボキシC1−3アルキルセルロース又はその塩など)、ポリアルキレングリコール樹脂(ポリエチレンオキサイド、ポリプロピレンオキサイドなどのポリC2−4アルキレンオキサイドなど)、ポリビニル系樹脂(ポリビニルピロリドン、ポリビニルエーテル、ビニルアルコール系重合体、ポリビニルアセタールなど)、アクリル系共重合体およびそのアルカリ金属塩[(メタ)アクリル酸、(メタ)アクリルアミドなどのアクリル系単量体で構成された単位を含む共重合体又はその塩など]、変性ビニル系共重合体(イソブチレン、スチレン、エチレン、ビニルエーテルなどのビニル系単量体と、無水マレイン酸などの不飽和カルボン酸又はその無水物との共重合体又はその塩など)、親水性の置換基を導入したポリマー(スルホン酸基やカルボキシル基、ヒドロキシル基などを導入したポリエステル、ポリアミド、ポリスチレン又はその塩など)、脂肪族ポリエステル系樹脂(ポリ乳酸系樹脂など)などが挙げられる。さらに、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリウレタン系樹脂、熱可塑性エラストマー又はゴム(スチレン系エラストマーなど)などのうち、熱水(高温水蒸気)の温度で軟化して接着機能を発現可能な樹脂も含まれる。
これらの湿熱接着性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。湿熱接着性樹脂は、通常、親水性又は水溶性高分子で構成される。これらの湿熱接着性樹脂のうち、エチレン−ビニルアルコール共重合体などのビニルアルコール系重合体、ポリ乳酸などのポリ乳酸系樹脂、(メタ)アクリルアミド単位を含む(メタ)アクリル系共重合体、特に、エチレンやプロピレンなどのα−C2−10オレフィン単位を含むビニルアルコール系重合体、特に、エチレン−ビニルアルコール系共重合体が好ましい。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体において、エチレン単位の含有量(共重合割合)は、例えば、10〜60モル%、好ましくは20〜55モル%、さらに好ましくは30〜50モル%程度である。エチレン単位がこの範囲にあることにより、湿熱接着性を有するが、熱水溶解性はないという特異な性質が得られる。エチレン単位の割合が少なすぎると、エチレン−ビニルアルコール系共重合体が、低温の蒸気(水)で容易に膨潤又はゲル化し、水に一度濡れただけで形態が変化し易い。一方、エチレン単位の割合が多すぎると、吸湿性が低下し、湿熱による繊維融着が発現し難くなるため、実用性のある強度の確保が困難となる。エチレン単位の割合が、特に30〜50モル%の範囲にあると、シート又は板状への加工性が特に優れる。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体におけるビニルアルコール単位のケン化度は、例えば、90〜99.99モル%程度であり、好ましくは95〜99.98モル%、さらに好ましくは96〜99.97モル%程度である。ケン化度が小さすぎると、熱安定性が低下し、熱分解やゲル化によって安定性が低下する。一方、ケン化度が大きすぎると、繊維自体の製造が困難となる。
エチレン−ビニルアルコール系共重合体の粘度平均重合度は、必要に応じて選択できるが、例えば、200〜2500、好ましくは300〜2000、さらに好ましくは400〜1500程度である。重合度がこの範囲にあると、紡糸性と湿熱接着性とのバランスに優れる。
湿熱接着性繊維の横断面形状(繊維の長さ方向に垂直な断面形状)は、一般的な中実断面形状である丸型断面や異型断面[偏平状、楕円状、多角形状、3〜14葉状、T字状、H字状、V字状、ドッグボーン(I字状)など]に限定されず、中空断面状などであってもよい。また湿熱接着性繊維は、少なくとも湿熱接着性樹脂を含む複数の樹脂で構成された複合繊維であってもよい。複合繊維は、湿熱接着性樹脂を少なくとも繊維表面の一部に有していればよいが、接着性の点から、湿熱接着性樹脂が表面の少なくとも一部を長さ方向に連続して占めるのが好ましい。
湿熱接着性繊維が表面を占める複合繊維の横断面構造としては、例えば、芯鞘型、海島型、サイドバイサイド型又は多層貼合型、放射状貼合型、ランダム複合型などが挙げられる。これらの横断面構造のうち、接着性が高い構造である点から、湿熱接着性樹脂が全表面を長さ方向に連続して占める構造である芯鞘型構造(すなわち、鞘部が湿熱接着性樹脂で構成された芯鞘型構造)が好ましい。
複合繊維の場合、湿熱接着性樹脂同士を組み合わせてもよいが、非湿熱接着性樹脂と組み合わせてもよい。非湿熱接着性樹脂としては、非水溶性又は疎水性樹脂、例えば、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、塩化ビニル系樹脂、スチレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリウレタン系樹脂、熱可塑性エラストマーなどが挙げられる。これらの非湿熱接着性樹脂は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
これらの非湿熱接着性樹脂のうち、耐熱性及び寸法安定性の点から、融点が湿熱接着性樹脂(特にエチレン−ビニルアルコール系共重合体)よりも高い樹脂、例えば、ポリプロピレン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、特に、耐熱性や繊維形成性などのバランスに優れる点から、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂が好ましい。
ポリエステル系樹脂としては、ポリC2−4アルキレンアリレート系樹脂などの芳香族ポリエステル系樹脂(ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレートなど)、特に、PETなどのポリエチレンテレフタレート系樹脂が好ましい。ポリエチレンテレフタレート系樹脂は、エチレンテレフタレート単位の他に、他のジカルボン酸(例えば、イソフタル酸、ナフタレン−2,6−ジカルボン酸、フタル酸、4,4′−ジフェニルジカルボン酸、ビス(カルボキシフェニル)エタン、5−ナトリウムスルホイソフタル酸など)やジオール(例えば、ジエチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、ネオペンチルグリコール、シクロヘキサン−1,4−ジメタノール、ポリエチレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなど)で構成された単位を20モル%以下程度の割合で含んでいてもよい。
ポリアミド系樹脂としては、ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド610、ポリアミド10、ポリアミド12、ポリアミド6−12などの脂肪族ポリアミドおよびその共重合体、芳香族ジカルボン酸と脂肪族ジアミンとから合成された半芳香族ポリアミドなどが好ましい。さらに、これらのポリアミド系樹脂にも、共重合可能な他の単位が含まれていてもよい。
湿熱接着性樹脂と非湿熱接着性樹脂とで構成された複合繊維の場合、両者の割合(質量比)は、構造(例えば、芯鞘型構造)に応じて選択でき、湿熱接着性樹脂が表面に存在すれば特に限定されないが、例えば、湿熱接着性樹脂/非湿熱接着性樹脂=90/10〜10/90、好ましくは80/20〜15/85、さらに好ましくは60/40〜20/80程度である。湿熱接着性樹脂の割合が多すぎると、繊維の強度を確保し難く、湿熱接着性樹脂の割合が少なすぎると、繊維表面の長さ方向に連続して湿熱接着性樹脂を存在させるのが困難となり、湿熱接着性が低下する。この傾向は、湿熱接着性樹脂を非湿熱接着性繊維の表面にコートする場合においても同様である。
湿熱接着性繊維の平均繊度は、用途に応じて、例えば、0.01〜100dtex程度の範囲から選択でき、好ましくは0.1〜50dtex、さらに好ましくは0.5〜30dtex(特に1〜10dtex)程度である。平均繊度がこの範囲にあると、繊維の強度と湿熱接着性の発現とのバランスに優れる。
湿熱接着性繊維の平均繊維長は、例えば、10〜100mm程度の範囲から選択でき、好ましくは20〜80mm、さらに好ましくは25〜75mm(特に35〜55mm)程度である。平均繊維長がこの範囲にあると、繊維が充分に絡み合うため、成形体の機械的強度が向上する。
湿熱接着性繊維の捲縮率は、例えば、1〜50%、好ましくは3〜40%、さらに好ましくは5〜30%(特に10〜20%)程度である。また、捲縮数は、例えば、1〜100個/25mm、好ましくは5〜50個/25mm、さらに好ましくは10〜30個/25mm程度である。
本発明の加湿エレメントに用いる不織繊維構造を有する成形体には、上記した繊維の他に、さらに非湿熱接着性繊維を含んでいてもよい。非湿熱接着性繊維としては、ポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート繊維、ポリトリメチレンテレフタレート繊維、ポリブチレンテレフタレート繊維、ポリエチレンナフタレート繊維などの芳香族ポリエステル繊維など)、ポリアミド系繊維(ポリアミド6、ポリアミド66、ポリアミド11、ポリアミド12、ポリアミド610、ポリアミド612などの脂肪族ポリアミド系繊維、半芳香族ポリアミド系繊維、ポリフェニレンイソフタルアミド、ポリヘキサメチレンテレフタルアミド、ポリp−フェニレンテレフタルアミドなどの芳香族ポリアミド系繊維など)、ポリオレフィン系繊維(ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリC2−4オレフィン繊維など)、アクリル系繊維(アクリロニトリル−塩化ビニル共重合体などのアクリロニトリル単位を有するアクリロニトリル系繊維など)、ポリビニル系繊維(ポリビニルアセタール系繊維など)、ポリ塩化ビニル系繊維(ポリ塩化ビニル、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、塩化ビニル−アクリロニトリル共重合体の繊維など)、ポリ塩化ビニリデン系繊維(塩化ビニリデン−塩化ビニル共重合体、塩化ビニリデン−酢酸ビニル共重合体などの繊維)、ポリパラフェニレンベンゾビスオキサゾール繊維、ポリフェニレンサルファイド繊維、セルロース系繊維(例えば、レーヨン繊維、アセテート繊維など)などが挙げられる。これらの非湿熱接着性繊維は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。
上記した非湿熱接着性繊維は、加湿エレメントの形態や使用方法などに応じて適宜選択して使用できる。吸水性などを重視する場合には、吸湿性の高い親水性繊維、例えば、ポリビニルアルコール系繊維やセルロース系繊維などが挙げられるが、特に、セルロース系繊維を使用するのが好ましい。セルロース系繊維には、天然繊維(木綿、羊毛、絹、麻など)、半合成繊維(トリアセテート繊維などのアセテート繊維など)、再生繊維(レーヨン、ポリノジック、キュプラ、リヨセル(例えば、登録商標名:「テンセル」)など)が含まれる。これらのセルロース系繊維のうち、例えば、レーヨンなどの半合成繊維が好適に使用でき、エチレン−ビニルアルコール共重合体を含む湿熱接着性繊維と組み合わせると、湿熱接着性繊維との親和性が高いため、接着性が向上し、機械的特性の高い成形体が得られる。さらに、親水性繊維を用いると、例えば、水性液体に対する保液性、吸液性は高くなる一方で、成形性や形態保持性が低下する傾向を有する。
一方、水性液体の放湿性を重視する場合には、吸湿性の低い疎水性繊維、例えば、ポリオレフィン系繊維、ポリエステル系繊維、ポリアミド系繊維、特に、諸特性のバランスに優れるポリエステル系繊維(ポリエチレンテレフタレート繊維など)を使用するのが好ましい。これらの疎水性繊維をエチレン−ビニルアルコール共重合体を含む湿熱接着性繊維と組み合わせると、疎水性及び水性液体の排液性に優れた加湿エレメント用の不織繊維構造を有する成形体が得られる。
非湿熱接着性繊維の平均繊度は用途に応じて、例えば、0.01〜100dtex程度の範囲から選択でき、好ましくは0.1〜50dtex、さらに好ましくは0.5〜30dtex(特に1〜10dtex)程度である。一方、平均繊維長は、例えば、10〜100mm程度の範囲から選択でき、好ましくは20〜80mm、さらに好ましくは25〜75mm(特に35〜55mm)程度である。
非湿熱接着性繊維を混合する場合の湿熱接着性繊維と非湿熱接着性繊維との割合(質量比)も、加湿エレメントの種類などに応じて、湿熱接着性繊維/非湿熱接着性繊維=10/90〜100/0、より好ましくは20/80〜100/0の範囲から選択できる。硬質な成形体を製造する場合には、湿熱接着性繊維の割合が多い方が好ましく、両者の割合(質量比)は、湿熱接着性繊維/非湿熱接着性繊維=80/20〜100/0、好ましくは90/10〜100/0、さらに好ましくは95/5〜100/0程度である。湿熱接着性繊維の割合がこの範囲にあると、高い表面硬さ、WET剛性、スリット加工性を確保できる成形体が得られる。
前記成形体、または成形体を構成する繊維には、さらに、慣用の添加剤、例えば、安定剤(銅化合物などの熱安定剤、紫外線吸収剤、光安定剤、酸化防止剤など)、分散剤、微粒子、着色剤、帯電防止剤、難燃剤、可塑剤、潤滑剤、結晶化速度遅延剤などを含有していてもよい。これらの添加剤は、単独で又は二種以上組み合わせて使用できる。これらの添加剤は、成形体表面に担持されていてもよく、繊維中に含まれていてもよい。
加湿エレメントを構成する成形体は、前記繊維で構成されたウェブから得られる不織繊維構造を有しており、その形状は用途に応じて選択でき、断面円形又は楕円形状、多角形状であってもよいが、通常、シート状又は板状である。
さらに、加湿エレメントを構成する成形体において、適度な剛性(形態安定性)を有するとともに、吸液性、保液性、軽量(低密度)性及びスリット加工性とをバランスよく備えた不織繊維構造を有するためには、前記不織繊維のウェブを構成する繊維の配列状態及び接着状態が適度に調整されている必要がある。すなわち、繊維ウェブを構成する繊維が、概ね繊維ウェブ(不織繊維)面に対して平行に配列しながら、お互いに交差するように配列させるのが望ましい。さらに、加湿エレメントを構成する成形体は、各繊維が交差した交点で融着しているのが好ましい。特に、高い形態安定性、スリット加工性が要求される成形体は、交点以外の繊維が略平行に並んでいる部分において、数本〜数十本程度で束状に融着した束状融着繊維を形成していてもよい。これらの繊維が、単繊維同士の交点、束状繊維同士の交点、又は単繊維と束状繊維との交点において融着した構造を部分的に形成することにより、「スクラム」を組んだような構造(繊維が交点部で接着し、網目のように絡み合った構造、又は交点で繊維が接着し隣接する繊維を互いに拘束する構造)とし、目的とする曲げ挙動や表面硬度などを発現させることができる。本発明では、このような構造が、繊維ウェブの面方向及び厚み方向に沿って概ね均一に分布するような形態とするのが望ましい。
上記でいう、「概ね繊維ウェブ面に対し平行に配列している」とは、局部的に多数の繊維が厚み方向に沿って配列している部分が繰り返し存在するようなことがない状態を示す。
より具体的には、成形体の繊維ウェブにおける任意の断面を顕微鏡観察した際に、繊維ウェブでの厚みの30%以上に亘り、厚み方向に連続して延びる繊維の存在割合(本数割合)が、その断面における全繊維に対して10%以下(特に5%以下)である状態をいう。
繊維を繊維ウェブ面に対して平行に配列するのは、厚み方向(ウェブ面に対して垂直な方向)に沿って配向している繊維が多く存在すると、周辺に繊維配列の乱れが生じて不織繊維内に必要以上に大きな空隙を生じ、成形体の曲げ強度や表面硬さが低減するためである。従って、できるだけこの空隙を少なくすることが好ましく、このために繊維を可能な限り繊維ウェブ面に対して平行に配列させるのが望ましい。
さらに、本発明では、繊維を繊維ウェブ面に対して平行に配向させることにより、吸液性に異方性を付与している。すなわち、加湿エレメント用基材は、繊維が一定の配向性を有しているため、繊維の長さ方向に高い吸液性を有している。
特に、成形体がシート状又は板状である場合に、成形体の厚み方向に荷重がかかった場合、大きな空隙部が存在すると、この空隙部が荷重により潰れて成形体表面が変形し易くなる。さらに、この荷重が成形体全面にかかると全体的に厚みが小さくなり易くなる。成形体自体を空隙のない樹脂充填物とすればこのような問題を回避できるが、保液性が低下する。
一方で、荷重による厚み方向への変形を小さくするために、繊維を細くし、より密に繊維を充填することが考えられるが、細い繊維のみで軽量性及び通気性を確保しようとすると、各々の繊維の剛性が低くなり、逆に曲げ応力が低下する。曲げ応力を確保するためには、繊維径をある程度太くすることが必要であるが、単純に太い繊維を混合したのでは、太い繊維同士の交点付近で、大きな空隙ができやすく、厚み方向へ変形し易くなる。
そこで、本発明の加湿エレメントに用いる成形体は、繊維の方向をウェブの面方向に沿って平行に並べ、分散させる(又は繊維方向をランダム方向に向ける)ことにより、繊維同士がお互いに交差し、その交点で接着することにより、小さな空隙を生じて保液性及び排液性を確保している。さらに、このような繊維構造が連続することにより、適度な表面硬さも確保している。
本発明の加湿エレメントに用いられる前記成形体は、WET曲げ応力が高いことが特徴である。前記成形体は、少なくとも一方向(好ましくは全ての方向)におけるWET最大曲げ応力が1N/mm以上であり、好ましくは1.5N/mm以上、さらに好ましくは1.8N/mm以上であってもよい。この最大曲げ応力が小さすぎると、板状で使用したときに自重やわずかな荷重により簡単に折れ易い。
本発明の加湿エレメントに用いられる前記成形体の見掛け密度は、用途に応じて、0.15〜0.5g/cmの範囲から選択でき、形態安定性を保持しつつ、吸液性、保液性及びスリット加工性のバランスも保持する点から、例えば、0.18〜0.4g/cm、好ましくは、0.20〜0.38g/cmさらに好ましくは0.25〜0.35g/cmである。見かけ密度が低すぎると、保液性は向上するものの、吸上げ高さ、表面硬さ、機械的特性、スリット加工性が低下し、逆に高すぎると、吸水性、硬さなどの機械的特性は確保できるものの、保液性、吸水速度が低下する。
本発明の加湿エレメントに用いられる前記成形体の目付は、例えば、100〜5000g/mの範囲から選択でき、好ましくは250〜3000g/m、さらに好ましくは400〜1000g/mである。目付が小さすぎると、硬さや成形性を確保することが難しく、また、目付が大きすぎると、ウェブが厚すぎて湿熱加工において、高温水蒸気が充分にウェブ内部に入り込めず、厚み方向に均一な構造体とするのが困難になる。
本発明の加湿エレメントに用いられる前記成形体が板状又はシート状である場合、その厚みは特に限定されないが、0.3〜10mmの範囲から選択でき、例えば、0.4〜5mm、好ましくは0.5〜3mm、さらに好ましくは1〜2mmである。厚みが薄すぎると、硬さの確保が難しくなり、厚すぎると、含まれた水分を放出する表面積の割合が低くなり、空気を加湿する効率が低下するため、加湿エレメントの寸法が大きくなる。
本発明の加湿エレメントに用いられる前記成形体は、吸水速度が高く、吸液性に優れるとともに、保液性も高い。具体的には、加湿エレメントの吸水速度は、JIS L1907滴下法に準じた方法で、例えば、10秒以下、好ましくは5秒以下、さらに好ましくは1秒以下である。また、吸水率(保水率)は、JIS L1907に準じた方法で、例えば、100質量%以上、好ましくは200質量%以上(例えば、200〜5000質量%)、さらに好ましくは500質量%以上(例えば、500〜3000質量%)である。
また、図1に示すような吸上げ式の加湿エレメントとして使用する場合には、水を液面より上に吸い上げる吸水性(バイレック法)が有用である。この能力が大きいほど空気を加湿する際に、加湿エレメントにおける空気との接触面積をより大きくする事が可能になるからである。本発明においては、より充分な吸水性を発現させるためには、吸水開始から600秒間でのバイレック式吸上げ長が8cm以上であることが好ましく、より好ましくは10cm以上、さらに好ましくは15cm以上である。
また、本発明の加湿エレメントに用いられる前記成形体は、形態安定性が高いため、水分を吸収しても体積の膨張が少ない。同時に、大きな変形を伴うような吸水性を有する基材は、良好な放湿性を発揮する事が困難であるため、このバランスが良好な範囲にあるようにする事が必要である。具体的には、充分に(飽和状態に)水を吸収させたときの寸法膨張率(例えば、板状成形体の場合、縦方向、横方向、厚み方向のそれぞれの寸法膨張率)が、例えば、4%以下(例えば、0.0001〜4%)、好ましくは0.001〜3.5%、さらに好ましくは0.01〜3%(特に0.1〜2%)程度である。
本発明の加湿エレメントに用いられる前記成形体は、以上のような形態安定性、保水性を有しているので、加湿エレメントとして用いる場合、この加湿エレメントを吸水部からフィン状に多数立上げ、その回りを空気が通過する事で空気を加湿する事が可能となる。また、大きな加湿能力が必要な場合は、このフィンを適度な間隔で平行に空気の通路に立ち上げる事で補う事ができる。
本発明の加湿エレメントに用いられる前記成形体の製造方法について、以下詳細に説明する。
本発明においては、まず、前記湿熱接着性繊維を含む繊維をウェブ化する。ウェブの形成方法としては、慣用の方法、例えば、スパンボンド法、メルトブロー法などの直接法、メルトブロー繊維やステープル繊維などを用いたカード法、エアレイ法などの乾式法などを利用できる。
これらの方法のうち、メルトブロー繊維やステープル繊維を用いたカード法、特にステープル繊維を用いたカード法が汎用される。ステープル繊維を用いて得られたウェブとしては、例えば、ランダムウェブ、セミランダムウェブ、パラレルウェブ、クロスラップウェブなどが挙げられる。これらのウェブのうち、束状融着繊維の割合を多くする場合には、セミランダムウェブ、パラレルウェブが好ましい。
次に、得られた繊維ウェブは、ベルトコンベアにより次工程へ送られ、次いで過熱又は高温蒸気(高圧スチーム)流に晒されることにより、不織繊維構造を有する成形体が得られる。すなわち、ベルトコンベアで運搬された繊維ウェブは、前記蒸気噴射装置のノズルから噴出される高速高温水蒸気流の中を通過する際、吹き付けられた高温水蒸気により、湿熱接着性繊維が融着し、繊維同士(湿熱接着性繊維同士、又は湿熱接着性繊維と他の繊維)が三次元的に接着される。特に、本発明における繊維ウェブは通気性を有しているため、高温水蒸気が内部にまで浸透し、略均一な融着状態を有する成形体を得ることができる。
使用するベルトコンベアは、基本的には加工に用いる繊維ウェブを目的の密度に圧縮しつつ高温水蒸気処理することができれば、特に限定されるものではなく、エンドレスコンベアが好適に用いられる。尚、一般的な単独のベルトコンベアであってもよく、必要に応じて2台のベルトコンベアを組み合わせて、両ベルト間にウェブを挟むようにして運搬してもよい。このように運搬することにより、繊維ウェブを処理する際に、処理に用いる水、高温水蒸気、コンベアの振動などの外力により運搬してきた繊維ウェブの形態が変形するのを抑制できる。また、処理後の不織繊維の密度や厚みをこのベルトの間隔を調整することにより制御することも可能となる。
繊維ウェブに水蒸気を供給するためには、慣用の水蒸気噴射装置が用いられる。この水蒸気噴射装置としては、所望の圧力と量で、ウェブ全幅に亘り概ね均一に水蒸気を吹き付け可能な装置が好ましい。2台のベルトコンベアを組み合わせた場合、一方のコンベア内に装着され、通水性のコンベアベルト、又はコンベアの上に載置されたコンベアネットを通してウェブに水蒸気を供給する。他方のコンベアには、サクションボックスを装着してもよい。サクションボックスによって、繊維ウェブを通過した過剰の水蒸気を吸引排出できる。また、繊維ウェブの表及び裏の両側を一度に水蒸気処理するために、さらに前記水蒸気噴射装置が装着されているコンベアとは反対側のコンベアにおいて、前記水蒸気噴射装置が装着されている部位よりも下流部のコンベア内に別の水蒸気噴射装置を設置してもよい。下流部の水蒸気噴射装置及びサクションボックスがない場合、繊維ウェブの表と裏を水蒸気処理したい場合は、一度処理した繊維ウェブの表裏を反転させて再度処理装置内を通過させることで代用してもよい。
コンベアに用いるエンドレスベルトは、繊維ウェブの運搬や高温水蒸気処理の妨げにならなければ、特に限定されない。ただし、高温水蒸気処理をした場合、その条件により繊維ウェブの表面にベルトの表面形状が転写される場合があるので、用途に応じて適宜選択するのが好ましい。特に、表面の平坦な成形体を得たい場合には、メッシュの細かいネットを使用すればよい。なお、90メッシュ程度が上限であり、概ね90メッシュより粗いネット(例えば、10〜50メッシュ程度のネット)が好ましい。これ以上のメッシュの細かなネットは、通気性が低く、水蒸気が通過し難くなる。メッシュベルトの材質は、水蒸気処理に対する耐熱性などの観点より、金属、耐熱処理したポリエステル系樹脂、ポリフェニレンサルファイド系樹脂、ポリアリレート系樹脂(全芳香族ポリエステル系樹脂)、芳香族ポリアミド系樹脂などの耐熱性樹脂などが好ましい。
水蒸気噴射装置から噴射される高温水蒸気は、気流であるため、水流絡合処理やニードルパンチ処理とは異なり、被処理体である繊維ウェブ中の繊維を大きく移動させることなく繊維ウェブ内部へ進入する。この繊維ウェブ中への水蒸気流の進入作用及び湿熱作用によって、水蒸気流が繊維ウェブ内に存在する各繊維の表面を湿熱状態で効率的に覆い、均一な熱接着が可能になると考えられる。また、この処理は高速気流下で極めて短時間に行われるため、水蒸気の繊維表面への熱伝導は充分であるが、繊維内部への熱伝導が充分になされる前に処理が終了してしまい、そのため高温水蒸気の圧力や熱により、処理される繊維ウェブ全体がつぶれたり、その厚みが損なわれるような変形も起こりにくい。その結果、繊維ウェブに大きな変形が生じることなく、表面及び厚み方向における接着の程度が概ね均一になるように湿熱接着が完了する。また、乾熱処理に比べて、不織繊維構造内部に対して充分に熱を伝導できるため、表面及び厚み方向における融着の程度が概ね均一になる。
さらに、表面硬さや曲げ強度の高い成形体を得る場合には、ウェブに高温水蒸気を供給して処理する際に、処理されるウェブを、コンベアベルト又はローラーの間で、目的の見かけ密度(例えば、0.3〜1g/cm程度)に圧縮した状態で高温水蒸気に晒すのが重要である。特に、相対的に高密度の成形体を得ようとする場合には、高温水蒸気で処理する際に、十分な圧力で繊維ウェブを圧縮する必要がある。さらに、ローラー間又はコンベア間に適度なクリアランスを確保することで、目的の厚みや密度に調整することも可能である。コンベアの場合には、一気にウェブを圧縮することが困難なので、ベルトの張力をできるだけ高く設定し、蒸気処理地点の上流から徐々にクリアランスを狭めていくのが好ましい。さらに、蒸気圧力、処理速度を調整することにより所望の曲げ硬さ、表面硬度、軽量性、通気度を有する成形体に加工する。
このとき、硬度を上げたい場合には、ウェブを挟んでノズルと反対側のエンドレスベルトの裏側をステンレス板などにし、蒸気が通過できない構造とすれば、被処理体であるウェブを通過した蒸気がここで反射するので、蒸気の保温効果によってより強固に接着される。逆に、軽度の接着が必要な場合には、サクションボックスを配置し、余分な水蒸気を室外へ排出してもよい。
高温水蒸気を噴射するためのノズルは、所定のオリフィスが幅方向に連続的に並んだプレートやダイスを用い、これを供給される繊維ウェブの幅方向にオリフィスが並ぶように配置すればよい。オリフィス列は一列以上あればよく、複数列が並行した配列であってもよい。また、一列のオリフィス列を有するノズルダイを複数台並列に設置してもよい。
プレートにオリフィスを開けたタイプのノズルを使用する場合、プレートの厚みは、0.5〜1mm程度であってもよい。オリフィスの径やピッチに関しては、目的とする繊維固定が可能な条件であれば特に制限はないが、オリフィスの直径は、通常、0.05〜2mm、好ましくは0.1〜1mm、さらに好ましくは0.2〜0.5mm程度である。オリフィスのピッチは、通常、0.5〜3mm、好ましくは1〜2.5mm、さらに好ましくは1〜1.5mm程度である。オリフィスの径が小さすぎると、ノズルの加工精度が低くなり、加工が困難になるという設備的な問題点と、目詰まりを起こしやすくなるという運転上の問題点が生じ易い。逆に、大きすぎると、水蒸気噴射力が低下する。一方、ピッチが小さすぎると、ノズル孔が密になりすぎるため、ノズル自体の強度が低下する。一方、ピッチが大きすぎると、高温水蒸気がウェブに充分に当たらないケースが生じるため、ウェブ強度が低下する。
高温水蒸気についても、目的とする繊維の固定が実現できれば特に限定はなく、使用する繊維の材質や形態により設定すればよいが、圧力は、例えば、0.1〜2MPa、好ましくは0.2〜1.5MPa、さらに好ましくは0.3〜1MPa程度である。水蒸気の圧力が高すぎたり、強すぎる場合には、ウェブを形成する繊維が必要以上に動いて地合の乱れを生じたり、繊維が溶融しすぎて部分的に繊維形状を保持できなくなる可能性がある。また、圧力が弱すぎると、繊維の融着に必要な熱量をウェブに与えることができなくなったり、水蒸気がウェブを貫通できず、厚み方向に繊維融着斑を生ずる場合がある。また、ノズルからの水蒸気の均一な噴出の制御が困難になる場合がある。
高温水蒸気の温度は、例えば、70〜150℃、好ましくは80〜120℃、さらに好ましくは90〜110℃程度である。高温水蒸気の処理速度は、例えば、200m/分以下、好ましくは0.1〜100m/分、さらに好ましくは1〜50m/分程度である。
必要であれば、コンベアベルトに所定の凹凸柄や文字、絵などを付与しておき、これらを転写させることで得られる成形体に意匠性を付与することも可能である。また、他の資材と積層して積層体を形成してもよく、成形加工により所望の形態(円柱状、四角柱状、球状、楕円体状などの各種形状)に加工してもよい。特に、本発明では、硬質で形態安定性に優れるため、吸液性、保液性、などの液体の吸放出に関する特性を損なうことなく、各種形状に加工できる。
このようにして繊維ウェブの繊維を部分的に湿熱接着した後、得られる不織繊維構造を有する成形体に水分が残留する場合があるので、必要に応じてウェブを乾燥してもよい。乾燥に関しては、乾燥用加熱体に接触した成形体の表面が、乾燥の熱により繊維が溶融して繊維形態が消失しないことが必要であり、繊維形態が維持できる限り、慣用の方法を利用できる。例えば、不織布の乾燥に使用されるシリンダー乾燥機やテンターのような大型の乾燥設備を使用してもよいが、残留している水分は微量であり、比較的軽度な乾燥手段により乾燥可能なレベルである場合が多いため、遠赤外線照射、マイクロ波照射、電子線照射などの非接触法や熱風を吹き付けたり、通過させる方法などが好ましい。
さらに成形体は、前述のように、湿熱接着性繊維を高温水蒸気により接着させて得られるが、部分的に(湿熱接着により得られた成形体同士の接着など)、他の慣用の方法、例えば、部分的な熱圧融着(熱エンボス加工など)、機械的圧縮(ニードルパンチなど)などの処理方法により接着されていてもよい。
なお、湿熱接着性繊維は、繊維ウェブを熱湯に漬すことでも融着するが、このような方法では繊維接着率の制御が困難であり、また繊維接着率の均一性が高い成形体を得るのが困難である。その原因は、繊維ウェブ中に必然的に含まれる空気の影響で位置によって湿熱接着性が異なること、この空気が繊維ウェブの外に押し出されることによる構造への影響、湿熱接着させた繊維ウェブを熱湯中から取り出すときの引き取りローラーによる繊維内部の微細構造の変形や取り出した繊維ウェブ中に含まれる熱湯の重さによる上下方向の微細構造の変形の違いなどであると推定できる。
このようにして得られる本発明の加湿エレメントは、湿熱接着性繊維により接着された不織繊維構造体からなる成形体が、空気流が通過するための空隙を有するように成形体中に空隙が形成され、かつ該各成形体が隣接して配置されており、好適には該成形体のWET曲げ応力が1N/mm以上、かつバイレック式吸上げ長600秒が8cm以上であるとともに、保水率が100%以上であるもので構成され、さらに該成形体を、加湿エレメント体積当りの湿潤面積が5cm/cmになるように組立てられている。
さらに、加湿エレメント体積当りの湿潤面積を大きくするために、加湿エレメントを厚さ方向に切断した断面が波形に形成させ、さらには吸水方向と平行に複数個所スリット切断加工し、スリット面の表面積を増加させることで、加湿エレメントとしての形態を保持しつつ、高い加湿性能を得ることができる。
ここで、上記した加湿エレメント体積当りの湿潤面積とは、一定体積の加湿エレメントを作成した際に、加湿エレメントの湿潤面積(加湿エレメントに用いる前記成形体が水に濡れており、かつ空気と接触している面積)を加湿エレメントの体積で除した値である。
加湿エレメント体積当りの湿潤面積は、例えば、1cm/cm以上が好ましくは1.3cm/cm以上、さらに好ましくは1.5cm/cm以上である。この値が小さすぎると、加湿性能が低下し、また加湿エレメントのサイズが大きくなってしまう。
加湿エレメントの形態は、加湿エレメント体積当りの湿潤面積が1cm/cm以上であれば特に限定はなく、具体的には大きく分けて図1、2に示すような吸上げタイプと滴下タイプが挙げられるが、湿熱接着性繊維により接着された不織繊維構造体からなる成形体が、空気流が通過するための空隙を有するように該成形体中に空隙が形成され、かつ該各成形体が隣接して配置されている形態であればよい。さらに、湿熱接着性繊維により接着された不織繊維構造体からなる成形体の吸水性能を損なうことなく、かつコンパクトな加湿エレメントにするために、吸水方向と平行に複数箇所スリット切断した前記成形体を、図1(g)あるいは図2(i)に示すようにして、スリット切断面が重ならないように波状に成形し、波状に成形された該成形体を複数枚重ね合わせ、該成形体同士が接する面積が最小になるようにし、かつ空気流通用の空隙を形成するような加工をおこなってもよい。
スリット加工は、吸水方向と平行にスリットすることで、吸水経路を遮断せず、かつ切断面分の表面積を増加させることができる。吸水方向と垂直にスリット加工すると、切断面分の表面積は増加するものの、吸水経路を遮断してしまう。

スリット幅は、加湿エレメントの自立性が保てる範囲であれば特に限定されないが、例えば1〜15mm、好ましくは2〜10mm、さらに好ましくは3〜7mmである。スリット幅が狭すぎると剛性が低下し、広すぎるとスリット加工による表面積の増加が減少してしまう。
スリット加工による表面積増加を、加湿エレメント体積当りの湿潤面積増加につなげるためには、スリット加工面ができる限り空気と接触するような形状に加工することが好ましく、その例として図3に示すような加湿エレメントの形状に成形することができる。この形状は、加湿エレメントに用いられる成形体同士の接着面が小さく、かつ空気流通用の空隙を形成できるので、加湿エレメント体積当りの湿潤面積を大きくすることができる。
本発明において、加湿エレメントを隣接して配置した時の隣接する加湿エレメント同士の隙間間隔は0.5〜15mmであることが必要である。加湿エレメント同士の隙間が0.5mm未満であると、隣接する加湿エレメント同士が空隙をもたないため加湿エレメント体積当りの湿潤面積が小さくなり、加湿性能が劣る。一方、加湿エレメント同士の隙間が15mmを超えた場合であっても加湿エレメント体積当りの湿潤面積が小さくなり、加湿性能が劣る。好ましくは1〜10mm、より好ましくは1〜5mmである。
以下、実施例により、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。実施例における各物性値は、以下に示す方法により測定した。
なお、実施例中の「%」はことわりのない限り、質量基準である。
[目付 g/m2
JIS L1913「一般短繊維不織布試験方法」に準じて測定した。
[厚み mm、見掛け密度 g/cm3
JIS L1913「一般短繊維不織布試験方法」に準じて厚みを測定し、測定した厚みと目付けの値とから見かけ密度を算出した。
[捲縮数]
JIS L1015「化学繊維ステープル試験方法」(8.12.1)に準じて評価した。
[WET曲げ応力]
JIS K7017に記載の方法のうちA法(3点曲げ法)に準じて測定した。このとき、測定サンプルは水道水の入ったビーカー中に5分浸した後、1分間風乾した、25mm幅×80mm長のサンプルを用い、支点間距離を50mmとし、試験速度を2mm/分として測定を行った。本発明では、この測定結果チャートにおける最大応力(ピーク応力)を最大曲げ応力とした。なお、曲げ応力の測定は、MD方向およびCD方向について測定した。ここで、MD方向とは、測定サンプルの長辺に対しウェブ流れ方向(MD)が平行となるように測定サンプルを採取した状態をいい、一方、CD方向とは、測定サンプルの長辺に対しウェブ幅方向(CD)が平行となるように測定サンプルを採取した状態をいう。
[吸水速度(ウィッキング法)]
JIS−L1907「繊維製品の吸水性試験法」に準じて、吸水速度を測定した。サンプル上に、0.05g/滴の水滴を10mmの高さから1滴滴下し、その水滴がサンプルに吸い込まれるまでの時間を測定した。
[吸上げ帳(バイレック法)]
JIS−L1907「繊維製品の吸水性試験法」に準じて、吸上げ長を測定した。測定は、10秒、60秒、600秒と測定した。
[保水率(吸水率)]
JIS L1907「吸水率」に準じて測定した。5cm×5cm角サイズのサンプルを調製し、質量(成形体質量)を測定する。このサンプルを水中に30秒間沈めておき、その後引き上げて、空気中に1つの角を上にした状態で1分間吊して表面の水を切った後、質量(吸水後質量)を測定し、以下の式に基づいて算出した。
吸水率(質量%)=<(吸水後質量−成形体質量)/成形体質量>×100
[吸水時膨張率]
サンプルを保水率試験と同じサイズにカットし、同じ条件下で24時間放置した後に、MD方向、CD方向、厚み方向について、標準状態下寸法(L1)をそれぞれ測定し、このサンプルを完全に覆うことのできる量の蒸留水中に5分間浸漬した後、これを引き上げ、1分間、垂直に吊り下げる事により水切りした後、同様に試料の長さ方向、幅方向そして厚みについて吸水後の寸法(L2)を測定し、次式に従い寸法変化率を算出した。各測定値は、5サンプルについて測定した値の平均値を用いた。
寸法変化率(%)=[(L2)−(L1)]/(L1)×100
[湿潤面積]
加湿エレメント用基材が水に濡れており、かつ空気と接触している面積を算出し湿潤面積とした。次式にスリット加工などの表面積増加加工無しの場合の算出方法を示す。吸上げ長e)の高さにより、式1)、式2)のいずれかを選択して算出する。

式1) 吸上げ長e) > 加湿エレメント用基材高さa) − 水深d)の場合(図4)

湿潤面積=[加湿エレメント用基材高さa)−水深d)]×2[加湿エレメント用基材の厚みb) +加湿エレメント用基材の幅c)]×加湿エレメント枚数f)

式2) 吸上げ長e) ≦ 加湿エレメント用基材高さa) − 水深d)の場合(図5)

湿潤面積=[(e)]×2[b)+c)]×f)

なお、スリット加工などにより、表面積が増える場合は、表面積増加に伴う湿潤面積増加分を加算する。
[加湿エレメント体積当りの湿潤面積]
下式から算出した。
加湿エレメント体積当りの湿潤面積
=加湿エレメントの湿潤面積 / 加湿エレメントを設置する装置の体積(内寸)
[加湿性能]
15cm(幅)×15cm(高さ)の不織繊維構造からなる成形体を複数枚作成し、図6に示すように30cm(タテ)×15cm(ヨコ)×20cm(高さ)のポリプロピレン製の加湿量測定装置内に、任意の間隔で挿入したあと、装置内に水深3cmになるように水道水を充填し、加湿測定装置の重量(W1)を測定した。次に、装置内に空気を熱風発生機で送り、1時間加湿した。さらに直径10cmの空気穴に風量150m/hr、温度35℃、相対湿度15%の空気を熱風発生機で送り、1時間加湿後、再度実験装置の重量(W2)を測定した。下記式から加湿性能を算出した。

加湿性能=W2−W1
[洗濯耐久性]
加湿性能試験後の加湿エレメント用の不織繊維構造からなる成形体をサンプルとし、市販の家庭用洗濯機で10回洗濯した。その後、再度、加湿量測定試験で行ったのと同様の方法で、加湿エレメントを組立て、水道水を充填した後に、加湿エレメントの形態を目視で観察し、以下濃基準に従って3段階評価した。
◎:ほぼ洗濯前の形状を保持している。
○:大きな形状変化はないが、一部加湿エレメント用基材が曲がったりしていて、加湿エレメント用基材同士が接触し、空気流通用の空隙が減少している。
×:大きく形状が変形しており、空気流通用の空隙が著しく低下している。
[実施例1]
(1)湿熱接着性繊維として、芯成分がポリエチレンテレフタレート、鞘成分がエチレン−ビニルアルコール共重合体(エチレン含有量44モル%、ケン化度98.4モル%)である芯鞘型複合ステープル繊維((株)クラレ製「ソフィスタ」、繊度2.2dtex、繊維長51mm、芯鞘質量比=50/50、捲縮数21個/25mm、捲縮率13.5%)を準備した。
(2)この芯鞘型複合ステープル繊維を用いて、カード法により目付100g/mのカードウェブを作製し、このウェブを5枚重ねて合計目付500g/mのカードウェブとし、さらにこのカードウェブを、50メッシュ、幅500mmのステンレス製エンドレスネットを装備したベルトコンベアに移送した。尚、このベルトコンベアの金網の上部には同じ金網を有するベルトコンベアが装備されており、それぞれが同じ速度で同方向に回転し、これら両金網の間隔を任意に調整可能なベルトコンベアを使用した。
(3)次いで、下側コンベアに備えられた水蒸気噴射装置ヘカードウェブを導入し、この装置から0.4MPaの高温水蒸気をカードウェブの厚み方向に向けて通過するように(垂直に)噴出して水蒸気処理を施し、不織繊維構造を有する成形体を得た。この水蒸気噴射装置は、下側のコンベア内に、コンベアネットを介して高温水蒸気をウェブに向かって吹き付けるようにノズルが設置され、上側のコンベアにサクション装置が設置されていた。また、この噴射装置のウェブ進行方向における下流側には、ノズルとサクション装置との配置が逆転した組合せである噴射装置がもう一台設置されており、ウェブの表裏両面に対して蒸気処理を施した。
なお、水蒸気噴射ノズルの孔径は0.3mmであり、ノズルがコンベアの幅方向に沿って1mmピッチで1列に並べられた蒸気噴射装置を使用した。加工速度は3m/分であり、ノズル側とサクション側の上下コンベアベルト間の間隔(距離)は2mmとした。ノズルはコンベアベルトの裏側にベルトとほぼ接するように配置した。
(4)得られた成形体は、ボード状の形態を有していた。これをベルトコンベアの流れ方向(MD方向)1500mm、幅方向(CD方向)400mmに切断した。また得られた成形体から評価用サンプルを切り出した。
(5)次に、上記成形体を20cm(幅)×15cm(高さ)に切断し、その切断サンプルを5mm幅で13cmのスリット加工を行った。スリット加工したサンプルを図3の形態になるように熱成形して、加湿エレメント評価用のサンプルを得た。なお、隣接する加湿エレメント同士の隙間が4mmになるようにした。評価結果を表1に示す。
[実施例2]
目付100g/mのカードウェブを作製し、これを7枚重ねとする以外は実施例1と同様にして加湿エレメントを製造した。評価結果を表1に示す。
[実施例3]
芯鞘型複合ステープル繊維((株)クラレ製、「ソフィスタ」)とレーヨン繊維(繊度1.4dtex、繊維長44mm)とを80/20(質量比)の割合で混綿して目付約100g/mのカードウェブを作製し、これを5枚重ねする以外は、実施例1と同様にして加湿エレメントを製造した。評価結果を表1に示す。
[実施例4]
不織繊維構造成形体にスリット加工しない以外は、実施例1と同様にして加湿エレメントを製造した。評価結果を表1に示す。
[比較例1]
隣接する加湿エレメント同士の隙間が20mmにする以外は、実施例1と同様にして加湿エレメントを製造した。評価結果を表1に示す。
[比較例2]
隣接する加湿エレメント同士の隙間を0mmにする以外は、実施例4と同様にして加湿エレメントを製造した。評価結果を表1に示す。
Figure 2012197971
表1の結果から明らかなように、実施例の加湿器エレメント用の不織繊維構造成形体は、吸上げ性能、保水性能、WET剛性に優れている。さらに該不織繊維構造成形体を用いて所定の形状に加工して製造した加湿エレメントは、特に、加湿性能と形態保持性に優れている。
比較例1の加湿エレメント用の不織繊維構造成形体は、隣接する不織繊維構造成形体同士の隙間が20mmと広く、加湿エレメント体積当りの湿潤面積が小さいため、加湿性能が低下している。
比較例2の加湿エレメント用の不織繊維構造成形体は、隣接する不織繊維構造成形体同士が空隙を持たず、加湿エレメント体積当りの湿潤面積が小さいため、加湿性能が低下している。
本発明の加湿エレメントは、吸液性、WET剛性に優れ、かつコンパクトな加湿エレメントであるので、オフィスや住宅などの家屋、車両などに利用でき、具体的には、家庭用及び業務用加湿器、空気清浄機、ドレン蒸散板などとして利用できる。
本発明における吸上げタイプの加湿エレメントの構造を示す模式図。 本発明における滴下タイプの加湿エレメントの構造を示す模式図。 本発明におけるスリット加工を施した加湿エレメントの一例を示す表面写真。 湿潤面積(式1)を求める際の加湿エレメントを示す模式図。 湿潤面積(式2)を求める際の加湿エレメントを示す模式図。 加湿性能測定時の実験装置を示す模式図。

Claims (3)

  1. 湿熱接着性繊維により接着された、不織繊維構造体からなる成形体において、空気流が通過するための空隙を有するように成形体中に空隙が形成されてなり、かつ該成形体同士の隙間間隔が0.5〜15mmとなるように隣接して配置されてなる加湿エレメント。
  2. 加湿エレメントを厚さ方向に切断した断面が波形に形成されていることを特徴とする請求項1記載の加湿エレメント。
  3. 吸水方向と平行に複数箇所スリット切断し、スリット切断面が重ならないように波状に成形されていることを特徴とする請求項1または2記載の加湿エレメント。
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