JP2012193054A - 窒化アルミニウム粉末およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 平均粒子径が5〜100μm、酸素濃度2重量%以下、圧壊強度が20MPa以上の窒化アルミニウム中空粒子より構成される窒化アルミニウム粉末であり、かかる窒化アルミニウム粉末は、平均粒子径が5〜90μmであり、比表面積が0.01〜3m2/gのアルミナ粒子を、フッ化カルシウムを還元助剤として使用して還元窒化することによって製造することができる。
【選択図】 図1
Description
上記方法で得られた窒化アルミニウム粉末は、熱伝導性にも優れているが、中実であるため、放熱材料を構成するマトリクスである樹脂等に高充填した場合、材料の重量の増加が懸念される。また、焼成時に凝集し易く、上記放熱材料への分散性の不良が起こることもある。
本発明の球状窒化アルミニウム粉末は、図1に示すように、大粒径であり、図2に示すように、粒子内部に空洞を有する中空である。
前記本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法は、特に制限されないが、代表的な製造方法として、以下の方法が挙げられる。
本発明の窒化アルミニウム粉末の製造方法において、原料としては、例えば、α、γ、θ、δ、η、κ、χ等の結晶構造を持つアルミナが挙げられる。これらは単独或いは種類の異なるものが混合された状態で用いてもよい。上記アルミナのうち、特に反応性が高く、反応制御が容易なα−アルミナ、γ−アルミナ、が好適に用いられる。
本発明において、還元窒化は、還元剤と窒化源とによって前記アルミナを還元窒化する方法であり、かかる還元剤は公知のもの特に制限なく用いられる。例えば、カーボンや還元性のガスが一般的に用いられる。
本発明において、還元助剤としてフッ化カルシウム粉末を用いることが大きな特徴である。即ち、アルミナの還元窒化にフッ化カルシウムを使用することによって、還元窒化反応を極めて効率よく行うことができ、前記比表面積との作用により、大粒径の原料アルミナを使用した場合でも、中空で、且つ、十分還元窒化された窒化アルミニウム粒子を得ることができる。
本発明において、還元剤としてカーボン又はカーボン源(以下、単にカーボンと言う)を用いる場合、アルミナ等とカーボンとフッ化カルシウムを混合する方法としては、アルミナ等とカーボンとフッ化カルシウムが均一になるような方法であればいずれの方法でもよいが、通常混合手段はブレンダー、ミキサー、ボールミルによる混合が好適である。
本発明の窒化アルミニウム粉末は、アルミナ等を窒素流通下、カーボン及び/または還元性ガスの存在下で、還元窒化することによって得ることができる。還元窒化における温度は特に制限されないが、1300〜1500℃が好ましく、1350℃〜1450℃がさらに好ましい。上記温度が1300℃未満では窒化反応が十分進行せず、また、フッ化カルシウムが液相を生成しないため、窒化反応の促進効果を得ることが困難となる。また、焼成温度が1500℃を超えるとフッ化カルシウムが揮発してしまうため、多量のフッ化カルシウムを必要とするため、経済的でない。
本発明において、得られる窒化アルミニウム粉末が余剰のカーボンを含んでいる場合は、酸化処理による脱炭を行うことが好ましい。上記酸化処理において、酸化性ガスとしては、空気、酸素、など炭素を酸化して除去できるガスならば何等制限無く採用できるが、経済性や得られる窒化アルミニウムの酸素含有率を考慮して、空気が好適である。また、酸化処理温度は一般的に500〜900℃がよく、脱炭素の効率と窒化アルミニウム表面の過剰酸化を考慮して、600〜750℃が好適である。
本発明の中空窒化アルミニウム粉末は、窒化アルミニウムの性質を生かした種々の用途、特に放熱シート、放熱グリース、放熱接着剤、塗料、熱伝導性樹脂などの放熱材料用フィラーとして広く用いることができる。
平均粒子径(D50)は、試料をホモジナイザーにてピロリン酸ソーダ中に分散させ、レーザー回折粒度分布装置(日機装株式会社製MICROTRAC HRA)にて測定した。
窒化アルミニウム粉末の密度は、乾燥式自動密度計(マイクロメリティックス製アキュピック1330−03)を用いて測定した。
微小圧縮試験機(島津製作所製MTC−W)を用いて、任意の粒子100個の単独粒子の圧縮試験を行い、破壊試験力と粒径より圧壊強度を求め、算術平均した。
酸素濃度は堀場製作所製「EMGA−620W」を使用して、粉末を酸素気流中で燃焼させ、発生したCOガス量から定量した。
平均粒子径10μm、比表面積0.8m2/gのαアルミナ100重量部に対して、比表面積125m2/gのカーボンブラックを40重量部、さらに平均粒子径1.0μmのフッ化カルシウムをαアルミナとカーボンブラックの合計量に対して4重量部添加して混合した後、カーボン容器に入れ、窒素ガスを1L/minで流通しつつ、焼成温度1350℃、焼成時間10時間の条件で窒化後、空気雰囲気下において700℃で4時間、酸化処理を行って窒化アルミニウム粉末を得た。得られた粉末を前述の方法にて、酸素濃度、密度、圧壊強度、平均粒径を測定した結果を表1に示す。
実施例2〜3
表1の焼成温度及び焼成時間とした以外は、実施例1と同様に還元窒化及び酸化処理を行った。得られた中空窒化アルミニウムの酸素濃度、密度、圧壊強度、平均粒径を表1に示す。
表2の還元助剤添加量及び焼成時間とした以外は、実施例3と同様に還元窒化及び酸化処理を行った。得られた中空窒化アルミニウムの酸素濃度、密度、圧壊強度、平均粒径を表2に示す。
表3の原料アルミナを用いた以外は、実施例3と同様に還元窒化及び酸化処理を行った。得られた中空窒化アルミニウムの酸素濃度、密度、圧壊強度、平均粒径を表3に示す。
表3の原料アルミナを用いた以外は、実施例3と同様に還元窒化及び酸化処理を行った。得られた中空窒化アルミニウムの酸素濃度、密度、圧壊強度、平均粒径を表3に示す。
表4の還元助剤を用いた以外は、実施例3と同様に還元窒化及び酸化処理を行った。得られた中空窒化アルミニウムの酸素濃度、密度、圧壊強度、平均粒径を表4に示す。
Claims (4)
- 平均粒子径が5〜100μm、酸素濃度2重量%以下、圧壊強度が20MPa以上の窒化アルミニウム中空粒子より構成されることを特徴とする窒化アルミニウム粉末。
- 平均粒子径が5〜90μmであり、比表面積が0.01〜3.0m2/gのアルミナ粒子を、フッ化カルシウムを還元助剤として使用して還元窒化することを特徴とする窒化アルミニウム中空粒子の製造方法。
- 前記還元窒化を1300〜1500℃の温度下に、1〜10時間行う請求項1記載の窒化アルミニウム中空粒子の製造方法。
- 前記還元窒化において、フッ化カルシウムをアルミナとカーボンの合計量100重量部に対して1〜10重量部使用する、請求項2又は3記載の窒化アルミニウム中空粒子の製造方法。
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