JP2012170536A - 超音波診断装置、画像処理装置及び画像処理プログラム - Google Patents
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Abstract
【課題】管腔状の組織を観察するための切断面を簡易に設定すること。
【解決手段】実施形態の超音波診断装置は、抽出部16b、連結ボリュームデータ生成部16c及び制御部18を備える。抽出部16bは、ボリュームデータに基づいて、管腔領域の芯線情報を抽出する。ボリュームデータ処理部16は、芯線情報に基づいて、芯線に対する複数の垂直面により当該ボリュームデータを切断した複数の断面データを連結することで連結ボリュームデータを生成する。制御部18は、連結ボリュームデータにおける各断面データの連結方向に対して垂直方向となる参照用平面により当該連結ボリュームデータを切断した参照断面データの超音波画像にて操作者が指定した直線に基づいて、連結方向に沿った指定平面を設定し、当該指定平面により連結ボリュームデータを切断した指定断面データの超音波画像をモニタ2にて表示させる。
【選択図】図1
【解決手段】実施形態の超音波診断装置は、抽出部16b、連結ボリュームデータ生成部16c及び制御部18を備える。抽出部16bは、ボリュームデータに基づいて、管腔領域の芯線情報を抽出する。ボリュームデータ処理部16は、芯線情報に基づいて、芯線に対する複数の垂直面により当該ボリュームデータを切断した複数の断面データを連結することで連結ボリュームデータを生成する。制御部18は、連結ボリュームデータにおける各断面データの連結方向に対して垂直方向となる参照用平面により当該連結ボリュームデータを切断した参照断面データの超音波画像にて操作者が指定した直線に基づいて、連結方向に沿った指定平面を設定し、当該指定平面により連結ボリュームデータを切断した指定断面データの超音波画像をモニタ2にて表示させる。
【選択図】図1
Description
本発明の実施形態は、超音波診断装置、画像処理装置及び画像処理プログラムに関する。
近年、超音波により被検体を3次元で走査可能な超音波プローブを用いることで、3次元の画像データ(ボリュームデータ)を取得する超音波診断装置が実用化されている。かかる超音波診断装置は、ボリュームデータに対して種々のレンダリング処理を行なう。具体的には、超音波診断装置は、レイトレーシング法やボリュームレンダリング法、多断面再構成法(MPR:Multi Planer Reconstruction)などを行なって、ボリュームデータから3次元の情報を反映させた2次元画像の生成及び表示を行なう。
例えば、超音波診断装置は、MPRにより、ボリュームデータを任意の切断面で切断した断面画像(MPR画像)を生成する。まず、操作者は、観察部位が描出されるMPR画像を参照するために、切断用の平面を設定する。超音波診断装置は、操作者が設定した切断面でボリュームデータを切断することで、MRP画像を生成表示する。ここで、切断面としては、平面だけでなく、曲面である場合もある。曲面を用いたMPRは、「Curved MPR」とも呼ばれる。
「Curved MPR」は、例えば、観察部位が管腔状であり、管腔に沿った断面画像を観察する場合に用いられる。超音波診断における管腔状の観察部位としては、乳管や腹部臓器の血管(例えば、肝臓の門脈など)が挙げられる。しかし、空間的に湾曲する管腔状の組織に合わせて切断面を設定することは、操作者にとって困難な作業であった。
本発明が解決しようとする課題は、管腔状の組織を観察するための切断面を簡易に設定することが可能となる超音波診断装置、画像処理装置及び画像処理プログラムを提供することである。
実施形態の超音波診断装置は、抽出部と、連結ボリュームデータ生成部と、制御部とを備える。抽出部は、被検体を超音波で3次元走査することで生成されたボリュームデータに基づいて、管腔領域の芯線に関する情報である芯線情報を抽出する。連結ボリュームデータ生成部は、前記芯線情報に基づいて、前記芯線に対する複数の垂直面により前記ボリュームデータを切断した複数の断面データを連結することで連結ボリュームデータを生成する。制御部は、前記連結ボリュームデータにおける各断面データの連結方向に対して垂直方向となる参照用平面により当該連結ボリュームデータを切断した参照断面データに基づいて生成された超音波画像にて操作者が指定した直線に基づいて、前記連結方向に沿った指定平面を設定し、当該指定平面により前記連結ボリュームデータを切断した指定断面データに基づいて生成された超音波画像を所定の表示部にて表示させる。
以下、添付図面を参照して、超音波診断装置の実施形態を詳細に説明する。
(実施形態)
まず、本実施形態に係る超音波診断装置の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係る超音波診断装置の全体構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブ1と、モニタ2と、入力装置3と、装置本体10とを有する。
まず、本実施形態に係る超音波診断装置の全体構成について説明する。図1は、本実施形態に係る超音波診断装置の全体構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施形態に係る超音波診断装置は、超音波プローブ1と、モニタ2と、入力装置3と、装置本体10とを有する。
超音波プローブ1は、複数の圧電振動子を有し、これら複数の圧電振動子は、後述する装置本体10が有する送信部11から供給される駆動信号に基づき超音波を発生する。また、超音波プローブ1は、被検体Pからの反射波を受信して電気信号に変換する。また、超音波プローブ1は、圧電振動子に設けられる整合層と、圧電振動子から後方への超音波の伝播を防止するバッキング材などを有する。なお、超音波プローブ1は、装置本体10と着脱自在に接続される。
超音波プローブ1から被検体Pに超音波が送信されると、送信された超音波は、被検体Pの体内組織における音響インピーダンスの不連続面で次々と反射され、反射波信号として超音波プローブ1が有する複数の圧電振動子にて受信される。受信される反射波信号の振幅は、超音波が反射される不連続面における音響インピーダンスの差に依存する。なお、送信された超音波パルスが、移動している血流や心臓壁などの表面で反射された場合の反射波信号は、ドプラ効果により、移動体の超音波送信方向に対する速度成分に依存して、周波数偏移を受ける。
ここで、本実施形態に係る超音波プローブ1は、超音波により被検体Pを2次元で走査するとともに、被検体Pを3次元で走査することが可能な超音波プローブである。具体的には、本実施形態に係る超音波プローブ1は、被検体Pを2次元で走査する複数の超音波振動子を所定の角度(揺動角度)で揺動させることで、被検体Pを3次元で走査するメカニカルスキャンプローブである。
なお、本実施形態は、超音波プローブ1が、複数の超音波振動子がマトリックス状に配置されることで、被検体Pを3次元で超音波走査することが可能な2次元超音波プローブである場合であっても適用可能である。2次元超音波プローブは、超音波を集束して送信することで、被検体Pを2次元で走査することが可能である。
入力装置3は、マウス、キーボード、ボタン、パネルスイッチ、タッチコマンドスクリーン、フットスイッチ、トラックボールなどを有し、超音波診断装置の操作者からの各種設定要求を受け付け、装置本体10に対して受け付けた各種設定要求を転送する。
ここで、本実施形態に係る入力装置3は、多断面再構成法(MPR:Multi Planer Reconstruction)により観察部位を含む断面画像(MPR画像)を生成するための設定情報を受け付ける。具体的には、本実施形態に係る入力装置3は、操作者から、ボリュームデータからMPR画像を生成するために用いられる切断面の指定を受け付ける。なお、本実施形態に係る入力装置3が操作者から受け付ける切断面の指定方法については、後に詳述する。
モニタ2は、超音波診断装置の操作者が入力装置3を用いて各種設定要求を入力するためのGUI(Graphical User Interface)を表示したり、装置本体10において生成された超音波画像などを表示したりする。
具体的には、本実施形態に係るモニタ2は、ボリュームデータにおける切断面の指定を受け付けるための参照断面画像を表示したり、操作者が指定した切断面により切断された断面画像を表示したりする。なお、本実施形態に係るモニタ2が表示する各種断面画像については、後に詳述する。
装置本体10は、超音波プローブ1が受信した反射波に基づいて超音波画像を生成する装置である。装置本体10は、図1に示すように、送信部11と、受信部12と、Bモード処理部13と、ドプラ処理部14と、画像生成部15と、ボリュームデータ処理部16と、画像メモリ17と、制御部18と、内部記憶部19とを有する。
送信部11は、トリガ発生回路、送信遅延回路及びパルサ回路などを有し、超音波プローブ1に駆動信号を供給する。パルサ回路は、所定のレート周波数で、送信超音波を形成するためのレートパルスを繰り返し発生する。また、送信遅延回路は、超音波プローブ1から発生される超音波をビーム状に集束して送信指向性を決定するために必要な圧電振動子ごとの送信遅延時間を、パルサ回路が発生する各レートパルスに対し与える。また、トリガ発生回路は、レートパルスに基づくタイミングで、超音波プローブ1に駆動信号(駆動パルス)を印加する。送信遅延回路は、各レートパルスに対し与える送信遅延時間を変化させることで、圧電振動子面からの送信方向を任意に調整する。
すなわち、送信遅延回路は、送信遅延時間をパルサ回路が発生する各レートパルスに対し与えることで、超音波送信の深さ方向における集束点(送信フォーカス)の位置を制御する。また、送信部11は、後述する制御部18の指示に基づいて、所定のスキャンシーケンスを実行するために、送信周波数、送信駆動電圧などを瞬時に変更可能な機能を有している。特に、送信駆動電圧の変更は、瞬間にその値を切り替え可能なリニアアンプ型の発信回路、又は、複数の電源ユニットを電気的に切り替える機構によって実現される。
受信部12は、アンプ回路、A/D変換器、受信遅延回路、加算器などを有し、超音波プローブ1が受信した反射波信号に対して各種処理を行なって反射波データを生成する。アンプ回路は、反射波信号をチャンネルごとに増幅してゲイン補正処理を行なう。A/D変換器は、ゲイン補正された反射波信号をA/D変換する。受信遅延回路は、デジタルデータに受信指向性を決定するのに必要な受信遅延時間を与える。加算器は、受信遅延回路により受信遅延時間が与えられた反射波信号の加算処理を行なって反射波データを生成する。加算器の加算処理により、反射波信号の受信指向性に応じた方向からの反射成分が強調される。
このように、送信部11及び受信部12は、超音波の送受信における送信指向性と受信指向性とを制御する。ここで、本実施形態に係る送信部11は、超音波プローブ1から被検体Pに対して3次元の超音波ビームを送信させる。そして、本実施形態に係る受信部12は、超音波プローブ1が受信した3次元の反射波信号から3次元の反射波データを生成する。
Bモード処理部13は、受信部12から反射波データを受信し、対数増幅、包絡線検波処理などを行なって、信号強度が輝度の明るさで表現されるデータ(Bモードデータ)を生成する。
ドプラ処理部14は、受信部12から受信した反射波データから速度情報を周波数解析し、ドプラ効果による血流や組織、造影剤エコー成分を抽出し、平均速度、分散、パワーなどの移動体情報を多点について抽出したデータ(ドプラデータ)を生成する。
なお、本実施形態に係るBモード処理部13およびドプラ処理部14は、2次元の反射波データおよび3次元の反射波データの両方について処理可能である。すなわち、本実施形態に係るBモード処理部13は、3次元の反射波データから3次元のBモードデータを生成することができる。また、本実施形態に係るドプラ処理部14は、3次元の反射波データから3次元のドプラデータを生成することができる。
画像生成部15は、Bモード処理部13及びドプラ処理部14が生成したデータから超音波画像を生成する。すなわち、画像生成部15は、Bモード処理部13が生成した2次元のBモードデータから反射波の強度を輝度にて表したBモード画像を生成する。また、画像生成部15は、ドプラ処理部14が生成した2次元のドプラデータから移動体情報を表す平均速度画像、分散画像、パワー画像、又は、これらの組み合わせ画像としてのカラードプラ画像を生成する。
ここで、画像生成部15は、一般的には、超音波走査の走査線信号列を、テレビなどに代表されるビデオフォーマットの走査線信号列に変換(スキャンコンバート)し、表示用画像としての超音波画像を生成する。具体的には、画像生成部15は、超音波プローブ1による超音波の走査形態に応じて座標変換を行なうことで、表示用画像としての超音波画像を生成する。また、画像生成部15は、スキャンコンバート以外に種々の画像処理として、例えば、スキャンコンバート後の複数の画像フレームを用いて、輝度の平均値画像を再生成する画像処理(平滑化処理)や、画像内で微分フィルタを用いる画像処理(エッジ強調処理)などを行なう。また、画像生成部15は、超音波画像に、種々のパラメータの文字情報、目盛り、ボディーマークなどを合成した合成画像を生成する。
なお、画像生成部15は、Bモード処理部13が生成した3次元のBモードデータに対して座標変換を行なうことで、3次元のBボード画像を生成することが可能である。また、画像生成部15は、ドプラ処理部14が生成した3次元のドプラデータに対して座標変換を行なうことで、3次元のカラードプラ画像を生成することが可能である。
ボリュームデータ処理部16は、ボリュームデータに対して、各種のレンダリング処理などを行なう処理部である。ここで、ボリュームデータ処理部16は、受信部12が生成した「3次元の反射波データ」、Bモード処理部13が生成した「3次元のBモードデータ」、ドプラ処理部14が生成した「3次元のドプラデータ」、画像生成部15が生成した「3次元のBモード画像」及び画像生成部15が生成した「3次元のカラードプラ画像」それぞれに対して処理可能な処理部である。すなわち、ボリュームデータ処理部16の処理対象となる「ボリュームデータ」は、「3次元の反射波データ」、「3次元のBモードデータ」、「3次元のドプラデータ」、「3次元のBモード画像」及び「3次元のカラードプラ画像」のいずれであっても良い。
なお、画像生成部15は、「3次元の反射波データ」、「3次元のBモードデータ」、「3次元のドプラデータ」に対するボリュームデータ処理部16の処理結果に対して、スキャンコンバートや種々の画像処理、合成処理を行なうことで、表示用画像としての2次元超音波画像を生成する。また、画像生成部15は、「3次元のBモード画像」及び「3次元のカラードプラ画像」に対するボリュームデータ処理部16の処理結果に対して、スキャンコンバート以外の種々の画像処理、合成処理を行なうことで、表示用画像としての2次元超音波画像を生成する。
なお、本実施形態に係るボリュームデータ処理部16の処理内容については、後に詳述する。
画像メモリ17は、画像生成部15が生成した超音波画像を記憶するメモリである。また、画像メモリ17は、受信部12や、Bモード処理部13、ドプラ処理部14、ボリュームデータ生成部16が生成したデータを記憶することも可能である。
内部記憶部19は、超音波送受信、画像処理及び表示処理を行なうための制御プログラムや、診断情報(例えば、患者ID、医師の所見など)や、診断プロトコルや各種ボディーマークなどの各種データを記憶する。また、内部記憶部19は、必要に応じて、画像メモリ17が記憶する画像の保管などにも使用される。
制御部18は、超音波診断装置の処理全体を制御する。具体的には、制御部18は、入力装置3を介して操作者から入力された各種設定要求や、内部記憶部19から読込んだ各種制御プログラム及び各種データに基づき、送信部11、受信部12、Bモード処理部13、ドプラ処理部14、画像生成部15及びボリュームデータ処理部16の処理を制御する。また、制御部18は、画像メモリ17が記憶する超音波画像や、ボリュームデータ処理部16により行われる各種処理を指定するためのGUIなどをモニタ2にて表示するように制御する。
以上、本実施形態に係る超音波診断装置の全体構成について説明した。かかる構成のもと、本実施形態に係る超音波診断装置は、ボリュームデータを生成する。ここで、本実施形態に係る超音波診断装置は、ボリュームデータから3次元の情報を反映させた2次元画像の生成及び表示を行なうために、種々のレンダリング処理を行なう。具体的には、本実施形態に係る超音波診断装置は、レイトレーシング法やボリュームレンダリング法、MPRなどを行なう。
例えば、超音波診断装置は、MPRにより、ボリュームデータを任意の切断面で切断した断面画像(MPR画像)を生成する。まず、操作者は、観察部位が描出されるMPR画像を参照するために、切断面を設定する。ここで、切断面としては、平面だけでなく、曲面である場合もある。曲面を用いたMPRは、「Curved MPR」とも呼ばれる。
「Curved MPR」は、例えば、観察部位が管腔状であり、管腔に沿った断面画像を観察する場合に用いられる。超音波診断における管腔状の観察部位としては、乳管や腹部臓器の血管(例えば、肝臓の門脈など)が挙げられる。
ここで、ボリュームデータに対して切断面を設定するためには、一般的には、直交3断面にてボリュームデータを切断したMPR画像が、参照用のMPR画像として用いられている。具体的には、切断面を設定するために用いられる直交3断面は、図2に示すA面、B面及びC面に定義される平面が用いられる。図2は、A面、B面及びC面を説明するための図である。
まず、A面とは、図2に示すように、機械的に揺動する超音波プローブ1において、圧電振動子が配列される方向と、超音波の送信方向とで構築される断面のことである。また、B面とは、図2に示すように、圧電振動子が配列される方向と、揺動方向で構築される断面のことである。また、C面とは、図2に示すように、超音波の送信方向に対して垂直方向にある断面のことである。
従来では、操作者は、「Curved MPR」を実行するに際し、A面、B面及びC面で切断された参照用のMPR画像に対して、切断面を設定するための切断線を描画する。しかし、管腔に沿った任意の曲線で切断線を設定することは、操作者にとって、手間がかかる。例えば、乳管や血管などは、奥行き方向にも湾曲しているため、奥行き方向に対して、切断線を描画することは、困難である。また、参照用のMPR画像に対して切断線を描画する場合、操作者にとって、管腔の中心が表示されることが望ましいが、参照用のMPR画像にて管腔の中心を表示することは、困難であった。このため、操作者は、「Curved MPR」を行なうために、例えば、複数の参照用のMPR画像それぞれに対して、直線の切断線を複数設定していた。このように、従来では、空間的に湾曲する管腔状の観察部位に合わせて切断面を設定することが、操作者にとって、困難であった。
そこで、本実施形態に係る超音波診断装置は、管腔状の組織を観察するための切断面を簡易に設定させるため、図1に示すボリュームデータ処理部16による処理が行なわれる。すなわち、図1に示すボリュームデータ処理部16は、被検体Pを超音波で3次元走査することで生成されたボリュームデータに基づいて、管腔領域の芯線に関する情報である芯線情報を抽出する。そして、ボリュームデータ処理部16は、芯線情報に基づいて、芯線に対する複数の垂直面により当該ボリュームデータを切断した複数の断面データを連結することで連結ボリュームデータを生成する。
そして、制御部18は、連結ボリュームデータにおける各断面データの連結方向に対して垂直方向となる参照用平面により当該連結ボリュームデータを切断した参照断面データに基づいて生成された超音波画像(参照断面画像)にて操作者が指定した直線に基づいて、連結方向に沿った指定平面を設定し、当該指定平面により連結ボリュームデータを切断した指定断面データに基づいて生成された超音波画像(指定断面画像)をモニタ2にて表示させる。
上記の処理を行なうため、図1に示すボリュームデータ処理部16は、レンダリング処理部16a、抽出部16b及び連結ボリュームデータ生成部16cを有する。以下、レンダリング処理部16a、抽出部16b及び連結ボリュームデータ生成部16cと、制御部18とが協同して実行する処理の一例について詳細に説明する。なお、以下では、ボリュームデータ処理部16がボリュームデータとして、腹部臓器の血管を含む3次元のBモードデータを処理対象とする場合について説明する。
レンダリング処理部16aは、被検体Pを超音波で3次元走査することで生成されたボリュームデータに対してレンダリング処理を行なう。すなわち、レンダリング処理部16aは、レイトレーシング法やボリュームレンダリング法、MPRなどの種々のレンダリング処理を実行する処理部である。
ここで、本実施形態において、レンダリング処理部16aの処理対象は、3次元のBモードデータである。従って、以下の説明で、レンダリング処理部16aが生成したデータ(断面データ)がモニタ2に表示される場合、モニタ2に表示される画像は、レンダリング処理部16aの出力結果に対して画像生成部15が座標変換などの処理を行なうことで生成した表示用の画像(超音波画像)である。
抽出部16bは、ボリュームデータに基づいて、管腔領域の芯線に関する情報である芯線情報を抽出する。すなわち、抽出部16bは、ボリュームデータに含まれる管腔領域の芯線を抽出する。まず、抽出部16bの処理を行なうために、操作者は、入力装置3を介して、処理対象となるボリュームデータを指定し、更に、直交3断面(A面、B面、C面)のMPR画像の表示要求を行なう。表示要求を入力装置3から通知された制御部18は、レンダリング処理部16aに対して、操作者が指定したボリュームデータから直交3断面のMPR画像を生成するための断面データを生成するように制御する。そして、モニタ2は、制御部18の制御により、レンダリング処理部16aが生成した断面データに基づいて画像生成部15が生成した直交3断面のMPR画像を表示する。図3及び図4は、本実施形態に係る抽出部を説明するための図である。
操作者は、モニタ2に表示されたMPR画像に描出された血管に、抽出部16bが管腔領域を抽出するためのシード点を入力装置3が有する描画機能を用いて設定する。例えば、操作者は、図3の(A)に示すように、A面のMPR画像に描出された管腔内にシード点20を設定する。制御部18は、入力装置3が受け付けたシード点20のボリュームデータにおける位置情報を取得し、取得したシード点20の位置情報を抽出部16bに通知する。
そして、抽出部16bは、シード点20におけるボリュームデータの輝度を取得し、取得した輝度に対して所定の閾値の範囲内となる輝度を有するボクセル(voxel)を順次特定する。これにより、抽出部16bは、図3の(B)に示すように、ボリュームデータに含まれる管腔領域21を抽出する。すなわち、抽出部16bは、モルフォロジー演算(Dilation, Erosion, Opening, Closing)を行なうことで、管腔領域を抽出する。そして、抽出部16bは、図3の(C)に示すように、管腔領域21の芯線22を抽出する。例えば、抽出部16bは、管腔領域21を細線化処理することで芯線22を抽出する。換言すると、抽出部16bは、芯線22のボリュームデータにおける位置情報を、管腔領域21の芯線22に関する芯線情報として抽出する。
なお、抽出部16bは、管腔領域が分岐している場合、予め設定された選択条件に基づいて、芯線の抽出方向を選択する。例えば、図4に示すように、分岐する管腔領域において、分岐点の手前にシード点30を操作者が設定したとする。かかる場合、抽出部16bは、図4に示すように、2方向に分岐する管腔領域を抽出する。ここで、抽出部16bは、図4に示すように、芯線として、分岐点で2つに別れる芯線31及び芯線32を抽出することができる。
ここで、選択条件として、「芯線の抽出方向:長さ優先」が設定されている場合、抽出部16bは、図4に示すように、芯線31と芯線32の長さを比較して、より長く芯線が抽出できる方向である芯線31を抽出する。或いは、選択条件として、「芯線の抽出方向:管腔の太さ優先」が設定されている場合、抽出部16bは、図4に示すように、芯線32における管腔の太さが、芯線31における管腔の太さより太いことから、芯線31を抽出する。
なお、上述した抽出部16bの処理は、操作者により手動で実行される場合であっても良い。また、本実施形態は、管腔領域が分岐している場合、操作者が芯線の抽出方向を指定する場合であっても良い。
図1に戻って、制御部18は、第1制御として、抽出部16bにより抽出された芯線に対する複数の垂直面によりボリュームデータを切断した複数の断面データの抽出処理をレンダリング処理部16aに実行させる。すなわち、第1制御により、レンダリング処理部16aは、芯線情報に基づいて、芯線に対する複数の垂直面によりボリュームデータを切断することで複数の断面データを抽出する。そして、連結ボリュームデータ生成部16cは、レンダリング処理部16aが抽出した複数の断面データを連結することで連結ボリュームデータを生成する。具体的には、連結ボリュームデータ生成部16cは、複数の断面データにおける管腔領域の芯線が略直線となるように、当該複数の断面画像を平行に連結することで連結ボリュームデータを生成する。
より具体的には、連結ボリュームデータ生成部16cは、各断面画像における芯線の通過点が直線上に配列されるように複数の断面データを平行に連結することで、連結ボリュームデータを生成する。図5は、本実施例に係る制御部が行なう第1制御処理及び連結ボリュームデータ生成部の生成処理を説明するための図である。
すなわち、制御部18の第1制御により、レンダリング処理部16aは、図5の(A)に示すように、芯線22に対する複数の垂直面23によりボリュームデータを切断した複数の断面データを生成する。ここで、レンダリング処理部16aは、後段の処理が簡易に実行されるように、図5の(B)に示すように、断面データの中心座標が、芯線22の通過点24となるように、断面データを生成する。レンダリング処理部16aは、生成した複数の断面データを画像メモリ17に格納する。
そして、連結ボリュームデータ生成部16cは、図5の(C)に示すように、画像メモリ17に格納された複数枚の断面データを平行に並べて連結することで、連結ボリュームを生成する。すなわち、レンダリング処理部16aが生成した各断面データの中心は、芯線の通過点であることから、連結ボリュームデータ生成部16cは、複数の断面データを平行に並べる簡易な処理により連結ボリュームを生成することができる。その結果、ボリュームデータ内で湾曲していた芯線22は、図5の(C)に示すように、連結ボリュームデータでは直線25となる。
ここで、複数の断面データを生成するために用いられる垂直面の間隔は、例えば、初期設定された値により決定される。初期設定される値としては、例えば、垂直面の間隔そのものであっても、垂直面の枚数であっても良い。垂直面の枚数が初期設定として与えられている場合、垂直面の間隔は、芯線の長さを枚数で除算することで決定される。
或いは、複数の断面データを生成するために用いられる垂直面の間隔は、操作者により設定される場合であっても良い。すなわち、本実施形態は、操作者が要望する連結ボリュームデータの解像度に応じて、垂直面の間隔を任意に設定可能である場合であっても良い。かかる場合、入力装置3は、芯線に対する複数の垂直面の間隔を受け付ける。そして、制御部18は、第1制御として、入力装置3が受け付けた情報に合致した複数の垂直面を設定し、当該設定した複数の垂直面によりボリュームデータを切断するようにレンダリング処理部16aを制御する。
例えば、初期設定にて設定されていた垂直面の間隔「L」が、操作者により「L/2」に変更されたとする。かかる場合、レンダリング処理部16aは、芯線22を「L/2」間隔の垂直面で切断することで、初期設定と比較して、2倍の密度で複数の断面データを生成する。その結果、連結ボリュームデータ生成部16cは、図5の(D)に示すように、図5の(C)に例示した場合と比較して、2倍の解像度を有する連結ボリュームデータを生成することができる。
また、連結ボリュームデータ生成部16cは、以下に説明する微調整を行なって、連結ボリュームデータの生成精度を向上することができる。すなわち、連結ボリュームデータ生成部16cは、更に、断面データ間の連結部における管腔領域の辺縁部が連続するように複数の断面データの連結位置を連結方向に対して垂直方向に調整することで、連結ボリュームデータを生成する。図6は、本実施形態に係る連結ボリュームデータ生成部の調整処理を説明するための図である。
すなわち、芯線22が直線25となるように複数の断面データを連結しても、芯線の抽出精度によっては、図6の(A)の点線丸で示すように、連結ボリュームデータにおける管腔領域の辺縁部が不連続となってしまう場合がある。かかる場合、連結ボリュームデータ生成部16cは、不連続面における管腔領域の辺縁部の輝度と略同一の輝度を有するボクセルを探索する。図6の(A)に示す一例では、連結ボリュームデータ生成部16cは、ボクセル26及びボクセル27を探索する。
そして、連結ボリュームデータ生成部16cは、ボクセル26とボクセル27と距離を算出する。そして、連結ボリュームデータ生成部16cは、算出した距離分、管腔領域の辺縁部が連続している断面データのブロック28(図6の(A)を参照)を垂直方向に移動する。これにより、連結ボリュームデータ生成部16cは、図6の(B)に示すように、管腔領域の辺縁部が連続する連結ボリュームデータを生成する。
図1に戻って、制御部18は、第2制御として、連結ボリュームデータ生成部16cにより生成された連結ボリュームデータを参照用平面により切断した参照断面データをレンダリング処理部16aに生成させた後に、当該参照断面データに基づいて生成された超音波画像である参照断面画像をモニタ2にて表示させる制御を行なう。
参照用平面は、上述したように、連結ボリュームデータにおける各断面画像の連結方向に対して垂直方向となる平面である。ここで、参照用平面は、初期設定により設定される場合と、操作者により設定される場合がある。図7は、本実施例に係る制御部が行なう第2制御に用いられる参照用平面を説明するための図である。まず、初期設定により設定される参照用平面の一例としては、図7の(A)に示すように、連結ボリュームデータ40において、連結方向の中心に位置し、連結方向に対して垂直方向となる平面41が挙げられる。
また、操作者により参照用平面が設定される場合、操作者は、参照用平面の設定要求を、入力装置3を介して入力する。参照用平面の設定要求が入力されたことを通知された制御部18は、図7の(B)に示すように、連結ボリュームデータにおいて芯線に相当する線を通る平面により、当該連結ボリュームデータを切断したMPR画像42を生成するための断面データをレンダリング処理部16aに生成させる。そして、制御部18は、MPR画像42をモニタ2に表示させる。さらに、制御部18は、図7の(B)に示すように、図7の(A)に示す平面41に該当する直線43を表示させる。MPR画像42に重畳表示された直線43を参照した操作者は、例えば、入力装置3が有するマウスを用いて、図7の(B)に示すように、直線43を連結方向に沿って、スライドさせる。これにより、操作者は、図7の(B)に示すように、直線44や直線45を設定する。制御部18は、直線44や直線45に該当する参照用平面の位置情報を取得する。そして、制御部18は、位置情報を取得した参照用平面により参照断面画像を生成するための断面データの生成処理をレンダリング処理部16aに実行させる。
このように、操作者により参照用平面が設定される場合、入力装置3は、参照用平面の位置の情報を受け付ける。そして、制御部18は、第2制御として、入力装置3が受け付けた情報に合致した位置の参照用平面を設定し、当該設定した参照用平面により連結ボリュームデータを切断するようにレンダリング処理部16aを制御する。なお、参照用平面は、複数である場合であっても良い。例えば、操作者が直線44及び直線45の2つを設定した場合、制御部18は、直線44及び直線45それぞれに該当する2つの参照用平面により、2つの参照断面画像を生成するための2つの断面データをレンダリング処理部16aに生成させる制御を行なう。
図1に戻って、制御部18は、第3制御として、モニタ2に表示された参照断面画像を参照した操作者により設定された直線に基づいて指定平面を設定することで、指定断面データをレンダリング処理部16aに生成させる。その後、制御部18は、第3制御として、レンダリング処理部16aが生成した指定断面データに基づく超音波画像である指定断面画像をモニタ2にて表示させる制御を行なう。なお、指定平面は、上述したように、連結ボリュームデータにおける各断面画像の連結方向に沿った平面である。また、管腔領域が血管である場合、連結ボリュームデータにて設定された指定平面は、血管の走行方向に沿った平面となる。
以下、第3制御について、図8〜図11を用いて説明する。図8〜図11は、本実施例に係る制御部が行なう第3制御を説明するための図である。なお、図8では、参照用断面画像の一例として、図7の(A)に示す平面41により連結ボリュームデータ40を切断した断面データから画像生成部15が生成したMPR画像(図8に示すMPR画像50を参照)が表示された場合について説明する。
第3制御においては、例えば、図8の(A)に示すように、MPR画像50における芯線の通過点51を中心として、45度おきに6本の直線が、MPR画像50に対して重畳表示される。例えば、制御部18は、MPR画像50における芯線の通過点51を通る上下方向の直線を設定する。そして、制御部18は、設定した上下方向の直線を、45度ずつ通過点を中心に回転することで、最終的に4本の直線を設定する。操作者は、図8の(A)に例示した画像を参照し、自身が参照したいMPR画像の平面を決定するための直線を指定する。これにより、制御部18は、指定平面を設定し、設定した指定平面により連結ボリュームデータ40を切断した指定断面データを生成し、更に、指定断面データから指定断面画像を生成するように制御する。
或いは、第3制御においては、例えば、図8の(B)に示すように、MPR画像50において所定の間隔で平行に並んだ7本の直線が、MPR画像50に対して重畳表示される。例えば、制御部18は、MPR画像50における芯線の通過点51を通る上下方向の直線を設定する。そして、制御部18は、設定した上下方向の直線を、通過点51の外側両方向に向かって所定の間隔ごとに並べた直線を3本ずつ設定することで、最終的に7本の直線を設定する。操作者は、図8の(B)に例示した画面を参照し、自身が参照したいMPR画像の平面を決定するための直線を指定する。これにより、制御部18は、指定平面を設定し、設定した指定平面により連結ボリュームデータ40を切断した指定断面データを生成し、更に、指定断面データから指定断面画像を生成するように制御する。
なお、操作者は、図8の(A)に示すように、通過点51を中心として4本の直線を回転移動させたり、4本の直線を上下方向に平行移動させたり、4本の直線を左右方向に平行移動させたりした後に、移動後の直線から指定平面を設定するための直線を指定しても良い。また、操作者は、図8の(B)に示すように、通過点51を中心として7本の直線を回転移動させたり、7本の直線を左右方向に平行移動させたりした後に、移動後の直線から指定平面を設定するための直線を指定しても良い。
また、操作者は、MPR画像50において入力装置3を用いて直線を任意に描画することで、指定平面を設定するための直線を指定しても良い。また、操作者により指定される直線は、複数である場合であっても良い。
このように、第3制御が行なわれる場合、入力装置3は、参照断面画像を参照した操作者から、任意の本数の直線、及び、任意の角度を有する直線の指定を受け付ける。そして、制御部18は、第3制御として、入力装置3が受け付けた情報に合致した指定平面を設定し、当該設定した指定平面に基づく指定平面データをレンダリング処理部16aに生成させる制御を行なう。
なお、図8に例示した重畳表示される直線を設定するためのパラメータは、あくまでも一例である。図8の(A)示す直線の本数及び角度や、図8の(B)に示す直線の本数及び間隔は、初期設定においても任意に変更可能である。また、本実施形態は、指定平面設定における選択肢が増えるように、図8の(A)に示す直線の表示パターンと、図8の(B)に示す直線の表示パターンとを並列表示させる場合であっても良い。
図8に示す「直線を用いた指定平面の設定方法」により行なわれる第3制御について、更に、図9を用いて説明する。図9に示す一例では、参照用断面画像として、血管が狭窄している部位が描出されているMPR画像60がモニタ2に表示されている。ここで、図9の(A)に示すように、操作者が狭窄部位を通過する直線61を指定した場合、制御部18は、直線61の位置情報に基づいて指定平面を設定する。そして、制御部18の制御により、レンダリング処理部16aは、直線61に該当する指定平面により連結ボリュームデータを切断した指定断面画像を生成するための指定断面データを生成する。これにより、モニタ2は、図9の(A)に示すように、レンダリング処理部16aが生成した指定断面データの表示用画像であるMPR画像70を表示する。図9の(A)に示すMRP画像70を参照することで、操作者は、直線61に該当する指定平面において、狭窄により血管の一部が細くなっていることを観察することができる。
或いは、図9の(B)に示すように、操作者が狭窄部位から離れた位置にある直線62を指定した場合、制御部18は、直線62の位置情報に基づいて指定平面を設定する。そして、制御部18の制御により、レンダリング処理部16aは、直線62に該当する指定平面により連結ボリュームデータを切断した指定断面画像を生成するための指定断面データを生成する。これにより、モニタ2は、図9の(B)に示すように、レンダリング処理部16aが生成した指定断面データの表示用画像であるMPR画像71を表示する。図9の(B)に示すMRP画像71を参照することで、操作者は、直線62に該当する指定平面には狭窄による影響が及んでないことを観察することができる。
ここで、制御部18は、第3制御において、参照断面画像にて複数の直線が指定されることで複数の指定平面を設定した場合、当該設定した複数の指定平面ごとに連結ボリュームデータを切断した複数の指定断面データをレンダリング処理部16aに生成させる制御を行なう。その後、制御部18は、第3制御において、レンダリング処理部16aが生成した複数の指定断面データに基づく複数の超音波画像(複数の指定断面画像)を、モニタ2にて並列表示するように制御する。又は、制御部18は、第3制御において、レンダリング処理部16aが生成した複数の指定断面データに基づく複数の指定断面画像を、切り替え表示するように制御する。
例えば、操作者がMPR画像60において直線61及び直線62を指定した場合、レンダリング処理部16aの出力結果から、画像生成部15は、MPR画像70及びMPR画像71を生成する。そして、モニタ2は、MPR画像70及びMPR画像71を並列表示する。或いは、モニタ2は、MPR画像70とMPR画像71とを交互に切り替えて表示する。なお、並列表示と切り替え表示との選択は、初期設定されている場合であっても良いし、操作者により選択させている場合であっても良い。
ところで、指定断面画像としては、MPR画像である場合に限定されるものではない。例えば、指定平面により生成される指定断面画像としては、管腔領域を仮想的に切り開いた画像である展開画像である場合であっても良い。例えば、図10に示すように、レンダリング処理部16aは、指定平面81により連結ボリュームデータ80を切断する。視点が図10において手前側に設定されている場合、レンダリング処理部16aは、指定平面81により連結ボリュームデータ80を切断した2つのデータのうち、図10に示すように、指定平面81より後方に位置する連結ボリュームデータ82を処理対象とする。なお、視点の位置は、操作者により任意に変更可能である。
そして、レンダリング処理部16aは、連結ボリュームデータ82において、シード点のボクセルの輝度に相当するボクセルを全て除去する。換言すると、レンダリング処理部16aは、連結ボリュームデータ82における血液に相当するボクセルを除去する。そして、レンダリング処理部16aは、血液に相当するボクセルを除去した連結ボリュームデータ82を2次元平面に投影した断面データを生成する。かかる断面データを処理することで、画像生成部15は、図10に示すように、血管内壁の展開画像を生成する。
図10で説明した方法により、図9に示すMPR画像60から展開画像が生成される一例について、図11を用いて説明する。例えば、図9に示すMPR画像60において、図11に示すように、操作者が直線63及び視線方向64を指定し、指定断面画像として展開画像を選択したとする。すなわち、操作者は、狭窄部位65を観察可能な展開画像の表示要求を直線63及び視線方向64を指定することで行なう。かかる表示要求を通知された制御部18による第3制御により、モニタ2には、図11に示すように、狭窄部位の血管内壁が描出された展開画像が表示される。図11に示す展開画像を参照することで、操作者は、周囲との陰影の違いにより狭窄部位65に相当する部位を観察することができる。
次に、図12を用いて、本実施形態に係る超音波診断装置の処理について説明する。図12は、本実施形態に係る超音波診断装置の処理を説明するためのフローチャートである。
図12に示すように、本実施形態に係る超音波診断装置は、画像メモリ17に格納されたボリュームデータの中で、処理対象となるボリュームデータが指定されたか否かを判定する(ステップS101)。ここで、ボリュームデータが指定されない場合(ステップS101否定)、本実施形態に係る超音波診断装置は、待機状態となる。
一方、ボリュームデータが指定された場合(ステップS101肯定)、抽出部16bは、ボリュームデータに含まれる管腔領域を抽出し(ステップS102)、管腔領域の芯線を抽出する(ステップS103)。すなわち、抽出部16bは、被検体Pを超音波で3次元走査することで生成されたボリュームデータに基づいて、管腔領域の芯線に関する情報である芯線情報を抽出する。なお、指定されるボリュームデータは、過去の超音波検査にて生成されたボリュームデータであっても良いし、現在行なわれている超音波検査にて生成されたボリュームデータであっても良い。
そして、制御部18の第1制御により、レンダリング処理部16aは、芯線に対する複数の垂直面によりボリュームデータから複数の断面データを生成する(ステップS104)。そして、連結ボリュームデータ生成部16cは、管腔領域の芯線が略直線となるように、複数の断面データを平行に連結することで連結ボリュームデータを生成する(ステップS105)。具体的には、連結ボリュームデータ生成部16cは、各断面データにおける芯線の通過点が直線上に配列されるように複数の断面画像を平行に連結することで、連結ボリュームデータを生成する。また、連結ボリュームデータ生成部16cは、更に、断面データ間の連結部における管腔領域の辺縁部が連続するように複数の断面データの連結位置を連結方向に対して垂直方向に調整することで、連結ボリュームデータを生成する。
そして、制御部18の第2制御により、レンダリング処理部16aは、連結ボリュームデータを参照平面により切断した参照断面データを生成し(ステップS106)、モニタ2は、参照断面データに基づいて生成された参照断面画像を表示する(ステップS107)。具体的には、モニタ2は、レンダリング処理部16aが生成した参照断面データを用いて、画像生成部15が生成した参照断面画像を表示する。
その後、制御部18は、参照断面画像にて直線が指定されたか否かを判定する(ステップS108)。ここで、直線が指定されない場合(ステップS108否定)、制御部18は、直線が指定されるまで待機する。
一方、直線が指定された場合(ステップS108肯定)、制御部18は、指定された直線に基づいて、指定平面を設定する(ステップS109)。そして、制御部18の第3制御により、レンダリング処理部16aは、連結ボリュームデータを指定断面により切断した指定断面データを生成する(ステップS110)。
その後、制御部18の第3制御により、モニタ2は、指定断面データに基づいて生成された指定断面画像を表示し(ステップS111)、処理を終了する。具体的には、モニタ2は、レンダリング処理部16aが生成した指定断面データを用いて、画像生成部15が生成した指定断面画像を表示する。
上述してきたように、本実施形態では、抽出部16bは、被検体Pを超音波で3次元走査することで生成されたボリュームデータに基づいて、管腔領域の芯線に関する情報である芯線情報を抽出する。そして、ボリュームデータ処理部16は、芯線情報に基づいて、芯線に対する複数の垂直面により当該ボリュームデータを切断した複数の断面データを連結することで連結ボリュームデータを生成する。すなわち、連結ボリュームデータ生成部16cは、各断面画像における芯線の通過点が直線上に配列されるように複数の断面画像を平行に連結することで、連結ボリュームデータを生成する。
そして、制御部18は、連結ボリュームデータにおける各断面データの連結方向に対して垂直方向となる参照用平面により当該連結ボリュームデータを切断した参照断面データに基づいて生成された超音波画像(参照断面画像)にて操作者が指定した直線に基づいて、連結方向に沿った指定平面を設定し、当該指定平面により連結ボリュームデータを切断した指定断面データに基づいて生成された超音波画像(指定断面画像)をモニタ2にて表示させる。
具体的には、本実施形態では、ボリュームデータに対してレンダリング処理を行なうレンダリング処理部16aが設置される。そして、制御部18は、第1制御として、複数の断面データの抽出処理をレンダリング処理部16aに実行させる。そして、制御部18は、第2制御として、連結ボリュームデータを参照用平面により切断した参照断面データをレンダリング処理部16aに生成させた後に、当該参照断面データに基づいて生成された参照断面画像をモニタ2にて表示させる制御を行なう。そして、制御部18は、第3制御として、モニタ2に表示された参照断面画像を参照した操作者により設定された直線に基づいて指定平面を設定することで、指定断面データをレンダリング処理部16aに生成させた後に、当該指定断面データに基づいて生成された指定断面画像をモニタ2にて表示させる制御を行なう。
すなわち、本実施形態では、芯線が直線状になるように、複数の断面を管腔終端まで連続して連結することで、管腔を疑似的に直線状に連結した連結ボリュームデータを生成する。かかる連結ボリュームデータから管腔に沿ったMPR画像を生成する場合、操作者は、平面を指定するだけで良い。従来では、「Curved MPR」を実行するに際し、操作者は、空間的に蛇行する管腔に沿った曲線で切断線を設定する必要があった。しかし、本実施形態では、操作者は、連結ボリュームデータから生成された参照用断面画像において直線の切断線を指定するだけで、管腔に沿った指定平面を設定することができる。すなわち、本実施形態では、「Curved MPR」を簡易な操作により実行することができる。従って、本実施形態では、管腔状の組織を観察するための切断面を簡易に設定することが可能となる。
また、本実施形態では、連結ボリュームデータ生成部16cは、更に、断面データ間の連結部における管腔領域の辺縁部が連続するように複数の断面データの連結位置を連結方向に対して垂直方向に調整することで、連結ボリュームデータを生成する。すなわち、管腔領域や芯線は、ボリュームデータにおけるアーチファクトなどの影響で正確に抽出されない場合もある。かかる場合に生成された連結ボリュームデータにおいては、辺縁部が不連続となる場合がある。そこで、本実施形態では、辺縁部の連続性が保たれるように、連結位置を調整することで、連結ボリュームデータを生成する。従って、本実施形態によれば、連結ボリュームデータの生成精度を向上させることが可能となる。
また、本実施形態では、抽出部16bは、管腔領域が分岐している場合、予め設定された選択条件に基づいて、芯線の抽出方向を選択する。従って、本実施形態によれば、管腔領域が分岐している場合であっても、選択条件の設定により、操作者が要望する方向にて芯線を自動的に抽出することができる。
また、本実施形態では、入力装置3は、芯線に対する複数の垂直面の間隔を受け付ける。そして、制御部18は、第1制御として、入力装置3が受け付けた情報に合致した複数の垂直面を設定し、当該設定した複数の垂直面によりボリュームデータを切断するようにレンダリング処理部16aを制御する。従って、本実施形態によれば、操作者が要望する任意の解像度にて連結ボリュームデータを生成することができる。
また、本実施形態では、入力装置3は、参照用平面の位置の情報を受け付ける。そして、制御部18は、第2制御として、入力装置3が受け付けた情報に合致した位置の参照用平面を設定し、当該設定した参照用平面により連結ボリュームデータを切断するようにレンダリング処理部16aを制御する。従って、本実施形態によれば、操作者が要望する位置にある参照用平面や、操作者が要望する数の参照用平面により、参照用断面画像を生成することができる。
また、本実施形態では、制御部18は、第3制御として、参照断面画像にて複数の直線が指定されることで複数の指定平面を設定した場合、当該設定した複数の指定平面ごとに連結ボリュームデータを切断した複数の指定断面データをレンダリング処理部16aに生成させる。その後、制御部18は、第3制御として、複数の指定断面データに基づいて生成された複数の指定断面画像を、モニタ2にて並列表示、又は、切り替え表示されるように制御する。従って、本実施形態によれば、操作者は、管腔に沿った複数枚のMRP画像を簡易に表示させることができる。また、本実施形態によれは、複数枚のMRP画像を、操作者の要望に合わせて、並列表示させたり、切り替え表示させたりすることができる。
また、本実施形態では、入力装置3は、参照断面画像を参照した操作者から、任意の本数の直線、及び、任意の角度を有する直線の指定を受け付ける。そして、制御部18は、第3制御として、入力装置3が受け付けた情報に合致した指定平面を設定し、当該設定した指定平面に基づく指定平面データをレンダリング処理部16aに生成させる制御を行なう。従って、本実施形態によれば、操作者が要望する任意の指定平面により、指定断面画像を生成することができる。
なお、上述した実施形態では、超音波診断装置においてボリュームデータに対する処理が行なわれる場合について説明した。しかし、上述したボリュームデータに対する処理は、超音波診断装置とは独立に設置された画像処理装置により行なわれる場合であってもよい。具体的には、本実施形態は、図1に示すボリュームデータ処理部16及び制御部18の機能を有する画像処理装置が、超音波診断装置、又は、PACSのデータベースや、電子カルテシステムのデータベースから受信したボリュームデータを受信して上述した処理を行なう場合であってもよい。
なお、本実施形態で説明した画像処理方法は、あらかじめ用意された画像処理プログラムをパーソナルコンピュータやワークステーションなどのコンピュータで実行することによって実現することができる。この画像処理プログラムは、インターネットなどのネットワークを介して配布することができる。また、この画像処理プログラムは、ハードディスク、フレキシブルディスク(FD)、CD−ROM、MO、DVDなどのコンピュータで読み取り可能な記録媒体に記録され、コンピュータによって記録媒体から読み出されることによって実行することもできる。
以上、説明したとおり、本実施形態によれば、管腔状の組織を観察するための切断面を簡易に設定することが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれると同様に、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれるものである。
1 超音波プローブ
2 モニタ
3 入力装置
10 装置本体
11 送信部
12 受信部
13 Bモード処理部
14 ドプラ処理部
15 画像生成部
16 ボリュームデータ処理部
16a レンダリング処理部
16b 抽出部
16c 連結ボリュームデータ生成部
17 画像メモリ
18 制御部
19 内部記憶部
2 モニタ
3 入力装置
10 装置本体
11 送信部
12 受信部
13 Bモード処理部
14 ドプラ処理部
15 画像生成部
16 ボリュームデータ処理部
16a レンダリング処理部
16b 抽出部
16c 連結ボリュームデータ生成部
17 画像メモリ
18 制御部
19 内部記憶部
Claims (11)
- 被検体を超音波で3次元走査することで生成されたボリュームデータに基づいて、管腔領域の芯線に関する情報である芯線情報を抽出する抽出部と、
前記芯線情報に基づいて、前記芯線に対する複数の垂直面により前記ボリュームデータを切断した複数の断面データを連結することで連結ボリュームデータを生成する連結ボリュームデータ生成部と、
前記連結ボリュームデータにおける各断面データの連結方向に対して垂直方向となる参照用平面により当該連結ボリュームデータを切断した参照断面データに基づいて生成された超音波画像にて操作者が指定した直線に基づいて、前記連結方向に沿った指定平面を設定し、当該指定平面により前記連結ボリュームデータを切断した指定断面データに基づいて生成された超音波画像を所定の表示部にて表示させる制御部と、
を備えたことを特徴とする超音波診断装置。 - 前記ボリュームデータに対してレンダリング処理を行なうレンダリング処理部、
を更に備え、
前記制御部は、
第1制御として、前記複数の断面データの抽出処理を前記レンダリング処理部に実行させ、
第2制御として、前記連結ボリュームデータを前記参照用平面により切断した前記参照断面データを前記レンダリング処理部に生成させた後に、当該参照断面データに基づいて生成された超音波画像を前記所定の表示部にて表示させる制御を行ない、
第3制御として、前記所定の表示部に表示された前記参照断面データに基づく超音波画像を参照した操作者により設定された直線に基づいて前記指定平面を設定することで、前記指定断面データを前記レンダリング処理部に生成させた後に、当該指定断面データに基づいて生成された超音波画像を前記所定の表示部にて表示させる制御を行なう、
ことを特徴とする請求項1に記載の超音波診断装置。 - 前記連結ボリュームデータ生成部は、各断面画像における前記芯線の通過点が直線上に配列されるように前記複数の断面データを平行に連結することで、前記連結ボリュームデータを生成することを特徴とする請求項1又は2に記載の超音波診断装置。
- 前記連結ボリュームデータ生成部は、更に、断面データ間の連結部における前記管腔領域の辺縁部が連続するように前記複数の断面データの連結位置を前記連結方向に対して垂直方向に調整することで、前記連結ボリュームデータを生成することを特徴とする請求項3に記載の超音波診断装置。
- 前記抽出部は、前記管腔領域が分岐している場合、予め設定された選択条件に基づいて、前記芯線の抽出方向を選択することを特徴とする請求項1〜4のいずれか一つに記載の超音波診断装置。
- 前記芯線に対する複数の垂直面の間隔を受け付ける入力部を更に備え、
前記制御部は、前記第1制御として、前記入力部が受け付けた情報に合致した複数の垂直面を設定し、当該設定した複数の垂直面により前記ボリュームデータを切断するように前記レンダリング処理部を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の超音波診断装置。 - 前記参照用平面の位置の情報を受け付ける入力部を更に備え、
前記制御部は、前記第2制御として、前記入力部が受け付けた情報に合致した位置の参照用平面を設定し、当該設定した参照用平面により前記連結ボリュームデータを切断するように前記レンダリング処理部を制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の超音波診断装置。 - 前記制御部は、前記第3制御として、前記参照断面画像にて複数の直線が指定されることで複数の指定平面を設定した場合、当該設定した複数の指定平面ごとに前記連結ボリュームデータを切断した複数の指定断面データを前記レンダリング処理部に生成させた後に、当該複数の指定断面データに基づいて生成された複数の超音波画像を、前記所定の表示部にて並列表示、又は、切り替え表示されるように制御することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の超音波診断装置。
- 前記参照断面画像を参照した前記操作者から、任意の本数の直線、及び、任意の角度を有する直線の指定を受け付ける入力部を更に備え、
前記制御部は、前記第3制御として、前記入力部が受け付けた情報に合致した指定平面を設定し、当該設定した指定平面に基づく指定平面データを前記レンダリング処理部に生成させる制御を行なうことを特徴とする請求項1〜5のいずれか一つに記載の超音波診断装置。 - 被検体を超音波で3次元走査することで生成されたボリュームデータに基づいて、管腔領域の芯線に関する情報である芯線情報を抽出する抽出部と、
前記芯線情報に基づいて、前記芯線に対する複数の垂直面により前記ボリュームデータを切断した複数の断面データを連結することで連結ボリュームデータを生成する連結ボリュームデータ生成部と、
前記連結ボリュームデータにおける各断面データの連結方向に対して垂直方向となる参照用平面により当該連結ボリュームデータを切断した参照断面データに基づいて生成された超音波画像にて操作者が指定した直線に基づいて、前記連結方向に沿った指定平面を設定し、当該指定平面により前記連結ボリュームデータを切断した指定断面データに基づいて生成された超音波画像を所定の表示部にて表示させる制御部と、
を備えたことを特徴とする画像処理装置。 - 被検体を超音波で3次元走査することで生成されたボリュームデータに基づいて、管腔領域の芯線に関する情報である芯線情報を抽出する抽出手順と、
前記芯線情報に基づいて、前記芯線に対する複数の垂直面により前記ボリュームデータを切断した複数の断面データを連結することで連結ボリュームデータを生成する連結ボリュームデータ生成手順と、
前記連結ボリュームデータにおける各断面データの連結方向に対して垂直方向となる参照用平面により当該連結ボリュームデータを切断した参照断面データに基づいて生成された超音波画像にて操作者が指定した直線に基づいて、前記連結方向に沿った指定平面を設定し、当該指定平面により前記連結ボリュームデータを切断した指定断面データに基づいて生成された超音波画像を所定の表示部にて表示させる制御手順と、
をコンピュータに実行させることを特徴とする画像処理プログラム。
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Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
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2011
- 2011-02-18 JP JP2011033260A patent/JP2012170536A/ja active Pending
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