JP2012166679A - 車両用冷暖房装置および集合弁 - Google Patents

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Abstract

【課題】運転状態に応じた車両用冷暖房装置の機能を担保しつつ、制御弁に嵩むコストをトータル的に抑制する。
【解決手段】ある態様の制御弁は、第1内部通路および第2内部通路が内部に形成された共用のボディ104と、ボディ104に取り付けられたソレノイド102と、第1内部通路における第2内部通路との合流点の上流側に設けられ、ソレノイド102により開閉駆動される開閉弁52と、第2内部通路における第1内部通路との合流点の上流側に設けられ、上流側への冷媒の逆流を防止する逆止弁53と、第1内部通路と第2内部通路との合流点の下流側に設けられ、上流側から導入された冷媒を膨張させて下流側に導出する過冷却度制御弁51と、を備える。
【選択図】図3

Description

本発明は複数の制御弁を含む集合弁に関し、特に、車両用冷暖房装置の冷媒循環通路の切り替えに好適な集合弁に関する。
近年、内燃機関を搭載した車両においてはエンジンの燃焼効率が向上したこともあり、熱源として利用してきた冷却水が暖房に必要な温度にまで上昇し難くなっている。一方、内燃機関と電動機を併用したハイブリッド車両においては内燃機関の稼働率が低いため、そのような冷却水の利用がさらに難しい。電気自動車に至っては内燃機関による熱源そのものがない。このため、冷房のみならず暖房にも冷媒を用いたサイクル運転を行い、車室内を除湿暖房可能なヒートポンプ式の車両用冷暖房装置が提案されている(例えば特許文献1参照)。
このような車両用冷暖房装置は、圧縮機、室外熱交換器、蒸発器、室内熱交換器等を含む冷凍サイクルを有し、暖房運転時と冷房運転時とで室外熱交換器の機能が切り替えられる。暖房運転時においては室外熱交換器が蒸発器として機能する。その際、冷凍サイクルを冷媒が循環する過程で室内熱交換器が放熱し、その熱により車室内の空気が加熱される。一方、冷房運転時においては室外熱交換器が凝縮器として機能する。その際、室外熱交換器にて凝縮された冷媒が蒸発器にて蒸発し、その蒸発潜熱により車室内の空気が冷却される。その際、除湿も行われる。そして、このように暖房運転時と冷房運転時とで装置の機能を切り替えるために、冷凍サイクルには複数の冷媒循環通路が設けられ、各冷媒循環通路の冷媒の流れを切り替えるための種々の制御弁が設けられる。
特開平9−240266号公報
ところで、このような車両用冷暖房装置において制御弁が数多く用いられると、当然にコストが嵩み、また設置スペース上の問題も生じる。このため、制御弁のトータルの数や部品コストをできる限り少なくするのが望ましい。この点、省スペース化や材料コストの削減の観点から、複数の制御弁を共用のボディに組み入れてユニット化した集合弁として構成することも考えられる。しかしながら、このようなユニット化により複数の制御弁が集約される場合には各制御弁の固有の機能を担保する、つまり各制御弁が互いの機能を阻害しないようそれらの配置構成を工夫する必要もある。
本発明の目的は、運転状態に応じて制御弁により冷媒循環通路が切り替えられる車両用冷暖房装置において、各運転状態における装置の機能を担保しつつ、制御弁に嵩むコストをトータル的に抑制することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様の車両用冷暖房装置は、冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、車室外に配置され、冷房運転時に冷媒を放熱させる室外凝縮器として機能する一方、暖房運転時には冷媒を蒸発させる室外蒸発器として機能する室外熱交換器と、車室内に配置されて冷媒を蒸発させる室内蒸発器と、室外熱交換器とは別に冷媒を放熱させる補助凝縮器と、圧縮機から吐出された冷媒が補助凝縮器、室外熱交換器、室内蒸発器を順次経由して圧縮機に戻るように循環可能な第1冷媒循環通路と、圧縮機から吐出された冷媒が補助凝縮器、室外熱交換器を順次経由して圧縮機に戻るように循環可能な第2冷媒循環通路と、圧縮機から吐出された冷媒が補助凝縮器、室内蒸発器を順次経由して圧縮機に戻るように循環可能な第3冷媒循環通路と、第3冷媒循環通路における第1冷媒循環通路との合流点の上流側に設けられ、外部から電気的に開閉駆動される開閉弁と、第1冷媒循環通路における第3冷媒循環通路との合流点の上流側に設けられ、上流側への冷媒の逆流を防止する逆止弁と、第1冷媒循環通路と第3冷媒循環通路との合流点の下流側に設けられ、上流側から導入された冷媒を膨張させて下流側に導出する膨張装置と、を備える。
この態様によると、第1冷媒循環通路が開放されると、室外熱交換器が室外凝縮器として機能し、第2冷媒循環通路が開放されると、室外熱交換器が室外蒸発器として機能するようになる。第3冷媒循環通路は、室外熱交換器を迂回するための通路として設けられ、開閉弁が開弁されたときに開放される。開閉弁が閉弁されて第3冷媒循環通路が遮断され、かつ第1冷媒循環通路が開放された状態においては、膨張装置は、室外熱交換器で凝縮された冷媒を膨張させて室内蒸発器に向けて導出する。このとき、逆止弁は開弁状態を維持する。また、開閉弁が開弁されて第3冷媒循環通路が開放され、かつ第1冷媒循環通路が遮断された状態においては、膨張装置は、補助凝縮器で凝縮された冷媒を膨張させて室内蒸発器に向けて導出する。このとき、逆止弁は閉弁状態を維持する。
さらに、第1冷媒循環通路および第3冷媒循環通路がともに遮断され、第2冷媒循環通路が開放される場合、開閉弁が閉弁される。一方、逆止弁の上流側の圧力が低くなるため、逆止弁についても閉弁状態を維持しやすくなる。その結果、逆止弁の上流側に別の開閉弁などを設けなくとも、第2冷媒循環通路のみの開放状態を安定に保ちやすくなる。その結果、当該車両用冷暖房装置の機能を担保しつつ、制御弁に嵩むコストをトータル的に抑制することができる。このような車両用冷暖房装置は、例えば次に述べる集合弁を適用することによりより低コストに実現できる。
本発明の別の態様は集合弁である。この集合弁は、冷媒の流れを制御する複数の制御弁を含む集合弁であって、第1内部通路および第2内部通路が内部に形成された共用のボディと、ボディに取り付けられたアクチュエータと、第1内部通路における第2内部通路との合流点の上流側に設けられ、アクチュエータにより開閉駆動される開閉弁と、第2内部通路における第1内部通路との合流点の上流側に設けられ、上流側への冷媒の逆流を防止する逆止弁と、第1内部通路と第2内部通路との合流点の下流側に設けられ、上流側から導入された冷媒を膨張させて下流側に導出する膨張装置と、を備える。
この態様によると、例えば第1内部通路を上記第3冷媒循環通路の一部とし、第2内部通路を上記第1冷媒循環通路の一部として形成することにより、上述した車両用冷暖房装置を構成することができる。
本発明によれば、運転状態に応じて制御弁により冷媒循環通路が切り替えられる車両用冷暖房装置において、各運転状態における装置の機能を担保しつつ、制御弁に嵩むコストをトータル的に抑制できる。
実施形態に係る車両用冷暖房装置のシステム構成を表す図である。 車両用冷暖房装置の動作を表す説明図である。 実施形態に係る集合弁の構成および動作を表す断面図である。 実施形態に係る集合弁の構成および動作を表す断面図である。 実施形態に係る集合弁の構成および動作を表す断面図である。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照して詳細に説明する。
図1は、実施形態に係る車両用冷暖房装置のシステム構成を表す図である。本実施形態は、本発明の車両用冷暖房装置を電気自動車の冷暖房装置として具体化したものである。
車両用冷暖房装置100は、圧縮機2、室内凝縮器3、室外熱交換器5、蒸発器7およびアキュムレータ8を配管にて接続した冷凍サイクル(冷媒循環回路)を備える。車両用冷暖房装置100は、冷媒としての代替フロン(HFO−1234yf)が冷凍サイクル内を状態変化しながら循環する過程で、その冷媒の熱を利用して車室内の空調を行うヒートポンプ式の冷暖房装置として構成されている。
車両用冷暖房装置100は、また、冷房運転時と暖房運転時とで複数の冷媒循環通路を切り替えるように運転される。この冷凍サイクルは、室内凝縮器3と室外熱交換器5とが凝縮器として直列に動作可能に構成され、また、蒸発器7と室外熱交換器5とが蒸発器として並列に動作可能に構成されている。すなわち、冷房運転時(除湿時)に冷媒が循環する第1冷媒循環通路、暖房運転時に冷媒が循環する第2冷媒循環通路、暖房運転中の除湿時に冷媒が循環する第3冷媒循環通路が形成される。
第1冷媒循環通路は、圧縮機2→室内凝縮器3→室外熱交換器5→蒸発器7→アキュムレータ8→圧縮機2のように冷媒が循環する通路である。第2冷媒循環通路は、圧縮機2→室内凝縮器3→室外熱交換器5→アキュムレータ8→圧縮機2のように冷媒が循環する通路である。第3冷媒循環通路は、圧縮機2→室内凝縮器3→蒸発器7→アキュムレータ8→圧縮機2のように冷媒が循環する通路である。室外熱交換器5を流れる冷媒の流れは、第1冷媒循環通路と第2冷媒循環通路とで逆方向となっている。
具体的には、圧縮機2の吐出室は第1通路21を介して室内凝縮器3の入口に接続され、室内凝縮器3の出口は第2通路22を介して室外熱交換器5の一方の出入口に接続されている。室外熱交換器5の他方の出入口は第3通路23を介して蒸発器7の入口に接続され、蒸発器7の出口は第4通路24(戻り通路)を介してアキュムレータ8の入口に接続されている。これら第1通路21、第2通路22、第3通路23および第4通路24により第1冷媒循環通路が形成される。
第2通路22には、室内凝縮器3の側から第1分岐点、第2分岐点、第3分岐点が設けられている。すなわち、第2通路22は、第1分岐点にてバイパス通路25に分岐し、第2分岐点にてバイパス通路26に分岐し、第3分岐点にてバイパス通路27に分岐している。そして、バイパス通路25が第3通路23に接続されることにより、室内凝縮器3から導出された冷媒の少なくとも一部を室外熱交換器5を迂回させて蒸発器7へ供給可能な第3冷媒循環通路が形成される。また、バイパス通路26が室外熱交換器5の他方の出入口に接続され、バイパス通路27がアキュムレータ8の入口に接続されることにより、第2冷媒循環通路が形成される。
室内凝縮器3の出口と室外熱交換器5の一方の出入口との間には第1制御弁4が設けられている。また、その室外熱交換器5の一方の出入口と蒸発器7の出口との間には第2制御弁6が設けられている。さらに、室外熱交換器5の他方の出入口と蒸発器7の入口との間には第3制御弁9が設けられている。
圧縮機2は、ハウジング内にモータと圧縮機構を収容する電動圧縮機として構成され、図示しないバッテリからの供給電流により駆動され、モータの回転数に応じて冷媒の吐出容量が変化する。
室内凝縮器3は、車室内に設けられ、室外熱交換器5とは別に冷媒を放熱させる補助凝縮器として機能する。すなわち、圧縮機2から吐出された高温・高圧の冷媒が室内凝縮器3を通過する際に放熱する。車室内に導入された空気は、室内凝縮器3を通過する過程で温められる。
室外熱交換器5は、車室外に配置され、冷房運転時に内部を通過する冷媒を放熱させる室外凝縮器として機能する一方、暖房運転時には内部を通過する冷媒を蒸発させる室外蒸発器として機能する。室外熱交換器5が蒸発器として機能する際には、膨張装置(第2弁32)の通過により低温・低圧となった冷媒が、室外熱交換器5を通過する際に蒸発する。
蒸発器7は、車室内に配置され、内部を通過する冷媒を蒸発させる室内蒸発器として機能する。すなわち、膨張装置(過冷却度制御弁51)の通過により低温・低圧となった冷媒は、蒸発器7を通過する際に蒸発する。車室内に導入された空気は、その蒸発潜熱によって冷却され、除湿される。このとき冷却・除湿された空気は、室内凝縮器3の通過過程で加熱される。
アキュムレータ8は、蒸発器から送出された冷媒を気液分離して溜めておく装置であり、液相部と気相部とを有する。このため、仮に蒸発器7から想定以上の液冷媒が導出されたとしても、その液冷媒を液相部に溜めおくことができ、気相部の冷媒を圧縮機2に導出することができる。
第1制御弁4は、共用のボディに第1弁31と第2弁32とを収容し、それらを1つのアクチュエータにて駆動する複合弁として構成されている。第1制御弁4のボディには、第2通路22における第2分岐点と第3分岐点とをつなぐ第1内部通路と、バイパス通路26を構成する第2内部通路が設けられている。第1弁31は大口径の弁であり、第1内部通路に設けられてその開度を調整する。第2弁32は小口径の弁であり、第2内部通路に設けられてその開度を調整する。第2弁32は膨張装置としても機能する。本実施形態では、第1制御弁4として、ステッピングモータの駆動により各弁の開度を調整可能な電動弁が用いられるが、ソレノイドへの通電によって各弁の開度を調整可能な電磁弁を用いるようにしてもよい。
第2制御弁6は、共用のボディに第1弁41と第2弁42とを収容し、それらを1つのアクチュエータにて駆動する複合弁として構成されている。第2制御弁6のボディには、第4通路24を構成する第1内部通路とバイパス通路27を構成する第2内部通路が設けられている。第1弁41は大口径の弁であり、第1内部通路に設けられてその開度を調整する。第2弁42も大口径の弁であり、第2内部通路に設けられてその開度を調整する。本実施形態では、第2制御弁6として、ステッピングモータの駆動により各弁の開度を調整可能な電動弁が用いられるが、ソレノイドへの通電によって各弁の開度を調整可能な電磁弁を用いるようにしてもよい。
第3制御弁9は、共用のボディに過冷却度制御弁51、開閉弁52、逆止弁53および差圧弁54を収容する集合弁として構成される。第3制御弁9のボディには、バイパス通路25を構成する第1内部通路と第3通路23を構成する第2内部通路が設けられている。なお、第3制御弁9の具体的構成については後述する。
過冷却度制御弁51は、室外熱交換器5から第3通路23を介して導入された冷媒、または室内凝縮器3から第2通路22を介して導入された冷媒を絞り膨張させて下流側に導出する「膨張装置」としても機能する。すなわち、過冷却度制御弁51は、開閉弁52が閉弁されて第3冷媒循環通路が遮断され、かつ第1冷媒循環通路が開放された状態においては、室外熱交換器5の出口側の過冷却度が設定値SCとなるよう冷媒の流量を調整する。すなわち、過冷却度制御弁51は、室外熱交換器5の出口側の過冷却度が設定値SCよりも大きくなると開弁方向に動作し、室外熱交換器5を流れる冷媒の流量を増加させる。このように冷媒の流量が増加すると、室外熱交換器5における冷媒の単位流量あたりの凝縮能力が小さくなるため、その過冷却度は小さくなる方向に変化する。逆に、室外熱交換器5の出口側の過冷却度が設定値SCよりも小さくなると、過冷却度制御弁51は、閉弁方向に動作し、室外熱交換器5を流れる冷媒の流量を減少させる。このように冷媒の流量が減少すると、室外熱交換器5における冷媒の単位流量あたりの凝縮能力が大きくなるため、その過冷却度は大きくなる方向に変化する。
過冷却度制御弁51は、また、開閉弁52が開弁されて第3冷媒循環通路が開放され、かつ第1冷媒循環通路が遮断された状態においては、室内凝縮器3の出口側の過冷却度が設定値SCとなるよう冷媒の流量を調整する。すなわち、過冷却度制御弁51は、室内凝縮器3の出口側の過冷却度が設定値SCよりも大きくなると開弁方向に動作し、室内凝縮器3を流れる冷媒の流量を増加させる。このように冷媒の流量が増加すると、室内凝縮器3における冷媒の単位流量あたりの凝縮能力が小さくなるため、その過冷却度は小さくなる方向に変化する。逆に、室内凝縮器3の出口側の過冷却度が設定値SCよりも小さくなると、過冷却度制御弁51は、閉弁方向に動作し、室内凝縮器3を流れる冷媒の流量を減少させる。このように冷媒の流量が減少すると、室内凝縮器3における冷媒の単位流量あたりの凝縮能力が大きくなるため、その過冷却度は大きくなる方向に変化する。
開閉弁52は、外部から電気的に開閉駆動されるオン/オフ弁として構成されている。本実施形態では、開閉弁52として、ソレノイドへの通電有無によって弁部の開閉状態を切替可能な電磁弁が用いられるが、ステッピングモータの駆動により弁部の開閉状態を切替可能な電動弁を用いるようにしてもよい。
差圧弁54は、過冷却度制御弁51に直列に設けられている。差圧弁54は、第3通路23において過冷却度制御弁51側への冷媒の逆流を防止する機械式の弁として機能し、当該差圧弁54の前後差圧が設定された設定差圧以上となったときに開弁する。
逆止弁53は、第3通路23におけるバイパス通路25との合流点(第1冷媒循環通路における第3冷媒循環通路との合流点)の上流側に設けられている。逆止弁53は、バイパス通路25を通過した冷媒が室外熱交換器5側へ逆流することを防止する機械式の弁として構成されている。なお、本実施形態では過冷却度制御弁51に差圧弁54を設けているが、逆止弁53をその前後差圧が設定差圧以上となったときに開弁する差圧弁として構成してもよい。その場合、差圧弁54を省略してもよい。
以上のように構成された車両用冷暖房装置100は、図示しない制御部により制御される。制御部は、車両の乗員によりセットされた室温を実現するために各アクチュエータの制御量を演算し、各アクチュエータの駆動回路に制御信号を出力する。制御部は、車室内外の温度、蒸発器7の吹き出し空気温度等、各種センサにて検出された所定の外部情報に基づいて各制御弁の制御量(弁開度や開閉状態)を決定し、その制御量が実現されるようアクチュエータに電流を供給する。制御部は、アクチュエータとしてステッピングモータを用いる制御弁に対し、その制御量が実現されるようステッピングモータに制御パルス信号を出力する。また、制御部は、アクチュエータとしてソレノイドを用いる制御弁に対し、その制御量が実現されるようソレノイドに電流を供給する。このような制御により、圧縮機2は、その吸入室を介して吸入圧力Psの冷媒を導入し、これを圧縮して吐出圧力Pdの冷媒として吐出する。なお、本実施形態ではこのような制御を実現するために、室内凝縮器3の出口、室外熱交換器5の一方の出入口と他方の出入口、蒸発器7の入口と出口のそれぞれの温度を検出するための複数の温度センサが設置されている。
次に、本実施形態の冷凍サイクルの動作について説明する。図2は、車両用冷暖房装置の動作を表す説明図である。(A)は冷房運転時の状態を示し、(B)は特定暖房運転時の状態を示し、(C)は通常暖房運転時の状態を示し、(D)は特殊暖房運転時の状態を示している。なお、「特定暖房運転」は、暖房運転において特に除湿の機能を高めた運転状態である。「特殊暖房運転」は、室外熱交換器5を機能させない運転状態である。なお、図中の太線および矢印が冷媒の流れを示し、「×」は冷媒の流れが遮断されていることを示している。
図2(A)に示すように、冷房運転時においては、第1制御弁4において第1弁31が開弁状態とされ第2弁32が閉弁状態とされる。また、第2制御弁6において第1弁41が開弁状態とされ第2弁42が閉弁状態とされる。さらに、第3制御弁9において開閉弁52が閉弁状態とされる。それにより第1冷媒循環通路のみが開放される。このため、バイパス通路25,26,27が遮断され、圧縮機2から吐出冷媒は室外熱交換器5および蒸発器7に導かれる。このとき、室外熱交換器5は室外凝縮器として機能する。
すなわち、圧縮機2から吐出された高温・高圧のガス冷媒は、室内凝縮器3および室外熱交換器5を経ることで凝縮される。そして、室外熱交換器5を経由した冷媒が第3制御弁9の過冷却度制御弁51にて断熱膨張されて冷温・低圧の気液二相冷媒となり、蒸発器7に導入される。蒸発器7の入口に導入された冷媒は、その蒸発器7を通過する過程で蒸発し、車室内の空気を冷却する。蒸発器7から導出された冷媒は、第2制御弁6の第1弁41を経てアキュムレータ8に導入される。過冷却度制御弁51は、室外熱交換器5の出口側の温度に基づき、その出口側の過冷却度が設定値SCとなるよう弁開度を調整する。
図2(B)に示すように、特定暖房運転時においては、第1制御弁4の第1弁31が閉弁状態とされ第2弁32が開弁状態とされる。また、第2制御弁6において第1弁41および第2弁42が共に開弁状態とされる。さらに、第3制御弁9において開閉弁52が開弁状態とされる。それにより第1冷媒循環通路が遮断され、第2冷媒循環通路および第3冷媒循環通路が開放される。このため、室内凝縮器3から導出された冷媒は、一方でバイパス通路26を介して室外熱交換器5に導かれ、他方でバイパス通路25を介して蒸発器7に導かれる。このとき、逆止弁53の下流側の圧力が上流側の圧力よりも高圧となるため、逆止弁53が閉弁状態に保持され、第1冷媒循環通路の遮断状態が維持される。
すなわち、圧縮機2から吐出された高温・高圧のガス冷媒は、室内凝縮器3を経て凝縮される。室内凝縮器3から導出された冷媒は、一方で第1制御弁4の第2弁32にて断熱膨張されて冷温・低圧の気液二相冷媒となり、室外熱交換器5を通過する際に蒸発される。室外熱交換器5から導出された冷媒は、第2制御弁6の第2弁42を経てアキュムレータ8に導入される。また、室内凝縮器3から導出された冷媒は、他方で第3制御弁9の過冷却度制御弁51にて断熱膨張されて冷温・低圧の気液二相冷媒となり、蒸発器7を通過する際に蒸発される。蒸発器7から導出された冷媒は、第2制御弁6の第1弁41を経てアキュムレータ8に導入される。過冷却度制御弁51は、室内凝縮器3の出口側の温度に基づき、その出口側の過冷却度が設定値SCとなるよう弁開度を調整する。
このとき、制御部は、室外熱交換器5による熱吸収と蒸発器7による除湿とを適正に行うべく、室外熱交換器5における冷媒の蒸発量と蒸発器7における冷媒の蒸発量との比率を適正に調整する。このとき、開閉弁52は開弁状態である。室外熱交換器5および蒸発器7の両蒸発器にて蒸発される比率は、第2弁32の開度により制御される。すなわち、第2弁32の開度調整により室外熱交換器5へ供給される冷媒の流量が調整される。室内凝縮器3から導出された冷媒のうちバイパス通路25へ振り分けられる冷媒の流量は、第2弁32の開度に応じて変化する。一方、蒸発器7へ供給される冷媒流量は、過冷却度制御弁51により室内凝縮器3の出口側の過冷却度が設定値SCとなるように調整される。
また、制御部は、第2制御弁6における第1弁41および第2弁42の一方の全開状態を維持したまま他方の開度を調整する。本実施形態では、室外熱交換器5よりも蒸発器7の温度が低い場合には第1弁41を全開状態にして第2弁42の開度を制御する。一方、蒸発器7よりも室外熱交換器5の温度が低い場合には第2弁42を全開状態にして第1弁41の開度を制御する。
例えば、前者のように室外熱交換器5よりも蒸発器7の温度が低く、室外熱交換器5の出口側に過熱度(スーパーヒート)が発生している場合、第2弁42の開度を絞ることによりその過熱度が設定値(ゼロまたは小さな適正値)に近づくように制御する。このとき、室外熱交換器5における外部からの熱吸収量は、その第2弁42の絞り量により調整される。すなわち、第1弁41を全開状態に維持しつつ第2弁42の開度を絞ることで、室外熱交換器5の蒸発圧力Poと蒸発器7の出口の圧力Peとの差圧ΔP=Po−Peが適正となり、循環する冷媒を室外熱交換器5と蒸発器7とで蒸発させる比率を調整することができる。すなわち、差圧ΔPが大きくなると、室外熱交換器5における蒸発量が相対的に小さくなる(蒸発器7における蒸発量が相対的に大きくなる)。逆に、差圧ΔPが小さくなると、室外熱交換器5における蒸発量が相対的に大きくなる(蒸発器7における蒸発量が相対的に小さくなる)。制御部は、室外熱交換器5の出口側に過熱度に応じて第2弁42の開度を制御して差圧ΔPを適正に調整することで、特定暖房運転時における除湿機能を確保する。なお、室外熱交換器5の出口側の過熱度の有無およびその大きさは、室外熱交換器5の入口側の温度と出口側の温度を検出することで特定することができる。
逆に、後者のように蒸発器7よりも室外熱交換器5の温度が低く、蒸発器7の出口側に過熱度が発生している場合、第1弁41の開度を絞ることによりその過熱度が設定過熱度(ゼロまたは小さな適正値)に近づくように制御する。すなわち、第2弁42を全開状態に維持しつつ第1弁41の開度を絞ることで、蒸発器7の出口の圧力Peと室外熱交換器5の蒸発圧力Poとの差圧ΔP=Pe−Poが適正となり、特定暖房運転時における除湿機能を確保することができる。なお、蒸発器7の出口側の過熱度の有無およびその大きさは、蒸発器7の入口側の温度と出口側の温度を検出することで特定することができる。
図2(C)に示すように、通常暖房運転時においては、第1制御弁4の第1弁31が閉弁状態とされ第2弁32が開弁状態とされる。また、第2制御弁6において第1弁41が閉弁状態とされ、第2弁42が開弁状態とされる。さらに、第3制御弁9において開閉弁52が閉弁状態とされる。このとき、第3通路23とバイパス通路25との合流点の圧力、逆止弁53の上流側の圧力、および過冷却度制御弁51の下流側の圧力(差圧弁54の下流側の圧力)がいずれも低圧となる。このような状態において差圧弁54が閉弁状態を維持するため、仮に逆止弁53が開弁しても冷媒が蒸発器7側へ流れることが防止される。それにより第2冷媒循環通路のみが開放された状態を安定に保つことができる。このため、室内凝縮器3から導出された冷媒はバイパス通路26を介して室外熱交換器5に導かれる。このとき、蒸発器7には冷媒が供給されないため、蒸発器7は実質的に機能しなくなり、室外熱交換器5のみが蒸発器として機能するようになる。制御部は、室内凝縮器3の出口側の温度に基づき、その出口側の過冷却度が適正となるよう第2弁32の開度を制御する。なお、このように差圧弁54を設けたことで、逆止弁53の上流側に冷媒の流れを遮断するための電動の開閉弁を設ける必要がなくなる。
図2(D)に示すように、特殊暖房運転時においては、第1制御弁4の第1弁31および第2弁32が共に閉弁状態とされる。また、第2制御弁6において第1弁41が開弁状態とされ、第2弁42が閉弁状態とされる。さらに、第3制御弁9において開閉弁52が開弁状態とされる。このとき、逆止弁53の下流側の圧力が上流側の圧力よりも高圧となるため、逆止弁53が閉弁状態に保持され、第1冷媒循環通路の遮断状態が維持される。それにより第3冷媒循環通路のみが開放される。このため、室内凝縮器3から導出された冷媒はバイパス通路25を介して蒸発器7に導かれる。つまり、冷媒が室外熱交換器5を迂回するため室外熱交換器5が実質的に機能しなくなる。蒸発器7に導入された冷媒は、その蒸発器7を通過する過程で蒸発し、車室内の空気を除湿する。このような特殊冷暖房運転は、外部からの吸熱が困難な場合、例えば車両が極寒状況におかれた場合などに有効に機能する。
次に、本実施形態の集合弁の具体的構成について説明する。
図3〜図5は、実施形態に係る集合弁の構成および動作を表す断面図である。図3に示すように、第3制御弁9は、弁本体101とソレノイド102とを組み付けて構成されている。弁本体101は、有底筒状のボディ104に過冷却度制御弁51、開閉弁52、逆止弁53、差圧弁54を収容して構成されている。開閉弁52は、主弁106とパイロット弁108とを含んで構成される。ソレノイド102は、開閉弁52のアクチュエータとして機能する。
ボディ104は、金属材を切削加工して得た有底筒状の本体を有する。ボディ104の一方の側部には第1導入ポート110が設けられ、他方の側部には第2導入ポート112および導出ポート114が設けられている。第1導入ポート110は第3通路23の上流側に連通し、第2導入ポート112はバイパス通路25に連通し、導出ポート114は第3通路23の下流側に連通する。すなわち、ボディ104には、第1導入ポート110と導出ポート114とをつなぐ内部通路(「第2内部通路」に該当する)と、第2導入ポート112と導出ポート114とをつなぐ内部通路(「第1内部通路」に該当する)が形成される。
ボディ104は、その上端開口部が内部機構の挿入口となっている。ボディ104には、その内部通路を区画形成するための樹脂製の通路形成部材118,120が設けられている。通路形成部材118は、段付円筒状をなし、ボディ104の下半部に同軸状に配置されている。通路形成部材118における第1導入ポート110との対向部には内外を連通する弁孔121が設けられ、導出ポート114との対向部には内外を連通する連通孔が設けられている。
通路形成部材120は、段付円筒状をなし、ボディ104の上半部に同軸状に配置されている。通路形成部材120における第2導入ポート112との対向部には内外を連通する連通孔が設けられている。通路形成部材118,120の外周面とボディ104の内周面との間にはシール用のOリングが介装されている。ボディ104の挿入口は、ソレノイド102により封止されている。
通路形成部材120の軸線方向中央部には半径方向内向きに突出した区画壁122が設けられている。区画壁122は、ボディ104内を圧力室124と圧力室126とに区画している。区画壁122の環状の内周部により主弁孔128が形成され、その上端開口部に主弁座130が形成されている。圧力室124には有底円筒状の主弁体132が配設されている。主弁体132は、主弁座130に着脱して主弁106を開閉する。
主弁体132は、通路形成部材120とソレノイド102との間に挟持された可撓性を有するダイヤフラム134に支持されている。主弁体132の下面から下方に複数の脚部が延設されている。その脚部が主弁孔128に摺動可能に内挿されることで、主弁体132の軸線方向への安定した開閉動作が担保されている。ダイヤフラム134は、その中央部が主弁体132の中央部に嵌着されており、その厚肉部分が主弁座130に着脱する主弁体132の一部を構成している。主弁体132は、圧力室124を高圧室136と背圧室138とに区画する。また、主弁体132には、高圧室136と背圧室138とを連通するオリフィス140が設けられている。
主弁体132の底部中央には背圧室138側に突出するボス部が設けられ、そのボス部の上端面によりパイロット弁座142が形成されている。また、そのボス部を軸線方向に貫通するようにパイロット弁孔144が形成されている。また、背圧室138には、ソレノイド102により駆動されるパイロット弁体146が配設されている。パイロット弁体146は、パイロット弁座142に着脱してパイロット弁108を開閉する。パイロット弁体146は、ソレノイド102のプランジャ156に一体に固定された弾性体(本実施例ではゴム)からなる。
一方、ソレノイド102は、ボディ104の上端開口部を封止する円板状の端部材150と、端部材150の中央孔に固定された円筒状のスリーブ152と、スリーブ152の上半部に固定された有底円筒状のコア154と、スリーブ152内でコア154に軸線方向に対向配置された円柱状のプランジャ156と、スリーブ152に外挿嵌合されたボビン158と、ボビン158に巻回された電磁コイル160と、電磁コイル160を外部から覆うようにコア154と端部材150に組み付けられたケース162とを含む。
パイロット弁体146は、プランジャ156の下端中央部に固定され、プランジャ156と一体的に動作する。コア154とプランジャ156との間には、プランジャ156を介してパイロット弁体146を閉弁方向に付勢するスプリング164(「付勢部材」として機能する)が介装されている。ケース162とボディ104との間には、シール用のOリングが介装されている。電磁コイル160からは通電用のハーネス166が引き出されている。
このような構成において、高圧室136の冷媒圧力Pin2は、オリフィス140を通過することで背圧室138にて中間圧力Ppとなる一方、主弁106を経て減圧されて圧力Pmとなる。中間圧力Ppは、パイロット弁108の開閉状態によって変化する。
通路形成部材118の軸線方向中央部には半径方向内向きに突出した区画壁168が設けられている。区画壁168は、ボディ104内を圧力室126と圧力室127とに区画している。区画壁168の内周部には、シール用のOリングを介して過冷却度制御弁51が支持されている。過冷却度制御弁51は、圧力室126と圧力室127とを跨ぐように設けられている。逆止弁53は、通路形成部材118の上半部の側部に設けられている。差圧弁54は、圧力室127に設けられている。
過冷却度制御弁51は、上流側から導入された冷媒を絞り膨張する弁部と、その弁部を開閉駆動するパワーエレメント170(「感温部」として機能する)を備えている。過冷却度制御弁51は、プレス成形された段付円筒状のハウジング172に弁体174を収容して構成される。ハウジング172の上端部にパワーエレメント170が一体に設けられている。ハウジング172の下端部は縮径されており、その縮径部に弁孔175が形成されている。ハウジング172の側部には圧力室126と内部とを連通させる入口ポート176が設けられ、下端部には圧力室127と内部とを連通させる出口ポート178が設けられている。ハウジング172の下端部は差圧弁54の差圧弁体177により封止されて背圧室179が形成されている。ハウジング172の下端部と弁体174との間には、弁体174を開弁方向に付勢するスプリング180(「付勢部材」として機能する)が介装されている。弁体174は、弁孔175の上流側から接離して弁部を開閉する。
パワーエレメント170は、中空のハウジングと、ハウジング内を密閉空間S1と開放空間S2とに仕切るように配設されたダイアフラム182とを含んで構成されている。密閉空間S1には、基準ガスとして冷凍サイクルを循環する冷媒ガスと窒素ガスとの混合ガスが充填されている。ダイアフラム182と弁体174との間には、円柱状の伝達部材173が介装されている。本実施形態では、このようにハウジング172の軸線方向の長さを十分にとり、ダイアフラム182と弁体174との間に長尺状の伝達部材173を介在させることで、パワーエレメント170と弁孔175との距離を十分に長く設定している。すなわち、パワーエレメント170と弁部との距離を十分にとる配置構成とすることで、弁部の下流側の冷媒温度がパワーエレメント170による温度感知に実質的に影響しないようにしている。また、ボディ104と過冷却度制御弁51との間に熱伝導性の低い樹脂材からなる通路形成部材118を介在させたことも、弁部の下流側の冷媒温度をパワーエレメント170に影響させないことに寄与している。
伝達部材173は、ハウジング172の内周面に摺動可能に支持されており、ダイアフラム182の変位による軸線方向の駆動力を弁体174に伝達する。伝達部材173の外周面の数カ所には、ハウジング172との間に冷媒通路を形成するための連通溝が形成されている。また、弁体174を軸線方向に貫通するように連通路184が形成されており、入口ポート176から導入された冷媒は、その連通路184を介して背圧室179にも導かれるようになっている。その結果、差圧弁体177には、過冷却度制御弁51の前後差圧が作用するようになる。本実施形態では、弁体174の背圧室179における有効径と弁孔175の有効径とが等しくされているため、弁体174に作用する上流側圧力Pm(圧力室126の圧力)の影響がキャンセルされる。
過冷却度制御弁51によれば、圧力室126に導入される冷媒の過冷却度が設定値SCよりも大きくなると、パワーエレメント170が低温を感知して開弁方向に動作する。その結果、弁開度が大きくなるため上流側圧力Pmが低くなり、過冷却度が小さくなる方向に変化する。逆に、過冷却度が設定値SCよりも小さくなると、パワーエレメント170が高温を感知して閉弁方向に動作する。その結果、弁開度が小さくなるため上流側圧力Pmが高くなり、過冷却度が大きくなる方向に変化する。このようにして過冷却度が設定値SCに保たれるようになる。
逆止弁53は、圧力室126に配設された弁体190を有する。弁体190は、円板状の本体にリング状の弾性体(本実施例ではゴム)を嵌着して構成される。弁体190の片側面には複数の脚部が延設されている。その脚部が弁孔121に摺動可能に内挿されることで、弁体190の軸線方向への安定した開閉動作が担保されている。弁体190の反対側面と過冷却度制御弁51との間には、弁体190を閉弁方向に付勢するスプリング192(「付勢部材」として機能する)が介装されている。弁体190が弁孔121に接離することにより逆止弁53を開閉する。
差圧弁54は、有底円筒状の差圧弁体177を有し、過冷却度制御弁51の下端部を外方から取り囲むように配設されている。差圧弁体177の上端開口部にはリング状の弾性体(例えばゴム)が嵌着されており、その弾性体が区画壁168の下端面を弁座189として着脱することにより出口ポート178を開閉できるように構成されている。差圧弁体177とボディ104の底部との間には、差圧弁体177を閉弁方向に付勢するスプリング194(「付勢部材」として機能する)が介装されている。なお、本実施形態では、図2(c)に示した暖房運転時において、仮に逆止弁53が開弁しても差圧弁54の閉弁状態が維持できるようスプリング194の荷重が設定されている。
以上のように構成された第3制御弁9は、ソレノイド102がオフにされた状態(非通電状態)では、図3に示すように、開閉弁52が閉弁状態となる。すなわち、ソレノイド力が作用しないため、スプリング164によってパイロット弁体146が閉弁方向に付勢され、パイロット弁108が閉弁状態となる。このとき、背圧室138の中間圧力Ppが高圧室136の冷媒圧力Pin2に等しくなり、主弁体132に差圧(Pp−Pm)が作用する。その結果、主弁体132が押し下げられて主弁座130に着座し、開閉弁52が閉弁状態となる。このとき、パイロット弁108の閉弁状態も維持される。
そして、第1冷媒循環通路が開放された冷房運転時など、第1導入ポート110から導入される冷媒圧力Pin1が高い場合には、図示のように逆止弁53が開弁する。このとき、差圧弁54の前後差圧(Pin1−Pout)が十分に大きくなるため、差圧弁54が開弁される。過冷却度制御弁51は、第1導入ポート110から圧力室126に導入される冷媒の過冷却度が設定値SCとなるようにその開度を調整する。
一方、ソレノイド102がオンにされると(通電状態)、図4に示すように、コア154とプランジャ156との間に吸引力が作用してパイロット弁体146が開弁方向に動作する。その結果、パイロット弁108が開弁状態となる。このとき、背圧室138の中間圧力Ppと圧力室126の冷媒圧力Pmとが等しくなる一方、主弁体132に冷媒圧力Pin2と中間圧力Ppと差圧(Pin2−Pp)が作用するため、主弁体132が全開位置に押し上げられる。ただし、主弁体132の上端部がソレノイド102に係止されることによりその主弁体132の上死点が規制されるため、パイロット弁108は開弁状態に維持される。
そして、第1冷媒循環通路が遮断された暖房運転時など、第1導入ポート110から導入される冷媒圧力Pin1が低い場合には、図示のように逆止弁53が閉弁する。このとき、差圧弁54の前後差圧(Pin2−Pout)は十分に大きくなるため、差圧弁54が開弁される。過冷却度制御弁51は、第2導入ポート112から圧力室126に導入される冷媒の過冷却度が設定値SCとなるようにその開度を調整する。
また、ソレノイド102がオフにされ、第1冷媒循環通路と第3冷媒循環通路が遮断されて第2冷媒循環通路のみが開放された状態においては、図5に示すように、開閉弁52および逆止弁53が閉弁状態となる。このとき、差圧弁54の前後差圧(Pm−Pout)が十分に小さくなるため、差圧弁54が閉弁状態を維持する。
以上、本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はその特定の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想の範囲内で種々の変形が可能であることはいうまでもない。
上記実施形態では、第3制御弁9のアクチュエータとしてソレノイドを用いる例を示したが、ステッピングモータを用いてもよい。また、上記実施形態では、膨張装置として過冷却度制御弁51を適用する例を示したが、第1内部通路と第2内部通路との合流点の温度と圧力を感知して弁部の開度を自律的に調整する他の温度式膨張弁であってもよい。例えば、冷媒の過冷却度ではなく過熱度を感知して弁開度を制御する温度式膨張弁であってもよい。あるいは、単なるオリフィスであってもよい。
上記実施形態では、本発明の制御弁を電気自動車の車両用冷暖房装置に適用した例を示したが、内燃機関を搭載した自動車や、内燃機関と電動機を同載したハイブリッド式の自動車の車両用冷暖房装置に提供することが可能であることは言うまでもない。上記実施形態では、圧縮機2として電動圧縮機を採用した例を示したが、エンジンの回転を利用して容量可変を行う可変容量圧縮機を採用することもできる。
上記実施形態においては、補助凝縮器として室内凝縮器を設ける例を示した。変形例においては、補助凝縮器を室外熱交換器とは別に設けられる熱交換器として構成してもよい。その熱交換器は、例えば車室外に配置され、冷却水(ブラインなどでもよい)を利用して熱交換を行うものでもよい。具体的には、例えば図1におけるバイパス通路25への分岐点と圧縮機2との間に熱交換器を設ける一方、車室内に放熱器を配置し、これら熱交換器と放熱器とを冷却水の循環回路にて接続してもよい。その循環回路には冷却水を汲み上げるポンプを設けてもよい。このようにすれば、圧縮機2から第1制御弁4へ向かう高温の冷媒と、循環回路を循環する冷却水との間で熱交換を行うことができる。このような構成においても、圧縮機2から吐出された冷媒を熱交換器により凝縮させて第1制御弁4や第3制御弁9に供給することが可能となる。
2 圧縮機、 3 室内凝縮器、 4 第1制御弁、 5 室外熱交換器、 6 第2制御弁、 7 蒸発器、 8 アキュムレータ、 9 第3制御弁、 31 第1弁、 32 第2弁、 41 第1弁、 42 第2弁、 51 過冷却度制御弁、 52 開閉弁、 53 逆止弁、 54 差圧弁、 100 車両用冷暖房装置、 101 弁本体、 102 ソレノイド、 104 ボディ、 106 主弁、 108 パイロット弁、 118,120 通路形成部材、 121 弁孔、 128 主弁孔、 130 主弁座、 132 主弁体、 142 パイロット弁座、 144 パイロット弁孔、 146 パイロット弁体、 170 パワーエレメント、 172 ハウジング、 173 伝達部材、 174 弁体、 175 弁孔、 177 差圧弁体、 190 弁体、 S1 密閉空間、 S2 開放空間。

Claims (8)

  1. 冷媒を圧縮して吐出する圧縮機と、
    車室外に配置され、冷房運転時に冷媒を放熱させる室外凝縮器として機能する一方、暖房運転時には冷媒を蒸発させる室外蒸発器として機能する室外熱交換器と、
    車室内に配置されて冷媒を蒸発させる室内蒸発器と、
    前記室外熱交換器とは別に冷媒を放熱させる補助凝縮器と、
    前記圧縮機から吐出された冷媒が前記補助凝縮器、前記室外熱交換器、前記室内蒸発器を順次経由して前記圧縮機に戻るように循環可能な第1冷媒循環通路と、
    前記圧縮機から吐出された冷媒が前記補助凝縮器、前記室外熱交換器を順次経由して前記圧縮機に戻るように循環可能な第2冷媒循環通路と、
    前記圧縮機から吐出された冷媒が前記補助凝縮器、前記室内蒸発器を順次経由して前記圧縮機に戻るように循環可能な第3冷媒循環通路と、
    前記第3冷媒循環通路における前記第1冷媒循環通路との合流点の上流側に設けられ、外部から電気的に開閉駆動される開閉弁と、
    前記第1冷媒循環通路における前記第3冷媒循環通路との合流点の上流側に設けられ、上流側への冷媒の逆流を防止する逆止弁と、
    前記第1冷媒循環通路と前記第3冷媒循環通路との合流点の下流側に設けられ、上流側から導入された冷媒を膨張させて下流側に導出する膨張装置と、
    を備えることを特徴とする車両用冷暖房装置。
  2. 前記膨張装置は、前記開閉弁が閉弁されて前記第3冷媒循環通路が遮断され、かつ前記第1冷媒循環通路が開放された状態においては、前記室外熱交換器の出口側の過冷却度が設定値となるよう冷媒の流量を調整し、前記開閉弁が開弁されて前記第3冷媒循環通路が開放され、かつ前記第1冷媒循環通路が遮断された状態においては、前記補助凝縮器の出口側の過冷却度が設定値となるよう冷媒の流量を調整する過冷却度制御弁として構成されていることを特徴とする請求項1に記載の車両用冷暖房装置。
  3. 冷媒の流れを制御する複数の制御弁を含む集合弁であって、
    第1内部通路および第2内部通路が内部に形成された共用のボディと、
    前記ボディに取り付けられたアクチュエータと、
    前記第1内部通路における第2内部通路との合流点の上流側に設けられ、前記アクチュエータにより開閉駆動される開閉弁と、
    前記第2内部通路における前記第1内部通路との合流点の上流側に設けられ、上流側への冷媒の逆流を防止する逆止弁と、
    前記第1内部通路と前記第2内部通路との合流点の下流側に設けられ、上流側から導入された冷媒を膨張させて下流側に導出する膨張装置と、
    を備えることを特徴とする集合弁。
  4. 前記膨張装置は、前記第1内部通路と前記第2内部通路との合流点の温度と圧力を感知して弁部の開度を自律的に調整する膨張弁として構成されていることを特徴とする請求項3に記載の集合弁。
  5. 前記膨張弁は、
    上流側から冷媒を導入する入口ポートと、下流側へ冷媒を導出する出口ポートと、その入口ポートと出口ポートとを連通する弁孔とが設けられたハウジングと、
    前記弁孔に接離して弁部の開度を調整する弁体と、
    前記第1内部通路と前記第2内部通路とが合流する圧力室に配置され、前記入口ポートから導入された冷媒の温度と圧力を感知して前記弁体を開閉駆動する感温部と、
    を備えることを特徴とする請求項4に記載の集合弁。
  6. 前記膨張弁は、前記感温部による温度感知に前記弁部の下流側の温度が実質的に影響しないよう、前記感温部と前記弁部との配置構成がなされていることを特徴とする請求項5に記載の集合弁。
  7. 前記ボディは、金属材を加工して形成され、内部に冷媒通路を区画形成するための樹脂製の通路形成部材が配置され、
    前記膨張弁は、前記ボディに前記通路形成部材を介して支持されていることを特徴とする請求項5または6に記載の集合弁。
  8. 前記膨張装置に設けられ、その膨張装置の前後差圧が設定差圧以上となったときに開弁して前記膨張装置の下流側の冷媒通路を開放する差圧弁を備え、
    前記差圧弁は、
    前記膨張弁の出口ポートを開閉する差圧弁体と、
    前記差圧弁体を閉弁方向に付勢する付勢部材と、
    を備えることを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の集合弁。
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