JP2012163834A - シートロール、シートロールの製造方法、光学シートの製造方法、及び表示装置の製造方法 - Google Patents

シートロール、シートロールの製造方法、光学シートの製造方法、及び表示装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】保護層の表面の凹凸が粘着剤層に転写されることを防止できるシートロールの製造方法及びシートロール、並びに、該シートロールの製造方法を用いた光学シートの製造方法及び表示装置の製造方法を提供する。
【解決手段】積層方向において、積層シートの最表面に配置され、剥離可能な保護層と、第1基材層と、該第1基材層の表面に沿って並列し、光を透過可能に形成された光透過部、及び該光透過部間に光を吸収可能に形成された光吸収部を有する光学機能層と、粘着剤を含む粘着剤層と、該粘着剤層の基材となる第2基材層と、を該順序で備えた積層シートを作製する積層工程と、積層シートの幅方向の両端部近傍にスペーサーを配置しながら積層シートをロール状に巻回する巻回工程とを有するシートロールの製造方法、該製造方法で製造されるシートロール、並びに、該シートロールの製造方法を用いた光学シートの製造方法及び表示装置の製造方法とする。
【選択図】図1

Description

本発明は、ロール状に巻回した積層シートを備えたシートロール、及びその製造方法、並びに、該シートロールの製造方法を用いた光学シートの製造方法及び表示装置の製造方法に関する。
液晶ディスプレイ、プラズマディスプレイ、リアプロジェクションディスプレイ、有機EL、FED等のような、映像を観察者に出射する映像表示装置には、映像源と、該映像源からの映像光の質を高めて観察者に出射するための各種機能を有する層を具備する光学シートとが備えられている。
このような光学シートに関する技術がこれまでにいくつか開示されている。例えば、特許文献1には、フィルターベースと、該フィルターベースの一面に形成され、透明樹脂材質の基盤と該基盤の一面に平行に配列された多数の楔形ブラックストライプとを有する外光遮蔽層と、を備えることを特徴とするディスプレイ装置用フィルタが開示されている。
光学シートは、その製造過程において、光学シートとして利用される部分を含む積層シートを帯状に製造し、該積層シートを一旦ロール状に巻回して輸送及び保管される。粘着剤層を備えた積層シートをこのように巻回した場合、積層シートの表面に異物が付着していると、積層シートを巻き取った時に生じる圧力で粘着剤層に塑性変形が生じ、いわゆる打痕と呼ばれる凹部が粘着剤層に生じる場合があった。打痕が存在する粘着剤層を備えたシートを光学シートとして表示装置に使用すると、打痕によって映像に微小な歪み等が生じ、映像の品位を低下させる要因となっていた。
上記打痕の発生を防止する技術として、特許文献2には、第1基材の第1面にハードコート層および/またはアンチグレア層を形成した透明基体と第2基材の第1面に透明導電膜を形成した導電フィルムとを接着層を介して接着、積層した透明導電性フィルムを、両端部にスペーサーを供給しながら巻芯に巻き重ねることを特徴とする導電性フィルムロールの製造方法が開示されている。
特開2006−189867号公報 特開2004−199643号公報
光学シートには、他のシートや映像源等に貼合するための粘着剤層、及び、製造過程において光学シートの表面を保護するための保護層が備えられる場合がある。当該保護層は、光学シートの一部として用いられるものではなく、光学シートの製造時、輸送時、保管時等に該光学シートの表面を保護するために備えられるものである。すなわち、保護層は、光学シートの使用時には取り除かれている層である。このように、保護層は光学シートの一部として利用されるものではない。そのため、表面の平滑性などを考慮せず、安価な基材の保護フィルムを保護層として使用する場合が一般的である。このような保護層と粘着剤層とを備える積層シートを帯状に製造してロール状に巻回すると、積層シートを巻き取った時に生じる圧力で保護層の表面の凹凸が粘着剤層に転写され、粘着剤層が塑性変形し、いわゆる「ゆず肌」が発生するという問題があった。
上記特許文献1及び特許文献2に記載された発明等の従来技術では、上記問題について考慮されておらず、従来技術では上記問題を解決することができなかった。
そこで本発明は、保護層の表面の凹凸が粘着剤層に転写されることを防止できるシートロール、該シートロールの製造方法、該シートロールの製造方法を用いた光学シートの製造方法、及び該シートロールの製造方法を用いた表示装置の製造方法を提供することを課題とする。
以下、本発明について説明する。なお、本発明の理解を容易にするために添付図面の参照符号を括弧書きにて付記するが、それにより本発明が図示の形態に限定されるものではない。
請求項1に記載の発明は、ロール状に巻回した積層シート(10)を備えるシートロール(1)の製造方法であって、積層シートが、積層方向において、積層シートの最表面に配置され、剥離可能な保護層(19)と、第1基材層(11)と、該第1基材層の表面に沿って並列し、光を透過可能に形成された光透過部(13)、及び該光透過部間に光を吸収可能に形成された光吸収部(14)を有する光学機能層(12)と、粘着剤を含む粘着剤層(17)と、該粘着剤層の基材となる第2基材層(18)と、を該順序で備えており、積層シートを作製する積層工程(S10)と、積層シートの幅方向の両端部近傍にスペーサー(20)を配置しながら積層シートをロール状に巻回する巻回工程(S20)とを含むシートロールの製造方法である。
本発明において「幅方向」とは、シートの長手方向に直交する方向を意味する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のシートロール(1)の製造方法において、積層工程(S10)が、第1基材層(11)の一方の面側に光学機能層(12)を形成する光学機能層形成工程(S11)と、第1基材層の他方の面側に保護層(19)を形成する保護層形成工程(S12)と、第2基材層(18)の一方の面側に粘着剤層(17)を形成する粘着剤層形成工程(S13)と、粘着剤層及び光学機能層を形成した後、粘着剤層及び光学機能層を貼合する貼合工程(S14)とを含むことを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は2に記載のシートロール(1)の製造方法の巻回工程(S20)において、粘着剤層(17)の幅方向の端より内側にスペーサー(20)を配置することを特徴とする。
本発明において「粘着剤層の幅方向の端より内側」とは、積層シートの長手方向に直交する断面において、粘着剤層の幅方向の一方の端に接するとともに積層シートのシート面に垂直な線と、粘着剤層の幅方向の他方の端に接するとともに積層シートのシート面に垂直な線との間を意味する。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜3のいずれかに記載のシートロール(1)の製造方法において、幅が5mm以上50mm以下のスペーサー(20)を用いることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜4のいずれかに記載のシートロール(1)の製造方法において、厚さが6μm以上50μm以下のスペーサー(20)を用いることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、ロール状に巻回した積層シート(10)を備えるシートロール(1)であって、積層シートが、積層方向において、積層シートの最表面に配置され、剥離可能な保護層(19)と、第1基材層(11)と、該第1基材層の表面に沿って並列し、光を透過可能に形成された光透過部(13)、及び該光透過部間に光を吸収可能に形成された光吸収部(14)を有する光学機能層(12)と、粘着剤を含む粘着剤層(17)と、該粘着剤層の基材となる第2基材層(18)と、を該順序で備えており、積層シートの幅方向の両端部近傍にスペーサー(20)が配置され、該スペーサーを介して積層シートが巻回されているシートロールである。
請求項7に記載の発明は、映像源より観察者側に配置され、該映像源側から入射した光を制御して観察者側に出射する光学シートの製造方法であって、請求項1〜5のいずれかに記載のシートロールの製造方法によってシートロールを製造する工程と、該シートロールを巻き戻して所定を大きさのシートを切り出す工程とを含む、光学シートの製造方法である。
請求項8に記載の発明は、映像源と、該映像源の観察者側に配置される光学シートと、を有する表示装置の製造方法であって、請求項7に記載の光学シートの製造方法によって光学シートを製造する工程と、映像源の観察者側に光学シートを配置する工程とを含む、表示装置の製造方法である。
本発明によれば、保護層の表面の凹凸が粘着剤層に転写されることを防止できるシートロール、該シートロールの製造方法、該シートロールの製造方法を用いた光学シートの製造方法、及び該シートロールの製造方法を用いた表示装置の製造方法を提供することができる。
一つの実施形態に係る本発明のシートロールの一部を概略的に示す断面図である。 図1に示したシートロールに備えられる積層シートを巻回する前の断面について概略的に示す図である。 図1及び図2に示した光学機能層の一部を概略的に示す断面図である。 本発明の光学シートロールの製造方法に含まれる工程を示す図である。 図5(a)は、光透過部を形成する工程の一例について説明する断面図である。図5(b)は、図5(a)に示した工程を経て得られるシートの断面の一部を概略的に示す図である。 図6(a)は、光吸収部を形成する工程の一例について説明する断面図である。図6(b)は、図6(a)に示した工程を経て得られるシートの断面の一部を概略的に示す図である。 図7(a)は、保護層形成工程の一例について説明する断面図である。図7(b)は、粘着剤層形成工程について説明する断面図である。 巻回工程の一例について説明する斜視図である。 一つの実施形態に係る本発明の表示装置の製造方法によって製造されるプラズマテレビを模式的に示した分解斜視図である。 図9に示したプラズマテレビに備えられるプラズマディスプレイパネルユニットの断面の一部を概略的に示した図である。
本発明の上記した作用及び利得は、次に説明する発明を実施するための形態から明らかにされる。以下、本発明を図面に示す実施形態に基づき説明する。ただし、本発明はこれら実施形態に限定されるものではない。なお、図面は、図示と理解のしやすさの便宜上、適宜縮尺及び縦横の寸法比等を実物のそれから変更し、誇張している。また、各図面において、見易さのために繰り返しとなる符号を一部省略している場合がある。
1.シートロール
1.1.シートロールの構成
本発明のシートロールは、ロール状に巻回した積層シートを備えるものである。後に説明するように、本発明のシートロールから切り出したシートは、一部を除いて、映像源より観察者側に配置され、該映像源側から入射した光を制御して観察者側に出射可能な光学シートとして用いることができる。
図1は、一つの実施形態に係る本発明のシートロール1の一部を概略的に示す断面図である。図1において、左右方向が積層シート10の幅方向、上下方向が積層シート10の厚さ方向である。図2は、シートロール1に備えられる積層シート10を巻回する前の断面について概略的に示す図である。図2において、左右方向が積層シート10の幅方向、上下方向が積層シート10の厚さ方向、奥/手前方向が積層シート10の長手方向である。図1に示すように、シートロール1は、積層シート10、及びスペーサー20を備えている。また、図1及び図2に示すように、積層シート10は、積層方向において、保護層19、第1基材層11、光学機能層12、粘着剤層17、及び第2基材層18を該順序で備えている。これらの層は、図2で示した断面を維持して紙面奥/手前方向に延在している。スペーサー20は、積層シート10の幅方向の両端部近傍に配置されており、図1に示すように、積層シート10はスペーサー20を介して巻回されている。これらの要素について、以下に説明する。
(第1基材層11)
第1基材層11は、後で詳しく説明する光学機能層12を形成するための基材となる層である。第1基材層11は、性能に加え、量産性、価格、入手可能性等の観点から、ポリエチレンテレフタレート(PET)を主成分とした材料で構成されることが好ましい。ここで「主成分」とは、基材層を形成する材料全体に対して上記PETが50質量%以上含有されていることを意味する(以下、同様とする。)。また、第1基材層11はPETを主成分とし、他の樹脂を含んでいてもよい。さらに、第1基材層11には、各種添加剤を適宜添加してもよい。一般的な添加剤としては、フェノール系等の酸化防止剤、ラクトン系等の安定剤等を挙げることができる。
ただし、第1基材層11を構成する材料の主成分は、必ずしもPETである必要なく、その他の材料でもよい。これには例えば、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリメチルメタクリレートなどのアクリル系樹脂、ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体などのスチレン系樹脂、トリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、イミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂等を挙げることができる。また、これら樹脂中には、必要に応じて適宜、紫外線吸収剤、充填剤、可塑剤、帯電防止剤などの添加剤を加えても良い。
(光学機能層12)
次に、光学機能層12について説明する。光学機能層12は、映像源側から入射した映像光の光路を制御するとともに、迷光や外光を適切に吸収する機能を有する層である。図3は、図1及び図2に示した光学機能層12の一部を拡大して示した図である。図1〜図3及び適宜示す図を参照しつつ光学機能層12についてさらに説明する。
光学機能層12は、光を透過可能に層面に沿って並列された光透過部13、13、…と、光透過部13、13、…間に光を吸収可能に並列された光吸収部14、14、…とを備えている。光学機能層12は、このような光透過部13、13、…及び光吸収部14、14、…を備えることによって、表示装置に備えられた際に、映像源側から入射した映像光の光路を制御するとともに、迷光や外光を適切に吸収する機能を有することができる。
光透過部13、13、…は、映像光を透過する機能を有する部位で、図1〜図3に表れる断面において、略台形の断面を有する要素である。当該略台形断面における上底及び該上底より長い下底が光学機能層12の層面に沿う方向に配置されている。また、光透過部13、13、…は、屈折率がNpであり、光透過性を有する。このような光透過部13、13、…は、以下に説明する光透過部構成組成物を硬化させることによって構成することができる。なお、屈折率Npの値は特に限定されることはないが、適用する材料の入手性の観点等から1.49〜1.56であることが好ましい。
光透過部構成組成物としては、紫外線などの光で硬化させられるものが好ましく、例えば、以下に挙げる光硬化型プレポリマー(P1)、反応性希釈モノマー(M1)および光重合開始剤(S1)を配合した光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
上記光硬化型プレポリマー(P1)としては、例えば、エポキシアクリレート系、ウレタンアクリレート系、ポリエーテルアクリレート系、ポリエステルアクリレート系、ポリチオール系等のプレポリマーを挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M1)としては、例えば、ビニルピロリドン、2−エチルヘキシルアクリレート、β−ヒドロキシアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート等を挙げることができる。
また、上記光重合開始剤(S1)としては、例えば、ヒドロキシベンゾイル化合物(2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインアルキルエーテル等)、ベンゾイルホルメート化合物(メチルベンゾイルホルメート等)、チオキサントン化合物(イソプロピルチオキサントン等)、ベンゾフェノン(ベンゾフェノン等)、リン酸エステル化合物(1,3,5−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキシド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシド等)、ベンジルジメチルケタール等が挙げられる。これらのうち光透過部13、13、…の着色防止の観点から好ましいのは、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンおよびビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキシドである。なお、上記光重合開始剤(S1)は、光透過部構成組成物全量を基準(100質量%)として、0.5質量%以上5.0質量%以下含まれていることが好ましい。
これらの光硬化型プレポリマー(P1)、反応性希釈モノマー(M1)および光重合開始剤(S1)は、それぞれ、1種あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。また必要に応じて、光透過部構成組成物中に、塗膜の改質や塗布適性、金型からの離型性を改善させるため、種々の添加剤としてシリコーン系添加剤、レオロジーコントロール剤、脱泡剤、離型剤、帯電防止剤、紫外線吸収剤等を添加することも可能である。
次に、光吸収部14、14、…について説明する。光吸収部14、14、…は、光透過部13、13、…の間に配置され、図1〜図3に表れる断面において略台形面を有する要素である。光吸収部14、14、…の略台形断面における上底及び該上底より長い下底が光学機能層12の層面に沿う方向に配置されている。また、光吸収部14、14、…の略台形断面の下底に相当する面が光透過部13、13、…の上底間に並列されている。そして、光吸収部14、14、…の下底、及び光透過部13、13、…の上底により光学機能層12の一方の面が形成されている。光吸収部14、14、…の略台形断面における斜辺は、光学機能層12の層面の法線方向に対して0度以上10度以下の角度をなしていることが好ましい。なお、斜辺の角度が0度に近い場合、光透過部13、13、…及び光吸収部14、14、…の断面は略矩形となる。また、光吸収部14、14、…の上記斜辺の傾きは必ずしも一定である必要はなく、折れ線状であってもよいし、曲線状であってもよい。さらに、光吸収部13、13、…断面は、略三角形であってもよい。
また、光吸収部14、14、…は、光透過部13、13、…の屈折率Npより小さい屈折率Nbを有する所定の材料により構成されている。このように光透過部13、13…の屈折率Npと光吸収部14、14、…の屈折率NbとをNp>Nbとすることにより、光透過部13、13、…に入射した映像源からの映像光を、光吸収部14、14、…と光透過部13、13、…との界面でスネルの法則によって全反射させ、観察者に明るい映像を提供することができる。NpとNbとの屈折率の差は特に限定されるものではないが、0より大きく0.06以下であることが好ましい。
また、本実施形態では上記のようにNp>Nbの関係が好ましいが、必ずしもこれに限定されるものではなく、光透過部の屈折率と光吸収部の屈折率とを同じにしてもよく、光透過部の屈折率を光吸収部の屈折率よりも小さくすることも可能である。
加えて、本実施形態における光吸収部14、14、…は、光吸収粒子16、16、…と光吸収粒子16、16、…を分散させたバインダー15とを含む光吸収部構成組成物が光透過部13、13、…間の溝に充填されることにより構成されている。これにより、光透過部13、13、…と光吸収部14、14、…との界面でスネルの法則によって反射せずに光吸収部14、14、…の内側に入射した迷光を光吸収粒子16、16、…で吸収することができる。さらには所定の角度で入射した観察者側からの外光を光吸収粒子16、16、…で適切に吸収することができ、映像のコントラストを向上させることも可能となる。
なお、屈折率Nbを有する所定の材料により光吸収部14、14、…を構成するとは、例えば、屈折率Nbである材料によりバインダー15が構成されることを意味する。当該バインダー15として用いられるものは特に限定されないが、紫外線などの光によって硬化されるものが好ましく、これには例えば、光硬化型プレポリマー(P2)に、反応性希釈モノマー(M2)および光重合開始剤(S2)を配合した光硬化型樹脂組成物が好ましく用いられる。
上記光硬化型プレポリマー(P2)としては、例えば、ウレタン(メタ)アクリレート、ポリエステル(メタ)アクリレート、エポキシ(メタ)アクリレート、およびブタジエン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
また、上記反応性希釈モノマー(M2)としては、例えば、単官能モノマーとして、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクトン、ビニルイミダゾール、ビニルピリジン、スチレン等のビニルモノマー、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシトリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、パラクミルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレ−ト、ベンジルメタクリレ−ト、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、アクリロイルモルホリン等の(メタ)アクリル酸エステルモノマー、(メタ)アクリルアミド誘導体が挙げられる。また、多官能モノマーとして、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリテトラメチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、3−メチル−1,5−ペンタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ジメチロール−トリシクロデカンジ(メタ)アクリレート、ヒドロキシピバリン酸ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ビスフェノールAポリプロポキシジオールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレ−ト、グリセリルトリ(メタ)アクリレート、プロポキシ化グリセリルトリ(メタ)アクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレ−ト、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレ−ト等が挙げられる。
また、上記光重合開始剤(S2)としては、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等が挙げられる。これらの中から、光硬化型樹脂組成物を硬化させるための照射装置および光硬化型樹脂組成物の硬化性から任意に選択することができる。本発明において光硬化型樹脂組成物に含まれる光重合開始剤(S2)の量は、光硬化型樹脂組成物の硬化性およびコストの観点から、光硬化型樹脂組成物全量を基準(100質量%)として、0.5質量%以上10.0質量%以下含まれていることが好ましい。
これらの光硬化型プレポリマー(P2)、反応性希釈モノマー(M2)および光重合開始剤(S2)は、それぞれ、1種で、あるいは2種以上を組み合わせて用いることができる。具体的には、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレートおよびメトキシトリエチレングリコールアクリレートからなる重合性成分(詳しくは、光硬化型プレポリマー(P2)および反応性希釈モノマー(M2))の屈折率、粘度、あるいは光学機能層12の性能への影響等を考慮して任意に配合して用いることができる。
また必要に応じて、シリコーン、消泡剤、レベリング剤および溶剤等を添加剤として光吸収部構成組成物に添加してもよい。
光吸収粒子16、16、…は、光吸収部構成組成物中に含まれ、光吸収部14、14、…を構成したとき、迷光や外光を吸収するように作用する。
光吸収粒子16、16、…としては、カーボンブラック等の光吸収性の着色粒子が好ましく用いられるが、これらに限定されるものではなく、映像光の特性に合わせて特定の波長を選択的に吸収する着色粒子を使用してもよい。具体的には、カーボンブラック、グラファイト、黒色酸化鉄等の金属塩、染料、顔料等で着色した有機微粒子や着色したガラスビーズ等を光吸収粒子16、16、…として用いることができる。特に、着色した有機微粒子が、コスト面、品質面、入手の容易さ等の観点から好ましく用いられる。より具体的には、カーボンブラックを含有したアクリル架橋微粒子や、カーボンブラックを含有したウレタン架橋微粒子等が好ましく用いられる。こうした光吸収粒子16、16、…は、通常、上記の光吸収部構成組成物中に3質量%以上30質量%以下の範囲で含まれる。光吸収粒子16、16、…の平均粒子径は1.0μm以上20μm以下であることが好ましい。光吸収部14、14、…の製造方法には、後に説明するように(図6(a)参照)、光吸収粒子16、16、…を含有する光吸収部構成組成物46を光透過部13、13、…間の溝13a、13a、…に充填しつつ、ドクターブレード47を用いて余剰分の光吸収部構成組成物46を掻き落とす工程が含まれる。このとき、平均粒子径が1.0μm以上の光吸収粒子16、16、…を用いることによって、光吸収粒子16、16、…がドクターブレード47と光透過部13、13、…との間の隙間を抜け難くなることを防止し、光透過部13、13、…上に光吸収粒子16、16、…が残留することを防止できる。
また、光透過部13、13、…を構成する材料によっては、光吸収部14、14、…の表面は光透過部13、13、…の表面に対して、同一平面上(平滑)に充填される場合もあれば、光吸収部14、14、…上に凹部が形成される場合もある。当該凹部は、後に説明するようにしてドクターブレード47を用いて光吸収部構成組成物46を掻き落とす際(図6(a)参照)や、光吸収部構成組成物46を硬化させた際等に形成される。
なお、光吸収部で光を吸収させるための手段は本実施形態のように光吸収粒子による方法に限定されるものではない。例えば、顔料や染料により着色された光吸収部構成組成物を用いて、光吸収部全体を着色することもできる。
(粘着剤層17)
次に、粘着剤層17について説明する。粘着剤層17は粘着剤を含む粘着剤組成物によって構成される層である。粘着剤とは、接着剤の1種をいい、接着の際に室温下(例えば、15〜40℃)で、単に適度な、通常、軽く手で押圧する程度の加圧のみにより、表面の粘着性のみで接着可能なものをいう。粘着剤組成物は、光を透過させるとともに、適切な粘着性を有すればその材質は特に限定されるものではない。粘着剤層17の粘着力は、例えば、数N/25mm〜20N/25mm程度とすることができる。
粘着剤層17に用いることができる粘着剤は、必要な成膜性、光透過性、粘着性、耐候性を実現するものであれば特に限定されるものではなく、従来公知の各種粘着剤を適宜選択して用いることができる。粘着剤層17の透明性は、高いほどよいが、好ましくは可視光域380〜780nmにおける波長平均光線透過率が70%以上、より好ましくは80%以上となる光透過性が良い。
上記粘着剤の構成材料としては、例えば、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル樹脂系(以下、「アクリル系」と表記する。)、シリコーン樹脂系、ポリエステル樹脂系等が挙げられる。合成ゴム系の具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴムが挙げられる。これらの粘着剤は、1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
好適に用いられる粘着剤としては、アクリル系粘着剤が挙げられる。アクリル系粘着剤は、少なくとも(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーを含んで重合させたものである。炭素原子数1〜18程度のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーとカルボキシル基を有するモノマーとの共重合体や、炭素原子数1〜18程度のアルキル基を有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの2種以上を用いた共重合体であるのが一般的である。なお、本発明において(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸及び/又はメタクリル酸をいう。
ここで使用される(メタ)アクリル酸アルキルエステルモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n‐プロピル、(メタ)アクリル酸n‐ブチル等を挙げることができる。
なお、粘着剤組成物には、所望に応じて、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤、ネオン線吸収剤、および調色色素などを含めることもできる。また、粘着剤層17を後に説明する電磁波遮蔽層に貼り合わせる場合は、ベンゾトリアゾールなどの酸化防止剤が粘着剤組成物に含まれているか、−COOH、−NHなどの酸基が粘着剤組成物に含まれていないことが望ましい。
(保護層19)
次に、保護層19について説明する。保護層19は、シートロール1の製造時、輸送時、保管時等に積層シート10のうち光学シートとして利用される部分の表面を保護するために、積層シート10の最表面に備えられる層である。保護層19は、積層シート10の一部を光学シートとして使用する際には取り除かれている層である。したがって、保護層19は、一旦貼合した後に剥離可能なフィルム(以下、「保護フィルム」と表記する。)によって構成される。このような保護フィルムとしては、公知のものを用いることができる。
保護フィルムは、基材の一方の面に粘着剤によって構成された粘着剤層を有する。当該保護フィルムの基材としては、例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、テレフタル酸−イソフタル酸−エチレングリコール共重合体、テレフタル酸−シクロヘキサンジメタノール−エチレングリコール共重合体などのポリエステル系樹脂、ナイロン6などのポリアミド系樹脂、ポリプロピレン、ポリメチルペンテン、シクロオレフィン重合体などのポリオレフィン系樹脂、上質紙、パーチメント紙、硫酸紙等の紙等が挙げられる。これらの樹脂は、単独、又は複数種類の混合樹脂(ポリマーアロイを含む)として用いることができる。以上の材料からなる層を単層で、又は2層以上の積層体で保護フィルムの基材を構成することができる。
保護フィルムの基材の厚さは特に限定されないが、10μm以上100μm以下が好ましい。当該基材と粘着剤層との接着性を向上させるため、必要に応じて基材の表面にコロナ放電処理、プラズマ処理、プライマーコート、脱脂処理、表面粗面化処理等の易接着性処理を行うこともできる。
保護フィルムの粘着剤層は、剥離の際に被着体に粘着剤が残らないことが必要である。そのため、当該粘着剤の粘着力は適切な範囲であることが必要である。したがって、当該粘着剤の粘着力は、1N/25mm以下程度であることが好ましい。このような粘着剤としては、例えば、天然ゴム系、合成ゴム系、アクリル樹脂系(以下、「アクリル系」と表記する。)、シリコーン樹脂系、ポリエステル樹脂系等の粘着剤が挙げられる。合成ゴム系の具体例としては、スチレン−ブタジエンゴム、アクリロニトリル−ブタジエンゴム、ポリイソブチレンゴムが挙げられる。
(第2基材層18)
次に、第2基材層18について説明する。第2基材層18は、粘着剤層17の基材となる層である。第2基材層18は、上記保護層19と同様の離型フィルムで構成することが可能である。第2基材層18を離型フィルムで構成する場合、粘着剤層17のうち光学シートとして利用される部分に異物が付着することや、粘着剤層17が他のものと接触することを防止することができる。第2基材層18を離型フィルムで構成する場合は、積層シート10の一部を光学シートとして使用する際には取り除かれる。
また、第2基材層18は、光学シートに備えられる層を用いることもできる。これには、例えば、以下に説明する電磁波遮蔽層、防眩層、反射防止層、ハードコート層、波長フィルタ層などが挙げられる。
(その他の層)
これまでの本発明の説明では、積層シート10が保護層19、第1基材層11、光学機能層12、粘着剤層17、第2基材層18を備えた形態について説明したが、積層シート10には、用途に応じてその他の機能を有する層も備えさせることができる。積層シート10に備えさせることができるその他の層としては、従来の光学シートに用いられていたものを特に限定することなく用いることができる。具体的には、電磁波遮蔽層、防眩層、反射防止層、ハードコート層、波長フィルタ層、衝撃吸収層などを挙げることができる。これらの層は、上述したように第2基材層18として用いることも可能であり、粘着剤層を用いて他の層に貼合することも可能である。当該粘着剤層には、粘着剤層17と同様に公知の粘着剤を用いることが可能であり、粘着剤層17と同様に、紫外線吸収剤、近赤外線吸収剤、ネオン線吸収剤、および調色色素などを含めることも可能である。これらの層の積層順、及び積層数は、積層シート10から切り出される光学シートの用途に応じて適宜決定される。これらの層の機能などについて以下に説明する。
電磁波遮蔽層は、その名称が示す通り、電磁波を遮断する機能を有する層である。当該機能を有する層であれば、電磁波を遮断する手段は特に限定されるものではない。これには、例えば、金属(銅等)メッシュを挙げることができる。当該金属メッシュを得る方法としてはエッチング、蒸着等により微細な金属のメッシュパターンを形成することが有効である。金属メッシュのピッチ等は遮断すべき電磁波や必要な透過率、モアレの発生状況により適宜設計されるが、例えばピッチ約300μm、線幅12μmであるものを挙げることができる。
防眩層は、いわゆるぎらつきを抑制する機能を有する層であり、アンチグレア層、AG層と呼ばれることもある。このような防眩層は、市販のフィルムを用いる等して構成することが可能である。
反射防止層は外光の反射を防止する機能を有する層である。これによれば、外光が光学シートの観察者側面で反射して観察者側へ戻って、表示面にいわゆる映り込みが生じて映像が見え難くなることを抑制することができる。このような反射防止層は、市販の反射防止フィルムを用いる等して構成することが可能である。
ハードコート層は、HC層と呼ばれることもある。これは、表示面に傷がつくことを抑えるために耐擦傷性を付与することができる機能を有するフィルムが配置された層である。
波長フィルタ層は、所定の波長の光の透過を抑制する機能を有する層である。透過を抑制されるべき波長は必要に応じて適宜選択することができる。波長フィルタ層の具体例としては、PDPから出射されるネオン線を吸収したり、赤外線、近赤外線や紫外線を吸収したりする層、色調を調整する層等を挙げることができる。波長フィルタ層は、他の機能層、例えば粘着剤層などと複合化させることもできる。
衝撃吸収層は、PDPのパネル(ガラス)を外部の衝撃から保護するための層である。通常は200μm以上1000μm以下程度の厚さで、かつ衝撃を吸収する樹脂材料が用いられる。
(スペーサー20)
次に、スペーサー20について説明する。シートロール1がスペーサー20を備えることによって、シートロール1の製造時、運搬時及び保管時等において、巻き重ねられた積層シート10にかかる圧力(主にシートロール1の直径方向(法線方向)に向かって作用する)を、スペーサー20が備えられる部分以外の領域において小さくすることができる。したがって、スペーサー20を備えることにより、保護層19の表面の凹凸が粘着剤層17に転写されることを防止できる。なお、スペーサー20が備えられる部分では、スペーサー20が備えらない場合に比べて、積層シート10にかかる上記圧力が増加し、スペーサー20の打痕が刻印される虞がある。しかしながら、かかる部分は積層シート10の幅方向両端部であり、通常は切除して捨てられる部分になる為、特に不都合は無い。
スペーサー20に用いることができるものとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステル系樹脂、ナイロン等のポリアミド系樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、等の硬質の熱可塑性樹脂、上質の和紙、不織布、ウレタン発泡シート、ポリエチレン発泡体シート等の弾力性に優れた材料が挙げられる。弾力性に優れた材料をスペーサー20として使用すると、積層シート10のうちスペーサー20が備えられる部分の端部において筋状の打痕が生じ難くなるため、積層シート10の有効領域(光学シートとして利用できる領域)を広くすることができるので、好ましい。
スペーサー20の配置位置は、粘着剤層17の幅方向の端より内側であることが好ましく、粘着剤層17の幅方向の端から50mm以下の範囲であることが好ましい。すなわち、図1に示したDは、50mm以下であることが好ましい。粘着剤層17の幅方向の端より内側にスペーサー20を配置することによって、積層シート10を巻き重ねたときに生じる上記圧力が粘着剤層17に加わることを防止し易くなり、保護層19の表面の凹凸が粘着剤層17に転写されることを防止し易くなる。また、粘着剤層17の幅方向の端から50mm以下の範囲にスペーサー20を配置することによって、積層シート10の有効領域を十分に確保しつつ、保護層19の凹凸が粘着剤層17に転写されることを防止し易くなる。
スペーサー20厚さは、6μm以上50μm以下であることが好ましい。スペーサー20の厚さを6μm以上とすることによって、スペーサー20が備えられていない部分において積層シート10にかかる圧力を低減しやすくなり、保護層19の凹凸が粘着剤層17に転写されることを防止しやすくなる。また、スペーサー20の厚さを50μm以下とすることによって、積層シート10を巻回する際に巻きずれが生じることを防止しやすくなる。
また、積層シート10の幅は通常1000mm以上1600mm以下であり、この場合、スペーサー20の幅は、5mm以上50mm以下であることが好ましい。スペーサー20の幅を5mm以上とすることによって、スペーサー20が備えられていない部分において積層シート10にかかる圧力を低減しやすくなり、保護層19の凹凸が粘着剤層17に転写されることを防止しやすくなる。スペーサー20の幅を50mm以下とすることによって、積層シート10の有効領域を十分に確保しつつ、保護層19の凹凸が粘着剤層17に転写されることを防止し易くなる。
1.2.シートロールの製造方法
これまでに説明したシートロール1を例にして、本発明のシートロールの製造方法について以下に説明する。図4は、一つの実施形態に係る本発明の光学シートの製造方法に含まれる工程を示したフロー図である。図4に示した本発明のシートロールの製造方法は、積層工程(以下、単に「工程S10」と記載する場合がある。)、及び巻回工程(以下、単に「工程S20」と記載する場合がある。)を有している。
<積層工程(工程S10)>
工程S10は、積層シート10を作製する工程である。工程S10は、図4に示すように、光学機能層形成工程(以下、単に「工程S11」と記載する場合がある。)、保護層形成工程(以下、単に「工程S12」と記載する場合がある。)、粘着剤層形成工程(以下、単に「工程S13」と記載する場合がある。)、及び貼合工程(以下、単に「工程S14」と記載する場合がある。)を有している。これらの工程について、以下に説明する。
(光学機能層形成工程(工程S11))
工程S11は、第1基材層11上に光学機能層12を形成する工程である。光学機能層12を形成するには、まず、第1基材層11の表面に沿って並列し、光を透過可能な光透過部13、13、…を形成する。図5(a)は、光透過部13、13、…を形成する工程の一例を模式的に示した断面図である。図5(b)は、当該工程を経て得られるシートの断面を概略的に示した図である。図5(a)及び図5(b)を参照しつつ、光透過部13、13、…を形成する工程について以下に説明する。
光透過部13、13、…を形成するには、まず、光透過部13、13、…の形に対応した形の溝を所定のピッチで有する金型ロール42を準備する。次に、当該金型ロール42とニップロール41との間に、基材層11となる、又は基材層11となる層を含む基材11’を送り込む。図5(a)に示した矢印x1は、基材11’を送り込む方向である。基材11’の送り込みに合わせて、金型ロール42と基材11’との間に供給装置45から光透過部構成組成物40の液滴を供給し続ける。供給装置45から基材11’上に光透過部構成組成物40を供給するとき、金型ロール42と基材11’との間に、光透過部構成組成物40が溜まったバンクが形成されるようにする。このバンクにおいて、光透過部構成組成物40が基材11’の幅方向に広がる。
上記のようにして金型ロール42と基材11’との間に供給された光透過部構成組成物40は、金型ロール42およびニップロール41間の押圧力により、基材11’と金型ロール42との間に充填される。その後、光照射装置44によって光透過部構成組成物40に紫外線等を照射し、光透過部構成組成物を硬化させることによって光透過部13、13、…を形成することができる。光透過部13、13、…が形成された後、基材11’上に光透過部13、13、…が形成されたシートは、剥離ロール43を介して引かれることによって、金型ロール42から引き剥がされる。
このようにして、図5(b)に示したように基材層11上に光透過部13、13、…が形成されたシートを得ることができる。当該シートは、光透過部13、13、…間に溝13a、13a、…を有している。
次に、上記工程で形成された光透過部13、13、…間に、光を吸収可能な光吸収部14、14、…を形成する。図6(a)は、光吸収部14、14を形成する工程の一例を模式的に示した斜視図である。図6(b)は、当該工程を経て得られるシートの断面を概略的に示した図である。図6(a)及び図6(b)を参照しつつ、光吸収部14、14、…を形成する工程について以下に説明する。
光吸収部14、14、…を形成するには、図6(a)に示すように、まず、光透過部13、13、…上に光吸収部構成組成物46を供給する。次に、ドクターブレード47によって該光吸収部構成組成物46を光透過部13、13、…間の溝13a、13a、…に充填しつつ、余剰分の光吸収部構成組成物46を掻き落とす。その後、光透過部13、13、…間の溝13a、13a、…に残った光吸収部構成組成物46に紫外線等を照射して硬化させることにより、光吸収部14、14、…を形成することができる。なお、図6(a)に示した矢印x2は、工程S11を経て得られたシートの送り方向である。
光吸収部14、14、…を形成する工程において、光透過部13、13、…の弾性率は10MPa以上2000MPa未満であることが好ましい。光透過部13、13、…の弾性率が2000MPa以上になると、硬くなり、ワレや欠けの不具合が発生したり、工程S12において光吸収部14、14、…を形成する際に、光学機能層12の表面に外観不良を生じたり、光学機能層12の透過率が低下したりする虞がある。すなわち、光透過部13、13、…が硬すぎると、光透過部13、13、…上に供給した光吸収部構成組成物46のうち余剰分をドクターブレード47で掻き取る際、ドクターブレード47を光透過部13、13、…に押し付けても光透過部13、13、…が変形しないため、余剰分の光吸収部構成組成物46を掻き落としきれない虞がある。光透過部13、13、…の弾性率を上記範囲にすると、ドクターブレード47を押し付けた際、光透過部13、13、…の変形により、余剰分の光吸部構成組成物46の掻き取り不良を少なくし、光学機能層12の表面に外観不良を生じたり、光学機能層12の透過率が低下したりすることを防止できる。なお、光透過部13、13、…の弾性率が10MPa未満であれば、光透過部13、13、…が軟らか過ぎるため、光透過部13、13、…を形成する際に、光透過部13、13、…が金型ロール42から離型し難くなる虞がある。
このようにして、工程S11によれば、図6(b)に示したように、基材層11上に光透過部13、13、…及び光吸収部14、14、…を有する光学機能層12を形成することができる。
(保護層形成工程(工程S12))
図7(a)は、工程S12について説明する図である。工程S12は、図7(a)に示すように、第1基材層11の光学機能層12が形成された側とは反対側に保護層19を形成する工程である。保護層19は、上述した保護フィルムを、粘着層が第1基材層11側となるようにして貼合することによって、形成することができる。
なお、図4には、工程S11と工程S14との間に工程S12が行われる形態を例示しているが、工程S12は、工程S11の前であっても、工程S14の後であってもよい。
(粘着剤層形成工程(工程S13))
図7(b)は、工程S13について説明する図である。工程S13は、図7(b)に示すように、第2基材層18の一方の面側に粘着剤層17を形成する工程である。粘着剤層17の形成方法は特に限定されない。例えば、上述した粘着剤組成物を第2基材層18の一方の面側に塗工及び乾燥することによって、粘着剤層17を形成することができる。また、粘着剤組成物の塗工方法も特に限定されない。粘着剤組成物の塗工方法の具体例としては、粘着剤組成物が一定の厚みとなるように、スリット状のノズルを用いて粘着剤組成物を吐出する方法を挙げることができる。
(貼合工程(工程S14))
工程S14は、工程S11で形成された光学機能層12と、工程S13で形成された粘着剤層17とを貼合し、積層シート10を作製する工程である(図2参照。)。光学機能層12と粘着剤層17とを貼合する方法は特に限定されない。例えば、光学機能層12と粘着剤層17とが面するように、工程S11で作製したシートと工程S13で作製したシートとを積層し、積層方向に所定の圧力を加えることによって、光学機能層12と粘着剤層17とを貼合することができる。
このとき、粘着剤層17を養生する前に粘着剤層17と光学機能層12とを貼合することによって、上述したように光吸収部14上に凹部が形成されている場合であっても、当該凹部を粘着剤層17で埋めることができるので、光学機能層12と粘着剤層17との間に気泡が入ることを防止できる。光学機能層12と粘着剤層17との間に気泡が入ることを防止することによって、積層シート10の一部を光学シートとして用いた際に、映像光が乱反射することを防止でき、表示装置の表示面が白濁することを防止できる。
<巻回工程(工程S20)>
図8は、巻回工程を説明する斜視図である。工程S20は、図8に示すように、工程S10で作製した積層シート10の幅方向の両端部にスペーサー20を配置しながら積層シート10をロール状に巻回し、シートロール1を製造する工程である。スペーサー20を配置する位置、スペーサー20の幅及び厚さ等については上述した通りであるので、説明を省略する。
積層シート10を巻回する方法は特に限定されず、従来と同様の方法を用いることができる。例えば、積層シート10の長手方向(巻き取る方向)に適切な張力をかけつつ、適切な太さの軸心に巻き取ることによって、シートロール10を製造することができる。
本発明のシートロールの製造方法によれば、スペーサーを介して積層シートを巻回するので、上述したように、スペーサーが備えられる部分以外の領域において、巻き重ねられた積層シートにかかる圧力を小さくし、保護層の表面の凹凸が粘着剤層に転写されることを防止できる。
2.光学シートの製造方法
次に、本発明の光学シートの製造方法について説明する。本発明の光学シートの製造方法は、映像源より観察者側に配置され、該映像源側から入射した光を制御して観察者側に出射する光学シートを製造する方法である。より具体的には、本発明の光学シートの製造方法は、上記本発明のシートロールの製造方法によってシートロールを製造する工程と、シートロールを巻き戻して所定を大きさのシートを切り出す工程とを含む方法である。
シートロールを製造する方法は上述した通りであるので、説明を省略する。シートロールを巻き戻して所定を大きさのシートを切り出す方法は特に限定されず、従来と同様の方法を用いることができる。このようにして所定を大きさのシートを切り出した後、保護層などの光学シートとしては不要な層を取り除くことによって、光学シートを得ることができる。なお、上述した、積層シートに備えられるその他の層は、シートロールに備えられていてもよく、上記のようにして所定を大きさのシートを切り出した後、当該シートに貼合されてもよい。
上述したように、本発明のシートロールの製造方法によれば、保護層の表面の凹凸が粘着剤層に転写されることを防止できる。よって、本発明のシートロールの製造方法によって製造されたシートロールを用いる本発明の光学シートの製造方法によれば、保護層の表面の凹凸が粘着剤層に転写されることが防止された光学シートを製造することができる。したがって、本発明の光学シートの製造方法によれば、表示装置に備えられた際に映像の歪み等が生じることが防止され、映像の品位の低下を防止することができる光学シートを製造することができる。
3.表示装置の製造方法
次に、本発明の表示装置の製造方法について説明する。本発明の表示装置の製造方法は、映像源と、該映像源の観察者側に配置される光学シートと、を有する表示装置の製造方法であって、上記本発明の光学シートの製造方法によって光学シートを製造する工程と、映像源の観察者側に光学シートを配置する工程とを有している。図9及び図10を参照しつつ、本発明の表示装置の製造方法について説明する。
図9は一つの実施形態にかかる本発明の表示装置の製造方法によって製造される表示装置100(プラズマテレビ100)を模式的に示した分解斜視図である。図9では紙面右上が観察者側、紙面左下が背面側を示している。図9からわかるように、プラズマテレビ100は、前面側筐体101と背面側筐体102とにより形成される筐体の内側に、プラズマディスプレイパネルユニット103(PDPユニット103)を備えている。プラズマテレビ100にはその筐体内にPDPユニット103の他にもプラズマテレビに備えられる通常の各装置が具備される。これには例えば、各種電気回路や冷却手段等を挙げることができる。
図10は、PDPユニット103の構成を模式的に表している。図10では紙面右が観察者側である。PDPユニット103は、映像源であるPDP104と、該PDP104の映像光出射側に配置される光学シート10aとを備えている。ここで、PDP104には、公知のPDPを適用することができる。また、光学シート10aは、上述した本発明の光学シートの製造方法によって製造されたものである。光学シート10aは、波長フィルタ層31、基材層32a上に金属メッシュ層32bが形成された電磁波遮蔽層32、粘着剤層17、光学機能層12、第1基材層11、及び反射防止層33を備えている。
光学シート10aは、本発明の光学シートの製造方法によって製造される光学シートであり、製造方法は上述した通りであるので、説明を省略する。上述したようにして製造した光学シート10aをPDP104の観察者側に配置する方法は特に限定されず、公知の方法を用いることができる。このようにしてPDP104の観察者側に光学シート10aを配置し、PDPユニット103及びその他の部材を筐体に組み込むことによって、プラズマテレビ100を製造することができる。
上述したように、本発明の光学シートの製造方法によれば、表示装置に備えられた際に映像の歪み等が生じることが防止され、映像の品位の低下を防止することができる光学シートを製造することができる。よって、本発明の光学シートの製造方法によって製造された光学シートを用いる、本発明の表示装置の製造方法によれば、映像の歪み等が生じることが防止され、映像の品位の低下を防止することができる表示装置を製造することができる。
以下、実施例により本発明をさらに詳しく説明する。ただし本発明は実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
(1)光透過部構成組成物の調整
イソホロンジイソシアネート及びビスフェノールA−エトキシ変性アクリレートからなるウレタンアクリレートプレポリマー56質量部と、2−ヒドロキシエチルアクリレート4質量部と、フェノキシエチルアクリレート37質量部とを混合した組成物に、光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニル−ケトン3質量部を混合し、均一化して光透過部構成組成物を得た。
(2)光透過部の形成
ピッチ(図5(b)に示したp)が51μmで開口幅(図5(b)に示したw)が10μmで深さ(図5(b)に示したd)が69μmの溝を形成し得る金型ロールを準備した。この金型ロールとニップロールとの間に第1基材層となるPETフィルム(東洋紡績社製、A4300、厚み100μm)を送り込んだ。このPETフィルムの送り込みに合わせ、上で得られた光透過部構成組成物を金型ロールとPETフィルムとの間に充填した。その後、PETフィルム側から高圧水銀灯により800mJ/cmの紫外線を照射して光透過部構成組成物を硬化させ、光透過部を形成した。基材層と光透過部とを含むシート(中間部材)の厚さは、189±20μmであった。
(3)光吸収部構成組成物の調整
ウレタンアクリレート33.6質量部、及び、エポキシアクリレート14.4質量部が混合されたプレポリマーに、反応性希釈モノマーとしてトリプロピレングリコールジアクリレート28質量部、及び、メトキシトリエチレングリコールアクリレート4質量部を加え調整した組成物に、光重合開始剤として、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン4質量部と、光吸収粒子として、平均粒径4.0μmのカーボンブラック含有アクリル架橋微粒子(ガンツ化成株式会社)16質量部とを混合して均一化し、光吸収部構成組成物を調整した。
(4)光吸収部の形成
上で得られた光吸収部構成組成物を供給装置から上記の中間部材上に供給した。また、ドクターブレードを用いて、中間部材上に供給した光吸収部構成組成物を中間部材に形成された略V字形状の溝(光透過部間の溝)内に充填するとともに、余剰分の光吸収部構成組成物を掻き落とした。その後、紫外線を照射して光吸収部構成組成物を硬化させ、硬化した光吸収部構成組成物によって光吸収部を形成した。
(5)保護層の形成
以上のようにして、基材層(PETフィルム)上に光透過部と光吸収部と有する光学機能シート層が形成されたシートを得た後、当該シートの基材層側に保護層として保護フィルム(株式会社スミロン製、EC7520)を貼合した。
(6)粘着剤組成物の調整
アクリル系粘着剤(綜研化学株式会社製、SKダイン2094)100質量部と、エポキシ系硬化剤(綜研化学株式会社製、E−5XM)0.25質量部と、希釈溶剤(MIBK(メチルイソブチルケトン))30質量部とを混合して均一化し、粘着剤組成物を調整した。
(7)粘着剤層の形成
第2基材層となる離型フィルム(三井化学東セロ株式会社製、PET−O3−BU)上に、上記粘着剤組成物を塗工して乾燥し、粘着剤層を形成した。粘着剤組成物の塗工は、乾燥後の粘着剤層の厚みが25μmになるようにして行った。粘着剤組成物の乾燥は、ドライヤーを用いて80℃で2分間行った。
(8)貼合
上記のようにして作製した光学機能層と粘着剤層とを貼合し、幅1550mm、長さ1000mの積層シートを作製した。貼合時は、積層方向に0.5MPaで押圧した。
(9)巻回
上記のようにして作製した積層シートの両端部にスペーサー(材質:PET、幅:10mm、厚み:25μm)を、粘着剤層の端部からの距離(図1に示したD)が20mmとなるように配置しながら、スペーサーが積層シートより内側になるようにロール状に巻回し、シートロールを作製した。このとき、積層シートには、長手方向に5kg/m以上20kg/m以下の張力を加えながら巻回した。
(実施例2、3)
用いたスペーサーの厚さを表1に示した寸法に変更した以外は実施例1と同様にして、実施例2、3に係るシートロールを作製した。
(比較例1)
スペーサーを用いなかった以外は実施例1と同様にして、比較例1に係るシートロールを作製した。
(評価結果)
実施例1〜3及び比較例1に係るシートロールについて、積層シートの第2基材層側の表面状態を評価した。その結果を表1に示した。表1に示した「ゆず肌」とは、シートロールから巻き出した積層シートのうち、長手方向のどの部分にはゆず肌が発生していなかったかを示している。ゆず肌が発生していな部分を良品とした。ここで積層シートの長手方向の長さは、シートロールの芯に固定された側の端(以下、「固定端」という。)を0mと定義している。よって、表1に示した「40mより良品」とは、固定端から40mの位置から、他端(シートロールの最も外周面側)まではゆず肌が発生していないかったことを意味する。実施例2、3及び比較例1に係るシートロールの評価結果についても同様である。なお、ゆず肌が発生していたか否かは、蛍光灯と観察者との間にシートロールから巻き出した積層シートを配置し、該積層シートの表面に対して垂直に当てられた蛍光灯の像の歪みを目視によって観察することにより判断した。また、表1に示した「凹歪み」とは、シートロールから500mm×1000mmの大きさのシートを20枚抜き取り、該シートの第2基材層の表面で蛍光灯の光を反射させ、JIS P 8208に準拠した「きょう雑物計測図表」との比較で、目視により2.0mm以上の凹歪みの数を数えた結果である。
Figure 2012163834
表1に示したように、実施例1〜3に係るシートロールでは、保護層の表面の凹凸が粘着材層に転写されることが抑制されており、第2基材層側の表面状態が良好であった。一方、比較例1に係るシートロールでは、保護層の表面の凹凸が粘着材層に転写されており、第2基材層側の表面状態が悪くなっていた。
10 積層シート
10a 光学シート
11 第1基材層
12 光学機能層
13 光透過部
13a 溝
14 光吸収部
15 バインダー
16 光吸収粒子
17 粘着剤層
18 第2基材層
19 保護層
100 プラズマテレビ(表示装置)
101 前面側筐体
102 背面側筐体
103 PDPユニット
104 PDP(映像源)

Claims (8)

  1. ロール状に巻回した積層シートを備えるシートロールの製造方法であって、
    前記積層シートが、積層方向において、
    前記積層シートの最表面に配置され、剥離可能な保護層と、第1基材層と、該第1基材層の表面に沿って並列し、光を透過可能に形成された光透過部、及び該光透過部間に光を吸収可能に形成された光吸収部を有する光学機能層と、粘着剤を含む粘着剤層と、該粘着剤層の基材となる第2基材層と、を該順序で備えており、
    前記積層シートを作製する積層工程と、
    前記積層シートの幅方向の両端部近傍にスペーサーを配置しながら前記積層シートをロール状に巻回する巻回工程と、
    を含む、シートロールの製造方法。
  2. 前記積層工程が、
    前記第1基材層の一方の面側に前記光学機能層を形成する光学機能層形成工程と、
    前記第1基材層の他方の面側に前記保護層を形成する保護層形成工程と、
    前記第2基材層の一方の面側に前記粘着剤層を形成する粘着剤層形成工程と、
    前記粘着剤層及び前記光学機能層を形成した後、前記粘着剤層及び前記光学機能層を貼合する貼合工程と、
    を含む、請求項1に記載のシートロールの製造方法。
  3. 前記巻回工程において、前記粘着剤層の幅方向の端より内側に前記スペーサーを配置する、請求項1又は2に記載のシートロールの製造方法。
  4. 幅が5mm以上50mm以下の前記スペーサーを用いる、請求項1〜3のいずれかに記載のシートロールの製造方法。
  5. 厚さが6μm以上50μm以下の前記スペーサーを用いる、請求項1〜4のいずれかに記載のシートロールの製造方法。
  6. ロール状に巻回した積層シートを備えるシートロールであって、
    前記積層シートが、積層方向において、
    前記積層シートの最表面に配置され、剥離可能な保護層と、第1基材層と、該第1基材層の表面に沿って並列し、光を透過可能に形成された光透過部、及び該光透過部間に光を吸収可能に形成された光吸収部を有する光学機能層と、粘着剤を含む粘着剤層と、該粘着剤層の基材となる第2基材層と、を該順序で備えており、
    前記積層シートの幅方向の両端部近傍にスペーサーが配置され、該スペーサーを介して前記積層シートが巻回されているシートロール。
  7. 映像源より観察者側に配置され、該映像源側から入射した光を制御して前記観察者側に出射する光学シートの製造方法であって、
    請求項1〜5のいずれかに記載のシートロールの製造方法によってシートロールを製造する工程と、
    前記シートロールを巻き戻して所定を大きさのシートを切り出す工程と、
    を含む、光学シートの製造方法。
  8. 映像源と、該映像源の観察者側に配置される光学シートと、を有する表示装置の製造方法であって、
    請求項7に記載の光学シートの製造方法によって光学シートを製造する工程と、
    前記映像源の観察者側に前記光学シートを配置する工程と、
    を含む、表示装置の製造方法。
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