JP2012163161A - レンジ検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 レンジ検出装置1は、固定部材30、可動部材20、オンオフ信号出力回路、リニア信号出力回路、および、レンジ判断手段を備える。固定部材30は、自動変速機10に固定される。可動部材20は、固定部材30に沿ってシフトレバーにより選択されたレンジに応じて移動可能である。オンオフ信号出力回路は、可動部材20の移動位置に応じてオンオフ信号を出力する。また、リニア信号出力回路は、可動部材20の所定位置からの距離に比例するリニア信号を出力する。レンジ判断手段は、オンオフ信号電圧値、および、リニア信号電圧値のうち少なくとも一方に基づいて、シフトレバーにより選択されたレンジを判断する。
【選択図】図1
Description
また、特許文献3では、レンジの選択に応じて往復移動する可動部材の移動位置によりオンオフ信号を出力する複数のオンオフ信号出力手段によりレンジを検出する。
本発明は上記の問題を鑑みてなされたものであり、その目的は、検出手段の系統数を低減可能であり、小型にできるレンジ検出装置を提供することにある。
また、高価なリニア信号出力手段の数を減らすことができるため、レンジ検出装置の製造コストを低減することができる。
これにより、エンジンを始動することができる状態と、エンジンを始動することができない状態とは、オン信号またはオフ信号のいずれか一方により判断される。このため、オンオフ信号に基づいてエンジンを始動することができるか否かを判断することができる。
レンジ判断手段は、リニア信号出力手段が出力するリニア信号に基づいて、レンジ選択手段により選択されたレンジを判断し、始動可否判断手段はオンオフ信号出力手段が出力するオンオフ信号に基づいてエンジンの始動の可否を判断する。
これにより、リニア信号に基づいてレンジを検出することで、レンジを正確に検出することができる。また、オンオフ信号に基づいてエンジンの始動可否を判断することで、始動信号の信頼性を高めることができる。さらに、レンジの検出およびエンジンの始動可否の判断を各自行うことができ、検出素子の数、配線、および、付随する電子部品の数を低減することができ、コストを低減することができる。
これにより、リニア信号出力手段またはオンオフ信号出力手段の故障を直ちに判断し、故障検出の所要時間を節約することができる。
また、請求項9に係る発明によると、故障判断手段は、可動部材の移動によって、オンオフ信号出力手段が出力するオンオフ信号が変化し、リニア信号出力手段が出力するリニア信号が変化しない場合、リニア信号出力手段の故障と判断する。
これにより、オンオフ信号出力手段が故障した場合であっても、リニア信号出力手段が出力するリニア信号に基づいて、エンジンの始動の可否を判断することができるため、エンジンの始動に影響を及ぼさない。
変速制御可否判断手段は、オンオフ信号出力手段が出力する前進または後進レンジに対応する信号を出力する場合、自動変速機の制御を許容する。
これにより、リニア信号出力手段が故障した場合であっても、自動変速機の制御に影響を及ぼさない。
このように、リニア信号出力手段が出力するリニア信号の値を補正することができるため、車両組み付け後、温度変化、磁石の減磁、および、自動変速機の内部の磁性コンタミネーションの付着等によるリニア信号出力手段の出力特性の変化を補正することができる。よって、レンジ検出装置の検出精度を高めることができる。
(一実施形態)
本発明の一実施形態によるレンジ検出装置を図1〜4に示す。本実施形態のレンジ検出装置1は自動車の自動変速機等に適用される。
可動部材20は、例えばプラスチックマグネット等、樹脂と磁性体との混合材料により形成されている。可動部材20は、板状の平板部21と当該平板部21の一方の面から突出する係合ピン22とからなる。平板部21の係合ピン22とは反対側の面は、部分的に着磁されている(図1参照)。本実施形態では、平板部21の係合ピン22とは反対側の面のうち2箇所が着磁されている。以下、この着磁されている2箇所をそれぞれ第1着磁部211および第2着磁部212とする(図1参照)。第1着磁部211および第2着磁部212は、特許請求の範囲に記載の「第1磁気発生手段」および「第2磁気発生手段」に相当する。なお、第1着磁部211および第2着磁部212の着磁パターン等については、後に詳述する。
第1磁気検出素子41および第2磁気検出素子42はホール素子である。第1磁気検出素子41および第2磁気検出素子42は、例えばSMT(Surface Mount Technology)等により基板40にはんだ付けされている。
TCU44は、自動変速機を制御するマイクロコンピュータであり、例えば、CPU、ROM、およびRAM等で構成されている。TCU44は、自動変速機を制御するとともに、レンジ判断手段441、故障判断手段442、始動可否判断手段443、変速制御可否判断手段444、および、補正手段445として作用する。
基板40には、板部31側から挿通されて板部31とは反対側の面ではんだ付けされるターミナル45が挿通実装されている(図2参照)。
平板部21の固定部材30側の面を、図1のz方向から見た状態を図5に示す。なお、図5は、図が煩雑になることを避けるため、固定部材30等の図示を省略し、可動部材20の平板部21の固定部材30側の面のみを示す模式図である。
例えば、可動部材20が、図5に示す位置から図中のx方向に沿って移動すると、第1磁気検出素子41および第2磁気検出素子42は、それぞれ第1着磁部211および第2着磁部212に重なってx方向に沿って移動する。このとき、可動部材20と固定部材30との相対移動距離と、第1磁気検出素子41および第2磁気検出素子42の出力電圧の変化との関係を図6に示す。ここで、第1磁気検出素子41によって検出された信号の変化を線s1で表し、第2磁気検出素子42によって検出された信号の変化を線s2で表す。図6に示すように、線s1は可動部材20と固定部材30との相対移動距離に比例するリニアな特性を有し、s2は所定電圧Vout0と0との間で切換るオンオフ特性を有する。以下、第1磁気検出素子41によって検出された信号に対応する電圧値を「リニア信号電圧値」とし、第2磁気検出素子42によって検出された信号に対応する電圧値を「オンオフ信号電圧値」という。
(レンジ判断)
本実施形態では、TCU44のレンジ判断手段441は、リニア信号電圧値に基づいてレンジを判断する。
図6に示すように、リニア信号電圧値が0以上、Vout1以下である場合、レンジ判断手段441はPレンジと判断する。
リニア信号電圧値がVout1より大きくVout2より小さい値である場合、レンジ判断手段441はRレンジと判断する。
リニア信号電圧値がVout2以上、Vout3以下である場合、レンジ判断手段441はNレンジと判断する。
リニア信号電圧値がVout3より大きい値である場合、レンジ判断手段441はDレンジと判断する。
本実施形態では、TCU44の始動可否判断手段443により、エンジンの始動ができるか否かを判断する。
本実施形態の場合、オンオフ信号電圧値がVout0である場合、始動可否判断手段443はエンジンが始動できると判断する。また、オンオフ信号電圧値が0である場合、始動可否判断手段443はエンジンが始動できないと判断する。
本実施形態では、TCU44の故障判断手段442により、リニア信号出力回路の故障またはオンオフ信号出力回路の故障と判断する。
詳しく説明すると、例えば、可動部材20と固定部材30との相対移動により、リニア信号電圧値が変化し、オンオフ信号電圧値が変化しない場合、オンオフ信号出力回路の故障と判断する。また、例えば、可動部材20と固定部材30との相対移動により、オンオフ信号電圧値が変化し、リニア信号電圧値が変化しない場合、リニア信号出力回路の故障と判断する。
本実施形態では、TCU44の変速制御可否判断手段444により、変速制御を行うことができるか否かを判断する。
本実施形態の場合、リニア信号電圧値がVout1より大きくVout2より小さい値、または、Vout3より大きい値である場合、変速制御可否判断手段444は変速制御を行うことができると判断する。また、リニア信号電圧値がVout1以下、または、Vout2以上Vout3以下である場合、変速制御可否判断手段444は変速制御を行うことができないと判断する。
本実施形態では、TCU44の補正手段445により補正制御を行う。次に、本実施形態の補正制御を図7〜図10に基づいて説明する。
図7は、レンジ検出装置1の初期補正、および、車両組み付け後の学習補正を行う手順を示す模式図である。図7に示すように、初期補正は、レンジ検出装置1を組み付け完了後、可動部材20を駆動することで行う。可動部材20と固定部材30とが相対移動すると、図8に示すように、リニア信号電圧値の変化を表す線s3、オンオフ信号電圧値の変化を表す線s2が得られる。
エンジンが始動後、Pレンジ、Rレンジ、Nレンジ、およびDレンジの順でシフトレバーを操作すると、図9に示すように、リニア信号電圧値の変化を表す線s4、および、オンオフ信号電圧値の変化を表す線s2が得られる。
車両停止後、Dレンジ、Nレンジ、Rレンジ、およびPレンジの順でシフトレバーを操作すると、図10に示すように、リニア信号電圧値の変化を表す線s5、および、オンオフ信号電圧値の変化を表す線s2が得られる。
また、レンジの検出およびエンジンの始動可否の判断を異なる系統で制御することで、検出素子の数、配線、および、付随する電子部品の数を低減することができ、コストを低減することができる。
上記実施形態では、第1磁気検出素子および第2磁気検出素子が固定部材に設けられ、第1着磁部および第2着磁部が可動部材に設けられている。これに対し、他の実施形態では、第1磁気検出素子および第2磁気検出素子を可動部材に設け、第1着磁部および第2着磁部を固定部材に設けることとしてもよい。
上記実施形態では、TCUが基板に実装されている。これに対し、他の実施形態では、TCUを基板と離れて配置することとしてもよい。
上記実施形態では、レンジ判断手段はリニア信号電圧値に基づいてレンジを判断する。これに対し、他の実施形態では、リニア信号電圧値およびオンオフ信号電圧値の組み合わせに基づいてレンジを判断することとしてもよい。
上記実施形態では、第1磁気検出素子および第2磁気検出素子はホール素子である。これに対し、他の実施形態では、第1磁気検出素子および第2磁気検出素子は、例えば、ホール素子、MRE(磁気抵抗素子)、またはGMR(磁気抵抗素子)などが実装されているICチップであることとしてもよい。
以上説明した本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で種々の実施形態に適用可能である。
10 ・・・自動変速機
20 ・・・可動部材
21 ・・・平板部
30 ・・・固定部材
41 ・・・第1磁気検出素子(第1磁気検出手段)
42 ・・・第2磁気検出素子(第2磁気検出手段)
44 ・・・TCU(制御部)
211・・・第1着磁部(第1磁気発生手段)
212・・・第2着磁部(第2磁気発生手段)
441・・・レンジ判断手段
442・・・故障判断手段
443・・・始動可否判断手段
444・・・変速制御可否判断手段
445・・・補正手段
Claims (12)
- 自動変速機に設けられ、前進、後進、中立、および駐車を含むレンジを選択するレンジ選択手段により選択されたレンジを検出するレンジ検出装置であって、
前記自動変速機に固定される固定部材と、
前記固定部材に沿って前記レンジ選択手段により選択されたレンジに対応して移動可能な可動部材と、
前記可動部材の移動位置に応じてオンオフ信号を出力するオンオフ信号出力手段と、
前記可動部材の所定位置からの距離に比例するリニア信号を出力するリニア信号出力手段と、
前記オンオフ信号出力手段が出力するオンオフ信号、および、前記リニア信号出力手段が出力するリニア信号に基づいて、前記レンジ選択手段により選択されたレンジを判断するレンジ判断手段と、
を備えることを特徴とするレンジ検出装置。 - 前記オンオフ信号出力手段は、
前記レンジ選択手段により前進レンジまたは後進レンジが選択された場合、オン信号またはオフ信号の一方を出力し、
前記レンジ選択手段により中立レンジまたは駐車レンジが選択された場合、オン信号またはオフ信号の他方を出力することを特徴とする請求項1に記載のレンジ検出装置。 - 前記リニア信号出力手段は、前記固定部材または前記可動部材の一方に設けられ前記可動部材の往復移動方向に沿って磁界がリニアに変化する第1磁気発生手段、および、前記固定部材または前記可動部材の他方に設けられ前記可動部材の往復移動による前記第1磁気発生手段の磁界の変化を検出する第1磁気検出手段を含み、
前記オンオフ信号出力手段は、前記固定部材または前記可動部材の一方に設けられ前記可動部材の往復移動方向に沿って磁極が交替して変化する第2磁気発生手段、および、前記固定部材または前記可動部材の他方に設けられ前記可動部材の往復移動による前記第2磁気発生手段の磁極の変化を検出する第2磁気検出手段を含むことを特徴とする請求項1または2に記載のレンジ検出装置。 - 前記第1磁気検出手段はホール素子であることを特徴とする請求項3に記載のレンジ検出装置。
- 前記第2磁気検出手段はホール素子であることを特徴とする請求項3または4に記載のレンジ検出装置。
- エンジンの始動の可否を判断する始動可否判断手段をさらに備え、
前記レンジ判断手段は、前記リニア信号出力手段が出力するリニア信号に基づいて、前記レンジ選択手段により選択されたレンジを判断し、
前記始動可否判断手段は、前記オンオフ信号出力手段が出力するオンオフ信号に基づいてエンジンの始動の可否を判断することを特徴とする請求項1〜5のいずれか一項に記載のレンジ検出装置。 - 前記リニア信号出力手段が出力するリニア信号の変化と、前記オンオフ信号出力手段が出力するオンオフ信号の変化とを比較し、リニア信号の変化により判断されたレンジとオンオフ信号の変化により判断されたレンジとが整合しない場合、前記オンオフ出力手段の故障または前記リニア出力手段の故障と判断する故障判断手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項に記載のレンジ検出装置。
- 前記故障判断手段は、前記可動部材の移動によって、前記リニア信号出力手段が出力するリニア信号が変化し、前記オンオフ信号出力手段が出力するオンオフ信号が変化しない場合、前記オンオフ信号出力手段の故障と判断することを特徴とする請求項7に記載のレンジ検出装置。
- 前記故障判断手段は、前記可動部材の移動によって、前記オンオフ信号出力手段が出力するオンオフ信号が変化し、前記リニア信号出力手段が出力するリニア信号が変化しない場合、前記リニア信号出力手段の故障と判断することを特徴とする請求項7に記載のレンジ検出装置。
- 前記故障判断手段により前記オンオフ信号出力手段の故障と判断された場合、前記始動可否判断手段は、前記リニア信号出力手段が出力するリニア信号に基づいて、エンジンの始動の可否を判断することを特徴とする請求項8に記載のレンジ検出装置。
- 前記自動変速機の制御の可否を判断する変速制御可否判断手段をさらに備え、
前記オンオフ信号出力手段が出力する前進または後進レンジに対応する信号を出力する場合、前記変速制御可否判断手段は前記自動変速機の制御を許容することを特徴とする請求項9に記載のレンジ検出装置。 - 前記オンオフ信号出力手段が出力するオンオフ信号のオン領域とオフ領域との境界位置におけるリニア信号の値に基づいて、前記リニア信号出力手段が出力するリニア信号の値を補正する補正手段をさらに備えることを特徴とする請求項1〜11のいずれか一項に記載のレンジ検出装置。
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