JP2010090925A - モーメンタリ式のシフト制御装置 - Google Patents

モーメンタリ式のシフト制御装置 Download PDF

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Abstract

【課題】モーメンタリ式のシフト制御装置において、運転者の手動操作による意図しない操作が生じても、その操作によるシフトレンジ切換を回避することができるモーメンタリ式のシフト制御装置を提供する。
【解決手段】第1シフト位置へ操作された場合、その第1シフト位置へ操作されない場合と比較して、その第1シフト位置と走行方向が逆である第2シフト位置へ操作されたときの認識時間TDEを長くする認識時間調整手段94を含むため、運転者の手動操作によって、第1シフト位置から運転者の意図しない第2シフト位置へ誤ってシフト操作された場合であっても、第2シフト位置の認識時間TDEが長くされているので、その操作が認識されずシフトレンジが切り換えられない。
【選択図】図6

Description

本発明は、シフトレバーが自動的に中立位置に復帰される所謂モーメンタリ式のシフト制御装置に係り、特に、運転者の意図しない操作に伴うシフト切換を回避するシフト制御装置に関するものである。
各シフトレンジに対応する複数のシフト位置と、その複数のシフト位置間を接続する経路と、運転者により操作されて前記経路を移動するモーメンタリ式の可動部と、前記可動部が操作されることによって選択されたシフト位置に応じてシフトレンジを切り換えるシフト制御手段と、を備える所謂シフトバイワイヤ方式(SBW方式)のシフト制御装置が実現されている。上記シフト制御装置では、可動部の操作が電気的なレンジ切換信号に変換され、そのレンジ切換信号に基づいてシフトレンジが切り換えられる。
また、シフトバイワイヤ方式のシフト制御装置では、一般に、可動部を操作後に運転者が可動部から手を離すと、予め設定された中立位置に自動的に可動部が復帰させられる所謂モーメンタリ式のシフト機構が採用されている。特許文献1のシフト操作装置がその一例である。特許文献1では、シフト切換方向すなわち可動部の操作状態に応じてシフト切換を認識する認識時間を変更することにより、運転者のシフトレンジ切換要求に応じて適切にシフトレンジを切り換える技術が開示されている。
特開2005−7993号公報
ところで、特許文献1のようなモーメンタリ式のシフト機構を備えるシフト制御装置において、通常、運転者が要求するシフトレンジに対応するシフト位置に可動部を移動させた後、運転者が可動部から手を離すことで、可動部は前記中立位置に自動的に復帰されるが、運転者が例えば「D」レンジや「R」レンジなどの走行レンジを選択した後、運転者が手動で中立位置に戻そうと操作した場合、誤って異なるシフト位置に可動部が移動されてしまう可能性があり、この操作に基づいてシフトレンジが切り換えられる可能性があった。なお、特許文献1では、シフトレンジの切換精度を向上させる技術が開示されているものの、上記のように運転者の意図しないシフト操作によるシフトレンジ切換に関しては、何ら記載されていない。
本発明は、以上の事情を背景として為されたものであり、その目的とするところは、シフトレバーが自動的に中立位置に復帰されるモーメンタリ式のシフト制御装置において、運転者の手動操作による意図しない操作が生じても、その意図しない操作によるシフトレンジ切換を回避することができるモーメンタリ式のシフト制御装置を提供することにある。
上記目的を達成するための、請求項1にかかる発明の要旨とするところは、(a)各シフトレンジに対応する複数のシフト位置と、その複数のシフト位置間を接続する経路と、運転者により操作されて前記経路を移動するモーメンタリ式の可動部と、前記可動部が操作されることによって選択されたシフト位置に応じてシフトレンジを切り換えるシフト制御手段と、を備えるモーメンタリ式のシフト制御装置において、(b)選択中のレンジが走行レンジである第1シフト位置の場合は、その第1シフト位置でない場合と比較して、その第1シフト位置と走行方向が逆である第2シフト位置へ操作されたときの認識時間を長くする認識時間調整手段を含むことを特徴とする。
また、請求項2にかかる発明の要旨とするところは、請求項1のモーメンタリ式のシフト制御装置において、前記第1シフト位置と第2シフト位置との間に、前記可動部が自動的に復帰される中立位置への分岐位置が設定され、且つ、前記第1シフト位置、分岐位置、および第2シフト位置が直線状に配置されるように前記経路が構成されていることを特徴とする。
また、請求項3にかかる発明の要旨とするところは、請求項1または2のモーメンタリ式のシフト制御装置において、前記認識時間調整手段は、前記可動部が前記第1シフト位置へシフト操作されてから所定の時間だけ実施されることを特徴とする。
また、上記目的を達成するための請求項4にかかる発明の要旨とするところは、(a)各シフトレンジに対応する複数のシフト位置と、その複数のシフト位置間を接続する経路と、運転者により操作されて前記経路を移動するモーメンタリ式の可動部と、前記可動部が操作されることによって選択されたシフト位置に応じてシフトレンジを切り換えるシフト制御手段と、を備えるモーメンタリ式のシフト制御装置において、(b)前記可動部が第1シフト位置から第2シフト位置へシフト操作される前記経路を第1操作経路とし、前記可動部が自動的に復帰される中立位置から前記第2シフト位置へシフト操作される前記経路を第2操作経路としたとき、(c)シフト操作方向が前記第1操作経路の場合には、前記第2操作経路方向の場合と比較して、前記第2シフト位置へ操作されたときの認識時間を長くする認識時間調整手段を含むことを特徴とする。
また、請求項5にかかる発明の要旨とするところは、請求項4のモーメンタリ式のシフト制御装置において、前記第1シフト位置と第2シフト位置とはそれぞれ走行レンジであり、互いに進行方向が異なることを特徴とする。
請求項1にかかる発明のモーメンタリ式のシフト制御装置によれば、走行レンジである第1シフト位置へ操作された場合、その第1シフト位置へ操作されない場合と比較して、その第1シフト位置と走行方向が逆である第2シフト位置へ操作されたときの認識時間を長くする認識時間調整手段を含むものである。このようにすれば、運転者の手動操作によって、第1シフト位置から運転者の意図しない第2シフト位置へ誤ってシフト操作された場合であっても、第2シフト位置の認識時間が長くされているので、その操作が認識されずシフトレンジが切り換えられない。したがって、運転者の意図しない操作による意図しないシフトレンジ切換を回避することができる。また、第1シフト位置から第2シフト位置へのシフト操作が運転者の意図する操作であった場合、認識時間が長くされても、可動部が第2シフト位置に保持される時間が通常長くなるので、適正にシフトレンジ切換が実行される。
また、請求項2にかかる発明のモーメンタリ式のシフト制御装置によれば、前記第1シフト位置と第2シフト位置との間に、前記可動部が自動的に復帰される中立位置への分岐位置が設定され、且つ、前記第1シフト位置、分岐位置、および第2シフト位置が直線状に配置されるように前記経路が構成されているので、第1シフト位置から第2シフト位置への運転者による速やかなシフト操作が可能となる。また、第1シフト位置から第2シフト位置へのシフト操作が運転者の意図しない操作である場合であっても、第2シフト位置の認識時間が認識時間調整手段によって長くされることで、上記意図しない操作に伴う意図しないシフトレンジ切換を効果的に防止することができる。
また、請求項3にかかる発明のモーメンタリ式のシフト制御装置によれば、前記認識時間調整手段は、可動部が前記第1シフト位置へシフト操作されてから所定の時間だけ実施されるので、所定の時間経過後は可動部が第2シフト位置へ操作されたときの認識時間が短くなる。したがって、所定の時間経過後は、可動部が第2シフト位置へシフト操作されたときのシフトレンジ切換の応答性低下を回避することができる。
また、請求項4にかかる発明のモーメンタリ式のシフト制御装置によれば、前記可動部が第1シフト位置から第2シフト位置に操作される前記経路を第1操作経路とし、前記可動部が自動的に復帰される中立位置から前記第2シフト位置に操作される前記経路を第2操作経路としたとき、シフト操作方向が前記第1操作経路の場合には、前記第2操作経路方向の場合と比較して、前記第2シフト位置へ操作されたときの認識時間を長くする認識時間調整手段を含むものである。このようにすれば、第1シフト位置から第2シフト位置へ誤って操作された場合であっても認識時間が長くされているので、その操作が認識されず、その操作に伴う意図しないシフトレンジ切換を回避することができる。
また、請求項5にかかる発明のモーメンタリ式のシフト制御装置によれば、前記第1シフト位置と第2シフト位置とはそれぞれ走行レンジであり、互いに進行方向が異なるため、異なる進行方向へのシフトレンジ切換が好適に回避される。
ここで、好適には、前記認識時間調整手段は、前記可動部が前記中立位置に復帰すると終了させられるものである。このようにすれば、可動部が中立位置に復帰すると通常の認識時間に戻るに伴い、次回のシフト操作における認識時間の延長に伴うシフト操作応答性の低下が回避される。
以下、本発明の実施例を図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、以下の実施例において図は適宜簡略化或いは変形されており、各部の寸法比および形状等は必ずしも正確に描かれていない。
図1は、FF(フロントエンジン・フロントドライブ)車両などの横置き型の車両用駆動装置8の骨子図であり、ガソリンエンジンやディーゼルエンジン等の内燃機関によって構成されているエンジン10の出力は、トルクコンバータ12、自動変速機14を経て、図示しない差動歯車装置から駆動輪(前輪)へ伝達されるようになっている。上記エンジン10は車両走行用の動力源(原動機)で、トルクコンバータ12は流体継手である。
自動変速機14は、シングルピニオン型の第1遊星歯車装置20を主体として構成されている第1変速部22と、シングルピニオン型の第2遊星歯車装置26およびダブルピニオン型の第3遊星歯車装置28を主体として構成されている第2変速部30とを同軸線上に有し、入力軸32の回転を変速して出力歯車34から出力する。入力軸32は入力部材に相当するもので、本実施例ではトルクコンバータ12のタービン軸であり、出力歯車34は出力部材に相当するもので、差動歯車装置を介して左右の駆動輪を回転駆動する。なお、自動変速機14は中心線に対して略対称的に構成されており、図1では中心線の下半分が省略されている。
上記第1変速部22を構成している第1遊星歯車装置20は、サンギヤS1、キャリアCA1、およびリングギヤR1の3つの回転要素を備えており、サンギヤS1が入力軸32に連結されて回転駆動されるとともに、リングギヤR1が第3ブレーキB3を介して回転不能にケース36に固定されることにより、キャリアCA1が中間出力部材として入力軸32に対して減速回転させられて出力する。また、第2変速部30を構成している第2遊星歯車装置26および第3遊星歯車装置28は、一部が互いに連結されることによって4つの回転要素RM1〜RM4が構成されており、具体的には、第3遊星歯車装置28のサンギヤS3によって第1回転要素RM1が構成され、第2遊星歯車装置26のリングギヤR2および第3遊星歯車装置28のリングギヤR3が互いに連結されて第2回転要素RM2が構成され、第2遊星歯車装置26のキャリアCA2および第3遊星歯車装置28のキャリアCA3が互いに連結されて第3回転要素RM3が構成され、第2遊星歯車装置26のサンギヤS2によって第4回転要素RM4が構成されている。上記第2遊星歯車装置26および第3遊星歯車装置28は、キャリアCA2およびCA3が共通の部材にて構成されているとともに、リングギヤR2およびR3が共通の部材にて構成されており、且つ第2遊星歯車装置26のピニオンギヤが第3遊星歯車装置28の第2ピニオンギヤを兼ねているラビニヨ型の遊星歯車列とされている。
上記第1回転要素RM1(サンギヤS3)は第1ブレーキB1によって選択的にケース36に連結されて回転停止させられ、第2回転要素RM2(リングギヤR2、R3)は第2ブレーキB2によって選択的にケース36に連結されて回転停止させられ、第4回転要素RM4(サンギヤS2)は第1クラッチC1を介して選択的に前記入力軸32に連結され、第2回転要素RM2(リングギヤR2、R3)は第2クラッチC2を介して選択的に入力軸32に連結され、第1回転要素RM1(サンギヤS3)は中間出力部材である前記第1遊星歯車装置20のキャリアCA1に一体的に連結され、第3回転要素RM3(キャリアCA2、CA3)は前記出力歯車34に一体的に連結されて回転を出力するようになっている。
上記クラッチC1、C2およびブレーキB1、B2、B3(以下、特に区別しない場合は単にクラッチC、ブレーキBという)は、多板式のクラッチやブレーキなど油圧アクチュエータによって係合制御される油圧式摩擦係合装置であり、図3に示す油圧制御回路40によってそれぞれ係合解放制御されることにより、シフト操作装置50(図4参照)のシフト位置PSHに応じて図2に示すように前進6段、後進1段の各ギヤ段が成立させられる。図2の「1st」〜「6th」は前進の第1速ギヤ段〜第6速ギヤ段を意味しており、「Rev」は後進ギヤ段であり、それ等の変速比(=入力軸回転速度NIN/出力軸回転速度NOUT )は、前記第1遊星歯車装置20、第2遊星歯車装置26、および第3遊星歯車装置28の各ギヤ比ρ1、ρ2、ρ3によって適宜定められる。図2の「○」は係合、空欄は解放を意味している。
図3において、油圧制御回路40は、エンジン10によって回転駆動される機械式のオイルポンプ42、プライマリレギュレータバルブ44、マニュアルバルブ46、リニアソレノイドバルブSL1〜SL4、およびB2コントロールバルブ48等を備えており、オイルポンプ42によって汲み上げられた作動油は、図示しないリニアソレノイドバルブSLTから信号圧が供給されるプライマリレギュレータバルブ44により、アクセル操作量(運転者の出力要求量)等に応じて所定のライン圧PLに調圧される。そして、第3ブレーキB3は、ライン圧PLがそのまま供給されるリニアソレノイドバルブSL4によって係合油圧が制御され、係合解放制御される。
マニュアルバルブ46は、シフト操作装置50の操作に応じて油路を切り換えることにより、前記クラッチC1、C2、第1ブレーキB1に対応して配設されたリニアソレノイドバルブSL1〜SL3、およびB2コントロールバルブ48に前進用油圧PD を供給したり、B2コントロールバルブ48に後進用油圧PR を供給したり、それ等のバルブに対する油圧供給を停止したりする。シフト操作装置50は、運転者のシフト意思に応じて操作されるもので、図4に示すように後進走行用の「R(リバース)」、動力伝達を遮断する「N(ニュートラル)」、前進走行用の「D(ドライブ)」、3シフト位置へ移動操作されるシフトレバー52(本発明の可動部に対応)と、駐車する際に押圧操作される押釦式のPスイッチ54とを備えている。シフトレバー52は、「R」、「N」、「D」の各シフト位置間を接続する経路に沿って移動可能となっており、運転者によって操作されるものである。また、シフトレバー52は、常には図に示す中立位置Hに自動的に復帰させられるモーメンタリータイプで、上記各操作位置「R」、「N」、「D」、へ操作されたことを検出するシフト操作検出装置60を備えており、Pスイッチ54のON操作(操作位置「P」)を含めて、それ等のシフト位置PSH、すなわち運転者のシフト意思が電気的に検出される。そして、そのシフト位置PSHに応じて電子制御装置(ECU)62によりSBW(シフトバイワイヤ)アクチュエータ64が制御され、切換シャフト66が軸心まわりに回転させられることにより、レバー68を介してマニュアルバルブ46のスプール47が機械的に一直線方向へ移動させられ、4箇所のシフト位置「P」、「R」、「N」、「D」に位置決めされて油路を切り換えるようになっている。
上記マニュアルバルブ46のシフト位置「D」は、前進走行するための前進駆動位置で、図3から明らかなように、マニュアルバルブ46はライン圧PLが供給される供給油路56と前進用油路57とを連通する状態となり、その前進用油路57にライン圧PLと等しい前進用油圧PD を出力する。前進用油路57は、リニアソレノイドバルブSL1〜SL3、およびB2コントロールバルブ48に接続されており、前進用油圧PD がそれ等によって調圧制御されることにより、クラッチC1、C2、ブレーキB1、B2がそれぞれ係合解放制御され、前記第3ブレーキB3の係合解放制御と合わせて、前記第1速ギヤ段「1st」〜第6速ギヤ段「6th」の何れかの前進ギヤ段が成立させられる。B2コントロールバルブ48には、図示しないソレノイドバルブSLUおよびSLから信号油圧が供給されるようになっており、ソレノイドバルブSLUの信号油圧に基づいて第2ブレーキB2の係合油圧が制御される。
マニュアルバルブ46のシフト位置「R」は、後進走行するための後進駆動位置で、マニュアルバルブ46はライン圧PLが供給される供給油路56と後進用油路58とを連通する状態となり、その後進用油路58にライン圧PLと等しい後進用油圧PR を出力する。後進用油路58は、B2コントロールバルブ48に接続されており、後進用油圧PD がそのB2コントロールバルブ48を経て第2ブレーキB2に供給されることにより、その第2ブレーキB2が係合させられ、前記第3ブレーキB3が係合させられることにより、前記後進ギヤ段「Rev」が成立させられる。
マニュアルバルブ46のシフト位置「P」は、駆動力源からの動力伝達を遮断するとともに図示しないパーキングロック装置により機械的に駆動輪の回転を阻止するパーキング位置で、マニュアルバルブ46はライン圧PLが供給される供給油路56と前進用油路57、後進用油路58との連通を何れも遮断するとともに、それ等の前進用油路57、後進用油路58をEXポートに連通し、作動油をドレーンする。また、シフト位置「N」は、駆動力源からの動力伝達を遮断する遮断位置であり、マニュアルバルブ46はライン圧PLが供給される供給油路56と前進用油路57、後進用油路58との連通を何れも遮断するとともに、後進用油路58をEXポートに連通して作動油をドレーンする。図3のマニュアルバルブ46は、このシフト位置「N」の状態である。
本実施例では、マニュアルバルブ46および前記切換シャフト66を含んで車両の駆動状態、すなわち複数のシフト位置のいずれかへ機械的に切り換えるシフト機構70が構成されており、SBWアクチュエータ64は運転者のシフト意思に基づいて電気的に制御されるシフト駆動手段に相当する。このSBWアクチュエータ64は、本実施例ではSRモータ(Switched Reluctance Motor )にて構成されており、前記切換シャフト66に減速機等を介して連結されて回転駆動する。
上記切換シャフト66には、非接触式ポジションセンサ74が配設されている。この非接触式ポジションセンサ74は、シフト機構70の機械的変位、ここでは切換シャフト66の回転変位(機械的変位)の絶対的位置情報を検出する非接触式回転角センサで、図5に示すように、切換シャフト66の周囲であって軸心Oに対して対称位置に配設された一対の磁石76と、切換シャフト66に一体的に配設されて一体的に軸心Oまわりに回転させられるホール素子78とを備えている。ホール素子78は、磁力の強さに応じて変化するポジション電圧PVを出力するもので、切換シャフト66の回転に伴ってホール素子78に作用する磁力が変化することにより、その回転角度に応じてポジション電圧PVは連続的に変化する。したがって、このポジション電圧PVの大きさに基づいて切換シャフト66の回転角度、更にはマニュアルバルブ46のシフト位置「P」、「R」、「N」、「D」を検出することができる。ポジション電圧PVは絶対的位置情報に相当する。
前記電子制御装置62は、CPU、RAM、ROM等を有するマイクロコンピュータを備えて構成されており、予め記憶されたプログラムに従って信号処理を行なうことにより、各種の機能を実行するようになっている。図6は、前記シフト操作装置50のシフト操作に応じてマニュアルバルブ46を切り換えるために前記SBWアクチュエータ64を制御する際に、この電子制御装置62によって実行されるシフト制御手段80の機能を説明するブロック線図であって、シフト操作確定手段81、基準値記憶手段82、シフト位置判断手段84、および駆動制御手段86を備えている。
シフト操作確定手段81は、シフト操作検出装置60(シフト操作検出手段)によって検出されるシフト位置PSHに応じて、Pスイッチ54の押圧操作を含めてシフト位置が何れのシフト位置PSHに切り換えられたかを確定する。
基準値記憶手段82は、前記非接触式ポジションセンサ74から出力されるポジション電圧PVと、前記マニュアルバルブ46の4つのシフト位置「P」、「R」、「N」、「D」、すなわち切換シャフト66の軸心Oまわりの回転角度とに関して、予め工場出荷時等に求められた相関関係を記憶しているものである。図7の実線は、この相関関係の基準値の一例で、切換シャフト66の回転角度に対してポジション電圧PVが略直線的に変化するように、非接触式ポジションセンサ74は構成されている。また、非接触式ポジションセンサ74の検出精度のばらつき(個体差)や温度変化等の一時的な外乱によるポジション電圧PVの変化等を考慮して、破線で示すように基準値の上下に所定の上側許容範囲および下側許容範囲が定められている。上側許容範囲および下側許容範囲は、例えば基準値に対して同じ値ずつ上下に離間して設定されるが、これ等を別々に設定することも可能である。なお、図7に示すようなグラフは必ずしも必要でなく、シフト位置「P」、「R」、「N」、「D」毎にポジション電圧PVの許容範囲や基準値を相関関係として設定しても良い。
シフト位置判断手段84は、位置情報に相当するポジション電圧PVに基づいて、具体的には、上記基準値記憶手段82に記憶された上側許容範囲、下側許容範囲に基づいて、現在のシフト位置が「P」、「R」、「N」、「D」の何れかを判断する。すなわち、ポジション電圧PVがPVP1〜PVP2の範囲内であればマニュアルバルブ46のシフト位置を「P」と判断し、ポジション電圧PVがPVR1〜PVR2の範囲内であればマニュアルバルブ46のシフト位置を「R」と判断し、ポジション電圧PVがPVN1〜PVN2の範囲内であればマニュアルバルブ46のシフト位置を「N」と判断し、ポジション電圧PVがPVD1〜PVD2の範囲内であればマニュアルバルブ46のシフト位置を「D」と判断する。
そして、駆動制御手段86は、上記シフト位置判断手段84によって判断されたマニュアルバルブ46のシフト位置と、シフト操作検出装置60によって検出されるシフト位置PSHとを比較し、マニュアルバルブ46のシフト位置がシフト位置PSHと一致するように、SBWアクチュエータ64をフィードバック制御することにより、シフト位置PSHに応じてシフトレンジを切り換える。すなわち、ポジション電圧PVが、シフト位置PSHに対応するシフト位置となる電圧値となるようにフィードバック制御を実行する。具体的には、シフト位置PSHに対応するシフト位置が「P」ポジションであれば、ポジション電圧PVが基準値であるPVPとなるようにフィードバック制御を実行し、シフト位置PSHに対応するシフト位置が「R」ポジションであれば、ポジション電圧PVがPVRとなるようにフィードバック制御を実行し、シフト位置PSHに対応するシフト位置が「N」ポジションであれば、ポジション電圧PVがPVNとなるようにフィードバック制御を実行し、シフト位置PSHに対応するシフト位置が「D」ポジションであれば、ポジション電圧PVがPVDとなるようにフィードバック制御を実行する。
ところで、前記シフト操作確定手段81は、シフトレバー52が何れのシフト位置PSHに操作されたを確定するが、シフト位置PSHを確定するにあたり、シフトレバー52の操作態様に応じて認識時間TDEが設定されている。そして、シフトレバー52がシフト位置PSHに対応する認識時間TDEだけ保持されたとき、シフト位置PSHが確定される。図8に、前記シフト位置PSHと認識時間TDEとの関係を示する。図8に示すように、例えば「R」ポジション並びに「D」ポジションにシフト操作される場合、シフトレバー52が100msだけそのシフト位置PSHに保持されると、そのシフト位置PSHが確定される。また、シフトレバー52が中立位置Hから「N」ポジションにシフト操作され、「N」ポジションにおいて500ms保持されると、シフト位置PSHが「N」ポジションと認識される。さらに、シフトポジション52「R」ポジションまたは「D」ポジションに保持された状態から「N」ポジションにシフト操作され、「N」ポジションにおいて1000ms保持されると、シフト位置PSHが「N」ポジションと認識される。上記のように、シフトレバー52の操作態様に応じて認識時間TDEを変化させることで、運転者のシフト要求が適切に認識される。例えば、「N」ポジションは中立位置Hから「R」ポジションまたは「D」ポジションにシフト操作する際に通過するポジションでもあるため、認識時間TDEを長く設定することによって、「N」ポジション通過時における「N」ポジションへの誤認識が回避される。なお、上記具体的な認識時間TDEは、本実施例において適用されるものであり、車両の型式等に基づいて適宜変更されるものである。
シフト操作確定手段81は、シフト操作検出判定手段88、タイマ制御手段90、中立位置判定手段92に基づいて、シフト位置PSHを確定する。以下、シフト位置PSHが確定される制御作動について、上記各手段の説明を交えて説明する。
シフト操作検出判定手段88は、運転者によるシフト操作を検出し、検出されたシフト位置PSHが何れのポジションであるかを判定する。なお、この時点においては、シフト位置PSHが検出されても、そのシフト位置PSHが確定されない、すなわち、そのシフト位置PSHに応じてシフトレンジが切り換えられない。
そして、シフト操作検出判定手段88によってシフト操作が検出されると、タイマ制御手段90は、検出された時点を基準にタイマのカウントを開始する。そして、タイマ制御手段90は、タイマのカウント時間Tが予め設定されている認識時間TDEに到達したか否かを判定する。ここで、認識時間TDEは、前記図8に示すように設定されて記憶されており、シフトレバー52の操作態様に応じて認識時間TDEが変更される。そして、カウント時間Tが認識時間TDEに到達したと判定されると、シフト操作確定手段81は、そのシフト操作されたシフト位置PSHを確定させる。
中立位置判定手段92は、タイマ制御手段90実行中にシフトレバー52が中立位置Hに復帰したか否かを判定する。ここで、タイマ制御手段90実行中すなわちタイマカウント中にシフトレバー52が中立位置Hに復帰したと判断されると、シフト操作確定手段81は、タイマ制御手段90を中止し、操作されたシフト操作に基づくシフト位置PSHを確定させない。言い換えれば、シフトレバー52の保持時間Tが、シフト位置PSHの認識時間TDEに満たないと判断されて、そのシフト位置PSHが未確定(未認識)と判断される。
このように、シフト操作確定手段81は、シフトレバー52の操作態様に応じて認識時間TDEを設定し、運転者によるシフト操作が検出されるとタイマのカウントを開始し、カウント時間Tが認識時間TDEに達したときシフト位置PSHを確定させる。また、タイマカウント中すなわちカウント時間Tが認識時間TDEに到達しない間にシフトレバー52が中立位置Hに復帰すると、そのシフト操作によるシフト位置PSHを確定させない。
ところで、本実施例のシフト操作装置50のシフトレバー52は、運転者によるシフト操作の後、手を離すとシフトレバー52が中立位置Hに自動的に復帰するモーメンタリタイプが適用されている。しかしながら、運転者によっては、シフト操作後においても手動でシフトレバー52を中立位置Hに戻すことがあり、運転者の意図しない操作に伴って、運転者の意図しないシフトレンジに切り換えられる可能性があった。例えば、運転者が「R」ポジションにシフト操作を実施した後、中立位置Hに戻す際、勢い余って瞬間的に「D」ポジションに入れてしまう、或いは、「D」ポジションにシフト操作した後、瞬間的にに「R」ポジションに入れてしまう可能があった。上記は、運転者の意図しない操作であり、シフト制御装置の誤作動ではないため、その操作が運転者の要求する操作であるか否かを判定することは困難であった。特に、本実施例のシフト操作装置50においては、操作性の観点から、「D」ポジションと「R」ポジションとの間にシフトレバー52が自動的に復帰される中立位置Hへの分岐位置ともなる「N」ポジションが設定され、且つ、「D」ポジション、「N」ポジション、および「R」ポジションが一直線上に配置されているため、上記運転者による意図しないシフト操作が生じる可能性があった。
これに対し、本実施例では、認識時間調整手段94によって前記認識時間TDEを調整することで、上記運転者による意図しないシフト操作によるシフトレンジ切換を回避する。具体的には、認識時間調整手段94は、後進走行レンジに対応する「R」ポジションへシフト操作された場合、シフト操作されない場合と比較して、「R」ポジションと走行方向が逆である「D」ポジションにシフト操作されたときの認識時間TDEを長くする。また、認識時間調整手段94は、前進走行レンジに対応する「D」ポジションへシフト操作された場合、シフト操作されない場合と比較して、「D」ポジションと走行方向が逆である「R」ポジションにシフト操作されたときの認識時間TDEを長くする。なお、本実施例において、「R」ポジションを本発明の第1シフト位置とすると、「D」ポジションが本発明の第2シフト位置となり、「D」ポジションを本発明の第1シフト位置とすると、「R」ポジションが本発明の第2シフト位置となる。
本実施例では、通常、「R」ポジションまたは「D」ポジションへシフト操作される場合、認識時間TDEが100msに設定されている。これに対し、認識時間調整手段94が実行されると、「R」ポジションへシフト操作された場合には、「D」ポジションの認識時間TDEを、例えば200〜500ms程度に長くする一方、「D」ポジションへシフト操作された場合には、「R」ポジションの認識時間TDEを、例えば200〜500ms程度に長くする。このように認識時間TDEが長くされると、例えば、「R」ポジションにシフト操作された後、中立位置Hへシフトレバー52が運転者によって戻されるに際して、誤って「D」ポジションへ瞬間的にシフト操作された場合であっても、認識時間TDEが長く設定されているので、その意図しないシフト操作が確定されない。同様に、「D」ポジションにシフト操作された後、中立位置Hへシフトレバー52が運転者によって戻されるに際して、誤って「R」ポジションへ瞬間的にシフト操作された場合であっても、認識時間TDEが長く設定されているので、その意図しないシフト操作が確定されない。したがって、意図しないシフト操作に基づくシフトレンジ切換が回避される。
ここで、例えば「R」ポジションへシフト操作されて十分に時間が経過した後に「D」ポジションにシフト操作されたとき、認識時間TDEが長く設定されたままであると、「D」ポジションへのシフト操作時のシフトレンジ切換の応答性が悪くなり、運転者に違和感を与えることなる。これに対して、経過時間判定手段96は、前回のシフト操作時から今回のシフト操作時までの経過時間TPASTを検出し、その経過時間TPASTが予め設定された所定の時間T2以内であるか否かを判定する。そして、経過時間TPASTが所定の時間T2を越えるとき、シフト操作確定手段81は、認識時間調整手段94によって長く設定された「D」ポジションおよび「R」ポジションの認識時間TDEを、図8に示す通常の認識時間TDE、(具体的には、「D」ポジション、「R」ポジション共に100ms)に戻す。これに伴い、T2時間経過後は、「D」ポジションおよび「R」ポジションへのシフト操作時の認識時間TDEが短くなって、「D」ポジションおよび「R」ポジションへのシフト操作時のシフトレンジ切換の応答性低下が回避される。なお、上記所定の時間T2は予め実験等によって設定されるものであり、例えば1sec〜2sec程度の比較的短い時間に設定される。したがって、認識時間調整手段94によって変更される認識時間TDEは、シフト操作後の比較的短い所定の時間T2内において設定される。
図9は、電子制御装置62(ECU)の制御作動の要部すなわち運転者によるシフト操作に際して、シフト位置PSHを確定し、且つ、運転者の意図しない操作に伴うシフトレンジ切換を回避するための制御作動を説明するフローチャートであり、例えば数msec乃至数十msec程度の極めて短いサイクルタイムで繰り返し実行されるものである。
先ず、シフト操作検出判定手段88に対応するステップSA1(以下、ステップを省略する)において、運転者によるシフト操作を検出し、検出されたシフト位置PSHが何れのシフト位置PSHであるかを判定する。シフト操作が検出されない場合、本判定が否定されて本ルーチンが終了させられる。一方、シフト操作が検出されて何れかのシフトポジションに操作されたと判定されると、SA1が肯定され、経過時間判定手段96に対応するSA2において、現在のシフト操作が前回のシフト操作時点から所定の時間T2内のシフト操作か否かが判定される。SA2が否定されると、タイマ制御手段90に対応するSA9において、認識時間TDEが認識時間調整手段94によって変更されている場合、認識時間TDEが通常の認識時間TDE(本実施例において、「D」、「R」共に認識時間100ms)に戻されてSA3が実行される。一方、SA2が肯定される場合、前回の認識時間TDEが保持されたままSA3が実行される。そして、タイマ制御手段90に対応するSA3において、タイマのカウントが開始される。次いで、認識時間調整手段94に対応するSA4において、SA1においてシフト操作されたシフト位置PSHが「R」ポジションであれば、「D」ポジションへの認識時間TDEを長く設定(例えば200ms〜500ms)し、SA1においてシフト操作されたシフト位置PSHが「D」ポジションであれば、「R」ポジションへの認識時間TDEを長く設定(例えば200〜500ms)する。そして、中立位置判定手段92に対応するSA5において、シフトレバー52が中立位置Hに復帰したか否かが判定される。SA5が否定されると、タイマ制御手段90に対応するSA6において、SA3においてカウントが開始されたカウント時間Tが、SA1において操作されたシフト位置PSHに対応する認識時間TDEを越えたか否かが判定される。SA6が否定されると、SA5に戻り、同様のステップが繰り返し実行される。SA5に戻り、SA5が肯定されると、カウント時間Tが認識時間TDEに達しない間にシフトレバー52が中立位置Hに復帰したと判定され、シフト操作確定手段81に対応するSA8において、SA1においてシフト操作されたシフト位置PSHは確定(認識)されないまま本ルーチンが終了させられる。このとき、SA4において変更された認識時間TDEの延長も終了させられ、通常の認識時間TDEに戻される。一方、SA6が肯定される場合、カウント時間Tが認識時間TDEを越えると判定されるに伴い、シフト操作確定手段81に対応するSA7において、SA1においてシフト操作されたシフト位置PSHが確定される。
上記のように制御されると、例えば中間位置Hから「R」ポジションにシフト操作されると、SA4において、「D」ポジションへシフトされる場合の認識時間TDEが長くなる。また、「R」ポジションへの認識時間TDEが当初は短いので、通常、カウント時間Tが認識時間TDEに到達し、SA7において目標レンジに対応する「R」ポジションが確定される。その後、所定の時間T2内において、例えば「D」ポジションへのシフト操作が実施されると、「D」ポジションへの認識時間TDEが長くなっているので、SA6が否定され、SA5に戻る。そして、シフトレバー52が中立位置Hに移動されることにより、SA5が肯定されることで、「D」ポジションへのシフト操作が否定されることとなる。したがって、上記のように「R」ポジション操作直後に運転者が手動によりシフトレバー52を中立位置Hに戻すときに誤って「D」ポジションにシフト操作した場合であっても、その誤ったシフト操作が認識されない。
一方、「R」ポジションへのシフト操作後、所定の時間T2経過すると、SA9において、長く設定された「D」ポジションへシフト操作されたときの認識時間TDEが通常に戻されているので、「D」ポジションへシフト操作された際にSA6が肯定されてSA7において目標レンジに対応する「D」ポジションが確定される。したがって、所定の時間T2経過後は、「D」ポジションにシフト操作されると、速やかに「D」ポジションに対応する前進走行レンジに切り換えられる。
上述のように、本実施例によれば、走行レンジである第1シフト位置(「R」ポジションまたは「D」ポジション)へ操作された場合、その第1シフト位置へ操作されない場合と比較して、その第1シフト位置と走行方向が逆である第2シフト位置(「D」ポジションまたは「R」ポジション)へ操作されたときの認識時間TDEを長くする認識時間調整手段94を含むものである。このようにすれば、運転者の手動操作によって、第1シフト位置から運転者の意図しない第2シフト位置へ誤ってシフト操作された場合であっても、第2シフト位置の認識時間TDEが長くされているので、その操作が認識されずシフトレンジが切り換えられない。したがって、運転者の意図しない操作による意図しないシフトレンジ切換を回避することができる。また、第1シフト位置から第2シフト位置へのシフト操作が運転者の意図する操作であった場合、認識時間TDEが長くされても、シフトレバー52が第2シフト位置に保持される時間が通常長くなるので、適正にシフトレンジ切換が実行される。
また、本実施例によれば、「R」ポジションと「D」ポジションとの間に、シフトレバー52が自動的に復帰される中立位置Hへの分岐位置となる「N」ポジションが設定され、且つ、「R」ポジション、「N」ポジション、および「D」ポジションが直線状に配置されるように経路が構成されているので、「R」ポジションから「D」ポジションへの運転者による速やかなシフト操作が可能となる。また、例えば「R」ポジションから「D」ポジションへのシフト操作が運転者の意図しない操作である場合であっても、「D」ポジションの認識時間TDEが認識時間調整手段94によって長くされることで、上記意図しない操作に伴う意図しないシフトレンジ切換を効果的に防止することができる。
また、本実施例によれば、認識時間調整手段94は、シフトレバー52が第1シフト位置(「R」ポジションまたは「D」ポジション)へシフト操作されてから所定の時間T2だけ実施されるので、所定の時間T2経過後はシフトレバー52が第2シフト位置(「D」ポジションまたは「R」ポジション)へ操作されたときの認識時間TDEが短くなる。したがって、所定の時間T2経過後は、シフトレバー52が第2シフト位置へシフト操作されたときのシフトレンジ切換の応答性低下を回避することができる。
つぎに、本発明の他の実施例を説明する。なお、以下の説明において前述の実施例と共通する部分には同一の符号を付して説明を省略する。
本実施例では、図8において、シフトレバー52が「R」ポジションから「D」ポジションへシフト操作される経路を第1操作経路と定義し、シフトレバー52が中立位置Hから「D」ポジションへシフト操作される経路を第2操作経路と定義するとき、認識時間調整手段94は、シフト操作方向が第1操作経路の場合には、シフト操作方向が第2操作経路の場合と比較して、「D」ポジションへシフト操作されたときの認識時間TDEを長くする。同様に、図8において、シフトレバー52が「D」ポジションから「R」ポジションへシフト操作される経路を第1操作経路と定義し、シフトレバー52が中立位置Hから「R」ポジションへシフト操作される経路を第2操作経路と定義するとき、認識時間調整手段94は、シフト操作方向が第1操作経路の場合には、シフト操作方向が第2操作経路の場合と比較して、「R」ポジションへシフト操作されたときの認識時間TDEを長くする。
例えば、第1操作経路にシフト操作されたときの認識時間TDEが200〜500ms程度に設定され、第2操作経路にシフト操作された場合の認識時間TDEが100ms程度に設定されるとする。上記のように設定されると、例えば「R」ポジションにシフト操作された後、運転者の手動操作によってシフトレバー52が中立位置Hへ戻されるに際して、誤って「D」ポジションを経由して中立位置Hにシフト操作されても、「D」ポジションの認識時間TDEが長くされているので、その「D」ポジションが認識されない。したがって、「D」ポジションにシフト操作されたことによる意図しないシフトレンジ切換が回避される。このように、認識時間調整手段94によって認識時間TDEが調整されても、前述の実施例1と同様の効果を得ることができる。
上述のように、本実施例によれば、シフトレバー52が第1シフト位置(「R」ポジションまたは「D」ポジション)から第2シフト位置(「D」ポジションまたは「R」ポジション)に操作される経路を第1操作経路とし、シフトレバー52が自動的に復帰される中立位置Hから第2シフト位置に操作される経路を第2操作経路としたとき、シフト操作方向が第1操作経路の場合には、第2操作経路方向の場合と比較して、第2シフト位置へ操作されたときの認識時間TDEを長くする認識時間調整手段94を含むものである。このようにすれば、第1シフト位置から第2シフト位置へ誤って操作された場合であっても認識時間TDEが長くされているので、その操作が認識されず、その操作に伴う意図しないシフトレンジ切換を回避することができる。
以上、本発明の実施例を図面に基づいて詳細に説明したが、本発明はその他の態様においても適用される。
例えば、本実施例において具体的に設定されてる認識時間TDEや所定の時間T2等の具体的な数値は、本実施例において適用されるものであり、車両の型式等に応じて適宜変更されるものである。
また、本実施例では、認識時間TDEは予め設定されて一定値とされているが、車両の走行状態に応じて適宜変更するものであっても構わない。さらには、学習制御などに応じて逐次変更されるものであっても構わない。
また、前述の実施例では、シフト操作検出装置60は、例えば回転角度に応じて変化する磁力を検出するホール素子78や磁気抵抗素子等を有する非接触式ポジションセンサ74にて構成されているが、例えばロータリセンサや直線移動させられる部材の複数のシフト位置を非接触で検出するギャップセンサや回転角度に応じてパルスを出力するマグネスケールなど、接触式か非接触式を問わず様々な態様が可能である。
また、前述の実施例では、燃料の燃焼によって動力を発生させるエンジン駆動車両であったが、電動モータによって駆動する電気自動車、或いは複数の動力源を備えているハイブリッド車両など、種々の車両用のシフト制御装置に好適に適用される。また、前後進を切り換える前後進切換装置や、変速比が異なる複数のギヤ段を有する有段の自動変速機、或いは変速比を連続的に変化させる無段変速機などを有し、シフト機構により駆動状態を変更することができる種々の車両に好適に適用される。
また、前述の実施例では、自動変速機として有段式の自動変速機14が用いられていたが、自動変速機の構造は前述の実施例のものに限定されず、遊星歯車装置の数や変速段数、およびクラッチC、ブレーキBの数が遊星歯車装置のどの要素と選択的に連結されているかなど特に限定はない。
なお、上述したのはあくまでも一実施形態であり、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変更、改良を加えた態様で実施することができる。
本発明が好適に適用される車両用動力伝達装置の骨子図である。 図1の自動変速機の複数のギヤ段と摩擦係合要素の係合解放状態との関係を説明する作動表を示す図である。 図1の車両用動力伝達装置が備えている油圧制御回路のうち油圧供給装置およびクラッチC1、C2、ブレーキB1〜B3に関連する部分を示す回路図である。 自動変速機において、運転者によるシフトレバーの操作に応じてマニュアルバルブのシフト位置を電気的に切り換えるための制御系統を説明するブロック線図である。 図4の非接触式ポジションセンサを説明する概略構成図である。 図4の電子制御装置がシフト制御に関して備えている機能を説明するブロック線図である。 図6の基準値記憶手段が記憶しているポジション電圧PVとシフト位置との相関関係を説明する図である。 図4のシフト操作装置のシフト位置と認識時間との関係を示す図である。 電子制御装置(ECU)の制御作動の要部すなわち運転者によるシフト操作に際して、シフト位置を確定し、且つ、運転者の意図しない操作に伴うシフトレンジ切換を回避するための制御作動を説明するフローチャートである。
符号の説明
50:シフト操作装置
52:シフトレバー(可動部)
80:シフト制御手段
94:認識時間調整手段

Claims (5)

  1. 各シフトレンジに対応する複数のシフト位置と、該複数のシフト位置間を接続する経路と、運転者により操作されて前記経路を移動するモーメンタリ式の可動部と、前記可動部が操作されることによって選択されたシフト位置に応じてシフトレンジを切り換えるシフト制御手段と、を備えるモーメンタリ式のシフト制御装置であって、
    選択中のレンジが走行レンジである第1シフト位置の場合は、該第1シフト位置でない場合と比較して、該第1シフト位置と走行方向が逆である第2シフト位置へ操作されたときの認識時間を長くする認識時間調整手段を含むことを特徴とするモーメンタリ式のシフト制御装置。
  2. 前記第1シフト位置と第2シフト位置との間に、前記可動部が自動的に復帰される中立位置への分岐位置が設定され、且つ、前記第1シフト位置、分岐位置、および第2シフト位置が直線状に配置されるように前記経路が構成されていることを特徴とする請求項1のモーメンタリ式のシフト制御装置。
  3. 前記認識時間調整手段は、前記可動部が前記第1シフト位置へシフト操作されてから所定の時間だけ実施されることを特徴とする請求項1または2のモーメンタリ式のシフト制御装置。
  4. 各シフトレンジに対応する複数のシフト位置と、該複数のシフト位置間を接続する経路と、運転者により操作されて前記経路を移動するモーメンタリ式の可動部と、前記可動部が操作されることによって選択されたシフト位置に応じてシフトレンジを切り換えるシフト制御手段と、を備えるモーメンタリ式のシフト制御装置であって、
    前記可動部が第1シフト位置から第2シフト位置へ操作される前記経路を第1操作経路とし、前記可動部が自動的に復帰される中立位置から前記第2シフト位置へ操作される前記経路を第2操作経路としたとき、
    シフト操作方向が前記第1操作経路の場合には、前記第2操作経路方向の場合と比較して、前記第2シフト位置へ操作されたときの認識時間を長くする認識時間調整手段を含むことを特徴とするモーメンタリ式のシフト制御装置。
  5. 前記第1シフト位置と第2シフト位置とはそれぞれ走行レンジであり、互いに進行方向が異なることを特徴とする請求項4のモーメンタリ式のシフト制御装置。
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