JP2012162684A - 加工顔料、並びに、これを用いた顔料分散組成物、着色感活性光線性又は感放射線性組成物、カラーフィルタ、パターン形成方法、固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子用カラーフィルタ、固体撮像素子 - Google Patents

加工顔料、並びに、これを用いた顔料分散組成物、着色感活性光線性又は感放射線性組成物、カラーフィルタ、パターン形成方法、固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子用カラーフィルタ、固体撮像素子 Download PDF

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Abstract

【課題】微細化された顔料においても、分散させた1次粒子が安定的に維持される分散安定性に優れた加工顔料であって、該加工顔料を用いた顔料分散組成物を含有する着色感活性光線性又は感放射線性組成物からカラーフィルタを製造した場合に、色濃度ムラの小さい良好な色特性のカラーフィルタを製造可能な加工顔料を提供する
【解決手段】特定構造のヘテロ環アゾ顔料であって、平均1次粒子径が5〜50nmであるヘテロ環アゾ顔料を、高分子化合物で被覆してなる加工顔料、並びに、これを用いた顔料分散組成物、着色感活性光線性又は感放射線性組成物、カラーフィルタ、パターン形成方法、固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子用カラーフィルタ、固体撮像素子。
【選択図】なし

Description

本発明は、加工顔料、並びに、これを用いた顔料分散組成物、着色感活性光線性又は感放射線性組成物、カラーフィルタ、パターン形成方法、固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子用カラーフィルタ、固体撮像素子に関する。
カラーフィルタは、有機顔料や無機顔料を分散させた顔料分散組成物と、多官能モノマー、重合開始剤、アルカリ可溶性樹脂及びその他の成分とを含有して着色感光性組成物とし、これを用いてフォトリソ法、インクジェット法などにより着色パターンを形成することで製造されている。
近年、カラーフィルタは、液晶表示素子(LCD)用途においてモニターのみならずテレビ(TV)へと用途が拡大する傾向にある。この用途拡大の傾向に伴い、カラーフィルタには、色度、コントラストなどにおいて高度の色特性が要求されるに至っている。また、イメージセンサ(固体撮像素子)用途のカラーフィルタにおいても、同様に色むらの低減、色分解能の向上など色特性の高いものが求められるようになっている。
上記のような要求に対して、着色感光性組成物に含有される顔料を、より微細な状態で分散させること(良好な分散性)、安定な状態で分散させること(良好な分散安定性)が求められている。顔料の分散性が不充分である場合には、フォトリソ法で形成された着色画素にフリンジ(エッジ部のギザギザ)や表面凹凸が生じ、また基板上の現像残り(残渣)が多く、製造されたカラーフィルタの色度や寸法精度が低下したり、コントラストが著しく劣化したりするという問題がある。また、顔料の分散安定性が不充分である場合には、カラーフィルタの製造工程において、特に、着色硬化性組成物の塗布工程での膜厚の均一性が低下したり、露光工程での感度が低下したり、現像工程でのアルカリ溶解性が低下したりするという問題が生じ易い。更に、顔料の分散安定性が悪い場合には、時間の経過に伴い、着色硬化性組成物の構成成分が凝集を起こして粘度が上昇し、ポットライフが極めて短くなるという問題もある。カラーフィルタのコントラスト等の色特性の向上には、顔料の粒子径を微細化することが有効であるが、顔料の粒子径を微細化すると顔料粒子の表面積が大きくなるため、顔料粒子間の凝集力が強くなり、高度なレベルでの分散性と分散安定性を両立することは、困難であることが多い。
顔料粒子の微細化と分散性向上に関しては、以下のことが知られている。
一般に、顔料の1次粒子の微細化は、顔料、水溶性の無機塩、該無機塩を実質的に溶解しない水溶性有機溶剤をニーダー等で機械的に混練する方法(ソルトミリング法)がよく知られている。得られた微細顔料の1次粒子の混合物を水中に投入し、ミキサー等で撹拌しスラリー状とする。次に、このスラリーをろ過、水洗して乾燥することにより、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体として微細顔料が得られる。サンドミル、ボールミル等の通常の分散機での分散工程は、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体をほぐして1次粒子に近い状態の分散体を得る工程である。
しかしながら、顔料の1次粒子を微細化していくと、凝集しやすくなり、スラリーあるいは乾燥時に凝集体(2次凝集体)が生成しやすくなる。また、顔料の1次粒子が微細になるにしたがって、強い2次凝集が起こりやすくなる。そのため、微細化した顔料を1次粒子にまで再分散するのは、一般に非常に困難である。2次凝集体が多く存在する分散体を用いて形成されたカラーフィルタは、光の散乱が大きく、コントラストが著しく低下したり、色濃度ムラを生じるため、顔料分散組成物としては、凝集することなく1次粒子が安定に分散されたものが好ましく、かつ取り扱いが容易な性状であることが望まれる。
この微細化した顔料の強い2次凝集を抑制することを目的として、ソルトミリング工程時に、それぞれロジン又はロジン誘導体あるいは非水溶性モノマー又はオリゴマーを添加して顔料を処理し、該顔料の分散体を用いてコントラストの高いカラーフィルタを得る技術が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
また、分散工程時に側鎖に複素環を有する高分子化合物を、分散剤として顔料の分散工程で使用し、分散安定性に優れ、高いコントラストのカラーフィルタ用着色パターンを形成しうる顔料分散組成物、着色感光性組成物、及びカラーフィルタを得ようとする技術も提案されている(例えば、特許文献3参照。)。
更に、コントラストが高く、色濃度ムラの小さい良好な色特性のカラーフィルタを提供する為に、側鎖に複素環を有する高分子化合物を、顔料の微細化工程で添加して被覆処理することにより製造した加工顔料も提案されている。(例えば、特許文献4)
またカラーフィルタ用の着色組成物に使用される顔料としては、例えば、特許文献5に特定のヘテロ環アゾ顔料が開示されている。
しかしながら、これらの方法によっても、微細な顔料における高い分散安定性を有すると共に、色濃度ムラの小さい良好な色特性のカラーフィルタを提供することはできず、その改良が望まれていた。
特許第3130217号公報 特開2004-233727号公報 特開2003-26950号公報 特開2009-062457号公報 国際公開第10/008081号パンフレット
即ち、本発明の課題とするところは、微細化された顔料においても、分散させた1次粒子が安定的に維持される分散安定性に優れた加工顔料であって、該加工顔料を用いた顔料分散組成物を含有する着色感活性光線性又は感放射線性組成物からカラーフィルタを製造した場合に、色濃度ムラの小さい良好な色特性(分光特性)のカラーフィルタを製造可能な加工顔料を提供することにある。
本発明の更なる目的は、このような加工顔料を用いた、顔料の分散安定性に優れた顔料分散組成物、そのような顔料組成物を含有する着色感活性光線性又は感放射線性組成物を提供することにある。
また、本発明の別の目的は、前記本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物を用いた、色濃度ムラの小さい良好な色特性のカラーフィルタ、並びに、パターン形成方法、固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子用カラーフィルタ、及び、固体撮像素子を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定構造のヘテロ環アゾ顔料であって、その平均1次粒子径が5〜50nmであるアゾ顔料を、高分子化合物で被覆してなる加工顔料が、1次粒子が安定的に維持され、分散安定性に優れるだけでなく、該加工顔料を用いた顔料分散組成物を含有する着色感活性光線性又は感放射線性組成物からカラーフィルタを製造した場合に、色濃度ムラの小さい良好な色特性のカラーフィルタを製造できることを見出した。
即ち、以下の手段により本発明の目的は達成される。
〔1〕
下記一般式(Az)で表されるアゾ顔料であって、平均1次粒子径が5〜50nmであるアゾ顔料を、高分子化合物で被覆してなる加工顔料。

(一般式(Az)中、
Aは、芳香族5又は6員ヘテロ環基を表す。
Bは、下記一般式(1)〜(3)及び(1−1)〜(1−10)のいずれかで表される構造を表す。
nは、1〜4の整数を表す。)
(一般式(1)〜(3)及び(1−1)〜(1−10)中、
Gは、各々独立して、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基又はアリールスルホニル基を表す。
は、各々独立して、水素原子、−C(=O)NR、−NRC(=O)−R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−OR、−SR、アミノ基、脂肪族基、アリール基、ハロゲン原子又はヘテロ環基を表す。
は、各々独立して、置換基を表し、Rが複数存在する場合、互いに同じであっても、異なっていてもよい。
は、各々独立して、−C(=O)NR、又は−C(=O)ORを表す。
は、各々独立して、水素原子又はアルキル基を表す。
は、各々独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基又は−N(R)(R10)を表す。
は、各々独立して、水素原子又はアルキル基を表す。
は、各々独立して、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシ基又は−N(R)(R10)を表す。
は、各々独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基又はアシル基を表す。
は、各々独立して、水素原子又はアルキル基を表す。
10は、各々独立して、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。RとR、及びRとR10はそれぞれ互いに結合し、5又は6員環を形成していても良い。
11は、各々独立して、アミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
12は、各々独立して、水素原子、脂肪族基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
13は、各々独立して、水素原子、脂肪族基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
Yは、各々独立して、−N=C−N−と共に複素環を形成する2価の基を表す。
mは、各々独立して、0以上の整数を表し、mが2以上のとき、Rは互いに連結して縮環してもよい。
*は、一般式(Az)のアゾ基との結合位置を表す。
一般式(Az)のnが2の場合は、R〜R13、A又はGを介した2量体を表す。nが3の場合は、R〜R13、A又はGを介した3量体を表す。nが4の場合は、R〜R13、A又はGを介した4量体を表す。)
〔2〕
前記高分子化合物が、側鎖に複素環を有する高分子化合物である、上記〔1〕に記載の加工顔料。
〔3〕
前記側鎖に複素環を有する高分子化合物が、下記一般式(H−1)で表される単量体に由来する重合単位を含む、上記〔2〕に記載の加工顔料。
前記一般式(H−1)中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表す。Rは、単結合、又は2価の連結基を表す。Yは、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表す。Zは含窒素複素環構造を有する基を表す。
〔4〕
前記高分子化合物を、顔料の微細化工程で添加して製造した、上記〔1〕〜〔3〕のいずれか1項に記載の加工顔料。
〔5〕
上記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の加工顔料を、有機溶剤中に分散してなる、顔料分散組成物。
〔6〕
更に顔料分散剤を含む、上記〔5〕に記載の顔料分散組成物。
〔7〕
上記〔5〕又は〔6〕に記載の顔料分散組成物、重合性化合物及び光重合開始剤を含有する、着色感活性光線性又は感放射線性組成物。
〔8〕
前記光重合開始剤が、オキシム系光重合開始剤である上記〔7〕に記載の着色感活性光線性又は感放射線性組成物。
〔9〕
上記〔7〕又は〔8〕に記載の着色感活性光線性又は感放射線性組成物を用いて形成された、カラーフィルタ。
〔10〕
支持体上に、上記〔7〕又は〔8〕に記載の着色感活性光線性又は感放射線性組成物を塗布して着色感活性光線性又は感放射線性組成物層を形成する工程と、前記着色感活性光線性又は感放射線性組成物層をマスクを介して露光する工程と、露光後の着色感活性光線性又は感放射線性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程とを含む、パターン形成方法。
〔11〕
支持体上に、上記〔7〕又は〔8〕に記載の着色感活性光線性又は感放射線性組成物を塗布して着色感活性光線性又は感放射線性組成物層を形成する工程と、前記着色感活性光線性又は感放射線性組成物層をマスクを介して露光する工程と、露光後の着色感活性光線性又は感放射線性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程とを含む、固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法。
〔12〕
上記〔11〕に記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法により作製された固体撮像素子用カラーフィルタ。
〔13〕
上記〔12〕に記載の固体撮像素子用カラーフィルタを備えた固体撮像素子。
本発明は、更に下記の構成であることが好ましい。
〔14〕
前記一般式(Az)において、Bが、前記一般式(1)〜(3)及び(1−1)〜(1−4)のいずれかで表される構造である、上記〔1〕〜〔4〕のいずれか1項に記載の加工顔料。
〔15〕
前記一般式(Az)において、Bが、前記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される構造である、上記〔14〕に記載の加工顔料。
本発明によれば、微細化された顔料においても、分散させた1次粒子が安定的に維持される分散安定性に優れた加工顔料であって、該加工顔料を用いた顔料分散組成物を含有する着色感活性光線性又は感放射線性組成物からカラーフィルタを製造した場合に、色濃度ムラの小さい良好な色特性のカラーフィルタを製造可能な加工顔料を提供できる。
また、本発明によれば、このような加工顔料を用いた、顔料の分散安定性に優れた顔料分散組成物、そのような顔料組成物を含有する着色感活性光線性又は感放射線性組成物を提供できる。
また、本発明によれば、前記本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物を用いた、色濃度ムラの小さい良好な色特性のカラーフィルタ、並びに、パターン形成方法、固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法、固体撮像素子用カラーフィルタ、及び、固体撮像素子を提供できる。
合成例5に従って合成された顔料3の赤外吸収スペクトルの図である。 合成例6に従って合成された顔料4の赤外吸収スペクトルの図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
なお、本明細書に於ける基(原子団)の表記に於いて、置換及び無置換を記していない表記は、置換基を有さないものと共に置換基を有するものをも包含するものである。例えば、「アルキル基」とは、置換基を有さないアルキル基(無置換アルキル基)のみならず、置換基を有するアルキル基(置換アルキル基)をも包含するものである。
また本明細書中における「活性光線」又は「放射線」とは、例えば、水銀灯の輝線スペクトル、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、極紫外線(EUV光)、X線、電子線等を意味する。また本発明において光とは、活性光線又は放射線を意味する。本明細書中における「露光」とは、特に断らない限り、水銀灯、エキシマレーザーに代表される遠紫外線、X線、EUV光などによる露光のみならず、電子線、イオンビーム等の粒子線による描画も露光に含める。
以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。なお、本明細書において「〜」を用いて表される数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値を下限値及び上限値として含む範囲を意味する。
なお、本明細書において、“(メタ)アクリレート”はアクリレート及びメタアクリレートを表し、“(メタ)アクリルはアクリル及びメタアクリルを表し、“(メタ)アクリロイル”は、アクリロイル及びメタクリロイルを表す。また、本明細書中において、“単量体”と“モノマー”とは同義である。本発明における単量体は、オリゴマー及びポリマーと区別され、質量平均分子量が2,000以下の化合物をいう。本明細書中において、重合性化合物とは、重合性基を有する化合物のことをいい、単量体であっても、ポリマーであってもよい。重合性基とは、重合反応に関与する基を言う。
また本発明でいう「着色層」は、カラーフィルタに用いられる画素及び/又はブラックマトリックスからなる層を意味する。
以下、本発明の加工顔料、顔料分散組成物、着色感活性光線性又は感放射線性組成物、カラーフィルタ及びその製造方法(パターン形成方法)、固体撮像素子、並びに液晶表示装置について詳述する。以下に記載する構成要件の説明は、本発明の代表的な実施態様に基づいてなされることがあるが、本発明はそのような実施態様に限定されるものではない。
以下、加工顔料について詳細に説明する。
<加工顔料>
本発明の加工顔料は、後述する一般式(Az)で表される特定構造のヘテロ環アゾ顔料であって、その平均1次粒子径が5〜50nmであるアゾ顔料を、高分子化合物で被覆してなることを特徴とする。
このような本発明の加工顔料により、上記効果が得られる理由は定かではないが、本発明に係る特定構造のヘテロ環アゾ顔料は、近年カラーフィルタ用途で要求される色再現域及び感度が非常に良好であり、そのような顔料の平均1次粒子径が5〜50nmとなるように微細化した顔料を、高分子化合物で被覆処理することにより、1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を抑制することができ、顔料を微細な状態のまま安定的に分散することができる。これにより、本発明に係る特定構造のヘテロ環アゾ顔料が有する優れた色再現域及び感度の特性を維持したまま(すなわち、優れた分光特性を有したまま)、顔料分散組成物とした際に顔料の分散安定性に優れるだけでなく、カラーフィルタに適用した際に色濃度ムラ(ザラ性能)が小さくなるものと考えられる。
本発明の加工顔料は、カラーフィルタ用であることが、上記効果が顕著に奏されるため好ましい。
このような微細加工顔料の製造は、例えば、i)顔料と、ii)水溶性の無機塩と、iii)実質的にii)を溶解しない少量の水溶性の有機溶剤、及びiv)高分子化合物を加え、ニーダー等で機械的に混練する工程(この工程をソルトミリングと称する)、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする工程、及び、このスラリーを濾過、水洗して必要により乾燥する工程を経て実施される。このような製造方法により、微細でかつ乾燥時の顔料の凝集が少ない本発明の加工顔料が得られる。
上記したソルトミリングについて、更に具体的に説明する。まず、i)顔料とii)水溶性の無機塩の混合物に、湿潤剤として少量のiii)水溶性の有機溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に,このスラリーを濾過、水洗して必要により乾燥することにより、微細化された顔料が得られる。なお,油性のワニスに分散して用いる場合には、乾燥前の処理顔料(濾過ケーキと呼ぶ)を一般にフラッシングと呼ばれる方法で、水を除去しながら油性のワニスに分散することも可能である。また水系のワニスに分散する場合は、処理顔料は乾燥する必要がなく、濾過ケーキをそのままワニスに分散することができる。
本発明においては、ソルトミリング時に上記iii)有機溶剤にiv)高分子化合物を併用することにより、更に微細で、表面がiv)高分子化合物により被覆された、乾燥時の顔料の凝集が少ない加工顔料が得られる。
乾燥凝集を防ぐ方法として、上記スラリー中にアルカリ水溶液に溶解したアルカリ可溶性樹脂を添加し,充分攪拌混合した後に塩酸又は硫酸等の酸性水溶液で中和して高分子化合物を顔料に沈着させるか,塩化カルシウム又は塩化バリウム等の水溶性の多価金属塩の水溶液を添加して高分子化合物を析出させて顔料に沈着さることにより、乾燥凝集を防ぐことも可能である。
なお、iv)高分子化合物を加えるタイミングは、ソルトミリング工程の初期にすべてを添加してもよく、分割して添加してもよい。
〔i)アゾ顔料〕
まず、本発明における脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基及び置換基について説明する。
本発明における脂肪族基において、その脂肪族部位は直鎖、分岐鎖及び環状のいずれであってもよい。また、飽和であっても不飽和であってもよい。具体的には例えば、アルキル基、アルケニル基、シクロアルキル基、シクロアルケニル基等を挙げることができる。更に脂肪族基は無置換であっても置換基を有していてもよい。
また、アリール基は、単環であっても縮合環であってもよい。また、無置換であっても置換基を有していてもよい。また、ヘテロ環基は、そのヘテロ環部位は環内にヘテロ原子(例えば、窒素原子、イオウ原子、酸素原子)を持つものであればよく、飽和環であっても、不飽和環であってもよい。また、単環であっても縮合環であってもよく、更に無置換であっても置換基を有していてもよい。
アシル基は、脂肪族カルボニル基であっても、アリールカルボニル基であっても、ヘテロ環カルボニル基であってもよく、置換基を有していてもよく、置換してもよい基としては、下記置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。例えばアセチル、プロパノイル、ベンゾイル、3−ピリジンカルボニル等が挙げられる。
また、本発明における置換基とは、置換可能な基であればよく、例えば脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アシルオキシ基、アシルアミノ基、脂肪族オキシ基、アリールオキシ基、ヘテロ環オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、ヘテロ環オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基、アリールスルホニル基、ヘテロ環スルホニル基、脂肪族スルホニルオキシ基、アリールスルホニルオキシ基、ヘテロ環スルホニルオキシ基、スルファモイル基、脂肪族スルホンアミド基、アリールスルホンアミド基、ヘテロ環スルホンアミド基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アリールアミノ基、ヘテロ環アミノ基、脂肪族オキシカルボニルアミノ基、アリールオキシカルボニルアミノ基、ヘテロ環オキシカルボニルアミノ基、脂肪族スルフィニル基、アリールスルフィニル基、脂肪族チオ基、アリールチオ基、ヒドロキシ基、シアノ基、スルホ基、カルボキシ基、脂肪族オキシアミノ基、アリールオキシアミノ基、カルバモイルアミノ基、スルファモイルアミノ基、ハロゲン原子、スルファモイルカルバモイル基、カルバモイルスルファモイル基、ジ脂肪族オキシホスフィニル基、ジアリールオキシホスフィニル基等をあげることができる。
本発明のアゾ顔料は溶解性の観点からイオン性親水性基(例えば、カルボキシル基、スルホ基、ホスホノ基及び4級アンモニウム基)を置換基として含有することはない。イオン性親水性基を含有する場合は、多価金属カチオンとの塩(例えば、マグネシウム、カルシウム、バリウム)であることが好ましく、レーキ顔料であることがより好ましい。
ここで、本明細書中で用いられるハメットの置換基定数σp値について若干説明する。
ハメット則はベンゼン誘導体の反応又は平衡に及ぼす置換基の影響を定量的に論ずるために1935年L.P.Hammettにより提唱された経験則であるが、これは今日広く妥当性が認められている。ハメット則に求められた置換基定数にはσp値とσm値があり、これらの値は多くの一般的な成書に見出すことができるが、例えば、J.A.Dean編、「Lange’s Handbook of Chemistry」第12版、1979年(Mc Graw−Hill)や「化学の領域」増刊、122号、96〜103頁、1979年(南光堂)に詳しい。なお、本発明において各置換基をハメットの置換基定数σpにより限定したり説明したりするが、これは上記の成書で見出せる、文献既知の値がある置換基にのみ限定されるという意味ではなく、その値が文献未知であってもハメット則に基づいて測定した場合にその範囲内に含まれるであろう置換基をも含むことはいうまでもない。本発明の一般式(Az)で表される化合物はベンゼン誘導体ではないが、置換基の電子効果を示す尺度として、置換位置に関係なくσp値を使用する。本発明においては今後、σp値をこのような意味で使用する。
本発明に係るアゾ顔料は、下記一般式(Az)で表されるアゾ顔料であって、その平均1次粒子径が5〜50nmである。一般式(Az)で表される化合物は、その特異的な構造により色素分子の分子間相互作用を形成しやすく、水又は有機溶媒等に対する溶解性が低く、アゾ顔料とすることができる。
一般式(Az)で表されるアゾ顔料の平均1次粒子径は10〜50nmであることが好ましく、10〜40nmであることがより好ましい。アゾ顔料の平均1次粒子径は、透過型電子顕微鏡(TEM)によって求めることができる。
顔料は、水や有機溶媒等に分子分散状態で溶解させて使用する染料とは異なり、溶媒中に分子集合体等の固体粒子として微細に分散させて用いるものである。
また、下記一般式(Az)で表される特定の構造を有することにより、着色力、色相等の色彩的特性において優れた特性を示し、かつ耐光性、耐オゾン性等の耐久性にも優れた特性を示すことができる。
具体的には、一般式(Az)で表されるアゾ顔料を含有する本発明の顔料分散組成物を用いて形成されたカラーフィルタの赤色パターンは、赤色として良好な分光特性を示す。
ここで、「赤色として良好な分光特性」とは、例えば以下の性質の少なくとも1つを指す。下記3つの性質を全て満たす分光特性が最も優れている。
・650nm〜750nmの波長領域における透過率が高い。
・540nm以上の波長領域において、透過率曲線がシャープに立ち上がる。
・540nm未満の波長領域(特に、350nm〜400nm)における透過率が低い。
以下、一般式(Az)で表されるアゾ顔料について説明する。
(一般式(Az)中、
Aは、芳香族5又は6員ヘテロ環基を表す。
Bは、下記一般式(1)〜(3)及び(1−1)〜(1−10)のいずれかで表される構造を表す。
nは、1〜4の整数を表す。)
(一般式(1)〜(3)及び(1−1)〜(1−10)中、
Gは、各々独立して、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基又はアリールスルホニル基を表す。
は、各々独立して、水素原子、−C(=O)NR、−NRC(=O)−R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−OR、−SR、アミノ基、脂肪族基、アリール基、ハロゲン原子又はヘテロ環基を表す。
は、各々独立して、置換基を表し、Rが複数存在する場合、互いに同じであっても、異なっていてもよい。
は、各々独立して、−C(=O)NR、又は−C(=O)ORを表す。
は、各々独立して、水素原子又はアルキル基を表す。
は、各々独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基又は−N(R)(R10)を表す。
は、各々独立して、水素原子又はアルキル基を表す。
は、各々独立して、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシ基又は−N(R)(R10)を表す。
は、各々独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基又はアシル基を表す。
は、各々独立して、水素原子又はアルキル基を表す。
10は、各々独立して、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。RとR、及びRとR10はそれぞれ互いに結合し、5又は6員環を形成していても良い。
11は、各々独立して、アミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
12は、各々独立して、水素原子、脂肪族基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
13は、各々独立して、水素原子、脂肪族基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
Yは、各々独立して、−N=C−N−と共に複素環を形成する2価の基を表す。
mは、各々独立して、0以上の整数を表し、mが2以上のとき、Rは互いに連結して縮環してもよい。
*は、一般式(Az)のアゾ基との結合位置を表す。
一般式(Az)のnが2の場合は、R〜R13、A又はGを介した2量体を表す。nが3の場合は、R〜R13、A又はGを介した3量体を表す。nが4の場合は、R〜R13、A又はGを介した4量体を表す。)
Gで表される脂肪族基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよく、好ましい置換基としては、ヒドロキシ基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基である。Gで表される脂肪族基として、好ましくは総炭素原子数1〜8の脂肪族基であり、より好ましくは総炭素原子数1〜4のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、ビニル、シクロヘキシル、カルバモイルメチル等が挙げられる。
Gで表されるアリール基としては、縮環していてもよく、置換基を有していてもよい。置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよく、好ましい置換基としては、ニトロ基、ハロゲン原子、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基である。Gで表されるアリール基として、好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、より好ましくは総炭素原子数6〜10のアリール基であり、例えばフェニル、4−ニトロフェニル、4−アセチルアミノフェニル、4−メタンスルホニルフェニル等が挙げられる。
Gで表されるヘテロ環基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、縮環していてもよい。置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよく、好ましい置換基としてはハロゲン原子、ヒドロキシ基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基である。Gで表されるヘテロ環基として、好ましくは総炭素原子数2〜12の炭素原子で結合したヘテロ環基であり、より好ましくは炭素原子で結合した総炭素原子数2〜10の5〜6員へテロ環であり、例えば2−テトラヒドロフリル、2−ピリミジル等が挙げられる。
Gで表されるアシル基としては、脂肪族カルボニル基であっても、アリールカルボニル基であっても、ヘテロ環カルボニル基であってもよく、置換基を有していてもよい。置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよく、好ましい置換基としては、ヒドロキシ基、ハロゲン原子、アリール基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基である。Gで表されるアシル基として、好ましくは総炭素原子数2〜8のアシル基であり、より好ましくは総炭素原子数2〜4のアシル基であり、例えばアセチル、プロパノイル、ベンゾイル、3−ピリジンカルボニル等が挙げられる。
Gで表される脂肪族オキシカルボニル基としては、飽和であっても不飽和であってもよく、置換基を有していてもよい。置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよく、好ましい置換基としては、ヒドロキシ基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基である。Gで表される脂肪族オキシカルボニル基として、好ましくは総炭素原子数2〜8のアルコキシカルボニル基であり、より好ましくは総炭素原子数2〜4のアルコキシカルボニル基であり、例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル、(t)−ブトキシカルボニル等が挙げられる。
Gで表されるカルバモイル基としては、置換基を有していてもよい。置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよく、好ましい置換基としては、脂肪族基、アリール基、へテロ環基等が好ましい。Gで表される置換基を有してもよいカルバモイル基として、好ましくは無置換のカルバモイル基、総炭素数2〜9のアルキルカルバモイル基、総炭素原子数7〜11であり、より好ましくは無置換のカルバモイル基、総炭素原子数2〜5のアルキルカルバモイル基であり、例えばN−メチルカルバモイル、N,N−ジメチルカルバモイル、N−フェニルカルバモイル等が挙げられる。
Gで表される脂肪族スルホニル基としては、飽和であっても不飽和であってもよく、置換基を有していてもよい。置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよく、好ましい置換基としては、ヒドロキシ基、アリール基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基である。Gで表される脂肪族スルホニル基として、好ましくは総炭素原子数1〜6のアルキルスルホニル基であり、より好ましくは総炭素原子数1〜4のアルキルスルホニル基であり、例えばメタンスルホニル等が挙げられる。
Gで表されるアリールスルホニル基としては、置換基を有していてもよい。置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよく、好ましい置換基としては、ヒドロキシ基、脂肪族基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基である。Gで表されるアリールスルホニル基として、好ましくは総炭素原子数6〜10のアリールスルホニル基であり、例えばベンゼンスルホニル等が挙げられる。
Gとして好ましくは、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基であり、より好ましくは水素原子である。分子内水素結合又は分子内交叉水素結合を形成しやすくなるためである。
で表されるアミノ基としては、置換基を有していてもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基であって、置換可能な基であればなんでもよく、置換基として好ましくは、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基等が挙げられる。Rで表される置換基を有してもよいアミノ基として、好ましくは無置換のアミノ基、総炭素原子数1〜10のアルキルアミノ基、総炭素原子数2〜10のジアルキルアミノ基、総炭素原子数6〜12のアリールアミノ基、総炭素原子数2〜12の飽和であっても、不飽和であってもよいヘテロ環アミノ基であり、より好ましくは、無置換のアミノ基、総炭素原子数1〜8のアルキルアミノ基、総炭素原子数2〜8のジアルキルアミノ基、総炭素原子数6〜10のアリールアミノ基、総炭素原子数2〜12の飽和であっても、不飽和であってもよいヘテロ環アミノ基であり、例えばメチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N−フェニルアミノ、N−(2−ピリミジル)アミノ等が挙げられる。
で表される脂肪族基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。置換基としては、前述の置換基の項で述べた基であって、置換可能な基であればなんでもよく、好ましい置換基としては、ヒドロキシ基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基である。Rの脂肪族基として、好ましくは総炭素原子数1〜8のアルキル基であって、より好ましくは総炭素数数1〜4のアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、(s)−ブチル、メトキシエチル、カルバモイルメチル等が挙げられる。
で表されるアリール基としては、縮環していてもよく、置換基を有していてもよい。置換基としては、前述の置換基の項で述べた基であって、置換可能な基であればなんでもよく、好ましい置換基としては、ニトロ基、ハロゲン原子、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基、アルコキシ基である。Rのアリール基として、好ましくは総炭素原子数6〜12のアリール基であって、より好ましくは総炭素原子数6〜10のアリール基であり、例えば、フェニル、4−メチルフェニル、3−クロルフェニル等が挙げられる。
で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子等が挙げられる。
で表されるヘテロ環基としては、飽和ヘテロ環であっても、不飽和ヘテロ環基であってもよく、置換基を有していてもよく、縮環していてもよい。置換基としては、前述の置換基の項で述べた基であって、置換可能な基であればなんでもよく、好ましい置換基としてはハロゲン原子、ヒドロキシ基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基である。Rのヘテロ環基として、好ましくは総炭素原子数2〜10のヘテロ環基であって、より好ましくは総炭素原子数2〜8の窒素原子で結合した飽和ヘテロ環基であり、例えば、1−ピペリジル、4−モルホリニル、2−ピリミジル、4−ピリジル等が挙げられる。
として好ましくは、−C(=O)NR、−NRC(=O)−R、−C(=O)OR又は−ORであり、より好ましくは、−C(=O)NR、−C(=O)OR又は−ORであり、更に好ましくは−C(=O)NRである。
及びRは、それぞれ水素原子又はアルキル基を表す。
及びRで表されるアルキル基としては、置換基を有していてもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。R及びRで表されるアルキル基は、直鎖でも、分岐を有するものでも、環状のものでもよい。R及びRで表されるアルキル基として、好ましくは総炭素原子数1〜8のアルキル基であり、より好ましくは総炭素原子数1〜4のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、ビニル、シクロヘキシル、カルバモイルメチル等が挙げられる。
は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、又は−N(R)(R10)を表す。
で表されるアルキル基としては、置換基を有していてもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。Rで表されるアルキル基は、直鎖でも、分岐を有するものでも、環状のものでもよい。Rで表されるアルキル基として、好ましくは総炭素原子数1〜8のアルキル基であり、より好ましくは総炭素原子数1〜4のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、ビニル、シクロヘキシル、カルバモイルメチル等が挙げられる。
で表されるアリール基としては、縮環していてもよく、置換基を有していてもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。Rで表されるアリール基として、好ましくは炭素数6〜12のアリール基であり、より好ましくは総炭素原子数6〜10のアリール基であり、例えばフェニル、4−ニトロフェニル、4−アセチルアミノフェニル、4−メタンスルホニルフェニル等が挙げられる。
で表されるヘテロ環基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、縮環していてもよい。Rで表されるヘテロ環基として、好ましくは総炭素原子数2〜12の炭素原子で結合したヘテロ環基であり、より好ましくは炭素原子で結合した総炭素原子数2〜10の5〜6員へテロ環であり、例えば2−テトラヒドロフリル、2−ピリミジル等が挙げられる。
はアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシ基又は−N(R)(R10)を表す。
で表されるアルキル基、アリール基、ヘテロ環基の具体例及び好ましい範囲は、Rで表されるアルキル基、アリール基、ヘテロ環基の具体例及び好ましい範囲と同様である。
で表されるアシル基としては、脂肪族カルボニル基であっても、アリールカルボニル基であっても、ヘテロ環カルボニル基であってもよく、置換基を有していてもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。Rで表されるアシル基として、好ましくは総炭素原子数2〜8のアシル基であり、より好ましくは総炭素原子数2〜4のアシル基であり、例えばアセチル、ベンゾイル、3−ピリジンカルボニル等が挙げられる。
で表されるアルコキシ基としては、置換基を有していてもよく、置換基としては、前述の置換基の項で述べた基であって、置換可能な基であればなんでもよい。Rで表されるアルコキシ基として、好ましくは総炭素原子数1〜8のアルコキシ基であって、より好ましくは総炭素原子数1〜4のアルコキシ基であり、例えば、メトキシ、エトキシ、(t)−ブトキシ、メトキシエトキシ、カルバモイルメトキシ等が挙げられる。
は水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基又はアシル基を表す。
で表されるアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基の具体例及び好ましい範囲は、Rで表されるアルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基の具体例及び好ましい範囲と同様である。
は水素原子又はアルキル基を表し、R10は水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
及びR10で表されるアルキル基の具体例及び好ましい範囲は、Rで表されるアルキル基の具体例及び好ましい範囲と同様である。
10で表されるアリール基、ヘテロ環基の具体例及び好ましい範囲は、Rで表されるアリール基、ヘテロ環基の具体例及び好ましい範囲と同様である。
とR、及びRとR10はそれぞれ互いに結合し、5又は6員環を形成していても良い。
とR、RとR10が互いに結合し形成する5又は6員環は、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、縮環していてもよく、例えばモルホリン、ピペリジン等が挙げられる。
として好ましくは、水素原子であり、Rとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基であり、Rとして好ましくは、水素原子であり、Rとして好ましくはアルキル基、アリール基であり、Rとして好ましくは水素原子、アルキル基、アリール基である。Rとして好ましくは、水素原子であり、R10として好ましくは、水素原子、アルキル基、アリール基である。
は、置換基を表し、Rが複数存在する場合、互いに同じであっても、異なっていてもよい。またmが2以上のとき、Rは互いに連結して縮環してもよい。
で表される置換基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であればなんでもよく、好ましくは脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、脂肪族オキシカルボニル基、カルボキシル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、置換基を有していてもよいカルバモイルアミノ基、置換基を有していてもよいスルファモイル基、脂肪族オキシ基、脂肪族チオ基、シアノ基、ハロゲン原子、ヒドロキシ基であり、より好ましくは、脂肪族オキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、アシルアミノ基、置換基を有していてもよいカルバモイルアミノ基、脂肪族オキシ基、ハロゲン原子であり、最も好ましくは、脂肪族オキシ基である。
これらの置換基が更に置換基を有する場合は、脂肪族基、ヒドロキシ基、アミド結合、エーテル結合、オキシカルボニル結合、チオエーテル結合等を有する置換基が好ましく、ヘテロ原子と水素原子の結合を有する置換基が、分子間水素結合等の分子間相互作用をし易くする観点でより好ましい。
で表される脂肪族基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。Rの脂肪族基として、好ましくは総炭素原子数1〜8のアルキル基であり、より好ましくは総炭素原子数1〜6のアルキル基であり、例えばメチル、エチル、i−プロピル、シクロヘキシル、t−ブチル等が挙げられる。
で表されるアリール基としては、置換基を有していてもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。Rのアリール基として、好ましくは総炭素原子数6〜12のアリール基であり、より好ましくは総炭素原子数6〜10のアリール基であり、例えばフェニル、3−メトキシフェニル、4−カルバモイルフェニル等が挙げられる。
で表されるヘテロ環基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、縮環していてもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。Rのヘテロ環基として、好ましくは総炭素原子数2〜16のヘテロ環基であり、より好ましくは総炭素原子数2〜12の5〜6員環のヘテロ環基であり、例えば1−ピロリジニル、4−モルホリニル、2−ピリジル、1−ピロリル、1−イミダゾリル、1−ベンゾイミダゾリル等が挙げられる。
で表される脂肪族オキシカルボニル基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。Rの脂肪族オキシカルボニル基として、好ましくは総炭素原子数1〜8のアルコキシカルボニル基であり、より好ましくは総炭素原子数1〜6のアルコキシカルボニル基であり、例えばメトキシカルボニル、i−プロピルオキシカルボニル、カルバモイルメトキシカルボニル等が挙げられる。
で表されるカルバモイル基としては、置換基を有していてもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよく、好ましくは、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基等である。Rの置換基を有していてもよいカルバモイル基として、好ましくはカルバモイル基、総炭素原子数2〜9のアルキルカルバモイル基、総炭素原子数3〜10のジアルキルカルバモイル基、総炭素原子数7〜13のアリールカルバモイル基、総炭素原子数3〜12のヘテロ環カルバモイル基であり、より好ましくはカルバモイル基、総炭素原子数2〜7のアルキルカルバモイル基、総炭素原子数3〜6のジアルキルカルバモイル基、総炭素原子数7〜11のアリールカルバモイル基、総炭素原子数3〜10のヘテロ環カルバモイル基であり、例えば、カルバモイル、メチルカルバモイル、ジメチルカルバモイル、フェニルカルバモイル、4−ピリジンカルバモイル等が挙げられる。
で表されるアシルアミノ基としては、置換基を有していてもよく、脂肪族であっても、芳香族であっても、ヘテロ環であってもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。Rのアシルアミノ基として、好ましくは総炭素原子数2〜12のアシルアミノ基であり、より好ましくは総炭素原子数2〜8のアシルアミノ基であり、更に好ましくは総炭素原子数2〜8のアルキルカルボニルアミノ基であって、例えばアセチルアミノ、ベンゾイルアミノ、2−ピリジンカルボニルアミノ、プロパノイルアミノ等が挙げられる。
で表されるスルホンアミド基としては、置換基を有していてもよく、脂肪族であっても、芳香族であっても、ヘテロ環であってもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。Rのスルホンアミド基として、好ましくは総炭素原子数1〜12のスルホンアミド基であり、より好ましくは総炭素原子数1〜8のスルホンアミド基であり、更に好ましくは総炭素原子数1〜8のアルキルスルホンアミド基であって、例えばメタンスルホンアミド、ベンゼンスルホンアミド、2−ピリジンスルホンアミド等が挙げられる。
で表されるカルバモイルアミノ基としては置換基を有していてもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよく、好ましくは、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基等である。Rの置換基を有していてもよいカルバモイルアミノ基として、好ましくはカルバモイルアミノ基、総炭素原子数2〜9のアルキルカルバモイルアミノ基、総炭素原子数3〜10のジアルキルカルバモイルアミノ基、総炭素原子数7〜13のアリールカルバモイルアミノ基、総炭素原子数3〜12のヘテロ環カルバモイルアミノ基であり、より好ましくはカルバモイルアミノ基、総炭素原子数2〜7のアルキルカルバモイルアミノ基、総炭素原子数3〜6のジアルキルカルバモイルアミノ基、総炭素原子数7〜11のアリールカルバモイルアミノ基、総炭素原子数3〜10のヘテロ環カルバモイルアミノ基であり、例えば、カルバモイルアミノ、メチルカルバモイルアミノ、N,N−ジメチルカルバモイルアミノ、フェニルカルバモイルアミノ、4−ピリジンカルバモイルアミノ等が挙げられる。
で表される置換基を有していてもよいスルファモイル基として、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよく、好ましくは、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基等である。Rの置換基を有していてもよいスルファモイル基として、好ましくはスルファモイル基、総炭素原子数1〜9のアルキルスルファモイル基、総炭素原子数2〜10のジアルキルスルファモイル基、総炭素原子数7〜13のアリールスルファモイル基、総炭素原子数2〜12のヘテロ環スルファモイル基であり、より好ましくはスルファモイル基、総炭素原子数1〜7のアルキルスルファモイル基、総炭素原子数3〜6のジアルキルスルファモイル基、総炭素原子数6〜11のアリールスルファモイル基、総炭素原子数2〜10のヘテロ環スルファモイル基であり、例えば、スルファモイル、メチルスルファモイル、N,N−ジメチルスルファモイル、フェニルスルファモイル、4−ピリジンスルファモイル等が挙げられる。
で表される脂肪族オキシ基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。Rの脂肪族オキシ基として、好ましくは総炭素原子数1〜8のアルコキシ基であり、より好ましくは総炭素原子数1〜6のアルコキシ基であり、例えばメトキシ、エトキシ、i−プロピルオキシ、シクロヘキシルオキシ、メトキシエトキシ等が挙げられる。
で表される脂肪族チオ基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。Rの脂肪族チオ基として、好ましくは総炭素原子数1〜8のアルキルチオ基であり、より好ましくは総炭素原子数1〜6のアルキルチオ基であり、例えばメチルチオ、エチルチオ、カルバモイルメチルチオ、t−ブチルチオ等が挙げられる。
で表されるハロゲン原子としては、好ましくはフッ素原子、塩素原子、臭素原子であり、より好ましくは塩素原子が挙げられる。
本発明の効果の点で、Rは、脂肪族オキシ基、脂肪族オキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基である場合が好ましく、脂肪族オキシ基である場合はより好ましい。
またmが2以上のとき、Rが互いに連結して形成される環としては、脂肪族環であっても、脂肪族ヘテロ環であっても、芳香族環であっても、芳香族ヘテロ環であってもよい。Rが互いに連結して形成される環の炭素数は好ましくは2〜20であり、より好ましくは3〜10である。
は、−C(=O)NR又は−C(=O)ORを表す。R、R及びRの具体例及び好ましい範囲は上述のR、R及びRと同様である。Rは、−C(=O)NRを表すことが好ましい。
11は、アミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
11で表されるアミノ基としては、置換基を有していてもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基であって、置換可能な基であればなんでもよく、置換基として好ましくは、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基等が挙げられる。
これらの置換基は、更に置換基を有していてもよく、その置換基としては、脂肪族基、ヒドロキシ基、アミド結合、エーテル結合、オキシカルボニル結合、チオエーテル結合等を有する置換基が好ましく、ヘテロ原子と水素原子の結合を有する置換基が、分子間水素結合等の分子間相互作用をし易くする観点でより好ましい。
11で表される置換基を有してもよいアミノ基として、好ましくは無置換のアミノ基、総炭素原子数1〜10のアルキルアミノ基、総炭素原子数2〜10のジアルキルアミノ基、総炭素原子数6〜13のアリールアミノ基、総炭素原子数2〜12の飽和であっても、不飽和であってもよいヘテロ環アミノ基であり、より好ましくは、無置換のアミノ基、総炭素原子数1〜8のアルキルアミノ基、総炭素原子数6〜13のアリールアミノ基、総炭素原子数2〜12の飽和であっても、不飽和であってもよいヘテロ環アミノ基であり、例えばメチルアミノ、N,N−ジメチルアミノ、N−フェニルアミノ、N−(2−ピリミジル)アミノ等が挙げられる。
更に好ましくは、置換基を有していても良い総炭素原子数6〜13のアリールアミノ基及び置換基を有していても良い総炭素原子数2〜12の飽和であっても、不飽和であってもよいヘテロ環アミノ基である。
11がアリールアミノ基の場合、アリール基上の置換基が、アミノ基との結合位置からパラ位に置換基を有する場合が好ましく、パラ位にのみ置換基を有する場合が最も好ましい。その置換基としては、前述の置換基の項で述べた基で置換可能な基であればなんでも良く、好ましくは、総炭素原子数1〜7、より好ましくは総炭素原子数1〜4の置換基を有していても良い脂肪族基(例えばメチル、エチル、アリル、(i)−プロピル、(t)−ブチル等)、総炭素原子数1〜7、より好ましくは総炭素原子数1〜4の置換基を有していても良い脂肪族オキシ基(例えばメトキシ、エトキシ、(i)−プロピルオキシ、アリルオキシ等)、ハロゲン原子(例えばフッ素、塩素、臭素等)、総炭素原子数1〜7、より好ましくは総炭素原子数1〜4の置換基を有していても良いカルバモイル基(例えばカルバモイル、N−フェニルカルバモイル、N−メチルカルバモイル等)、総炭素原子数1〜7、より好ましくは総炭素原子数1〜4の置換基を有していても良いウレイド基(例えばウレイド、N−メチルウレイド、N,N−ジメチルウレイド、N−4−ピリジルウレイド、N−フェニルウレイド等)、ニトロ基、総炭素原子数1〜7の該アリール基と縮環したヘテロ環(例えばイミダゾロン)、ヒドロキシ基、総炭素原子数1〜7、より好ましくは総炭素原子数1〜4の置換基を有していても良い脂肪族チオ基(例えばメチルチオ、エチルチオ、(i)−プロピルチオ、アリルチオ、(t)−ブチルチオ等)、総炭素原子数2〜7、より好ましくは総炭素原子数2〜4の置換基を有していても良いアシルアミノ基(例えばアセトアミノ、プロピオニルアミノ、ピバロイルアミノ、ベンゾイルアミノ等)、総炭素原子数1〜7、より好ましくは総炭素原子数1〜4の置換基を有していても良い脂肪族オキシカルボニルアミノ基(例えばメトキシカルボニルアミノ、プロピルオキシカルボニルアミノ等)、総炭素原子数2〜7、より好ましくは総炭素原子数2〜4の置換基を有していても良い脂肪族オキシカルボニル基(例えばメトキシカルボニル、エトキシカルボニル等)、総炭素原子数2〜7、より好ましくは総炭素原子数2〜4の置換基を有していても良いアシル基(脂肪族カルボニル基であっても、アリールカルボニル基であっても、ヘテロ環カルボニル基であってもよく、置換基を有していてもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。好ましくは総炭素原子数2〜7のアシル基であり、より好ましくは総炭素原子数2〜4のアシル基であり、例えばアセチル、プロパノイル、ベンゾイル、3−ピリジンカルボニル等)が挙げられる。等が挙げられる。
アリール基上の置換基が、アミノ基との結合位置からパラ位に置換した場合、置換基が分子の末端にあるために、分子間水素結合等の分子間相互作用をし易く、そのために色相がシャープになる。該アリール基上の置換基が更に置換基を有する場合は、脂肪族基、ヒドロキシ基、アミド結合、エーテル結合、オキシカルボニル結合、チオエーテル結合等を有する置換基が好ましく、ヘテロ原子と水素原子の結合を有する置換基が、分子間水素結合等の分子間相互作用をし易くする観点でより好ましい。
11がへテロ環アミノ基の場合、その置換基としては、前述の置換基の項で述べた基で置換可能な基であればなんでも良く、好ましくは、前記アリールアミノ基の場合と同じ置換基が好ましい。該ヘテロ環基上の置換基が更に置換基を有する場合は、脂肪族基、ヒドロキシ基、アミド結合、エーテル結合、オキシカルボニル結合、チオエーテル結合等を有する置換基が好ましく、ヘテロ原子と水素原子の結合を有する置換基が、分子間水素結合等の分子間相互作用をし易くする観点でより好ましい。
11がアリールアミノ基、へテロ環アミノ基の場合のより好ましい置換基としては、脂肪族基、脂肪族オキシ基、ハロゲン原子、カルバモイル基、該アリール基と縮環したへテロ環、脂肪族オキシカルボニル基である。置換基として更に好ましくは総炭素原子数1〜4の脂肪族基、総炭素原子数1〜4の脂肪族オキシ基、ハロゲン原子、総炭素原子数1〜4のカルバモイル基、ニトロ基、総炭素原子数2〜4の脂肪族オキシカルボニル基である。
11で表される脂肪族オキシ基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。置換基としては、前述の置換基の項で述べた基であって、置換可能な基であればなんでもよく、好ましい置換基としては、ヒドロキシ基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基である。R11の脂肪族オキシ基として、好ましくは総炭素原子数1〜8のアルコキシ基であって、より好ましくは総炭素原子数1〜4のアルコキシ基であって、更に好ましくは総炭素数1〜2であり、例えば、メトキシ、エトキシ、(t)−ブトキシ、メトキシエトキシ、カルバモイルメトキシ等が挙げられる。
11で表される脂肪族基としては、置換基を有していてもよく、飽和であっても不飽和であってもよい。前述の置換基の項で述べた基であって、置換可能な基であればなんでもよく、好ましい置換基としては、ヒドロキシ基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基である。R11の脂肪族基として、好ましくは総炭素原子数1〜8のアルキル基であって、より好ましくは総炭素数数1〜4のアルキル基であり、例えば、メチル、エチル、(s)−ブチル、メトキシエチル、カルバモイルメチル等が挙げられる。
11で表されるアリール基としては、置換基を有していてもよく、置換基としては、前述の置換基の項で述べた基であって、置換可能な基であればなんでもよい。好ましい置換基としては、脂肪族基、脂肪族オキシ基、ハロゲン原子、カルバモイル基、該アリール基と縮環したへテロ環、脂肪族オキシカルボニル基である。R11のアリール基として、好ましくは総炭素原子数6〜12のアリール基であって、より好ましくは総炭素原子数6〜10のアリール基であり、例えば、フェニル、4−メチルフェニル、3−クロルフェニル等が挙げられる。
11で表されるヘテロ環基としては、飽和ヘテロ環であっても、不飽和ヘテロ環基であってもよく、置換基を有していてもよく、縮環していてもよい。置換基としては、前述の置換基の項で述べた基であって、置換可能な基であればなんでもよく、好ましい置換基としては、脂肪族基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、該へテロ基と縮環したへテロ環、脂肪族オキシカルボニル基である。R11のヘテロ環基として、好ましくは総炭素原子数2〜10のヘテロ環基であって、より好ましくは総炭素原子数2〜8の窒素原子で結合した飽和ヘテロ環基であり、例えば、1−ピペリジル、4−モルホリニル、2−ピリミジル、4−ピリジル等が挙げられる。
11として好ましくは、置換基を有していてもよいアミノ基、脂肪族オキシ基、窒素原子で結合した飽和ヘテロ環基の場合であり、より好ましくは、置換基を有していてもよいアミノ基、脂肪族オキシ基、更に好ましくは置換基を有していてもよいアミノ基である。
11は、−N(R01)−R02−N(R03)(R04)、又は、−N(R01)−R05で表されるアミノ基であることも好ましい。
ここでR01は水素原子、脂肪族基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、好ましくは水素原子を表す。R02はアルキレン基、アリーレン基、カルボニル基又はチオカルボニル基を表し、好ましくはカルボニル基を表す。R03〜R05は各々独立して水素原子、脂肪族基、アリール基、又はヘテロ環基を表し、R01とR05とが、又はR03とR04とが互いに連結してヘテロ環を形成してもよい。形成してもよいヘテロ環としては、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ピロリドン、インドール、インドリン、イソインドール、カルバゾール、ベンゾインドール、イミダゾール、ピラゾール、ピラゾリン、オキサジン、フェノキサジン、ベンゾカルバゾール、チオモルフォリン等の環状アミノ基の環が挙げられる。
01〜R05としての各基は更に置換基を有していてもよい。
03は分子内水素結合又は分子内交叉水素結合が形成しやすいため水素原子であることが好ましい。
04は色相及び耐久性(耐熱・耐光性)の観点からアルキル基又はアリール基であることが好ましく、アリール基であることがより好ましく、フェニル基であることが更に好ましい。
05はアリール基、又はヘテロ環基であることが好ましい。該アリール基及びヘテロ環基は、脂肪族基、アルコキシ基、ハロゲン原子、又はアルキルチオ基で置換された、又は無置換の基であることが好ましい。該アリール基は、フェニル基又はナフチル基であることが好ましい。該ヘテロ環基は、含窒素ヘテロアリール基であることが好ましく、ピリジル基であることがより好ましい。
12は、水素原子、脂肪族基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
12の脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基としては、R11と同様のものが挙げられる。R12は、水素原子又は脂肪族基であることが好ましい。
13は、水素原子、脂肪族基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
13の脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基としては、R11と同様のものが挙げられる。R13は、水素原子又は脂肪族基であることが好ましい。
Yは、−N=C−N−と共に複素環を形成する2価の基であり、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜5)、アルケニレン基(好ましくは炭素数2〜5)、アリーレン基(好ましくは炭素数6〜10)、ヘテロアリーレン基(好ましくは炭素数4〜10)などを挙げることができる。
Yは、アルケニレン基又はアリーレン基が好ましく、アリーレン基であることがより好ましい。
Yが−N=C−N−とともに形成する複素環としては、窒素原子と酸素原子と炭素原子からなる環、又は窒素原子と炭素原子とからなる環であることが好ましく、窒素原子と炭素原子とからなる環であることがより好ましい。また、5又は6員環であることが好ましく、ベンズイミダゾール環又はナフトイミダゾール環を形成していることがより好ましい。
mは、0以上の整数であり、その上限値は、一般式(1)、(2)及び(1−1)〜(1−3)においては5、一般式(3)及び(1−4)においては7、一般式(1−5)〜(1−10)においては4であるが、0〜4の整数である場合が好ましく、0〜3の整数である場合がより好ましく、0又は1である場合はより好ましく、0である場合が、更に好ましい。
nは1又は2である場合が好ましい。
前記一般式(Az)で表されるアゾ顔料において、Bは、顔料としての諸特性(耐熱性、色特性など)の観点から、上記一般式(1)〜(3)及び(1−1)〜(1−4)のいずれかで表される構造であることが好ましく、上記一般式(1)〜(3)のいずれかで表される構造であることが特に好ましい。
Aで表される芳香族5又は6員ヘテロ環基は、芳香族5又は6員ヘテロ環の環を構成する炭素原子に結合する任意の一つの水素原子を除去し、アゾ基との結合手とした1価の基であり、該芳香族5又は6員ヘテロ環としては、縮環していてもよく、単環であってもよく、縮環は炭素環であっても、ヘテロ環であっても、芳香環であっても、非芳香環であってもよく、好ましくは、ヘテロ原子が1〜3個含有の芳香族の5又は6員環である。Aにおける縮環していてもよい芳香族5又は6員ヘテロ環として、好ましくは、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピリダジン環、トリアジン環、ピロール環、フラン環、チオフェン環、イミダゾール環、ピラゾール環、オキサゾール環、チアゾール環、イソオキサゾール環、イソチアゾール環、トリアゾール環、チアジアゾール環、オキサジアゾール環等及びそれらとベンゼン環誘導体、ヘテロ環誘導体との縮環ヘテロ環基である。
Aで表される芳香族5又は6員ヘテロ環基としては、下記一般式(A−1)〜(A−34)のいずれかで表される芳香族5又は6員ヘテロ環基であることが、顔料としての諸特性(耐熱性、色特性など)の観点で好ましい。
(一般式(A−1)〜(A−34)中、R51〜R58は、各々独立に、水素原子又は置換基を表し、隣接する置換基は互いに結合し、5又は6員環を形成していてもよい。*は一般式(Az)のアゾ基との結合位置を表す。)
51〜R54で表される置換基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。R51〜R54の置換基として、好ましくは脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、脂肪族オキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、脂肪族オキシ基、脂肪族チオ基、シアノ基等であり、より好ましくは脂肪族基、脂肪族オキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、脂肪族オキシ基、シアノ基等である。
本発明の効果の点でR51〜R54は水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、脂肪族オキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、脂肪族オキシ基、脂肪族チオ基、シアノ基等である場合が好ましく、水素原子、脂肪族基、脂肪族オキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、脂肪族オキシ基、シアノ基である場合はより好ましい。
55で表される置換基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。R55の置換基として、好ましくは脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基等であり、より好ましくは脂肪族基、アリール基、窒素原子との結合部位の隣接位に窒素原子を含有する芳香族5〜6員ヘテロ環基である。
本発明の効果の点で、R55は脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基である場合が好ましく、脂肪族基、アリール基、該窒素原子との結合部位の隣接位に窒素原子を含有する芳香族5〜6員ヘテロ環基である場合はより好ましく、該窒素原子との結合部位の隣接位に窒素原子を含有する芳香族5〜6員ヘテロ環基である場合は更に好ましい。R55が該窒素原子との結合部位の隣接位に窒素原子を含有する芳香族5〜6員ヘテロ環基あることにより、色素分子の分子間相互作用だけでなく、分子内相互作用を強固に形成しやすくなる。それにより安定な分子配列の顔料を構成しやすくなり、良好な色相、高い堅牢性(耐光・ガス・熱・水等)を示す点で好ましい。
本発明の効果の点で、R55として好ましい、該窒素原子との結合部位の隣接位に窒素原子を含有する芳香族5〜6員ヘテロ環基としては、置換基を有していてもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよく、好ましい置換基としては、ヒドロキシ基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基であり、飽和へテロ環であっても不飽和へテロ環であっても、縮環へテロ環であってもよく、好ましくは総炭素原子数2〜12の該窒素原子との結合部位の隣接位に窒素原子を含有する芳香族5〜6員ヘテロ環基であり、より好ましくは総炭素原子数2〜10の該窒素原子との結合部位の隣接位に窒素原子を含有する芳香族5〜6員ヘテロ環基である。例えば、2−チアゾリル、2−ベンゾチアゾリル、2−オキサゾリル、2−ベンゾオキサゾリル、2−ピリジル、2−ピラジニル、3−ピリダジニル、2−ピリミジニル、4−ピリミジニル、2−イミダゾリル、2−ベンズイミダゾリル、2−トリアジニル等が挙げられ、これらのヘテロ環基は置換基と共に互変異性体構造であってもよい。
本発明の効果の点で、R55として好ましいアリール基としては、置換基を有していてもよく、置換してもよい基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよく、好ましい置換基としては、ヒドロキシ基、ニトロ基、脂肪族オキシ基、カルバモイル基、脂肪族オキシカルボニル基、脂肪族チオ基、アミノ基、脂肪族アミノ基、アシルアミノ基、カルバモイルアミノ基である。R55のアリール基として、好ましくは総炭素原子数6〜12のアリール基であり、より好ましくは総炭素原子数6〜10のアリール基であり、例えばフェニル、3−メトキシフェニル、4−カルバモイルフェニル等が挙げられ、フェニル基が好ましい。
一般式(1)中、R55としては、下記(Y−1)〜(Y−13)のいずれかである場合が好ましく、分子内水素結合構造をとり易い構造にするために6員環の下記(Y−1)〜(Y−6)のいずれかである場合はより好ましく、下記(Y−1)、(Y−3)、(Y−4)、(Y−6)のいずれかである場合は更に好ましく、下記(Y−1)、又は(Y−4)である場合は特に好ましい。一般式(Y−1)〜(Y−13)中の*は、ピラゾール環のN原子との結合部位を表す。Y〜Y11は水素原子又は置換基を表す。(Y−13)におけるG11は5〜6員ヘテロ環を構成する事ができる非金属原子群を表し、G11で表されるヘテロ環は無置換であっても、置換基を有していてもよく、ヘテロ環は単環であっても縮環していてもよい。式(Y−1)〜(Y−13)は置換基と共に互変異性体構造であってもよい。
本発明の効果の点でY〜Y11は水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、脂肪族オキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、脂肪族オキシ基、脂肪族チオ基、シアノ基等である場合が好ましく、水素原子、脂肪族基、脂肪族オキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、脂肪族オキシ基、シアノ基である場合はより好ましい。
56、R57で表される置換基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。R56、R57の置換基として、好ましくは脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、脂肪族オキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、脂肪族オキシ基、脂肪族チオ基、シアノ基等であり、より好ましくは脂肪族基、脂肪族オキシ基、脂肪族チオ基、シアノ基等である。
本発明の効果の点で、R56、R57は、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、脂肪族オキシカルボニル基、置換基を有していてもよいカルバモイル基、アシルアミノ基、スルホンアミド基、脂肪族オキシ基、脂肪族チオ基、シアノ基等である場合が好ましく、水素原子、脂肪族基、脂肪族オキシ基、脂肪族チオ基、シアノ基である場合はより好ましい。
58で表される置換基としては、前述の置換基の項で述べた基で、置換可能な基であれば何でもよい。本発明の効果の点で、R58として、好ましくは、ヘテロ環基、ハメットの置換基定数σp値が0.2以上の電子求引性基であり、σp値が0.3以上の電子求引性基であることが好ましい。上限としては1.0以下の電子求引性基である。R58はσp値がこの範囲であれば、同様な合成方法で合成可能であり、色相長波長化の点で同様の効果を得ることができる。
σp値が0.2以上の電子求引性基であるR58の具体例としては、アシル基、アシルオキシ基、カルバモイル基、アルキルオキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、ジアルキルホスホノ基、ジアリールホスホノ基、ジアリールホスフィニル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホニルオキシ基、アシルチオ基、スルファモイル基、チオシアネート基、チオカルボニル基、ハロゲン化アルキル基、ハロゲン化アルコキシ基、ハロゲン化アリールオキシ基、ハロゲン化アルキルアミノ基、ハロゲン化アルキルチオ基、σp値が0.2以上の他の電子求引性基で置換されたアリール基、ヘテロ環基、ハロゲン原子、アゾ基、又はセレノシアネート基が挙げられる。
前記一般式(Az)で表されるアゾ顔料は、一の態様においては、Aが(A−10)、(A−14)〜(A−16)、(A−25)又は(A−26)であることが好ましく、Aが(A−10)、(A−14)〜(A−16)、又は(A−26)であることがより好ましく、(A−16)であることが更に好ましい。
本発明の効果の点で、一般式(Az)で表されるアゾ顔料は、下記一般式(Az−1)で表されるアゾ顔料であることが好ましい。
(一般式(Az−1)中、
は、各々独立して、水素原子、脂肪族基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
21は、各々独立して、アミノ基、脂肪族オキシ基、又は窒素原子で結合した飽和ヘテロ環基を表す。
22は、各々独立して、置換基を表し、R22が複数存在する場合、互いに同じであっても、異なっていてもよい。
は、各々独立して、下記一般式(A−1)〜(A−34)のいずれかで表される芳香族5又は6員ヘテロ環基を表す。
mは、各々独立して、0以上の整数を表し、mが2以上のとき、R22は互いに連結して縮環してもよい。
nは、1〜4の整数を表す。
一般式(Az−1)のnが2の場合は、R21、R22、A又はGを介した2量体を表す。nが3の場合は、R21、R22、A又はGを介した3量体を表す。nが4の場合は、R21、R22、A又はGを介した4量体を表す。)
(一般式(A−1)〜(A−34)中、R51〜R58は、各々独立に、水素原子又は置換基を表し、隣接する置換基は互いに結合し、5又は6員環を形成していてもよい。*は一般式(Az−1)のアゾ基との結合位置を表す。)
は、水素原子、脂肪族基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
で表される脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基の具体例及び好ましい範囲は、Gで表される脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基の具体例及び好ましい範囲と同様である。
として好ましくは、水素原子である。これは分子内水素結合又は分子内交叉水素結合を形成しやすくなるためである。
21は、アミノ基、脂肪族オキシ基、又は窒素原子で結合した飽和ヘテロ環基を表す。
21で表されるアミノ基、脂肪族オキシ基、窒素原子で結合した飽和ヘテロ環基の具体例及び好ましい範囲は、R11で表されるアミノ基、脂肪族オキシ基、窒素原子で結合した飽和ヘテロ環基の具体例及び好ましい範囲と同様である。
22は、各々独立して、置換基を表し、R22が複数存在する場合、互いに同じであっても、異なっていてもよい。
22で表される置換基の具体例及び好ましい範囲は、Rで表される置換基の具体例及び好ましい範囲と同様である。
は、各々独立して、前記一般式(A−1)〜(A−34)のいずれかで表される芳香族5又は6員ヘテロ環基を表す。一般式(A−1)〜(A−34)中のR51〜R58の具体例及び好ましい範囲は、前述の具体例及び好ましい範囲と同様である。
前記一般式(Az−1)で表されるアゾ顔料は、一の態様においては、Aが(A−10)、(A−14)〜(A−16)、(A−25)又は(A−26)であることが好ましく、Aが(A−10)、(A−14)〜(A−16)、又は(A−26)であることがより好ましく、(A−16)であることが更に好ましい。
mは、前記一般式(1)〜(3)及び(1−1)〜(1−10)におけるmと同義であり、好ましい範囲も同様である。
nは、前記一般式(Az)におけるnと同義であり、好ましい範囲も同様である。
前記一般式(Az)で表されるアゾ顔料の具体例としては、国際公開第10/008081号の段落〔0132〕〜〔0153〕に記載の化合物、特開2010−155983号の段落〔0115〕〜〔0130〕に記載の化合物、特開2010−43255号の段落〔0123〕〜〔0129〕に記載の化合物、特開2010−84135号の段落〔0128〕〜〔0142〕に記載の化合物、以下に構造を示す化合物等が挙げられるが、本発明に用いられるアゾ顔料は、これらに限定されるものではない。また、以下の具体例の構造は化学構造上取りうる数種の互変異性体の中から極限構造式の形で示されるが、記載された構造以外の互変異性体構造であってもよいことは言うまでもない。


本発明の一般式(Az)で表される顔料は、化学構造式が一般式(Az)又はその互変異性体であればよく、多形とも呼ばれるいかなる結晶形態の顔料であってもよい。
結晶多形は、同じ化学組成を有するが、結晶中におけるビルディングブロック(分子又はイオン)の配置が異なることを言う。結晶構造によって化学的及び物理的性質が決定され、各多形は、レオロジー、色、及び他の色特性によってそれぞれ区別することができる。また、異なる多形は、X−Ray Diffraction(粉末X線回折測定結果)やX−Ray Analysis(X線結晶構造解析結果)によって確認することもできる。
本発明の一般式(Az)で表される顔料に結晶多形が存在する場合、どの多形であってもよく、また2種以上の多形の混合物であってもよいが、結晶型が単一のものを主成分とすることが好ましい。すなわち結晶多形が混入していないものが好ましく、単一の結晶型を有するアゾ顔料の含有量はアゾ顔料全体に対し70%〜100%、好ましくは80%〜100%、より好ましくは90%〜100%、更に好ましくは95%〜100、特に好ましくは100%である。単一の結晶型を有するアゾ顔料を主成分とすることで、色素分子の配列に対して規則性が向上し、分子内・分子間相互作用が強まり高次な3次元ネットワークを形成しやすくなる。その結果として色相の向上・光堅牢性・熱堅牢性・湿度堅牢性・酸化性ガス堅牢性及び耐溶剤性等、顔料に要求される性能の点で好ましい。
アゾ顔料における結晶多形の混合比は、単結晶X線結晶構造解析、粉末X線回折(XRD)、結晶の顕微鏡写真(TEM)、IR(KBr法)等の固体の物理化学的測定値から確認できる。
上述した互変異性及び/又は結晶多形の制御は、カップリング反応の際の製造条件で制御することができる。
また、本発明において一般式(Az)で表されるアゾ顔料は、酸基のある場合には、酸基の一部あるいは全部が塩型のものであってもよく、塩型の顔料と遊離酸型の顔料が混在していてもよい。上記の塩型の例としてNa、Li、K等のアルカリ金属の塩、アルキル基若しくはヒドロキシアルキル基で置換されていてもよいアンモニウムの塩、又は有機アミンの塩が挙げられる。有機アミンの例として、低級アルキルアミン、ヒドロキシ置換低級アルキルアミン、カルボキシ置換低級アルキルアミン及び炭素数2〜4のアルキレンイミン単位を2〜10個有するポリアミン等が挙げられる。これらの塩型の場合、その種類は1種類に限られず複数種混在していてもよい。
更に、本発明で使用する顔料の構造において、その1分子中に酸基が複数個含まれる場合は、その複数の酸基は塩型あるいは酸型であり互いに異なるものであってもよい。
本発明において、前記一般式(Az)で表されるアゾ顔料は、結晶中に水分子を含む水和物であってもよい。
また上記例示化合物D−29〜D−37は、上記例示化合物D−29〜D−37におけるAに対応するアミン化合物と、Bに対応する化合物とをジアゾカップリング反応することで得ることが可能である。
例えば、A−NH(Aは式(Az)におけるAである)で表されるヘテロ環アミン化合物を非水系酸性でジアゾニウム化する。これと、Bの一般式(1)〜(3)及び(1−1)〜(1−10)で表される構造において*で表された結合手が水素原子である化合物とを、酸性状態でカップリング反応を行い、常法による後処理を行ってアゾ顔料を製造することができる。
上記一般式(Az)のAのアミノ体に対応するヘテロ環アミンは、市販品で入手することができるものもあるが、一般的には公知慣用の方法、例えば特許第4022271号公報、に記載の方法で製造することができる。
上記一般式(1)〜(3)及び(1−1)〜(1−10)で表される構造に対応するカプラ−は、市販品で入手することもできるが、特開昭63−264762号公報、特開平5−323643号公報、特開平1−179158号公報等に記載の方法及びそれに準じた方法で製造することができる。
上記反応スキームで表されるヘテロ環アミンのジアゾニウム化反応は例えば、硫酸、リン酸、酢酸などの酸性溶媒中、亜硝酸ナトリウム、ニトロシル硫酸、亜硝酸イソアミル等の試薬と15℃以下の温度で10分〜6時間程度反応させることで行うことができる。
カップリング反応は、上述の方法で得られたジアゾニウム塩と上記一般式(1)〜(3)及び(1−1)〜(1−10)で表される化合物とを40℃以下、好ましくは25℃以下で10分〜12時間程度反応させることで行うことができる。
一般式(Az)のnが2以上の場合の合成方法は、一般式(Az)のA又はBの構造中、例えば一般式(1)〜(3)及び(1−1)〜(1−10)中のR〜R13、一般式(A−1)〜(A−34)中のR51〜R58等において、置換可能な2価、3価あるいは4価の置換基を導入した原料を合成し、前記スキームと同様に合成することができる。
このようにして反応させたものは、結晶が析出しているものもあるが、一般的には反応液に水、あるいはアルコール系溶媒を添加し、結晶を析出させ、結晶を濾取することができる。また、反応液にアルコール系溶媒、水等を添加して結晶を析出させて、析出した結晶を濾取することができる。濾取した結晶を必要に応じて洗浄・乾燥して、一般式(Az)で表されるアゾ顔料を得ることができる。
上記の製造方法によって、上記一般式(Az)で表される顔料は粗アゾ顔料(クルード)として得られるが、本発明の顔料として用いる場合、後処理を行うことが望ましい。この後処理の方法としては、例えば、ソルベントソルトミリング、ソルトミリング、ドライミリング、ソルベントミリング、アシッドペースティング等の磨砕処理、溶媒加熱処理などによる顔料粒子制御工程、樹脂、界面活性剤及び分散剤等による表面処理工程が挙げられる。
また上記例示化合物D−1〜D−20は例えば、国際公開第10/008081号に記載の合成方法によっても合成可能である。上記例示化合物D−21〜D−28は例えば、特開2010−155983号に記載の合成方法によっても合成可能である。またその他化合物についても、当業界で公知の方法により合成可能である。
上記の製造方法によって、上記一般式(Az)で表されるアゾ顔料は粗アゾ顔料(クルード)として得られるが、本発明の顔料として用いる場合、後処理を行うことが望ましい。この後処理の方法としては、例えば、ソルベントソルトミリング、ソルトミリング、ドライミリング、ソルベントミリング、アシッドペースティング等の磨砕処理、溶媒加熱処理などによる顔料粒子制御工程、樹脂、界面活性剤及び分散剤等による表面処理工程が挙げられる。
本発明の一般式(Az)で表されるアゾ顔料は後処理として溶媒加熱処理及び/又はソルベントソルトミリングを行うことが好ましい。
ソルベントソルトミリングを行うことにより、一般式(Az)で表されるアゾ顔料の平均一次粒子径を上記範囲により容易に調整できる。
溶媒加熱処理に使用される溶媒としては、例えば、水、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等のハロゲン化炭化水素系溶媒、イソプロパノール、イソブタノール等のアルコール系溶媒、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン等の極性非プロトン性有機溶媒、氷酢酸、ピリジン、又はこれらの混合物等が挙げられる。上記で挙げた溶媒に、更に無機又は有機の酸又は塩基を加えてもよい。溶媒加熱処理の温度は所望する顔料の一次粒子径の大きさによって異なるが、40〜150℃が好ましく、60〜100℃が更に好ましい。また、処理時間は、30分〜24時間が好ましい。
ソルベントソルトミリングとしては、例えば、粗アゾ顔料と、無機塩と、それを溶解しない有機溶剤とを混練機に仕込み、その中で混練磨砕を行うことが挙げられる。
上記無機塩としては、水溶性無機塩が好適に使用でき、例えば塩化ナトリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等の無機塩を用いることが好ましい。
また、平均粒子径0.5〜50μmの無機塩を用いることがより好ましい。当該無機塩の使用量は、粗アゾ顔料に対して3〜20質量倍とするのが好ましく、5〜15質量倍とするのがより好ましい。
有機溶剤としては、水溶性有機溶剤が好適に使用でき、混練時の温度上昇により溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から高沸点溶剤が好ましい。このような有機溶剤としては、例えばジエチレングリコール、グリセリン、エチレングリコール、プロピレングリコール、液体ポリエチレングルコール、液体ポリプロピレングリコール、2−(メトキシメトキシ)エタノール、2−ブトキシエタノール、2ー(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングルコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコール又はこれらの混合物が挙げられる。当該水溶性有機溶剤の使用量は、粗アゾ顔料に対して0.1〜5質量倍が好ましい。混練温度は、20〜130℃が好ましく、40〜110℃が特に好ましい。混練機としては、例えばニーダーやミックスマーラー等が使用できる。
また、ソルベントソルトミリングとしては、特開2009−263501号公報段落0007〜段落0071に記載の方法を用いることも好ましい。
即ち、この好ましいソルベントソルトミリングは、摩砕剤として、平均粒子径が5.5μm以下であり、かつ粒径10.0μm以上の含有量が5体積%以下である顔料摩砕用無水硫酸ナトリウムを用いるソルベントソルトミリングである。
ここで、前記顔料摩砕用無水硫酸ナトリウムは、平均粒子径が2.0μm以上4.0μm以下であり、かつ粒径10.0μm以上の含有量が1体積%以下であることが好ましい。また、前記顔料摩砕用無水硫酸ナトリウムは、水分の含有量が1.0質量%以下であることが好ましい。また、前記顔料摩砕用無水硫酸ナトリウムは、固結防止剤を含有することが好ましい。
本発明の加工顔料における、前記一般式(Az)で表されるアゾ顔料の含有量は、1〜99質量%であることが好ましく、10〜95質量%であることが好ましく、20〜95質量%であることがより好ましい。色濃度やその他成分とのバランスのためである。
<その他の顔料>
本発明の顔料分散組成物は、本発明の目的を妨げない範囲において、前記一般式(Az)で表されるアゾ顔料とともに、前記一般式(Az)で表されるアゾ顔料以外のその他の顔料を含んでいてもよい。
前記その他の顔料としては特に限定はなく、例えば、アゾ系顔料、ジスアゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、縮合アゾ系顔料、アゾレーキ系顔料、アントラキノン系顔料、ジケトピロロピロール系顔料、キナクリドン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、ペリノン系顔料、ペリレン系顔料などから選択される1種以上の顔料及び/又はその誘導体を使用してもよい。
前記その他の顔料としては、カラーインデックス(C.I.;The Society of Dyers and Colourists 社発行)においてピグメント(Pigment)に分類されている化合物、すなわち、下記のようなカラーインデックス(C.I.)番号が付されているものを挙げることができる。
C.I.Pigment Red 1,2,3,4,5,6,7,9,10,14,17,22,23,31,38,41,48:1,48:2,48:3,48:4,49,49:1,49:2,52:1,52:2,53:1,57:1,60:1,63:1,66,67,81:1,81:2,81:3,83,88,90,105,112,119,122,123,144,146,149,150,155,166,168,169,170,171,172,175,176,177,178,179,184,185,187,188,190,200,202,206,207,208,209,210,216,220,224,226,242,246,254,255,264,270,272,279、
C.I.Pigment Yellow 1,2,3,4,5,6,10,11,12,13,14,15,16,17,18,20,24,31,32,34,35,35:1,36,36:1,37,37:1,40,42,43,53,55,60,61,62,63,65,73,74,77,81,83,86,93,94,95,97,98,100,101,104,106,108,109,110,113,114,115,116,117,118,119,120,123,125,126,127,128,129,137,138,139,147,148,150,151,152,153,154,155,156,161,162,164,166,167,168,169,170,171,172,173,174,175,176,177,179,180,181,182,185,187,188,193,194,199,213,214、
C.I.Pigment Orange 2,5,13,16,17:1,31,34,36,38,43,46,48,49,51,52,55,59,60,61,62,64,71,73、
C.I.Pigment Green 7,10,36,37、58
C.I.Pigment Blue 1,2,15,15:1,15:2,15:3,15:4,15:6,16,22,60,64,66,79,79のCl置換基をOHに変更したもの,80、
C.I.Pigment Violet 1,19,23,27,32,37,42、
C.I.Pigment Brown 25,28、
C.I.Pigment Black 1等を挙げることができる。
但し、本発明においてはこれらに限定されるものではない。
これらの中で好ましく用いることができる顔料として、以下のものを挙げることができる。
C.I.Pigment Yellow 11,24,108,109,110,138,139,150,151,154,167,180,185、
C.I.Pigment Orange 36,71、
C.I.Pigment Red 122,150,171,175,177,209,224,242,254,255,264、
C.I.Pigment Violet 19,23,29,32、
C.I.Pigment Blue 15:1,15:3,15:6,16,22,60,66、
C.I.Pigment Green 7,36,37、58
C.I.Pigment Black 1
また、前記無機顔料の具体例としては、酸化チタン、硫酸バリウム、炭酸カルシウム、亜鉛華、硫酸鉛、黄色鉛、亜鉛黄、べんがら(赤色酸化鉄(III))、カドミウム赤、群青、紺青、酸化クロム緑、コバルト緑、アンバー、チタンブラック、合成鉄黒、カーボンブラック等を挙げることができる。本発明において顔料は、単独で又は2種以上を混合して使用することができる。
特に本発明の顔料分散組成物においては、赤色パターン(赤色カラーフィルタ)としての分光特性(色相)をより向上させる観点より、前記一般式(Az)で表されるアゾ系顔料とともに、更に、レッド(Red)、イエロー(Yellow)、オレンジ(Orange)、及びバイオレット(Violet)から選択される色相を有する顔料を少なくとも1種含有することが好ましい。これらの顔料としては、上記で例示したC.I.番号が付されている顔料から少なくとも1種を選択して用いることができる。これにより、短波長側(例えば、波長500nm以下(より好ましくは波長400nm以下))の透過率をより抑制し、より良好な赤色の色相を得ることができる。
一般式(Az)で表されるアゾ顔料以外の他の顔料(特に、レッド、イエロー、オレンジ、及びバイオレットから選択される色相を有する顔料)を併用する場合、その含有量は、本発明の顔料分散組成物(又は、本発明の着色硬化性組成物)中の顔料の総質量中、50質量%以下であることが好ましく、40質量%以下であることがより好ましく、30質量%以下であることが特に好ましい。
他の顔料(特に、レッド、イエロー、オレンジ、及びバイオレットから選択される色相を有する顔料)の含有量の下限には特に限定はないが、分光特性の調整の観点より、5質量%が好ましく、10質量%であることがより好ましい。
〔ii)水溶性の無機塩〕
本発明に用いられる水溶性の無機塩は、水に溶解するものであれば特に限定されず、塩化ナトリウム、塩化バリウム、塩化カリウム、硫酸ナトリウム等を用いることができるが、価格の点から塩化ナトリウム又は硫酸ナトリウムを用いるのが好ましい。
ソルトミリングする際に用いる無機塩の量は、処理効率と生産効率の両面から、有機顔料の1〜30質量倍、特に5〜25質量倍であることが好ましい。有機顔料に対する無機塩の量比が大きいほど微細化効率が高いが、1回の顔料の処理量が少なくなるためである。
〔iii)実質的にii)を溶解しない少量の水溶性の有機溶剤〕
水溶性有機溶剤は、有機顔料、無機塩を湿潤する働きをするものであり、水に溶解(混和)し、かつ用いる無機塩を実質的に溶解しないものであれば特に限定されない。但し、ソルトミリング時に温度が上昇し、溶剤が蒸発し易い状態になるため、安全性の点から、沸点120℃以上の高沸点溶剤が好ましい。水溶性有機溶剤としては、例えば、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、2−(イソペンチルオキシ)エタノール、2−(ヘキシルオキシ)エタノール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、トリエチレングリコール、トリエチレングリコールモノメチルエーテル、液状のポリエチレングリコール、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、ジプロピレングリコール、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、液状のポリプロピレングリコール等が用いられる。
水溶性有機溶剤の添加量としては、無機塩に対して5質量%〜50質量%が好ましい。より好ましくは無機塩に対して10質量%〜40質量%であり、最適には無機塩に対して15質量%〜35質量%である。添加量が5質量%未満であると、均一な混練が難しくなり、粒子サイズの分布が大きくなって好ましくない。添加量が50質量%以上であると、混練組成物がやわらかくなりすぎ、混練組成物にシェアがかかりにくくなる為に、十分な微細化効果が得られなくなる。iii)水溶性有機溶剤はソルトミリング初期に全てを添加しても良いし、分割して添加しても良い。水溶性有機溶剤は単独で使用しても良いし、2種以上を併用することも出来る。
〔iv)高分子化合物〕
本発明の高分子化合物は、加工顔料を形成する際に導入される高分子化合物である。これにより、微細化した顔料の強い2次凝集を抑制することができ、コントラストの高い加工顔料を得ることができる。
本発明の高分子化合物は、顔料の微細化工程で添加して加工顔料を製造することが好ましい。そのため、微細化工程で使用する溶剤に溶解する高分子化合物であれば特に限定されない。好ましくは室温において固体であり、水不溶性で、かつソルトミリング時の湿潤剤に用いる水溶性有機溶剤に少なくとも一部可溶である必要があり、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等が用いられる。
乾燥した処理顔料を用いる場合には、用いる化合物は室温で固体であることが好ましい。天然樹脂としてはロジンが代表的であり、変性天然樹脂としては、ロジン誘導体、繊維素誘導体、ゴム誘導体、タンパク誘導体及びそれらのオリゴマーが挙げられる。合成樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。天然樹脂で変性された合成樹脂としては、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。
合成樹脂としては、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物が挙げられる。
このようにして得られた本発明の加工顔料は、顔料表面が前記高分子化合物により強固に被覆され、有機溶剤に浸漬した場合でも遊離しないことから、分散性及び分散安定性に優れた加工顔料となり、その応用範囲は広く、特に、顔料分散組成物の調製に有用である。
そのため、高分子化合物は、顔料構造に含まれるアリール基、ヘテロ環基を有することが好ましい。類似構造を有する高分子化合物を使用すると、顔料表面に効率よく被覆することができる。具体的には、ベンジル基、フェニル基、ナフタレン基、ピリジニル基などが挙げられる。後述する、即鎖に複素環構造を有する高分子化合物が特に好ましい。
高分子化合物の分子量としては、重量平均分子量(Mw)で1,000〜100,000の範囲、数平均分子量(Mn)で400〜50,000の範囲であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)で5,000〜50,000の範囲、数平均分子量(Mn)で2,000〜30,000の範囲であることがより好ましい。特に、重量平均分子量(Mw)で8,000〜30,000の範囲、数平均分子量(Mn)で4,000〜12,000の範囲であることが最も好ましい。重量平均分子量(Mw)が100,000以下であると高分子化合物が溶剤に不溶化することを防ぐことができ、重量平均分子量(Mw)が1,000以上であると顔料を十分に被覆することができる。
本発明の高分子化合物は側鎖に複素環を有する高分子化合物であることが好ましい。複素環構造を導入することにより、微細な顔料を得ることができる。高分子化合物に含まれる複素環が、本発明に係る特定のヘテロ環基を有するアゾ顔料(ヘテロ環アゾ顔料)への吸着を促進し、顔料に高分子が特異的に多く被覆されたことによる効果と推定される。このように、顔料が側鎖に複素環を有する高分子化合物で特異的に多く被覆されることにより、顔料が高分子化合物を介して膜中に留まりやすくなり、他色の塗布膜層を塗布した時や、加熱したときに顔料が染み出すことが防がれると考えられる。特に、本発明に係るアゾ顔料をイメージセンサー用途に適用した場合に、従来の方法では、カラーフィルタ上に他色を塗布したときに混色してしまうという問題が発生したが、発明に係るアゾ顔料を側鎖に複素環を有する高分子化合物で被覆した加工顔料を使用した場合には予想外に改善されることが見出された。
このような側鎖に複素環を有する高分子化合物としては、下記一般式(H−1)で表される単量体、又は、マレイミド、マレイミド誘導体からなる単量体に由来する重合単位を含む重合体であることが好ましく、下記一般式(H−1)で表される単量体に由来する重合単位を含む重合体であることが特に好ましい。
前記一般式(H−1)中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表す。Rは、単結合、又は2価の連結基を表す。Yは、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表す。Zは含窒素複素環構造を有する基を表す。
のアルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。Rのアルキル基は、置換基を有していても良い。
で表されるアルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜3がより好ましい。)メトキシ基、エトキシ基、シクロヘキシロキシ基等が挙げられる。
で表される好ましいアルキル基として具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基が挙げられる。
としては、水素原子又はメチル基が最も好ましい。
一般式(H−1)中、Rは、単結合又は2価の連結基を表す。該2価の連結基としては、置換若しくは無置換のアルキレン基が好ましい。該アルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜12のアルキレン基がより好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基が更に好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基が特に好ましい。
で表されるアルキレン基は、ヘテロ原子(例えば、酸素原子、窒素原子、又は硫黄原子)を介して2以上連結したものであってもよい。
で表される好ましいアルキレン基として具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が挙げられる。
で表される好ましいアルキレン基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、等が挙げられる。
で表される2価の連結基としては、上記のアルキレン基の末端において、−O−、−S−、−C(=O)O−、−CONH−、−C(=O)S−、−NHCONH−、−NHC(=O)O−、−NHC(=O)S−、−OC(=O)−、−OCONH−、及び−NHCO−から選ばれるヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造を有し、該ヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造を介してZと連結するものであってもよい。
一般式(H−1)中、Zは複素環構造を有する基を表す。複素環構造を有する基としては、例えば、フタロシアニン系、不溶性アゾ系、アゾレーキ系、アントラキノン系、キナクリドン系、ジオキサジン系、ジケトピロロピロール系、アントラピリジン系、アンサンスロン系、インダンスロン系、フラバンスロン系、ペリノン系、ペリレン系、チオインジゴ系の色素構造や、例えば、チオフェン、フラン、キサンテン、ピロール、ピロリン、ピロリジン、ジオキソラン、ピラゾール、ピラゾリン、ピラゾリジン、イミダゾール、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、チアジアゾール、ピラン、ピリジン、ピペリジン、ジオキサン、モルホリン、ピリダジン、ピリミジン、ピペラジン、トリアジン、トリチアン、イソインドリン、イソインドリノン、ベンズイミダゾロン、ベンゾチアゾール、コハクイミド、フタルイミド、ナフタルイミド、ヒダントイン、インドール、キノリン、カルバゾール、アクリジン、アクリドン、アントラキノン、ピラジン、テトラゾール、フェノチアジン、フェノキサジン、ベンズイミダゾール、ベンズトリアゾール、環状アミド、環状ウレア、環状イミド等の複素環構造が挙げられる。これらの複素環構造は、置換基を有していてもよく、該置換基としては、例えば、アルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子、脂肪族エステル基、芳香族エステル基、アルコキシカルボニル基、等が挙げられる。
Zは、炭素数が6以上である含窒素複素環構造を有する基であることがより好ましく、炭素数が6以上12以下である含窒素複素環構造を有する基であることが特に好ましい。炭素数が6以上である含窒素複素環構造として具体的には、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環、ベンズイミダゾール構造、ベンズトリアゾール構造、ベンズチアゾール構造、環状アミド構造、環状ウレア構造、及び環状イミド構造が好ましく、下記(H−2)、(H−3)又は(H−4)で表される構造であることが特に好ましい。
一般式(H−2)中、Xは、単結合、アルキレン基(例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基など)、−O−、−S−、−NR−、及び−C(=O)−からなる群より選ばれるいずれかである。ここでRは、水素原子又はアルキル基を表す。Rがアルキル基を表す場合のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。
上記した中でも、一般式(H−2)におけるXとしては、単結合、メチレン基、−O−、又は−C(=O)−が好ましく、−C(=O)−が特に好ましい。
一般式(H−4)中、Y及びZは、各々独立に、−N=、−NH−、−N(R)−、−S−、又は−O−を表す。Rはアルキル基を表し、Rがアルキル基を表す場合のアルキル基は、好ましくは炭素数1〜18のアルキル基、より好ましくは炭素数1〜6のアルキル基であり、例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、i−プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基、2−エチルヘキシル基、n−オクタデシル基などが挙げられる。
上記した中でも、一般式(H−4)における、Y及びZとしては、−N=、−NH−、及び−N(R)−が特に好ましい。Y及びZの組み合わせとしては、Y及びZのいずれか一方が−N=であり他方が−NH−である組み合わせ、イミダゾリル基が挙げられる。
一般式(H−2)、(H−3)、及び(H−4)で、環A、環B、環C、及び環Dは、各々独立に、芳香環を表す。該芳香環としては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、インデン環、アズレン環、フルオレン環、アントラセン環、ピリジン環、ピラジン環、ピリミジン環、ピロール環、イミダゾール環、インドール環、キノリン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環等が挙げられ、中でも、ベンゼン環、ナフタレン環、アントラセン環、ピリジン環、フェノキサジン環、アクリジン環、フェノチアジン環、フェノキサジン環、アクリドン環、アントラキノン環が好ましく、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環が特に好ましい。
具体的には、一般式(H−2)における環A及び環Bとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。一般式(H−3)における環Cとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。一般式(H−4)における環Dとしては、例えば、ベンゼン環、ナフタレン環、ピリジン環、ピラジン環、等が挙げられる。
一般式(H−2)、(H−3)及び(H−4)で表される構造の中でも、分散性、分散液の経時安定性の点からは、ベンゼン環、ナフタレン環がより好ましく、一般式(H−2)又は(H−4)においては、ベンゼン環が更に好ましく、一般式(H−3)においては、ナフタレン環が更に好ましい。
本発明の側鎖に複素環を有する高分子化合物において、下記一般式(H−1)で表される単量体、マレイミド、マレイミド誘導体の好ましい具体例を以下に挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
本発明に用いられる側鎖に複素環を有する高分子化合物は、一般式(H−1)で表される単量体、マレイミド、マレイミド誘導体に由来する共重合単位を、1種のみ含むものであってもよいし、2種以上を含んでもよい。
本発明の側鎖に複素環を有する高分子化合物において、一般式(H−1)で表される単量体、マレイミド、マレイミド誘導体に由来する共重合単位の含有量は、特に制限はないが、本発明の側鎖に複素環を有する高分子化合物に含有される全構造単位を100質量%とした場合に、一般式(H−1)で表される単量体、マレイミド、マレイミド誘導体に由来する共重合単位を5質量%以上含有することが好ましく、10〜50質量%含有することがより好ましい。一般式(H−1)で表される単量体、マレイミド、マレイミド誘導体の中でも、一般式(H−1)で表される単量体が顔料への吸着性が高いことから好ましい。
即ち、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、あるいは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めるためには、一般式(H−1)で表される単量体、マレイミド、マレイミド誘導体に由来する共重合単位の含有量は5質量%以上であることが好ましい。また、顔料分散組成物を含有する光硬化性組成物によりカラーフィルタを製造する際の現像性の観点からは、一般式(H−1)で表される単量体に由来する共重合単位の含有量は50質量%以下であることが好ましい。
本発明の側鎖に複素環を有する高分子化合物は、更に、酸基又は塩基性を有する基を有する単量体に由来する共重合単位を含むことが好ましい。高分子化合物が更に酸基を有する単量体に由来する共重合単位を含むことで、顔料分散組成物を感光性組成物に適用した場合において、未露光部の現像除去性に優れる。
酸基を有する単量体としては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、α−クロルアクリル酸、けい皮酸等の不飽和モノカルボン酸類;マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、無水イタコン酸、シトラコン酸、無水シトラコン酸、メサコン酸等の不飽和ジカルボン酸又はその無水物類;3価以上の不飽和多価カルボン酸又はその無水物類;こはく酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、こはく酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)、フタル酸モノ(2−メタクリロイロキシエチル)等の2価以上の多価カルボン酸のモノ〔(メタ)アクリロイロキシアルキル〕エステル類;ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノアクリレート、ω−カルボキシ−ポリカプロラクトンモノメタクリレート等の両末端カルボキシポリマーのモノ(メタ)アクリレート類等を挙げることができる。
塩基性を有する基を有する単量体としては、アミノ基を有する単量体が好ましく、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノプロピルなどを挙げることができる。
本発明の高分子化合物は、酸基又は塩基性を有する基を有する単量体に由来する共重合単位を、1種のみ含むものであってもよいし、2種以上を含んでもよい。
本発明の側鎖に複素環を有する高分子化合物において、酸基を有する単量体に由来する共重合単位の含有量は、好ましくは50〜200mgKOH/gであり、特に好ましくは80〜200mgKOH/gである。より好ましい範囲は100〜180mgKOH/gである。即ち、現像液中での析出物の生成抑制という点では、酸基を有する単量体に由来する共重合単位の含有量は50mgKOH/g以上であることが好ましい。酸価が200mgKOH/g以下であると酸基間の凝集が強くなりすぎることが抑制され、加工顔料間の凝集が生じたり、分散性が劣化したり、となることが抑制されるので好ましい。顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、あるいは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めるためには、酸基を有する単量体に由来する共重合単位の含有量は上記範囲が好ましい。
塩基性を有する基を有する単量体に由来する共重合単位の含有量は、好ましくはアミン価10〜300mgKOH/gであり、より好ましくは20〜300mgKOH/gであり、特に好ましい範囲は30〜280mgKOH/gである。アミン価が300mgKOH/g以下であると塩基性を有する基間の凝集が強くなりすぎることが抑制され、加工顔料間の凝集が生じたり、分散性が劣化したり、となることが抑制されるので好ましい。顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、あるいは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めるためには、塩基性を有する基を有する単量体に由来する共重合単位の含有量は上記範囲が好ましい。
本発明における側鎖に複素環を有する高分子化合物は、その効果を損なわない範囲において、更に、共重合可能なビニルモノマーに由来する共重合単位を含んでいてもよい。
ここで使用可能なビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。このようなビニルモノマーの具体例としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。なお、本明細書において「アクリル、メタクリル」のいずれか或いは双方を示す場合「(メタ)アクリル」と記載することがある。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチルなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
本発明に係る側鎖に複素環を有する高分子化合物の好ましい分子量は、重量平均分子量(Mw)で1,000〜100,000の範囲、数平均分子量(Mn)で400〜50,000の範囲であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)で5,000〜50,000の範囲、数平均分子量(Mn)で2,000〜30,000の範囲であることがより好ましい。特に、重量平均分子量(Mw)で8,000〜30,000の範囲、数平均分子量(Mn)で4,000〜12,000の範囲であることが最も好ましい。
即ち、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、あるいは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めるための観点からは、本発明の側鎖に複素環を有する高分子化合物の重量平均分子量(Mw)は1,000以上であることが好ましい。また、顔料分散組成物を含有する着色感活性光線性又は感放射線性組成物によりカラーフィルタを製造する際の現像性の観点からは、本発明の側鎖に複素環を有する高分子化合物の重量平均分子量(Mw)は100,000以下であることが好ましい。
本発明の顔料分散組成物中、本発明に係る側鎖に複素環を有する高分子化合物の含有量としては質量比で、i)顔料:側鎖に複素環を有する高分子化合物=1:0.01〜1:2が好ましく、より好ましくは、1:0.05〜1:1であり、更に好ましくは、1:0.1〜1:0.6である。
該側鎖に複素環を有する高分子化合物は、例えば、一般式(H−1)で表される単量体と、重合性オリゴマー(マクロモノマー)と、共重合成分として他のラジカル重合性化合物と用い、通常のラジカル重合法によって製造することができる。一般的には、懸濁重合法あるいは溶液重合法などを用いる。このような重合体を合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。これらの溶媒は単独あるいは2種以上混合してもよい。
該ラジカル重合の際、ラジカル重合開始剤を使用することができ、また、更に連鎖移動剤(例、2−メルカプトエタノール及びドデシルメルカプタン)を使用することができる。
本発明の加工顔料の好ましい形態は、i)顔料粒子が側鎖に複素環を有する高分子化合物で被覆されていることを特徴とし、該高分子化合物が顔料粒子表面の一部或いは全部に強固に被覆されることで本発明の効果をより一層奏するものであり、一般的な高分子分散剤が顔料に吸着してなるものとは異なるものである。この被覆状態は以下に示す有機溶剤による洗浄で高分子化合物の遊離量(遊離率)を測定することにより確認できる。即ち、単に吸着してなる高分子化合物は有機溶剤による洗浄によりその殆ど、具体的には、65質量%以上が遊離、除去されるが、本発明の如く表面被覆された加工顔料の場合には遊離率は極めて少なく、30質量%以下である。
本発明の加工顔料を1−メトキシ−2−プロパノールで洗浄して、遊離量を算出する。その方法は、加工顔料10gを1−メトキシ−2−プロパノール100ml中に投入し、振とう機で室温で3時間、振とうさせた。その後遠心分離機で80,000rpmで8時間かけて顔料を沈降させ、上澄み液部分の固形分を乾燥法から求めた。顔料から遊離した高分子化合物の質量を求め、初期の処理に使用した高分子化合物の質量との比から、遊離率(%)を算出した。
市販等の加工顔料の遊離率は、以下の方法で測定できる。即ち、顔料を溶解する溶剤(例えばジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、蟻酸、硫酸など)で、加工顔料全体を溶解した後に、高分子化合物と顔料とに、溶解性の差を利用して有機溶剤で分離して、「初期の処理に使用した高分子化合物の質量」として算出する。別途、加工顔料を1−メトキシ−2−プロパノールで洗浄して、得られた上記の遊離量を、この「初期の処理に使用した高分子化合物の質量」で除して遊離率(%)を求める。
遊離率は小さいほど顔料への被覆率が高く、分散性、分散安定性が良好である。遊離率の好ましい範囲は30質量%以下、より好ましくは20質量%以下、最も好ましくは15質量%以下である。理想的には0%、すなわち、高分子化合物が遊離しない、である。
上記の高分子化合物は2種類以上を併用してもよい。2種類以上の高分子化合物を併用する場合、少なくとも1種類は側鎖に複素環を有する高分子化合物であることが好ましく、2種類以上の側鎖に複素環を有する高分子化合物を併用することがより好ましい。
本発明の加工顔料における、高分子化合物(2種類以上を併用した場合にはその合計)の含有量は、1〜90質量%であることが好ましく、5〜70質量%であることが好ましく、5〜50質量%であることがより好ましい。色濃度を十分確保するためである。
本発明の加工顔料は、有機溶剤中に分散して、顔料分散組成物とすることができる。
分散工程では、加工顔料の他に、顔料誘導体、分散剤を併用することが好ましい。このときに使用する顔料誘導体が酸性である場合、本発明の高分子化合物は中性又は酸性であることが好ましく、更に分散剤は塩基性分散剤であることが好ましい。酸塩基相互作用により、分散性を付与することができる。好ましい酸基としては、スルホン酸、カルボキシル基が好ましく、溶剤溶解しやすい点から、カルボキシル基が好ましい。また、カルボキシル基は、50〜200mgKOH/gの範囲で有することが好ましく、この範囲で顔料の分散が良好となる。
一方、分散工程で使用する顔料誘導体が塩基性である場合は、本発明の高分子化合物は中性又は塩基性が好ましく、更に分散剤は酸性であることが好ましい。塩基性を有する基としては、アミノ基、塩基性窒素原子を含有する芳香族などが挙げられる。
<顔料分散組成物>
次に、前記本発明の加工顔料を用いた本発明の顔料分散組成物について説明する。
本発明の顔料分散組成物は、上記本発明の加工顔料を有機溶剤中に分散してなる。
また、本発明の加工顔料を有機溶剤中に分散する際、(A)顔料誘導体、(B)分散剤を適宜必要に応じて使用することも好ましい態様である。
〔(A)顔料誘導体〕
本発明の顔料分散組成物には、顔料誘導体が好適に用いられる。
本発明においては、分散剤と親和性のある部分、或いは、極性基を導入した顔料誘導体を処理顔料表面に吸着させ、これを分散剤の吸着点として用いることで、顔料を微細な粒子として顔料分散組成物中に分散させることができ、また、その再凝集をも防止することができる。つまり、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
顔料誘導体は、具体的には有機顔料を母体骨格とし、側鎖に酸性基や塩基性基、芳香族基を置換基として導入した化合物である。母体骨格となる有機顔料は、具体的には、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、アゾ系顔料、キノフタロン系顔料、イソインドリン系顔料、イソインドリノン系顔料、キノリン顔料、ジケトピロロピロール顔料、ベンゾイミダゾロン顔料等が挙げられる。
また、母体骨格としては、一般に、色素と呼ばれていないナフタレン系、アントラキノン系、トリアジン系、キノリン系等の淡黄色の芳香族多環化合物も含まれる。
本発明における顔料誘導体としては、特開平11−49974号公報、特開平11−189732号公報、特開平10−245501号公報、特開2006−265528号公報、特開平8−295810号公報、特開平11−199796号公報、特開2005−234478号公報、特開2003−240938号公報、特開2001−356210号公報等に記載されているものを使用できる。
本発明の顔料分散組成物中に顔料誘導体を使用する場合であれば、その使用量としては、顔料に対し1質量%〜80質量%の範囲にあることが好ましく、3質量%〜65質量%の範囲にあることがより好ましく、5質量%〜50質量%の範囲にあることが特に好ましい。含有量がこの範囲内であると、粘度を低く抑えながら、顔料の分散を良好に行えると共に、分散後の分散安定性を向上させることができる。
この顔料分散組成物をカラーフィルタの製造に適用することで、透過率が高く、優れた色特性を有し、高いコントラストのカラーフィルタを得ることができる。
〔(B)分散剤〕
顔料の分散性をより向上させる目的で、従来から公知の顔料分散剤や界面活性剤等の分散剤、その他成分を加えることもできる。
本発明の顔料分散組成物は、分散剤(顔料分散剤)を含むことが好ましい。
公知の分散剤(顔料分散剤)としては、高分子分散剤〔例えば、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、変性ポリウレタン、変性ポリエステル、変性ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物〕、及び、ポリオキシエチレンアルキルリン酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミン、アルカノールアミン等を挙げることができる。
高分子分散剤は、顔料の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有する末端変性型高分子、グラフト型高分子、ブロック型高分子が好ましい構造として挙げることができる。一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
前記、高分子分散剤は、本発明の顔料を被覆する高分子化合物と同様に、分散工程において、顔料の表面に吸着し、再凝集を防止する様に作用する。そのため、顔料表面へのアンカー部位を有するブロック型高分子、グラフト型高分子、末端変性型高分子が好ましい構造として挙げることができる。一方で、顔料誘導体は顔料表面を改質することで、高分子分散剤の吸着を促進させる効果を有する。
高分子分散剤としては、特に限定はなく、線状ポリマー、グラフトポリマー、スターポリマー、ブロックポリマー等を用いることができる。
ブロック型高分子としては、具体的には市販品として、Disperbyk−2000、同−2001(以上BYK Chemie社製 )、EFKA4330、同4340(以上EFKA社製)等を挙げることができる。
グラフト型高分子としては、市販品として、ソルスパース24000、同28000、同32000、同38500、同39000、同55000(以上ルーブリゾール社製)、Disperbyk−161、同−171、同−174(以上BYK Chemie社製)等が挙げられる。
末端変性型高分子としては、例えば、特開平9−77994号公報や、特開2002−273191号公報などに記載されているポリマーの末端に官能基を有する高分子を挙げることができる。
末端変性型高分子としては、市販品として、ソルスパース3000、同17000、同27000(以上ルーブリゾール社製)等を挙げることができる。
分散剤としては、分散安定性の観点からグラフト型高分子が好ましい。
グラフトポリマーの主鎖構造としては、特に限定はなく、ポリ(メタ)アクリル構造、ポリエステル、ポリウレタン、ポリウレアなどを用いることができ、ポリマーの分散媒として用いられる溶剤への溶解性や合成の簡便性から、ポリ(メタ)アクリル構造が好ましい。
グラフト型高分子については、特に制限されないが、特開昭54−37082号公報、特開昭61−174939号公報などに記載のポリアルキレンイミンとポリエステル化合物を反応させた化合物、特開平9−169821号公報に記載のポリアリルアミンの側鎖のアミノ基をポリエステルで修飾した化合物、特開昭60−166318号公報に記載のポリエステルポリオール付加ポリウレタン等が好適に挙げられ、更に、特開平9−171253号公報や、マクロモノマーの化学と工業(アイピーシー出版部、1989年)などにあるように、重合性オリゴマー(以下、マクロモノマーと称する)を共重合成分とするグラフト型高分子も好適に挙げることができる。
グラフト型高分子の枝部は、ポリスチレン、ポリエチレンオキシド、ポリプロピレンオキシド、ポリ(メタ)アクリル酸エステル、ポリカプロラクトン等が好適に挙げられるが、下記一般式(I)、式(II)、式(III)又は式(IV)で表される構成単位を枝部に少なくとも有するグラフト型高分子がより好ましい。
一般式(I)〜(IV)中、R〜R13は、各々独立に、水素原子、又は1価の有機基を表す。X〜Xは、各々独立に、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表し、L〜Lは、各々独立に、単結合、又は2価の有機連結基を表す。A〜Aは、各々独立に、1価の有機基を表し、Aはラジカル重合開始末端を表す。Qはシアノ基、炭素数6〜30のアリール基、又は、−COOR75(ここで、R75は水素原子、炭素数1〜10のアルキル基、炭素原子数6〜10のアリール基を表す)を表す。m及びnは、各々独立に、2〜8の整数を表し、p、q及びtは、各々独立に、1〜100の整数を表し、r及びsは、各々独立に、0〜100の整数を表す。ただし、r及びsのいずれか一方は1以上である。
一般式(I)〜(IV)の中でも、特に一般式(I)及び(II)が好ましい。
一般式(I)〜(IV)の繰り返し単位は1種類であってもよいし、2種類であってもよく、グラフト鎖長の異なる繰り返し単位を併用してもよい。
〜Rは、各々独立に、水素原子、又は1価の有機基を表す。1価の有機基としては、置換若しくは無置換のアルキル基が好ましい。アルキル基としては、炭素数1〜12のアルキル基が好ましく、炭素数1〜8のアルキル基がより好ましく、炭素数1〜4のアルキル基が特に好ましい。
アルキル基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基、アルコキシ基(好ましくは炭素数1〜5、より好ましくは炭素数1〜3がより好ましい。)メトキシ基、エトキシ基、シクロヘキシロキシ基等が挙げられる。
好ましいアルキル基として、具体的には、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、i−ブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、シクロヘキシル基、2−ヒドロキシエチル基、3−ヒドロキシプロピル基、2−ヒドロキシプロピル基、2−メトキシエチル基が挙げられる。
、R、R、及びRとしては、水素原子が好ましく、R及びRとしては、水素原子又はメチル基が、顔料表面への吸着効率の点からも最も好ましい。
及びXは、各々独立に、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表す。中でも、−C(=O)O−、−CONH−、フェニレン基が、顔料への吸着性の観点で好ましく、−C(=O)O−が最も好ましい。
及びLは、各々独立に、単結合、又は2価の有機連結基を表す。2価の有機連結基としては、置換若しくは無置換のアルキレン基や、該アルキレン基とヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造とからなる2価の有機連結基が好ましい。ここで、アルキレン基としては、炭素数1〜12のアルキレン基が好ましく、炭素数1〜8のアルキレン基が更に好ましく、炭素数1〜4のアルキレン基が特に好ましい。また、ヘテロ原子を含む部分構造におけるヘテロ原子としては、例えば、酸素原子、窒素原子、硫黄原子が挙げられ、中でも、酸素原子、窒素原子が好ましい。
好ましいアルキレン基として、具体的には、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基が挙げられる。
アルキレン基が置換基を有する場合、該置換基としては、例えば、ヒドロキシ基等が挙げられる。
2価の有機連結基としては、上記のアルキレン基の末端に、−C(=O)−、−OC(=O)−、−NHC(=O)−から選ばれるヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造を有し、該ヘテロ原子又はヘテロ原子を含む部分構造を介して、隣接した酸素原子と連結したものが、顔料への吸着性の点から好ましい。ここで、隣接した酸素原子とは、一般式(I)におけるL、及び一般式(II)におけるLに対し、側鎖末端側で結合する酸素原子を意味する。
及びAは、各々独立に、1価の有機基を表す。1価の有機基としては、置換若しくは非置換のアルキル基、又は、置換若しくは非置換のアリール基が好ましい。
好ましいアルキル基の例としては、炭素原子数が1から20までの直鎖状、分岐状、及び環状のアルキル基を挙げることができ、その具体例としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ウンデシル基、ドデシル基、トリデシル基、ヘキサデシル基、オクタデシル基、エイコシル基、イソプロピル基、イソブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、イソペンチル基、ネオペンチル基、1−メチルブチル基、イソヘキシル基、2−エチルヘキシル基、2−メチルヘキシル基、シクロヘキシル基、シクロペンチル基、2−ノルボルニル基を挙げることができる。
置換アルキル基の置換基としては、水素を除く1価の非金属原子団の基が用いられ、好ましい例としては、ハロゲン原子(−F、−Br、−Cl、−I)、ヒドロキシル基、アルコキシ基、アリーロキシ基、メルカプト基、アルキルチオ基、アリールチオ基、アルキルジチオ基、アリールジチオ基、アミノ基、N−アルキルアミノ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N−アリールアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、カルバモイルオキシ基、N−アルキルカルバモイルオキシ基、N−アリールカルバモイルオキシ基、N,N−ジアルキルカルバモイルオキシ基、N,N−ジアリールカルバモイルオキシ基、N−アルキル−N−アリールカルバモイルオキシ基、アルキルスルホキシ基、アリールスルホキシ基、アシルオキシ基、アシルチオ基、アシルアミノ基、N−アルキルアシルアミノ基、N−アリールアシルアミノ基、ウレイド基、N’−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキルウレイド基、N’−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリールウレイド基、N−アルキルウレイド基、N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアルキル−N−アリールウレイド基、N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アリール−N−アリールウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アルキルウレイド基、N’,N’−ジアリール−N−アリールウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アルキルウレイド基、N’−アルキル−N’−アリール−N−アリールウレイド基、アルコキシカルボニルアミノ基、アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アルキル−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アルコキシカルボニルアミノ基、N−アリール−N−アリーロキシカルボニルアミノ基、ホルミル基、アシル基、カルボキシル基、アルコキシカルボニル基、アリーロキシカルボニル基、カルバモイル基、N−アルキルカルバモイル基、N,N−ジアルキルカルバモイル基、N−アリールカルバモイル基、N,N−ジアリールカルバモイル基、N−アルキル−N−アリールカルバモイル基、アルキルスルフィニル基、アリールスルフィニル基、アルキルスルホニル基、アリールスルホニル基、スルホ基(−SOH)及びその共役塩基基(以下、スルホナト基と称す)、アルコキシスルホニル基、アリーロキシスルホニル基、スルフィナモイル基、N−アルキルスルフィナモイル基、N,N−ジアルキルスルフィナモイル基、N−アリールスルフィナモイル基、N,N−ジアリールスルフィナモイル基、N−アルキル−N−アリールスルフィナモイル基、スルファモイル基、N−アルキルスルファモイル基、N,N−ジアルキルスルファモイル基、N−アリールスルファモイル基、N,N−ジアリールスルファモイル基、N−アルキル−N−アリールスルファモイル基、ホスホノ基(−PO)及びその共役塩基基(以下、ホスホナト基と称す)、ジアルキルホスホノ基(−PO(alkyl))、ジアリールホスホノ基(−PO(aryl))、アルキルアリールホスホノ基(−PO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノ基(−POH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナト基と称す)、モノアリールホスホノ基(−POH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナト基と称す)、ホスホノオキシ基(−OPO)及びその共役塩基基(以後、ホスホナトオキシ基と称す)、ジアルキルホスホノオキシ基(−OPO(alkyl))、ジアリールホスホノオキシ基(−OPO(aryl))、アルキルアリールホスホノオキシ基(−OPO(alkyl)(aryl))、モノアルキルホスホノオキシ基(−OPOH(alkyl))及びその共役塩基基(以後、アルキルホスホナトオキシ基と称す)、モノアリールホスホノオキシ基(−OPOH(aryl))及びその共役塩基基(以後、アリールホスホナトオキシ基と称す)、シアノ基、ニトロ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基が挙げられる。
これらの置換基における、アルキル基の具体例としては、前述のアルキル基が挙げられ、これらは更に置換基を有していてもよい。
置換基としては、アルコキシ基、アリーロキシ基、アルキルチオ基、アリールチオ基、N,N−ジアルキルアミノ基、N,N−ジアリールアミノ基、N−アルキル−N−アリールアミノ基、アシルオキシ基、アリール基、ヘテロアリール基、アルケニル基、アルキニル基、シリル基が、分散安定性の点から好ましい。
アリール基の具体例としては、フェニル基、ビフェニル基、ナフチル基、トリル基、キシリル基、メシチル基、クメニル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、クロロメチルフェニル基、ヒドロキシフェニル基、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、フェノキシフェニル基、アセトキシフェニル基、ベンゾイロキシフェニル基、メチルチオフェニル基、フェニルチオフェニル基、メチルアミノフェニル基、ジメチルアミノフェニル基、アセチルアミノフェニル基、カルボキシフェニル基、メトキシカルボニルフェニル基、エトキシフェニルカルボニル基、フェノキシカルボニルフェニル基、N−フェニルカルバモイルフェニル基、フェニル基、シアノフェニル基、スルホフェニル基、スルホナトフェニル基、ホスフォノフェニル基、ホスフォナトフェニル基等を挙げることができる。
及びAとしては、分散安定性、現像性の点から、炭素原子数1から20までの直鎖状、炭素原子数3から20までの分岐状、並びに炭素原子数5から20までの環状のアルキル基が好ましく、炭素原子数4から15までの直鎖状、炭素原子数4から15までの分岐状、並びに炭素原子数6から10までの環状のアルキル基がより好ましく、炭素原子数6から10までの直鎖状、炭素原子数6から12までの分岐状のアルキル基が更に好ましい。
m及びnは、各々独立に、2〜8の整数を表す。分散安定性、現像性の点から、4〜6が好ましく、5が最も好ましい。
p及びqは、各々独立に、1〜100の整数を表す。pの異なるもの、qの異なるものが2種以上、混合されてもよい。p及びqは、分散安定性、現像性の点から、5〜60が好ましく、5〜40がより好ましく、5〜20が更に好ましい。
本発明における特定重合体としては、分散安定性の点から、前記一般式(I)で表される繰り返し単位を含むものが好ましい。
また、一般式(I)で表される繰り返し単位としては、下記一般式(I)−2で表される繰り返し単位であることがより好ましい。
上記一般式(I)−2中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は1価の有機基を表し、Laは、炭素数2〜10のアルキレン基を表し、Lbは、−C(=O)−、又は−NHC(=O)−を表し、Aは、1価の有機基を表し、mは、2〜8の整数を表し、pは、1〜100の整数を表す。
一般式(I)、(II)、又は、(I)−2で表される繰り返し単位は、それぞれ、下記一般式(i)、(ii)、又は、(i)−2で表される単量体を、重合或いは共重合することにより、高分子化合物の繰り返し単位として導入される。
上記一般式(i)、(ii)、及び(i)−2中、R〜Rは、各々独立に、水素原子、又は1価の有機基を表し、X及びXは、各々独立に、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表し、L及びLは、各々独立に、単結合、又は2価の有機連結基を表し、Laは、炭素数2〜10のアルキレン基を表し、Lbは、−C(=O)−、又は−NHC(=O)−を表し、A及びAは、各々独立に、1価の有機基を表し、m及びnは、各々独立に、2〜8の整数を表し、p及びqは、各々独立に、1〜100の整数を表す。
以下に、一般式(i)、(ii)、又は(i)−2で表される単量体の好ましい具体例〔単量体(A−1)〜(A−13)〕を以下に挙げるが、本発明はこれらに制限されるものではない。
本発明における特定重合体は、一般式(I)及び(II)のいずれかで表される繰り返し単位から選択される少なくとも1種の繰り返し単位を含んでいればよく、1種のみ含むものであってもよいし、2種以上を含んでもよい。
また、特定重合体において、一般式(I)及び(II)のいずれかで表される繰り返し単位の含有量は、特に制限はないが、重合体に含有される全繰り返し単位を100質量%とした場合に、一般式(I)及び(II)のいずれかで表される繰り返し単位を5質量%以上含有することが好ましく、50質量%含有することがより好ましく、50質量%〜80質量%含有することが更に好ましい。
本発明における特定重合体は、顔料への吸着を高める目的で、顔料に吸着し得る官能基を有する単量体と、前述の一般式(i)、(ii)、(i)−2で表される単量体と、を共重合した高分子化合物であることが好ましい。
顔料に吸着し得る官能基を有する単量体としては、具体的には、有機色素構造或いは複素環構造を有するモノマー、酸性基を有するモノマー、塩基性窒素原子を有するモノマー、イオン性基を有するモノマーなどを挙げることができる。中でも、顔料への吸着力の点で、有機色素構造或いは複素環構造を有するモノマーが好ましい。
本発明における特定重合体は、酸性基を有するモノマーに由来する繰り返し単位を、1種のみ含むものであってもよいし、2種以上を含んでもよい。
特定重合体において、酸性基を有するモノマーに由来する繰り返し単位の含有量は、好ましくは50mgKOH/g以上であり、特に好ましくは50mgKOH/g〜200mgKOH/gである。即ち、現像液中での析出物の生成抑制という点では、酸性基を有するモノマーに由来する繰り返し単位の含有量は50mgKOH/g以上であることが好ましい。顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体の生成を効果的に抑制、或いは、2次凝集体の凝集力を効果的に弱めるためには、酸性基を有するモノマーに由来する繰り返し単位の含有量は50mgKOH/g〜200mgKOH/gであることが好ましい。
塩基性窒素原子を有するモノマーとしては、(メタ)アクリル酸エステルとして、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノプロピル、(メタ)アクリル酸1−(N,N−ジメチルアミノ)−1,1−ジメチルメチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジメチルアミノヘキシル、(メタ)アクリル酸N,N−ジエチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジイソプロピルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジ−n−ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−ジ−i−ブチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸モルホリノエチル、(メタ)アクリル酸ピペリジノエチル、(メタ)アクリル酸1−ピロリジノエチル、(メタ)アクリル酸N,N−メチル−2−ピロリジルアミノエチル及び(メタ)アクリル酸N,N−メチルフェニルアミノエチルなどが挙げられ、(メタ)アクリルアミド類として、N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノエチル)メタクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノエチル)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノエチル)メタクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジメチルアミノプロピル)メタクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノプロピル)アクリルアミド、N−(N’,N’−ジエチルアミノプロピル)メタクリルアミド、2−(N,N−ジメチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、2−(N,N−ジエチルアミノ)エチル(メタ)アクリルアミド、3−(N,N−ジエチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、3−(N,N−ジメチルアミノ)プロピル(メタ)アクリルアミド、1−(N,N−ジメチルアミノ)−1,1−ジメチルメチル(メタ)アクリルアミド及び6−(N,N−ジエチルアミノ)ヘキシル(メタ)アクリルアミド、モルホリノ(メタ)アクリルアミド、ピペリジノ(メタ)アクリルアミド、N−メチル−2−ピロリジル(メタ)アクリルアミドなどが挙げられ、スチレン類として、N,N−ジメチルアミノスチレン、N,N−ジメチルアミノメチルスチレン等、が挙げられる。
また、ウレア基、ウレタン基、配位性酸素原子を有する、炭素数4以上の炭化水素基、アルコキシシリル基、エポキシ基、イソシアネート基、水酸基を有するモノマーを用いることも可能である。具体的には、例えば、以下の構造のモノマーを挙げることができる。
イオン性基を有するモノマーとしては、イオン性基を有するビニルモノマー(アニオン性ビニルモノマー、カチオン性ビニルモノマー)が挙げられる。この例としては、アニオン性ビニルモノマーとして、前記酸性基を有するビニルモノマーのアルカリ金属塩や、有機アミン(例えば、トリエチルアミン、ジメチルアミノエタノール等の3級アミン)との塩などが挙げられ、カチオン性ビニルモノマーとしては、前記含窒素ビニルモノマーを、ハロゲン化アルキル(アルキル基:C1〜18、ハロゲン原子:塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子);塩化ベンジル、臭化ベンジル等のハロゲン化ベンジル;メタンスルホン酸等のアルキルスルホン酸エステル(アルキル基:C1〜18);ベンゼンスルホン酸、トルエンスルホン酸等のアリールスルホン酸アルキルエステル(アルキル基:C1〜18);硫酸ジアルキル(アルキル基:C1〜4)等で4級化させたもの、ジアルキルジアリルアンモニウム塩などが挙げられる。
顔料に吸着し得る官能基を有するモノマーは、分散する顔料の種類に応じて、適宜選択することができ、これらは単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本発明における特定重合体は、その効果を損なわない範囲において、更に、共重合可能なビニルモノマーに由来する繰り返し単位を含んでいてもよい。
ここで使用可能なビニルモノマーとしては、特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル類、クロトン酸エステル類、ビニルエステル類、マレイン酸ジエステル類、フマル酸ジエステル類、イタコン酸ジエステル類、(メタ)アクリルアミド類、ビニルエーテル類、ビニルアルコールのエステル類、スチレン類、(メタ)アクリロニトリルなどが好ましい。このようなビニルモノマーの具体例としては、例えば以下のような化合物が挙げられる。なお、本明細書において「アクリル、メタクリル」のいずれか或いは双方を示す場合「(メタ)アクリル」と記載することがある。
(メタ)アクリル酸エステル類の例としては、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸n−プロピル、(メタ)アクリル酸イソプロピル、(メタ)アクリル酸n−ブチル、(メタ)アクリル酸イソブチル、(メタ)アクリル酸t−ブチル、(メタ)アクリル酸n−ヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸t−ブチルシクロヘキシル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸t−オクチル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸オクタデシル、(メタ)アクリル酸アセトキシエチル、(メタ)アクリル酸フェニル、(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル、(メタ)アクリル酸2−メトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−エトキシエチル、(メタ)アクリル酸2−(2−メトキシエトキシ)エチル、(メタ)アクリル酸3−フェノキシ−2−ヒドロキシプロピル、(メタ)アクリル酸ベンジル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ジエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸トリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノメチルエーテル、(メタ)アクリル酸ポリエチレングリコールモノエチルエーテル、(メタ)アクリル酸β−フェノキシエトキシエチル、(メタ)アクリル酸ノニルフェノキシポリエチレングリコール、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンテニルオキシエチル、(メタ)アクリル酸トリフロロエチル、(メタ)アクリル酸オクタフロロペンチル、(メタ)アクリル酸パーフロロオクチルエチル、(メタ)アクリル酸ジシクロペンタニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニル、(メタ)アクリル酸トリブロモフェニルオキシエチルなどが挙げられる。
クロトン酸エステル類の例としては、クロトン酸ブチル、及びクロトン酸ヘキシル等が挙げられる。
ビニルエステル類の例としては、ビニルアセテート、ビニルプロピオネート、ビニルブチレート、ビニルメトキシアセテート、及び安息香酸ビニルなどが挙げられる。
マレイン酸ジエステル類の例としては、マレイン酸ジメチル、マレイン酸ジエチル、及びマレイン酸ジブチルなどが挙げられる。
フマル酸ジエステル類の例としては、フマル酸ジメチル、フマル酸ジエチル、及びフマル酸ジブチルなどが挙げられる。
イタコン酸ジエステル類の例としては、イタコン酸ジメチル、イタコン酸ジエチル、及びイタコン酸ジブチルなどが挙げられる。
(メタ)アクリルアミド類としては、(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−プロピル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−n−ブチルアクリル(メタ)アミド、N−t−ブチル(メタ)アクリルアミド、N−シクロヘキシル(メタ)アクリルアミド、N−(2−メトキシエチル)(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−フェニル(メタ)アクリルアミド、N−ベンジル(メタ)アクリルアミド、(メタ)アクリロイルモルホリン、ジアセトンアクリルアミドなどが挙げられる。
ビニルエーテル類の例としては、メチルビニルエーテル、ブチルビニルエーテル、ヘキシルビニルエーテル、及びメトキシエチルビニルエーテルなどが挙げられる。
スチレン類の例としては、スチレン、メチルスチレン、ジメチルスチレン、トリメチルスチレン、エチルスチレン、イソプロピルスチレン、ブチルスチレン、ヒドロキシスチレン、メトキシスチレン、ブトキシスチレン、アセトキシスチレン、クロロスチレン、ジクロロスチレン、ブロモスチレン、クロロメチルスチレン、酸性物質により脱保護可能な基(例えばt−Bocなど)で保護されたヒドロキシスチレン、ビニル安息香酸メチル、及びα−メチルスチレンなどが挙げられる。
本発明における特定重合体の好ましい態様は、少なくとも一般式(i)、(ii)、又は(i)−2で表される単量体と、有機色素構造或いは複素環構造を有するモノマー、酸性官能基を側鎖に有するモノマー、塩基性窒素原子を側鎖に有するモノマーのいずれかから少なくとも1つ選択されるモノマーと、を共重合したものである。
この態様により、顔料吸着に優れ、かつ、現像性に優れた顔料分散組成物を与えることができる。
本発明における特定重合体の好ましい分子量は、重量平均分子量(Mw)で5000〜100000の範囲、数平均分子量(Mn)で2500〜50000の範囲であることが好ましい。重量平均分子量(Mw)で10000〜50000の範囲、数平均分子量(Mn)で5000〜30000の範囲であることがより好ましい。
特に、重量平均分子量(Mw)で10000〜30000の範囲、数平均分子量(Mn)で5000〜15000の範囲であることが最も好ましい。
即ち、顔料の1次粒子の凝集体である2次凝集体を効果的にほぐし、或いは、再凝集を効果的に弱めるための観点からは、特定重合体の重量平均分子量(Mw)は1000以上であることが好ましい。また、顔料分散組成物を含有する着色感光性組成物によりカラーフィルタを製造する際の現像性の観点からは、特定重合体の重量平均分子量(Mw)は30000以下であることが好ましい。
本発明における特定重合体は、例えば、一般式(i)、(ii)、又は、(i)−2で表される単量体と、共重合成分として他のラジカル重合性化合物(前述のような各種モノマー)と、を用い、通常のラジカル重合法によって製造することができる。
一般的には、懸濁重合法或いは溶液重合法などを用いる。このような特定重合体を合成する際に用いられる溶媒としては、例えば、エチレンジクロリド、シクロヘキサノン、メチルエチルケトン、アセトン、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、2−メトキシエチルアセテート、1−メトキシ−2−プロパノール、1−メトキシ−2−プロピルアセテート、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、トルエン、酢酸エチル、乳酸メチル、乳酸エチルなどが挙げられる。これらの溶媒は単独或いは2種以上混合してもよい。
なお、ラジカル重合の際、ラジカル重合開始剤を使用することができ、また、更に連鎖移動剤(例、2−メルカプトエタノール及びドデシルメルカプタン)を使用することができる。
本発明の顔料分散組成物中、特定重合体の含有量としては質量比で、顔料:特定重合体=1:0.1〜1:2が好ましく、より好ましくは、1:0.2〜1:1であり、更に好ましくは、1:0.4〜1:0.7である。
また、本発明の効果を損なわない範囲において、必要に応じて、上述の特定重合体の他に、他の高分子化合物を同時に使用してもよい。
他の高分子化合物としては、天然樹脂、変性天然樹脂、合成樹脂、天然樹脂で変性された合成樹脂等が用いられる。
天然樹脂としてはロジンが代表的であり、変性天然樹脂としては、ロジン誘導体、繊維素誘導体、ゴム誘導体、タンパク誘導体及びそれらのオリゴマーが挙げられる。合成樹脂としては、エポキシ樹脂、アクリル樹脂、マレイン酸樹脂、ブチラール樹脂、ポリエステル樹脂、メラミン樹脂、フェノール樹脂、ポリウレタン樹脂等が挙げられる。天然樹脂で変性された合成樹脂としては、ロジン変性マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂等が挙げられる。
合成樹脂としては、ポリアミドアミンとその塩、ポリカルボン酸とその塩、高分子量不飽和酸エステル、ポリウレタン、ポリエステル、ポリ(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル系共重合体、ナフタレンスルホン酸ホルマリン縮合物が挙げられる。
分散剤の添加量は、高分子分散剤の場合は、顔料に対して、0.5〜100質量%となるように添加することが好ましく、3〜100質量%がより好ましく、5〜80質量%が特に好ましい。顔料分散剤の量が前記範囲内であると、十分な顔料分散効果が得られる。ただし、分散剤の最適な添加量は、使用する顔料の種類、溶剤の種類などの組み合わせ等により適宜調整される。
顔料を被覆した本発明の高分子化合物と分散剤の比率は、特に制限されないが、分散剤が高分子分散剤である場合は、10/90〜90/10質量比が好ましく、特に20/80〜80/20質量比が好ましい。
〔溶剤〕
本発明の顔料分散組成物は、溶剤を用いて好適に調製することができる。
前記溶剤としては、酢酸エチル、酢酸ブチル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテートなどの脂肪酸エステル類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン、ジアセトンアルコールなどのケトン類;ベンゼン、トルエン、キシレンなどの芳香族類;メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノールなどのアルコール類;エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、トリメチレングリコール、ヘキサントリオールなどのグリコール類;グリセリン;エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテルなどのアルキレングリコールモノアルキルエーテル類;トリエチレングリコールジメチルエーテル、トリエチレングリコールジエチルエーテル、テトラエチレングリコールジメチルエーテル、テトラエチレングリコールジエチルエーテルなどのアルキレングリコールジアルキルエーテル類;テトラヒドロフラン、ジオキサン、ジエチレングリコールジエチルエーテルなどのエーテル類;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミン類;N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、2−ピロリドン、1,3―ジメチル−2−イミダゾリジノンなどの含窒素極性有機溶媒;水などが挙げられる。
これらの溶剤のうち水溶性であるものは、水と混合して水性媒体として用いてもよい。また、水を除く上記の溶剤から選ばれる二種以上を混合して油性媒体として用いてもよい。
本発明の顔料分散組成物は、必要に応じ、その他の成分を含有してもよい。
本発明の顔料分散組成物における顔料(少なくとも一般式(Az)で表されるアゾ顔料を含む顔料)の体積平均粒子径は5nm以上50nm以下であることが好ましい。なお、顔料粒子の体積平均粒子径とは、顔料そのものの粒子径、又は顔料に分散剤等の添加物が付着している場合には、添加物が付着した粒子径をいう。
本発明において、顔料の体積平均粒子径の測定装置には、ナノトラックUPA粒度分析計(UPA−EX150;日機装社製)を用いた。その測定は、顔料分散組成物3mlを測定セルに入れ、所定の測定方法に従って行った。なお、測定時に入力するパラメーターとしては、粘度にはインク粘度を、分散粒子の密度には顔料の密度を用いた。
より好ましい体積平均粒子径は、5nm以上40nm以下である。顔料分散組成物中の粒子の体積平均粒子径が40nm以下であれば、光学濃度がより高くなる。
本発明の顔料分散組成物に含まれる顔料の総濃度は、1〜35質量%の範囲であることが好ましく、2〜25質量%の範囲であることがより好ましい。上記範囲であれば、表面張力、粘度等の分散物の物性値を調整しやすく好ましい。
本発明の顔料分散組成物に含まれる固形分の総濃度は、1〜50質量%の範囲であることが好ましく、2〜40質量%の範囲であることがより好ましい。
<顔料分散組成物の調製>
本発明の顔料分散組成物は、各種の混合機、分散機を使用して混合分散する混合分散工程を経ることによって、調製することができる。
なお、混合分散工程は、混練分散とそれに続けて行う微分散処理からなるのが好ましいが、混練分散を省略することも可能である。
本発明の顔料分散組成物は、具体的には、例えば、一般式(Az)で表されるアゾ顔料、分散剤、アゾ顔料誘導体、及び溶剤を、分散装置を用いて分散することで得ることが好ましい。
分散装置としては、簡単なスターラーやインペラー攪拌方式、インライン攪拌方式、ミル方式(例えば、コロイドミル、ボールミル、サンドミル、ビーズミル、アトライター、ロールミル、ジェットミル、ペイントシェイカー、アジテーターミル等)、超音波方式、高圧乳化分散方式(高圧ホモジナイザー;具体的な市販装置としてはゴーリンホモジナイザー、マイクロフルイダイザー、DeBEE2000等)を使用することができる。
本発明の顔料分散組成物は、より具体的には、例えば、一般式(Az)で表されるアゾ顔料、分散剤、アゾ顔料誘導体、及び溶剤を、縦型若しくは横型のサンドグラインダー、ピンミル、スリットミル、超音波分散機等を用いて、0.01mm〜1mmの粒子径のガラス、ジルコニア等でできたビーズにて微分散処理を行なうことにより得ることができる。
なお、ビーズによる微分散を行なう前に、二本ロール、三本ロール、ボールミル、トロンミル、ディスパー、ニーダー、コニーダー、ホモジナイザー、ブレンダー、単軸若しくは2軸の押出機等を用いて、強い剪断力を与えながら混練分散処理を行なうことも可能である。
なお、混練、分散についての詳細は、T.C.Patton著”Paint Flow and Pigment Dispersion”(1964年 John Wiley and Sons社刊)等に記載されており、本発明においてもここに記載の方法を適用することができる。
本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物は、既述の本発明の顔料を高分子化合物で被覆処理した加工顔料に、重合性化合物、及び光重合開始剤を(好ましくは溶剤と共に)含有させ、これに必要に応じてアルカリ可溶性樹脂、界面活性剤等の添加剤を混合し、各種の混合機、分散機を使用して混合分散する混合分散工程を経ることによって調製することができる。
本発明の顔料分散組成物は、カラーフィルタの製造に用いられる着色感活性光線性又は感放射線性組成物に好適に用いられる。
<着色感活性光線性又は感放射線性組成物>
本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物は、既述の本発明の顔料分散組成物と、重合性化合物と、光重合開始剤とを含んでなり、必要に応じて他の成分(アルカリ可溶性樹脂、界面活性剤等)を含んでいてもよい。なお、本発明の顔料分散組成物の詳細については既述の通りである。以下、各成分を詳述する。
<アルカリ可溶性樹脂>
本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物は、更にアルカリ可溶性樹脂を含有することが好ましい。アルカリ可溶性樹脂を含有することにより、現像性・パターン形成性が向上する。
アルカリ可溶性樹脂としては、線状有機高分子重合体であって、分子(好ましくは、アクリル系共重合体、スチレン系共重合体を主鎖とする分子)中に少なくとも1つのアルカリ可溶性を促進する基を有するアルカリ可溶性樹脂の中から適宜選択することができる。耐熱性の観点からは、ポリヒドロキシスチレン系樹脂、ポリシロキサン系樹脂、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましく、現像性制御の観点からは、アクリル系樹脂、アクリルアミド系樹脂、アクリル/アクリルアミド共重合体樹脂が好ましい。
アルカリ可溶性を促進する基(以下、酸基ともいう)としては、例えば、カルボキシル基、リン酸基、スルホン酸基、フェノール性水酸基などが挙げられるが、有機溶剤に可溶で弱アルカリ水溶液により現像可能なものが好ましく、(メタ)アクリル酸が特に好ましいものとして挙げられる。これら酸基は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。
前記重合後に酸基を付与しうるモノマーとしては、例えば、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート等の水酸基を有するモノマー、グリシジル(メタ)アクリレート等のエポキシ基を有するモノマー、2−イソシアナートエチル(メタ)アクリレート等のイソシアネート基を有するモノマー等が挙げられる。これら酸基を導入するための単量体は、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。アルカリ可溶性バインダーに酸基を導入するには、例えば、酸基を有するモノマー及び/又は重合後に酸基を付与しうるモノマー(以下「酸基を導入するための単量体」と称することもある。)を、単量体成分として重合するようにすればよい。
なお、重合後に酸基を付与しうるモノマーを単量体成分として酸基を導入する場合には、重合後に例えば後述するような酸基を付与するための処理が必要となる。
アルカリ可溶性樹脂の製造には、例えば、公知のラジカル重合法による方法を適用することができる。ラジカル重合法でアルカリ可溶性樹脂を製造する際の温度、圧力、ラジカル開始剤の種類及びその量、溶媒の種類等々の重合条件は、当業者において容易に設定可能であり、実験的に条件を定めるようにすることもできる。
アルカリ可溶性樹脂として用いられる線状有機高分子重合体としては、側鎖にカルボン酸を有するポリマーが好ましく、メタクリル酸共重合体、アクリル酸共重合体、イタコン酸共重合体、クロトン酸共重合体、マレイン酸共重合体、部分エステル化マレイン酸共重合体、ノボラック型樹脂などのアルカリ可溶性フェノール樹脂等、並びに側鎖にカルボン酸を有する酸性セルロース誘導体、水酸基を有するポリマーに酸無水物を付加させたもの挙げられる。特に、(メタ)アクリル酸と、これと共重合可能な他の単量体との共重合体が、アルカリ可溶性樹脂として好適である。(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体としては、アルキル(メタ)アクリレート、アリール(メタ)アクリレート、ビニル化合物などが挙げられる。アルキル(メタ)アクリレート及びアリール(メタ)アクリレートとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート等、ビニル化合物としては、スチレン、α−メチルスチレン、ビニルトルエン、グリシジルメタクリレート、アクリロニトリル、ビニルアセテート、N−ビニルピロリドン、テトラヒドロフルフリルメタクリレート、ポリスチレンマクロモノマー、ポリメチルメタクリレートマクロモノマー等、特開平10−300922号公報に記載のN位置換マレイミドモノマーとして、N―フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等を挙げることができる。なお、これらの(メタ)アクリル酸と共重合可能な他の単量体は1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。2種以上を組み合わせることで、レジスト性能を調整することが出来る。
アルカリ可溶性樹脂としては、下記一般式(ED)
(式(ED)中、R及びRは、それぞれ独立して、水素原子又は置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基を表す。)で示される化合物(以下「エーテルダイマー」と称することもある。)を必須とする単量体成分を重合してなるポリマー(a)を含むことも好ましい。これにより、本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物は、耐熱性とともに透明性にも極めて優れた硬化塗膜を形成しうる。前記エーテルダイマーを示す前記一般式(ED)中、R及びRで表される置換基を有していてもよい炭素数1〜25の炭化水素基としては、特に制限はないが、例えば、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、t−ブチル、t−アミル、ステアリル、ラウリル、2−エチルヘキシル等の直鎖状又は分岐状のアルキル基;フェニル等のアリール基;シクロヘキシル、t−ブチルシクロヘキシル、ジシクロペンタジエニル、トリシクロデカニル、イソボルニル、アダマンチル、2−メチル−2−アダマンチル等の脂環式基;1−メトキシエチル、1−エトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基;ベンジル等のアリール基で置換されたアルキル基;等が挙げられる。これらの中でも特に、メチル、エチル、シクロヘキシル、ベンジル等のような酸や熱で脱離しにくい1級又は2級炭素の置換基が耐熱性の点で好ましい。
前記エーテルダイマーの具体例としては、例えば、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−プロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソプロピル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(n−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−アミル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ステアリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ラウリル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−エチルヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−メトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(1−エトキシエチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジフェニル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(t−ブチルシクロヘキシル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(ジシクロペンタジエニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(トリシクロデカニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(イソボルニル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジアダマンチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジ(2−メチル−2−アダマンチル)−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート等が挙げられる。これらの中でも特に、ジメチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジエチル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジシクロヘキシル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエート、ジベンジル−2,2’−[オキシビス(メチレン)]ビス−2−プロペノエートが好ましい。これらエーテルダイマーは、1種のみであってもよいし、2種以上であってもよい。前記一般式(ED)で示される化合物由来の構造体は、その他の単量体を共重合させてもよい。
また、本発明における着色感活性光線性又は感放射線性組成物の架橋効率を向上させるために、重合性基を有したアルカリ可溶性樹脂を使用してもよい。重合性基を有したアルカリ可溶性樹脂としては、アリル基、(メタ)アクリル基、アリルオキシアルキル基等を側鎖に含有したアルカリ可溶性樹脂等が有用である。上述の重合性基を含有するポリマーの例としては、ダイヤナ−ルNRシリーズ(三菱レイヨン株式会社製)、Photomer6173(COOH含有 polyurethane acrylic oligomer. Diamond Shamrock Co.Ltd.,製)、ビスコートR−264、KSレジスト106(いずれも大阪有機化学工業株式会社製)、サイクロマーPシリーズ、プラクセル CF200シリーズ(いずれもダイセル化学工業株式会社製)、Ebecryl3800(ダイセルユーシービー株式会社製)などが挙げられる。これら重合性基を含有するアルカリ可溶性樹脂としては、予めイソシアネート基とOH基を反応させ、未反応のイソシアネート基を1つ残し、かつ(メタ)アクリロイル基を含む化合物とカルボキシル基を含むアクリル樹脂との反応によって得られるウレタン変性した重合性二重結合含有アクリル樹脂、カルボキシル基を含むアクリル樹脂と分子内にエポキシ基及び重合性二重結合を共に有する化合物との反応によって得られる不飽和基含有アクリル樹脂、酸ペンダント型エポキシアクリレート樹脂、OH基を含むアクリル樹脂と重合性二重結合を有する2塩基酸無水物を反応させた重合性二重結合含有アクリル樹脂、OH基を含むアクリル樹脂とイソシアネートと重合性基を有する化合物を反応させた樹脂、特開2002−229207号公報及び特開2003−335814号公報に記載されるα位又はβ位にハロゲン原子或いはスルホネート基などの脱離基を有するエステル基を側鎖に有する樹脂を塩基性処理を行うことで得られる樹脂などが好ましい。
アルカリ可溶性樹脂としては、特に、ベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸共重合体やベンジル(メタ)アクリレート/(メタ)アクリル酸/他ノモノマーからなる多元共重合体が好適である。この他、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを共重合したもの、特開平7−140654号公報に記載の、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー/ベンジルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/メチルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、2−ヒドロキシエチルメタクリレート/ポリスチレンマクロモノマー/ベンジルメタクレート/メタクリル酸共重合体などが挙げられる。
アルカリ可溶性樹脂の酸価としては好ましくは10mgKOH/g〜200mgKOH/g、より好ましくは20mgKOH/g〜150mgKOH/gであることが好ましく、20〜130mgKOH/gであることが最も好ましい。
また、アルカリ可溶性樹脂の重量平均分子量(Mw)としては、2,000〜50,000が好ましく、5,000〜30,000が更に好ましい。
アルカリ可溶性樹脂の着色感活性光線性又は感放射線性組成物中における含有量としては、該組成物の全固形分に対して、1〜30質量%が好ましく、より好ましくは、2〜20質量%であり、特に好ましくは、3〜10質量%である。
<重合性化合物>
本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物は、重合性化合物の少なくとも一種を含有することによって好適に構成することができる。重合性化合物は、着色感光性組成物をネガ型に構成する場合に主として含まれる。ここで、重合性化合物は、活性種により重合を引き起こす化合物である。活性種として、ラジカル、酸、塩基などが挙げられる。
ラジカルが活性種である場合には、重合性化合物としては、通常、重合性基として末端エチレン性不飽和結合を有する化合物が使用される。
一方、活性種が、スルホン酸、リン酸、スルフィン酸、カルボン酸、硫酸、硫酸モノエステルなどの酸である場合、重合性化合物としては、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、テトラヒドロフラニル基などの環状エーテル基、又は、ビニルベンゼン基を有する化合物が使用される。
また、活性種がアミノ化合物などの塩基である場合には、重合性化合物としては、例えば、エポキシ基、オキセタニル基、テトラヒドロフラニル基などの環状エーテル基、又は、ビニルベンゼン基を有する化合物が使用される。
上記重合性化合物として、好ましくは末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、より好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られているものであり、本発明においてはこれらを特に限定なく用いることができる。これらは、例えば、モノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物並びにそれらの多量体などの化学的形態のいずれであってもよい。本発明における重合性化合物は一種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
より具体的には、モノマー及びそのプレポリマーの例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)やそのエステル類、アミド類、並びにこれらの多量体が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、及び不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類、並びにこれらの多量体である。また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応物や、単官能若しくは多官能のカルボン酸との脱水縮合反応物等も好適に使用される。また、イソシアネート基やエポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更に、ハロゲン基やトシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と、単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン等のビニルベンゼン誘導体、ビニルエーテル、アリルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。
これらの具体的な化合物としては、特開2009−288705号公報の段落番号0095〜段落番号0108に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
また、前記重合性化合物としては、重合性モノマーとして、少なくとも1個の付加重合可能なエチレン基を有する、常圧下で100℃以上の沸点を持つエチレン性不飽和基を持つ化合物も好ましい。その例としては、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、等の単官能のアクリレートやメタアクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリメチロールエタントリ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ヘキサンジオール(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(アクリロイルオキシプロピル)エーテル、トリ(アクリロイロキシエチル)イソシアヌレート、グリセリンやトリメチロールエタン等の多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後(メタ)アクリレート化したもの、特公昭48−41708号、特公昭50−6034号、特開昭51−37193号各公報に記載されているようなウレタン(メタ)アクリレート類、特開昭48−64183号、特公昭49−43191号、特公昭52−30490号各公報に記載されているポリエステルアクリレート類、エポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸との反応生成物であるエポキシアクリレート類等の多官能のアクリレートやメタアクリレート及びこれらの混合物を挙げることができる。
多官能カルボン酸にグリシジル(メタ)アクリレート等の環状エーテル基とエチレン性不飽和基を有する化合物を反応させ得られる多官能(メタ)アクリレートなども挙げることができる。
また、その他の好ましい重合性化合物として、特開2010−160418、特開2010−129825、特許4364216等に記載される、フルオレン環を有し、エチレン性重合性基を2官能以上有する化合物、カルド樹脂も使用することが可能である。
また、常圧下で100℃以上の沸点を有し、少なくとも一つの付加重合可能なエチレン性不飽和基を持つ化合物としては、特開2008−292970号公報の段落番号[0254]〜[0257]に記載の化合物も好適である。
上記のほか、下記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーも好適に用いることができる。なお、式中、Tがオキシアルキレン基の場合には、炭素原子側の末端がRに結合する。
前記一般式において、nは0〜14であり、mは1〜8である。一分子内に複数存在するR、T、は、各々同一であっても、異なっていてもよい。
上記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表されるラジカル重合性モノマーの各々において、複数のRの内の少なくとも1つは、−OC(=O)CH=CH、又は、−OC(=O)C(CH)=CHで表される基を表す。
上記一般式(MO−1)〜(MO−5)で表される、ラジカル重合性モノマーの具体例としては、特開2007−269779号公報の段落番号0248〜段落番号0251に記載されている化合物を本発明においても好適に用いることができる。
また、特開平10−62986号公報において一般式(1)及び(2)としてその具体例と共に記載の、前記多官能アルコールにエチレンオキサイドやプロピレンオキサイドを付加させた後に(メタ)アクリレート化した化合物も、重合性化合物として用いることができる。
中でも、重合性化合物としては、ジペンタエリスリトールトリアクリレート(市販品としては KAYARAD D−330;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールテトラアクリレート(市販品としては KAYARAD D−320;日本化薬株式会社製)ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD D−310;日本化薬株式会社製)、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート(市販品としては KAYARAD DPHA ;日本化薬株式会社製)、及びこれらの(メタ)アクリロイル基がエチレングリコール、プロピレングリコール残基を介している構造が好ましい。これらのオリゴマータイプも使用できる。
重合性化合物としては、多官能モノマーであって、カルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基等の酸基を有していても良く、例えば、酸基を有するエチレン性不飽和化合物類を好適に挙げることができる。酸基を有するエチレン性不飽和化合物類は、前記多官能アルコールの一部のヒドロキシ基を(メタ)アクリレート化し、残ったヒドロキシ基に酸無水物を付加反応させてカルボキシ基とするなどの方法で得られる。
エチレン性化合物が、上記のように混合物である場合のように未反応のカルボキシル基を有するものであれば、これをそのまま利用することができるが、必要において、上述のエチレン性化合物のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を導入しても良い。この場合、使用される非芳香族カルボン酸無水物の具体例としては、無水テトラヒドロフタル酸、アルキル化無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、アルキル化無水ヘキサヒドロフタル酸、無水コハク酸、無水マレイン酸が挙げられる。
本発明において、酸基を有するモノマーとしては、脂肪族ポリヒドロキシ化合物と不飽和カルボン酸とのエステルであり、脂肪族ポリヒドロキシ化合物の未反応のヒドロキシル基に非芳香族カルボン酸無水物を反応させて酸基を持たせた多官能モノマーが好ましく、特に好ましくは、このエステルにおいて、脂肪族ポリヒドロキシ化合物がペンタエリスリトール及び/又はジペンタエリスリトールであるものである。市販品としては、例えば、東亞合成株式会社製の多塩基酸変性アクリルオリゴマーとして、M−510、M−520などが挙げられる。
これらのモノマーは1種を単独で用いても良いが、製造上、単一の化合物を用いることは難しいことから、2種以上を混合して用いても良い。また、必要に応じてモノマーとして酸基を有しない多官能モノマーと酸基を有する多官能モノマーを併用しても良い。
酸基を有する多官能モノマーの好ましい酸価としては、0.1〜40mg−KOH/gであり、特に好ましくは5〜30mg−KOH/gである。多官能モノマーの酸価が低すぎると現像溶解特性が落ち、高すぎると製造や取扱いが困難になり光重合性能が落ち、画素の表面平滑性等の硬化性が劣るものとなる。従って、異なる酸基の多官能モノマーを2種以上併用する場合、或いは酸基を有しない多官能モノマーを併用する場合、全体の多官能モノマーとしての酸基が上記範囲に入るように調整することが必須である。
また、本発明における重合性化合物としては、下記一般式(i)又は(ii)で表される化合物の群から選択される少なくとも1種であることも好ましい。
前記一般式(i)及び(ii)中、Eは、各々独立に、−((CH)yCHO)−、又は−((CH)yCH(CH)O)−を表し、yは、各々独立に0〜10の整数を表し、Xは、各々独立に、アクリロイル基、メタクリロイル基、水素原子、又はカルボキシル基を表す。
前記一般式(i)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は3個又は4個であり、mは各々独立に0〜10の整数を表し、各mの合計は0〜40の整数である。但し、各mの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
前記一般式(ii)中、アクリロイル基及びメタクリロイル基の合計は5個又は6個であり、nは各々独立に0〜10の整数を表し、各nの合計は0〜60の整数である。但し、各nの合計が0の場合、Xのうちいずれか1つはカルボキシル基である。
前記一般式(i)中、mは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
また、各mの合計は、2〜40の整数が好ましく、2〜16の整数がより好ましく、4〜8の整数が特に好ましい。
前記一般式(ii)中、nは、0〜6の整数が好ましく、0〜4の整数がより好ましい。
また、各nの合計は、3〜60の整数が好ましく、3〜24の整数がより好ましく、6〜12の整数が特に好ましい。
また、一般式(i)又は一般式(ii)中の−((CH)yCHO)−又は−((CH)yCH(CH)O)−は、酸素原子側の末端がXに結合する形態が好ましい。
前記一般式(i)又は(ii)で表される化合物は1種単独で用いてもよいし、2種以上併用してもよい。特に、一般式(ii)において、6個のX全てがアクリロイル基である形態が好ましい。
また、一般式(i)又は(ii)で表される化合物の重合性化合物中における全含有量としては、20質量%以上が好ましく、50質量%以上がより好ましい。
前記一般式(i)又は(ii)で表される化合物は、従来公知の工程である、ペンタエリスリト−ル又はジペンタエリスリト−ルにエチレンオキシド又はプロピレンオキシドを開環付加反応により開環骨格を結合する工程と、開環骨格の末端水酸基に、例えば(メタ)アクリロイルクロライドを反応させて(メタ)アクリロイル基を導入する工程と、から合成することができる。各工程は良く知られた工程であり、当業者は容易に一般式(i)又は(ii)で表される化合物を合成することができる。
前記一般式(i)、(ii)で表される化合物の中でも、ペンタエリスリトール誘導体及び/又はジペンタエリスリトール誘導体がより好ましい。
具体的には、下記式(a)〜(f)で表される化合物(以下、「例示化合物(a)〜(f)」ともいう。)が挙げられ、中でも、例示化合物(a)、(b)、(e)、(f)が好ましい。
一般式(i)、(ii)で表される重合性化合物の市販品としては、例えばサートマー社製のエチレンオキシ鎖を4個有する4官能アクリレートであるSR−494、日本化薬株式会社製のペンチレンオキシ鎖を6個有する6官能アクリレートであるDPCA−60、イソブチレンオキシ鎖を3個有する3官能アクリレートであるTPA−330などが挙げられる。
また、重合性化合物としては、特公昭48−41708号、特開昭51−37193号、特公平2−32293号、特公平2−16765号に記載されているようなウレタンアクリレート類や、特公昭58−49860号、特公昭56−17654号、特公昭62−39417号、特公昭62−39418号記載のエチレンオキサイド系骨格を有するウレタン化合物類も好適である。更に、重合性化合物として、特開昭63−277653号、特開昭63−260909号、特開平1−105238号に記載される、分子内にアミノ構造やスルフィド構造を有する付加重合性化合物類を用いることによって、非常に感光スピードに優れた硬化性組成物を得ることができる。
重合性化合物の市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、UA−7200」(新中村化学社製、DPHA−40H(日本化薬社製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社製)などが挙げられる。
これらの重合性化合物について、その構造、単独使用か併用か、添加量等の使用方法の詳細は、着色感活性光線性又は感放射線性組成物の最終的な性能設計にあわせて任意に設定できる。例えば、感度の観点では、1分子あたりの不飽和基含量が多い構造が好ましく、多くの場合は2官能以上が好ましい。また、着色硬化膜の強度を高める観点では、3官能以上のものがよく、更に、異なる官能数・異なる重合性基(例えばアクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、スチレン系化合物、ビニルエーテル系化合物)のものを併用することで、感度と強度の両方を調節する方法も有効である。更に、3官能以上のものでエチレンオキサイド鎖長の異なる重合性化合物を併用することが、着色感活性光線性又は感放射線性組成物の現像性を調節することができ、優れたパターン形成能が得られるという点で好ましい。また、着色感活性光線性又は感放射線性組成物に含有される他の成分(例えば、光重合開始剤、アルカリ可溶性樹脂、着色剤(顔料)、バインダーポリマー等)との相溶性、分散性に対しても、重合性化合物の選択・使用法は重要な要因であり、例えば、低純度化合物の使用や2種以上の併用により相溶性を向上させうることがある。また、支持体などの硬質表面との密着性を向上させる観点で特定の構造を選択することもあり得る。
以下、重合性化合物の具体例を挙げるが、これに限定されるものではない。
重合性化合物は、1種で使用しても、2種以上を併用して使用しても良い。
本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物中における重合性化合物の含有量は、該着色感活性光線性又は感放射線性組成物中の固形分に対して0.1質量%〜90質量%が好ましく、1.0質量%〜80質量%が更に好ましく、2.0質量%〜70質量%が特に好ましい。
本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物中、特定着色剤と重合性モノマーとの含有質量比(一般式(Az)で表される化合物:重合性モノマー)は、薄層化観点から、1:2〜20:1であることが好ましく、1:1〜10:1であることがより好ましい。
<光重合開始剤>
本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物は、更に光重合開始剤を含有することが、さらなる感度向上の観点で好ましい。
前記光重合開始剤は、組成物に感光性を付与し、感光性組成物とすることができ、カラーレジスト等に好適に用いることができるようになるので、含有することが好ましい。着色感活性光線性又は感放射線性組成物は、光重合開始剤を含有することによって感光性が付与されるともに、前述の重合性化合物及びアルカリ可溶性樹脂を含むことによって、着色感活性光線性又は感放射線性により塗布層を形成した後に、前記塗布層を露光し、現像することによってパターン形成をできる。そして、このようにして得られたパターンを固体撮像素子用又は液晶表示装置カラーフィルタにおけるカラーフィルタとすることができる。
前記光重合開始剤としては、前記重合性化合物の重合を開始する能力を有する限り、特に制限はなく、公知の光重合開始剤の中から適宜選択することができ、例えば、紫外線領域から可視の光線に対して感光性を有するものが好ましく、光励起された増感剤と何らかの作用を生じ、活性ラジカルを生成する活性剤であってもよく、モノマーの種類に応じてカチオン重合を開始させるような開始剤であってもよい。
また、前記光重合開始剤は、約300〜800nm(330〜500nmがより好ましい。)の範囲内に少なくとも約50の分子吸光係数を有する成分を少なくとも1種含有していることが好ましい。
前記光重合開始剤としては、例えば、ハロゲン化炭化水素誘導体(例えば、トリアジン骨格を有するもの、オキサジアゾール骨格を有するもの、など)、アシルホスフィンオキサイド等のアシルホスフィン化合物、ヘキサアリールビイミダゾール、オキシム誘導体等のオキシム化合物、有機過酸化物、チオ化合物、ケトン化合物、芳香族オニウム塩、ケトオキシムエーテル、アミノアセトフェノン化合物、ヒドロキシアセトフェノンなどが挙げられる。
前記トリアジン骨格を有するハロゲン化炭化水素化合物としては、例えば、若林ら著、Bull.Chem.Soc.Japan,42、2924(1969)記載の化合物、英国特許1388492号明細書記載の化合物、特開昭53−133428号公報記載の化合物、独国特許3337024号明細書記載の化合物、F.C.SchaeferなどによるJ.Org.Chem.;29、1527(1964)記載の化合物、特開昭62−58241号公報記載の化合物、特開平5−281728号公報記載の化合物、特開平5−34920号公報記載化合物、米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物、などが挙げられる。
前記米国特許第4212976号明細書に記載されている化合物としては、例えば、オキサジアゾール骨格を有する化合物(例えば、2−トリクロロメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロロフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−フェニル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリブロモメチル−5−(2−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール;2−トリクロロメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−クロルスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−メトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリクロロメチル−5−(4−n−ブトキシスチリル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−トリプロモメチル−5−スチリル−1,3,4−オキサジアゾールなど)などが挙げられる。
また、上記以外の光重合開始剤として、アクリジン誘導体(例えば、9−フェニルアクリジン、1,7−ビス(9、9’−アクリジニル)ヘプタンなど)、N−フェニルグリシンなど、ポリハロゲン化合物(例えば、四臭化炭素、フェニルトリブロモメチルスルホン、フェニルトリクロロメチルケトンなど)、クマリン類(例えば、3−(2−ベンゾフロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−ベンゾフロイル)−7−(1−ピロリジニル)クマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−(2−メトキシベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジメチルアミノベンゾイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジ−n−プロポキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(7−ジエチルアミノクマリン)、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3−(2−フロイル)−7−ジエチルアミノクマリン、3−(4−ジエチルアミノシンナモイル)−7−ジエチルアミノクマリン、7−メトキシ−3−(3−ピリジルカルボニル)クマリン、3−ベンゾイル−5,7−ジプロポキシクマリン、7−ベンゾトリアゾール−2−イルクマリン、また、特開平5−19475号公報、特開平7−271028号公報、特開2002−363206号公報、特開2002−363207号公報、特開2002−363208号公報、特開2002−363209号公報などに記載のクマリン化合物など)、アシルホスフィンオキサイド類(例えば、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフェニルホスフィンオキサイド、LucirinTPOなど)、メタロセン類(例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス(2,6−ジフロロ−3−(1H−ピロール−1−イル)−フェニル)チタニウム、η5−シクロペンタジエニル−η6−クメニル−アイアン(1+)−ヘキサフロロホスフェート(1−)など)、特開昭53−133428号公報、特公昭57−1819号公報、同57−6096号公報、及び米国特許第3615455号明細書に記載された化合物などが挙げられる
前記ケトン化合物としては、例えば、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾルフェノン、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はそのテトラメチルエステル、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例えば、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビスジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、キサントン、チオキサントン、2−クロル−チオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、フルオレノン、2−ベンジル−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−メチル−1−〔4−(メチルチオ)フェニル〕−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−〔4−(1−メチルビニル)フェニル〕プロパノールオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例えば、ベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドンなどが挙げられる。
光重合開始剤としては、ヒドロキシアセトフェノン化合物、アミノアセトフェノン化合物、及び、アシルホスフィン化合物も好適に用いることができる。より具体的には、例えば、特開平10−291969号公報に記載のアミノアセトフェノン系開始剤、特許第4225898号公報に記載のアシルホスフィンオキシド系開始剤も用いることができる。
ヒドロキシアセトフェノン系開始剤としては、IRGACURE−184、DAROCUR−1173、IRGACURE−500、IRGACURE−2959,IRGACURE−127(商品名:いずれもBASFジャパン株式会社製)を用いることができる。アミノアセトフェノン系開始剤としては、市販品であるIRGACURE−907、IRGACURE−369、及び、 IRGACURE−379(商品名:いずれもBASFジャパン株式会社製)を用いることができる。アミノアセトフェノン系開始剤として、365nm又は405nm等の長波光源に吸収波長がマッチングされた特開2009−191179号公報に記載の化合物も用いることができる。また アシルホスフィン系開始剤としては市販品であるIRGACURE−819やDAROCUR−TPO(商品名:いずれもBASFジャパン株式会社製)を用いることができる。
光重合開始剤として、より好ましくはオキシム系光重合開始剤(オキシム系化合物)が挙げられる。オキシム系光重合開始剤の具体例としては、特開2001−233842号記載のオキシム化合物、特開2000−80068号記載のオキシム化合物、特開2006−342166号記載のオキシム化合物を用いることができる。
本発明で光重合開始剤として好適に用いられるオキシム誘導体等のオキシム化合物としては、例えば、3−ベンゾイロキシイミノブタン−2−オン、3−アセトキシイミノブタン−2−オン、3−プロピオニルオキシイミノブタン−2−オン、2−アセトキシイミノペンタン−3−オン、2−アセトキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、2−ベンゾイロキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オン、3−(4−トルエンスルホニルオキシ)イミノブタン−2−オン、及び2−エトキシカルボニルオキシイミノ−1−フェニルプロパン−1−オンなどが挙げられる。
オキシムエステル化合物としては、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.1653−1660)、J.C.S.Perkin II(1979年)pp.156−162、Journal of Photopolymer Science and Technology(1995年)pp.202−232、特開2000−66385号公報記載の化合物、特開2000−80068号公報、特表2004−534797号公報、特開2006−342166号公報の各公報に記載の化合物等が挙げられる。
市販品ではIRGACURE−OXE01(BASFジャパン株式会社製)、IRGACURE−OXE02(BASFジャパン株式会社製)も好適に用いられる。
また上記記載以外のオキシムエステル化合物として、カルバゾールN位にオキシムが連結した特表2009−519904号公報に記載の化合物、ベンゾフェノン部位にヘテロ置換基が導入された米国特許7626957号公報に記載の化合物、色素部位にニトロ基が導入された特開2010−15025号公報及び米国特許公開2009−292039記載の化合物、国際公開特許2009−131189号公報に記載のケトオキシム系化合物、トリアジン骨格とオキシム骨格を同一分子内に含有する米国特許7556910号公報に記載の化合物、405nmに吸収極大を有しg線光源に対して良好な感度を有する特開2009−221114号公報記載の化合物、などを用いてもよい。
好ましくは更に、特開2007−231000号公報、及び、特開2007−322744号公報に記載される環状オキシム化合物に対しても好適に用いることができる。環状オキシム化合物の中でも、特に特開2010−32985号公報、特開2010−185072号公報に記載されるカルバゾール色素に縮環した環状オキシム化合物は、高い光吸収性を有し高感度化の観点から好ましい。
また、オキシム化合物の特定部位に不飽和結合を有する特開2009−242469号公報に記載の化合物も、重合不活性ラジカルから活性ラジカルを再生することで高感度化を達成でき好適に使用することができる。
最も好ましくは、特開2007−269779号公報に示される特定置換基を有するオキシム化合物や、特開2009−191061号公報に示されるチオアリール基を有するオキシム化合物が挙げられる。
具体的には、オキシム系光重合開始剤としては、下記式(1)で表される化合物が好ましい。なお、オキシムのN−O結合が(E)体のオキシム化合物であっても、(Z)体のオキシム化合物であっても、(E)体と(Z)体との混合物であってもよい。
(式(1)中、R及びBは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表す。)
前記Rで表される一価の置換基としては、一価の非金属原子団であることが好ましい。
前記一価の非金属原子団としては、アルキル基、アリール基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アリールオキシカルボニル基、複素環基、アルキルチオカルボニル基、アリールチオカルボニル基等が挙げられる。また、これらの基は、1以上の置換基を有していてもよい。また、前述した置換基は、更に他の置換基で置換されていてもよい。
置換基としてはハロゲン原子、アリールオキシ基、アルコキシカルボニル基又はアリールオキシカルボニル基、アシルオキシ基、アシル基、アルキル基、アリール基等が挙げられる。
置換基を有していてもよいアルキル基としては、炭素数1〜30のアルキル基が好ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基、オクダデシル基、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、t−ブチル基、1−エチルペンチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、トリフルオロメチル基、2−エチルヘキシル基、フェナシル基、1−ナフトイルメチル基、2−ナフトイルメチル基、4−メチルスルファニルフェナシル基、4−フェニルスルファニルフェナシル基、4−ジメチルアミノフェナシル基、4−シアノフェナシル基、4−メチルフェナシル基、2−メチルフェナシル基、3−フルオロフェナシル基、3−トリフルオロメチルフェナシル基、及び、3−ニトロフェナシル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、具体的には、フェニル基、ビフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−アンスリル基、9−フェナントリル基、1−ピレニル基、5−ナフタセニル基、1−インデニル基、2−アズレニル基、9−フルオレニル基、ターフェニル基、クオーターフェニル基、o−、m−及びp−トリル基、キシリル基、o−、m−及びp−クメニル基、メシチル基、ペンタレニル基、ビナフタレニル基、ターナフタレニル基、クオーターナフタレニル基、ヘプタレニル基、ビフェニレニル基、インダセニル基、フルオランテニル基、アセナフチレニル基、アセアントリレニル基、フェナレニル基、フルオレニル基、アントリル基、ビアントラセニル基、ターアントラセニル基、クオーターアントラセニル基、アントラキノリル基、フェナントリル基、トリフェニレニル基、ピレニル基、クリセニル基、ナフタセニル基、プレイアデニル基、ピセニル基、ペリレニル基、ペンタフェニル基、ペンタセニル基、テトラフェニレニル基、ヘキサフェニル基、ヘキサセニル基、ルビセニル基、コロネニル基、トリナフチレニル基、ヘプタフェニル基、ヘプタセニル基、ピラントレニル基、並びに、オバレニル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアシル基としては、炭素数2〜20のアシル基が好ましく、具体的には、アセチル基、プロパノイル基、ブタノイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタノイル基、ベンゾイル基、1−ナフトイル基、2−ナフトイル基、4−メチルスルファニルベンゾイル基、4−フェニルスルファニルベンゾイル基、4−ジメチルアミノベンゾイル基、4−ジエチルアミノベンゾイル基、2−クロロベンゾイル基、2−メチルベンゾイル基、2−メトキシベンゾイル基、2−ブトキシベンゾイル基、3−クロロベンゾイル基、3−トリフルオロメチルベンゾイル基、3−シアノベンゾイル基、3−ニトロベンゾイル基、4−フルオロベンゾイル基、4−シアノベンゾイル基、及び、4−メトキシベンゾイル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアルコキシカルボニル基としては、炭素数2〜20のアルコキシカルボニル基が好ましく、具体的には、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、オクタデシルオキシカルボニル基、及び、トリフルオロメチルオキシカルボニル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアリールオキシカルボニル基として具体的には、フェノキシカルボニル基、1−ナフチルオキシカルボニル基、2−ナフチルオキシカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルオキシカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルオキシカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルオキシカルボニル基、2−クロロフェニルオキシカルボニル基、2−メチルフェニルオキシカルボニル基、2−メトキシフェニルオキシカルボニル基、2−ブトキシフェニルオキシカルボニル基、3−クロロフェニルオキシカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルオキシカルボニル基、3−シアノフェニルオキシカルボニル基、3−ニトロフェニルオキシカルボニル基、4−フルオロフェニルオキシカルボニル基、4−シアノフェニルオキシカルボニル基、及び、4−メトキシフェニルオキシカルボニル基が例示できる。
置換基を有していてもよい複素環基としては、窒素原子、酸素原子、硫黄原子若しくはリン原子を含む、芳香族又は脂肪族の複素環が好ましい。
具体的には、チエニル基、ベンゾ[b]チエニル基、ナフト[2,3−b]チエニル基、チアントレニル基、フリル基、ピラニル基、イソベンゾフラニル基、クロメニル基、キサンテニル基、フェノキサチイニル基、2H−ピロリル基、ピロリル基、イミダゾリル基、ピラゾリル基、ピリジル基、ピラジニル基、ピリミジニル基、ピリダジニル基、インドリジニル基、イソインドリル基、3H−インドリル基、インドリル基、1H−インダゾリル基、プリニル基、4H−キノリジニル基、イソキノリル基、キノリル基、フタラジニル基、ナフチリジニル基、キノキサニリル基、キナゾリニル基、シンノリニル基、プテリジニル基、4aH−カルバゾリル基、カルバゾリル基、β−カルボリニル基、フェナントリジニル基、アクリジニル基、ペリミジニル基、フェナントロリニル基、フェナジニル基、フェナルサジニル基、イソチアゾリル基、フェノチアジニル基、イソキサゾリル基、フラザニル基、フェノキサジニル基、イソクロマニル基、クロマニル基、ピロリジニル基、ピロリニル基、イミダゾリジニル基、イミダゾリニル基、ピラゾリジニル基、ピラゾリニル基、ピペリジル基、ピペラジニル基、インドリニル基、イソインドリニル基、キヌクリジニル基、モルホリニル基、及び、チオキサントリル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアルキルチオカルボニル基として具体的には、メチルチオカルボニル基、プロピルチオカルボニル基、ブチルチオカルボニル基、ヘキシルチオカルボニル基、オクチルチオカルボニル基、デシルチオカルボニル基、オクタデシルチオカルボニル基、及び、トリフルオロメチルチオカルボニル基が例示できる。
置換基を有していてもよいアリールチオカルボニル基として具体的には、1−ナフチルチオカルボニル基、2−ナフチルチオカルボニル基、4−メチルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−フェニルスルファニルフェニルチオカルボニル基、4−ジメチルアミノフェニルチオカルボニル基、4−ジエチルアミノフェニルチオカルボニル基、2−クロロフェニルチオカルボニル基、2−メチルフェニルチオカルボニル基、2−メトキシフェニルチオカルボニル基、2−ブトキシフェニルチオカルボニル基、3−クロロフェニルチオカルボニル基、3−トリフルオロメチルフェニルチオカルボニル基、3−シアノフェニルチオカルボニル基、3−ニトロフェニルチオカルボニル基、4−フルオロフェニルチオカルボニル基、4−シアノフェニルチオカルボニル基、及び、4−メトキシフェニルチオカルボニル基が挙げられる。
前記Bで表される一価の置換基としては、アリール基、複素環基、アリールカルボニル基、又は、複素環カルボニル基を表す。また、これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。また、前述した置換基は、更に他の置換基で置換されていてもよい。
なかでも、特に好ましくは以下に示す構造である。
下記の構造中、Y、X、及び、nは、それぞれ、後述する式(2)におけるY、X、及び、nと同義であり、好ましい例も同様である。
前記Aで表される二価の有機基としては、アルキレン基(好ましくは炭素数1〜12のアルキレン基)、シクロヘキシレン基(好ましくは炭素数6〜12のシクロヘキシレン基)、アルキニレン基(好ましくは炭素数2〜12のアルキニレン基)が挙げられる。また、これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。また、前述した置換基は、更に他の置換基で置換されていてもよい。
中でも、Aとしては、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、無置換のアルキレン基、アルキル基(例えば、メチル基、エチル基、tert−ブチル基、ドデシル基)で置換されたアルキレン基、アルケニル基(例えば、ビニル基、アリル基)で置換されたアルキレン基、アリール基(例えば、フェニル基、p−トリル基、キシリル基、クメニル基、ナフチル基、アンスリル基、フェナントリル基、スチリル基)で置換されたアルキレン基が好ましい。
前記Arで表されるアリール基としては、炭素数6〜30のアリール基が好ましく、また、置換基を有していてもよい。置換基としては、先に置換基を有していてもよいアリール基の具体例として挙げた置換アリール基に導入された置換基と同様のものが例示できる。
なかでも、感度を高め、加熱経時による着色を抑制する点から、置換又は無置換のフェニル基が好ましい。
式(1)においては、前記Arと隣接するSとで形成される「SAr」の構造が、以下に示す構造であることが感度の点で好ましい。なお、Meはメチル基を表し、Etはエチル基を表す。
オキシム化合物は、下記式(2)で表される化合物であることが好ましい。
(式(2)中、R及びXは各々独立に一価の置換基を表し、A及びYは各々独立に二価の有機基を表し、Arはアリール基を表し、nは0〜5の整数である。)
式(2)におけるR、A、及びArは、前記式(1)におけるR、A、及びArと同義であり、好ましい例も同様である。
前記Xで表される一価の置換基としては、アルキル基、アリール基、アルコキシ基、アリールオキシ基、アシルオキシ基、アシル基、アルコキシカルボニル基、アミノ基、複素環基、ハロゲン原子が挙げられる。また、これらの基は1以上の置換基を有していてもよい。置換基としては、前述した置換基が例示できる。また、前述した置換基は、更に他の置換基で置換されていてもよい。
これらの中でも、Xとしては、溶剤溶解性と長波長領域の吸収効率向上の点から、アルキル基が好ましい。
また、式(2)におけるnは、0〜5の整数を表し、0〜2の整数が好ましい。
前記Yで表される二価の有機基としては、以下に示す構造が挙げられる。なお、以下に示される基において、「*」は、前記式(2)において、Yと隣接する炭素原子との結合
位置を示す。
中でも、高感度化の観点から、下記に示す構造が好ましい。
更にオキシム化合物は、下記式(3)で表される化合物であることが好ましい。
(式(3)中、R及びXは各々独立に一価の置換基を表し、Aは二価の有機基を表し、Arはアリール基を表し、nは0〜5の整数である。)
式(3)におけるR、X、A、Ar、及び、nは、前記式(2)におけるR、X、A、Ar、及び、nとそれぞれ同義であり、好ましい例も同様である。
以下好適に用いられるオキシム化合物の具体例(C−1)〜(C−10)を以下に示すが、本発明はこれらに限定されるものではない。
オキシム化合物は、350nm〜500nmの波長領域に極大吸収波長を有するものであり、360nm〜480nmの波長領域に吸収波長を有するものであることが好ましく、365nm及び455nmの吸光度が高いものが特に好ましい。
オキシム化合物は、365nm又は405nmにおけるモル吸光係数は、感度の観点から、1,000〜300,000であることが好ましく、2,000〜300,000であることがより好ましく、5,000〜200,000であることが特に好ましい。
化合物のモル吸光係数は、公知の方法を用いることができるが、具体的には、例えば、紫外可視分光光度計(Varian社製Carry−5 spctrophotometer)にて、酢酸エチル溶媒を用い、0.01g/Lの濃度で測定することが好ましい。
本発明に用いられる光ラジカル重合開始剤は、必要に応じて2種以上を組み合わせて使用しても良い。
本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物の全固形分に対する光重合開始剤の含有量は、0.1〜20質量%であることが好ましく、0.3〜10質量%であることが好ましく、0.4〜5質量%であることが更に好ましい。
着色感活性光線性又は感放射線性組成物は、ラジカル開始剤のラジカル発生効率の向上、感光波長の長波長化の目的で、増感剤を含有していてもよい。本発明に用いることができる増感剤としては、前記した光ラジカル重合開始剤に対し、電子移動機構又はエネルギー移動機構で増感させるものが好ましい。
着色感活性光線性又は感放射線性組成物に用いられる増感剤としては、例えば、特開2008−32803号公報の段落番号〔0101〕〜〔0154〕に記載される化合物が挙げられる。
着色感活性光線性又は感放射線性組成物中における増感剤の含有量は、深部への光吸収効率と開始分解効率の観点から、固形分換算で、0.1質量%〜20質量%であることが好ましく、0.5質量%〜15質量%がより好ましい。
増感剤は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
<溶剤>
本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物は、一般に、前述の各成分と共に溶剤を用いることで、好適に調製することができる。
用いられる溶剤としては、エステル類、例えば、酢酸エチル、酢酸−n−ブチル、酢酸イソブチル、ギ酸アミル、酢酸イソアミル、酢酸イソブチル、プロピオン酸ブチル、酪酸イソプロピル、酪酸エチル、酪酸ブチル、アルキルエステル類、乳酸メチル、乳酸エチル、オキシ酢酸メチル、オキシ酢酸エチル、オキシ酢酸ブチル、メトキシ酢酸メチル、メトキシ酢酸エチル、メトキシ酢酸ブチル、エトキシ酢酸メチル、エトキシ酢酸エチル;3−オキシプロピオン酸メチル、3−オキシプロピオン酸エチルなどの3−オキシプロピオン酸アルキルエステル類;3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸メチル、2−オキシプロピオン酸エチル、2−オキシプロピオン酸プロピル、2−メトキシプロピオン酸メチル、2−メトキシプロピオン酸エチル、2−メトキシプロピオン酸プロピル、2−エトキシプロピオン酸メチル、2−エトキシプロピオン酸エチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−オキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、2−メトキシ−2−メチルプロピオン酸メチル、2−エトキシ−2−メチルプロピオン酸エチル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、ピルビン酸プロピル、アセト酢酸メチル、アセト酢酸エチル、2−オキソブタン酸メチル、2−オキソブタン酸エチル等;エーテル類、例えばジエチレングリコールジメチルエーテル、テトラヒドロフラン、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ジエチレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコールモノエチルエーテル、ジエチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート等;ケトン類、例えば、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、2−ヘプタノン、3−ヘプタノン等;芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン;等が挙げられる。
これらのうち、3−エトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、エチルセロソルブアセテート、乳酸エチル、ジエチレングリコールジメチルエーテル、酢酸ブチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、2−ヘプタノン、シクロヘキサノン、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート等が好適である。
溶剤は、単独で用いる以外に2種以上を組み合わせて用いてもよい。
−界面活性剤−
本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物には、塗布性をより向上させる観点から、各種の界面活性剤を添加してもよい。界面活性剤としては、フッ素系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、アニオン系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤などの各種界面活性剤を使用できる。
特に、本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物は、フッ素系界面活性剤を含有することで、塗布液として調製したときの液特性(特に、流動性)がより向上することから、塗布厚の均一性や省液性をより改善することができる。
即ち、フッ素系界面活性剤を含有する着色感活性光線性又は感放射線性組成物を適用した塗布液を用いて膜形成する場合においては、被塗布面と塗布液との界面張力を低下させることにより、被塗布面への濡れ性が改善され、被塗布面への塗布性が向上する。このため、少量の液量で数μm程度の薄膜を形成した場合であっても、厚みムラの小さい均一厚の膜形成をより好適に行える点で有効である。
フッ素系界面活性剤中のフッ素含有率は、3質量%〜40質量%が好適であり、より好ましくは5質量%〜30質量%であり、特に好ましくは7質量%〜25質量%である。フッ素含有率がこの範囲内であるフッ素系界面活性剤は、塗布膜の厚さの均一性や省液性の点で効果的であり、着色感活性光線性又は感放射線性組成物中における溶解性も良好である。
フッ素系界面活性剤としては、例えば、メガファックF171、同F172、同F173、同F176、同F177、同F141、同F142、同F143、同F144、同R30、同F437、同F475、同F479、同F482、同F554、同F780、同F781(以上、DIC(株)製)、フロラードFC430、同FC431、同FC171(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−382、同SC−101、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC1068、同SC−381、同SC−383、同S393、同KH−40(以上、旭硝子(株)製)等が挙げられる。
ノニオン系界面活性剤として具体的には、グリセロール、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン並びにそれらのエトキシレート及びプロポキシレート(例えば、グリセロールプロポキシレート、グリセリンエトキシレート等)、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリエチレングリコールジラウレート、ポリエチレングリコールジステアレート、ソルビタン脂肪酸エステル、BASF社製のプルロニックL10、L31、L61、L62、10R5、17R2、25R2、テトロニック304、701、704、901、904、150R1、ソルスパース20000(日本ルーブリゾール(株)製)等が挙げられる。
カチオン系界面活性剤として具体的には、フタロシアニン誘導体(商品名:EFKA−745、森下産業(株)製)、オルガノシロキサンポリマーKP341(信越化学工業(株)製)、(メタ)アクリル酸系(共)重合体ポリフローNo.75、No.90、No.95(共栄社化学(株)製)、W001(裕商(株)製)等が挙げられる。
アニオン系界面活性剤として具体的には、W004、W005、W017(裕商(株)社製)等が挙げられる。
シリコーン系界面活性剤としては、例えば、東レ・ダウコーニング(株)製「トーレシリコーンDC3PA」、「トーレシリコーンSH7PA」、「トーレシリコーンDC11PA」,「トーレシリコーンSH21PA」,「トーレシリコーンSH28PA」、「トーレシリコーンSH29PA」、「トーレシリコーンSH30PA」、「トーレシリコーンSH8400」、モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製「TSF−4440」、「TSF−4300」、「TSF−4445」、「TSF−4460」、「TSF−4452」、信越シリコーン株式会社製「KP341」、「KF6001」、「KF6002」、ビックケミー社製「BYK307」、「BYK323」、「BYK330」等が挙げられる。
界面活性剤は、1種のみを用いてもよいし、2種類以上を組み合わせてもよい。
界面活性剤の添加量は、着色感活性光線性又は感放射線性組成物の全質量に対して、0.001質量%〜5.0質量%が好ましく、より好ましくは0.005質量%〜3.0質量%である。
<重合禁止剤>
本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物においては、該着色感活性光線性又は感放射線性組成物の製造中又は保存中において、重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の重合禁止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4’−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩等が挙げられる。
重合禁止剤の添加量は、全組成物の質量に対して、約0.01質量%〜約5質量%が好ましい。
<その他の成分>
本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物には、必要に応じて、増感色素、エポキシ樹脂、フッ素系有機化合物、熱重合開始剤、熱重合成分、充填剤、上記アルカリ可溶性樹脂以外の高分子化合物、密着促進剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、凝集防止剤、分子量1000以下の有機カルボン酸、及び/又は有機カルボン酸無水物などの各種添加物を含有することができる。
その他の成分としては、例えば、特開2009−256572号公報の段落0155〜段落0217に記載の各成分を用いることができる。
本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物は、既述の本発明の顔料分散組成物に対し、重合性化合物、及び光重合開始剤、更には、必要に応じて、アルカリ可溶性樹脂や溶剤、界面活性剤等の添加剤を加えることで、調製することができる。
本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物に含まれる固形分の総濃度は、1〜70質量%の範囲であることが好ましく、2〜50質量%の範囲であることがより好ましい。
本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物は、一般式(Az)で表されるアゾ顔料を含む顔料分散組成物を含むことから、顔料分散性に優れ、また、色特性にも優れる。
そのため、良好な色特性が求められるカラーフィルタ(特に固体撮像素子用カラーフィルタ)の着色領域を形成するために用いられることが好ましい。すなわち、本発明は、本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物を用いて形成されたカラーフィルタ(特に固体撮像素子用カラーフィルタ)にも関する。
[固体撮像素子用又は液晶表示装置用カラーフィルタ及びその製造方法]
本発明の固体撮像素子用又は液晶表示素子用カラーフィルタの製造方法(パターン形成方法)は、支持体上に、既述の本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物を塗布して着色感活性光線性又は感放射線性組成物層を形成する工程(以下、「着色感活性光線性又は感放射線性組成物層形成工程」ともいう)と、前記着色感活性光線性又は感放射線性組成物層をマスクを介して露光する工程(以下、「露光工程」ともいう)と、露光後の着色感活性光線性又は感放射線性組成物層を現像して着色パターン(以下、「着色画素」ともいう)を形成する工程(以下、「現像工程」ともいう)と、を含む。
また、本発明の固体撮像素子用又は液晶表示装置用カラーフィルタは、本発明の固体撮像素子用又は液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法によって製造されたものである。本発明は、本発明の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法によって製造された、固体撮像素子用カラーフィルタであることがより好ましい。
本発明の固体撮像素子用又は液晶表示素子用カラーフィルタは、本発明の固体撮像素子用又は液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法によって製造された赤色パターン(赤色画素)を少なくとも有していればよい。本発明の固体撮像素子用又は液晶表示装置用カラーフィルタの具体的形態としては、例えば、前記赤色パターンと他の着色パターンとを組み合わせた多色のカラーフィルタの形態(例えば、前記赤色パターン、青色パターン、及び緑色パターンを少なくとも有する3色以上のカラーフィルタ)が好適である。
以下、固体撮像素子用又は液晶表示装置用カラーフィルタを単に「カラーフィルタ」ということがある。
<着色感活性光線性又は感放射線性組成物層形成工程>
着色感活性光線性又は感放射線性組成物層形成工程では、支持体上に、本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物を付与して着色感活性光線性又は感放射線性組成物層を形成する。
本工程に用いうる支持体としては、固体撮像素子用の場合には、例えば、基板(例えば、シリコン基板)上にCCD(Charge Coupled Device)やCMOS(Complementary Metal−Oxide Semiconductor)等の撮像素子(受光素子)が設けられた固体撮像素子用基板を用いることができる。また、液晶表示装置用の場合では、ガラス基板を支持体として用いることができる。
本発明における着色パターンは、固体撮像素子用基板の撮像素子形成面側(おもて面)に形成されてもよいし、撮像素子非形成面側(裏面)に形成されてもよい。
固体撮像素子用基板における各撮像素子間や、固体撮像素子用基板の裏面には、遮光膜が設けられていてもよい。
また、支持体上には、必要により、上部の層との密着改良、物質の拡散防止或いは基板表面の平坦化のために下塗り層を設けてもよい。
支持体上への本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物の付与方法としては、スリット塗布、インクジェット法、回転塗布、流延塗布、ロール塗布、スクリーン印刷法等の各種の塗布方法を適用することができる。
着色感活性光線性又は感放射線性組成物層の膜厚としては、0.1μm〜10μmが好ましく、0.2μm〜5μmがより好ましく、0.2μm〜3μmが更に好ましい。
支持体上に塗布された着色感活性光線性又は感放射線性組成物層の乾燥(プリベーク)は、ホットプレート、オーブン等で50℃〜140℃の温度で10秒〜300秒で行うことができる。
<露光工程>
露光工程では、着色感活性光線性又は感放射線性組成物層形成工程において形成された着色感活性光線性又は感放射線性組成物層を、例えば、ステッパー等の露光装置を用い、所定のマスクパターンを有するマスクを介してパターン露光する。
露光に際して用いることができる放射線(光)としては、特に、g線、i線等の紫外線が好ましく(特に好ましくはi線)用いられる。照射量(露光量)は30〜1500mJ/cmが好ましく50〜1000mJ/cmがより好ましく、80〜500mJ/cmが最も好ましい。
<現像工程>
次いでアルカリ現像処理を行うことにより、露光工程における光未照射部分の着色感活性光線性又は感放射線性組成物層がアルカリ水溶液に溶出し、光硬化した部分だけが残る。
現像液としては、下地の撮像素子や回路などにダメージを起さない、有機アルカリ現像液が望ましい。現像温度としては通常20℃〜30℃であり、現像時間は従来は20秒〜90秒であった。より残渣を除去するため、近年では120秒〜180秒実施する場合もある。更には、より残渣除去性を向上するため、現像液を60秒ごとに振り切り、更に新たに現像液を供給する工程を数回繰り返す場合もある。
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5、4、0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられ、これらのアルカリ剤を濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が現像液として好ましく使用される。
なお、現像液には無機アルカリを用いてもよく、無機アルカリとしては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウムなどが好ましい。
なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後純水で洗浄(リンス)する。
次いで、乾燥を施した後に加熱処理(ポストベーク)を行うことが好ましい。多色の着色パターンを形成するのであれば、各色ごとに前記工程を順次繰り返して硬化皮膜を製造することができる。これによりカラーフィルタが得られる。
ポストベークは、硬化を完全なものとするための現像後の加熱処理であり、通常100℃〜240℃、好ましくは200℃〜240℃の熱硬化処理を行う。
このポストベーク処理は、現像後の塗布膜を、上記条件になるようにホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で行うことができる。
なお、本発明の製造方法は、必要に応じ、上記以外の工程として、固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法として公知の工程を有していてもよい。例えば、上述した、着色感活性光線性又は感放射線性組成物層形成工程、露光工程、及び現像工程を行った後に、必要により、形成された着色パターンを加熱及び/又は露光により硬化する硬化工程を含んでいてもよい。
本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物は、例えば、塗布装置吐出部のノズル、塗布装置の配管部、塗布装置内等に付着した場合でも、公知の洗浄液を用いて容易に洗浄除去することができる。この場合、より効率の良い洗浄除去を行うためには、本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物に含まれる溶剤として前掲した溶剤を洗浄液として用いることが好ましい。
また、特開平7−128867号公報、特開平7−146562号公報、特開平8−278637号公報、特開2000−273370号公報、特開2006−85140号公報、特開2006−291191号公報、特開2007−2101号公報、特開2007−2102号公報、特開2007−281523号公報などに記載の洗浄液も、本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物の洗浄除去用の洗浄液として好適に用いることができる。
洗浄液としては、アルキレングリコールモノアルキルエーテルカルボキシレート、又はアルキレングリコールモノアルキルエーテルを用いることがが好ましい。
洗浄液として用いうるこれら溶剤は、単独で用いても2種以上を混合して用いてもよい。
溶剤を2種以上を混合する場合、水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤とを混合してなる混合溶剤が好ましい。水酸基を有する溶剤と水酸基を有しない溶剤との質量比は、1/99〜99/1、好ましくは10/90〜90/10、更に好ましくは20/80〜80/20である。混合溶剤としては、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA)とプロピレングリコールモノメチルエーテル(PGME)の混合溶剤で、その質量比率が60/40であることが特に好ましい。
なお、着色感活性光線性又は感放射線性組成物に対する洗浄液の浸透性を向上させるために、洗浄液には、着色感活性光線性又は感放射線性性組成物が含有しうる界面活性剤として前掲した界面活性剤を添加してもよい。
本発明の固体撮像素子用カラーフィルタは、本発明の着色感活性光線性又は感放射線性組成物を用いているため、剥がれ欠陥及び残渣欠陥が少なく、また、着色パターンの耐熱性に優れている。また、一般式(Az)で表されるアゾ顔料を用いて形成されているため、赤色としての分光特性に優れる。
本発明の固体撮像素子用カラーフィルタは、CCD、CMOS等の固体撮像素子に好適に用いることができ、特に100万画素を超えるような高解像度のCCDやCMOS等に好適である。本発明の固体撮像素子用カラーフィルタは、例えば、CCD又はCMOSを構成する各画素の受光部と、集光するためのマイクロレンズと、の間に配置されるカラーフィルタとして用いることができる。
固体撮像素子用カラーフィルタにおける着色パターン(着色画素)の膜厚としては、2.0μm以下が好ましく、1.0μm以下がより好ましい。
また、着色パターン(着色画素)のサイズ(パターン幅)としては、2.5μm以下が好ましく、2.0μm以下がより好ましく、1.7μm以下が特に好ましい。
[固体撮像素子]
本発明の固体撮像素子は、既述の本発明の固体撮像素子用カラーフィルタを備える。本発明の固体撮像素子の構成としては、本発明の固体撮像素子用カラーフィルタが備えられた構成であり、固体撮像素子として機能する構成であれば特に限定はないが、例えば、以下のような構成が挙げられる。
支持体上に、固体撮像素子(CCDイメージセンサー、CMOSイメージセンサー、等)の受光エリアを構成する複数のフォトダイオード及びポリシリコン等からなる転送電極を有し、前記フォトダイオード及び前記転送電極上にフォトダイオードの受光部のみ開口したタングステン等からなる遮光膜を有し、遮光膜上に遮光膜全面及びフォトダイオード受光部を覆うように形成された窒化シリコン等からなるデバイス保護膜を有し、前記デバイス保護膜上に、本発明の固体撮像素子用カラーフィルタを有する構成である。
更に、前記デバイス保護層上であってカラーフィルタの下(支持体に近い側)に集光手段(例えば、マイクロレンズ等。以下同じ)を有する構成や、カラーフィルタ上に集光手段を有する構成等であってもよい。
<液晶表示素子>
本発明のカラーフィルタは、色相に優れ、かつ耐光性に優れた着色画素を有することから、特に液晶表示装置用のカラーフィルタとして好適である。このようなカラーフィルタを備えた液晶表示素子は、表示画像の色合いが良好で表示特性に優れた高画質画像を表示することができる。
表示装置の定義や各表示装置の詳細については、例えば「電子ディスプレイデバイス(佐々木 昭夫著、(株)工業調査会 1990年発行)」、「ディスプレイデバイス(伊吹 順章著、産業図書(株)平成元年発行)」などに記載されている。また、液晶表示装置については、例えば「次世代液晶ディスプレイ技術(内田 龍男編集、(株)工業調査会 1994年発行)」に記載されている。本発明が適用できる液晶表示装置に特に制限はなく、例えば、上記の「次世代液晶ディスプレイ技術」に記載されている色々な方式の液晶表示装置に適用できる。
本発明のカラーフィルタは、中でも特に、カラーTFT方式の液晶表示装置に対して有効である。カラーTFT方式の液晶表示装置については、例えば「カラーTFT液晶ディスプレイ(共立出版(株)1996年発行)」に記載されている。更に、本発明はIPSなどの横電界駆動方式、MVAなどの画素分割方式などの視野角が拡大された液晶表示装置や、STN、TN、VA、OCS、FFS、及びR−OCB等にも適用できる。
また、本発明のカラーフィルタは、明るく高精細なCOA(Color−filter On Array)方式にも供することが可能である。COA方式の液晶表示装置にあっては、カラーフィルタ層に対する要求特性は、前述のような通常の要求特性に加えて、層間絶縁膜に対する要求特性、すなわち低誘電率及び剥離液耐性が必要とされることがある。なお、低誘電率の要求特性を満足するためには、カラーフィルタ層の上に樹脂被膜を設けてもよい。
更に、COA方式により形成される着色層には、着色層上に配置されるITO電極と着色層の下方の駆動用基板の端子とを導通させるために、一辺の長さが1〜15μm程度の矩形のスルーホールあるいはコの字型の窪み等の導通路を形成する必要であり、導通路の寸法(即ち、一辺の長さ)を特に5μm以下にすることが好ましいが、本発明を用いることにより、5μm以下の導通路を形成することも可能である。これらの画像表示方式については、例えば、「EL、PDP、LCDディスプレイ−技術と市場の最新動向−(東レリサーチセンター調査研究部門 2001年発行)」の43ページなどに記載されている。
本発明の液晶表示素子は、本発明のカラーフィルタ以外に、電極基板、偏光フィルム、位相差フィルム、バックライト、スペーサ、視野角保障フィルムなど様々な部材から構成される。本発明のカラーフィルタは、これらの公知の部材で構成される液晶表示素子に適用することができる。これらの部材については、例えば、「’94液晶ディスプレイ周辺
材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 (株)シーエムシー 1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉(株)富士キメラ総研、2003年発行)」に記載されている。
バックライトに関しては、SID meeting Digest 1380(2005)(A.Konno et.al)や、月刊ディスプレイ 2005年12月号の18〜24ページ(島 康裕)、同25〜30ページ(八木隆明)などに記載されている。
本発明のカラーフィルタを液晶表示素子に用いると、従来公知の冷陰極管の三波長管と組み合わせたときに高いコントラストを実現できるが、更に、赤、緑、青のLED光源(RGB−LED)をバックライトとすることによって輝度が高く、また、色純度の高い色再現性の良好な液晶表示装置を提供することができる。
以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。以下の実施例に示す材料、試薬、割合、機器、操作等は本発明の精神から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下に示す具体例に限定されるものではない。なお、以下の実施例において、特に断りのない限り「%」及び「部」は、「質量%」及び「質量部」を表し、分子量とは重量平均分子量のことを示す。
<高分子化合物の合成例>
〔合成例1〕
(高分子化合物1の合成)
下記化合物M−6 27.0g、ジメチルアミノエチルメタクリレート 126.0g、メタクリル酸メチル 27.0g、及び1−メトキシ−2−プロパノール 420.0gを、窒素置換した三口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して90℃まで昇温した。これに2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬(株)製V−65)を1.80g加え、90℃にて2時間加熱攪拌を行った。2時間後、更にV−65を1.80g加え、3時加熱攪拌の後、高分子化合物1(構造は下記)の30質量%溶液(以下、「高分子化合物溶液1」とも呼ぶ)を得た。
ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、得られた高分子化合物1の重量平均分子量を測定した結果、2.1万、分散度2.6であった。また、塩酸を用いた滴定から、固形分あたりのアミン価は、250mgKOH/gであった。またH−NMR測定により、高分子化合物1の組成比(モル比)を算出した結果、下記構造の左から順に8/69/23であった。
なお高分子化合物1は、側鎖に複素環を有する高分子化合物である。
〔合成例2〕
(高分子化合物2の合成)
下記化合物M−11 27.0g、メタクリル酸メチル 126.0g、メタクリル酸 27.0g、及び1−メトキシ−2−プロパノール 420.0gを、窒素置換した三つ口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して90℃まで昇温した。これに2,2−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)(和光純薬(株)製V−65)を1.69g加え、90℃にて2時間加熱攪拌を行った。2時間後、更にV−65を1.69g加え、3時加熱攪拌の後、高分子化合物2(構造は下記)の30質量%溶液(以下、「高分子化合物溶液2」とも呼ぶ)を得た。
得られた高分子化合物2の重量平均分子量をポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により測定した結果、2.0万、分散度2.0であった。また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、固形分あたりの酸価は、98mgKOH/gであった。またH−NMR測定により、高分子化合物2の組成比(モル比)を算出した結果、下記構造の左から順に5/75/20であった。
なお高分子化合物2は、側鎖に複素環を有する高分子化合物である。
〔合成例3〕
(高分子化合物3の合成)
ジエチレングリコール 24gを窒素置換した三口フラスコに導入し、攪拌機(新東科学(株):スリーワンモータ)にて攪拌し、窒素をフラスコ内に流しながら加熱して80℃まで昇温する。これに、ベンジルメタクリレート 70.5g、メタクリル酸 29.5g、及びジエチレングリコール210g、ドデシルメルカプタン 1.3g、2,2−アゾビス(2,4−ジメチルイソブチレート)(和光純薬(株)製V−601)1.5gを溶解させた液を2時間かけて滴下した。更に2時間攪拌し、高分子化合物3(構造は下記)の30質量%溶液(以下、「高分子化合物溶液3」とも呼ぶ)を得た。
ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、得られた高分子化合物3の重量平均分子量を測定した結果、1.7万、分散度1.9であった。また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、固形分あたりの酸価は、192mgKOH/gであった。またH−NMR測定により、高分子化合物3の組成比(モル比)を算出した結果、下記構造の左から順に54/46であった。
なお高分子化合物3は、側鎖に複素環を有しない高分子化合物である。
〔合成例4〕
(高分子化合物4の合成)
ベンジルメタクリレート(メタクリル酸ベンジル)をメチルメタクリレート(メタクリル酸メチル)に変更した以外は、合成例3と同様の方法で高分子化合物4(構造は下記)の30質量%溶液(以下、「高分子化合物溶液4」とも呼ぶ)を得た。
ポリスチレンを標準物質としたゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC)により、得られた高分子化合物4の重量平均分子量を測定した結果、1.5万、分散度1.8であった。また、水酸化ナトリウムを用いた滴定から、固形分あたりの酸価は、192mgKOH/gであった。またH−NMR測定により、高分子化合物4の組成比(モル比)を算出した結果、下記構造の左から順に67/33であった。
なお高分子化合物4は、側鎖に複素環を有しない高分子化合物である。
<顔料の合成例>
下記構造の顔料1は、特開2010−47750号公報の段落〔0171〕〜〔0173〕に記載の合成例1に従って合成した。下記構造の顔料2は、特開2010−155983号公報の段落〔0244〕〜〔0246〕に記載の合成例1に従って合成した。下記構造の顔料5は、特開2010−043255号公報の段落〔0181〕〜〔0183〕に記載の合成例1に従って合成した。下記構造の顔料6は、特開2010−084135号公報の段落〔0247〕〜〔0249〕に記載の合成例1に従って合成した。また、下記構造の顔料3及び4は、以下の合成例のようにして合成した。
〔合成例5〕
(顔料3の合成)
顔料3の合成は、以下のルートで合成した。
1.0gの化合物(1)を7.5mlのリン酸(和光純薬工業株式会社;試薬特級、純度85%)に加えて溶かした。この溶液を氷冷して−2〜0℃に保ち、亜硝酸ナトリウム0.38gを加えて1時間攪拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。別に化合物(0)1.50gにN−メチルピロリドン25mlを添加し溶解攪拌下に、前述のジアゾニウム塩溶液を5℃〜12℃で加えた。添加終了と同時に氷浴をはずし、更に2時間攪拌した。反応液にメタノール100mlを添加し、30分間攪拌し、析出した結晶を濾過し、メタノール50mlで洗浄した。得られた結晶を水100mlで1時間攪拌し、結晶を濾過した。得られた結晶にN−メチルピロリドン25ml、水25mlを添加し、80℃で1時間攪拌し、室温で2時間攪拌した。結晶を濾過し、N−メチルピロリドン/水=1/1の20ml及び水20mlでかけ洗いした。得られた結晶を乾燥し、本発明の顔料3を1.8g得た。収率76.3%。
図1に赤外吸収チャートを示す。
〔合成例6〕
(顔料4の合成)
顔料4を以下のルートで合成した。
1.0gの化合物(1−2)を10mlのリン酸(和光純薬株式会社;試薬特級純度85%、以下同様)に加えて30℃に加温し溶かした。この溶液を氷冷して0〜5℃に保ち、亜硝酸ナトリウム0.38gを加えて1.5時間攪拌し、ジアゾニウム塩溶液を得た。このジアゾニウム塩溶液を、化合物(2−2)1.4gをジメチルアセトアミド5mlに溶かした溶液に5〜10℃に保ちながら滴下し、その後5〜10℃に保ちながら1時間攪拌した。その後、氷浴をはずし、更に0.5時間攪拌した。反応液に水50mlを加え、80℃で加熱完溶した。析出した結晶を濾別し、水50mlでかけ洗いをした。結晶を乾燥したのちにジメチルアセトアミド500mlを加え、80℃で3時間、室温で1時間攪拌し、析出している結晶を濾過し、メタノール500mlでかけ洗いした。得られた結晶を乾燥し、顔料4を1.0g得た。収率50%。
図2に得られた顔料4の赤外吸収チャートを示す。
<加工顔料の製造>
〔加工顔料1〕
下記表1記載の顔料1 50g、塩化ナトリウム 500g、上記で得られた高分子化合物1の30質量%溶液(高分子化合物溶液1) 25g、及びジエチレングリコール100gをステンレス製1ガロンニーダー(井上製作所製)に仕込み、9時間混練した。次に、この混合物を約3リットルの水中に投入し、ハイスピードミキサーで約1時間撹拌した後に、ろ過、水洗して塩化ナトリウム及び溶剤を除き、乾燥して高分子化合物で被覆された加工顔料1を得た。
〔加工顔料2〜10、比較加工顔料1〜3、非加工顔料1〕
加工顔料1において、下記表1に記載の顔料及び高分子化合物溶液を使用した以外は、加工顔料1と同様にして、加工顔料2〜10、比較加工顔料1〜3を得た。なお、比較加工顔料2及び3は高分子化合物を導入せずに混練したことを意味する。
また、下記表1記載の顔料1を混練せずに、そのまま使用した場合を非加工顔料1とした。
なお、加工顔料5で使用した水素添加ロジンエステル(荒川化学社製「エステルガムHP」)としては、固形分30質量%のジエチレングリコール溶液に調整したものを使用した。また、水素添加ロジンエステルは、側鎖に複素環を有しない高分子化合物である。
(顔料の平均1次粒子径の測定)
顔料の平均1次粒子径は、得られた加工顔料及び非加工顔料を透過型電子顕微鏡(TEM)にて観察し、顔料粒子50個の粒径の平均値を算出することにより求めた。なお顔料の平均1次粒子径は、高分子化合物による被覆に実質的に左右されないので、高分子化合物による被覆後の顔料の平均1次粒子径が5〜50nmの範囲であれば、高分子化合物により被覆される前の顔料の平均1次粒子径も5〜50nmの範囲である。
(顔料の被覆度の評価)
得られた加工顔料10gを1−メトキシ−2−プロパノール 100mL中に投入し、振とう機にて室温で3時間、振とうさせた。その後、遠心分離機にて、50,000rpm、8時間かけて顔料を沈降させた。上澄み液部分の固形分を乾燥法から求めた。顔料から遊離した高分子化合物の量を求め、処理に使用した高分子化合物との比から、遊離率(質量%)を算出した。遊離率は小さいほど顔料への被覆度が高い。
なお、比較加工顔料1で使用した顔料の詳細は以下の通りである。
PR254;C.I.ピグメントレッド254(下記構造の化合物)
表1の結果から明らかのように、側鎖に複素環を有する高分子化合物で本発明に係る顔料を被覆した場合に、顔料から遊離した高分子化合物の量が小さく、顔料への被覆率に優れることが分かる。一方で、本発明に係る顔料以外の顔料(PR254)を、側鎖に複素環を有する高分子化合物で被覆した場合には、上記の場合と比較して高分子化合物の遊離率が高くなった。
<顔料分散組成物の調製>
下記組成からなる混合液を、ビーズミルにより2時間混合、分散して赤色顔料分散組成物P−1を調製した。
−組成−
・上記加工顔料1と、ピグメントイエロー139(PY139)との混合物(質量比〔加工顔料1/PY139〕=100/30) … 11.8部
・下記顔料誘導体2 … 1.2部
・下記分散剤1(重量平均分子量23000、酸価 98mgKOH/g)… 5.8部
・プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート(PGMEA) …80.3部
上記顔料の混合物では、加工顔料1が主顔料であり、ピグメントイエロー139が副顔料である。なおピグメントイエロー139は、下記構造の化合物である。
下記表2に記載の加工顔料又は非加工顔料、顔料誘導体及び分散剤を使用した以外は、赤色顔料分散組成物P−1と同様にして、赤色顔料分散組成物P−2〜P−10、比較用の赤色顔料分散組成物PC−1〜PC−4を調整した。
なお、表2に記載した顔料誘導体及び分散剤の詳細は以下の通りである。
上記分散剤1の重量平均分子量は23000、分散度1.6、酸価 98mgKOH/g、組成比(上記構造の左から順に)40/60質量%である。
上記分散剤2の重量平均分子量は25000、分散度1.6、酸価 30mgKOH/g、組成比(上記構造の左から順に)5/5/90質量%である。
分散剤3:ビックケミー社製Disperbyk−2091
<体積平均粒子径の測定>
得られた赤色顔料分散組成物P−1〜P−10及びPC−1〜PC−4について、ナノトラックUPA粒度分析計(UPA−EX150;日機装社製)を用いて体積平均粒子径の測定を行ったところ、10nmであった。
<分散安定性評価>
赤色顔料分散組成物P−1〜P−10及びPC−1〜PC−4について、E型粘度計(東機産業(株)社製、RE−85L)を用いて、分散直後の粘度η1(単位mPa・s)、及び分散後、室温(25℃、以下同じ。)にて1週間放置した後の粘度η2(単位mPa・s)を室温にて測定し、増粘量〔η2−η1〕を算出した。更に、算出された増粘量に基づき、下記評価基準に従って赤色顔料分散組成物の分散安定性を評価した。評価結果を表2に示した。
増粘量が少ない程、分散安定性が良好であることを示す。
−評価基準−
◎:増粘量が5mPa・s以下
○:増粘量が5mPa・sより大きく8mPa・s以下
×:増粘量が8mPa・sより大きい
表2の結果から明らかのように、高分子化合物で被覆した顔料を用いた顔料分散組成物P−1〜P−10は、高分子化合物で被覆しない、平均1次粒子径が5〜50nmの顔料を用いた顔料分散組成物PC−2〜及びPC−3と比較して、分散安定性が良好であることが分かった。なお顔料分散組成物PC−4は、高分子化合物で被覆しないにも関らず、分散安定性の結果が○であったが、これは顔料分散組成物PC−4で使用した非加工顔料1の平均1次粒子径が大きく、分散し易かったことに起因すると考えられる。
<赤色着色感活性光線性又は感放射線性組成物の調製>
上記の顔料分散組成物P−1を用い、下記組成となるように混合、攪拌して赤色着色感活性光線性又は感放射線性組成物R−1を調製した。
(組成)
・顔料分散組成物P−1 … 10.28部
・重合性化合物(例示化合物(MC−3)) … 0.15部
・オキシム系光重合開始剤(BASFジャパン株式会社製IRGACURE−OXE01)
… 0.07部
・重合禁止剤(p−メトキシフェノール) … 0.01部
・アルカリ可溶性樹脂(メタクリル酸ベンジル/メタクリル酸/メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル共重合体、モル比60/22/18、酸価 30mgKOH/g、重量平均分子量15000))… 1.14部
・フッ素系界面活性剤(DIC社製メガファックF781の1.0質量%PGMEA溶液)
… 0.63部
・溶剤(プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート) … 2.73部
下記表3に記載の顔料分散組成物を使用した以外は、赤色着色感活性光線性又は感放射線性組成物R−1と同様にして、赤色着色感活性光線性又は感放射線性組成物R−2〜R−10、比較用の赤色着色感活性光線性又は感放射線性組成物RC−1〜RC−4を調整した。
<赤色カラーフィルタの作製>
上記で調製された赤色着色感活性光線性又は感放射線性組成物を、あらかじめヘキサメチルジシラザンを噴霧した8インチのデバイス形成済みシリコンウエハ(固体撮像素子基板)のデバイス形成面側に塗布し、光硬化性の塗布膜を形成した。そして、この塗布膜の乾燥膜厚が1.0μmになるように、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行った。
次いで、i線ステッパー露光装置FPA−3000i5+(Canon(株)製)を使用して、365nmの波長で1.0μm四方の赤色画素を形成するためのフォトマスクを通して露光量150mJ/cmにてパターン露光を行った。
その後、照射された塗布膜が形成されているシリコンウエハをスピン・シャワー現像機(DW−30型;(株)ケミトロニクス製)の水平回転テーブル上に載置し、アルカリ現像液CD−2000(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の40%希釈液を用いて23℃で180秒間パドル現像を行ない、シリコンウエハに赤色パターンを形成した。
赤色パターンが形成されたシリコンウエハを真空チャック方式で前記水平回転テーブルに固定し、回転装置によって該シリコンウエハを回転数50rpmで回転させつつ、その回転中心の上方より純水を噴出ノズルからシャワー状に供給してリンス処理を行ない、その後スプレー乾燥した。
次に、200℃のホットプレートにて5分間加熱し、シリコンウエハ上に赤色パターン(赤色カラーフィルタ)を得た。
得られた赤色カラーフィルタ付きシリコンウエハを光学顕微鏡(倍率1000倍)で観察したところ、着色パターン非形成領域において現像残渣が抑制されていた。
また、赤色カラーフィルタのパターン形状を光学顕微鏡(倍率1000倍)及び走査型電子顕微鏡(SEM)(倍率20000倍)により観察したところ、パターン形状は良好であり、パターン形成性は良好であった。
<色ムラの評価>
前述の下塗り層付シリコンウエハの作成と同様にして、ガラス板上にレジスト液を塗布して下塗り層付ガラス基板を作成し、赤色着色感活性光線性又は感放射線性組成物を、下塗り層付きガラス上に塗布し、着色層(塗布膜)を形成した。この塗布膜の乾燥膜厚が0.7μmになるように、100℃のホットプレートを用いて120秒間加熱処理(プリベーク)を行なった。この塗布済みガラス板の輝度分布を、顕微鏡MX−50(オリンパス社製)にて撮影した画像から解析した。
輝度分布を解析し、平均からのズレが±5%以内である画素が全画素数に占める割合をもとに色ムラを評価した。評価基準は以下の通りである。なお実用上、△以上の評価が求められる。
−評価基準−
○:平均からのズレが±5%以内である画素が全画素数中の99%以上
△:平均からのズレが±5%以内である画素が全画素数中の95%以上99%未満
×:平均からのズレが±5%以内である画素が全画素数中の95%未満
<欠陥の評価>
前述の方法にて作成した赤色パターン(赤色カラーフィルタ)上に、上述と同様の方法で緑色パターンを形成した。
なお、緑色パターンは、PG36(C.I.ピグメントグリーン36)/PY139=90/10(質量比)の混合顔料を、顔料分散組成物P−1における顔料に代えて使用した以外は同様の成分からなる分散液を上述と同様の処方にて形成した。
緑色パターン上を顕微鏡MX−50(オリンパス社製)にて撮影した画像から解析し、混色しているかどうか確認した。評価基準は以下の通りである。なお実用上、△以上の評価が求められる。
−評価基準−
○:緑パターン上に、滲みやはみ出し、隣接画素との混色及び白抜けなどの欠陥不良がない
△:緑パターン上に、滲みやはみ出し、隣接画素と若干混色しているが、白抜けしない
×:緑パターン上に赤色が滲みやはみ出して混色している
<分散安定性評価(経時増粘)>
赤色着色感活性光線性又は感放射線性組成物R−1〜R−10及び比較用の赤色着色感活性光線性又は感放射線性組成物RC−1〜RC−4について、前記表2における赤色顔料分散組成物P−1〜P−10及びPC−1〜PC−4と同様にして、組成物調整後と、調整後1週間放置した後との粘度の間の増粘量から、前記と同様に分散安定性を評価した。評価結果を表3に示した。
<分光特性の測定>
上記赤色カラーフィルタの作製において、8インチのデバイス形成済みシリコンウエハをガラス基板に置き換え、パターン露光を全面露光に変更して、該ガラス基板上に、乾燥膜厚が0.6μmの赤色膜(着色透過膜)を形成した。
得られた赤色膜の分光特性(各波長における透過率)を、MCPD−3000(大塚電子(株)製)により測定した。
実施例1で形成した赤色膜の分光特性としては、400nmにおける透過率が9%、525nmにおける透過率が3%、600nmにおける透過率が81%、700nmにおける透過率が99%、が得られた。このことから、赤色膜は赤色として良好な分光特性を示すものであることが確認された。
400nm、525nm、600nm、700nmにおける透過率については、表3に記載の各特性を満たしているものについては「◎」で示し、満たしていないものについては「×」示した。
表3の結果から明らかのように、本発明に係る特定の顔料を高分子化合物で被覆した本発明の加工顔料を用いた顔料分散組成物P−1〜P−10を含有する着色感活性光線性又は感放射線性組成物R−1〜R−10は、色ムラ、分散安定性及び分光特性の全てが同時に良好であった(実施例1〜10)。一方で、本発明に係る特定の顔料を使用しない比較加工顔料1を用いた顔料分散組成物PC−1を含有する比較用の着色感活性光線性又は感放射線性組成物RC−1、高分子化合物で被覆しない比較加工顔料2及び3を用いた顔料分散組成物PC−2及びPC−3を含有する比較用の着色感活性光線性又は感放射線性組成物RC−2及びRC−3、並びに、混練工程を経ずに得た非加工顔料1を用いた顔料分散組成物PC−4を含有する比較用の着色感活性光線性又は感放射線性組成物RC−4は、上記実施例のような良好な色ムラ、分散安定性及び分光特性の全てを同時に満たすことができなかった。
また本発明に係る特定の顔料を、側鎖に複素環を有する高分子化合物で被覆してなる加工顔料1、2及び6〜10を用いた顔料分散組成物P−1、P−2及びP−6〜P−10を含有する着色感活性光線性又は感放射線性組成物R−1、R−2及びR−6〜R−10は、混色などの欠陥不良が無かった(実施例1、2及び6〜10)。またこれら実施例と、実施例3〜5及び比較例1〜4との比較から明らかのように、このような効果は本発明に係る特定の顔料と側鎖に複素環を有する高分子化合物とを用いた場合にのみ予想外に見られるものであった。
なお、上記実施例ではデバイス形成済みシリコンウエハの上に赤色カラーフィルタを形成した例について説明したが本発明は上記実施例により限定されるものではない。
例えば、上記実施例と同様にして赤色カラーフィルタを、緑色カラーレジストを用いた公知の方法により緑色カラーフィルタを、青色カラーレジストを用いた公知の方法により青色カラーフィルタを、それぞれ作製することにより、デバイス形成済みシリコンウエハの上に、3色のカラーフィルタを作製できる。この3色のカラーフィルタを備えた固体撮像素子は、耐熱性に優れ、かつ、良好な分光特性を示す。

Claims (13)

  1. 下記一般式(Az)で表されるアゾ顔料であって、平均1次粒子径が5〜50nmであるアゾ顔料を、高分子化合物で被覆してなる加工顔料。
    (一般式(Az)中、
    Aは、芳香族5又は6員ヘテロ環基を表す。
    Bは、下記一般式(1)〜(3)及び(1−1)〜(1−10)のいずれかで表される構造を表す。
    nは、1〜4の整数を表す。)
    (一般式(1)〜(3)及び(1−1)〜(1−10)中、
    Gは、各々独立して、水素原子、脂肪族基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、脂肪族オキシカルボニル基、カルバモイル基、脂肪族スルホニル基又はアリールスルホニル基を表す。
    は、各々独立して、水素原子、−C(=O)NR、−NRC(=O)−R、−C(=O)R、−C(=O)OR、−OR、−SR、アミノ基、脂肪族基、アリール基、ハロゲン原子又はヘテロ環基を表す。
    は、各々独立して、置換基を表し、Rが複数存在する場合、互いに同じであっても、異なっていてもよい。
    は、各々独立して、−C(=O)NR、又は−C(=O)ORを表す。
    は、各々独立して、水素原子又はアルキル基を表す。
    は、各々独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基又は−N(R)(R10)を表す。
    は、各々独立して、水素原子又はアルキル基を表す。
    は、各々独立して、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基、アシル基、アルコキシ基又は−N(R)(R10)を表す。
    は、各々独立して、水素原子、アルキル基、アリール基、ヘテロ環基又はアシル基を表す。
    は、各々独立して、水素原子又はアルキル基を表す。
    10は、各々独立して、水素原子、アルキル基、アリール基又はヘテロ環基を表す。RとR、及びRとR10はそれぞれ互いに結合し、5又は6員環を形成していても良い。
    11は、各々独立して、アミノ基、脂肪族オキシ基、脂肪族基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
    12は、各々独立して、水素原子、脂肪族基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
    13は、各々独立して、水素原子、脂肪族基、アリール基又はヘテロ環基を表す。
    Yは、各々独立して、−N=C−N−と共に複素環を形成する2価の基を表す。
    mは、各々独立して、0以上の整数を表し、mが2以上のとき、Rは互いに連結して縮環してもよい。
    *は、一般式(Az)のアゾ基との結合位置を表す。
    一般式(Az)のnが2の場合は、R〜R13、A又はGを介した2量体を表す。nが3の場合は、R〜R13、A又はGを介した3量体を表す。nが4の場合は、R〜R13、A又はGを介した4量体を表す。)
  2. 前記高分子化合物が、側鎖に複素環を有する高分子化合物である、請求項1に記載の加工顔料。
  3. 前記側鎖に複素環を有する高分子化合物が、下記一般式(H−1)で表される単量体に由来する重合単位を含む、請求項2に記載の加工顔料。

    前記一般式(H−1)中、Rは、水素原子、又はアルキル基を表す。Rは、単結合、又は2価の連結基を表す。Yは、−CO−、−C(=O)O−、−CONH−、−OC(=O)−、又はフェニレン基を表す。Zは含窒素複素環構造を有する基を表す。
  4. 前記高分子化合物を、顔料の微細化工程で添加して製造した、請求項1〜3のいずれか1項に記載の加工顔料。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の加工顔料を、有機溶剤中に分散してなる、顔料分散組成物。
  6. 更に顔料分散剤を含む、請求項5に記載の顔料分散組成物。
  7. 請求項5又は6に記載の顔料分散組成物、重合性化合物及び光重合開始剤を含有する、着色感活性光線性又は感放射線性組成物。
  8. 前記光重合開始剤が、オキシム系光重合開始剤である請求項7に記載の着色感活性光線性又は感放射線性組成物。
  9. 請求項7又は8に記載の着色感活性光線性又は感放射線性組成物を用いて形成された、カラーフィルタ。
  10. 支持体上に、請求項7又は8に記載の着色感活性光線性又は感放射線性組成物を塗布して着色感活性光線性又は感放射線性組成物層を形成する工程と、前記着色感活性光線性又は感放射線性組成物層をマスクを介して露光する工程と、露光後の着色感活性光線性又は感放射線性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程とを含む、パターン形成方法。
  11. 支持体上に、請求項7又は8に記載の着色感活性光線性又は感放射線性組成物を塗布して着色感活性光線性又は感放射線性組成物層を形成する工程と、前記着色感活性光線性又は感放射線性組成物層をマスクを介して露光する工程と、露光後の着色感活性光線性又は感放射線性組成物層を現像して着色パターンを形成する工程とを含む、固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法。
  12. 請求項11に記載の固体撮像素子用カラーフィルタの製造方法により作製された固体撮像素子用カラーフィルタ。
  13. 請求項12に記載の固体撮像素子用カラーフィルタを備えた固体撮像素子。
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