JP5121912B2 - 着色感光性樹脂組成物、パターン形成方法、カラーフィルタの製造方法、カラーフィルタ及びそれを備えた表示装置 - Google Patents
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Description
テレビ用途では、従来のモニター用途に比べて、より高度な画質、即ち、コントラスト、及び色純度の向上が求められている。コントラスト向上のために、カラーフィルタの形成に用いる着色感光性樹脂組成物に使用する着色剤(有機顔料等)の粒子サイズが、より微細なものが求められている。また、色純度向上のため、該着色感光性樹脂組成物の固形分中に占める着色剤(有機顔料)の含有率としては、より高いものが求められている。
また、本発明の他の課題は、前記着色感光性樹脂組成物を用いて、現像性が良好で、優れた耐熱性と所望の色相とを有する直線性に優れた着色パターンを形成しうるパターン形成方法、及び、該パターン形成方法を適用したカラーフィルタの製造方法を提供することである。
更に、本発明の他の課題は、高感度に形成された着色パターンを有する輝度の良好なカラーフィルタ、及び該カラーフィルタを備えた表示装置を提供することである。
前記着色層をパターン様に露光して露光部を硬化させる露光工程と、
前記露光後の着色層における未硬化部を現像により除去してパターンを形成する現像工程と、
を含むパターン形成方法。
<11> <10>に記載の製造方法により製造されたカラーフィルタ。
<12> <11>に記載のカラーフィルタを備えた表示装置。
また、本発明によれば、前記着色感光性樹脂組成物を用いて、現像性が良好で、優れた耐熱性と所望の色相とを有する直線性に優れた着色パターンを形成しうるパターン形成方法、及び、該パターン形成方法を適用したカラーフィルタの製造方法を提供することができる。
また、本発明によれば、高解像度の着色パターンを有する輝度の良好なカラーフィルタ、及び該カラーフィルタを備えた表示装置を提供することができる。
≪着色感光性樹脂組成物≫
本発明の着色感光性樹脂組成物は、少なくとも、(A)着色剤、(B)バインダー樹脂、(C)重合性化合物、(D)一般式(I)で表される光重合開始剤、(E)多官能チオール化合物、及び(F)溶剤を含有する着色感光性樹脂組成物である。
なお、本発明の着色感光性樹脂組成物において「固形分」とは、着色感光性樹脂組成物を用いて正確に1gアルミパンに量り取り、160℃60分間乾燥して得られた質量を意味し、本発明の着色感光性樹脂組成物では、(F)溶剤を除いた着色感光性樹脂組成物の全成分が「固形分」に包含される。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、下記一般式(I)で表される光重合開始剤(以下、適宜「特定重合開始剤」と称する)を含有する。
一般式(a)及び(b)中、Xは、各々独立に、ハロゲン原子、アリールカルボニル基、又はヘテロアリールカルボニル基を表し、lは0又は1を表す。一般式(a)又は(b)において、Xで表されるアリールカルボニル基又はヘテロアリールカルボニル基は、更に置換基が導入されたものであってもよい。
一般式(a)又は(b)に、Xが複数存在する場合、複数のXは、同一であっても異なっていてもよい。
一般式(a)及び(b)中に示す波線は、隣接するYとの結合位置である。
一般式(a−1)において、mは0〜5の整数を表すが、合成の容易さの観点で0〜3の整数が好ましく、0〜2の整数がより好ましい。
一般式(a−1)において、Z1は、前記一般式(a)におけるZ1と同義であり、好ましい範囲も同様である。
一般式(I)中、X1、X2、X3又はX4で表されるハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、又はヨウ素原子が挙げられる。
て使用することが好ましい。増感剤については後述する。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、着色剤を少なくとも1種含む。
着色剤としては、染料、及び顔料を適宜選択して用いることができる。耐熱性などの観点からは、顔料がより好ましい。
一次粒子径が0.02μm未満の顔料の割合は、耐熱性、及び色度変化防止の観点から、5%未満であることがより好ましい。
一次粒子径が0.08μmを超える顔料の割合は、コントラストをよくする観点から、3%未満であることが好ましい。
即ち、TEM写真を画像解析して粒径分布を調べることにより行なう。例えば、3〜10万倍での観察試料中の全粒子数と、0.02μm未満、及び0.08μmを超える顔料の粒子数を計測することで粒度分布を把握できる。より具体的には、顔料粉体を透過型電子顕微鏡で3〜10万倍で観察し、写真を撮り、1000個の一次粒子の長径を測定し、0.02μm未満、及び0.08μmを超える一次粒子の割合を算出する。この操作を顔料粉体の部位を変えて合計で3箇所について行い、結果を平均する。
C.I.Pigment Red 1、2、3、4、5、6、7、9、10、14、17、22、23、31、38、41、48:1、48:2、48:3、48:4、49、49:1、49:2、52:1、52:2、53:1、57:1、60:1、63:1、66、67、81:1、81:2、81:3、83、88、90、105、112、119、122、123、144、146、149、150、155、166、168、169、170、171、172、175、176、177、178、179、184、185、187、188、190、200、202、206、207、208、209、210、216、220、224、226、242、246、254、255、264、270、272、279、
C.I. Pigment Green 7、10、36、37、58
C.I.Pigment Blue 1、2、15、15:1、15:2、15:3、15:4、15:6、16、22、60、64、66、79、79のCl置換基をOHに変更したもの、80、
C.I.Pigment Violet 1、19、23、27、32、37、42、
C.I.Pigment Brown 25、28等を挙げることができる。
C.I.Pigment Yellow 11、24、108、109、110、138、139、150、151、154、167、180、185、
C.I.Pigment Orange 36、71、
C.I.Pigment Red 122、150、171、175、177、209、224、242、254、255、264、
C.I.Pigment Violet 19、23、32、
C.I.Pigment Blue 15:1、15:3、15:6、16、22、60、66、
C.I.Pigment Green 7、36、37、58。
臭素化亜鉛フタロシアニン顔料としては、例えば、下記一般式(a)で表される臭素化亜鉛フタロシアニン顔料が例示される。
緑色顔料と黄色顔料との質量比は、十分な色純度を得ること、及びNTSC目標色相からのずれを抑制する観点から、100:5〜100:150が好ましい。質量比としては100:30〜100:120の範囲が特に好ましい。
青色顔料と紫色顔料との質量比は、100:0〜100:50が好ましく、より好ましくは100:5〜100:30である。
遊離率は小さいほど顔料への被覆率が高く、分散性、分散安定性が良好である。遊離率の好ましい範囲は30%以下、より好ましくは20%以下、最も好ましくは15%以下である。理想的には0%である。
まず、(i)有機顔料と(ii)水溶性の無機塩の混合物に、湿潤剤として少量の(iii)水溶性の有機溶剤を加え、ニーダー等で強く練り込んだ後、この混合物を水中に投入し、ハイスピードミキサー等で攪拌しスラリー状とする。次に、このスラリーを濾過、水洗して必要により乾燥することにより、微細化された顔料が得られる。なお、油性のワニスに分散して用いる場合には、乾燥前の処理顔料(濾過ケーキと呼ぶ)を一般にフラッシングと呼ばれる方法で、水を除去しながら油性のワニスに分散することも可能である。また水系のワニスに分散する場合は、処理顔料は乾燥する必要がなく、濾過ケーキをそのままワニスに分散することができる。
なお、(iv)高分子化合物を加えるタイミングは、ソルトミリング工程の初期にすべてを添加してもよく、分割して添加してもよい。また分散工程で添加することも可能である。
このような高分子化合物としては、例えば特開2008−83089号公報の段落番号〔0029〕〜〔0030〕、特開2009−62457号公報の段落番号〔0044〕〜〔0047〕に開示されているものが使用できる。
分散剤としては、例えば、公知の顔料分散剤や界面活性剤を適宜選択して用いることができる。
着色剤として使用可能な染料としては、特に制限はなく、従来カラーフィルタ用途として用いられている公知の染料を使用できる。例えば、特開昭64−90403号公報、特開昭64−91102号公報、特開平1−94301号公報、特開平6−11614号公報、特登2592207号、米国特許第4,808,501号明細書、米国特許第5,667,920号明細書、米国特許第5,059,500号明細書、特開平5−333207号公報、特開平6−35183号公報、特開平6−51115号公報、特開平6−194828号公報、特開平8−211599号公報、特開平4−249549号公報、特開平10−123316号公報、特開平11−302283号公報、特開平7−286107号公報、特開2001−4823号公報、特開平8−15522号公報、特開平8−29771号公報、特開平8−146215号公報、特開平11−343437号公報、特開平8−62416号公報、特開2002−14220号公報、特開2002−14221号公報、特開2002−14222号公報、特開2002−14223号公報、特開平8−302224号公報、特開平8−73758号公報、特開平8−179120号公報、特開平8−151531号公報等に記載の色素である。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、バインダー樹脂を少なくとも1種含む。
バインダー樹脂としては、線状有機ポリマーを用いることが好ましい。このような「線状有機ポリマー」としては、公知のものを任意に用いることができる。
バインダー樹脂としては、着色剤に対してバインダーとして作用し、かつ、着色パターン形成する際に、現像処理工程にて用いられる現像液、特に好ましくはアルカリ性現像液に対して可溶性を有するものであれば、特に限定されるものではない。
特定バインダー樹脂は、分子内に、(B−1)下記一般式(II)で表される構造単位、(B−2)N位−置換マレイミド基を有する構造単位、及び(B−3)下記一般式(III)で表される構造単位からなる群より選択される少なくとも1種の構造単位を含むものである。
以下、下記一般式(II)で表される構造単位を、適宜、「構造単位(B−1)」と称する。
前記アルキル基は置換基を有していてもよく、置換基としては直鎖、分岐、又は環状であってもよく、メチル基、n−プロピル基、iso-プロピル基、t-ブチル基などがあげられ、炭素数1〜7のアルキル基が好ましい。また、前記アリール基は置換基を有していてもよく、置換基としては炭素数1〜7のアルキル基又は炭素数5〜14のアリール基などが挙げられ、好ましくはフェニル基、フリル基、ナフチル基である。
以下、(B−2)N位−置換マレイミド基を有する構造単位を、適宜、「構造単位(B−2)」と称する。構造単位(B−2)としては、例えば、下記に示す構造単位が挙げられる。
以下、下記一般式(III)で表される構造単位を、適宜、「構造単位(B−3)]と称する。
各構造単位を複数含む場合、構造単位(B−1)と構造単位(B−2)との組み合わせのように、互いに異なる群に属する構造単位同士でもよく、同じ構造単位、例えば、構造単位(B−1)に属する互いに異なる構造単位同士でもよい。
特定バインダー樹脂としては、前記各構造単位のなかでも、構造単位(B−1)を少なくとも有することが好ましい。
特定バインダー樹脂における前記各構造単位の総量が上記範囲内にあると、現像ラチチュードが良好となり、露光後の現像時における膜減りが少なくなり、得られた硬化膜の表面平滑性が良好となる。
特定バインダー樹脂は、さらに、分子内に、酸性基を有する構造単位を有してもよい。
酸性基を有する構造単位としては、カルボキシ基含有不飽和単量体由来の構造単位を挙げることができる。
これらのカルボキシ基含有不飽和単量体のうち、コハク酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)及びフタル酸モノ(2−アクリロイロキシエチル)は、それぞれM−5300及びM−5400(東亞合成(株)製)の商品名で市販されている。
特定バインダー樹脂中、カルボキシ基含有不飽和単量体由来の構造単位は、単独で又は2種以上含まれていてもよい。
スチレン、α−メチルスチレン、o−ビニルトルエン、m−ビニルトルエン、p−ビニルトルエン、p−クロルスチレン、o−メトキシスチレン、m−メトキシスチレン、p−メトキシスチレン、o−ビニルベンジルメチルエーテル、m−ビニルベンジルメチルエーテル、p−ビニルベンジルメチルエーテル、o−ビニルベンジルグリシジルエーテル、m−ビニルベンジルグリシジルエーテル、p−ビニルベンジルグリシジルエーテル等の芳香族ビニル化合物;
インデン、1−メチルインデン等のインデン類;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、アリルグリシジルエーテル等の不飽和エーテル類;
(メタ)アクリロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、シアン化ビニリデン等のシアン化ビニル化合物;
(メタ)アクリルアミド、α−クロロアクリルアミド、N−2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリルアミド等の不飽和アミド類;
マレイミド、N−フェニルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等の不飽和イミド類;
1,3−ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等の脂肪族共役ジエン類;
ポリスチレン、ポリメチル(メタ)アクリレート、ポリ−n−ブチル(メタ)アクリレート、ポリシロキサン等の重合体分子鎖の末端にモノ(メタ)アクリロイル基を有するマクロモノマー類;
これらの不飽和単量体由来の構造単位は、単独で又は2種以上を含んでもよい。
本発明の着色感光性組成物においては、バインダー樹脂として、特定バインダー樹脂を好適な例として上記した分子内に重合性基を有するバインダー樹脂以外の他のバインダー樹脂を適用してもよい。他のバインダー樹脂は、特定バインダー樹脂と併用してもよいし、単独で用いてもよいが、特定バインダー樹脂と併用することがより好ましい。
(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート共重合体、
(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/メチル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリスチレンマクロモノマー共重合体、
(メタ)アクリル酸/2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート/ベンジル(メタ)アクリレート/ポリメチルメタクリレートマクロモノマー共重合体、
等を挙げることができる。
スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸グリシジル共重合体、
スチレン/アククリル酸/アクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/アクリル酸グリシジル共重合体、
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/3−(メタクリロイルオキシメチル)オキセタン/t−ブチルメタクリレート共重合体、
ベンジルメタクリレート/メタクリル酸/3−(メタクリロイルオキシメチル)−3−エチルオキセタン/スチレン共重合体、
ブタジエン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸グリシジル共重合体、
スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸トリシクロ[5.2.1.02,6]デカン−8−イル/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体、
スチレン/アクリル酸/無水マレイン酸/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体、
t−ブチルメタクリレート/アクリル酸/無水マレイン酸/メタクリル酸−6,7−エポキシヘプチル共重合体、
スチレン/メタクリル酸/メタクリル酸メチル/メタクリル酸グリシジル共重合体、
p−メトキシスチレン/メタクリル酸/シクロヘキシルアクリレート/メタクリル酸グリシジル共重合体。
これらの他のバインダー樹脂は、1種のみで用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、重合性化合物を含有する。
なお、前記(B)バインダー樹脂が重合性基を有する場合、該バインダー樹脂は、(C)重合性化合物には包含されない。
本発明に用いることができる重合性化合物は、少なくとも一個のエチレン性不飽和二重結合を有する付加重合性化合物であり、末端エチレン性不飽和結合を少なくとも1個、好ましくは2個以上有する化合物から選ばれる。このような化合物群は当該産業分野において広く知られるものであり、本発明においてはこれらを特に限定無く用いることができる。これらは、例えばモノマー、プレポリマー、すなわち2量体、3量体及びオリゴマー、又はそれらの混合物ならびにそれらの共重合体などの化学的形態をもつ。モノマー及びその共重合体の例としては、不飽和カルボン酸(例えば、アクリル酸、メタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、イソクロトン酸、マレイン酸など)や、そのエステル類、アミド類が挙げられ、好ましくは、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アルコール化合物とのエステル、不飽和カルボン酸と脂肪族多価アミン化合物とのアミド類が用いられる。
また、ヒドロキシル基やアミノ基、メルカプト基等の求核性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能イソシアネート類或いはエポキシ類との付加反応生成物、及び単官能若しくは、多官能のカルボン酸との脱水縮合反応生成物等も好適に使用される。また、イソシアネート基や、エポキシ基等の親電子性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との付加反応物、更にハロゲン基や、トシルオキシ基等の脱離性置換基を有する不飽和カルボン酸エステル或いはアミド類と単官能若しくは多官能のアルコール類、アミン類、チオール類との置換反応物も好適である。また、別の例として、上記の不飽和カルボン酸の代わりに、不飽和ホスホン酸、スチレン、ビニルエーテル等に置き換えた化合物群を使用することも可能である。)
なお、本明細書ではアクリレートとメタクリレートを総称して、(メタ)アクリレートと記載する。
CH2=C(R4)COOCH2CH(R5)OH (A)
(但し、R4及びR5は、各々独立に、水素原子又はメチル基を示す。)
また、市販品としては、ウレタンオリゴマーUAS−10、UAB−140(山陽国策パルプ社製)、DPHA(日本化薬(株)製)、UA−306H、UA−306T、UA−306I、AH−600、T−600、AI−600(共栄社化学(株)製)が好ましい。
更に日本接着協会誌vol.20、No.7、300〜308ページ(1984年)に光硬化性モノマー及びオリゴマーとして紹介されているものも使用することができる。
重合性化合物の含有量が上記範囲であると、得られる硬化膜の耐熱性が良好となり、塗膜形成時、或いは、ポストベーク後のシワの発生が抑制され、表面粗さが小さく平滑な硬化膜が形成される。
本発明の着色感光性樹脂組成物には、多官能チオール化合物を含む。
本発明において「多官能チオール化合物」とは、チオール基を分子内に2個以上有する化合物を意味する。多官能チオール化合物は、チオール基を分子内に2〜6個有することが好ましく、感度及び硬化膜の着色抑制の観点からは、2〜4個有するもの(2官能〜4官能)がより好ましく、感度、硬化膜の着色抑制、及び直線性に優れたパターン形成性の観点からは、チオール基を分子内に2個有するもの(2官能)が特に好ましい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、溶剤を含む。本発明の着色感光性樹脂組成物は、該組成物が含有する各成分を溶剤に溶解又は分散させて調製することができる。
メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、プロピレングリコールメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールプロピルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールn-プロピルエーテルアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコールn-ブチルエーテルアセテート、プロピレングリコールフェニルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−プロピルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールn−ブチルエーテルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテルアセテート等;
アルコール類、例えば、エタノール、イソプロピルアルコール等;
芳香族炭化水素類、例えば、トルエン、キシレン等が挙げられる。
溶剤は、単独で用いる以外に、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、更に、増感色素を含有することが好ましい。
このような増感色素としては、公知の分光増感色素又は染料、又は光を吸収して光重合開始剤と相互作用する染料又は顔料が挙げられる。
増感色素は、1種のみを用いても2種以上を併用してもよい。
本発明の着色感光性樹脂組成物には、さらに必要に応じて、界面活性剤、熱硬化性樹脂、有機カルボン酸、シランカップリング剤、重合禁止剤、可塑剤などのその他の成分を含有してもよい。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、界面活性剤を含むことができる。
顔料濃度を大きくすると塗布液のチキソ性が一般的に大きくなるため、基板上に着色感光性樹脂組成物を塗布又は転写して着色感光性樹脂組成物層(着色層塗膜)形成後の膜厚ムラを生じやすい。また特に、スリットコート法による着色感光性樹脂組成物層(着色層塗膜)形成では、乾燥までに着色感光性樹脂組成物層形成用の塗布液がレベリングして均一な厚みの塗膜を形成することが重要である。
このため、着色感光性樹脂組成物中に適切な界面活性剤を含有させることが好ましい。上記界面活性剤としては、特開2003−337424号公報、特開平11−133600号公報に開示されている界面活性剤が、好適なものとして挙げられる。
塗布性を向上するための界面活性剤としてはノニオン系界面活性剤、フッ素系界面活性剤、シリコン系界面活性剤等が添加される。
具体的市販品としては、例えばメガファックF142D、同F172、同F173、同F176、同F177、同F183、同F780、同F781、同F782、同F784、同F552、同F554、同R30、同R08(以上、DIC(株)製)、フロラードFC−135、同FC−170C、同FC−430、同FC−431(以上、住友スリーエム(株)製)、サーフロンS−112、同S−113、同S−131、同S−141、同S−145、同S−382、同SC−101、同SC−102、同SC−103、同SC−104、同SC−105、同SC−106(以上、旭硝子(株)製)、エフトップEF351、同352、同801、同802(以上、JEMCO(株)製)などである。
これらのうちで、本発明に好ましい界面活性剤としては、メガファックF780、同F781、同F782、同F784、同F552、及び同F554(以上、DIC(株)製)である。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、所望により、エポキシ樹脂、オキセタン樹脂等の熱硬化性樹脂を含有することができる。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型、クレゾールノボラック型、ビフェニル型、脂環式エポキシ化合物などである。
3700、3701、600(以上、ダイセルユーシービー製)などのエポキシアクリレートも使用可能である。
またオキセタン樹脂は、単独で又はアクリル系共重合体、エポキシ樹脂及びマレイミド樹脂と混合して使用することができる。特にエポキシ樹脂との併用で用いた場合には紫外光レーザー露光により発生した熱による反応性が高く、基板との密着性の観点から好ましい。
着色感光性樹脂組成物を用いた硬化膜の形成において、未硬化部のアルカリ溶解性を促進し、着色感光性樹脂組成物の現像性の更なる向上を図る場合には、有機カルボン酸、好ましくは分子量1000以下の低分子量有機カルボン酸の添加を行なうことができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物には、更なる基板との密着性向上の観点から、シランカップリング剤を使用することができる。
シランカップリング剤は、無機材料と化学結合可能な加水分解性基としてアルコキシシリル基を有するものが好ましい。また有機樹脂との間で相互作用もしくは結合形成して親和性を示す基を有することが好ましく、そのような基としては(メタ)アクリロイル基、フェニル基、メルカプト基、グリシジル基、オキセタニル基を有するものが好ましく、その中でも(メタ)アクリロイル基又はグリシジル基を有するものが好ましい。
本発明においては、着色感光性樹脂組成物の製造中あるいは保存中において重合性化合物の不要な熱重合を阻止するために、少量の熱重合防止剤を添加することが望ましい。
本発明に用いうる熱重合防止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、ジ−t−ブチル−p−クレゾール、ピロガロール、t−ブチルカテコール、ベンゾキノン、4,4'−チオビス(3−メチル−6−t−ブチルフェノール)、2,2'−メチレンビス(4−メチル−6−t−ブチルフェノール)、N−ニトロソフェニルヒドロキシアミン第一セリウム塩、フェノキサジン、フェノチアジン等が挙げられる。
また必要に応じて、酸素による重合阻害を防止するためにベヘン酸やベヘン酸アミドのような高級脂肪酸誘導体等を添加して、塗布後の乾燥の過程で感光層の表面に偏在させることもできる。高級脂肪酸誘導体の含有量は、着色感光性樹脂組成物の0.5質量%〜10質量%が好ましい。
さらに、本発明においては、着色感光性樹脂組成物の物性を改良するために無機充填剤や、可塑剤等を加えてもよい。
可塑剤としては例えばジオクチルフタレート、ジドデシルフタレート、トリエチレングリコールジカプリレート、ジメチルグリコールフタレート、トリクレジルホスフェート、ジオクチルアジペート、ジブチルセバケート、トリアセチルグリセリン等があり、重合性化合物とバインダー樹脂との合計質量に対し10質量%以下を添加することができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物は、カラーフィルタの着色パターン形成に好ましく使用することができる。
本発明の着色感光性樹脂組成物、及び、これを用いたパターン形成方法は、液晶表示装置用カラーフィルタの製造に好適である。
以下、本発明の着色感光性樹脂組成物を用いたパターン形成方法を、液晶表示装置用カラーフィルタの製造方法におけるパターンの形成方法として説明するが、本発明はこの方法に限定されるものではない。
本発明における着色層形成工程は、本発明の着色感光性樹脂組成物を基板上に付与して着色層を形成する工程である。
基板としては、例えば、液晶表示装置等に用いられる無アルカリガラス、ソーダガラス、ホウケイ酸ガラス、石英ガラス及びこれらに透明導電膜を付着させたものや、固体撮像素子等に用いられる光電変換素子基板が挙げられる。さらに、プラスチック基板も使用可能である。これらの基板を用いて、格子状などにブラックマトリックスを形成し、格子の空いた部分に着色パターンが形成されることが好ましい。
また、予め仮支持体上に上記塗布法によって形成した塗膜を、基板上に転写する付与方法を適用することもできる。
転写方法に関しては特開2006−23696号公報の段落番号[0023]、[0036]〜[0051]や、特開2006−47592号公報の段落番号[0096]〜[0108]に記載の作製方法を本発明においても好適に用いることができる。
上記のような着色感光性樹脂組成物の付与が終了した後、真空乾燥(VCD)により溶剤を乾燥させる乾燥工程を行ってもよい。またさらに、基板上の塗膜を加熱乾燥(プリベーク)させて着色層を得てもよい。
塗膜のプリベーク温度は、60℃〜140℃が好ましく、80℃〜120℃がより好ましい。また、プリベーク時間は、30秒〜300秒が好ましく、80秒〜200秒がより好ましい。
本発明における露光工程は、着色層形成工程により形成れた着色層を、パターン様に露光をし、露光部を硬化させする工程である。
また、露光の方式としては、プロキシミティ露光方式、スパッター露光方式のほか、レーザー光源を用いた露光方式も好適に使用できる。
また、被露光物(パターン)の露光量としては、1mJ/cm2〜100mJ/cm2の範囲であり、1mJ/cm2〜50mJ/cm2の範囲がより好ましい。露光量がこの範囲であると、パターン形成の生産性の点で好ましい。
本発明における現像工程は、露光後の着色層における未硬化部を現像により除去して、パターンを形成する工程である。即ち、露光により露光部はパターン状に硬化しており、現像処理では、アルカリ現像処理を行うことにより、露光工程での未照射部分(未硬化部分)を、アルカリ水溶液に溶出させて除去し、光硬化した部分だけを残すことによって、パターンを形成させることができる。
現像液に用いるアルカリ剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、硅酸ナトリウム、メタ硅酸ナトリウム、アンモニア水、エチルアミン、ジエチルアミン、ジメチルエタノールアミン、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、コリン、ピロール、ピペリジン、1,8−ジアザビシクロ−[5.4.0]−7−ウンデセンなどの有機アルカリ性化合物が挙げられ、これらのアルカリ性化合物を濃度が0.001〜10質量%、好ましくは0.01〜1質量%となるように純水で希釈したアルカリ性水溶液が現像液として好ましく使用される。なお、このようなアルカリ性水溶液からなる現像液を使用した場合には、一般に現像後に純水で洗浄(リンス)する。
また、シャワー圧は、0.01MPa〜0.5MPaが好ましく、0.05MPa〜0.3MPaが好ましく、0.1MPa〜0.3MPaが好ましい。これらの条件を選択することによって、パターンの形状を、矩形にしたり、順テーパにしたり任意に設計することができる。
本発明においては、着色感光性樹脂組成物の硬化を完全なものとするために、現像された着色層をベークするポストベーク工程を設けることが好ましい。
ベークする方法は、現像・リンス後のパターンを有する基板を、ホットプレートやコンベクションオーブン(熱風循環式乾燥機)、高周波加熱機等の加熱手段を用いて、連続式あるいはバッチ式で加熱することによって行うことができる。
ベークの条件としては、温度は、150℃〜260℃が好ましく、180℃〜260℃がより好ましく、200℃〜240℃が最も好ましい。ベーク時間は、10分間〜150分間が好ましく、20分間〜120分間がより好ましく、20分間〜90分間がもっとも好ましい。
本発明のカラーフィルタは、高解像度で、良好な輝度が得られることから、表示装置の作製、特に液晶表示装置の作製に好適である。本発明のパターン形成方法で作製したカラーフィルタを用いた液晶表示装置は、高品位の画像を表示することができる。
本発明の液晶表示素子用カラーフィルタはこれらの公知の部材で構成される液晶表示装置に適用することができる。
これらの部材については例えば「’94液晶ディスプレイ周辺材料・ケミカルズの市場(島 健太郎 著、 (株)シーエムシー、1994年発行)」、「2003液晶関連市場の現状と将来展望(下巻)(表 良吉著、(株)富士キメラ総研、2003年発行)」に記載されている。
撹拌羽を供えた撹拌棒、還流冷却管、温度計を備えた、200mL三つ口フラスコに1−メトキシ−2−プロパノール 54gを入れ、窒素気流下、70℃に加熱した。アリルメタクリレート 10.07g、メタクリレート 1.93g、重合開始剤として2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル) 0.185gを1-メトキシ-2-プロパノール 54gに溶解した溶液を、プランジャーポンプを用いて、2.5時間かけて、三つ口フラスコ内に滴下した。滴下終了後、さらに70℃で2時間撹拌した。加熱終了後、水1Lへ投入し、再沈した。析出物を濾過後、真空乾燥させ、9g(収率75%)のポリマー化合物を得た。
重量平均分子量の測定試料として、得られたポリマー 0.01gを10mLメスフラスコに秤取り、テトラヒドロフラン約8mLを加えて室温で溶解した後に全量を10mLにした。この溶液をゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)を用いて測定した。アルカリ可溶性樹脂1(アリルメタクリレート/メタクリル酸共重合体、モル比=80/20)の重量平均分子量は35000であった。
−ハロゲン化亜鉛フタロシアニン顔料の合成−
フタロジニトリル、塩化亜鉛を原料として亜鉛フタロシアニンを製造した。
ハロゲン化は、塩化スルフリル3.1部、無水塩化アルミニウム3.7部、塩化ナトリウム0.46部、亜鉛フタロシアニン1部を40℃で混合し、臭素2.2部を滴下して行った。80℃で15時間反応し、その後、反応混合物を水に投入し、部分臭素化亜鉛フタロシアニン粗顔料を析出させた。この水性スラリーを濾過し、80℃の湯洗浄を行い、90℃で乾燥させ、2.6部の精製された部分臭素化亜鉛フタロシアニン粗顔料を得た。
得られた部分臭素化亜鉛フタロシアニン顔料は、質量分析によるハロゲン含有量分析から、平均組成はZnPcBr10Cl4H2で(Pc;フタロシアニン)、1分子中に平均10個の臭素を含有するものであった。
なお、透過型電子顕微鏡(日本電子(株)製JEM−2010)で測定した一次粒径の平均値は0.065μmであった。
−樹脂(i−1)の合成−
n−オクタン酸6.4g、ε−カプロラクトン200g、チタン(IV)テトラブトキシド5gを混合し、160℃で8時間加熱した後、室温まで冷却しポリエステル樹脂(i−1)を得た。合成スキームを以下に示す。
ポリエチレンイミン(SP−018、数平均分子量1,800、日本触媒製)10g及び前記ポリエステル樹脂(i−1)100gを混合し、120℃で3時間加熱して、中間体(J−1B)を得た。その後、65℃まで放冷し、無水コハク酸3.8gを含有するPGMEA200gをゆっくり添加し2時間攪拌した。その後、PGMEAを添加し、樹脂(J−1)のPGMEA10質量%溶液を得た。樹脂(J−1)は、ポリエステル樹脂(i−1)由来の側鎖と無水コハク酸由来のカルボキシ基を有するものである。合成スキームを以下に示す。
(緑色着色感光性樹脂組成物の調製)
下記の成分を撹拌混合して、緑色の着色感光性樹脂組成物を調製した。
・前記緑色顔料PG58の分散液 32.68部
・前記黄色顔料PY150の分散液 14.56部
・バインダー樹脂:例示化合物1−1 0.65部
・重合性化合物:TO−2349(カルボキシル基含有多官能性単量体)5.16部
(東亞合成(株)製、アロニックスTO−2349、酸価67mgKOH/g)
・特定開始剤A 0.9部
(下記構造、商品名:TR−PBG−304、常州強力電子新材料有限公司社製)
・多官能チオール化合物 0.2部
(下記構造、商品名:カレンズMTBD1、昭和電工(株)製)
・溶剤:3−エトキシエチルプロピオネート 23.5部
・溶剤:プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート 22.3部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール 0.003部
・界面活性剤:メガファックF−554(DIC(株)製) 0.0146部
上記で得られた着色感光性樹脂組成物を、無アルカリガラス基板(Corning社、1737、550mm×660mm)の表面上に、スリットダイにより塗布速度100mm/s、塗布ギャップ100μm、塗布流速1.3ml/sの条件で塗布した後、減圧乾燥チャンバーにて到達圧力0.5Torrにて真空乾燥したのち、80℃のオーブンで120秒間乾燥させ(プリベーク)、膜厚2.4μmの塗布膜を得た。(着色層形成工程)
その後、塗布膜を、20μm幅のラインアンドスペースを持つフォトマスクを通して、超高圧水銀灯にて、20mJ/cm2(照度35mW/cm2)、マスクと着色層との間の距離を200μmにてプロキシ露光した。(露光工程)
露光後の塗布膜をアルカリ現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1%水溶液で40秒間シャワー状に散布、更に純水をシャワー状に60秒間散布して現像液を洗い流した。(現像工程)
次に、上記にて露光及び現像処理が施された塗布膜を230℃のオーブンで40分加熱処理し(ポストベーク)、ガラス基板上に、2.0μmの緑色のストライプ状画素アレイを有するカラーフィルタを得た。
実施例1の着色感光性樹脂組成物の調製において、光重合開始剤、バインダー樹脂を、下記表1〜表3に記載の化合物に変更した以外は、実施例1と同様にして実施例2〜13、比較例1〜4の着色感光性樹脂組成物を調製した。
得られた着色感光性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にしてパターン状画素の形成を行った。
実施例1の着色感光性樹脂組成物の調製において、更に、2,4−ジエチルチオキサントン(増感色素、商品名:KAYACURE DETX−S、日本化薬(株)製)を、0.1部添加し、開始剤を0.7部とした以外は、実施例1と同様にして実施例14の着色感光性樹脂組成物を調製した。
得られた着色感光性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にしてパターン状画素の形成を行った。
実施例1の着色感光性樹脂組成物の調製において、多官能チオール化合物(カレンズMTBD-1)を、下記に示す単官能チオール化合物(SH−1)に変更した以外は、実施例1と同様にして比較例5の着色感光性樹脂組成物を調製した。
得られた着色感光性樹脂組成物を用いて、実施例1と同様にしてパターン状画素の形成を行った。
(緑色着色感光性樹脂組成物の調製)
実施例15〜17に用いる緑色着色感光性樹脂組成物として、実施例1〜3にて調製した着色感光性樹脂組成物と同じ緑色の着色感光性樹脂組成物を調製した。
得られた着色感光性樹脂組成物を、無アルカリガラス基板(Corning社、1737、550mm×660mm)の表面上に、スリットコーター(平田機工(株)、HC−6000)を用いて塗布したのち、90℃のクリーンオーブン内で120秒間プリベークを行って、膜厚2.4μmの塗布膜(着色層)を有する塗布膜付き基板を作製した。(着色層形成工程)
次いで、レーザー露光装置として、EGIS(ブイテクノロジー(株)、YAGレーザーの第三高調波(355nm)、パルス幅6nS)を用い、塗布膜(着色層)表面に対し、約1mJ/cm2のパルス照射を20回、フォトマスクを通して行い、露光部分を硬化させた。(露光工程)。
露光後の基板を、現像装置(日立ハイテクノロジーズ社製)を用いて、水酸化カリウム系現像液CDK−1(富士フイルムエレクトロニクスマテリアルズ(株)製)の1.0%現像液(CDK−1を1質量部、純水を99質量部の希釈した液、25℃)でシャワー圧を0.20MPaに設定して、50秒現像し、純水で洗浄後、風乾した(現像工程)。
その後、230℃のクリーンオーブン内で40分間ポストベークを行って、基板上に2.0μm緑色のストライプ状画素アレイを有するカラーフィルタを得た。
各着色剤の含有比率(%)については、緑色顔料分散液と黄色顔料分散液の比率は変更せずに、顔料分散液の総添加量を増減することで、顔料比を所定の顔料比にすることで調整した。また、顔料の増減分は追添バインダーの添加で調整した。
・特定開始剤C(下記構造)
・特定開始剤D(下記構造)
・トリアジン系開始剤(下記構造)
・CGI−242(下記構造、BASF社製)
(着色感光性樹脂組成物の調製)
実施例18及び19に用いる青色の着色感光性樹脂組成物を、次のようにして調製した。
−顔料分散液Aの調製−
下記に記載の組成の成分を、ホモジナイザーを用いて回転数3,000r.p.m.で3時間撹拌して混合し、混合溶液を調製し、さらに0.1mmφジルコニアビーズを用いたビーズ分散機ウルトラアペックスミル(寿工業社製)にて8時間分散処理を行なった。
・C.I.ピグメントバイオレット23 1.0部
・Disperbyk161(ビックケミー社製、30%溶液) 24.0部
・PGMEA 63.2部
得られた顔料分散液Aに、さらに以下の組成の成分を添加し、撹拌混合して青色の着色感光性樹脂組成物を調製した。
・バインダー樹脂:例示化合物1−1の20%PGMEA溶液 16.40部
・重合性化合物:M−510(カルボキシル基含有多官能性単量体) 4.57部
(東亞合成(株)製、アロニックスM−510、酸価100mgKOH/g)
・特定光重合開始剤A 2.74部
(前記構造、TR−PBG−304、常州強力電子新材料有限公司社製)
・多官能チオール化合物A 0.55部
(前記構造、商品名:カレンズMTBD1、昭和電工(株)製)
・エポキシ化合物:EHPE3150(ダイセル化学(株)製) 0.60部
・溶剤:PGMEAと3−エトキシエチルプロピオネート(=80/20[質量比])の混合溶液 35.51部
・重合禁止剤:p−メトキシフェノール 0.01部
・密着力調整剤:KBM−503(信越化学(株)製) 0.40部
・界面活性剤:メガファックF−554(DIC(株)製) 0.02部
実施例18については、得られた青色の着色感光性樹脂組成物を用いた以外は、実施例1と同様にして、青色のストライプ状画素アレイを有するカラーフィルタを得た。
また、実施例19については、得られた青色の着色感光性樹脂組成物を用いた以外は、実施例15と同様にして、青色のストライプ状画素アレイを有するカラーフィルタを得た。
実施例18において、青色の着色感光性樹脂組成物を用いた光重合開始剤を、表3に記載の比較用光重合開始剤(CGI−202)に変更した以外は、実施例18と同様にして、青色の着色感光性樹脂組成物をした。
得られた着色感光性樹脂組成物を用いて、実施例18と同様にして、青色のストライプ状画素アレイを有するカラーフィルタを得た。
(線幅感度の評価)
各実施例及び比較例にて得られたカラーフィルタにおけるストライプ状画素アレイ(ラインパターン)を、光学顕微鏡(200倍)によって観察し、線幅を測定し、下記基準で評価した。
−評価基準−
A:30μm以上35μm未満
B:27μm以上30μm未満
C:25μm以上27μm未満
D:25μm未満
E:パターンが形成されない。または、パターンが剥がれて評価ができない。
各実施例及び比較例にて得られたカラーフィルタにおけるストライプ状画素アレイ(ラインパターン)を、光学顕微鏡(200倍)によって観察し、線幅の直線性(ガタツキ具合)を目視し、下記基準で評価した。結果を表1〜表3に示す。
−評価基準−
A:ガタツキやカケが無く、ラインが真直ぐである。
B:ガタツキは数箇所みとめられるが、ラインがほとんど真直ぐである。
C:ガタツキやカケにより2μm程度(線幅に対して10%程度)のラインバラツキが生じている。
D:ガタツキやカケにより5μm程度(線幅に対して20%以上)のラインバラツキが生じている。
E:パターンが形成されない。または、パターン剥がれて評価ができない。
各実施例及び比較例にて得られたストライプ状画素アレイ(ラインパターン)が形成された基板を、240℃のクリーンオーブン内で60分間追加ベークし、追加ベーク前後での色変化(ΔE*ab)を、大塚電子(株)製分光測光器「MCPD−2000」を用いて評価した。ここで、ΔE*abとは、L*a*b*表色系における色差を意味する。色差の変化ΔE*abを測定し下記基準で評価した。結果を表1〜表3に示す。
−評価基準−
5 :ΔE*abが0以上1.0未満。
4.5:ΔE*abが1.0以上2.0未満
4 :ΔE*abが2.0以上3.0未満
3.5:ΔE*abが3.0以上3.5未満
3 :ΔE*abが3.5以上4.0未満
2.5:ΔE*abが4.0以上5.0未満
2 :ΔE*abが5.0以上
1 :剥がれがあり、且つΔE*abが5.0以上
各実施例又は各比較例に用いた着色感光性樹脂組成物を、前記無アルカリガラス基板の表面上にスピンコーターを用いて乾燥膜厚が2.0μmとなるように塗布し、120℃で2分間プリベークさせて均一な着色層を形成した。次いで、各実施例又は各比較例に適用された露光方式及び露光条件により露光を行った。
測定結果を表1〜表3に示す。
各実施例及び比較例にて得られた緑色又は青色のストライプ状画素アレイを有するカラーフィルタについて、色度を大塚電子(株)製分光測光器「MCPD−2000」を用いて色度及び輝度を測定し、下記基準により評価した。結果を表1〜表3に示す。
緑色の画素を有する各カラーフィルタについては、x=0.287、y=0.600の色度に合わせて、輝度Yを測定し、下記基準により評価した。
−評価基準−
AA:輝度Yが58.0以上
A:輝度Yが57.5以上58.0未満
B:輝度Yが57.0以上57.5未満
C:輝度Yが56.5以上57.0未満
D:輝度Yが56.0以上56.5未満
E:輝度Yが56.0未満
青色の画素を有する各カラーフィルタについては、x=0.135、y=0.119の色度に合わせて、輝度Yを測定し、下記基準により評価した。
−評価基準−
A:輝度Yが14.5以上
B:輝度Yが14.0以上14.5未満未満
C:輝度Yが13.5以上14.0未満未満
D:輝度Yが13.0以上13.5未満未満
E:輝度Yが13.0未満
線幅感度、直線性、耐熱性を総合的に下記基準で評価した。結果を表1〜表3にまとめて示した。一般に、使用に際しては、5又は4であることが好ましい。
評価基準
5 :非常に優れている。
4 :通常使用では問題ないレベル。
3 :通常使用がかろうじて容認されるレベル。
2 :性能不十分で通常使用できないレベル。
1 :前記各評価の少なくとも3項目が著しく劣るレベル。
Claims (12)
- 少なくとも、(A)着色剤、(B)バインダー樹脂、(C)重合性化合物、(D)下記一般式(I)で表される光重合開始剤、(E)多官能チオール化合物、及び(F)溶剤を含有する着色感光性樹脂組成物。
(一般式(I)中、R1は、芳香環又はヘテロ芳香環を含む1価の置換基を表し、X1、X2、X3及びX4は、それぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、又はアルキル基を表し、Yは単結合又はカルボニル基を表し、Zはメチル基又はフェニル基を表す。) - 前記一般式(I)において、R1で表される芳香環又はヘテロ芳香環を含む1価の置換基が、下記一般式(a)又は(b)で表される1価の置換基である請求項1に記載の着色感光性樹脂組成物。
(一般式(a)中、Z1は、炭素数1〜5のアルキル基、又はフェニル基を表す。一般式(a)及び(b)中、Xは、各々独立に、ハロゲン原子、アリールカルボニル基、又はヘテロアリールカルボニル基を表し、lは0又は1を表す。一般式(a)及び(b)中に示す波線は、隣接するYとの結合位置である。) - 前記一般式(I)で表される光重合開始剤が、下記一般式(I-A)で表される光重合開始剤である請求項1又は請求項2に記載の着色感光性組成物。
(一般式(I−A)中、RAは、ハロゲン原子、アルキル基、メトキシ基、フェノキシ基、フェニルチオ基、ジエチルアミノ基、モルホリノ基、シアノ基、又はニトロ基を表すか、或いは、隣接する2以上のRA同士で互いに結合して芳香族炭化水素環を形成する基を表し、nは0〜5の整数を表す。X1、X2、X3、X4、Y及びZは、前記一般式(I)におけるX1、X2、X3、X4、Y及びZと同義である。) - 前記(E)多官能チオール化合物が、2官能のチオール化合物である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物。
- 前記(B)バインダー樹脂が、分子内に重合性基を有するバインダー樹脂である請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物。
- 前記(B)バインダー樹脂が、分子内に、(B−1)下記一般式(II)で表される構造単位、(B−2)N位−置換マレイミド基を有する構造単位、及び(B−3)下記一般式(III)で表される構造単位からなる群より選択される少なくとも1種の構造単位を含むバインダー樹脂である請求項1から請求項5のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物。
(一般式(II)中、R11〜R15はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、シアノ基、アルキル基、又はアリール基を表し、R16は水素原子又はメチル基を表す。)
(一般式(III)中、R21は水素原子又はメチル基を表し、R22は炭素数1〜6のアルキレン基を表す。R23及びR24は、それぞれ独立に炭素数4以下のアルキル基であるか、いずれか一方が水素原子で他方が炭素数4以下のアルキル基であるか、又は、R23及びR24が互いに結合して炭素環を形成する基を表す。) - 更に、(G)増感色素を含有する請求項1から請求項6のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物。
- 前記(B)バインダー樹脂が、分子内に、前記(B−1)一般式(II)で表される構造単位、前記(B−2)N位−置換マレイミド基を有する構造単位、及び前記(B−3)一般式(III)で表される構造単位からなる群より選択される少なくとも1種の構造単位を50モル%〜90モル%と、酸性基を有する構造単位と、を含み、重量平均分子量が10000〜100000の範囲にある樹脂である請求項6又は請求項7に記載の着色感光性樹脂組成物
- 請求項1から請求項8のいずれか1項に記載の着色感光性樹脂組成物を基板上に付与して着色層を形成する着色層形成工程と、
前記着色層をパターン様に露光して露光部を硬化させる露光工程と、
前記露光後の着色層における未硬化部を現像により除去してパターンを形成する現像工程と、
を含むパターン形成方法。 - 請求項9に記載のパターン形成方法により、基板上に着色パターンを形成する工程を含むカラーフィルタの製造方法。
- 請求項10に記載の製造方法により製造されたカラーフィルタ。
- 請求項11に記載のカラーフィルタを備えた表示装置。
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