JP2012162464A - N−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2h−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドの製造方法 - Google Patents

N−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2h−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドの製造方法 Download PDF

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JP2012162464A JP2011021873A JP2011021873A JP2012162464A JP 2012162464 A JP2012162464 A JP 2012162464A JP 2011021873 A JP2011021873 A JP 2011021873A JP 2011021873 A JP2011021873 A JP 2011021873A JP 2012162464 A JP2012162464 A JP 2012162464A
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Abstract

【課題】 医薬中間体の重要な製造用前駆体として使用されるN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドを、効率よく高純度に製造する方法を提供すること。
【解決手段】 2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチルとクロロギ酸フェニル化合物とを所定のモル比で反応させて得られるフェノキシカルボニルアミン化合物を単離することなく、N−アセチル 1,4−フェニレンジアミンと溶媒中で塩基存在下にて反応させることで得られるN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドの製造方法を提供する。
【選択図】 なし

Description

本発明は、医薬中間体の重要な製造用前駆体として使用されるN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドの製造方法に関する。
医薬中間体の重要な製造用前駆体であるN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドの製造方法としては、従来、以下のような方法が知られている。
(1)2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチルとホスゲンとを反応させ、イソシアネートまたはカルバモイルクロライドとなし、次いで一方のアミノ基を保護したフェニレンジアミンと反応させた後、塩基存在下で環化反応を行い目的物を得る方法。
(2)2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチル1モルに対してクロロギ酸フェニル化合物としてのクロロギ酸4−ニトロフェニル1.2モルを溶媒中で反応させ、晶析、ろ過により単離した後、一方のアミノ基を保護したフェニレンジアミンと反応させた後、塩基存在下で環化反応を行い目的物を得る方法(以上特許文献1)等が挙げられる。
国際公開第07/056167号パンフレット
しかしながら、前記の(1)の製造方法によると、反応試剤として猛毒性のホスゲンを使用しており、その取り扱いには厳重な注意が必要であるため、特殊な製造設備を必要とする等、工業的生産において有利な製造方法ではなかった。
また、前記の(2)の製造方法によると、2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチルとクロロギ酸4−ニトロフェニルとを反応させて得られる4,5−ジフルオロ−2−(4−ニトロ−フェノキシカルボニルアミノ)−安息香酸メチルを単離するため、ろ過等の煩雑な単離操作が必要であった。
一般に、副生成物は目的生成物と物理化学的性質が類似し、分離精製が容易でない場合が多いため、特に、医薬中間体の製造用前駆体として求められる高純度の目的生成物を得るためには、前記のような単離操作を行うことが必要である。
特に、前記の(2)の製造方法においては、2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチル1モルに対してクロロギ酸4−ニトロフェニル1.2モルを用いて反応を行わせるため、その反応終了後にも反応系中に未反応のクロロギ酸4−ニトロフェニルが存在することとなり、次工程の反応で生成され得る副生成物の形成を防ぐためには、前記の単離操作を省略することは困難であった。したがって、前記の(2)の製造方法は、目的生成物を得るまでの製造工程が長く、工業的生産において有利な製造方法ではなかった。
このため、目的化合物を効率よく、かつ高純度に製造する方法が求められていた。
本発明は、医薬中間体の重要な製造用前駆体として有用なN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドを効率よく、かつ高純度に製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチルとクロロギ酸フェニル化合物との反応において、所定のモル比を用いることで、フェノキシカルボニルアミン化合物を単離することなく、N−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドを効率よく、かつ高純度に製造できることを見出した。
すなわち、本発明は、
式(1):
Figure 2012162464
で表される2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチル1モルに対して、式(2):
Figure 2012162464
(式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、またはニトロ基を示す。)で表されるクロロギ酸フェニル化合物を0.9〜1.1モル反応させる工程1、および
工程1にて得られる式(3):
Figure 2012162464
(式中、Rは式(2)におけるRと同じ基を示す。)で表されるフェノキシカルボニルアミン化合物を単離することなく、式(4):
Figure 2012162464
で表されるN−アセチル 1,4−フェニレンジアミンと溶媒中で塩基存在下にて反応させる工程2を含む、式(5):
Figure 2012162464

で表されるN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドの製造方法を提供する。
また、本発明は、2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチル1モルに対するクロロギ酸フェニル化合物が、0.98〜1.04モルである、上記製造方法を提供する。
さらに、本発明は、前記の工程2において、有機塩基を用いることを特徴とする、上記製造方法を提供する。
本発明によれば、種々の医薬中間体の製造用前駆体として有用なN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドを効率よく、かつ高純度に製造することができる。
本発明は、2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチルとクロロギ酸フェニル化合物とを反応させて得られるフェノキシカルボニルアミン化合物を単離することなく、N−アセチル 1,4−フェニレンジアミンと溶媒中で塩基存在下にて反応させることで得られるN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドを製造する方法に関する。
以下に本発明を詳細に説明する。
本発明にかかる製造方法において、まずは、2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチルとクロロギ酸フェニル化合物を混合して反応させる工程1を行う。
本発明に用いられる2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチルは何れの方法によって得られたものもよいが、US2002/077486に記載の方法等によれば、比較的容易に製造することができる。
また、本発明に用いられるクロロギ酸フェニル化合物は下記式(2)で表される。
Figure 2012162464
式(2)中、Rは水素原子、ハロゲン原子、またはニトロ基を示す。これらの中でも、水素原子およびニトロ基が好適に用いられる。
ハロゲン原子としては、例えば、塩素原子、臭素原子等を挙げることができる。これらの中でも塩素原子が好適に用いられる。
本発明に用いられる式(2)で表されるクロロギ酸フェニル化合物の具体例としては、例えば、クロロギ酸フェニル、クロロギ酸4−クロロフェニル、クロロギ酸4−ブロモフェニル、クロロギ酸4−ニトロフェニル、クロロギ酸3−ニトロフェニル等を挙げることができる。これらの中でも入手が容易であること等からクロロギ酸フェニル、クロロギ酸4−ニトロフェニルが好適に用いられる。
前記クロロギ酸フェニル化合物は、市販のものを使用してもよいし、種々の公知の方法によって得られたものを使用してもよい。
前記工程1の2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチルとクロロギ酸フェニル化合物との反応におけるクロロギ酸フェニル化合物の使用量は、2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチル1モルに対して、0.9〜1.1モルである。好ましくは、0.98〜1.04モルであり、より好ましくは1.01〜1.02モルである。
前記工程1の反応は、例えば、溶媒の存在下にて行われ、かかる溶媒としては、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、およびヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、およびクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中でも、反応性等の観点から、ベンゼン、トルエン、キシレン、およびクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類、中でもクロロベンゼンが好適に用いられる。
前記溶媒の使用量としては、特に限定されないが、2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチル100重量部に対して500〜2000重量部、好ましくは800〜1200重量部であることが好ましい。溶媒の使用量が500重量部未満の場合、攪拌が困難になるおそれがある。また、溶媒の使用量が2000重量部を超える場合、容積効率が悪化するおそれがある。
前記工程1の反応温度は、例えば、65〜80℃である。65℃未満では、反応に長時間を要するおそれがあり、80℃を超えると、副反応が起こり、その結果として収率が低下するおそれがある。反応時間は、反応温度により異なるが、通常、1〜7時間である。
かくして得られるフェノキシカルボニルアミン化合物は式(3)で表される。
Figure 2012162464
式中、Rは式(2)におけるRと同じ基を示す。
前記フェノキシカルボニルアミン化合物は、単離することなく、引き続き次工程2を行う。なお、所望により反応液から溶媒を留去した後に、引き続き次工程2を行うことができる。
工程1および次工程2の反応は、フェノキシ基のフェニル環が置換されていなくても進行する。工程1および次工程2の反応を阻害しない限り、前記フェニル環は置換されていてもよい。そのようなRとしては、ハロゲン原子またはニトロ基が挙げられる。
次工程2では、前記工程1の反応で得られたフェノキシカルボニルアミン化合物と、一方のアミノ基を保護したフェニレンジアミンとを溶媒中で塩基存在下にて反応させ、反応系内で2−[3−(4−アセチルアミノ−フェニル)−ウレイド]−4,5−ジフルオロ−安息香酸メチルを経由し、N−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドを得る。
本発明にかかる一方のアミノ基を保護したフェニレンジアミンとしては、例えば、ベンジル基、アセチル基、t−ブトキシカルボニル基等で一方のアミノ基を保護したフェニレンジアミンを使用できるが、安価で入手性に優れていることから一方のアミノ基をアセチル基で保護したN−アセチル 1,4−フェニレンジアミンが好適である。前記N−アセチル 1,4−フェニレンジアミンは市販のものを使用してもよいし、種々の公知の方法によって得られたものを使用してもよい。
前記工程2の反応において、使用する溶媒は、ペンタン、ヘキサン、シクロヘキサン、およびヘプタン等の脂肪族炭化水素類;ベンゼン、トルエン、キシレン、およびクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類;ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル類等が挙げられる。これらの中でも、反応性等の観点から、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類、並びにベンゼン、トルエン、キシレン、およびクロロベンゼン等の芳香族炭化水素類が好適に用いられる。中でもエーテル類とりわけジオキサンが好適に用いられる。
前記溶媒の使用量としては、特に限定されないが、前記工程1で用いた2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチル100重量部に対して500〜3000重量部、1200〜1800重量部であることがより好ましい。
前記工程2の反応において、使用する塩基としては、例えば、ナトリウムメチラート等の無機塩基、およびトリエチルアミン等の有機塩基を挙げることができる。これらの中でも、工程2の反応時にフェノキシカルボニルアミン化合物から副生するフェノール類が反応溶媒に不溶性のナトリウム塩とならず、大量の水で洗浄すること(リパルプ洗浄)なく容易に溶媒に溶解し、ろ液として除去できること等から有機塩基を使用することが好ましい。
使用する有機塩基としては、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリブチルアミン、およびジイソプロピルエチルアミン等のトリアルキルアミン;ジメチルアニリン等のジアルキルアリールアミン;2−メチル−5−エチルピリジン、ピリジン等の複素芳香族アミン;等が挙げられる。これらの中でも、トリアルキルアミンが好ましく、より好ましくは、トリエチルアミン、トリブチルアミンが用いられる。
前記塩基の使用量は、前記工程1で用いた2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチル1モルに対して0.01〜0.5モル添加することが好ましく、0.05〜0.1モル添加することがより好ましい。
前記工程2の反応温度は、例えば、50〜120℃であることが好ましい。
また、反応時間は、反応温度により異なるが、通常、0.1〜24時間である。
かくして得られた反応液には、目的生成物であるN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドと共に、目的生成物の環化前の2−[3−(4−アセチルアミノ−フェニル)−ウレイド]−4,5−ジフルオロ−安息香酸メチルが含まれる場合がある。
環化前の2−[3−(4−アセチルアミノ−フェニル)−ウレイド]−4,5−ジフルオロ−安息香酸メチルは、引き続き環化反応を行い、目的生成物であるN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドを得ることができる。
前記環化反応としては、工程2で得られた反応液を、再度昇温することにより、または、昇温し必要に応じて塩基を添加することにより環化する方法等が用いられる。
前記環化反応において、添加する塩基としては、例えば、ナトリウムメチラート等の無機塩基、およびトリエチルアミン等の有機塩基を挙げることができる。これらの中でも、有機塩基を添加することが好ましい。
前記塩基の使用量は、前記工程1で用いた2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチルに対して、0〜0.5モルが好ましい。
また、環化反応の温度は、例えば、90〜120℃が好ましい。反応時間は、反応温度により異なるが、通常、6〜18時間である。
反応終了後、冷却し、析出している結晶をろ過した後、乾燥することによって、N−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドを得ることができる。
以下に実施例および比較例を挙げ、本発明を具体的に説明するが、本発明はこれら実施例によってなんら限定されるものではない。
純度の測定は、以下の方法に従って行い、クロマトグラフのピークの面積%として求めた。
・装置:島津LC10Aシステム
・カラム:Watre Xtera RP18 3.5μm 4.6mmI.D.×150mm
・検出波長:254nm
・カラム温度:40℃
・注入量:1μl
・移動相:アセトニトリル/水(りん酸0.5wt%添加)=50/50
・移動相流量:1.0ml/min
実施例1
攪拌機、冷却管、温度計および滴下ロートを備え付けた3L容の4つ口フラスコに、2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチル93.5g(0.50モル)、クロロギ酸4−ニトロフェニル103.8g(0.51モル)、およびクロロベンゼン1000gを仕込み、75℃まで昇温を行った。その後同温度にて6時間攪拌を行い、反応終了後、溶媒を留去した。反応液中の4,5−ジフルオロ−2−(4−ニトロ−フェノキシカルボニルアミノ)−安息香酸メチルの純度は、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて98.5面積%であった。
次に、得られた4,5−ジフルオロ−2−(4−ニトロ−フェノキシカルボニルアミノ)−安息香酸メチルの全量、ジオキサン1600g、およびN−アセチル 1,4−フェニレンジアミン75.09g(0.5モル)を仕込み、トリエチルアミン5.0g(0.05モル)を添加した後、65℃まで昇温を行い、同温度にて1時間攪拌した。
引き続き、前記反応液を100℃まで昇温し、トリエチルアミン15.1g(0.15モル)を添加し、同温度にて7時間攪拌を行った。反応終了後、反応液を20〜30℃まで冷却し、析出した生成物をろ過し、乾燥することにより、N−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミド152.4g(0.46モル)を得た。得られたN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドの純度はHPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて99.8面積%であり、収率は2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチルに対して92%であった。
実施例2
攪拌機、冷却管、温度計および滴下ロートを備え付けた3L容の4つ口フラスコに、2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチル93.5g(0.50モル)、クロロギ酸4−ニトロフェニル98.76g(0.49モル)、およびクロロベンゼン1000gを仕込み、75℃まで昇温を行った。その後同温度にて6時間攪拌を行い、反応終了後、溶媒を留去した。反応液中の4,5−ジフルオロ−2−(4−ニトロ−フェノキシカルボニルアミノ)−安息香酸メチルの純度は、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて97.5面積%であった。
次に、得られた4,5−ジフルオロ−2−(4−ニトロ−フェノキシカルボニルアミノ)−安息香酸メチルの全量、ジオキサン1600g、およびN−アセチル 1,4−フェニレンジアミン75.09g(0.5モル)を仕込み、トリエチルアミン5.0g(0.05モル)を添加した後、65℃まで昇温を行い、同温度にて1時間攪拌した。
引き続き、前記反応液を100℃まで昇温し、トリエチルアミン15.1g(0.15モル)を添加し、同温度にて7時間攪拌を行った。反応終了後、反応液を20〜30℃まで冷却し、析出した生成物をろ過し、乾燥することにより、N−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミド145.76g(0.44モル)を得た。得られたN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドの純度はHPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて99.9面積%であり、収率は2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチルに対して88%であった。
実施例3
攪拌機、冷却管、温度計および滴下ロートを備え付けた3L容の4つ口フラスコに、2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチル93.5g(0.50モル)、クロロギ酸4−ニトロフェニル104.8g(0.52モル)、およびクロロベンゼン1000gを仕込み、75℃まで昇温を行った。その後同温度にて6時間攪拌を行い、反応終了後、溶媒を留去した。反応液中の4,5−ジフルオロ−2−(4−ニトロ−フェノキシカルボニルアミノ)−安息香酸メチルの純度は、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて97.8面積%であった。
次に、得られた4,5−ジフルオロ−2−(4−ニトロ−フェノキシカルボニルアミノ)−安息香酸メチルの全量、ジオキサン1600g、およびN−アセチル 1,4−フェニレンジアミン75.09g(0.5モル)を仕込み、トリエチルアミン5.0g(0.05モル)を添加した後、65℃まで昇温を行い、同温度にて1時間攪拌した。
引き続き、前記反応液を100℃まで昇温し、トリエチルアミン15.1g(0.15モル)を添加し、同温度にて7時間攪拌を行った。反応終了後、反応液を20〜30℃まで冷却し、析出した生成物をろ過し、乾燥することにより、N−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミド144.09g(0.435モル)を得た。得られたN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドの純度はHPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて99.8面積%であり、収率は2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチルに対して87%であった。
実施例4
攪拌機、冷却管、温度計および滴下ロートを備え付けた3L容の4つ口フラスコに、2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチル93.5g(0.50モル)、クロロギ酸4−ニトロフェニル90.7g(0.45モル)、およびクロロベンゼン1000gを仕込み、75℃まで昇温を行った。その後同温度にて6時間攪拌を行い、反応終了後、溶媒を留去した。反応液中の4,5−ジフルオロ−2−(4−ニトロ−フェノキシカルボニルアミノ)−安息香酸メチルの純度は、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて91.3面積%であった。
次に、得られた4,5−ジフルオロ−2−(4−ニトロ−フェノキシカルボニルアミノ)−安息香酸メチルの全量、ジオキサン1600g、およびN−アセチル 1,4−フェニレンジアミン75.09g(0.5モル)を仕込み、トリエチルアミン5.0g(0.05モル)を添加した後、65℃まで昇温を行い、同温度にて1時間攪拌した。
引き続き、前記反応液を100℃まで昇温し、トリエチルアミン15.1g(0.15モル)を添加し、同温度にて7時間攪拌を行った。反応終了後、反応液を20〜30℃まで冷却し、析出した生成物をろ過し、乾燥することにより、N−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミド135.8g(0.41モル)を得た。得られたN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドの純度はHPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて99.4面積%であり、収率は2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチルに対して82%であった。
実施例5
攪拌機、冷却管、温度計および滴下ロートを備え付けた3L容の4つ口フラスコに、2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチル93.5g(0.50モル)、クロロギ酸4−ニトロフェニル110.9g(0.55モル)、およびクロロベンゼン1000gを仕込み、75℃まで昇温を行った。その後同温度にて6時間攪拌を行い、反応終了後、溶媒を留去した。反応液中の4,5−ジフルオロ−2−(4−ニトロ−フェノキシカルボニルアミノ)−安息香酸メチルの純度は、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて95.2面積%であった。
次に、得られた4,5−ジフルオロ−2−(4−ニトロ−フェノキシカルボニルアミノ)−安息香酸メチルの全量、ジオキサン1600g、およびN−アセチル 1,4−フェニレンジアミン75.09g(0.5モル)を仕込み、トリエチルアミン25.3g(0.25モル)を添加した後、100℃まで昇温を行い、同温度にて7時間攪拌を行った。反応終了後、反応液を20〜30℃まで冷却し、析出した生成物をろ過し、乾燥することにより、N−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミド142.4g(0.43モル)を得た。得られたN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドの純度はHPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて99.0面積%であり、収率は2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチルに対して86%であった。
比較例1
攪拌機、冷却管、温度計および滴下ロートを備え付けた3L容の4つ口フラスコに、2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチル93.5g(0.50モル)、クロロギ酸4−ニトロフェニル120.9g(0.60モル)、およびクロロベンゼン1000gを仕込み、75℃まで昇温を行った。その後同温度にて6時間攪拌を行い、反応終了後、溶媒を留去した。反応液中の4,5−ジフルオロ−2−(4−ニトロ−フェノキシカルボニルアミノ)−安息香酸メチルの純度は、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて91.5面積%であった。
次に、得られた4,5−ジフルオロ−2−(4−ニトロ−フェノキシカルボニルアミノ)−安息香酸メチルの全量、ジオキサン1600g、およびN−アセチル 1,4−フェニレンジアミン75.09g(0.5モル)を仕込み、次にトリエチルアミン5.0g(0.05モル)を添加した後、65℃まで昇温を行い、同温度にて1時間攪拌した。
引き続き、前記反応液を100℃まで昇温し、トリエチルアミン15.1g(0.15モル)を添加し、同温度にて7時間攪拌を行った。反応終了後、反応液を20〜30℃まで冷却し、析出した生成物をろ過し、乾燥することにより、N−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミド105.0g(0.317モル)を得た。得られたN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドの純度はHPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて77.9面積%であり、収率は2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチルに対して63%であった。
比較例1で得られた最終生成物、N−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドには、2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチルとクロロギ酸フェニル化合物との反応後の余剰のクロロギ酸フェニル化合物と、次工程で用いたN−アセチル 1,4−フェニレンジアミンとで生成された副生成物、N−{4−[3−アセチルアミノ−フェニル)−ウレイド]−フェニル}−アセトアミド等が、HPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて約17面積%確認された。また、前記副生成物および各反応工程で用いた化合物の未反応物に加え、構造不明の複数の副生成物がHPLC(高速液体クロマトグラフィー)にて約5面積%存在することが確認された。従って、比較例1で得られたN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドは、医薬中間体の重要な製造用前駆体として用いるには好ましくない。これに対し、実施例1〜5においては、そのような構造不明の副生成物の存在は、確認されず、本願の製造方法が、医薬中間体の重要な製造用前駆体としてのN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドを高純度に製造でき、さらに、従来のN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドの製造方法(例えば、特許文献1に記載の製造方法)に対しては、ろ過などの単離工程を省略できるという、工業的生産において極めて有利な効果を発揮できる製造方法であることが分かった。

Claims (3)

  1. 式(1):
    Figure 2012162464
    で表される2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチル1モルに対して、式(2):
    Figure 2012162464
    (式中、Rは水素原子、ハロゲン原子、またはニトロ基を示す。)で表されるクロロギ酸フェニル化合物を0.9〜1.1モル反応させる工程1、および
    工程1にて得られる式(3):
    Figure 2012162464
    (式中、Rは式(2)におけるRと同じ基を示す。)で表されるフェノキシカルボニルアミン化合物を単離することなく、式(4):
    Figure 2012162464
    で表されるN−アセチル 1,4−フェニレンジアミンと溶媒中で塩基存在下にて反応させる工程2を含む、式(5):
    Figure 2012162464

    で表されるN−[4−(6,7−ジフルオロ−2,4−ジオキソ−1,4−ジヒドロ−2H−キナゾリン−3−イル)−フェニル]−アセトアミドの製造方法。
  2. 2−アミノ−4,5−ジフルオロ安息香酸メチル1モルに対するクロロギ酸フェニル化合物が、0.98〜1.04モルである、請求項1に記載の製造方法。
  3. 工程2における塩基が有機塩基である、請求項1または2に記載の製造方法。
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