JP2012159862A - 波長変換素子およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】強誘電性単結晶からなるZ板からなり、周期分極反転構造が形成された波長変換用基板と支持基板とを接着する波長変換素子において、素子の端面を研磨するときの焦電に起因する光導波路のマイクロクラックを防止し、これによる伝搬損失の増大を防止する。
【解決手段】波長変換素子11は、支持基板8、強誘電性単結晶からなるZ板からなり、周期分極反転構造5が形成されている波長変換用基板2、波長変換用基板2の底面2b側に設けられている下側バッファ層6、基板2の上面2a側に設けられている上側バッファ層9、支持基板8と下側バッファ層6とを接着する接着剤層7、および上側バッファ層9上に設けられた導電膜10を備えている。
【選択図】 図3
【解決手段】波長変換素子11は、支持基板8、強誘電性単結晶からなるZ板からなり、周期分極反転構造5が形成されている波長変換用基板2、波長変換用基板2の底面2b側に設けられている下側バッファ層6、基板2の上面2a側に設けられている上側バッファ層9、支持基板8と下側バッファ層6とを接着する接着剤層7、および上側バッファ層9上に設けられた導電膜10を備えている。
【選択図】 図3
Description
本発明は、波長変換素子およびその製造方法に関するものである。
ニオブ酸リチウムやタンタル酸リチウム単結晶のような非線形光学結晶は二次の非線形光学定数が高く、これら結晶に周期的な分極反転構造を形成することで、疑似位相整合(Quasi-Phase-Matched :QPM)方式の第二高調波発生(Second-Harmonic-Generation:SHG)デバイスを実現できる。また、この周期分極反転構造内に導波路を形成することで、高効率なSHGデバイスが実現でき、光通信用、医学用、光化学用、各種光計測用等の幅広い応用が可能である。
本出願人は、特許文献1において、ファブリーペロー型ブロードエリア半導体レーザ発振素子からの出力光を、非線形光学結晶からなるスラブ光導波路に対して基本波として入射させ、スラブ光導波路から青色レーザ光を出力させることを開示した。ここで、スラブ光導波路は、ニオブ酸リチウムカリウムなどの非線型光学単結晶のZ板を薄く研磨して作製する。
また、本出願人は、特許文献2を出願し、Z板からなる波長変換用基板を支持基板に対して有機樹脂接着剤層で接着するのに際して、有機樹脂接着剤層の燃焼や気泡を防止する方法を開示した。
光導波路を利用した波長変換素子を製造する際には、素子の端面を光学研磨し、端面上に反射防止膜を形成する必要がある。この際には、複数個の素子を積み重ね、保持した状態で、複数の素子の端面を同時にまとめて研磨する。
しかし、本発明者が素子を作製してみたところ、波長変換用基板の光導波路の領域にマイクロクラックが発生し、光の伝搬損失が増大することがあった。このような素子について検証したところ、研磨加工時の焦電効果により、一つの素子の波長変換用基板上面と、その上隣の素子の支持基板下面の間で異常放電が発生し、光導波路に放電によるマイクロクラックが発生していたことを見いだした。このような現象は知られていない。
しかし、本発明者が素子を作製してみたところ、波長変換用基板の光導波路の領域にマイクロクラックが発生し、光の伝搬損失が増大することがあった。このような素子について検証したところ、研磨加工時の焦電効果により、一つの素子の波長変換用基板上面と、その上隣の素子の支持基板下面の間で異常放電が発生し、光導波路に放電によるマイクロクラックが発生していたことを見いだした。このような現象は知られていない。
本発明の課題は、強誘電性単結晶からなるZ板からなり、周期分極反転構造が形成された波長変換用基板と支持基板とを接着するタイプの波長変換素子において、素子の端面を研磨するときの焦電に起因する光導波路のマイクロクラックを防止し、これによる伝搬損失の増大を防止することである。
本発明に係る波長変換素子は、
支持基板、
強誘電性単結晶からなるZ板からなり、周期分極反転構造が形成されている波長変換用基板、
この波長変換用基板の底面側に設けられている下側バッファ層、
波長変換用基板の上面側に設けられている上側バッファ層、
支持基板と下側バッファ層とを接着する接着剤層、および
上側バッファ層上に設けられた導電膜を備えていることを特徴とする。
支持基板、
強誘電性単結晶からなるZ板からなり、周期分極反転構造が形成されている波長変換用基板、
この波長変換用基板の底面側に設けられている下側バッファ層、
波長変換用基板の上面側に設けられている上側バッファ層、
支持基板と下側バッファ層とを接着する接着剤層、および
上側バッファ層上に設けられた導電膜を備えていることを特徴とする。
また、本発明は、前記波長変換素子を製造する方法であって,
上側バッファ層および下側バッファ層の設けられた波長変換用基板を支持基板と接着して接着体を得る工程、および
複数の接着体を積層した状態で接着体の端面を研磨加工する研磨工程
を有することを特徴とする。
上側バッファ層および下側バッファ層の設けられた波長変換用基板を支持基板と接着して接着体を得る工程、および
複数の接着体を積層した状態で接着体の端面を研磨加工する研磨工程
を有することを特徴とする。
本発明によれば、波長変換用基板上のバッファ層上に導電膜を形成することで、研磨加工時に、一つの素子の波長変換用基板上面と、その上隣の素子の支持基板下面の間で異常放電が発生せず、光導波路に放電によるマイクロクラックが発生しないことを見いだした。
図1〜図3の例では、強誘電性単結晶からなるZ板2の中に、上面2aから底面2bへと向かって延びる分極反転部3が、一定周期で形成されている。Z板とは、分極反転方向が、基板の上面から下面へと向かって延びる基板のことである。隣接する分極反転部3の間には、それぞれ、非分極反転部4が残されている。分極反転部3と非分極反転部4とを交互に一定周期で多数形成することによって、周期分極反転構造5が形成されている。
波長変換用基板2の底面2bに下側バッファ層6が形成されており、上面2a上に上側バッファ層9が形成されている。本例では、下側バッファ層6の下に支持基板8が接着層7によって接着されている。
そして、図示しない光源から入射面2cへと矢印Aのように基本波を入射させると、周期分極反転構造5を通過して波長変換を受け、波長変換光が出射面2dから矢印Bのように出射する。変換光の波長は、光の伝搬方向に見たときの分極反転周期によって定まる。
製造時には、波長変換基板2に上側バッファ層、下側バッファ層を形成した後、支持基板8を接着して接着体1Aを得る。次いで、接着体の入射面2cあるいは出射面2dを光学研磨する際には、図2に示すように、複数の接着体1Aを積層し、一体に保持した状態で、各端面を光学研磨する。光学研磨時には、ダイヤモンド粒子を砥粒にして、金属の研磨定盤にて粗研磨した後、コロイダル上のシリカ砥粒でポリウレタン製研磨定盤にて光学研磨する方法が好ましい。
ところが、この端面研磨時に、焦電の影響によって、波長変換用基板2の上面2aと、隣接する接着体1Aの支持基板8の底面8bとの間で、焦電に起因する異常放電13が生じ、異常放電13から光導波路内へと向かってクラック14が生ずることがわかった。こうしたクラックは、光導波路内での伝搬損失をもたらす。
支持基板の材質を相対的に低抵抗とすることで、この異常放電を防止し、これに起因するクラックと伝搬損失増大を防止できる。
本発明に従い、図3に示すように、上側バッファ層9上に導電膜10を形成することによって、この異常放電を防止し、これに起因するクラックと伝搬損失増大を防止できる。
なお、強誘電性単結晶からなる波長変換用基板2がZ板ではなく、X板、Y板、オフセットX板などの場合には、端面研磨時に、波長変換用基板と支持基板との間で異常放電が発生せず、前記した光導波路での伝搬損失が生じない。つまり、本発明は、上記した特定の構造に特有の問題点を発見したことに基づく発明であり、この点で進歩性を有する。
本発明では、波長変換用基板2の厚さT(図1、図3参照)を10μm以上、100μm以下とすることが好ましい。これを10μm以上とすることによって、基本波を導波路に入射する事が容易になり、基本波の結合効率が上がる。この観点からは、波長変換用基板2の厚さは、20μm以上とすることが更に好ましい。
また、波長変換用基板2の厚さTを100μm以下とすることによって、導波光のエネルギー密度を高め、変換効率を向上させることができる。この観点からは、波長変換用基板2の厚さを 80μm以下とすることが更に好ましい。
波長変換用基板を構成する強誘電性単結晶は、光の変調が可能であれば特に限定されないが、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウム、ニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体、ニオブ酸カリウムリチウム、KTP、GaAs及び水晶、K3Li2Nb5O15、La3Ga5SiO14などを例示することができる。
強誘電体単結晶中には、光導波路の耐光損傷性を更に向上させるために、マグネシウム(Mg)、亜鉛(Zn)、スカンジウム(Sc)及びインジウム(In)からなる群より選ばれる1種以上の金属元素を含有させることができ、マグネシウムが特に好ましい。強誘電体単結晶中には、ドープ成分として、希土類元素を含有させることができる。この希土類元素は、レーザー発振用の添加元素として作用する。この希土類元素としては、特にNd、Er、Tm、Ho、Dy、Prが好ましい。
好適な実施形態においては、支持基板の体積抵抗率が、波長変換用基板を形成する単結晶の体積抵抗率の1/100以下であり、特に好ましくは1/500以下である。
また、好適な実施形態においては、支持基板の体積抵抗率が1×1012Ω・cm以下(更に好ましくは 1×1011Ω・cm以下)であり、波長変換用基板を形成する単結晶の体積抵抗率が2×1012Ω・cm以上(更に好ましくは1×1013以上)である。
好適な実施形態においては、支持基板が、酸素欠損した強誘電性単結晶からなる。強誘電性単結晶を酸素欠損させて体積抵抗率を低下させるためには、単結晶を還元雰囲気下(好ましくは水素雰囲気下)に、好ましくは200 〜1000℃で熱処理する。また、還元時の圧力は、133×10−1〜133×10−7Paの減圧下で行うことが望ましい。
また、好適な実施形態においては、支持基板が、鉄のドープされた強誘電性単結晶からなる。単結晶に鉄原子をドープするには、単結晶育成時にあらかじめ鉄の化合物を添加する。鉄の化合物としては、Fe2O3が例示できる。
上側バッファ層上の導電膜10の作製方法は限定されず、以下を例示できる。
(1) スパッタ法によって金属薄膜を形成する。
(2) 導電性ペーストをバッファ層上に印刷等で塗布し、焼き付ける。
(3) バッファ層上に導電性テープを貼る。
(1) スパッタ法によって金属薄膜を形成する。
(2) 導電性ペーストをバッファ層上に印刷等で塗布し、焼き付ける。
(3) バッファ層上に導電性テープを貼る。
導電膜の材質は特に限定されず、金属、導電性ペーストを例示できる。具体的には、Al、Ti、Ta、Cu、Ag系ペースト、In系ペーストが好ましい。
導電膜の厚さは特に限定されないが、本発明の観点からは、0.05μm以上が好ましく、0.1μm以上が更に好ましい。まだ、導電膜による光吸収を抑制するという観点からは、導電膜の厚さは、5μm以下が好ましい。
導電膜は、上側バッファ層の90%以上を被覆していることが好ましく、全面を被覆していてよい。
また、好適な実施形態においては、波長変換用基板を形成する単結晶が、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムおよびニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体からなる群より選ばれており、支持基板を形成する低抵抗の単結晶が、ニオブ酸リチウム、タンタル酸リチウムおよびニオブ酸リチウム−タンタル酸リチウム固溶体からなる群より選ばれている。
波長変換用基板を形成する材質の体積抵抗率は、実際的には1×1014Ω・cm以下であることが好ましい。また、支持基板を形成する相対的に低抵抗の材料の体積抵抗率は、実際的には1×1010Ω・cm以上であることが多い。
好適な実施形態においては、波長変換用基板を形成する単結晶の熱膨張係数と支持基板の熱膨張係数との差が、波長変換用基板を形成する単結晶の熱膨張係数の10%以下である。この熱膨張差を小さくすることによって、熱サイクルや温度変化が加わったときに、発光効率の変動や低下を抑制することができる。
上側バッファ層、下側バッファ層の材質は、酸化シリコン、弗化マグネシウム、窒化珪素、アルミナ、五酸化タンタルを例示できる。
上側バッファ層、下側バッファ層の厚さcは特に限定されない。しかし、バッファ層の厚さcが小さすぎると、光伝搬損失が増加するので、この観点からは、cは 0.2μm以上が好ましい。また、バッファ層の厚さcが大きすぎると、バッファ層の形成が難しくなるので、この観点からは、cは2.0μm以下が好ましく、1.5μm以下が更に好ましい。
波長変換用基板を支持基板と接着するための接着剤は、無機接着剤であってよく、有機接着剤であってよく、無機接着剤と有機接着剤との組み合わせであってよい。
有機接着剤の具体例は特に限定されないが、エポキシ系接着剤、アクリル系接着剤、熱硬化型接着剤、紫外線硬化性接着剤、ニオブ酸リチウムなどの電気光学効果を有する材料と比較的近い熱膨張係数を有するアロンセラミックスC(商品名、東亜合成社製)(熱膨張係数13×10−6/K)を例示できる。
また無機接着剤としては、低誘電率で接着温度(作業温度)が600℃以下のものが好ましい。また、加工の際に十分な接着強度が得られるものが好ましい。具体的には、酸化珪素、酸化鉛、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、酸化カルシウム、酸化ホウ素等の組成を単体もしくは複数組み合わせたガラスが好ましい。また、他の無機接着剤としては、例えば五酸化タンタル、酸化チタン、五酸化ニオブ、酸化亜鉛がある。
無機接着層の形成方法は特に限定されず、スパッタ法、蒸着法、スピンコート法、ゾルゲル法などがある。また、波長変換用基板と支持基板との間に接着剤のシートを介在させ、接合することができる。好ましくは、熱硬化性、光硬化性あるいは光増粘性の樹脂接着剤からなるシートを、波長変換用基板と支持基板との間に介在させ、シートを硬化させる。このようなシートとしては、10μm以下のフィルム樹脂が適当である。
(参考例1)
図1に示す第二高調波発生素子1を作製した。
具体的には、厚さ0.5mmのZカットMgO5%ドープニオブ酸リチウム基板(体積抵抗率:5×1013Ω・cm)上に、周期7.0μmの櫛状周期電極をフォトリソグラフィ法によって形成した。この基板の裏面には全面に一様電極を形成したのち、パルス電圧を印加し、周期分極反転構造5を形成した。次いで、厚さ0.6umのSiO2アンダークラッド(バッファ層6)をスパッタ法によって成膜した。
図1に示す第二高調波発生素子1を作製した。
具体的には、厚さ0.5mmのZカットMgO5%ドープニオブ酸リチウム基板(体積抵抗率:5×1013Ω・cm)上に、周期7.0μmの櫛状周期電極をフォトリソグラフィ法によって形成した。この基板の裏面には全面に一様電極を形成したのち、パルス電圧を印加し、周期分極反転構造5を形成した。次いで、厚さ0.6umのSiO2アンダークラッド(バッファ層6)をスパッタ法によって成膜した。
厚さ0.5mmのZカット低抵抗ニオブ酸リチウム(抵抗率:5x1010Ω・cm)基板8に接着剤を塗布した後、前記のMgOドープニオブ酸リチウム基板と貼り合せた。その際の接着層厚は0.4umであった。MgOドープニオブ酸リチウム基板の表面を、厚さ45μmとなるまで研削、研磨した。得られた基板2に光導波路を形成した後、厚さ0.6μmのSiO2オーバークラッド(バッファ層)9をスパッタ法によって成膜した。
ダイサーで長さ5mm、幅23mmで接着体を切断した後、端面研磨治具に固定した。その際に、20個の接着体を重ね合わせて固定した。接着体をダイヤモンド砥粒、およびコロイダルシリカ砥粒によって端面研磨した後、両端面に反射防止膜を施した。その後、幅3.5mmに切断し、スラブ導波路を作製した。
この導波路においてNd:YAGレーザーを使用して光学特性を測定した。レーザーからの発振出力を2Wに調整し、その基本光をレンズでスラブ導波路に結合した。幅3mmの領域で基本光を走査してSHG出力の分布を測定した結果、全領域で10mW以上のSHG出力が得られた。
(参考例2)
実施例1と同様にして第二高調波発生素子1を作製し、端面研磨した。ただし、支持基板8の材質は、体積抵抗率:4x1011Ω・cmの低抵抗ニオブ酸リチウム単結晶を使用した。
実施例1と同様にして第二高調波発生素子1を作製し、端面研磨した。ただし、支持基板8の材質は、体積抵抗率:4x1011Ω・cmの低抵抗ニオブ酸リチウム単結晶を使用した。
この導波路においてNd:YAGレーザーを使用して光学特性を測定した。レーザーからの発振出力を2Wに調整し、その基本光をレンズでスラブ導波路に結合した。幅3mmの領域で基本光を走査してSHG出力の分布を測定した結果、全領域で10mW以上のSHG出力が得られた。
(比較例1)
実施例1と同様にして第二高調波発生素子1を作製し、端面研磨した。ただし、支持基板8の材質は、低抵抗ニオブ酸リチウム単結晶ではなく、通常のニオブ酸リチウムとした(体積抵抗率:1x1014Ω・cm)。
実施例1と同様にして第二高調波発生素子1を作製し、端面研磨した。ただし、支持基板8の材質は、低抵抗ニオブ酸リチウム単結晶ではなく、通常のニオブ酸リチウムとした(体積抵抗率:1x1014Ω・cm)。
得られた光導波路においてNd:YAGレーザーを使用して光学特性を測定した。レーザーからの発振出力を2Wに調整し、その基本光をレンズでスラブ導波路に結合した。幅3mmの領域で基本光を走査してSHG出力の分布を測定した結果、2mW以下のSHG出力しか得られない領域が3箇所あった。
出力の低い領域を観察した結果、スラブ導波路表面に放電13の後があり、導波路内部にクラック14も見られた。
(実施例1)
図3に示す第二高調波発生素子11を作製した。
具体的には、厚さ0.5mmのZカットMgO5%ドープニオブ酸リチウム基板(体積抵抗率:5×1013Ω・cm)上に、周期7.0μmの櫛状周期電極をフォトリソグラフィ法によって形成した。この基板の裏面には全面に一様電極を形成したのち、パルス電圧を印加し、周期分極反転構造5を形成した。次いで、厚さ0.6umのSiO2アンダークラッド(バッファ層6)をスパッタ法によって成膜した。
図3に示す第二高調波発生素子11を作製した。
具体的には、厚さ0.5mmのZカットMgO5%ドープニオブ酸リチウム基板(体積抵抗率:5×1013Ω・cm)上に、周期7.0μmの櫛状周期電極をフォトリソグラフィ法によって形成した。この基板の裏面には全面に一様電極を形成したのち、パルス電圧を印加し、周期分極反転構造5を形成した。次いで、厚さ0.6umのSiO2アンダークラッド(バッファ層6)をスパッタ法によって成膜した。
厚さ0.5mmのニオブ酸リチウム(体積抵抗率:1x1014Ω・cm)基板8に接着剤を塗布した後、前記のMgOドープニオブ酸リチウム基板と貼り合せた。その際の接着層厚は0.4umであった。MgOドープニオブ酸リチウム基板の表面を、厚さ45μmとなるまで研削、研磨した。得られた基板2に光導波路を形成した後、厚さ0.6μmのSiO2オーバークラッド(バッファ層)9をスパッタ法によって成膜した。更に、オーバークラッド9上に、スパッタ法によって、Crからなる厚さ0.5μmの導電膜10を形成した。
ダイサーで長さ5mm、幅23mmで接着体を切断した後、端面研磨治具に固定した。その際に、20個の接着体を重ね合わせて固定した。接着体を接着体をダイヤモンド砥粒、およびコロイダルシリカ砥粒によって端面研磨した後、両端面に反射防止膜を施した。その後、幅3.5mmに切断し、スラブ導波路を作製した。
この導波路においてNd:YAGレーザーを使用して光学特性を測定した。レーザーからの発振出力を2Wに調整し、その基本光をレンズでスラブ導波路に結合した。幅3mmの領域で基本光を走査してSHG出力の分布を測定し結果、全領域で10mW以上のSHG出力が得られた。
1、11 波長変換素子 2 波長変換用基板 3 分極反転部 4 非反転部 5 周期分極反転構造 6 下側バッファ層 7 接着層 8 支持基板 9 上側バッファ層 10 導電膜
Claims (7)
- 支持基板、
強誘電性単結晶からなるZ板からなり、周期分極反転構造が形成されている波長変換用基板、
この波長変換用基板の底面側に設けられている下側バッファ層、
前記波長変換用基板の上面側に設けられている上側バッファ層、
前記支持基板と前記下側バッファ層とを接着する接着層、および
前記上側バッファ層上に設けられた導電膜を備えていることを特徴とする、波長変換素子。 - 前記波長変換用基板の厚さが10μm以上、100μm以下であることを特徴とする、請求項1記載の素子。
- 前記導電膜が金属膜または導電性ペーストからなることを特徴とする、請求項1または2記載の素子。
- 前記導電膜の厚さが0.05μm以上、5μm以下であることを特徴とする、請求項1〜3のいずれか一つの請求項に記載の素子。
- 前記上側バッファ層および前記下側バッファ層が、酸化シリコン、弗化マグネシウム、窒化珪素、アルミナまたは五酸化タンタルからなることを特徴とする、請求項1〜4のいずれか一つの請求項に記載の素子。
- 前記波長変換用基板を形成する前記強誘電性単結晶の熱膨張係数と前記支持基板の熱膨張係数との差が、前記波長変換用基板を形成する前記強誘電性単結晶の熱膨張係数の10%以下であることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか一つの請求項に記載の素子。
- 請求項1〜6のいずれか一つの請求項に記載の波長変換素子を製造する方法であって,
前記上側バッファ層および前記下側バッファ層の設けられた前記波長変換用基板を前記支持基板と接着して接着体を得る工程、および
複数の前記接着体を積層した状態で前記接着体の端面を研磨加工する研磨工程
を有することを特徴とする、波長変換素子の製造方法。
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2012
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