JP2012144743A - 塗料用硬化性樹脂組成物及び該組成物を塗布してなる塗装物 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】主鎖末端および/または側鎖に加水分解性シリル基を分子中に少なくとも1個含有するビニル系共重合体(A)と、溶剤として芳香族成分が1.0重量%以下の溶剤(B)のみとを含む塗料用硬化性樹脂組成物であって、該ビニル系共重合体(A)が、単量体として重合性二重結合および炭素原子に結合した反応性シリル基を含有する単量体(a)と、アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)とのみを含むか、またはさらにその他の特定のビニル系単量体(d)のみを含み、該単量体(b)および/または該単量体(c)が全単量体の50重量%以上である塗料用硬化性樹脂組成物。
【選択図】なし
Description
該ビニル系共重合体(A)が、単量体として重合性二重結合および炭素原子に結合した反応性シリル基を含有する単量体(a)と、アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)とのみを含むか、またはさらにその他のビニル系単量体(d)としてメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、スチレンおよびα−メチルスチレンからなる群より選択される少なくとも1種のみを含み、
該アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)が全単量体の50重量%以上である
塗料用硬化性樹脂組成物に関する。
また、前記アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)が、全単量体の87重量%以上であることが好ましい。
前記アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)が、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートおよび2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種であることが好ましい。
また、前記溶剤(B)が、ナフテン系溶剤および/またはパラフィン系溶剤および/または芳香族を含む溶剤の水添物であることが好ましい。
また、前記ビニル系共重合体(A)100重量部に対して、一般式(II)
(R3O)4-a−Si−R4 a (II)
(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基であり、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。R4は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0または1を示す。)で表されるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(C)を0.1〜100重量部を配合してなることが好ましい。
また、前記塗料用硬化性樹脂組成物に更に硬化触媒(D)0.01〜10重量部が配合されてなることが好ましい。
本発明は、上記塗料用硬化性樹脂組成物を塗布してなる塗装物に関する。
(R3O)4-b−Si−R4 b (II)
(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、R4は炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基および炭素数7〜12のアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、bは0または1を示す)で表され、塗膜の耐汚染性を向上させることを主たる目的に配合される成分であり、上記ビニル系共重合体(A)100重量部に対して、0.1〜100重量部配合することが好ましく、より好ましくは、5〜80重量部、更に好ましくは10〜50重量部である。
撹拌機、温度計、還流冷却器、窒素ガス導入管および滴下ロートを備えた反応器に表1の(イ)成分を仕込み、窒素ガスを導入しつつ110℃に昇温した後、表1の(ア)成分の混合物を滴下ロートから5時間かけて等速滴下した。次に(ウ)成分の混合溶液を1時間かけて等速滴下した。その後、引き続き110℃で2時間攪拌した後、室温まで冷却した。最後に表1の(エ)成分を加えて攪拌した。
溶剤
エクソールD40;エクソン−モービル化学株式会社製
アイソバーG;エクソン−モービル化学株式会社製
IP1620;出光石油化学株式会社製
MCH(メチルシクロヘキサン);新日鐵化学株式会社製
ペガソールAN45(芳香族成分を約30%含有);エクソン−モービル化学株式会社製
溶剤希釈性
えられたビニル系重合体(A)の樹脂固形分100部に対し、シリコン化合物類(C)としてESi48(コルコート(株)製のテトラエチルシリケートの部分加水分解縮合物)を20部加えた後、重合溶剤を用いて固形分濃度が50%になるように希釈した。ビニル系重合体(A)100重量部に対して、20℃と5℃の雰囲気下、実質的に芳香族成分を含まない溶剤(B)として、エクソールD40をある一定の割合加えていき白濁を生じるまでの希釈性を確認した。
製造例1でえられたビニル系共重合体(A)−1の樹脂固形分100部に対し、シリコン化合物類(C)としてMS56S(三菱化学(株)製のテトラメチルシリケートの部分加水分解縮合物)を15部加えた混合液に、顔料として酸化チタン(CR−95、石原産業(株)製)40部を添加し、ガラスビーズを用いてペイントコンディショナーで2時間分散させ、固形分濃度が60%の白エナメルをえた。
塗膜表面を目視にて観察し、以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
A:表面状態が良好である。
B:部分的に曇りや斑点がみられる。
C:全体に曇りや斑点が認められる。
塗膜表面の光沢をJIS K 5400に準拠してGM268光沢計(ミノルタ製)を用いて測定した。(60°光沢)
形成後7日目の塗膜表面の水との静的接触角を接触角測定器(協和界面科学株式会社製CA−S150型)で測定した。
得られた組成物を、スレート板に複層塗材RE(イサムタイルW;イサム塗料(株)製)、下地調整塗材E(水性ソフトサーフSG;エスケー化研(株)製)を1.4〜1.6Kg/m2になるように塗装し、23℃で1日養生したものに、実施例に示す白エナメル組成物を乾燥膜厚20〜30μmで塗装してサンプルとした。このサンプルにカッターで基材にまで達する傷を入れ、上塗り塗装後23℃、55%RH条件下で1日、2日、3日、5日、7日、14日目に刷毛で上塗り塗料を塗装し、各期間での塗膜の状態を観察、ちぢみ等がないかどうか確認した。上塗りリコート時のちぢみについては、以下の基準で評価した。
(評価基準)
○;塗膜に異常が見られない。
△;カッティングを入れた部分のみにちぢみが発生。
×;リコート部全面にちぢみが発生。
ちぢみを評価した複層塗材RE、下地調整塗材Eを23℃で1日養生後、実施例に示す白エナメルを塗装した。23℃、55%RH条件下で7日間養生後、JISK5400に準拠して1mm碁盤目密着性試験を実施した。
(評価結果)
10:100/100
8:80/100
6:60/100
4:40/100
2:20/100
0: 0/100
該組成物をスプレーまたはローラ塗装した場合の臭気を以下の基準で評価した。
(評価基準)
○;鼻をつくような臭気が感じられず、長時間塗装にも耐えられる。
△;やや臭気が感じられる。
×;臭気が強く、長時間の塗装には耐えられない。
養生7日後の塗膜表面および大阪摂津市の屋外で3ケ月間放置(屋外曝露)後の塗膜表面の色彩をCR−300色差計(ミノルタ製)を用いて各々測定し、得られたL値(明度)からその差(ΔL値)を求めた。
サンシャインウェザオメーターを用い、養生7日後の塗膜表面および2000時間経過後の塗膜表面の光沢をそれぞれ測定し、2000時間経過後の光沢保持率(%)を求めた。結果をまとめて表3に示す。なお、比較例2については、養生7日後の光沢値が著しく低いので、光沢保持率は記載していない。
シリコン化合物類(C)
ESi48;コルコート株式会社製
Si48;多摩化学株式会社製
硬化触媒(D)
U−15;日東化成株式会社製 有機錫化合物
U−20;日東化成株式会社製 有機錫化合物
シランカップリング剤(E)
E−1;アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシランとγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランの1:2.2(モル比)反応物
E−2;アミノエチルアミノプロピルトリメトキシシラン
硬化調整成分(F)
F−1;γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン
F−2;n−ドデシルメルカプタン
Claims (7)
- 主鎖末端および/または側鎖に一般式(I)
該ビニル系共重合体(A)が、単量体として重合性二重結合および炭素原子に結合した反応性シリル基を含有する単量体(a)と、アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)とのみを含むか、またはさらにその他のビニル系単量体(d)としてメチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、スチレンおよびα−メチルスチレンからなる群より選択される少なくとも1種のみを含み、
該アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)が全単量体の50重量%以上である
塗料用硬化性樹脂組成物。 - 前記アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)および/またはアルキル基の炭素数が8以上である(メタ)アクリル酸アルキル単量体(c)が、全単量体の87重量%以上である請求項1記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
- 前記アルキル基の炭素数が4以上で分岐型の(メタ)アクリル酸アルキル単量体(b)が、イソブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレートおよび2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートからなる群より選択される少なくとも1種である請求項1または2記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
- 前記溶剤(B)がナフテン系溶剤および/またはパラフィン系溶剤および/または芳香族を含む溶剤の水添物である請求項1〜3のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
- 前記ビニル系共重合体(A)100重量部に対して、一般式(II)
(R3O)4-a−Si−R4 a (II)
(式中、R3は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基であり、複数存在する場合には、同一であっても異なっていてもよい。R4は炭素数1〜10のアルキル基、アリール基およびアラルキル基から選ばれた1価の炭化水素基、aは0または1を示す。)で表されるシリコン化合物および/またはその部分加水分解縮合物(C)を0.1〜100重量部を配合してなることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物。 - 塗料用硬化性樹脂組成物に更に硬化触媒(D)0.01〜10重量部が配合されてなる請求項1〜5のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物。
- 請求項1〜6のいずれかに記載の塗料用硬化性樹脂組成物を塗布してなる塗装物。
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