JP2012142527A - 太陽電池モジュール用フロントシート、それを用いた太陽電池モジュール、及び太陽電池モジュール用フロントシートの製造方法 - Google Patents

太陽電池モジュール用フロントシート、それを用いた太陽電池モジュール、及び太陽電池モジュール用フロントシートの製造方法 Download PDF

Info

Publication number
JP2012142527A
JP2012142527A JP2011001287A JP2011001287A JP2012142527A JP 2012142527 A JP2012142527 A JP 2012142527A JP 2011001287 A JP2011001287 A JP 2011001287A JP 2011001287 A JP2011001287 A JP 2011001287A JP 2012142527 A JP2012142527 A JP 2012142527A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
solar cell
transparent film
cell module
organic layer
layer
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2011001287A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5673936B2 (ja
Inventor
Yuka Watanabe
由香 渡辺
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Dai Nippon Printing Co Ltd
Original Assignee
Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Dai Nippon Printing Co Ltd filed Critical Dai Nippon Printing Co Ltd
Priority to JP2011001287A priority Critical patent/JP5673936B2/ja
Publication of JP2012142527A publication Critical patent/JP2012142527A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5673936B2 publication Critical patent/JP5673936B2/ja
Expired - Fee Related legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Classifications

    • YGENERAL TAGGING OF NEW TECHNOLOGICAL DEVELOPMENTS; GENERAL TAGGING OF CROSS-SECTIONAL TECHNOLOGIES SPANNING OVER SEVERAL SECTIONS OF THE IPC; TECHNICAL SUBJECTS COVERED BY FORMER USPC CROSS-REFERENCE ART COLLECTIONS [XRACs] AND DIGESTS
    • Y02TECHNOLOGIES OR APPLICATIONS FOR MITIGATION OR ADAPTATION AGAINST CLIMATE CHANGE
    • Y02EREDUCTION OF GREENHOUSE GAS [GHG] EMISSIONS, RELATED TO ENERGY GENERATION, TRANSMISSION OR DISTRIBUTION
    • Y02E10/00Energy generation through renewable energy sources
    • Y02E10/50Photovoltaic [PV] energy

Landscapes

  • Photovoltaic Devices (AREA)

Abstract

【課題】高いガスバリア性を有する太陽電池モジュール用フロントシートとその製造方法、太陽電池モジュールを提供する。
【解決手段】
太陽電池モジュール用フロントシート10はアクリル樹脂など樹脂製の第1の透明フィルム1に、ポリエステル樹脂製基材2上に有機層3と無機層4を有する第2の透明フィルム5が無機層側で接着層6で積層され、有機層がアクリル樹脂を有し、このアクリル樹脂にヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位を含む樹脂を用いる。特に有機層にアルキレンオキサイド変性ビスフェニルフルオレン構造を有する樹脂を用い、ポリエステル樹脂製基材側を冷却しつつ有機層上に無機層に熱負荷を与えつつ形成すると、ガスバリア性を維持しつつ密着性も向上できる。
【選択図】図1

Description

本発明は、太陽電池モジュール用フロントシート、それを用いた太陽電池モジュール、及び太陽電池モジュール用フロントシートの製造方法に関する。
近年、太陽電池は、炭酸ガス排出量の削減につながる化石燃料代替エネルギー源として注目されており、太陽電池の変換効率や耐久性などの各種性能を向上させる取り組みが盛んに行われている。
太陽電池の普及のためには、太陽電池の耐久性の向上が重要である。太陽電池の耐久性を阻害する問題として、例えば、大気に含まれる水蒸気などのガスが、太陽電池モジュールの内部に侵入して、太陽電池素子を劣化させることが挙げられる。そのため、水蒸気などのガス遮断機能であるガスバリア性が高い封止用基板を、太陽電池モジュールの太陽電池素子の受光面である表面側とその反対面である裏面側に配置することがなされている。
太陽電池モジュール用のフロントシートは、太陽電池モジュールの太陽電池素子の受光面側に用いられる封止用基板である。光に晒されている環境下であっても良好なガスバリア性を維持しなければならないことから、フロントシートにはガラスを用いることが一般的である。
ところが、近年、軽量化や破損防止の観点から、ガラスに替えて樹脂製フィルムをフロントシートに用いることが試みられている。例えば、フロントシートに使用する樹脂製フィルムとして、フッ素樹脂製フィルム、アクリル樹脂製フィルムなどが提案されている(特許文献1、特許文献2)。
もっとも、樹脂製フィルムだけではガスバリア性が一般的に低いので、樹脂製フィルムをフロントシートに用いる場合は、樹脂製フィルムの上にガスバリア性を示す無機化合物を有する無機層を形成して、ガスバリア性を向上させることがなされている(特許文献1、特許文献2)。
特開平4−239634号公報 特開2000−174298号公報
太陽電池モジュール用フロントシートでガスバリア性を示す無機化合物を有する無機層を用いる場合は、複数の樹脂製フィルムを用いて、それらの樹脂製フィルムの間に無機層を形成して、無機化合物の脱落を防ぐことが望ましい。
また、ポリエステル樹脂製フィルムは一般的に、熱や光によって収縮し難いフィルムである。そのため、ポリエステル樹脂製フィルムの上に無機層を形成することで、製造時あるいは使用時の熱や光による樹脂製フィルムの収縮により無機層にひび割れが発生しガスバリア性が低下することを防ぐことができる。ところが、ポリエステル樹脂製フィルムの上に無機層を直接形成した場合は、ポリエステル樹脂製フィルムの表面に存在する微細な突起などに起因して、無機層に微小な穴空き等の欠陥が生じ易く、良質な無機層を安定して得ることができず、高いガスバリア性が実現できないという問題がある。また、ポリエステル樹脂製フィルムは、無機化合物との密着性が悪いという問題がある。そこで、ポリエステル樹脂と無機化合物との密着性が良い有機化合物を有する有機層をポリエステル樹脂製フィルムの上に形成して表面を平滑化させた後、その有機層上に無機層を形成させることが考えられる。
しかし、太陽電池素子の受光面側に用いられるフロントシートの有機層で用いるためには、ポリエステル樹脂と無機化合物との密着性に加えて、光に晒されている環境下であっても劣化し難いことが必要である。
すなわち、本発明の課題は、太陽電池モジュール用フロントシートの有機層の最適な材料を見出すことによって、良好なガスバリア性を有する太陽電池モジュール用フロントシートを提供することである。また、該太陽電池モジュール用フロントシートを用いた太陽電池モジュールを提供することである。また、該太陽電池モジュール用フロントシートを容易に製造できる最適な製造方法を提供することである。
そこで、本発明では、次の様な構成の、太陽電池モジュール用フロントシート、太陽電池モジュール、及び太陽電池モジュール用フロントシートの製造方法とした。
第1の発明の太陽電池モジュール用フロントシートは、樹脂製の第1の透明フィルムと、ポリエステル樹脂製基材上に、有機層、及びガスバリア性を示す無機化合物を有する無機層をこの順に有する第2の透明フィルムと、前記第1の透明フィルムのいずれか一方の面側と前記第2の透明フィルムの有機層及び無機層を有する面側に配置され、前記第1の透明フィルムと前記第2の透明フィルムの無機層とを積層させる接着層と、を有する太陽電池モジュール用フロントシートであって、前記有機層が、アクリル樹脂を有し、前記有機層のアクリル樹脂が、ヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位を含む、太陽電池モジュール用フロントシートである。
第2の発明の太陽電池モジュール用フロントシートは、第1の発明において、前記有機層のアクリル樹脂が、下記一般式[1](一般式[1]中、n1,n2は0又は正の整数で、n1+n2は1〜20である。R1,R2は水素原子又はメチル基であり、R3,R4は水素原子、メチル基又はエチル基であり、R5,R6 は水素原子、メチル基又はエチル基である。)で表される構成単位を含む、請求項1記載の太陽電池モジュール用フロントシートである。
Figure 2012142527
第3の発明の太陽電池モジュール用フロントシートは、第2の発明において、上記一般式[1]中、n1+n2が1〜6である、請求項2記載の太陽電池モジュール用フロントシートである。
第4の発明の太陽電池モジュールは、太陽電池モジュール用フロントシート、太陽電池素子、及び太陽電池モジュール用バックシートを備えた太陽電池モジュールにおいて、
前記太陽電池モジュール用フロントシートが、第1の発明〜第3の発明のいずれかの太陽電池モジュール用フロントシートであって、かつ前記太陽電池モジュール用フロントシートが、第2の透明フィルム側の面を前記太陽電池素子に向けて配置されている、太陽電池モジュールである。
第3の発明の太陽電池モジュール用フロントシートの製造方法は、樹脂製の第1の透明フィルムを準備する準備工程と、ポリエステル樹脂製基材上に、下記一般式[2](一般式[2]中、n1,n2は0又は正の整数で、n1+n2は1〜6である。R1,R2は水素原子又はメチル基であり、R3,R4は水素原子、メチル基又はエチル基であり、R5,R6 は水素原子、メチル基又はエチル基である。)で表される化合物と重合開始剤とを含む組成物を紫外線で架橋させて有機層を形成する有機層形成工程、及び
Figure 2012142527

ポリエステル樹脂製の基材の両面のうち前記有機層が形成された面とは反対側の面を冷却しながら、前記有機層上にガスバリア性を示す無機化合物を有する無機層をイオンプレーティング法によって形成する無機層形成工程を含む、第2の透明フィルムを作製する作製工程と、前記準備工程で準備した第1の透明フィルムと前記作製工程で作製した第2の透明フィルムとを、前記第1の透明フィルムのいずれか一方の面側に前記第2の透明フィルムの有機層及び無機層を有する面側を向く様にして、前記第1の透明フィルムと前記第2の透明フィルムの無機層との間に接着層を介して積層する積層工程と、を有する、太陽電池モジュール用フロントシートの製造方法である。
本発明の太陽電池モジュール用フロントシートによれば、良好なガスバリア性を得ることができる。
本発明の太陽電池モジュールによれば、良好なガスバリア性を示す太陽電池モジュール用フロントシートを用いることで、耐久性に優れる太陽電池モジュールが得られる。
本発明による太陽電池モジュール用フロントシートの製造方法によれば、良好なガスバリア性を示し、かつ樹脂製フィルム間の密着性が高い太陽電池モジュール用フロントシートを製造することが可能となる。
本発明による太陽電池モジュール用フロントシートの一形態を例示する断面図。 本発明による太陽電池モジュールの一形態を例示する断面図。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
なお、本明細書において、「アクリル樹脂」にはメタクリル樹脂も含まれ、「アクリレート」には「メタクリレート」も含まれる。「フィルム」、「シート」、「板」は、その大まかな厚みにより呼び分ける場合があるが、本明細書では、これらを特に区別しない。
1.太陽電池モジュール用フロントシート
太陽電池モジュール用フロントシートは、太陽電池モジュールの太陽電池素子の受光面側に用いられる封止用基板である。なお、太陽電池モジュール用バックシートは、太陽電池素子の受光面と反対面側に用いられる封止用基板である。
図1は、本発明による太陽電池モジュール用フロントシートの一形態を例示する断面図である。同図に示す太陽電池モジュール用フロントシート10は、第1の透明フィルム1と、第2の透明フィルム5と、接着層6とから構成されている。太陽電池モジュール用フロントシート10を太陽電池モジュールに用いる場合には、太陽電池モジュール用フロントシート10の第1の透明フィルム1側の面を太陽光Lの光入射側に向けて使用することを想定している。
第1の透明フィルム1及び第2の透明フィルム5は透明である。透明とは、第1の透明フィルム1と第2の透明フィルム5が、太陽電池素子が光電変換可能な波長の光を透過することを意味する。太陽電池素子が光電変換できる波長は、太陽電池素子の種類によって異なるが、第1の透明フィルム1及び第2の透明フィルム5は、太陽電池素子の光電変換できる波長の全領域の光を透過することは要せず、一部領域の光を透過すればよい。一般的な太陽電池素子は、可視光領域の波長の光で光電変換可能であるため、第1の透明フィルム1及び第2の透明フィルム5は、少なくとも可視光領域の一部の光を透過することが好ましい。
第1の透明フィルム1は、樹脂製である。第2の透明フィルム5は、ポリエステル樹脂製基材2上に有機層3、無機層4がこの順に形成された構成である。第2の透明フィルム5の無機層4は、ガスバリア性を示す無機化合物を少なくとも有し、第2の透明フィルム5の有機層3は、ヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位を含むアクリル樹脂を少なくとも有する。接着層6は、前記第1の透明フィルムのいずれか一方の面側と前記第2の透明フィルムの有機層及び無機層を有する面側に配置され、第1の透明フィルムと第2の透明フィルムの無機層とを積層させている。
有機層3に、ヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位を含むアクリル樹脂を含むことで、太陽電池モジュール用フロントシートのガスバリア性が良好になる。その理由としては、下記のように推察される。すなわち、アクリル樹脂の構成単位にヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基が存在するので、有機層3に対して水分等の低分子成分の吸着が抑制される。さらに、アクリル樹脂の構成単位にフルオレン基が存在するので、有機層3の耐熱性や耐プラズマ性が向上し、その結果、有機層3上に無機層4を製膜するときの熱やプラズマによって、水分等の低分子成分が有機層内部からガスとして出てきて無機層4の製膜を阻害することがなく、欠陥の少ない無機層4が形成される。その結果、ガスバリア性が良好になる。
次に、各層について更に説明する。
《第1の透明フィルム》
第1の透明フィルム1は、樹脂製の透明なフィルムである。
第1の透明フィルム1に用いる樹脂としては、公知の樹脂を用いることができる。具体的には、アクリル樹脂、フッ素樹脂、ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリイミド樹脂、ビニル樹脂、及びスチロール樹脂などを挙げることができる。このうち、アクリル樹脂及びフッ素樹脂は、熱や光に対する耐性が高く黄変や白化し難いので好ましい。さらに、アクリル樹脂は、透明性に優れているのでより好ましい。
第1の透明フィルム1の厚みは、特に限定されないが、例えば9〜500μmであり、機械的強度、可撓性等の点から、例えば9〜300μm、より好ましくは、12〜200μmである。下限は機械的強度の低下に特に影響し、上限は可撓性に特に影響する。また、第1の透明フィルム1の厚みが厚いと透過率が低下するので、50μm以下とすることがさらに好ましい。
第1の透明フィルム1には、紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。太陽電池モジュール用フロントシート1を太陽電池モジュールに用いる際に、太陽電池モジュール用フロントシート1の第1の透明フィルム1側の面を太陽光Lの光入射側に向けて使用することを想定しているので、第1の透明フィルム1に紫外線吸収剤を含有させることで、第1の透明フィルム1自体と、その下層に存在する接着層と第2の透明フィルムを紫外線から保護することができるからである。
第1の透明フィルム1に含有させる紫外線吸収剤としては、公知の紫外線吸収剤を適宜使用できるが、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチレート系、アクリロニトリル系等の有機系、金属錯塩系、超微粒子酸化チタン、超微粒子酸化亜鉛等の無機系が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、1種単独で又は2種以上併用して使用することができる。上記超微粒子酸化チタンは粒子径0.01〜0.06μmのものが好ましく、超微粒子酸化亜鉛は粒子径0.01〜0.04μmのものが好ましい。紫外線吸収剤は、樹脂内に練り込むことで、第1の透明フィルム1に含有させることができる。
紫外線吸収剤を第1の透明フィルム1に含有させたとき、第1の透明フィルム1の紫外線に対する遮断性は、波長240〜400nmの範囲の各波長の紫外線において、その透過率が5%未満であることが望ましい。上記各波長とは、波長1nm間隔で240nmから400nmの範囲の波長域を測定したときの各波長の意味である。波長240〜400nmの範囲の各波長の紫外線において、第1の透明フィルム1の透過率を5%未満とすることによって、第1の透明フィルム1、接着層6、及び第2の透明フィルム5を紫外線から十分に保護し、黄変や白化を防ぐことができる。
《第2の透明フィルム》
第2の透明フィルム5は、ポリエステル樹脂製基材2に、有機層3、無機層4がこの順に形成された透明なフィルムである。
[ポリエステル樹脂製基材]
ポリエステル樹脂製基材2は、第2の透明フィルム5の基材であり、ポリエステル樹脂からなる。ポリエステル樹脂は熱や光で比較的収縮しにくいので、第2の透明フィルム5の基材にポリエステル樹脂を用いることによって、熱や光によって基材が収縮し、無機層4にひび割れが発生してガスバリア性が低下することを防げる。また、ポリエステル樹脂は耐溶剤性や耐熱性が高いので、ポリエステル樹脂製基材上に有機層3や無機層4を形成する際に溶剤を使用したり熱負荷がかかったりする場合であっても、溶剤や熱によって基材が劣化し、無機層4に微小な穴空き等の欠陥が生じてガスバリア性が低下することも防げる。
上記ポリエステル樹脂としては、ポリエステル樹脂であれば公知のものを適宜用いることができるが、例えば、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、あるいはこれらの共重合体、あるいは、ポリシクロヘキサンジメチレンテレフタレート(PCT)等が挙げられる。これらのポリエステル樹脂の中でも、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート(PEN)、及びこれらの共重合体が、汎用性、耐熱性、機械的強度等の点で好ましい。
ポリエステル樹脂製基材2の厚みは、特に限定はないが、例えば9〜500μmであることが好ましい。機械的強度、可撓性等の点から、例えば9〜300μmがより好ましく、さらに好ましくは、12〜200μmである。下限は機械的強度の低下に特に影響し、上限は可撓性に特に影響する。
ポリエステル樹脂製基材2の表面(有機層3を形成する側の表面、あるいは有機層3を形成しない側の表面、あるいはこれら両表面)には、有機層3などの他の層との密着性を高めるために、必要に応じて、予め表面処理を施すことができる。表面処理としては、例えば、コロナ放電処理、オゾン処理、酸素ガス若しくは窒素ガス等を用いた低温プラズマ処理、グロー放電処理、化学薬品を用いる酸化処理等である。表面処理によって、例えばコロナ処理層、オゾン処理層、プラズマ処理層、酸化処理層等が形成される。
ポリエステル樹脂製基材2の片面のみに有機層3を形成する場合に、該有機層3を形成しない側のポリエステル樹脂製基材2の表面に対して、表面処理を施すことで、該表面に積層される他の層との密着性を高めることができる。該表面に積層される他の層としては、例えば、フロントシート10を太陽電池モジュールに用いるときの封止材の層を挙げることができる。
[有機層]
有機層3は、ヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位を含むアクリル樹脂を有する層である。有機層3がヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位を含むアクリル樹脂を有することで、良好なガスバリア性が得られる。ここで、有機層中のヒドロキシル基の有無は、JIS K 1557−1970に準拠して測定できる。すなわち、試料を無水酢酸を含むピリジン溶液とし、ピリジン還流下で、ヒドロキシル基をアセチル化する。イミダゾールを触媒にして、この反応を促進させ、過剰のアセチル化試薬は水によって加水分解し、生成した酢酸を水酸化ナトリウムの標準液で滴定して計測できる。
有機層3の厚さは、0.1〜20μm以下であることが好ましく、0.5〜10μm以下であることがより好ましい。
上記アクリル樹脂には、好ましくは、下記一般式[1]で表される構成単位を含む樹脂を用いることができる。
Figure 2012142527
一般式[1]中、n1及びn2は互いに同値又は異値の0又は正の整数で、n1+n2は1〜20である。また、R1,R2はそれぞれ互いに独立で水素原子又はメチル基であり、R3,R4はそれぞれ互いに独立で水素原子、メチル基又はエチル基であり、R5,R6 はそれぞれ互いに独立で水素原子、メチル基又はエチル基である。
特に、R1,R2,R3,R4,R5,R6はそれぞれ互いに独立で水素原子又はメチル基であることが好ましく、R1,R2,R3,R4,R5,R6が同一でかつ水素原子又はメチル基であることがより好ましい。
上記のn1+n2を1〜20とした有機層3とすることで、均質な無機層4の形成による良好なガスバリア性に寄与することができる。n1+n2が0であると、有機層3の樹脂の結晶性が高くなり溶解し難く、有機層形成用の樹脂組成物の塗料化が困難になったり塗工適性が低下したりする。一方、n1+n2が21以上であると、有機層中にアルキレンオキサイドの直鎖状の分子鎖が増大し、その分子鎖中に低分子成分を取り込み易くなるおそれがある。
1+n2が大きくなると、有機層3のガラス転移温度Tgが低くなり、有機層3上に無機層4を成膜する際の熱やプラズマの影響によって、有機層3の結晶化が進み、有機層3が白化するおそれがある。白化すると、有機層3の透明性が低下し好ましくない。また、白化すると、有機層3の表面が荒れて、有機層3上に形成する無機層4にクラックが生じやすくなり、ガスバリア性が低下することがある。このような観点から、n1+n2は1〜6が好ましく、有機層3のガラス転移温度Tgを高くすることができる。その結果、良好なガスバリア性と有機層の良好な透明性とが安定して得られる。また、後述する方法で無機層の表面に適当な凹凸を形成することが容易になるので、第1の透明フィルムと第2の透明フィルムとの間の密着性を高くすることができる。
有機層3を、前記一般式[1](一般式[1]中のn1+n2は1〜6)で表される構成単位を有するアクリル樹脂とすることで、有機層を紫外線で架橋させて形成した後に、その有機層上に無機層4を、ポリエステル樹脂製の基材の両面のうち前記有機層が形成された面とは反対側の面を冷却しながら、熱負荷の加わるイオンプレーティングで形成した場合に、無機層表面に凹凸を形成することが可能となる。無機層表面に凹凸が形成されることによって、無機層とその上に形成される接着層との接触面積が増加するため、接着層6を介して無機層面で第2の透明フィルム5と第1の透明フィルム1とが積層された太陽電池モジュール用フロントシート10において、第1の透明フィルムと第2の透明フィルムの間の密着性を向上させることができる。無機層表面に凹凸が形成される理由は、確かではないが、下記のように推察している。すなわち、紫外線で架橋させて形成した有機層には未反応成分が残存している。そして、イオンプレーティングで無機層を形成する際に、有機層に衝突するイオンの熱負荷によってその未反応成分の硬化が促進される。ところが、前記一般式[1](一般式[1]中のn1+n2は1〜6)で表される構成単位を有するアクリル樹脂はTgが高く、かつポリエステル樹脂製の基材の両面のうち前記有機層が形成された面とは反対側の面を冷却しているので、未反応成分の硬化は専ら有機層の表面近傍で起こる。その結果、有機層の表面近傍が歪んで凹凸が発生し、その有機層の凹凸に沿って無機層が形成されるので、無機層表面に凹凸が形成される。
冷却は、有機層が形成された面とは反対側の面の表面温度を少なくとも室温よりも低い温度にすることを要する。室温の一般的な目安は約25℃である。さらに、透明性の低下を来たすことなく十分な凹凸を形成するためには、有機層が形成された面とは反対側の面の表面温度が5℃以下であることが好ましく、0℃以下であることがより好ましく、−10℃以下であることがさらに好ましく、−20℃以下で十分である。有機層が形成された面とは反対側の面の冷却は、例えば、有機層が形成されたポリエステル樹脂製基材を、エチレングリコールや液体窒素などの冷媒を用いて冷却した金属製ロールや金属製ホルダーに、ポリエステル樹脂製基材の有機層が形成された面とは反対側の面と金属製ロールや金属ホルダーの表面が接触するように配置する方法でおこなうことができる。
凹凸は、具体的には、P−V値が200nm以上、かつ、Raが35nm以上であることが、密着性向上効果の点で好ましい。P−V値及びRaは、JIS B0601(2001年版:ISO4287の1997年版)に基づく表面粗さの特性値であり、P−V値は基準長さにおける粗さ曲線の山高さの最大値と谷深さの最大値との和としての最大高さRz(JISの1994年版ではRyと呼ぶ)を意味し、Raは算術平均粗さRaを意味する。P−V値及びRaは、原子間力顕微鏡(AFM)と光干渉式表面形状測定装置で測定できる。
なお、一般式[1]で表される構成単位は、例えば、下記一般式[2]で表される化合物をモノマーとして重合した際に、樹脂中に生成される。
Figure 2012142527
一般式[2]中、n1及びn2は互いに同値又は異値の0又は正の整数で、n1+n2は1〜20である。また、R1,R2はそれぞれ互いに独立で水素原子又はメチル基であり、R3,R4はそれぞれ互いに独立で水素原子、メチル基又はエチル基であり、R5,R6 はそれぞれ互いに独立で水素原子、メチル基又はエチル基である。
特に、R1,R2,R3,R4,R5,R6はそれぞれ互いに独立で水素原子又はメチル基であることが好ましく、R1,R2,R3,R4,R5,R6が同一でかつ水素原子又はメチル基であることがより好ましい。
一般式[2]で表される化合物は、公知の方法で合成することができる。例えば、アルキレンオキサイド鎖の末端にヒドロキシル基を有するアルキレンオキサイド変性ビスフェニルフルオレン系化合物に対して、そのヒドロキシル基を、アクリル酸又はアクリル酸クロリドを用いて、エステル化することによって得られる。
アルキレンオキサイド変性ビスフェニルフルオレン系化合物は、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシエチルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシエチルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシエチルオキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3、3’−ジメチル−4−ヒドロキシエチルオキシフェニル)フルオレン等の化合物である。
アルキレンオキサイド変性ビスフェニルフルオレン系化合物は、ビスフェニルフルオレン系化合物、例えば、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン(これはビスフェノールフルオレンとも呼ばれている)、9,9−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(3−エチル−4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、等の化合物に対して、フェニル基に結合したヒドロキシル基に対して、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド等のアルキレンオキサイドを付加することによって得られる。
また、一般式[2]で表される化合物は、市販品として、例えば、新中村化学工業株式会社製のNKエステルシリーズ、大阪ガスケミカル株式会社製のオグソール(登録商標)EAシリーズとして入手できる。
なお、有機層3のヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位を含むアクリル樹脂には、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、ヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位以外の構成単位を含んでいてもよい。ヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位とそれ以外の構成単位との割合としては、ヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位とそれ以外の構成単位の質量比が、100:0〜50:50程度、好ましくは、100:0〜75:25である。この範囲であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、本発明の所定の目的を達成し、ガスバリア性のよいフロントシートを得ることができると考えられる。
また、有機層3は、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、ヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位を含むアクリル樹脂以外の樹脂を含んでいてもよい。ヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位を含むアクリル樹脂と、それ以外の樹脂との割合としては、ヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位とそれ以外の構成単位の質量比が、100:0〜50:50程度、好ましくは、100:0〜75:25である。この範囲であれば、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、本発明の所定の目的を達成し、ガスバリア性のよいフロントシートを得ることができると考えられる。
有機層3には、本発明の主旨を逸脱しない範囲内で、必要に応じて適宜、各種添加剤を含有させることができる。この様な添加剤としては、例えば、熱安定剤、紫外線吸収剤、ラジカル捕捉剤、酸化防止剤、可塑剤、界面活性剤、帯電防止剤、赤外線吸収剤、光拡散剤、色素(着色染料、着色顔料)、体質顔料、等である。
有機層3には、紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。有機層に紫外線吸収剤を含有させることで、有機層及び基材を紫外線による黄変や白化から保護することができる。有機層3に使用することができる紫外線吸収剤としては、第1の透明フィルム1に使用することができる紫外線吸収剤として上述の紫外線吸収剤を適宜用いることができる。
[無機層]
無機層4は、上記した有機層3上に形成され、ガスバリア性を示す無機化合物を有する一又は二以上の層であり、水蒸気等のガスを遮断するガスバリア機能を担う層である。
ガスバリア性を示す無機化合物としては、公知のものを適宜使用することができ、例えば、無機酸化物、無機酸化窒化物、無機窒化物、無機酸化炭化物、無機酸化炭化窒化物等の無機化合物を1種又は2種以上用いることができる。例えば、珪素、アルミニウム、マグネシウム、チタン、スズ、インジウム、ジルコニウム、イットリウム、セリウム、亜鉛、鉛等の金属元素を1種又は2種以上含有する無機化合物が挙げられる。珪素酸化物、アルミニウム酸化物、マグネシウム酸化物、チタン酸化物、スズ酸化物、珪素亜鉛合金酸化物、インジウム合金酸化物、酸化珪素亜鉛等の無機酸化物、珪素窒化物、アルミニウム窒化物、チタン窒化物等の無機窒化物、酸化窒化珪素等の無機酸化窒化物、などが好ましく、なかでも、珪素酸化物、珪素窒化物、酸化窒化珪素、酸化珪素亜鉛が、特に好ましい。
無機層4の厚さは、ガスバリア性、透明性、膜強度等を考慮して適宜決めれば良く、例えば、5〜1000nm、好ましくは5〜500nm、より好ましくは10nm〜200nm、更に好ましくは50〜100nm程度である。
《接着層》
接着層6は、前記第1の透明フィルムのいずれか一方の面側と前記第2の透明フィルムの有機層及び無機層を有する面側に配置され、第1の透明フィルムと第2の透明フィルムの無機層とを積層させる層である。そして、第1の透明フィルム1は、接着剤等による接着層6を介し、第2の透明フィルム5の無機層側に積層され、無機層側が貼り合わせ面となることで、第2の透明フィルム5を構成する無機層4及び有機層3等の各層が、第1の透明フィルム1に保護される。その結果、太陽電池モジュール用フロントシート10のハンドリング、太陽電池素子側の封止材の影響等で、無機層4が破壊されることがなくガスバリア性を維持できることになる。
接着層6には、第1の透明フィルムと第2の透明フィルムの無機層との両方に接着する接着剤であれば、公知の接着剤を使用することができる。接着層6に用いる接着剤としては、例えば、アクリル樹脂、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ポリオレフィン樹脂、フェノール樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合体、ポリビニルアセタール樹脂、あるいはこれらの共重合体や混合物などが挙げられる。
接着層6は、後述するように、第1の透明フィルム1や第2の透明フィルム5の接着面に接着剤を塗布形成後、これらフィルムを貼り合わせることで形成できる。接着層6の厚みは、接着面である無機層4の表面凹凸を埋め尽くせる厚み、従って表面凹凸以上であることが望ましく、そのため下限は1μm以上であることが望ましい。よって、接着層6の厚みは、例えば1〜5μm程度とすると良い。
接着層6には、紫外線吸収剤を含有させることが好ましい。接着層中に紫外線吸収剤を含有させることで、接着層、有機層及びポリエステル樹脂製基材を紫外線による黄変や白化から保護することができる。接着層6に含有させる紫外線吸収剤としては、公知の紫外線吸収剤を適宜使用できるが、例えば、ベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系、サリチレート系、アクリロニトリル系等の有機系、金属錯塩系、超微粒子酸化チタン、超微粒子酸化亜鉛等の無機系が挙げられる。これらの紫外線吸収剤は、1種単独で又は2種以上併用して使用することができる。上記超微粒子酸化チタンは粒子径0.01〜0.06μmのものが好ましく、超微粒子酸化亜鉛は粒子径0.01〜0.04μmのものが好ましい。紫外線吸収剤は、接着剤と混合するか、接着剤に官能基として導入することで、接着層6に含有させることができる。
紫外線吸収剤を接着層6に含有させたとき、接着層6の紫外線に対する遮断性は、波長240〜400nmの範囲の各波長の紫外線において、その透過率が5%未満であることが望ましい。上記各波長とは、波長1nm間隔で240nmから400nmの範囲の波長域を測定したときの各波長の意味である。波長240〜400nmの範囲の各波長の紫外線において、第接着層6の透過率を5%未満とすることによって、接着層6及び第2の透明フィルム5を紫外線から十分に保護し、黄変や白化を防ぐことができる。
《その他の構成層》
太陽電池モジュール用フロントシート10は、第1の透明フィルム1、第2の透明フィル5、及び接着層6以外のフィルム又は層を有していても良い。
また、第1の透明フィルム1、又は第2の透明フィルム5は、第1の透明フィルム1又は第2の透明フィルム5を構成する上述のフィルム又は層以外のフィルム又は層を有していてもよい。例えば、第1の透明フィルム1の光入射側の面には、反射防止層、ハードコート層、防曇層、防汚層、保護層等の機能層が形成されていても良い。また、第1の透明フィルム1又は第2の透明フィルム5は、帯電防止層、平滑化層、応力緩和層、易接着層を有していてもよい。
《ガスバリア性能、透明性》
以上のような構成とすることで、本発明による太陽電池モジュール用フロントシート10は、例えば、水蒸気に対するガスバリア性を0.05g/m2 ・day以下とすることも可能となる。水蒸気に対するガスバリア性、つまり、水蒸気透過率は、例えば、市販の水蒸気透過率測定装置(米国MOCON社製、PERMATRANなど)を用いて測定することができる。
また、本発明による太陽電池モジュール用フロントシート10は、第1の透明フィルム1及び第2の透明フィルム5を採用しているので、透明性に優れる。さらに、この第1の透明フィルム1又は/及び接着層6に紫外線吸収剤を含有させておくことで、第1の透明フィルム1も含めて、接着層6、無機層4、有機層3、第2の透明フィルム5、封止材等の変質による黄変や白濁による光透過率の低下を抑制できる。その結果、光透過率の低下に起因する太陽電池モジュールの発電効率の低下を防ぐことができる。
2.太陽電池モジュール
本発明による太陽電池モジュールは、図2の断面図で例示する太陽電池モジュール20のように、太陽電池素子21と、該太陽電池素子21の前面側である光入射面側に配置される上記した太陽電池モジュール用フロントシート10と、該太陽電池素子21の後面側に配置される太陽電池モジュール用バックシート22とを備える太陽電池モジュールである。このとき、太陽電池モジュール用フロントシート10は、第1の透明フィルム1側を光入射面として、第2の透明フィルム5を太陽電池素子21側に向けて配置される。さらに、太陽電池素子21は、前面側の太陽電池モジュール用フロントシート10と後面側の太陽電池モジュール用バックシート22と、これらを接着する封止材23とによって、密閉された構成となっている。
本発明による太陽電池モジュール20において、太陽電池モジュール用フロントシート10以外の構成要素は、特に制限はなく、用途に応じた公知のものを適宜採用することができる。同図で明示的に図示された構成要素では、太陽電池素子21、太陽電池モジュール用バックシート22、封止材23等である。太陽電池素子21には、結晶、微結晶、及びアモルファスのシリコン型太陽電池素子、化合物半導体型太陽電池素子、有機半導体型太陽電池素子、並びに色素増感型太陽電池素子などを用いることができる。太陽電池モジュール用バックシート22には、例えば、フッ素系フィルム、蒸着ポリエチレンテレフタレートフィルムなどを用いることができる。封止材23には、例えば、エチレン−酢酸ビニル共重合体(EVA)フィルム、アイオノマー樹脂フィルムなどを用いることができる。また、同図で明示的に図示しない構成要素(例えば、リード線、電極端子、端子ボックスなど)についても、特に制限はなく、用途に応じた公知のものを適宜採用することができる。
太陽電池モジュール20のフロントシートとして、上記した、樹脂製の第1の透明フィルムと、ポリエステル樹脂製基材上に、有機層、及びガスバリア性を示す無機化合物を有する無機層をこの順に有する第2の透明フィルムと、前記第1の透明フィルムと前記第2の透明フィルムの無機層との間に配置され、前記第1の透明フィルムと前記第2の透明フィルムの無機層とを積層させる接着層と、を有する太陽電池モジュール用フロントシートであって、前記有機層が、アクリル樹脂を有し、前記有機層のアクリル樹脂が、ヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位を含む、太陽電池モジュール用フロントシートを採用することで、フロントシートのガスバリア性が良好であるため、太陽電池モジュールの経時的な性能低下を抑制でき太陽電池モジュールの、耐久性が向上する。
3.太陽電池モジュール用フロントシートの製造方法
本発明の太陽電池モジュール用フロントシートは、製造方法を特に限定されるものではないが、例えば、第1の透明フィルムを準備する準備工程、第2の透明フィルムを作製する作製工程、及び積層工程を経て製造することができる。
《第1の透明フィルムを準備する準備工程》
第1の透明フィルムを準備する準備工程は、樹脂製の第1の透明フィルムを準備する工程であり、第1の透明フィルムを公知の方法で適宜作製して準備しても、市販品を譲り受けて準備してもよい。樹脂製の第1の透明フィルムを作製する場合の公知の方法としては、例えば、溶融させたモノマー又はポリマーを溶融押し出しで製膜する方法を挙げることができる。製膜後、必要に応じて公知の延伸法により1軸延伸又は2軸延伸してもよい。
《第2の透明フィルムを作製する作製工程》
第2の透明フィルムを作製する作製工程は、ポリエステル樹脂製基材上に、ヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位を含むアクリル樹脂を有する有機層、及びガスバリア性を示す無機化合物を有する無機層をこの順に有する第2の透明フィルムを作製する工程である。
[有機層形成工程]
有機層形成工程は、上述のポリエステル樹脂製基材2上に、例えば、公知の塗工法や印刷法でヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位を含むアクリル樹脂を層形成させる方法を用いることができる。あるいは、公知の塗工法や印刷法でヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位を含むアクリレートを層形成させた後に、紫外線重合法、電子線重合法、又は熱重合法などの公知の方法で重合させる方法を用いることができる。
特に、ポリエステル樹脂製基材上に、ヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位を含むアクリレートと公知の重合開始剤とを含む組成物を公知の塗工法や印刷法で層形成させた後に紫外線で架橋させて有機層を形成する方法は、設備的に低コストできるため、好ましく用いることができる。
公知の塗工法や印刷法としては、例えば、ロールコート、グラビアロールコート、キスロールコート、リバースロールコート、グラビアコート、ダイコート、又はスピンコートなどを挙げることができる。
[無機層形成工程]
無機層4の形成は、緻密で均一な膜を形成できる方法であれば良く、例えば、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などの物理的気相成長法(PVD)、あるいは、プラズマCVD法、熱CVD法などの化学気相成長法(CVD)などの気相成長法が好ましい。なかでも、イオンプレーティング法は、原料をプラズマガンで発生させたプラズマビームでイオン化させ、有機層に堆積させる方法であり、高い成膜速度を得られるために好ましい。
《積層工程》
積層工程では、上述の準備工程で準備した第1の透明フィルムと上述の作製工程で作製した第2の透明フィルムとを、前記第1の透明フィルムのいずれか一方の面側に前記第2の透明フィルムの有機層及び無機層を有する面側を向く様にして、第1の透明フィルムと第2の透明フィルムの無機層との間に接着層を介して積層する積層工程である。
接着層を第1の透明フィルムと第2の透明フィルムの無機層との間に形成する方法としては、例えば、第1の透明フィルム又は/及び第2の透明フィルムの無機層に接着剤を公知の塗工法や印刷法を用いて層形成した後、第1の透明フィルムと第2の透明フィルムを貼り合せればよい。
《その他の工程》
本発明による太陽電池モジュール用フロントシートの製造方法では、上述の準備工程、作製工程、及び積層工程以外の工程を含んでいてもよい。そのような工程として、例えば、第1の透明フィルム1に反射防止層を形成する工程、第2の透明フィルムの作製工程内にてポリエステル樹脂製基材面に易接着処理を施す工程、などを挙げることができる。
以下、実施例、及び比較例により本発明を更に詳述する。
[性能評価方法]
各性能は次の方法で評価した。
(水蒸気透過率)
水蒸気に対するガスバリア性の評価として、温度40℃相対湿度90%RHの条件にて、下記耐光試験前後の水蒸気透過率を、米国MOCON社製の水蒸気透過率測定装置(PERMATRAN)を使用して測定した。評価は、0.05g/m2・day(40℃90%RH)以下を可(○)、0.05g/m2・day(40℃90%RH)を超過を不可(×)とした。
(耐光試験)
耐光試験は、試料を、紫外線劣化促進試験機(岩崎電気株式会社製のアイスーパーUVテスターSUV−W23)を用いて、紫外線照射強度100mW/cm2、槽内環境:60℃50%RH、照射時間:168時間の条件にて、紫外線を照射することによっておこなった。
(無機層の表面凹凸)
無機層の表面凹凸の評価として、原子間力顕微鏡AFM(セイコーインスツル株式会社製のNanopics(登録商標)1000)と光干渉式表面形状測定装置(東レエンジニアリング株式会社製のSP500)を用いて、P−V値及びRaを測定した。
(密着性)
密着性評価として、引張試験機(株式会社エー・アンド・デー製のテンシロン万能材料試験機)を使用して、幅15mmの試料の第1の透明フィルム1と第2の透明フィルム5を90度方向に速度5mm/sで剥離したときの引張張力を測定した。評価は、5N/15mm以上が可(○)、5N/15mm超過が不可(×)とした。
[実施例1]
第1の透明フィルムとして、紫外線吸収剤を含有した厚さ33μmのアクリル樹脂製フィルム(株式会社カネカ製、商品名:サンデュレン(登録商標))を準備した。このフィルムの紫外光領域である240〜400nmの範囲の各波長の透過率は5%未満である。
次に、ポリエステル樹脂製基材として、厚さ100μmの2軸延伸ポリエチレンテレフタレートフィルム(東洋紡績株式会社製、コスモシャイン(登録商標)A−4300)を準備し、このポリエチレンテレフタレートフィルムの片面に、下記の組成に調整した紫外線硬化型の組成物(1)をスピンコートにより塗工し、120℃で2分間乾燥させた後、波長260〜400nmの範囲における積算光量300mJ/cm2の条件で紫外線を照射し、厚さ1μmの有機層を形成した。
(紫外線硬化型の組成物(1)の組成)
上記一般式[2](R1〜R6は水素原子、n1=n2=1、n1+n2=2)の化合物(新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステル A−BPEF):38質量部、トルエン:60質量部、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−[1−(メチルビニル)フェニル]プロパノン](重合開始剤、米国lamberti社製、商品名:ESACURE ONE):2質量部。
上記の有機層が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルムを、有機層側に成膜する向きで、有機層が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルムの有機層が形成された面とは反対側の面は−10℃で冷却されている冷却ローラに接触させて、ホローカソード型イオンプレーティング装置に装着した。そして、酸化珪素亜鉛の蒸着源材料(酸化ケイ素の粉末と酸化亜鉛の粉末を酸化ケイ素:酸化亜鉛の重量比が10:6となるように混合した後にプレス成型して固めたもの)を、イオンプレーティング装置の坩堝に投入した後、真空引きをおこなった。真空度が5×10-4Paまで到達した後、プラズマガンにアルゴンガスを15sccm導入し、電流110A、電圧90Vのプラズマを発電させた。チャンバー内を1×10-1Paに維持し磁力によりプラズマを所定方向に曲げ、蒸着源材料に照射させた。るつぼ内の蒸着源は溶融状態を経て昇華することが確認された。有機層が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルムの有機層が形成された面とは反対側の面を冷却ローラに接触させながら、イオンプレーティングを7.5秒おこなって有機層上に堆積させることにより、膜厚50nmの膜厚で酸化珪素亜鉛層を無機層として形成し、第2の透明フィルムを作製した。
第2の透明フィルムの無機層上に接着剤としてウレタン樹脂(ロックペイント株式会社製、商品名:アドロック(登録商標)ADHESIVE)をワイヤーバーで塗布して接着層を形成した後、その接着層と第1の透明フィルムを向かい合わせて貼り合せ、加圧した。
上記により、実施例1の太陽電池モジュール用フロントシートを作製した。
[実施例2]
下記の組成に調整した紫外線硬化型の組成物(2)を用いて有機層を形成した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例2の太陽電池モジュール用フロントシートを作製した。
(紫外線硬化型の組成物(2)の組成)
前記一般式[2](R1〜R6は水素原子、n1=n2=1、n1+n2=2)の化合物(新中村化学工業株式会社製、商品名:NKエステル A−BPEF):34.2質量部、ポリエステルアクリレート(東亞合成株式会社製、商品名:M−8030):3.8重量部、トルエン:60質量部、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−[1−(メチルビニル)フェニル]プロパノン](重合開始剤、米国lamberti社製、商品名:ESACURE ONE):2質量部。
[実施例3]
第1の透明フィルムとして、厚さ25μmのフッ素樹脂フィルム(テトラフルオロエチレンとエチレンの共重合体(ETFE)、旭硝子株式会社製、商品名:アフレックス(登録商標))を使用し、接着剤として、紫外線吸収機能を示す官能基を有するアクリル樹脂(株式会社日本触媒製、商品名:UV−G101)を用いた以外は、実施例1と同様の方法で、実施例3の太陽電池モジュール用フロントシートを作製した。この接着層の紫外光領域である240〜400nmの範囲の各波長の透過率は5%未満である。
[実施例4]
有機層が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルムの有機層が形成された面とは反対側の面を0℃で冷却されている冷却ローラに接触させながら、有機層上に酸化珪素亜鉛層を形成した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例4の太陽電池モジュール用フロントシートを作製した。
[実施例5]
有機層が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルムの有機層が形成された面とは反対側の面を20℃で冷却されている冷却ローラに接触させながら、有機層上に酸化珪素亜鉛層を形成した以外は、実施例1と同様の方法で、実施例5の太陽電池モジュール用フロントシートを作製した。
[比較例1]
有機層を形成しなかったこと以外は、実施例1と同様の方法で、比較例1の太陽電池モジュール用フロントシートを作製した。
[比較例2]
有機層を下記一般式[3](R1〜R6は水素原子、n1=n2=1、n1+N2=2)で表される構成単位を有するアクリル樹脂とするために、下記の組成に調整した紫外線硬化型の組成物(3)を用いて有機層を形成した以外は、実施例1と同様の方法で、比較例2の太陽電池モジュール用フロントシートを作製した。なお、紫外線硬化型の組成物(3)で用いている下記一般式[4](R1〜R6は水素原子、n1=n2=1、n1+N2=2)の化合物は、その構造内に、ヒドロキシル基を有するオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在するものであるので、下記一般式[4](R1〜R6は水素原子、n1=n2=1、n1+n2=2)の化合物を用いて形成された有機層は、下記一般式[3]のヒドロキシル基を有するオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位を含むアクリル樹脂を有するものである。
Figure 2012142527
(紫外線硬化型の組成物(3)の組成)
下記一般式[4](R1〜R6は水素原子、n1=n2=1、n1+N2=2)の化合物:34.2質量部、ポリエステルアクリレート(東亞合成株式会社製、商品名:M−8030):3.8重量部、トルエン:60質量部、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−[1−(メチルビニル)フェニル]プロパノン](重合開始剤、米国lamberti社製、商品名:ESACURE ONE):2質量部。
Figure 2012142527
なお、上記した一般式[4]の化合物は以下のように合成した。先ず、500mL四つ口フラスコ中にビスフェノールフルオレン型エポキシ化合物231g(エポキシ当量231)と、トリエチルベンジルアンモニウムクロライド450mgと、2,6−ジ−イソブチルフェノール100mgと、アクリル酸72.0gとを仕込んで混合し、空気を毎分25mLの速度で吹き込みながら90〜100℃で加熱して溶解させた。この溶液は白濁していたがそのまま徐々に昇温し、120℃に加熱して完全に溶解させた。溶液は次第に透明粘稠になったがそのまま攪拌し続け、この間に酸価を測定して酸価が2.0mgKOH/g未満になるまでこの加熱攪拌を継続した。酸価が目標(酸価0.8)に達した8時間を経過後、室温まで冷却し、無色透明な固体である、一般式[4]の化合物を得た。
[比較例3]
下記の組成に調整した紫外線硬化型の組成物(4)を用いて有機層を形成した以外は、実施例1と同様の方法で、比較例3の太陽電池モジュール用フロントシートを作製した。なお、紫外線硬化型の組成物(4)で用いているポリエステルアクリレートは、その構造内にオキシアルキレン基及びフルオレン基が存在しないものである。
(紫外線硬化型の組成物(4)の組成)
ポリエステルアクリレート(東亞合成株式会社製、商品名:M−8030):38重量部、トルエン:60質量部、オリゴ[2−ヒドロキシ−2−メチル−[1−(メチルビニル)フェニル]プロパノン](重合開始剤、米国lamberti社製、商品名:ESACURE ONE):2質量部。
[評価結果]
評価結果を表1に示す。
Figure 2012142527
表1に示すように、実施例1〜5の太陽電池モジュール用フロントシートは、有機層にヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位を含むアクリル樹脂を有するので、耐光試験前後において、水蒸気透過率が0.05g/m2・day(40℃90%RH)以下であり、良好なガスバリア性を示した。一方、比較例1〜3の太陽電池モジュール用フロントシートは、耐光試験前後の水蒸気透過率が0.05g/m2・day(40℃90%RH)超過であり、ガスバリア性が劣るものであった。
また、実施例1の太陽電池モジュール用フロントシートは、スガ試験機株式会社製ヘーズメータで測定した全光線透過率が90%以上であったのに対して、実施例2の太陽電池モジュール用フロントシートは、実施例1と同様に測定した全光線透過率が90%未満であった。そのため、第1の透明フィルムには、アクリル樹脂製フィルムを用いることが好ましいことがわかる。
さらに、実施例5の太陽電池モジュール用フロントシートは、実施例1〜4の太陽電池モジュール用フロントシートに比べて密着性が劣っていた。実施例1〜4の太陽電池モジュール用フロントシートの無機層の凹凸は、P−Vが200nm以上で、Raが35nm以上である。有機層が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルムの有機層が形成された面とは反対側の面を0℃以下で冷却されている冷却ローラに接触させながら、有機層上にガスバリア性を示す無機化合物を有する無機層を形成することで、無機層に適度な凹凸が形成され、密着性が良好になったと推定される。有機層が形成されたポリエチレンテレフタレートフィルムの有機層が形成された面とは反対側の面を0℃以上で冷却されている冷却ローラに接触させながら、有機層上にガスバリア性を示す無機化合物を有する無機層を形成することは、ガスバリア性と密着性の両方が良好な太陽電池モジュール用フロントシートを得ることができるので、より好ましい製造方法であることがわかる。
1 第1の透明フィルム
2 ポリエステル樹脂製基材
3 有機層
4 無機層
5 第2の透明フィルム
6 接着層
10 太陽電池モジュール用フロントシート
20 太陽電池モジュール
21 太陽電池素子
22 太陽電池モジュールバックシート
23 封止材
L 光

Claims (5)

  1. 樹脂製の第1の透明フィルムと、
    ポリエステル樹脂製基材上に、有機層、及びガスバリア性を示す無機化合物を有する無機層をこの順に有する第2の透明フィルムと、
    前記第1の透明フィルムのいずれか一方の面側と前記第2の透明フィルムの有機層及び無機層を有する面側に配置され、前記第1の透明フィルムと前記第2の透明フィルムの無機層とを積層させる接着層と、
    を有する太陽電池モジュール用フロントシートであって、
    前記有機層が、アクリル樹脂を有し、
    前記有機層のアクリル樹脂が、ヒドロキシル基を有さないオキシアルキレン基、及びフルオレン基が存在する構成単位を含む、
    太陽電池モジュール用フロントシート。
  2. 前記有機層のアクリル樹脂が、下記一般式[1](一般式[1]中、n1,n2は0又は正の整数で、n1+n2は1〜20である。R1,R2は水素原子又はメチル基であり、R3,R4は水素原子、メチル基又はエチル基であり、R5,R6 は水素原子、メチル基又はエチル基である。)で表される構成単位を含む、請求項1記載の太陽電池モジュール用フロントシート。
    Figure 2012142527
  3. 上記一般式[1]中、n1+n2が1〜6である、請求項2記載の太陽電池モジュール用フロントシート。
  4. 太陽電池モジュール用フロントシート、太陽電池素子、及び太陽電池モジュール用バックシートを備えた太陽電池モジュールにおいて、
    前記太陽電池モジュール用フロントシートが、請求項1〜3のいずれかに記載の太陽電池モジュール用フロントシートであって、かつ前記太陽電池モジュール用フロントシートが、第2の透明フィルム側の面を前記太陽電池素子に向けて配置されている、太陽電池モジュール。
  5. 樹脂製の第1の透明フィルムを準備する準備工程と、
    ポリエステル樹脂製基材上に、下記一般式[2](一般式[2]中、n1,n2は0又は正の整数で、n1+n2は1〜6である。R1,R2は水素原子又はメチル基であり、R3,R4は水素原子、メチル基又はエチル基であり、R5,R6 は水素原子、メチル基又はエチル基である。)で表される化合物と重合開始剤とを含む組成物を紫外線で架橋させて有機層を形成する有機層形成工程、及び
    Figure 2012142527
    ポリエステル樹脂製の基材の両面のうち前記有機層が形成された面とは反対側の面を冷却しながら、前記有機層上にガスバリア性を示す無機化合物を有する無機層をイオンプレーティング法によって形成する無機層形成工程を含む、
    第2の透明フィルムを作製する作製工程と、
    前記準備工程で準備した第1の透明フィルムと前記作製工程で作製した第2の透明フィルムとを、前記第1の透明フィルムのいずれか一方の面側に前記第2の透明フィルムの有機層及び無機層を有する面側を向く様にして、前記第1の透明フィルムと前記第2の透明フィルムの無機層との間に接着層を介して積層する積層工程と、
    を有する、太陽電池モジュール用フロントシートの製造方法。
JP2011001287A 2011-01-06 2011-01-06 太陽電池モジュール用フロントシート、それを用いた太陽電池モジュール、及び太陽電池モジュール用フロントシートの製造方法 Expired - Fee Related JP5673936B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011001287A JP5673936B2 (ja) 2011-01-06 2011-01-06 太陽電池モジュール用フロントシート、それを用いた太陽電池モジュール、及び太陽電池モジュール用フロントシートの製造方法

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011001287A JP5673936B2 (ja) 2011-01-06 2011-01-06 太陽電池モジュール用フロントシート、それを用いた太陽電池モジュール、及び太陽電池モジュール用フロントシートの製造方法

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012142527A true JP2012142527A (ja) 2012-07-26
JP5673936B2 JP5673936B2 (ja) 2015-02-18

Family

ID=46678478

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011001287A Expired - Fee Related JP5673936B2 (ja) 2011-01-06 2011-01-06 太陽電池モジュール用フロントシート、それを用いた太陽電池モジュール、及び太陽電池モジュール用フロントシートの製造方法

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5673936B2 (ja)

Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06318728A (ja) * 1993-05-07 1994-11-15 Canon Inc 太陽電池モジュール
JP2000174298A (ja) * 1998-12-07 2000-06-23 Bridgestone Corp 太陽電池用カバー材、封止膜及び太陽電池
JP2004244606A (ja) * 2002-12-16 2004-09-02 Sumitomo Bakelite Co Ltd 透明バリアフィルム
JP2005096108A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Dainippon Printing Co Ltd 反射防止ガスバリア性基板
JP2008242190A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Toppan Printing Co Ltd カラーフィルタ基板およびその製造方法

Patent Citations (5)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JPH06318728A (ja) * 1993-05-07 1994-11-15 Canon Inc 太陽電池モジュール
JP2000174298A (ja) * 1998-12-07 2000-06-23 Bridgestone Corp 太陽電池用カバー材、封止膜及び太陽電池
JP2004244606A (ja) * 2002-12-16 2004-09-02 Sumitomo Bakelite Co Ltd 透明バリアフィルム
JP2005096108A (ja) * 2003-09-22 2005-04-14 Dainippon Printing Co Ltd 反射防止ガスバリア性基板
JP2008242190A (ja) * 2007-03-28 2008-10-09 Toppan Printing Co Ltd カラーフィルタ基板およびその製造方法

Also Published As

Publication number Publication date
JP5673936B2 (ja) 2015-02-18

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5365140B2 (ja) 太陽電池バックシート
EP1898470B1 (en) Use of a back sheet for photovoltaic modules and resulting photovoltaic module
JPWO2007122936A1 (ja) 太陽電池モジュール用裏面保護シート
EP2800148B1 (en) Protective sheet
EP2698399A1 (en) Resin composition, multilayer film and photovoltaic module including same
TW201029206A (en) Light recycling sheet, solar battery module, and light source module
US10665738B2 (en) Gas barrier film, solar cell, and manufacturing method of gas barrier film
US20110073169A1 (en) Gas barrier composite, back sheet for solar cell module and solar cell module
JP2008085294A (ja) 太陽電池モジュール用バックシート及びこれを用いた太陽電池モジュール
JP2007173449A (ja) 太陽電池モジュール用表面保護シート
JP2006257144A (ja) 太陽電池モジュール用表面保護シート
JP2001119051A (ja) 太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−トおよびそれを使用した太陽電池モジュ−ル
JP5136937B2 (ja) 太陽電池モジュール用裏面保護シート用フィルム、それを用いた太陽電池モジュール
JP5156172B2 (ja) 太陽電池モジュール用バックシート及びこれを用いた太陽電池モジュール
JP5623952B2 (ja) 太陽電池用ポリマーシート及びその製造方法、太陽電池用バックシート、並びに太陽電池モジュール
JP2011032451A (ja) 複合粘着テープ及びそれを用いた太陽電池モジュール
JP2008270685A (ja) 太陽電池用裏面保護シート
JP2009147063A (ja) 太陽電池モジュール用裏面保護シート
US20140360581A1 (en) Protective material for solar cells
JP5673936B2 (ja) 太陽電池モジュール用フロントシート、それを用いた太陽電池モジュール、及び太陽電池モジュール用フロントシートの製造方法
WO2014156518A1 (ja) 太陽電池モジュールの製造方法
JP2011201097A (ja) ガスバリア性フィルム、ガスバリア層、装置及びガスバリア性フィルムの製造方法
JP6398265B2 (ja) 太陽電池モジュール裏面保護シート
JP2001119045A (ja) 太陽電池モジュ−ル用裏面保護シ−トおよびそれを使用した太陽電池モジュ−ル
JP5474171B1 (ja) 太陽電池用保護材

Legal Events

Date Code Title Description
RD01 Notification of change of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7421

Effective date: 20130823

A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20131118

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20140314

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20140909

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20141029

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20141203

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20141216

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5673936

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

LAPS Cancellation because of no payment of annual fees