JP2012132889A - 磁気検出装置および電流検出装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 バイアス磁界方向による磁気抵抗素子の出力極性と磁気平衡動作の磁界を発生する二次電流線の電流極性を連続的に切り替えることで、磁気抵抗素子の製造上のバラツキにより発生するオフセット電圧と磁気検出出力電圧の分離が可能となり、オフセット電圧およびオフセット電圧の温度変化に影響されない高精度な磁気検出装置および電流検出装置が実現できる。
【選択図】図3
Description
(例えば、特許文献1参照)
また、製造上発生した磁気抵抗素子の抵抗バラツキによるオフセット電圧は磁気抵抗素子で構成されるブリッジ回路またはハーフブリッジ回路の抵抗バランスを外部接続される抵抗等で個別に調整しなければならず、製品となる磁気検出装置および電流検出装置等を構成する上でコストアップや生産性が劣るなどの問題点があった。
図1は、この発明の実施の形態1による磁気検出装置1を示すもので、図2は磁気検出装置1を構成する磁電変換部3を示し、薄膜微細パターン等で形成されたものである。
磁気検出装置1は図2の磁気抵抗素子3aで構成されるブリッジ回路またはハーフブリッジ回路の磁電変換素子3bと、その磁気平衡のために磁界を発生させるための二次電流線3cとで構成される磁電変換部3と、極性反転しうる少なくとも一つ以上の電磁石4と、磁気抵抗素子3aで構成されるブリッジ回路またはハーフブリッジ回路の磁電変換素子3bの検出信号を増幅する機能並びに、電磁石4の極性と二次電流線3cの電流極性をそれぞれ切り替える機能とを有した回路部5を基板6の同一平面上に設置したものである。
図1に示すように、磁気検出装置1は、検出磁界方向3a1で最大感度となる図2に示すような磁気抵抗素子3aで構成されたブリッジ回路またはハーフブリッジ回路の磁電変換素子3bおよび磁電変換素子3bと絶縁物を挟んで密接し、磁気平衡磁界を発生するための二次電流線3cからなる磁電変換部3と、前記磁電変換素子3bの検出磁界方向3a1と90°方向のバイアス磁界4aが発生するように配置された極性反転しうる少なくとも一つ以上電磁石4と、前記磁電変換素子3bの検出信号を増幅する増幅器ならびに電磁石4の極性と二次電流線3cの電流極性それぞれを連続的、かつ交互に反転するスイッチ機能を有した回路部5が基板6の同一平面上に実装された構成となっている。
また、磁電変換部3は薄膜微細パターン等で形成されることにより、磁電変換素子3bを構成する磁気抵抗素子3aと前記二次電流線3cの距離を狭くすることができる。これにより磁電変換素子3bの磁気平衡に必要な磁界を得るための二次電流線3cの電流が小さくても必要磁界が得られ、集磁を目的とした磁性部品や発生磁界増加のための二次電流線3cの複数巻化などが無くとも、十分な磁気平衡動作が可能となり、部品の削減による装置の小型化、低コスト化を図ることができる。
磁気抵抗素子3aで構成されたブリッジ回路またはハーフブリッジ回路の中間点3b1及び3b2の電位差は、製造上発生する磁気抵抗素子3aの抵抗値および温度係数のバラツキによりオフセット電圧およびオフセット電圧の温度変化が発生する。
磁界検出方向3a4または3a5の方向に感磁極性を有した磁電変換素子3bは、二次電流線3cの電流極性3c1もしくは3c2によって磁気平衡関係が成立している。
例えば図3の磁電変換素子3bが電磁石4により発生するバイアス磁界方向4a1のバイアス磁界を受けて磁界検出方向3a4の極性を有したとき、二次電流線3cは電流方向3c1とする。次に第1の切り替えスイッチ8によって電磁石4の極性は、電圧源11を逆接続することでバイアス磁界方向4a2に切り替わり、そのバイアス磁界を受けて磁電変換素子3bは磁界検出方向3a5となる。また、それに略一致するタイミングで第2の切り替えスイッチ9を切り替え、二次電流線3cは電流方向3c2とする。このとき増幅器7の入出力接続は変えない状態とすると、増幅器7より出力される測定磁界に比例した電流は、電流−電圧変換器10によって電圧変換され、その出力電圧は電磁石4の極性切り替えによって切り替えられたバイアス磁界の影響を受けない。すなわち、第1の切り替えスイッチ8によってバイアス磁界方向4a1からバイアス磁界方向4a2に切り替えられ、磁界検出方向3a4は3a5に反転するが、第2の切り替えスイッチ9によって二次電流線3cの電流方向3c1も3c2に反転し元に戻ることで、出力端子12の出力電圧に影響はしない。
しかし、磁電変換素子3bおよび増幅器7で発生するオフセット電圧は、第1の切り替えスイッチ8によるバイアス磁界方向4a1または4a2への切り替えの影響は受けず、第2の切り替えスイッチ9による二次電流線の電流方向3c1または3c2への切り替えのみ行われるため、極性が反転して出力される。この動作を連続的、かつ交互に行うことで出力端子12にはオフセット電圧が正負交互に現れ、出力端子12の出力電圧実効値はオフセット電圧が低減された値となる。
また、オフセット電圧の温度変化に対しても同様の低減効果があり、装置出力の高精度化が可能となる。
図4は、この発明の実施の形態2による電流検出装置2を示すもので、図2で示した磁気抵抗素子3aで構成されるブリッジ回路またはハーフブリッジ回路の磁電変換素子3bとその磁気平衡のために磁界を発生させるための二次電流線3cとで構成される磁電変換部3と、極性反転しうる少なくとも一つ以上の電磁石4と、磁電変換素子3bの検出信号を増幅する機能と電磁石4の極性と二次電流線3cの電流極性それぞれの極性を連続的、かつ交互に反転するスイッチ機能を有した回路部5が基板6の同一平面上に設置されている。
また、基板6の反対面上にはU字形成された一次導体13が設置されたものであり、さらには磁気抵抗素子3aと二次電流線3cは、図2のような薄膜微細パターン等で形成されたものである。
図4に示す電流検出装置2の磁電変換部3は図2に示す通り、磁気抵抗素子3aのブリッジ回路またはハーフブリッジ回路の磁電変換素子3bからなり、一方向からの外部磁界の影響を低減するため、対向方向の磁界検出方向3a2、3a3で検出感度が最大となるように構成され、磁電変換素子3bと絶縁物を挟んで密接し、磁気平衡磁界を発生するための二次電流線3cで構成され、前記磁気抵抗素子3aの磁界検出方向3a2、3a3と90°方向にバイアス磁界4a、4bが印加されるように配置された極性反転しうる少なくとも一つ以上の電磁石4と、磁電変換素子3bの検出信号を増幅する図3に示す増幅器7と、電磁石4の極性と二次電流線3cの電流極性を連続的、かつ交互に反転するスイッチ機能を有した回路部5が基板6の同一平面上に実装され、さらに基板6の反対面上には、磁電変換部3が位置する部分にU字形成された一次導体13を設置したものとなっている。
また、基板6には図5に示す磁電変換部3および回路部5の設置面とU字形成された一次導体13の設置面との間に導電性を有する電界シールド層14を設置している。
対向方向の磁界検出方向3a2、3a3で検出感度が最大となるように構成された磁電変換部3は、U字に形成された一次導体13から発生する対抗方向の検出電流磁界13a1、13a2によって効率よく検出磁界が得られるが、外部からの一方向の磁界15に対しては、検出感度は差動動作となることで低減される。
また、対向方向の磁界検出感度が最大となる磁電変換部3においても、製造上発生するバラツキによるオフセット電圧およびオフセット電圧の温度変化は、図3により実施の形態1の動作について説明した動作によって低減される。
さらにU字に形成された一次導体13から発生する電界ノイズは、基板6に設置された導電性を有する電界シールド層14により低減される。
尚、電界シールド層14の設置の形態としては多層基板の少なくとも1層に設置されグランド接続されたもので、これらの効果を合わせ持つことでさらに装置出力を高精度化できる。
2 電流検出装置
3 磁電変換部
3a 磁気抵抗素子
3b 磁電変換素子
3a1、3a2、3a3、3a4、3a5 磁界検出方向
3b1、3b2 ブリッジ回路の中間点
3c 二次電流線
3c1、3c2 電流極性
4 電磁石
4a バイアス磁界
4a1、4a2 バイアス磁界方向
5 回路部
6 基板
7 増幅器
8 第1の切り替えスイッチ
9 第2の切り替えスイッチ
10 電流−電圧変換器
11 電圧源
12 出力端子
13 一次導体
13a1、13a2 検出電流磁界
14 電界シールド層
15 外部からの一方向磁界
Claims (3)
- 薄膜微細パターンにより形成された磁気抵抗素子で構成されるブリッジ回路またはハーフブリッジ回路の磁電変換素子と、磁電変換素子に対する磁気平衡のために磁界を発生させる二次電流線と、極性を反転しうるバイアス磁界発生のための少なくとも一つ以上の電磁石と、前記磁電変換素子の検出信号を増幅する機能と、電磁石の極性と二次電流線の電流極性をそれぞれ切り替える機能を有した回路部とを備えていることを特徴とする磁気検出装置および電流検出装置
- 薄膜微細パターンにより形成された磁気抵抗素子で構成されるブリッジ回路またはハーフブリッジ回路の磁電変換素子と、磁電変換素子に対する磁気平衡のために磁界を発生させる二次電流線と、極性を反転しうるバイアス磁界発生のための少なくとも一つ以上の電磁石と、前記磁電変換素子の検出信号を増幅する機能と、電磁石の極性と二次電流線の電流極性をそれぞれ切り替える機能を有した回路部とが同一平面上の基板に設置され、その反対面にU字形成された一次導体が設置されていることを特徴とする電流検出装置
- 前記基板は、少なくとも1層の電界シールド層を設けた多層基板であることを特徴とする請求項2に記載の電流検出装置
Priority Applications (1)
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JP2010294824A JP2012132889A (ja) | 2010-12-21 | 2010-12-21 | 磁気検出装置および電流検出装置 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2019109114A (ja) * | 2017-12-18 | 2019-07-04 | 日立金属株式会社 | 電流センサ |
WO2024034168A1 (ja) * | 2022-08-12 | 2024-02-15 | アルプスアルパイン株式会社 | 磁気センサ |
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JPH06235759A (ja) * | 1992-12-31 | 1994-08-23 | Honeywell Inc | 磁化切換え形閉ループ磁力計 |
JP2010101871A (ja) * | 2008-10-23 | 2010-05-06 | Kohshin Electric Corp | 電流センサ |
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2010
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