JP2012127295A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】NSR触媒とSCRとを備える内燃機関において、NOの生成反応を抑制しつつ、高いNOx浄化率を実現することのできる内燃機関の排気浄化装置を提供する。
【解決手段】リーン運転が可能な内燃機関10の排気浄化装置であって、内燃機関10の排気通路12に配置されたNOx吸蔵還元触媒(NSR触媒)16と、NSR触媒16の下流に配置されたNOx選択還元触媒(SCR)18と、リーン運転中の所定のタイミングでリッチスパイクを実行するリッチスパイク手段と、を備え、リッチスパイク手段は、リッチスパイクにおける排気空燃比を第1のリッチ空燃比(A/F=12)から所定のリーン期間を挟んで第2のリッチ空燃比(A/F=13)へ切り替える2段階のリッチスパイクを実行する。
【選択図】図7

Description

この発明は、内燃機関の排気浄化装置に係り、特に、NOx吸蔵還元触媒とNOx選択還元触媒とを備える内燃機関の排気浄化装置に関する。
従来、例えば日本特開2008−303759号公報に開示されるように、三元触媒、NOx吸蔵還元触媒(以下、「NSR触媒」と称する)、およびNOx選択還元触媒(以下、「SCR」と称する)が、内燃機関の排気通路の上流側からこの順序で配置されたシステムが知られている。NSR触媒は、内燃機関から排出される燃焼ガスに含まれる窒素酸化物(NOx)を触媒内部に吸蔵する吸蔵機能と、NOxおよび炭化水素(HC)等を浄化処理する触媒機能と、を備えた触媒である。内燃機関がリーン空燃比で運転(リーン運転)されると、NOxを多量に含む排気ガスが排出される。NSR触媒は、このNOxをその内部に吸蔵保持して、該NOxが触媒下流へ放出される事態を抑制する。
リーン運転中は、時間の経過に伴ってNSR触媒内のNOx吸蔵保持量が増加する。そこで、上記従来のシステムでは、該NSR触媒内のNOx吸蔵保持量が所定の吸蔵容量に近づいた地点で、内燃機関の排気空燃比を一時的にリッチにするリッチスパイク制御が実行される。これにより、該NSR触媒内に吸蔵保持されていたNOxが浄化される。
また、リッチスパイク制御が実行されると、三元触媒およびNSR触媒ではアンモニア(NH)が生成される。SCRはアンモニア(NH)を吸着する機能を有しており、三元触媒およびNSR触媒で生成されたNHをその内部に吸蔵する。吸蔵されたNHは、該SCRに流入するNOxを選択的に還元する際に使用される。このように、上記従来のシステムでは、NSR触媒とSCRとの組み合わせによって、内燃機関から排出されるNOxを浄化することとしている。
特開2008−303759号公報 特開2004−211676号公報
ところで、リーン運転中にリッチスパイクが実行されると、NSR触媒およびSCRではNOxの浄化反応に加えて亜酸化窒素(NO)の生成反応が起こる。NOは二酸化炭素の約300倍の温室効果ガスであるといわれており、特に触媒床温が低い低活性環境下において生成されやすい傾向にある。このため、内燃機関の低負荷時等に上述したリッチスパイクが実行されると、これらの触媒においてNOが多量に生成されてしまうおそれがあった。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、NSR触媒とSCRとを備える内燃機関において、NOの生成反応を抑制しつつ、高いNOx浄化率を実現することのできる内燃機関の排気浄化装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、リーン運転が可能な内燃機関の排気浄化装置であって、
前記内燃機関の排気通路に配置されたNOx吸蔵還元触媒(以下、NSR触媒)と、
前記NSR触媒の下流に配置されたNOx選択還元触媒(以下、SCR)と、
リーン運転中の所定のタイミングでリッチスパイクを実行するリッチスパイク手段と、を備え、
前記リッチスパイク手段は、前記リッチスパイク中の排気空燃比を第1のリッチ空燃比から所定のリーン期間を挟んで第2のリッチ空燃比へと切り替える2段階のリッチスパイクを実行することを特徴としている。
第2の発明は、第1の発明において、
前記第2のリッチ空燃比は、前記第1の空燃比よりもリーンなスライトリッチ空燃比であることを特徴としている。
第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記NSR触媒は、OSC材をその内部に含み、
前記所定のリーン期間は、前記NSR触媒の内部の排気ガスがリッチからリーンへ置換されるまでの期間であることを特徴としている。
第4の発明は、第1乃至第3の何れか1つの発明において、
前記NSR触媒および/または前記SCRの床温を取得する床温取得手段と、
前記床温が所定の基準値よりも高い場合に、前記リッチスパイク手段における2段階のリッチスパイクの実行を制限する制限手段と、
をさらに備えることを特徴としている。
リッチスパイクが実行されると、NSR触媒(NOx吸蔵還元触媒)に吸蔵されていたNOxが脱離・浄化されるとともに、該NSR触媒においてNHが生成される。生成されたNHは、排気通路を流通して下流側に配置されたSCR(NOx選択還元触媒)内に吸蔵される。該SCRでは、吸蔵されたNHを用いて、NSR触媒の下流に吹き抜けたNOxを選択的に還元する。
第1の発明によれば、2段階のリッチスパイクにおいて、第1のリッチ空燃比によるリッチスパイクと第2のリッチ空燃比によるリッチスパイクとの間に所定のリーン期間が設けられる。このため、本発明によれば、NSR触媒およびSCRの床温を有効に昇温させることができるので、リッチスパイク時にこれらの触媒でNOが多量に生成される事態を有効に抑制することができる。
第2の発明によれば、第2のリッチ空燃比によるリッチスパイクは第1のリッチ空燃比のそれよりもリーンなスライトリッチ空燃比で実行される。このため、本発明によれば、第1のリッチ空燃比によるリッチスパイクによってNSR触媒におけるNOxの脱離・還元反応を有効に促進するとともに、第2のリッチ空燃比によるリッチスパイクによってNSR触媒でのNHの生成反応を活発化させることができる。
第3の発明によれば、NSR触媒の内部には、酸素の吸放出機能を有するOSC材が含まれている。そして、第1のリッチ空燃比によるリッチスパイクと第2のリッチ空燃比によるリッチスパイクとの間の所定のリーン期間が、NSR触媒の内部の排気ガスがリーンガスに置換されるまでの期間に設定されている。このため、本発明によれば、NSR触媒のOSC材に酸素が吸蔵されることなく第2のリッチ空燃比によるリッチスパイクへ移行することができるので、当該第2のリッチ空燃比によるリッチスパイクの開始直後において、リッチスパイクのリッチ成分が該OSC材での酸素の放出に消費される事態を有効に抑止することができる。
第4の発明によれば、NSR触媒および/またはSCRの床温が所定の基準温度よりも高い場合には、所定のリーン期間が設けられた2段階のリッチスパイクの実行が制限される。このため、本発明によれば、必要以上に触媒床温が昇温されることによるNOx浄化率の低下を有効に抑止することができる。
本発明の実施の形態の構成を説明するための図である。 リッチスパイク中の空燃比を2段階に変化させた場合の動作を説明するための図である。 リッチスパイクとNSR触媒の床温との関係を示す図である。 リッチスパイクとNSR触媒の床温との関係を示す図である。 リッチスパイク時の実際の空燃比の変化の様子を模式的に示す図である。 SCR床温に対するNOx浄化率を示す図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。
以下、図面に基づいてこの発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。また、以下の実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。
実施の形態1.
[実施の形態1の構成]
図1は、本発明の実施の形態の構成を説明するための図である。図1に示すように、本実施の形態のシステムは、内燃機関10を備えている。内燃機関10は、右バンク101および左バンク102を備えたV型のガソリンエンジンとして構成されている。右バンク101に属する気筒群は、排気通路121に連通している。また、左バンク102に属する気筒群は、排気通路122に連通している。排気通路121および122は、下流で合流した後に排気通路123の一端に連通している。以下、排気通路121、122、および123を特に区別しない場合には、これらを単に「排気通路12」と称することとする。
排気通路121および122には、三元触媒であるスタート触媒(以下、「SC」と称する)141および142がそれぞれ配置されている。また、排気通路123には、NOx吸蔵還元触媒(NSR触媒)16が配置されている。更に、排気通路123におけるNSR触媒16の下流側には、NOx選択還元触媒(SCR)18が配置されている。以下、SC141および142を特に区別しない場合には、これらを単に「SC14」と称することとする。
内燃機関10は、空燃比がリッチである場合に、HCおよびCOを排出し易い。また、空燃比がリーンである場合にNOxを排出しやすい。SC14は、リーン雰囲気では酸素(O)を吸着しながらNOxを還元(Nに浄化)する。他方、リッチ雰囲気では、酸素を放出しながらHCおよびCOを酸化(HO、COに浄化)する。また、リッチ雰囲気下では、排気ガス中に含まれる窒素と水素、或いはHCとNOxが反応することにより、アンモニア(NH)が生成される。
NSR触媒16は、リーン雰囲気下では、排気ガス中に含まれるNOxを吸蔵する。また、NSR触媒16は、リッチ雰囲気下で吸蔵しているNOxを放出する。リッチ雰囲気下で放出されたNOxは、HCやCOにより還元される。この際、SC14の場合と同様に、NSR16においてもNHが生成される。
SCR18は、Fe系ゼオライト触媒として構成され、SC14およびNSR触媒16が、リッチ雰囲気下で生成するNHを吸蔵し、リーン雰囲気下では、NHを還元剤として、排気ガス中のNOxを選択的に還元する機能を有している。SCR18によれば、NSR触媒16の下流に吹き抜けてきたNHおよびNOxが大気中に放出される事態を有効に阻止することができる。
NSR触媒16およびSCR18の下流側近傍には、温度センサ20,22がそれぞれ配設されている。これらの温度センサ20,22によれば、各触媒から排出される排気ガスの温度を検出することができる。
本実施の形態のシステムは、図1に示すとおり、ECU(Electronic Control Unit)30を備えている。ECU30の出力部には、燃料噴射装置(図示せず)等の種々のアクチュエータが接続されている。ECU30の入力部には、上述した温度センサ20,22の他、機関回転数を検出するためのクランク角センサやスロットル開度を検出するためのスロットル開度センサ(何れも図示せず)等の種々のセンサ類が接続されている。ECU30は、入力された各種の情報に基づいて、図1に示すシステムの状態を制御することができる。
[実施の形態1の動作]
先ず、本実施の形態のシステムにおいて実行されるリッチスパイク制御について説明する。ECU30は、通常、内燃機関10をリーン空燃比で運転(リーン運転)させる。リーン運転中は、NOx等の酸化剤がHC、CO等の還元剤よりも多量に排出される。このため、三元触媒を用いて当該排気ガスを浄化しようとしても、還元剤の不足によって全てのNOxを浄化することができない。そこで、本実施の形態1のシステムは、排気通路123にNSR触媒16を備えることとしている。NSR触媒16は、NOxをBa(NO等の硝酸塩として吸蔵する機能を有している。このため、本実施の形態1のシステムによれば、リーン運転中であっても、該NOxが大気中に放出されてしまう事態を効果的に抑制することができる。
但し、NSR触媒16のNOx吸蔵性能は、吸蔵量が増加するにつれて低下してしまう。このため、リーン運転が長時間継続されると、吸蔵されなかったNOxが該触媒下流に吹き抜けてしまう。そこで、本実施の形態1のシステムでは、NSR触媒16に吸蔵されたNOxを定期的に脱離させて処理するリッチスパイク制御が実行される。より具体的には、NSR触媒16に吸蔵されているNOx量が所定吸蔵量(例えば、最大吸蔵量の8割に相当する量)に達したタイミングで、内燃機関10の排気空燃比が一時的にリッチ(例えば、目標A/F=12)に制御される。リッチスパイク実行中の排気ガスには、HC、CO、H等の還元剤が多量に含まれている。このため、これらの還元剤がNSR触媒16内へ導入されると、硝酸塩として吸蔵されていたNOxは、NOまで還元されて塩基から脱離される。脱離したNOxは、NSR触媒16内の触媒上でN等に浄化されて処理される。このように、リーン運転中にリッチスパイクを実行することにより、NSR触媒16に吸蔵されていたNOxを脱離処理することができるので、NOx吸蔵性能を有効に回復させることができる。
尚、リッチスパイク時の目標A/Fは適宜設定可能であるが、NSR触媒16におけるNOx浄化性能向上の観点からはリッチ空燃比であるほど好ましい。但し、背反として燃費が悪化するため、後述するSCR18におけるNOx浄化が期待できる場合には、排気空燃比を出来る限りリーン側に設定することが好ましい。
次に、SCR18の機能について説明する。上述したとおり、リッチスパイクの実行によって、NSR触媒16のNOx吸蔵性能を有効に回復させることができる。しかしながら、リッチスパイクが実行されると、該NSR触媒16から脱離したNOxの一部が浄化されずにそのまま下流に吹き抜けてしまう。また、上述したとおり、リーン運転中にNSR触媒16に吸蔵されずに下流に吹き抜けたNOxも存在する。これらの吹き抜けNOxがそのまま大気中に放出されてしまうとエミッションの悪化を招いてしまう。
そこで、本実施の形態1のシステムは、NSR触媒16の下流側に吹き抜けたNOxを処理するためのSCR18を備えることとしている。上述したとおり、SCR18は、SC14およびNSR触媒16が、リッチ雰囲気下で生成するNHをその内部に吸蔵している。このため、SCR18によれば、NSR触媒16の下流に吹き抜けてきたNOxをNHを用いて選択的に還元して浄化することができる。これにより、NOxが大気中に放出されてエミッションが悪化する事態を有効に阻止することができる。
尚、本出願の発明者の見解によれば、SC14およびNSR触媒16(特にNSR触媒16)において生成されるNH量は、リッチスパイク時の排気空燃比がA/F=13近傍となるスライトリッチ空燃比である場合に多量となる。このため、リッチスパイク時の目標A/Fをこのスライトリッチ空燃比に制御することで、SCR18のNOx浄化性能を有効に高めることができる。
[本実施の形態1の特徴的動作]
次に、図2乃至図6を参照して、本実施の形態の特徴的動作について説明する。上述したとおり、NSR触媒16におけるNOx浄化性能を高める観点からは、リッチスパイク時の目標A/Fをリッチ空燃比(例えばA/F=12)に制御することが好ましい。しかしながら、その一方で、SC14およびNSR触媒16において生成されるNH量を増やしてSCR18におけるNOx浄化を促進する観点からは、リッチスパイク時の目標A/Fをスライトリッチ空燃比(例えばA/F=13)に制御することが好ましい。
これら2観点の両立を図るための手法として、リッチスパイク中の排気空燃比を段階的に変化させることが考えられる。図2は、リッチスパイク中の空燃比を2段階に変化させた場合の動作を説明するための図である。この図に示す例では、リッチスパイクの前段(1段目)の目標A/Fを所定のリッチ空燃比(A/F=12)に設定し、後段(2段目)の目標A/Fを所定のスライトリッチ空燃比(A/F=13)に設定することとしている。これにより、NSR触媒16とSCR18との組み合わせによって高いNOx浄化率を発揮することができる。
しかしながら、上述した2段階のリッチスパイク制御には、触媒の昇温性に劣るという課題がある。図3は、リッチスパイクとNSR触媒の床温との関係を示す図である。この図に示すとおり、リーン運転中(例えばA/F=25)に上述した2段階のリッチスパイクが実施された場合、NSR触媒16の床温は次第に上昇するものの、その上昇幅は比較的小さなもの(Δ30℃前後)となっている。
ここで、NSR触媒16およびSCR18では、NOxの浄化反応に加えて亜酸化窒素(NO)の生成反応が起こる。NOは二酸化炭素の約300倍の温室効果ガスであるといわれており、極力排出を抑制することが好ましい。このNO生成反応は、特に触媒床温が低い低活性環境下において起こり易い傾向にある。このため、上述した2段階のリッチスパイク制御を実施することとすると、リッチスパイクのタイミングでNOが多量に生成されてしまうおそれがある。
そこで、本実施の形態1のシステムでは、1段目のリッチスパイクの終了後2段目のリッチスパイクが開始される前に、排気空燃比を一時的にリーン空燃比に制御するリーン期間を設けることとする。図4は、リッチスパイクとNSR触媒の床温との関係を示す図である。この図に示すとおり、リーン運転中(例えばA/F=25)に上述したリーン期間を挟んだ2段階のリッチスパイクが実施された場合、NSR触媒16の床温は大きく上昇している(Δ50℃前後)。したがって、このようなリッチスパイクを実行することにより、NOの発生を激減させることが可能となる。
尚、三元機能を有するSC14やNSR触媒16には、ロバスト性を高めることを目的として、セリア等のOSC材が担体の一成分として用いられている。このOSC材は酸素吸放出能を有し、リーン雰囲気で酸素を吸収しリッチ雰囲気で酸素を放出する。このため、リッチスパイクの実行初期に排出される還元剤の一部は、OSC材での酸素放出反応に使用されてしまう傾向にある。
図5は、リッチスパイク時の実際の空燃比の変化の様子を模式的に示す図である。この図中の(A)に示すとおり、上述したリッチスパイクの間のリーン期間が長すぎると、NSR触媒16内部のOSC材に再び酸素が吸蔵されてしまうため、2段目のリッチスパイクの実行初期においても還元剤の一部が消費されてしまい、NOxを還元浄化する目的上好ましくない。
そこで、本実施の形態1のリッチスパイク制御では、図中の(B)に示すように、1段目リッチスパイクと2段目リッチスパイクとの間のリーン期間を、OSC材に酸素が吸蔵されない程度の期間に設定することが好ましい。より具体的には、リーン期間は、NSR触媒16の内部がリッチガスからリーンガスへ置換されるまでの期間に設定されることが好ましい。これにより、2段目のリッチスパイクにおける還元剤がOSC材における酸素放出反応に消費される事態を有効に抑止することができる。
また、触媒床温が比較的高い高負荷運転時等(例えば、NSR触媒16の床温>450℃,SCR18の床温>350℃)においては、上述したリッチスパイク制御を実行しなくても、NOの発生は抑制されていることが想定される。逆に必要以上の触媒の昇温は、NOx浄化率の低下を招いてしまう。図6は、SCR床温に対するNOx浄化率を示す図である。この図に示すとおり、SCR18の床温が350℃を超えた付近からNOx浄化率が徐々に低下する傾向が分かる。
そこで、本実施の形態1のシステムでは、NSR触媒16およびSCR18の床温を推定し、当該床温が所定の温度よりも高い場合には、リーン期間を挟まない通常の2段階リッチスパイク制御を実行することとする。これにより、NOの発生を抑制しつつNSR触媒16およびSCR18におけるNOx浄化率の低下を有効に抑止することができる。
[実施の形態1における具体的処理]
次に、図7を参照して、本実施の形態において実行する処理の具体的内容について説明する。図7は、ECU30が、リッチスパイク制御を実行するルーチンのフローチャートである。尚、図7に示すルーチンは、内燃機関10の運転中に繰り返し実行されるものとする。
図7に示すルーチンでは、先ず、リッチスパイクの実行条件が成立したか否かが判定される(ステップ100)。ここでは、具体的には、リーン運転中であるか否か、およびNSR触媒16中に吸蔵されている現在のNOx吸蔵量が所定吸蔵量を越えているか否かが判定される。その結果、リーン運転中でない場合、またはNOx吸蔵量>所定吸蔵量の成立が認められない場合には、リッチスパイクを実行する必要がないと判断されて、本ルーチンは速やかに終了される。
一方、上記ステップ100において、リーン運転中であり、且つNOx吸蔵量>吸蔵限界量の成立が認められた場合には、リッチスパイクを実行する必要があると判断されて、次のステップに移行し、NSR触媒16およびSCR18の床温Tn,Tsが推定される(ステップ102)。ここでは、具体的には、温度センサ20,22によって検出された各排気ガスの温度が、NSR触媒16,SCR18の床温Tn,Tsとして用いられる。
次に、NSR触媒16およびSCR18の床温Tn,Tsが、それぞれ所定温度Kn,Ksよりも高いか否かが判定される(ステップ104)。所定温度Kn,Ksは、各触媒でのNOの発生が抑制される温度として予め設定された温度(例えば、Kn=450℃,Ks=350℃)が使用される。その結果、Tn>Kn、および/またはTs>Ksの成立が認められない場合には、リッチスパイク時にNOが多量に生成されると判断されて、次のステップに移行し、リーン期間を間に挟んだ2段階のリッチスパイク制御が実行される(ステップ106)。ここでは、具体的には、1段目のリッチスパイクが所定のリッチ空燃比(例えばA/F=12)に、2段目のリッチスパイクが所定のスライトリッチ空燃比(例えばA/F=13)に制御される。また、1段目のリッチスパイクと2段目のリッチスパイクとの間のリーン期間は、NSR触媒16内の排気ガスがリッチガスからリーンガスへ置換されるまでの期間に制御される。
一方、上記ステップ106において、Tn>Kn、および/またはTs>Ksの成立が認められた場合には、触媒床温を更に上昇させなくてもNOが発生しないと判断されて、次のステップに移行し、通常の2段階のリッチスパイク制御が実行される(ステップ108)。ここでは、具体的には、リーン期間を間に挟むことなく1段目のリッチスパイクから2段目のリッチスパイクへと切り替える通常の2段階のリッチスパイクが実行される。
以上説明したとおり、本実施の形態のシステムによれば、触媒床温が所定温度よりも低い場合に、リーン期間を間に挟んだ2段階リッチスパイクが実行される。これにより、触媒床温を上昇させることができるので、リッチスパイク時のNOの発生を有効に抑制することができる。
また、本実施の形態のシステムによれば、触媒床温が所定温度よりも高い場合に、触媒の無駄な昇温動作が行われることはない。このため、触媒床温が必要以上に上昇してNOx浄化率が低下する事態を有効に抑止することができる。
ところで、上述した実施の形態1においては、温度センサ20,22によって検出された排気ガス温度に基づいて、NSR触媒16,SCR18の床温を推定することとしている。しかしながら、触媒床温を推定する方法はこれに限られず、例えば、内燃機関10の負荷状態から推定することとしてもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、NSR触媒16が前記第1の発明における「NSR触媒」に、SCR18が前記第1の発明における「SCR」に、それぞれ相当している。また、上述した実施の形態1においては、ECU30が、上記ステップ106の処理を実行することにより、前記第1の発明における「リッチスパイク手段」が、上記ステップ102の処理を実行することにより、前記第4の発明における「床温取得手段」が、上記ステップ104の処理を実行することにより、前記第4の発明における「制限手段」が、それぞれ実現されている。
10 内燃機関(エンジン)
12 排気通路
14 スタート触媒(SC)
16 NOx吸蔵還元触媒(NSR触媒)
18 NOx選択還元触媒(SCR)
20,22 温度センサ
30 ECU(Electronic Control Unit)

Claims (4)

  1. リーン運転が可能な内燃機関の排気浄化装置であって、
    前記内燃機関の排気通路に配置されたNOx吸蔵還元触媒(以下、NSR触媒)と、
    前記NSR触媒の下流に配置されたNOx選択還元触媒(以下、SCR)と、
    リーン運転中の所定のタイミングでリッチスパイクを実行するリッチスパイク手段と、を備え、
    前記リッチスパイク手段は、前記リッチスパイク中の排気空燃比を第1のリッチ空燃比から所定のリーン期間を挟んで第2のリッチ空燃比へと切り替える2段階のリッチスパイクを実行することを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 前記第2のリッチ空燃比は、前記第1の空燃比よりもリーンなスライトリッチ空燃比であることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 前記NSR触媒は、OSC材をその内部に含み、
    前記所定のリーン期間は、前記NSR触媒の内部の排気ガスがリッチからリーンへ置換されるまでの期間であることを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 前記NSR触媒および/または前記SCRの床温を取得する床温取得手段と、
    前記床温が所定の基準値よりも高い場合に、前記リッチスパイク手段における2段階のリッチスパイクの実行を制限する制限手段と、
    をさらに備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の排気浄化装置。
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