JP2004211676A - 内燃機関の排気浄化装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】NOの流出量が少ない排気浄化装置を提供する。
【解決手段】本発明の排気浄化装置は内燃機関の排気通路上に配置された排気浄化触媒23と、排気浄化触媒からのNO流出量を推定するためのNO流出量推定手段と、NO流出量を減少させるためのNO流出抑制手段とを具備する。そして、NO流出量推定手段によって推定されるNO流出量が所定量以上である場合には、NO流出抑制手段によって排気浄化触媒からのNO流出量を減少させるようにした。
【選択図】 図2

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は内燃機関の排気浄化装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
内燃機関の排気ガス中にはNOが含まれており、このNOを除去するために従来から様々な排気浄化触媒が開発されてきた。このような排気浄化触媒の多くは、内燃機関の排気後流に取付けられ、排気浄化触媒に流入した排気ガス中に含まれるNOを還元することによって、NOを除去している(例えば、特許文献1)。
【0003】
【特許文献1】
特開平6−212961号公報
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、上述したような排気浄化触媒でNOを還元した場合、NやOだけでなくNOが発生してしまうことがある。このNOは、NOと同様に大気中へ放出されることを抑制する必要がある。
【0005】
したがって、本発明の目的はNOの流出量が少ない排気浄化装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、第1の発明では、内燃機関の排気通路上に配置された排気浄化触媒と、該排気浄化触媒からのNO流出量を推定するためのNO流出量推定手段と、上記NO流出量を減少させるためのNO流出抑制手段とを具備し、上記NO流出量推定手段によって推定されるNO流出量が所定量以上である場合には、上記NO流出抑制手段によって排気浄化触媒からのNO流出量を減少させるようにした。
第1の発明によれば、排気浄化触媒から排気下流に流出する排気ガス中のNOの量であるNO流出量が常に所定量以下に抑えられる。特に、上記所定量をほぼ零に設定すれば、本発明の排気浄化装置からは大気中にほとんどNOが放出されない。
【0007】
第2の発明では、第1の発明において、上記NO流出量推定手段は、排気浄化触媒の温度と、排気浄化触媒に流入する排気ガス中の酸素濃度と、排気浄化触媒の劣化度合とのうちの少なくともいずれか一つに基づいて排気浄化触媒からのNO流出量を推定する。
なお、排気浄化触媒の温度が高いときにはNO流出量が少なく且つ触媒温度が低いときにはNO流出量が多くなるものとして、また、排気浄化触媒に流入する排気ガス中の酸素濃度が高いときにはNO流出量が多く且つ酸素濃度が低いときにはNO流出量が少なくなるものとして、さらに、排気浄化触媒の劣化度合が高いときにはNO流出量が多く且つ劣化度合が低いときにはNO流出量が少なくなるものとして、NO流出量が推定される。したがって、触媒温度が高くなった場合、酸素濃度が濃くなった場合、触媒劣化度合が高くなった場合には、NO流出量が所定量を越えてしまうことがあり、このとき流出抑制手段によって排気浄化触媒からのNO流出量を減少させる。
また、排気浄化触媒の劣化度合とは、排気浄化触媒に担持されている白金等の触媒の活性が低下している度合(特に、酸化能力の低下度合)、あるいは排気浄化触媒に保持されている酸素、NO、硫黄成分を離脱させる処理や排気浄化触媒に付着している微粒子を酸化・除去する処理を実行しても回復しない触媒の浄化性能の低下度合を意味する。
【0008】
第3の発明では、第1または第2の発明において、上記NO流出抑制手段は、排気浄化触媒の温度をNO流出量が上記所定量よりも少なくなるような温度以上に上昇させる。
【0009】
第4の発明では、第1の発明において、上記排気浄化触媒は、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中のNOを保持すると共に、流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチのときには保持しているNOを離脱させるNO触媒であり、該NO触媒に流入する排気ガスの空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチにしてNO触媒が保持しているNOを離脱させるNO離脱処理を実行するNO離脱手段をさらに具備する。
第4の発明によれば、NO触媒が流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中のNOを保持するため、このときはNO触媒からのNO流出量はほぼ零である。逆に、NO触媒は流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチのときに保持しているNOを離脱させるため、NO離脱処理を実行した時以外はほとんどリーンである内燃機関等では、NO離脱処理を実行したときにのみNO触媒の温度等の条件によってNO触媒からNOが流出せしめられる。
【0010】
第5の発明では、第4の発明において、上記NO流出量推定手段は、排気浄化触媒の温度と、排気浄化触媒に流入する排気ガス中の酸素濃度と、排気浄化触媒の劣化度合と、NO触媒に保持されているNO量およびNO触媒に保持されている硫黄成分量のうちの少なくともいずれか一つに基づいてNO触媒からのNO流出量を推定する。
なお、NO触媒に保持されているNO量が少ないときにはNO流出量が少なく且つNO量が多いときにはNO流出量が多くなるものとして、また、NO触媒に保持されている硫黄成分量が少ないときにはNO流出量が少なく且つ硫黄成分量が多いときにはNO流出量が多くなるものとして、NO流出量が推定される。したがって、NO触媒に保持されているNO量が多い場合、およびNO触媒に保持されている硫黄成分量が多い場合には、NO流出量が所定量を越えてしまうことがあり、このとき流出抑制手段によって排気浄化触媒からのNO流出量を減少させる。
【0011】
第6の発明では、第4または第5の発明において、上記NO流出量推定手段は、NO離脱処理を実行する前にNO離脱処理を実行した場合のNO触媒からのNO流出量を推定し、上記NO流出抑制手段は、推定されたNO流出量が上記所定量以上であるときには、NO流出量が該所定量よりも少ないと推定されるまでNO離脱処理を禁止する。
第6の発明によれば、NO離脱手段によってNO離脱処理を実行する前にNO離脱処理を実行した場合のNO流出量が推定され、推定されたNO流出量に基づいてNO離脱処理を実行するか否かが決定されるので、NO離脱処理を実行してもNO流出量が所定量を超えることがない。また、第6の発明によれば、推定されたNO流出量が所定量以上であるときには、例えNO離脱処理を実行すればNO触媒からNOを離脱させることができる場合であってもNO流出量が所定量よりも少なくなるまでNO離脱処理が実行されないため、本発明におけるNO離脱処理の実行タイミングは、NOの流出を無視してNO触媒のNO保持量等に応じてNO離脱処理を実行する場合のNO離脱処理の実行タイミングとは異なる。
【0012】
第7の発明では、第6の発明において、上記NO流出抑制手段は、さらに、推定されたNO流出量が上記所定量よりも少なくなるような温度にまでNO触媒を昇温してから上記NO離脱手段によってNO離脱処理を実行する。
【0013】
第8の発明では、第7の発明において、上記NO触媒の昇温は該NO触媒に流入する排気ガス中に還元剤を含有させる還元剤混入手段によって行われ、上記還元剤混入手段はNO離脱処理を実行するまでNO触媒に流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリーンとなるように還元剤を含有させる。
第8の発明によれば、NO離脱処理を実行するまで、すなわち推定されたNO流出量が上記所定量よりも少なくなるような温度にまでNO触媒が昇温されるまで、NO触媒に流入する排気ガスの空燃比はリッチにされず、よってNO触媒に保持されているNOが離脱せしめられることはない。一方で、NO触媒に流入する排気ガスに還元剤が混入されるので、この還元剤がNO触媒上流の排気通路上またはNO触媒等で反応して発熱し、NO触媒が昇温される。このように、第8の発明によれば、NO触媒からNO、NOを離脱させることなく、NO触媒を昇温することができる。
なお、上記第8の発明では、NO触媒に流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリーンとなるように還元剤を含有させるとしているが、排気ガスの空燃比がリーンとなるように還元剤を含有させるのが好ましい。これは、NO触媒に流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比であっても場合によっては多少NOやNOが離脱されることがあることによる。
また、還元剤混入手段は、少なくとも後述する還元剤添加装置と機関排気空燃比低下手段とのいずれか一方または両方を具備する。さらに、還元剤としては、例えば燃料、炭化水素、一酸化炭素、水素等が挙げられるが、排気ガス中の酸素濃度を低下させることができ且つNO触媒から離脱したNOを還元することができれば如何なる還元剤であってもよい。以下、本明細書中の「還元剤」とはこのような還元剤を意味するものとする。
【0014】
第9の発明では、第4〜第8のいずれか一つの発明において、NO離脱手段はNO触媒に流入する排気ガス中に還元剤を含有させる還元剤混入手段であり、上記NO流出抑制手段は、排気ガスに含有させる還元剤としてNO触媒からのNO流出量が上記所定量よりも少なくなるような還元剤を還元剤混入手段に選択させる。
NO触媒からのNO流出量はNO離脱処理において用いられる還元剤の種類に応じて異なり、また、還元剤の種類に応じて利用し易さが異なる(例えば、COはHCに比べて生成しにくい)。第9の発明によれば、各還元剤を用いたときのNO流出量と還元剤の利用し易さ等を考慮して、最適な還元剤が選択される。
【0015】
第10の発明では、第4〜第7のいずれか一つの発明において、上記NO触媒の排気上流側において機関排気通路を通過する排気ガスに還元剤を添加する還元剤添加装置と、内燃機関本体から排出される機関排気ガスの空燃比を所定範囲内に低下させる機関排気空燃比低下手段とをさらに具備し、上記NO流出抑制手段は、上記機関排気空燃比低下手段によって空燃比が低下せしめられた機関排気ガスに上記還元剤添加装置から還元剤を添加することによってNO離脱処理を実行するようにした。
一般に、ディーゼル内燃機関等、通常運転時の機関排気ガスの空燃比(以下、「機関排気空燃比」と称す)がほとんどリーンである内燃機関では、機関排気空燃比をほぼ理論空燃比やリッチにしようとすると、当該内燃機関の運転の安定性(ドライバビリティ)がひどく悪化してしまう。一方、機関排気空燃比を低下させることによってNO触媒に流入する排気ガスの空燃比を低下させると、還元剤添加装置から還元剤を添加する場合に比べて、流入する排気ガスの酸素濃度を低下させることができ、より反応性の良い還元剤とすること、および場合によってはNO触媒を通る排気ガスの体積流量を低下させることができ、NOの発生を抑制することができる。そこで、第10の発明では、NO離脱処理を実行するのに、機関排気空燃比を低下させて、さらに還元剤添加装置から還元剤を添加しており、これによりドライバビリティを悪化させずにNOの発生を抑制することができる。
なお、「機関排気ガス」とは、内燃機関の燃焼室から排出される排気ガスを意味する。また、機関排気空燃比低下手段による機関排気空燃比の低下は、例えば実施形態中に示した低温燃焼制御、ポスト噴射制御、吸気絞り制御等によって行われる。
【0016】
第11の発明では、第10の発明において、機関排気通路から機関吸気通路へ排気ガスを戻す排気再循環通路をさらに具備し、該排気再循環通路には該排気再循環通路を通過する排気ガスを冷却する再循環ガス冷却装置が設けられると共に、該再循環ガス冷却装置をバイパスさせる冷却装置バイパス通路が設けられ、上記機関排気空燃比低下手段は再循環ガス冷却装置を通さずに冷却装置バイパス通路を通して排気ガスを機関吸気通路へ戻しつつ機関排気ガスの空燃比を低下させる。
第11の発明に依れば、機関排気通路へ戻される排気ガス(以下、「再循環ガス」と称す)は再循環ガス冷却装置を通らないので、その温度が高い。このため、吸気ガスに高温の再循環ガスが混入されているので、内燃機関の燃焼室に流入する吸気ガスの温度は高く、燃焼後に内燃機関の燃焼室から排出される排気ガスの温度も高い。したがって、機関排気空燃比低下手段によって機関排気空燃比が低下せしめられるときには、同時に機関排気ガスの温度が高くなっており、よってNO触媒には高温の排気ガスが流入し、NO触媒が早期に昇温される。
【0017】
第12の発明では、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中のNOを保持すると共に、流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチのときには保持しているNOを離脱させるNO触媒が機関排気通路上に設けられ、該NO触媒の排気上流側において機関排気通路を通過する排気ガスに還元剤を添加する還元剤添加装置と、内燃機関本体から排出される機関排気ガスの空燃比を所定範囲内に低下させる機関排気空燃比低下手段とを具備する内燃機関の排気浄化装置において、機関排気空燃比低下手段によって空燃比が低下せしめられた機関排気ガスに還元剤添加装置から還元剤を添加することによってNO触媒に流入する排気ガスの空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチにするようにした。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の排気浄化装置について説明する。図1は本発明の排気浄化装置を備えた筒内噴射型の圧縮自着火式のディーゼル内燃機関を示している。なお、本発明において用いられる排気浄化装置は火花点火式内燃機関にも搭載可能である。
【0019】
図1を参照すると、1は機関本体、2はシリンダブロック、3はシリンダヘッド、4はピストン、5は燃焼室、6は電気制御式燃料噴射弁、7は吸気弁、8は吸気ポート、9は排気弁、10は排気ポートをそれぞれ示す。吸気ポート8は対応する吸気枝管11を介してサージタンク12に連結され、サージタンク12は吸気ダクト13を介して排気ターボチャージャ14のコンプレッサ15に連結される。
【0020】
吸気ダクト13内にはスロットル弁駆動用ステップモータ16により駆動されるスロットル弁17が配置され、さらに吸気ダクト13周りには吸気ダクト13内を流れる吸入空気を冷却するための冷却装置18が配置される。図1に示した内燃機関では冷却装置18内に機関冷却水が導かれ、この機関冷却水により吸入空気が冷却される。一方、排気ポート10は排気マニホルド19および排気管20を介して排気ターボチャージャ14の排気タービン21に連結され、排気タービン21の出口は排気管22を介して排気浄化触媒23を収容するケーシング24に連結される。排気浄化触媒23には排気浄化触媒23の温度を検出するための温度センサ25が取付けられる。
【0021】
排気マニホルド19とサージタンク12とは排気ガス再循環(以下、「EGR」と称す)通路26を介して互いに連結され、EGR通路26内には電気制御式EGR制御弁27が配置される。またEGR通路26周りにはEGR通路26内を流れるEGRガスを冷却するためのEGRガス冷却装置28が配置される。図1に示した内燃機関ではEGRガス冷却装置28内に機関冷却水が導かれ、この機関冷却水によりEGRガスが冷却される。
【0022】
一方、各燃料噴射弁6は燃料供給管6aを介して燃料リザーバ、いわゆるコモンレール29に連結される。このコモンレール29内へは電気制御式の吐出量可変な燃料ポンプ30から燃料が供給され、コモンレール29内に供給された燃料は各燃料供給管6aを介して燃料噴射弁6に供給される。コモンレール29にはコモンレール29内の燃料圧を検出するための燃料圧センサ31が取付けられ、燃料圧センサ31の出力信号に基づいてコモンレール29内の燃料圧が目標燃料圧となるように燃料ポンプ30の吐出量が制御される。
【0023】
電子制御ユニット(ECU)40はデジタルコンピュータからなり、双方向性バス41により互いに接続されたROM(リードオンリメモリ)42、RAM(ランダムアクセスメモリ)43、CPU(マイクロプロセッサ)44、入力ポート45および出力ポート46を具備する。温度センサ25および燃料圧センサ31の出力信号は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。
【0024】
アクセルペダル49にはアクセルペダル49の踏込量に比例した出力電圧を発生する負荷センサ50が接続され、負荷センサ50の出力電圧は対応するAD変換器47を介して入力ポート45に入力される。さらに入力ポート45にはクランクシャフトが例えば30°回転する毎に出力パルスを発生するクランク角センサ51が接続される。一方、出力ポート46は対応する駆動回路48を介して燃料噴射弁6、スロットル弁駆動用ステップモータ16、EGR制御弁27、および燃料ポンプ30に接続される。
【0025】
ところで、上述したような排気浄化触媒は、NOをNおよびOに還元する。さらに、排気浄化触媒の温度等、種々のファクタの値によっては、NOをNOに還元する。したがって、上述したような排気浄化触媒を通過して大気中に放出される排気ガス中にはNおよびOに加えて、NOが含まれることがある。このNOはNOと同様に大気中へ放出されることを抑制する必要がある。すなわち、排気浄化触媒から排気下流に流出するNOの量であるNO流出量を低く抑えることが必要である。ところが、従来では、排気浄化触媒からNOが流出する条件が正確に把握されておらず、よって排気浄化触媒からのNO流出量を低く抑えることができなかった。したがって、従来の排気浄化装置からは、NOを多く含んだ排気ガスが大気中に放出されてしまうことがあった。
【0026】
これに対して本発明の第一実施形態の排気浄化装置は、排気浄化触媒23の排気下流に流出すると予測される排気ガス中のNOの量、または現在排気浄化触媒23の排気下流に流出している排気ガス中のNOの量(以下、単に「NO流出量」と称す)を推定するためのNO流出量推定手段と、排気浄化触媒23の排気下流に流出する排気ガス中のNOの量(以下、同様に「NO流出量」と称す)を減少させるためのNO流出抑制手段とを具備する。そして、このNO流出量推定手段によって推定されるNO流出量が所定流出量以上である場合には、NO流出抑制手段によって排気浄化触媒23からのNO流出量を減少させるようにしている。特に、上述したような場合、NO流出抑制手段を作動させることによって排気浄化触媒23からのNO流出量をほぼ零にするのが好ましい。
【0027】
したがって、本発明の第一実施形態によれば、排気浄化触媒23からのNO流出量が多くなることまたは多いことがNO流出量推定手段によって推定されると、排気浄化触媒23からのNO流出量が少なく抑えられるかあるいはほぼ零にされる。したがって、本発明の排気浄化装置を通過してから大気中に放出される排気ガス中のNOの量は少なく抑えられる。
【0028】
なお、NO流出量に関する上記所定流出量は、内燃機関および排気浄化触媒23の状態を排気浄化触媒23からのNO流出量が少なくなるような状態にした場合における排気浄化触媒23からのNO流出量に等しいか、またはこのようなNO流出量よりも僅かに多い量である。あるいは、上記所定流出量はほぼ零としてもよい。本実施形態の排気浄化装置によれば、排気浄化触媒23からのNO流出量は常に所定流出量以下に維持されるため、このように所定流出量を設定することにより排気浄化触媒23の排気下流にNOがほとんど流出しないようにすることができる。
【0029】
次に、第一実施形態の排気浄化装置における排気浄化触媒23からのNO流出量を少なく抑えるためのNO流出抑制制御について説明する。まず、排気浄化触媒23の排気下流に流出する排気ガス中に含まれるNO流出量Qn2oをNO流出量推定手段によって推定する。この場合、NO流出量推定手段によって推定されるNO流出量Qn2oは推定した時点で排気浄化触媒23から流出しているNOの量であってもよいし、単位時間後に排気浄化触媒23から流出すると推定されるNOの量であってもよい。そして、NO流出量推定手段によって推定されたNO流出量Qn2oが所定流出量Qn2oa以上であると、排気浄化触媒23の排気下流に流出するNOの量を少なく抑えるためのNO流出抑制処理がNO流出抑制手段によって実行される。
【0030】
次に、本発明の第一実施形態の排気浄化装置についてより詳細に説明する。本発明の第一実施形態では、排気浄化触媒上流側の排気通路、燃焼室5および吸気通路に供給された空気と燃料との比率を排気ガスの空燃比と称する(あるいは排気空燃比と称す)と、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中のNOを保持し、流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比(ストイキ)またはリッチのとき、より詳細には流入する排気ガス中の酸素濃度が低いときには保持しているNOを離脱させるNO触媒23が排気浄化触媒として用いられる。また、NO触媒23からNOが離脱せしめられたときに排気ガス中に燃料等の還元剤が存在する場合にはNO触媒23から離脱せしめられたNOが還元せしめられる。
【0031】
このようなNO触媒23では、流入する排気ガス中のNOを無限に保持することができるわけではなく、したがってNO触媒23にNOが一定保持量以上保持された場合には、NO触媒23に流入する排気空燃比(以下、「流入排気空燃比」と称す)をほぼ理論空燃比またはリッチにしてNO触媒23が保持しているNOを離脱させるNO離脱処理を実行するNO離脱手段によって強制的にNO触媒23からNOを離脱させる。特に、本実施形態のように、ディーゼル式内燃機関では機関本体から排出される排気空燃比(以下、「機関排気空燃比」と称す)がリーンであることが多く、よってNO離脱処理を行った場合にのみNO触媒23への流入排気空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチになることが多い。したがって、NO離脱処理を実行していないときにはNO触媒に流入する排気ガス中のNOはほとんどNO触媒に保持されるため、NO触媒からNOが流出することはほとんどない。一方、NO離脱処理を実行しているときにはNO触媒からNOが離脱せしめられ且つそのNOが還元される。したがって、本実施形態の排気浄化装置では、NOが発生してNO触媒23の排気下流に流出するのは基本的にNO離脱処理を行う場合のみである。
【0032】
そこで、本発明の第一実施形態の排気浄化装置では、NO離脱処理を実行すべきときであっても、NO離脱処理を行うとNO触媒23からのNO流出量が所定流出量を超えてしまうとNO流出量推定手段によって推定された場合には、NO離脱処理を実行してもNO触媒23からNOがほとんど流出しないようになるまでNO離脱処理の実行を禁止する。あるいは、上記場合には、NO離脱処理を行う前にNO流出抑制手段を作動させて、NO離脱処理を実行してもNO触媒23からNOがほとんど流出しないようにしてからNO離脱処理を実行する。こうすることによって、NO離脱処理を行っている期間中にNO触媒23からNOが流出してしまうことが防止され、よって全ての期間に亘ってNO触媒23からNOが流出することが防止される。
【0033】
ところで、上述したようなNO触媒では、NO触媒からのNO流出量が例えばNO触媒の温度に依存して変化する。より詳細には、図2に示したようにNO触媒の温度が上昇するとNO触媒からのNO流出量が減少し、NO触媒の温度が低下するとNO触媒からのNO流出量が増加する。
【0034】
そこで、本実施形態の排気浄化装置では、NO流出量推定手段として温度センサ25を用い、NO触媒23の温度Tcatを検出する。一方、図2に示したようにNO離脱処理を実行したときにNO流出量が所定流出量となるようなNO触媒23の温度を所定温度Tとして求める。この場合、温度センサ25によって検出されたNO触媒23の温度が所定温度Tよりも高い場合には、NO流出量が所定流出量Qn2oaよりも少ないことを示しており、一方、検出されたNO触媒23の温度が所定温度T以下である場合には、NO流出量が所定流出量Qn2oa以上であることを示している。したがって、NO離脱処理を実行する前において温度センサ25によって検出されたNO触媒23の温度Tcatが所定温度T以下である場合、NO触媒23の温度が所定温度Tよりも高くなるまでNO離脱処理を実行しない。あるいは上記場合には、NO流出抑制手段がNO流出抑制処理を実行してNO触媒23の温度を少なくとも所定温度Tにまで上昇させてから、好ましくは所定温度Tよりも高い温度Tにまで上昇させてからNO離脱処理を実行する。
【0035】
したがって、本実施形態のNO流出抑制制御では、NO触媒23からNOを離脱させるべき場合、例えばNO触媒23に保持されているNOの量であるNO保持量が上記一定保持量以上になった場合に、まず温度センサ25によってNO触媒23の温度Tcatが検出される。検出されたNO触媒23の温度Tcatが上記所定温度T以上の場合には、NO離脱処理が行われる。一方、検出されたNO触媒23の温度Tcatが所定温度Tよりも低い場合には、NO触媒23を昇温するための昇温制御が実行せしめられてNO触媒23の温度Tcatが少なくとも所定温度T以上にまで上昇せしめられ、その後、NO触媒23に対するNO離脱処理が行われる。
【0036】
なお、上記所定温度Tは予め定められた値であってもよいし、後述するような他のファクタ(例えば、還元剤の種類、NO保持量、硫黄成分保持量、酸素濃度、NO触媒の劣化度合等)に応じて変化する値であってもよい。
また、一般に、NO離脱処理はNO触媒の温度が比較的低温であっても行われる。ところが、通常、上記所定温度TはNO離脱処理を実行可能な温度(すなわちNO触媒への流入排気空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチすればNO触媒に保持されているNOが離脱される温度)のうち最も低い温度よりも高く設定されるので、NO触媒の温度がNO離脱処理を実行可能な温度のうち最も低い温度にまで低下しているときにNO離脱処理を実行すると、NO触媒からNOが多く流出してしまう。したがって、本発明では、NO触媒の温度がNO離脱処理を実行可能な温度範囲内にあっても、その温度がNO触媒の温度Tよりも低い場合にはNO離脱処理が実行されない。
【0037】
また、NO触媒23の昇温処理の方法としては、例えば、内燃機関の燃焼室に燃料を噴射するタイミングを遅らせたり、内燃機関の燃焼室5に機関駆動用の燃料を噴射した後に少量の燃料を噴射したり、NO触媒23上流に電気ヒータやグロープラグ(図示せず)を設け、これら電気ヒータまたはグロープラグを作動させたり、NO触媒23上流において排気ガスに燃料や還元剤を添加するための還元剤添加装置(図11の参照番号32参照)を設け、この還元剤添加装置から排気ガスに燃料や還元剤を添加したりする(以下、「還元剤添加制御」と称す)ことによって、NO触媒23を昇温させる方法が挙げられる。また、燃焼室5内に燃料を点火するための点火栓が設けられている場合には、この点火栓による燃料の点火タイミングを遅らせることによっても、排気ガスの温度を上昇させることができる。
【0038】
また、NO離脱処理を行う方法としては、スロットル弁17の開度を小さく変更すると共に内燃機関の燃焼室5に流入する吸気ガスの空燃比をリッチにする(以下、「吸気絞り制御」と称す)ことだけでなく、内燃機関の燃焼室5に機関駆動用の燃料を噴射した後に少量の燃料を噴射し、その燃料を燃焼させずにそのまま燃焼室5から排出させたり(以下、「ポスト噴射制御」と称す)、上述した還元剤添加装置から排気ガスに燃料や還元剤を添加したりして、NO触媒23に流入する排気ガス中に燃料や還元剤を供給して、排気空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチにすることが挙げられる。
【0039】
次に、図3を参照して本発明の第一実施形態の排気浄化装置におけるNO流出抑制制御の制御ルーチンについて説明する。まず、ステップ121において、NO離脱処理を実行すべきときであるか否かが判定される。NO離脱処理を実行すべきときではないと判定された場合には制御ルーチンが終了せしめられる。一方、ステップ121において、NO離脱処理を実行すべきときであると判定された場合には、ステップ122へと進む。ステップ122では温度センサ25からNO触媒23の温度Tcatが検出される。次いで、ステップ123においてNO触媒23の温度Tcatが所定温度T以下であるか否かが判定される。NO触媒23の温度Tcatが所定温度Tよりも高いと判定された場合には制御ルーチンが終了せしめられる。一方、ステップ123において、NO触媒23の温度Tcatが所定温度T以下であると判定された場合にはステップ124へと進む。ステップ124では、NO触媒23の昇温制御が実行せしめられ、制御ルーチンが終了せしめられる。
【0040】
次に、本発明の第一実施形態の変更例について説明する。第一実施形態の変更例では、NO触媒23の昇温処理およびNO離脱処理を、機関本体1とNO触媒23との間の排気通路に設けた燃料添加装置によって行う。
【0041】
上述したようにNO離脱処理を実行すべきとき、すなわちNO触媒23に保持されているNO保持量が一定保持量以上になったときには、NO触媒23の温度Tcatが所定温度T以上の場合には直ぐにNO離脱処理が実行され、NO触媒23への流入排気空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチとなるように燃料添加装置から排気ガスに燃料が添加される。一方、NO触媒23の温度Tcatが所定温度Tよりも低い場合には、まずNO触媒23の昇温処理が実行されてから、NO離脱処理が実行される。ここで、昇温処理を実行するときにも燃料添加装置から排気ガスに燃料が添加されるが、このときNO触媒23への流入排気空燃比がリーンのままとなるように添加される。
【0042】
この様子を図4に示した。図4はNO触媒23への流入排気空燃比(上)と、NO触媒23の温度(下)とのタイムチャートである。まず、時間aにおいて、例えばNO触媒23に保持されているNO保持量が一定保持量以上になったことが検出されて、NO離脱処理を実行すべきときであることが判定される。このときNO触媒23の温度Tcatは上記所定温度Tよりも低い。このため、NO離脱処理を実行する前に昇温処理が実行される。昇温処理の実行中には、NO触媒23への流入排気空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチとならない程度に低下せしめられ、これに伴ってNO触媒23の温度が上昇する。そして、NO触媒23の温度Tcatが上記所定温度T以上となったときに、NO離脱処理が実行され、NO触媒23への流入排気空燃比がリッチとなるように低下せしめられる。その後、NO触媒に保持されているNOがほぼ完全に離脱されるとNO離脱処理が停止され、すなわち燃料添加装置からの燃料の添加が停止せしめられ、これと同時にNO触媒23の温度も下がって元に戻る。
【0043】
なお、上記第一実施形態の変更例では、NO触媒23の昇温処理およびNO離脱処理を燃料添加装置からの燃料添加によって行うとしているが、上記ポスト噴射制御や吸気絞り制御等により機関排気空燃比を変更する等、NO触媒23に流入する排気ガス中への燃料や還元剤の供給量を変更できる方法であれば他の方法によって上記昇温処理およびNO離脱処理を行ってもよい。
【0044】
次に、本発明の第二実施形態の排気浄化装置について説明する。本発明の第二実施形態における構成は、基本的に第一実施形態における構成と同様である。また、第二実施形態では、NO触媒23への流入排気空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチにしてNO触媒23が保持しているNOを離脱させるNO離脱手段はNO触媒23に流入する排気ガス中に還元剤を含有させる還元剤混入手段であり、この還元剤混入手段により様々な還元剤を排気ガス中に混入させてNO触媒23への流入排気空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチにすることができる。
【0045】
ところで、上述したようなNO触媒23からのNO流出量は、NO離脱処理を行うときにNO触媒23に流入する排気ガス中の還元剤の種類によって異なる。このことを図5に示す。図5は図2と同様に横軸がNO触媒23の温度、縦軸がNO触媒23からのNO流出量を示す。
【0046】
図5から分かるように、還元剤として炭化水素を用いた場合、すなわち還元剤として燃料を用いた場合は、還元剤として一酸化炭素(CO)および水素(H)を用いた場合と比べてNO流出量が基本的に多く、また、還元剤として一酸化炭素を用いた場合は、還元剤として水素を用いた場合と比べてNO流出量が基本的に多い。また、図2を用いて説明したようにどの還元剤を用いてもNO触媒23の温度の低下に伴ってNO流出量が増大し、NO触媒23の温度が低下すればするほど、各還元剤を用いた場合のNO流出量の差が大きくなる。
【0047】
そこで、本発明の第二実施形態の排気浄化装置では、NO流出抑制手段は、排気ガスに含有させる還元剤としてNO触媒23からのNO流出量Qn2oが上記所定流出量Qn2oaよりも少なくなるような還元剤を還元剤混入手段に選択させる。例えば、NO離脱処理を行うのに還元剤混入手段によって排気ガス中に炭化水素が混入される場合、NO触媒23の温度が図5の第一の温度T以下になると、NO触媒23からのNO流出量Qn2oが所定流出量Qn2oaを超えてしまう。これに対して、NO離脱処理を行うのに還元剤混入手段によって排気ガス中に一酸化炭素を混入させる場合、NO触媒23の温度が図5の第一の温度T以下になっても、NO触媒23からのNO流出量Qn2oは所定流出量Qn2oaよりも少なく、さらに、NO触媒23の温度が図5の第二の温度T以下になるまでNO触媒23から流出するNO流出量は所定流出量よりも少ないままである。
【0048】
したがって、第二実施形態の排気浄化装置では、NO離脱処理を行うときに、温度センサ25によって検出されたNO触媒23の温度が第一の温度Tよりも高いときには、還元剤混入手段は還元剤として炭化水素および一酸化炭素のいずれかを排気ガスに混入させ、NO触媒23の温度が第一の温度Tよりも低く第二の温度Tよりも高いときには、還元剤混入手段は還元剤として一酸化炭素を排気ガスに混入させる。さらに、NO離脱処理を行うときに、NO触媒23の温度が第二の温度T以下である場合、NO触媒23の温度が第二の温度T以下であってもNO流出量が所定流出量Qn2oa以下に維持される水素を還元剤として用いてもよい。NO離脱処理を行うときに用いる還元剤をこのようにして選択することによって、NO触媒23から排気下流へ流出するNO流出量が所定値Qn2oa以下に抑えられる。
【0049】
なお、還元剤混入手段がNO触媒23に流入する排気ガス中に還元剤を混入させる方法としては、NO触媒23に流入する排気ガス中に各還元剤を添加するための還元剤添加装置(図示せず)を設けることが挙げられる。さらに、内燃機関に流入する吸気ガスの空燃比を単純にリッチにしたり、内燃機関の燃焼室に機関駆動用の燃料を噴射した後に少量の燃料を噴射したりすることによって排気ガス中に炭化水素を混入させることができる。また、内燃機関の燃焼室にEGRガスを充填して燃焼室内のガスを低温で燃焼させると排気ガス中の一酸化炭素の量が増大するので、このことによって排気ガス中に一酸化炭素を混入させることができる。
【0050】
ここで、還元剤混入手段がNO触媒23に流入する排気ガス中に炭化水素を混入させることは、排気空燃比をリッチにすればよいので、還元剤添加装置を用いなくても容易に実行することができる。また、還元剤混入手段がNO触媒23に流入する排気ガス中に一酸化炭素を混入させることは、還元剤添加装置を用いなくても低温燃焼によって実行することができる。これに対して、還元剤混入手段がNO触媒23に流入する排気ガス中に水素を混入させることは、還元剤添加装置を用いないと実行するのが難しい。そこで、以下では、還元剤混入手段が、還元剤添加装置を用いない場合、すなわち炭化水素および一酸化炭素のみを排気ガス中に混入させることができる場合について説明する。
【0051】
次に、図6を参照して第二実施形態の排気浄化装置におけるNO流出抑制制御の制御ルーチンについて説明する。ステップ141においてNO触媒23に対するNO離脱処理を実行すべきときであるか否かが判定される。NO離脱処理を実行すべきときではないと判定された場合には制御ルーチンが終了せしめられる。NO離脱処理を実行すべきときであると判定された場合にはステップ142へと進む。ステップ142では、温度センサ25によってNO触媒23の温度Tcatが検出される。次いで、ステップ143では、NO触媒23の温度Tcatが第一の温度Tより高いか否かが判定される。温度Tcatが第一の温度Tよりも高いと判定された場合にはステップ144へと進む。ステップ144では、還元剤として炭化水素を用いてNO離脱処理が行われ、制御ルーチンが終了せしめられる。一方、ステップ143において、温度Tcatが第一の温度T以下であると判定された場合にはステップ145へと進む。ステップ145では、温度Tcatが第二の温度Tよりも高いか否かが判定され、温度Tcatが第二の温度Tよりも高いと判定された場合にはステップ146へと進む。ステップ146では、還元剤として一酸化炭素を用いてNO離脱処理が行われ、制御ルーチンが終了せしめられる。一方、ステップ145において、温度Tcatが第二の温度T以下であると判定された場合には、制御ルーチンが終了せしめられる。
【0052】
なお、上述した第二実施形態では、炭化水素、一酸化炭素、水素の三つの還元剤について説明したが、排気ガス中の酸素濃度を低下させることができ且つNO触媒から離脱したNOを還元することができれば一般に還元剤として用いられる如何なる物質を還元剤混入手段によって混入される還元剤として用いてもよい。
【0053】
次に本発明の第三実施形態の排気浄化装置について説明する。本発明の第三実施形態における構成は、基本的に第一実施形態および第二実施形態における構成と同様である。ところで、NO触媒23に対するNO離脱処理を実行したときのNO触媒23からのNO流出量は、NO触媒23に流入する排気ガス中の酸素濃度によって変化し、より詳細には図7に示したようにNO触媒23に流入する排気ガス中の酸素濃度が高くなるとNO流出量が多くなり、逆に、NO触媒23に流入する排気ガス中の酸素濃度が低くなるとNO流出量が少なくなる。
【0054】
ここで、酸素濃度とNO流出量とが上述したような関係になる理由について簡単に説明する。なお、ここではNO触媒23への流入排気空燃比がリッチである場合について説明する。
NO触媒23への流入排気空燃比がリッチであっても、排気ガス中にはNO(例えば一酸化窒素(NO))が含まれる。このNOは以下の反応式(1)により窒素(N)と酸素(O)とに解離する。
NO→N+O (1)
このようにして解離したOは、NO触媒23に保持され、同じく排気ガス中に含まれる還元剤(例えばCO)と反応する(反応式(2))。一方、上述したように解離したNは、互いに反応して窒素分子(N)を形成する(反応式(3))。
O+CO→CO (2)
N+N→N (3)
ところが、上記反応式(1)の反応が遅く、NOの解離が進まない場合には下記の反応式(4)によりNとNOとがNOを形成する。
N+NO→NO (4)
したがって、NOの生成を抑制するためには上記(1)の反応を促進させて、上記(4)の反応を起こさせないようにする必要がある。ここで、上記(1)の反応を促進させるためには、化学的な平衡の関係から排気ガス中の酸素濃度が低いことが要求される。このように、排気ガスの酸素濃度が低いと上記反応式(1)の反応が促進されて、結果的にNOが生成されにくくなり、逆に、排気ガスの酸素濃度が高いと上記(1)の反応が進まず、結果的にNOが生成されやすくなってしまう。
【0055】
そこで、本発明の第三実施形態の排気浄化装置では、上記NO流出量推定手段は、NO触媒23に流入する排気ガス中の酸素濃度に基づいてNO触媒23の排気下流に流出するNO量を推定する。より詳細には、NO流出量推定手段として酸素濃度推定手段が設けられ、この酸素濃度推定手段によって、NO離脱処理を実行する前に、NO離脱処理を実行した場合にNO触媒23に流入すると予想される排気ガス中の酸素濃度Cを推定する。一方、図7に示したようにNO流出量が所定流出量となるような酸素濃度を所定酸素濃度Coaとして算出する。
【0056】
この場合、酸素濃度検出手段によって推定された酸素濃度が所定酸素濃度Coaよりも低い場合には、NO流出量が所定流出量Qn2oaよりも少ないことを示しており、一方、検出された酸素濃度が所定酸素濃度Coa以上である場合には、NO流出量が所定流出量Qn2oa以上であることを示している。したがって、酸素濃度推定手段によって推定された酸素濃度が所定酸素濃度Coa以上であった場合には、NO流出抑制手段によりNO流出抑制処理を実行する。
【0057】
本実施形態の排気浄化装置では、NO流出抑制手段はNO流出量が所定流出量よりも多くなった場合、すなわちNO離脱処理を実行したときにNO触媒23に流入する排気ガス中の酸素濃度が所定酸素濃度以上になっている場合には、NO触媒23に流入する排気ガス中の酸素濃度を低下させるための酸素濃度低下手段によって上記排気ガス中の酸素濃度を低下させるか、あるいはほぼ零に抑える。このように、NO触媒23に流入する排気ガスの酸素濃度を常に所定酸素濃度以下に抑制することによって、NO流出量を所定流出量以下に抑えることができる。
【0058】
なお、所定酸素濃度は予め定められた値であってもよいし、あるいは、所定酸素濃度と所定流出量Qn2oaおよび他のファクタ(NO触媒23の温度、還元剤の種類、NO保持量、硫黄成分保持量、NO触媒の劣化度合等)との関係を予めマップとしてECU40のROM42に保存し、これら所定流出量Qn2oaおよび他のファクタから所定酸素濃度を算出してもよい。
【0059】
また、NO触媒23に流入する排気ガスの酸素濃度を低下させるための酸素濃度低下手段としては、内燃機関の燃焼室5にEGRガスを充填して燃焼室内のガスを低温で燃焼させることが挙げられる。排気空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチとなるように燃料を燃焼室5に供給して上述したように燃焼室5内のガスを低温で燃焼させることによって、燃焼室5内のほとんどの酸素が燃焼に使われ、排気ガス中の酸素が少なく抑えられる。
【0060】
次に、本発明の第四実施形態の排気浄化装置について説明する。本発明の第四実施形態における構成は、基本的に第一〜第三実施形態における構成と同様である。ところで、上述したようなNO触媒23から流出するNO流出量はNO触媒23に保持されているNOの量であるNO保持量に応じて変化し、より詳細には図8に示したようにNO触媒23のNO保持量が多くなるとNO流出量が多くなり、NO触媒23のNO保持量が少なくなるとNO流出量が少なくなる。
【0061】
そこで、本発明の第四実施形態の排気浄化装置では、上記NO流出量推定手段が、NO触媒23のNO保持量に基づいてNO触媒23からのNO流出量Qnoxを推定する。より詳細には、NO流出量推定手段としてNO保持量推定手段が設けられ、このNO保持量推定手段によってNO触媒23のNO保持量を推定し、図8に示したようにNO流出量が上記所定流出量Qn2oaよりも僅かに少ない下位流出量Qn2obとなるようなNO触媒23のNO保持量を所定NO保持量Qnoxaとして検出する。
【0062】
この場合、NO保持量推定手段によって推定されたNO保持量が所定NO保持量Qnoxaよりも少ない場合には、NO流出量が下位流出量Qn2obよりも少ないことを示しており、一方、推定されたNO保持量が所定NO保持量Qnoxa以上である場合には、NO流出量が下位流出量Qn2ob以上であることを示している。したがって、NO保持量推定手段によって推定されたNO保持量Qnoxが所定NO保持量Qnoxa以上になった場合には、NO流出抑制手段によりNO流出抑制処理を実行する。
【0063】
本実施形態の排気浄化装置では、NO流出抑制手段は、NO流出量が下位流出量以上になった場合、すなわちNO触媒23のNO保持量が所定NO保持量以上になった場合にNO離脱処理を行って、NO触媒23に保持されているNOを離脱させる。このように、NO流出量が下位流出量Qn2ob以上である場合にNO離脱処理を実行することにより、NO流出量が上記所定流出量Qn2oaになる前にNO離脱処理が実行され、よってNO流出量を常に上記所定流出量以下に維持することができる。
【0064】
なお、所定NO保持量は予め設定された値であってもよいし、所定NO保持量と所定流出量および他のファクタ(NO触媒23の温度、還元剤の種類、硫黄成分保持量、酸素濃度、NO触媒の劣化度合等)との関係を予めマップとしてECU40のROM42に保存し、これら所定流出量および他のファクタから所定NO保持量を算出してもよい。
【0065】
また、NO触媒を備えた従来の排気浄化装置では、NO触媒のNO保持量が限界NO保持量(一定保持量)以上になると流入する排気ガス中のNOを保持しにくくなってしまうため、NO触媒のNO保持量が限界NO保持量以上になるとNO離脱処理を行ってNO触媒に保持されているNOを離脱させていた。これに対して、本発明の排気浄化装置では、上述した所定NO保持量が限界NO保持量よりも少ないため、NO触媒23のNO保持量が限界NO保持量に到達する前にNO触媒23が保持しているNOを離脱させている。すなわち、本実施形態の排気浄化装置では、NO流出量を監視していない従来の排気浄化触媒とはNO離脱処理の実行タイミングが異なり、NO触媒23のNO保持量の観点から見てNO触媒23のNO浄化能力が低下する前に、NO保持剤が保持しているNOが離脱せしめられる。
【0066】
また、NO触媒23のNO保持量を推定する方法としては、例えば、NO触媒23に流入する排気ガス中のNO量を検出するためのNOセンサ(図示せず)を設け、このNOセンサによって検出されたNO量を時間で積分することが挙げられる。
【0067】
次に本発明の第五実施形態の排気浄化装置について説明する。本発明の第五実施形態における構成は、基本的に第一〜第四実施形態における構成と同様である。ところで、上述したようなNO触媒23は、NO触媒23に流入する排気ガス中のNOだけでなく硫黄成分をも保持し、より詳細にはNO触媒23への流入排気空燃比がリーンである場合には流入する排気ガス中に含まれる硫黄成分を保持し、NO触媒23への流入排気空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチであってNO触媒23の温度が硫黄成分離脱温度以上である場合には保持している硫黄成分を離脱させる。このようなNO触媒23では、NO触媒23から流出するNO流出量はNO触媒23に保持されている硫黄成分の量である硫黄成分保持量に応じて変化し、より詳細には図9に示したようにNO触媒23の硫黄成分保持量が多くなるとNO流出量が多くなり、NO触媒23の硫黄成分保持量が少なくなるとNO流出量が少なくなる。
【0068】
そこで、本発明の第五実施形態の排気浄化装置では、上記NO流出量推定手段が、NO触媒23の硫黄成分保持量に基づいてNO触媒23からのNO流出量を推定する。より詳細には、NO流出量推定手段として硫黄成分保持量推定手段が設けられ、この硫黄成分保持量推定手段によってNO触媒23の硫黄成分保持量Qを推定し、一方、図9に示したように、NO流出量が所定流出量Qn2oaよりも僅かに少ない下位流出量Qn2ocとなるようなNO触媒23の硫黄成分保持量を所定硫黄成分保持量Qsaとして算出する。
【0069】
この場合、硫黄成分保持量推定手段によって推定された硫黄成分保持量Qが所定硫黄成分保持量Qsaよりも少ない場合には、NO流出量が下位流出量Qn2ocよりも少ないことを示しており、一方、推定された硫黄成分保持量が所定硫黄成分保持量以上の場合には、NO流出量が下位流出量Qn2ocよりも多いことを示している。したがって、硫黄成分保持量推定手段によって推定された硫黄成分保持量Qが所定硫黄成分保持量Qsa以上になった場合には、NO流出抑制手段によりNO流出抑制処理を実行する。
【0070】
本実施形態の排気浄化装置では、NO流出抑制手段はNO流出量が下位流出量よりも多くなった場合、すなわちNO触媒23の硫黄成分保持量が所定硫黄成分保持量以上になった場合にNO触媒23の硫黄成分離脱処理を行って、NO触媒23に保持されている硫黄成分を離脱させる。このように、NO流出量が下位流出量Qn2oc以上である場合に硫黄成分離脱処理を実行することにより、NO流出量が上記所定流出量Qn2oaになる前に硫黄成分離脱処理が実行され、よってNO流出量を上記所定流出量以下に抑えることができる。
【0071】
なお、所定硫黄成分保持量は予め定められた値であってもよいし、所定硫黄成分保持量と所定流出量および他のファクタ(NO触媒23の温度、還元剤の種類、NO触媒23のNO保持量、NO触媒の劣化度合等)との関係を予めマップとしてECU40のROM42に保存し、これら所定流出量および他のファクタから所定硫黄成分保持量を算出してもよい。
【0072】
また、NO触媒を備えた従来の排気浄化装置では、NO触媒の硫黄成分保持量が限界硫黄成分保持量以上になると流入する排気ガス中のNOを保持することが可能なNO量が少なくなってしまうため、NO触媒の硫黄成分保持量が限界硫黄成分保持量以上になると硫黄成分離脱処理を行ってNO触媒に保持されている硫黄成分を離脱させていた。これに対して、本発明の排気浄化装置では、上述した所定硫黄成分保持量が限界硫黄成分保持量よりも少ないため、NO触媒23の硫黄成分保持量が限界硫黄成分保持量に到達する前にNO触媒23が保持している硫黄成分を離脱させている。すなわち、本実施形態の排気浄化装置では、NO流出量を監視していない従来の排気浄化触媒とは硫黄成分離脱処理の実行タイミングが異なり、NO触媒23の硫黄成分保持量の観点から見てNO触媒23のNO浄化能力が低下する前に、NO保持剤が保持している硫黄成分が離脱せしめられる。
【0073】
また、NO触媒23に保持されている硫黄成分を離脱させるための硫黄成分離脱処理は、NO触媒23への流入排気空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチにすると共に、上述したような昇温処理によってNO触媒23の温度を硫黄成分離脱温度以上にまで上昇させることによって行われる。
【0074】
次に、本発明の第六実施形態の排気浄化装置について説明する。本発明の第六実施形態における構成は、基本的に第一〜第五実施形態における構成と同様である。ところで、上述したようなNO触媒23は、経時的に、またはその温度が極端に高温になること等により劣化する。ここで、NO触媒23の劣化とは、NO触媒23に担持されている白金等の触媒の活性が低下することであって、NO触媒23に保持されているNO、硫黄成分および微粒子(パティキュレート)等によらないもの、すなわちNO離脱処理、硫黄成分離脱処理および排気浄化触媒としてパティキュレートフィルタが用いられている場合において行われる微粒子を酸化・除去するフィルタ再生処理を行っても回復しない排気浄化触媒の浄化能力の低下意味し、特に、熱による白金等の触媒の酸化能力低下を意味する。
【0075】
NO触媒23では、NO触媒23がまだほとんど使用されておらず、その劣化度合が低いときには、NO離脱処理が行われてもNO流出量は少なく、その後、NO触媒23の使用時間が延びるにつれて、その劣化度合が高くなり、NO離脱処理が行われるとNO流出量が多くなる。これは、NO触媒23の劣化度合が高いと、上述した反応式(2)の反応(O+CO→CO)が進まなくなり、結果的に酸素濃度が高い場合と同様に、反応式(4)の反応(N+NO→NO)が進んでしまうことによる。
【0076】
そこで、本発明の第六実施形態の排気浄化装置では、上記NO流出量推定手段が、NO触媒23の劣化度合に基づいてNO触媒23からのNO流出量を推定する。より詳細には、NO流出量推定手段として排気浄化触媒の劣化度合を推定する劣化度合推定手段を設ける。劣化度合推定手段は、例えば本実施形態では、NO触媒が新品状態で車両に搭載されてからの総運転距離、総運転時間またはNO触媒の温度が所定温度以上の高温になった総時間等に基づいて排気浄化触媒の劣化度合を推定し、特に、これら距離および時間が短い場合にはNO触媒の劣化度合が低いとされ、これら距離および時間が長くなるにつれてNO触媒の劣化度合が高くなるとしてNO触媒の劣化度合を推定する。
【0077】
例えば、劣化度合を総運転時間から推定している場合、総運転時間tdとNO流出量Qn2oとの関係を予め求めてマップとしてECU40のROM42に保存しておき、NO流出量が上記所定流出量Qn2oaとなるような総運転時間を所定運転時間tdとして算出する。
【0078】
この場合、総運転時間が所定運転時間tdよりも短い場合には、NO流出量が上記所定流出量Qn2oaよりも少ないことを示しており、一方、総運転時間が所定運転時間td以上である場合にはNO流出量が所定流出量Qn2oa以上であることを示している。したがって、NO離脱処理を実行する際に、総運転時間が所定運転時間td以上である場合には、NO流出抑制手段によりNO流出抑制処理を実行する。ここで、NO触媒の劣化は回復できないものであるので、NO流出抑制処理としてNO触媒の劣化を回復させることはできない。したがって、本実施形態ではNO流出抑制処理として上述した第一〜第五実施形態におけるNO流出抑制処理が行われ、例えば、NO離脱処理を実行する際にNO触媒の温度がNO触媒の劣化を考慮して設定された所定温度以上になってからNO離脱処理が行われたり、NO離脱処理を実行する際にNO触媒に流入する排気ガスの酸素濃度がNO触媒の劣化を考慮して設定された所定酸素濃度以上としてNO離脱処理が行われたりする。なお、所定運転時間tdは、他のファクタ(NO触媒23の温度、流入排気ガスの酸素濃度、NO保持量、硫黄成分保持量等)に基づいて算出され、例えば、NO触媒23の温度が高い場合には所定運転時間tdも長く設定される。
【0079】
また、本発明の内燃機関の排気浄化装置では、NO触媒の劣化度合を推定することができる。このような例を、第六実施形態の変更例として以下に説明する。第六実施形態の変更例の構成は第六実施形態の構成と同様であるが、変更例ではNO触媒の排気上流側において、NO触媒23からのNO流出量を検出するためのNO流出量検出装置(NOセンサ(図示せず))が設けられている。
【0080】
ところで、NO触媒23の劣化を考慮せずにNO触媒23から流出する排気ガス中のNO流出量を推定した場合、すなわち上述したNO触媒23の温度、NO触媒23に流入する排気ガスの酸素濃度、NO触媒23のNO保持量および硫黄成分保持量等からNO流出量を推定した場合、推定されたNO流出量は、NO触媒23の劣化度合が低いときにはNOセンサによって検出されたNO流出量にほぼ等しいが、NO触媒23の劣化度合が高いときにはNOセンサによって検出されたNO流出量よりも多くなる。そして、推定されたNO流出量と検出されたNO流出量との差(以下、単に「NO流出量の差」と称す)が大きくなるほど、NO触媒23の劣化度合が大きい。したがって、上記NO流出量の差からNO触媒23の劣化度合を推定することができる。
【0081】
NO触媒23の劣化度合が変わると、上述したようにNO触媒23から流出するNO流出量が変わる。すなわち、NO触媒23の温度を例にすると、NO触媒23の劣化度合が高い程、NO離脱処理を実行したときにNO流出量が所定流出量以下となる温度が高くなる。
【0082】
そこで、第六実施形態の変更例では、例えば第一実施形態において設定される所定温度TをNO触媒23の劣化度合に応じて変更する。上述したように、上記所定温度Tは、例えばNO触媒23に流入する酸素濃度、還元剤の種類、NO触媒23のNO保持量および硫黄成分保持量等に応じて決定される。さらに、本変更例では、このようにして決定された所定温度TをNO触媒23の劣化度合に応じて変更する。
【0083】
より詳細には、上記NO流出量の差と補正温度ΔTとの関係を予め求め、マップとしてECU40のROM42に保存する。ここで、NO流出量の差と補正温度ΔTとの関係は、NO流出量の差が小さいときには補正温度ΔTも小さく、NO流出量の差が大きくなると補正温度ΔTも大きくなるような関係である。使用時には、NO流出量の差に基づいて上記マップから補正温度ΔTを算出し、この補正温度ΔTをNO触媒23の劣化度合以外のファクタに基づいて決定された所定温度Tに加算する。そして、実際の触媒温度Tcatが温度(T+ΔT)より高い場合にはNO離脱処理を実行し、実際の触媒温度Tcatが温度(T+ΔT)以下である場合には触媒温度Tcatを温度(T+ΔT)に昇温してからNO離脱処理を実行する。
【0084】
なお、上記第六実施形態の変更例では、劣化度合(すなわちNO流出量の差)に応じて補正温度を変更しているが、例えば、NO流出量の差が所定差以上となったときに補正温度を10℃程度上げる等、劣化度合を用いて他の方法で補正温度を変更してもよい。
【0085】
また、上記第六実施形態の変更例では、NO触媒の劣化度合に基づいてNO離脱処理時のNO触媒の温度を変更するようにしているが、NO触媒の劣化度合に基づいて硫黄成分離脱処理時のNO触媒の温度を変更する等、上述したようにして検出されたNO触媒の劣化度合を他の用途に用いてもよい。
【0086】
ところで、上述したように、NO触媒のNO保持量や硫黄成分保持量が多くなっているときには、NO触媒の劣化度合が高くなっているときと同様にNO流出量が増大する。このため、NO触媒23のNO保持量および硫黄成分保持量を考慮せずにNO流出量を推定している場合、NO触媒のNO保持量や硫黄成分保持量が多くなっているときには、NO触媒の劣化度合が低いにも関わらず、NO流出量が多くなってしまい、上記NO流出量の差が大きくなり、結果的にNO触媒の劣化度合が高くなっていると推定されてしまう。
【0087】
この場合、NO離脱処理または硫黄成分離脱処理を実行した後にNOセンサによってNO流出量を検出すれば、NO触媒のNO保持量や硫黄成分保持量が多いことによってNO触媒の劣化度合が高くなっていると推定されてしまうことが防止される。したがって、本変更例では、NO触媒23のNO保持量および硫黄成分保持量を考慮せずに上述したNO触媒23の温度、NO触媒23に流入する排気ガスの酸素濃度等に基づいてNO流出量を推定している場合、NO離脱処理または硫黄成分離脱処理を実行した後にNOセンサによってNO流出量を検出してもよい。
【0088】
ところで、上記第一〜第六実施形態から分かるように、NO流出量は、上述した六つのファクタ、すなわちNO触媒23の温度と、NO離脱処理を実行する際の還元剤の種類と、NO触媒23のNO保持量と、NO触媒23の硫黄成分保持量と、NO離脱処理を実行する際にNO触媒23に流入する排気ガスの酸素濃度と、NO触媒23の劣化度合とに応じて変化する。すなわち、NO流出量はこれらファクタの関数である。そこで、本発明では、上記第一〜第六実施形態のうち少なくとも二つの実施形態を組合せてもよい。このようにして上記実施形態を組合せた場合を第七実施形態として以下に説明する。特に、上記第一〜第六実施形態では各実施形態毎にそれぞれNO流出量推定手段とNO流出抑制手段とを有するが、本実施形態では第一〜第六実施形態のNO流出量推定手段のうち少なくとも一つのNO流出量推定手段と、第一〜第五実施形態のNO流出抑制手段のうち少なくとも一つの最適なNO流出抑制手段とを組合せることができる。この場合、例えば、NO流出量推定手段として上記ファクタのうちの二つのファクタからNO流出量を算出する。例えば、NO流出量が所定流出量Qn2oaとなる場合のファクタの値を予め実験的に求め、マップとしてECU40のROM42に保存する。そして、内燃機関の運転中に上記ファクタの値とマップからNO流出量が所定流出量Qn2oa以上になっていると推定される場合には、NO流出抑制手段によりNO抑制処理を実行する。
【0089】
また、本実施形態のNO流出抑制手段は、第一〜第五実施形態のNO抑制処理のうち少なくとも一つの最適なNO抑制処理を選択して実行する。ところで各NO抑制処理は、実行の可否や燃費向上や内燃機関の運転の安定性(ドライバビリティ)の観点から、その時の内燃機関の運転状態に適している場合と、適していない場合とがある。そこで、本変更例のNO流出抑制手段は、内燃機関の運転状態に応じて燃費、内燃機関の運転の安定性等が最も有利になるように、上記NO抑制処理のうち最適なNO抑制処理を選択して実行する。
【0090】
次に、第七実施形態の例として、第一実施形態と第二実施形態との組み合わせた場合の組合せ例について図5を参照して以下に説明する。
【0091】
上記第二実施形態で示したようにNO触媒23に流入する排気ガス中に還元剤を混入させるために還元剤添加装置を設けた場合、安定して一種類またはそれ以上の還元剤をNO触媒23に流入させることができる。ところが、内燃機関の燃焼室に多量のEGRガスを充填して燃焼室内のガスを低温で燃焼させる(以下、「低温燃焼制御」と称す)ことによって排気ガス中の一酸化炭素の量を増大させることによって一酸化炭素を還元剤とする場合、一酸化炭素の量を増大させることは常に実行することができるわけではなく、内燃機関の運転状態に応じて実行の可否が変化する。したがって、この場合、還元剤として常に一酸化炭素を常に利用することはできない。
【0092】
そこで、本組合せ例では、使用可能な還元剤を使用してNO離脱処理を実行したときにNO流出量が所定流出量Qn2oa以下に維持されるような温度に昇温してから、上記還元剤を使用してNO離脱処理を実行する。例えば、還元剤として一酸化炭素および炭化水素のいずれを用いることも可能である場合、NO処理を実行する直前のNO触媒23の温度が第二の温度Tよりも高いときには還元剤として一酸化炭素を用いてNO離脱処理をすぐに実行し、NO離脱処理を実行する直前のNO触媒23の温度が第二の温度T以下であるときには、NO触媒23の昇温処理を実行してNO触媒23の温度を少なくとも第二の温度Tよりも高い温度に上昇させてから還元剤として一酸化炭素を用いてNO離脱処理を実行する。一方、還元剤として炭化水素のみしか使用することができない場合、NO離脱処理を実行する直前のNO触媒23の温度が第一の温度Tよりも高い場合にはすぐにNO離脱処理を実行するが、NO離脱処理を実行する直前のNO触媒23の温度が第一の温度T以下であるときには、NO触媒23の昇温処理を実行してNO触媒23の温度を少なくとも第一の温度Tよりも高い温度に上昇させてからNO離脱処理を実行する。こうすることにより、NO触媒23の昇温処理を実行することによるエネルギ消費を最小限に抑えつつ、NO流出量を常に所定流出量以下に抑えることができる。
【0093】
次に、図10を参照して上記組合せ例におけるNO抑制制御の制御ルーチンについて説明する。まず、ステップ161において温度センサ25によってNO触媒23の温度Tcatが検出される。次いで、ステップ162において、還元剤として一酸化炭素を利用することが可能であるか否かが判定される。ステップ162において一酸化炭素を利用することが可能であると判定された場合にはステップ163へと進む。ステップ163では、NO触媒23の温度Tcatが第二の温度T以下であるか否かが判定され、第二の温度Tよりも高いと判定された場合にはステップ165へと進む。ステップ163においてNO触媒23の温度Tcatが第二の温度T以下であると判定された場合には、ステップ164へと進む。ステップ164では、NO触媒23の温度Tcatが少なくとも第二の温度Tに到達するまでNO触媒23の昇温処理が実行され、ステップ165へと進む。ステップ165では、還元剤として一酸化炭素を用いてNO離脱処理が実行され、制御ルーチンが終了せしめられる。
【0094】
一方、ステップ162において、還元剤として一酸化炭素を利用することが不可能であると判定された場合には、ステップ166へと進む。ステップ166では、NO触媒23の温度Tcatが第一の温度T以下であるか否かが判定され、NO触媒23の温度Tcatが第一の温度Tよりも高いと判定された場合にはステップ165へと進む。ステップ166において、NO触媒23の温度Tcatが第一の温度T以下であると判定された場合には、ステップ167へと進む。ステップ167では、NO触媒23の温度Tcatが第一の温度Tに到達するまでNO触媒23の昇温処理が実行され、ステップ168へと進む。ステップ168では、還元剤として炭化水素を用いてNO離脱処理が実行され、制御ルーチンが完了せしめられる。
【0095】
次に、本発明の第八実施形態の排気浄化装置について説明する。第八実施形態の排気浄化装置の構成は、上記実施形態の構成と基本的に同様であるが、NO触媒23からのNO流出量を検出するためのNO流出量検出装置(NOセンサ)がNO流出量推定手段として設けられる。そして、第八実施形態の排気浄化装置では、NOセンサによって検出された実際のNO流出量と上記所定流出量Qn2oaを比較し、それに応じてNO離脱処理を実行する。より詳細には、NO触媒23に対してNO離脱処理を実行すべきときに、NOセンサによって検出されたNO流出量、すなわちNO触媒23からのNO流出量が所定流出量Qn2oaよりも少ない場合にはすぐにNO離脱処理を実行し、検出されたNO流出量が所定流出量Qn2oaよりも多い場合にはNO流出抑制手段によりNO抑制処理を実行してからNO離脱処理を実行する。
【0096】
次に、本発明の第九実施形態の排気浄化装置について説明する。第九実施形態の排気浄化装置の構成は、図11に示したように、基本的に上記実施形態の排気浄化装置と同様であるが、還元剤添加装置32を具備している。また、第九実施形態の排気浄化装置は、通常運転時の排気空燃比がほとんどリーンであるような内燃機関において特に用いられ、以下ではこのような内燃機関において用いた場合について説明する。
【0097】
ところで、上述したように、NO離脱処理を実行する際には、NO触媒23に流入する排気ガスの酸素濃度が高いほど、NO触媒23から離脱したNOがNOに転化しやすい。ここで、NO離脱処理として、機関排気空燃比をリッチにして、NO触媒23への流入排気空燃比をリッチにする場合と、還元剤添加装置から還元剤を添加することによって流入排気空燃比をリッチにする場合とを比較してみる。機関排気空燃比をリッチにする場合、ほとんどの酸素が燃焼室5内で燃料等と反応するので、その排気ガスの酸素濃度は低い。一方、還元剤添加装置32から還元剤を添加して流入排気空燃比をリッチにする場合には、排気ガスに還元剤が添加されてからその排気ガスがNO触媒23に到達するまでには一部の酸素と還元剤とのみが反応するので、NO触媒23に流入するときのその排気ガスの酸素濃度は、上記機関排気空燃比をリッチにする場合に比べて高い。したがって、酸素濃度をより低くしつつNO触媒23への流入排気空燃比をリッチにするという観点では、機関排気空燃比をリッチにする方が好ましい。
【0098】
一方、機関排気空燃比をリッチにするのは、上述した低温燃焼制御、ポスト噴射制御、吸気絞り制御(以下、総称して「機関排気空燃比低下手段」と称す)によって行われるが、これら制御は燃焼室5内での燃焼に直接影響を及ぼすので、機関出力等に変動が生じてしまい、運転の安定性(ドライバビリティ)が悪化してしまう。これに対して、還元剤添加装置から還元剤を添加する場合には、機関本体1から完全に排出された後の排気ガスに還元剤を添加するので、還元剤の添加は燃焼室5内での燃焼にはほとんど影響を及ぼさず、よって機関出力等に変動が生じてしまうこともない。したがって、運転の安定性(ドライバビリティ)の観点では、燃料添加装置から燃料を添加して排気ガスの空燃比をリッチにするほうが好ましい。
【0099】
そこで、第九実施形態の排気浄化装置では、NO離脱処理を実行する際には、機関排気空燃比低下手段によって機関排気空燃比を低下させることと、還元剤添加装置から還元剤を添加することとを同時に行って流入排気空燃比をリッチにする。より詳細には、機関排気空燃比低下手段によって機関排気空燃比はリーンの範囲内で低下せしめられ、すなわち機関出力等に大きな変動が起こらない程度に低下せしめられる。したがって、内燃機関から排出される排気ガスはその空燃比がリーンでありながらも比較的酸素濃度が低くなっている。そして、このように機関排気空燃比が低下せしめられた排気ガスに流入排気ガスがリッチになるように還元剤添加装置から還元剤が添加される。こうして、本実施形態の排気浄化装置では、NO離脱処理の実行時に、機関出力等に大きな変動を起こさないようにしつつ且つ酸素濃度を比較的低く抑えつつ空燃比がリッチとされた排気ガスがNO触媒に流入せしめられる。このため、本実施形態の排気浄化装置によれば、NO離脱処理の実行時において、還元剤添加装置からの還元剤の添加のみによって流入排気空燃比をリッチする場合に比べて、NO流出量を抑制することができる。
【0100】
なお、上記第九実施形態の排気浄化装置によれば、NO触媒23に流入する排気ガスの酸素濃度を低下させて、NO流出量を抑制すること以外にも下記の様な効果を得られる。
【0101】
まず、上述したように酸素濃度が低減されるので、NO離脱処理中に反応式(5)の反応がNO触媒23の触媒(白金等)で行われることが少なくなる。よって、NO触媒23の触媒は、ほとんど反応式(6)の反応を進めるためにのみ用いられるので、NO離脱処理中にNO触媒23に保持されているNOが良好に還元・浄化される。
+O→CO+HO (5)
+NO→CO+HO+N (6)
【0102】
また、還元剤添加装置から添加する還元剤として燃料を添加した場合、すなわち炭素数の多いHC(以下、「重質HC」と称す)を添加した場合、この重質HCの多くは、そのままNO触媒23に流入する。一方、機関排気空燃比低下手段によって機関排気空燃比を低下させた場合には、内燃機関の燃焼室5においける反応により、燃料は炭素数の少ないHC(以下、「軽質HC」と称す)やCOとなっており、その後少量の重質HCを還元剤添加装置から添加しても、NO触媒23に流入する排気ガス中の還元剤のほとんどは軽質HCやCOである。したがって、本実施形態によれば第二実施形態で説明したNO流出量をより抑制することができる還元剤を多く含む排気ガスをNO触媒23に流入させることができる。
【0103】
また、還元剤の種類によってNO触媒23に保持されているNOが還元される度合(以下、「NO還元率」と称す)が異なり、図12に示したようにCOのNO還元率が最も高く、重質HCのNO還元率が最も低い。したがって、本実施形態の排気浄化装置によれば、NO還元率の高い還元剤を多く含む排気ガスをNO触媒23に流入させることができる。なお、図12では、重質HCとしてC1012のNO還元率を、軽質HCとしてCのNO還元率を示している。
【0104】
さらに、上記吸気絞り制御や低温燃焼制御によって機関排気空燃比を低下させた場合、還元剤添加装置32によって還元剤を添加して流入排気空燃比を低下させた場合に比べて、NO触媒23に流入する排気ガスの体積流量が少なくなる。すなわち、吸気絞り制御を行う場合、スロットルバルブ17が絞られることにより燃焼室5に流入する吸気ガスが減少し、その結果、排気ガスの体積流量も減少する。また、低温燃焼制御を行う場合、EGRガスとして吸気ガスに混入させる排気ガスが増加されるため、内燃機関から排出された排気ガスが多量にEGR通路へ流入し、結果として、NO触媒に流入する排気ガスの体積流量が減少する。
【0105】
一方、図13に示したように、排気ガスの体積流量が多い場合には、排気ガス中に含まれる還元剤が酸素やNOと反応せずにNO触媒を通過してしまうことが多くなるので、NO還元率は低く、逆に、排気ガスの体積流量が少ない場合には、排気ガス中に含まれる還元剤がNOと反応せずにNO触媒を通過してしまうことが少なくなり、還元剤と酸素およびNOとが反応し易くなるので、NO還元率は高い。したがって、吸気絞り制御や低温燃焼制御によって機関排気空燃比を低下させると、還元剤添加装置32によって還元剤を添加して流入排気空燃比を低下させる場合に比べて、NO触媒23に流入する排気ガスの体積流量が少なくなることにより、NO還元率が高くなる。よって、本実施形態のように、吸気絞り制御や低温燃焼制御によって機関排気空燃比を低下させつつ還元剤添加装置32によって還元剤を添加することで、還元剤添加装置32から還元剤を添加することのみによって流入排気空燃比を低下させる場合に比べて、NO触媒23に流入する排気ガスの体積流量が少なくなるという観点からもNO還元率を高めることができる。
【0106】
第九実施形態の排気浄化装置について、より具体的に説明する。なお、以下の説明では、第九実施形態を第一実施形態の変更例に組み合わせた場合について説明するが、第九実施形態の排気浄化装置は機関排気空燃比低下手段によって空燃比が低下せしめられた機関排気ガスに上記還元剤添加装置から還元剤を添加することによってNO離脱処理を実行すれば如何なる手順でNO離脱処理を実行してもよい。
【0107】
図14に示したように、本実施形態の内燃機関では、定常時にNO触媒23への流入排気空燃比がリーンとなっている。そして、NO触媒23のNO保持量が一定保持量以上となった場合に、NO触媒23の温度が上記所定温度よりも低いときには、NO触媒23の昇温処理として、機関排気空燃比低下手段であるポスト噴射制御によって機関排気空燃比が低下せしめられる。このとき、機関排気空燃比は理論空燃比に近いリーンとされる。その後、NO触媒23の温度が上記所定温度以上になると、上記ポスト噴射制御によって機関排気空燃比を低下させた状態にしつつ(図中のα)、還元剤添加装置32から還元剤を添加し、流入排気空燃比をリッチにする(図中のβ)。その後、NO触媒23のNO保持量がほぼ零になると、ポスト噴射制御および還元剤添加装置32からの還元剤の添加が中止される。
【0108】
次に、本発明の第九実施形態の排気浄化装置の変更例について説明する。第九実施形態の変更例の構成は基本的に第九実施形態の排気浄化装置の構成と同様であるが、図11に示したようにEGRガス冷却装置28をバイパスするためのバイパス通路33が設けられる。また、EGR通路26からバイパス通路33への分岐地点には流量調整弁34が設けられ、この流量調整弁34はEGRガス冷却装置28およびバイパス通路33へ流入するEGRガスの流量を調整する。また、本変更例では、NO離脱処理を実行するときに、低温燃焼制御によって機関排気空燃比を低下させると共に、還元剤添加装置32から還元剤を添加することによって、流入排気空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチとされる。
【0109】
さらに、本変更例では、NO離脱処理中に低温燃焼制御を行っている場合には、流量調整弁34はほとんどのEGRガスがEGRガス冷却装置を通らずにバイパス通路33を通るように切り替えられる。したがって、吸気ガス中には、冷却されていない高温のEGRガスが混入せしめられる。このため、燃焼室5に流入するEGRガスを含んだ吸気ガスは比較的高温となっており、結果的に機関本体1から排出される排気ガスも高温となっている。
【0110】
このように、本変更例では、NO離脱処理の実行において、機関本体1から排出される排気ガスが高温であるため、NO触媒23の温度も高くなる。そして、上述したようにNO触媒23の温度が高くなると、NO触媒23からのNO流出量が抑制される。したがって、本変更例では、NO離脱処理の実行時に、EGRガス冷却装置をバイパスさせたEGRガスを吸気ガス中に混入させることで、NO触媒23を昇温することができる。
【0111】
なお、上記変更例ではNO離脱処理時にEGRガス冷却装置をバイパスさせたEGRガスを吸気ガス中に混入しているが、昇温処理等、機関排気空燃比を低下させる処理を実行するときであって排気ガスの温度を高めるべきときであればいつでも上記EGRガスを冷却せずに吸気ガス中に混入してもよい。特に、昇温処理中には、このような制御を行うことにより早期にNO触媒23を昇温することができる。
【0112】
なお、NO触媒23からのNO流出量は上記ファクタ(NO触媒23の温度、還元剤の種類、NO保持量、硫黄成分保持量、酸素濃度、NO触媒23の劣化度合)以外にも、NO触媒23に流入する排気ガスの流量に応じて変化し、流入する排気ガスの流量が多くなればNO流出量も多くなり、流入する排気ガスの流量が少なくなればNO流出量も少なくなる。したがって、上記各実施形態では、NO触媒23からのNO流出量の所定流出量Qn2oaはNO触媒23に流入する排気ガスの流量に応じて補正され、NO触媒23に流入する排気ガスの流量が多くなれば所定流出量Qn2oaも多くされ、NO触媒23に流入する排気ガスの流量が少なくなれば所定流出量Qn2oaも少なくされる。あるいは、NO触媒23からのNO流出量ではなく、NO選択率(NOを還元する際にNOがNOに転化される割合、特に第一〜第七実施形態ではNO触媒23から離脱せしめられたNOのうちNOに転化される割合)を基準にNO抑制処理を実行してもよい。この場合、NO選択率が所定選択率よりも高い場合に、NO抑制処理が実行される。
【0113】
また、上記実施形態において、NO触媒23に対するNO離脱処理を実行する前にNO流出量を推定するとしたが、もちろん、NO触媒23に対するNO離脱処理が行われている間、その時にNO触媒23から排気下流に流出しているNO流出量Qn2oを推定し、推定されたNO流出量Qn2oが所定流出量Qn2oaを超える場合にはNO流出抑制手段によってNO流出量を少なくするように制御してもよい。例えば、酸素濃度検出手段としてOセンサを用い、NO触媒23に対するNO離脱処理が行われている間にNO触媒23に流入する排気ガスの酸素濃度をOセンサによって検出し、検出された酸素濃度が所定酸素濃度Coaよりも高い場合にはNO流出抑制処理を実行するようにしてもよい。
【0114】
また、上記実施形態において、排気浄化触媒としてNO触媒を用いているが、三元触媒や、流入排気空燃比がリーンのときにもNOを還元することができるリーンNO触媒であってもよい。この場合、NO流出量推定手段は触媒の温度、触媒に流入する排気ガスの酸素濃度に基づいてNO流出量を推定し、およびNO流出抑制手段はこれら二つのファクタを変更してNOの流出を抑制する。もちろん、NO触媒と同様にNOの保持能力があれば、パティキュレートフィルタ等、如何なる排気浄化触媒であってもよい。
【0115】
また、上記実施形態では、NO流出量推定手段によって推定されたNO離脱処理を実行したときのNO流出量が所定流出量以上であった場合には、NO流出抑制手段によってNO抑制処理を実行してから、NO離脱処理を実行するようにしているが、NO抑制処理を実行せずに、NO離脱処理を実行してもNO流出量が所定流出量よりも少なくなるまで待ってから、NO離脱処理を実行してもよい。例えば、NO離脱処理を実行すべきときにNO触媒23の温度が図1の所定温度Tよりも低い場合には、NO触媒23の温度がNO抑制処理以外の処理によって所定温度T以上になるのを待ってから、NO離脱処理を実行する。
【0116】
最後に、本発明のNO触媒23による排気ガスの浄化メカニズム、特に排気ガス中のNOの保持・離脱および還元浄化作用について図15を参照して説明する。NO触媒23は、例えばカリウムK、ナトリウムNa、リチウムLi、セシウムCsのようなアルカリ金属、バリウムBa、カルシウムCaのようなアルカリ土類、ランタンLa、イットリウムYのような希土類から選ばれた少なくとも一つであるNO保持剤と、白金(Pt)のような貴金属とから成る。
【0117】
ここで、このNOの保持・離脱および還元浄化作用のメカニズムについて白金(Pt)およびバリウム(Ba)を担持させた場合を例にとって説明するが他の貴金属、アルカリ金属、アルカリ土類、希土類を用いても同様なメカニズムとなる。なお、図15(A)および(B)はNO触媒23の隔壁の表面上および隔壁の細孔表面上に形成された担体層の表面の拡大図を模式的に表している。図15(A)および(B)において60は白金の粒子を示しており、61はバリウム等のNO保持剤を含む担体層を示している。
【0118】
流入排気空燃比がかなりリーンになると排気ガス中の酸素濃度が大幅に増大し、図15(A)に示されるようにこれら酸素がO またはO2−の形で白金60の表面に付着する。一方、流入する排気ガス中のNOは白金60の表面上でO またはO2−と反応し、NOとなる(2NO+O→2NO)。次いで生成されたNOの一部は白金60上で更に酸化されつつNO保持剤61内に吸収されて酸化バリウム(BaO)と結合しながら、図15(A)に示されるように硝酸イオン(NO )の形でNO保持剤61内に拡散する。このようにしてNOがNO保持剤61に保持される。
【0119】
流入する排気ガス中の酸素濃度が高い限り白金60の表面でNOが生成され、NO保持剤61のNO保持能力が飽和しない限りNOがNO保持剤61に保持されて硝酸イオン(NO )が生成される。これに対して排気ガス中の酸素濃度が低下してNOの生成量が低下すると反応が逆方向(NO →NO)に進み、斯くしてNO保持剤61内の硝酸イオン(NO )がNOの形でNO保持剤から放出される。すなわち、流入する排気ガス中の酸素濃度が低下するとNO保持剤61からNOが離脱せしめられることになる。流入する排気ガスのリーンの度合いが低くなれば排気ガス中の酸素濃度が低下し、したがって流入する排気ガスのリーンの度合いを低くすればNO保持剤61からNOが離脱せしめられることになる。
【0120】
一方、この時流入排気空燃比を小さくすると、HC、COは白金60上のO またはO2−と反応して酸化せしめられる。また、流入排気空燃比を小さくすると排気ガス中の酸素濃度が極度に低下するためにNO保持剤61からNOが離脱され、このNOは図15(B)に示されるように未燃HC、COと反応して還元浄化せしめられる。このようにして白金60の表面上にNOが存在しなくなるとNO保持剤61から次から次へとNOが離脱される。したがって流入排気空燃比を小さくし、且つ還元剤が存在する状態にすると短時間のうちにNO保持剤61からNOが離脱されて還元浄化されることになる。
【0121】
なお、本明細書において、NO触媒からNOまたは硫黄成分を離脱させるときに、流入排気空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチにすると説明したが、実際には流入する排気ガスの酸素濃度が所定の酸素濃度よりも低くなることによってNO触媒からNOや硫黄成分が離脱し易くなる。したがって、上述した実施形態における「排気ガスの空燃比(排気空燃比)をほぼ理論空燃比またはリッチにする」という説明は「流入する排気ガスの酸素濃度を所定の酸素濃度以下にする」ことを意味する。
【0122】
また、本明細書において「保持」という用語は、NOを硝酸塩等の形で蓄積する場合の「吸収」およびNOをNO等の形で吸着する「吸着」の両方の意味を含むものとして用いる。また、NO触媒からの「離脱」という用語についても、「吸収」に対応する「放出」の他、「吸着」に対応する「脱離」の意味も含むものとして用いる。
【0123】
【発明の効果】
本発明によれば、NO触媒から排気下流に流出する排気ガス中のNOの量であるNO流出量が常に所定量以下に抑えられるので、NOの流出量が少ない排気浄化装置が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の排気浄化装置を備えた内燃機関の全体の図である。
【図2】NO触媒の温度とNO流出量との関係を示す図である。
【図3】第一実施形態におけるNO流出抑制制御の制御ルーチンのフローチャートである。
【図4】第一実施形態の変更例におけるNO触媒への流入排気空燃比とNO触媒の温度とのタイムチャートである。
【図5】各種還元剤を用いてNO離脱処理を実行した場合のNO触媒の温度とNO流出量との関係を示す図である。
【図6】第二実施形態におけるNO流出抑制制御の制御ルーチンのフローチャートである。
【図7】NO触媒の酸素濃度とNO流出量との関係を示す図である。
【図8】NO触媒のNO保持量とNO流出量との関係を示す図である。
【図9】NO触媒の硫黄成分保持量とNO流出量との関係を示す図である。
【図10】第七実施形態におけるNO流出抑制制御の制御ルーチンのフローチャートである。
【図11】第九実施形態について示した図1と同様な図である。
【図12】還元剤の種類とNO還元率との関係を示す図である。
【図13】NO触媒に流入する排気ガスの体積流量とNO還元率との関係を示す図である。
【図14】第九実施形態における図4と同様な図である。
【図15】NO触媒におけるNOの保持および離脱を説明するための図である。
【符号の説明】
5…燃焼室
23…排気浄化触媒、NO触媒
25…温度センサ
40…ECU

Claims (12)

  1. 内燃機関の排気通路上に配置された排気浄化触媒と、該排気浄化触媒からのNO流出量を推定するためのNO流出量推定手段と、上記NO流出量を減少させるためのNO流出抑制手段とを具備し、上記NO流出量推定手段によって推定されるNO流出量が所定量以上である場合には、上記NO流出抑制手段によって排気浄化触媒からのNO流出量を減少させるようにしたことを特徴とする内燃機関の排気浄化装置。
  2. 上記NO流出量推定手段は、排気浄化触媒の温度と、排気浄化触媒に流入する排気ガス中の酸素濃度と、排気浄化触媒の劣化度合とのうちの少なくともいずれか一つに基づいて排気浄化触媒からのNO流出量を推定する請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  3. 上記NO流出抑制手段は、排気浄化触媒の温度をNO流出量が上記所定量よりも少なくなるような温度以上に上昇させる請求項1または2に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  4. 上記排気浄化触媒は、流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中のNOを保持すると共に、流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチのときには保持しているNOを離脱させるNO触媒であり、該NO触媒に流入する排気ガスの空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチにしてNO触媒が保持しているNOを離脱させるNO離脱処理を実行するNO離脱手段をさらに具備する請求項1に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  5. 上記NO流出量推定手段は、排気浄化触媒の温度と、排気浄化触媒に流入する排気ガス中の酸素濃度と、排気浄化触媒の劣化度合と、NO触媒に保持されているNO量およびNO触媒に保持されている硫黄成分量のうちの少なくともいずれか一つに基づいてNO触媒からのNO流出量を推定する請求項4に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  6. 上記NO流出量推定手段は、NO離脱処理を実行する前にNO離脱処理を実行した場合のNO触媒からのNO流出量を推定し、上記NO流出抑制手段は、推定されたNO流出量が上記所定量以上であるときには、NO流出量が該所定量よりも少ないと推定されるまでNO離脱処理を禁止する請求項4または5に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  7. 上記NO流出抑制手段は、さらに、推定されたNO流出量が上記所定量よりも少なくなるような温度にまでNO触媒を昇温してから上記NO離脱手段によってNO離脱処理を実行する請求項6に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  8. 上記NO触媒の昇温は該NO触媒に流入する排気ガス中に還元剤を含有させる還元剤混入手段によって行われ、上記還元剤混入手段はNO離脱処理を実行するまでNO触媒に流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリーンとなるように還元剤を含有させる請求項7に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  9. 上記NO離脱手段はNO触媒に流入する排気ガス中に還元剤を含有させる還元剤混入手段であり、上記NO流出抑制手段は、排気ガスに含有させる還元剤としてNO触媒からのNO流出量が上記所定量よりも少なくなるような還元剤を還元剤混入手段に選択させる請求項4〜8のいずれか一つに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  10. 上記NO触媒の排気上流側において機関排気通路を通過する排気ガスに還元剤を添加する還元剤添加装置と、内燃機関本体から排出される機関排気ガスの空燃比を所定範囲内に低下させる機関排気空燃比低下手段とをさらに具備し、上記NO流出抑制手段は、上記機関排気空燃比低下手段によって空燃比が低下せしめられた機関排気ガスに上記還元剤添加装置から還元剤を添加することによってNO離脱処理を実行するようにした請求項4〜7のいずれか一つに記載の内燃機関の排気浄化装置。
  11. 機関排気通路から機関吸気通路へ排気ガスを戻す排気再循環通路をさらに具備し、該排気再循環通路には該排気再循環通路を通過する排気ガスを冷却する再循環ガス冷却装置が設けられると共に、該再循環ガス冷却装置をバイパスさせる冷却装置バイパス通路が設けられ、上記機関排気空燃比低下手段は再循環ガス冷却装置を通さずに冷却装置バイパス通路を通して排気ガスを機関吸気通路へ戻しつつ機関排気ガスの空燃比を低下させる請求項10に記載の内燃機関の排気浄化装置。
  12. 流入する排気ガスの空燃比がリーンのときには排気ガス中のNOを保持すると共に、流入する排気ガスの空燃比がほぼ理論空燃比またはリッチのときには保持しているNOを離脱させるNO触媒が機関排気通路上に設けられ、該NO触媒の排気上流側において機関排気通路を通過する排気ガスに還元剤を添加する還元剤添加装置と、内燃機関本体から排出される機関排気ガスの空燃比を所定範囲内に低下させる機関排気空燃比低下手段とを具備する内燃機関の排気浄化装置において、
    機関排気空燃比低下手段によって空燃比が低下せしめられた機関排気ガスに還元剤添加装置から還元剤を添加することによってNO触媒に流入する排気ガスの空燃比をほぼ理論空燃比またはリッチにするようにした内燃機関の排気浄化装置。
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